(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093397
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】装飾面を有する成形品
(51)【国際特許分類】
B29C 45/00 20060101AFI20230627BHJP
E04D 1/20 20060101ALI20230627BHJP
E04D 3/32 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
B29C45/00
E04D1/20 A
E04D3/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022204389
(22)【出願日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】63/292,498
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514124964
【氏名又は名称】ジニアテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘインズ,アンドリュー レオ
(72)【発明者】
【氏名】ソーター,ジェームス フランシス
(72)【発明者】
【氏名】ロザリア,ジャスティン ジェイソン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】提示側表面及び非提示側表面を備える成形品であって、非提示面上の補強機能部の形状又はパターンが、提示側表面の美観に影響を及ぼさない成形品を提供する。
【解決手段】提示側表面及び非提示側表面を備え、提示側表面は所定の表面装飾を備え、そして、非提示側表面は提示側表面に対して実質的に対向する面である成形品。非提示側表面は、1つ以上の構造を含み、1つ以上の構造は、提示側表面の所定の表面装飾を実質的に提供又は付与するように配置又は位置決めされる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
提示側表面及び非提示側表面を備える成形品であって、
提示側表面は所定の表面装飾を備え、且つ、非提示側表面は提示側表面に対して実質的に対向する面であり、
非提示側表面が1つ以上の構造を含み、1つ以上の構造が提示側表面の所定の表面装飾を実質的に提供又は付与するように配置又は位置決めされる、成形品。
【請求項2】
非提示側表面が、補強側表面である、請求項1に記載の成形品。
【請求項3】
提示側表面が、1つ以上の所定の表面装飾機能部を含む、請求項1に記載の成形品。
【請求項4】
1つ以上の構造が、提示側表面の1つ以上の所定の表面装飾機能部を実質的に補完する態様で、非提示側表面に配置される、請求項3に記載の成形品。
【請求項5】
1つ以上の構造が、1つ以上の補強機能部である、請求項1に記載の成形品。
【請求項6】
1つ以上の構造が、実質的に中実、実質的に部分的に中実もしくは部分的に中空タイプの構造、又は実質的に中空タイプの構造である、請求項1に記載の成形品。
【請求項7】
提示側表面が、1つ以上の所定の表面装飾機能部を提供し、且つ、非提示側表面(補強側表面など)が、提示側表面と実質的に対向する面であり、
非提示側表面(補強側表面など)が、1つ以上の構造(1つ以上の補強機能部など)を含み、
1つ以上の構造(1つ以上の補強機能部など)が、提示側表面の1つ以上の所定の表面装飾機能部を実質的に補完する態様で配置される、請求項1に記載の成形品。
【請求項8】
提示側表面及び補強側表面を備える成形品であって、
提示側表面は所定の表面装飾機能部を備え、且つ、補強側表面は提示側表面に対して実質的に対向する面であり、
補強側表面が1つ以上の補強機能部を含み、1つ以上の補強機能部が提示側表面の1つ以上の所定の表面装飾機能部を実質的に補完する態様で配置される、成形品。
【請求項9】
補強機能部が、補強側表面から延びる1つ以上の支持棒、又は肋材、又は厚みのある部分(ディンプル又は脚構造を含むが、これらに限定されない)を含む、請求項1または請求項8に記載の成形品。
【請求項10】
支持棒、又は肋材、又は厚みのある部分(ディンプル又は脚構造を含むが、これらに限定されない)が、提示側表面の装飾機能部の1つ以上を補完するために、高さ及び/又は幅及び/又は長さ及び/又は位置の1つ以上において変化する、請求項9に記載の成形品。
【請求項11】
提示側表面が非提示部分を含み、非提示部分が第2の又はさらなる成形品の少なくとも一部によって実質的に覆われるように構成される、請求項1または請求項8に記載の成形品。
【請求項12】
提示側表面がアンダーラップ領域とオーバーラップ領域を含み、オーバーラップ領域が提示側表面の装飾機能部を含み、且つ、第2の又はさらなる成形品のアンダーラップ領域と重なるように構成される、請求項1または請求項8に記載の成形品。
【請求項13】
補強機能部が、提示側表面のトポロジーを実質的に転置するか、付与するか、又は影響を与える態様で、補強側表面に設けられる、請求項1または請求項8に記載の成形品。
【請求項14】
補強機能部が、提示側表面の装飾機能部と実質的に整列するか、又は提示側表面の装飾機能部の1つ以上を実質的に補完又は強調する態様で補強側表面に配置される、請求項1または請求項8に記載の成形品。
【請求項15】
所定の表面装飾機能部及び/又は補強機能部の配置が、成形品の1つ以上の部分の収縮率の差を埋め合わせている、請求項1または請求項8に記載の成形品。
【請求項16】
例えば、これらには限定されないが、高分子材料、プラスチック、ガラス、セラミック、金属のうちの1つ以上である成形可能な材料から形成される、請求項1または請求項8に記載の成形品。
【請求項17】
連続成形プロセスを介して形成される、請求項1または請求項8に記載の成形品。
【請求項18】
請求項1または請求項8に記載の成形品であって、
補強機能部が、
- 1つ以上の補強機能部がその上に支持される表面、例えば建築物表面と接触するように;及び/又は、
- 1つ以上の補強機能部がその上に支持される表面、例えば建築物表面と接触しない、もしくは接触を避けるように;及び/又は、
