(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093398
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】テーブル移動機構およびそれを備えたインクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20230627BHJP
B41J 11/06 20060101ALI20230627BHJP
B65H 5/18 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
B41J2/01 305
B41J11/06
B65H5/18
B41J2/01 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204473
(22)【出願日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2021208226
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】大塚 輝真
【テーマコード(参考)】
2C056
2C058
3F101
【Fターム(参考)】
2C056EA24
2C056FA10
2C056HA28
2C056HA29
2C056HA38
2C056HA44
2C056HA60
2C058AB03
2C058AC07
2C058AC11
2C058AD01
2C058AE02
2C058AE08
2C058AF08
2C058AF31
2C058DA11
2C058DA24
2C058DA26
2C058DA28
2C058DA30
2C058DB25
3F101BA01
3F101LA07
3F101LB03
(57)【要約】
【課題】スライドレールに沿ってテーブルユニットをスムーズに移動させることができるテーブル移動機構を提供すること。
【解決手段】テーブル移動機構38は、テーブル48を支持するテーブルキャリッジ49を有し、かつ、左サイドフレーム64に固定された第1スライドレール51および右サイドフレーム65に固定された第2スライドレール52に沿って副走査方向Xに移動可能なテーブルユニット40を備え、テーブルキャリッジ49は、第1スライドレール51に係合する左側スライド部材81Xと連結する左側固定ブラケット56が固定される第1左側固定部49DAと、第2スライドレール52に係合する右側スライド部材82Xと連結する右側固定ブラケット57が固定される第1右側固定部49EAと、を有し、第1左側固定部49DAは、左サイドフレーム64に対して主走査方向Yに弾性変形可能に構成されている。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁と、前記底壁から上方かつ第1の方向に延びる第1側壁と、前記底壁から上方かつ前記第1の方向に延びかつ前記第1の方向と平面視で直交する第2の方向に関して前記第1側壁から離隔した位置に配置された第2側壁と、を有するベース部材と、
前記第1側壁に固定され、かつ、前記第1の方向に延びる第1スライドレールと、
前記第2側壁に固定され、かつ、前記第1の方向に延びる第2スライドレールと、
記録媒体が載置されるテーブルと前記テーブルを支持するテーブルキャリッジとを有し、かつ、前記第1スライドレールおよび前記第2スライドレールに沿って前記第1の方向に移動可能なテーブルユニットと、
前記第1スライドレールに係合し、かつ、前記テーブルキャリッジを前記第1スライドレールに沿って前記第1の方向に移動可能に支持する第1スライド部材と、
前記第2スライドレールに係合し、かつ、前記テーブルキャリッジを前記第2スライドレールに沿って前記第1の方向に移動可能に支持する第2スライド部材と、
前記第1スライド部材と前記テーブルキャリッジとを連結する第1固定ブラケットと、
前記第2スライド部材と前記テーブルキャリッジとを連結する第2固定ブラケットと、
を備え、
前記テーブルキャリッジは、前記第2の方向の一方側に設けられ、前記第1固定ブラケットが固定される第1固定部と、前記第2の方向の他方側に設けられ、前記第2固定ブラケットが固定される第2固定部と、を有し、
前記第1固定部は、前記第2固定部に比べて前記第2の方向に弾性変形しやすいように構成されている、テーブル移動機構。
【請求項2】
前記第1固定部は、前記テーブルキャリッジに貫通形成された切り欠き部により弾性変形可能に構成され、
前記切り欠き部は、前記第1固定部の上方または下方において前記第1の方向に延びる第1切り欠き部と、前記第1固定部の前記第1の方向の一方側および他方側において上下方向に延びかつ前記第1切り欠き部と連続する第2切り欠き部と、を有する、請求項1に記載のテーブル移動機構。
【請求項3】
前記第1スライド部材の上面に設けられかつ前記テーブルキャリッジを支持する支持部と、前記支持部から前記テーブルキャリッジに向けて延びかつ前記第1固定ブラケットが連結される連結部と、前記支持部と前記連結部との間に設けられかつ前記第2の方向と垂直な第3方向に弾性変形可能な脆弱部と、を有する連結部材を備えている、請求項1または2に記載のテーブル移動機構。
【請求項4】
前記脆弱部には、貫通形成された開口が形成されている、請求項3に記載のテーブル移動機構。
【請求項5】
前記第1固定ブラケットの一部は、平面視で前記第1スライド部材と重なる、請求項4に記載のテーブル移動機構。
【請求項6】
前記第1固定ブラケットの一部は、平面視で前記連結部材の前記開口の一部と重なる、請求項5に記載のテーブル移動機構。
【請求項7】
前記第1固定ブラケットは、断面L字形状に形成され、前記第1固定部に固定される第1部分と、前記連結部に固定される第2部分とを有する、請求項4に記載のテーブル移動機構。
【請求項8】
前記第1スライド部材は、前記第1の方向に並ぶ前側第1スライド部材と後側第1スライド部材とを含み、
前記前側第1スライド部材は、前記連結部材の前記第1の方向の一方側の端部に固定され、
前記後側第1スライド部材は、前記連結部材の前記第1の方向の他方側の端部に固定されている、請求項4に記載のテーブル移動機構。
【請求項9】
底壁と、前記底壁から上方かつ第1の方向に延びる第1側壁と、前記底壁から上方かつ前記第1の方向に延びかつ前記第1の方向と平面視で直交する第2の方向に関して前記第1側壁から離隔した位置に配置された第2側壁と、を有するベース部材と、
前記第1側壁に固定され、かつ、前記第1の方向に延びる第1スライドレールと、
前記第2側壁に固定され、かつ、前記第1の方向に延びる第2スライドレールと、
記録媒体が載置されるテーブルと前記テーブルを支持するテーブルキャリッジとを有し、かつ、前記第1スライドレールおよび前記第2スライドレールに沿って前記第1の方向に移動可能なテーブルユニットと、
前記第1スライドレールに係合し、かつ、前記テーブルキャリッジを前記第1スライドレールに沿って前記第1の方向に移動可能に支持する第1スライド部材と、
前記第2スライドレールに係合し、かつ、前記テーブルキャリッジを前記第2スライドレールに沿って前記第1の方向に移動可能に支持する第2スライド部材と、
前記第1スライド部材と前記テーブルキャリッジとを連結する第1固定ブラケットと、
前記第2スライド部材と前記テーブルキャリッジとを連結する第2固定ブラケットと、
を備え、
前記テーブルキャリッジは、前記第2の方向の一方側に設けられ、前記第1固定ブラケットが固定される第1固定部と、前記第2の方向の他方側に設けられ、前記第2固定ブラケットが固定される第2固定部と、を有し、
前記第1固定ブラケットは、前記第2固定ブラケットに比べて前記第2の方向に弾性変形しやすいように構成されている、テーブル移動機構。
【請求項10】
前記第1固定部には、前記第2の方向に貫通形成された開口部が設けられ、
前記第1固定ブラケットの一部は、前記開口部と重なるように配置され、かつ、前記第2の方向に弾性変形して前記開口部内に移動可能に構成されている、請求項9に記載のテーブル移動機構。
【請求項11】
前記第1スライド部材の上面に設けられかつ前記テーブルキャリッジを支持する支持部と、前記支持部から前記テーブルキャリッジに向けて延びかつ前記第1固定ブラケットが連結される連結部と、前記支持部と前記連結部との間に設けられかつ前記第2の方向と垂直な第3方向に弾性変形可能な脆弱部と、を有する連結部材を備えている、請求項9または10に記載のテーブル移動機構。
【請求項12】
前記脆弱部には、貫通形成された開口が形成されている、請求項11に記載のテーブル移動機構。
【請求項13】
前記第1固定ブラケットの一部は、平面視で前記連結部材の前記開口の一部と重なる、請求項12に記載のテーブル移動機構。
【請求項14】
前記第1固定ブラケットは、断面L字形状に形成され、前記第1固定部に固定される第1部分と、前記連結部に固定される第2部分とを有する、請求項12に記載のテーブル移動機構。
【請求項15】
前記第1スライド部材は、前記第1の方向に並ぶ前側第1スライド部材と後側第1スライド部材とを含み、
前記前側第1スライド部材は、前記連結部材の前記第1の方向の一方側の端部に固定され、
前記後側第1スライド部材は、前記連結部材の前記第1の方向の他方側の端部に固定されている、請求項12に記載のテーブル移動機構。
