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特開2023-93306大型タッチディスプレイ集積回路およびその動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093306
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】大型タッチディスプレイ集積回路およびその動作方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/02 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
H04L25/02 301H
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022129951
(22)【出願日】2022-08-17
(31)【優先権主張番号】17/558,600
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VERILOG
(71)【出願人】
【識別番号】506084058
【氏名又は名称】奇景光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】温 上杰
(72)【発明者】
【氏名】翁 明輝
(72)【発明者】
【氏名】林 桂蘭
(72)【発明者】
【氏名】江 哲豪
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲ケイ▼政
【テーマコード(参考)】
5K029
【Fターム(参考)】
5K029AA11
5K029CC01
5K029DD02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】正誤ワイヤを介してオープンドレイン信号(正確性チェック結果)をマスタICに簡単かつ効率的にブロードキャストする大型タッチディスプレイ集積(LTDI)回路及びその動作方法を提供する。
【解決手段】シリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)アーキテクチャのスレーブICとして適しているLTDI回路は、オープンドレイン回路及びリロード回路を含む。オープンドレイン回路の出力端子は、LTDI回路の外部の正誤ワイヤに結合される。正誤ワイヤは、SPIアーキテクチャのマスタICの入力端子にも結合され、その電位は、プルアップ抵抗器によってプルアップされる。リロード回路は、オープンドレイン回路の入力端子に結合され、マスタICからの起動コードの正確性をチェックして、正確性チェック結果を生成する。リロード回路は、正確性チェック結果をオープンドレイン回路及び正誤ワイヤを介してマスタICに返す。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SPIアーキテクチャのスレーブICとして適切なLTDI回路であって、
前記LTDI回路の外部の正誤ワイヤに結合されるように構成された出力端子を有する第1のオープンドレイン回路であり、前記正誤ワイヤが前記SPIアーキテクチャのマスタICの第1の入力端子にも結合され、前記正誤ワイヤの電位が第1のプルアップ抵抗器によってプルアップされる、第1のオープンドレイン回路と、
前記第1のオープンドレイン回路の入力端子に結合され、前記マスタICからの起動コードの正確性をチェックして正確性チェック結果を生成するように構成されたリロード回路であり、前記リロード回路が前記第1のオープンドレイン回路および前記正誤ワイヤを介して前記マスタICに前記正確性チェック結果を返す、リロード回路と、
を備える、LTDI回路。
【請求項2】
前記正確性チェック結果が、前記LTDI回路が受信した前記起動コードが正しいことを示すとき、前記第1のオープンドレイン回路が前記正誤ワイヤに対して高インピーダンス状態にあり、
前記正確性チェック結果が、前記LTDI回路が受信した前記起動コードが正しくないことを示すとき、前記第1のオープンドレイン回路が前記正誤ワイヤの前記電位を低論理レベルにプルダウンする、
請求項1に記載のLTDI回路。
【請求項3】
前記リロード回路がSPIチャネルを介して前記マスタICから前記起動コードを受信し、前記起動コードが、データ情報と、前記データ情報に対応するデバッグ情報とを含み、前記リロード回路が前記デバッグ情報を使用して前記データ情報の正確性をチェックして、前記正確性チェック結果を生成する、請求項1に記載のLTDI回路。
【請求項4】
前記データ情報が起動コードを含み、前記デバッグ情報が巡回冗長検査コードを含む、請求項3に記載のLTDI回路。
【請求項5】
