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特開2023-93424管状構造体内の物体の位置を決定するための位置決定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093424
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】管状構造体内の物体の位置を決定するための位置決定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20230627BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20230627BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230627BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20230627BHJP
【FI】
A61B34/20
G06T7/60 150G
G06T7/00 612
G06T7/70 A
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030677
(22)【出願日】2023-03-01
(62)【分割の表示】P 2020555380の分割
【原出願日】2019-04-11
(31)【優先権主張番号】102018108643.1
(32)【優先日】2018-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】595014653
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツール フエルデルング デア アンゲヴァンテン フォルシュング エー.ファオ.
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】シュトレーロウ、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ペッツ、トルベン
(72)【発明者】
【氏名】ハーン、ホルスト
(57)【要約】
【課題】管状構造体内の縦長の物体の位置の改善された決定を可能にする、位置決定装置、方法、及びコンピュータプログラムを提供する。前記位置決定装置を含んだ画像化システム、並びに画像化方法及び画像化コンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】本発明は、管状構造体内の縦長の物体(4)の位置を決定するための位置決定装置(5)に関し、この際、位置決定装置(5)は、管状構造体内の1つの経路に沿った複数の第1の箇所における曲率値の第1の分布を提供するための第1の提供ユニットを含む。更に位置決定装置(5)は、物体(4)に沿った複数の第2の箇所における歪み値又は曲率値の第2の分布を提供するための第2の供給ユニット(7)と、第1の分布と第2の分布に基づき、その経路に対する物体(4)の位置を決定するための位置決定ユニット(8)とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状構造体内の縦長の物体(4)の位置を決定するための位置決定装置であって、当該位置決定装置(5)は、
- 管状構造体内の1つの経路に沿った複数の第1の箇所における曲率値の第1の分布を提供するための第1の提供ユニット(6)と、
- 物体(4)に沿った複数の第2の箇所における歪み値又は曲率値の第2の分布を提供するための第2の提供ユニット(7)と、
- 第1の分布と第2の分布に基づき、その経路に対する物体(4)の位置を決定するための位置決定ユニット(8)と
を含むこと。
【請求項2】
前記第1の提供ユニット(6)は、第1の分布として、管状構造体内の1つの経路に沿った曲率値のスカラ量の分布を提供するように適合されていること
を特徴とする、請求項1に記載の位置決定装置。
【請求項3】
前記第2の提供ユニット(7)は、第2の分布を、物体(4)に沿って配設されている複数の光学的な歪みセンサの光学的な信号に基づいて決定するように適合されること
を特徴とする、請求項1又は2に記載の位置決定装置。
【請求項4】
前記位置決定ユニット(8)は、
- 1つの経路に対する物体(4)の様々な可能な候補位置について第1の分布と第2の分布に対して非類似性尺度を適用するように適合されており、但し非類似性尺度は、その経路に対する物体(4)の各候補位置に対し、それぞれの候補位置における両方の分布の非類似性を示す非類似性値をもたらすように適合されていること、
- その経路に対する物体(4)の位置を、異なる候補位置に対して決定された非類似性値に基づいて決定するように適合されていること
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の位置決定装置。
【請求項5】
前記第1の提供ユニット(6)は、管状構造体内の複数の経路に対し、曲率値の複数の第1の分布を提供するように適合されており、前記位置決定ユニット(8)は、これらの経路の1つに対する物体(4)の位置を、複数の第1の分布と1つの第2の分布に基づいて決定するように適合されていること
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の位置決定装置。
【請求項6】
前記位置決定ユニット(8)は、
- 各経路に対し、それぞれの経路に対する物体(4)の異なる候補位置について非類似性値の分布を決定し、
- 経路の1つに対する物体(4)の位置を、異なる経路と異なる候補位置に対して決定された非類似性値に基づいて決定するように適合されていること
を特徴とする、請求項4を引用する請求項5に記載の位置決定装置。
【請求項7】
前記第2の提供ユニット(7)は、異なる時点に対し、物体(4)に沿った複数の第2の分布を提供するように適合されており、これらの複数の第2の分布は、管状構造体の1つの経路に対する物体(4)の複数の位置に対応し、前記位置決定ユニット(8)は、
- 各経路に対し及び各時点に対しそれぞれ、それぞれの経路に対する物体(4)の異なる候補位置について非類似性値の分布を決定するように適合されており、
- 経路の1つに対する物体(4)の位置を、異なる経路と、異なる時点と、異なる候補位置に対して決定された非類似性値に基づいて決定するように適合されていること
を特徴とする、請求項6に記載の位置決定装置。
【請求項8】
異なる時点と異なる候補位置に対して決定された非類似性値は、1つのマップとして把握可能であり、このマップ内における、それぞれの時点と候補位置により固定されている異なる場所に対し、それぞれ非類似性値が記入されており、位置決定ユニット(8)は、
- ルート尺度を提供するように適合されており、このルート尺度は、それぞれのマップを通るルートにおいて、最も遅い時点に対する1つの候補位置で終了し且つより前の時点に対する1つの候補位置で開始するルートに対し、それぞれのルートに沿った非類似性値に依存するルート値をもたらし、
- 各経路に対し、ルート尺度を用い、それぞれのマップを通るルートにおいて、最小のルート値が決定されるルートを決定するように適合されており、それにより異なる経路に対し、従って異なるマップに対し、それぞれ最適のルートが検出され、そして、
- 経路の1つに対する物体(4)の位置を、それらの最適のルートに対して決定されたルート値を考慮のもと、異なる経路に対して検出された最適のルートに基づいて決定するように適合されていること
を特徴とする、請求項7に記載の位置決定装置。
【請求項9】
前記位置決定ユニット(8)は、それぞれのルートに沿った非類似性値の合計が増加するにつれて大きくなる成分を有するルート尺度を提供するように適合されていること
を特徴とする、請求項8に記載の位置決定装置。
【請求項10】
前記位置決定ユニット(8)は、
- 異なる時点に対し、最適のルートを検出するように適合されており、それにより異なる時点と異なる経路に対し、それぞれ、対応のルート値を有する最適のルートが決定され、但し1つの経路と1つの所定の時点に対し、対応のルート値を有する最適のルートを決定するために、その所定の時点に対し及びより前の時点に対し及び候補位置に対して検出された非類似性値が使用され、これらの非類似性値は、それぞれの経路とその所定の時点に対する1つのマップとして把握可能であり、
- 各時点において、検出された最適の複数ルートから、最小のルート値が決定されている最適のルートを選択するように適合されており、但し最小のルート値を有する最適のルートが選択される前に、より前の時点では、他の最適のルートに対して決定されているルート値と比較して最小のルート値が決定されていない最適のルートに対し、ルート値が増加され、
- 経路の1つに対する物体(4)の位置として、選択された最適のルートにより規定されている位置を決定するように適合されていること
を特徴とする、請求項8又は9に記載の位置決定装置。
【請求項11】
前記位置決定ユニット(8)は、以下の構成により非類似性尺度を適用するように適合されており、即ち、
- 第1の分布の空間的な第1の勾配分布が決定され、
- 第2の分布の空間的な第2の勾配分布が決定され、
- 物体(4)に沿った各場所に対し、第2の分布のそれぞれの勾配が第1の分布のそれぞれの曲率勾配と比較され、但しそれぞれの候補位置は、それぞれの場所において第2の分布のどのそれぞれの勾配が第1の分布のどのそれぞれの曲率勾配と比較されるのかを規定し、但しそれぞれの場所に対し及びそれぞれの候補位置に対し、下位非類似性尺度が使用され、この下位非類似性尺度は、a)互いの勾配の方向に依存し、及び/又は、b)第1の分布の勾配の大きさと第2の分布の勾配の大きさに依存し、但し各場所に対して下位非類似性尺度を適用することにより下位非類似性値が決定され、
- 1つの候補位置に対して決定されている下位非類似性値は、それぞれの候補位置に対してそれぞれの非類似性値を決定するために合計されること
を特徴とする、請求項4~10のいずれか一項に記載の位置決定装置。
【請求項12】
前記位置決定ユニット(8)は、以下の構成により非類似性尺度を適用するように適合されており、即ち、
- 第1の分布の局所的な最大値(即ち極大値)が決定され、
- 第2の分布の局所的な最大値(即ち極大値)が決定され、
- 第1の分布の各局所的な最大値に対して第2の分布の1つの局所的な最大値が割り当てられ、それにより割り当てられた局所的な最大値の間の全ての空間的な間隔の合計は最小であり、但し第2の分布の各局所的な最大値は、第1の分布の1つの局所的な最大値にのみ割り当てられ、
- 第1の分布における割り当てられた局所的な最大値と、第2の分布における割り当てられた局所的な最大値との間の空間的な間隔が加算されること
を特徴とする、請求項4~10のいずれか一項に記載の位置決定装置。
【請求項13】
前記位置決定ユニット(8)は、以下の構成により非類似性尺度を適用するように適合されており、即ち、
- 物体(4)に沿った各場所に対し、第2の分布のそれぞれの値が第1の分布のそれぞれの値と比較され、但しそれぞれの候補位置は、それぞれの場所において第2の分布のどのそれぞれの値が第1の分布のどのそれぞれの値と比較されるのかを規定し、但しそれぞれの場所に対し及びそれぞれの候補位置に対し、下位非類似性尺度が使用され、この下位非類似性尺度は、a)第1の分布のそれぞれの値が予め定められた第1の閾値の上側に位置する場合、又はb)第1の分布のそれぞれの値がその第1の閾値の下側に位置し且つ第2の分布のそれぞれの値が予め定められた第2の閾値の下側に位置する場合には、ゼロであり、それ以外では、正の値を有し、
- 1つの候補位置に対して決定されている下位非類似性値は、それぞれの候補位置に対してそれぞれの非類似性値を決定するために合算されること
を特徴とする、請求項4~10のいずれか一項に記載の位置決定装置。
【請求項14】
前記位置決定ユニット(8)は、相互相関が、それぞれの候補位置に対して第1の分布と第2の分布に適用されることにより、非類似性尺度を適用するように適合されていること
を特徴とする、請求項4~10のいずれか一項に記載の位置決定装置。
【請求項15】
画像化システムであって、当該画像化システムは、
- 請求項1に記載の管状構造体内の縦長の物体(4)の位置を決定するための位置決定装置(5)と、
- 管状構造体の画像を提供するための画像形成ユニット(10)と、
- 提供された画像と、決定された位置とに基づき、管状構造体の視覚化を生成するための視覚化生成ユニット(11)と
を有すること。
【請求項16】
管状構造体内の縦長の物体(4)の位置を決定するための位置決定方法であって、当該方法は、
