(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093382
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G08B 21/24 20060101AFI20230627BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20230627BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20230627BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20230627BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20230627BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20230627BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20230627BHJP
【FI】
G08B21/24
G08G1/005
G08B21/02
G08B21/00 U
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202048
(22)【出願日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】P 2021208518
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 浩章
【テーマコード(参考)】
5C086
5H181
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086AA44
5C086AA47
5C086AA49
5C086AA51
5C086CA16
5C086CA21
5C086CA25
5C086FA06
5C086FA18
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB05
5H181FF04
5H181FF33
5H181MB11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】歩道橋等の構造物を利用する利用者の安全性を向上させる情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】通信システムにおいて、情報処理装置である基地局10は、歩道橋の階段/スロープを上った先の通路Ruと、通路Rdと、それらをつなぐ階段及び/又はスロープRmと、を含む構造物を利用する利用者の端末20から、構造物における利用者の位置に関する通知情報を取得し、位置に基づいて、利用者P1~P3の状態を決定し、利用者の状態に対応して、前記構造物の利用に関する注意を喚起する喚起情報を生成する制御部と、喚起情報を送信する送信部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通路と、第2の通路と、前記第1の通路及び前記第2の通路をつなぐ階段及び/又はスロープと、を含む構造物を利用する利用者の端末から、前記構造物における前記利用者の位置に関する通知情報を取得し、前記位置に基づいて、前記利用者の状態を決定し、前記利用者の状態に対応して、前記構造物の利用に関する注意を喚起する喚起情報を生成する制御部と、
前記喚起情報を送信する送信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記喚起情報は、前記第1の通路及び/又は前記第2の通路における車両の通行に関する注意と、前記利用者の健康面での異変に関する注意と、前記構造物の安全な利用に関する注意と、の少なくとも1つを喚起する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記利用者の移動方向と前記位置とに基づいて、前記利用者の状態を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記構造物を歩行して利用する第1の利用者の位置と、前記構造物を車両に乗車して利用する第2の利用者の位置との関係に基づいて、前記第1の利用者の状態及び前記第2の利用者の状態の少なくとも1つを決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2の利用者の移動速度に基づいて、前記第1の利用者の状態及び前記第2の利用者の状態の少なくとも1つを決定する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2の利用者の移動速度が所定値より大きい場合に、前記第1の利用者の状態が第1の状態である、と決定し、前記移動速度が所定値より大きくない場合に、前記第1の利用者の状態が、前記第1の状態と異なる第2の状態である、と決定する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第2の利用者の移動方向に基づいて、前記第1の利用者の状態及び前記第2の利用者の状態の少なくとも1つを決定する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2の利用者の移動方向が前記第1の利用者に近づく方向である場合に、前記第1の利用者の状態が第1の状態である、と決定し、前記第2の利用者の移動方向が前記第1の利用者に近づく方向ではない場合に、前記第1の利用者の状態が前記第1の状態と異なる第2の状態である、と決定する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2の利用者が前記スロープを上る方向に移動する場合に、前記第1の利用者の状態が第1の状態である、と決定し、前記第2の利用者が前記スロープを下る方向に移動する場合に、前記第1の利用者の状態が前記第1の状態と異なる第2の状態である、と決定する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第2の利用者が前記階段に位置する場合に、前記第1の利用者の状態が第1の状態である、と決定し、前記第2の利用者が前記階段に位置しない場合に、前記第1の利用者の状態が前記第1の状態と異なる第2の状態である、と決定する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1の利用者が前記第1の状態である場合、前記通知情報を通知しない、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記送信部は、前記喚起情報を前記利用者と異なる人物が有する端末へ送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置が、
第1の通路と、第2の通路と、前記第1の通路及び前記第2の通路をつなぐ階段及び/又はスロープと、を含む構造物を利用する利用者の端末から、前記構造物における前記利用者の位置に関する通知情報を取得し、
前記位置に基づいて、前記利用者の状態を決定し、
前記利用者の状態に対応して、前記構造物の利用に関する注意を喚起する喚起情報を生成し、
前記喚起情報を送信する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歩道橋等の構造物を利用する利用者の存在に関する情報を、無線通信を用いて、提供することによって、利用者の安全性を向上させる技術が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、自転車に乗ったユーザが歩道橋に存在することを、車両に通知する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
歩道橋等の構造物を利用する利用者の安全性を向上させる方法については検討の余地がある。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、歩道橋等の構造物を利用する利用者の安全性を向上させることができる情報処理装置、及び、情報処理方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係る情報処理装置は、第1の通路と、第2の通路と、前記第1の通路及び前記第2の通路をつなぐ階段及び/又はスロープと、を含む構造物を利用する利用者の端末から、前記構造物における前記利用者の位置に関する通知情報を取得し、前記位置に基づいて、前記利用者の状態を決定し、前記利用者の状態に対応して、前記構造物の利用に関する注意を喚起する喚起情報を生成する制御部と、前記喚起情報を送信する送信部と、を備える。
【0008】
本開示の一実施例に係る情報処理方法は、情報処理装置が、第1の通路と、第2の通路と、前記第1の通路及び前記第2の通路をつなぐ階段及び/又はスロープと、を含む構造物を利用する利用者の端末から、前記構造物における前記利用者の位置に関する通知情報を取得し、前記位置に基づいて、前記利用者の状態を決定し、前記利用者の状態に対応して、前記構造物の利用に関する注意を喚起する喚起情報を生成し、前記喚起情報を送信する。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、又は、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施例によれば、歩道橋等の構造物を利用する利用者の安全性を向上させることができる。
【0011】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施の形態に係る通信システムの概要の第1の例を示す図
【
図2】第1の例において端末が送信する通知情報のフォーマットの例を示す図
【
図3】一実施の形態に係る基地局の処理の流れを示すフローチャートの第1の例を示す図
【
図4】一実施の形態に係る端末の処理の流れを示すフローチャートの第1の例を示す図
【
図5】一実施の形態に係る通信システムの概要の第2の例を示す図
【
図6】第2の例において端末が送信する通知情報のフォーマットの例を示す図
【
図7】一実施の形態に係る端末の処理の流れを示すフローチャートの第2の例を示す図
【
図8】一実施の形態に係る通信システムの概要の第3の例を示す図
【
図9】一実施の形態に係る端末の処理の流れを示すフローチャートの第3の例を示す図
【
図10】一実施の形態に係る通信システムの概要の第4の例を示す図
【
図11】第4の例において端末が送信する通知情報のフォーマットの例を示す図
【
図12】一実施の形態に係る通信システムの概要の第5の例を示す図
【
図13】第5の例において端末が送信する通知情報のフォーマットの例を示す図
【
図14】利用者の状態と注意喚起との第1の関係の例を示す図
【
図15】利用者の状態と注意喚起との第2の関係の例を示す図
【
図16】端末に表示される注意喚起情報の一例を示す図
【
図17】一実施の形態に係る基地局の構成例を示すブロック図
【
図18】一実施の形態に係る端末の構成例を示すブロック図
【
図19】一実施の形態に係る通信システムの概要の第6の例を示す図
【
図20】第6の例において端末が送信する通知情報のフォーマットの例を示す図
【
図21】一実施の形態に係る端末の処理の流れを示すフローチャートの第6の例を示す図
【
図22】一実施の形態に係る基地局の処理の流れを示すフローチャートの第6の例を示す図
【
図23】一実施の形態に係る端末の処理の流れを示すフローチャートの第7の例を示す図
【
図24】一実施の形態に係る基地局の処理の流れを示すフローチャートの第7の例を示す図
【
図25】一実施の形態に係る通信システムの概要の第8の例を示す図
【
図26】一実施の形態に係る端末の処理の流れを示すフローチャートの第8の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
(一実施の形態)
特許文献1には、加速度情報に基づいて、自機のユーザが自転車に乗って移動中であると判定し、回転情報に基づいてユーザが歩道橋を移動中であるか否かを判定し、ユーザが歩道橋を移動中である場合に判定結果を車両に通知する通信装置を含むシステムが記載されている。
【0015】
特許文献1に記載のシステムは、ユーザが自転車に乗って歩道橋を移動中である旨を車両に通知するため、自転車に乗っていない歩道橋の利用者(例えば、歩行者)等に対する注意喚起(又は見守り)を行うことが困難である。
【0016】