【請求項16】
前記テーブルキャリッジの前記第2の方向の一方側に設けられ、前記第1スライド部材に下方から支持される第1支持ブラケットと、
前記テーブルキャリッジの前記第2の方向の他方側に設けられ、前記第2スライド部材に下方から支持される第2支持ブラケットと、を備えている、請求項1または9に記載のテーブル移動機構。
【請求項17】
前記第1支持ブラケットは、断面L字形状に形成され、前記テーブルキャリッジに固定される第1固定部分と、前記第1スライド部材に下方から支持される第1被支持部を有する第1連結部分とを有し、
前記第2支持ブラケットは、断面L字形状に形成され、前記テーブルキャリッジに固定される第2固定部分と、前記第2スライド部材に下方から支持される第2被支持部を有する第2連結部分とを有する、請求項16に記載のテーブル移動機構。
【請求項18】
請求項1または9に記載のテーブル移動機構と、
前記テーブルユニットより上方に配置され、前記第2の方向に延びるガイドレールと、
前記ガイドレールに摺動可能に設けられ、前記第2の方向に移動可能なキャリッジと、
前記テーブルに載置された前記記録媒体にインクを吐出する複数のノズルと、複数の前記ノズルが形成されたノズル面とを有し、前記キャリッジに搭載されたインクヘッドと、を備えている、インクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブル移動機構およびそれを備えたインクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、主走査方向に延びるガイドレールと、ガイドレールに摺動自在に設けられたキャリッジと、キャリッジに搭載されたインクヘッドと、媒体が載置されるテーブルと、テーブルを主走査方向と平面視において直交する副走査方向に移動させるテーブルユニットと、を備えたプリンタが開示されている。特許文献1のプリンタでは、インクヘッドは、主走査方向に移動しながらテーブルに載置された媒体にインクを吐出する。その後、テーブルに載置された媒体がテーブルユニットによって副走査方向に移動する。これを繰り返し行うことによって、媒体に所定の画像が印刷される。
【0003】
ここで、特許文献1に記載のテーブル移動機構では、テーブルユニットは副走査方向に延びる一対のスライドレールに移動自在に設けられている。スライドレールは、ベース部材上に配置されたサブベース部材の側壁にそれぞれ設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示されているテーブル移動機構では、各部材の寸法誤差を、スライドレールが取り付けられたサブベース部材の側壁を変形させることによってなくしている。このように、サブベース部材の側壁を変形させることによって、テーブルユニットをスライドレールに適切に取り付けることができるため、テーブルユニットはスライドレールに沿ってスムーズに移動することができる。このように、特許文献1に記載のテーブル移動機構は、上述した寸法誤差をなくすためにベース部材とは別に設けたサブベース部材の側壁を変形させているが、サブベース部材が必須となる。一方、サブベース部材ではなく、ベース部材の側壁にガイドレールを直接取り付けることができれば、サブベース部材が不要となり、部品点数の削減によるプリンタの軽量化やコストの低減を実現することができる。しかしながら、ベース部材の側壁はガイドレールを支持する部材であるため、変形させることができない。よって、ベース部材を変形させることにより上述した寸法誤差をなくすことができないため、サブベース部材の削減によるプリンタの軽量化やコストの低減を実現できないという問題があった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スライドレールに沿ってテーブルユニットをスムーズに移動させることができるテーブル移動機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るテーブル移動機構は、底壁と、前記底壁から上方かつ第1の方向に延びる第1側壁と、前記底壁から上方かつ前記第1の方向に延びかつ前記第1の方向と平面視で直交する第2の方向に関して前記第1側壁から離隔した位置に配置された第2側壁と、を有するベース部材と、前記第1側壁に固定され、かつ、前記第1の方向に延びる第1スライドレールと、前記第2側壁に固定され、かつ、前記第1の方向に延びる第2スライドレールと、記録媒体が載置されるテーブルと前記テーブルを支持するテーブルキャリッジとを有し、かつ、前記第1スライドレールおよび前記第2スライドレールに沿って前記第1の方向に移動可能なテーブルユニットと、前記第1スライドレールに係合し、かつ、前記テーブルキャリッジを前記第1スライドレールに沿って前記第1の方向に移動可能に支持する第1スライド部材と、前記第2スライドレールに係合し、かつ、前記テーブルキャリッジを前記第2スライドレールに沿って前記第1の方向に移動可能に支持する第2スライド部材と、前記第1スライド部材と前記テーブルキャリッジとを連結する第1固定ブラケットと、前記第2スライド部材と前記テーブルキャリッジとを連結する第2固定ブラケットと、を備えている。前記テーブルキャリッジは、前記第2の方向の一方側に設けられ、前記第1固定ブラケットが固定される第1固定部と、前記第2の方向の他方側に設けられ、前記第2固定ブラケットが固定される第2固定部と、を有している。前記第1固定部は、前記第2固定部に比べて前記第2の方向に弾性変形しやすいように構成されている。
【0008】
本発明に係るテーブル移動機構によると、第1の方向に延びる第1スライドレールは第1の方向に延びるベース部材の第1側壁に固定され、第1の方向に延びる第2スライドレールは第1の方向に延びるベース部材の第2側壁に固定されている。このように、第1スライドレールおよび第2スライドレールは、その全体がベース部材の第1側壁および第2側壁にそれぞれ固定されている。このため、第1スライドレールおよび第2スライドレールは、縦方向の剛性に優れる。これにより、第1スライドレールおよび第2スライドレールに沿ってテーブルユニットが移動しても、第1スライドレールおよび第2スライドレールに撓みが生じることを抑制することができる。即ち、テーブルを有するテーブルユニットが第1の方向に移動するときに、テーブルユニットは、第1スライドレールおよび第2スライドレールに沿ってスムーズに移動することができる。また、テーブルキャリッジの第1固定部は、第2固定部に比べて第2の方向に弾性変形しやすいように構成されている。このため、テーブルユニットを第1スライドレールおよび第2スライドレールに取り付けるときに各部材の寸法誤差が存在していたとしても、第1固定部が変形することによって該寸法誤差をなくすことができる。このように、第1固定部を第2固定部に比べてより大きく変形させることによってテーブルユニットを第1スライドレールおよび第2スライドレールに適切に取り付けることができるため、テーブルユニットは第1スライドレールおよび第2スライドレールに沿ってスムーズに移動することができる。
【0009】
本発明に係る他のテーブル移動機構は、底壁と、前記底壁から上方かつ第1の方向に延びる第1側壁と、前記底壁から上方かつ前記第1の方向に延びかつ前記第1の方向と平面視で直交する第2の方向に関して前記第1側壁から離隔した位置に配置された第2側壁と、を有するベース部材と、前記第1側壁に固定され、かつ、前記第1の方向に延びる第1スライドレールと、前記第2側壁に固定され、かつ、前記第1の方向に延びる第2スライドレールと、記録媒体が載置されるテーブルと前記テーブルを支持するテーブルキャリッジとを有し、かつ、前記第1スライドレールおよび前記第2スライドレールに沿って前記第1の方向に移動可能なテーブルユニットと、前記第1スライドレールに係合し、かつ、前記テーブルキャリッジを前記第1スライドレールに沿って前記第1の方向に移動可能に支持する第1スライド部材と、前記第2スライドレールに係合し、かつ、前記テーブルキャリッジを前記第2スライドレールに沿って前記第1の方向に移動可能に支持する第2スライド部材と、前記第1スライド部材と前記テーブルキャリッジとを連結する第1固定ブラケットと、前記第2スライド部材と前記テーブルキャリッジとを連結する第2固定ブラケットと、備え、前記テーブルキャリッジは、前記第2の方向の一方側に設けられ、前記第1固定ブラケットが固定される第1固定部と、前記第2の方向の他方側に設けられ、前記第2固定ブラケットが固定される第2固定部と、を有し、前記第1固定ブラケットは、前記第2固定ブラケットに比べて前記第2の方向に弾性変形しやすいように構成されている。
【0010】
