(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093391
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】呼吸器アダプタ及びその補助チャンバ
(51)【国際特許分類】
A61M 16/08 20060101AFI20230627BHJP
A61M 16/20 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
A61M16/08 330
A61M16/20 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022203808
(22)【出願日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】110148143
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522495980
【氏名又は名称】蔡宛君
【氏名又は名称原語表記】TSAI,WAN-CHUN
【住所又は居所原語表記】No.62-7,Ln.200,GangkouRd.,Qingshui Dist.,Taichung 43650,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 隆志
(72)【発明者】
【氏名】蔡宛君
(57)【要約】 (修正有)
【課題】より良好な投薬効果を達成する呼吸器アダプタを提供する。
【解決手段】呼吸器アダプタ10は、排出弁T型コネクタ11と、それに取り外し可能に接続された補助チャンバ12とを備え、前記排出弁T型コネクタは、伸縮してその開口を閉止又は開放することができる排出弁構造を含み、前記補助チャンバは、中空管体であり且つ両端が開放され、前記補助チャンバの前記排出弁アダプタ開口から管体内部に向かってチャンバ仕切り板が延在し、補助チャンバ内部を少なくとも2つのチャンバに仕切る。投薬時に薬剤に接続されている薬剤吸入補助チャンバを更に接続し、前記排出弁構造と前記仕切り板の組み合わせとに形成される気体流路設計によって、元々前記T型コネクタにおける気流を、注入薬剤の位置まで完全に到達させ、それを患者吸入側まで完全又は略完全に運ぶ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出弁T型コネクタ及び前記排出弁T型コネクタに取り外し可能に接続された補助チャンバを備え、
前記排出弁T型コネクタは、T型コネクタと排出弁構造を含み、
前記T型コネクタは、中空の管体であり、互いに気体連通する左右に平行に延伸する第1開口及び第2開口と、第1開口及び第2開口の間に垂直方向に設置された第3開口と、を含み、前記T型コネクタの前記第1開口及び第2開口の間の前記第3開口が設置されるのと別の部分には、定量吸入器コネクタを接続する第4開口が設けられ、
前記第3開口の前記第1開口及び前記第2開口に接続する箇所に先細り頸部と補助チャンバ受け部を有し、前記補助チャンバ受け部の内径の大きさは、前記先細り頸部よりもやや大きく、前記第3開口は、伸縮して前記第3開口を閉止又は開放することができる前記排出弁構造を接続することに用いられ、
前記補助チャンバは、柱状中空管体であり且つ両端には一端における排出弁接続開口と他端における注入剤接続開口とが開放され、
前記補助チャンバの前記排出弁接続開口は、補助チャンバ内部を少なくとも部分的に2つのチャンバに仕切るチャンバ仕切り板が管体内部に向かって延在する、呼吸器アダプタ。
【請求項2】
前記排出弁構造は、遮蔽片と、当接部と、前記遮蔽片及び前記当接部の間を接続する接続部と、前記遮蔽片の外部に被せられる係止環と、を備え、
前記遮蔽片の大きさは、前記第3開口と前記第1開口及び前記第2開口の間との接続口の大きさに適合し、
前記接続部は、弾性回復機構及び仕切り部を含み、
前記係止環は、前記遮蔽片の外部に被せられ、直径の大きさが前記第3開口の内径よりもやや小さく、環部及び係止部を有し、前記係止部は、前記環部の上部から垂直に上向きにシートとして延伸し、
前記当接部は、前記第3開口の管状通路に適合した多孔質シートである請求項1に記載の呼吸器アダプタ。
【請求項3】
前記排出弁構造は、遮蔽片と、当接部と、前記遮蔽片及び前記当接部の間を接続する接続部と、を備え、