本実施の形態では、歩道橋等の構造物を利用する利用者に対して、利用者の位置等に基づいた注意喚起を行うことによって、利用者の安全性を向上させることができる情報処理装置及び情報処理方法の提供に資する。
【0017】
<システムの例及び第1の例>
図1は、本実施の形態に係る通信システムの概要の第1の例を示す図である。本実施の形態では、本実施の形態に係る通信システムが、車道を跨ぐように架けられた歩行者・自転車専用の歩道橋に対して適用される例を説明する。
【0018】
図1は、階段Rmと、階段Rmを上った先に繋がっている通路Ruとを有する歩道橋が示される。また、階段Rmを下った先に通路Rdが繋がっている。
【0019】
なお、本開示は、歩道橋に適用される例に限定されない。例えば、本開示は、第1の通路と、第2の通路と、第1の通路と第2の通路とをつなぐ階段及び/又はスロープと、を少なくとも含む構造物に対して適用される。なお、階段及び/又はスロープでつながれる通路は、3以上であってもよい。別言すると、本開示は、2層以上の階層構造を有し、歩行者及び/又は自転車等が通行する構造物に対して適用されてもよい。
【0020】
なお、以下では、階段及び/又はスロープは、階段/スロープと記載される場合がある。例えば、
図1において、階段Rmは、階段とスロープとを有するため、階段Rmは、階段/スロープRmと記載される場合がある。
【0021】
例えば、本開示は、地下横断歩道といった立体横断施設に適用されてもよいし、鉄道を跨ぐように架けられた歩行者・自転車専用の橋に適用されてもよいし、車道から分離された歩行者用の通路であるペデストリアンデッキと称される構造物に適用されてもよい。なお、ペデストリアンデッキは、車道の上空を平面的に移動できるようした建物と一体化した構造物を指してもよい。
【0022】
なお、以下の説明において、歩道橋の階段/スロープを上った先の通路(例えば、
図1における通路Ru)は、歩道橋の上段の通路と記載される場合がある。なお、利用者が歩道橋に存在する(歩道橋にいる)とは、利用者が、歩道橋を構成する階段/スロープ、又は、上段の通路に存在することに相当する。例えば、
図1では、利用者P1が、歩道橋の上段の通路Ruに存在する利用者であり、利用者P2が、歩道橋を構成する階段/スロープRmに存在する利用者であり、利用者P3は、歩道橋に存在しない人物である。
【0023】
本実施の形態に係る通信システムは、基地局10と端末20とを有する。また、基地局10は、データを管理するサーバ30と無線又は有線で接続してもよいし、外部の端末40と無線又は有線で接続してもよいし、外部の端末40とネットワーク(
図1では省略)を介して接続してもよい。
【0024】
基地局10は、歩道橋を含み、利用者等が移動する空間をカバーする通信範囲を有し、歩道橋の利用者が所有する端末20と通信を行う。なお、以下では、1つの基地局10が、歩道橋を含み、利用者等が移動する空間をカバーする例を示すが、本開示はこれに限定されない。例えば、複数の基地局10が、歩道橋を含み、利用者等が移動する空間をカバーしてもよい。
【0025】
基地局10は、端末20から情報を取得し、端末20の情報に基づいて、端末20に提供する情報を決定する。基地局10は、決定した情報を端末20に送信する。なお、端末20に提供する情報は、例えば、端末20を所有する利用者に対して、歩道橋の通行についての注意を促す情報(以下、注意喚起情報)を含んでもよい。
【0026】
端末20は、歩道橋の利用者が所有する端末であり、基地局10と通信を行う。端末20は、表示部を有し、基地局10から受信した注意喚起情報を表示部に表示する。
【0027】
なお、端末20の所有者に対する、注意喚起の方法については限定されない。例えば、注意喚起の方法は、注意を促す画像情報を端末20の表示部に表示する方法であってもよいし、注意を促す文字情報を利用者の端末20の表示部に表示する方法であってもよいし、注意を促す音声情報を端末20の音声出力部(スピーカ等)から出力する方法であってもよいし、これらの2つ以上の組合せであってもよい。
【0028】
また、注意喚起情報は、歩道橋を利用する利用者の端末20に送信される例に限定されない。例えば、注意喚起情報は、歩道橋を利用する利用者の見守りを行う人(例えば、保護者、家族、医師、看護師、介護士等)の端末40等に対して通知されてもよい。
【0029】
図1に示す第1の例では、端末20は、端末20を所有する利用者が歩道橋にいるか否か(存在するか否か)を、端末20が有する気圧センサの情報に基づいて、決定してよい。なお、利用者が歩道橋にいるか否かを決定する方法は、気圧センサの情報に基づく方法に限られず、他の方法であってもよい。なお、利用者が所有する端末20の位置は、以下では、利用者の位置と記載される場合がある。
【0030】
端末20は、例えば、利用者の位置(例えば、高さ方向の位置)に基づいて、利用者の状態を判定する。例えば、第1の例において判定する状態は、利用者が歩道橋にいない状態、または、利用者が歩道橋にいる状態のいずれかであってよい。あるいは、利用者が歩道橋にいる状態は、さらに、利用者が歩道橋の階段/スロープ以外にいる状態、及び、利用者が歩道橋の階段/スロープにいる状態のいずれかに分類されてもよい。なお、以下では、利用者が歩道橋にいない状態、及び、利用者が歩道橋にいる状態は、それぞれ、State#0、及び、State#1と称される場合がある。また、利用者が歩道橋の階段/スロープ以外にいる状態、及び、利用者が歩道橋の階段/スロープにいる状態は、それぞれ、State#10、及び、State#11と称される場合がある。
【0031】
図1の例では、利用者P1の状態は、State#10であり、利用者P2の状態は、State#11であり、利用者P3の状態は、State#0である。
【0032】
端末20は、利用者の位置に応じた状態に関する情報を含む通知情報を基地局10に送信する。
【0033】
基地局10は、歩道橋の利用者が所有する端末20から、端末20の位置に関する通知情報を取得し、歩道橋における利用者の位置(例えば、上述した利用者の状態)に基づいた注意喚起情報を生成し、注意喚起情報を送信する。
【0034】
第1の例では、基地局10は、歩道橋の階段/スロープにいる利用者P2に対して、階段/スロープを通行することへの注意を促す注意喚起情報を、利用者P2の端末20に送信する。
【0035】
図2は、第1の例において端末20が送信する通知情報のフォーマットの例を示す図である。
図2に示すフォーマットは、ユーザIDフィールドと、位置情報フィールドと、歩道橋関係情報フィールドとを有する。
【0036】
ユーザIDフィールドには、端末20の利用者を識別する識別情報が含まれる。
【0037】
位置情報フィールドには、例えば、利用者の位置を示す緯度情報及び経度情報が含まれる。利用者の位置を示す緯度情報及び経度情報は、GPS等によって取得されてよい。
【0038】
歩道橋関係情報フィールドには、歩道橋における利用者の位置に関する情報(以下、歩道橋関係情報)が含まれる。例えば、歩道橋関係情報は、利用者が歩道橋にいるか否かを示す。あるいは、歩道橋関係情報は、利用者が歩道橋にいる場合に、歩道橋の階段/スロープにいるか、あるいは、歩道橋の階段/スロープ以外にいるかを示してよい。例えば、歩道橋関係情報フィールドは、2ビットのサイズを有する。そして、歩道橋関係情報フィールドには、利用者が歩道橋にいない場合に、「00」が設定され、歩道橋の階段/スロープ以外にいる場合に、「01」が設定され、歩道橋の階段/スロープにいる場合、「10」に設定される。
【0039】
図1を援用して説明する場合、利用者P1は、歩道橋の階段/スロープ以外(
図1では、通路Ru)にいるため、利用者P1の端末20が送信する通知情報の歩道橋関係情報フィールドには、「01」が設定される。また、利用者P2は、歩道橋の階段/スロープ(
図1では、階段/スロープRm)にいるため、利用者P2の端末20が送信する通知情報の歩道橋関係情報フィールドには、「10」が設定される。また、利用者P3は、歩道橋にいない(
図1では、通路Rdにいる)ため、利用者P3の端末20が送信する通知情報の歩道橋関係情報フィールドには、「00」が設定される。
【0040】
なお、歩道橋関係情報は、歩道橋の高さ方向の位置に基づいて決定される利用者の状態を示す。そのため、本実施の形態において、GPS等によって得られる利用者の位置を示す緯度情報及び経度情報と、歩道橋における利用者の位置に関する歩道橋関係情報とは、それぞれ、位置情報に相当してよい。
【0041】
端末20は、例えば、
図2に示す通知情報を周期的に(例えば、数秒ごとに)基地局10に送信する。基地局10は、端末20から取得した通知情報に基づいて、利用者の位置に応じた状態を特定し、特定した状態に基づいた注意喚起情報を送信する。
【0042】
次に、第1の例における基地局10及び端末20の処理の流れを説明する。
【0043】
図3は、本実施の形態に係る基地局10の処理の流れを示すフローチャートの第1の例を示す図である。
図3に示すフローは、基地局10が起動した場合に開始されてよい。また、
図3に示すフローは、基地局10の動作が終了した場合に終了してよい。
【0044】
基地局10は、注意喚起情報の通知時刻であるか否かを判定する(S101)。例えば、注意喚起情報の通知時刻は、周期的に設定されてもよい。
【0045】
注意喚起情報の通知時刻ではない場合(S101にてNO)、基地局10は、利用者それぞれについて、注意喚起の要否の判定が完了したか否かを判定する(S102)。なお、例えば、ここで判定対象の利用者は、基地局10と無線接続する端末20それぞれの利用者である。
【0046】
利用者それぞれへの注意喚起の要否の判定が完了した場合(S102にてYES)、フローは、S101へ戻る。
【0047】
利用者それぞれへの注意喚起の要否の判定が完了していない場合(S102にてNO)、基地局10は、判定が完了していない利用者(別言すると、判定対象の利用者)の端末20から通知情報を受信する(S103)。
【0048】
基地局10は、判定が完了していない利用者についての位置及び/又は挙動を判定する(S104)。例えば、基地局10は、利用者の位置及び/又は挙動に基づいて利用者の状態を判定してもよい。例えば、基地局10は、通知情報に含まれる位置情報(緯度情報、経度情報、及び、歩道橋関係情報)の少なくとも1つに基づいて、利用者の状態を判定してよい。
【0049】
基地局10は、判定された位置及び/又は挙動(例えば、利用者の状態)に基づいて、判定対象の利用者に対して、注意喚起を行うか否かを判定する(S105)。
【0050】
注意喚起を行わない場合(S105にてNO)、例えば、第1の例では、利用者が階段/スロープにいない状態である場合、基地局10は、注意喚起情報を生成することなく、フローはS102へ戻る。
【0051】
注意喚起を行う場合(S105にてYES)、例えば、第1の例では、利用者が階段/スロープにいる状態である場合、基地局10は、判定対象の利用者に対して送信する注意喚起情報を生成する(S106)。そして、フローはS102へ戻る。
【0052】
注意喚起情報の通知時刻である場合(S101にてYES)、基地局10は、S106にて生成した注意喚起情報を、対応する利用者の端末20へ送信する(S107)。そして、フローはS101へ戻る。
【0053】
なお、
図3に示すフローは、基地局10が、注意喚起時刻において、1以上の利用者の端末20へ注意喚起情報を送信する例を示すが、本開示はこれに限定されない。例えば、基地局10が注意喚起情報を送信する時刻は、端末20毎に(利用者毎に)異なってもよい。
【0054】
図4は、本実施の形態に係る端末20の処理の流れを示すフローチャートの第1の例を示す図である。
図4に示すフローは、端末20において本実施の形態に係るシステムを利用するアプリケーションが起動した場合に開始されてもよいし、端末20が所定の領域(例えば、歩道橋をカバーする通信範囲)に存在する場合に開始されてもよい。また、
図4に示すフローは、端末20においてアプリケーションが終了した場合に終了してもよいし、端末20が所定の領域の外へ出た場合に終了してもよい。
【0055】
端末20は、通知情報の通知時刻であるか否かを判定する(S201)。例えば、通知情報の通知時刻は、周期的に設定されてもよいし、上述した注意喚起情報の通知時刻の所定時間前の時刻に設定されてもよい。
【0056】
通知情報の通知時刻である場合(S201にてYES)、端末20は、端末20の位置情報及び/又は高さ情報を取得する(S202)。
【0057】
端末20は、端末20が存在する高さが所定値より大きいか否かを判定する(S203)。例えば、S203における所定値は、基地局10がカバーする歩道橋の構造によって設定され、事前に、基地局10から通知されてもよい。所定値は、例えば、歩道橋の階段/スロープの高さによって定められてよい。
