(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093404
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230627BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20230627BHJP
H05K 1/03 20060101ALI20230627BHJP
H05K 3/14 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
G09F9/30 339Z
H05K3/46 N
H05K3/46 B
H05K3/46 E
H05K1/03 630A
H05K1/03 630E
H05K3/14 A
G09F9/30 365
G09F9/30 348A
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204712
(22)【出願日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0185235
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヒグァン
【テーマコード(参考)】
5C094
5E316
5E343
【Fターム(参考)】
5C094AA10
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA13
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB12
5C094FB15
5E316AA04
5E316AA32
5E316AA43
5E316BB02
5E316CC08
5E316CC10
5E316CC16
5E316CC18
5E316CC32
5E316CC34
5E316CC35
5E316CC37
5E316CC46
5E316DD16
5E316HH01
5E316HH40
5E343AA02
5E343AA07
5E343AA12
5E343AA26
5E343BB24
5E343BB28
5E343BB35
5E343BB38
5E343BB39
5E343BB44
5E343BB52
5E343DD23
5E343GG20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カソード電極の抵抗を減少させて低電位電源の上昇現象の発生を減少させ、表示装置の輝度バラツキ現象の発生を減少させる表示装置を提供する。
【解決手段】パッド部、TFT部及び保持電極部を有する表示装置において、補助電極部は、基板110上にパッシベーション層130、オーバーコート層140、バンク層160、有機発光層170及びカソード電極180とを含む。補助電極226は、パッシベーション層、オーバーコート層及びバンク層を貫通する孔を介して、少なくとも一部分が露出する補助電極コンタクト部226cを含み、有機発光層とカソード電極は、補助電極コンタクト部まで延びるように配置される。補助電極コンタクト部を囲むオーバーコート層は、一対のオーバーコートひさし構造部を含み、有機発光層とカソード電極の蒸着特性の差を利用して、ひさし構造部を介してカソード電極を補助電極に接触させる。
【選択図】
図3b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置された補助電極と、
前記補助電極上に配置されて、前記補助電極の少なくとも一部分が露出する第1孔を含むパッシベーション層と、
前記パッシベーション層上に配置されて、前記補助電極の少なくとも一部分が露出する第2孔を含むオーバーコート層と、
前記オーバーコート層上に配置されて、前記補助電極の少なくとも一部分が露出する第3孔を含むバンク層と、を含み、
前記第1孔、前記第2孔、及び前記第3孔は、少なくとも一部分が互いに重畳するように配置され、
前記第1孔の第1方向の中心部は、前記第2孔の第2方向の中心部と重畳し、前記第1方向が前記第2方向と交差する、
表示装置。
【請求項2】
前記第1孔は、
第1中心部と、
前記第1方向に前記第1中心部の両側面に配置される一対のアンダーカット部とを含み、
前記オーバーコート層は、前記一対のアンダーカット部を覆うように配置されて、前記一対のアンダーカット部は、外部に露出しない、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記一対のアンダーカット部は、前記第1中心部を基準に、互いに対称である形態に配置される、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2孔は、
第2中心部と、
前記第2方向に前記第2中心部の両側面に配置される一対のパッシベーション露出部とを含み、
前記パッシベーション露出部は、前記パッシベーション層を露出させる、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記一対のパッシベーション露出部は、前記第2中心部を基準に、互いに対称である形態に配置される、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記バンク層上に配置された有機発光層と、
前記有機発光層上に配置されたカソード電極とをさらに含み、
前記有機発光層と前記カソード電極とは、少なくとも1つの前記パッシベーション露出部に沿って延びて、前記補助電極上に配置される、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記有機発光層と前記カソード電極とは、前記パッシベーション露出部に沿って少なくとも1つの前記アンダーカット部まで延び、
少なくとも1つの前記アンダーカット部に位置する前記カソード電極は、前記有機発光層よりもさらに長く延びて、前記補助電極と直接に接触する、
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1孔、前記第2孔、及び前記第3孔は、前記補助電極に対応する領域の内側に位置する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1孔、前記第2孔、及び前記第3孔に対応する前記補助電極は、平坦化した面を有する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1孔と前記第2孔とのそれぞれは、前記第3孔に対応する領域の内側に位置する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記基板は、表示領域と非表示領域とを含み、
前記表示領域は、発光部と透過部とを含み、
前記補助電極は、前記透過部と重畳するように配置される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記発光部と重畳しないように、前記表示領域を通る低電位電源配線をさらに含み、
前記補助電極は、前記低電位電源配線から前記透過部の方向に突出している、
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
基板と、
前記基板上に配置された補助電極と、
前記補助電極上に配置されたパッシベーション層と、
前記パッシベーション層上に配置されたオーバーコート層と、
前記オーバーコート層上に配置されたバンク層と、
前記バンク層上に配置された有機発光層と、
前記有機発光層上に配置されたカソード電極と、を含み、
前記補助電極は、前記パッシベーション層、前記オーバーコート層、及び前記バンク層を貫通する孔を介して、少なくとも一部分が露出する補助電極コンタクト部を含み、
前記有機発光層と前記カソード電極とは、前記補助電極コンタクト部まで延びるように配置されて、
前記補助電極コンタクト部を囲む前記オーバーコート層は、一対のオーバーコートひさし構造部を含む、
表示装置。
【請求項14】
前記一対のオーバーコートひさし構造部の下部には、
前記パッシベーション層を部分的に除去することにより形成された一対のアンダーカット部がそれぞれ画定される、
請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記一対のアンダーカット部は、互いに向かい合うように配置される、
請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記オーバーコートひさし構造部上には、前記バンク層のバンク突出部が配置されて、
前記オーバーコートひさし構造部は、前記バンク突出部よりもさらに突出する、
請求項13に記載の表示装置。
【請求項17】
前記補助電極コンタクト部を囲む前記オーバーコート層は、オーバーコート段差部を含み、
前記オーバーコート段差部の上部には、前記オーバーコート層を部分的に露出させるバンク段差部が配置され、
前記オーバーコート段差部の下部には、前記パッシベーション層を部分的に露出させるパッシベーション段差部が配置され、
前記バンク段差部、前記オーバーコート段差部、及び前記パッシベーション段差部に沿って前記有機発光層と前記カソード電極とが延びて、前記補助電極コンタクト部上に配置される、
請求項13に記載の表示装置。
【請求項18】
前記バンク段差部、前記オーバーコート段差部、及び前記パッシベーション段差部は、それぞれ正テーパ状を有する、
請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記バンク段差部、前記オーバーコート段差部、及び前記パッシベーション段差部は、この順に前記補助電極に近くなるように配置される、
請求項17に記載の表示装置。
【請求項20】
前記補助電極コンタクト部上に配置される前記カソード電極は、少なくとも1つの前記アンダーカット部に対応する領域における前記補助電極と接触する、
請求項17に記載の表示装置。
【請求項21】
前記オーバーコート層の下面は、前記パッシベーション層と直接に接触し、
前記オーバーコート層の上面は、前記バンク層と直接に接触する、
請求項13に記載の表示装置。
【請求項22】
前記基板は、発光部と透過部とを含み、
前記第1方向は、前記発光部と前記透過部とが交互に配置される方向であり、
前記一対のアンダーカット部は、前記第1方向に沿って互いに向かい合うように配置される、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項23】