本発明に係る他のテーブル移動機構によると、第1の方向に延びる第1スライドレールは第1の方向に延びるベース部材の第1側壁に固定され、第1の方向に延びる第2スライドレールは第1の方向に延びるベース部材の第2側壁に固定されている。このように、第1スライドレールおよび第2スライドレールは、その全体がベース部材の第1側壁および第2側壁にそれぞれ固定されている。このため、第1スライドレールおよび第2スライドレールは、縦方向の剛性に優れる。これにより、第1スライドレールおよび第2スライドレールに沿ってテーブルユニットが移動しても、第1スライドレールおよび第2スライドレールに撓みが生じることを抑制することができる。即ち、テーブルを有するテーブルユニットが第1の方向に移動するときに、テーブルユニットは、第1スライドレールおよび第2スライドレールに沿ってスムーズに移動することができる。また、第1固定ブラケットは、第2固定ブラケットに比べて第2の方向に弾性変形しやすいように構成されている。このため、テーブルユニットを第1スライドレールおよび第2スライドレールに取り付けるときに各部材の寸法誤差が存在していたとしても、第1固定ブラケットが変形することによって該寸法誤差をなくすことができる。このように、第1固定ブラケットを第2固定ブラケットに比べてより大きく変形させることによってテーブルユニットを第1スライドレールおよび第2スライドレールに適切に取り付けることができるため、テーブルユニットは第1スライドレールおよび第2スライドレールに沿ってスムーズに移動することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スライドレールに沿ってテーブルユニットをスムーズに移動させることができるテーブル移動機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】一実施形態に係る本体ケースを取り外した状態のプリンタの前方斜視図である。
【
図3】一実施形態に係る本体ケースを取り外した状態のプリンタの正面図である。
【
図4】一実施形態に係る本体ケースを取り外した状態のプリンタの平面図である。
【
図5】一実施形態に係るテーブルユニットの斜視図である。
【
図6】一実施形態に係るテーブルユニットの斜視図である。
【
図7】一実施形態に係る左側スライド部材の一部を示す斜視図である。
【
図8】一実施形態に係る左側スライド部材の一部を示す平面図である。
【
図9】一実施形態に係る左側スライド部材に左側固定ブラケットが取り付けられた状態を示す平面図である。
【
図10】一実施形態に係るテーブルユニットの一部を示す斜視図である。
【
図11】一実施形態に係るテーブルユニットの一部を示す分解斜視図である。
【
図13】一実施形態に係るテーブルユニットの一部を示す斜視図である。
【
図14】一実施形態に係るテーブルユニットの一部を示す分解斜視図である。
【
図15】他の一実施形態に係るテーブルユニットの一部を示す斜視図である。
【
図16】他の一実施形態に係るテーブルユニットの一部を示す斜視図である。
【
図17】他の一実施形態に係るテーブルユニットの一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るテーブル移動機構およびインクジェットプリンタ(以下単に「プリンタ」と称する)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係るプリンタ10の斜視図である。以下の説明では、プリンタ10を正面から見たときに、プリンタ10から遠ざかる方を前方、プリンタ10に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、プリンタ10を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。また、図面中の符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。主走査方向Yは、第2の方向の一例である。符号Xは副走査方向を示している。ここでは、副走査方向Xは前後方向であり、平面視において主走査方向Yと直交している。副走査方向Xは、第1の方向の一例である。符号Zは、上下方向を示している。上下方向Zは、第3の方向の一例である。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
【0015】
図1に示すように、プリンタ10は、インクジェット式のプリンタである。プリンタ10は、家庭用のプリンタと比較すると主走査方向Yに長い、いわゆる大型のプリンタである。例えば、プリンタ10は、業務用のプリンタである。本実施形態では、プリンタ10は、記録媒体5上に画像を印刷する。
【0016】
本実施形態において用いられる記録媒体5は、例えば、記録紙や転写紙などの平面シートであってもよいし、携帯電話ケースなどの各種ケース、小型電子機器、キーホルダやフォトフレームやペンなどの部品小物、日用品、アクセサリなどの立体物であってもよい。記録媒体5を形成する材料は、普通紙やインクジェット用印刷紙などの紙類はもちろんのこと、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)共重合体などの樹脂類、アルミニウムやステンレス鋼などの金属類、カーボン、陶器、セラミック、ガラス、ゴム、皮革、木材などであってもよい。
【0017】
図2に示すように、プリンタ10は、本体ケース12(
図1参照)と、キャリッジ移動機構20と、インクヘッドユニット30と、テーブル移動機構38と、を備えている。テーブル移動機構38は、キャリッジ移動機構20およびインクヘッドユニット30を支持するベース部材60と、記録媒体5が載置されるテーブルユニット40と、テーブルユニット40を副走査方向Xに移動可能に支持する第1スライドレール51(
図4参照)と、テーブルユニット40を副走査方向Xに移動可能に支持する第2スライドレール52(
図4も参照)と、テーブルユニット40を副走査方向Xに移動させる移動装置41(
図4参照)と、テーブルユニット40の第1スライドレール51および第2スライドレール52に沿う移動をガイドするガイド部材80(
図5参照)と、を備えている。
【0018】
図2に示すように、ベース部材60は、ベースプレート61と、フロントフレーム62と、リアフレーム63と、左サイドフレーム64と、右サイドフレーム65とを有する。ベースプレート61は、板状に形成されかつ中央に位置する中央ベース部61Aと、中央ベース部61Aの左方に配置されかつ板状に形成された左側ベース部61Bと、中央ベース部61Aの右方に配置されかつ板状に形成された右側ベース部61Cと、を有する。左側ベース部61Bは、後述する第1支持壁71を支持する。右側ベース部61Cは、後述する第2支持壁72を支持する。
図4に示すように、中央ベース部61A、左側ベース部61Bおよび右側ベース部61Cは、副走査方向Xの長さが主走査方向Yの長さより長くなるように形成されている。中央ベース部61Aの副走査方向Xの長さは、左側ベース部61Bおよび右側ベース部61Cの副走査方向Xの長さより長い。ベースプレート61は、底壁の一例である。フロントフレーム62は、ベースプレート61の中央ベース部61Aの前端から上方に延びる。フロントフレーム62は、主走査方向Yに延びる。リアフレーム63は、ベースプレート61の後端から上方に延びる。即ち、リアフレーム63は、中央ベース部61Aの後端、左側ベース部61Bの後端、右側ベース部61Cの後端から上方に延びる。リアフレーム63は、主走査方向Yに延びる。左サイドフレーム64は、中央ベース部61Aの左端から上方に延びる。左サイドフレーム64は、副走査方向Xに延びる。左サイドフレーム64は、フロントフレーム62とリアフレーム63とを接続する。左サイドフレーム64は、左側ベース部61Bより右方に位置する。左サイドフレーム64は、後述する左側壁76を支持する。左サイドフレーム64は、第1側壁の一例である。右サイドフレーム65は、中央ベース部61Aの右端から上方に延びる。右サイドフレーム65は、副走査方向Xに延びる。右サイドフレーム65は、フロントフレーム62とリアフレーム63とを接続する。右サイドフレーム65は、右側ベース部61Cより左方に位置する。右サイドフレーム65は、主走査方向Yに関して左サイドフレーム64から離隔した位置に配置されている。右サイドフレーム65は、左サイドフレーム64よりも右方に位置する。右サイドフレーム65は、後述する右側壁77を支持する。右サイドフレーム65は、第2側壁の一例である。ベース部材60は、ベースプレート61の中央ベース部61Aと、フロントフレーム62と、リアフレーム63と、左サイドフレーム64と、右サイドフレーム65とで囲われた収容空間60Aを有する。収容空間60Aは、上方が開口した箱状に形成され、テーブルユニット40を収容する。
【0019】
図1に示すように、本体ケース12の前部の中央には、フロントカバー13Cが設けられている。本体ケース12の前部の左方には、左カバー13Lが設けられている。本体ケース12の前部の右方には、右カバー13Rが設けられている。フロントカバー13C、左カバー13Lおよび右カバー13Rは、本体ケース12に対して開閉可能に構成されている。フロントカバー13Cには、窓13Wが設けられている。窓13Wは、例えば、透明のアクリル板によって形成されている。作業者は、窓13Wから本体ケース12の内部を視認することができる。本体ケース12の下部には、ベース部材60が取り付けられている。本体ケース12は、ベース部材60に支持されている。
【0020】
図2に示すように、プリンタ10は、第1支持壁71と、第2支持壁72と、第1支持壁71および第2支持壁72に架け渡された支持部材75と、左側壁76と、右側壁77と、を備えている。第1支持壁71は、テーブル移動機構38のテーブルユニット40より左方に位置する。第1支持壁71は、ベースプレート61の左側ベース部61Bおよび左サイドフレーム64に固定されている。第1支持壁71は、上下方向Zおよび主走査方向Yに延びる。第2支持壁72は、テーブルユニット40より右方に位置する。第2支持壁72は、ベースプレート61の右側ベース部61Cおよび右サイドフレーム65に固定されている。第2支持壁72は、上下方向Zおよび主走査方向Yに延びる。
