IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特開-小型バスケットプローブ 図1
  • 特開-小型バスケットプローブ 図2
  • 特開-小型バスケットプローブ 図3
  • 特開-小型バスケットプローブ 図4
  • 特開-小型バスケットプローブ 図5
  • 特開-小型バスケットプローブ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093395
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】小型バスケットプローブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20230627BHJP
   A61B 5/33 20210101ALI20230627BHJP
   A61B 5/287 20210101ALI20230627BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B5/33 120
A61B5/287 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022204247
(22)【出願日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】17/559,540
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・ジョージ・リヒター
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127BB05
4C127LL08
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】IREに好適なバスケットプローブを提供すること。
【解決手段】装置は、チューブと、支持要素と、近位でチューブに結合された複数のスパインと、スパインに結合された複数の電極と、を含む。スパインは、それぞれの拡張可能な超弾性要素と、超弾性要素のそれぞれの遠位端から延在し、かつ支持要素の表面に、支持要素の遠位端においてその表面と一直線になるように近位に屈曲されていることによって結合されたそれぞれのポリマー要素と、を含む。他の実施形態も、記載されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
チューブと、
支持要素と、
近位で前記チューブに結合された複数のスパインであって、
それぞれの拡張可能な超弾性要素と、
前記超弾性要素のそれぞれの遠位端から延在し、前記支持要素の表面に、前記支持要素の遠位端において前記表面と一直線になるように近位に屈曲されていることによって結合されたそれぞれのポリマー要素と、を備える、複数のスパインと、
前記スパインに結合された複数の電極と、を備える、装置。
【請求項2】
前記ポリマー要素が、前記超弾性要素の少なくとも前記遠位端において前記超弾性要素を覆うそれぞれのスリーブを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スリーブが、前記超弾性要素の周りに収縮包装されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記電極が前記スリーブに結合され、その結果、前記スリーブが前記超弾性要素を前記電極から絶縁する、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記スリーブのそれぞれの近位端が、前記チューブに結合されている、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記スリーブが、第1のポリマーから作製され、前記装置が、前記スリーブと前記超弾性要素との間に配設された第2のポリマーを更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記支持要素が、支持チューブを備え、前記表面が前記支持チューブの内面である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記内面からの前記ポリマー要素の分離を阻止するように、前記支持チューブを塞ぐプラグを更に備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
装置であって、
チューブと、
複数のスパインであって、前記スパインの各々は、前記スパインが前記チューブから遠位に弧を描き、交差部において互いに交差するように、互いに対向して前記チューブに結合された2つの端部を有し、前記複数のスパインが、
それぞれの拡張可能な超弾性要素と、
前記超弾性要素のうちの少なくとも1つが前記交差部において覆われていないように、前記超弾性要素を部分的に覆う1つ又は2つ以上のポリマースリーブのそれぞれのセットと、を備える、複数のスパインと、
前記ポリマースリーブのそれぞれに結合された複数の電極と、を備える、装置。
【請求項10】
前記超弾性要素のうちの少なくとも半分が、前記交差部において覆われていない、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記超弾性要素の各々が、前記ポリマースリーブのうちの少なくとも2つによって覆われており、前記ポリマースリーブのうちの前記2つの間で覆われていない、請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、本出願と同日に出願された「Irreversible electroporation with shorted electrodes」(代理人整理番号1002-2399 ID-2125 BIO6502USNP1)と題する別の出願に関する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、心臓の電気生理学的障害などの生理学的障害の診断及び治療に関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許出願公開第2017/0071544号は、各々が複数の電極を有する複数のスパインから形成されたバスケット形状の電極アセンブリを有するカテーテルを記載している。スパインは、それらの遠位端で接続され、カテーテル本体を通ってその近位端まで延在する。各スパインは、各スパインをより大きい又はより小さい程度に外向きに曲げるために、カテーテル本体に対してその長手方向位置を調節することなどによって独立して制御され得る。