前記遮蔽片の大きさは、前記第3開口と前記第1開口及び前記第2開口の間との接続口の大きさに適合し、
前記接続部は、弾性回復機構及び仕切り部を含み、
前記当接部は、前記第3開口の管状通路に適合した多孔質シートであり、中間箇所に第3開口の外側に向かって当接柱を延在し、前記当接柱は、末端の柱体が分岐する請求項1に記載の呼吸器アダプタ。
【請求項4】
前記弾性回復機構は、ばねである請求項2又は3に記載の呼吸器アダプタ。
【請求項5】
前記チャンバ仕切り板には、前記当接柱の末端の柱体が分岐する箇所に接続する切欠きが設けられる請求項3に記載の呼吸器アダプタ。
【請求項6】
前記補助チャンバには、定量吸入器コネクタに適合する開口が設けられる請求項1~3のいずれか一項に記載の呼吸器アダプタ。
【請求項7】
呼吸器アダプタ用の補助チャンバであり、柱状中空管体であり且つ両端には一端における排出弁接続開口と他端における注入剤接続開口とが開放され、前記排出弁接続開口は、補助チャンバ内部を少なくとも部分的に2つのチャンバに仕切るチャンバ仕切り板が管体内部に向かって延在し、前記補助チャンバには、定量吸入器コネクタに適合する開口が設けられる、呼吸器アダプタ用の補助チャンバ。
【請求項8】
前記チャンバ仕切り板の上端には、切欠きが設けられる請求項7に記載の呼吸器アダプタ用の補助チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ、特に、呼吸器アダプタのコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
レスピマット(Respimat)スプレーは、臨床現場で一般的な薬剤スプレー装置であり、主には、薬剤が長時間作用型である気管支拡張器に取り付けられ、主な投与方法は、エアロゾルの形での薬剤の噴出であり、薬剤噴出の前後に呼吸器の管路を少なくとも2回取り外し再接続する必要がある。
【0003】
図6に示すように、臨床において、レスピマット型等のスプレー型薬剤60を投与する場合、呼吸器管路61を外してT型管62を接続する必要があり、このT型管62は、三又管であり、T型の両側に平行に延伸する左開口621、右開口622及び垂直な下開口623を有する。取り外されたその呼吸器管路61の両側は、前記左開口621と前記右開口622に接続され、前記下開口623は、前記前記スプレー型薬剤60の接続口に適したアダプタ63によって連結を行う。気体64が左から右へ進行する方向(図中の矢印方向)を例とし、前記スプレー型薬剤60の薬剤が送られて噴出する時、前記気体64が前記薬剤を伴って患者の方向へ送られ、呼吸投薬の効果を達成する。
【0004】
但し、現在の臨床における問題は、呼吸器を取り外して再接続する過程で、呼吸器から飛散する水蒸気に感染性細菌が含まれている可能性があり、医療スタッフの感染リスクが高まると同時に、管路が空気にさらされることによって、密閉状態を維持できなくなり、患者の感染リスクが高まることである。同時に、
図6に示すように、前記スプレー型薬剤60の上端に切欠きを有する場合、前記アダプタ63の長さが不十分又は形状が適合せずに接続不良となって前記スプレー型薬剤60の薬剤漏れの問題を招く。
【0005】
一方で、薬剤の投与を繰り返すと、呼吸器の脱着を何度も繰り返すことで、呼吸器の管路が気密性を保持できなくなったり、送気圧が不足したりして、膨張した肺胞がつぶれて再び膨張し、せん断力損傷(Shear Force Injury)を招き、肺胞を二次的に損傷させる。
【0006】
また、前記薬剤は、装置自体の注入力で前記アダプタ63を通過して前記T型管62の前記左開口621と前記右開口622との間に到達する必要があり、そのようにしてようやく前記気体64により患者の方向に円滑に運ばれることができるが、実際の状況では、多くの前記薬剤が、依然として前記アダプタ63に少し残留し、有効な予定量で患者に投与することができない。
【0007】
例えば、型番RTC26‐Cの呼吸器コネクタ等の従来の特定の薬剤のレスピマットに適したコネクタであっても、そのコネクタの気密性は依然として良好ではなく、毎回蓋を開いて薬剤を噴出する時に依然として若干の気流漏れが生じ、感染菌が漏れる可能性が高くなり、また一方で、RTC26‐Cは管路の空間が小さく、レスピマットが薬剤の噴出後に伸びが悪く、薬剤の吸収効果を低減させ、また、RTC26‐C呼吸器コネクタは単一のレスピマット薬剤にのみ適用され、臨床の応用も比較的限られる。