前記基板は、複数の発光部と複数の透過部とを含み、
前記第2方向は、前記複数の発光部が連続して配置される方向、若しくは、前記複数の透過部が連続して配置される方向であり、
前記一対のパッシベーション露出部は、前記第2方向に沿って互いに向かい合うように配置される、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項24】
基板と、
前記基板上に配置された補助電極と、
前記補助電極上に配置されて、前記補助電極の少なくとも一部分が露出する第1孔を含むパッシベーション層と、
前記パッシベーション層上に配置されて、前記補助電極の少なくとも一部分が露出する第2孔を含むオーバーコート層と、を含み、
前記第1孔、 及び前記第2孔は、少なくとも一部分が互いに重畳するように配置され、
前記第1孔の第1方向の中心部は、前記第2孔の第2方向の中心部と重畳し、前記第1方向が前記第2方向と交差する、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、輝度バラツキ現象を減少させることのできる表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display:OLED)、マイクロLED表示装置(Micro Light Emitting Display)等のように、様々な形態に具現することができる。
【0003】
このうち、有機発光表示装置は、自体発光型素子である有機発光素子を含むため、別途光源が不要であり、表示装置の厚さと重さを大きく減らすことができる。
【0004】
有機発光表示装置は、アノード(Anode)電極とカソード(Cathode)電極との間に光を出す有機発光素子を含む構造を有してもよい。
【0005】
有機発光素子がアノード電極及びカソード電極と接触する領域は、光を発光する発光部であってもよい。
【0006】
有機発光表示装置は、発光部で発光する光が、基板の配置された方向に出る背面発光型(Bottom emission OLED)、基板の配置された逆方向に出る上面発光型(Top emission OLED)、両方向に出る両面発光型又は透明発光型(Transparent OLED)等に区分することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、上面発光型又は両面発光型の場合、発光部で発光した光を上部方向に発光させるために、有機発光素子の上部に配置された上部電極であるカソード電極の透過率を高めることができる。
【0008】
例えば、カソード電極は、透過電極又は半透過電極として用いることができる。
【0009】
発光部と透過部を含む透明発光型の場合も、透過部の具現のためカソード電極を透明に近い透過電極で形成することができる。
【0010】
これによって、カソード電極は、透過率の高い物質で形成することができるが、通常、透過率の高い物質は、電気的抵抗が高い。
【0011】
また、透過率向上のためカソード電極の厚さを薄く形成することができるが、カソード電極の厚さが減少するようになると、カソード電極の電気的抵抗も増加する。
【0012】
このように、カソード電極の抵抗が増加すると、低電位電源の上昇(VSS Rising)現象により、表示装置の輝度バラツキ現象が発生し得る。
【0013】
これによって、本明細書の発明者らは、種々の実験を通じて、低電位電源の上昇(VSS Rising)現象を減少して、輝度バラツキ現象の発生を減少させることのできる表示装置を発明した。
【0014】
本明細書の実施形態による解決すべき課題は、輝度バラツキ現象の発生を減少させることのできる表示装置を提供することである。
【0015】
本明細書の実施形態による解決すべき課題は、カソード電極と補助電極の接触領域において、各層の変形や剥がれ不良又は浮き不良が発生することを減少させることのできる表示装置を提供することである。
【0016】
本明細書の実施形態による解決すべき課題は、カソード電極と補助電極の接触領域において、洗浄などのような工程に容易な構造を有する表示装置を提供することである。
【0017】
本明細書の実施形態による解決すべき課題は、カソード電極と補助電極の接触領域において、静電気不良の発生を減少させることのできる表示装置を提供することである。
【0018】
本明細書の実施形態による解決すべき課題は、工程上、基板の移動性と方向性に影響を受けず、カソード電極と補助電極の接触不良を減少させることのできる表示装置を提供することである。
【0019】
本明細書の実施形態による解決すべき課題は、カソード電極と補助電極の接触領域において、カソード電極の接触を容易にすることのできる補助電極構造を形成できる表示装置を提供することである。
【0020】
本明細書の実施形態による解決すべき課題は、以上に言及した課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、下記の記載から当業者にとって明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本明細書の実施形態による表示装置は、基板と、基板上に配置された補助電極と、補助電極上に配置されて、補助電極の少なくとも一部分が露出する第1孔を含むパッシベーション層と、パッシベーション層上に配置されて、補助電極の少なくとも一部分が露出する第2孔を含むオーバーコート層と、オーバーコート層上に配置されて、補助電極の少なくとも一部分が露出する第3孔を含むバンク層と、を含む。
【0022】
この場合、第1孔、第2孔、及び第3孔は、少なくとも一部分が互いに重畳するように配置されて、第1孔と前記第2孔は、中心部を基準に、それぞれ第1方向と第2方向に交差するように配置される。第1方向は、補助電極が長く延びた方向と平行な方向であってもよい。第2方向は、第1方向に垂直であってもよい。
【0023】
また、本明細書の実施形態による表示装置は、基板と、基板上に配置された補助電極と、補助電極上に配置されたパッシベーション層と、パッシベーション層上に配置されたオーバーコート層と、オーバーコート層上に配置されたバンク層と、バンク層上に配置された有機発光層と、有機発光層上に配置されたカソード電極と、を含む。
【0024】
この場合、補助電極は、パッシベーション層、オーバーコート層、及びバンク層を貫通する孔を介して、少なくとも一部分が露出する補助電極コンタクト部を含み、有機発光層とカソード電極は、補助電極コンタクト部まで延びるように配置されて、補助電極コンタクト部を囲むオーバーコート層は、一対のオーバーコートひさし構造部を含む。
【発明の効果】
【0025】
本明細書の実施形態によれば、有機発光層とカソード電極の蒸着特性の差を利用して、ひさし構造部を介してカソード電極を補助電極に接触させるため、カソード電極の抵抗を減少させることができる。
【0026】
これによって、本明細書の実施形態によれば、カソード電極の抵抗を減少して、低電位電源の上昇現象の発生を減少させるため、表示装置の輝度バラツキ現象の発生を減少させることができる。
【0027】
また、本明細書の実施形態によれば、カソード電極と補助電極を接触させるためのひさし構造部を形成する場合、パッシベーション層、オーバーコート層、及びバンク層が順次積層されて、オーバーコート層が一対のオーバーコートひさし構造部を含むことができ、オーバーコートひさし構造部上には、バンク突出部が配置されてもよい。
【0028】
これによって、本明細書の実施形態によれば、バンク層ではないオーバーコート層がパッシベーション層上に配置されるため、バンク層とパッシベーション層との間の接着性問題による剥がれ不良の発生を減少させることができ、オーバーコート層上にバンク層が配置されるため、オーバーコート層がストレスによって変形するか、オーバーコートひさし構造部の浮き現象が発生することを減少させることができる。
【0029】
また、本明細書の実施形態によれば、カソード電極と補助電極を接触させるためのひさし構造部を形成する場合、ひさし構造部をオーバーコート層で形成して、オーバーコート層上にバンク層を形成することから、実際にひさし構造部の厚さを増加させることができるため、洗浄などのような工程に容易かつ剛健な構造を形成することができる。
【0030】
また、本明細書の実施形態によれば、カソード電極と補助電極を接触させるためのひさし構造部を形成する場合、ひさし構造部を非伝導性物質から構成されるオーバーコート層で形成して、オーバーコート層上にバンク層を形成するため、該領域で発生し得る静電気不良の発生を減少させることができる。
【0031】
また、本明細書の実施形態によれば、カソード電極と補助電極を接触させるためのひさし構造部を形成する場合、パッシベーション層の孔が中心部を基準に、両側面に一対のアンダーカット部を対称構造として含むため、有機発光層を形成する工程において、基板の移動方向による不良発生可能性を減少させることができる。
【0032】
また、本明細書の実施形態によれば、パッシベーション層の孔、オーバーコート層の孔、及びバンク層の孔は、平坦化した面を有する補助電極の内側に位置することから、アンダーカット部も補助電極の平坦化した面上に位置することができるため、アンダーカット部領域の屈曲を減少して、カソード電極が切れることなく、補助電極と接触できるようにすることができる。
【0033】
本明細書の効果は、以上に言及した効果に制限されず、言及していないさらに他の効果は、下記の記載から当業者にとって明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本明細書の実施形態による表示装置の平面図。
【
図2】本明細書の実施形態による発光部と透過部を含む表示装置の拡大平面図。
【
図3a】本明細書の実施形態による表示装置の一部領域に対応する断面図。
【
図4】表示装置の基板の移送方向による補助電極とカソード電極との間の接触正常部と不良部を比較する図。
【
図5】本明細書の他の実施形態による発光部と透過部を含む表示装置の拡大平面図。
【
図6a】本明細書の他の実施形態による表示装置の一部領域に対応する断面図。
【
図7a】本明細書の他の実施形態による表示装置の一部領域に対応する断面図。
【
図8a】バンク層のひさし構造部の剥がれ現象が発生していない正常部を示す図。
【
図8b】バンク層のひさし構造部の剥がれ現象が発生している不良部を示す図。
【
図9a】オーバーコート層のひさし構造部の浮き現象が発生していない正常部を示す図。
