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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093303
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】オルガンタイプの電子式ペダル装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 5/03 20080401AFI20230627BHJP
   G05G 1/30 20080401ALI20230627BHJP
   G05G 1/38 20080401ALI20230627BHJP
   B60T 7/06 20060101ALI20230627BHJP
   B60T 7/02 20060101ALI20230627BHJP
   B60K 26/02 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
G05G5/03 A
G05G1/30 E
G05G1/38
B60T7/06 E
B60T7/02 D
B60T7/06 B
B60K26/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120742
(22)【出願日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0185246
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】522302677
【氏名又は名称】キョンチャン インダストリアル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム, ウン シク
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヒョン ウク
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジ ス
(72)【発明者】
【氏名】ハン, ゾン ファン
【テーマコード(参考)】
3D037
3D124
3J070
【Fターム(参考)】
3D037EB02
3D037EB03
3D037EB04
3D037EB19
3D037EB25
3D124AA35
3D124BB01
3D124CC03
3D124CC04
3D124CC14
3D124CC51
3D124DD14
3D124DD26
3D124DD42
3J070AA32
3J070BA19
3J070BA21
3J070BA51
3J070CA51
3J070CB01
3J070CB11
3J070CB37
3J070CC71
3J070DA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】踏力、ストローク、ヒステリシス操作力のチューニングを可能にし、構成の単純化、パッケージの縮小及びコスト削減を図ることができるオルガンタイプの電子式ペダル装置を提供する。
【解決手段】ペダルハウジングと、前記ペダルハウジングに回転可能に結合され、ドライバーによって操作されるペダルパッドと、前記ペダルハウジングに対して回転可能に設置され、上側がペダルパッドの内側に挿入されてペダルパッドの内面と接触し、ペダルパッドの回転時にペダルパッドとの摩擦力でヒステリシスを発生するヒステリシスレバーと、前記ペダルパッドとヒステリシスレバーに両端が支持されるように設置されたスプリングモジュールと、を含み、前記ペダルハウジングに固定され、ペダルパッドに連結され、ペダルパッドの回転時にペダル機能関連信号を発生する複数のストロークセンサーをさらに含むことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルハウジングと、
前記ペダルハウジングに回転可能に結合され、ドライバーによって操作されるペダルパッドと、
前記ペダルハウジングに対して回転可能に設置され、上側がペダルパッドの内側に挿入されてペダルパッドの内面と接触し、ペダルパッドの回転時にペダルパッドとの摩擦力でヒステリシスを発生するヒステリシスレバーと、
前記ペダルパッドとヒステリシスレバーに両端が支持されるように設置されたスプリングモジュールと、を含むことを特徴とするオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項2】
前記ペダルハウジングに固定され、ペダルパッドに連結され、ペダルパッドの回転時にペダル機能関連信号を発生する複数のストロークセンサーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項3】
前記ペダルパッドは、ドライバーの足で操作されるパッド面が備えられ、スプリングモジュールの一端が内側に挿入されて設置され、ヒステリシスレバーの上側が内側に挿入されるボックス状のパッド部と、
前記パッド部の内面に結合され、ヒステリシスレバーとの接触で摩擦力を発生するパッド部摩擦板と、
前記パッド部と一端が連結され、他端にヒンジピンが結合されたペダルアーム部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項4】
前記パッド部と前記ペダルアーム部はL字状に連結されたことを特徴とする請求項3に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項5】
前記ペダルアーム部におけるヒンジピンの上側にセンサーピンが備えられ、
前記センサーピンはストロークセンサーのセンサーレバーと結合されたことを特徴とする請求項3に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項6】
前記パッド部は、ペダルハウジングに形成されたハウジング孔を貫通してペダルパッドの回転に応じてペダルハウジング内に挿入されるか或いはペダルハウジングから突出し、