- 上記の組合せとなるように、
補強側表面から十分な高さ又は延長となるように設けられる、成形品。
【請求項19】
補強機能部が、補強側に配置された複数の不連続な肋材部分を含む、請求項1または請求項8に記載の成形品。
【請求項20】
補強機能部が、補強側に実質的に連続的に延在している、補強側に配置された複数の連続した肋材部分を含む、請求項1または請求項8に記載の成形品。
【請求項21】
補強機能部が、一連の肋材部分である、請求項1または請求項8に記載の成形品。
【請求項22】
補強機能部が、一連の相互接続された肋材部分である、請求項1または請求項8に記載の成形品。
【請求項23】
補強機能部が、提示側の所望の装飾又は外観を模倣するように補強側に構成又は配置される、請求項1または請求項8に記載の成形品。
【請求項24】
提示側の所望の装飾又は外観が、天然物、スレート、木材又は木目(又は木板などの割木)、動物の皮(革など)、石、樹皮、葉、植物(又は植生)、花などの天然素材の表面仕上げ又は外観の1つ以上である、請求項23に記載の成形品。
【請求項25】
提示側の所望の装飾又は外観が、人工物形状、人工物、アスファルト、板材、木材又は木目、石又は石片、布又は織物、ガラス、ディンプルガラス、炭素繊維又は他の繊維状外観材料、ガラス繊維、マット、金属などの材料の表面仕上げ又は外観の1つ以上である、請求項23に記載の成形品。
【請求項26】
以下のうちの1つ以上となるように構成される、請求項1または請求項8に記載の成形品:
- 別の成形品と接合していない、又は接触していない;
- 別の成形品に実質的に隣接しているか、又は隣接している;
- 個々の表面として提供される;
- 完全な表面又は構成部品の表面として提供される;
- 表面の一部又はアクセントとして提供される;
- 表面の変化の一部として提供される。
【請求項27】
請求項1または請求項8に規定された前記成形品を複数含む屋根材又は羽目板の板材又はモジュールであって、
複数の成形品が、複数の個別に又は別々に提示可能な表面を提供するユニットとして、板材又はモジュールを介して互いに接合され、
それぞれの提示可能な表面が、板材又はモジュールを提示側面の表面及び装飾機能部上に補完的に支持する態様で、補強側面上に補強機能部の様々な配列又はパターニングを含む、屋根材又は羽目板の板材又はモジュール。
【請求項28】
前記成形品の各々が、実質的に同じ量又は体積の成形可能な材料で形成される、請求項27に記載の屋根材又は羽目板の板材又はモジュール。
【請求項29】
前記モジュールの複数の成形品の前記成形品の各々が、実質的に独自の提示側表面及び非提示側表面を提供する、請求項27に記載の屋根材又は羽目板の板材又はモジュール。
【請求項30】
複数の請求項27に規定された板材又はモジュールのシステムであって、複数の板材又はモジュールが、板材又はモジュールがそこから取り付けられる又は支持される表面を被覆するために実質的に重なり合う屋根板又はタイルの配列として配置される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、提示面又は装飾面、及び非提示面を有する成形品に関する。非提示面は、提示面又は装飾面に付与する1つ以上の構造を有していてもよい。
【背景技術】
【0002】
成形品又は製品の用途に応じて、その成形品又は製品(又は製品の構成要素)は、提示面及び対向する非提示面又は下側面を含むことができる。提示面は、提示のために望まれる表面装飾又はパターン及びオーナメントを提供する面を含むことができる。提示面の下側は、物品を支持又は強化するための構造的特徴を含むことができる。
【0003】
例えば、その物品がシート又は被覆材又は屋根材モジュール又は羽目板であってもよい場合、特定の視覚的特徴又は美的外観を提供する露出した又は装飾的な側面が存在する。下側面は、その上に配置された支持構造体などの補強機能部を含むことで、物品を支持又は建築物の表面もしくは物品が取り付けられる他の構造体から離すことができる。
【0004】
しかしながら、下側面上の補強機能部の形状又はパターンは、提示側表面上で幾分視覚的に明らかになることがある。そのような外観は望ましくないものであり、提示側表面の好ましくない美観の一因となる。
【0005】
本明細書において、特許明細書及び他の文書を含む外部の情報源を参照した場合、これは通常、本発明の特徴を論じるための文脈を提供する目的である。別段の記載がない限り、そのような情報源への言及は、いかなる法域においても、その情報源が先行技術であること、又は当技術分野における通常の一般知識の一部を形成することを認めるものと解釈されるものではない。
【発明の概要】
【0006】
本開示の目的は、上述の問題もしくは困難の1つ以上を克服する方向に少なくとも何らかの方法で進む成形品を提供すること、又は産業/公衆に有用な選択肢を提供することである。
【0007】
例えば、成形品の異なる材料又は異なる厚さの材料間の収縮率の差は、成形品の表面上で視覚的に明らかになり得る。このような収縮差は、この望ましくない結果を最小限に抑えるように成形工具を設計することにより、当業者によって典型的に回避される。
【0008】
成形品の接合部又はコーナーの交差によって生じる材料の厚さの変化、例えば壁部が表面に対して実質的に横方向に(又は他の角度で)接合する場合、成形品の成形中、例えば成形後に成形品を冷却する際の材料特性における収縮又は他の変化は、様々な又は異なるレベル又は率の結果となり得る。この問題を認識している当業者は、制御された冷却手順を成形後の操作で採用することが多い(例えば、成形品を保温し、ゆっくりと冷却させる)。
【0009】
その結果、成形品の下側面上に成形された機能部の利用化は、成形品の提示面上に付与される、ブリードスルーする、又は現れることがある。付与又はブリードスルーは、例えば、提示面上に提供されるパターン又はテクスチャとコントラストをなすことによって、提示面と対立する場合がある。これは、パターンもしくはテクスチャのコントラスト、又は他の表面の外観が、意図された提示面の美観と相いれない可能性があるため、非常に望ましくなく、望まないことである。例えば、成形品が木目や石(例えばスレート)の外観のような自然な表面外観を有することを意図している場合、任意の支持構造の下側面からの幾何学模様(すなわち、非常に人工的な外観、又は規則的で反復する模様)のブリードスルー又は付与は、提示面の意図する自然な外観と対立することになる。