- 第1の提供ユニット(6)により、管状構造体内の1つの経路に沿った複数の第1の箇所における曲率値の第1の分布を提供すること、
- 第2の提供ユニット(7)により、物体(4)に沿った複数の第2の箇所における歪み値又は曲率値の第2の分布を提供すること、
- 位置決定ユニット(8)により、第1の分布と第2の分布に基づき、その経路に対する物体(4)の位置を決定すること
を含むこと。
【請求項17】
画像化方法であって、当該画像化方法は、
- 画像形成ユニット(10)により、管状構造体の画像を提供すること、
- 請求項1に記載の位置決定装置により、管状構造体内の縦長の物体(4)の位置を決定すること、及び、
- 視覚化生成ユニットにより、提供された画像と、決定された位置とに基づき、管状構造体の視覚化を生成すること
を含むこと。
【請求項18】
縦長の医療要素の位置を決定するためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、請求項16に記載の位置決定方法が請求項1に記載の位置決定装置(1)で実行される場合に、請求項16に記載の位置決定方法を実行するために、請求項1に記載の位置決定装置に指示を与えるように適合されているプログラムコード手段を有すること。
【請求項19】
画像化コンピュータプログラムであって、当該画像化コンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムが請求項15に記載の画像化システムで実行される場合に、請求項17に記載の画像化方法を実行するために、請求項15に記載の画像化システムに指示を与えるためのプログラムコード手段を含むこと。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦長の物体の位置を決定するため、特に、管状構造体内、例えば血管内又は気道内の、例えばカテーテル、気管支鏡、又はガイドワイヤのような医療器具の位置を決定するための、位置決定装置、方法、及びコンピュータプログラムに関する。更に本発明は、前記位置決定装置を含んだ画像化システム、並びに画像化方法、及び画像化コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療用途では、患者の体内の介入器具の位置を決定するために、電磁的(EM)なトラッキング技術、又は光学的な形状測定(“optical shape sensing”, OSS)に基づくトラッキング技術を使用する位置決定装置が知られている。光学的な形状測定は、典型的には、複数の光学的な曲率センサの評価を用いて行われ、またそれらの曲率センサは、ファイバの横断面の周りで同心に配設された複数の歪みセンサ(伸びセンサ)から構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US 2015/254526 A1
【特許文献2】US 2016/302869 A1
【特許文献3】US 2014/336501 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしEMトラッキング技術とOSSトラッキングは、例えばEMフィールドの不均質性や、曲率情報の補間と積分における誤差が原因で、比較的不正確であり得る。
【0005】
本発明の課題は、管状構造体内の縦長の物体の位置の改善された決定を可能にする、位置決定装置、方法、及びコンピュータプログラムを提供することである。本発明の更なる課題は、前記位置決定装置を含んだ画像化システム、並びに画像化方法及び画像化コンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、管状構造体内の縦長の物体(対象物)の位置、特に医療器具の位置を決定するための位置決定装置により解決され、この際、当該位置決定装置は、
- 管状構造体内の1つの経路(通路)に沿った複数の第1の箇所における曲率値の第1の分布(第1の分布情報)を提供するための第1の提供ユニットと、
- 物体に沿った複数の第2の箇所における歪み値(伸び値)又は曲率値の第2の分布(第2の分布情報)を提供するための第2の提供ユニットと、
- 第1の分布と第2の分布に基づき、その経路に対する物体の位置を決定するための位置決定ユニットと
を含む。
即ち本発明の第1の視点により、
管状構造体内の縦長の物体の位置を決定するための位置決定装置であって、当該位置決定装置は、
- 管状構造体内の1つの経路に沿った複数の第1の箇所における曲率値の第1の分布を提供するための第1の提供ユニットと、
- 物体に沿った複数の第2の箇所における歪み値又は曲率値の第2の分布を提供するための第2の提供ユニットと、
- 第1の分布と第2の分布に基づき、その経路に対する物体の位置を決定するための位置決定ユニットとを含むこと、
を特徴とする位置決定装置が提供される。
更に本発明の第2の視点により、
画像化システムであって、当該画像化システムは、
- 前記第1の視点に記載の管状構造体内の縦長の物体の位置を決定するための位置決定装置と、
- 管状構造体の画像を提供するための画像形成ユニットと、
- 提供された画像と、決定された位置とに基づき、管状構造体の視覚化を生成するための視覚化生成ユニットとを有すること、
を特徴とする画像化システムが提供される。
更に本発明の第3の視点により、
管状構造体内の縦長の物体の位置を決定するための位置決定方法であって、当該方法は、
- 第1の提供ユニットにより、管状構造体内の1つの経路に沿った複数の第1の箇所における曲率値の第1の分布を提供すること、
- 第2の提供ユニットにより、物体に沿った複数の第2の箇所における歪み値又は曲率値の第2の分布を提供すること、
- 位置決定ユニットにより、第1の分布と第2の分布に基づき、その経路に対する物体の位置を決定することを含むこと、
を特徴とする位置決定方法が提供される。
更に本発明の第4の視点により、
画像化方法であって、当該画像化方法は、
- 画像形成ユニットにより、管状構造体の画像を提供すること、
- 前記第1の視点に記載の位置決定装置により、管状構造体内の縦長の物体の位置を決定すること、及び、
- 視覚化生成ユニットにより、提供された画像と、決定された位置とに基づき、管状構造体の視覚化を生成することを含むこと、
を特徴とする画像化方法が提供される。
更に本発明の第5の視点により、
縦長の医療要素の位置を決定するためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、前記第3の視点に記載の位置決定方法が前記第1の視点に記載の位置決定装置で実行される場合に、前記第3の視点に記載の位置決定方法を実行するために、前記第1の視点に記載の位置決定装置に指示を与えるように適合されているプログラムコード手段を有すること、
を特徴とするコンピュータプログラムが提供される。
更に本発明の第6の視点により、
画像化コンピュータプログラムであって、当該画像化コンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムが前記第2の視点に記載の画像化システムで実行される場合に、前記第4の視点に記載の画像化方法を実行するために、前記第2の視点に記載の画像化システムに指示を与えるためのプログラムコード手段を含むこと、
を特徴とする画像化コンピュータプログラムが提供される。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
管状構造体内の縦長の物体の位置、特に医療器具の位置を決定するための位置決定装置であって、当該位置決定装置は、
- 管状構造体内の1つの経路に沿った複数の第1の箇所における曲率値の第1の分布を提供するための第1の提供ユニットと、
- 物体に沿った複数の第2の箇所における歪み値又は曲率値の第2の分布を提供するための第2の提供ユニットと、
- 第1の分布と第2の分布に基づき、その経路に対する物体の位置を決定するための位置決定ユニットと
を含むこと。
(形態2)
前記第1の提供ユニットは、第1の分布として、管状構造体内の1つの経路に沿った曲率値のスカラ量の分布を提供するように適合されていること、が好ましい。
(形態3)
前記第2の提供ユニットは、第2の分布を、物体に沿って配設されている複数の光学的な歪みセンサの光学的な信号に基づいて決定するように適合されること、が好ましい。
(形態4)
前記位置決定ユニットは、
- 1つの経路に対する物体の様々な可能な候補位置について第1の分布と第2の分布に対して非類似性尺度を適用するように適合されており、但し非類似性尺度は、その経路に対する物体の各候補位置に対し、それぞれの候補位置における両方の分布の非類似性を示す非類似性値をもたらすように適合されていること、
- その経路に対する物体の位置を、異なる候補位置に対して決定された非類似性値に基づいて決定するように適合されていること、が好ましい。
(形態5)
前記第1の提供ユニットは、管状構造体内の複数の経路に対し、曲率値の複数の第1の分布を提供するように適合されており、前記位置決定ユニットは、これらの経路の1つに対する物体の位置を、複数の第1の分布と1つの第2の分布に基づいて決定するように適合されていること、が好ましい。
(形態6)
前記位置決定ユニットは、
- 各経路に対し、それぞれの経路に対する物体の異なる候補位置について非類似性値の分布を決定し、
- 経路の1つに対する物体の位置を、異なる経路と異なる候補位置に対して決定された非類似性値に基づいて決定するように適合されていること、が好ましい。
(形態7)
前記第2の提供ユニットは、異なる時点に対し、物体に沿った複数の第2の分布を提供するように適合されており、これらの複数の第2の分布は、管状構造体の1つの経路に対する物体の複数の位置に対応し、前記位置決定ユニットは、
- 各経路に対し及び各時点に対しそれぞれ、それぞれの経路に対する物体の異なる候補位置について非類似性値の分布を決定するように適合されており、
- 経路の1つに対する物体の位置を、異なる経路と、異なる時点と、異なる候補位置に対して決定された非類似性値に基づいて決定するように適合されていること、が好ましい。
(形態8)
異なる時点と異なる候補位置に対して決定された非類似性値は、1つのマップとして把握可能であり、このマップ内における、それぞれの時点と候補位置により固定されている異なる場所に対し、それぞれ非類似性値が記入されており、位置決定ユニットは、
- ルート尺度を提供するように適合されており、このルート尺度は、それぞれのマップを通るルートにおいて、最も遅い時点に対する1つの候補位置で終了し且つより前の時点に対する1つの候補位置で開始するルートに対し、それぞれのルートに沿った非類似性値に依存するルート値をもたらし、
- 各経路に対し、ルート尺度を用い、それぞれのマップを通るルートにおいて、最小のルート値が決定されるルートを決定するように適合されており、それにより異なる経路に対し、従って異なるマップに対し、それぞれ最適のルートが検出され、そして、
- 経路の1つに対する物体の位置を、それらの最適のルートに対して決定されたルート値を考慮のもと、異なる経路に対して検出された最適のルートに基づいて決定するように適合されていること、が好ましい。
(形態9)
前記位置決定ユニットは、それぞれのルートに沿った非類似性値の合計が増加するにつれて大きくなる成分を有するルート尺度を提供するように適合されていること、が好ましい。
(形態10)
前記位置決定ユニットは、
- 異なる時点に対し、最適のルートを検出するように適合されており、それにより異なる時点と異なる経路に対し、それぞれ、対応のルート値を有する最適のルートが決定され、但し1つの経路と1つの所定の時点に対し、対応のルート値を有する最適のルートを決定するために、その所定の時点に対し及びより前の時点に対し及び候補位置に対して検出された非類似性値が使用され、これらの非類似性値は、それぞれの経路とその所定の時点に対する1つのマップとして把握可能であり、
- 各時点において、検出された最適の複数ルートから、最小のルート値が決定されている最適のルートを選択するように適合されており、但し最小のルート値を有する最適のルートが選択される前に、より前の時点では、他の最適のルートに対して決定されているルート値と比較して最小のルート値が決定されていない最適のルートに対し、ルート値が増加され、
- 経路の1つに対する物体の位置として、選択された最適のルートにより規定されている位置を決定するように適合されていること、が好ましい。
(形態11)
前記位置決定ユニットは、以下の構成により非類似性尺度を適用するように適合されており、即ち、
- 第1の分布の空間的な第1の勾配分布が決定され、
- 第2の分布の空間的な第2の勾配分布が決定され、