前記ペダルアーム部は、ペダルパッドの回転に関係なく、常にペダルハウジンク内に位置することを特徴とする請求項3に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項7】
前記ペダルハウジングには、パッド部が貫通するハウジング孔が形成され、
前記ハウジング孔の縁に沿って異物流入防止ガイドが結合されたことを特徴とする請求項3に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項8】
前記異物流入防止ガイドは、
ハウジング孔の縁に沿って固定されるように結合される固定部と、
前記固定部から延び、パッド部の外面に接触してパッド部との間の隙間をなくすテンション部と、を含むことを特徴とする請求項7に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項9】
前記ペダルハウジングの内部底面には、ペダルハウジングの内部に流入した異物を外部へ排出するための異物排出孔が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項10】
前記ペダルハウジングの内部底面には、ペダルハウジングの内部に流入した異物がストロークセンサー側に浸透することを遮断するための異物浸透防止顎部が突出するように形成されたことを特徴とする請求項2に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項11】
前記ヒステリシスレバーは、
スプリングモジュールの下端が支持され、後方端部がレバー軸を中心にペダルハウジングに対して回転可能に設置されるプレート部と、
前記プレート部から上方に延設され、パッド部の内側に挿入されるレバー部と、
前記レバー部の端から突出して設けられ、パッド部摩擦板に接触するレバー摩擦部と、を含み、
前記ヒステリシスレバーは、ペダルハウジング内に位置するように設置されたことを特徴とする請求項3に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項12】
前記パッド部の上面、パッド部摩擦板及びレバー摩擦部は、それぞれの中心部から両側方向に下方傾斜した傾斜面で形成され且つ互いに同じ形状に形成され、
前記パッド部摩擦板と前記レバー摩擦部は互いに面接触で設置されたことを特徴とする請求項11に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項13】
前記パッド部摩擦板は、パッド部の長さ方向に沿ってペダルパッドの回転半径と同じ円弧状に形成されることで、ペダルパッドの回転時にレバー摩擦部との常時接触状態を維持することを特徴とする請求項11に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項14】
前記パッド部がペダルハウジング内に挿入される回転を行うとき、スプリングモジュールのスプリング力が増加し、スプリング力によるヒステリシスレバーの回転でレバー摩擦部がパッド部摩擦板を加圧する力が増加して摩擦力が上昇し、上昇する摩擦力によってペダルパッドの操作時にヒステリシスが実現されることを特徴とする請求項11に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項15】
前記プレート部には、ペダルパッドの回転時にペダルアーム部との接触で弾性変形しながら踏力を生成するゴムダンパーが結合されたことを特徴とする請求項11に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項16】
前記プレート部と前記レバー部はL字状に連結されたことを特徴とする請求項11に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項17】
前記ヒステリシスレバーは、
スプリングモジュールの下端が支持されるプレート部と、
前記プレート部から上方に延設され、パッド部の内側に挿入されるレバー部と、
前記レバー部の端から突出して設けられ、パッド部摩擦板に接触するレバー摩擦部と、
前記レバー部から後方に離隔したプレート部の両側から上方に延びて設けられ、端部がペダルハウジングに対して回転可能に結合される一対の側面部と、を含み、
前記ヒステリシスレバーは、ペダルハウジング内に位置するように設置されたことを特徴とする請求項3に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項18】
前記スプリングモジュールは、
ロッド部が備えられ、パッド部の内面に設置された上部カバーと、
前記ロッド部が挿入される内側ガイド溝及び外側ガイド溝が形成され、ヒステリシスレバーに設置された下部カバーと、
前記下部カバーの外側ガイド溝に嵌合されて固定されるゴムストッパーと、
前記下部カバーの外側ガイド溝に嵌合されて移動可能に設置されたスプリングガイドと、
前記上部カバーとスプリングガイドの一面に両端が支持されるように設置された上部スプリングと、
前記下部カバーとスプリングガイドの他面に両端が支持されるように設置された下部スプリングと、
前記スプリングガイドを貫通して上部カバーと下部カバーに両端が支持されるように設置されたセンタースプリングと、を含むことを特徴とする請求項3に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項19】
前記上部スプリング、下部スプリング及びセンタースプリングの長さは、センタースプリングが最も長く、下部スプリングが最も短く、上部スプリングがセンタースプリングと下部スプリングの中間の長さであることを特徴とする請求項18に記載のオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【請求項20】
ペダルハウジングにペダルパッド及びヒステリシスレバーが回転可能に設置されながら、ヒステリシスレバーの上側がペダルパッドの内側に挿入されてペダルパッドの内面と互いに接触するように設置され、
前記ペダルパッドの回転中心がヒステリシスレバーの回転中心よりもさらに後方に位置し、