【
図9b】オーバーコート層のひさし構造部の浮き現象が発生している不良部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になる。しかしながら、本明細書は、以下に開示の実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態に具現されるものである。ただ、本実施形態は、本明細書の開示を完全にして、本明細書の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本明細書は、請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0036】
本明細書の実施形態を説明するため図面に開示の形状、大きさ、比率、角度、本数等は、例示的なものであり、本明細書に示された事項に限定されるものではない。全明細書における同じ参照符号は、同じ構成要素を称する。また、本明細書を説明することにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が、本明細書の要旨を曖昧にすると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。本明細書上に言及されている「含む」、「有する」、「なる」などが使われる場合、「~のみ」が使われていない限り、他の部分を加えてもよい。構成要素を単数で表現した場合、別に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合も含む。
【0037】
構成要素を解釈することにおいて、別途明示的記載がなくても、誤差範囲を含むものと解釈する。
【0038】
位置関係に関する説明の場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~側に」などと、両部分の位置関係を説明する場合、「直ぐに」又は「直接」が使われていない限り、両部分の間に一以上の他の部分が位置してもよい。
【0039】
時間関係に関する説明の場合、例えば、「~後に」、「~に次いで」、「~次に」、「~前に」などと、時間的先後関係を説明する場合、「直ぐに」又は「直接」が使われていない限り、連続的でない場合も含むことができる。
【0040】
第1、第2などは、様々な構成要素を述べるために使われるものの、これら構成要素は、これら用語によって制限されない。これら用語は、単に一構成要素を他の構成要素と区別するために使うものである。よって、以下に言及する第1構成要素は、本明細書の技術思想内における第2構成要素であってもよい。
【0041】
本明細書の複数の実施形態の個々の特徴は、部分的に又は全体的に互いに結合若しくは組み合わせが可能であり、技術的に様々な連動及び駆動が可能であり、各実施形態を互いに独立して実施することができ、連関関係をもって共に実施することもできる。
【0042】
以下では、輝度バラツキ現象を減少させることのできる表示装置の様々な構成について詳説することとする。
【0043】
図1は、本明細書の実施形態による表示装置の平面図である。
【0044】
以下では、透過部を含み、有機発光素子によって発光する透明有機発光表示装置(Transparent Organic Light Emitting Diodes:OLED)を一例として説明するものの、本明細書の実施形態による表示装置がこれに限定されるものではない。
【0045】
表示装置1は、基板110を含み、基板110は、表示領域(DA)と、表示領域(DA)を囲むように配置される非表示領域(NDA)とを含むことができる。
【0046】
表示領域(DA)は、マトリックス状に配列された1つ以上の発光部(EA)と、1つ以上の透過部(TA)とを含むことができる。
【0047】
例えば、発光部(EA)は、それぞれ赤(R)、緑(G)、及び青(B)を具現する第1サブ画素(SP1)、第2サブ画素(SP2)、及び第3サブ画素(SP3)を含むか、それぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)、及び白(W)を具現する第1サブ画素(SP1)、第2サブ画素(SP2)、第3サブ画素(SP3)、及び第4サブ画素(SP4)を含むことができる。
【0048】
非表示領域(NDA)には、表示領域(DA)の発光部(EA)に各種信号を印加するデータ駆動部、若しくは、ゲート駆動部が連結され得る1つ以上のデータパッド部(DPAD)とゲートパッド部(GPAD)が配置されてもよい。
【0049】
以下では、
図2、
図3a~
図3cを参照して説明することとする。
【0050】
図2は、本明細書の実施形態による発光部と透過部を含む表示装置の拡大平面図である。具体的に
図2は、
図1のA領域の拡大平面図である。
【0051】
図3aは、本明細書の実施形態による表示装置の一部領域に対応する断面図であり、特に、
図3aは、
図1のI-I’ライン、
図2のII-II’及びIII-III’ラインに沿う断面図である。
図3bは、補助電極部に対応する領域の拡大断面図であり、特に、
図3bは、
図3aのIII-III’の断面図の拡大図である。
図3cは、補助電極部に対応する領域の拡大平面図である。
【0052】
基板110は、表示装置1のベース基板であり、ガラス材質の基板を用いることができるものの、これに限定されるものではなく、柔軟な性質を有するポリイミド(Polyimide)基板を用いることもできる。
【0053】
基板110上にパッド部(PAD部)、薄膜トランジスタ部(TFT部)、及び補助電極部が形成されてもよい。
【0054】
薄膜トランジスタ部(TFT部)は、発光部(EA)を含むことができる。
【0055】
薄膜トランジスタ部(TFT部)には、基板110上にアクティブ層121、ゲート電極124、第1電極126a、及び第2電極126bを含む薄膜トランジスタ(TFT)が配置されてもよい。
【0056】
薄膜トランジスタ(TFT)と基板110との間には、薄膜トランジスタ(TFT)のアクティブ層121に光が入射することを防止できる遮光層111が配置されてもよい。
【0057】
遮光層111と薄膜トランジスタ(TFT)との間には、バッファ層113が配置されてもよい。
【0058】
アクティブ層121とゲート電極124との間には、アクティブ層121とゲート電極124を絶縁させることのできるゲート絶縁層123が配置されてもよい。
【0059】
アクティブ層121と同じ層に遮光層111と重畳するように配置されて、キャパシタを形成するキャパシタ電極122が配置されてもよい。
【0060】
アクティブ層121とゲート電極124上には、層間絶縁層125が配置されて、層間絶縁層125に形成されるコンタクト孔を介して、第1電極126aと第2電極126bは、それぞれアクティブ層121と電気的に連結されてもよい。
【0061】
第1電極126aは、ソース電極であり、第2電極126bは、ドレイン電極であってもよい。
【0062】
第2電極126bは、層間絶縁層125とバッファ層113に形成されるコンタクト孔を介して遮光層111と電気的に連結されてもよい。
【0063】
薄膜トランジスタ(TFT)上には、薄膜トランジスタ(TFT)と電気的に連結されたアノード電極150、有機発光層170、及びカソード電極180を含む発光素子が配置されてもよい。
【0064】
薄膜トランジスタ(TFT)とアノード電極150との間には、無機絶縁物質からなるパッシベーション層130が配置されてもよい。
【0065】
また、パッシベーション層130とアノード電極150との間には、有機絶縁物質からなるオーバーコート層140が配置されてもよい。
【0066】
オーバーコート層140は、平坦化層として機能することができ、上部に配置される電極、層が、平坦化した面に均一に形成されるようにすることができる。
【0067】
アノード電極150は、パッシベーション層130とオーバーコート層140に形成されるコンタクト孔を介して、薄膜トランジスタ(TFT)の第2電極126bと電気的に連結されてもよい。
【0068】
アノード電極150、有機発光層170、及びカソード電極180が重畳する領域における光が発散され得、アノード電極150、有機発光層170、及びカソード電極180が重畳する領域を発光部(EA)と定義することができる。
【0069】
有機発光層170は、例えば、白光のように、画素別に同じ色の光を発光するように具現されるか、赤、緑、又は青の光のように、画素別に相違する色を発光するように具現されてもよい。
【0070】
各々の発光部(EA)間の境界にはバンク層160が配置されて、互いに異なる色相を表示する発光部(EA)の色相が混色することを減少させることができる。
【0071】
バンク層160は、有機絶縁物質からなってもよく、オーバーコート層140と異なる有機絶縁物質からなってもよいものの、これに限定されるものではない。
【0072】
発光素子上には、密封層(不図示)がさらに配置されて、有機発光層170へ外部からの水分と異物が浸透することを減少させることができる。
【0073】
パッド部(PAD部)は、ゲートパッド部(GPAD)を一例として説明する。
【0074】
パッド部(PAD部)には、基板110上にバッファ層113が配置されて、バッファ層113上にパッド電極324が配置されてもよい。パッド電極324は、ゲート電極124と同じ物質で形成されてもよい。
【0075】
パッド電極324上には、層間絶縁層125のコンタクト孔を介して電気的に連結されるパッド連結電極326が配置されてもよい。
【0076】
パッド連結電極326は、第1電極126a及び第2電極126bと同じ物質で形成されてもよい。
【0077】
パッド連結電極326上には、パッシベーション層130のコンタクト孔を介して電気的に連結されるパッド接触電極350が配置されてもよい。
【0078】
パッド接触電極350は、アノード電極150と同じ物質で形成されてもよい。
【0079】
以下では、補助電極部について説明することとする。
【0080】
本明細書の実施形態による表示装置1の場合、有機発光層170で発光する光は、基板110の配置された方向の逆方向である、カソード電極180の配置された方向に発散されてもよい。
【0081】
よって、カソード電極180は、透過率を高めるために厚さを減少させることができる。
【0082】