【0010】
成形品の例としては、屋根材モジュール、ウェザーボード、デッキ、人工石又はレンガを含む建築又は仕上げ材料が挙げられ、家具、家電製品、及び自動車、列車又は航空機の部品を含む車両部品又はコンポーネントを挙げることもできる。一般に、成形品は、プラスチック又はゴム製品、タイル又は屋根板などのセラミック製品、金属製品、又は物品を形成する材料の冷却又は乾燥時の収縮差などの材料特性の変化によりコントラスト又は変化が観察される任意の製品を含むことができる。
【0011】
しかし、本発明は、収縮差による欠陥と考えられるものを利用し、代わりに収縮差を使用して、所望の提示面の外観又はトポグラフィーを向上させることを意図する。
【0012】
例えば、補強機能部は、成形品及び/又は提示面に支持を提供する、1つ以上の肋材もしくは厚みのある構造、又はディンプルもしくは脚構造を含むことができる。しかしながら、補強機能部の形成によって引き起こされる材料の厚さの変化は、形成後の成形品の冷却時など、成形品の形成中に、様々なレベルの材料特性の収縮又は他の変化をもたらす可能性がある。
【0013】
本明細書に開示された実施形態の少なくとも1つによれば、第1の態様において、提示側表面及び非提示側表面を備える成形品が提供される。提示側表面は所定の表面装飾を備える。非提示側表面は、提示側表面に対して実質的に対向する面であり、非提示側表面は、1つ以上の構造を含む。1つ以上の構造は、提示側表面の所定の表面装飾を実質的に提供又は付与するように配置又は位置決めされる。
【0014】
非提示側表面は、補強側表面であってもよい。
【0015】
提示側表面は、1つ以上の所定の表面装飾機能部を含むことができる。
【0016】
1つ以上の構造は、提示側表面の1つ以上の所定の表面装飾機能部を実質的に補完する態様で、非提示側表面に配置することができる。
【0017】
1つ以上の構造は、1つ以上の補強機能部であってもよい。
【0018】
1つ以上の構造は、実質的に中実、実質的に部分的に中実もしくは部分的に中空タイプの構造、又は実質的に中空タイプの構造のうちの1つ以上であってもよい。
【0019】
提示側表面は、1つ以上の所定の表面装飾機能部を提供することができ、非提示側表面(補強側表面など)は、提示側表面と実質的に対向する面であってもよい。非提示側表面(補強側表面など)は、1つ以上の構造(1つ以上の補強機能部など)を含むことができ、1つ以上の構造(1つ以上の補強機能部など)は、提示側表面の1つ以上の所定の表面装飾機能部を実質的に補完する態様で配置することができる。
【0020】
第2の態様では、提示側表面及び補強側表面を備える成形品が提供される。提示側表面は所定の表面装飾機能部を備え、補強側表面は提示側表面に対して実質的に対向する面である。補強側表面は1つ以上の補強機能部を含み、1つ以上の補強機能部は提示側表面の1つ以上の所定の表面装飾機能部を実質的に補完する態様で配置される。
【0021】
補強機能部は、補強側表面から延びる(すなわち、延在する)1つ以上の支持棒、又は肋材、又は厚みのある部分(ディンプル又は脚構造を含むが、これらに限定されない)を含むことができる。
【0022】
支持棒、又は肋材、又は厚みのある部分(ディンプル又は脚構造を含むが、これらに限定されない)は、提示側表面の装飾機能部の1つ以上を補完するために、高さ及び/又は幅及び/又は長さ及び/又は位置の1つ以上において変化してもよい。
【0023】
提示側表面は、非提示部分を含んでいてもよく、非提示部分は、第2の又はさらなる成形品の少なくとも一部によって実質的に覆われるように構成される。
【0024】
提示側表面は、アンダーラップ領域とオーバーラップ領域を含むことができ、オーバーラップ領域は、提示側表面の装飾機能部を含み、第2の又はさらなる成形品のアンダーラップ領域と重なるように構成される。
【0025】
補強機能部は、提示側表面のトポロジーを実質的に転置するか、付与するか、又は影響を与える態様で、補強側表面に設けることができる。
【0026】
補強機能部は、提示側表面の装飾機能部と実質的に整列していてもよく、又は提示側表面の装飾機能部の1つ以上を実質的に補完又は強調する態様で補強側表面に配置されてもよい。
【0027】
所定の表面装飾機能部及び/又は補強機能部の配置は、成形品の1つ以上の部分の収縮率の差を埋め合わせることができる。
【0028】
成形品は、成形可能な材料、例えば、高分子材料、プラスチック、ガラス、セラミック、金属のうちの1つ以上から形成することができるが、これらには限定されない。
【0029】
成形品は、連続成形プロセスを介して形成することができる。
【0030】
補強機能部は、1つ以上の補強機能部がその上に支持される表面、例えば建築物表面と接触するように、及び/又は、1つ以上の補強機能部がその上に支持される表面、例えば建築物表面と接触しない、もしくは接触を避けるように、及び/又は上記の組合せとなるように、補強側表面から十分な高さ又は延長となるように設けることができる。
【0031】
補強機能部は、補強側に配置された複数の不連続な肋材部分を含むことができる。そのような補強機能部には、ディンプル又は脚構造を含むことができるが、これらに限定されず、肋材のような細長い型の構造の形態であってもよい。補強構造は、提示側表面の表面トポロジー又はトポグラフィー又は装飾における変化を付与又は転置するように構成された任意の適切な形状であってもよい。
したがって、肋材部分は一例であり、他の補強構造の形状又は配置は、一連のそのような形状として、又は形状と長さもしくは高さのタイプの構造の混合として提供することができ、そのような構造で使用されることを意図されている材料の量に応じて、実質的に中実又は実質的に中空であってもよいし、部分的に中実又は部分的に中空のタイプの構造であってもよい。