【0004】
米国特許出願公開第2019/0239811号は、複数のスパインを含む電極支持構造を備える電極支持構造アセンブリを記載している。複数のスパインの各々は、近位端部分及び遠位端部分を有することができる。アセンブリは、軸を画定し、外面を含む第1要素を更に含む。外面は、複数のスパインの各々の遠位端部分を受容するように構成された複数のスロットを含む。第1要素は、複数のスパインの各々の遠位端部分が各スロットに対して移動し得るように構成されている。いくつかの実施形態によれば、複数のスパインの各々の遠位端部分は、第1要素と係合するように構成されたセクションを備え、このセクションは肩部を含む。
【0005】
米国特許出願公開第2006/0100669号は、患者における心房除細動のための方法及びシステムを記載している。この方法は、近位端及び遠位端、並びにそれらの内部を通る少なくとも1つの管腔を有する細長いカテーテル本体と、カテーテル本体の遠位端におけるバスケット形状の電極アセンブリと、を備えるカテーテルを患者内に導入することを含む。電極アセンブリは、近位端及び遠位端を有し、複数のスパインであって、それらの近位端及び遠位端で接続された、複数のスパインを備え、各スパインは、その長さに沿って細長いスパイン電極を備える。電極アセンブリは、スパインが径方向外側に弓形に曲がっている拡張した配置と、スパインがカテーテル本体の軸に概ね沿って配置されているつぶれた配置とを有する。この方法は、電極アセンブリを患者の心臓内に導入することと、細長い電極のうちの1つ又は2つ以上を通して組織に除細動エネルギーを印加することとを更に含む。このシステムは、上述のカテーテルを、当該カテーテルに電気的に接続された外部除細動器と共に備える。
【0006】
米国特許第7,507,234号は、消化管内の異常な上皮組織にアクセスしてアブレーションする方法を記載している。この方法は、(i)アブレーションされるべき組織を有する消化管の一部分に近接するように、消化管内に手術要素を挿入するステップと、(ii)手術要素を使用して、異常組織の部位に低温アブレーションを適用するステップとを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下の本開示の実施例の詳細な説明を図面と併せ読むことで、本開示のより完全な理解が得られるであろう。
図1】本開示のいくつかの実施例による、対象の心臓の組織の不可逆電気穿孔法(irreversible electroporation、IRE)を行うためのシステムの概略図である。
図2】本開示のいくつかの実施例による、体内プローブの模式図である。
図3】本開示のいくつかの実施例による、体内プローブの模式図である。
図4】本開示のいくつかの実施例による、IRE処置中の電極の配線のスキーマの概略図である。
図5】本開示のいくつかの実施例による、IRE処置中の電極の配線のスキーマの概略図である。
図6】本開示のいくつかの実施例による、IRE処置中の電極の配線のスキーマの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
概論
電気生理学的処置のためのバスケットプローブは、典型的には、複数のつぶれることが可能なスパインに結合された複数の電極を備える。
【0009】
IREに好適なバスケットプローブを設計することは難題である。一方で、バスケット上の電極が小さすぎる場合、電極から送達される比較的高い電流密度は、周囲の組織に損傷を引き起こすことがある。一方、電極が大きすぎると、プローブを体内で安全に展開することが困難又は不可能になる場合がある。
【0010】
この課題に対処するために、本開示の実施例は、より小さい電極を有するバスケットプローブを提供するが、複数の電極を一緒に短絡させることによって各電極から送達される電流密度を減少させる。言い換えれば、IRE電流は、典型的には電極の約半分を含む電極の短絡された第1のグループ(又は「サブセット」)と、典型的には残りの電極を含む短絡された第2のグループとの間を通過する。任意選択で、電流密度は、電極の各グループを、そのグループが結合されるバスケットの金属スパインに短絡させることによって更に減少され得る。
【0011】
更に、いくつかの実施例では、複数のスイッチを使用して、電極は2つのグループ間で交代する。言い換えれば、パルスが電極の第1のグループと電極の第2のグループとの間に印加された後、第1のグループからの電極のうちの1つ又は2つ以上が第2のグループに移動され、第2のグループからの電極のうちの1つ又は2つ以上が第1のグループに移動される。続いて、別のパルスが印加される。次いで、任意の数の更なる交代及びパルス印加が行われ得る。したがって、有利なことに、組織を横切る電流の分布は、処置の有効性が増大するように変化する。
【0012】
有利なことに、本開示の実施例は、バスケットのつぶれた外形を更に減少させる。
【0013】
例えば、いくつかの実施例では、各スパインは、ポリマースリーブによって覆われた超弾性要素を備える。例えば、スリーブは、超弾性要素の周りに収縮包装されてもよい。スリーブは、超弾性要素の遠位端から延在し、支持要素の表面に、支持要素の遠位端においてその表面と一直線になるように近位に屈曲されていることによって結合されている。有利には、バスケットがつぶれると、屈曲部の各々の角度は相対的に小さくなり、その結果、バスケットは相対的に小さい外形をとる。
【0014】
他の実施例では、スパインは、遠位支持要素に結合されるのではなく、バスケットの遠位端において互いに交差するループを形成する。バスケットのより小さいつぶれた外形を容易にするために、超弾性要素のうちの少なくとも1つは、遠位交差部において覆われておらず、その結果、遠位交差部の全厚が相対的に小さくなる。
【0015】
システムの説明
最初に図1を参照する。この図は、本発明のいくつかの実施例による、対象28の心臓26の組織の不可逆電気穿孔法(IRE)を行うためのシステム20の概略図である。
【0016】
システム20は、チューブ34と、プローブ22の遠位端において近位でチューブ34に結合された複数(例えば、6個などの2~12個)のスパイン36とを備える体内プローブ22を備える。スパイン36は、シース23から出て拡張するように構成された、典型的にはニチノール(例えば、ニチノールSE508)で作製された、それぞれの拡張可能な超弾性要素46(図2)を備える。プローブ22は、スパインに結合された複数の電極40を更に備える。
【0017】