【0021】
図2に示すように、支持部材75は、主走査方向Yに延びる。支持部材75は、テーブルユニット40より上方に位置する。支持部材75は、第1支持壁71および第2支持壁72に固定されている。
図3に示すように、プリンタ10には、テーブルユニット40が通過可能に構成され、副走査方向Xに貫通する開口14Hが形成されている。開口14Hは、支持部材75、左側壁76および右側壁77に囲まれて形成されている。左側壁76は、テーブルユニット40より左方かつ第1支持壁71より右方に位置する。右側壁77は、テーブルユニット40より右方かつ第2支持壁72より左方に位置する。
図4に示すように、左側壁76および右側壁77は、副走査方向Xおよび上下方向Z延びる。左側壁76は、左サイドフレーム64に固定されている。右側壁77は、右サイドフレーム65に固定されている。左側壁76および右側壁77は、支持部材75を支持する。
【0022】
図2に示すように、プリンタ10は、支持部材75に設けられたガイドレール18を備えている。ガイドレール18は、主走査方向Yに延びている。ガイドレール18は、支持部材75から前方に向けて突出するように形成されている。ガイドレール18は、テーブルユニット40より上方に位置する。ガイドレール18は、開口14H(
図3参照)より上方に位置する。ガイドレール18には、インクヘッドユニット30の後述するキャリッジ32が摺動可能に設けられている。ガイドレール18は、キャリッジ32の主走査方向Yへの移動をガイドするものである。
【0023】
図2に示すように、キャリッジ移動機構20は、テーブルユニット40の後述するテーブル48に載置された記録媒体5に対してキャリッジ32を相対的に主走査方向Yに移動させる機構である。キャリッジ移動機構20は、キャリッジ32を主走査方向Yに移動させる。なお、キャリッジ移動機構20の構成は特に限定されない。
図3に示すように、キャリッジ移動機構20は、左側のプーリ21と、右側のプーリ22と、無端状のベルト23と、キャリッジモータ24とを備えている。左側のプーリ21は、ガイドレール18の左端より右方に設けられている。右側のプーリ22は、ガイドレール18の右端より右方に設けられている。左側のプーリ21および右側のプーリ22は、支持部材75に固定されている。ベルト23は、左側のプーリ21と右側のプーリ22とに巻き掛けられている。右側のプーリ22には、キャリッジモータ24が接続されている。ただし、キャリッジモータ24は、左側のプーリ21に接続されていてもよい。ここでは、キャリッジモータ24が駆動して、右側のプーリ22が回転することで、左側のプーリ21と右側のプーリ22との間においてベルト23が走行する。
【0024】
図3に示すように、インクヘッドユニット30は、テーブルユニット40より上方に配置されている。インクヘッドユニット30は、キャリッジ32と、キャリッジ32に設けられた複数のインクヘッド34と、キャリッジ32に取り付けられたケース31と、光照射装置35とを備えている。ケース31は、箱状に形成されている。ケース31内には、インクヘッド34が収容されている。
【0025】
キャリッジ32は、ベルト23に取り付けられている。キャリッジ32は、ガイドレール18に摺動可能に係合している。
図3に示すように、キャリッジ32は、後述するテーブル48より上方に配置されている。キャリッジモータ24の駆動によってベルト23が走行して、キャリッジ32が主走査方向Yに移動することに伴い、キャリッジ32に搭載されたインクヘッド34および光照射装置35は主走査方向Yに移動する。
【0026】
図4に示すように、インクヘッド34は、副走査方向Xの長さが主走査方向Yの長さよりも長い形状に形成されている。インクヘッド34は、それぞれ、同じ形状かつ同じ大きさに形成されている。インクヘッド34は、テーブル48に載置された記録媒体5にインクを吐出可能に構成されている。インクヘッド34は、インクを吐出しかつ副走査方向Xに並ぶ複数のノズル(図示せず)と、複数のノズルが形成されたノズル面(図示せず)とを備えている。インクヘッド34のノズルから吐出されるインクは、例えば、光硬化性インクである。光硬化性インクとしては、例えば、紫外線硬化インクが挙げられる。紫外線硬化インクは、紫外線が照射されると硬化する性質を有する。本実施形態では、インクヘッドユニット30は、4つのインクヘッド34を備えているが、これに限定されない。
【0027】
光照射装置35は、記録媒体5に吐出された光硬化性インク(例えば紫外線硬化インク)に光(例えば紫外線)を照射する装置である。
図3に示すように、光照射装置35は、インクヘッド34より右方に配置されている。光照射装置35は、キャリッジ32に固定されている。本実施形態では、光照射装置35は、インクヘッド34より右方に配置されているが、これに限定されない。光照射装置35は、インクヘッド34より左方に配置されていてもよい。また、インクヘッド34の左方および右方のそれぞれに光照射装置35が設けられていてもよい。
【0028】
図2に示すように、テーブル移動機構38は、テーブルユニット40のテーブル48を副走査方向Xに移動させる機構である。また、テーブル移動機構38は、テーブル48を上下方向Zに移動させる機構である。テーブルユニット40は、記録媒体5が載置されるテーブル48と、テーブルキャリッジ49と、昇降ケース47と、固定ブラケット55(
図5参照)と、を備えている。テーブルユニット40は、後述する左側スライド部材81X(
図5参照)および右側スライド部材82X(
図6参照)に支持されている。テーブルユニット40は、第1スライドレール51(
図4参照)および第2スライドレール52(
図4も参照)に沿って副走査方向Xに移動可能に構成されている。
【0029】
図2に示すように、テーブル48には、記録媒体5が載置される。テーブル48は、副走査方向Xの長さが主走査方向Yの長さよりも短い矩形状に形成されている。なお、テーブル48は、副走査方向Xの長さが主走査方向Yの長さよりも長くてもよく、副走査方向Xの長さと主走査方向Yの長さが同一であってもよい。
図3に示すように、テーブル48は、ガイドレール18より下方に配置されている。テーブル48は、インクヘッドユニット30より下方に配置されている。テーブル48は、昇降ケース47の上端部に固定されている。テーブル48は、テーブルキャリッジ49の移動に伴って副走査方向Xに移動可能に構成されている。テーブル48は、昇降ケース47の移動に伴って上下方向Zに移動可能に構成されている。
【0030】
図2に示すように、テーブルキャリッジ49は、第1スライドレール51(
図4参照)および第2スライドレール52(
図4も参照)に摺動可能に支持されている。テーブルキャリッジ49は、第1スライドレール51および第2スライドレール52に沿って副走査方向Xに移動可能に設けられている。テーブルキャリッジ49は、昇降ケース47を介してテーブル48を支持する。テーブルキャリッジ49は、箱型状に形成されている。
図5に示すように、テーブルキャリッジ49は、上壁49Aと、上壁49Aの前端から下方に延びる前壁49Bと、上壁49Aの後端から下方に延びる後壁49C(
図6参照)と、上壁49Aの左端から下方に延びかつ前壁49Bと後壁49Cとを接続する左壁49Dと、上壁49Aの右端から下方に延びかつ前壁49Bと後壁49Cとを接続する右壁49E(
図6参照)と、を有する。テーブルキャリッジ49の上壁49Aには、上方に向けて開口する開口49H(
図2参照)が形成されている。テーブルキャリッジ49は、後述する左側固定ブラケット56が固定される第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBと、後述する右側固定ブラケット57が固定される第1右側固定部49EA(
図6参照)および第2右側固定部49EB(
図6参照)と、を有する。第1左側固定部49DAはテーブルキャリッジ49の左壁49Dの前側に設けられ、第2左側固定部49DBは左壁49Dの後側に設けられている。第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBは、主走査方向Yに弾性変形可能に構成されている。第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBは、第1右側固定部49EAおよび第2右側固定部49EBに比べて主走査方向Yに弾性変形しやすいように構成されている。第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBは、後述する切り欠き部46により弾性変形可能に構成されている。
図6に示すように、第1右側固定部49EAはテーブルキャリッジ49の右壁49Eの前側に設けられ、第2右側固定部49EBは右壁49Eの後側に設けられている。第1右側固定部49EAおよび第2右側固定部49EBは、主走査方向Yに弾性変形可能に構成されている。以下の説明では、第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBを総称して第1固定部49DX、第1右側固定部49EAおよび第2右側固定部49EBを総称して第2固定部49EXとする。