このような構造は、非提示側面に延在する実質的に連続した配置として提供されてもよいし、不連続構造として提供されてもよいし、連続構造と不連続構造の組合せとして提供されてもよい。そのような構造は、一連のものとして提供されてもよいし、他のそのような構造と相互接続されてもよいし、独立した構造であってもよいし、相互接続された構造と独立した構造との組み合わせがあってもよい。
【0032】
補強機能部は、補強側に実質的に連続的に延在することができる、補強側に配置された複数の連続した肋材部分を含むことができる。
【0033】
補強機能部は、一連の肋材部分であってもよい。
【0034】
補強機能部は、一連の相互接続された肋材部分であってもよい。
【0035】
補強機能部は、提示側の所望の装飾又は外観を模倣するように補強側に構成又は配置されてもよい。
【0036】
提示側の所望の装飾又は外観は、天然物、スレート、木材又は木目(又は木板などの割木)、動物の皮(革など)、石、樹皮、葉、植物(又は植生)、花などの天然素材の表面仕上げ又は外観の1つ以上であってもよい。
【0037】
提示側の所望の装飾又は外観は、人工物形状、人工物、アスファルト、板材、木材又は木目、石又は石片、布又は織物、ガラス、ディンプルガラス、炭素繊維又は他の繊維状外観材料、ガラス繊維、マット、金属などの材料の表面仕上げ又は外観の1つ以上であってもよい。
【0038】
成形品は、以下のうちの1つ以上となるように構成することができる:
- 別の成形品と接合していない、又は接触していない;
- 別の成形品に実質的に隣接しているか、又は隣接している;
- 個々の表面として提供される;
- 完全な表面又は構成部品の表面として提供される;
- 表面の一部又はアクセントとして提供される;
- 表面の変化の一部として提供される。
【0039】
第3の態様では、上述のいずれか1つの態様に定義される複数の前記成形品を含む屋根材又は羽目板の板材又はモジュールが提供される。複数の成形品は、複数の個別に又は別々に提示可能な表面を提供するユニットとして、板材又はモジュールを介して互いに接合される。それぞれの提示可能な表面は、板材又はモジュールを表面及び提示側面の装飾機能部上に補完的に支持する態様で、補強側面上に補強機能部の様々な配列又はパターニングを含む。
【0040】
各々の前記成形品は、実質的に同じ量又は体積の成形可能な材料で形成することができる。
【0041】
前記モジュールの複数の成形品の各々の前記成形品は、実質的に独自の提示側表面及び非提示側表面を提供することができる。
【0042】
第4の態様では、上述の態様のいずれか1つに定義される複数の板材又はモジュールのシステムが提供される。複数の板材又はモジュールは、板材又はモジュールがそこから取り付けられる又は支持される表面を被覆するために実質的に重なり合う屋根板又はタイルの配列として配置される。
【0043】
第5の態様では、成形品を形成する方法が提供され、該方法は以下を包む:
成形品の提示側表面と非提示側表面を形成すること;
提示側表面が所定の表面装飾を提供し、非提示側表面を提示側表面の実質的に対向する面とすること;及び
非提示側表面に1つ以上の構造体(この1つ以上の構造体は、提示側表面の所定の表面装飾を実質的に提供するか、又は付与するように配置又は位置決めされる)を形成すること。
【0044】
第6の態様では、成形品の製造方法が提供され、該方法は以下を含む:第1の形成面と第2の形成面の間で成形された後に形状を仮定し保持することができる材料を、連続成形機に、連続して又は実質的に連続して供給すること;その面が同じ機械方向に前進するように成形が行われるようにすること;生産物は、提示側表面及び非提示側表面を備える成形品であり、提示側表面が所定の表面装飾を備え、非提示側表面が提示側表面に対して実質的に対向する面であり、非提示側表面は1つ以上の構造を備え、1つ以上の構造は、提示側表面の所定の表面装飾を実質的に提供又は与えるように配置又は位置付けされている。
【0045】
また本発明は、本明細書において、個別に又は集合的に、言及又は示された部分、要素及び機能、並びに、任意の2つ以上の前記部分、要素又は機能の任意の又はすべての組み合わせで構成されると広く言うことができる。本発明が関係する技術分野において既知の均等物を有する特定の完全体が本明細書で言及される場合、その既知の均等物は、個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれるとみなされる。前述の機能、実施形態又は態様のいずれかを、本明細書に記載される他の機能又は実施形態又は態様の1つ以上と組み合わせることができる。
【0046】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「成形品」という用語は、文脈が他に示唆しない限り、実質的に成形可能な材料(これには液体又は溶融状態もしくは溶融条件にある柔軟な材料が含まれ、硬化又は固化又は他の方法で固める又は固体化することができる)で、又はそれから形成することができる任意の物品を広く意味することを意図する。当該材料としては、これらに限定されないが、ポリマー材料、プラスチック、ガラス、セラミックス、ゴム、金属、鋳物を含む金属、樹脂及び/又は組成物を挙げることができる。
【0047】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「補完」という用語は、文脈が他に示唆しない限り、提示側表面のトポロジー(もしくはトポグラフィー)もしくは外観(視覚的又は審美的)又は成形品の提示側表面に対する1つ以上の装飾機能部に、実質的に転置又は付与又は寄与又は強化又は強調又は提供又は影響することを広く意味することを意図する。このようにして、非提示側表面(又は補強側表面)の周り又は上に配置された1つ以上の構造は、所定の表面装飾を提供することができ、又は追加的に形成される表面装飾機能部に寄与することができ、又は、例えば、提示側面の装飾又は装飾機能部の1つ以上を実質的に強化、改善、又は強調するために提示側表面にそれ自体が成形される。
【0048】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語「含んでいる(comprising)」は、「の少なくとも一部を構成する」を意味する。本明細書及び特許請求の範囲における、用語「含んでいる」を含む各記載を解釈する場合、その用語で前置きされたもの以外の特徴も存在し得る。「含む(comprise又はcomprises)」などの関連用語も同様に解釈される。