いくつかの実施例では、結合要素38がチューブ34の遠位端に結合され、スパイン36が結合要素38に、例えば、結合要素の内面に結合されることによってチューブに結合される。(いくつかのそのような実施例では、結合要素38は円筒形である。)他の実施例では、スパイン36は、チューブに直接結合される。
【0018】
IRE処置を開始するために、医師30がシース23を対象28の体内に、例えば、対象の上大静脈又は下大静脈を介して挿入する。それに続いて、医師30は、シースを心腔26に誘導する。次に、医師は、少なくともスパインがシースから出て拡張するまで、シースを通してプローブ22を前進させ、及び/又はシースを後退させることによって、シースからプローブ22を展開する。
【0019】
システム20は、電力発生器(GEN)43と、配線45と、プロセッサ47とを更に備える。典型的には、これらの要素の各々はコンソール44内に配設される。
【0020】
配線45は、電極40に接続され、電極40の少なくとも1つの第1のサブセットを互いに短絡させ、電極の少なくとも1つの第2のサブセットを互いに短絡させるように構成されている。発生器43は、短絡された第1のサブセットと短絡された第2のサブセットとの間に電圧(代替的には、本明細書では「パルス」と称される)を印加するように構成されている。典型的には、組織の電気穿孔を容易にするために、電圧は、少なくとも100nsの間、一定の正の振幅を有し、少なくとも100nsの間、一定の負の振幅を有する。典型的には、正の振幅及び負の振幅は同じ大きさを有する。言い換えれば、正の振幅がVである場合、負の振幅は、-Vである。
【0021】
いくつかの実施例では、第1のサブセットと第2のサブセットの短絡は、配線45によってハードワイヤードされる。しかしながら、典型的には、配線45は、スイッチ45aごとに電極の異なるそれぞれの第1のサブセットを互いに短絡させ、電極の異なるそれぞれの第2のサブセットを互いに短絡させる複数の設定を有する複数のスイッチ45aを備える。プロセッサ47は、設定を交互に切り替えるようにスイッチを制御し、設定の各々について、発生器43に、短絡された第1のサブセットと短絡された第2のサブセットとの間に電圧を印加させるように構成されている。
【0022】
したがって、スパインの拡張に続いて、医師は、電流が電極40の短絡されたサブセット間を通過するIRE処置を実行するようにプロセッサ47に命令し得る。プロセッサに命令するために、医師は、プローブの制御ハンドル32上の制御機構(例えば、ボタン又はスイッチ)を操作するか、又は任意の他の好適なユーザーインターフェース(例えば、キーボード、マウス、又はタッチスクリーン)を使用してもよい。命令に応答して、プロセッサは、発生器43及び(典型的には)スイッチ45aを制御することによって処置を実行する。
【0023】
いくつかの実施例では、システム20は、複数の磁場発生コイル42及び別の発生器41を更に備える。発生器41が電流をコイル42に通すと、コイルは磁場を発生させる。この磁場は、プローブ22に結合された電磁センサに信号を誘導させる。これらの誘導された信号は、プローブを通してコンソール44内の適切な回路機構(例えば、アナログ-デジタル変換回路機構が挙げられる)に搬送される。例えば、それぞれの開示が参照により本明細書に組み込まれる、Ben-Haimによる米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、及び同第6,788,967号に、Ben-Haimらによる米国特許第6,690,963号に、Ackerらによる米国特許第5,558,091号に、及びGovariによる米国特許第6,177,792号に記載されているように、プロセッサ47は、回路機構から信号を受信し、その信号に基づき、電磁センサの(したがって、電極の)それぞれの場所を算出する。
【0024】
代替的又は追加的に、システム20には、対象の胸及び/又は背中に結合され、ケーブル39を通って延在する電線を介してコンソール44に接続され得る、複数の基準電極49を備えることができる。そのような実施例では、プロセッサは、電流を各電極40に通し、電極と基準電極49との間の結果として生じる電圧を測定し得る。代替的には、プロセッサは、各電極40と基準電極49との間に電圧を印加し、結果として生じる電流を測定してもよい。それに続いて、プロセッサは、測定された電圧又は電流に基づき電極40の場所を算出し得る。例えば、開示が参照により本明細書に組み込まれる、Govariらによる米国特許第7,536,218号、及びBar-Talらによる米国特許第8,456,182号に記載されているように、このような実施例は、電磁センサを使用して較正される場所マップを利用し得る。
【0025】
代替的には、プロセッサは、基準電極49間に電流を通し、電極40において結果として生じる電圧又は電流を測定し得る。それに続いて、例えば、それぞれの開示が参照により本明細書に組み込まれる、Wittkampfによる米国特許第5,983,126号、及びNardellaによる米国特許第5,944,022号に記載されているように、プロセッサは、測定された電圧又は電流に基づき電極40の場所を算出し得る。
【0026】
いくつかの実施例では、プローブは、典型的にはコンソール44内に配設されたポンプからプローブの遠位端に灌注流体を送達し、その結果、灌注流体が対象の血液を灌注するように構成された流体送達チューブを更に備える。
【0027】
典型的には、システム20は、任意の関連する出力を表示するように構成されたディスプレイ24を更に備える。例えば、ディスプレイ24は、心臓26の画像又はモデルを、スパイン36を含むプローブの遠位端のアイコンと共に、遠位端の現在場所に重ね合わせて表示し得る。
【0028】
典型的には、スイッチ45aは、各電極をアナログ-デジタル(A/D)変換器に接続するように更に構成され、その出力はプロセッサによって受信される。したがって、プロセッサは、各電極と、スパイン36の中心における別の電極又はウィルソン中心端子(Wilson’s Central Terminal、WCT)などの共通基準との間の電圧を測定し得る。これらの電圧に基づいて、プロセッサは、電極40の任意の対の間の電位図電圧を計算し得る。(典型的には、電圧が発生器43によって電極に印加される直前に、スイッチは電極をA/D変換器から切断する。)
【0029】
IRE処置に続いて、医師は、スパインがシースに入ってつぶれるまでプローブを後退させ、及び/又はシースを前進させる。
【0030】
