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特開2023-93410スクリーニングバックゲート効果を有するハイサイド及びローサイドGaN FETのモノリシック集積化
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093410
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】スクリーニングバックゲート効果を有するハイサイド及びローサイドGaN FETのモノリシック集積化
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20230627BHJP
   H01L 21/337 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
H01L29/80 E
H01L29/80 H
H01L29/80 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022205081
(22)【出願日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】17/559,635
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ドン セウプ リー
(72)【発明者】
【氏名】カリド ファリード
(72)【発明者】
【氏名】スリダール セータラマン
(72)【発明者】
【氏名】ジュンウー ジョー
(72)【発明者】
【氏名】チャン ソー サフ
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102GA11
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GD04
5F102GJ03
5F102GK04
5F102GK08
5F102GL04
5F102GM04
5F102GM08
5F102GQ01
5F102GR07
5F102GV03
5F102GV07
5F102GV08
5F102HC01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】トランジスタのバックゲート効果を緩和する電子デバイス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】電子デバイス100は、、バッファ構造の上の窒化アルミニウムガリウム、窒化アルミニウム、インジウム又は窒化インジウムアルミニウムガリウムを含むバック障壁層116のうちの1つと、バック障壁層の上の窒化ガリウム層118と、窒化ガリウム層の上のヘテロエピタキシー構造120、121と、ヘテロエピタキシー構造の上の第1のトランジスタ101及び第2のトランジスタ102と、ヘテロエピタキシー構造の上のドープされた窒化ガリウム構造124及びドープされた窒化ガリウム構造の部分的に上の導電性構造を有する正孔注入器構造126と、を含む。正孔注入器構造は、正孔を注入して、バック障壁層とバッファ構造との界面に近接する正孔層を形成し、第1のトランジスタに対する垂直電界バックゲート効果を緩和する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスであって、
基板の上のバッファ構造と、
前記バッファ構造の上のバック障壁層であって、前記バック障壁層が、窒化アルミニウムガリウム、窒化アルミニウム、インジウム窒化アルミニウム、及びインジウム窒化アルミニウムガリウムのうちの1つを含む、前記バック障壁層と、
前記バック障壁層の上の窒化ガリウム層と、
窒化ガリウム層の上のヘテロエピタキシー構造と、
第1のドレイン、第1のゲート、及び第1のソースを有する第1のトランジスタであって、前記第1のドレインが部分的にヘテロエピタキシー構造内にあり、前記第1のソースが、部分的に前記ヘテロエピタキシー構造内にあり、前記第1のドレインから離間されており、及び、前記ゲートが、前記ヘテロエピタキシー構造の上で前記第1のドレインと前記第1のソースとの間にある、前記第1のトランジスタと、
第2のドレイン、第2のゲート、及び第2のソースを有する第2のトランジスタであって、前記第2のドレインが、部分的に前記ヘテロエピタキシー構造内にあり、前記第1のソースに結合されており、前記第2のソースが、部分的に前記ヘテロエピタキシー構造内にあり、前記第2のドレインから離間されており、及び、前記ゲートが、前記ヘテロエピタキシー構造の上で前記第2のドレインと前記第2のソースとの間にある、前記第2のトランジスタと、
ドープされた窒化ガリウム構造と導電性構造とを有する正孔注入器構造と、
を含み、
前記ドープされた窒化ガリウム構造が、前記ヘテロエピタキシー構造の上に延在し、前記導電性構造が、部分的に前記ドープされた窒化ガリウム構造の上に延在する、
電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の電子デバイスであって、
前記第1及び第2のトランジスタがデプリーションモードトランジスタであり、
前記第1及び第2のゲートが、前記ヘテロエピタキシー構造の上に延在し、前記ヘテロエピタキシー構造に接する、それぞれのゲートコンタクト構造を含む、
電子デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の電子デバイスであって、
前記第1及び第2のトランジスタが、エンハンスメントモードトランジスタであり、
前記第1のゲートが、前記ヘテロエピタキシー構造の上に延在し前記ヘテロエピタキシー構造に接する、第1のドープされた窒化ガリウムゲート構造と、前記第1のドープされた窒化ガリウムゲート構造の上の第1の導電性ゲートコンタクト構造とを含み、
前記第2のゲートが、前記ヘテロエピタキシー構造の上に延在し前記ヘテロエピタキシー構造に接する、第2のドープされた窒化ガリウムゲート構造と、前記第2のドープされた窒化ガリウムゲート構造の上の第2の導電性ゲートコンタクト構造とを含む、
電子デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記正孔注入器構造の前記導電性構造が、前記第1のドレインに結合される、電子デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記正孔注入器構造が前記第1のドレインに近接し、かつ、前記第1のドレインに接する、電子デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記第1のドレインが、前記正孔注入器構造と前記第1のゲートから離間され、第1の方向に沿って前記正孔注入器構造と前記第1のゲートとの間にある、電子デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載の電子デバイスであって、前記正孔注入器構造を前記第1のゲートに電気的に結合するメタライゼーション構造を更に含む、電子デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記正孔注入器構造が、前記第1のドレインと前記第1のゲートから離間され、第1の方向に沿って前記正孔注入器構造と前記第1のゲートとの間にある、電子デバイス。
【請求項9】
請求項8に記載の電子デバイスであって、前記正孔注入器構造を前記第1のゲートに電気的に結合するメタライゼーション構造を更に含む、電子デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記正孔注入器構造が、前記第1のゲートと前記第1のソースから離間され、第1の方向に沿って前記第1のゲートと前記第1のソースとの間にある、電子デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載の電子デバイスであって、前記正孔注入器構造を前記第1のゲートに電気的に結合するメタライゼーション構造を更に含む、電子デバイス。
【請求項12】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記正孔注入器構造を前記第1のゲートに電気的に結合するメタライゼーション構造を更に含む、電子デバイス。
【請求項13】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記第1のソースを前記第2のドレインに電気的に結合するメタライゼーション構造を更に含む、電子デバイス。
【請求項14】
電子デバイスであって、
基板、バッファ構造、バック障壁層、窒化ガリウム層、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、及び正孔注入器構造を有する半導体ダイと、
導電性リードと、
前記半導体ダイと前記半導体ダイの一部とを囲むパッケージ構造と、
を含み、
前記バッファ構造が前記基板の上にあり、前記バック障壁層が前記バッファ構造の上にあり、前記バック障壁層が、窒化アルミニウムガリウム、窒化アルミニウムインジウムアルミニウム、及び窒化インジウムアルミニウムガリウムのうちの1つを含み、前記窒化ガリウム層が前記バック障壁層の上にあり、及び、前記ヘテロエピタキシー構造が前記窒化ガリウム層の上にあり、
前記第1のトランジスタが、前記導電性リードのうちの1つに結合されており、第1のドレイン、第1のゲート、及び第1のソースを有し、前記第1のドレインが、部分的に前記ヘテロエピタキシー構造内にあり、前記第1のゲートが、前記ヘテロエピタキシー構造の上にあり、前記第1のドレインから離間され、前記第1のソースが、部分的に前記ヘテロエピタキシー構造内にあり、前記第1のゲートから離間され、
前記第2のトランジスタが、前記導電性リードのうちの別の1つに結合されており、第2のドレイン、第2のゲート、及び第2のソースを有し、前記第2のドレインが、部分的に前記ヘテロエピタキシー構造内にあり、前記第1のソースに結合され、前記第2のゲートが、前記ヘテロエピタキシー構造の上にあり前記第2のドレインから離間され、前記第2のソースが、部分的に前記ヘテロエピタキシー構造内にあり、前記第2のゲートから離間され、
前記正孔注入器構造が、ドープされた窒化ガリウム構造と導電性構造とを有し、前記ドープされた窒化ガリウム構造が、前記ヘテロエピタキシー構造の上に延在し、前記導電性構造が、部分的に前記ドープされた窒化ガリウム構造の上にある、
電子デバイス。
【請求項15】
請求項14に記載の電子デバイスであって、前記正孔注入器構造を前記第1のゲートに電気的に結合するメタライゼーション構造を更に含む、電子デバイス。
【請求項16】
請求項14に記載の電子デバイスであって、前記半導体ダイが、前記第1のソースを前記第2のドレインに電気的に結合するメタライゼーション構造を更に含む、電子デバイス。
【請求項17】
電子デバイスを製造する方法であって、前記方法が、
基板の上にバッファ構造を形成することと、
前記バッファ構造上に、窒化アルミニウムガリウム、窒化アルミニウム、インジウム、又は窒化インジウムアルミニウムガリウムバック障壁層を形成することと、
前記バック障壁層上に窒化ガリウム層を形成することと、
前記窒化ガリウム層上にヘテロエピタキシー構造を形成することと、
前記ヘテロエピタキシー構造上に正孔注入器のドープされた窒化ガリウム構造を形成することと、
導電性構造を形成することと、
を含み、
前記導電性構造を形成することが、
部分的に前記ドープされた窒化ガリウム構造の上にある前記正孔注入器の導電性構造と、
部分的に前記ヘテロエピタキシー構造内にあるそれぞれの第1及び第2のトランジスタの導電性ドレインコンタクト及びソースコンタクトと、
前記ヘテロエピタキシー構造上の前記それぞれの第1及び第2のトランジスタの導電性ゲートコンタクトと、
を形成することを含む、
方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、更に、前記正孔注入器の前記導電性構造を前記第1のトランジスタの導電性ゲートコンタクトに電気的に結合するメタライゼーション構造を形成することを含む、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、更に、前記第1のトランジスタの導電性ソースコンタクトを前記第2のトランジスタの導電性ドレインコンタクトに電気的に結合するメタライゼーション構造を形成することを含む、方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法であって、更に、前記第1のトランジスタの導電性ドレインコンタクトに接続された前記正孔注入器の前記導電性構造を形成することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ハイサイド及びローサイド窒化ガリウム(GaN)電界効果トランジスタ(FET)のモノリシック集積化は、低い寄生インダクタンスでのスイッチング周波数の増加を容易にし、また、シリコンベースのトランジスタを用いる場合と比較して全体の面積を低減する。しかしながら、シリコンベースの実装とは異なり、GaN FETデバイスは、モノリシック集積化のためのGaNバッファ又は共通シリコン基板におけるp又はnウェルを有さず、バックゲート効果は、特に高電圧スイッチング応用例に対して、ハイサイドGaN FETのオン状態抵抗(例えば、ドレイン・ソースオン状態抵抗又はRDSON)を低減し得る。RDSONの減少は効率の低下につながる。
【発明の概要】
【0002】
一態様において、電子デバイスが、基板の上のバッファ構造と、バッファ構造の上の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含むバック障壁層と、バック障壁層の上の窒化ガリウム層と、窒化ガリウム層の上のヘテロエピタキシー構造と、第1及び第2のトランジスタと、正孔注入器構造とを含む。第1のトランジスタは、第1のドレインと、第1のゲートと、第1のソースとを有する。第1のドレインは部分的にヘテロエピタキシー構造内にあり、第1のゲートは、ヘテロエピタキシー構造の上にあり、第1のドレインから離間されている。第1のソースは、部分的にヘテロエピタキシー構造内にあり、第1のゲートから離間されている。第2のトランジスタは、第2のドレインと、第2のゲートと、第2のソースとを有する。第2のドレインは、部分的にヘテロエピタキシー構造内にあり、第1のソースに結合される。第2のゲートは、ヘテロエピタキシー構造の上にあり、第2のドレインから離間されている。第2のソースは、部分的にヘテロエピタキシー構造内にあり、第2のゲートから離間されている。正孔注入器構造は、ドープされた窒化ガリウム構造と導電性構造とを有する。ドープされた窒化ガリウム構造は、ヘテロエピタキシー構造の上に、及び、部分的に、ドープされた窒化ガリウム構造の上に延在する。
【0003】
別の態様において、電子デバイスが、半導体ダイ、導電性リード、及び、半導体ダイと導電性リードの一部とを囲むパッケージ構造を含む。半導体ダイは、基板と、バッファ構造と、バック障壁層と、窒化ガリウム層と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、正孔注入器構造とを有する。バッファ構造は基板の上にあり、バック障壁層はバッファ構造の上にあり、バック障壁層は窒化アルミニウムガリウムを含む。窒化ガリウム層はバック障壁層の上にあり、ヘテロエピタキシー構造は、窒化ガリウム層の上にある。第1のトランジスタは、導電性リードのうちの1つに結合され、第1のドレインと、第1のゲートと、第1のソースとを有する。第1のドレインは、部分的にヘテロエピタキシー構造内にあり、第1のゲートは、ヘテロエピタキシー構造の上にあり、第1のドレインから離間されている。第1のソースは、部分的にヘテロエピタキシー構造内にあり、第1のゲートから離間されている。第2のトランジスタは、導電性リードのうちの別のものに結合され、第2のドレインと、第2のゲートと、第2のソースとを有する。第2のドレインは、部分的にヘテロエピタキシー構造内にあり、第1のソースに結合される。第2のゲートは、ヘテロエピタキシー構造の上にあり、第2のドレインから離間されている。第2のソースは、部分的にヘテロエピタキシー構造内にあり、第2のゲートから離間されている。正孔注入器構造は、ドープされた窒化ガリウム構造及び導電性構造を有する。ドープされた窒化ガリウム構造は、ヘテロエピタキシー構造の上に延在し、導電性構造は、部分的に、ドープされた窒化ガリウム構造の上に存在する。
【0004】
更なる態様において、電子デバイスを製造する方法が、基板上にバッファ構造を形成することと、バッファ構造上に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を形成することと、バック障壁層上に窒化ガリウム層を形成することと、窒化ガリウム層上にヘテロエピタキシー構造を形成することと、ヘテロエピタキシー構造上に正孔注入器構造のドープされた窒化ガリウム構造を形成することとを含む。この方法はまた、導電性構造を形成することを含み、導電性構造は、部分的に、ドープされた窒化ガリウム構造の上の、正孔注入器構造の導電性構造と、部分的にヘテロエピタキシー構造内にあるそれぞれの第1及び第2のトランジスタの導電性ドレイン及びソースコンタクトと、ヘテロエピタキシー構造上のそれぞれの第1及び第2のトランジスタの導電性ゲートコンタクトとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】バッファ構造と窒化ガリウム層との間に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を備える第1及び第2のデプリーションモード窒化ガリウムトランジスタと、ヘテロエピタキシー構造の上にあり第1のトランジスタのドレインコンタクトと係合する正孔注入器構造とを備える、電子デバイスの部分断面側部立面図である。
【0006】
図2】バッファ構造と窒化ガリウム層との間に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を備える第1及び第2のエンハンスメントモード窒化ガリウムトランジスタと、ヘテロエピタキシー構造の上にあり第1のトランジスタのドレインコンタクトと係合する正孔注入器構造とを備える、別の電子デバイスの部分断面側部立面図である。
【0007】
図3】バッファ構造と窒化ガリウム層との間に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を備える第1及び第2のデプリーションモード窒化ガリウムトランジスタと、第1のトランジスタのドレインコンタクトから横方向に外方に離間され、ヘテロエピタキシー構造を覆う正孔注入器構造とを備える電子デバイスの部分断面側部立面図である。
【0008】
図4】バッファ構造と窒化ガリウム層との間に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を備える第1及び第2のエンハンスメントモード窒化ガリウムトランジスタと、第1のトランジスタのドレインコンタクトから横方向に外方に離間されヘテロエピタキシー構造の上にある正孔注入器構造とを備える、電子デバイスの部分断面側部立面図である。
【0009】
図5】バッファ構造と窒化ガリウム層との間に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を備える第1及び第2のデプリーションモード窒化ガリウムトランジスタと、第1のトランジスタのドレインコンタクトとゲートから横方向に離間されてそれらの間及びヘテロエピタキシー構造の上にある正孔注入器構造とを備える、電子デバイスの部分断面側部立面図である。
【0010】
図6】バッファ構造と窒化ガリウム層との間に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を備える第1及び第2のエンハンスメントモード窒化ガリウムトランジスタと、第1のトランジスタのドレインコンタクトとゲートから横方向に離間されてそれらの間及びヘテロエピタキシー構造の上にある正孔注入器構造とを備える、電子デバイスの部分断面側部立面図である。
【0011】
図7】バッファ構造と窒化ガリウム層との間に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を備える第1及び第2のデプリーションモード窒化ガリウムトランジスタと、第1のトランジスタのゲートコンタクトとソースコンタクトから横方向に離間されてそれらの間及びヘテロエピタキシー構造の上にある正孔注入器構造とを備える、電子デバイスの部分断面側部立面図である。
【0012】
図8】バッファ構造と窒化ガリウム層との間に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を備える第1及び第2のエンハンスメントモード窒化ガリウムトランジスタと、第1のトランジスタのゲートコンタクトとソースコンタクトから横方向に離間されてそれらの間及びヘテロエピタキシー構造の上にある正孔注入器構造とを備える、電子デバイスの部分断面側部立面図である。
【0013】
図9】電子デバイスをつくるための方法のフローチャートである。
【0014】
図10図9に従った製造処理を経た図1の電子デバイスの部分断面側部立面図である。
図11図9に従った製造処理を経た図1の電子デバイスの部分断面側部立面図である。
図12図9に従った製造処理を経た図1の電子デバイスの部分断面側部立面図である。
図13図9に従った製造処理を経た図1の電子デバイスの部分断面側部立面図である。
図14図9に従った製造処理を経た図1の電子デバイスの部分断面側部立面図である。
図15図9に従った製造処理を経た図1の電子デバイスの部分断面側部立面図である。
図16図9に従った製造処理を経た図1の電子デバイスの部分断面側部立面図である。
図17図9に従った製造処理を経た図1の電子デバイスの部分断面側部立面図である。
図18図9に従った製造処理を経た図1の電子デバイスの部分断面側部立面図である。
図19図9に従った製造処理を経た図1の電子デバイスの部分断面側部立面図である。
図20図9に従った製造処理を経た図1の電子デバイスの部分断面側部立面図である。
【0015】
図21】パッケージ化された電子デバイスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面において、全体を通して同様の参照番号は同様の要素を示し、種々の特徴は必ずしも一定の縮尺で描いてはいない。様々な回路、システム、及び/又は、構成要素の1つ又は複数の動作特性は、幾つかの場合において、回路が給電され動作するときの様々な構造の構成及び/又は相互接続から生じる機能の文脈において、以下に説明される。
【0017】
図1は、パッケージ化された集積回路などの電子デバイス100の半導体ダイの一部を示す。電子デバイス100は、それぞれ、第1及び第2のデプリーションモード窒化ガリウムトランジスタ101及び102を含む。デバイス100の図示された部分はまず、処理され、次いでダイシングプロセスによって分離された他の半導体ダイと共にウエハ形態で製造され、その後、パッケージ化された電子デバイスとも呼ばれる完成した集積回路製品に別々にパッケージ化される。図示の例は、高電圧スイッチング電源システム又は他の分野の応用例における性能改善のために、単一製品における第1及び第2のGaNトランジスタ101及び102のモノリシック集積を提供する。幾つかの例示の高電圧スイッチング応用例において、図1に概略的に示すように、第1のGaNトランジスタ101は、高電圧供給源(例えば、「HV」と示される)とスイッチングノード(例えば、「SW」と示される)との間に結合されたハイサイドスイッチとして動作する。第2のGaNトランジスタ102は、スイッチノードSWと低電圧ノード(例えば、「LV」とラベル付けされている)との間に結合されたローサイドスイッチとして動作する。