【0049】
本明細書に開示される数の範囲(例えば、1~10)への言及は、その範囲内のすべての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9及び10)並びにその範囲内の有理数の任意の範囲(例えば、2~8、1.5~5.5及び3.1~4.7)にも言及して組み込む。したがって、本明細書に明確に開示するすべての範囲の部分的範囲も明確に開示することを意図する。これらは具体的に意図された例に過ぎず、列挙された最低値から最高値までの間の数値の可能な組み合わせはすべて、本明細書に同様に明示されたものとみなされるべきである。
【0050】
本明細書で使用される用語「及び/又は」は、「及び」もしくは「又は」、あるいはその両方を意味する。
【0051】
本明細書で使用される名詞の後に続く「(s)」は、その名詞の複数形及び/又は単数形を意味する。
【0052】
本発明が関連する技術分野の当業者には、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の構成における多くの変更及び広く異なる実施形態及び応用が示唆されるであろう。本明細書における開示及び説明は純粋に例示であり、いかなる意味においても限定的であることを意図していない。
【0053】
本開示は上記で構成され、以下に例示のみを与える構成を想定している。本明細書に開示された特徴は、同じ又は関連する発明概念に対処する互換性のある構成要素の新たな実施形態に組み合わせることができる。
【0054】
本開示の好ましい実施形態は、単なる例として、以下の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1A】
図1Aは、建築物の表面に設置された、屋根材モジュールの形状をした成形品の集合体を示す。
【
図1B】
図1Bは、建築物の表面に設置された、屋根材モジュールの形状をした成形品の集合体を示す。
【
図2A】
図2Aは、提示側表面に所定の表面装飾を提供又は付与する構造を有する成形品の例を示す。
【
図2B】
図2Bは、提示側表面に所定の表面装飾を提供又は付与する構造を有する成形品の例を示す。
【
図2C】
図2Cは、提示側表面に所定の表面装飾を提供又は付与する構造を有する成形品の例を示す。
【
図3A】
図3Aは、提示側表面に所定の表面装飾を提供又は付与する構造を有する成形品の例を示す。
【
図3B】
図3Bは、提示側表面に所定の表面装飾を提供又は付与する構造を有する成形品の例を示す。
【
図3C】
図3Cは、提示側表面に所定の表面装飾を提供又は付与する構造を有する成形品の例を示す。
【
図4A】
図4Aは、提示側表面を含む、成形品の斜視図及び上面図を示す。
【
図4B】
図4Bは、提示側表面を含む、成形品の斜視図及び上面図を示す。
【
図5A】
図5Aは、非提示側表面の構造が、提示側表面上に所定の表面装飾を提供又は付与する場合の例を示す。
【
図5B】
図5Bは、非提示側表面の構造が、提示側表面上に所定の表面装飾を提供又は付与する場合の例を示す。
【
図5C】
図5Cは、非提示側表面の構造が、提示側表面上に所定の表面装飾を提供又は付与する場合の例を示す。
【
図6A】
図6Aは、提示側表面上の所定の表面装飾を実質的に提供又は付与するように配置又は位置決めされた構造を含む、例示的な成形品の非提示側表面を示す。
【
図6B】
図6Bは、提示側表面上の所定の表面装飾を実質的に提供又は付与するように配置又は位置決めされた構造を含む、例示的な成形品の非提示側表面を示す。
【
図7A】
図7Aは、成形品の非提示側表面上の構造の様々な例を示す。
【
図7B】
図7Bは、成形品の非提示側表面上の構造の様々な例を示す。
【
図7C】
図7Cは、成形品の非提示側表面上の構造の様々な例を示す。
【
図8A】
図8Aは、提示側表面に所定の表面装飾を提供又は付与する非提示側表面の構造を有する成形品の例を示す。
【
図8B】
図8Bは、提示側表面に所定の表面装飾を提供又は付与する非提示側表面の構造を有する成形品の例を示す。
【
図8C】
図8Cは、提示側表面に所定の表面装飾を提供又は付与する非提示側表面の構造を有する成形品の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
詳細な説明
図面を参照して様々な実施形態を説明する。図面及び明細書を通して、同一又は類似の構成要素を示すために同一の参照番号を使用し、その重複する説明を省略する場合がある。
【0057】
図1Aは、建築物の表面102に設置された本明細書に開示される多数の成形品110を含む屋根材システム100の例示的な実施形態を示す。
図1Bは、
図1Aの線画バージョンを示す。
【0058】
図2A~2C及び3A~3Cは、本明細書に開示される成形品110の例示的な実施形態を示す。成形品110は、提示側表面120、130と、補強側表面124、134を提供する。提示側表面120、130は、所定の表面装飾機能部122、132を提供し、補強側表面124、134は、提示側表面120、130に対して実質的に対向する面である。
【0059】
図2C及び
図3Cに示すように、補強側表面122、132は、1つ以上の補強機能部126、136を含む。
【0060】
図2A~2Cに示す例示的な実施形態では、1つ以上の補強機能部126は、幾何学模様で配置される。材料の厚さの変動及び材料特性の変化により、補強機能部126は、対応する幾何学模様を提示側表面120に付与し、それによって表面装飾機能部122の一部を形成することができる。
【0061】
図3A~3Cに示される例示的な実施形態では、提示側表面130及び非提示側表面134を備える成形品110が示され、提示側表面130は所定の表面装飾132を提供し、非提示側表面134は提示側表面130と実質的に対向する面である。非提示側表面134は、1つ以上の構造136を含み、1つ以上の構造136は、提示側表面130の所定の表面装飾132を実質的に提供又は付与するように配置又は位置決めされる。
【0062】