プローブ22は、IREのためだけでなく、診断処置又は他のタイプのアブレーション処置などの他のタイプの処置のためにも使用され得ることに留意されたい。これらの他のタイプの処置を容易にするために、発生器43は、例えば、高周波電圧などの任意の好適な電圧波形を印加するように構成され得る。プローブ22は、本明細書で記載されるように、配線45の短絡機能性がなくても使用され得ることに更に留意されたい。
【0031】
一般的に、プロセッサ47は、シングルプロセッサとして、又は協調的にネットワーク化された又はクラスタ化されたプロセッサのセットとして具体化され得る。プロセッサ47の機能性は、ハードウェアにおいてのみ、例えば、1つ又は2つ以上の一定機能集積回路又は汎用集積回路、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit、ASIC)、並びに/又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)を使用して実装され得る。代替的に、この機能性は、少なくとも一部ソフトウェアにおいて実装されてもよい。例えば、プロセッサ47は、例えば、中央処理装置(central processing unit、CPU)及び/又はグラフィックスプロセッシングユニット(Graphics Processing Unit、GPU)を備えるプログラム可能プロセッサとして具体化され得る。ソフトウェアプログラムが挙げられるプログラムコード、及び/又はデータがCPU及び/又はGPUによる実行と処理に向けて読み込まれ得る。プログラムコード及び/又はデータは、電子形態でプロセッサに、例えばネットワーク上でダウンロードされ得る。代替的又は追加的に、プログラムコード及び/又はデータは、磁気メモリ、光メモリ、又は電子メモリなどの非一時的の有形の媒体に提供されかつ/又は記憶され得る。このようなプログラムコード及び/又はデータは、プロセッサに提供されると、本明細書に記載のタクスを行うように構成される、マシン又は専用コンピュータを生み出す。
【0032】
これより、本開示のいくつかの実施例による、プローブ22の概略図である図2を参照する。
【0033】
図2(及び後述する図3)に示すように、スパイン36は、プローブ22の遠位端においてバスケット51を画定する。プローブの長手方向軸37は、結合要素38から(又はチューブ34(図1)から直接)遠位に延在し、バスケット51を通過し、その結果、電極40が長手方向軸37から半径方向に離間される。
【0034】
いくつかの実施例では、プローブ22は、支持要素50を更に備える。スパイン36は、超弾性要素46の遠位端から延在し、かつ支持要素50の表面60に、支持要素の遠位端において表面60と一直線になるように近位に屈曲されていることによって結合されたそれぞれのポリマー要素48を更に備える。ポリマー要素48は、ポリエチレンテレフタレート(PET)及び/又は任意の他の好適なポリマーから作製され得る。
【0035】
それらの可撓性によって、ポリマー要素48は、スパインのつぶれを容易にする。特に、スパインがつぶれると、各屈曲部の角度θは、20度未満、例えば、10度未満に減少してもよく、これは、超弾性要素46によって達成可能な最小屈曲角度よりも概して小さい。
【0036】
典型的には、ポリマー要素48は、図2の挿入部分56に示されるように、少なくとも超弾性要素のそれぞれの遠位端において、超弾性要素46を覆う(例えば、超弾性要素に収縮包装されることによって)それぞれのスリーブ54を備える。(挿入部分56内のスリーブ54は、下の超弾性要素46を露出させるように透明にされる。)典型的には、電極40はスリーブに結合され、その結果、スリーブが超弾性要素を電極から絶縁する。
【0037】
いくつかの実施例では、超弾性要素46は、スリーブ54によって完全に、又はほぼ完全に覆われている。そのような実施例では、スリーブ54の近位端は、結合要素38に(例えば、結合要素38の内面に)結合されてもよく、又はチューブ34(図1)に直接結合されてもよい。
【0038】
いくつかの実施例では、電極を発生器43(図1)に接続する配線は、スリーブ54を通過する。
【0039】
いくつかの実施例では、プローブ22は、スリーブ54と超弾性要素46との間に配設された超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)又は液晶ポリマー(LCP)などの別のポリマー61を更に含む。(典型的には、このような実施例では、ポリマー61は複数のフィラメントを備える。)典型的には、ポリマー61は、エポキシ62によってスリーブ54及び超弾性要素46に結合されている。有利には、ポリマー61は、スリーブ54の伸長を阻止するのを助け得る。
【0040】
典型的には、支持要素50は支持チューブ64を備える。ポリマー要素48が結合された表面60は、支持チューブ64の内面である。(したがって、ポリマー要素48は、支持チューブの遠位端上で屈曲する。)典型的には、支持チューブ64の長手方向軸は、チューブ34及び/又は結合要素38の遠位端の長手方向軸と平行である。
【0041】
いくつかの実施例では、支持チューブ64は円形断面を有する。すなわち、支持チューブは円筒形である。他の実施例では、支持チューブは多角形断面を有する。そのような実施例では、多角形の辺の数は、典型的にはスパインの数と同じであり、その結果、各ポリマー要素48が、異なるそれぞれの辺に結合され得る。例えば、6つのスパインを有する例の場合、支持チューブは六角形断面を有し得る。
【0042】
いくつかの実施例では、プローブ22は、支持チューブの内面からのポリマー要素の分離を阻止するように支持チューブ64を塞ぐプラグ52を更に備える。(任意選択で、プラグ52は、支持要素50の近くのポリマー要素の遠位表面を覆う遠位キャップ52cを備え得る。)代替的又は追加的に、チューブ64は任意の好適な接着剤で充填され得る。
【0043】
任意の好適な数の電極(1~4個の電極など)が、各スパインに結合され得る。例えば、図2は、2つの電極、すなわち、より遠位若しくは「北」の電極40d、又はより近位若しくは「南」の電極40pが6つのスパインの各々に結合された実施例を示す。スパインのつぶれを容易にするために、互いに対向する遠位電極40dは、互いに対してわずかにずらされており、互いに対向する近位電極40pも同様である。したがって、プローブは、3つの遠位電極40ddと、遠位電極40ddにわずかに近位の3つの対向する遠位電極40dpと、3つの近位電極40pdと、近位電極40pdにわずかに近位の3つの対向する近位電極40ppと、を備える。
【0044】
ここで、本開示の他の実施例による、プローブ22の概略図である図3を参照する。