前記ペダルパッドのパッド部がペダルハウジング内に挿入される回転時にペダルパッドとヒステリシスレバーの回転軌跡の差異によってヒステリシスレバーとペダルパッドとの接触力が増加するにつれて摩擦力が上昇し、上昇する摩擦力によってペダルパッドの操作時にヒステリシスが実現されることを特徴とするオルガンタイプの電子式ペダル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルガンタイプの電子式ペダル装置に係り、より詳しくは、ヒステリシスレバーの部品変更によって、ドライバーが要求する踏力(pedal effort)、ストローク(stroke)、ヒステリシス(hysteresis)操作力のチューニングが可能なオルガンタイプの電子式ブレーキペダル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両のペダル装置は、装着構造によって、ダッシュパネルに吊り下げて設置するペンダントタイプ(pendant type)と、フロアパネルに設置するオルガンタイプ(organ type)に分けられる。
ペンダントタイプは、ペダルパッドの回転中心が上側にあるため、ドライバーが足裏の前部分を使ってペダルパッドの下部を押圧して操作するか或いは前方に押して操作し、オルガンタイプは、ペダルパッドの回転中心が下側にあるため、ドライバーがペダルパッドの上部を前方に回転させて操作する。
オルガンタイプのペダル装置は、ドライバーが足で踏むペダルパッドの面積が大きく、ペダルパッドの動きがドライバーの足の軌跡と類似して操作感を上昇させることができ、これにより、ドライバーは、ペンダントタイプのペダル装置よりもさらに楽に操作することができるという利点がある。
しかし、現在使用されているオルガンタイプのペダル装置は、車種ごとに異なるように要求される踏力、ストローク、ヒステリシス操作力に効果的に対応できず、これにより、必要に応じてペダル装置全体を新たに製作しなければならなかったため、投資費が過剰にかかるという欠点がある。
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進するためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することと認めるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2020-0070946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、高荷重のスプリングモジュールとヒステリシスレバーとを備えたオルガンタイプの電子式ペダル装置であって、ヒステリシスレバーの部品変更によって、車種ごとに異なるように要求される踏力、ストローク、ヒステリシス操作力のチューニングを可能にし、これによりコスト削減を図ることができ、構成の単純化を介してパッケージの縮小及びコスト削減を図ることができるオルガンタイプの電子式ペダル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明のオルガンタイプの電子式ペダル装置は、ペダルハウジングと、前記ペダルハウジングに回転可能に結合され、ドライバーによって操作されるペダルパッドと、前記ペダルハウジングに対して回転可能に設置され、上側がペダルパッドの内側に挿入されてペダルパッドの内面と接触し、ペダルパッドの回転時にペダルパッドとの摩擦力でヒステリシスを発生するヒステリシスレバーと、前記ペダルパッドとヒステリシスレバーに両端が支持されるように設置されたスプリングモジュールと、を含むことを特徴とする。
【0006】
前記ペダルハウジングに固定され、ペダルパッドと連結され、ペダルパッドの回転時にペダル機能関連信号を発生する複数のストロークセンサーをさらに含むことを特徴とする。
前記ペダルパッドは、ドライバーの足で操作されるパッド面が備えられ、スプリングモジュールの一端が内側に挿入されて設置され、ヒステリシスレバーの上側が内側に挿入されるボックス状のパッド部と、前記パッド部の内面に結合され、ヒステリシスレバーとの接触で摩擦力を発生するパッド部摩擦板と、前記パッド部と一端が連結され、他端にヒンジピンが結合されたペダルアーム部と、を含むことを特徴とする。
前記パッド部と前記ペダルアーム部は、L字状に連結されたことを特徴とする。
前記ペダルアーム部におけるヒンジピンの上側にセンサーピンが備えられ、前記センサーピンはストロークセンサーのセンサーレバーに結合されたことを特徴とする。
前記パッド部は、ペダルハウジングに形成されたハウジング孔を貫通してペダルパッドの回転に応じてペダルハウジング内に挿入されるか或いはペダルハウジングから突出し、前記ペダルアーム部は、ペダルパッドの回転に関係なく、常にペダルハウジンク内に位置することを特徴とする。
【0007】
前記ペダルハウジングには、パッド部が貫通するハウジング孔が形成され、前記ハウジング孔の縁に沿って異物流入防止ガイドが結合されたことを特徴とする。
前記異物流入防止ガイドは、ハウジング孔の縁に沿って固定されるように結合される固定部と、前記固定部から延び、パッド部の外面に接触してパッド部との間の隙間をなくすテンション部と、を含むことを特徴とする。
前記ペダルハウジングの内部底面には、ペダルハウジングの内部に流入した異物を外部へ排出するための異物排出孔が形成されたことを特徴とする。
前記ペダルハウジングの内部底面には、ペダルハウジングの内部に流入した異物がストロークセンサー側に浸透することを遮断するための異物浸透防止顎部が突設されたことを特徴とする。
【0008】
前記ヒステリシスレバーは、スプリングモジュールの下端が支持され、後方端部がレバー軸を中心にペダルハウジングに対して回転可能に設置されるプレート部と、前記プレート部から上方に延設され、パッド部の内側に挿入されるレバー部と、前記レバー部の端から突出して設けられ、パッド部摩擦板に接触するレバー摩擦部と、を含み、前記ヒステリシスレバーは、ペダルハウジング内に位置するように設置されたことを特徴とする。
前記パッド部の上面、パッド部摩擦板及びレバー摩擦部は、それぞれの中心部から両側方向に下方傾斜した傾斜面で形成され且つ互いに同じ形状に形成され、前記パッド部摩擦板と前記レバー摩擦部とは互いに面接触で設置されたことを特徴とする。