- 物体に沿った各場所に対し、第2の分布のそれぞれの勾配が第1の分布のそれぞれの曲率勾配と比較され、但しそれぞれの候補位置は、それぞれの場所において第2の分布のどのそれぞれの勾配が第1の分布のどのそれぞれの曲率勾配と比較されるのかを規定し、但しそれぞれの場所に対し及びそれぞれの候補位置に対し、下位非類似性尺度が使用され、この下位非類似性尺度は、a)互いの勾配の方向に依存し、及び/又は、b)第1の分布の勾配の大きさと第2の分布の勾配の大きさに依存し、但し各場所に対して下位非類似性尺度を適用することにより下位非類似性値が決定され、
- 1つの候補位置に対して決定されている下位非類似性値は、それぞれの候補位置に対してそれぞれの非類似性値を決定するために合計されること、が好ましい。
(形態12)
前記位置決定ユニットは、以下の構成により非類似性尺度を適用するように適合されており、即ち、
- 第1の分布の局所的な最大値(即ち極大値)が決定され、
- 第2の分布の局所的な最大値(即ち極大値)が決定され、
- 第1の分布の各局所的な最大値に対して第2の分布の1つの局所的な最大値が割り当てられ、それにより割り当てられた局所的な最大値の間の全ての空間的な間隔の合計は最小であり、但し第2の分布の各局所的な最大値は、第1の分布の1つの局所的な最大値にのみ割り当てられ、
- 第1の分布における割り当てられた局所的な最大値と、第2の分布における割り当てられた局所的な最大値との間の空間的な間隔が加算されること、が好ましい。
(形態13)
前記位置決定ユニットは、以下の構成により非類似性尺度を適用するように適合されており、即ち、
- 物体に沿った各場所に対し、第2の分布のそれぞれの値が第1の分布のそれぞれの値と比較され、但しそれぞれの候補位置は、それぞれの場所において第2の分布のどのそれぞれの値が第1の分布のどのそれぞれの値と比較されるのかを規定し、但しそれぞれの場所に対し及びそれぞれの候補位置に対し、下位非類似性尺度が使用され、この下位非類似性尺度は、a)第1の分布のそれぞれの値が予め定められた第1の閾値の上側に位置する場合、又はb)第1の分布のそれぞれの値がその第1の閾値の下側に位置し且つ第2の分布のそれぞれの値が予め定められた第2の閾値の下側に位置する場合には、ゼロであり、それ以外では、正の値を有し、
- 1つの候補位置に対して決定されている下位非類似性値は、それぞれの候補位置に対してそれぞれの非類似性値を決定するために合算されること、が好ましい。
(形態14)
前記位置決定ユニットは、相互相関、特に正規化された相互相関が、それぞれの候補位置に対して第1の分布と第2の分布に適用されることにより、非類似性尺度を適用するように適合されていること、が好ましい。
(形態15)
画像化システムであって、当該画像化システムは、
- 形態1に記載の管状構造体内の縦長の物体の位置を決定するための位置決定装置と、
- 管状構造体の画像を提供するための画像形成ユニットと、
- 提供された画像と、決定された位置とに基づき、管状構造体の視覚化を生成するための視覚化生成ユニットと
を有すること。
(形態16)
管状構造体内の縦長の物体の位置を決定するための位置決定方法であって、当該方法は、
- 第1の提供ユニットにより、管状構造体内の1つの経路に沿った複数の第1の箇所における曲率値の第1の分布を提供すること、
- 第2の提供ユニットにより、物体に沿った複数の第2の箇所における歪み値又は曲率値の第2の分布を提供すること、
- 位置決定ユニットにより、第1の分布と第2の分布に基づき、その経路に対する物体の位置を決定すること
を含むこと。
(形態17)
画像化方法であって、当該画像化方法は、
- 画像形成ユニットにより、管状構造体の画像を提供すること、
- 形態1に記載の位置決定装置により、管状構造体内の縦長の物体の位置を決定すること、及び、
- 視覚化生成ユニットにより、提供された画像と、決定された位置とに基づき、管状構造体の視覚化を生成すること
を含むこと。
(形態18)
縦長の医療要素の位置を決定するためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、形態16に記載の位置決定方法が形態1に記載の位置決定装置で実行される場合に、形態16に記載の位置決定方法を実行するために、形態1に記載の位置決定装置に指示を与えるように適合されているプログラムコード手段を有すること。
(形態19)
画像化コンピュータプログラムであって、当該画像化コンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムが形態15に記載の画像化システムで実行される場合に、形態17に記載の画像化方法を実行するために、形態15に記載の画像化システムに指示を与えるためのプログラムコード手段を含むこと。
【0008】
管状構造体に沿った複数の第1の箇所における第1の分布の曲率値と、物体に沿った複数の第2の箇所における第2の分布の歪み値又は曲率値は、局所的な値(ローカルな値)である。包括的な情報(グローバルな情報)ではなくこれらの局所的な情報に基づいて管状構造体内の物体の位置を決定することにより、この方法は測定誤差に対してさほど敏感ではないため、位置の決定の精度を大幅に改善することができる。例えば、位置の決定の精度は、ドリフトや、領域の不均一性などのような包括的な測定誤差に対してさほど敏感ではなく、特にまったく敏感ではないことが可能である。それに加え、物体の位置は、例えば、第2の分布の例えば曲率値に基づいた物体の形状の再構成が必要とされることなく、決定されることが可能である。
【0009】
第1の提供ユニットは、第1の分布の曲率値が記憶される記憶ユニットとすることができ、この際、第1の提供ユニットは、第1の分布の記憶された曲率値を提供することに適していることが可能である。しかし第1の提供ユニットは、例えば第1の決定ユニットから第1の分布の曲率値を受信し且つ受信された第1の分布の曲率値を提供するための受信ユニットとすることもできる。それに加え、第1の提供ユニットは、それ自体、第1の決定ユニットとすることもできる。 また第2の提供ユニットも、記憶ユニット又は受信ユニットとすることができる。更に第2の提供ユニットは、第2の決定ユニットとすることもできる。
【0010】
第1の分布の曲率値は、好ましくは、予め定められている。これらの曲率値は、例えばコンピュータ断層撮影画像(CT画像)、磁気共鳴断層撮影画像(MRT画像)、又は他の画像のような管状構造体の画像に基づいて決定されていることが可能である。第1の分布の曲率値は、他の方式で決定されることも可能である。例えば、事前の一方法では、1つ又は複数の曲率センサが管状構造体内で動かされることが可能であり、それによりこれらの曲率センサは、管状構造体の曲率がこれらの曲率センサを使用して測定される間には、管状構造体内の既知の第1の箇所にあることになる。曲率値を生成するための更なる一例は、画像データから抽出された管状構造体内における医療用の物体の位置ないし姿勢のシミュレーションである。
【0011】
管状構造体は、例えば、血管系、呼吸器系、又は他の枝分かれした管状構造体とすることができる。また管状構造体は、例えば、パイプラインシステム、トンネルシステム、ケーブルチャネルシステムなどのような技術的な管状構造体とすることもできる。物体は、好ましくは、例えば、ガイドワイヤ、カテーテル、又は気管支鏡のような医療器具である。しかしまた、物体は、例えば、パイプラインシステム内、トンネルシステム内、ケーブルダクトシステム内などで動かされる非医療用の物体とすることもできる。
【0012】
好ましい一実施形態において、第1の分布と第2の分布の曲率値は、スカラ量である。それにより方向に依存する曲率情報を使用せずに管状構造体内の物体の位置を決定することができる。一実施形態では、それぞれの箇所において、2つの異なる方向で、例えば横軸線方向と垂直軸線方向で、2つの局所的な曲率を決定することができ、これらの両方の局所的な曲率を、それぞれの箇所における局所的な曲率を示している1つのスカラ量の曲率値へと組み合わせることができる。例えば、1つのスカラ量の平均曲率値、又は1つのスカラ量のガウス全曲率値を決定することができる。しかしまた曲率値は、ベクトル値とすることもできる。例えば、垂直軸線に対する曲率と、横軸線に対する曲率のような両方の局所的な曲率を、それぞれの箇所において2成分の曲率値と見なすことができる。
【0013】
第1の提供ユニットは、第1の分布として、管状構造体内の1つの経路に沿った曲率値のスカラ量の分布を提供するように適合されていることが好ましい。この際、第2の提供ユニットは、好ましくは、第2の分布として、物体に沿った複数の第2の箇所におけるスカラ量の歪み値(ないし伸び値 Dehnungswerte)の分布を提供するように適合されており、それにより位置決定ユニットは、第1の分布のスカラ量の曲率値と、第2の分布のスカラ量の歪み値とに基づき、その経路に対する物体の位置を決定する。この状況ではスカラ量の歪み値のみが必要とされるので、管状構造体内の物体の位置を決定するために、必要な技術的な手間は、比較的僅かである。
【0014】
更に第2の提供ユニットは、第2の分布を、物体に沿って配設されている複数の光学的な歪みセンサ(伸びセンサ)の光学的な信号に基づいて決定するように適合されていることが好ましい。光学的な歪みセンサは、好ましくは、単一の光学的なシングルコアファイバ内に組み込まれている。物体に沿った各箇所には、好ましくは、それぞれ1つだけの歪みセンサがある。このことは、曲率センサと比較して技術的な手間を更に減少させると共にスカラ量の歪み値の第2の分布の決定を可能にし、そのような技術的な手間は、更にユーザにとって比較的容易に取り扱い可能である。
【0015】
他の一実施形態において第2の分布が曲率値の分布である場合には、これらの曲率値は、例えば、OSS曲率センサ、或いはEMセンサ又はRFID(Radio frequency identification)センサのグループを用いて決定されることが可能である。センサグループ内の他のセンサに関する相対的な位置は、局所的な曲率を計算するためには、EMセンサ又はRFIDセンサのこのグループにとって十分である。
【0016】
好ましくは、位置決定ユニットは、a)1つの経路に対する物体の様々な可能な候補位置について第1の分布と第2の分布に対して非類似性尺度を適用するように適合されており、この際、非類似性尺度は、その経路に対する物体の各候補位置に対し、それぞれの候補位置における両方の分布の非類似性を示す非類似性値をもたらすように適合されており、そしてb)その経路に対する物体の位置を、異なる複数候補位置に対して決定された非類似性値(複数)に基づいて決定するように適合されている。一実施形態において、位置決定ユニットは、その経路に対する物体の位置として、最小の非類似性値が決定されている候補位置を決定するように適合されている。このことは、経路に対する物体の位置の比較的正確な決定を既にもたらしてくれる。
【0017】
更に位置決定装置は、好ましくは、構造体の枝分かれより生じる管状構造体内の複数の経路に対し、曲率値の複数の第1の分布を提供するように適合されており、この際、位置決定ユニットは、これらの経路の1つに対する物体の位置を、複数の第1の分布と1つの第2の分布に基づいて決定するように適合されている。特に位置決定ユニットは、a)各経路に対し、それぞれの経路に対する物体の異なる候補位置について非類似性値の分布を決定し、そしてb)経路の1つに対する物体の位置を、異なる複数経路と異なる複数候補位置に対して決定された非類似性値に基づいて決定するように適合されている。このことは、物体が位置できるであろう複数の可能な経路を管状構造体が有する場合に、経路の1つに対する物体の位置の正確な決定をもたらしてくれる。
【0018】