【0045】
いくつかの実施例では、各スパイン36の2つの端部は、互いに対向して結合要素38に(又はチューブ34に直接)結合され、その結果、各スパインがループを画定するように成形されている。各超弾性要素46は、1つ又は2つ以上のポリマースリーブ54のセットによって部分的に覆われており、電極40は、ポリマースリーブのそれぞれに結合されている。スパインは、遠位交差部66で互いに交差する。
【0046】
プローブ22は、2~6個(例えば、3個)のスパインなどの任意の好適な数のスパインを備え得る。2~8個の電極などの任意の好適な数の電極が、各スパインに結合され得、典型的には、電極の半分が交差部66の各側にある。例えば、図3は、4つの電極が各スパインに結合されている実施例を示しており、近位電極40pd及び遠位電極40ddは、交差部66の一方の側にあり、近位電極40pp及び遠位電極40dpは、他方の側にあり、これらは、それぞれ近位電極40pd及び遠位電極40ddに対して近位にわずかにオフセットされている。
【0047】
いくつかの実施例では、超弾性要素の各々は、少なくとも2つのポリマースリーブによって覆われており、2つのポリマースリーブの間で覆われていない。したがって、各超弾性要素は、図5を参照して以下で更に記載されるように、追加の電流を組織に送達し得る。
【0048】
有利には、超弾性要素のうちの少なくとも1つは、交差部66において覆われていない。したがって、スパインは、全ての超弾性要素が交差部において覆われた場合と比較して、より小さいつぶれた外形をとり得る。追加的に、超弾性要素のうちの少なくとも1つが覆われていないことによって、異なるスパイン上の同様に位置決めされた電極は、互いにより良好に整列され得る。例えば、遠位電極40ddの各々は、遠位電極40dpの各々、近位電極40pdの各々、及び近位電極40ppの各々と同様に、チューブ34からほぼ同じ距離に位置し得る。
【0049】
典型的には、交差部66において覆われていない超弾性要素の数が、2つのスパインを互いに短絡するリスクを有さない可能な最大値である。例えば、電流がスパインを通過しない例では、図3に示すように、全ての超弾性要素が覆われていなくてもよい。他の実施例では、1つおきの超弾性要素が覆われていなくてもよく、その結果、2つの超弾性要素が互いに接触しない。言い換えれば、Mが偶数である場合、超弾性要素1..Mを番号付けすると、1番目の超弾性要素が、交差部66において最も近位であり、M番目の超弾性要素が最も遠位であり、全ての奇数番号の超弾性要素又は全ての偶数番号の超弾性要素が覆われなくてもよい。Mが奇数である場合、全ての奇数番目の超弾性要素が覆われていなくてもよい。
【0050】
典型的には、電極を発生器43(図1)に接続する配線は、スパインの内面に沿って伸びている。
【0051】
配線
これより、本開示のいくつかの実施例による、IRE処置中の電極40の配線のスキーマの概略図である図4を参照する。
【0052】
導入として、スパイン36は、典型的には、(例えば、結合要素を介して)チューブ34とプローブの遠位端との間に延在する複数のハーフスパイン36hを備えることに留意されたい。例えば、図2の実施例では、各スパインは、スパインがループを画定せず、むしろ支持要素50(図2)で終端するという点でハーフスパインである。別の実施例として、図3の実施例(図4にも示される)では、各スパインは、交差部66で互いに連続する2つのハーフスパインを含む。
【0053】
図4は、プローブの遠位端からのスパイン36の図を示し、6つのハーフスパイン36h1、36h2、36h3、36h4、36h5、及び36h6を識別する。以下の説明を容易にするために、各スパインは、スパインがチューブ34(図1)から分離され、表面上に平らに置かれているかのように図4に示されている。更に、図を容易にするために、遠位電極40ddと40dpとの間のオフセット、及び近位電極40pdと40ppとの間のオフセットは無視される。
【0054】
いくつかの実施例では、配線45(図1)によって互いに短絡された電極の第1のサブセットは、ハーフスパインのうちの1つ又は2つ以上の隣接する第1のものに結合され、互いに短絡された電極の第2のサブセットは、ハーフスパインのうちの1つ又は2つ以上の隣接する第2のものに結合されている。
【0055】
典型的には、そのような実施例では、第1のサブセットは、ハーフスパインのうちのN/2個に結合され、第2のサブセットは、ハーフスパインのうちの他のN/2個に結合され、Nはハーフスパインの数である。したがって、「東」サブセットと称される場合がある第1のサブセットは、「西」サブセットと称される場合がある第2のサブセットに対向する。例えば、図4の上部に示されるように、各電極が「1」とラベル付けされた第1のサブセットは、ハーフスパイン36h1、36h2、及び36h3に結合され得、各電極が「2」とラベル付けされた第2のサブセットは、ハーフスパイン36h4、36h5、及び36h6に結合され得る。
【0056】
図1を参照して上述したように、電極の短絡はハードワイヤードであってもよい。しかしながら、典型的には、プロセッサ47は、スイッチ45a(図1)を制御することによって、IRE処置中に電極を交代させる。
【0057】
例えば、図4の上部に示されるように第1のサブセットと第2のサブセットとの間に電圧が印加された後、プロセッサは、図4の下部に示されるように、スイッチに、ハーフスパイン36h4上の電極を第1のサブセットに接続させ、スパイン36h1上の電極を第2のサブセットに接続させてもよい。その後、再び電圧が印加されてもよい。プロセッサは、次いで、スイッチの設定を通して反復し続け、発生器に設定の各々において電圧を印加させ得る。
【0058】
例えば、以下の表1は、プロセッサが反復し得る(例えば、繰り返す)設定のシーケンスを示す。各ハーフスパイン及び設定に対応する表1のエントリは、ハーフスパイン上の電極が設定ごとに属するサブセットを示す。(表1の設定1は図4の上部に示され、設定2は図4の下部に示されていることに留意されたい。)
【0059】
【表1】
【0060】
これより、本開示のいくつかの実施例による、電極40の配線の概略図である図5を参照する。
【0061】
いくつかの実施例では、電極の第1のサブセットは、第1のサブセットが結合されたスパインのサブセットに短絡され、第2のサブセットは、第2のサブセットが結合されたスパインのサブセットに短絡される。例えば、各スパイン上の電極は、電極が結合される超弾性要素46(図2図3)に短絡されてもよい。(スパインへの電極の短絡は、短絡記号68によって図5に示されている。)