前記パッド部摩擦板は、パッド部の長さ方向に沿ってペダルパッドの回転半径と同じ円弧状に形成され、ペダルパッドの回転時にレバー摩擦部との常時接触状態を維持することを特徴とする。
前記パッド部がペダルハウジング内に挿入される回転を行うとき、スプリングモジュールのスプリング力が増加し、スプリング力によるヒステリシスレバーの回転でレバー摩擦部がパッド部摩擦板を押圧する力が増加して摩擦力が上昇し、上昇する摩擦力によってペダルパッドの操作時にヒステリシスが実現されることを特徴とする。
前記プレート部には、ペダルパッドの回転時にペダルアーム部との接触で弾性変形しながら踏力を生成するゴムダンパーが結合されたことを特徴とする。
【0009】
前記プレート部と前記レバー部はL字状に連結されたことを特徴とする。
前記ヒステリシスレバーは、スプリングモジュールの下端が支持されるプレート部と、前記プレート部から上方に延設され、パッド部の内側に挿入されるレバー部と、前記レバー部の端から突出して設けられ、パッド部摩擦板と接触するレバー摩擦部と、前記レバー部から後方に離隔したプレート部の両側から上方に延設され、端部がペダルハウジングに対して回転可能に結合される一対の側面部と、を含み、前記ヒステリシスレバーは、ペダルハウジング内に位置するように設置されたことを特徴とする。
前記スプリングモジュールは、ロッド部が備えられ、パッド部の内面に設置された上部カバーと、前記ロッド部が挿入される内側ガイド溝及び外側ガイド溝が形成され、ヒステリシスレバーに設置された下部カバーと、前記下部カバーの外側ガイド溝に嵌合されて固定されるゴムストッパーと、前記下部カバーの外側ガイド溝に嵌合されて移動可能に設置されたスプリングガイドと、前記上部カバーとスプリングガイドの一面に両端が支持されるように設置された上部スプリングと、前記下部カバーとスプリングガイドの他面に両端が支持されるように設置された下部スプリングと、前記スプリングガイドを貫通して上部カバーと下部カバーに両端が支持されるように設置されたセンタースプリングと、を含むことを特徴とする。
【0010】
前記上部スプリング、下部スプリング及びセンタースプリングの長さは、センタースプリングが最も長く、下部スプリングが最も短く、上部スプリングがセンタースプリングと下部スプリングの中間の長さであることを特徴とする。
また、本発明によるオルガンタイプの電子式ペダル装置は、ペダルハウジングにペダルパッド及びヒステリシスレバーが回転可能に設置され、ヒステリシスレバーの上側がペダルパッドの内側に挿入されてペダルパッドの内面と互いに接触するように設置され、前記ペダルパッドの回転中心がヒステリシスレバーの回転中心よりもさらに後方に位置し、前記ペダルパッドのパッド部がペダルハウジング内に挿入される回転時にペダルパッドとヒステリシスレバーの回転軌跡の差異によってヒステリシスレバーとペダルパッドとの接触力が増加するにつれて摩擦力が上昇し、上昇する摩擦力によってペダルパッドの操作時にヒステリシスが実現されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるオルガンタイプの電子式ペダル装置は、高荷重のスプリングモジュールとヒステリシスレバーを備えた構成であって、必要に応じて、ヒステリシスレバーの部品変更によって、車種ごとに異なるように要求される踏力、ストローク、ヒステリシス操作力のチューニングが可能であり、これによりコスト削減を図ることができ、構成の単純化を介してパッケージの縮小及びコストダウンを図ることができ、ドライバーの足首疲労度を最小限に抑えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明によるオルガンタイプの電子式ペダル装置の分解図である。
図2図1の結合状態図である。
図3図2の平面図である。
図4図2における右側のカバーを除去した状態の図である。
図5】本発明のペダル装置の内部構造を示す図である。
図6】本発明によってペダルパッドが操作される前の状態の側面図である。
図7図6のペダルパッド、ヒステリシスレバー及びスプリングモジュールを示す図である。
図8】本発明による異物流入防止ガイドを説明するための図である。
図9】本発明によるL型ヒステリシスレバーを説明するための図である。
図10】高荷重スプリングモジュールを説明するための図である。
図11】高荷重スプリングモジュールを説明するための図である。
図12】本発明によるペダル装置のペダルストロークと踏力に対するグラフ線図である。
図13図6における、ペダルパッドの操作によりパッド部がペダルハウジング内に挿入された状態の図である。
図14図13のペダルパッド、ヒステリシスレバー及びスプリングモジュールを示す図である。
図15】本発明によるU型ヒステリシスレバーを説明するための図である。
図16】本発明によるU型ヒステリシスレバーを説明するための図である。
図17】本発明によるU型ヒステリシスレバーを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書又は出願に開示されている本発明の実施形態に対して、特定の構造的又は機能的説明は単に本発明に係る実施形態を説明するために例示されたものに過ぎず、本発明に係る実施形態は、様々な形態で実施でき、本明細書又は出願に説明された実施形態に限定されるものではない。
本発明に係る実施形態は、多様な変更を加えることができ、種々の形態を有することができるので、特定の実施形態を図面に例示して本明細書又は出願に詳細に説明する。しかし、これは、本発明の概念による実施形態を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物又は代替物を含むと理解されるべきである。
「第1」、「第2」等の用語は多様な構成要素の説明に使用できるが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。例えば、本発明の概念による権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名でき、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名できる。