【0018】
一例において、インダクタ(図示せず)が、スイッチノードSWと負荷との間に接続され、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとが交互に作動されて、バックDC-DCコンバータを形成する。図示の構成において、第1の(ハイサイド)トランジスタ101が、高電圧供給源HVに結合された第1のドレインD1と、スイッチノードSWに結合された第1のソースS1と、第1のゲートG1とを有する。第2の(ローサイド)トランジスタ102は、スイッチノードSWに結合された第2のドレインD2と、低電圧ノードLVに結合された第2のソースS2と、第2のゲートG2とを有する。この例における第1のドレインD1は、低電圧ノードLVの電位より数百ボルト又は数千ボルト高いなどの、高電圧に結合される。
【0019】
一例において、電子デバイス100は、シリコンなどの半導体基板104を含み、基板104は、第2ソースS2及び低電圧ノードLVに電気的に結合される。ハイサイドの第1のトランジスタ101がオンにされると、第1のソースS1及び第1のドレインD1は、高電圧供給源HVの電位又はその近傍にあり、基板104の低電圧と第1のソースS1及び第1のドレインD1の高電圧との間に大きな電界が形成される。電子デバイス100は、第1のトランジスタ101に対する垂直電界バックゲート効果を緩和するために、正孔を注入して、バック障壁とバッファ構造との界面に近接する正孔層を形成する、正孔注入器構造とバック障壁とを含む。この構成は、この高電界に関連するバックゲート効果を回避又は軽減するのに役立ち、電子デバイス100の動作中の第1のトランジスタ101の低減されたRDSONを回避又は軽減するのに役立つ。バックゲート効果は、第1のソースS1におけるRDSONをより高く増加させ、正孔注入は、垂直電界を遮蔽することによって、第1のソースS1のRDSON増加を抑制する。
【0020】
図1の部分断面側部立面図において最もよく分かるように、電子デバイス100は、半導体基板104の上に形成されたバッファスタックを含むエピタキシー成長された層のスタックを含む。スタック構造の個々の層は、本明細書において、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウムなどとして記載され、個々の層は、単独で、又は少量の不純物、アーティファクト、又は、例えば、半導体製品の製造業者に関連する個々の処理工程の後に残存し得る材料などの他の材料が更に存在する、指定された構成材料であるか又はそれを含む、任意の適切な化学量論組成のものであり得る。例示のスタックには、基板104の上の窒化アルミニウム(AlN)層106が含まれる。一例において、窒化アルミニウム層106は、基板104の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層106と基板104との間に存在し得る。一例において、窒化アルミニウム層106の厚みは300~600nmである。
【0021】
多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)バッファスタック108が、窒化アルミニウム層106の上に延在する。バッファスタック108は、この例では、窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む、3つの層を含む。他の例において、異なる数の2つ又はそれ以上の組成傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック層を用いることができる。異なる例において、単一又は二重超格子バッファ構造(図示せず)など、異なるバッファスタック構成を用いることができる。図1の例において、バッファスタック108が窒化アルミニウム層106上の第1の窒化アルミニウムガリウム層111を含む。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム層111は、窒化アルミニウム層106の上側又は頂部側上に直接延長して接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第1の窒化アルミニウムガリウム層111と窒化アルミニウム層106との間に存在し得る。組成傾斜AlGaNバッファスタック108はまた、第1の窒化アルミニウムガリウム層111の上に第2の窒化アルミニウムガリウム層112を含む。一例において、第2の窒化アルミニウムガリウム層112が第1の窒化アルミニウムガリウム層111の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第2の窒化アルミニウムガリウム層112と第1の窒化アルミニウムガリウム層111との間に存在し得る。第3の窒化アルミニウムガリウム層113は、第2の窒化アルミニウムガリウム層112の上に延在する。一例において、第3の窒化アルミニウムガリウム層113が第2の窒化アルミニウムガリウム層112の上側又は頂部側上に直接延在しそれに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第3の窒化アルミニウムガリウム層113と第2の窒化アルミニウムガリウム層112との間に存在し得る。
【0022】
一例において、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック108は、窒化アルミニウム層106の上の第1のアルミニウム濃度を有する第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層111と、第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層111上に第1のアルミニウム濃度より小さい第2のアルミニウム濃度を有する第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層112と、第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層112上に第2のアルミニウム濃度より小さい第3のアルミニウム濃度を有する第3の窒化アルミニウムガリウムサブ層113とを含む。一例において、第1のアルミニウム濃度は60~70%であり、第2のアルミニウム濃度は40~50%であり、第3のアルミニウム濃度は20~30%である。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム層111は300~600nmの厚みを有し、第2の窒化アルミニウムガリウム層112は1.4~1.8μmの厚みを有し、第3の窒化アルミニウムガリウム層113は1.4~2.0μmの厚みを有する。
【0023】
電子デバイス100は更に、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック108の上の窒化ガリウム層114を含む。一例において、窒化ガリウム層114は0.5~2.0μmの厚みを有する。この又は別の例において、窒化ガリウム層114は0.1~1.0μmの厚みを有する。一実装において、窒化ガリウム層114は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層114は、第3の窒化アルミニウムガリウム層113の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層114と第3の窒化アルミニウムガリウム層113との間に存在し得る。
【0024】
電子デバイス100はまた、バッファ構造の上にバック障壁層116を含む。バック障壁層116は、一例において、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、バック障壁層116は、窒化ガリウム層114の頂部側とバック障壁層116の底部側との間の界面115において、窒化ガリウム層114の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、バック障壁層116と窒化ガリウム層114との間に存在し得る。バック障壁層116は、例えば、20nm~5μmなど、数十nm~数μmの厚み117を有する。別の例において、バック障壁層116は、任意の適切な化学量論の、窒化アルミニウム(AlN)、インジウム窒化アルミニウム(InAlN)、又はインジウム窒化アルミニウムガリウム(InAlGaN)であるか、又はそれを含む。
【0025】
上側窒化ガリウム層118が、バック障壁層116の上に延在する。層118は、任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化ガリウム層118は、1.0μmの厚み119を有する。一実装において、窒化ガリウム層118は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層118は、バック障壁層116の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層118とバック障壁層116との間に存在し得る。
【0026】
また、電子デバイス100は、窒化ガリウム層118の上の窒化アルミニウム層120と、窒化アルミニウム層120の上の窒化アルミニウムガリウム層121とを有する、ヘテロエピタキシー構造を含む。一例において、層120は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウム層120は、窒化ガリウム層118の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層120と窒化ガリウム層118との間に存在し得る。この又は別の例において、層121は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウムガリウム層121は、窒化アルミニウム層120の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウムガリウム層121と窒化アルミニウム層120との間に存在し得る。窒化アルミニウムガリウム層121と窒化アルミニウム層120との間の界面におけるヘテロ接合は、二次元電子ガス領域122(例えば、「2DEG」と示される)を形成する。一例において、層120及び121を含むヘテロエピタキシー構造は、10~30nmの総厚123を有する。電子デバイス100はまた、図示される実装において、デプリーションモードハイサイドの第1のトランジスタ101とデプリーションモードローサイドの第2トランジスタ102と含む、1つ又は複数のトランジスタを含む。
【0027】
種々のバッファ層及びヘテロエピタキシー構造の層は、一例において、エピタキシャル成長堆積プロセス、例えば、構成層を形成する変数及び材料が全体にわたって変化する或る連続エピタキシー堆積プロセスを、及び/又は、2つ又はそれ以上の順次的なエピタキシャル堆積プロセスを用いて、一例において約5.1μmの総厚で製造される。デプリーションモードトランジスタ101において、層120及び121を含むヘテロエピタキシー構造は、約10~30nmの総厚を有し、エンハンスメントモードトランジスタ102におけるヘテロエピタキシー構造は、約10~20nmの総厚を有する。一例において、窒化アルミニウム層120は約10Å(1nm)の厚みを有し、窒化アルミニウムガリウム層121は約20nmの厚みを有する。図示される例において、窒化ガリウム層118は、約0.1~1.0μmの厚みを有する。一例において、窒化アルミニウムガリウム層121は、約26%のアルミニウム濃度を有する。
【0028】
電子デバイス100は、窒化アルミニウムガリウム層121の上のドープされた窒化ガリウム構造124を有する正孔注入器構造126を含む。また、正孔注入器構造126は、ドープされた窒化ガリウム構造124の部分的に上にあり、ドープされた窒化ガリウム構造124に接する導電性構造を含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造124は、p型不純物(マグネシウム又は他のp型不純物を含むp-GaN)が注入された任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造124は、窒化アルミニウムガリウム層121の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、ドープされた窒化ガリウム構造124と窒化アルミニウムガリウム層121との間に存在し得る。一例において、pドープされた窒化ガリウム層124は、マグネシウムドーパントを含み、一実装において約70nmなど、50~200nmの厚みを有する。
【0029】
この場合の導電性構造は、タングステン、銅、アルミニウム、又は他の導電性金属であるか又はそれを含む、導電性の第1のドレインコンタクトである。電子デバイス100は更に、トランジスタ101と102との間で、窒化アルミニウムガリウム層121、窒化アルミニウム層120、窒化ガリウム層118、及びバック障壁層116を介して下方に延在し、部分的に窒化ガリウム層114内に延在する、任意の適切な化学量論の二酸化ケイ素などの絶縁構造128を含む。この例又は別の例において、トランジスタ101とトランジスタ102との間の絶縁は、注入(図示せず)によって行われる。
【0030】
電子デバイス100はまた、例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素を含む第1のプリメタル誘電体(例えば、PMD)層130を有するメタライゼーション構造を含み、ドープされた窒化ガリウム構造124を少なくとも部分的に覆う第1のトランジスタ101の第1のドレインコンタクト又は電極131を含む、様々な導電性金属構造がその中に形成される。一例において、導電性構造131は、ドープされた窒化ガリウム構造124の上側又は頂部側の少なくとも一部の上に直接延在し、ドープされた窒化ガリウム構造124の上側又は頂部側の少なくとも一部に接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、導電性構造131とドープされた窒化ガリウム構造124との間に存在し得る。
【0031】
また、PMD層又はレベルは、第1のトランジスタ101の第1のソースコンタクト又は電極132と、第1のトランジスタ101の第1のゲートコンタクト又は電極134とを含む。PMD層又はレベルはまた、第2のトランジスタ102の第2のドレインコンタクト又は電極135と、第2のトランジスタ102の第2のソースコンタクト又は電極136と、第2のトランジスタ102の第2のゲートコンタクト又は電極138と、PMD層130を介して延在し、第2のメタライゼーション構造レベルにおいて配路するための様々なトランジスタ端子の電気的相互接続を提供する、1つ又は複数の導電性コンタクト又はビア139とを含む。それぞれの第1及び第2のトランジスタ101及び102の導電性ドレイン及びソースコンタクト131、135、132、136は、ヘテロエピタキシー構造120、121内に部分的に延在し、それぞれの第1及び第2のトランジスタ101及び102の導電性ゲートコンタクト134及び138は、ヘテロエピタキシー構造120、121上に延在し、それらに接する。
【0032】
図1における電子デバイス100は更に、1つ又は複数の導電性配路特徴151(例えば、アルミニウム、銅など)を有する誘電体層150(例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素)を備える第2のメタライゼーション構造レベルを含み、これは、例えば、ドレイン、ソース、及びゲート接続及び関連する信号の配路を、互いに、及び/又は導電性ボンドパッドに、又は他の外部に露出された導電性特徴へ提供するためものであり、それにより、トランジスタ101及び102が、例えば、図21の例示のパッケージ化された電子デバイスにおいて以下に示されるように、パッケージ化された電子デバイス内のピン又はパッドなどの、集積回路リードへのボンドワイヤ又はリードフレーム電気的接続を用いて、他の回路要素と電気的に相互接続され得る。
【0033】
この例における第1のトランジスタ101は、第1のドレイン端子又はリード161(D1)、第1のゲート端子又はリード162(G1)、及び第1のソース端子又はリード163(S1)を有する。第2のトランジスタ102は、第2のドレイン端子又はリード164(D2)、第2のゲート端子又はリード165(G2)、及び第2のソース端子又はリード166(S2)を有し、図21に示されるように、端子は、一例において、パッケージング後の完成電子デバイス100の導電性リードに電気的に結合される。トランジスタ端子は、本明細書において、関連する導電性のコンタクトコンタクト、ビア、導電性のコンタクト配路特徴、及び/又はそれらの導電性のコンタクトリードに関して、ドレイン、ゲート、ソースなどと呼ばれることがある。
【0034】
図示される例において、第1のドレイン161、D1は、ヘテロエピタキシー構造120、121内に部分的に延在し、第1のゲート162、G1は、ヘテロエピタキシー構造120、121の上に延在し、第1の方向(例えば、図の「X」方向)に沿って第1のドレイン161、D1から横方向に離間されている。第1のソース163、S1は、ヘテロエピタキシー構造120、121内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第1のゲート162、G1から横方向に離間されている。第2のドレイン164、D2は、ヘテロエピタキシー構造120、121内に部分的に延在し、図1における導電性配路機構151によって第1のソース163、S1に結合されて、スイッチングノードSWを形成する。第2のゲート165、G2は、ヘテロエピタキシー構造120、121の上に延在し、第1の方向Xに沿って第2のドレイン164、D2から横方向に離間されている。第2のソース166、S2は、ヘテロエピタキシー構造120、121内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第2のゲート165、G2から横方向に離間されている。
【0035】
図1の電子デバイス100において、第1及び第2のトランジスタ101及び102は、デプリーションモードトランジスタであり、第1及び第2のゲート162及び165(G1及びG2)は、ヘテロエピタキシー構造120、121のAlGaN層121上に延在し、これに接するそれぞれのゲートコンタクト構造134及び138を含む。更に、この例において、正孔注入器構造126の導電性構造131は、第1のドレイン161(D1)に結合される。この例では、正孔注入器構造126は、第1のドレイン161(D1)に隣接し、それに接し、メタライゼーション構造は、第1のソース163(S1)を第2のドレイン164(D2)に電気的に結合する導電性配路特徴151を含む。動作において、第1のドレイン161、D1が基板104及び第1のゲート162に対して高電圧であるとき、G1は、第1のトランジスタ101の閾値電圧を上回る電圧にあり、図1に170で示されるように、窒化ガリウム層118の頂部表面及びその近傍のチャネル領域内に電子が形成される。正孔注入器構造126の導電性構造131における高いドレイン電圧は、pドープされた窒化ガリウム構造124からの正孔の注入を引き起こす。注入された正孔は、第1のトランジスタ101に対する垂直電界バックゲート効果を緩和するために、図1に172で示される、バック障壁層116の界面115に近接する窒化ガリウム層118の底部側又はその付近のバッファ内に正孔層を形成する。
【0036】
図2は、別の電子デバイス200の部分断面側部立面図を示し、電子デバイス200は、バッファ構造と窒化ガリウム層との間に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を有する第1及び第2のエンハンスメントモード窒化ガリウムトランジスタ201及び202と、ヘテロエピタキシー構造の上にあり、第1のトランジスタのドレインコンタクトと係合する正孔注入器構造とを備える。電子デバイス200は、第1のトランジスタ201に対する垂直電界バックゲート効果を緩和するために、正孔を注入して、バック障壁とバッファ構造との界面に近接する正孔層を形成する、正孔注入器構造とバック障壁とを含む。電子デバイス200は、半導体基板204の上に形成されるバッファスタックを含む層のエピタキシー成長されたスタックを含む。スタック構造の個々の層は、本明細書において、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウムなどとして記載され、個々の層は、単独で、又は、少量の不純物、アーティファクト、又は、例えば、半導体製品の製造業者に関連する個々の処理工程の後に残存し得る材料などの他の材料が更に存在する、指定された構成材料であるか又はそれを含む、任意の適切な化学量論組成のものであり得る。例示のスタックは、基板204の上に窒化アルミニウム層206を含む。一例において、窒化アルミニウム層206は、基板204の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層206と基板204との間に存在し得る。一例において、窒化アルミニウム層206の厚みは300~600nmである。
【0037】
多層傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック208が、窒化アルミニウム層206の上に延在する。バッファスタック208は、この例では、窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む、3つの層を含む。他の例において、異なる数の2つ又はそれ以上の組成傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック層を用いることができる。異なる例において、単一又は二重超格子バッファ構造(図示せず)など、異なるバッファスタック構成を用いることができる。図2の例において、バッファスタック208は、窒化アルミニウム層206の上に第1の窒化アルミニウムガリウム層211を含む。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム層211は、窒化アルミニウム層206の上側又は頂部側上に直接延在されてそれに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第1の窒化アルミニウムガリウム層211と窒化アルミニウム層206との間に存在し得る。組成傾斜AlGaNバッファスタック208はまた、第1の窒化アルミニウムガリウム層211の上に第2の窒化アルミニウムガリウム層212を含む。一例において、第2の窒化アルミニウムガリウム層212は、第1の窒化アルミニウムガリウム層211の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第2の窒化アルミニウムガリウム層212と第1の窒化アルミニウムガリウム層211との間に存在し得る。第2の窒化アルミニウムガリウム層212の上に第3の窒化アルミニウムガリウム層213が延在する。一例において、第3の窒化アルミニウムガリウム層213は、第2の窒化アルミニウムガリウム層212の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第3の窒化アルミニウムガリウム層213と第2の窒化アルミニウムガリウム層212との間に存在し得る。