【0058】
端末20が存在する高さが所定値より大きくない場合(S203にてNO)、例えば、端末20が歩道橋の階段/スロープの最下段の位置、あるいは、最下段よりも低い位置に存在する場合、端末20は、利用者の状態を「State#0」に遷移させる(S204)。そして、フローはS209へ移行する。
【0059】
端末20が存在する高さが所定値より大きい場合(S203にてYES)、例えば、端末20が歩道橋の階段/スロープの最下段よりも上の位置に存在する場合、端末20は、利用者の状態を「State#1」に遷移させる(S205)。
【0060】
端末20は、端末20の高さの変化量が所定値より大きいか否かを判定する(S206)。例えば、端末20は、2時点間の高さ情報から高さの変化量を決定してよい。S206における所定値は、歩道橋の階段/スロープを移動しているか否かの判定に用いられ、歩道橋の階段/スロープの長さ、及び/又は、階段/スロープ以外の通路の勾配に基づいて規定される。所定値は、事前に基地局10から通知されてよい。
【0061】
端末20の高さの変化量が所定値より大きくない場合(S206にてNO)、例えば、端末20が歩道橋の上段の通路に存在する場合、端末20は、利用者の状態を「State#10」に遷移させる(S207)。そして、フローは、S209へ移行する。
【0062】
端末20の高さの変化量が所定値より大きい場合(S206にてYES)、例えば、端末20が歩道橋の階段/スロープに存在する場合、端末20は、利用者の状態を「State#11」に遷移させる(S208)。そして、フローは、S209へ移行する。
【0063】
端末20は、決定した状態に基づいて、通知情報を生成し、基地局10へ送信する(S209)。そして、フローは、S201へ移行する。
【0064】
通知情報の通知時刻ではない場合(S201にてNO)、端末20は、注意喚起情報を受信したか否かを判定する(S210)。
【0065】
注意喚起情報を受信していない場合(S210にてNO)、端末20は、注意喚起を行うことなく、フローは、S201へ戻る。
【0066】
注意喚起情報を受信した場合(S210にてYES)、端末20は、注意喚起を行う(S211)。そして、フローは、S201へ戻る。
【0067】
なお、
図3及び
図4のフローでは、端末20が、利用者の位置(例えば、高さ方向の位置)に基づいて利用者の状態を判定し、利用者の状態を含む通知情報を基地局10に送信し、基地局10が、通知情報に示される利用者の状態に基づいて注意喚起情報を生成する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、端末20は、利用者の位置(例えば、高さ方向の位置)に関する情報を含む通知情報を基地局10に送信し、基地局10が、利用者の位置(例えば、高さ方向の位置)に関する情報に基づいて、利用者の状態を判定してもよい。また、端末20が、利用者の位置(例えば、高さ方向の位置)に基づいて利用者の状態を判定し、判定した利用者の状態に基づいて注意喚起情報を生成し、端末20において注意喚起を行ってもよい。
【0068】
以上、第1の例では、歩道橋における利用者の位置、例えば、利用者が階段/スロープにいるか否かに応じて、適切な注意喚起を行えるため、利用者の安全性を向上させることができる。
【0069】
<第2の例>
図5は、本実施の形態に係る通信システムの概要の第2の例を示す図である。
図5は、
図1と同様に、歩道橋に対して適用され、基地局10と端末20とを有する通信システムを示す。
【0070】
図5の例では、端末20は、利用者の進行方向を推定し、利用者の位置と利用者の進行方向とに基づいて、利用者の状態を判定する。例えば、第2の例において判定する状態は、第1の例と同様に、利用者が歩道橋にいない状態、または、利用者が歩道橋にいる状態のいずれかであってよい。あるいは、第1の例と同様に、利用者が歩道橋にいる状態は、さらに、利用者が歩道橋の階段/スロープ以外にいる状態、及び、利用者が歩道橋の階段/スロープにいる状態のいずれかに分類されてもよい。また、第2の例においては、利用者が歩道橋の階段/スロープにいる状態が、利用者が歩道橋の階段/スロープを上っている状態、及び、利用者が歩道橋の階段/スロープを下っている状態に分類されてよい。なお、利用者が歩道橋の階段/スロープを上っている状態、及び、利用者が歩道橋の階段/スロープを下っている状態は、それぞれ、State#110、及び、State#111と称される場合がある。
【0071】
図5の例では、利用者P2の状態は、State#111であり、利用者P4の状態は、State#110である。
【0072】
図6は、第2の例において端末20が送信する通知情報のフォーマットの例を示す図である。
図6に示すフォーマットは、
図2と同様のフィールドを有するが、
図6では、歩道橋関係情報フィールドの設定が、
図2と異なる。
【0073】
歩道橋関係情報フィールドには、歩道橋関係情報が含まれる。例えば、歩道橋関係情報は、利用者が歩道橋にいるか否かを示す。また、歩道橋関係情報は、利用者が歩道橋にいる場合に、歩道橋の階段/スロープにいるか、あるいは、歩道橋の階段/スロープ以外にいるかを示してよい。また、歩道橋関係情報は、歩道橋の階段/スロープを上っているか、下っているかを示してよい。例えば、歩道橋関係情報フィールドは、2ビットのサイズを有する。そして、歩道橋関係情報フィールドには、利用者が歩道橋にいない場合に、「00」が設定され、歩道橋の階段/スロープ以外にいる場合に、「01」が設定され、歩道橋の階段/スロープを上っている場合、「10」に設定され、歩道橋の階段/スロープを下っている場合、「11」に設定される。
【0074】
第2の例における利用者P1、利用者P3の端末20が送信する通知情報は、第1の例と同様であってよい。利用者P2は、歩道橋の階段/スロープRmを下っているため、利用者P2の端末20が送信する通知情報の歩道橋関係情報フィールドには、「11」が設定される。また、利用者P4は、歩道橋の階段/スロープRmを上っているため、利用者P4の端末20が送信する通知情報の歩道橋関係情報フィールドには、「10」が設定される。
【0075】
端末20は、例えば、
図2に示す通知情報を周期的に(例えば、数秒ごとに)基地局10に送信する。基地局10は、端末20から取得した通知情報に基づいて、利用者の位置に応じた状態を特定し、特定した状態に基づいた注意喚起情報を送信する。
【0076】
次に、第2の例における基地局10及び端末20の処理の流れを説明する。なお、第2の例における基地局10の処理の流れは、上述した第1の例の
図3と同様であってよい。ただし、第2の例では、
図3のS104において、利用者が階段/スロープを上っている状態か、利用者が階段/スロープを下っている状態かが、判定される。
【0077】
図7は、本実施の形態に係る端末20の処理の流れを示すフローチャートの第2の例を示す図である。なお、
図7に示すフローにおいて、
図4と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。また、
図7に示すフローの開始及び終了は、
図4と同様であってもよい。
【0078】
端末20は、S208の後、端末20の高さがマイナスに変化するか否かを判定する(S401)。高さがマイナスに変化するということは、端末20の利用者が階段/スロープを下っていることに相当してよい。
【0079】
端末20の高さがマイナスに変化する場合(S401にてYES)、別言すると、例えば、端末20の利用者が階段/スロープを下っている場合、端末20は、利用者の状態を「State#111」に遷移させる(S402)。そして、フローはS209へ移行する。
【0080】
端末20の高さがマイナスに変化しない場合(S401にてNO)、別言すると、端末20の利用者が階段/スロープを下っていない場合、端末20は、利用者の状態を「State#110」に遷移させる(S403)。そして、フローはS209へ移行する。
【0081】
以上、第2の例では、歩道橋における利用者の位置に加えて利用者の進行方向に応じて、適切な注意喚起を行えるため、利用者の安全性を向上させることができる。
【0082】
<第3の例>
図8は、本実施の形態に係る通信システムの概要の第3の例を示す図である。
図8は、
図1と同様に、歩道橋に対して適用され、基地局10と端末20とを有する通信システムを示す。
【0083】
図8の例では、2通りの利用者が存在する。第1の利用者P2は、歩道橋を歩行して移動する利用者であり、第2の利用者P5は、歩道橋を自転車に乗って移動する利用者である。なお、本実施の形態において、自転車は、歩道橋を走行可能な車両の一例である。車道を通過する自動車は、歩道橋を走行可能ではない車両の一例である。なお、以下では、自転車に乗って移動する利用者は、単に、自転車と記載される場合がある。例えば、自転車に乗って移動する利用者の移動速度は、単に、自転車の移動速度と記載される。
【0084】
第1の利用者P2の端末20は、第1の利用者P2の位置に基づいて、利用者の状態を判定する。第2の利用者P5の端末20は、第2の利用者P5の位置に基づいて、利用者の状態を判定する。各利用者の端末20は、それぞれの利用者の位置情報を、基地局10に送信する。なお、ここで、送信する情報には、利用者の属性情報として、利用者が歩行者であるか、または、自転車を利用するかといった情報が含まれてよい。また、利用者の属性情報として、利用者の年齢(例えば、高齢者であるか否か)、利用者が障がい者であるか否か、といった情報が含まれてもよい。
【0085】
基地局10は、第1の利用者P2の端末20と、第2の利用者P5の端末20とから、それぞれ、第1の利用者P2の位置情報及び第2の利用者P5の位置情報を取得し、2人の利用者の位置関係に基づいて、各利用者の状態を特定する。そして、基地局10は、各利用者の端末20に、それぞれの状態に応じた注意喚起情報を送信する。
【0086】
例えば、基地局10は、第1の利用者P2の端末20に対して、第2の利用者P5、すなわち、自転車を利用する利用者が存在することに対する注意を促す注意喚起情報を送信し、第2の利用者P5の端末20に対して、第1の利用者P2、すなわち、歩行する利用者が存在することに対する注意を促す注意喚起情報を送信する。
【0087】
なお、第3の例において、端末20が送信する通知情報のフォーマットは、第2の例と同様であってよい。ただし、第3の例では、通知情報のユーザIDフィールドにおいて、利用者の属性(利用者が歩行者であるか、または、自転車を利用するか)を示す情報が含まれてよい。
【0088】
次に、第3の例における基地局10及び端末20の処理の流れを説明する。なお、第3の例における基地局10の処理の流れは、上述した第1の例の
図3と同様であってよい。ただし、第3の例では、
図3のS104において、自転車が歩道橋にいる状態か否かが判定されてよい。
【0089】
図9は、本実施の形態に係る端末20の処理の流れを示すフローチャートの第3の例を示す図である。なお、
図9に示すフローにおいて、
図4、
図7と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。また、
図9に示すフローの開始及び終了は、
図4と同様であってもよい。
【0090】
端末20は、S204、S207、S402、又は、S403の後、追加する情報を決定する(S601)。例えば、第3の例では、端末20は、利用者が自転車を使っているか否かを示す属性に関する情報を決定する。そして、フローはS209へ移行する。
【0091】
以上、第3の例では、歩行者と自転車との位置関係に応じて、歩行者及び/又は自転車のそれぞれに応じた適切な注意喚起を行えるため、利用者の安全性を向上させることができる。
【0092】
なお、上述した第3の例では、歩行者と自転車の利用者とを対象にしたが、本開示はこれに限定されない。例えば、自転車の利用者が、電動車椅子、または、シニアカーを利用する利用者に置き換えられてもよい。また、以下の各例においても、自転車の利用者が、電動車椅子、または、シニアカーを利用する利用者に置き換えられてもよい。本実施の形態において、電動車椅子、及び、シニアカーは、歩道橋を走行可能な車両の一例である。
【0093】
<第4の例>
図10は、本実施の形態に係る通信システムの概要の第4の例を示す図である。
図10は、
図1と同様に、歩道橋に対して適用され、基地局10と端末20とを有する通信システムを示す。
【0094】
図10の例では、
図8の例と同様に、2通りの利用者が存在する。第1の利用者P2は、歩道橋を歩行して移動する利用者であり、第2の利用者P6は、自転車から降りて歩行して移動する利用者である。