図10に示すように、第1固定部49DXは、矩形状に形成されている。第1固定部49DXには、後述する左側固定ブラケット56の第2部分56Bの一部が挿入されて、第1固定部49DXに対する左側固定ブラケット56の位置決めがされる凹部49DHが形成されている。第2固定部49EXは、テーブルキャリッジ49の右壁49Eの一部である。
図13に示すように、第2固定部49EXには、後述する右側固定ブラケット57の第2部分57Bの一部が挿入されて、第2固定部49EXに対する右側固定ブラケット57の位置決めがされる貫通孔49EHが形成されている。
図10に示すように、テーブルキャリッジ49は、第1固定部49DXの周囲に貫通形成された切り欠き部46を有する。切り欠き部46は、テーブルキャリッジ49の左壁49Dに貫通形成されている。切り欠き部46は、第1固定部49DXの上方に形成されかつ副走査方向X(ここでは前後方向)に延びる第1切り欠き部46Aと、第1固定部49DXの副走査方向Xの一方側(ここでは前方)および他方側(ここでは後方)にそれぞれ形成されかつ上下方向Zに延びかつ第1切り欠き部46Aと連続する第2切り欠き部46Bと、を有する。切り欠き部46は、側面視でU字状に形成されている。第2切り欠き部46Bは、凹部49DHと連続する。このように、第1固定部49DXの周囲に切り欠き部46が形成されているため、第1固定部49DXの横剛性は、左壁49Dの他の部分と比較して低い。なお、第2固定部49EXの周囲には切り欠き部46は形成されていない。
【0031】
図2に示すように、昇降ケース47は、箱形状に形成されている。昇降ケース47は、テーブルキャリッジ49の上壁49Aに形成された開口49Hに挿入されている。昇降ケース47は、図示しない駆動機構によってテーブルキャリッジ49に対して上下方向Zに移動可能に構成されている。昇降ケース47は、テーブル48を支持する。
【0032】
図4に示すように、第1スライドレール51および第2スライドレール52は、副走査方向Xに延びる。第1スライドレール51は、ベース部材60の左サイドフレーム64に固定されている。ここで、「第1スライドレール51が左サイドフレーム64に固定される」には、ビス等によって第1スライドレール51が左サイドフレーム64に直接的に固定される場合と、ブラケット等によって第1スライドレール51が左サイドフレーム64に間接的に固定される場合とを含む。第2スライドレール52は、ベース部材60の右サイドフレーム65に固定されている。ここで、「第2スライドレール52が右サイドフレーム65に固定される」には、ビス等によって第2スライドレール52が右サイドフレーム65に直接的に固定される場合と、ブラケット等によって第2スライドレール52が右サイドフレーム65に間接的に固定される場合とを含む。第1スライドレール51および第2スライドレール52は、テーブルユニット40を支持する。第1スライドレール51および第2スライドレール52は、テーブルユニット40の副走査方向Xへの移動をガイドする。
【0033】
図4に示すように、移動装置41は、ベース部材60上に配置されている。移動装置41は、ベース部材60の収容空間60Aに収容されている。移動装置41は、前側のプーリ42と、後側のプーリ43と、無端状のベルト44と、駆動モータ45とを備えている。前側のプーリ42は、中央ベース部61Aの前側に設けられている。後側のプーリ43は、中央ベース部61Aの後側に設けられている。ベルト44は、前側のプーリ42と後側のプーリ43とに巻き掛けられている。後側のプーリ43には、駆動モータ45が接続されている。ただし、駆動モータ45は、前側のプーリ42に接続されていてもよい。ここでは、駆動モータ45が駆動して、後側のプーリ43が回転することで、前側のプーリ42と後側のプーリ43との間においてベルト44が走行する。テーブルキャリッジ49(
図2参照)は、ベルト44に取り付けられている。このため、駆動モータ45の駆動によってベルト44が走行すると、テーブルキャリッジ49は第1スライドレール51および第2スライドレール52に沿って、副走査方向Xに移動する。即ち、移動装置41は、テーブル48を副走査方向Xに移動させることができる。
図4は、テーブル48が最も後方に位置する状態を示す。
【0034】
図5に示すように、ガイド部材80は、第1スライドレール51に係合する左側ガイド部材81を有する。左側ガイド部材81は、副走査方向Xに並ぶ第1左側スライド部材81Aおよび第2左側スライド部材81Bと、第1左側スライド部材81Aおよび第2左側スライド部材81Bを保持する左側連結部材81Cと、を有する。第1左側スライド部材81Aおよび第2左側スライド部材81Bは、第1スライドレール51に係合する。第1左側スライド部材81Aおよび第2左側スライド部材81Bは、第1スライドレール51に沿って副走査方向Xに移動可能に設けられている。第1左側スライド部材81Aおよび第2左側スライド部材81Bは、テーブルキャリッジ49を第1スライドレール51に沿って副走査方向Xに移動可能に支持する。第1左側スライド部材81Aは、第2左側スライド部材81Bよりも前方に位置する。第1左側スライド部材81Aは、左側連結部材81Cの前端に固定されている。第2左側スライド部材81Bは、左側連結部材81Cの後端に固定されている。このため、第1左側スライド部材81Aおよび第2左側スライド部材81Bは、一体となって副走査方向Xに移動する。以下の説明では、第1左側スライド部材81Aと第2左側スライド部材81Bとを総称して左側スライド部材81Xとする。左側スライド部材81Xは、第1スライド部材の一例である。第1左側スライド部材81Aは、前側第1スライド部材の一例である。第2左側スライド部材81Bは、後側第1スライド部材の一例である。左側連結部材81Cは、連結部材の一例である。
【0035】
図7に示すように、左側スライド部材81Xは、第1スライドレール51に摺動する摺動部材であって、断面U字形状に形成されている。左側スライド部材81Xは、締結部材83によって左側連結部材81Cに固定されている。左側連結部材81Cは、左側固定ブラケット56(
図5参照)と左側スライド部材81Xとを間接的に連結する。左側連結部材81Cは、副走査方向Xに延びる。左側連結部材81Cの副走査方向Xの長さは、テーブルキャリッジ49の左壁49Dの副走査方向Xの長さより短い。左側連結部材81Cは、副走査方向Xおよび上下方向Zに延びる縦壁部81CAと、縦壁部81CAの上端から左方に延びる横壁部81CBと、横壁部81CBから右方に延びる連結部81CCと、横壁部81CBと連結部81CCとの間に設けられかつ上下方向Zに弾性変形可能な脆弱部81CMと、を含む。横壁部81CBは、支持部の一例である。縦壁部81CAは、左側スライド部材81Xより右方に位置する。横壁部81CBは、左側スライド部材81Xの上方に位置する。横壁部81CBは、左側スライド部材81Xの上面に設けられている。横壁部81CBは、テーブルキャリッジ49を支持する。連結部81CCは、横壁部81CBの前側および後側にそれぞれ一つずつ設けられている。連結部81CCには、左側固定ブラケット56が連結される。縦壁部81CAと、横壁部81CBとは、一枚の平板から曲げ成形により一体的に形成されている。連結部81CCは、縦壁部81CAと、横壁部81CBとを曲げ成形する前に、縦壁部81CAと横壁部81CBとに亘って、連結部81CCの周囲を打ち抜き成形することにより、これらと一体成形される。
【0036】
図7に示すように、連結部81CCは、左側スライド部材81Xより上方に位置する。連結部81CCは、左側スライド部材81Xからテーブルキャリッジ49に向けて(ここでは右方に)延びる。
図8に示すように、連結部81CCは、左側固定ブラケット56(
図9参照)と連結部81CCとを締結する締結部材83(
図9参照)が挿入される挿入孔81CSを有する。挿入孔81CSは、連結部81CCを上下方向に貫通して形成されている。挿入孔81CSは、後述する開口81CHより右方に形成されている。挿入孔81CSは、開口81CHの前後方向の中心C(
図8参照)よりも前方に形成されている。連結部81CCは、脆弱部81CMの後述する第1部分81CDおよび第2部分81CEに接続している。
【0037】
図8に示すように、脆弱部81CMには、上下方向に貫通形成された開口81CHが形成されている。脆弱部81CMは、開口81CHの前方に位置する第1部分81CDと、開口81CHの後方に位置する第2部分81CEと、を有する。第1部分81CDおよび第2部分81CEは比較的細いため剛性が低い。このため、脆弱部81CMは、上下方向Zに弾性変形可能である。開口81CHは、矩形状に形成されている。開口81CHは、平面視で左側スライド部材81Xと重なる。開口81CHは、平面視で縦壁部81CAと重なる。このように、脆弱部81CMには開口81CHが形成されているため、脆弱部81CMの縦剛性は横壁部81CBと比較して低い。
【0038】
図5に示すように、固定ブラケット55は、左側固定ブラケット56を含む。左側固定ブラケット56は、第1固定ブラケットの一例である。左側固定ブラケット56は、左側スライド部材81Xに連結される。左側固定ブラケット56は、左側スライド部材81Xとテーブルキャリッジ49とを連結する。