更に第2の提供ユニットは、異なる複数時点に対し、物体に沿った複数の第2の分布を提供するように適合されていることが好ましく、この際、これらの複数の第2の分布は、管状構造体の1つの経路に対する物体の複数の位置に対応し、更にこの際、位置決定ユニットは、a)各経路に対し及び各時点に対しそれぞれ、それぞれの経路に対する物体の異なる候補位置について非類似性値の分布を決定するように適合されており、更にb)経路の1つに対する物体の位置を、異なる経路と、異なる時点と、異なる候補位置に対して決定された非類似性値に基づいて決定するように適合されている。特に、異なる時点と異なる候補位置に対して決定された非類似性値は、1つのマップとして把握可能であり、この際、このマップ内における、それぞれの時点と候補位置により固定されている異なる場所に対し、それぞれ非類似性値が記入されており、この際、位置決定ユニットは、a)ルート尺度を提供するように適合されており、このルート尺度は、それぞれのマップを通るルートにおいて、最も遅い時点に対する1つの候補位置で終了し且つより前の時点に対する1つの候補位置で開始するルートに対し、それぞれのルートに沿った非類似性値に依存するルート値をもたらし、b)各経路に対し、ルート尺度を用い、それぞれのマップを通るルートにおいて、最小のルート値が決定されるルートを決定するように適合されており、それにより異なる経路に対し、従って異なるマップに対し、それぞれ最適のルートが検出され、そしてc)経路の1つに対する物体の位置を、それらの最適のルートに対して決定されたルート値を考慮のもと、異なる経路に対して検出された最適のルートに基づいて決定するように適合されている。位置決定ユニットは、好ましくは、それぞれのルートに沿った非類似性値の合計が増加するにつれて大きくなる成分を有するルート尺度を提供するように適合されている。一実施形態において、位置決定ユニットは、経路の1つに対する物体の位置として、全ての最適のルートのうち最も低いルート値を有するルートにより規定されている位置を決定するように適合されている。このことは、管状構造体内の物体の位置の更に改善された決定をもたらしてくれる。
【0019】
しかしまた、位置決定ユニットは、a)異なる時点に対し、最適のルートを検出するように適合されており、それにより異なる時点と異なる経路に対し、それぞれ、対応のルート値を有する最適のルートが決定され、この際、1つの経路と1つの所定の時点に対し、対応のルート値を有する最適のルートを決定するために、その所定の時点に対し及びより前の時点に対し及び候補位置に対して検出された非類似性値が使用され、これらの非類似性値は、それぞれの経路とその所定の時点に対する1つのマップとして把握可能であり、b)各時点において、検出された最適のルートから、最小のルート値が決定されている最適のルートを選択するように適合されており、この際、最小のルート値を有する最適のルートが選択される前に、より前の時点では、他の最適のルートに対して決定されているルート値と比較して最小のルート値が決定されていない最適のルートに対し、ルート値が増加され、そしてc)経路の1つに対する物体の位置として、選択された最適のルートにより規定されている位置を決定するように適合されていることが好ましい。このことは、管状構造体内の物体の位置の決定の更に改善された精度をもたらしてくれる。
【0020】
位置決定ユニットは、以下の構成により非類似性尺度を適用するように適合されていることが可能であり、即ちa)第1の分布の空間的な第1の勾配分布が決定され、b)第2の分布の空間的な第2の勾配分布が決定され、c)物体に沿った各場所に対し、第2の分布のそれぞれの勾配が第1の分布のそれぞれの曲率勾配と比較され、この際、それぞれの候補位置は、それぞれの場所において第2の分布のどのそれぞれの勾配が第1の分布のどのそれぞれの曲率勾配と比較されるのかを規定し、更にこの際、それぞれの場所に対し及びそれぞれの候補位置に対し、下位非類似性尺度が使用され、この下位非類似性尺度は、i)互いの勾配の方向に依存し、及び/又はii)第1の分布の勾配の大きさと第2の分布の勾配の大きさに依存し、この際、各場所に対して下位非類似性尺度を適用することにより下位非類似性値が決定され、そしてd)1つの候補位置に対して決定されている下位非類似性値は、それぞれの候補位置に対してそれぞれの非類似性値を決定するために合計される。一実施形態において、下位非類似性尺度の値は、両方の勾配の互いの方向の類似性が増加するにつれて減少する。この減少は、単調(モノトーン)及び/又は連続的であることができる。更に一実施形態において、下位非類似性尺度は、第1の分布の勾配の大きさが第1の大きさ閾値よりも小さく且つ第2の分布の勾配の大きさが第2の大きさ閾値よりも小さい場合には、第1の値をもたらし、第1の分布の勾配の大きさが第1の大きさ閾値よりも小さくなく及び/又は第2の分布の勾配の大きさが第2の大きさ閾値よりも小さくない場合には、第2の値をもたらし、この際、第1の値は、第2の値よりも小さい。下位非類似性尺度は、両方の成分(コンポーネント)を有することもでき、つまり第1の成分は、勾配の類似性が増加するにつれて減少する値をもたらし、第2の成分は、第1の分布の勾配の大きさが第1の大きさ閾値よりも小さく且つ第2の分布の勾配の大きさが第2の大きさ閾値よりも小さい場合には、より小さい値をもたらし、それ以外では、より大きい値をもたらす。第1の成分と第2の成分は、例えば、線形に組み合わされることが可能であり、このことは、単純な加算も含んでいる。またこれらの両方の成分は、非線形に組み合わされることも可能である。一実施形態において、両方の成分は、乗法で組み合わされる。この組み合わせの結果は、下位非類似性尺度に対する1つのスカラ量の値である。
【0021】
更なる一実施形態において、下位非類似性尺度の値は、第1の分布と第2の分布の勾配の大きさが減少するにつれて減少する。つまりこの値は、両方の勾配の両方の大きさが減少する場合に減少する。この減少は、単調(モノトーン)及び/又は連続的であることができる。またこの値は、前述の第1の成分の値と、線形に又は非線形に組み合わされることも可能である。例えば、この値は、前記の第1の成分と乗算されることが可能であり、又はこれらの値は、加算されることが可能である。
【0022】
しかしまた位置決定ユニットは、以下の構成により非類似性尺度を適用するように適合されていることが可能であり、即ちa)第1の分布の局所的な最大値(極大値)が決定され、b)第2の分布の局所的な最大値(極大値)が決定され、c)第1の分布の各局所的な最大値に対して第2の分布の1つの局所的な最大値が割り当てられ、それにより割り当てられた局所的な最大値の間の全ての空間的な間隔の合計は最小であり、この際、第2の分布の各局所的な最大値は、第1の分布の1つの局所的な最大値にのみ割り当てられ、そしてd)第1の分布における割り当てられた局所的な最大値と、第2の分布における割り当てられた局所的な最大値との間の空間的な間隔が加算される。更に位置決定ユニットは、以下の構成により非類似性尺度を適用するように適合されていることが可能であり、即ちa)物体に沿った各場所に対し、第2の分布のそれぞれの値が第1の分布のそれぞれの値と比較され、この際、それぞれの候補位置は、それぞれの場所において第2の分布のどのそれぞれの値が第1の分布のどのそれぞれの値と比較されるのかを規定し、この際、それぞれの場所に対し及びそれぞれの候補位置に対し、下位非類似性尺度が使用され、この下位非類似性尺度は、i)第1の分布のそれぞれの値が予め定められた第1の閾値の上側に位置する場合、又はii)第1の分布のそれぞれの値がその第1の閾値の下側に位置し且つ第2の分布のそれぞれの値が予め定められた第2の閾値の下側に位置する場合には、ゼロであり、それ以外では、正の値を有し、そしてb)1つの候補位置に対して決定されている下位非類似性値は、それぞれの候補位置に対してそれぞれの非類似性値を決定するために合計される。これらの非類似性尺度を使用することで、管状構造体内の物体の位置の決定を更に改善できることが見出された。しかし勿論、他の非類似性尺度を使用することも可能である。
【0023】
また位置決定ユニットは、相互相関、特に正規化された相互相関が、それぞれの候補位置に対して第1の分布と第2の分布に適用されることにより、非類似性尺度を適用するように適合されていることも可能である。特に位置決定ユニットは、第2の分布の歪み値又は曲率値の平均値ED、第1の分布の曲率値の平均値E、第2の分布の歪み値又は曲率値の標準偏差σ、第1の分布の曲率値の標準偏差σ、そして最終的に、正規化された相互相関を、以下の式に従って計算するように適合されている:
【0024】
【0025】
この際、nは、第1の分布の曲率値の数、及び第2の分布の歪み値ないし曲率値の数であり、この際、インデックスiは、第1の分布の個々の曲率値、及び第2の分布の個々の歪み値ないし曲率値を指し示しており、この際、D(i)は、第2の分布のそれぞれの歪み値ないし曲率値を示し、T(i)は、第1の分布のそれぞれの曲率値を示している。第2の分布の歪み値ないし曲率値D(i)及び第1の分布の曲率値T(i)は、それぞれi番目の値であり、これらの値は、それぞれの候補位置において重なり合っている。異なる候補位置に対しては、第1の分布と第2の分布が互いに対し異なってずらされているので、異なる候補位置に対しては、第1の分布の異なる第1の箇所と、第2の分布の異なる第2の箇所が重なり合っており、それにより通常では、第2の分布の異なる歪み値ないし曲率値と、第1の分布の曲率値も重なり合っており、従って異なる候補位置に対しては、異なる正規化された相互相関が得られる。正規化された相互相関に基づくこの非類似性尺度を使用することで、管状構造体内の物体の位置の決定を更に改善できることが見出された。
【0026】
上記の課題は、更に画像化システムにより解決され、この際、当該画像化システムは、
- 請求項1に記載の管状構造体内の縦長の物体の位置を決定するための位置決定装置と、
- 管状構造体の画像を提供するための画像形成ユニットと、
- 提供された画像と、決定された位置とに基づき、管状構造体の視覚化を生成するための視覚化生成ユニットと
を有する。
【0027】
更に上記の課題は、位置決定方法により解決され、この際、当該方法は、
- 第1の提供ユニットにより、管状構造体内の1つの経路に沿った複数の第1の箇所における曲率値の第1の分布を提供すること、
- 第2の提供ユニットにより、物体に沿った複数の第2の箇所における歪み値又は曲率値の第2の分布を提供すること、
- 位置決定ユニットにより、第1の分布と第2の分布に基づき、その経路に対する物体の位置を決定すること
を含む。
【0028】
更に上記の課題は、画像化方法により解決され、当該画像化方法は、
- 画像形成ユニットにより、管状構造体の画像を提供すること、
- 請求項1に記載の位置決定装置により、管状構造体内の縦長の物体の位置を決定すること、及び、
- 視覚化生成ユニットにより、提供された画像と、決定された位置とに基づき、管状構造体の視覚化を生成すること
を含む。
【0029】
更に上記の課題は、縦長の物体の位置を決定するためのコンピュータプログラムにより解決され、この際、当該コンピュータプログラムは、請求項16に記載の位置決定方法が請求項1に記載の位置決定装置で実行される場合に、請求項16に記載の位置決定方法を実行するために、請求項1に記載の位置決定装置に指示を与えるように適合されているプログラムコード手段を有する。
【0030】
更に上記の課題は、画像化コンピュータプログラムにより解決され、当該画像化コンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムが請求項15に記載の画像化システムで実行される場合に、請求項17に記載の画像化方法を実行するために、請求項15に記載の画像化システムに指示を与えるためのプログラムコード手段を含む。
【0031】
請求項1に記載の位置決定装置、請求項15に記載の画像化システム、請求項16に記載の位置決定方法、請求項17に記載の画像化方法、請求項18に記載のコンピュータプログラム、及び請求項19に記載の画像化コンピュータプログラムは、類似の又は同一の実施形態を有すると理解されるべきであり、それらは、特に従属請求項において規定されている。
【0032】
以下、本発明の実施形態を、添付の図面に関連して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】画像化システムの一実施形態を模式的に例示する図である。
図2】画像化方法の一実施形態を例示するフローチャートを示す図である。
図3】1つの管状構造体の一画像を例示する図である。
図4】管状構造体を表し且つ図3に示された画像から抽出された一血管グラフを例示する図である。
図5】管状構造体内の異なる経路(複数)に対する曲率値について異なる第1の分布(複数)を例示する図である。
図6】異なる候補位置と1つの経路に対する非類似性値の1つの分布(複数)を例示する図である。
図7】管状構造体内の1つの経路について異なる複数候補位置と複数の時間に対する非類似性値を例示する図であり、ここでは、それにより1つのマップが構成される。
図8図7に示されたマップを通る最適のルートを例示する図である。
図9】様々なコスト曲線を例示する図である。
【実施例0034】