【0008】
これに鑑み、現在は、前述の問題を改善できる技術案、又は少なくとも1つを解決又は代替可能な技術案に欠いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在の臨床における投薬時には呼吸器を繰り返し取り外す必要があり、清潔又は密閉状態を維持できないことによって生じる医療スタッフ及び患者のリスクを解決するため、本発明は、前記問題を解決する呼吸器アダプタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の呼吸器アダプタは、排出弁T型コネクタ及び前記排出弁T型コネクタに取り外し可能に接続された補助チャンバを備え、前記排出弁T型コネクタは、T型コネクタと排出弁構造を含み、前記T型コネクタは、中空の管体であり、互いに気体連通する左右に平行に延伸する第1開口及び第2開口と、第1開口及び第2開口の間に垂直方向に設置された第3開口と、を含み、前記第3開口の前記第1開口及び前記第2開口に接続する箇所に先細り頸部と補助チャンバ受け部を有し、前記補助チャンバ受け部の内径の大きさは、前記先細り頸部よりもやや大きく、前記第3開口は、伸縮して前記第3開口を閉止又は開放することができる前記排出弁構造を接続することに用いられ、前記補助チャンバは、柱状中空管体であり且つ両端には一端における排出弁接続開口と他端における注入剤接続開口とが開放され、前記補助チャンバの前記排出弁接続開口は、補助チャンバ内部を少なくとも部分的に2つのチャンバに仕切るチャンバ仕切り板が管体内部に向かって延在する。
【0011】
本発明は、また、前記呼吸器アダプタの補助チャンバを提供し、それは、柱状中空管体であり且つ両端には一端における排出弁接続開口と他端における注入剤接続開口とが開放され、前記排出弁接続開口は、補助チャンバ内部を少なくとも部分的に2つのチャンバに仕切るチャンバ仕切り板が管体内部に向かって延在する。
【発明の効果】
【0012】
上記の説明から、本発明は、以下の有益な効果及び利点を有することが分かる。
1.本発明は、オス‐メス構造で設計されており、排出弁を有する短いコネクタを使用して呼吸器の管路に接続し、薬剤を投与する場合に薬剤に接続されている別の薬剤吸入補助チャンバを更に接続し、前記排出弁構造が前記仕切り部及び前記仕切り板の組み合わせと接続した後に形成される気体流路設計によって、元々前記T型コネクタにおける気流を、注入薬剤の位置まで完全に到達させ、それを患者まで完全又は略完全に運んで吸入させ、より良好な投薬効果を達成し、同時に、前記補助チャンバの設計によって薬剤スプレーをその間で適切に伸張させ、薬剤吸収の効果を増加させ、且つ本発明が提供する呼吸器アダプタは、各種スプレーに広く応用することができ、レスピマット(Respimat)、定量吸入器(MDI)又は少量ネブライザ(SVN)等が挙げられるが、これらに限定するものではない。投薬完了後、注入薬剤缶を前記補助チャンバとともに前記排出弁構造から取り外すだけでよく、前記弾性回復機構は、前記排出弁構造の前記遮蔽片を元の位置に回復させ、前記第3開口を外に向けて連通状態を閉止し、元の呼吸器の管路のような使用状態に戻らせる。
2.したがって、本発明は、呼吸器を取り外して再接続する過程において、呼吸器から飛散した水蒸気が感染性細菌を運び、医療スタッフの感染リスクを高めるリスク、及び管路が空気中に晒されて、密閉状態を維持できずに、患者に感染するリスクを大幅に低減することができる。同時に、気流が投薬側に良好に導かれるため、薬剤が完全又は略完全に円滑に患者の方向に運ばれることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の呼吸器アダプタの構造分解図である。
【
図2】本発明の呼吸器アダプタの排出弁T型コネクタの第1好適実施形態の説明図である。
【
図3】本発明の呼吸器アダプタの排出弁T型コネクタの第2好適実施形態の説明図である。
【
図4A】本発明の呼吸器アダプタの補助チャンバの第1好適実施形態の説明図である。
【
図4B】本発明の呼吸器アダプタの補助チャンバの第2好適実施形態の説明図である。
【
図5A】本発明の呼吸器アダプタの使用のフローチャートである。
【
図5B】本発明の呼吸器アダプタの使用のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、例示的実施形態によって更に説明し、これら例示的実施形態は、図面を用いて詳細に説明する。これら実施形態は、限定するものではなく、これら実施形態では、同じ部材符号で同じ構成要素を示す。