【0014】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる或いは「接続されて」いるとしたときには、該他の構成要素に直接連結又は接続されていることも意味するが、それらの間に別の構成要素が介在する場合も含むと理解されるべきである。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる或いは「直接接続されて」いるとしたときには、それらの間に別の構成要素が介在しないと理解されるべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち「~間に」と「すぐに~間に」又は「~に隣り合う」と「~に直接隣り合う」等も同様に解釈されるべきである。
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、説示された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするもので、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0015】
また、別に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含んで、ここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば一般的に理解されるのと同一の意味を有する。一般に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上において有する意味と一致する意味であると解釈されるべきであり、本明細書において明白に定義しない限りは、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
本発明の例示的な実施形態による制御部(制御器)は、車両の様々な構成要素の動作を制御するように構成されたアルゴリズム、又は前記アルゴリズムを再生するソフトウェア命令語に関するデータを記憶するように構成された不揮発性メモリ(図示せず)、及び当該メモリに記憶されたデータを用いて、以下に説明される動作を実行するように構成されたプロセッサ(図示せず)によって実現できる。ここで、メモリ及びプロセッサは個別チップで実現できる。代案的には、メモリ及びプロセッサは、互いに統合された単一チップで実現できる。プロセッサは、1つ以上のプロセッサの形態を取ることができる。
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態によるオルガンタイプの電子式ペダル装置について説明する。
本発明によるオルガンタイプの電子式ペダル装置は、図1図17に示すように、運転席の下部空間に固定されるように設置されたペダルハウジング100と、ペダルハウジング100にヒンジピン200を介して前後に回転可能に結合され、ドライバーによって操作されるペダルパッド300と、ペダルハウジング100内に位置しながら、ペダルハウジング100に対して回転可能に設置され、上側がペダルパッド300の内側に挿入されてペダルパッド300の内面と接触し、ペダルパッド300の回転時にペダルパッド300との摩擦力でヒステリシス(hysteresis)を発生するヒステリシスレバー400と、ペダルパッド300とヒステリシスレバー400に両端が支持されるように設置されたスプリングモジュール500と、を含む。
【0017】
ペダルハウジング100は、中空のボックス形状に形成され、内部空間にペダルパッド300、ヒステリシスレバー400、高荷重のスプリングモジュール500、及び後述するストロークセンサー、PCB(printed circuit board)などが設置され、両側には、カバー110が分離可能な構造で結合される。
ペダルパッド300は、ドライバーの足で操作されるパッド面311が備えられ、スプリングモジュール500の一端が内側に挿入されて回転可能に設置され、ヒステリシスレバー400の上側が内側に挿入されるボックス形状のパッド部310と、前記パッド部310の内面に結合されてヒステリシスレバー400との接触で摩擦力を発生するパッド部摩擦板320と、前記パッド部310と一端が連結され、他端にヒンジピン200が結合され、ストロークセンサー600に連結されたペダルアーム部330と、を含む。
パッド部310とペダルアーム部330とは、側面からみて、L字状に連結されるように形成され、これによりオルガンタイプのペダル装置を構成することができる。
【0018】
パッド部310は、ペダルハウジング100に形成されたハウジング孔120を貫通してペダルパッド300の回転に応じてペダルハウジング100内に挿入されるか或いはペダルハウジング100から突出し、ペダルアーム部330は、ペダルパッド300の回転に関係なく、常にペダルハウジング100内に位置するように構成される。
パッド部310は、ヒステリシスレバー400及びスプリングモジュール500が挿入される下側のみ開口し、残りの全ての部位は異物流入防止のために密閉されるように形成された構造となる。
ペダルパッド300は、ペダルアーム部330の後方端部がヒンジピン200を中心にペダルハウジング100に対して前後方向に回転可能に結合され、ペダルアーム部330の前方回転時には、ヒンジピン200から前方へ離隔したパッド部310がペダルハウジング100のハウジング孔120を介してペダルハウジング100内に挿入され、後方への回転時には、ペダルハウジング100からドライバーが位置する後方へ突出して露出する。
【0019】
パッド部310の上面312と下面は、ヒンジピン200を中心とするペダルパッド300の回転半径と同一軌跡の円弧状に形成され、これにより、ペダルハウジング100に形成されたハウジング孔120とのギャップ(gap)を一定に維持させることができるため、異物流入を極力防止することができる。