【0062】
典型的には、そのような実施例では、M個のスパインを仮定すると、第1のサブセットは、スパインのうちのM/2(又はMが奇数の場合、(M+1)/2)に結合された電極を含み、第2のサブセットは、スパインのうちの他のM/2(又はMが奇数の場合、(M-1)/2)に結合された電極を含む。
【0063】
典型的には、プロセッサ47は、第1及び第2のサブセットを変化させるようにスイッチ45a(図1)を制御する。例えば、3つのスパインを有する実施例の場合、プロセッサは、図5に示す3つの設定を反復(例えば、繰り返し)してもよい。
【0064】
これより、本開示のいくつかの実施例による、電極40の配線の別のスキーマの概略図である図6を参照する。
【0065】
いくつかの実施例では、第1のサブセットは、第2のサブセットよりも遠位にある。例えば、2つの電極が各ハーフスパインに結合された実施例の場合、第1のサブセットは遠位電極40dを含み得、第2のサブセットは近位電極40pを含み得る。
【0066】
図4図6のスキーマのうちの少なくとも2つは、互いに組み合わされ得、すなわち、プロセッサは、複数の異なるスキーマからの設定のシーケンスを通して(例えば、繰り返し)反復してもよいことに留意されたい。例えば、表1の6つの設定に続いて、プロセッサは、図5の3つの設定、次いで図6の設定を反復し得る。
【0067】
図4図6は、例として図3の実施例を示すが、本明細書に記載されるような電極の短絡は、図2の実施例などの任意の好適なプローブを用いて実装され得ることが強調される。
【実施例0068】
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、一部の変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してもよいことも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものとみなされるべきではない。
【0069】
(実施例1)
チューブ(34)と、支持要素(50)と、近位でチューブ(34)に結合された複数のスパイン(36)であって、それぞれの拡張可能な超弾性要素(46)と、超弾性要素(46)のそれぞれの遠位端から延在し、かつ支持要素(50)の表面(60)に、支持要素(50)の遠位端においてその表面(60)と一直線になるように近位に屈曲されていることによって結合されたそれぞれのポリマー要素(48)と、を含む、複数のスパイン(36)と、スパイン(36)に結合された複数の電極(40)と、を含む装置(22)。
【0070】
(実施例2)
ポリマー要素(48)が、超弾性要素(46)の少なくとも遠位端において超弾性要素(46)を覆うそれぞれのスリーブ(54)を含む、実施例1に記載の装置(22)。
【0071】
(実施例3)
スリーブ(54)が、超弾性要素(46)の周りに収縮包装されている、実施例2に記載の装置(22)。
【0072】
(実施例4)
電極(40)がスリーブ(54)に結合され、その結果、スリーブ(54)が超弾性要素(46)を電極(40)から絶縁する、実施例2又は3に記載の装置(22)。
【0073】
(実施例5)
スリーブ(54)のそれぞれの近位端が、チューブ(34)に結合されている、実施例2~4のいずれか1つに記載の装置(22)。
【0074】
(実施例6)
スリーブ(54)が、第1のポリマーから作製され、装置が、スリーブ(54)と超弾性要素(46)との間に配設された第2のポリマー(61)を更に含む、実施例2~5のいずれか1つに記載の装置(22)。
【0075】
(実施例7)
支持要素(50)が、支持チューブ(64)を含み、表面(60)が支持チューブ(64)の内面である、実施例1~6のいずれか1つに記載の装置(22)。
【0076】
(実施例8)
内面からのポリマー要素(48)の分離を阻止するように、支持チューブ(64)を塞ぐプラグ(52)を更に含む、実施例7に記載の装置(22)。
【0077】
(実施例9)
対象の体内でシースからプローブを展開することであって、プローブが、チューブと、支持要素と、近位でチューブに結合された複数のスパインと、を含む、展開することを含む方法。スパインは、それぞれの拡張可能な超弾性要素と、超弾性要素のそれぞれの遠位端から延在し、かつ支持要素の表面に、支持要素の遠位端においてその表面と一直線になるように近位に屈曲されていることによって結合されたそれぞれのポリマー要素と、を含む。方法は、スパインに結合された複数の電極を使用して、対象に対して処置を行うことを更に含む。
【0078】
(実施例10)
チューブ(34)と複数のスパイン(36)とを含む装置(22)であって、スパイン(36)の各々が、スパイン(36)がチューブ(34)から遠位に弧を描き、交差部(66)において互いに交差するように、互いに対向してチューブ(34)に結合された2つの端部を有する。スパイン(36)は、それぞれの拡張可能な超弾性要素(46)と、超弾性要素(46)のうちの少なくとも1つが交差部(66)において覆われないように、超弾性要素(46)を部分的に覆う1つ又は2つ以上のポリマースリーブ(54)のそれぞれのセットと、を含む。装置(22)は、ポリマースリーブ(54)のそれぞれに結合された複数の電極(44)を更に含む。
【0079】
(実施例11)
超弾性要素(46)の少なくとも半分が、交差部(66)において覆われていない、実施例10に記載の装置(22)。
【0080】
(実施例12)
超弾性要素(46)の各々が、ポリマースリーブ(54)のうちの少なくとも2つによって覆われており、ポリマースリーブ(54)のうちの2つの間で覆われていない、実施例10~11のいずれか1つに記載の装置(22)。
【0081】
(実施例13)
対象の体内でシースからプローブを展開することであって、プローブが、チューブ及び複数のスパインを含む、展開することを含む方法。スパインの各々が、スパインがチューブから遠位に弧を描き、交差部において互いに交差するように、互いに対向してチューブに結合された2つの端部を有する。スパインは、それぞれの拡張可能な超弾性要素、と、超弾性要素のうちの少なくとも1つが交差部において覆われないように、超弾性要素を部分的に覆う1つ又は2つ以上のポリマースリーブのそれぞれのセットと、を含む。方法は、ポリマースリーブのそれぞれに結合された複数の電極を使用して、対象に対して処置を行うことを更に含む。
【0082】
(実施例14)