カソード電極180は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITZO(Indium Tin Zinc Oxide)等のような透明導電性酸化物(Transparent Conductive Oxide:TCO)で形成して、透過率の高い透過電極又は半透過電極で形成することができる。
【0083】
ただ、カソード電極180の厚さを減少させる場合、電気的抵抗が増加するようになり、透過率の高い物質からなる場合、高い電気的抵抗を有するようになり得る。
【0084】
このように、カソード電極180の抵抗が増加するようになると、低電位電源の上昇(VSS Rising)現象により、表示装置の輝度バラツキ現象が発生し得る。
【0085】
これによって、本明細書の実施形態による表示装置1は、カソード電極180に補助電極226を電気的に連結して、カソード電極180の抵抗を減少させることができる。
【0086】
補助電極部は、補助電極226が配置される領域を意味し得る。例えば、補助電極部は、カソード電極180と補助電極226が直接に接触する領域を含むことができる。
【0087】
カソード電極180の側面又は端部181は、補助電極226の上面227と直接に接触する。カソード電極180の側面181と、補助電極226の上面227との間の十分な接触は、カソード電極180の電気抵抗を減少させる。これはカソード電極180の構成要素である。
図3A、3B及び
図4を参照すると、「正常部の場合」におけるカソード電極180の側面181と補助電極226の上面227とが、十分接触していることが分かる。しかし、「不良部の場合」では、カソード電極180の側面181と補助電極226の上面227とが依然として接触して、カソード電極180の電気抵抗を減らすために電気的に連結される。しかし、示されたように、カソード電極180の側面181が補助電極226の上面227と接触する接触面積は、「正常部の場合」に比べて減少する。これによって、物理的接触不良及び/又は電気的接触不良が発生し得て、カソード電極180に対する接触の電気抵抗が増加し得る。
【0088】
一部の実施例において、補助電極226の上面227と接触するカソード電極180の側面181の距離(D1)又は長さ(D1)で設定され得るカソード電極180の側面181と補助電極226の上面227との間の十分な接触は、カソード電極180の厚さ(Th)以上であってもよい。これは十分な接触の一例であるものの、本発明がこれに限定されるものではない。
図4を参照すると、不良部の場合、補助電極226の上面227と接触するカソード電極180の側面181の距離(D2)又は長さ(D2)が、カソード電極180の厚さ(Th)よりも小さい。
図4に示されたように、長さ(D2)は、カソード電極180の厚さ(Th)よりも顕著に小さく、接触面積は、正常部の場合よりも顕著に小さい。
【0089】
補助電極部の基板110上には、バッファ層113及び層間絶縁層125が配置されてもよい。
【0090】
層間絶縁層125上には、補助電極226が配置されてもよい。
【0091】
補助電極226は、薄膜トランジスタ(TFT)の第1電極126a及び第2電極126bと同じ層に配置されてもよく、同じ物質で形成されてもよい。
【0092】
補助電極226は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、又はこれに対する合金から構成することができるものの、これに限定されない。
【0093】
補助電極226上には、第1孔130hを含むパッシベーション層130が配置されてもよい。
【0094】
パッシベーション層130上には、第2孔140hを含むオーバーコート層140が配置されてもよい。
【0095】
第2孔140hは、第1孔130hよりも広い面積を有するように形成されてもよく、第1孔130hは、第2孔140hの内側に位置することができる。
【0096】
また、パッシベーション層130上には、アノードひさし構造部151を含むアノード電極150が配置されてもよい。
【0097】
補助電極部のアノード電極150は、発光部(EA)のアノード電極150から延びた電極であってもよいものの、これに限定されるものではなく、発光部(EA)のアノード電極150と離隔して配置される別の電極であってもよい。
【0098】
補助電極部のアノード電極150と、発光部(EA)のアノード電極150は、同じ物質かつ同様の工程で形成されて、同じ層に配置されてもよい。
【0099】
補助電極部のアノード電極150は、パッシベーション層130の第1孔130hよりも所定の距離が内側に突出するアノードひさし構造部151を含むことができる。
【0100】
図3Bにおいて、アノード電極150は、補助電極226の上面227と接触する第1部分を含む。第1部分は、補助電極226と電気的に連結されるアノード電極150のトレンチ状の部分又は陥没部を称する。また、アノード電極150は、補助電極226の上面227と離隔した第2部分を含む。第2部分は、アノードひさし構造部151とも言う。一番目の部分と二番目の部分は、連続的であり、互いに隣接する。
【0101】
アノード電極150のアノードひさし構造部151の下部に対応するパッシベーション層130には、アンダーカット部130uが形成されてもよい。
【0102】
アンダーカット部130uは、第1孔130hの内側に形成されるため、パッシベーション層130の除去された領域に対応することができる。
【0103】
アノードひさし構造部151は、パッシベーション層130の内側方向に突出しているため、アンダーカット部130uは、上部方向から見るとき、アノードひさし構造部151によって外部に露出しない領域であってもよい。
【0104】
パッシベーション層130の第1孔130hは、第1中心部130cと、第1中心部130cの両側面に配置される一対のアンダーカット部130uとを含むことができる。
【0105】
一対のアンダーカット部130uは、第1中心部130cを基準に、互いに向かい合うように配置されて、互いに対称する位置に配置されるか隣接して配置されてもよい。例えば、一対のアンダーカット部130uは、第1中心部130cの中心を基準に対称に配置されてもよい。
【0106】
また、一対のアンダーカット部130uは、第1中心部130cを基準に、互いに対称する形態を有するように、互いに同様の形態に形成されてもよい。
【0107】
アノード電極150とオーバーコート層140上には、第3孔160hを含むバンク層160が配置されてもよい。
【0108】
第3孔160hは、第1孔130hと第2孔140hよりも広い面積を有するように形成されてもよく、第1孔130hと第2孔140hは、第3孔160hの内側に位置することができる。
【0109】
バンク層160の第3孔160hは、補助電極部のアノードひさし構造部151を覆わずに、外部に露出させることができる。
【0110】
一対のアンダーカット部130uが形成されていない領域には、パッシベーション段差部130s、オーバーコート段差部140s、及びバンク段差部160sが順次積層されるように形成されてもよい。
【0111】
例えば、パッシベーション段差部130sを含むパッシベーション層130上には、パッシベーション段差部130sを露出させて、オーバーコート段差部140sを含むオーバーコート層140が配置され、オーバーコート段差部140sを含むオーバーコート層140上には、オーバーコート段差部140sを露出させて、バンク段差部160sを含むバンク層160が配置されてもよい。
【0112】
パッシベーション段差部130s、オーバーコート段差部140s、及びバンク段差部160sは、補助電極226の上部に順に積層されてもよい。
【0113】
すなわち、パッシベーション段差部130sが補助電極226と最も近く配置されて、バンク段差部160sが補助電極226と最も遠く配置されてもよい。
【0114】
また、バンク段差部160s、オーバーコート段差部140s、及びパッシベーション段差部130sは、いずれも正テーパ状を有するように形成されて、階段式積層形態を有してもよい。
【0115】
バンク層160上には有機発光層170が形成されて、有機発光層170上にはカソード電極180が形成されてもよい。
【0116】
補助電極226は、第1孔130hによって露出する面が、補助電極コンタクト部226cであってもよい。
【0117】
補助電極コンタクト部226c上には、有機発光層170及びカソード電極180が形成されて、互いに接触することができる。
【0118】
補助電極226は、表示領域(DA)を通る低電位電源配線(VSSL)と電気的に連結されてもよい。
【0119】
例えば、補助電極226は、低電位電源配線(VSSL)と一体型に形成されて、補助電極226は、低電位電源配線(VSSL)から透過部(TA)の方向に突出するように形成されてもよい。
【0120】
低電位電源配線(VSSL)は、発光部(EA)及び透過部(TA)と重畳しないように、バンク層160と重畳するように配置され、発光部(EA)と電気的に連結されて、低電位電源(VSS)を供給することができる。
【0121】
このように、低電位電源配線(VSSL)が発光部(EA)及び透過部(TA)と重畳せず、バンク層160と重畳するように配置されるため、低電位電源配線(VSSL)によって発光領域と透過領域が損失することを減少させることができる。
【0122】
本明細書の実施形態によれば、補助電極226とカソード電極180を補助電極コンタクト部226cにおいて電気的に連結させるために、有機発光層170とカソード電極180の互いに異なる蒸着特性とひさし構造を有するアノードひさし構造部151を用いることができる。
【0123】
有機発光層170とカソード電極180は、蒸着工程を用いて形成することができるが、有機発光層170とカソード電極180は、バンク段差部160s、オーバーコート段差部140s、及びパッシベーション段差部130sに沿って延びるように形成され、補助電極コンタクト部226c上に形成されてもよい。
【0124】
有機発光層170は、蒸着時、直進性が強いため、アノードひさし構造部151の下部領域であるアンダーカット部130uまで浸透する距離は短いものの、カソード電極180は、直進性が強くないため、アノードひさし構造部151の下部領域であるアンダーカット部130uまで浸透する距離が長くなり得る。
【0125】
よって、カソード電極180は、アンダーカット部130uにおける補助電極コンタクト部226cと直接に接触できるようになり、カソード電極180は、補助電極226と電気的に連結されてもよい。
【0126】