パッド部310は、ペダルハウジング100に形成されたハウジング孔120を貫通するように設置され、ペダルパッド300の回転に応じてペダルハウジング100内に挿入されるか或いはペダルハウジング100から突出し、ペダルアーム部330は、ペダルパッド300の回転に関係なく、常にペダルハウジング100内に位置してドライバーとの接触が遮断される。
したがって、ドライバーが足でペダルパッド300を操作する際に、ペダルハウジング100から露出したパッド部310のパッド面311のみを操作することができ、ペダルハウジング100内に位置したペダルアーム部330はドライバーの足との接触が遮断されて操作が不可能であり、これにより、ドライバーの誤操作を防止することができる。
【0020】
本発明によってペダルハウジング100に形成されたハウジング孔120には、ハウジング孔120の縁に沿って異物流入防止ガイド130が結合される。
異物流入防止ガイド130は、ペダルハウジング100のハウジング孔120とペダルパッド300のパッド部310との間の隙間をなくす役目をして、ハウジング孔120を介してペダルハウジング100内に異物が流入するのを防止する役目をする。
異物流入防止ガイド130は、パッド部310との接触による摩耗防止及び騒音防止のため、弾性を備えたゴム材質で形成されたことが好ましいが、これに限定されるものではない。
異物流入防止ガイド130は、図8に示すように、ハウジング孔120の縁に沿って固定されるように結合される固定部131と、前記固定部131から延び、パッド部310の外面に接触してパッド部310との間の隙間をなくすテンション部132と、を含む。
ペダルハウジング100には、ハウジング孔120の縁に沿って嵌合溝121が形成され、嵌合溝121内に異物流入防止ガイド130の固定部131が嵌合されて固定されるように設置され、テンション部132は、固定部131の内側に延びるように形成され、パッド部310の外面と接触するように設置される。
【0021】
ペダルハウジング100の内部底面には、図5に示すように、ペダルハウジング100の内部に流入した異物を外部へ排出するための異物排出孔140が形成でき、且つ、ペダルハウジング100の内部に流入した異物がストロークセンサー600側に侵入するのを遮断するための異物侵入防止顎部150が上方に突出するように形成できる。
異物浸透防止顎部150は、異物によるストロークセンサー600の損傷及び破損を防止する役目をする。
スプリングモジュール500は、高荷重のスプリングモジュールであって、パッド部310が移動する方向に沿って斜線方向に位置するように設置され、上端はペダルパッド300のパッド部310内に挿入されてパッド部310と回転可能に結合され、下端はヒステリシスレバー400と接触しながら回転可能に設置される。
スプリングモジュール500が回転可能に設置されるために、スプリングモジュール500の両端は、それぞれ円弧状に形成され、パッド部310におけるパッド面311の内面とヒステリシスレバー400にはそれぞれ円弧溝313、411が形成される。
【0022】
車両のペダル装置は、操作時の安全性のために高荷重が要求され、このために、本発明による実施形態は、高荷重のスプリングモジュール500を使用する構成であって、高荷重のスプリングモジュール500を用いて必要な踏力を実現することができる。
高荷重のスプリングモジュール500は、通常、直列に配置された2つ以上のスプリング及び2つ以上のダンパーを備えて踏力を実現するように構成できる。
つまり、高荷重のスプリングモジュール500は、図10及び図11に示すように、ロッド部511を備えた上部カバー510と、内側ガイド溝521及び外側ガイド溝522が形成された下部カバー520と、ゴムストッパー530と、スプリングガイド540と、上部スプリング550と、下部スプリング560と、センタースプリング570と、を含む。
上部カバー510の上側は、円弧状に形成され、パッド面311の内面に形成された円弧溝313に回転可能に設置される。
下部カバー520の下側も、円弧状に形成され、ヒステリシスレバー400に形成された円弧溝411に回転可能に設置される。
下部カバー520の内側ガイド溝521には、上部カバー510のロッド部511が挿入され、外側ガイド溝522には、ゴムストッパー530が嵌め込まれて固定され、スプリングガイド540が移動可能に設置される。
【0023】
上部スプリング550は、上部カバー510とスプリングガイド540の一面に両端が支持されるように設置され、下部スプリング560は、下部カバー520とスプリングガイド540の他面に両端が支持されるように設置され、センタースプリング570は、上部カバー510と下部カバー520に両端が支持されるように設置される。
本発明による高荷重のスプリングモジュール500は、スプリングが3つのスプリング、すなわち上部スプリング550、下部スプリング560及びセンタースプリング570から構成されるので、使用中にいずれか一つが折損しても、折損していない残りの2つのスプリング力でペダルパッド300を円滑に復帰させることができる。
スプリングの長さは、センタースプリング570が最も長く、下部スプリング560が最も短く、上部スプリング550が中間長さに形成される。
スプリングのスプリング定数K値は、上部スプリング550が最も大きく、センタースプリング570が最も小さく、下部スプリング560が中間値を持つように形成される。
図12にはペダルストロークと踏力に対するグラフ線図が示されている。
【0024】
スプリングの長さ及びスプリング定数K値の大きさに応じて、ペダルパッド300の操作の際に、センタースプリング570と下部スプリング560が先に圧縮されながら初期踏力(0~A1区間)を生成し、下部スプリング560の圧縮が完了すると、次にセンタースプリング570と上部スプリング550が圧縮されながら中期踏力(A1~A2区間)を生成し、最後に後述のゴムダンパー800が圧縮されながら最大の末期踏力(A2~A3)区間を生成する。
本発明による実施形態は、ペダルハウジング100内に固定されるように設置され、ペダルパッド300と連結され、ペダルパッド300の回転時にペダル機能関連信号を発生する複数のストロークセンサー600をさらに含む。