【0015】
本発明の実施形態の技術案をより明確に説明するために、以下の実施形態の説明に使用する必要がある図面を簡単に紹介する。当然ながら、以下の説明の図面は、本発明の説明例又は実施例に過ぎず、当業者にとって創造性の労力を費やさない前提で、これら図面に基づいて本発明を他の類似の場面に応用することができる。文脈から明らかでない限り、または特別な説明がない限り、図中の同様の部材符号は、同じ構造または操作を表す。本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」および/または「モジュール」は、異なる級別の異なるコンポーネント、部材、部品、部分又はアセンブリを区別する方法であることを理解されたい。但し、他の用語で同じ目的を達成できる場合は、その用語を他の表現に置き換えることができる。本発明及び特許請求の範囲に示されているように、「一」、「1つ」、「1種」および/または「前記」等の用語は、単数に限定するものではなく、複数も含み得る。一般的に、「備える」及び「含む」という用語は、明確に識別されたステップおよび要素を含むことを示唆するだけであり、これらのステップおよび要素は排他的なリストを構成するものではなく、方法またはシステムも他のステップまたは要素を含み得る。
【0016】
図1を参照し、本発明によって提供される呼吸器アダプタ10は、排出弁T型コネクタ11と、前記排出弁T型コネクタ11に取り外し可能に接続される補助チャンバ12とを含む。
【0017】
<T型コネクタ>
第1好適実施形態
同時に
図2を併せて参照し、前記排出弁T型コネクタ11の第1好適実施形態は、T型コネクタ111と、排出弁構造113と、を含む。
【0018】
前記T型コネクタ111は、中空管体であり、左右に平行に延伸する第1開口1111及び第2開口1112と、前記第1開口1111及び第2開口1112の間に垂直方向に設置された第3開口1113と、を含む。前記第1開口1111、前記第2開口1112および前記第3開口1113は、互いに気体連通している。
【0019】
前記第3開口1113の第1開口及び第2開口との接続箇所には、先細り頸部11131及び補助チャンバ受け部11132を有し、前記補助チャンバ受け部11132の内径は、先細り頸部11131よりもやや大きく、前記開口1113には、前記排出弁構造113が接続され、前記排出弁構造113は、遮蔽片1131と、当接部1133と、前記遮蔽片1131及び前記当接部1133の間を接続する接続部1132と、前記接続部1132の外部に被せられる係止環1134と、を含む。
図2に示すように、前記遮蔽片1131の大きさは、前記第3開口1113の前記第1開口及び前記第2開口の間との接続口の大きさに適合し、前記接続部1132は、好ましくは、弾性回復機構11321及び仕切り部11322を含み、前記弾性回復機構11321は、例えば、ばねであってよく、前記排出弁構造113に弾性回復により元の位置に戻る効果をもたせ、前記仕切り部11322は、平板状であり、前記第1開口1111及び前記第2開口1112の間の管路を一時的に仕切らせることができる。本実施形態では、前記係止環1134は、前記接続部1132の外部に被せられ、その直径の大きさは、前記第3開口1113の内径よりやや小さく、環部11341及び係止部11342を有し、前記係止部11342は、前記環部11341の頂部から垂直に上向きにシートとして延伸し、好ましくは、前記接続部1132と適合する形状を有し、前記環部11341が前記遮蔽片1131の外部に被せられる時、前記係止部11342は、前記接続部1132の側面に貼付される。前記弾性回復機構11321は、前記環部11341の内部に設置され、前記係止部11342に当接して前記環部11341の内部に位置規制され且つその中で圧縮および解放される。
【0020】
前記当接部1133は、本好適実施形態では、同様に前記第3開口1113の管状通路に適合する円盤状多孔質シートであり、前記当接部1133は、前記排出弁構造113が前記第1開口1111及び第2開口1112に向かって延伸する場合、前記先細り頸部11131及び前記補助チャンバ受け部11132の接続箇所に当接して位置規制の機能を達成することができ、更に前記弾性回復機構11321を圧縮することができる。