プローブ(22)のそれぞれのスパイン(36)に結合された複数の電極(40)と共に使用するためのシステム(20)であって、電極(40)に接続された複数のスイッチ(45a)を含み、スイッチ(45a)の異なるそれぞれの設定ごとに、電極(40)の異なるそれぞれの第1のサブセットを互いに短絡させ、電極(40)の異なるそれぞれの第2のサブセットを互いに短絡させるように構成されているシステム(20)。システム(20)は、プローブ(22)が対象(28)の体内に展開されている間に、設定を交互に切り替えるようにスイッチ(45a)を制御し、設定の各々について、電力発生器(43)に、短絡された第1のサブセットと短絡された第2のサブセットとの間に電圧を印加させるように構成されたプロセッサ(47)を更に含む。
【0083】
(実施例15)
電圧は、少なくとも100nsの間、一定の正の振幅を有し、少なくとも100nsの間、一定の負の振幅を有する、実施例14に記載のシステム(20)。
【0084】
(実施例16)
正の振幅及び負の振幅は、同じ大きさを有する、実施例15に記載のシステム(20)。
【0085】
(実施例17)
スパイン(36)は、プローブ(22)のチューブ(34)と遠位端との間に延在する複数のハーフスパインを含み、設定のうちの少なくとも1つごとに、電極(40)の第1のサブセットが、ハーフスパインのうちの1つ又は2つ以上の隣接する第1のものに結合され、電極(40)の第2のサブセットが、ハーフスパインのうちの1つ又は2つ以上の隣接する第2のものに結合される、実施例14~16のいずれか1つに記載のシステム(20)。
【0086】
(実施例18)
ハーフスパインが、N個のハーフスパインからなり、第1のサブセットが、ハーフスパインのうちのN/2個に結合され、第2のサブセットが、ハーフスパインのうちの別のN/2個に結合されている、実施例17に記載のシステム(20)。
【0087】
(実施例19)
設定のうちの少なくとも1つごとに、スイッチ(45a)が、第1のサブセットを、第1のサブセットが結合されたスパイン(36)のものに短絡させ、第2のサブセットを、第2のサブセットが結合されたスパイン(36)のものに短絡させる、実施例14~18のいずれか1つに記載のシステム(20)。
【0088】
(実施例20)
設定のうちの少なくとも1つごとに、第1のサブセットが、第2のサブセットよりも遠位にある、実施例14~19のいずれか1つに記載のシステム(20)。
【0089】
(実施例21)
プローブのそれぞれのスパインに結合された複数の電極と共に使用するための方法であって、電極に接続された複数のスイッチを制御することによって、スイッチに、スイッチの異なるそれぞれの設定ごとに、電極の異なるそれぞれの第1のサブセットを互いに短絡させ、電極の異なるそれぞれの第2のサブセットを互いに短絡させることを含む方法。本方法は、設定の各々について、プローブが対象の体内に展開されている間に、電力発生器に、短絡された第1のサブセットと短絡された第2のサブセットとの間に電圧を印加させることを更に含む。
【0090】
(実施例22)
プローブ(22)のそれぞれのスパイン(36)に結合された複数の電極(40)と共に使用するためのコンピュータソフトウェア製品であって、プログラム命令が記憶された有形の非一時的なコンピュータ可読媒体を含み、命令は、プロセッサ(47)によって読み取られるときに、プロセッサ(47)に、電極(40)に接続された複数のスイッチ(45a)を制御させて、スイッチ(45a)の異なるそれぞれの設定ごとに、スイッチ(45a)に、電極(40)の異なるそれぞれの第1のサブセットを互いに短絡させ、電極(40)の異なるそれぞれの第2のサブセットを互いに短絡させるようにするコンピュータソフトウェア製品。命令は、プローブ(22)が対象(28)の体内に展開されている間に、設定の各々について、電力発生器(43)に、短絡された第1のサブセットと短絡された第2のサブセットとの間に電圧を印加させるようにプロセッサ(47)に更に行わせる。
【0091】
(実施例23)
電圧は、少なくとも100nsの間、一定の正の振幅を有し、少なくとも100nsの間、一定の負の振幅を有する、実施例22に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【0092】
(実施例24)
正の振幅及び負の振幅は、同じ大きさを有する、実施例23に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【0093】
(実施例25)
スパイン(36)は、プローブ(22)のチューブ(34)と遠位端との間に延在する複数のハーフスパインを含み、設定のうちの少なくとも1つごとに、電極(40)の第1のサブセットが、ハーフスパインのうちの1つ又は2つ以上の隣接する第1のものに結合され、電極(40)の第2のサブセットが、ハーフスパインのうちの1つ又は2つ以上の隣接する第2のものに結合されている、実施例22~24のいずれか1つに記載のコンピュータソフトウェア製品。
【0094】
(実施例26)
ハーフスパインが、N個のハーフスパインからなり、第1のサブセットが、ハーフスパインのうちのN/2個に結合され、第2のサブセットが、ハーフスパインのうちの別のN/2個に結合されている、実施例25に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【0095】
(実施例27)
設定のうちの少なくとも1つごとに、第1のサブセットが、第1のサブセットが結合されたスパイン(36)に短絡され、第2のサブセットが、第2のサブセットが結合されたスパイン(36)に短絡される、実施例22~26のいずれか1つに記載のコンピュータソフトウェア製品。
【0096】
(実施例28)
設定のうちの少なくとも1つごとに、第1のサブセットが、第2のサブセットよりも遠位にある、実施例22~27のいずれか1つに記載のコンピュータソフトウェアプロダクト。
【0097】
(実施例29)
プローブのそれぞれのスパインに結合された複数の電極と共に使用するためのシステムであって、電極に接続された配線を含み、プローブが対象の体内に展開されている間に、電極の少なくとも1つの第1のサブセットを互いに短絡させ、電極の少なくとも1つの第2のサブセットを互いに短絡させるように構成されている、システム。システムは、短絡された第1のサブセットと短絡された第2のサブセットとの間に電圧を印加するように構成された電力発生器を更に含み、電圧は、少なくとも100nsの間、一定の正の振幅を有し、少なくとも100nsの間、一定の負の振幅を有する。
【0098】