【0095】
第4の例では、第3の例と同様に、各利用者の端末20は、それぞれの利用者の位置情報を、基地局10に送信する。なお、ここで、送信する情報には、利用者の属性情報として、利用者が歩行者であるか、または、自転車を利用するかといった情報が含まれてよい。
【0096】
基地局10は、第1の利用者P2の端末20と、第2の利用者P6の端末20とから、それぞれ、第1の利用者P2の位置情報及び第2の利用者P6の位置情報を取得する。
【0097】
第3の例と異なり、第4の例では、第2の利用者P6が、自転車から降車しているため、第3の例と比較して、第1の利用者P2及び第2の利用者P6の安全性が高い。基地局10は、第2の利用者が自転車に乗車している状態か、降車している状態かを判定し、判定結果に基づいて、第1の利用者に対する注意喚起情報を決定する。
【0098】
例えば、基地局10は、第1の利用者P2及び第2の利用者P6の移動速度に関する速度情報を取得し、第2の利用者P6の移動速度と所定値とを比較することによって、第2の利用者P6が自転車に乗車している状態か、降車している状態かを判定する。そして、基地局10は、判定結果に基づいて、第1の利用者P1及び第2の利用者P6の状態を決定する。
【0099】
例えば、基地局10は、第2の利用者P6の移動速度が所定値より大きくない場合の第1の利用者P2の状態が、第2の利用者P6の移動速度が所定値より大きい場合よりも安全な状態である、と判定する。第2の利用者P6の移動速度が所定値より大きくない場合とは、例えば、第2の利用者P6が自転車から降車している場合であり、第2の利用者P6の移動速度が所定値より大きい場合とは、例えば、第2の利用者P6が自転車に乗車している場合である。
【0100】
基地局10は、第2の利用者P6の移動速度が所定値より大きくない場合、第1の利用者P2は相対的に安全な状態であるから、第1の利用者P2及び/又は第2の利用者P6に対して注意喚起情報を送信しなくてよい。
【0101】
なお、基地局10の代わりに、端末20が移動速度と所定値とを比較してもよい。その場合、端末20は、比較結果を示す情報を基地局10に送信し、基地局10は、比較結果に基づいて、第1の利用者P2及び/又は第2の利用者P6の状態を判定してもよい。
【0102】
図11は、第4の例において端末20が送信する通知情報のフォーマットの例を示す図である。
図11に示すフォーマットにおいて、
図2と同様のフィールドについては、説明を省略する。
図11のフォーマットでは、
図2のフォーマットに対して、速度情報フィールドが追加される。
【0103】
速度情報フィールドには、端末20の移動速度(端末20の所有者の移動速度)に関する速度情報が含まれる。例えば、端末20は、端末20の位置の時間変化に基づいて端末20の移動速度を決定してよい。
【0104】
なお、端末20が移動速度と所定値とを比較する場合、端末20は、決定した移動速度の大きさが、所定値より大きいか否かを、1ビットで表してもよい。例えば、移動速度が所定値より大きい場合は、速度情報フィールドが「1」に設定され、移動速度が所定値より大きくない場合は、速度情報フィールドが「0」に設定される。
【0105】
次に、第4の例における基地局10及び端末20の処理の流れを説明する。なお、第4の例における基地局10の処理の流れは、上述した第1の例の
図3と同様であってよい。ただし、第4の例では、
図3のS104において、利用者の移動速度が所定値より大きい状態か否かが判定されてよい。
【0106】
また、第4の例における基地局10の処理の流れは、上述した第3の例と同様であってよい。ただし、第4の例では、
図9のS601において、追加する情報に、端末20の速度の情報が追加される。
【0107】
以上、第4の例では、自転車を利用した人物が歩道橋を利用する場合に、当該人物が自転車に乗車しているか否かに基づいて、適切な注意喚起を行うことができる。これにより、自転車に乗車しておらず、安全性が高い状態にもかかわらず、注意喚起を行ってしまうことを回避できる。また、注意喚起情報の送信頻度を減らすことができ、通信効率の低下を抑制できる。
【0108】
<第5の例>
図12は、本実施の形態に係る通信システムの概要の第5の例を示す図である。
図12は、
図1と同様に、歩道橋に対して適用され、基地局10と端末20とを有する通信システムを示す。
【0109】
図12の例では、
図8の例と同様に、2通りの利用者が存在する。第1の利用者P2は、歩道橋を歩行して移動する利用者であり、第2の利用者P5は、歩道橋を自転車に乗って移動する利用者である。
【0110】
第5の例では、第3の例と同様に、各利用者の端末20は、それぞれの利用者の位置情報を、基地局10に送信する。なお、ここで、送信する情報には、利用者の属性情報として、利用者が歩行者であるか、または、自転車を利用するかといった情報が含まれてよい。
【0111】
基地局10は、第1の利用者P2の端末20と、第2の利用者P5の端末20とから、それぞれ、第1の利用者P2の位置情報及び第2の利用者P5の位置情報を取得し、2人の利用者の位置関係及び2人の利用者の進行方向に基づいて、各利用者の状態を判定する。そして、基地局10は、各利用者の端末20に、それぞれの状態に応じた注意喚起情報を送信する。
【0112】
図12には、第1の利用者P2及び第2の利用者P5それぞれの進行方向が示される。第5の例では、第2の利用者P5が自転車に乗車しているが、第2の利用者P5の進行方向が第1の利用者P2から離れる方向であるため、第1の利用者P2及び第2の利用者P5の安全性が高い。基地局10は、第2の利用者P5と第1の利用者P2とのそれぞれの進行方向に基づいて、第2の利用者P5が第1の利用者P2に近づく方向に移動するか否かを判定し、判定結果に基づいて、第1の利用者P2及び/又は第2の利用者P5に対する注意喚起情報を決定する。
【0113】
例えば、基地局10は、第1の利用者P2及び第2の利用者P5の進行方向に関する方向情報を取得し、第2の利用者P5の進行方向と第1の利用者P2の進行方向とを比較することによって、第2の利用者P5が第1の利用者P2に近づく方向に移動するか否かを判定する。そして、基地局10は、判定結果に基づいて、第1の利用者P2及び/又は第2の利用者P5の状態を決定する。
【0114】
例えば、基地局10は、第2の利用者P5が第1の利用者P2から離れる方向に移動する場合の第1の利用者P2の状態が、第2の利用者P5が第1の利用者P2に近づく方向に移動する場合よりも安全な状態である、と判定する。
【0115】
基地局10は、第2の利用者P5が第1の利用者P2から離れる方向に移動する場合、第1の利用者P2は相対的に安全な状態であるから、第1の利用者P2及び/又は第2の利用者P5に対して注意喚起情報を送信しなくてよい。
【0116】
図13は、第5の例において端末20が送信する通知情報のフォーマットの例を示す図である。
図13に示すフォーマットにおいて、
図11と同様のフィールドについては、説明を省略する。
図13のフォーマットでは、
図11のフォーマットに対して、進行方向情報フィールドが追加される。
【0117】
進行方向情報フィールドには、端末20の進行方向(端末20の所有者の進行方向)に関する速度情報が含まれる。例えば、端末20は、端末20の位置の時間変化に基づいて端末20の進行方向を決定してよい。端末20は、決定した進行方向を、1ビットで表してもよい。例えば、進行方向が歩道橋の通路における第1の方向である場合は、進行方向情報フィールドが「1」に設定され、進行方向が歩道橋の通路における第1の方向と逆方向である場合は、進行方向情報フィールドが「0」に設定される。例えば、第1の方向は、歩道橋において、予め、規定されてよい。そして、第1の方向を示す情報は、基地局10から端末20に事前に通知されてもよい。また、第1の方向には、歩道橋において移動可能な方向のうち、最も多くの人が移動する方向が選択されてもよい。歩道橋において移動可能な方向は、例えば、
図1のような構造の場合、左側の階段/スロープRmから進入し、右側の階段/スロープRmへ向かう方向と、その逆方向(右側から左側へ向かう方向)の2方向である。最も多くの人が移動する方向は、例えば、過去の歩道橋の利用者の移動方向の統計的な情報から決定されてもよい。ここで、最も多くの人が移動する方向は、時刻、曜日などによっても異なる場合があるため、時刻、曜日などによって変更されてもよい。さらに、付近でイベントなどが開催される日時などは、第1の方向が変更されてもよい。また、歩道橋における移動可能な方向が、3方向以上存在する場合(例えば、歩道橋が分岐点を含む構造である場合)、進行方向情報フィールドが、3方向以上のいずれか1つを示す情報(例えば、2ビット以上のビットパターン)を含んでもよい。
【0118】
次に、第5の例における基地局10及び端末20の処理の流れを説明する。なお、第5の例における基地局10の処理の流れは、上述した第1の例の
図3と同様であってよい。ただし、第5の例では、
図3のS104において、進行方向に基づいて2人の利用者(例えば、歩行者と自転車)が近づく方向に移動する状態か否かが判定されてよい。
【0119】
また、第5の例における基地局10の処理の流れは、上述した第3の例と同様であってよい。ただし、第5の例では、
図9のS601において、追加する情報に、端末20の速度の情報と進行方向の情報とが追加される。
【0120】
以上、第5の例では、自転車を有する人物が歩道橋を利用する場合に、当該人物が移動する方向が歩行者に近づく方向か否かに基づいて、適切な注意喚起を行うことができる。これにより、自転車に乗車しているが、歩行者から離れる方向に移動しているため、歩行者の安全性が高い状態にもかかわらず、注意喚起を行ってしまうことを回避できる。また、注意喚起情報の送信頻度を減らすことができ、通信効率の低下を抑制できる。
【0121】
<利用者の状態と注意喚起との第1の関係>
上述した各例は、適宜、組み合わせられてもよい。また、上述した各状態に対する注意喚起については、上述した例に限定されない。例えば、各例を組み合わせた場合の、利用者の状態と注意喚起との第1の関係について説明する。
【0122】
図14は、利用者の状態と注意喚起との第1の関係の例を示す図である。
図14には、利用者の状態(State)と、注意喚起の内容との関係の例が示される。
【0123】
図14の利用者の状態については、上述した各例にて説明した状態と同様であるので、説明を省略する。
【0124】
図14の注意喚起の例において、「車両」は、歩道橋がかかっている車道を通過する車両に関する注意喚起を示す。例えば、「車両」について「注意喚起対象」である場合(例えば、State#0)、利用者に対して、車両が通過することを注意する注意喚起が行われてもよい。あるいは、この場合、車道を通過する車両に対して、歩行者が存在することを注意する注意喚起が行われてもよい。
【0125】
図14の注意喚起の例において、「自転車」は、自転車の通過に関する注意喚起を示す。例えば、「自転車」について「注意喚起対象」である場合(例えば、State#0)、利用者に対して、自転車が通過すること(接近すること)を注意する注意喚起が行われてもよい。あるいは、この場合、自転車に対して、歩行者が存在することを注意する注意喚起が行われてもよい。なお、ここでの自転車には、自転車に加えて、電動車椅子、シニアカーといった、歩道橋を走行可能な車両が含まれてもよい。
【0126】
なお、
図14の例において、利用者の状態がState#10である場合、「自転車」について「注意喚起対象」となる。これは、利用者が歩道橋の上段の通路を歩行している場合に、同様に歩道橋の上段の通路を走行する自転車に注意する注意喚起を意味する。
【0127】
図14の注意喚起の例において、「動悸/息切れ」は、利用者に対して動悸及び/又は息切れに関する注意喚起を示す。例えば、「動悸/息切れ」について「注意喚起対象」である場合(例えば、State#110)、利用者に対して、動悸/息切れを注意する注意喚起が行われてもよい。例えば、State#110は階段を上っている状態であり、動悸/息切れが生じる可能性が高い状態であるので、State#110の利用者に対して、注意喚起が行われる。
【0128】
図14の注意喚起の例において、「スリップ/転倒」は、利用者に対してスリップによる転倒に関する注意喚起を示す。例えば、「スリップ/転倒」について「注意喚起対象」である場合(例えば、State#111)、利用者に対して、スリップによる転倒を注意する注意喚起が行われてもよい。例えば、State#111は階段を下っている状態であり、スリップによる転倒が生じる可能性が高い状態であるので、State#111の利用者に対して、注意喚起が行われる。
【0129】