【0021】
同様に
図2に示すように、前記T型コネクタ111は、前記第1開口1111及び第2開口1112の間の別の部分に、定量吸入器(Metered-dose inhaler, MDI)コネクタを接続する第4開口1114が設けられる。
【0022】
第2好適実施形態
図3を参考とし、本発明の前記T型コネクタ111の第2好適実施形態の基本は、前述の第1好適実施形態と同じであるが、相違点は、この第2実施形態が前記遮蔽片1131の外部に被せられる係止環1134を含まないことであり、更に、前記当接部1133の中間箇所に第3開口1113の外側に向かって当接柱11331が延在し、前記当接柱11331の末端の柱体が分岐する。
【0023】
第3好適実施形態
本発明の前記T型コネクタ111の第3好適実施形態の基本は、前述の第1好適実施形態と同じであるが、相違点は、この第3実施形態には前記第3開口1113の前記補助チャンバ受け部11132及び前記先細り頸部11131の交わる箇所に磁気吸引メカニズム(図示せず)が設けられていることにあり、例えば、環状の磁性ブロックであり、同時に、前記排出弁構造113の前記遮蔽片1131の環状の周囲に適合した別の磁性ブロックを有して両者を互いに吸引固定させることができる。従って、本実施形態は、前述の第1又は第2実施形態で使用される前記弾性回復機構11321又は前記当接柱11331を組み合わせて前記排出弁構造113を前記第3開口1113から前記第1開口1111及び第2開口1112の間に向かって伸ばす場合、磁性吸引メカニズムを利用して前記排出弁構造113全体を復位させる。
【0024】
<補助チャンバ>
第1好適実施形態
続いて、
図4Aを参照し、前記補助チャンバ12は、柱状中空管体であり且つ両端には一端における排出弁アダプタ開口121と他端における注入剤接続開口123とが開放される。
【0025】
前記補助チャンバ12の第1好適実施形態は、前述のT型コネクタ111の第1好適実施形態と組み合わせられる。前記排出弁アダプタ開口121は、管体内部に向かってチャンバ仕切り板122を延在し、補助チャンバ12の内部の少なくとも一部が2つのチャンバに仕切られ、前記チャンバ仕切り板122は、部分的に前記補助チャンバ12の内部に延伸するか全部が前記補助チャンバ12の内部に延伸し、前記補助チャンバ12の底部は、任意のガススプレー型の薬剤、例えば、レスピマット(Respimat)スプレー剤に適合し、且つ好ましくは、前記補助チャンバ12の底部が前記薬剤に接続する長さが十分に長く、且つ形状が互いに適合し、例えば、楕円形状である。
【0026】
さらに、前記補助チャンバ12の側部は、同様に前記定量吸入器(Metered-dose inhaler, MDI)コネクタに適合する開口が設けられてもよい。
【0027】
第2好適実施形態
続いて
図4Bを参照し、前記補助チャンバ12の第2好適実施形態は、例えば、前述のT型コネクタ111の第2好適実施形態と組み合わせられ、さらに、前記チャンバ仕切り板122の上端には、前記当接柱11331の末端の柱体が分岐する箇所に接続するための切欠き1221が設けられている。
【0028】
<呼吸器アダプタ>
続いて
図5A及び
図5Bを参照し、前述の第1好適実施形態を例にとると、本発明の呼吸器アダプタ10は、一般の呼吸器管路20に接続するように、前記呼吸器管路20を前記排出弁T型コネクタ11内の前記T型コネクタ111の前記第1開口1111及び第2開口1112にそれぞれ接続するものであり、好ましくは、前記第1開口1111および/または前記第2開口1112は、前記呼吸器管路20に強固に適合できる任意の構造であり、但し、本発明は、これに限定するものではなく、前記呼吸器管路20を前記第1開口1111および第2開口1112と気密に強固に接続させることができる構造であれば、何れも本発明に適用することができる。この時、本発明の前記排出弁T型コネクタ11が補助チャンバ12に接合していない場合、前記第3開口1113が接続する前記排出弁構造113の前記遮蔽片1131は、前記第3開口1113の接続箇所に維持され、前記第1開口1111に前記第2開口1112のみと単一の連通管路を維持させ、前記呼吸器管路20に投薬しない一般的状況下で気体を搬送する用途をなす。
【0029】
次に、