アノードひさし構造部151は、下部の補助電極226と所定距離離隔しているため、アノードひさし構造部151上に形成される有機発光層170とカソード電極180は、補助電極コンタクト部226cまで延びることができず、アノードひさし構造部151における連結が切れる。
【0127】
以上のように、本明細書の実施形態によれば、有機発光層170とカソード電極180の蒸着特性の差を利用して、ひさし構造部を介してカソード電極180を補助電極226に接触させるため、カソード電極180の抵抗を減少させることができる。
【0128】
これによって、本明細書の実施形態によれば、カソード電極180の抵抗を減少して、低電位電源の上昇現象の発生を減少させるため、表示装置の輝度バラツキ現象の発生を減少させることができる。
【0129】
また、本明細書の実施形態によれば、カソード電極180と補助電極226を接触させるためのひさし構造部を形成する場合、パッシベーション層130の第1孔130hは、第1中心部130cを基準に、両側面に一対のアンダーカット部130uを対称構造として含むため、有機発光層170を形成する工程において、基板の移動方向による不良発生可能性を減少させることができる。
【0130】
図4を参照すれば、補助電極226上にパッシベーション層130が配置され、パッシベーション層130上にアノードひさし構造部151を含むアノード電極150が突出するように配置されて、下部にアンダーカット部130uを形成する構造において、有機発光素子の蒸着工程中に基板の移送による補助電極226とカソード電極180の接触不良有無を比較して示したものである。
【0131】
アノードひさし構造部151を含むアノード電極150上に有機発光層170を形成する場合、基板を一方向に移送しつつ、有機発光素子を蒸着する工程で形成することができる。
【0132】
この場合、基板は、一方向に移動するため、有機発光素子の蒸着方向も基板の移動方向に影響を受けて、斜め方向に蒸着され得る。
【0133】
例えば、
図4の正常部に示されたように、アンダーカット部130uが基板の移送方向側に位置する場合、有機発光素子の蒸着方向を基準に、アンダーカット部130uは、アノードひさし構造部151によって露出しなくてもよい。
【0134】
これによって、正常部の場合、アンダーカット部130u上に位置するアノードひさし構造部151により、有機発光素子がアンダーカット部130uの内側に深く蒸着することを妨げられうる。
【0135】
よって、有機発光層170の蒸着後にカソード電極180を蒸着する場合、正常部では、カソード電極180が有機発光層170よりもアンダーカット部130uの内側にさらに深く蒸着して、補助電極226と正常的に接触することができる。
【0136】
これに反して、
図4の不良部に示されたように、アンダーカット部130uが基板の移送方向と逆方向側に位置する場合、有機発光素子の蒸着方向を基準に、アンダーカット部130uは、露出し得る。
【0137】
これによって、不良部の場合、アンダーカット部130u上に位置するアノードひさし構造部151により、有機発光素子がアンダーカット部130uの内側に深く蒸着することを妨げられない。
【0138】
また、不良部の場合、基板の移動方向による有機発光素子の蒸着方向が、アンダーカット部130uの内側に深く蒸着しやすい斜め方向となるため、アンダーカット部130uの内側に深く有機発光層170が形成されてもよい。
【0139】
よって、有機発光層170の蒸着後にカソード電極180を蒸着する場合、有機発光層170により、アンダーカット部130uにおけるカソード電極180と補助電極226が接触し得るコンタクト面積が減少するようになり、接触不良が発生し得る。
【0140】
よって、本明細書の実施形態によれば、カソード電極180と補助電極226を接触させるためのひさし構造部を形成する場合、パッシベーション層130の第1孔130hは、第1中心部130cを基準に、両側面に一対のアンダーカット部130uを対称構造として含むため、移動方向によって、1つのアンダーカット部130uは、不良が発生するとしても、他の1つのアンダーカット部130uは、正常なコンタクト領域を形成することができる。
【0141】
よって、一対のアンダーカット部130uは、有機発光層170を形成する工程において、基板の移動方向に沿って配列されてもよい。
【0142】
これによって、有機発光層170を形成する工程において、基板の移動方向がどの方向に進めるのかに影響を受けず、アンダーカット部130uにおけるカソード電極180と補助電極226の接触不良が発生する可能性を減少させることができる。
【0143】
図4を参照すると、有機発光層170は、アノードひさし構造部151の上面151Tと接しているが、アノードひさし構造部151の側面151Sと接していないと示されている。カソード電極180は、側面180Sを含み、カソード電極180の側面180Sは、アノードひさし構造部151の側面151Sと接触する。ここで、カソード電極180は、アノードひさし構造部151の上面151Tと接触していない。
【0144】
また、本明細書の実施形態によれば、パッシベーション層130の第1孔130h、オーバーコート層140の第2孔140h、及びバンク層160の第3孔160hは、平坦化した面を有する補助電極226の内側に位置することから、アンダーカット部130uも補助電極226の平坦化した面上に位置することができるため、アンダーカット部130u領域の屈曲を減少して、カソード電極180が切れることなく、補助電極226と接触できるようにすることができる。ここで、「アンダーカット部130uの曲率」とは、アンダーカット部130uに対応する領域における補助電極226の上面曲率を意味し得る。例えば、
図3bを参照すると、「アンダーカット部130uの曲率」とは、アノード電極150と重畳する領域における補助電極226の上面曲率を意味し得る。
【0145】
以下では、
図5と
図6a~
図6cを参考して、本明細書の他の実施形態による表示装置について説明することとする。
【0146】
図5は、本明細書の他の実施形態による発光部と透過部を含む表示装置の拡大平面図である。
【0147】
図6aは、本明細書の他の実施形態による表示装置の一部領域に対応する断面図であり、特に、
図6aは、
図1のI-I’ライン、
図5のII-II’及びIII-III’ラインに沿う断面図である。
図6bは、補助電極部に対応する領域の拡大断面図であり、特に、
図6bは、
図6aのIII-III’の断面図の拡大図である。
図6cは、補助電極部に対応する領域の拡大平面図である。
【0148】
ただ、
図2と
図3a~
図3cを参考して前述した、本明細書の実施形態による表示装置と説明が重複する内容については省略し、相違する構成を中心に説明することとし、省略した説明は、本明細書の他の実施形態にもそのまま適用することができる。
【0149】
よって、パッド部(PAD部)と薄膜トランジスタ部(TFT部)については、さらに説明することなく、補助電極部を中心に詳説することとする。
【0150】
本明細書の実施形態による表示装置1は、基板110と、基板110上に配置された補助電極226とを含むことができる。
【0151】
補助電極226上には、補助電極226の少なくとも一部分が露出する第1孔130hを含むパッシベーション層130が配置されてもよい。
【0152】
パッシベーション層130上には、補助電極226の少なくとも一部分が露出する第2孔140hを含むオーバーコート層140が配置されてもよい。
【0153】
オーバーコート層140上には、補助電極226の少なくとも一部分が露出する第3孔160hを含むバンク層160が配置されてもよい。
【0154】
オーバーコート層140の下面は、パッシベーション層130と直接に接触し、オーバーコート層140の上面は、バンク層160と直接に接触することができる。
【0155】
第1孔130h、第2孔140h、及び第3孔160hは、少なくとも一部分が互いに重畳するように配置され、第1孔130hの第1方向の中心部は第2孔140hの第2方向の中心部と重畳し、前記第1方向が前記第2方向と交差してもよい。第1方向は、補助電極226が長く延びた方向と平行な方向であってもよい。第2方向は、第1方向に垂直であってもよい。
【0156】
本明細書における第1孔130hと第2孔140hが互いに交差するということは、第1孔130hと第2孔140hが各々、いずれかに完全に含まれるように配置されるものではなく、中心部を基準に重畳するものの、互いに行き違う個々の方向に互いに重畳しない部分があり得ることを意味する。
【0157】
例えば、第1孔130hと第2孔140hは、互いに垂直に交差することができるものの、これに限定されるものではなく、孔の形状によって異なってくる。
【0158】
第1孔130hと第2孔140hは、第3孔160hの内側に位置することができる。
【0159】
補助電極226は、パッシベーション層130、オーバーコート層140、及びバンク層160を貫通する孔である第1孔130h、第2孔140h、及び第3孔160hを介して、少なくとも一部分が露出する補助電極コンタクト部226cを含むことができる。
【0160】
有機発光層170とカソード電極180は、補助電極コンタクト部226cまで延びるように配置されて、補助電極コンタクト部226cを囲むオーバーコート層140は、一対のオーバーコートひさし構造部141を含むことができる。
【0161】
一対のオーバーコートひさし構造部141の下部には、パッシベーション層130の除去された一対のアンダーカット部130uが配置されてもよい。
【0162】
よって、パッシベーション層130の第1孔130hは、第1中心部130cと、第1方向に第1中心部130cの両側面に配置される一対のアンダーカット部130uとを含み、オーバーコート層140は、一対のアンダーカット部130uを覆うように配置されて、一対のアンダーカット部130uは、外部に露出しなくてもよい。
【0163】
一対のアンダーカット部130uは、第1中心部130cを基準に、互いに向かい合うように配置されて、互いに対称する位置に配置されるか隣接して配置されてもよい。例えば、一対のアンダーカット部130uは、第1中心部130cの中心を基準に対称に配置されてもよい。
【0164】
また、一対のアンダーカット部130uは、第1中心部130cを基準に、互いに対称する形態を有するように、互いに同様の形態に形成されてもよい。
【0165】