上述したとおり、
図14の例において、「車両」、及び、「自転車」は、歩道橋の通路における車両の通行に関する注意喚起を示す。また、「動悸/息切れ」は、歩道橋の利用者の健康面での異変に関する注意喚起を示す。また、「スリップ/転倒」は、歩道橋の安全な利用に関する注意喚起を示す。
【0130】
なお、本開示では、
図14の注意喚起の例において示した「動悸/息切れ」と「スリップ/転倒」以外の注意喚起が行われてもよい。例えば、階段を上っている状態と階段を下っている状態とでそれぞれ独立に、それぞれの状態に適した注意喚起が行われる。
【0131】
また、
図14の例における利用者の状態と注意喚起との関係は、利用者の年齢、天候、時間帯等に応じて変更されてもよい。例えば、利用者が高齢者又は障がい者である場合に、「動悸/息切れ」の注意喚起が行われ、利用者が高齢者ではない場合には、「動悸/息切れ」の注意喚起が行われなくてもよい。また、例えば、雨が降っている場合には、階段を下っている状態に限らず、階段を上っている状態も、「スリップ/転倒」の注意喚起対象となってもよい。
【0132】
例えば、基地局10は、
図14に示す対応関係と、端末20から取得した情報によって判定される利用者の状態とに基づいて、端末20に対して適切な注意喚起情報を送信してよい。
【0133】
(補足例1)
なお、自転車を有する利用者が歩道橋の階段を通行する場合、自転車から降車して歩行することによって、階段における歩行者の安全性は高いことが推測される。そのため、基地局10は、歩行者が歩道橋の階段にいる場合、自転車が存在することを示す注意喚起情報を、歩行者に対して送信しなくてもよい。
【0134】
また、自転車を有する利用者がスロープを上っている場合、自転車の移動速度は、相対的に安全な速度であることが推測される。そのため、基地局10は、自転車を有する利用者が歩道橋のスロープを上っている場合、自転車が存在することを示す注意喚起情報を、歩行者に対して送信しなくてもよい。
【0135】
また、基地局10は、歩道橋の構造に応じて、注意喚起情報を変更してもよい。
【0136】
例えば、基地局10は、歩行者が利用する階段と、自転車等が利用するスロープとが区別して設けられる歩道橋において、歩行者が歩道橋の階段にいる場合、自転車が存在することを示す注意喚起情報を、歩行者に対して送信しなくてもよい。
【0137】
また、例えば、基地局10は、階段/スロープに加えて、エレベータ及び/又はエスカレータが設けられる歩道橋において、歩行者が高齢者又は障がい者である場合、当該歩行者に対して、エレベータ及び/又はエスカレータが存在することを示す注意喚起情報を、歩行者に対して送信してもよい。
【0138】
(補足例2)
なお、上述した各例において、端末20又は基地局10は、歩行者又は自転車が、歩道橋の階段にいるか、あるいは、スロープにいるかを判定してもよい。例えば、階段とスロープとを両方有する歩道橋において、この判定が行われてもよい。そして、基地局10は、この判定結果に基づいて、歩行者が階段にいる場合には、歩行者に対して注意喚起情報を送信しなくてもよい。
【0139】
例えば、端末20が有するセンサの情報に基づいて、判定が行われる。例示的に、端末20は、端末20が有する加速度センサの高さ方向における加速度の大きさが所定値よりも大きい場合、端末20を有する利用者が階段にいる、と判定し、加速度センサの高さ方向における加速度の大きさが所定値よりも大きくない場合、端末20を有する利用者がスロープにいる、と判定する。
【0140】
また、歩行者が階段にいるか、または、スロープにいるかの判定結果の統計的な情報を用いて、歩道橋の構造が推定されてもよい。例えば、或る歩道橋において、歩行者がスロープにいる、と判定される頻度が非常に少ない場合(例えば、所定回数より少ない場合)、当該歩道橋が、歩行者用と自転車用の通路が別であり、歩行者用通路が階段を有し、スロープを有さない、と判定されてよい。この場合、歩行者が階段にいる、と判定された結果は、誤差と見なしてよい。また、例えば、或る歩道橋において、歩行者が階段にいる、と判定される頻度が非常に少ない場合(例えば、所定回数より少ない場合)、当該歩道橋が、歩行者用と自転車用の通路が同一であり、その通路が階段とスロープを有さない、と判定されてよい。この場合、歩行者が階段にいる、と判定された結果は、誤差と見なしてよい。例えば、歩道橋の構造が判定されることによって、歩行者が、歩道橋の階段にいるか、あるいは、スロープにいるかの判定を、歩道橋の構造に基づいて適切に行うことができる。
【0141】
なお、本開示が、地下道を含む構造物に対して適用される場合、地下道でのGPS等を用いた位置情報の取得が困難となる可能性がある。この場合、GPS等の衛星を用いた測位の代わりに、屋内測位が行われてもよい。あるいは、端末20がセンサを有する場合、センサの情報を用いた位置推定が行われてもよい。例えば、端末20が、気圧センサ、加速度センサ、及び、速度センサの少なくとも1つを有し、センサの情報を用いて、地下道を含む構造物における端末20の位置を推定してもよい。例えば、気圧センサ、加速度センサ、及び、速度センサの少なくとも1つを用いることによって、当該構造物の高さ方向の位置情報が得られるため、利用者が、地下道と地上とを結ぶ階段/スロープにいるか否か、が推定できる。
【0142】
<利用者の状態と注意喚起との第2の関係>
上述した補足例2の通り、利用者が階段にいるか、スロープにいるかが、区別して判定されてもよい。このような判定が行われる場合の利用者の状態と注意喚起との第2の関係について説明する。
【0143】
図15は、利用者の状態と注意喚起との第2の関係の例を示す図である。
図15には、利用者の状態(State)と、注意喚起の内容との関係の例が示される。なお、
図14において、
図15と同様の点については、説明を省略する。
【0144】
図15では、
図14と比較して、State#1100~State#1111が追加されている。State#1100は、利用者がスロープを上っている状態を示し、State#1101は、利用者が階段を上っている状態を示し、State#1110は、利用者がスロープを下っている状態を示し、State#1111は、利用者が階段を下っている状態を示す。
【0145】
図15において、State#1100及びState#1110は、自転車に乗って走行可能なスロープ、または、自転車専用のスロープに、利用者が存在する状態であるので、「自転車」の注意喚起対象である。
図15において、State#1101及びState#1111は、自転車に乗って走行可能なスロープが「自転車」の注意喚起対象外である。State#1100及びState#1110は、自転車に乗って走行可能ではない階段、または、歩行者専用の階段に、利用者が存在する状態であるので、自転車の注意喚起対象外である。
【0146】
図15において、State#1100及びState#1101は、階段/スロープを上っている状態を示すので、
図14と同様に、「動悸/息切れ」の注意喚起対象である。また、
図15において、State#1110及びState#1111は、階段/スロープを下っている状態を示すので、
図14と同様に、「スリップ/転倒」の注意喚起対象である。
【0147】
<端末における注意喚起の例>
次に、注意喚起情報を表示する場合の表示例について説明する。
【0148】
図16は、端末20に表示される注意喚起情報の一例を示す図である。
図16には、端末20(の表示部)に表示される画像が示される。表示される画像には、端末20を所有する利用者が利用している歩道橋の画像が含まれてもよい。
【0149】
図16の例では、階段/スロープを上っている利用者(例えば、高齢者)の端末20に、「疲れたら無理をしないで、休んでください。」というメッセージが表示される。
【0150】
なお、利用者が階段/スロープを上っているか、あるいは、下っているかといった状態の違いに応じて、メッセージの内容が変更されてもよい。例えば、階段/スロープを下っている利用者の端末20に、「滑りやすいので、足元に気をつけてください」というメッセージが表示されてもよい。
【0151】
また、上述した第3の例~第5の例のように、歩道橋に自転車が存在する状態において、歩道橋の歩行者の端末20には、「自転車がいますので、気をつけて下さい」というメッセージが表示されてよい。例えば、第4の例に示したように、自転車の移動速度が所定値より大きい場合に、このメッセージが表示されてもよいし、第5の例に示したように、自転車が歩行者に近づいてくる場合に、このメッセージが表示されてもよい。
【0152】
また、上述した第3の例~第5の例のように、歩道橋に自転車が存在する状態において、歩道橋の自転車の端末20には、「歩道橋では、自転車を降りてください」というメッセージが表示されてよい。例えば、第4の例に示したように、自転車の移動速度が所定値より大きい場合に、このメッセージが表示されてもよい。このメッセージが表示された後、所定時間経過しても自転車の移動速度が所定値より大きい(減速されない)場合は、端末20は、このメッセージと異なるメッセージを表示してもよいし、メッセージの表示と異なる注意喚起(例えば、音声による注意喚起)を行ってもよいし、場合によっては警察などに通知してもよい。端末20が、注意喚起の方法の切り替え(例えば、メッセージの切り替え)の要否を判断し、注意喚起の方法を切り替えてもよい。あるいは、基地局10が、要否を判断し、基地局10の注意喚起情報の切り替えに基づいて、端末20が、注意喚起の方法を切り替えてもよい。
【0153】
ここで、歩行者においても、移動速度が所定値より大きい(走って移動しているなど)場合、「歩道橋では、走らないでください」というメッセージが歩行者の端末20に表示されてよい。なお、歩行者の場合、階段などにおいても走っていることが考えられるため、階段などにおいて、移動速度が所定値より大きい場合も、「歩道橋では、走らないでください」というメッセージが表示されてよい。なお、歩行者の移動速度と比較する所定値と、自転車の移動速度と比較する所定値とは、異なってもよい。また、階段における歩行者の移動速度と比較する所定値と、階段以外における歩行者の移動速度と比較される所定値とは、異なってもよい。なお、ここでの歩行者は、所定値より大きい移動速度で走行する例に限らず、自転車等の車両とは異なる移動手段(例えば、ローラースケート、スケートボード等)を用いて、移動してもよい。
【0154】
また、事前に、利用者本人、または、利用者の家族等によってメッセージが設定されてもよい。例えば、注意喚起情報が、利用者の端末20ではなく、歩道橋を利用する利用者の見守りを行う人の端末40に送信される場合、見守りを行う人が、端末20に対して、音声通話により、注意を促す形態であってもよい。
【0155】
また、メッセージの内容は、天候(例えば、曇り、雨、雪等)及び/又は日時(日中又は夜間)に応じて変更されてもよい。
【0156】
また、メッセージを用いた注意喚起に加えて、音声を用いた注意喚起が行われてもよい。ここで、歩道橋に自転車が存在する状態において、注意喚起が行われた後、所定時間経過しても自転車の移動速度が所定値より大きい(減速されない)場合は、音声を大きくするなどの異なる注意喚起を行ってもよい。
【0157】
また、
図16では、メッセージが、端末20の表示部に表示される例を示したが、端末20の代わりに、利用者の近くに存在するサイネージ、自動販売機、電光掲示板といった外部の装置において、メッセージが表示されてもよい。
【0158】
なお、上述した各例において、利用者が高齢者又は障がい者であるか否かに応じて、注意喚起情報が決定されてもよい。利用者が高齢者又は障がい者である場合の注意喚起情報が、利用者が高齢者又は障がい者でない場合と異なってもよい。
【0159】
例えば、上述した各例の注意喚起は、利用者が高齢者又は障がい者である場合に行われてもよい。
【0160】
また、例えば、利用者が高齢者又は障がい者であり、歩道橋に設けられたエレベータ及び/又はエスカレータが利用者の進行方向に存在する場合に、エレベータ及び/又はエスカレータの利用を促す注意喚起情報が、利用者の端末20に送信されてもよい。例えば、この場合、端末20には、「エレベータがありますので、ご利用ください」というメッセージが表示されてもよいし、エレベータまでの経路を案内する情報が端末20に表示されてもよい。
【0161】
<各構成の例>
上述した本実施の形態に係る通信システムの各構成の例を説明する。本実施の形態に係る通信システムは、
図17に示す基地局10と、
図18に示す端末20とを含む。本実施の形態に係る無線通信方式(無線通信システム)は、特に限定されない。例えば、本実施の形態に係る無線通信方式は、5th generation mobile communication system(5G)の規格に準拠してもよいし、他の無線通信規格に準拠してもよい。
