(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093585
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】耐食性ブッシング
(51)【国際特許分類】
F16C 33/20 20060101AFI20230627BHJP
F16C 17/02 20060101ALI20230627BHJP
F16C 11/04 20060101ALI20230627BHJP
E05D 9/00 20060101ALI20230627BHJP
E05D 3/02 20060101ALI20230627BHJP
B32B 15/01 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
F16C33/20 A
F16C17/02 Z
F16C11/04 Z
E05D9/00 A
E05D3/02
B32B15/01 B
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023065188
(22)【出願日】2023-04-12
(62)【分割の表示】P 2020210551の分割
【原出願日】2015-09-02
(31)【優先権主張番号】62/044,816
(32)【優先日】2014-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508298237
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスチックス パンプス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・ノイマルク
(72)【発明者】
【氏名】ハンズ-ユルゲン・イエガー
(72)【発明者】
【氏名】ヘガー・エム・アンスガー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高負荷能力を有する改善された保守不要のブッシングを提供する。
【解決手段】摺動物品は、耐荷重基材と、アルミニウム含有層と、摺動層とを備える。耐荷重基材は、第1主面と、第2主面と、縁部とを有する。耐荷重基材は、厚さt1をさらに有する。アルミニウム含有層は、第1主面に積層されることができ、第1主面と直接接触することができる。アルミニウム含有層は、厚さt2を有する。1つ以上の実施形態において、t2は10μm以上である。摺動層は、第1主面または第2主面に積層することができる。1つ以上の実施形態において、t2/t1の比は1/10以上であるか、またはt1≦10t2である。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と、第2主面と、縁部とを有する耐荷重基材であって、厚さt1を有する耐荷重基材、
前記第1主面に積層され、前記第1主面と直接接触しているアルミニウム含有層であって、厚さt2を有し、t2が10ミクロン以上であるアルミニウム含有層、
前記第1主面または前記第2主面に積層された摺動層、
を備える摺動物品であって、t2/t1の比が1/10以上である摺動物品。
【請求項2】
第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部;
前記第1ヒンジ部を前記第2ヒンジ部と接合するピン;ならびに
摺動物品であって、
第1主面と、第2主面と、縁部とを有する耐荷重基材であって、厚さt1を有する耐荷重基材、
前記第1主面に積層され、前記第1主面と直接接触しているアルミニウム含有層であって、厚さt2を有し、t2が10ミクロン以上であるアルミニウム含有層、
前記第1主面または前記第2主面に積層された摺動層
を備える摺動物品であって、t2/t1の比が1/10以上である摺動物品
を備えるヒンジ組立体。
【請求項3】
前記第2主面に積層され、前記第2主面と直接接触しているさらなるアルミニウム含有層であって、厚さt3を有するさらなるアルミニウム含有層をさらに備える、請求項1または2のいずれか1項に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【請求項4】
前記アルミニウム含有層が、25重量%~99.99999重量%、50重量%~99.99重量%、90重量%~99.99重量%、または95重量%~99.9重量%の範囲のアルミニウム含有量を有する請求項1または2のいずれか1項に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【請求項5】
前記摺動層がフッ素ポリマーを含む先行する請求項のいずれか1項に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【請求項6】
前記摺動層が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、変性PTFE(TFM)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、液晶ポリマー(LCP)、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)、パーフルオロメチルアルコキシ(MFA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレン(PE)、UHMWPE、またはそれらの混合物を含む先行する請求項のいずれか1項に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【請求項7】
前記縁部に積層されたアルミナ含有層をさらに備える請求項2記載のヒンジ組立体。
【請求項8】