図10に示すように、左側固定ブラケット56は、断面L字形状に形成されている。左側固定ブラケット56は、第1固定部49DXに固定される第1部分56Aと、連結部81CCに固定される第2部分56Bとを有する。第1部分56Aは、略T字形状に形成されている。第1部分56Aは、締結部材83によって第1固定部49DXに固定されている。第2部分56Bは、略矩形状に形成されている。第2部分56Bは、締結部材83によって連結部81CCに固定されている。第2部分56Bの一部は、第1固定部49DXに形成された位置決め用の凹部49DHに挿入される。
図11に示すように、締結部材83は、第2部分56Bに形成された挿入孔56BSおよび連結部81CCの挿入孔81CSに挿入され、左側固定ブラケット56と左側ガイド部材81とを連結する。
【0039】
図9に示すように、左側固定ブラケット56が左側スライド部材81Xに連結されているとき、左側固定ブラケット56の一部は、平面視で左側スライド部材81Xと重なる。左側固定ブラケット56の一部は、平面視で脆弱部81CMの開口81CHの一部と重なる。
図12に示すように、左側固定ブラケット56は、左側連結部材81Cを介して左側スライド部材81Xに間接的に連結される。左側固定ブラケット56の一部は、左側連結部材81Cの横壁部81CB上に位置する。このため、テーブルキャリッジ49(
図5参照)の重量は、左側固定ブラケット56および左側連結部材81Cを介して左側スライド部材81Xに加わる。即ち、テーブルキャリッジ49は、左側スライド部材81Xに支持されている。ここで、テーブルユニット40を第1スライドレール51および第2スライドレール52に取り付けるときに各部材の寸法誤差が存在していたとしても、第1左側固定部49DA、第2左側固定部49DB(
図5参照)、脆弱部81CMを変形させることによって、該寸法誤差をなくすことができ、テーブルユニット40を適切に取り付けることができる。
【0040】
図6に示すように、ガイド部材80は、第2スライドレール52に係合する右側ガイド部材82を有する。右側ガイド部材82は、副走査方向Xに並ぶ第1右側スライド部材82Aおよび第2右側スライド部材82Bと、第1右側スライド部材82Aおよび第2右側スライド部材82Bを保持する右側連結部材82Cと、を有する。第1右側スライド部材82Aおよび第2右側スライド部材82Bは、第2スライドレール52に係合する。第1右側スライド部材82Aおよび第2右側スライド部材82Bは、第2スライドレール52に沿って副走査方向Xに移動可能に設けられている。第1右側スライド部材82Aおよび第2右側スライド部材82Bは、テーブルキャリッジ49を第2スライドレール52に沿って副走査方向Xに移動可能に支持する。第1右側スライド部材82Aは、第2右側スライド部材82Bよりも前方に位置する。第1右側スライド部材82Aは、右側連結部材82Cの前端に固定されている。第2右側スライド部材82Bは、右側連結部材82Cの後端に固定されている。このため、第1右側スライド部材82Aおよび第2右側スライド部材82Bは、一体となって副走査方向Xに移動する。以下の説明では、第1右側スライド部材82Aと第2右側スライド部材82Bとを総称して右側スライド部材82Xとする。右側スライド部材82Xは、第2スライド部材の一例である。
【0041】
図13に示すように、右側スライド部材82Xは、第2スライドレール52に摺動する摺動部材であって、断面U字形状に形成されている。右側スライド部材82Xは、締結部材83によって右側連結部材82Cに固定されている。右側連結部材82Cは、右側スライド部材82Xに設けられている。右側連結部材82Cは、右側固定ブラケット57と右側スライド部材82Xとを間接的に連結する。なお、右側連結部材82Cは、左側連結部材81Cと同じ構成であるため、重複する説明は省略する。即ち、右側連結部材82Cは、副走査方向Xおよび上下方向Zに延びる縦壁部81CAと、縦壁部81CAの上端から右方に延びる横壁部81CBと、横壁部81CBから左方に延びる連結部81CCと、横壁部81CBと連結部81CCとの間に設けられかつ上下方向Zに弾性変形可能な脆弱部81CMと、を含む。
図14に示すように、横壁部81CBは、右側固定ブラケット57と横壁部81CBとを締結する締結部材83が挿入される挿入孔81CSを有する。
【0042】
図6に示すように、固定ブラケット55は、右側固定ブラケット57を含む。右側固定ブラケット57は、第2固定ブラケットの一例である。右側固定ブラケット57は、右側スライド部材82Xに連結される。右側固定ブラケット57は、右側スライド部材82Xとテーブルキャリッジ49とを連結する。
図13に示すように、右側固定ブラケット57は、断面L字形状に形成されている。右側固定ブラケット57は、第2固定部49EXに固定される第1部分57Aと、横壁部81CBに固定される第2部分57Bとを有する。第1部分57Aは、略T字形状に形成されている。第1部分57Aは、締結部材83によって第2固定部49EXに固定されている。第2部分57Bは、略矩形状に形成されている。第2部分57Bは、締結部材83によって横壁部81CBに固定されている。第2部分57Bの一部は、第2固定部49EXに形成された位置決め用の貫通孔49EHに挿入される。
図14に示すように、締結部材83は、第2部分57Bに形成された挿入孔57BSおよび横壁部81CBの挿入孔81CSに挿入され、右側固定ブラケット57と右側ガイド部材82とを連結する。
【0043】
右側固定ブラケット57が右側スライド部材82Xに連結されているとき、右側固定ブラケット57の一部は、平面視で右側スライド部材82Xと重なる。
図13に示すように、右側固定ブラケット57は、右側連結部材82Cを介して右側スライド部材82Xに間接的に連結される。右側固定ブラケット57の一部は、右側連結部材82Cの横壁部81CB上に位置する。このため、テーブルキャリッジ49の重量は、右側固定ブラケット57および右側連結部材82Cを介して右側スライド部材82Xに加わる。即ち、テーブルキャリッジ49は、右側スライド部材82Xに支持されている。ここで、テーブルユニット40を第1スライドレール51および第2スライドレール52に取り付けるときに各部材の寸法誤差が存在していたとしても、脆弱部81CMを変形させることによって、該寸法誤差をなくすことができ、テーブルユニット40を適切に取り付けることができる。
【0044】
以上のように、本実施形態のテーブル移動機構38によると、副走査方向Xに延びる第1スライドレール51は副走査方向Xに延びるベース部材60の左サイドフレーム64に固定され、副走査方向Xに延びる第2スライドレール52は副走査方向Xに延びるベース部材60の右サイドフレーム65に固定されている。このように、第1スライドレール51および第2スライドレール52は、その全体がベース部材60の左サイドフレーム64および右サイドフレーム65にそれぞれ固定されている。このため、第1スライドレール51および第2スライドレール52は、縦方向の剛性に優れる。これにより、第1スライドレール51および第2スライドレール52に沿ってテーブルユニット40が移動しても、第1スライドレール51および第2スライドレール52に撓みが生じることを抑制することができる。即ち、テーブル48を有するテーブルユニット40が副走査方向Xに移動するときに、テーブルユニット40は、第1スライドレール51および第2スライドレール52に沿ってスムーズに移動することができる。また、テーブルキャリッジ49の第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBは、第1右側固定部49EAおよび第2右側固定部49EBに比べて主走査方向Yに弾性変形しやすいように構成されている。このため、テーブルユニット40を第1スライドレール51および第2スライドレール52に取り付けるときに各部材の寸法誤差が存在していたとしても、第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBが変形することによって該寸法誤差をなくすことができる。このように、第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBを第1右側固定部49EAおよび第2右側固定部49EBに比べて大きく変形させることによってテーブルユニット40を第1スライドレール51および第2スライドレール52に適切に取り付けることができるため、テーブルユニット40は第1スライドレール51および第2スライドレール52に沿ってスムーズに移動することができる。
【0045】
本実施形態のテーブル移動機構38では、第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBは、テーブルキャリッジ49に貫通形成された切り欠き部46により弾性変形可能に構成され、切り欠き部46は、第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBの上方において副走査方向Xに延びる第1切り欠き部46Aと、第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBの副走査方向Xの一方側および他方側において上下方向に延びかつ第1切り欠き部46Aと連続する第2切り欠き部46Bと、を有する。このように、左側固定ブラケット56が固定されるテーブルキャリッジ49の第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBの周囲には、第1切り欠き部46Aと第2切り欠き部46Bとが形成されている。即ち、第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBは横方向の剛性が比較的低い構造になっているため変形し易い。