図5を参照すれば、第1方向は、発光部(EA)と透過部(TA)が交互に配置される方向であってもよい。
【0166】
例えば、第1方向を基準に、1つの発光部(EA)は、互いに異なる透過部(TA)の間に配置され、1つの透過部(TA)は、互いに異なる発光部(EA)の間に配置されてもよい。
【0167】
よって、一対のアンダーカット部130uは、発光部(EA)と透過部(TA)が交互に配置される方向に沿って、互いに向かい合うように配置されてもよい。
【0168】
第2孔140hは、第2中心部140cと、第2方向に第2中心部140cの両側面に配置される一対のパッシベーション露出部140eとを含み、パッシベーション露出部140eは、パッシベーション層130を露出させることができる。
【0169】
一対のパッシベーション露出部140eは、第2中心部140cを基準に、互いに向かい合うように配置されて、互いに対称する位置に配置されるか隣接して配置されてもよい。例えば、一対のパッシベーション露出部140eは、第2中心部140cの中心を基準に対象に配置されてもよい。
【0170】
また、一対のパッシベーション露出部140eは、第2中心部140cを基準に、互いに対称する形態を有するように、互いに同様の形態に形成されてもよい。
【0171】
図5を参照すれば、第2方向は、複数の発光部(EA)が連続して配置される方向、若しくは、複数の透過部(TA)が連続して配置される方向であってもよい。
【0172】
例えば、第2方向を基準に、1つの発光部(EA)は、互いに異なる発光部(EA)の間に配置され、1つの透過部(TA)は、互いに異なる透過部(TA)の間に配置されてもよい。
【0173】
よって、一対のパッシベーション露出部140eは、複数の発光部(EA)が連続して配置される方向、若しくは、複数の透過部(TA)が連続して配置される方向に沿って、互いに向かい合うように配置されてもよい。
【0174】
オーバーコート層140上には、バンク層160が配置されてもよい。
【0175】
バンク層160は、バンク突出部161を含むことができ、バンク突出部161は、オーバーコートひさし構造部141上に配置されてもよい。
【0176】
オーバーコートひさし構造部141は、バンク突出部161よりもさらに突出するように形成されてもよい。
【0177】
バンク層160上には有機発光層170が配置されて、有機発光層170上にはカソード電極180が配置されてもよく、有機発光層170とカソード電極180は、少なくとも1つのパッシベーション露出部140eに沿って延びて、補助電極226上に配置されてもよい。
【0178】
有機発光層170とカソード電極180は、少なくとも1つのパッシベーション露出部140eに沿って少なくとも1つのアンダーカット部130uまで延び、少なくとも1つのアンダーカット部130uに位置するカソード電極180は、有機発光層170よりもさらに長く延びて、補助電極226と直接に接触することができる。
【0179】
一対のアンダーカット部130uが形成されていない領域には、パッシベーション段差部130s、オーバーコート段差部140s、及びバンク段差部160sが順次積層されるように形成されてもよい。
【0180】
パッシベーション段差部130sは、パッシベーション露出部140eに対応することができ、パッシベーション段差部130s、オーバーコート段差部140s、及びバンク段差部160sは、第2方向に沿って配置されてもよい。
【0181】
例えば、パッシベーション段差部130sを含むパッシベーション層130上には、パッシベーション段差部130sを露出させて、オーバーコート段差部140sを含むオーバーコート層140が配置され、オーバーコート段差部140sを含むオーバーコート層140上には、オーバーコート段差部140sを露出させて、バンク段差部160sを含むバンク層160が配置されてもよい。
【0182】
よって、補助電極コンタクト部226cを囲むオーバーコート層140は、オーバーコート段差部140sを含み、オーバーコート段差部140sの上部には、オーバーコート層140を露出させるバンク段差部160sが配置され、オーバーコート段差部140sの下部には、パッシベーション層130を露出させるパッシベーション段差部130sが配置されてもよい。
【0183】
パッシベーション段差部130s、オーバーコート段差部140s、及びバンク段差部160sは、補助電極226の上部に順に積層されてもよい。
【0184】
すなわち、パッシベーション段差部130sが補助電極226と最も近く配置され、バンク段差部160sが補助電極226と最も遠く配置されてもよい。
【0185】
また、バンク段差部160s、オーバーコート段差部140s、及びパッシベーション段差部130sは、いずれも正テーパ状を有するように形成されて、階段式積層形態を有してもよい。
【0186】
バンク段差部160s、オーバーコート段差部140s、及びパッシベーション段差部130sに沿って有機発光層170とカソード電極180が延びて、補助電極コンタクト部226c上に配置されてもよい。
【0187】
補助電極コンタクト部226c上に配置されるカソード電極180は、アンダーカット部130uに対応する領域における補助電極226と接触することができる。
【0188】
第1孔130h、第2孔140h、及び第3孔160hは、補助電極226の内側に位置することができる。
【0189】
この場合、第1孔130h、第2孔140h、及び第3孔160hに対応する補助電極226は、平坦化した面を有してもよい。
【0190】
基板110は、表示領域(DA)と非表示領域(NDA)を含み、表示領域(DA)は、発光部(EA)と透過部(TA)を含むことができ、補助電極226は、透過部(TA)と重畳するように配置されてもよい。
【0191】
補助電極226は、発光部(EA)と重畳しないように、表示領域(DA)を通る低電位電源配線(VSSL)から透過部(TA)の方向に突出するように形成されてもよい。
【0192】
本明細書の実施形態によれば、補助電極226とカソード電極180を補助電極コンタクト部226cにおいて電気的に連結させるために、有機発光層170とカソード電極180の互いに異なる蒸着特性とひさし構造を有するオーバーコートひさし構造部141を用いることができる。
【0193】
有機発光層170とカソード電極180は、蒸着工程を用いて形成することができるが、有機発光層170とカソード電極180は、バンク段差部160s、オーバーコート段差部140s、及びパッシベーション段差部130sに沿って延びるように形成されて、補助電極コンタクト部226c上に形成されてもよい。
【0194】
この場合、有機発光層170は、蒸着時、直進性が強いため、オーバーコートひさし構造部141の下部領域であるアンダーカット部130uまで浸透する距離は短いものの、カソード電極180は、直進性が強くないため、オーバーコートひさし構造部141の下部領域であるアンダーカット部130uまで浸透する距離が長くなり得る。
【0195】
よって、カソード電極180は、アンダーカット部130uにおける補助電極コンタクト部226cと直接に接触することができるようになり、カソード電極180は、補助電極226と電気的に連結されてもよい。
【0196】
オーバーコートひさし構造部141は、下部の補助電極226と所定距離離隔しているため、オーバーコートひさし構造部141上に形成される有機発光層170とカソード電極180は、補助電極コンタクト部226cまで延びることができず、オーバーコートひさし構造部141における連結が切れる。
【0197】
図6Bを参照すると、パッシベーション層130は、補助電極226の上面226ETSを露出させる。オーバーコート層140は、パッシベーション層130上にある。オーバーコート層140は、オーバーコートひさし構造部141を含み、オーバーコートひさし構造部141は、補助電極226の露出した上面226ETSと重畳する。オーバーコートひさし構造部141の上面141TSは、有機発光層170によって覆われる。
【0198】
図6Bの右側に示されたように、オーバーコート層140は、パッシベーション層130の上面130TSを露出させる。同様、バンク層160は、オーバーコート層140の上面140TSを露出させる。有機発光層170は、オーバーコート層140の露出した上面140TSと、パッシベーション層130の露出した上面130TS及びパッシベーション層130の側面130SSを覆う。
【0199】
以上のように、本明細書の実施形態によれば、有機発光層170とカソード電極180の蒸着特性の差を利用して、オーバーコートひさし構造部141を介してカソード電極180を補助電極226に接触させるため、カソード電極180の抵抗を減少させることができる。
【0200】
これによって、本明細書の実施形態によれば、カソード電極180の抵抗を減少して、低電位電源の上昇現象の発生を減少させるため、表示装置の輝度バラツキ現象の発生を減少させることができる。
【0201】
また、本明細書の実施形態によれば、カソード電極180と補助電極226を接触させるためのひさし構造部を形成する場合、パッシベーション層130、オーバーコート層140、及びバンク層160が順次積層されて、オーバーコート層140は、一対のオーバーコートひさし構造部141を含むことができ、オーバーコートひさし構造部141上には、バンク突出部161が配置されてもよい。
【0202】
本明細書の実施形態によれば、バンク層160ではないオーバーコート層140がパッシベーション層130上に配置されるため、バンク層160とパッシベーション層130との間の接着性問題による剥がれ不良の発生を減少させることができる。
【0203】
また、オーバーコート層140上にバンク層160が配置されるため、オーバーコート層140がストレスによって変形するか、オーバーコートひさし構造部141の浮き現象が発生することを減少させることができる。
【0204】
図7aは、本明細書の他の実施形態による表示装置の一部領域に対応する断面図であり。
図7bは、補助電極部に対応する領域の拡大断面図であり。
図7cは、補助電極部に対応する領域の拡大平面図である。
【0205】
ただ、
図6a~
図6cを参考して前述した、本明細書の実施形態による表示装置と説明が重複する内容については省略し、相違する構成を中心に説明することとし、省略した説明は、本明細書の他の実施形態にもそのまま適用することができる。
【0206】
よって、パッド部(PAD部)と薄膜トランジスタ部(TFT部)については、さらに説明することなく、補助電極部を中心に詳説することとする。