例示的な実施形態では、非提示側表面134は、補強側表面であってもよい。提示側表面130は、1つ以上の所定の表面装飾機能部132を含むことができ、1つ以上の構造は、提示側表面130の1つ以上の所定の表面装飾機能部132を実質的に補完する態様で非提示側表面134に配置することができる。
【0063】
1つ以上の構造136は、1つ以上の補強機能部であってもよく、例えば、1つ以上の構造136は、実質的に中実、実質的に部分的に中実もしくは部分的に中空タイプの構造、又は実質的に中空タイプの構造のうちの1つ以上であってもよい。
【0064】
提示側表面130は、1つ以上の所定の表面装飾機能部132を提供することができ、非提示側表面134(補強側表面など)は、提示側表面130に対して実質的に対向する面であってもよい。非提示側表面134(補強側表面など)は、1つ以上の構造136(1つ以上の補強機能部など)を含むことができ、1つ以上の構造136(1つ以上の補強機能部など)は、提示側表面130の1つ以上の所定の表面装飾機能部132を実質的に補完する態様で配置されてもよい。
【0065】
図3A~3Cに示す例示的な実施形態では、1つ以上の補強機能部136は、提示側表面130の装飾機能部132の1つ以上を実質的に補完する態様で配置することができる。例えば、補強機能部136は、所定の表面の装飾機能部132に補完的な効果を付与するように配置又は配列することができる。
【0066】
一例では、提示側表面130は、成形品110の第1の面としての露出面又は重なり面である。さらに、補強側表面134は、成形品110の第2の面としての実質的に対向する非露出面である。
【0067】
一例では、成形品110の提示側表面130は、1つ以上の補強機能部136によって実質的に支持することができる。例えば、補強機能部136は、補強側表面134上に設けられてもよい。一例では、補強側表面134は、支持構造の形状の補強機能部136を含むことができ、例えば、補強側表面134は、1つ以上の支持肋材を提示することができる。
【0068】
提示側表面130は、所定の美的外観を呈することができる所定の表面装飾132を含むことができる。
【0069】
一例では、所定の表面装飾132は、所定の美的外観を呈するための表面プロファイル、形態、トポロジー又はトポグラフィーを含むことができる。
【0070】
一例では、所定の表面装飾132は、非提示側、すなわち補強側表面134上に設けられた補強機能部136によって補完されてもよい。一例では、補強機能部136は、提示側表面130の所定の表面装飾132を強化するように配置又は配列することができる。
【0071】
例えば、補強機能部136又は支持構造体は、提示側表面130にパターン又は装飾を付与するように構成、配置又は配列することができる。
【0072】
例示的な実施形態において、所定の表面装飾132は、表面装飾を含むことができる。例示的な実施形態において、表面装飾は、アスファルトシングル、スレート、木製シェイク、コンクリートタイルなどに類似していてもよい。
【0073】
補強機能部136は、補強側表面134から延びる(又は延びている)1つ以上の支持棒、又は肋材、又は厚みのある部分(ディンプル又は脚構造を含むが、これらに限定されない)を含むことができる。支持棒、又は肋材、又は厚みのある部分(ディンプル又は脚構造を含むが、これらに限定されない)は、提示側表面130の装飾機能部132の1つ以上を補完するために、高さ及び/又は幅及び/又は長さ及び/又は位置の1つ以上を変化させることができる。
【0074】
提示側表面130は、非提示部分114を含むことができ、非提示部分114は、第2の又はさらなる成形品110の少なくとも一部によって実質的に覆われるように構成される。
【0075】
提示側表面130は、アンダーラップ領域114とオーバーラップ領域を含むことができ、オーバーラップ領域は、提示側表面の装飾機能部132を含み、第2の又はさらなる成形品110のアンダーラップ領域114に重なるように構成される。
【0076】
補強機能部136は、提示側表面130のトポロジーを実質的に転置するか、付与するか、又は影響を与える態様で、補強側表面134に設けることができる。
【0077】
補強機能部136は、提示側表面130の装飾機能部132と実質的に整列していてもよく、又は提示側表面130の装飾機能部132の1つ以上を実質的に補完又は強調する態様で補強側表面134に配置されてもよい。
【0078】
所定の表面装飾機能部132及び/又は補強機能部136の配置は、成形品110の1つ以上の部分の収縮率の差を埋め合わせることができる。
【0079】
本明細書に記載される成形品110は、成形可能な材料、例えば、高分子材料、プラスチック、ガラス、セラミック、金属のうちの1つ以上から形成することができるが、これらには限定されない。成形品110は、連続成形プロセスを介して形成することができる。
【0080】
補強機能部136は、1つ以上の補強機能部136がその上に支持される屋根面102などの表面、例えば建築物表面と接触するように、及び/又は、1つ以上の補強機能部136がその上に支持される表面、例えば建築物表面と接触しない、もしくは接触を避けるように、及び/又は上記の組合せとなるように、補強側表面134から十分な高さ又は延長となるように設けることができる。
【0081】
補強機能部136は、補強側134に配置された複数の不連続な肋材部分を含むことができる。補強機能部136は、補強側134に実質的に連続的に延在することができる、補強側134に配置された複数の連続した肋材部分を含むことができる。補強機能部136は、一連の肋材部分、及び/又は、一連の相互接続された肋材部分であってもよい。
【0082】
本明細書に開示される不連続な肋材部分は、補強側134に配置することができる。そのような補強機能部136には、ディンプル又は脚構造を含むことができるが、これらに限定されず、肋材のような細長い型の構造の形態であってもよい。補強構造136は、提示側表面130の表面トポロジー又はトポグラフィー又は装飾132における変化を付与又は転置するように構成された任意の適切な形状であってもよい。