前記LTDI回路の外部のレディワイヤに結合されるように構成された出力端子を有する第2のオープンドレイン回路であって、前記レディワイヤが前記マスタICの第2の入力端子にも結合され、前記レディワイヤの電位が第2のプルアップ抵抗器によってプルアップされる、第2のオープンドレイン回路、
をさらに備え、
前記リロード回路がSPIチャネルを介して前記マスタICから前記起動コードを受信し、前記リロード回路が前記第2のオープンドレイン回路および前記レディワイヤを介して「前記LTDI回路が前記起動コードの受信を終了したか否か」を示すレディ信号を前記マスタICに返す、
請求項1に記載のLTDI回路。
【請求項6】
前記レディ信号が、前記LTDI回路が前記起動コードの受信を終了したことを示すとき、前記第2のオープンドレイン回路が前記レディワイヤに対して高インピーダンス状態にあり、
前記レディ信号が、前記LTDI回路が前記起動コードの受信を終了していないことを示すとき、前記第2のオープンドレイン回路が前記レディワイヤの前記電位を低論理レベルにプルダウンする、
請求項5に記載のLTDI回路。
【請求項7】
SPIアーキテクチャのスレーブICとして適しているLTDI回路の動作方法であって、
前記LTDI回路のリロード回路によって、前記SPIアーキテクチャのマスタICからの起動コードの正確性をチェックして、正確性チェック結果を生成するステップと、
前記リロード回路によって、前記正確性チェック結果を前記LTDI回路の第1のオープンドレイン回路に出力するステップであって、前記第1のオープンドレイン回路の出力端子が前記LTDI回路の外部の正誤ワイヤに結合されるように構成され、前記正誤ワイヤが前記マスタICの第1の入力端子にも結合され、前記正誤ワイヤの電位が第1のプルアップ抵抗器によってプルアップされる、ステップと、
前記第1のオープンドレイン回路によって、前記正誤ワイヤを介して前記マスタICに前記正確性チェック結果を返すステップと、
含む、LTDI回路の動作方法。
【請求項8】
前記正確性チェック結果が、前記LTDI回路が受信した前記起動コードが正しいことを示すとき、前記第1のオープンドレイン回路が前記正誤ワイヤに対して高インピーダンス状態にあり、
前記正確性チェック結果が、前記LTDI回路が受信した前記起動コードが正しくないことを示すとき、前記第1のオープンドレイン回路が前記正誤ワイヤの前記電位を低論理レベルにプルダウンする、
請求項7に記載の動作方法。
【請求項9】
前記リロード回路によってSPIチャネルを介して前記マスタICから前記起動コードを受信するステップであって、前記起動コードが、データ情報と、前記データ情報に対応するデバッグ情報とを含む、ステップと、
前記リロード回路によって前記デバッグ情報を使用して前記データ情報の正確性をチェックして、前記正確性チェック結果を生成するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の動作方法。
【請求項10】
前記データ情報が起動コードを含み、前記デバッグ情報が巡回冗長検査コードを含む、請求項9に記載の動作方法。
【請求項11】
前記リロード回路によってSPIチャネルを介して前記マスタICから前記起動コードを受信するステップと、
「前記LTDI回路が前記起動コードの受信を終了したか否か」を示すレディ信号を、前記リロード回路によって、前記LTDI回路の第2のオープンドレイン回路および前記LTDI回路の外部のレディワイヤを介して前記マスタICに返すステップであって、前記第2のオープンドレイン回路の出力端子が前記レディワイヤに結合されるように構成され、前記レディワイヤが前記マスタICの第2の入力端子にも結合され、前記レディワイヤの電位が第2のプルアップ抵抗器によってプルアップされる、ステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の動作方法。
【請求項12】
前記レディ信号が、前記LTDI回路が前記起動コードの受信を終了したことを示すとき、前記第2のオープンドレイン回路が前記レディワイヤに対して高インピーダンス状態にあり、
前記レディ信号が、前記LTDI回路が前記起動コードの受信を終了していないことを示すとき、前記第2のオープンドレイン回路が前記レディワイヤの前記電位を低論理レベルにプルダウンする、