【0162】
なお、以下に示す構成は一例であり、本開示はこれに限定されない。
図17~
図18に示される構成の一部が省略されてもよいし、各図に示されない構成が追加されてもよい。
【0163】
<基地局10の構成>
図17は、本実施の形態に係る基地局10の構成例を示すブロック図である。基地局10は、受信部101と、受信制御部102と、位置判定部103と、注意喚起判定部104と、注意喚起情報生成部105と、送信制御部106と、送信部107と、を備える。受信制御部102と、位置判定部103と、注意喚起判定部104と、注意喚起情報生成部105と、送信制御部106とは、基地局10の制御部108に含まれてもよい。
【0164】
受信部101は、受信制御部102におけるタイミング制御に基づいて、基地局1010宛の上りリンク(UL)信号を受信する。受信部101は、UL信号を受信制御部102へ出力する。UL信号には、例えば、端末20からの通知情報が含まれる。
【0165】
受信制御部102は、受信部101における受信タイミングを制御する。また、受信制御部102は、UL信号に所定の受信処理を行う。例えば、所定の受信処理は、周波数変換処理(ダウンコンバート)を含む。また、所定の受信処理は、復調処理、復号処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0166】
受信制御部102は、所定の受信処理を施したUL信号から、受信データ及び/又は通知情報を抽出する。受信制御部102は、受信データを上位レイヤの信号処理を行うデータ処理部(
図14では省略)へ出力する。受信制御部102は、端末20の通知情報を抽出した場合、抽出した通知情報を位置判定部103へ出力する。
【0167】
位置判定部103は、端末20の通知情報に含まれる位置情報に基づいて、端末20の所有者(歩道橋の利用者)の状態を判定する。なお、ここで判定する利用者の状態は、利用者の位置、及び、利用者の挙動(例えば、移動速度、及び/又は、進行方向)に基づいて判定される。
【0168】
注意喚起判定部104は、位置判定部103によって判定された利用者の状態に基づいて、注意喚起を行うか否かを判定する。また、注意喚起判定部104は、注意喚起を行う場合には、注意喚起の対象と、注意喚起の内容とを判定する。
【0169】
注意喚起情報生成部105は、注意喚起判定部104の判定結果に応じて、注意喚起情報を生成する。注意喚起情報生成部105は、注意喚起情報を送信制御部106へ出力する。
【0170】
送信制御部106は、注意喚起情報の送信タイミングを制御する。また、送信制御部106は、データ処理部(
図14では省略)から取得する送信データ及び/又は端末20へ送信する制御情報の送信タイミングを制御する。また、送信制御部106は、注意喚起情報、送信データ、及び、制御情報の少なくとも1つに対して、所定の送信処理を行い、DL信号を生成する。なお、所定の送信処理は、符号化処理、変調処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0171】
送信部107は、送信制御部106における送信タイミング制御に基づいて、端末20に対してDL信号を送信する。
【0172】
本実施の形態に係る基地局10(情報処理装置の一例)において、制御部108は、第1の通路と、第2の通路と、第1の通路及び第2の通路をつなぐ階段/スロープと、を含む構造物(例えば、歩道橋)を利用する利用者の端末20から、構造物における利用者の位置に関する通知情報を取得し、位置に基づいて、利用者の状態を決定し、利用者の状態に対応して、構造物の利用に関する注意を喚起する喚起情報(例えば、注意喚起情報)を生成する。送信部107は、喚起情報を送信する。
【0173】
<端末20の構成>
図18は、本実施の形態に係る端末20の構成例を示すブロック図である。端末20は、受信部201と、受信制御部202と、位置情報生成部203と、高さ情報生成部204と、挙動判定部205と、通知情報生成部206と、送信制御部207と、送信部208と、表示制御部209と、表示部210を備える。受信制御部202と、位置情報生成部203と、高さ情報生成部204と、挙動判定部205と、通知情報生成部206と、送信制御部207と、表示制御部209は、端末20の制御部211に含まれてもよい。
【0174】
受信部201は、受信制御部202におけるタイミング制御に基づいて、端末20宛のDL信号を受信する。受信部201は、端末20宛のDL信号を受信制御部202へ出力する。
【0175】
受信制御部202は、受信部201における受信タイミングを制御する。また、受信制御部202は、端末20宛のDL信号に所定の受信処理を行う。例えば、所定の受信処理は、周波数変換処理(ダウンコンバート)を含む。また、所定の受信処理は、復調処理、復号処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0176】
受信制御部202は、所定の受信処理を施した信号から、基地局10が送信した注意喚起情報、受信データ及び/又は制御情報を抽出する。受信制御部202は、受信データを上位レイヤの信号処理を行うデータ処理部(
図18では省略)へ出力する。また、受信制御部202は、注意喚起情報を表示制御部209へ出力する。
【0177】
位置情報生成部203は、衛星信号受信部(
図18では省略)からGPS等の信号を取得し、端末20の位置(緯度及び経度)を示す情報を生成する。
【0178】
高さ情報生成部204は、端末20の気圧センサ(
図18では省略)から気圧の検出結果を示す情報を取得し、端末20の高さ方向の位置を示す情報を生成する。
【0179】
挙動判定部205は、端末20の位置(緯度及び経度)を示す情報と端末20の高さ方向の位置を示す情報とに基づいて、端末20を所有する利用者の挙動を判定する。例えば、挙動判定部205は、上述した利用者の状態を判定する。
【0180】
通知情報生成部206は、利用者の状態に関する情報、及び、利用者の位置情報を含む通知情報を生成し、送信制御部207へ出力する。
【0181】
送信制御部207は、送信部208における信号送信タイミングを制御する。また、送信制御部207は、データ処理部(
図15では省略)から取得する送信データ、及び/又は、基地局10へ送信する制御情報又は通知情報の送信タイミングを制御する。また、送信制御部207は、通知情報、送信データ、及び、制御情報の少なくとも1つに対して、所定の送信処理を行い、UL信号を生成する。なお、所定の送信処理は、符号化処理、変調処理等のベースバンド信号処理を含んでよい。
【0182】
送信部208は、送信制御部207における送信タイミング制御に基づいて、基地局10に対してUL信号を送信する。
【0183】
表示制御部209は、注意喚起情報を表示部210に表示する制御を行う。
【0184】
本実施の形態に係る端末20(情報処理装置の一例)において、制御部211は、第1の通路と、第2の通路と、第1の通路及び第2の通路をつなぐ階段及び/又はスロープと、を含む構造物(例えば、歩道橋)における、構造物の利用者の位置に基づいて、利用者の状態を決定し、利用者の状態に関する情報を含む通知情報を生成する。送信部208は、通知情報を送信する。
【0185】
なお、上述した基地局10の構成の少なくとも一部が、端末20に含まれてもよい。あるいは、上述した端末20の構成の少なくとも一部が、基地局10に含まれてもよい。
【0186】
例えば、基地局10の位置判定部103、注意喚起判定部104、注意喚起情報生成部105が、端末20(例えば、制御部211)に含まれてもよい。この構成の場合、端末20は、利用者の位置(例えば、高さ方向の位置)に基づいて利用者の状態を判定し、判定した利用者の状態に基づいて注意喚起情報を生成し、端末20において注意喚起を行ってもよい。なお、この場合、端末20は、基地局10と通信を行わなくてもよいし、基地局10から、歩道橋の構造に関する情報(例えば、階段/スロープの高さ、勾配等)を取得し、取得した情報に基づいて、利用者の状態判定を行ってもよい。
【0187】
また、例えば、端末20の挙動判定部205が、基地局10(例えば、制御部108)に含まれてもよい。この場合、端末20は、利用者の位置(例えば、高さ方向の位置)に関する情報を含む通知情報を基地局10に送信し、基地局10が、利用者の位置(例えば、高さ方向の位置)に関する情報に基づいて、利用者の状態を判定し、判定した利用者の状態に基づいて注意喚起情報を生成する。
【0188】
<第6の例>
なお、上述した各例において、カメラによって撮影した画像(以下、カメラ画像)が基地局10に通知されてもよい。第6の例では、カメラ画像が、基地局10に通知される例を説明する。
【0189】
図19は、本実施の形態に係る通信システムの概要の第6の例を示す図である。
図19は、
図1等と同様に、歩道橋に対して適用され、基地局10と端末20とを有する通信システムを示す。
【0190】
図19の例では、端末20はカメラを有し、端末20のカメラ(以下、「端末カメラ」と記載)は、利用者の周囲(例えば、利用者の視線の先)を撮影する。端末20のカメラは、見守り用として、利用者の周囲を撮影可能な特定の位置(例えば、利用者が有する手押し車)に固定されたカメラであってよい。端末20は、撮影したカメラ画像を、基地局10へ送信してもよい。なお、端末カメラは、端末20に搭載されたカメラに限定されない。以下の例では、端末20と別の装置であり、端末20と無線または有線で接続するカメラも、端末20のカメラに含まれてよい。
【0191】
また、
図19の例では、歩道橋の利用者を周囲から撮影するカメラ50(以下、「インフラカメラ50」と記載)が設置されている。インフラカメラ50は、撮影したカメラ画像を、基地局10へ送信してもよい。インフラカメラ50と基地局10とは、無線接続されてもよいし、有線で接続されてもよい。あるいは、インフラカメラ50は、ネットワーク(例えば、インターネット)を介して基地局10と接続されてもよい。
【0192】
基地局10は、受信したカメラ画像を、歩道橋の利用者の見守りを行う人が所有する端末40へ送信する。歩道橋の利用者の見守りを行う人は、端末40が受信したカメラ画像を確認し、歩道橋の利用者の見守りを行い、利用者に対して、注意喚起を行ってもよい。
【0193】
なお、端末カメラと、インフラカメラ50との動作に関して、以下のモード1-1~モード1-4の4つのモードが規定されてよい。なお、どのモードにおいて動作するかは、予め決められていてもよいし、動的に変更されてもよい。また、ユーザやユーザの見守りを行う人(例えば、保護者、家族、医師、看護師、介護士等)などの要望によって、選択されてもよい。
【0194】
モード1-1では、端末カメラとインフラカメラ50との両方が、常時オン状態であり、カメラ画像を送信する。
【0195】
モード1-2では、インフラカメラ50は、常時オン状態であり、カメラ画像を送信する。モード1-2では、端末20を所有する利用者が階段/スロープにいる場合に、当該端末20の端末カメラは、オン状態となり、カメラ画像を送信する。別言すると、モード1-2では、端末20を所有する利用者が階段/スロープにいない場合に、当該端末20の端末カメラは、オフ状態、または、カメラ画像の送信を停止する。例えば、端末20は、端末20に搭載されているセンサ(例えば、高さ方向の変動を検知できるセンサ(気圧センサ、加速度センサ))が検知した情報に基づいて、階段/スロープにいるか否かを判定してよい。
【0196】
モード1-3では、利用者が階段/スロープにいる場合に、当該端末20の端末カメラ及びインフラカメラ50の両方は、オン状態となり、カメラ画像を送信する。別言すると、モード1-3では、端末20を所有する利用者が階段/スロープにいない場合に、当該端末20の端末カメラ及びインフラカメラ50の両方が、オフ状態、または、カメラ画像の送信を停止する。例えば、端末20は、端末20に搭載されているセンサ(例えば、高さ方向の変動を検知できるセンサ(気圧センサ、加速度センサ))が検知した情報に基づいて、利用者が階段/スロープにいるか否かを判定してよい。そして、端末20が、基地局10に判定結果を送信し、基地局10は、受信した判定結果に基づいて、インフラカメラ50に対して、オンまたはオフを指示してよい。
【0197】
モード1-4では、モード1-3と同様に、端末20を所有する利用者が階段/スロープにいる場合に、当該端末20の端末カメラ及びインフラカメラ50の両方は、オン状態となり、カメラ画像を送信する。ただし、モード1-4では、モード1-3と異なり、基地局10が、インフラカメラ50と端末20のカメラとに対して、オンまたはオフを指示してよい。例えば、基地局10は、端末20から受信する端末20の利用者の位置に関する情報、及び/又は、インフラカメラ50が撮影した画像に基づいて、インフラカメラ50と端末20のカメラとに対して、オンまたはオフを指示してよい。