【0046】
本実施形態のテーブル移動機構38は、左側スライド部材81Xの上面に設けられかつテーブルキャリッジ49を支持する横壁部81CBと、横壁部81CBからテーブルキャリッジ49に向けて延びかつ左側固定ブラケット56が連結される連結部81CCと、横壁部81CBと連結部81CCとの間に設けられかつ上下方向Zに弾性変形可能な脆弱部81CMと、を有する左側連結部材81Cを備えている。かかる構成によると、テーブルユニット40を第1スライドレール51および第2スライドレール52に取り付けるときに各部材の寸法誤差が存在していたとしても、脆弱部81CMが上下方向Zに弾性変形することによって該寸法誤差をなくすことができる。このように、脆弱部81CMを上下方向Zに弾性変形させることによってテーブルユニット40を第1スライドレール51および第2スライドレール52に適切に取り付けることができるため、テーブルユニット40は第1スライドレール51および第2スライドレール52に沿ってスムーズに移動することができる。
【0047】
本実施形態のテーブル移動機構38では、脆弱部81CMには、貫通形成された開口81CHが形成されている。これにより、脆弱部81CMは、上下方向に容易に弾性変形することができる。
【0048】
本実施形態のテーブル移動機構38では、左側固定ブラケット56の一部は、平面視で左側スライド部材81Xと重なる。かかる構成によると、テーブルユニット40の重量は、左側固定ブラケット56および左側連結部材81Cを介して左側スライド部材81Xに加わる。これにより、テーブルユニット40の重量が比較的大きい場合であっても、テーブルユニット40は左側スライド部材81Xによって確実に支持される。
【0049】
本実施形態のテーブル移動機構38では、左側固定ブラケット56の一部は、平面視で左側連結部材81Cの開口81CHの一部と重なる。かかる構成によると、左側連結部材81Cの連結部81CCの変形を許容しつつ、テーブルユニット40の重量が過度に連結部81CCに加わることが抑制される。
【0050】
本実施形態のテーブル移動機構38では、左側固定ブラケット56は、断面L字形状に形成され、第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBに固定される第1部分56Aと、連結部81CCに固定される第2部分56Bとを有する。かかる構成によると、第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBおよび連結部81CCを一体的に変形させることができる。
【0051】
本実施形態のテーブル移動機構38では、左側スライド部材81Xは、副走査方向Xに並ぶ第1左側スライド部材81Aと第2左側スライド部材81Bとを含む。第1左側スライド部材81Aは、左側連結部材81Cの副走査方向Xの一方側の端部(ここでは前端部)に固定され、第2左側スライド部材81Bは、左側連結部材81Cの副走査方向Xの他方側の端部(ここでは後端部)に固定されている。かかる構成によると、第1左側スライド部材81Aおよび第2左側スライド部材81Bに対するテーブルユニット40の位置合わせを容易に行うことができる。
【0052】
本実施形態のプリンタ10は、テーブル移動機構38と、テーブルユニット40より上方に配置され、副走査方向Xに延びるガイドレール18と、ガイドレール18に摺動可能に設けられ、副走査方向Xに移動可能なキャリッジ32と、テーブル48に載置された記録媒体5にインクを吐出する複数のノズルと、複数のノズルが形成されたノズル面とを有し、キャリッジ32に搭載されたインクヘッド34と、を備えている。本実施形態のテーブル移動機構38では、テーブルユニット40は第1スライドレール51および第2スライドレール52に対してスムーズに移動することができる。これにより、本実施形態のプリンタ10によると品質に優れた印刷を行うことができる。
【0053】
<第2実施形態>
図15は、第2実施形態に係るテーブルユニット140の一部を示す斜視図である。
図15に示すように、テーブルユニット140は、固定ブラケット155と、支持ブラケット255と、を備えている。
【0054】
図15に示すように、テーブルキャリッジ49の左壁49Dには、主走査方向Yに貫通形成された開口部200が設けられている。開口部200は、矩形状に形成されている。開口部200は、上下方向Zの長さが副走査方向Xの長さより長くなるように形成されている。開口部200の上下方向Zの長さは、固定ブラケット155の上下方向Zの長さよりも短い。開口部200の左右方向(副走査方向X)の長さは、固定ブラケット155の左右方向(副走査方向X)の長さよりも長い。開口部200は、左壁49Dの前側および後側にそれぞれ一つずつ設けられている。なお、テーブルキャリッジ49の右壁49Eには、開口部200は設けられていない(
図17参照)。
【0055】
図15および
図16に示すように、固定ブラケット155は、テーブルキャリッジ49の左壁49Dに固定される第1固定ブラケット156と、テーブルキャリッジ49の右壁49E(
図17参照)に固定される第2固定ブラケット157(
図17参照)と、を含む。第1固定ブラケット156は、第2固定ブラケット157に比べて主走査方向Yに弾性変形しやすいように構成されている。第1実施形態に係るテーブルユニット40と同様に、第1固定ブラケット156は、左壁49Dの前側および後側にそれぞれ一つずつ設けられ、第2固定ブラケット157は、右壁49Eの前側および後側にそれぞれ一つずつ設けられている。本実施形態では、左壁49Dは、第1固定部の一例である。右壁49Eは、第2固定部の一例である。
【0056】
図15に示すように、第1固定ブラケット156は、断面L字形状に形成されている。第1固定ブラケット156は、左壁49Dに固定されている。第1固定ブラケット156の一部は、開口部200と重なるように配置されている。第1固定ブラケット156の一部(ここでは後述する第1部分156A)は、主走査方向Yの方向に弾性変形して開口部200内に移動可能(即ち右方に移動可能)に構成されている。第1固定ブラケット156は、左側スライド部材81Xに連結されている。第1固定ブラケット156は、左側スライド部材81Xとテーブルキャリッジ49とを連結する。第1固定ブラケット156は、左側連結部材81Cを介して左側スライド部材81Xとテーブルキャリッジ49とを間接的に連結する。第1固定ブラケット156は、左壁49Dに固定される矩形状の第1部分156Aと、連結部81CCに固定される矩形状の第2部分156Bとを有する。第1部分156Aは、2つの締結部材83によって左壁49Dに固定されている。2つの締結部材83は、開口部200よりも上方に位置する。第1部分156Aの副走査方向Xの長さは、開口部200の副走査方向Xの長さよりも短い。第1部分156Aの前端は、開口部200の前端よりも後方に位置する。第1部分156Aの後端は、開口部200の後端よりも前方に位置する。第2部分156Bは、締結部材83によって連結部81CCに固定されている。第2部分156Bは、開口部200の下端よりも上方に位置する。第2部分156Bは、平面視で左側連結部材81Cの開口81CHの一部と重なる。
【0057】
図17に示すように、第2固定ブラケット157は、断面L字形状に形成されている。第2固定ブラケット157と第1固定ブラケット156とは、同じ形状である。第2固定ブラケット157は、右壁49Eに固定されている。第2固定ブラケット157は、右側スライド部材82Xに連結されている。第2固定ブラケット157は、右側スライド部材82Xとテーブルキャリッジ49とを連結する。第2固定ブラケット157は、右側連結部材82Cを介して右側スライド部材82Xとテーブルキャリッジ49とを間接的に連結する。第2固定ブラケット157は、右壁49Eに固定される矩形状の第1部分157Aと、連結部81CCに固定される矩形状の第2部分157Bとを有する。第1部分157Aは、2つの締結部材83によって右壁49Eに固定されている。2つの締結部材83は、第1部分157Aの上端付近と下端付近とにそれぞれ位置する。第1部分157Aの全体は、右壁49Eと面接触している。このため、第2固定ブラケット157は、主走査方向Y(ここでは左方)に弾性変形しにくい。このように、右壁49Eには、左壁49Dのように開口部200が形成されていないため、第2固定ブラケット157は、第1固定ブラケット156に比べて主走査方向Yに弾性変形しにくい。第2部分157Bは、締結部材83によって連結部81CCに固定されている。第2部分157Bは、平面視で右側連結部材82Cの開口81CHの一部と重なる。
【0058】
図15に示すように、支持ブラケット255は、テーブルキャリッジ49の左壁49Dに固定される第1支持ブラケット256と、テーブルキャリッジ49の右壁49E(