請求項11に記載の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路(IC)に関し、詳細にはシリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)ICおよびその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の用途によっては、複数の集積回路(IC)を一緒に動作させることが必要な場合がある。例えば、大型タッチディスプレイ集積(LTDI)回路用途では、複数(例えば、30個)の駆動ICを一緒に動作させて、同じ大型タッチディスプレイパネルを駆動させることがある。SPIアーキテクチャは、マルチドロップ駆動アーキテクチャを提供することができる。マルチドロップ駆動アーキテクチャでは、マスタICは、複数のスレーブICを同じワイヤ(チャネル)を介して接続/駆動することができる。マスタICは、複数のスレーブICに起動コードを伝達して、これらのスレーブICを起動することができる。従来のSPIアーキテクチャでは、マスタICがこれらのスレーブICに起動コードを伝達した後、現在のマスタICが、ハンドシェイク機構を使用して、これらのスレーブICが正しい起動コードを受信したかどうかを1つずつこれらのスレーブICに確認している。どのようにマスタICに複数のスレーブICを簡単かつ効率的に起動させるかは、当技術分野における多くの技術的課題の1つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、正誤ワイヤ(correctness wire)を介してオープンドレイン信号(正確性チェック結果)をマスタICに簡単かつ効率的にブロードキャストすることができる大型タッチディスプレイ集積(LTDI)回路およびその動作方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態では、LTDI回路は、SPIアーキテクチャのスレーブICとして適している。LTDI回路は、第1のオープンドレイン回路およびリロード回路を含む。第1のオープンドレイン回路の出力端子は、LTDI回路の外部の正誤ワイヤに結合されるように構成されている。正誤ワイヤは、SPIアーキテクチャのマスタICの第1の入力端子にも結合され、正誤ワイヤの電位は、第1のプルアップ抵抗器によってプルアップされる。リロード回路は、第1のオープンドレイン回路の入力端子に結合されている。リロード回路は、マスタICからの起動コードの正確性をチェックして、正確性チェック結果を生成するように構成されている。リロード回路は、正確性チェック結果を第1のオープンドレイン回路および正誤ワイヤを介してマスタICに返す。
【0005】
本発明の一実施形態では、動作方法は、SPIアーキテクチャのマスタICからの起動コードの正確性をLTDI回路のリロード回路によってチェックして、正確性チェック結果を生成するステップと、リロード回路によって正確性チェック結果をLTDI回路の第1のオープンドレイン回路に出力するステップであって、第1のオープンドレイン回路の出力端子がLTDI回路の外部の正誤ワイヤに結合されるように構成され、正誤ワイヤがマスタICの第1の入力端子にも結合され、正誤ワイヤの電位が第1のプルアップ抵抗器によってプルアップされる、ステップと、第1のオープンドレイン回路によって正誤ワイヤを介して正確性チェック結果をマスタICに返すステップと、を含む。
【発明の効果】
【0006】
上記に基づいて、本発明の実施形態の正確性チェック結果は、オープンドレイン信号である。SPIアーキテクチャでは、1つまたは複数のスレーブIC(LTDI回路など)が、正誤ワイヤを介してオープンドレイン信号(正確性チェック結果)をマスタICにブロードキャストすることができる。例えば、これらのスレーブICのうちの1つ(または複数)が受信した起動コードが正しくない場合、エラーを有するスレーブICは、正誤ワイヤの電位を低論理レベルにプルダウンすることができ、これらのスレーブICが受信した起動コードがすべて正しい場合、これらのスレーブICはすべて、正誤ワイヤに対して高インピーダンス状態(Hi-Z)にあり、このとき、第1のプルアップ抵抗器は、正誤ワイヤの電位を高論理レベルにプルアップすることができる。マスタICは、これらのスレーブICに起動コードを伝達した後、マスタICは、正誤ワイヤの電位に従って、すべてのスレーブIC(LTDI回路など)が起動コードを正しく受信したかどうかを判定することができる。したがって、マスタICは、複数のスレーブICを簡単かつ効率的に起動させることができる。
【0007】
本開示の前述の特徴および利点をより理解しやすくするために、図面を伴う実施形態が以下で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面は、本発明についてのさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の実施形態を示し、説明と共に、本発明の原理について説明するのに役立つ。
【0009】
図1】一実施形態によるシリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)アーキテクチャの回路ブロックの概略図である。
【0010】