【0198】
なお、上述したモード1-1~モード1-4における端末カメラのオフ状態は、端末20がオン状態であるが、カメラが撮影をしていない状態に相当してよい。また、カメラのオフは、カメラ画像の送信停止と置き換えてもよい。また、カメラ画像の送信停止は、カメラ画像は撮影されているが、カメラ画像が送信されていないことに相当してもよい。あるいは、カメラ画像の送信停止は、カメラ画像の撮影が停止されていることに相当してもよい。
【0199】
図20は、第6の例において端末20が送信する通知情報のフォーマットの例を示す図である。
図20に示すフォーマットにおいて、
図2と同様のフィールドについては、説明を省略する。
図20には、利用者が階段/スロープ以外にいる場合に、当該利用者の端末20が送信する通知情報のフォーマット(a)と、利用者が階段/スロープにいる場合に、当該利用者の端末20が送信する通知情報のフォーマット(b)とが示される。
【0200】
利用者が階段/スロープ以外にいる場合に、当該利用者の端末20が送信する通知情報のフォーマット(a)は、
図2と同様である。利用者が階段/スロープにいる場合に、当該利用者の端末20が送信する通知情報のフォーマット(b)は、
図2のフォーマットに対して、カメラ画像情報フィールドが追加される。
【0201】
カメラ画像情報フィールドには、端末カメラが撮影したカメラ画像の情報が含まれる。なお、歩道橋関連情報が、利用者が歩道橋/スロープにいるか否かを示すため、基地局10は、歩道橋関連情報に基づいて、カメラ画像情報の有無が判定されてよい。
【0202】
次に、第6の例における基地局10及び端末20の処理の流れを説明する。
【0203】
図21は、本実施の形態に係る端末20の処理の流れを示すフローチャートの第6の例を示す図である。なお、
図21において、
図4と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。また、
図21に示すフローの開始及び終了は、
図4と同様であってもよい。以下、
図4との相違点について説明する。
【0204】
端末20は、利用者の状態を「State#0」に遷移させた後(S204の後)、または、利用者の状態を「State#10」に遷移させた後(S207の後)、端末20のカメラの動作をオフにする(S701)。なお、既にカメラの動作がオフである場合には、オフ状態が維持される。
【0205】
端末20は、利用者の状態を「State#11」に遷移させた後(S208の後)、端末20のカメラの動作をオンにして、カメラ画像を生成する(S702)。なお、既にカメラの動作がオンである場合には、オン状態が維持される。
【0206】
端末20は、決定した状態に基づいて、通知情報を生成し、基地局10へ送信する(S703)。なお、カメラ画像が生成されている場合(S702の後)、通知情報にはカメラ画像情報が含まれてよい。
【0207】
図22は、本実施の形態に係る基地局10の処理の流れを示すフローチャートの第6の例を示す図である。なお、
図22において、
図3と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。また、
図22に示すフローの開始及び終了は、
図3と同様であってもよい。以下、
図3との相違点について説明する。
【0208】
基地局10は、判定が完了していない利用者についての位置及び/又は挙動を判定した後(S104の後)、端末20及び/又はインフラカメラから受信したカメラ画像を解析して利用者に対して注意喚起すべき内容の有無を判定する(S801)。ここで、カメラ画像の具体的な活用方法としては、以下に示す方法がある。例えば、利用者の周辺で注意喚起すべき状況があるか否かの判定に、カメラ画像が活用されてよい。例えば、降雨時や降雨後、あるいは降雪時や降雪後に、階段及び/又はスロープに水溜りあるいは雪が残っていることをカメラ画像で確認できた場合、該当する階段やスロープを通らずに、他の経路を通るように注意喚起する、と判定される。
【0209】
基地局10は、判定された位置及び/又は挙動(例えば、利用者の状態)に基づいて、判定対象の利用者に対して、注意喚起を行うか否かを判定する(S802)。
【0210】
注意喚起を行わない場合(S802にてNO)、例えば、第6の例では、利用者が階段/スロープにいない状態である場合、基地局10は、注意喚起情報を生成することなく、フローはS102へ戻る。
【0211】
注意喚起を行う場合(S802にてYES)、例えば、第6の例では、利用者が階段/スロープにいる状態である場合、基地局10は、判定対象の利用者に対して送信する注意喚起情報を生成する(S803)。そして、フローはS102へ戻る。なお、第6の例では、判定対象の利用者の見守りを行う人が所有する端末40に対して送信する注意喚起情報を生成してもよい。ここで生成される注意喚起情報には、カメラ画像が含まれてもよい。
【0212】
注意喚起情報の通知時刻である場合(S101にてYES)、基地局10は、S803にて生成した注意喚起情報を、対応する利用者の端末20、及び/又は、対応する利用者の見守りを行う人が所有する端末40へ送信する(S804)。そして、フローはS101へ戻る。
【0213】
以上、第6の例では、歩道橋を利用する利用者の端末20、及び、歩道橋の周辺に設けられるインフラカメラ50が、撮影したカメラ画像を基地局10へ送信する。このように、カメラ画像が基地局10へ送信され、さらに、利用者の見守りを行う人の端末40へ送信されることによって、歩道橋の状況をより詳細に把握できるため、見守りを適切に行うことができる。
【0214】
なお、端末20は、端末20を所有する利用者が歩道橋を利用する場合と異なる場合に、カメラ画像を送信してもよい。例えば、端末20を所有する利用者が、インフラカメラ50が設置されていない場所、及び/又は、安全性に問題がある場所(例えば、工事現場)を歩行する場合に、端末20は、カメラ画像を送信してもよい。あるいは、端末20を所有する利用者が、当該利用者及び/又は見守りを行う人が指定した場所を歩行する場合に、端末20は、カメラ画像を送信してもよい。端末20は、利用者が歩行している場所を位置情報に基づいて判定し、カメラ画像を送信することが望まれる場所において、カメラ画像を送信してよい。
【0215】
<第7の例>
第7の例では、第6の例と同様に、カメラ画像が、基地局10に送信される。第7の例では、カメラ画像の基地局10への送信の要否が、端末20へ通知される。例えば、端末20を所有する利用者の見守りを行う人が、カメラ画像を基地局10へ通知する動作を行わないことを示す通知(カメラ画像不要通知)を端末20へ送信してもよい。見守りを行う人は、端末40から、カメラ画像不要通知を送信する。基地局10を介して、端末40からカメラ画像不要通知を受信した端末20は、カメラ画像を基地局10へ送信しなくてよい。カメラ画像不要通知は、例えば、上位レイヤのメッセージ等で通知されてよい。
【0216】
なお、端末カメラと、インフラカメラ50との動作に関して、以下のモード2-1~モード2-2の2つのモードが規定されてよい。なお、どのモードにおいて動作するかは、予め決められていてもよいし、動的に変更されてもよい。
【0217】
モード2-1では、カメラのオフ及び/又はカメラ画像の送信停止は、端末20に対して適用され、インフラカメラ50に対して適用されなくてよい。この場合、インフラカメラ50は、常時オン状態であり、カメラ画像を送信してよい。
【0218】
モード2-2では、カメラのオフ及び/又はカメラ画像の送信停止は、端末20に対して適用される。そして、モード2-2では、利用者が階段/スロープにいる場合に、インフラカメラ50は、オン状態となり、カメラ画像を送信する。別言すると、モード2-2では、利用者が階段/スロープにいない場合に、インフラカメラ50が、オフ状態、または、カメラ画像の送信を停止する。例えば、基地局10は、端末20から受信する端末20の利用者の位置に関する情報、及び/又は、インフラカメラ50が撮影した画像に基づいて、インフラカメラ50に対して、オンまたはオフを指示してよい。
【0219】
なお、モード2-2では、端末カメラとインフラカメラ50とのそれぞれの動作タイミングが規定されてもよい。例えば、インフラカメラ50がオンとなってから一定時間経過した後に、端末カメラをオンとしてもよい。一定時間とは、例えば、利用者が階段の所定の段数を上るまでの時間であってもよい。インフラカメラ50のオンのタイミングと端末カメラのオンのタイミングは、例えば、基地局10から指示されてよい。また、端末カメラは、インフラカメラ50よりも先にオフに切り替えられてよい。例えば、端末カメラは、端末20を所有する利用者が階段を上り終えるまでの残りの段数が所定の段数以下となった場合に、オフに切り替えられてよい。基地局10は、端末20から受信する利用者の位置情報、及び/又は、インフラカメラ50のカメラ画像が示す利用者の位置に基づいて、端末カメラ及びインフラカメラ50のオンまたはオフを指示してよい。このように、端末カメラがオン状態である時間を短縮することによって、端末20の消費電力の増加を抑制できる。
【0220】
次に、第7の例における基地局10及び端末20の処理の流れを説明する。
【0221】
図23は、本実施の形態に係る端末20の処理の流れを示すフローチャートの第7の例を示す図である。なお、
図23において、
図4、
図21と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。また、
図23に示すフローの開始及び終了は、
図4と同様であってもよい。以下、
図4及び
図21との相違点について説明する。
【0222】
端末20は、利用者の状態を「State#11」に遷移させた後(S208の後)、カメラ画像不要通知を受信しているか否かを判定する(S901)。
【0223】
カメラ画像不要通知を受信している場合(S901にてYES)、フローはS703へ移行する。
【0224】
カメラ画像不要通知を受信していない場合(S901にてNO)、端末20は、端末20のカメラの動作をオンにして、カメラ画像を生成する(S702)。なお、既にカメラの動作がオンである場合には、オン状態が維持される。
【0225】
図24は、本実施の形態に係る基地局10の処理の流れを示すフローチャートの第7の例を示す図である。なお、
図24において、
図3、
図22と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。また、
図24に示すフローの開始及び終了は、
図3と同様であってもよい。以下、
図3及び
図22との相違点について説明する。
【0226】
基地局10は、判定が完了していない利用者についての位置及び/又は挙動を判定した後(S104の後)、端末40からカメラ画像不要通知を受信しているか否かを判定する(S1001)。
【0227】
カメラ画像不要通知を受信していない場合(S1001にてNO)、フローはS801へ移行する。
【0228】
カメラ画像不要通知を受信している場合(S1001にてYES)、カメラ画像不要情報を生成する(S1002)。そして、フローはS802へ移行する。このカメラ画像不要情報は、判定対象の利用者の見守りを行う人が、所有する端末40を介して、基地局10に通知する。基地局10は、判定対象の利用者の見守りを行う人が所有する端末40に、このカメラ画像不要情報を通知する。なお、インフラカメラ50は、常時オンしてもよい。あるいは、端末情報及び/又はインフラカメラ50の画像などに基づいて、基地局10が、インフラカメラ50のオンにするか否かを判断してもよい。例えば、基地局10は、歩行者が階段やスロープにいる場合にのみ、インフラカメラ50をオンにしてもよい。
【0229】
ここで、端末カメラのオン及び/又はオフ(以下、オン/オフ)は、インフラカメラ50の設置位置及び/又はインフラカメラ50が撮影可能な範囲に基づいて、制御されてもよい。例えば、インフラカメラ50が、歩道橋の階段の下と階段を上った先の通路とにそれぞれ設けられる場合、端末カメラは、歩行者が階段を所定段数上った後にオンにし、残りの所定段数まで歩行者が階段を上った時点でオフにしてもよい。インフラカメラ50から遠くなるにつれて、インフラカメラ50で階段やスロープの詳細まで把握できなくなる恐れがあるが、インフラカメラ50と端末カメラを併用することで、インフラ50カメラから比較的遠い位置でも、端末20の省電力を図ったうえで、階段やスロープの詳細まで把握することができる。例えば、基地局10が、端末20の位置情報と、インフラカメラ50の設置位置及び/又はインフラカメラ50が撮影可能な範囲に関する情報とを取得し、取得した情報に基づいて、端末カメラのオン/オフを指示する制御情報を端末20に通知してもよい。