したがって、肋材部分は一例であり、他の補強構造136の形状又は配置は、一連のそのような形状として、又は形状と長さもしくは高さのタイプの構造の混合として提供することができ、そのような構造で使用されることを意図されている材料の量に応じて、実質的に中実又は実質的に中空であってもよいし、部分的に中実又は部分的に中空のタイプの構造であってもよい。
このような構造は、非提示側面134に延在する実質的に連続した配置として提供されてもよいし、不連続構造として提供されてもよいし、連続構造と不連続構造の組合せとして提供されてもよい。そのような構造は、一連のものとして提供されてもよいし、他のそのような構造と相互接続されてもよいし、独立した構造であってもよいし、相互接続された構造と独立した構造との組み合わせがあってもよい。
【0083】
補強機能部136は、表面装飾132などの提示側130の所望の装飾又は外観を模倣するように、補強側134について構成又は配置されてもよい。
【0084】
提示側130の所望の装飾又は外観132は、天然物、スレート、木材又は木目(又は木板などの割木)、動物の皮(革など)、石、樹皮、葉、植物(又は植生)、花などの天然素材の表面仕上げ又は外観の1つ以上であってもよい。
【0085】
提示側130の所望の装飾又は外観132は、人工物形状、人工物、アスファルト、板材、木材又は木目、石又は石片、布又は織物、ガラス、ディンプルガラス、炭素繊維又は他の繊維状外観材料、ガラス繊維、マット、金属などの材料表面仕上げ又は外観の1つ以上であってもよい。
【0086】
成形品110は、以下のうちの1つ以上となるように構成することができる:
- 別の成形品と接合していない、又は接触していない;
- 別の成形品に実質的に隣接しているか、又は隣接している;
- 個々の表面として提供される;
- 完全な表面又は構成部品の表面として提供される;
- 表面の一部又はアクセントとして提供される;
- 表面の変化の一部として提供される。
【0087】
図3A~3C、5A~C及び6A~Bに示される例示的な実施形態では、本明細書に記載される複数の前記成形品110を含む屋根材又は羽目板の板材又はモジュールが示され、複数の成形品110は、複数の個別に又は別々に提示可能な表面132/152を提供するユニットとして、板材又はモジュール110を介して互いに接合される。それぞれの提示可能な表面は、板材又はモジュール110を表面及び提示側面130/150の装飾機能部132/152上に補完的に支持する態様で、補強側面134/160上に補強機能部136/162の様々な配列又はパターニングを含む。
【0088】
各々の前記成形品110は、実質的に同じ量又は体積の成形可能な材料で形成することができ、実質的に独自の提示側表面130/150及び非提示側表面134/160を提供することができる。
【0089】
図1A及び1Bに戻ると、例えば、本明細書に記載される複数の板材又はモジュール100のシステムが示されており、複数の板材又はモジュールは、板材又はモジュール110がそこから取り付けられる又は支持される屋根102などの表面を被覆するために実質的に重なり合う屋根板又はタイルの配列として配置される。
【0090】
本発明は、
図4A及び
図4Bに示すように、屋根材、被覆材又は羽目板モジュール110として提供することができる。
【0091】
モジュール110は、アンダーラップ領域114と露出領域140を含むことができ、アンダーラップ領域114は、建築物の表面に設置されたときに、隣接するモジュールの露出領域140によって実質的に覆われるように適合される。
【0092】
露出領域140は、本明細書に記載の提示側表面に実質的に対応することができる。
【0093】
またモジュール110は、外面及び下面を含むことができ、露出領域140の下面は、本明細書に記載の1つ以上の補強機能部を含む。
【0094】
補強機能部は、建築物表面からモジュール110を持ち上げるための支持棒又は支持構造を提供することができる。
【0095】
モジュール110は、露出領域140の分離した部分を含む1つ以上のタブ112を含んでいてもよい。
【0096】
図5A、5B及び5Cは、本明細書に開示される屋根材、被覆材又は羽目板モジュール110の例示的な実施形態を示す。上述のように、モジュール110は、アンダーラップ領域114と露出領域150とを含んでもよく、任意に、1つ以上のタブ112含んでもよい。
【0097】
露出領域150は、本明細書に記載の提示側表面に対応することができる。モジュール110は、提示側表面150と補強側表面を備えることができ、補強側表面は、提示側表面150と実質的に対向する面である。提示側表面150は、所定の表面装飾機能部152を備えることができる。
【0098】
図5B及び
図5Cに示される例示的な実施形態では、モジュール110は、補強側表面上に補強機能部を含んでいてもよく、それは提示側表面150の1つ以上の装飾機能部152を実質的に補完する態様で配置される。この例示的な実施形態では、
図5Bに示される補強機能部の位置は、所定の表面装飾152に対する補強機能部の補完的な性質を説明するために強調されている。
図5Cは、
図5Bに示されるこれらの機能部の強調をすることなく、提示側表面150の装飾機能部152の1つ以上を実質的に補完する態様で配置された補強機能部を示す。
【0099】
図6A及び6Bは、本明細書に記載される例示的な成形品110を示し、屋根材、被覆材又は羽目板モジュール110の形態で示される。
図6Aは、タブ112を含むモジュール110を示し、このモジュールのA部分を
図6Bに示す。
【0100】
図6A及び
図6Bは、本明細書に記載される補強側表面の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態では、補強側表面160は、肋材の形態で提供されてもよい補強機能部162を含む。補強機能部162は、
図5Cの提示側表面150などの提示側表面を実質的に補完する態様で配置される。
【0101】
図6A及び
図6Bの成形品110は、アンダーラップ領域114の後面166を含むことができる。これは、肋材又は他の補強機能部もしくは構造を含んでいてもよい。成形品110は、例えば、屋根に設置された屋根材、被覆材もしくは羽目板モジュールの形態であるときに、又は被覆材もしくは羽目板として、耐候性又は防水性を提供するために、1つ以上のリップ又は接着層を含むリップ領域164を備えることができる。