【0038】
一例において、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック208は、窒化アルミニウム層206の上の第1のアルミニウム濃度を有する第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層211と、第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層211の上の第1のアルミニウム濃度より小さい第2のアルミニウム濃度を有する第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層212と、第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層212の上の第2のアルミニウム濃度より小さい第3のアルミニウム濃度を有する第3の窒化アルミニウムガリウムサブ層213とを含む。一例において、第1のアルミニウム濃度は60~70%であり、第2のアルミニウム濃度は40~50%であり、第3のアルミニウム濃度は20~30%である。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム層211は300~600nmの厚みを有し、第2の窒化アルミニウムガリウム層212は1.4~1.8μmの厚みを有し、第3の窒化アルミニウムガリウム層213は1.4~2.0μmの厚みを有する。
【0039】
電子デバイス200は更に、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック208の上の窒化ガリウム層214を含む。一例において、窒化ガリウム層214は0.5~2.0μmの厚みを有する。この例又は別の例において、窒化ガリウム層214は0.1~1.0μmの厚みを有する。一実装において、窒化ガリウム層214は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層214は、第3の窒化アルミニウムガリウム層213の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層214と第3の窒化アルミニウムガリウム層213との間に存在し得る。
【0040】
電子デバイス200はまた、バッファ構造の上のバック障壁層216を含む。バック障壁層216は、一例において、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、バック障壁層216は、窒化ガリウム層214の頂部側とバック障壁層216の底部側との間の界面215において、窒化ガリウム層214の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、バック障壁層216と窒化ガリウム層214との間に存在し得る。バック障壁層216は、例えば、20nm~5μmなど、数十nm~数μmの厚み217を有する。別の例において、バック障壁層216は、任意の適切な化学量論の、窒化アルミニウム、インジウム窒化アルミニウム、又はインジウム窒化アルミニウムガリウムであるか、又はそれを含む。
【0041】
上側窒化ガリウム層218は、バック障壁層216の上に延在する。層218は、任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化ガリウム層218は、0.1~1.0μmの厚み219を有する。一実装において、窒化ガリウム層218は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層218は、バック障壁層216の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層218とバック障壁層216との間に存在し得る。
【0042】
電子デバイス200はまた、窒化ガリウム層218の上の窒化アルミニウム層220と、窒化アルミニウム層220の上の窒化アルミニウムガリウム層221とを有する、ヘテロエピタキシー構造を含む。一例において、層220は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウム層220は、窒化ガリウム層218の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層220と窒化ガリウム層218との間に存在し得る。この例又は別の例において、層221は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウムガリウム層221は、窒化アルミニウム層220の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウムガリウム層221と窒化アルミニウム層220との間に存在し得る。窒化アルミニウムガリウム層221と窒化アルミニウム層220との界面におけるヘテロ接合は、二次元電子ガス領域222を形成する。一例において、層220及び221を含むヘテロエピタキシー構造は、10~30nmの総厚223を有する。電子デバイス200はまた、図示される実装において、エンハンスメントモードハイサイドの第1のトランジスタ201と、エンハンスメントモードローサイドの第2トランジスタ202とを含む、1つ又は複数のトランジスタを含む。
【0043】
種々のバッファ層及びヘテロエピタキシー構造の層は、一例において、エピタキシャル成長堆積プロセス、例えば、構成層を形成する変数及び材料が全体にわたって変化する或る連続エピタキシャル堆積プロセスを、及び/又は、2つ又はそれ以上の順次的なエピタキシャル堆積プロセスを用いて、一例において約5.1μmの総厚で製造される。エンハンスメントモードトランジスタ201において、層220及び221を含むヘテロエピタキシー構造は、約10~30nmの総厚を有し、エンハンスメントモードトランジスタ202におけるヘテロエピタキシー構造は、約10~20nmの総厚を有する。一例において、窒化アルミニウム層220は約10Å(1nm)の厚みを有し、窒化アルミニウムガリウム層221は約20nmの厚みを有する。図示される例において、窒化ガリウム層218は、約0.1~1.0μmの厚みを有する。一例において、窒化アルミニウムガリウム層221は、約26%のアルミニウム濃度を有する。
【0044】
電子デバイス200は、窒化アルミニウムガリウム層221の上にドープされた窒化ガリウム構造224を有する正孔注入器構造226を含む。また、正孔注入器構造226は、ドープされた窒化ガリウム構造224の部分的に上にあり、それに接する導電性構造を含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造224は、p型不純物(マグネシウム又は他のp型不純物を含むp-GaN)が注入された任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造224は、窒化アルミニウムガリウム層221の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、ドープされた窒化ガリウム構造224と窒化アルミニウムガリウム層221との間に存在し得る。一例において、pドープされた窒化ガリウム層224は、マグネシウムドーパントを含み、一実装において約70nmなど、50~200nmの厚みを有する。
【0045】
この場合の導電性構造は、タングステン、銅、アルミニウム、又は他の導電性金属であるか又はそれを含む、導電性の第1のドレインコンタクトである。電子デバイス200は更に、トランジスタ201と202との間で、窒化アルミニウムガリウム層221、窒化アルミニウム層220、窒化ガリウム層218、及びバック障壁層216を介して下方に延在し、部分的に窒化ガリウム層214内に延在する、任意の適切な化学量論の二酸化ケイ素などの絶縁構造228を含む。この例又は別の例において、トランジスタ201とトランジスタ202との間の絶縁は、注入(図示せず)によって行われる。
【0046】
電子デバイス200はまた、例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素を含む第1のプリメタル誘電体(例えば、PMD)層230を有するメタライゼーション構造を含み、ドープされた窒化ガリウム構造224を少なくとも部分的に覆う第1のトランジスタ201の第1のドレインコンタクト又は電極231を含む、様々な導電性金属構造がその中に形成される。一例において、導電性構造231は、ドープされた窒化ガリウム構造224の上側又は頂部側の少なくとも一部の上に直接延在し、ドープされた窒化ガリウム構造224の上側又は頂部側の少なくとも一部に接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、導電性構造231とドープされた窒化ガリウム構造224との間に存在し得る。
【0047】
また、PMD層又はレベルは、第1のトランジスタ201の第1のソースコンタクト又は電極232と、第1のトランジスタ201の第1のゲートコンタクト又は電極234とを含む。PMD層又はレベルはまた、第2のトランジスタ202の第2のドレインコンタクト又は電極235と、第2のトランジスタ202の第2のソースコンタクト又は電極236と、第2のトランジスタ202の第2のゲートコンタクト又は電極238と、PMD層230を介して延在し、第2のメタライゼーション構造レベルにおいて配路するための様々なトランジスタ端子の電気的相互接続を提供する、1つ又は複数の導電性コンタクト又はビア239とを含む。それぞれの第1及び第2のトランジスタ201及び202の導電性ドレイン及びソースコンタクト231、235、232、236は、ヘテロエピタキシー構造220、221内に部分的に延在し、それぞれの第1及び第2のトランジスタ201及び202の導電性ゲートコンタクト234及び238は、ヘテロエピタキシー構造220、221上に延在し、それらに接する。
【0048】
図2の電子デバイス200において、第1及び第2のトランジスタ201、202はエンハンスメントモードトランジスタである。第1のゲート262、G1は、ヘテロエピタキシー構造220、221の窒化アルミニウムガリウム層221の上に延在し、それに接する、第1のドープされた窒化ガリウムゲート構造224(例えば、pドープGaN)を含み、第1の導電性ゲートコンタクト構造234は、第1のドープされた窒化ガリウムゲート構造224の上に延在する。第2のゲート265、G2は、ヘテロエピタキシー構造220、221の窒化アルミニウムガリウム層221の上に延在し、それに接する、第2のドープされた窒化ガリウムゲート構造224(例えば、pドープGaN)と、第2のドープされた窒化ガリウムゲート構造224の上に延在する第2の導電性ゲートコンタクト構造284とを含む。
【0049】
図2における電子デバイス200は更に、1つ又は複数の導電性配路特徴251(例えば、アルミニウム、銅など)有する誘電体層250(例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素)備える第2のメタライゼーション構造レベルを含み、これは、例えば、ドレイン、ソース、及びゲート接続及び関連する信号の配路を、互いに、及び/又は導電性ボンドパッドに、又は他の外部に露出された導電性特徴に提供するためのものであり、それにより、トランジスタ201及び202が、例えば、パッケージ化された電子デバイス内のピン又はパッドなどの、集積回路リードへのボンドワイヤ又はリードフレーム電気的接続を用いて、他の回路要素と電気的に相互接続され得る。
【0050】
この例における第1のトランジスタ201は、第1のドレイン端子又はリード261(D1)と、第1のゲート端子又はリード262(G1)と、第1のソース端子又はリード263(S1)とを有する。第2のトランジスタ202は、第2のドレイン端子又はリード264(D2)と、第2のゲート端子又はリード265(G2)と、第2のソース端子又はリード266(S2)とを有し、端子は、一例において、パッケージング後に完成した電子デバイス200の導電性リードに電気的に結合される。トランジスタ端子は、本明細書において、関連する導電性の接触性コンタクト、ビア、導電性のコンタクト配路特徴、及び/又はそれらの導電性のコンタクトリードに関して、ドレイン、ゲート、ソースなどと呼ばれることがある。
【0051】
図示される例において、第1のドレイン261、D1は、ヘテロエピタキシー構造220、221内に部分的に延在し、第1のゲート262、G1は、ヘテロエピタキシー構造220、221の上に延在し、第1の方向(例えば、図の「X」方向)に沿って第1のドレイン261、D1から横方向に離間されている。第1のソース263、S1は、ヘテロエピタキシー構造220、221内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第1のゲート262、G1から横方向に離間されている。第2のドレイン264、D2は、ヘテロエピタキシー構造220、221内に部分的に延在し、図2における導電性配路機構251によって第1のソース263、S1に結合されて、スイッチングノードSWを形成する。第2のゲート265、G2は、ヘテロエピタキシー構造220、221の上に延在し、第1の方向Xに沿って第2のドレイン264、D2から横方向に離間されている。第2のソース266、S2は、ヘテロエピタキシー構造220、221内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第2のゲート265、G2から横方向に離間されている。
【0052】
図2の電子デバイス200において、第1及び第2のトランジスタ201及び202はエンハンスメントモードトランジスタであり、第1及び第2のゲート262及び265(G1及びG2)は、ヘテロエピタキシー構造220、221のAlGaN層221の上でそれぞれのpドープGaN構造224上に延在し、それに接する、それぞれのゲートコンタクト構造234及び238を含む。更に、この例において、正孔注入器構造226の導電性構造231は、第1のドレイン261(D1)に結合される。この例では、正孔注入器構造226は、第1のドレイン261(D1)に隣接し、それに接し、メタライゼーション構造は、第1のソース263(S1)を第2のドレイン264(D2)に電気的に結合する導電性配路特徴251を含む。動作において、第1のドレイン261、D1が基板204及び第1のゲート262に対して高電圧であるとき、G1は、第1のトランジスタ201の閾値電圧を上回る電圧であり、図2において270で示される、窒化ガリウム層218の頂部表面における及びその付近のチャネル領域内に電子が形成される。正孔注入器構造226の導電性構造231における高いドレイン電圧は、pドープされた窒化ガリウム構造224からの正孔の注入を引き起こす。注入された正孔は、第1のトランジスタ201に対する垂直電界バックゲート効果を緩和するために、図2に272で示される、バック障壁層216の界面215に近接する窒化ガリウム層218の底部側における又はその付近のバッファ内に正孔層を形成する。
【0053】
図3は、別の例示の電子デバイス300の部分断面側部立面図を示し、電子デバイス300は、バッファ構造と窒化ガリウム層との間に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を有する第1及び第2(例えば、ハイサイド及びローサイドの)デプリーションモード窒化ガリウム電界効果トランジスタ301及び302と、第1のトランジスタのドレインコンタクトから横方向に外方に間隔をあけてヘテロエピタキシー構造の上に配置された正孔注入器構造とを有する。電子デバイス300は、シリコンなどの半導体基板304を含む。正孔注入器構造は、第1のトランジスタ301に対する垂直電界バックゲート効果を緩和するために、正孔を注入して、バック障壁とバッファ構造との界面に近接する正孔層を形成する。この構成は、この高電界に関連するバックゲート効果を回避又は軽減するのに役立ち、電子デバイス300の動作中の第1のトランジスタ301の低減されたRDSONを回避又は軽減するのに役立つ。
【0054】
電子デバイス300は、半導体基板304の上に形成されたバッファスタックを含むエピタキシー成長された層のスタックを含む。スタック構造の個々の層は、本明細書において、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウムなどとして記載され、個々の層は、単独で、又は、少量の不純物、アーティファクト、又は、例えば、半導体製品の製造業者に関連する個々の処理工程の後に残存し得る他の材料などが更に存在する、指定された構成材料であるか又はそれを含む、任意の適切な化学量論組成のものであり得る。例示のスタックは、基板304の上の窒化アルミニウム層306を含む。一例において、窒化アルミニウム層306は、基板304の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が窒化アルミニウム層306と基板304との間に存在し得る。一例において、窒化アルミニウム層306の厚みは300~600nmである。
【0055】
多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック308は、窒化アルミニウム層306の上に延在する。バッファスタック308は、この例では窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む、3つの層を含む。他の例において、異なる数の2つ又はそれ以上の組成傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック層を用いることができる。異なる例において、単一又は二重超格子バッファ構造(図示せず)など、異なるバッファスタック構成を用いることができる。図3の例において、バッファスタック308は、窒化アルミニウム層306の上の第1の窒化アルミニウムガリウム層311を含む。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム311は、窒化アルミニウム306の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第1の窒化アルミニウムガリウム層311と窒化アルミニウム層306との間に存在し得る。組成傾斜AlGaNバッファスタック308はまた、第1の窒化アルミニウムガリウム層311の上の第2の窒化アルミニウムガリウム層312を含む。一例において、第2の窒化アルミニウムガリウム層312は、第1の窒化アルミニウムガリウム層311の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第2の窒化アルミニウムガリウム層312と第1の窒化アルミニウムガリウム層311との間に存在し得る。第3の窒化アルミニウムガリウム層313が、第2の窒化アルミニウムガリウム層312の上に延在する。一例において、第3の窒化アルミニウムガリウム層313は、第2の窒化アルミニウムガリウム層312の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第3の窒化アルミニウムガリウム層313と第2の窒化アルミニウムガリウム層312との間に存在し得る。
【0056】
一例において、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック308は、窒化アルミニウム層306の上の第1のアルミニウム濃度を有する第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層311と、第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層311の上の第1のアルミニウム濃度より小さい第2のアルミニウム濃度を有する第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層312と、第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層312の上の第2のアルミニウム濃度より小さい第3のアルミニウム濃度を有する第3の窒化アルミニウムガリウムサブ層313とを含む。一例において、第1のアルミニウム濃度は60~70%であり、第2のアルミニウム濃度は40~50%であり、第3のアルミニウム濃度は20~30%である。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム層311は300~600nmの厚みを有し、第2の窒化アルミニウムガリウム層312は1.4~1.8μmの厚みを有し、第3の窒化アルミニウムガリウム層313は1.4~2.0μmの厚みを有する。
【0057】
電子デバイス300は更に、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック308の上の窒化ガリウム層314を含む。一例において、窒化ガリウム層314は0.5~2.0μmの厚みを有する。この例又は別の例において、窒化ガリウム層314は0.1~1.0μmの厚みを有する。一実装において、窒化ガリウム層314は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層314は、第3の窒化アルミニウムガリウム層313の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層314と第3の窒化アルミニウムガリウム層313との間に存在し得る。
【0058】
電子デバイス300はまた、バッファ構造の上のバック障壁層316を含む。バック障壁層316は、一例において、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、バック障壁層316は、窒化ガリウム層314の頂部側とバック障壁層316の底部側との間の界面315において、窒化ガリウム層314の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、バック障壁層316と窒化ガリウム層314との間に存在し得る。バック障壁層316は、例えば、20nm~5μmなど、数十nm~数μmの厚み317を有する。別の例において、バック障壁層316は、任意の適切な化学量論の、窒化アルミニウム(AlN)、インジウム窒化アルミニウム(InAlN)、又はインジウム窒化アルミニウムガリウム(InAlGaN)であるか、又はそれを含む。
【0059】
上側窒化ガリウム層318が、バック障壁層316の上に延在する。層318は、任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化ガリウム層318は0.1~1.0μmの厚み319を有する。一実装において、窒化ガリウム層318は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層318は、バック障壁層316の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層318とバック障壁層316との間に存在し得る。