【0207】
本明細書の実施形態による表示装置1は、基板110と、基板110上に配置された補助電極226とを含むことができる。
【0208】
補助電極226上には、補助電極226の少なくとも一部分が露出する第1孔130hを含むパッシベーション層130が配置されてもよい。
【0209】
パッシベーション層130上には、補助電極226の少なくとも一部分が露出する第2孔140hを含むオーバーコート層140が配置されてもよい。
【0210】
第1孔130h、 及び第2孔140hは、少なくとも一部分が互いに重畳するように配置され、第1孔130hの第1方向の中心部は第2孔140hの第2方向の中心部と重畳し、前記第1方向が前記第2方向と交差してもよい。第1方向は、補助電極226が長く延びた方向と平行な方向であってもよい。第2方向は、第1方向に垂直であってもよい。
【0211】
本明細書における第1孔130hと第2孔140hが互いに交差するということは、第1孔130hと第2孔140hが各々、いずれかに完全に含まれるように配置されるものではなく、中心部を基準に重畳するものの、互いに行き違う個々の方向に互いに重畳しない部分があり得ることを意味する。
【0212】
例えば、第1孔130hと第2孔140hは、互いに垂直に交差することができるものの、これに限定されるものではなく、孔の形状によって異なってくる。
【0213】
補助電極226は、パッシベーション層130、 及びオーバーコート層140を貫通する孔である第1孔130h、 及び第2孔140hを介して、少なくとも一部分が露出する補助電極コンタクト部226cを含むことができる。
【0214】
有機発光層170とカソード電極180は、補助電極コンタクト部226cまで延びるように配置されて、補助電極コンタクト部226cを囲むオーバーコート層140は、一対のオーバーコートひさし構造部141を含むことができる。
【0215】
一対のオーバーコートひさし構造部141の下部には、パッシベーション層130の除去された一対のアンダーカット部130uが配置されてもよい。
【0216】
よって、パッシベーション層130の第1孔130hは、第1中心部130cと、第1方向に第1中心部130cの両側面に配置される一対のアンダーカット部130uとを含み、オーバーコート層140は、一対のアンダーカット部130uを覆うように配置されて、一対のアンダーカット部130uは、外部に露出しなくてもよい。
【0217】
一対のアンダーカット部130uは、第1中心部130cを基準に、互いに向かい合うように配置されて、互いに対称する位置に配置されるか隣接して配置されてもよい。例えば、 一対のアンダーカット部130uは、第1中心部130cの中心を基準に対称に配置されてもよい。
【0218】
また、一対のアンダーカット部130uは、第1中心部130cを基準に、互いに対称する形態を有するように、互いに同様の形態に形成されてもよい。
【0219】
例えば、第1方向を基準に、1つの発光部(EA)は、互いに異なる透過部(TA)の間に配置され、1つの透過部(TA)は、互いに異なる発光部(EA)の間に配置されてもよい。
【0220】
よって、一対のアンダーカット部130uは、発光部(EA)と透過部(TA)が交互に配置される方向に沿って、互いに向かい合うように配置されてもよい。
【0221】
第2孔140hは、第2中心部140cと、第2方向に第2中心部140cの両側面に配置される一対のパッシベーション露出部140eとを含み、パッシベーション露出部140eは、パッシベーション層130を露出させることができる。
【0222】
一対のパッシベーション露出部140eは、第2中心部140cを基準に、互いに向かい合うように配置されて、互いに対称する位置に配置されるか隣接して配置されてもよい。例えば、一対のパッシベーション露出部140eは、第2中心部140cの中心を基準に対称に配置されてもよい。
【0223】
また、一対のパッシベーション露出部140eは、第2中心部140cを基準に、互いに対称する形態を有するように、互いに同様の形態に形成されてもよい。
【0224】
例えば、第2方向を基準に、1つの発光部(EA)は、互いに異なる発光部(EA)の間に配置され、1つの透過部(TA)は、互いに異なる透過部(TA)の間に配置されてもよい。
【0225】
よって、一対のパッシベーション露出部140eは、複数の発光部(EA)が連続して配置される方向、若しくは、複数の透過部(TA)が連続して配置される方向に沿って、互いに向かい合うように配置されてもよい。
【0226】
オーバーコート層140上には有機発光層170が配置されて、有機発光層170上にはカソード電極180が配置されてもよく、有機発光層170とカソード電極180は、少なくとも1つのパッシベーション露出部140eに沿って延びて、補助電極226上に配置されてもよい。有機発光層170の下面は、オーバーコート層140と直接接触することができる。
【0227】
図8aは、バンク層のひさし構造部によって補助電極が露出する正常部の一例を示したものである。
【0228】
例えば、正常部は、パッシベーション層上にバンク層が直接接触するように形成され、バンク層によりひさし構造部が形成される場合における正常例に関する図面である。
【0229】
図8bは、バンク層のひさし構造部によって補助電極が露出する不良部の一例を示したものである。
【0230】
例えば、不良部は、パッシベーション層上にバンク層が直接接触するように形成され、バンク層によりひさし構造部が形成される場合におけるひさし構造部の剥がれ現象が発生する不良例に関する図面である。
【0231】
パッシベーション層上にバンク層が直接接触するように形成し、バンク層によりひさし構造部を形成する場合、パッシベーション層とバンク層との接着性問題によりひさし構造部の剥がれ問題が発生し得る。
【0232】
しかしながら、本明細書の実施形態によれば、パッシベーション層上にパッシベーション層と、接着性に優れるオーバーコート層をパッシベーション層と直接接触するように形成して、オーバーコート層によりひさし構造部を形成するため、ひさし構造部の剥がれ問題の発生を減少させることができる。
【0233】
一方、
図9aは、オーバーコート層のひさし構造部によって補助電極が露出する正常部の一例を示したものである。
【0234】
例えば、正常部は、パッシベーション層上にオーバーコート層が直接接触するように形成され、オーバーコート層上に有機発光層が形成され、オーバーコート層によりひさし構造部が形成される場合における正常例に関する図面である。
【0235】
図8bは、オーバーコート層のひさし構造部によって補助電極が露出する不良部の一例を示したものである。
【0236】
例えば、不良部は、パッシベーション層上にオーバーコート層が直接接触するように形成され、オーバーコート層上に有機発光層が形成され、オーバーコート層によりひさし構造部が形成される場合におけるひさし構造部の浮き現象が発生する不良例に関する図面である。
【0237】
オーバーコート層のみでひさし構造部を形成する場合、オーバーコート層がストレスによって変形するか、オーバーコート層のひさし構造部の浮き現象が発生し得る。
【0238】
しかしながら、本明細書の実施形態によれば、オーバーコート層上にバンク層が接触して形成され、オーバーコートひさし構造部上にバンク突出部が形成されるため、バンク層は、オーバーコート層がストレスによって変形するか、オーバーコートひさし構造部の浮き現象が発生することを減少させることができる。
【0239】
すなわち、オーバーコート層は、パッシベーション層間の接着力を向上させる役割を担い、バンク層は、オーバーコート層の変形を抑制する役割を担うため、パッシベーション層上にオーバーコート層又はバンク層が単独形成されることに備えて、オーバーコート層とバンク層の二重層構造は、オーバーコート層とバンク層の長所をいずれも含み、短所を互いに補うことができる。
【0240】
また、本明細書の実施形態によれば、カソード電極180と補助電極226を接触させるためのひさし構造部を形成する場合、ひさし構造部を伝導性画素電極の代わりに、絶縁層であるオーバーコート層140で形成して、オーバーコート層140上にバンク層160を形成することから、実際にひさし構造部の厚さを増加させることができるため、洗浄などのような工程に容易かつ剛健な構造を形成することができる。
【0241】
例えば、ひさし構造部を、相対的に薄厚を有する画素電極であるアノード電極で形成する場合、洗浄などのような工程によりひさし構造部が損傷し得るが、オーバーコート層140とバンク層160を用いて、実際にひさし構造部の厚さを増加させると、さらに剛健な構造を形成することができる。
【0242】
また、本明細書の実施形態によれば、カソード電極180と補助電極226を接触させるためのひさし構造部を形成する場合、ひさし構造部を伝導性画素電極の代わりに、非伝導性物質から構成されるオーバーコート層140で形成して、オーバーコート層140上にバンク層160を形成するため、該領域で発生し得る静電気不良の発生を減少させることができる。
【0243】
また、本明細書の実施形態によれば、カソード電極180と補助電極226を接触させるためのひさし構造部を形成する場合、パッシベーション層130の第1孔130hは、第1中心部130cを基準に、両側面に一対のアンダーカット部130uを対称構造として含むため、有機発光層170を形成する工程において、基板の移動方向による不良発生可能性を減少させることができる。
【0244】
ひさし構造部上に有機発光層170を形成する場合、基板を移送する工程中に有機発光素子を蒸着して形成することができる。
【0245】
基板は、一方向に移動するため、有機発光素子の蒸着方向も基板の移動方向に影響を受けて、斜め方向であってもよい。
【0246】
この場合、アンダーカット部130uが基板の移送方向に位置する場合、有機発光素子の蒸着方向を基準に、アンダーカット部130uは、オーバーコートひさし構造部141によって露出しなくてもよい。
【0247】
これによって、アンダーカット部130u上に位置するオーバーコートひさし構造部141によって、有機発光素子がアンダーカット部130uの内側に深く蒸着することを妨げられうる。
【0248】
よって、有機発光層170の蒸着後にカソード電極180を蒸着する場合、カソード電極180が有機発光層170よりもアンダーカット部130uの内側にさらに深く蒸着して、補助電極226と正常に接触することができる。
【0249】