図1は、管状構造体内の器具4の位置を決定するための位置決定装置5と、管状構造体の画像を提供するための画像形成ユニット10と、提供された画像と決定された位置とに基づいて管状構造体の視覚化を生成するための視覚化生成ユニット11とを含んだ画像化システム1の一実施形態を模式的に例示している。この実施形態において、管状構造体は、患者用寝椅子2上に位置する患者3の血管構造体である。位置決定装置5は、管状構造体に沿った複数の第1の箇所における管状構造体の曲率を示している曲率値を提供するための第1の提供ユニット6を含み、この際、この実施形態における第1の提供ユニット6は、画像形成ユニット10により提供された画像に基づいて曲率値を決定することに適している。特に画像形成ユニット10は、例えばコンピュータ断層撮影画像又は磁気共鳴画像のような管状構造体の三次元画像を提供することに適しており、その三次元画像は、患者3に器具4を挿入する前に記録されていることが可能であり、即ち提供された画像は、介入前の三次元画像とすることができる。第1の提供ユニット6は、提供された画像内の管状構造体をセグメント化し、曲率値を画像内の管状構造体のセグメント化に基づいて決定することに適していることが可能である。これらの曲率値は、局所的な曲率値であり、第1の分布(第1の分布情報)を構成する。
【0035】
この実施形態において、器具4(対象物としての物体)は、カテーテル4に沿った複数の第2の箇所に光学的な歪みセンサ(伸びセンサ)を有するカテーテルである。位置決定装置5は、歪みセンサから受信される光学的な信号に基づいて歪み値(伸び値)を提供するための第2の提供ユニット7を含んでいる。それらの歪み値は、スカラ量であり、それぞれの第2の箇所における歪みを示しており、従って局所的な歪み値である。
【0036】
更に位置決定装置5は、第1の曲率値と第2の歪み値に基づいて管状構造体内の器具4の位置を決定するための位置決定ユニット8を含んでいる。この実施形態において、これらの第1の値と第2の値は、スカラ量(skalar)である。特に1つの所定の空間的な箇所では、2つの異なる方向で管状構造体の2つの局所的な曲率を決定することができ、これら両方の局所的な曲率を、それぞれの空間的な箇所における局所的な曲率を示している1つのスカラ量の曲率値へと組み合わせることができる。例えば1つのスカラ量の平均曲率値を、以下の式に従って決定することができる:
【0037】
【0038】
この際、Kは、スカラ量の平均曲率値であり、kとkは、両方の異なる方向における局所的な曲率である。更に(ガウシアン)曲率値Kを、以下の式に従って計算することができる:
【0039】
【0040】
変数kとkを、例えば管状構造体の主曲率と見なすことができ、即ちそれぞれの箇所における管状構造体のシェイプ作用素(Formoperator)の固有値である。
【0041】
位置決定ユニット8は、1つの経路(通路)に対するカテーテル4の様々な可能な候補位置について第1の分布と第2の分布に対して非類似性尺度を適用するように適合されており、この際、非類似性尺度は、その経路に対するカテーテル4の各候補位置に対し、それぞれの候補位置における両方の分布の非類似性を示している非類似性値をもたらすように適合されている。更に位置決定ユニット8は、その経路に対するカテーテル4の位置を、異なる候補位置に対して決定された非類似性値に基づいて決定するように適合されている。位置決定ユニット8は、例えば、その経路に対するカテーテル4の位置として、最小の非類似性値が決定されている候補位置を決定するように適合されていることが可能である。
【0042】
更に位置決定装置は、管状構造体が複数の経路を有する場合にも、管状構造体内のカテーテル4の位置を決定するように適合されている。特に第1の提供ユニット6は、管状構造体内の複数の経路に対し、曲率値の複数の第1の分布を提供するように適合されており、この際、位置決定ユニット8は、これらの経路の1つに対するカテーテル4の位置を、複数の第1の分布に基づいて及び1つの第2の分布に基づいて決定するように適合されている。好ましくは、位置決定ユニット8は、各経路に対し、それぞれの経路に対するカテーテル4の異なる候補位置について非類似性値の分布を決定し、経路の1つに対するカテーテル4の位置を、異なる経路(複数)と異なる候補位置(複数)に対して決定された非類似性値に基づいて決定するように適合されている。
【0043】
更に第2の提供ユニット7は、異なる時点に対し、カテーテル4に沿った複数の第2の分布を提供するように適合されており、この際、これらの複数の第2の分布は、管状構造体の1つの経路に対するカテーテル4の複数の位置に対応する。位置決定ユニット8は、各経路に対し及び各時点に対しそれぞれ、それぞれの経路に対する医療器具の異なる候補位置について非類似性値の分布を決定し、経路の1つに対するカテーテル4の位置を、異なる経路と、異なる時点と、異なる候補位置に対して決定された非類似性値に基づいて決定するように適合されている。特に、異なる時点と異なる候補位置に対して決定された非類似性値は、1つのマップとして把握可能であり、この際、このマップ内における、それぞれの時点と候補位置により固定されている異なる場所に対し、それぞれ非類似性値が記入されている。そして位置決定ユニット8は、ルート尺度を提供するように適合されており、このルート尺度は、それぞれのマップを通るルートにおいて、最も遅い時点に対する1つの候補位置で終了し且つより前の時点に対する1つの候補位置で開始するルートに対し、それぞれのルートに沿った非類似性値に依存するルート値をもたらすものである。更に位置決定ユニット8は、各経路に対し、ルート尺度を用い、それぞれのマップを通るルートにおいて、最小のルート値が決定されるルートを決定するように適合されており、それにより異なる経路に対し、それぞれ最適のルートが検出される。更に位置決定ユニット8は、経路の1つに対するカテーテル4の位置を、それらの最適のルートに対して決定されたルート値を考慮のもと、異なる経路に対して検出された最適のルートに基づいて決定するように適合されている。
【0044】
特に位置決定ユニット8は、それぞれのルートに沿った非類似性値の合計が増加するにつれて大きくなるルート尺度を提供するように適合されている。更に位置決定ユニット8は、好ましくは、経路の1つに対するカテーテル4の位置として、全ての最適のルートのうち最も低いルート値を有するルートにより規定されている位置を決定するように適合されている。
【0045】
更に位置決定ユニット8は、好ましくは、異なる時点に対し、最適のルートを検出するように適合されており、それにより異なる時点に対し及び異なる経路に対し、それぞれ、対応のルート値を有する最適のルートが決定され、この際、1つの経路と1つの所定の時点に対し、対応のルート値を有する最適のルートを決定するために、その所定の時点に対し及びより前の時点に対し及び候補位置に対して検出された非類似性値が使用され、これらの非類似性値は、それぞれの経路とその所定の時点に対する1つのマップとして把握可能である。更に位置決定ユニット8は、好ましくは、各時点において、検出された最適のルートから、最小のルート値が決定されている最適のルートを選択するように適合されており、この際、最小のルート値を有する最適のルートが選択される前に、より前の時点では、他の最適のルートに対して決定されているルート値と比較して最小のルート値が決定されていない最適のルートに対し、ルート値が増加される。更に位置決定ユニット8は、好ましくは、経路の1つに対するカテーテル4の位置として、選択された最適のルートにより規定されている位置を決定するように適合されている。
【0046】
非類似性値を決定するために、位置決定ユニット8は、測定された歪みセンサプロファイルの勾配と、管状構造体の曲率プロファイルの勾配とを計算するように適合されていることが可能である。従って位置決定ユニット8は、第1の分布の空間的な第1の勾配分布と第2の分布の空間的な第2の勾配分布とが決定されることにより、非類似性尺度を適用するように適合されていることが可能である。更に位置決定ユニット8は、カテーテル4に沿った各場所に対し、第2の分布のそれぞれの勾配を第1の分布のそれぞれの曲率勾配と比較するように適合されており、この際、それぞれの候補位置は、それぞれの場所において第2の分布のどのそれぞれの勾配が第1の分布のどのそれぞれの曲率勾配と比較されるのかを規定し、更にこの際、それぞれの場所に対し及びそれぞれの候補位置に対し、下位非類似性尺度が使用され、この下位非類似性尺度は、勾配の互いの方向の類似性が増加するにつれて減少する。類似性の増加に伴うこの減少は、例えば単調(モノトーン)であり得る。それに代わり又はそれに加え、第1の分布の勾配の大きさが予め定められた第1の大きさ閾値よりも小さく且つ第2の分布の勾配の大きさが予め定められた第2の大きさ閾値よりも小さい場合には、下位非類似性尺度は、より小さい値をもたらすことができ、それ以外では、より大きい値をもたらすことができる。従って下位非類似性尺度は、少なくとも1つ又は少なくとも2つの成分(コンポーネント)を有することができ、この際、第1の成分は、勾配の方向の類似性が増加するにつれて減少する値をもたらし、及び/又は、第2の成分は、第1の分布の勾配の大きさが予め定められた第1の大きさ閾値よりも小さく且つ第2の分布の勾配の大きさが予め定められた第2の大きさ閾値よりも小さい場合には、より小さい値をもたらし、それ以外では、より大きい値をもたらす。つまり全ての一致する勾配値に対し、ペナルティタームが計算され、このペナルティタームは、a)両方の勾配が非類似の方向を示している場合、及び/又は、b)両方の勾配のどちらも小さくない場合には、高く、この際、対応の大きさ閾値との比較を用いることで、それぞれの勾配値が小さいか否かが決定される。
【0047】
下位非類似性尺度を適用することにより、各場所に対し、下位非類似性値が決定される。更に位置決定ユニット8は、1つの候補位置に対して決定されている下位非類似性値を、それぞれの候補位置に対してそれぞれの非類似性値を決定するために合計するように適合されている。つまり全てのペナルティタームの合計は、曲率プロファイルと歪みセンサプロファイルの一致のための尺度である。
【0048】
また位置決定ユニット8は、第1の分布の局所的な最大値(極大値)と第2の分布の局所的な最大値(極大値)が決定されることにより、他の非類似性尺度を適用するように適合されていることも可能である。つまり位置決定ユニット8は、歪みセンサプロファイルと曲率プロファイルにおいて全ての局所的な最大値を見つけるように適合されていることが可能である。この際、更に位置決定ユニット8は、第1の分布の各局所的な最大値に対して第2の分布の1つの局所的な最大値を割り当てるように適合されており、それにより割り当てられた局所的な最大値の間の全ての空間的な間隔の合計は最小であり、この際、第2の分布の各局所的な最大値は、第1の分布の1つの局所的な最大値にのみ割り当てられる。それに加え、位置決定ユニット8は、例えば、割り当てのためにブルート・フォース・アプローチを適用するように適合されてることが可能である。更にこの際、位置決定ユニット8は、非類似性値を決定するために、第1の分布における割り当てられた局所的な最大値と、第2の分布における割り当てられた局所的な最大値との間の空間的な間隔を加算するように適合されている。
【0049】
しかしまた位置決定ユニット8は、カテーテル4に沿った各場所に対し、第2の分布のそれぞれの値が第1の分布のそれぞれの値と比較されることにより、非類似性尺度を適用するように適合されていることも可能であり、この際、それぞれの候補位置は、それぞれの場所において第2の分布のどのそれぞれの値が第1の分布のどのそれぞれの値と比較されるのかを規定し、この際、それぞれの場所に対し及びそれぞれの候補位置に対し、下位非類似性尺度が使用され、この下位非類似性尺度は、a)第1の分布のそれぞれの値が予め定められた第1の閾値の上側に位置する場合、又はb)第1の分布のそれぞれの値がその第1の閾値の下側に位置し且つ第2の分布のそれぞれの値が予め定められた第2の閾値の下側に位置する場合には、ゼロであり、それ以外では、正の値をもたらす。このことは、第1の分布における曲率のゼロ点が、歪み測定における対応のゼロ点を結果として伴うという観察に基づいている。この非類似性尺度は、単射(インジェクティブ)のゼロ点比較として考察されることも可能であり、この際、小さい曲率と小さい歪み値の間のバイナリコンボリューション(二進の畳み込み)が計算される。また1つの候補位置に対して決定されている下位非類似性値は、それぞれの候補位置に対してそれぞれの非類似性値を決定するために再び合計される。
【0050】
また位置決定ユニット8は、相互相関、特に正規化された相互相関が、それぞれの候補位置に対して第1の分布と第2の分布に適用されることにより、非類似性尺度を適用するように適合されていることも可能である。特に位置決定ユニット8は、第2の分布の歪み値の平均値E、第1の分布の曲率値の平均値E、前記歪み値の標準偏差σ、前記曲率値の標準偏差σ、そして最終的に、正規化された相互相関を、以下の式に従って計算するように適合されていることが可能である:
【0051】
【0052】
この際、nは、曲率値の数であり、従ってこの例では歪み値の数でもあり、この際、インデックスiは、個々の曲率値、及び個々の歪み値を指し示しており、この際、D(i)は、それぞれの歪み値を示し、T(i)は、それぞれの曲率値を示している。歪み値D(i)及び曲率値T(i)は、それぞれi番目の値であり、これらの値は、それぞれの候補位置において重なり合っている。異なる候補位置に対しては、第1の分布と第2の分布が互いに対し異なってずらされているので、異なる候補位置に対しては、第1の分布の異なる第1の箇所と、第2の分布の異なる第2の箇所が重なり合っており、それにより通常では、異なる歪み値と曲率値も重なり合っており、従って異なる候補位置に対しては、異なる正規化された相互相関が得られる。この例において非類似性尺度は、正規化された相互相関であるか、又はそれに依存する。
【0053】
視覚化生成ユニット11は、管状構造体の視覚化を、提供された画像と、管状構造体内の器具4の決定された位置とに基づき、器具4の決定された位置が、提供された画像内で視覚化されるように、又は画像形成ユニットにより提供された画像から獲得されたものであり患者内の所望の構造体を示す更なる画像内で視覚化されるように生成することに適している。更に画像化システム1は、ユーザに対して視覚化を表示するためのディスプレイのような出力ユニット13と、キーボード、コンピュータマウス、タッチパッドなどのような入力ユニット12とを含んでいる。それにより器具4が患者3の管状構造体内にある間、ユーザは、正確にどこに器具4が管状構造体内にあるかを正確に見ることができ、このことは、ユーザに対し、患者の体内に器具4を使用する際の助けとなる。例えば、器具4は、検知特性(機能)及び/又は処置特性(機能)を有することができ、表示された視覚化は、管状構造体に対する例えば器具4の先端部の正確な位置が出力ユニット13上に表示されることにより、検知法及び/又は処置法を実行する際にユーザを支援することができる。
【0054】
以下に、画像化方法の一実施形態を、一例として、図2に示されたフローチャートに関連して説明する。
【0055】
ステップ101において、管状構造体の画像が画像形成ユニット10により提供され、ステップ102において、管状構造体に沿った複数の第1の箇所における管状構造体の曲率を示している曲率値が、第1の提供ユニット6により提供される。従って第1の提供ユニット6は、第1の分布(第1の分布情報)を提供する。これらの曲率値は、器具4を患者3の管状構造体内に挿入する前、挿入中、又は挿入後に提供されることが可能である。器具4が患者3の管状構造体内に挿入された後に、ステップ103において、器具4に沿った複数の第2の箇所における器具4の歪み(伸び)を示している歪み値が、第2の提供ユニット7により提供される。従って第2の提供ユニット7は、第2の分布(第2の分布情報)を提供する。ステップ104において、管状構造体内の器具4の位置が、第1の分布と第2の分布に基づいて位置決定ユニット8により決定され、ステップ105において、管状構造体の視覚化が、提供された画像と、決定された位置とに基づいて視覚化生成ユニット11により生成され、この際、生成された視覚化は、ステップ106において出力ユニット13上で表示される。ステップ102から104は、管状構造体内の器具の位置を決定するための位置決定方法のステップと見なされることが可能である。
【0056】
上述の位置決定装置は、例えば、カテーテル、ガイドワイヤ、気管支鏡のような医療器具、又はその他の医療器具に組み込まれていることが可能である複数のファイバ光学歪みセンサを用いて決定される歪みプロファイルに基づき、内部管状ナビゲーションを可能とする。
【0057】
説明された位置決定装置は、また位置決定方法も、好ましくは、これらが、歪み測定と、与えられたチューブ形状の構造体、即ち管状構造体とのリアルタイムで可能な相関を可能にするように適合されている。チューブ形状の構造体は、好ましくは、介入前の画像データから抽出され、この際、抽出されたチューブ形状の構造体に基づき、チューブ形状の構造体を通る各可能な経路に対し、医療器具のスカラ量の曲率プロファイルが決定される。このことは、例えば、それぞれの血管中心線の抽出によるか、又は血管内における期待すべき器具の位置ないし姿勢の生物物理学的なシミュレーションにより行うことができる。複数の経路におけるこれらの複数の曲率プロファイルは、引き続き、第1の分布として、介入中のマッピングステップにおいて使用可能とされる。
【0058】
介入の間に、医療器具の歪みプロファイルが決定され、即ち第2の分布が決定され、予め決定されている曲率プロファイル、即ち第1の分布と相関される。この際、歪みプロファイルとそれぞれの曲率プロファイルの間の間隔尺度、即ち非類似性尺度が、好ましくは、曲率と歪みの間の非線形の関係が考慮されるように選択される。
【0059】
第2分布として、医療器具に沿った1つの歪みプロファイルが使用される場合には、管状構造体上に結像され得るであろう例えば医療器具の3次元形状を1つの曲率プロファイルに基づいて決定するために、1つの曲率プロファイルを少なくとも2つの歪みプロファイルに基づいて決定することは、必要ではない。それにより医療器具の位置を決定するためには、複数の歪みセンサ(伸びセンサ)を備えた単一の光学ファイバないし単一の光学ファイバコアで十分であり、これらは、比較的低コストで製造可能であり、また比較的容易に医療器具に組み込むこともできる。
【0060】
図3は、ある管状構造体の3次元画像を例示し、図4は、図3に示された画像に基づいて生成され且つその管状構造体を表す血管グラフ31を図解している。血管グラフ31、従って管状構造体は、枝分かれしており、循環的なものではない。
【0061】
図5は、一例として、管状構造体内の4つの経路について4つの曲率値プロファイル(曲率値の経過グラフ)32~35を図解しており、この際、垂直軸線に沿って曲率Kが記入され、水平軸線に沿ってそれぞれの経路に沿ったそれぞれの箇所xが記入されている。つまり対応の経路に沿った各箇所に対し、局所的な曲率が管状構造体に基づいて計算され、この際、管状構造体内の枝分かれが原因で様々な経路が得られており、これらの経路は、血管ツリーパス(GBP)と呼ぶこともできる。局所的な曲率は、好ましくは、全てのGBPに沿って決定される。従って図5は、複数の第1の分布を示している。
【0062】
医療器具に沿って配設されている歪みセンサ(伸びセンサ)は、管状構造体の曲率と相関することのできる点ごとの歪み値(伸び値)を決定するために使用される。この際、それぞれの経路に対する光学ファイバの向き次第で、個々の局所的な歪みセンサは、経路の曲率により影響され得ないことがあることを付言する。このことは、特に医療器具内の歪みセンサの位置軸線(Lageachse)に直交して曲率がある場合のことである。それでも管状構造体内の医療器具の位置の正確な決定は、本位置決定装置及び本位置決定方法を用いることで可能である。
【0063】
好ましくは、位置決定ユニット8は、第1ステップにおいて、各可能なGBPに対して医療器具の最も妥当な位置を決定する。この際、1つのGBPに沿った医療器具の各可能な位置に対し、即ち各候補位置に対し、それぞれのGBPのそれぞれの第1の分布に沿った曲率値と、医療器具内の測定された歪み値とが、距離尺度について、即ち非類似性尺度について比較される。様々な距離尺度が想定可能であり、この際、各可能な距離尺度ないし非類似性尺度において、曲率プロファイルと歪みプロファイルから成る特性、即ち第1の分布と第2の分布から成る特性が抽出され、これらの特性に基づき、所定の候補位置に対し、第1の分布と第2の分布の距離、即ち非類似性値が決定される。従って管状構造体を通るGBPごとに、それぞれのGBPに沿った医療器具の、各可能な位置の妥当性ないし非類似性値、即ち各候補位置の妥当性ないし非類似性値が得られる。図6は、一例として、異なる候補位置pに対する妥当性ないし非類似性値を、異なるグレー値として図解している。
【0064】
一実施形態では、1つの所定のGBP内の医療器具の最も妥当な候補位置として、最小の非類似性値が決定されている候補位置、即ち最小の距離が決定されている候補位置を把握することができる。ただし例えばノイズが原因でそのような位置決定は、誤りである可能性があり、それにより好ましくは、過ぎ去った時点に関する情報が、最も妥当な候補位置の決定に同時に組み込まれる。つまり好ましくは、各GBPに対し及び各時点に対しそれぞれ、それぞれのGBPに対する医療器具の異なる候補位置について非類似性値の分布が決定され、この際、それにより、エネルギーマップ(EKP)と呼ぶこともできるであろう、図7に図解されているマップが得られる。
【0065】
また図7では、EKP38の異なる非類似性値が、異なるグレー値で図示されており、この際、EKP38は、異なる候補位置pと異なる時間tにより展開される。つまりEKP38は、異なる候補位置pと異なる時間tに対し、図7ではグレーレベルで図示されている対応の非類似性値を含んでいる。この際、1つのGBP内の医療器具の最も妥当な位置は、好ましくは、EKP38を通る最適のルート(Weg)により得られる。この際、最適とは、好ましくは、EKP38を通るルートに沿って累積された非類似性値が、オプションとして規則性条件を考慮のもと、最小であることを意味する。オプションの規則性条件は、例えばEKP38を通るルートはできるだけ短くあるべきであろうということを考慮することができるであろう。またEKP38を通るルートはできるだけ真っ直ぐであるべきであろうということも考慮されるであろう。技術的にEKP38を通る各ルートは、累積された非類似性値と、オプションの規則性とから得られるある特定のコストと結び付けられている。最も低いコストを有するルートが、1つのGBPに対して及び異なる時間に対して医療器具の位置を規定する最適のルートである。図8には、そのような最適のルート39が例示的に図示されている。
【0066】
さて、GBPごとの最も妥当な位置から、全管状構造体内の医療器具の位置が決定される。そのために個々のGBPの最適のEKP・コスト・値、即ち最適のルートのルート値が互いに比較される。一実施形態では、最も低いルート値を有するGBPとそれに対応する最も妥当な位置とが選択される。しかしまたこのアプローチは、ノイズを含んでおり、それによりこのアプローチは、誤りのある誤り決定をもたらす可能性があり、特にそれは、最終的に決定される医療器具の位置がGBPの間であちこちにジャンプしてしまうためである。このことを防止するために、好ましくは、GBPの間のジャンプにペナルティを与える時間的な規則化が使用される。そのためにGBPごとの最適のルート値の時間的な経過が、例えば最適のコスト曲線(OKK)として記憶される。このようなOKK40~42が図9に図解されている。図9は、異なる時間tに対し、異なる最適のルート値Wを有するOKK40~42を図解している。
【0067】
時間的な規則化は、より前の時点で最小ではなかった全てのOKKにペナルティタームを加えることに基づいている。図9においてこのペナルティタームは、例えば双方向矢印45により象徴化されている。曲線44は、ペナルティターム45が加えられた後のOKK41に基づき、また曲線43は、ペナルティタームが適用された後のOKK42に基づいている。ペナルティタームは、好ましくは、単純に、予め定められており且つ事前に例えばシステムの較正の範囲内で決定することのできる加算値である。また上記の閾値と大きさ閾値も、較正の範囲内で事前に決定することができる。従って位置決定ユニットは、上述のように、好ましくは、各時点で、検出された最適のルートから、最小のルート値が決定されている最適のルートを選択するように適合されており、この際、最小のルート値を有する最適のルートが選択される前では、他の最適のルートが決定されているルート値と比較して、より前の時点で最小のルート値が決定されていない最適のルートに対し、ルート値が増加される。管状構造体内のカテーテルの決定された現在の位置は、図8においてXでマークされている。
【0068】
上記の実施形態では、異なる非類似性尺度が別個に表されているが、これらの非類似性尺度の組み合わせを使用することもできる。例えば2つ以上の非類似性尺度を線形に組み合わせることができ、この際には、結果として得られる線形結合を位置決定のために使用することができる。
【0069】