図2】本発明の一実施形態に従って示される、スレーブICが正誤ワイヤを介してマスタICに正確性チェック結果(オープンドレイン信号)をブロードキャストする回路の概略ブロック図である。
【0011】
図3】本発明の一実施形態によるLTDI回路の回路ブロック図である。
【0012】
図4】本発明の一実施形態によるLTDI回路の動作方法の流れ図である。
【0013】
図5】本発明の別の実施形態に従って示される、スレーブICが正確性チェック結果およびレディ信号を異なるワイヤを介してマスタICにブロードキャストする回路の概略ブロック図である。
【0014】
図6】本発明の一実施形態によるLTDI回路の回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願明細書(特許請求の範囲を含む)の全文において用いられている「結合される(または接続される)」という用語は、任意の直接的または間接的な接続手段を指すことがある。例えば、第1のデバイスが第2のデバイスに結合される(または接続される)と本文が説明する場合、第1のデバイスは、第2のデバイスに直接接続されてもよく、または第1のデバイスは、他のデバイスまたはある接続手段を介して第2のデバイスに間接的に接続されてもよいことを理解されたい。本出願の明細書全体(特許請求の範囲を含む)において言及される「第1」、「第2」などの用語は、構成要素に名前を付ける、あるいは異なる実施形態または範囲を区別するために使用されるものであって、構成要素の数の上限または下限を制限するために使用されるものではなく、構成要素の順序を制限するために使用されるものでもない。さらに、適用可能な場合、図および実施形態において同じ参照番号を有する要素/構成要素/ステップは、同じまたは同様の部分を表す。異なる実施形態において同じ参照番号を有するかまたは同じ用語を有する要素/構成要素/ステップは、相互参照することができる。
【0016】
図1は、一実施形態によるシリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)アーキテクチャ100の回路ブロックの概略図である。図1に示される実施形態では、SPIアーキテクチャ100は、LTDI回路M11およびLTDI回路S11...S1nなどの複数の大型タッチディスプレイ集積(LTDI)回路を含む。LTDI回路M11およびS11~S1nは、協働して大型タッチディスプレイパネル(図示せず)を駆動/制御することができる。LTDI回路M11は、SPIアーキテクチャ100のマスタICとして使用することができ、LTDI回路S11~S1nは、SPIアーキテクチャ100のスレーブICとして使用することができる。LTDI回路S11~S1nの数nは、実際の設計に応じて決定されてよい。SPIアーキテクチャ100において、LTDI回路M11は、カスケードSPIインターフェースを介してLTDI回路S11~S1nにデータ(起動コードなど)を伝達することができる。LTDI回路M11は、LTDI回路S11~S1nに起動コードを伝達して、これらのLTDI回路S11~S1nを起動することができる。
【0017】
詳細には、起動後、LTDI回路M11のリロード回路(図示せず)は、LTDI回路S11~S1nが必要とする起動コードをFLASHメモリ110からLTDI回路M11のランダムアクセスメモリ(RAM)にコピーする。次に、LTDI回路M11のマイクロコントローラユニット(MCU)がカスケードSPIインターフェースを介してLTDI回路S11~S1nのRAMに起動コードを伝達する。LTDI回路S11~S1nのリロード回路は、受信した起動コードの巡回冗長検査(CRC)コードを計算する。LTDI回路S11~S1nが起動コードを正しく受信したか否かを知るために、LTDI回路M11は、カスケードSPIインターフェースを介してLTDI回路S11~S1nのそれぞれにリードコマンドを送信し、次いで、カスケードSPIインターフェースを介してLTDI回路S11~S1nのそれぞれのリロード回路によって計算されたCRCコードをリードバックさせる。LTDI回路M11は、リードバックされたCRCコードに従って、LTDI回路S11~S1nのそれぞれが起動コードを正しく受信したかどうかを判定することができる。SPIアーキテクチャ100の直列接続されたICの数が多いほど、すべてのLTDI回路S11~S1nのCRCコードをリードバックするのにかかる時間が長くなる。多数のICが直列に接続されるLTDI用途では、起動時間が長すぎて要件を満たすことができない。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態に従って示される、LTDI回路S21~S2nが正誤ワイヤCWを介して正確性チェック結果(オープンドレイン信号)をLTDI回路M21にブロードキャストする回路の概略ブロック図である。図2に示す実施形態では、SPIアーキテクチャ200は、LTDI回路M21およびLTDI回路S21、...