図5Bを参照し、薬剤を投与する必要がある場合、まず、前記第3開口1113の前記排出弁構造113の当接部1133と、前記補助チャンバ12の前記排出弁アダプタ開口121の前記チャンバ仕切り板122とが当接した後、前記排出弁構造113を前記T型コネクタ111の前記第1開口1111及び前記第2開口1112の間の空間に向かって当接し、前記当接部1133が前記先細り頸部11131及び前記補助チャンバ受け部11132に当接する接続箇所に停止して前記補助チャンバ12の上部を前記第3開口1113の前記補助チャンバ受け部11132の内部に収容し、同時に前記弾性回復機構11321、例えば、ばねを圧縮させ、この時、前記排出弁構造113の前記仕切り部11322及び前記補助チャンバ12の前記チャンバ仕切り板122が接続して同一平面を形成し、前記呼吸器管路20の元の直線通路に略U字形に前記第3開口1113に向かう通路を形成させ、気流30を通過させる。注意すべき点として、本発明の前記排出弁構造113は、前記T型コネクタ111の前記第1開口1111及び前記第2開口1112の間の空間に当接する時、前記空間の1/2、2/3又は全部を占める可能性があり、基本的には、前記呼吸器管路20の元々の直線通路に略U字形の第3開口1113に向かう通路を形成させ、本発明が述べる効果を達成することができる。同時に、前記補助チャンバ12の底部の前記注入剤アダプタ開口123は、注入薬剤40の包装缶接続口に結合することができ、前記注入薬剤40は、好ましくは、レスピマット(Respimat)であり、前記注入薬剤40を前記第3開口1113の方向に向かって吹き込む時、前記気流30は、前記注入薬剤40を伴って患者の方向に前進し続け、投薬の効果を達成する。
【0030】
本発明は、前記排出弁構造113が前記仕切り部11322及び前記キャビティ仕切り板122の組み合わせと接続した後に形成される気体流路設計によって、元々前記T型コネクタ111における前記気流30を、前記注入薬剤40の位置まで完全に到達させ、それを患者まで完全又は略完全に運んで吸入させ、より良好な投薬効果を達成する。
【0031】
投薬完了後は、前記注入薬剤40の缶体を前記補助チャンバ12とともに前記排出弁構造113から取り外すだけでよく、前記弾性回復機構11321は、前記排出弁構造113の前記遮蔽片1131を元の位置に回復させ、前記第3開口1113を外に向けて連通状態を閉止し、元の呼吸器の管路20のような使用状態に戻らせる。
【0032】
前述の第2好適実施形態の基本機構は、同じであり、前記第3開口1113の前記排出弁構造113の当接部1133の末端が分岐する箇所が前記補助チャンバ12の前記排出弁アダプタ開口121の前記チャンバ仕切り板122上の前記切欠き1221と当接した後、前記排出弁構造113を前記T型コネクタ111の前記第1開口1111及び前記第2開口1112の間の空間に向かって当接することができ、同時に前記弾性回復機構11321を圧縮して前記排出弁構造113を前記第1開口1111及び前記第2開口1112の間の管路に深く入り込ませ、前述と同じ気体流路設計を達成する。
【0033】
最後に、本発明の前記実施形態は、本発明の実施形態の原則を説明するためのものであることが理解されるべきである。その他の変形も本発明の範囲に属し得る。従って、限定ではなく一例として、本発明の実施形態の代替構成は、本発明の教示と一致すると見なすことができる。同様に、本発明の実施形態は、本発明によって明示的に紹介及び説明される実施形態のみに限定するものではない。
【符号の説明】
【0034】
<本発明>
10 呼吸器アダプタ
11 排出弁T型コネクタ
111 T型コネクタ
1111 第1開口
1112 第2開口
1113 第3開口
11131 先細り頸部
11132 補助チャンバ受け部
1114 第4開口
113 排出弁構造
1131 遮蔽片
1132 接続部
11321 弾性回復機構
11322 仕切り部
1133 当接部
11331 当接柱
1134 係止環
11341 環部
11342 係止部
12 補助チャンバ
121 排出弁アダプタ開口
122 チャンバ仕切り板
1221 切欠き
123 注入剤アダプタ開口
20 呼吸器管路
30 気流
40 注入薬剤
<従来技術>
60 スプレー型薬剤
61 呼吸器管路
62 T型管
621 左開口
622 右開口
623 下開口
63 アダプタ
64 気体
【手続補正書】
【提出日】2023-01-17
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【外国語明細書】