上述された実施形態では、第2の分布を決定するために、医療器具に沿ったスカラ量の歪み値が測定されるが、他の実施形態では、医療器具に沿ったそれぞれの箇所において複数の歪み値を決定することもできる。つまり歪み(伸び)は、医療器具に沿ったそれぞれの箇所において少なくとも2つの方向で決定されることも可能である。その際、位置決定は、これらの多成分の歪み値と、曲率値の第1の分布とに基づいて決定されることが可能である。また更なる一実施形態では、第2の分布も曲率値の分布としてよく、それにより管状構造体内の医療器具の位置は、曲率値の第1の分布と第2の分布に基づいて決定される。曲率値の第2の分布は、前述の2成分の又は多成分の歪み値に基づいて決定されることも可能である。管状構造体内の医療器具の位置の決定が曲率値の第1の分布と第2の分布に基づいて行われる場合には、両方の分布の曲率値は、好ましくはスカラ量である。
【0070】
開示された実施形態の他の展開形態は、本図面、本明細書、及び添付の請求項を検討した後に、請求される発明を実践することにより、当業者により理解され、実施されることが可能である。
【0071】
請求項において「含む」との単語は、他の要素又はステップを除外せず、また不定冠詞の「1つ(男性名詞、中性名詞 ein)」又は「1つ(女性名詞 eine)」とは、複数を除外しない。
【0072】
単一の設備又は装置は、請求項において記載された複数の対象における機能を満たすことができる。単に、所定の措置が互いに依存した異なる請求項において記載されているという事実は、利点としてのこれらの措置の組み合わせが使用できないことを示すものではない。
【0073】
1つ又は複数の設備又は装置により実行される、例えば、管状構造体内の器具の位置の決定、非類似性尺度の決定、ルート値の決定のような方法は、任意の他の所定数の設備又は装置により実行されることが可能である。これらの方法、及び/又は画像化方法による画像化システムの制御、及び/又は位置決定方法による位置決定装置の制御は、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として、及び/又は専用のハードウェアとして実施されていることが可能である。
【0074】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は他のハードウェアの一部として、例えば光学的な記憶媒体又は固体媒体のような適切な媒体に保存/供給されていることが可能であるが、また例えばインターネット又は他の有線式の或いは無線式の通信システムを介するような、他の形式で供給されていることも可能である。
【0075】
請求項における全ての参照符号は、該当範囲の制限として解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0076】
1 画像化システム
2 患者用寝椅子
3 患者
4 器具(カテーテル)
5 位置決定装置
6 第1の提供ユニット
7 第2の提供ユニット
8 位置決定ユニット
10 画像形成ユニット
11 視覚化生成ユニット
12 入力ユニット
13 出力ユニット

31 血管グラフ
32~35 曲率値プロファイル

38 EKP(エネルギーマップ)
39 最適のルート

40~42 OKK(最適のコスト曲線)
43、44 ペナルティタームを加えたOKK
45 ペナルティターム

K 曲率
x 個所
p 候補位置
t 時間
W ルート値
X カテーテルの位置

101~106 画像化方法のステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状構造体内の縦長の物体(4)の位置を決定するための位置決定装置であって、当該位置決定装置(5)は、
- 管状構造体内の1つの経路に沿った複数の第1の箇所における管状構造体の曲率値の第1の分布を提供するための第1の提供ユニット(6)を含み但し前記第1の提供ユニット(6)は、管状構造体内の複数の経路に対し、曲率値の複数の第1の分布を提供するように適合されていること、
- 物体(4)に沿った複数の第2の箇所における物体(4)の歪み値又は曲率値の第2の分布を提供するための第2の提供ユニット(7)を含み但し前記第2の提供ユニット(7)は、異なる時点に対し、物体(4)に沿った複数の第2の分布を提供するように適合されており、これらの複数の第2の分布は、管状構造体の1つの経路に対する物体(4)の複数の位置に対応すること、
置決定ユニット(8)み、前記位置決定ユニット(8)は、次のように適合されていること、即ち、
- 各経路に対し及び各時点に対しそれぞれ、それぞれの経路に対する物体(4)の異なる候補位置について非類似性値の分布を決定するように適合されており、但しその経路に対する物体(4)の様々な可能な候補位置について対応の第1の分布と対応の第2の分布に対して非類似性尺度が適用され、この非類似性尺度は、それぞれの経路に対する物体(4)の各候補位置に対し、それぞれの候補位置における両方の分布の非類似性を示す非類似性値をもたらすように適合されており、但し異なる時点と異なる候補位置に対して決定された非類似性値は、1つのマップとして把握可能であり、このマップ内における、それぞれの時点と候補位置により固定されている異なる場所に対し、それぞれ非類似性値が記入されていること、
- ルート尺度を提供するように適合されており、このルート尺度は、それぞれのマップを通るルートにおいて、最も遅い時点に対する1つの候補位置で終了し且つより前の時点に対する1つの候補位置で開始するルートに対し、それぞれのルートに沿った非類似性値に依存するルート値をもたらすこと、
- 各経路に対し、ルート尺度を用い、それぞれのマップを通るルートにおいて、最小のルート値が決定されるルートを決定するように適合されており、それにより異なる経路に対し、従って異なるマップに対し、それぞれ最適のルートが検出されること、及び、
- 経路の1つに対する物体(4)の位置を、それらの最適のルートに対して決定されたルート値を考慮のもと、異なる経路に対して検出された最適のルートに基づいて決定するように適合されていること
【請求項2】
前記第1の提供ユニット(6)は、第1の分布として、管状構造体内の1つの経路に沿った曲率値のスカラ量の分布を提供するように適合されていること
を特徴とする、請求項1に記載の位置決定装置。
【請求項3】
前記第2の提供ユニット(7)は、第2の分布を、物体(4)に沿って配設されている複数の光学的な歪みセンサの光学的な信号に基づいて決定するように適合されていること
を特徴とする、請求項1又は2に記載の位置決定装置。
【請求項4】
前記位置決定ユニット(8)は、それぞれのルートに沿った非類似性値の合計が増加するにつれて大きくなる成分を有するルート尺度を提供するように適合されていること
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の位置決定装置。
【請求項5】
前記位置決定ユニット(8)は、
- 異なる時点に対し、最適のルートを検出するように適合されており、それにより異なる時点と異なる経路に対し、それぞれ、対応のルート値を有する最適のルートが決定され、但し1つの経路と1つの所定の時点に対し、対応のルート値を有する最適のルートを決定するために、その所定の時点に対し及びより前の時点に対し及び候補位置に対して検出された非類似性値が使用され、これらの非類似性値は、それぞれの経路とその所定の時点に対する1つのマップとして把握可能であること
- 各時点において、検出された最適の複数ルートから、最小のルート値が決定されている最適のルートを選択するように適合されており、但し最小のルート値を有する最適のルートが選択される前に、より前の時点では、他の最適のルートに対して決定されているルート値と比較して最小のルート値が決定されていない最適のルートに対し、ルート値が増加されること
- 経路の1つに対する物体(4)の位置として、選択された最適のルートにより規定されている位置を決定するように適合されていること
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の位置決定装置。
【請求項6】
前記位置決定ユニット(8)は、以下の構成により非類似性尺度を適用するように適合されており、即ち、
- 第1の分布の空間的な第1の勾配分布が決定され、
- 第2の分布の空間的な第2の勾配分布が決定され、
- 物体(4)に沿った各場所に対し、第2の分布のそれぞれの勾配が第1の分布のそれぞれの曲率勾配と比較され、但しそれぞれの候補位置は、それぞれの場所において第2の分布のどのそれぞれの勾配が第1の分布のどのそれぞれの曲率勾配と比較されるのかを規定し、但しそれぞれの場所に対し及びそれぞれの候補位置に対し、下位非類似性尺度が使用され、この下位非類似性尺度は、a)互いの勾配の方向に依存し、及び/又は、b)第1の分布の勾配の大きさと第2の分布の勾配の大きさに依存し、但し各場所に対して下位非類似性尺度を適用することにより下位非類似性値が決定され、
- 1つの候補位置に対して決定されている下位非類似性値は、それぞれの候補位置に対してそれぞれの非類似性値を決定するために合計されること
を特徴とする、請求項のいずれか一項に記載の位置決定装置。
【請求項7】
前記位置決定ユニット(8)は、以下の構成により非類似性尺度を適用するように適合されており、即ち、
- 第1の分布の局所的な最大値(即ち極大値)が決定され、
- 第2の分布の局所的な最大値(即ち極大値)が決定され、
互いに割り当てられた局所的な最大値の間の全ての空間的な間隔の合計が最小であるように、第1の分布の所的な最大値に対して第2の分布の所的な最大値が割り当てられ、し第2の分布の1つの局所的な最大値は、第1の分布の1つの局所的な最大値にのみ割り当てられ、
- 第1の分布における割り当てられた局所的な最大値と、第2の分布における割り当てられた局所的な最大値との間の空間的な間隔が互いに加算されること
を特徴とする、請求項のいずれか一項に記載の位置決定装置。
【請求項8】
前記位置決定ユニット(8)は、以下の構成により非類似性尺度を適用するように適合されており、即ち、
- 物体(4)に沿った各場所に対し、第2の分布のそれぞれの値が第1の分布のそれぞれの値と比較され、但しそれぞれの候補位置は、それぞれの場所において第2の分布のどのそれぞれの値が第1の分布のどのそれぞれの値と比較されるのかを規定し、但しそれぞれの場所に対し及びそれぞれの候補位置に対し、下位非類似性尺度が使用され、この下位非類似性尺度は、a)第1の分布のそれぞれの値が予め定められた第1の閾値の上側に位置する場合、又はb)第1の分布のそれぞれの値がその第1の閾値の下側に位置し且つ第2の分布のそれぞれの値が予め定められた第2の閾値の下側に位置する場合には、ゼロである下位非類似性値をもたらし、それ以外では、正の値を有する下位非類似性値をもたらし
- 1つの候補位置に対して決定されている下位非類似性値は、それぞれの候補位置に対してそれぞれの非類似性値を決定するために合算されること
を特徴とする、請求項のいずれか一項に記載の位置決定装置。
【請求項9】
前記位置決定ユニット(8)は、相互相関が、それぞれの候補位置に対して第1の分布と第2の分布に適用されることにより、非類似性尺度を適用するように適合されていること
を特徴とする、請求項のいずれか一項に記載の位置決定装置。
【請求項10】
画像化システムであって、当該画像化システムは、
- 請求項1に記載の管状構造体内の縦長の物体(4)の位置を決定するための位置決定装置(5)と、
- 管状構造体の画像を提供するための画像形成ユニット(10)と、
- 提供された画像と、決定された位置とに基づき、管状構造体の視覚化を生成するための視覚化生成ユニット(11)と
を有すること。
【請求項11】
管状構造体内の縦長の物体(4)の位置を決定するための位置決定方法であって、当該方法は、以下のステップ、即ち、
- 第1の提供ユニット(6)、管状構造体内の1つの経路に沿った複数の第1の箇所における管状構造体の曲率値の第1の分布を提供するステップ但し管状構造体内の複数の経路に対し、曲率値の複数の第1の分布が提供されること、
- 第2の提供ユニット(7)、物体(4)に沿った複数の第2の箇所における物体(4)の歪み値又は曲率値の第2の分布を提供するステップ但し異なる時点に対し、物体(4)に沿った複数の第2の分布が提供され、これらの複数の第2の分布は、管状構造体の1つの経路に対する物体(4)の複数の位置に対応すること、
- 位置決定ユニット(8)各経路に対し及び各時点に対しそれぞれ、それぞれの経路に対する物体(4)の異なる候補位置について非類似性値の分布を決定するステップ、但しその経路に対する物体(4)の様々な可能な候補位置について対応の第1の分布と対応の第2の分布に対して非類似性尺度が適用され、この非類似性尺度は、それぞれの経路に対する物体(4)の各候補位置に対し、それぞれの候補位置における両方の分布の非類似性を示す非類似性値をもたらすように適合されており、但し異なる時点と異なる候補位置に対して決定された非類似性値は、1つのマップとして把握可能であり、このマップ内における、それぞれの時点と候補位置により固定されている異なる場所に対し、それぞれ非類似性値が記入されていること、