【0060】
電子デバイス300はまた、窒化ガリウム層318の上の窒化アルミニウム層320と、窒化アルミニウム層320の上の窒化アルミニウムガリウム層321とを有する、ヘテロエピタキシー構造を含む。一例において、層320は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウム層320は、窒化ガリウム層318の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層320と窒化ガリウム層318との間に存在し得る。この例又は別の例において、層321は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウムガリウム層321は、窒化アルミニウム層320の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウムガリウム層321と窒化アルミニウム層320との間に存在し得る。窒化アルミニウムガリウム層321と窒化アルミニウム層320との界面におけるヘテロ接合は、二次元電子ガス領域322を形成する。一例において、層320及び321を含むヘテロエピタキシー構造は、10~30nmの総厚323を有する。電子デバイス300はまた、図示される実装において、デプリーションモードハイサイドの第1のトランジスタ301とデプリーションモードローサイドの第2トランジスタ302とを含む、1つ又は複数のトランジスタを含む。
【0061】
種々のバッファ層及びヘテロエピタキシー構造の層は、一例において、エピタキシャル成長堆積プロセス、例えば、構成層を形成する変数及び材料が全体にわたって変化する或る連続エピタキシャル堆積プロセスを、及び/又は、2つ又はそれ以上の順次的なエピタキシャル堆積プロセスを用いて、一例において約5.1μmの総厚で製造される。デプリーションモードトランジスタ301において、層320及び321を含むヘテロエピタキシー構造は、約10~30nmの総厚を有し、エンハンスメントモードトランジスタ302におけるヘテロエピタキシー構造は、約10~20nmの総厚を有する。一例において、窒化アルミニウム層320は約10Å(1nm)の厚みを有し、窒化アルミニウムガリウム層321は約20nmの厚みを有する。図示される例において、窒化ガリウム層318は、約0.1~1.0μmの厚みを有する。一例において、窒化アルミニウムガリウム層321は、約26%のアルミニウム濃度を有する。
【0062】
電子デバイス300は、窒化アルミニウムガリウム層321の上のドープされた窒化ガリウム構造324を有する正孔注入器構造326を含む。また、正孔注入器構造326は導電性構造325を含み、導電性構造325は、ドープされた窒化ガリウム構造324の部分的に上にあり、それに接する、コンタクト又はビアとして形成される。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造324は、p型不純物(マグネシウム又は他のp型不純物を含む。p-GaN)が注入された任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造324は、窒化アルミニウムガリウム層321の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、ドープされた窒化ガリウム構造324と窒化アルミニウムガリウム層321との間に存在し得る。一例において、pドープされた窒化ガリウム層324は、マグネシウムドーパントを含み、一実装おいて約70nmなど、50~200nmの厚みを有する。導電性構造325は、タングステン、銅、アルミニウム、又は他の導電性金属であるか、又はそれを含む。電子デバイス300は更に、トランジスタ301と302との間で、窒化アルミニウムガリウム層321、窒化アルミニウム層320、窒化ガリウム層318、及びバック障壁層316を介して下方に延在し、部分的に窒化ガリウム層314内に延在する、任意の適切な化学量論の二酸化ケイ素などの絶縁構造328を含む。この例又は別の例において、トランジスタ301とトランジスタ302との間の絶縁は、注入(図示せず)によって行われる。
【0063】
電子デバイス300はまた、例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素を含む第1のプリメタル誘電体(例えば、PMD)層330を有するメタライゼーション構造を含み、導電性構造325を含む様々な導電性金属構造がその中に形成される。一例において、導電性構造325は、ドープされた窒化ガリウム構造324の上側又は頂部側の少なくとも一部の上に直接延在し、ドープされた窒化ガリウム構造324の上側又は頂部側の少なくとも一部に接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、導電性構造325とドープされた窒化ガリウム構造324との間に存在し得る。
【0064】
また、PMD層又はレベルは、第1のトランジスタ301の第1のドレインコンタクト又は電極331と、第1のトランジスタ301の第1のソースコンタクト又は電極332と、第1のトランジスタ301の第1のゲートコンタクト又は電極334とを含む。PMD層又はレベルは更に、第2のトランジスタ302の第2のドレインコンタクト又は電極335と、第2のトランジスタ302の第2のソースコンタクト又は電極336と、第2のトランジスタ302の第2のゲートコンタクト又は電極338と、PMD層330を介して延在し、第2のメタライゼーション構造レベルにおいて配路するための様々なトランジスタ端子の電気的相互接続を提供する、1つ又は複数の導電性コンタクト又はビア339とを含む。それぞれの第1及び第2のトランジスタ301及び302の導電性ドレイン及びソースコンタクト331、335、332、336は、ヘテロエピタキシー構造320、321内に部分的に延在し、それぞれの第1及び第2のトランジスタ301及び302の導電性ゲートコンタクト334及び338は、ヘテロエピタキシー構造320、321上に延在し、それらに接する。
【0065】
図3における電子デバイス300は更に、1つ又は複数の導電性配路特徴351(例えば、アルミニウム、銅など)を有する誘電体層350を備える第2のメタライゼーション構造レベルを含み、これは、例えば、ドレイン、ソース、及びゲート接続及び関連する信号の配路を、互いに、及び/又は導電性ボンドパッドに、又は他の外部に露出された導電性特徴に、提供するためものであり、それにより、トランジスタ301及び302が、例えば、パッケージ化された電子デバイス内のピン又はパッドなどの、集積回路リードへのボンドワイヤ又はリードフレーム電気的接続を用いて、他の回路要素と電気的に相互接続され得る。
【0066】
この例における第1のトランジスタ301は、第1のドレイン端子又はリード361(D1)、第1のゲート端子又はリード362(G1)、及び第1のソース端子又はリード363(S1)を有する。第2のトランジスタ302は、第2のドレイン端子又はリード364(D2)、第2のゲート端子又はリード365(G2)、及び第2のソース端子又はリード366(S2)を有し、端子は、一例において、パッケージング後に完成した電子デバイス300の導電性リードに電気的に結合される。図示される例において、第1のドレイン361、D1は、ヘテロエピタキシー構造320、321内に部分的に延在し、第1のゲート362、G1は、ヘテロエピタキシー構造320、321の上に延在し、第1の方向(例えば、図の「X」方向)に沿って第1のドレイン361、D1から横方向に離間されている。第1のソース363、S1は、ヘテロエピタキシー構造320、321内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第1のゲート362、G1から横方向に離間されている。第2のドレイン364、D2は、ヘテロエピタキシー構造320、321内に部分的に延在し、図3における導電性配路機構351によって第1のソース363、S1に結合されて、スイッチングノードSWを形成する。第2のゲート365、G2は、ヘテロエピタキシー構造320、321の上に延在し、第1の方向Xに沿って第2のドレイン364、D2から横方向に離間されている。第2のソース366、S2は、ヘテロエピタキシー構造320、321内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第2のゲート365、G2から横方向に離間されている。
【0067】
更に、この例では、正孔注入器構造326は、第1のドレイン361(D1)から横方向に離間され、第1のドレイン361(D1)は正孔注入器構造326と第1のゲート362(G1)との間で第1の方向Xに沿って横方向に離間される。更に、この例のメタライゼーション構造は、正孔注入器構造326を第1のゲート362(G1)に電気的に結合する。動作において、第1のトランジスタ301がオンになると、正孔注入器構造326は、正孔をGaN層318内に下方に注入するように動作する。別の実装において、正孔注入器構造326の導電性構造325は、例えば、第1のトランジスタ301をオンにするために第1のゲート362(G1)が電力供給されるとき、正の電圧信号を正孔注入器構造326に選択的に提供するために、制御電圧ノード(図示せず)に結合される。
【0068】
図3の電子デバイス300において、第1及び第2のトランジスタ301及び302がデプリーションモードトランジスタであり、第1及び第2のゲート362及び365(G1及びG2)は、ヘテロエピタキシー構造320、321のAlGaN層321上に延在し、これに接する、それぞれのゲートコンタクト構造334及び338を含む。更に、この例では、正孔注入器構造326の導電性構造325は第1のゲート362(G1)に結合される。この例において、メタライゼーション構造は第1のソース363(S1)を第2のドレイン364(D2)に電気的に結合する導電性配路特徴351を含む。動作において、第1トランジスタ301がオンにされ、第1のドレインD1が基板304及び第1のゲート362に対して高電圧であるとき、G1は、第1トランジスタ301の閾値電圧より高い電圧であり、図3に370で示されるように、窒化ガリウム層318の頂部表面における及びその近傍のチャネル領域に電子が形成される。正孔注入器構造326の導電性構造325における電圧は、pドープされた窒化ガリウム構造324からの正孔の注入を引き起こす。注入された正孔は、第1のトランジスタ301に対する垂直電界バックゲート効果を緩和するために、図3に372で示される、バック障壁層316の界面315に近接する窒化ガリウム層318の底部側又はその付近のバッファ内に正孔層を形成する。
【0069】
図4は、第1及び第2のエンハンスメントモード窒化ガリウムトランジスタ401及び402を有する、別の電子デバイス400の部分断面側部立面図を、バッファ構造と窒化ガリウム層との間の窒化アルミニウムガリウムバック障壁層と、第1のトランジスタのドレインコンタクトから横方向に外方に離間され、ヘテロエピタキシー構造の上にある、正孔注入器構造ととともに示す。電子デバイス400は、半導体基板404の上に形成されたバッファスタックを含むエピタキシー成長された層のスタックを含む。スタック構造の個々の層は、本明細書では窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウムなどとして記載され、個々の層は、単独で、又は少量の不純物、アーティファクト、又は、例えば、半導体製品の製造業者に関連する個々の処理工程の後に残存し得る材料などの他の材料が更に存在する、指定された構成材料であるか又はそれを含む、任意の適切な化学量論組成のものであり得る。例示のスタックには、基板404の上の窒化アルミニウム層406が含まれる。一例において、窒化アルミニウム層406は、基板404の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層406と基板404との間に存在し得る。一例において、窒化アルミニウム層406の厚みは300~600nmである。
【0070】
多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック408が、窒化アルミニウム層406の上に延在する。バッファスタック408は、この例では窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む、3つの層を含む。他の例において、異なる数の2つ又はそれ以上の組成傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック層を用いることができる。異なる例において、単一又は二重超格子バッファ構造(図示せず)など、異なるバッファスタック構成を用いることができる。図4の例において、バッファスタック408は、窒化アルミニウム層406の上の第1の窒化アルミニウムガリウム層411を含む。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム411は、窒化アルミニウム406の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第1の窒化アルミニウムガリウム層411と窒化アルミニウム層406との間に存在し得る。組成傾斜AlGaNバッファスタック408はまた、第1の窒化アルミニウムガリウム層411の上の第2の窒化アルミニウムガリウム層412を含む。一例において、第2の窒化アルミニウムガリウム層412は、第1の窒化アルミニウムガリウム層411の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第2の窒化アルミニウムガリウム層412と第1の窒化アルミニウムガリウム層411との間に存在し得る。第3の窒化アルミニウムガリウム層413は、第2の窒化アルミニウムガリウム層412の上に延在する。一例において、第3の窒化アルミニウムガリウム層413は、第2の窒化アルミニウムガリウム層412の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第3の窒化アルミニウムガリウム層413と第2の窒化アルミニウムガリウム層412との間に存在し得る。
【0071】
一例において、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック408は、窒化アルミニウム層406の上の第1のアルミニウム濃度を有する第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層411と、第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層411の上の第1のアルミニウム濃度より小さい第2のアルミニウム濃度を有する第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層412と、第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層412の上の第2のアルミニウム濃度より小さい第3のアルミニウム濃度を有する第3の窒化アルミニウムガリウムサブ層413とを含む。一例において、第1のアルミニウム濃度は60~70%であり、第2のアルミニウム濃度は40~50%であり、第3のアルミニウム濃度は20~30%である。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム層411は300~600nmの厚みを有し、第2の窒化アルミニウムガリウム層412は1.4~1.8μmの厚みを有し、第3の窒化アルミニウムガリウム層413は1.4~2.0μmの厚みを有する。
【0072】
電子デバイス400は更に、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック408の上の窒化ガリウム層414を含む。一例において、窒化ガリウム層414は0.5~2.0μmの厚みを有する。この例又は別の例において、窒化ガリウム層414は0.1~1.0μmの厚みを有する。一実装において、窒化ガリウム層414は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層414は、第3の窒化アルミニウムガリウム層413の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層414と第3の窒化アルミニウムガリウム層413との間に存在し得る。
【0073】
電子デバイス400はまた、バッファ構造の上のバック障壁層416を含む。バック障壁層416は、一例において、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、バック障壁層416は、窒化ガリウム層414の頂部側とバック障壁層416の底部側との間の界面415において、窒化ガリウム層414の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、バック障壁層416と窒化ガリウム層414との間に存在し得る。バック障壁層416は、例えば、20nm~5μmなど、数十nm~数μmの厚み417を有する。別の例において、バック障壁層416は、任意の適切な化学量論の、窒化アルミニウム、インジウム窒化アルミニウム、又はインジウム窒化アルミニウムガリウムであるか、又はそれを含む。
【0074】
上側窒化ガリウム層418が、バック障壁層416の上に延在する。層418は、任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化ガリウム層418は、0.1~1.0μmの厚み419を有する。一実装において、窒化ガリウム層418は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層418は、バック障壁層416の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層418とバック障壁層416との間に存在し得る。
【0075】
電子デバイス400はまた、窒化ガリウム層418の上の窒化アルミニウム層420と、窒化アルミニウム層420の上の窒化アルミニウムガリウム層421とを有する、ヘテロエピタキシー構造を含む。一例において、層420は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウム層420は、窒化ガリウム層418の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層420と窒化ガリウム層418との間に存在し得る。この例又は別の例において、層421は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウムガリウム層421は、窒化アルミニウム層420の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウムガリウム層421と窒化アルミニウム層420との間に存在し得る。窒化アルミニウムガリウム層421と窒化アルミニウム層420との界面におけるヘテロ接合は、二次元電子ガス領域422を形成する。一例において、層420及び421を含むヘテロエピタキシー構造は、10~30nmの総厚423を有する。電子デバイス400はまた、図示される実装において、デプリーションモードハイサイドの第1のトランジスタ401と、デプリーションモードローサイドの第2トランジスタ402とを含む、1つ又は複数のトランジスタを含む。
【0076】
種々のバッファ層及びヘテロエピタキシー構造の層は、一例において、エピタキシャル成長堆積プロセス、例えば、構成層を形成する変数及び材料が全体にわたって変化する或る連続エピタキシャル堆積プロセスを、及び/又は、2つ又はそれ以上の順次的なエピタキシャル堆積プロセスを用いて、一例において約5.1μmの総厚で製造される。デプリーションモードトランジスタ401において、層420及び421を含むヘテロエピタキシー構造は、約10~30nmの総厚を有し、エンハンスメントモードトランジスタ402におけるヘテロエピタキシー構造は、約10~20nmの総厚を有する。一例において、窒化アルミニウム層420は約10Å(1nm)の厚みを有し、窒化アルミニウムガリウム層421は約20nmの厚みを有する。図示される例において、窒化ガリウム層418は、約0.1~1.0μmの厚みを有する。一例において、窒化アルミニウムガリウム層421は、約26%のアルミニウム濃度を有する。
【0077】
電子デバイス400は、窒化アルミニウムガリウム層421の上のドープされた窒化ガリウム構造424を有する正孔注入器構造426を含む。また、正孔注入器構造426は、ドープされた窒化ガリウム構造424の部分的に上にあり、それに接する、コンタクト又はビアとして形成された導電性構造425を含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造424は、p型不純物(マグネシウム又は他のp型不純物を含む、p-GaN)が注入された任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造424は、窒化アルミニウムガリウム層421の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、ドープされた窒化ガリウム構造424と窒化アルミニウムガリウム層421との間に存在し得る。一例において、pドープされた窒化ガリウム層424は、マグネシウムドーパントを含み、一実装において約70nmなど、50~200nmの厚みを有する。導電性構造425は、タングステン、銅、アルミニウム、又は他の導電性金属であるか又はそれを含む。電子デバイス400は更に、トランジスタ401と402との間で、窒化アルミニウムガリウム層421、窒化アルミニウム層420、窒化ガリウム層418、及びバック障壁層416を介して下方に延在し、部分的に窒化ガリウム層414内に延在する、任意の適切な化学量論の二酸化ケイ素などの絶縁構造428を含む。この例又は別の例において、トランジスタ401とトランジスタ402との間の絶縁は、注入(図示せず)によって行われる。
【0078】
電子デバイス400はまた、例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素を含む第1のプリメタル誘電体(例えば、PMD)層430を有するメタライゼーション構造を含み、導電性構造425を含む様々な導電性金属構造がその中に形成される。一例において、導電性構造425は、ドープされた窒化ガリウム構造424の上側又は頂部側の少なくとも一部の上に直接延在し、ドープされた窒化ガリウム構造424の上側又は頂部側の少なくとも一部に接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、導電性構造425とドープされた窒化ガリウム構造424との間に存在し得る。
【0079】