【0102】
図7A、7B及び7Cは、本明細書に記載の補強側表面170に設けられた補強機能部172の例示的な実施形態を示す。
図7A、7B及び7Cの各々は、モジュール110のタブ112を示し、補強機能部172の様々な配置を示す。これらは、本明細書に記載される提示側表面の1つ以上の装飾機能部を実質的に補完する態様で配置されてもよい。
【0103】
一例では、補強機能部、例えば、
図6A、6Bの機能部162、又は
図7A~Cの機能部172は、モジュール110と建築物表面(
図1A及び1Bに示される102など)の間の空気の流れのための経路を画定することができる。一実施形態では、補強構造162/172は(1)空気流に乱流を生成する;(2)通過する気流と接触するモジュール110の表面積を、その表面パターンを欠くモジュールと比較して増加させる;又は(1)と(2)の両方、となるように配置される。一実施形態では、補強構造162/172は、建築物表面の実際の平面又は想定される平面の上に曲がりくねった経路を作り出す複数の突起を備える。
【0104】
図1A~7Cに示される例示的な実施形態は、スレート装飾に関するが、本明細書に記載される所定の表面装飾は、アスファルトシングル、スレート、木製シェイク、コンクリートタイルなどに類似していてもよいことは理解されるであろう。
【0105】
図8A、8B及び8Cは、木製シェイク型の所定の表面装飾を形成する、提示側表面上に付与された補強機能部を有する成形品の別の例示的な実施形態を示す。例示的な実施形態では、成形品110は、提示側表面180と所定の表面装飾182を含む少なくとも1つのタブ112を備えることができる。
【0106】
図2A~C及び
図3A~Cに関連して上述したように、
図8A~Cの例示的な実施形態は、補強機能部186を含む補強側表面184を含むことができる。一例では、補強機能部186は、提示側表面180の所定の表面装飾182を強化するように配置又は配列することができる。例えば、補強機能部186又は支持構造は、提示側表面180にパターン又は装飾を付与するように構成、配置、又は配列することができる。
【0107】
例示的な実施形態では、本明細書に記載の提示側表面の外面は、太陽電池又はデバイスを含むことができる。一実施形態では、成形品110は、太陽電池に重ね合わせる太陽放射透過性フィルムを含むことができる。
【0108】
例示的な実施形態では、成形品又はモジュール110は、1つ以上のポリマー材料から成形することができる。一例では、1つ以上のポリマー材料は、ポリカーボネート、発泡ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アキロブタルスチレン(ABS)、スチレン-アクリロニトリル樹脂(SAN)、熱可塑性ゴム、及び他の任意の非晶質もしくは結晶性ポリマー又はポリマーの組み合わせからなる群から選択される。一例では、1つ以上のポリマー材料は難燃性である。一例では、1つ以上のポリマー材料は、耐候性、耐雹性、耐紫外線性、耐引裂性、耐カビ性、及び耐衝撃性である。
【0109】
一例では、成形品110は、ポリマー材料の複数の層を含むことができ、これらの層は、同じ又は異なるポリマー材料からなる。一実施形態では、少なくとも1つの材料は、高い紫外線耐性を有する。一例では、少なくとも1つの材料は、高い熱伝導性を有する。一例では、成形品110は、補強層をさらに備える。
【0110】
一例では、成形品110又はポリマー層は、着色されるか、又は色材のブレンドを含むことができる。一例では、成形品110の外層上のポリマーは、従来の屋根材製品を模倣するように製造することができる。
【0111】
一実施例では、補強側表面は、例えば
図6A及び8Cに示される領域168のような、貫通ファスナによる固定のための1つ以上の領域を画定するようにプロファイリングされる。一例では、貫通ファスナによる固定のための1つ以上の領域は、固定を正確に位置決めするために釘又はスクリューガンヘッドを受け入れるように適合される。
【0112】
いくつかの実施形態では、成形品110は、例えば、国際特許公開WO2016/088026に記載されているように、連続成形プロセスによって製造され、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0113】
あるいは、いくつかの実施形態では、成形品110は、射出成形、ダイキャスト、押出成形、プレス成形、加熱成形、プレス及び加熱成形(例えばセラミック材料を用いる)、鋳造(例えば金属材料を用いる)、又は他の任意の適切な既知の成形工程によって形成される。
【0114】
さらなる態様において、本発明は、添付の図面を参照して又は参照しないで、実質的に本明細書に記載された屋根板、タイル又は同等のモジュール110(「屋根板」)を提供する。
【0115】
さらなる態様において、本発明は、本発明の任意の態様の被覆材又は羽目板の部材によって被覆された建築物表面を提供する。
【0116】
先行技術の成形品は、材料の収縮差を緩和又は回避するように設計されている。有利には、本明細書に記載の発明は、所定の表面装飾機能部を提供することができ、収縮差に寄与する可能性がある1つ以上の補強機能部が、装飾機能部を補完する態様で提供される。
【0117】
前述の説明において、既知の等価物を有する整数又は構成要素に言及した場合、それらの整数は、個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0118】
本開示は、特定の実施形態に関して説明されているが、当業者に明らかな他の実施形態もまた本開示の範囲内にある。したがって、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができる。例えば、様々な構成要素は必要に応じて再配置することができる。さらに本開示を実施するために、必ずしもすべての特徴、態様、及び利点が必要とされるわけではない。したがって本開示の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることが意図されている。
【外国語明細書】