、S2nなどの複数のLTDI回路を含む。LTDI回路M21およびS21~S2nは、協働して大型タッチディスプレイパネル(図示せず)を駆動/制御することができる。LTDI回路M21は、SPIアーキテクチャ200のマスタICとして使用することができ、LTDI回路S21~S2nは、SPIアーキテクチャ200のスレーブICとして使用することができる。LTDI回路S21~S2nの数nは、実際の設計に応じて決定することができる。SPIアーキテクチャ200において、LTDI回路M21は、カスケードSPIインターフェースを介してLTDI回路S21~S2nのそれぞれに起動コードを伝達して、LTDI回路S21~S2nをアクティブ化することができる。図2に示されるFLASHメモリ210、LTDI回路M21、およびLTDI回路S21~S2nは、図1に示されるFLASHメモリ110、LTDI回路M11、およびLTDI回路S11~S1nの関連説明を参照することができ、したがって、ここでは繰り返さない。
【0019】
LTDI回路M21は、カスケードSPIチャネル/インターフェースを介してスレーブ集積回路S11~S1nに結合されるだけでなく、図2に示される実施形態では、LTDI回路M21は、正誤ワイヤCWを介してLTDI回路S21~S2nに結合されていてもよい。LTDI回路M21がLTDI回路S21~S2nに起動コードを伝達した後、LTDI回路S21~S2nは、LTDI回路M21からの起動コードの正確性をチェックして、正確性チェック結果を生成することができる。これらのLTDI回路S21~S2nは、正誤ワイヤCWを介してオープンドレイン信号(正確性チェック結果)をLTDI回路M21にブロードキャストすることができる。
【0020】
例えば、一部の実施形態では、これらのLTDI回路S21~S2nのうちの1つ(または複数)が受信した起動コードが正しくない場合、エラーを有するLTDI回路は、正誤ワイヤCWの電位を低論理レベルにプルダウンすることができ、これらのLTDI回路S21~S2nが受信した起動コードがすべて正しい場合、これらのLTDI回路S21~S2nは、正誤ワイヤCWに対してすべて高インピーダンス状態(Hi-Z)にあり、このとき、LTDI回路M21のプルアップ抵抗器(図2に図示せず)は、正誤ワイヤCWの電位を高論理レベルにプルアップすることができる。したがって、LTDI回路M21は、正誤ワイヤCWの電位に応じて、すべてのLTDI回路S21~S2nが起動コードを正しく受信したか否かを判定することができる。図1に示される実施形態と比較して、図2に示される実施形態では、LTDI回路M21は、LTDI回路S21~S2nのすべてのCRCコードをリードバックする必要がない。それゆえ、LTDI回路M21は、複数のLTDI回路S21~S2nを簡単かつ効率的に起動することができる。
【0021】
図3は、本発明の一実施形態によるLTDI回路の回路ブロック図である。図3は、LTDI回路310およびLTDI回路320を示し、LTDI回路310は、図2に示されるSPIアーキテクチャ200のLTDI回路M21として使用することができ、LTDI回路320は、図2に示されるSPIアーキテクチャ200のLTDI回路S21~S2nのうちの1つとして使用することができる。LTDI回路310は、リロード回路311およびプルアップ抵抗器312を含む。図3に示される正誤ワイヤCWは、図2に示された正誤ワイヤCWの関連説明において提供されている通りであり、したがって、ここでは繰り返さない。正誤ワイヤCWは、LTDI回路310(マスタIC)の入力端子に結合されている。正誤ワイヤCWの電位は、プルアップ抵抗器312によってプルアップされてもよい(弱プルアップ)。図2に示されるすべてのLTDI回路S21~S2n(LTDI回路320など)が、正誤ワイヤCWに対してすべて高インピーダンス状態にある場合、LTDI回路310(マスタIC)のプルアップ抵抗器312は、正誤ワイヤCWの電位を高論理レベルにプルアップすることができる。
【0022】
図3に示される実施形態では、LTDI回路320は、リロード回路321およびオープンドレイン回路322を含む。オープンドレイン回路322の出力端子は、LTDI回路320の外部の正誤ワイヤCWに結合されてもよい。リロード回路321は、オープンドレイン回路322の入力端子に接続されている。リロード回路321は、LTDI回路310(マスタIC)からの起動コードの正確性をチェックして、正確性チェック結果を生成することができる。リロード回路321は、オープンドレイン回路322および正誤ワイヤCWを介して、正確性チェック結果をLTDI回路310(マスタIC)に返すことができる、
【0023】