また、PMD層又はレベルは、第1のトランジスタ401の第1のドレインコンタクト又は電極431と、第1のトランジスタ401の第1のソースコンタクト又は電極432と、第1のトランジスタ401の第1のゲートコンタクト又は電極434とを含む。PMD層又はレベルは更に、第2のトランジスタ402の第2のドレインコンタクト又は電極435と、第2のトランジスタ402の第2のソースコンタクト又は電極436と、第2のトランジスタ402の第2のゲートコンタクト又は電極438と、PMD層430を介して延在し、第2のメタライゼーション構造レベルにおいて配路するための様々なトランジスタ端子の電気的相互接続を提供する、1つ又は複数の導電性コンタクト又はビア439とを含む。それぞれの第1及び第2のトランジスタ401及び402の導電性ドレイン及びソースコンタクト431、435、432、436は、ヘテロエピタキシー構造420、421内に部分的に延在し、それぞれの第1及び第2のトランジスタ401及び402の導電性ゲートコンタクト434及び438は、ヘテロエピタキシー構造420、421上に延在し、それらに接する。
【0080】
図4における電子デバイス400は更に、1つ又は複数の導電性配路特徴451(例えば、アルミニウム、銅など)を有する誘電体層450(例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素)を備える第2のメタライゼーション構造レベルを含み、これは、例えば、ドレイン、ソース、及びゲート接続及び関連する信号の配路を、互いに、及び/又は導電性ボンドパッドに、又は、他の外部に露出された導電性特徴に提供するためのものであり、それにより、トランジスタ401及び402が、例えば、パッケージ化された電子デバイス内のピン又はパッドなどの、集積回路リードへのボンドワイヤ又はリードフレーム電気的接続を用いて、他の回路要素と電気的に相互接続され得る。
【0081】
この例における第1のトランジスタ401は、第1のドレイン端子又はリード461(D1)、第1のゲート端子又はリード462(G1)、及び第1のソース端子又はリード463(S1)を有する。第2のトランジスタ402は、第2のドレイン端子又はリード464(D2)、第2のゲート端子又はリード465(G2)、及び第2のソース端子又はリード466(S2)を有し、端子は、一例において、パッケージング後に完成した電子デバイス400の導電性リードに電気的に結合される。図4の電子デバイス400において、第1及び第2のトランジスタ401及び402はエンハンスメントモードトランジスタであり、第1及び第2のゲート462及び465(G1及びG2)は、ヘテロエピタキシー構造420、421のAlGaN層421の上のそれぞれのpドープGaN構造424上に延在し、それに接する、それぞれのゲートコンタクト構造434及び438を含む。
【0082】
図示される例において、第1のドレイン461、D1は、ヘテロエピタキシー構造420、421内に部分的に延在し、第1のゲート462、G1は、ヘテロエピタキシー構造420、421の上でそれぞれのpドープGaN構造424上に延在し、それに接し、第1の方向(例えば、図の「X」方向)に沿って第1のドレイン461、D1から横方向に離間されている。第1のソース463、S1は、ヘテロエピタキシー構造420、421内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第1のゲート462、G1から横方向に離間されている。第2のドレイン464、D2は、ヘテロエピタキシー構造420、421内に部分的に延在し、図4における導電性配路機構451によって第1のソース463、S1に結合されて、スイッチングノードSWを形成する。第2のゲート465、G2は、ヘテロエピタキシー構造420、421の上でそれぞれのpドープGaN構造424の上に延在し、それに接し、第1の方向Xに沿って第2のドレイン464、D2から横方向に離間されている。第2のソース466、S2は、ヘテロエピタキシー構造420、421内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第2のゲート465、G2から横方向に離間されている。
【0083】
また、この例では、正孔注入器構造426は、第1のドレイン461(D1)から横方向にかつ横方向外向きに離間され、第1のドレイン461(D1)は、正孔注入器構造426と第1のゲート462(G1)との間で第1の方向Xに沿って横方向に離間される。また、この例のメタライゼーション構造は、正孔注入器構造426を第1のゲート462(G1)に電気的に結合する。動作において、第1のトランジスタ401がオンになると、正孔注入器構造426は、正孔をGaN層418内に下方に注入するように動作する。別の例において、正孔注入器構造426の導電性構造425は、例えば、第1のトランジスタ401をオンにするために第1のゲート462(G1)が電力供給されるとき、正の電圧信号を正孔注入器構造426に選択的に提供するために、制御電圧ノード(図示せず)に結合される。
【0084】
図4の電子デバイス400において、正孔注入器構造426の導電性構造425は、第1のゲート462(G1)に結合される。この例では、メタライゼーション構造は、第1のソース463(S1)を第2のドレイン464(D2)に電気的に結合する導電性配路特徴451を含む。動作において、第1トランジスタ401がオンにされ、第1のドレインD1が基板404及び第1のゲート462に対して高電圧であるとき、G1は、第1トランジスタ401の閾値電圧より高い電圧であり、図4に470で示されるように、窒化ガリウム層418の頂部表面における及びその近傍のチャネル領域に電子が形成される。正孔注入器構造426の導電性構造425における電圧は、pドープされた窒化ガリウム構造424からの正孔の注入を引き起こす。注入された正孔は、第1のトランジスタ401に対する垂直電界バックゲート効果を緩和するために、図4に472で示される、バック障壁層416の界面415に近接する窒化ガリウム層418の底部側又はその付近のバッファ内に正孔層を形成する。
【0085】
図5は、別の電子デバイス500の部分断面側部立面図を示し、これは、バッファ構造と窒化ガリウム層との間に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を有する第1及び第2のデプリーションモード窒化ガリウムトランジスタ501及び502と、第1のトランジスタのドレインコンタクトとゲートから横方向に離間されてそれらの間にあり、ヘテロエピタキシー構造の上にある正孔注入器構造とを有する。電子デバイス500は、シリコンなどの半導体基板504を含む。正孔注入器構造は、第1のトランジスタ501に対する垂直電界バックゲート効果を緩和するために、正孔を注入してバック障壁とバッファ構造との界面に近接する正孔層を形成する。この構成は、この高電界に関連するバックゲート効果を回避又は軽減するのに役立ち、電子デバイス500の動作の間の第1のトランジスタ501の低減されたRDSONを回避又は軽減するのに役立つ。
【0086】
電子デバイス500は、半導体基板504の上に形成されたバッファスタックを含むエピタキシー成長された層のスタックを含む。スタック構造の個々の層は、本明細書では、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウムなどとして記載され、個々の層は、単独で、又は少量の不純物、アーティファクト、又は、例えば、半導体製品の製造業者に関連する個々の処理工程の後に残存し得る材料などの他の材料が更に存在する、指定された構成材料であるか又はそれを含む、任意の適切な化学量論組成のものであり得る。例示のスタックには、基板504の上の窒化アルミニウム層506が含まれる。一例において、窒化アルミニウム層506は、基板504の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層506と基板504との間に存在し得る。一例において、窒化アルミニウム層506の厚みは300~600nmである。
【0087】
多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック508は、窒化アルミニウム層506の上に延在する。バッファスタック508は、この例では、窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む、3つの層を含む。他の例において、異なる数の2つ又はそれ以上の組成傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック層を用いることができる。異なる例において、単一又は二重超格子バッファ構造(図示せず)など、異なるバッファスタック構成を用いることができる。図5の例において、バッファスタック508は、窒化アルミニウム層506の上の第1の窒化アルミニウムガリウム層511を含む。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム層511は、窒化アルミニウム層506の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第1の窒化アルミニウムガリウム層511と窒化アルミニウム層506との間に存在し得る。組成傾斜AlGaNバッファスタック508はまた、第1の窒化アルミニウムガリウム層511の上の第2の窒化アルミニウムガリウム層512を含む。一例において、第2の窒化アルミニウムガリウム層512は、第1の窒化アルミニウムガリウム層511の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第2の窒化アルミニウムガリウム層512と第1の窒化アルミニウムガリウム層511との間に存在し得る。第2の窒化アルミニウムガリウム層512の上に第3の窒化アルミニウムガリウム層513が延在する。一例において、第3の窒化アルミニウムガリウム層513は、第2の窒化アルミニウムガリウム層512の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第3の窒化アルミニウムガリウム層513と第2の窒化アルミニウムガリウム層512との間に存在し得る。
【0088】
一例において、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック508は、窒化アルミニウム層506の上の第1のアルミニウム濃度を有する第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層511と、第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層511の上の第1のアルミニウム濃度より小さい第2のアルミニウム濃度を有する第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層512と、第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層512の上の第2のアルミニウム濃度より小さい第3のアルミニウム濃度を有する第3の窒化アルミニウムガリウムサブ層513とを含む。一例において、第1のアルミニウム濃度は60~70%であり、第2のアルミニウム濃度は40~50%であり、第3のアルミニウム濃度は20~30%である。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム層511は300~600nmの厚みを有し、第2の窒化アルミニウムガリウム層512は1.4~1.8μmの厚みを有し、第3の窒化アルミニウムガリウム層513は1.4~2.0μmの厚みを有する。
【0089】
電子デバイス500は更に、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック508の上の窒化ガリウム層514を含む。一例において、窒化ガリウム層514は、0.5~2.0μmの厚みを有する。この例又は別の例において、窒化ガリウム層514は、0.1~1.0μmの厚みを有する。一実装において、窒化ガリウム層514は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層514は、第3の窒化アルミニウムガリウム層513の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層514と第3の窒化アルミニウムガリウム層513との間に存在し得る。
【0090】
電子デバイス500はまた、バッファ構造の上のバック障壁層516を含む。バック障壁層516は、一例において、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、バック障壁層516は、窒化ガリウム層514の頂部側とバック障壁層516の底部側との間の界面515において、窒化ガリウム層514の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、バック障壁層516と窒化ガリウム層514との間に存在し得る。バック障壁層516は、例えば、20nm~5μmなど、数十nm~数μmの厚み517を有する。別の例において、バック障壁層516は、任意の適切な化学量論の、窒化アルミニウム、インジウム窒化アルミニウム、又はインジウム窒化アルミニウムガリウムであるか、又はそれを含む。
【0091】
上側窒化ガリウム層518が、バック障壁層516の上に延在する。層518は、任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化ガリウム層518は、0.1~1.0μmの厚み519を有する。一実装において、窒化ガリウム層518は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層518は、バック障壁層516の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層518とバック障壁層516との間に存在し得る。
【0092】
また、電子デバイス500は、窒化ガリウム層518の上の窒化アルミニウム層520と、窒化アルミニウム層520の上の窒化アルミニウムガリウム層521とを有する、ヘテロエピタキシー構造を含む。一例において、層520は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウム層520は、窒化ガリウム層518の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層520と窒化ガリウム層518との間に存在し得る。この例又は別の例において、層521は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウムガリウム層521は、窒化アルミニウム層520の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウムガリウム層521と窒化アルミニウム層520との間に存在し得る。窒化アルミニウムガリウム層521と窒化アルミニウム層520との界面におけるヘテロ接合は、二次元電子ガス領域522を形成する。一例において、層520及び521を含むヘテロエピタキシー構造は、10~30nmの総厚523を有する。電子デバイス500はまた、図示される実装において、デプリーションモードハイサイドの第1のトランジスタ501とデプリーションモードローサイドの第2トランジスタ502とを含む、1つ又は複数のトランジスタを含む。
【0093】
種々のバッファ層及びヘテロエピタキシー構造の層は、一例において、エピタキシャル成長堆積プロセス、例えば、構成層を形成する変数及び材料が全体にわたって変化する或る連続エピタキシャル堆積プロセスを、及び/又は、2つ又はそれ以上の順次的なエピタキシャル堆積プロセスを用いて、一例において約5.1μmの総厚で製造される。デプリーションモードトランジスタ501において、層520及び521を含むヘテロエピタキシー構造は、約10~30nmの総厚を有し、エンハンスメントモードトランジスタ502におけるヘテロエピタキシー構造は、約10~20nmの総厚を有する。一例において、窒化アルミニウム層520は約10Å(1nm)の厚みを有し、窒化アルミニウムガリウム層521は約20nmの厚みを有する。図示される例において、窒化ガリウム層518は、約0.1~1.0μmの厚みを有する。一例において、窒化アルミニウムガリウム層521は、約26%のアルミニウム濃度を有する。
【0094】
電子デバイス500は、窒化アルミニウムガリウム層521の上のドープされた窒化ガリウム構造524を有する正孔注入器構造526を含む。また、正孔注入器構造526は、ドープされた窒化ガリウム構造524の部分的に上にあり、それに接する、コンタクト又はビアとして形成された導電性構造525を含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造524は、p型不純物(マグネシウム又は他のp型不純物を含む、p-GaN)が注入された任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造524は、窒化アルミニウムガリウム層521の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、ドープされた窒化ガリウム構造524と窒化アルミニウムガリウム層521との間に存在し得る。一例において、pドープされた窒化ガリウム層524は、マグネシウムドーパントを含み、一実装において約70nmなど、50~200nmの厚みを有する。導電性構造525は、タングステン、銅、アルミニウム、又は他の導電性金属であるか又はそれを含む。電子デバイス500は更に、トランジスタ501と502との間で、窒化アルミニウムガリウム層521、窒化アルミニウム層520、窒化ガリウム層518、及びバック障壁層516を介して下方に延在し、部分的に窒化ガリウム層514内に延在する、任意の適切な化学量論の二酸化ケイ素などの絶縁構造528を含む。この例又は別の例において、トランジスタ501とトランジスタ502との間の絶縁は、注入(図示せず)によって行われる。
【0095】
電子デバイス500はまた、例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素を含む第1のプリメタル誘電体(例えば、PMD)層530を有するメタライゼーション構造を含み、導電性構造525を含む様々な導電性金属構造がその中に形成される。一例において、導電性構造525は、ドープされた窒化ガリウム構造524の上側又は頂部側の少なくとも一部の上に直接延在し、ドープされた窒化ガリウム構造524の上側又は頂部側の少なくとも一部に接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、導電性構造525とドープされた窒化ガリウム構造524との間に存在し得る。
【0096】
また、PMD層又はレベルは、第1のトランジスタ501の第1のドレインコンタクト又は電極531と、第1のトランジスタ501の第1のソースコンタクト又は電極532と、第1のトランジスタ501の第1のゲートコンタクト又は電極534とを含む。PMD層又はレベルは更に、第2のトランジスタ502の第2のドレインコンタクト又は電極535と、第2のトランジスタ502の第2のソースコンタクト又は電極536と、第2のトランジスタ502の第2のゲートコンタクト又は電極538と、PMD層530を介して延在し、第2のメタライゼーション構造レベルにおいて配路するための様々なトランジスタ端子の電気的相互接続を提供する、1つ又は複数の導電性コンタクト又はビア539とを含む。それぞれの第1及び第2のトランジスタ501及び502の導電性ドレイン及びソースコンタクト531、535、532、536は、ヘテロエピタキシー構造520、521内に部分的に延在し、それぞれの第1及び第2のトランジスタ501及び502の導電性ゲートコンタクト534及び538は、ヘテロエピタキシー構造520、521上に延在し、それらに接する。
【0097】
図5における電子デバイス500は更に、1つ又は複数の導電性配路特徴551(例えば、アルミニウム、銅など)を有する誘電体層550(例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素)を備える第2のメタライゼーション構造レベルを含み、これは、例えば、ドレイン、ソース、及びゲート接続及び関連する信号の配路を、互いに、及び/又は導電性ボンドパッドに、又は、他の外部に露出された導電性特徴に提供するためのものであり、それにより、トランジスタ501及び502が、例えば、パッケージ化された電子デバイス内のピン又はパッドなどの、集積回路リードへのボンドワイヤ又はリードフレーム電気的接続を用いて、他の回路要素と電気的に相互接続され得る。
【0098】
この例における第1のトランジスタ501は、第1のドレイン端子又はリード561(D1)、第1のゲート端子又はリード562(G1)、及び第1のソース端子又はリード563(S1)を有する。第2のトランジスタ502は、第2のドレイン端子又はリード564(D2)、第2のゲート端子又はリード565(G2)、及び第2のソース端子又はリード566(S2)を有し、端子は、一例において、パッケージング後に完成した電子デバイス500の導電性リードに電気的に結合される。図示される例において、第1のドレイン561、D1は、ヘテロエピタキシー構造520、521内に部分的に延在し、第1のゲート562、G1は、ヘテロエピタキシー構造520、521の上に延在し、第1の方向Xに沿って第1のドレイン561、D1から横方向に離間されている。第1のソース563、S1は、ヘテロエピタキシー構造520、521内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第1のゲート562、G1から横方向に離間されている。第2のドレイン564、D2は、ヘテロエピタキシー構造520、521内に部分的に延在し、図5における導電性配路機構551によって第1のソース563、S1に結合されて、スイッチングノードSWを形成する。第2のゲート565、G2は、ヘテロエピタキシー構造520、521の上に延在し、第1の方向Xに沿って第2のドレイン564、D2から横方向に離間されている。第2のソース566、S2は、ヘテロエピタキシー構造520、521内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第2のゲート565、G2から横方向に離間されている。
【0099】