ストロークセンサー600は、回転可能に結合されたセンサーレバー610を備え、センサーレバー610は、ペダルパッド300に備えられたセンサーピン340と結合され、ペダルパッド300がペダルハウジング100に対して回転すると、センサーピン340を介してセンサーレバー610が回転する。
【0025】
センサーピン340は、ペダルアーム部330に結合されたヒンジピン200の上方に位置し、ペダルアーム部330の両側面にそれぞれ突出するように形成される。
センサーピン340は、パッド部310とヒンジピン200との間のペダルアーム部330から両側に突出するように形成される。
センサーピン340がペダルアーム部330に備えられることにより、ストロークセンサー600の位置をペダルアーム部330側に近付けることができ、これにより全体的なサイズ縮小を図ることができる。
ストロークセンサー600は、ペダルパッド300の回転時にペダルパッド300が初期位置に復帰するか否かを検出する役目、及びドライバーがペダルパッド300を踏んで操作するときにペダルパッド300の回転を検出する役目をする。
ストロークセンサー600は、永久磁石、及び永久磁石と対面するPCBを備えており、ドライバーの操作でペダルパッド300が回転するときに永久磁石の位置変化に伴う磁場強度の変化を介してペダルパッド300の回転角を検出してペダル機能関連信号を発生する。
ストロークセンサー600は、加速関連信号を発生するAPS(Accelerator Position Sensor、アクセルポジションセンサー)、又は制動関連信号を発生するBPS(Brake Position Sensor、ブレーキポジションセンサー)のうちのいずれか一つであってもよい。
【0026】
したがって、本発明による電子式ペダル装置は、加速ペダル装置又はブレーキペダル装置のうちのいずれか一つが使用されるか、或いは加速ペダル装置とブレーキペダル装置の両方が使用できる。
本発明の実施形態によるストロークセンサー600は、機構的構造であるセンサーレバー610を介してペダルパッド300に連結された接触式センサーであるが、必要に応じて、永久磁石とPCBのみからなる非接触式センサーからも構成できる。
本発明によるヒステリシスレバー400は、L型及びU型に大別される。
まず、L型のヒステリシスレバー400は、図1乃至図14に示すように、スプリングモジュール500の下端が回転可能に支持され、後方端部がレバー軸700を中心にペダルハウジング100に対して回転可能に設置されるプレート部410と、前記プレート部410から上方に延びて設けられ、パッド部310の内側に挿入されるレバー部420と、前記レバー部420の端から突出して設けられ、パッド部摩擦板320と接触するレバー摩擦部430と、を含む。
【0027】
レバー軸700は、ペダルハウジング100に一体に形成されるか、或いはペダルハウジング100から分離された別体として構成され、ペダルハウジング100に固定されるように結合されることができる。
レバー軸700は、ヒステリシスレバー400におけるプレート部410の後方端部を貫通し、これにより、ヒステリシスレバー400は、レバー軸700を中心に回転する構造で設置される。
プレート部410には、スプリングモジュール500の下端が回転可能に支持される円弧溝411が形成される。
プレート部410とレバー部420は、側面から見て、L字状に連結されるように形成される。これにより、ペダルパッド300の回転時にヒステリシスの実現が可能となる。
本発明によって、スプリングモジュール500の両端(上下端)がペダルパッド300のパッド部310とヒステリシスレバー400のプレート部410に支持されるように設置されると、スプリングモジュール500のスプリング力によって、ヒステリシスレバー400のレバー摩擦部430は常にパッド部摩擦板320との接触状態を維持し、これによりペダルパッド300の回転時にヒステリシスの実現が可能となり、特にスプリングモジュール500のスプリング力によってペダルパッド300の初期操作力の発生が可能となる。
【0028】
本発明によって、スプリングモジュール500の下端は、膨らんで突出したラウンド(round)状に形成され、ヒステリシスレバー400のプレート部410には、スプリングモジュール500の下端のラウンド部分と同じ形状の円弧溝411が形成される。
したがって、スプリングモジュール500の下端がヒステリシスレバー400のプレート部410に支持されるように設置されるときに、スプリングモジュール500の下端のラウンド部分がプレート部410の円弧溝411に挿入されるように設置される構成であって、これによりペダルパッド300の操作時にスプリングモジュール500の回転が可能となり、特にスプリングモジュール500の離脱を防止することができる。
本発明によってヒステリシスレバー400のレバー摩擦部430と接触するパッド部摩擦板320は、パッド部310の長さ方向に沿ってヒンジピン200を中心とするペダルパッド300の回転半径と同じ円弧状に形成され、これにより、ペダルパッド300の回転時にパッド部摩擦板320とヒステリシスレバー400のレバー摩擦部430は常に接触状態を維持することができる。
【0029】
ペダルパッド300の回転時にヒステリシスレバー400のレバー摩擦部430とパッド部摩擦板320との接触によりヒステリシス操作力が形成され、このとき、スプリングモジュール500のスプリング力を除いてペダルパッド300の操作時にレバー摩擦部430とパッド部摩擦板320との接触量が一定であれば、スプリング力を反映したヒステリシス値を正確に予測することができるので、このために、パッド部摩擦板320は、パッド部310の長さ方向に沿って、ヒンジピン200を中心とするペダルパッド300の回転半径と同じ円弧状に形成されたことが好ましい。
パッド部310の上面312と下面は、ヒンジピン200を中心とするペダルパッド300の回転半径と同一軌跡の円弧状に形成され、これにより、ペダルハウジング100に形成されたハウジング孔120とのギャップ(gap)を一定に維持させることができるため、異物流入を極力防止することができる。