図4は、本発明の一実施形態によるLTDI回路の動作方法の流れ図である。図3および図4を参照されたい。リロード回路311は、LTDI回路320(スレーブIC、すなわち、ターゲットスレーブ回路)に対する起動コードを生成することができる。ステップS410において、リロード回路321は、LTDI回路310(マスタIC)から起動コードを受信することができる。ステップS420において、リロード回路321は、LTDI回路310からの起動コードの正確性をチェックして、正確性チェック結果を生成することができる。本実施形態は、起動コードのチェック方法を限定しない。例えば、一部の実際の設計では、リロード回路311は、起動コードを出力することができ、リロード回路311は、起動コードに対応するデバッグ情報も生成することができる。
【0024】
本実施形態は、デバッグ情報の具体的な生成方法を限定しない。例えば、一部の実際の設計では、デバッグ情報は、エラー訂正コード(ECC)を含むことができる。すなわち、リロード回路311は、データ情報(例えば、起動コードを含む)に対してECCアルゴリズムを実行して、デバッグ情報を生成することができる。一部の他の実際の設計では、デバッグ情報は、巡回冗長検査(CRC)コードを含むことができる。すなわち、リロード回路311は、データ情報(起動コードなど)に対してCRCアルゴリズムを実行して、デバッグ情報を生成することができる。他の実際の設計では、デバッグ回路は、起動コードに対してチェックサムアルゴリズムまたは他のデバッギングアルゴリズムを実行して、デバッグ情報を生成することができる。次いで、リロード回路311は、データ情報およびデバッグ情報を含む起動コードをすべてのLTDI回路S21~S2n(例えば、LTDI回路320)に伝達することができる。
【0025】
リロード回路321は、SPIチャネルを介してLTDI回路310(マスタIC)から起動コードを受信することができ、起動コードは、データ情報と、データ情報に対応するデバッグ情報とを含む。リロード回路321は、デバッグ情報を使用してデータ情報の正確性をチェックして、正確性チェック結果を生成することができる。例えば、リロード回路321は、CRCコード(デバッグ情報)を使用して起動コード(データ情報)の正確性をチェックし、正確性チェック結果を生成してもよい。
【0026】
ステップS430において、リロード回路321は、正確性チェック結果をオープンドレイン回路322に出力することができる。ステップS440において、オープンドレイン回路322は、正誤ワイヤCWを介して、正確性チェック結果をLTDI回路310(マスタIC)に返す。例えば、正確性チェック結果が、LTDI回路320が受信した起動コードが正しいことを示す場合、オープンドレイン回路322は、正誤ワイヤCWに対して高インピーダンス状態(Hi-Z状態)にある。正確性チェック結果が、LTDI回路320が受信した起動コードが正しくないことを示すとき、オープンドレイン回路322は、正誤ワイヤCWの電位を低論理レベルにプルダウン(強プルダウン)することができる。
【0027】
図5は、本発明の別の実施形態に従って示される、LTDI回路S21~S2nが、異なるワイヤを介してLTDI回路M21に正確性チェック結果およびレディ信号をブロードキャストする回路の概略ブロック図である。図5に示されるFLASHメモリ210、LTDI回路M21、およびLTDI回路S21~S2nは、図2に示されるFLASHメモリ210、LTDI回路M21、およびLTDI回路S21~S2nの関連説明を参照することができ、したがって、ここでは繰り返さない。LTDI回路M21は、カスケードSPIチャネル/インターフェースを介してスレーブ集積回路S11~S1nに結合されるだけでなく、図5に示される実施形態では、LTDI回路M21は、正誤ワイヤCW(correctness wire)およびレディワイヤRW(ready wire)を介してLTDI回路S21~S2nに結合されていてもよい。図5に示される正誤ワイヤCWは、図2および/または図3の関連説明において提供されたものと同様であり、したがって、ここでは繰り返さない。
【0028】
例えば、LTDI回路S21~S2nのうちのうちのいずれか1つは、SPIチャネルを介してLTDI回路M21から起動コードを受信することができる。LTDI回路S21~S2nのうちのうちのいずれか1つは、レディワイヤRWを介して、「自身が起動コードの受信を終了したか否か」を示すレディ信号(オープンドレイン信号)をLTDI回路M21に返すことができる。起動コードを受信した後、LTDI回路S21~S2nのうちのいずれか1つは、LTDI回路M21からの起動コードの正確性をチェックして、正確性チェック結果を生成することができる。LTDI回路S21~S2nのうちのいずれか1つは、正誤ワイヤCWを介して正確性チェック結果(オープンドレイン信号)をLTDI回路M21に返すことができる。したがって、LTDI回路M21は、レディワイヤRWの電位に応じて、すべてのLTDI回路S21~S2nが起動コードを受信したか否かを判定し、正誤ワイヤCWの電位に応じて、すべてのLTDI回路S21~S2nが受信した起動コードが正しいか否かを判定することができる。図1に示した実施形態と比較すると、図5に示した実施形態では、LTDI回路M21は、LTDI回路S21~S2nのすべてのCRCコードをリードバックする必要がない。それゆえ、LTDI回路M21は、複数のLTDI回路S21~S2nを簡単かつ効率的に起動することができる。