しかし、基板の移送方向は、工程によって変化し得るため、基板の移送方向と関係なく、アンダーカット部130uにおけるカソード電極180と補助電極226の接触を容易にするために、アンダーカット部130uは、中心部を基準に、互いに向かい合うように対称する位置に配置して、対称する形態に配置することができる。
【0250】
これによって、本明細書の実施形態によれば、有機発光層170の蒸着時、工程の方向性に影響されることを減少させることができるところ、有機発光層170を形成する工程において、基板の移動方向がどの方向に進めるのかに影響を受けず、アンダーカット部130uにおけるカソード電極180と補助電極226の接触不良が発生する可能性を減少させることができる。
【0251】
例えば、カソード電極180と補助電極226を接触させるためのひさし構造部を形成する場合、パッシベーション層130の第1孔130hは、第1中心部130cを基準に、両側面に一対のアンダーカット部130uを対称構造として含むため、移動方向に沿って1つのアンダーカット部130uが不良が発生するとしても、他の1つのアンダーカット部130uが正常なコンタクト領域を形成することができる。
【0252】
よって、一対のアンダーカット部130uは、有機発光層170を形成する工程における基板の移動方向に沿って配列することができる。
【0253】
これによって、有機発光層170を形成する工程において、基板の移動方向がどの方向に進めるのかに影響を受けず、アンダーカット部130uにおけるカソード電極180と補助電極226の接触不良が発生する可能性を減少させることができる。
【0254】
また、本明細書の実施形態によれば、パッシベーション層130の第1孔130h、オーバーコート層140の第2孔140h、及びバンク層160の第3孔160hは、平坦化した面を有する補助電極226の内側に位置することから、アンダーカット部130uも補助電極226の平坦化した面上に位置することができるため、アンダーカット部130u領域の屈曲を減少して、カソード電極180が切れることなく、補助電極226と接触できるようにすることができる。
【0255】
例えば、補助電極226は、第1孔130h、第2孔140h、及び第3孔160hよりも広く配置されるため、補助電極上に配置される層の屈曲を減少して、平坦化することができるところ、パッシベーション層130、オーバーコート層140、及びバンク層160の正テーパ状を容易に形成することができ、カソード電極180と補助電極226が切れることなく、良く接触できるようにすることができる。
【0256】
本明細書の実施形態による表示装置は、下記のように説明することができる。
【0257】
本明細書の実施形態による表示装置は、基板と、前記基板上に配置された補助電極と、前記補助電極上に配置されて、前記補助電極の少なくとも一部分が露出する第1孔を含むパッシベーション層と、前記パッシベーション層上に配置されて、前記補助電極の少なくとも一部分が露出する第2孔を含むオーバーコート層と、前記オーバーコート層上に配置されて、前記補助電極の少なくとも一部分が露出する第3孔を含むバンク層と、を含むことができる。
【0258】
前記第1孔、前記第2孔、及び前記第3孔は、少なくとも一部分が互いに重畳するように配置され、前記第1孔の第1方向の中心部は、前記第2孔の第2方向の中心部と重畳し、前記第1方向が前記第2方向と交差してもよい。
【0259】
前記第1孔は、第1中心部と、前記第1方向に前記第1中心部の両側面に配置される一対のアンダーカット部とを含み、前記オーバーコート層は、前記一対のアンダーカット部を覆うように配置されて、前記一対のアンダーカット部は、外部に露出しなくてもよい。
【0260】
前記一対のアンダーカット部は、前記第1中心部を基準に、互いに対称である形態に配置されてもよい。
【0261】
前記第2孔は、第2中心部と、前記第2方向に前記第2中心部の両側面に配置される一対のパッシベーション露出部とを含み、前記パッシベーション露出部は、前記パッシベーション層を露出させることができる。
【0262】
前記一対のパッシベーション露出部は、前記第2中心部を基準に、互いに対称である形態に配置されてもよい。
【0263】
本明細書の実施形態による表示装置は、前記バンク層上に配置された有機発光層と、前記有機発光層上に配置されたカソード電極をさらに含み、前記有機発光層と前記カソード電極は、前記パッシベーション露出部に沿って延びて、前記補助電極上に配置されてもよい。
【0264】
前記有機発光層と前記カソード電極は、前記パッシベーション露出部に沿って前記アンダーカット部まで延び、前記アンダーカット部に位置する前記カソード電極は、前記有機発光層よりもさらに長く延びて、前記補助電極と直接に接触することができる。
【0265】
前記第1孔、前記第2孔、及び前記第3孔は、前記補助電極の内側に位置することができる。
【0266】
前記第1孔、前記第2孔、及び前記第3孔に対応する前記補助電極は、平坦化した面を有してもよい。
【0267】
前記第1孔と前記第2孔は、前記第3孔の内側に位置することができる。
【0268】
前記基板は、表示領域と非表示領域を含み、前記表示領域は、発光部と透過部を含み、前記補助電極は、前記透過部と重畳するように配置されてもよい。
【0269】
前記発光部と重畳しないように、前記表示領域を通る低電位電源配線をさらに含み、前記補助電極は、前記低電位電源配線から前記透過部の方向に突出している。
【0270】
本明細書の実施形態による表示装置は、基板と、前記基板上に配置された補助電極と、前記補助電極上に配置されたパッシベーション層と、前記パッシベーション層上に配置されたオーバーコート層と、前記オーバーコート層上に配置されたバンク層と、前記バンク層上に配置された有機発光層と、前記有機発光層上に配置されたカソード電極と、を含むことができる。
【0271】
前記補助電極は、前記パッシベーション層、前記オーバーコート層、及び前記バンク層を貫通する孔を介して、少なくとも一部分が露出する補助電極コンタクト部を含み、前記有機発光層と前記カソード電極は、前記補助電極コンタクト部まで延びるように配置されて、前記補助電極コンタクト部を囲む前記オーバーコート層は、一対のオーバーコートひさし構造部を含むことができる。
【0272】
前記一対のオーバーコートひさし構造部の下部には、前記パッシベーション層の除去された一対のアンダーカット部が配置されてもよい。
【0273】
前記一対のアンダーカット部は、互いに向かい合うように配置されてもよい。
【0274】
前記オーバーコートひさし構造部上には、前記バンク層のバンク突出部が配置されて、前記オーバーコートひさし構造部は、前記バンク突出部よりもさらに突出してもよい。
【0275】
前記補助電極コンタクト部を囲む前記オーバーコート層は、オーバーコート段差部を含み、前記オーバーコート段差部の上部には、前記オーバーコート層を露出させるバンク段差部が配置され、前記オーバーコート段差部の下部には、前記パッシベーション層を露出させるパッシベーション段差部が配置され、前記バンク段差部、前記オーバーコート段差部、及び前記パッシベーション段差部に沿って前記有機発光層と前記カソード電極が延びて、前記補助電極コンタクト部上に配置されてもよい。
【0276】
前記バンク段差部、前記オーバーコート段差部、及び前記パッシベーション段差部は、いずれも正テーパ状を有してもよい。
【0277】
前記バンク段差部、前記オーバーコート段差部、及び前記パッシベーション段差部は、この順に前記補助電極に近くなるように配置されてもよい。
【0278】
前記補助電極コンタクト部上に配置される前記カソード電極は、前記アンダーカット部に対応する領域における前記補助電極と接触することができる。
【0279】
前記オーバーコート層の下面は、前記パッシベーション層と直接に接触し、前記オーバーコート層の上面は、前記バンク層と直接に接触することができる。
【0280】
前記基板は、発光部と透過部を含み、前記第1方向は、前記発光部と前記透過部が交互に配置される方向であり、前記一対のアンダーカット部は、前記第1方向に沿って互いに向かい合うように配置されてもよい。
【0281】
前記基板は、発光部と透過部を含み、前記第2方向は、複数の前記発光部が連続して配置される方向、若しくは、複数の前記透過部が連続して配置される方向であり、前記一対のパッシベーション露出部は、前記第2方向に沿って互いに向かい合うように配置されてもよい。
【0282】
以上、添付の図面を参照して、本明細書の実施形態をさらに詳説したが、本明細書は、必ずしもこれら実施形態に限るものではなく、本明細書の技術思想を外れない範囲内における様々な変形を実施することができる。よって、本明細書に開示の実施形態は、本明細書の技術思想を限定するためではなく、説明するためのものであり、これら実施形態によって本明細書の技術思想の範囲が限定されるものではない。よって、上述した実施形態は、全ての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。本明細書の保護範囲は、下記の請求範囲によって解釈すべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本明細書の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0283】
1 表示装置
110 基板
111 遮光層
113 バッファ層
121 アクティブ層
122 キャパシタ電極
123 ゲート絶縁層
124 ゲート電極
125 層間絶縁層
126a 第1電極
126b 第2電極
130 パッシベーション層
130h 第1孔
130c 第1中心部
130u アンダーカット部
130s パッシベーション段差部
140 オーバーコート層
140h 第2孔
140e パッシベーション露出部
140c 第2中心部
140s オーバーコート段差部
141 ひさし構造部
150 アノード電極
151 アノードひさし構造部
160 バンク層
161 バンク突出部
160h 第3孔
160s バンク段差部
170 有機発光層
180 カソード電極
226 補助電極
226c 補助電極コンタクト部
324 パッド電極
326 パッド連結電極
350 パッド接触電極
DA 表示領域
NDA 非表示領域
GPAD ゲートパッド部
DPAD データパッド部
SP1 第1サブ画素
SP2 第2サブ画素
SP3 第3サブ画素
SP4 第4サブ画素
EA 発光部
TA 透過部
VSSL 低電位電源配線