この例では、正孔注入器構造526は、第1の方向Xに沿って第1のドレイン561(D1)と第1のゲート562(G1)との間で、それらから横方向に離間される。更に、この例のメタライゼーション構造は、正孔注入器構造526を第1のゲート562(G1)に電気的に結合する。動作において、第1のトランジスタ501がオンになると、正孔注入器構造526は、正孔をGaN層518内に下方に注入するように動作する。別の実装において、正孔注入器構造526の導電性構造525は、例えば、第1のトランジスタ501をオンにするために第1のゲート562(G1)が電力供給されるとき、正の電圧信号を正孔注入器構造526に選択的に提供するために、制御電圧ノード(図示せず)に結合される。この例における第1及び第2のトランジスタ501及び502はデプリーションモードトランジスタであり、第1及び第2のゲート562及び565(G1及びG2)は、ヘテロエピタキシー構造520、521のAlGaN層521上に延在し、それに接する、それぞれのゲートコンタクト構造534及び538を含む。この例では、正孔注入器構造526の導電性構造525は、第1のゲート562(G1)に結合される。メタライゼーション構造は、第1のソース563(S1)を第2のドレイン564(D2)に電気的に結合する導電性配路特徴551を含む。動作において、第1トランジスタ501がオンにされ、第1のドレインD1が基板504及び第1のゲート562に対して高電圧であるとき、G1は、第1トランジスタ501の閾値電圧より高い電圧であり、図5に570で示されるように、窒化ガリウム層518の頂部表面における及びその近傍のチャネル領域に電子が形成される。正孔注入器構造526の導電性構造525における電圧は、pドープされた窒化ガリウム構造524からの正孔の注入を引き起こす。注入された正孔は、第1のトランジスタ501に対する垂直電界バックゲート効果を緩和するために、図5に572で示される、バック障壁層516の界面515に近接する窒化ガリウム層518の底部側又はその付近のバッファ内に正孔層を形成する。
【0100】
図6は、バッファ構造と窒化ガリウム層との間に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を備える第1及び第2のエンハンスメントモード窒化ガリウムトランジスタ601及び602と、第1のトランジスタのドレインコンタクトとゲートとの間でそれらから横方向に離間され、ヘテロエピタキシー構造の上にある正孔注入器構造とを備える、別の電子デバイス600の部分断面側部立面図を示す。電子デバイス600は、シリコンなどの半導体基板604を含む。正孔注入器構造は、第1のトランジスタ601に対する垂直電界バックゲート効果を緩和するために、正孔を注入してバック障壁とバッファ構造との界面に近接する正孔層を形成する。この構成はこの高電界に関連するバックゲート効果を回避又は軽減するのに役立ち、電子デバイス600の動作中の第1のトランジスタ601の低減されたRDSONを回避又は軽減するのに役立つ。
【0101】
電子デバイス600は、半導体基板604の上に形成されたバッファスタックを含むエピタキシー成長された層のスタックを含む。スタック構造の個々の層は、本明細書では窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウムなどとして記載され、個々の層は、単独で、又は少量の不純物、アーティファクト、又は例えば、半導体製品の製造業者に関連する個々の処理工程の後に残存し得る材料などの他の材料が更に存在する、指定された構成材料であるか又はそれを含む、任意の適切な化学量論組成のものであり得る。例示のスタックには、基板604の上の窒化アルミニウム層606が含まれる。一例において、窒化アルミニウム層606は、基板604の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層606と基板604との間に存在し得る。一例において、窒化アルミニウム層606の厚みは300~600nmである。
【0102】
多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック608が、窒化アルミニウム層606の上に延在する。バッファスタック608は、この例では、窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む、3つの層を含む。他の例において、異なる数の2つ又はそれ以上の組成傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック層を用いることができる。異なる例において、単一又は二重超格子バッファ構造(図示せず)など、異なるバッファスタック構成を用いることができる。図6の例において、バッファスタック608は、窒化アルミニウム層606の上の第1の窒化アルミニウムガリウム層611を含む。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム611は、窒化アルミニウム606の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第1の窒化アルミニウムガリウム層611と窒化アルミニウム層606との間に存在し得る。組成傾斜AlGaNバッファスタック608はまた、第1の窒化アルミニウムガリウム層611の上の第2の窒化アルミニウムガリウム層612を含む。一例において、第2の窒化アルミニウムガリウム層612は、第1の窒化アルミニウムガリウム層611の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第2の窒化アルミニウムガリウム層612と第1の窒化アルミニウムガリウム層611との間に存在し得る。第3の窒化アルミニウムガリウム層613が、第2の窒化アルミニウムガリウム層612の上に延在する。一例において、第3の窒化アルミニウムガリウム層613は、第2の窒化アルミニウムガリウム層612の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第3の窒化アルミニウムガリウム層613と第2の窒化アルミニウムガリウム層612との間に存在し得る。
【0103】
一例において、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック608は、窒化アルミニウム層606の上の第1のアルミニウム濃度を有する第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層611と、第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層611の上の第1のアルミニウム濃度より小さい第2のアルミニウム濃度を有する第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層612と、第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層612の上の第2のアルミニウム濃度より小さい第3のアルミニウム濃度を有する第3の窒化アルミニウムガリウムサブ層613とを含む。一例において、第1のアルミニウム濃度は60~70%であり、第2のアルミニウム濃度は40~50%であり、第3のアルミニウム濃度は20~30%である。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム層611は300~600nmの厚みを有し、第2の窒化アルミニウムガリウム層612は1.4~1.8μmの厚みを有し、第3の窒化アルミニウムガリウム層613は1.4~2.0μmの厚みを有する。
【0104】
電子デバイス600は更に、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック608の上の窒化ガリウム層614を含む。一例において、窒化ガリウム層614は0.5~2.0μmの厚みを有する。この例又は別の例において、窒化ガリウム層614は0.1~1.0μmの厚みを有する。一実装において、窒化ガリウム層614は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層614は、第3の窒化アルミニウムガリウム層613の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層614と第3の窒化アルミニウムガリウム層613との間に存在し得る。
【0105】
電子デバイス600はまた、バッファ構造の上のバック障壁層616を含む。バック障壁層616は、一例において、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、バック障壁層616は、窒化ガリウム層614の頂部側とバック障壁層616の底部側との間の界面615において、窒化ガリウム層614の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、バック障壁層616と窒化ガリウム層614との間に存在し得る。バック障壁層616は、例えば、20nm~5μmなど、数十nm~数μmの厚み617を有する。別の例において、バック障壁層616は、任意の適切な化学量論の、窒化アルミニウム、インジウム窒化アルミニウム、又はインジウム窒化アルミニウムガリウムであるか、又はそれを含む。
【0106】
バック障壁層616の上に上側窒化ガリウム層618が延在する。層618は、任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化ガリウム層618は、0.1~1.0μmの厚み619を有する。一実装において、窒化ガリウム層618は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層618は、バック障壁層616の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層618とバック障壁層616との間に存在し得る。
【0107】
電子デバイス600はまた、窒化ガリウム層618の上の窒化アルミニウム層620と、窒化アルミニウム層620の上の窒化アルミニウムガリウム層621とを有する、ヘテロエピタキシー構造を含む。一例において、層620は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウム層620は、窒化ガリウム層618の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は、残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層620と窒化ガリウム層618との間に存在し得る。この例又は別の例において、層621は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウムガリウム層621は、窒化アルミニウム層620の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウムガリウム層621と窒化アルミニウム層620との間に存在し得る。窒化アルミニウムガリウム層621と窒化アルミニウム層620との界面におけるヘテロ接合は、二次元電子ガス領域622を形成する。一例において、層620及び621を含むヘテロエピタキシー構造は、10~30nmの総厚623を有する。電子デバイス600はまた、図示される実装において、エンハンスメントモードハイサイドの第1のトランジスタ601とエンハンスメントモードローサイドの第2トランジスタ602とを含む、1つ又は複数のトランジスタを含む。
【0108】
種々のバッファ層及びヘテロエピタキシー構造の層は、一例において、エピタキシャル成長堆積プロセス、例えば、構成層を形成する変数及び材料が全体にわたって変化する或る連続エピタキシャル堆積プロセスを、及び/又は、2つ又はそれ以上の順次的なエピタキシャル堆積プロセスを用いて、一例において約5.1μmの総厚で製造される。エンハンスメントモードトランジスタ601において、層620及び621を含むヘテロエピタキシー構造は、約10~30nmの総厚を有し、エンハンスメントモードトランジスタ602におけるヘテロエピタキシー構造は、約10~20nmの総厚を有する。一例において、窒化アルミニウム層620は約10Å(1nm)の厚みを有し、窒化アルミニウムガリウム層621は約20nmの厚みを有する。図示される例において、窒化ガリウム層618は、約0.1~1.0μmの厚みを有する。一例において、窒化アルミニウムガリウム層621は、約26%のアルミニウム濃度を有する。
【0109】
電子デバイス600は、窒化アルミニウムガリウム層621の上のドープされた窒化ガリウム構造624を有する正孔注入器構造626を含む。また、正孔注入器構造626は、ドープされた窒化ガリウム構造624の部分的に上にあり、それに接する、コンタクト又はビアとして形成された導電性構造625を含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造624は、p型不純物(マグネシウム又は他のp型不純物を含む、p-GaN)が注入された任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造624は、窒化アルミニウムガリウム層621の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、ドープされた窒化ガリウム構造624と窒化アルミニウムガリウム層621との間に存在し得る。一例において、pドープされた窒化ガリウム層624は、マグネシウムドーパントを含み、一実装において約70nmなど、50~200nmの厚みを有する。導電性構造625は、タングステン、銅、アルミニウム、又は他の導電性金属であるか又はそれを含む。電子デバイス600は更に、トランジスタ601と602との間で、窒化アルミニウムガリウム層621、窒化アルミニウム層620、窒化ガリウム層618、及びバック障壁層616を介して下方に延在し、部分的に窒化ガリウム層614内に延在する、任意の適切な化学量論の二酸化ケイ素などの絶縁構造628を含む。この例又は別の例において、トランジスタ601とトランジスタ602との間の絶縁は、注入(図示せず)によって行われる。
【0110】
電子デバイス600はまた、例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素を含む第1のプリメタル誘電体(例えば、PMD)層630を有するメタライゼーション構造を含み、導電性構造625を含む様々な導電性金属構造がその中に形成される。一例において、導電性構造625は、ドープされた窒化ガリウム構造624の上側又は頂部側の少なくとも一部の上に直接延在し、ドープされた窒化ガリウム構造624の上側又は頂部側の少なくとも一部に接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、導電性構造625とドープされた窒化ガリウム構造624との間に存在し得る。
【0111】
また、PMD層又はレベルは、第1のトランジスタ601の第1のドレインコンタクト又は電極631と、第1のトランジスタ601の第1のソースコンタクト又は電極632と、第1のトランジスタ601の第1のゲートコンタクト又は電極634とを含む。PMD層又はレベルは更に、第2のトランジスタ602の第2のドレインコンタクト又は電極635と、第2のトランジスタ602の第2のソースコンタクト又は電極636と、第2のトランジスタ602の第2のゲートコンタクト又は電極638と、PMD層630を介して延在し、第2のメタライゼーション構造レベルにおいて配路するための様々なトランジスタ端子の電気的相互接続を提供する、1つ又は複数の導電性コンタクト又はビア639とを含む。それぞれの第1及び第2のトランジスタ601及び602の導電性ドレイン及びソースコンタクト631、635、632、636は、ヘテロエピタキシー構造620、621内に部分的に延在し、それぞれの第1及び第2のトランジスタ601及び602の導電性ゲートコンタクト634及び638は、ヘテロエピタキシー構造620、621上に延在し、それらに接する。
【0112】
図6における電子デバイス600は更に、1つ又は複数の導電性配路特徴651(例えば、アルミニウム、銅など)を有する誘電体層650(例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素)を備える第2のメタライゼーション構造レベルを含み、これは、例えば、ドレイン、ソース、及びゲート接続及び関連する信号の配路を、互いに、及び/又は導電性ボンドパッドに、又は、他の外部に露出された導電性特徴に提供するためのものであり、それにより、トランジスタ601及び602が、例えば、パッケージ化された電子デバイス内のピン又はパッドなどの、集積回路リードへのボンドワイヤ又はリードフレーム電気的接続を用いて、他の回路要素と電気的に相互接続され得る。
【0113】
この例における第1のトランジスタ601は、第1のドレイン端子又はリード661(D1)、第1のゲート端子又はリード662(G1)、及び第1のソース端子又はリード663(S1)を有する。第2のトランジスタ602は、第2のドレイン端子又はリード664(D2)、第2のゲート端子又はリード665(G2)、及び第2のソース端子又はリード666(S2)を有し、端子は、一例において、パッケージング後に完成した電子デバイス600の導電性リードに電気的に結合される。図6の電子デバイス600において、第1及び第2のトランジスタ601及び602はエンハンスメントモードトランジスタであり、第1及び第2のゲート662及び665(G1及びG2)は、ヘテロエピタキシー構造620、621のAlGaN層621の上のそれぞれのpドープGaN構造624上に延在し、それに接する、それぞれのゲートコンタクト構造634及び638を含む。
【0114】
図示される例において、第1のドレイン661、D1は、ヘテロエピタキシー構造620、621内に部分的に延在し、第1のゲート662、G1は、ヘテロエピタキシー構造620、621の上でそれぞれのpドープGaN構造624の上に延在し、それに接し、第1の方向(例えば、図の「X」方向)に沿って第1のドレイン661、D1から横方向に離間されている。第1のソース663、S1は、ヘテロエピタキシー構造620、621内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第1のゲート662、G1から横方向に離間されている。第2のドレイン664、D2は、ヘテロエピタキシー構造620、621内に部分的に延在し、図6における導電性配路特徴651によって第1のソース663、S1に結合されて、スイッチングノードSWを形成する。第2のゲート665、G2は、ヘテロエピタキシー構造620、621上のそれぞれのpドープGaN構造624上に延在し、それに接し、第1の方向Xに沿って第2のドレイン664、D2から横方向に離間されている。第2のソース666、S2は、ヘテロエピタキシー構造620、621内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第2のゲート665、G2から横方向に離間されている。
【0115】
この例では、正孔注入器構造626は、第1の方向Xに沿って第1のドレイン661(D1)と第1のゲート662(G1)との間で、それらから横方向に離間される。更に、この例のメタライゼーション構造は、正孔注入器構造626を第1のゲート662(G1)に電気的に結合する。動作において、第1のトランジスタ601がオンになると、正孔注入器構造626は、正孔をGaN層618内に下方に注入するように動作する。別の実装において、正孔注入器構造626の導電性構造625は、例えば、第1のトランジスタ601をオンにするために第1のゲート662(G1)が電力供給されるとき、正の電圧信号を正孔注入器構造626に選択的に提供するために、制御電圧ノード(図示せず)に結合される。この例における第1及び第2のトランジスタ601及び602は、エンハンスメントモードトランジスタであり、第1及び第2のゲート662及び665(G1及びG2)は、ヘテロエピタキシー構造620、621のAlGaN層621上に延在し、それに接する、それぞれのゲートコンタクト構造634及び638を含む。この例では、正孔注入器構造626の導電性構造625は、第1のゲート662(G1)に結合される。メタライゼーション構造は、第1のソース663(S1)を第2のドレイン664(D2)に電気的に結合する導電性配路特徴651を含む。動作において、第1トランジスタ601がオンにされ、第1のドレインD1が基板604及び第1のゲート662に対して高電圧であるとき、G1は、第1トランジスタ601の閾値電圧より高い電圧であり、図6に670で示されるように、窒化ガリウム層618の頂部表面における及びその近傍のチャネル領域に電子が形成される。正孔注入器構造626の導電性構造625における電圧は、pドープされた窒化ガリウム構造624からの正孔の注入を引き起こす。注入された正孔は、第1のトランジスタ601に対する垂直電界バックゲート効果を緩和するために、図6に672で示される、バック障壁層616の界面615に近接する窒化ガリウム層618の底部側又はその付近のバッファ内に正孔層を形成する。
【0116】
図7は、バッファ構造と窒化ガリウム層との間に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を有する第1及び第2のデプリーションモード窒化ガリウムトランジスタ701及び702と、第1のトランジスタのゲートコンタクトとソースコンタクトとの間でそれらから横方向に離間され、ヘテロエピタキシー構造の上にある、正孔注入器構造とを有する、別の電子デバイス700の部分断面側部立面図を示す。電子デバイス700は、シリコンなどの半導体基板704を含む。正孔注入器構造は、第1のトランジスタ701に対する垂直電界バックゲート効果を緩和するために、正孔を注入して、バック障壁とバッファ構造との界面に近接する正孔層を形成する。この構成は、この高電界に関連するバックゲート効果を回避又は軽減するのに役立ち、電子デバイス700の動作中の第1のトランジスタ701の低減されたRDSONを回避又は軽減するのに役立つ。
【0117】
電子デバイス700は、半導体基板704の上に形成されたバッファスタックを含むエピタキシー成長された層のスタックを含む。スタック構造の個々の層は、本明細書において、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウムなどとして記載され、個々の層は、単独で、又は少量の不純物、アーティファクト、又は、例えば、半導体製品の製造業者に関連する個々の処理工程の後に残存し得る材料などの他の材料が更に存在する、指定された構成材料であるか又はそれを含む、任意の適切な化学量論組成のものであり得る。例示のスタックには、基板704の上の窒化アルミニウム層706が含まれる。一例において、窒化アルミニウム層706は、基板704の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層706と基板704との間に存在し得る。一例において、窒化アルミニウム層706の厚みは300~600nmである。
【0118】
窒化アルミニウム層706の上に多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック708が延在する。バッファスタック708は、この例では、窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む、3つの層を含む。他の例において、異なる数の2つ又はそれ以上の組成傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック層を用いることができる。異なる例において、単一又は二重超格子バッファ構造(図示せず)など、異なるバッファスタック構成を用いることができる。図7の例において、バッファスタック708は、窒化アルミニウム層706の上の第1の窒化アルミニウムガリウム層711を含む。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム711は、窒化アルミニウム706の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第1の窒化アルミニウムガリウム層711と窒化アルミニウム層706との間に存在し得る。組成傾斜AlGaNバッファスタック708はまた、第1の窒化アルミニウムガリウム層711の上の第2の窒化アルミニウムガリウム層712を含む。一例において、第2の窒化アルミニウムガリウム層712は、第1の窒化アルミニウムガリウム層711の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第2の窒化アルミニウムガリウム層712と第1の窒化アルミニウムガリウム層711との間に存在し得る。第2の窒化アルミニウムガリウム層712の上に第3の窒化アルミニウムガリウム層713が延在する。一例において、第3の窒化アルミニウムガリウム層713は、第2の窒化アルミニウムガリウム層712の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第3の窒化アルミニウムガリウム層713と第2の窒化アルミニウムガリウム層712との間に存在し得る。