図17参照)に固定される第2支持ブラケット257(
図17参照)と、を含む。第1支持ブラケット256は、左壁49Dの前側および後側にそれぞれ一つずつ設けられ、第2支持ブラケット257は、右壁49Eの前側および後側にそれぞれ一つずつ設けられている。
【0059】
図16に示すように、第1支持ブラケット256は、左壁49Dに固定されている。第1支持ブラケット256は、3つの締結部材83によって左壁49Dに固定されている。第1支持ブラケット256は、第1固定ブラケット156よりも前方に位置する。なお、第1支持ブラケット256は、第1固定ブラケット156よりも後方に位置していてもよい。第1支持ブラケット256は、左側スライド部材81Xに下方から支持される。第1支持ブラケット256は、左側連結部材81Cを介して左側スライド部材81Xに下方から間接的に支持される。これにより、テーブルキャリッジ49の重量は、左側スライド部材81Xに加わる。第1支持ブラケット256は、断面L字形状に形成されている。第1支持ブラケット256は、テーブルキャリッジ49の左壁49Dに固定される第1固定部分256Aと、第1固定部分256Aの後端から左方に向けて延びる第1連結部分256Bとを有する。第1連結部分256Bは、左側スライド部材81Xに下方から支持される第1被支持部256Cを有する。第1固定部分256Aは、上下方向Zおよび副走査方向Xに延びる。第1連結部分256Bは、上下方向Zおよび主走査方向Yに延びる。第1被支持部256Cは、左側連結部材81Cと接触している。
【0060】
図17に示すように、第2支持ブラケット257は、右壁49Eに固定されている。第2支持ブラケット257は、3つの締結部材83(1つは図示せず)によって右壁49Eに固定されている。第2支持ブラケット257は、第2固定ブラケット157よりも前方に位置する。なお、第2支持ブラケット257は、第2固定ブラケット157よりも後方に位置していてもよい。第2支持ブラケット257は、右側スライド部材82Xに下方から支持される。第2支持ブラケット257は、右側連結部材82Cを介して右側スライド部材82Xに下方から間接的に支持される。これにより、テーブルキャリッジ49の重量は、右側スライド部材82Xに加わる。第2支持ブラケット257は、断面L字形状に形成されている。第2支持ブラケット257と第1支持ブラケット256とは、同じ形状である。第2支持ブラケット257は、テーブルキャリッジ49の右壁49Eに固定される第2固定部分257Aと、第2固定部分257Aの後端から右方に向けて延びる第2連結部分257Bとを有する。第2連結部分257Bは、右側スライド部材82Xに下方から支持される第2被支持部257Cを有する。第2固定部分257Aは、上下方向Zおよび副走査方向Xに延びる。第2連結部分257Bは、上下方向Zおよび主走査方向Yに延びる。第2被支持部257Cは、右側連結部材82Cと接触している。
【0061】
以上のように、第2実施形態に係るテーブルユニット140では、主走査方向Yに弾性変形する部分(ここでは第1固定ブラケット156)と、テーブルキャリッジ49の重量を受ける部分(ここでは支持ブラケット255)とを別部材で構成しているのに対して、第1実施形態に係るテーブルユニット40では、これらの部材を一体に形成している。別部材で構成したことによって、横方向の剛性を変更したい場合には、支持ブラケット255を変更することなく、第1固定ブラケット156の交換のみで対応することができる。
【0062】
以上のように、本実施形態のテーブル移動機構38によると、第1固定ブラケット156は、第2固定ブラケット157に比べて主走査方向Yに弾性変形しやすいように構成されている。このため、テーブルユニット140を第1スライドレール51および第2スライドレール52に取り付けるときに各部材の寸法誤差が存在していたとしても、第1固定ブラケット156が変形することによって該寸法誤差をなくすことができる。このように、第1固定ブラケット156を第2固定ブラケット157に比べて大きく変形させることによってテーブルユニット140を第1スライドレール51および第2スライドレール52に適切に取り付けることができるため、テーブルユニット140は第1スライドレール51および第2スライドレール52に沿ってスムーズに移動することができる。
【0063】
本実施形態のテーブル移動機構38では、左壁49Dには、主走査方向Yに貫通形成された開口部200が設けられ、第1固定ブラケット156の一部は、開口部200と重なるように配置され、かつ、主走査方向Yに弾性変形して開口部200内に移動可能に構成されている。上記態様によれば、第1固定ブラケット156を主走査方向Yに容易に弾性変形させることができるため、テーブルユニット140を第1スライドレール51および第2スライドレール52に取り付けるときに各部材の寸法誤差が存在していたとしても、該寸法誤差をなくすことができる。
【0064】
本実施形態のテーブル移動機構38は、テーブルキャリッジ49の左壁49Dに設けられ、左側スライド部材81Xに下方から支持される第1支持ブラケット256と、テーブルキャリッジ49の右壁49Eに設けられ、右側スライド部材82Xに下方から支持される第2支持ブラケット257と、を備えている。上記態様によれば、テーブルキャリッジ49の重量は、第1支持ブラケット256および第2支持ブラケット257を介して比較的剛性の高い左側スライド部材81Xおよび右側スライド部材82Xに加わる。このため、テーブル48に載置される記録媒体5が比較的重いものであっても、テーブル48の平行度を維持することができる。
【0065】
本実施形態のテーブル移動機構38では、第1支持ブラケット256は、断面L字形状に形成され、テーブルキャリッジ49に固定される第1固定部分256Aと、左側スライド部材81Xに下方から支持される第1被支持部256Cを有する第1連結部分256Bとを有し、第2支持ブラケット257は、断面L字形状に形成され、テーブルキャリッジ49に固定される第2固定部分257Aと、右側スライド部材82Xに下方から支持される第2被支持部257Cを有する第2連結部分257Bとを有する。上記態様によれば、テーブルキャリッジ49の重量を、第1被支持部256Cおよび第2被支持部257Cを介して比較的剛性の高い左側スライド部材81Xおよび右側スライド部材82Xに加えることができる。
【0066】
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
【0067】
上述した第1実施形態では、第1切り欠き部46Aは第1固定部49DXの上方に形成されていたが、第1切り欠き部46Aは第1固定部49DXの下方に形成されていてもよい。
【0068】
上述した第1実施形態では、切り欠き部46は、第1左側固定部49DAおよび第2左側固定部49DBの周囲に形成されていたが、第1右側固定部49EAおよび第2右側固定部49EBの周囲に形成されていてもよい。
【0069】
上述した第1実施形態では、テーブルユニット40は、支持ブラケットを備えていないが、第2実施形態と同様の支持ブラケット255を備えていてもよい。この場合、左側固定ブラケット56の一部は、平面視で左側スライド部材81Xと重ならなくてもよい。即ち、テーブルユニット40の重量を、左側固定ブラケット56および左側連結部材81Cを介して左側スライド部材81Xに加えなくてよい。
【0070】
上述した第2実施形態では、テーブルユニット140は、支持ブラケット255を備えているが、支持ブラケット255を備えていなくてもよい。
【0071】
上述した各実施形態では、脆弱部81CMは、左側連結部材81Cおよび右側連結部材82Cに設けられていたが、左側連結部材81Cのみに設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0072】
5 記録媒体
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
38 テーブル移動機構
40 テーブルユニット
46A 第1切り欠き部
46B 第2切り欠き部
48 テーブル
49 テーブルキャリッジ
49DA 第1左側固定部(第1固定部)
49DB 第2左側固定部(第1固定部)
49EA 第1右側固定部(第2固定部)
49EB 第2右側固定部(第2固定部)
49DX 第1固定部
49EX 第2固定部
51 第1スライドレール
52 第2スライドレール
55 固定ブラケット
56 左側固定ブラケット(第1固定ブラケット)
57 右側固定ブラケット(第2固定ブラケット)
64 左サイドフレーム(第1側壁)
65 右サイドフレーム(第2側壁)
80 ガイド部材
81 左側ガイド部材
81A 第1左側スライド部材(前側第1スライド部材)
81B 第2左側スライド部材(後側第1スライド部材)
81C 左側連結部材(連結部材)
81X 左側スライド部材(第1スライド部材)
81CB 横壁部(支持部)
81CC 連結部
81CH 開口
81CM 脆弱部
82 右側ガイド部材
82A 第1右側スライド部材
82B 第2右側スライド部材
82C 右側連結部材
82X 右側スライド部材(第2スライド部材)
155 固定ブラケット
156 第1固定ブラケット
157 第2固定ブラケット
200 開口部
255 支持ブラケット
256 第1支持ブラケット
257 第2支持ブラケット