本開示は、本明細書に具体的に示され、上述されたものに限定されない点が、当業者には理解されよう。むしろ、本開示の範囲は、本明細書において上述した様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせ、並びに上述の説明を読むことで当業者が想到するであろう、従来技術にはない特徴の変形例及び修正例を含む。参照により本特許出願に援用される文献は、これらの援用文献において、いずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾して定義されている場合には、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の一部とみなすものとする。
【0099】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
チューブと、
支持要素と、
近位で前記チューブに結合された複数のスパインであって、
それぞれの拡張可能な超弾性要素と、
前記超弾性要素のそれぞれの遠位端から延在し、前記支持要素の表面に、前記支持要素の遠位端において前記表面と一直線になるように近位に屈曲されていることによって結合されたそれぞれのポリマー要素と、を備える、複数のスパインと、
前記スパインに結合された複数の電極と、を備える、装置。
(2) 前記ポリマー要素が、前記超弾性要素の少なくとも前記遠位端において前記超弾性要素を覆うそれぞれのスリーブを備える、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記スリーブが、前記超弾性要素の周りに収縮包装されている、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記電極が前記スリーブに結合され、その結果、前記スリーブが前記超弾性要素を前記電極から絶縁する、実施態様2に記載の装置。
(5) 前記スリーブのそれぞれの近位端が、前記チューブに結合されている、実施態様2に記載の装置。
【0100】
(6) 前記スリーブが、第1のポリマーから作製され、前記装置が、前記スリーブと前記超弾性要素との間に配設された第2のポリマーを更に含む、実施態様2に記載の装置。
(7) 前記支持要素が、支持チューブを備え、前記表面が前記支持チューブの内面である、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記内面からの前記ポリマー要素の分離を阻止するように、前記支持チューブを塞ぐプラグを更に備える、実施態様7に記載の装置。
(9) 方法であって、
対象の体内でシースからプローブを展開することであって、前記プローブが、
チューブと、
支持要素と、
近位で前記チューブに結合された複数のスパインであって、
それぞれの拡張可能な超弾性要素と、
前記超弾性要素のそれぞれの遠位端から延在し、前記支持要素の表面に、前記支持要素の遠位端において前記表面と一直線になるように近位に屈曲されていることによって結合されたそれぞれのポリマー要素と、を含む、複数のスパインと、を含む、展開することと、
前記スパインに結合された複数の電極を使用して、前記対象に対して処置を行うことと、を含む、方法。
(10) 前記ポリマー要素が、前記超弾性要素の少なくとも前記遠位端において前記超弾性要素を覆うそれぞれのスリーブを含む、実施態様9に記載の方法。
【0101】
(11) 前記スリーブが、前記超弾性要素の周りに収縮包装されている、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記電極が前記スリーブに結合され、その結果、前記スリーブが前記超弾性要素を前記電極から絶縁する、実施態様10に記載の方法。
(13) 前記スリーブのそれぞれの近位端が、前記チューブに結合されている、実施態様10に記載の方法。
(14) 前記スリーブが、第1のポリマーから作製され、前記プローブが、前記スリーブと前記超弾性要素との間に配設された第2のポリマーを更に含む、実施態様10に記載の方法。
(15) 前記支持要素が、支持チューブを含み、前記表面が前記支持チューブの内面である、実施態様9に記載の方法。
【0102】
(16) 前記プローブが、前記内面からの前記ポリマー要素の分離を阻止するように、前記支持チューブを塞ぐプラグを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 装置であって、
チューブと、
複数のスパインであって、前記スパインの各々は、前記スパインが前記チューブから遠位に弧を描き、交差部において互いに交差するように、互いに対向して前記チューブに結合された2つの端部を有し、前記複数のスパインが、
それぞれの拡張可能な超弾性要素と、
前記超弾性要素のうちの少なくとも1つが前記交差部において覆われていないように、前記超弾性要素を部分的に覆う1つ又は2つ以上のポリマースリーブのそれぞれのセットと、を備える、複数のスパインと、
前記ポリマースリーブのそれぞれに結合された複数の電極と、を備える、装置。
(18) 前記超弾性要素のうちの少なくとも半分が、前記交差部において覆われていない、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記超弾性要素の各々が、前記ポリマースリーブのうちの少なくとも2つによって覆われており、前記ポリマースリーブのうちの前記2つの間で覆われていない、実施態様17に記載の装置。
(20) 方法であって、
対象の体内でシースからプローブを展開することであって、前記プローブが、
チューブと、
複数のスパインと、を含み、前記スパインの各々が、前記スパインが前記チューブから遠位に弧を描き、交差部において互いに交差するように、互いに対向して前記チューブに結合された2つの端部を有し、前記複数のスパインが、
それぞれの拡張可能な超弾性要素と、
前記超弾性要素のうちの少なくとも1つが前記交差部において覆われていないように、前記超弾性要素を部分的に覆う1つ又は2つ以上のポリマースリーブのそれぞれのセットと、を含む、展開することと、
前記ポリマースリーブのそれぞれに結合された複数の電極を使用して、前記対象に対して処置を行うことと、を含む、方法。
【0103】
(21) 前記超弾性要素のうちの少なくとも半分が、前記交差部において覆われていない、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記超弾性要素の各々が、前記ポリマースリーブのうちの少なくとも2つによって覆われており、前記ポリマースリーブのうちの前記2つの間で覆われていない、実施態様20に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】