【0029】
図6は、本発明の一実施形態によるLTDI回路の回路ブロック図である。図6は、LTDI回路610およびLTDI回路620を示し、LTDI回路610は、図5に示すSPIアーキテクチャ500のLTDI回路M21として使用されてもよく、LTDI回路620は、図5に示すSPIアーキテクチャ500のLTDI回路S21~S2nのうちの1つとして使用されてもよい。LTDI回路610は、リロード回路611、プルアップ抵抗器612、およびプルアップ抵抗器613を含む。図6に示される正誤ワイヤCWは、図5に示された正誤ワイヤCWの関連説明で提供されている通りであり、図6に示されるレディワイヤRWは、図5に示されたレディワイヤRWの関連説明で提供されている通りであるため、ここでは繰り返さない。
【0030】
正誤ワイヤCWは、LTDI回路610(マスタIC)の第1の入力端子に結合されている。正誤ワイヤCWの電位は、プルアップ抵抗器612によってプルアップされてもよい(弱プルアップ)。図5に示されるすべてのLTDI回路S21~S2n(LTDI回路620など)が、正誤ワイヤCWに対してすべて高インピーダンス状態にある場合、LTDI回路610(マスタIC)のプルアップ抵抗器612は、正誤ワイヤCWの電位を高論理レベルにプルアップすることができる。図6に示されるリロード回路611およびプルアップ抵抗器612は、図3に示されるリロード回路311およびプルアップ抵抗器312の関連説明において提供されている通りであり、したがってここでは繰り返さない。レディワイヤRWは、LTDI回路610(マスタIC)の第2の入力端子に結合されている。レディワイヤRWの電位は、プルアップ抵抗器613によってプルアップされてもよい(弱いプルアップ)。図5に示されるすべてのLTDI回路S21~S2n(LTDI回路620など)がレディワイヤRWに対してすべて高インピーダンス状態にある場合、LTDI回路610(マスタIC)のプルアップ抵抗器613は、レディワイヤRWの電位を高論理レベルにプルアップすることができる。
【0031】
図6に示される実施形態では、LTDI回路620は、リロード回路621、オープンドレイン回路622、およびオープンドレイン回路623を含む。オープンドレイン回路622の出力端子は、LTDI回路620の外部の正誤ワイヤCWに結合されていてもよい。リロード回路621は、オープンドレイン回路622の入力端子およびオープンドレイン回路623の入力端子に結合されている。図6に示されているリロード回路621およびオープンドレイン回路622は、図3に示されているリロード回路321およびオープンドレイン回路322の関連説明において提供されている通りであり、したがって、ここでは繰り返さない。
【0032】
図6に示される実施形態では、オープンドレイン回路623の出力端子は、LTDI回路620の外部のレディワイヤRWに結合されるように構成されている。レディワイヤRWは、マスタICのリロード回路611の第2の入力端子にも結合されている。レディワイヤRWの電位は、プルアップ抵抗器613によってプルアップされる(弱プルアップ)。リロード回路621は、SPIチャネルを介してLTDI回路610(マスタIC)から起動コードを受信することができる。リロード回路621は、「LTDI回路620が起動コードの受信を終了したか否か」を示すレディ信号を、オープンドレイン回路623およびレディワイヤRWを介してLTDI回路610(マスタIC)に返すことができる。例えば、レディ信号が、LTDI回路620が起動コードの受信を終了したことを示すとき、オープンドレイン回路623は、レディワイヤRWに対して高インピーダンス状態(Hi-Z状態)にあり、レディ信号が、LTDI回路620が起動コードの受信を終了していないことを示すとき、オープンドレイン回路623は、レディワイヤRWの電位を低論理レベルにプルダウン(強プルダウン)することができる。
【0033】