- 位置決定ユニット(8)が、ルート尺度を提供するステップ、但しこのルート尺度は、それぞれのマップを通るルートにおいて、最も遅い時点に対する1つの候補位置で終了し且つより前の時点に対する1つの候補位置で開始するルートに対し、それぞれのルートに沿った非類似性値に依存するルート値をもたらすこと、
- 位置決定ユニット(8)が、各経路に対し、ルート尺度を用い、それぞれのマップを通るルートにおいて、最小のルート値が決定されるルートを決定するステップ、但しそれにより異なる経路に対し、従って異なるマップに対し、それぞれ最適のルートが検出されること、及び、
- 位置決定ユニット(8)が、経路の1つに対する物体(4)の位置を、それらの最適のルートに対して決定されたルート値を考慮のもと、異なる経路に対して検出された最適のルートに基づいて決定するステップ、
を含むこと。
【請求項12】
画像化方法であって、当該画像化方法は、以下のステップ、即ち、
- 画像形成ユニット(10)、管状構造体の画像を提供するステップ
- 請求項1に記載の位置決定装置、管状構造体内の縦長の物体(4)の位置を決定するステップ、及び、
- 視覚化生成ユニット、提供された画像と、決定された位置とに基づき、管状構造体の視覚化を生成するステップ、
を含むこと。
【請求項13】
縦長の医療要素の位置を決定するためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、請求項11に記載の位置決定方法が請求項1に記載の位置決定装置(1)で実行される場合に、請求項11に記載の位置決定方法を実行するために、請求項1に記載の位置決定装置に指示を与えるように適合されているプログラムコード手段を有すること。
【請求項14】
画像化コンピュータプログラムであって、当該画像化コンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムが請求項10に記載の画像化システムで実行される場合に、請求項12に記載の画像化方法を実行するために、請求項10に記載の画像化システムに指示を与えるためのプログラムコード手段を含むこと。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記課題は、管状構造体内の縦長の物体(対象物)の位置、特に医療器具の位置を決定するための位置決定装置により解決され、この際、当該位置決定装置は、
- 管状構造体内の1つの経路(通路)に沿った複数の第1の箇所における曲率値の第1の分布(第1の分布情報)を提供するための第1の提供ユニットと、
- 物体に沿った複数の第2の箇所における歪み値(伸び値)又は曲率値の第2の分布(第2の分布情報)を提供するための第2の提供ユニットと、
- 第1の分布と第2の分布に基づき、その経路に対する物体の位置を決定するための位置決定ユニットと
を含む。
即ち本発明の第1の視点により、
管状構造体内の縦長の物体の位置を決定するための位置決定装置であって、当該位置決定装置は、
- 管状構造体内の1つの経路に沿った複数の第1の箇所における曲率値の第1の分布を提供するための第1の提供ユニットと、
- 物体に沿った複数の第2の箇所における歪み値又は曲率値の第2の分布を提供するための第2の提供ユニットと、
- 第1の分布と第2の分布に基づき、その経路に対する物体の位置を決定するための位置決定ユニットとを含むこと、
を特徴とする位置決定装置が提供される。
より詳しくは、前記第1の視点において、
管状構造体内の縦長の物体の位置を決定するための位置決定装置であって、当該位置決定装置は、
- 管状構造体内の1つの経路に沿った複数の第1の箇所における管状構造体の曲率値の第1の分布を提供するための第1の提供ユニットを含み、但し前記第1の提供ユニットは、管状構造体内の複数の経路に対し、曲率値の複数の第1の分布を提供するように適合されていること、
- 物体に沿った複数の第2の箇所における物体の歪み値又は曲率値の第2の分布を提供するための第2の提供ユニットを含み、但し前記第2の提供ユニットは、異なる時点に対し、物体に沿った複数の第2の分布を提供するように適合されており、これらの複数の第2の分布は、管状構造体の1つの経路に対する物体の複数の位置に対応すること、
- 位置決定ユニットを含み、前記位置決定ユニットは、次のように適合されていること、即ち、
- 各経路に対し及び各時点に対しそれぞれ、それぞれの経路に対する物体の異なる候補位置について非類似性値の分布を決定するように適合されており、但しその経路に対する物体の様々な可能な候補位置について対応の第1の分布と対応の第2の分布に対して非類似性尺度が適用され、この非類似性尺度は、それぞれの経路に対する物体の各候補位置に対し、それぞれの候補位置における両方の分布の非類似性を示す非類似性値をもたらすように適合されており、但し異なる時点と異なる候補位置に対して決定された非類似性値は、1つのマップとして把握可能であり、このマップ内における、それぞれの時点と候補位置により固定されている異なる場所に対し、それぞれ非類似性値が記入されていること、
- ルート尺度を提供するように適合されており、このルート尺度は、それぞれのマップを通るルートにおいて、最も遅い時点に対する1つの候補位置で終了し且つより前の時点に対する1つの候補位置で開始するルートに対し、それぞれのルートに沿った非類似性値に依存するルート値をもたらすこと、
- 各経路に対し、ルート尺度を用い、それぞれのマップを通るルートにおいて、最小のルート値が決定されるルートを決定するように適合されており、それにより異なる経路に対し、従って異なるマップに対し、それぞれ最適のルートが検出されること、及び、
- 経路の1つに対する物体の位置を、それらの最適のルートに対して決定されたルート値を考慮のもと、異なる経路に対して検出された最適のルートに基づいて決定するように適合されていること
を特徴とする。
更に本発明の第2の視点により、
画像化システムであって、当該画像化システムは、
- 前記第1の視点に記載の管状構造体内の縦長の物体の位置を決定するための位置決定装置と、
- 管状構造体の画像を提供するための画像形成ユニットと、
- 提供された画像と、決定された位置とに基づき、管状構造体の視覚化を生成するための視覚化生成ユニットとを有すること、
を特徴とする画像化システムが提供される。
更に本発明の第3の視点により、
管状構造体内の縦長の物体の位置を決定するための位置決定方法であって、当該方法は、
- 第1の提供ユニットにより、管状構造体内の1つの経路に沿った複数の第1の箇所における曲率値の第1の分布を提供すること、
- 第2の提供ユニットにより、物体に沿った複数の第2の箇所における歪み値又は曲率値の第2の分布を提供すること、
- 位置決定ユニットにより、第1の分布と第2の分布に基づき、その経路に対する物体の位置を決定することを含むこと、
を特徴とする位置決定方法が提供される。
より詳しくは、前記第3の視点において、
管状構造体内の縦長の物体の位置を決定するための位置決定方法であって、当該方法は、以下のステップ、即ち、
- 第1の提供ユニットが、管状構造体内の1つの経路に沿った複数の第1の箇所における管状構造体の曲率値の第1の分布を提供するステップ、但し管状構造体内の複数の経路に対し、曲率値の複数の第1の分布が提供されること、
- 第2の提供ユニットが、物体に沿った複数の第2の箇所における物体の歪み値又は曲率値の第2の分布を提供するステップ、但し異なる時点に対し、物体に沿った複数の第2の分布が提供され、これらの複数の第2の分布は、管状構造体の1つの経路に対する物体の複数の位置に対応すること、
- 位置決定ユニットが、各経路に対し及び各時点に対しそれぞれ、それぞれの経路に対する物体の異なる候補位置について非類似性値の分布を決定するステップ、但しその経路に対する物体の様々な可能な候補位置について対応の第1の分布と対応の第2の分布に対して非類似性尺度が適用され、この非類似性尺度は、それぞれの経路に対する物体の各候補位置に対し、それぞれの候補位置における両方の分布の非類似性を示す非類似性値をもたらすように適合されており、但し異なる時点と異なる候補位置に対して決定された非類似性値は、1つのマップとして把握可能であり、このマップ内における、それぞれの時点と候補位置により固定されている異なる場所に対し、それぞれ非類似性値が記入されていること、
- 位置決定ユニットが、ルート尺度を提供するステップ、但しこのルート尺度は、それぞれのマップを通るルートにおいて、最も遅い時点に対する1つの候補位置で終了し且つより前の時点に対する1つの候補位置で開始するルートに対し、それぞれのルートに沿った非類似性値に依存するルート値をもたらすこと、
- 位置決定ユニットが、各経路に対し、ルート尺度を用い、それぞれのマップを通るルートにおいて、最小のルート値が決定されるルートを決定するステップ、但しそれにより異なる経路に対し、従って異なるマップに対し、それぞれ最適のルートが検出されること、及び、
- 位置決定ユニットが、経路の1つに対する物体の位置を、それらの最適のルートに対して決定されたルート値を考慮のもと、異なる経路に対して検出された最適のルートに基づいて決定するステップ、
を含むこと
を特徴とする。
更に本発明の第4の視点により、
画像化方法であって、当該画像化方法は、
- 画像形成ユニットにより、管状構造体の画像を提供すること、
- 前記第1の視点に記載の位置決定装置により、管状構造体内の縦長の物体の位置を決定すること、及び、
- 視覚化生成ユニットにより、提供された画像と、決定された位置とに基づき、管状構造体の視覚化を生成することを含むこと、
を特徴とする画像化方法が提供される。
より詳しくは、前記第4の視点において、
画像化方法であって、当該画像化方法は、以下のステップ、即ち、
- 画像形成ユニットが、管状構造体の画像を提供するステップ、
- 前記第1の視点に記載の位置決定装置が、管状構造体内の縦長の物体の位置を決定するステップ、及び、
- 視覚化生成ユニットが、提供された画像と、決定された位置とに基づき、管状構造体の視覚化を生成するステップ、
を含むこと
を特徴とする。
更に本発明の第5の視点により、
縦長の医療要素の位置を決定するためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、前記第3の視点に記載の位置決定方法が前記第1の視点に記載の位置決定装置で実行される場合に、前記第3の視点に記載の位置決定方法を実行するために、前記第1の視点に記載の位置決定装置に指示を与えるように適合されているプログラムコード手段を有すること、
を特徴とするコンピュータプログラムが提供される。
更に本発明の第6の視点により、
画像化コンピュータプログラムであって、当該画像化コンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムが前記第2の視点に記載の画像化システムで実行される場合に、前記第4の視点に記載の画像化方法を実行するために、前記第2の視点に記載の画像化システムに指示を与えるためのプログラムコード手段を含むこと、
を特徴とする画像化コンピュータプログラムが提供される。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
更に上記の課題は、縦長の物体の位置を決定するためのコンピュータプログラムにより解決され、この際、当該コンピュータプログラムは、請求項11に記載の位置決定方法が請求項1に記載の位置決定装置で実行される場合に、請求項11に記載の位置決定方法を実行するために、請求項1に記載の位置決定装置に指示を与えるように適合されているプログラムコード手段を有する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
更に上記の課題は、画像化コンピュータプログラムにより解決され、当該画像化コンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムが請求項10に記載の画像化システムで実行される場合に、請求項12に記載の画像化方法を実行するために、請求項10に記載の画像化システムに指示を与えるためのプログラムコード手段を含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
請求項1に記載の位置決定装置、請求項10に記載の画像化システム、請求項11に記載の位置決定方法、請求項12に記載の画像化方法、請求項13に記載のコンピュータプログラム、及び請求項14に記載の画像化コンピュータプログラムは、類似の又は同一の実施形態を有すると理解されるべきであり、それらは、特に従属請求項において規定されている。