また、パッド部310の上面312、パッド部摩擦板320及びレバー摩擦部430は、それぞれの中心部から両側方向に下方傾斜した傾斜面で形成されるとともに互いに同じ形状に形成され、パッド部摩擦板320とレバー摩擦部430は、互いに面接触で設置される。
【0030】
まず、パッド部310の上面312が中心部から両側方向に下方傾斜した傾斜面で形成されると、異物が上面312に接触したとき、異物は、図3の矢印M1のように傾斜面に沿って左右に移動して排出されるので、ペダルハウジング100内に異物が流入することは根本的に予防することができる。
また、パッド部310に結合されたパッド部摩擦板320とヒステリシスレバー400のレバー摩擦部430も、パッド部310の上面312と同じ形状の傾斜面で形成されると、パッド部摩擦板320とレバー摩擦部430は、互いに面接触で設置することが可能であり、これによりパッド部310の支持力を強化することができるので、片持ち梁状に設置されたペダルパッド300の強度及び剛性を向上させることができる。
本発明によるペダル装置は、ドライバーのペダルパッド300の操作でパッド部310がペダルハウジング100内に挿入される回転を行うとき、スプリングモジュール500のスプリング力が増加し、スプリング力によるヒステリシスレバー400の回転でレバー摩擦部430がパッド部摩擦板320を押圧する力が増加して摩擦力が上昇し、上昇する摩擦力によってペダルパッド300の操作時にヒステリシスが実現される構造となる。
【0031】
本発明によってヒステリシスレバー400のプレート部410には、ペダルパッド300の回転時にペダルアーム部330との接触で弾性変形しながら踏力を生成するゴムダンパー800が結合される。
ゴムダンパー800は、ペダルアーム部330に接触する末端部が、尖った円錐状に形成され、これにより、ペダルアーム部330の初期接触段階では変形する面積が小さいため踏力が弱く上昇し、後では変形する面積が大きくなって踏力が急激に上昇し、これによりペダルパッド300の操作時に踏力が最も大きい末期踏力を生成することができる。
U型のヒステリシスレバー400は、図15乃至図17に示すように、スプリングモジュール500の下端が回転可能に支持される円弧溝411が形成されたプレート部410と、プレート部410から上方に延びて設けられ、パッド部310の内側に挿入されるレバー部420と、レバー部420の端から突出して設けられ、パッド部摩擦板320と接触するレバー摩擦部430と、レバー部420から後方に離隔したプレート部410の両側から上方に延びて設けられ、端部がペダルハウジング100に対して回転可能に結合される一対の側面部440と、を含む。
【0032】
プレート部410に、前述したのと同様のゴムダンパー800が設置される。
U型のヒステリシスレバー400は、L型のヒステリシスレバー400と比較すると、一対の側面部440がさらに備えられた構成が異なり、側面部440の端部がペダルハウジング100に回転可能に結合された構成が異なり、残りは互いに同一である。
U型のヒステリシスレバー400は、プレート部410と一対の側面部44とがU形状に連結された構造を特徴とする。
L型のヒステリシスレバー400は、U型のヒステリシスレバー400に比べて相対的にレバー比が低く、これにより、ヒステリシス力がU型のヒステリシスレバー400に比べて相対的に低いものの、強度が高く、サイズが小さくてレイアウトに有利であり、成形性が良く、重量の面で有利であるという利点がある。
逆に、U型のヒステリシスレバー400は、L型のヒステリシスレバー400に比べて相対的にレバー比が高いため、ヒステリシス力が高いという利点がある。
図1に示した未説明符号900は、ペダルハウジング100内に位置するように設置される内側ブラケットであり、内側ブラケットにストロークセンサー600が固定されるように設置できる。また、未説明符号1000は、ペダルハウジング100内に固定されるように設置されるPCBであり、PCBは、故障診断及びペダル関連部品とのCAN通信を行う役目をする。
【0033】
以上説明したように、本発明によるオルガンタイプのペダル装置は、高荷重のスプリングモジュール500とヒステリシスレバー400とを備えた構成であって、必要に応じて、ヒステリシスレバー400の部品変更によって、車種ごとに異なるように要求される踏力、ストローク、ヒステリシス操作力のチューニングが可能であり、これによりコスト削減を図ることができ、構成の単純化を介してパッケージの縮小及びコスト削減を図ることができ、ドライバーの足首疲労度を最小限に抑えることができるという利点がある。
また、本発明によるオルガンタイプの電子式ペダル装置は、加速ペダル装置として使用されるか或いはブレーキペダル装置として使用されることができるという利点がある。
本発明は、特定の実施形態に関連して図示及び説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想から逸脱することなく、本発明に様々な改良及び変更を加え得ることは、当業分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0034】
100 ペダルハウジング
110 カバー
120 ハウジング孔
121 結合溝
130 異物流入防止ガイド
131 固定部
132 テンション部
140 異物排出孔
150 異物侵入防止顎部
200 ヒンジピン
300 ペダルパッド
310 パッド部
311 パッド面
312 上面
313 円弧溝
320 パッド部摩擦板
330 ペダルアーム部
340 センサーピン
400 ヒステリシスレバー
410 プレート部
411 円弧溝
420 レバー部
430 レバー摩擦部
440 側面部
500 スプリングモジュール
510 上部カバー
511 ロッド部
520 下部カバー
521 内側ガイド溝
522 外側ガイド溝
530 ゴムストッパー
540 スプリングガイド
550 上部スプリング
560 下部スプリング
570 センタースプリング
600 ストロークセンサー
610 センサーレバー
700 レバー軸
800 ゴムダンパー
900 内側ブラケット
1000 PCB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17