【0119】
一例において、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック708は、窒化アルミニウム層706の上の第1のアルミニウム濃度を有する第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層711と、第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層711の上の第1のアルミニウム濃度より小さい第2のアルミニウム濃度を有する第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層712と、第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層712の上の第2のアルミニウム濃度より小さい第3のアルミニウム濃度を有する第3の窒化アルミニウムガリウムサブ層713とを含む。一例において、第1のアルミニウム濃度は60~70%であり、第2のアルミニウム濃度は40~50%であり、第3のアルミニウム濃度は20~30%である。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム層711は300~600nmの厚みを有し、第2の窒化アルミニウムガリウム層712は1.4~1.8μmの厚みを有し、第3の窒化アルミニウムガリウム層713は1.4~2.0μmの厚みを有する。
【0120】
電子デバイス700は更に、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック708の上の窒化ガリウム層714を含む。一例において、窒化ガリウム層714は0.5~2.0μmの厚みを有する。この例又は別の例において、窒化ガリウム層714は0.1~1.0μmの厚みを有する。一実装において、窒化ガリウム層714は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層714は、第3の窒化アルミニウムガリウム層713の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層714と第3の窒化アルミニウムガリウム層713との間に存在し得る。
【0121】
電子デバイス700はまた、バッファ構造の上のバック障壁層716を含む。バック障壁層716は、一例において、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、バック障壁層716は、窒化ガリウム層714の頂部側とバック障壁層716の底部側との間の界面715において、窒化ガリウム層714の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、バック障壁層716と窒化ガリウム層714との間に存在し得る。バック障壁層716は、例えば、20nm~5μmなど、数十nm~数μmの厚み717を有する。別の例において、バック障壁層716は、任意の適切な化学量論の、窒化アルミニウム、インジウム窒化アルミニウム、又はインジウム窒化アルミニウムガリウムであるか、又はそれを含む。
【0122】
バック障壁層716の上に上側窒化ガリウム層718が延在する。層718は、任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化ガリウム層718は0.1~1.0μmの厚み719を有する。一実装において、窒化ガリウム層718は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層718は、バック障壁層716の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層718とバック障壁層716との間に存在し得る。
【0123】
電子デバイス700はまた、窒化ガリウム層718の上の窒化アルミニウム層720と、窒化アルミニウム層720の上の窒化アルミニウムガリウム層721とを有する、ヘテロエピタキシー構造を含む。一例において、層720は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウム層720は、窒化ガリウム層718の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層720と窒化ガリウム層718との間に存在し得る。この例又は別の例において、層721は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウムガリウム層721は、窒化アルミニウム層720の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウムガリウム層721と窒化アルミニウム層720との間に存在し得る。窒化アルミニウムガリウム層721と窒化アルミニウム層720との界面におけるヘテロ接合は、二次元電子ガス領域722を形成する。一例において、層720及び721を含むヘテロエピタキシー構造は、10~30nmの総厚723を有する。電子デバイス700はまた、図示される実装において、デプリーションモードハイサイドの第1のトランジスタ701とデプリーションモードローサイドの第2トランジスタ702とを含む、1つ又は複数のトランジスタを含む。
【0124】
種々のバッファ層及びヘテロエピタキシー構造の層は、一例において、エピタキシャル成長堆積プロセス、例えば、構成層を形成する変数及び材料が全体にわたって変化する或る連続エピタキシャル堆積プロセスを、及び/又は、2つ又はそれ以上の順次的なエピタキシャル堆積プロセスを用いて、一例において約5.1μmの総厚で製造される。デプリーションモードトランジスタ701において、層720及び721を含むヘテロエピタキシー構造は、約10~30nmの総厚を有し、エンハンスメントモードトランジスタ702におけるヘテロエピタキシー構造は、約10~20nmの総厚を有する。一例において、窒化アルミニウム層720は約10Å(1nm)の厚みを有し、窒化アルミニウムガリウム層721は約20nmの厚みを有する。図示される例において、窒化ガリウム層718は約0.1~1.0μmの厚みを有する。一例において、窒化アルミニウムガリウム層721は約26%のアルミニウム濃度を有する。
【0125】
電子デバイス700は、窒化アルミニウムガリウム層721の上のドープされた窒化ガリウム構造724を有する正孔注入器構造726を含む。また、正孔注入器構造726は、ドープされた窒化ガリウム構造724の部分的に上にあり、それに接する、コンタクト又はビアとして形成された導電性構造725を含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造724は、p型不純物(マグネシウム又は他のp型不純物を含む、p-GaN)が注入された任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造724は、窒化アルミニウムガリウム層721の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、ドープされた窒化ガリウム構造724と窒化アルミニウムガリウム層721との間に存在し得る。一例において、pドープされた窒化ガリウム層724は、マグネシウムドーパントを含み、一実装において約70nmなど、50~200nmの厚みを有する。導電性構造725は、タングステン、銅、アルミニウム、又は他の導電性金属であるか又はそれを含む。電子デバイス700は更に、トランジスタ701と702との間で、窒化アルミニウムガリウム層721、窒化アルミニウム層720、窒化ガリウム層718、及びバック障壁層716を介して下方に延在し、部分的に窒化ガリウム層714内に延在する、任意の適切な化学量論の二酸化ケイ素などの絶縁構造728を含む。この例又は別の例において、トランジスタ701とトランジスタ702との間の絶縁は、注入(図示せず)によって行われる。
【0126】
電子デバイス700はまた、例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素を含む第1のプリメタル誘電体(例えば、PMD)層730を有するメタライゼーション構造を含み、導電性構造725を含む様々な導電性金属構造がその中に形成される。一例において、導電性構造725は、ドープされた窒化ガリウム構造724の上側又は頂部側の少なくとも一部の上に直接延在し、ドープされた窒化ガリウム構造724の上側又は頂部側の少なくとも一部に接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、導電性構造725とドープされた窒化ガリウム構造724との間に存在し得る。
【0127】
また、PMD層又はレベルは、第1のトランジスタ701の第1のドレインコンタクト又は電極731と、第1のトランジスタ701の第1のソースコンタクト又は電極732と、第1のトランジスタ701の第1のゲートコンタクト又は電極734とを含む。PMD層又はレベルは更に、第2のトランジスタ702の第2のドレインコンタクト又は電極735と、第2のトランジスタ702の第2のソースコンタクト又は電極736と、第2のトランジスタ702の第2のゲートコンタクト又は電極738と、PMD層730を介して延在し、第2のメタライゼーション構造レベルにおいて配路するための様々なトランジスタ端子の電気的相互接続を提供する、1つ又は複数の導電性コンタクト又はビア739とを含む。それぞれの第1及び第2のトランジスタ701及び702の導電性ドレイン及びソースコンタクト731、735、732、736は、ヘテロエピタキシー構造720、721内に部分的に延在し、それぞれの第1及び第2のトランジスタ701及び702の導電性ゲートコンタクト734及び738は、ヘテロエピタキシー構造720、721上に延在し、それらに接する。
【0128】
図7における電子デバイス700は更に、1つ又は複数の導電性配路特徴751(例えば、アルミニウム、銅など)を有する誘電体層750(例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素)を備える第2のメタライゼーション構造レベルを含み、これは、例えば、ドレイン、ソース、及びゲート接続及び関連する信号の配路を、互いに、及び/又は導電性ボンドパッドに、又は、他の外部に露出された導電性特徴に提供するためのものであり、それにより、パッケージ化された電子デバイス内のピン又はパッドなどの、集積回路リードへのボンドワイヤ又はリードフレーム電気的接続を用いて、他の回路要素と電気的に相互接続され得る。
【0129】
この例における第1のトランジスタ701は、第1のドレイン端子又はリード761(D1)と、第1のゲート端子又はリード762(G1)と、第1のソース端子又はリード763(S1)とを有する。第2のトランジスタ702は、第2のドレイン端子又はリード764(D2)と、第2のゲート端子又はリード765(G2)と、第2のソース端子又はリード766(S2)とを有し、端子は、一例において、パッケージング後に完成した電子デバイス700の導電性リードに電気的に結合される。図示される例において、第1のドレイン761、D1は、ヘテロエピタキシー構造720、721内に部分的に延在し、第1のゲート762、G1は、ヘテロエピタキシー構造720、721上に延在し、第1の方向Xに沿って第1のドレイン761、D1から横方向に離間されている。第1のソース763、S1は、ヘテロエピタキシー構造720、721内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第1のゲート762、G1から横方向に離間されている。第2のドレイン764、D2は、ヘテロエピタキシー構造720、721内に部分的に延在し、図7における導電性配線機能751によって第1のソース763、S1に結合されて、スイッチングノードSWを形成する。第2のゲート765、G2は、ヘテロエピタキシー構造720、721上に延在し、第1の方向Xに沿って第2のドレイン764、D2から横方向に離間されている。第2のソース766、S2は、ヘテロエピタキシー構造720、721内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第2のゲート765(G2)から横方向に離間されている。
【0130】
正孔注入器構造726は、この例では、第1の方向Xに沿って第1のゲート762(G1)と第1のソース763(S1)との間で、それらから横方向に離間されている。更に、この例のメタライゼーション構造は、正孔注入器構造726を第1のゲート762(G1)に電気的に結合する。動作において、第1のトランジスタ701がオンになると、正孔注入器構造726は、正孔をGaN層718内に下方に注入するように動作する。別の実装において、正孔注入器構造726の導電性構造725は、例えば、第1のトランジスタ701をオンにするために第1のゲート762(G1)が電力供給されるとき、正の電圧信号を正孔注入器構造726に選択的に提供するために、制御電圧ノード(図示せず)に結合される。この例における第1及び第2のトランジスタ701及び702はデプリーションモードトランジスタであり、第1及び第2のゲート762及び765(G1及びG2)は、ヘテロエピタキシー構造720、721のAlGaN層721上に延在し、それに接する、それぞれのゲートコンタクト構造734及び738を含む。この例では、正孔注入器構造726の導電性構造725は、第1のゲート762(G1)に結合される。メタライゼーション構造は、第1のソース763(S1)を第2のドレイン764(D2)に電気的に結合する導電性配路特徴751を含む。動作において、第1トランジスタ701がオンにされ、第1のドレインD1が基板704及び第1のゲート762に対して高電圧であるとき、G1は、第1トランジスタ701の閾値電圧より高い電圧であり、図7に770で示されるように、窒化ガリウム層718の頂部表面における及びその近傍のチャネル領域に電子が形成される。正孔注入器構造726の導電性構造725における電圧は、pドープされた窒化ガリウム構造724からの正孔の注入を引き起こす。注入された正孔は、第1のトランジスタ701に対する垂直電界バックゲート効果を緩和するために、バック障壁層716の界面715に近接する窒化ガリウム層718の底部側又はその付近のバッファ内に、図7772で示される正孔層を形成する。
【0131】
図8は、バッファ構造と窒化ガリウム層との間の窒化アルミニウムガリウムバック障壁層を備える第1及び第2のエンハンスメントモード窒化ガリウムトランジスタ801及び802と、第1のトランジスタのゲートコンタクトとソースコンタクトとの間でそれらから横方向に離間され、ヘテロエピタキシー構造の上にある、正孔注入器構造とを備える電子デバイス800の部分断面側部立面図を示す。電子デバイス800は、半導体基板804の上に形成されたバッファスタックを含むエピタキシー成長された層のスタックを含む。スタック構造の個々の層は、本明細書では窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウムなどとして記載され、個々の層は、単独で、又は少量の不純物、アーティファクト、又は、例えば、半導体製品の製造業者に関連する個々の処理工程の後に残存し得る材料などの他の材料が更に存在する、指定された構成材料であるか又はそれを含む、任意の適切な化学量論組成のものであり得る。例示のスタックには、基板804の上の窒化アルミニウム層806が含まれる。一例において、窒化アルミニウム層806は、基板804の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、不純物又は処理からのアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層806と基板804との間に存在し得る。一例において、窒化アルミニウム層806の厚みは300~600nmである。
【0132】
窒化アルミニウム層806の上に多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック808が延在する。バッファスタック808は、この例では、窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む、3つの層を含む。他の例において、異なる数の2つ又はそれ以上の組成傾斜窒化アルミニウムガリウムバッファスタック層を用いることができる。異なる例において、単一又は二重超格子バッファ構造(図示せず)など、異なるバッファスタック構成を用いることができる。図8の例において、バッファスタック808は、窒化アルミニウム層806の上の第1の窒化アルミニウムガリウム層811を含む。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム811は、窒化アルミニウム806の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第1の窒化アルミニウムガリウム層811と窒化アルミニウム層806との間に存在し得る。組成傾斜AlGaNバッファスタック808はまた、第1の窒化アルミニウムガリウム層811の上の第2の窒化アルミニウムガリウム層812を含む。一例において、第2の窒化アルミニウムガリウム層812は、第1の窒化アルミニウムガリウム層811の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第2の窒化アルミニウムガリウム層812と第1の窒化アルミニウムガリウム層811との間に存在し得る。第2の窒化アルミニウムガリウム層812の上に第3の窒化アルミニウムガリウム層813が延在する。一例において、第3の窒化アルミニウムガリウム層813は、第2の窒化アルミニウムガリウム層812の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、第3の窒化アルミニウムガリウム層813と第2の窒化アルミニウムガリウム層812との間に存在し得る。
【0133】
一例において、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック808は、窒化アルミニウム層806の上の第1のアルミニウム濃度を有する第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層811と、第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層811の上の第1のアルミニウム濃度より小さい第2のアルミニウム濃度を有する第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層812と、第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層812の上の第2のアルミニウム濃度より小さい第3のアルミニウム濃度を有する第3の窒化アルミニウムガリウムサブ層813とを含む。一例において、第1のアルミニウム濃度は60~70%であり、第2のアルミニウム濃度は40~50%であり、第3のアルミニウム濃度は20~30%である。一例において、第1の窒化アルミニウムガリウム層811は300~600nmの厚みを有し、第2の窒化アルミニウムガリウム層812は1.4~1.8μmの厚みを有し、第3の窒化アルミニウムガリウム層811は1.4~2.0μmの厚みを有する。
【0134】
電子デバイス800は更に、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック808の上の窒化ガリウム層814を含む。一例において、窒化ガリウム層814は0.5~2.0μmの厚みを有する。この例又は別の例において、窒化ガリウム層814は0.1~1.0μmの厚みを有する。一実装において、窒化ガリウム層814は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層814は、第3の窒化アルミニウムガリウム層813の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層814と第3の窒化アルミニウムガリウム層813との間に存在し得る。
【0135】
電子デバイス800はまた、バッファ構造の上のバック障壁層816を含む。バック障壁層816は、一例において、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、バック障壁層816は、窒化ガリウム層814の頂部側とバック障壁層816の底部側との間の界面815において、窒化ガリウム層814の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、バック障壁層816と窒化ガリウム層814との間に存在し得る。バック障壁層816は、例えば、20nm~5μmなど、数十nm~数μmの厚み817を有する。別の例において、バック障壁層816は、任意の適切な化学量論の、窒化アルミニウム、インジウム窒化アルミニウム、又はインジウム窒化アルミニウムガリウムであるか、又はそれを含む。
【0136】
バック障壁層816の上に上側窒化ガリウム層818が延在する。層818は、任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化ガリウム層818は0.1~1.0μmの厚み819を有する。一実装において、窒化ガリウム層818は炭素を含む。一例において、窒化ガリウム層818は、バック障壁層816の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化ガリウム層818とバック障壁層816との間に存在し得る。
【0137】