上記に基づいて、本実施形態の正確性チェック結果およびレディ信号は、オープンドレイン信号である。LTDI回路M21が起動コードを複数のLTDI回路S21~S2n(例えば、LTDI回路620)に伝達した後、リロード回路621は、起動コードを受信したか否かを判定し、レディ信号(オープンドレイン信号)をLTDI回路M21(例えば、LTDI回路610)に返すことができる。例えば、これらのLTDI回路S21~S2nのうちの1つ(または複数)が起動コードの受信を終了していない場合、起動コードの受信を終了していないスレーブICは、レディワイヤRWの電位を低論理レベルにプルダウンし、これらのLTDI回路S21~S2nがすべて起動コードの受信を終了した場合、これらのLTDI回路S21~S2nはすべて、レディワイヤRWに対して高インピーダンス状態(Hi-Z状態)にあり、このときプルアップ抵抗器613はレディワイヤRWの電位を高論理レベルにプルアップすることができる。したがって、LTDI回路620は、レディワイヤRWを介してオープンドレイン信号(レディ信号)をLTDI回路610にブロードキャストすることができる。LTDI回路610(マスタIC)がこれらのLTDI回路S21~S2nに起動コードを伝達した後、LTDI回路610は、レディワイヤRWの電位に応じて、すべてのLTDI回路S21~S2n(例えば、LTDI回路620)が起動コードの受信を終了したか否かを判定することができる。したがって、LTDI回路M21は、複数のLTDI回路S21~S2nを簡単かつ効率的に起動することができる。
【0034】
異なる設計要件によると、リロード回路311、リロード回路321、リロード回路611、および/またはリロード回路621は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア(すなわち、プログラム)、またはこれら3つの組合せによって実施されてもよい。ハードウェアに関して、リロード回路311、リロード回路321、リロード回路611、および/またはリロード回路621は、IC上の論理回路において実施されてもよい。リロード回路311、リロード回路321、リロード回路611、および/またはリロード回路621の関連する機能は、ハードウェア記述言語(例えば、Verilog HDLまたはVHDL)または他の適切なプログラミング言語を使用してハードウェアとして実施されてもよい。例えば、リロード回路311、リロード回路321、リロード回路611、および/またはリロード回路621の関連する機能は、1つまたは複数のコントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ならびに/または他の処理ユニット内の様々な論理ブロック、モジュール、および回路において実施されてもよい。
【0035】
ソフトウェアおよび/またはファームウェアの形態では、リロード回路311、リロード回路321、リロード回路611、および/またはリロード回路621の関連する機能は、プログラミングコードとして実施されてもよい。例えば、リロード回路311、リロード回路321、リロード回路611、および/またはリロード回路621は、汎用プログラミング言語(C、C++、またはアセンブリ言語など)または他の適切なプログラミング言語を使用することによって実施される。プログラミングコードは、「非一過性コンピュータ可読媒体」に記録/記憶されてもよい。一部の実施形態において、非一過性コンピュータ可読媒体は、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、半導体メモリ、プログラマブル論理回路、および/または記憶装置を含む。記憶装置は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などの記憶装置を含む。中央処理装置(CPU)、コントローラ、マイクロコントローラ、またはマイクロプロセッサは、リロード回路311、リロード回路321、リロード回路611、および/またはリロード回路621の関連する機能を達成するために、非一過性コンピュータ可読媒体からプログラミングコードを読み取り、実行することができる。
【0036】
本発明は、上記の実施形態を参照して説明してきたが、本開示の趣旨から逸脱することなく、説明した実施形態に対する修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。したがって、本開示の範囲は、上記の詳細な説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のLTDI回路およびその動作方法は、SPIアーキテクチャに適用することができる。
【符号の説明】
【0038】
100:SPIアーキテクチャ
310、320、610、620、M11、M21、S11、S1n、S21、S2n:LTDI回路
311、321、611、621:リロード回路
312、612、613:プルアップ抵抗器
322、622、623:オープンドレイン回路
CW:正誤ワイヤ
RW:レディワイヤ
S410~S440:ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】