【0230】
以上、第7の例では、カメラ画像の基地局10への送信の要否が、端末20へ通知される。通知を受信した端末20は、カメラ画像を基地局10へ送信しなくてよい。このような構成により、不要なカメラ画像の送信を回避できるため、端末20の消費電力の増加を抑制できる。また、必要なカメラ画像の送信を要求できるため、見守りにおける安全確保を行うことができる。例えば、同じ場所であっても天候が良い場合には、見守りを行う人は、カメラ画像の送信を行わないことを通知し、天候が悪い場合には、見守りを行う人は、カメラ画像の送信を行うことを通知してよい。
【0231】
<第8の例>
図25は、本実施の形態に係る通信システムの概要の第8の例を示す図である。
図25は、
図1と同様に、歩道橋に対して適用され、基地局10と端末20とを有する通信システムを示す。
【0232】
第8の例では、歩道橋を歩行して利用する利用者が歩道橋の階段/スロープ以外にいる場合でも、歩道橋を自転車に乗って移動する利用者が近くにいる場合には、カメラ画像が、基地局10に送信されてよい。は、例えば、基地局10が各利用者の位置情報、速度情報等に基づいて、自転車が歩道橋に存在するか否かを判定してもよいし、インフラカメラ50のカメラ画像等に基づいて、自転車が歩道橋に存在するか否かを判定してもよい。基地局10は、自転車が歩道橋に存在することを示す自転車情報を端末20に通知してもよい。自転車情報は、例えば、上位レイヤのメッセージ等で通知されてよい。
【0233】
図25の例では、利用者P7及びP8は、歩道橋の上段の通路を歩行する。利用者P9は、歩道橋の上段の通路を自転車に乗って移動する。この場合、利用者P7及びP8の端末20は、カメラ画像を基地局10へ送信する。送信されたカメラ画像は、基地局10を介して、利用者それぞれの見守りを行う人の端末40に送信される。見守りを行う人は、それぞれ、端末40にて受信したカメラ画像を確認して、利用者P7及びP8に注意喚起を行ってよい。
【0234】
なお、端末20のカメラ画像の送信の要否には、自転車の進行方向が考慮されてもよい。例えば、
図25の例において、利用者P9は、利用者P8から離れる方向であり、かつ、利用者P7に近づく方向に自転車で移動している。このような場合、利用者P7の端末20は、カメラ画像を送信し、利用者P8の端末20は、カメラ画像を送信しなくてもよい。
【0235】
なお、端末カメラと、インフラカメラ50との動作に関して、上述したモード1-1~モード1-4、モード2-1~モード2-2の何れかが適用されてもよい。あるいは、以下のモード3-1~モード3-2の2つのモードの何れかが適用されてよい。なお、どのモードにおいて動作するかは、予め決められていてもよいし、動的に変更されてもよい。
【0236】
モード3-1では、インフラカメラ50は、常時オン状態であり、カメラ画像を送信してよい。
【0237】
モード3-2では、自転車で移動する利用者が歩道橋にいる場合に、インフラカメラ50は、オン状態となり、カメラ画像を送信する。別言すると、モード2-2では、自転車で移動する利用者が歩道橋にいない場合に、インフラカメラ50が、オフ状態、または、カメラ画像の送信を停止する。
【0238】
次に、第8の例における基地局10及び端末20の処理の流れを説明する。
【0239】
第8の例における基地局10の処理のながれは、
図22に示した第6の例における基地局10の処理の流れ、
図24に示した第7の例における基地局10の処理の流れ等と同様であってよいので、説明を省略する。
【0240】
図26は、本実施の形態に係る端末20の処理の流れを示すフローチャートの第8の例を示す図である。なお、
図26において、
図4、
図21と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する。また、
図26に示すフローの開始及び終了は、
図4と同様であってもよい。以下、
図4及び
図21との相違点について説明する。
【0241】
端末20は、利用者の状態を「State#0」に遷移させた後(S204の後)、または、利用者の状態を「State#10」に遷移させた後(S207の後)、歩道橋に自転車が存在することを示す自転車情報を受信したか否かを判定する(S1101)。
【0242】
自転車情報を受信していない場合(S1101にてNO)、端末20は、端末20のカメラの動作をオフにする(S701)。なお、既にカメラの動作がオフである場合には、オフ状態が維持される。
【0243】
自転車情報を受信している場合(S1101にてYES)、端末20は、端末20のカメラの動作をオンにして、カメラ画像を生成する(S1102)。なお、既にカメラの動作がオンである場合には、オン状態が維持される。
【0244】
端末20は、決定した状態に基づいて、通知情報を生成し、基地局10へ送信する(S1103)。なお、カメラ画像が生成されている場合(S702の後、または、S1102の後)、通知情報にはカメラ画像情報が含まれてよい。
【0245】
以上、第8の例では、歩道橋の利用者が歩道橋の階段/スロープ以外を歩行する場合であっても、自転車との位置関係に応じて、歩行する利用者が所有する端末20は、カメラ画像を送信する。この構成により、自転車が歩道橋に存在するような安全性に問題がある場合に、カメラ画像が見守りを行う人に送信されるため、見守りを適切に行うことができる。また、これにより、カメラ画像によって自転車の接近が確認されるため、自転車との接触事故を回避できる。
【0246】
なお、上述した第8の例において、自転車を有する利用者が歩道橋の階段を通行する場合、自転車から降車して歩行することによって、階段における歩行者の安全性は高いことが推測される。そのため、第8の例において、歩道橋の階段にいる利用者の端末20は、自転車が存在する場合であっても、カメラ画像を送信しなくてよい。
【0247】
また、自転車を有する利用者がスロープを上っている場合、自転車の移動速度は、相対的に安全な速度であることが推測される。そのため、第8の例において、歩道橋の階段にいる利用者の端末20は、自転車を有する利用者が歩道橋のスロープを上っている場合、カメラ画像を送信しなくてよい。この場合、歩道橋の階段にいる利用者の端末20は、自転車を有する利用者が歩道橋のスロープを下っている場合、カメラ画像を送信してよい。
【0248】
例えば、歩行者が利用する階段と、自転車等が利用するスロープとが区別して設けられる歩道橋は、自転車等が存在する場合であっても安全性が高いことが想定される。そのため、第8の例において、歩行者が利用する階段と、自転車等が利用するスロープとが区別して設けられる歩道橋では、歩道橋の階段にいる歩行者の端末20は、カメラ画像を送信しなくてよい。
【0249】
なお、上述した第6の例~第8の例において、特定の属性を有する人物が、歩道橋の利用者のそばに存在する場合、利用者の端末20は、カメラ画像を送信しなくてもよい。特定の属性を有する人物とは、介護関係職員、レスキュー隊員、警察等であってよい。特定の属性を有する人物が、利用者のそばに存在することによって、利用者の安全性が確保できる可能性が高い。また、特定の属性を有する人物が、利用者のそばに存在することによって、利用者の介助ができる可能性も高い。そのため、カメラ画像の送信を省略でき、消費電力の増加を抑制できる。例えば、基地局10は、特定の属性を有する人物の位置情報を、当該特定の属性を有する人物が有する端末から取得してよい。また、基地局10は、当該人物の属性を示す情報を、当該人物が所有する端末から取得し、位置情報と属性を示す情報とを紐付けて管理することによって、特定の属性を有する人物が、歩道橋の利用者のそばに存在するか否かを判定してよい。
【0250】
なお、上述した第6の例~第8の例において、歩道橋の利用者が、特定の属性を有する人物の進行方向に存在する場合、利用者の端末20は、カメラ画像を送信しなくてもよい。この場合、歩道橋の利用者が、特定の属性を有する人物の進行方向に存在しない場合、歩道橋の利用者が特定の属性を有する人物の視界に入らない可能性があるため、利用者の端末20は、カメラ画像を送信してもよい。なお、特定の属性を有する人物の進行方向は、例えば、当該人物の速度情報に基づいて決定されてよい。
【0251】
なお、上述した第6の例~第8の例において、通信トラフィックが考慮されてもよい。
【0252】
なお、上述した第6の例~第8の例において、端末20は、通信トラフィックが輻輳している場合に、カメラのオフまたはカメラ画像の送信を停止してもよい。この場合、端末20は、通信トラフィックが輻輳していない場合に、カメラをオフにしなくてもよいし、カメラ画像の送信を停止しなくてもよい。
【0253】
また、上述した第6の例~第8の例において、特定の属性を有する人物が、歩道橋の利用者のそばに存在する場合であり、かつ、通信トラフィックが輻輳している場合に、利用者の端末20は、カメラ画像を送信しなくてもよい。別言すると、端末20は、通信トラフィックが輻輳していない場合、特定の属性を有する人物の有無に関わらず、カメラをオフにしなくてもよいし、カメラ画像の送信を停止しなくてもよい。
【0254】
また、上述した第6の例~第8の例において、歩道橋の利用者が、特定の属性を有する人物の進行方向に存在する場合であり、かつ、通信トラフィックが輻輳している場合に、利用者の端末20は、カメラ画像を送信しなくてもよい。別言すると、端末20は、通信トラフィックが輻輳していない場合、特定の属性を有する人物の有無、及び、進行方向に関わらず、カメラをオフにしなくてもよいし、カメラ画像の送信を停止しなくてもよい。
【0255】
なお、上述した第6の例~第8の例において、通信トラフィックが輻輳している場合であっても、特定の属性を有する人物が歩道橋の利用者のそばに存在する場合であっても、利用者のそばに自転車が存在する場合には、当該利用者の端末20は、カメラ画像を送信してもよい。これにより、自転車の悪質な走行があった場合に、利用者への注意を促すとともに警察等への通報にもカメラ画像が使用できる。
【0256】
なお、上記実施の形態における「・・・部」は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」であってもよい。
【0257】
また、上記実施の形態における「チャネル」という表記は、「周波数」、「周波数チャネル」、「帯域」、「バンド」、「キャリア」、「サブキャリア」、又は、「(周波数)リソース」といった他の表記に置換されてもよい。
【0258】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。
【0259】
上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0260】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0261】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0262】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0263】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0264】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0265】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサが含まれる。
【0266】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0267】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0268】
以上、本開示の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0269】
本開示は、無線通信システムに好適である。
【符号の説明】
【0270】
10 基地局
20、40 端末
101、201 受信部
102、202 受信制御部
103 位置判定部
104 注意喚起判定部
105 注意喚起情報生成部
106、207 送信制御部
107、208 送信部
108、211 制御部
203 位置情報生成部
204 高さ情報生成部
205 挙動判定部
206 通知情報生成部
209 表示制御部
210 表示部
30 サーバ