電子デバイス800はまた、窒化ガリウム層818の上の窒化アルミニウム層820と、窒化アルミニウム層820の上の窒化アルミニウムガリウム層821とを有する、ヘテロエピタキシー構造を含む。一例において、層820は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウム層820は、窒化ガリウム層818の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウム層820と窒化ガリウム層818との間に存在し得る。この例又は別の例において、層821は、任意の適切な化学量論の窒化アルミニウムガリウムであるか又はそれを含む。一例において、窒化アルミニウムガリウム層821は、窒化アルミニウム層820の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、例えば、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、窒化アルミニウムガリウム層821と窒化アルミニウム層820との間に存在し得る。窒化アルミニウムガリウム層821と窒化アルミニウム層820との界面におけるヘテロ接合は、二次元電子ガス領域822を形成する。一例において、層820及び821を含むヘテロエピタキシー構造は、10~30nmの総厚823を有する。電子デバイス800はまた、図示される実装において、デプリーションモードハイサイドの第1のトランジスタ801とデプリーションモードローサイドの第2トランジスタ802とを含む、1つ又は複数のトランジスタを含む。
【0138】
種々のバッファ層及びヘテロエピタキシー構造の層は、一例において、エピタキシャル成長堆積プロセス、例えば、構成層を形成する変数及び材料が全体にわたって変化する或る連続エピタキシャル堆積プロセスを、及び/又は、2つ又はそれ以上の順次的なエピタキシャル堆積プロセスを用いて、一例において約5.1μmの総厚で製造される。デプリーションモードトランジスタ801において、層820及び821を含むヘテロエピタキシー構造は、約10~30nmの総厚を有し、エンハンスメントモードトランジスタ802におけるヘテロエピタキシー構造は、約10~20nmの総厚を有する。一例において、窒化アルミニウム層820は約10Å(1nm)の厚みを有し、窒化アルミニウムガリウム層821は約20nmの厚みを有する。図示される例において、窒化ガリウム層818は、約0.1~1.0μmの厚みを有する。一例において、窒化アルミニウムガリウム層821は、約26%のアルミニウム濃度を有する。
【0139】
電子デバイス800は、窒化アルミニウムガリウム層821の上のドープされた窒化ガリウム構造824を有する正孔注入器構造826を含む。また、正孔注入器構造826は、ドープされた窒化ガリウム構造824の部分的に上にあり、それに接する、コンタクト又はビアとして形成された導電性構造825を含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造824は、p型不純物(マグネシウム又は他のp型不純物を含む、p-GaN)が注入された任意の適切な化学量論の窒化ガリウムであるか又はそれを含む。一例において、ドープされた窒化ガリウム構造824は、窒化アルミニウムガリウム層821の上側又は頂部側上に直接延在し、それに接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、ドープされた窒化ガリウム構造824と窒化アルミニウムガリウム層821との間に存在し得る。一例において、pドープされた窒化ガリウム層824は、マグネシウムドーパントを含み、一実装において約70nmなど、50~200nmの厚みを有する。導電性構造825は、タングステン、銅、アルミニウム、又は他の導電性金属であるか又はそれを含む。電子デバイス800は更に、トランジスタ801と802との間で、窒化アルミニウムガリウム層821、窒化アルミニウム層820、窒化ガリウム層818、及びバック障壁層816を介して下方に延在し、部分的に窒化ガリウム層814内に延在する、任意の適切な化学量論の二酸化ケイ素などの絶縁構造828を含む。この例又は別の例において、トランジスタ801とトランジスタ802との間の絶縁は、注入(図示せず)によって行われる。
【0140】
電子デバイス800はまた、例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素を含む第1のプリメタル誘電体(例えば、PMD)層830を備えるメタライゼーション構造を含み、導電性構造825を含む様々な導電性金属構造がその中に形成される。一例において、導電性構造825は、ドープされた窒化ガリウム構造824の上側又は頂部側の少なくとも一部の上に直接延在し、ドープされた窒化ガリウム構造824の上側又は頂部側の少なくとも一部に接する。別の例において、製造処理による不純物又はアーティファクト又は残留材料などの他の材料が、導電性構造825とドープされた窒化ガリウム構造824との間に存在し得る。
【0141】
また、PMD層又はレベルは、第1のトランジスタ801の第1のドレインコンタクト又は電極831と、第1のトランジスタ801の第1のソースコンタクト又は電極832と、第1のトランジスタ801の第1のゲートコンタクト又は電極834とを含む。PMD層又はレベルは更に、第2のトランジスタ802の第2のドレインコンタクト又は電極835と、第2のトランジスタ802の第2のソースコンタクト又は電極836と、第2のトランジスタ802の第2のゲートコンタクト又は電極838と、PMD層830を介して延在し、第2のメタライゼーション構造レベルにおいて配路するための様々なトランジスタ端子の電気的相互接続を提供する、1つ又は複数の導電性コンタクト又はビア839とを含む。それぞれの第1及び第2のトランジスタ801及び802の導電性ドレイン及びソースコンタクト831、835、832、836は、ヘテロエピタキシー構造820、821内に部分的に延在し、それぞれの第1及び第2のトランジスタ801及び802の導電性ゲートコンタクト834及び838は、ヘテロエピタキシー構造820、821上に延在し、それらに接する。
【0142】
図8における電子デバイス800は更に、1つ又は複数の導電性配路特徴851(例えば、アルミニウム、銅など)を有する誘電体層850(例えば、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素)を備える第2のメタライゼーション構造レベルを含み、これは、例えば、ドレイン、ソース、及びゲート接続及び関連する信号の配路を、互いに、及び/又は導電性ボンドパッドに、又は、他の外部に露出された導電性特徴に提供するためのものであり、それにより、トランジスタ801及び802が、例えば、パッケージ化された電子デバイス内のピン又はパッドなどの、集積回路リードへのボンドワイヤ又はリードフレーム電気的接続を用いて、他の回路要素と電気的に相互接続され得る。
【0143】
この例における第1のトランジスタ801は、第1のドレイン端子又はリード861(D1)と、第1のゲート端子又はリード862(G1)と、第1のソース端子又はリード863(S1)とを有する。第2のトランジスタ802は、第2のドレイン端子又はリード864(D2)と、第2のゲート端子又はリード865(G2)と、第2のソース端子又はリード866(S2)と
を有し、端子は、一例において、パッケージング後に完成した電子デバイス800の導電性リードに電気的に結合される。図8の電子デバイス800において、第1及び第2のトランジスタ801及び802はエンハンスメントモードトランジスタであり、第1及び第2のゲート862及び865(G1及びG2)は、ヘテロエピタキシー構造820、821のAlGaN層821の上のそれぞれのpドープGaN構造824上に延在し、それに接する、それぞれのゲートコンタクト構造834及び838を含む。
【0144】
図示される例において、第1のドレイン861、D1は、ヘテロエピタキシー構造820、821内に部分的に延在し、第1のゲート862、G1は、ヘテロエピタキシー構造820、821の上でそれぞれのpドープGaN構造824の上に延在し、それに接し、第1の方向(例えば、図の「X」方向)に沿って第1のドレイン861、D1から横方向に離間されている。第1のソース863、S1は、ヘテロエピタキシー構造820、821内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第1のゲート862、G1から横方向に離間されている。第2のドレイン864、D2は、ヘテロエピタキシー構造820、821内に部分的に延在し、図8における導電性配路特徴851によって第1のソース863、S1に結合されて、スイッチングノードSWを形成する。第2のゲート865、G2は、ヘテロエピタキシー構造820、821上のそれぞれのpドープGaN構造824上に延在し、それに接し、第1の方向Xに沿って第2のドレイン864、D2から横方向に離間されている。第2のソース866、S2は、ヘテロエピタキシー構造820、821内に部分的に延在し、第1の方向Xに沿って第2のゲート865、G2から横方向に離間されている。
【0145】
正孔注入器構造826は、この例では、第1の方向Xに沿って第1のゲート862(G1)と第1のソース863(S1)との間で、それらから横方向に離間されている。更に、この例のメタライゼーション構造は、正孔注入器構造826を第1のゲート862(G1)に電気的に結合する。動作において、第1のトランジスタ801がオンになると、正孔注入器構造826は、正孔をGaN層818内に下方に注入するように動作する。別の実装において、正孔注入器構造826の導電性構造825は、例えば、第1のトランジスタ801をオンにするために第1のゲート862(G1)が電力供給されるとき、正の電圧信号を正孔注入器構造826に選択的に提供するために、制御電圧ノード(図示せず)に結合される。この例における第1及び第2のトランジスタ801及び802はデプリーションモードトランジスタであり、第1及び第2のゲート862及び865(G1及びG2)は、ヘテロエピタキシー構造820、821のAlGaN層821上に延在し、それに接する、それぞれのゲートコンタクト構造834及び838を含む。この例では、正孔注入器構造826の導電性構造825は、第1のゲート862(G1)に結合される。メタライゼーション構造は、第1のソース863(S1)を第2のドレイン864(D2)に電気的に結合する導電性配路特徴851を含む。動作において、第1トランジスタ801がオンにされ、第1のドレインD1が基板804及び第1のゲート862に対して高電圧であるとき、G1は、第1トランジスタ801の閾値電圧より高い電圧であり、図8に870で示されるように、窒化ガリウム層818の頂部側及び頂部側付近に電子が形成される。正孔注入器構造826の導電性構造825における電圧は、pドープされた窒化ガリウム構造824からの正孔の注入を引き起こす。注入された正孔は、第1のトランジスタ801に対する垂直電界バック
ゲート効果を緩和するために、図8に872で示される、バック障壁層816の界面815に近接する窒化ガリウム層818の底部側又はその付近のバッファ内に正孔層を形成する。
【0146】
ここで図9図21を参照すると、図9は、更なる態様に従った電子デバイスを作製する例示の方法900を示し、図10図20は、方法900に従った製造処理を受けている図1の電子デバイス100の部分側面図を示し、図21は、完成したパッケージ化された電子デバイス100の斜視図を示す。方法900は、シリコンウエハ、SOIウエハなどの開始基板から始まる。上述の電子デバイスの例200、300、400、500、600、700、及び800のうちの1つ又は複数を製作するために、同様の処理を用いることができる。
【0147】
901において、1つ又は複数のエピタキシャル堆積プロセスが実施され、これは、図1におけるAlN層106、バッファ構造108、並びに層114、116、及び118を形成することを含む。902において、基板の上に窒化アルミニウム層が形成される。図10は、エピタキシャル堆積プロセス1000を用いて、上述の電子デバイス100における窒化アルミニウム層106をシリコン基板104の上側表面の上に堆積する一例を示す。一例において、プロセス1000は、1000~1150℃の温度で窒化アルミニウムを300~600nmの厚みまで堆積することを含む。
【0148】
方法900は、窒化アルミニウム層106上に多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック108を形成することを含む、903におけるバッファ形成で継続する。903での多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック形成は、一例において、904において、窒化アルミニウム層106の上に第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層を形成する第1のエピタキシャル堆積プロセスを実施することを含む。図11は、第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層111を窒化アルミニウム層106の上に堆積するエピタキシャル堆積プロセス1100が実施される一例を示す。一例において、プロセス1100は、900~1100℃のプロセス温度で、60~70%のアルミニウム含有量を有する第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層111を300~600nmの厚みまで堆積する。また、一例において、プロセス1100は、エタン、ヘキサン、又は他の外因性炭素源ガスを用いて、1E17~1E18原子/cmの炭素濃度を有する第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層111を形成する。
【0149】
方法900は、906において、第1の窒化アルミニウムガリウムサブ層111の上に第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層112を形成する第2のエピタキシャル堆積プロセスを実施することで継続する。図12は、900~1100℃のプロセス温度を用いて40~50%のアルミニウム含有量を有する第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層112を1.4~1.8μmの厚みまで堆積する、第2のエピタキシャル堆積プロセス1200が実施される一例を示す。一実装において、プロセス1200は、エタン、ヘキサン、又は他の外因性炭素源ガスを用いて、1E17~1E19原子/cmの炭素濃度を有する第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層112を形成する。
【0150】
方法900は、908において、第2の窒化アルミニウムガリウムサブ層112の上に第3の窒化アルミニウムガリウムサブ層113を形成する、第3のエピタキシャル堆積プロセスを実施することで継続する。図13は、1000~1100℃のプロセス温度を用いて20~30%のアルミニウム含有量を有する第3の窒化アルミニウムガリウムサブ層113を1.4~2.0μmの厚みまで堆積する、第3のエピタキシャル堆積プロセス1300が実施される例を示す。また、一実装において、プロセス1300は、エタン、ヘキサン、又は他の外因性炭素源ガスを用いて、1E17~1E19原子/cmの炭素濃度を有する第3の窒化アルミニウムガリウムサブ層113を形成する。
【0151】
方法900は、910において、外因性炭素源ガスを用いて窒化ガリウム層を堆積するエピタキシャル堆積プロセスを実施することで継続する。図14は、多層組成傾斜窒化アルミニウムガリウムスタック108の第3の窒化ガリウムサブ層113の頂部側の上に窒化ガリウム層114を堆積する、エピタキシャル堆積プロセス1400が実施される例を示す。一例において、プロセス1400は、炭素ドープされた窒化ガリウム層114を、ヘキサン、又は他の外因性炭素ガスを用いて900~1050℃のプロセス温度で0.5~1.0μmの厚みまで堆積させて、1E18~1E20原子/cmの炭素濃度を有する窒化ガリウム層114を提供する。
【0152】
方法900は、911において、バッファ構造106、108、114上に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層116を形成することで継続する。別の例において、911における処理は、バッファ構造上に、窒化アルミニウムガリウム、窒化アルミニウム、インジウム窒化アルミニウム、又は窒化インジウムアルミニウムガリウムバック障壁層1169を形成する。図15は、窒化ガリウム層114の頂部側に窒化アルミニウムガリウムバック障壁層116を、例えば20nm~5μmなど、数十nm~数μmの厚み117まで堆積する、エピタキシャル堆積プロセス1500が実施される例を示す。
【0153】
方法900は、図9の912において、バック障壁層116の頂部側の上に(例えば、直接その上に)窒化ガリウム層118を形成することで継続する。図16は、1E15~1E17原子/cmの真性炭素ドーピングを用いて、950~1050℃のプロセス温度で0.1~1.0μmの厚み119までバック障壁層116上に窒化ガリウム層118を堆積する、エピタキシャル堆積プロセス1600が実施される一例を示す。
【0154】
方法900は、窒化ガリウム層118上にヘテロエピタキシー構造120、121を形成する914で継続する。一例は、図17に示すように、プロセス1700を用いて窒化ガリウム層118の頂部側の上に916において窒化アルミニウム層120を形成することを含む。一例において、プロセス1700は、900~1100℃のプロセス温度で約10Å(1nm)の厚みまで窒化アルミニウム層120を堆積する。918において、図18に示すエピタキシャル堆積プロセス1800を用いて、窒化アルミニウム層120の上に窒化アルミニウムガリウム層121が形成される。一例において、プロセス1800は、900~1100℃のプロセス温度で10~30nmの厚みまで窒化アルミニウムガリウム層121を形成する。ヘテロエピタキシー構造120、121は、一例において、10~30nmの厚み123を有する。
【0155】
図9における900は更に、920において、正孔注入器構造126のためのヘテロエピタキシー構造120、121の窒化アルミニウムガリウム層121の上のpドープされた窒化ガリウム層124を、及び任意選択で、任意の含まれるエンハンスメントモードトランジスタの1つ又は複数のゲートのための別個のpドープされた窒化ガリウムパターン化構造(例えば、上記の図2、4、6、及び8)を、形成及びパターン化することを含む。図19は、エンハンスメントモードトランジスタ102のゲートのために、窒化アルミニウムガリウム層121の一部の上にpドープされた窒化ガリウム層124を形成するプロセス1900が実施される一例を示す。プロセス1900は、ウエハの頂部にわたるドープされた窒化ガリウム層を堆積することと、それに続く、ウエハの正孔注入器構造126及び任意の所望のエンハンスメントモードトランジスタゲート領域のための将来のpドープされた窒化ガリウム構造又は構造124を覆うエッチングマスクを形成及びパターン化することと、図35に示されるように、パターン化されたpドープされた窒化ガリウム構造124を残すように、露出された窒化ガリウム材料をエッチングすることとを含むことができる。
【0156】
方法900は更に、ゲート、ドレイン及びソース、及び他の導電性構造(例えば、上記の図1の125、131、132、134、135、136及び138、並びに922におけるメタライゼーション及び他のバックエンド処理)を形成することを含む。図20は、図1に関連して上述したメタライゼーション構成を形成するメタライゼーションプロセス2000を有する一例を示す。一例において、922における導電性構造の形成は、正孔注入器構造126の導電性構造125を第1のトランジスタ101の導電性ゲートコンタクト134に電気的に結合するメタライゼーション構造を形成すること924を含む。この例又は別の例において、922における処理は、第1のトランジスタ101の導電性ソースコンタクト132を第2のトランジスタ102の導電性ドレインコンタクト135に電気的に結合するメタライゼーション構造を形成することを含む。これら又は別の例において、922における処理は、第1のトランジスタ101の導電性ドレインコンタクト131に接続された正孔注入器構造126の導電性構造125を形成することを含む。プロセス900は更に、例えば、処理されたウエハの個々のダイ部分を個片化又は分離することと、リードフレーム、モールド構造、システムオンモジュールパッケージング、チップオンダイパッケージング、導電性特徴を有する基板、又はそれらの組合せなどの任意の適切なパッケージング構造を用いて個々のダイをパッケージングすることとを含む、926におけるパッケージングを含み、それにより、トランジスタ101及び/又は102を単独で又は他の回路(図示せず)とともに含む集積回路などの完成電子デバイスを提供する。方法900はまた、928における最終デバイス試験を含む。図21は、例示の第1及び第2のトランジスタ101及び102の端子への電気的接続のために、半導体ダイと導電性リード161~166の一部とを囲むモールドパッケージ構造2100を有する、完成したパッケージ化された電子デバイス100の斜視図を示す。
【0157】
説明される例は、特に高電圧の応用例におけるハイサイドスイッチについて、バックゲート効果に対処し、RDSONを緩和しながら、スイッチング周波数を最小限の寄生インダクタンスで増加させ、全体の面積を減少させることによって、GaN FETの利点を促進するためのハイサイドFET及びローサイドFETのモノリシック集積のための解決策を提供する。正孔注入器構造及びバックバッファ層は、(例えば、p-GaNゲート又はp-GaNダイオードを提供するための構造を用いて)正孔注入を提供して、バッファ内に正孔層を形成し、これが垂直E電界効果を遮蔽する(バックゲート効果なし)。記載された構造及び技術は、基板分離を伴わないハイサイド及びローサイドGaN FETのモノリシック集積を容易にし、正孔注入及びAlGaN又は他のバック障壁が、バッファ内の正孔層の形成を可能にし、これがバックゲート効果を遮蔽する。絶縁構造(例えば、上記の図1の128)は、ハイサイドFETとローサイドFETとの間の正孔層を絶縁する。AlGaNバック障壁バッファエピ層における正孔注入を備える実装において、基板バイアス効果は、おおむね又は完全に遮蔽され、チャネル導電性(例えば、ハイサイドRDSON)は、-500Vまで垂直Eの影響を受けない。この解決策は、シリコンオンインシュレータ(SOI)ウエハ及びディープトレンチ絶縁(DTI)を用いる基板絶縁に関連する、プロセスの複雑さの増加及び製造コストの増加を回避する、コスト効率の高いモノリシックアプローチを提供する。また、記載された例は、埋め込み酸化物中の低い熱伝導率によって引き起こされるSOI/DTIアプローチの接合温度効果を回避する。この点において、記載された例は、特別な基板やディープトレンチ絶縁を必要とせず、バックゲート効果が、熱的性能における不利益なしに制御又は排除され得る。
【0158】
上記の例は、本開示の様々な態様の幾つかの可能な実装の単なる例示であり、本明細書及び添付の図面を読んで理解すれば、同等の変形及び/又は改変が他の当業者に想起されよう。本発明の特許請求の範囲内で、説明した例に改変が成され得、他の実装も可能である。

図1
図2
図3
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図5
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図8
図9
図10
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図18
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図20
図21
【外国語明細書】