前記アルミナ含有層がAl2O3を含む請求項7記載のヒンジ組立体。
【請求項9】
第1主面と、第2主面とを有する耐荷重基材を用意すること;
前記第1主面をアルミニウム含有層で被覆すること;
前記第1主面または前記第2主面を覆って摺動層を付着させて、積層体を形成させること;
前記積層体からブランクを切り出すこと;及び
前記ブランクから半加工ブッシングを形成させること
を含むブッシングの調製方法。
【請求項10】
第1主面と、第2主面とを有し、前記第1主面を形成する鉄含有層を備える基材であって、前記第1主面に積層されたアルミニウム層をさらに備える基材を用意すること;
前記基材を、前記アルミニウム層から前記第1主面を横切って前記第2主面へと切断して、断面を形成させること;及び
前記断面を覆ってアルミナ含有層を形成させること
を含む耐食性鉄含有物品の調製方法。
【請求項11】
第1主面と、第2主面と、縁部とを有する耐荷重基材であって、200ミクロン~3000ミクロンの厚さを有する耐荷重基材、
前記第1主面に積層され、前記第1主面と直接接触しているアルミニウム含有層であって、20ミクロン~300ミクロンの厚さを有するアルミニウム含有層、
前記第1主面または前記第2主面に積層された摺動層
を備えるブッシング。
【請求項12】
前記第2主面に積層され、前記第2主面と直接接触しているさらなるアルミニウム含有層であって、20ミクロン~300ミクロンの厚さを有するさらなるアルミニウム含有層をさらに備える請求項11記載のブッシング。
【請求項13】
第1主面と、第2主面と、縁部とを有する耐荷重基材であって、厚さt1を有する耐荷重基材、
前記第1主面に積層され、前記第1主面と直接接触している被覆であって、1.83未満のポーリング電気陰性度を有する元素金属を含み、厚さt2を有し、t2が10ミクロン以上である被覆、
前記第1主面または前記第2主面に積層された摺動層、
を備える摺動物品であって、t2/t1の比が1/10以上である摺動物品。
【請求項14】
第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部;
前記第1ヒンジ部を前記第2ヒンジ部と接合するピン;ならびに
摺動物品であって、
第1主面と、第2主面と、縁部とを有する耐荷重基材であって、厚さt1を有する耐荷重基材、
前記第1主面に積層され、前記第1主面と直接接触している被覆であって、1.83未満のポーリング電気陰性度を有する元素金属を含み、厚さt2を有し、t2が10ミクロン以上である被覆、
前記第1主面または前記第2主面に積層された摺動層
を備える摺動物品であって、t2/t1の比が1/10以上である摺動物品
を備えるヒンジ組立体。
【請求項15】
前記第2主面に積層され、前記第2主面と直接接触しているさらなる被覆であって、厚さt3を有するさらなる被覆をさらに備える、請求項13または14のいずれか1項に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、高負荷能力を有する耐食性ブッシングに関する。
【背景技術】
【0002】
耐荷重基材と摺動層オーバレイとからなる滑り軸受複合材料は一般的に知られている。耐荷重基材と摺動層は通常、好適な接着剤を用いて積層することにより連結される。滑り軸受複合材料は、例えば自動車業界で使用される保守不要のブッシングの製造に使用することができる。このような保守不要のブッシングは、ドアヒンジ、ボンネットヒンジ及びエンジン区画ヒンジ、シート、ステアリングコラム、フライホイール、バランサーシャフト軸受などで使用することができる。さらに、滑り軸受複合材料から製造される保守不要のブッシングは、自動車以外の用途でも使用することができる。一部の用途では、滑り軸受は、特に耐荷重基材が鋼などの鉄合金でできている場合に、腐食を招く環境条件に曝される。より長い保守不要の耐用期間と、改善された耐剥離性または耐食性とを有し、高負荷能力を有する改善された保守不要のブッシングが現在必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
第1の態様においては、摺動物品は、耐荷重基材と、アルミニウム含有層と、摺動層とを備える。耐荷重基材は、第1主面と、第2主面と、縁部とを有する。耐荷重基材は、厚さt1をさらに有する。アルミニウム含有層は、第1主面に積層されることができ、第1主面と直接接触することができる。アルミニウム含有層は、厚さt2を有する。1つ以上の実施形態において、t2は10μm以上である。摺動層は、第1主面または第2主面に積層することができる。1つ以上の実施形態において、t2/t1の比は1/10以上であるか、またはt1≦10t2である。
【0004】
第2の態様においては、ヒンジ組立体は、第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部と、第1ヒンジ部を第2ヒンジ部と接合するピンと、ブッシングとを備えることができる。ブッシングは、耐荷重基材と、アルミニウム含有層と、摺動層とを備えることができる。耐荷重基材は、第1主面と、第1主面と対向する第2主面と、縁部とを有することができる。耐荷重基材は、厚さt1を有する。アルミニウム含有層は、第1主面に積層され、第1主面と直接接触することができる。アルミニウム含有層は、厚さt2を有することができる。一実施形態においては、t2は10μm以上である。摺動層は、第1主面または第2主面に積層することができる。t2/t1の比は1/10以上とすることができる。
【0005】
第3の態様においては、ブッシングの調製方法は、耐荷重基材と、アルミニウム含有層とを用意することを含むことができる。耐荷重基材は、第1主面と、第2主面とを有する。アルミニウム含有層は、第1主面にクラッドすることができる。別の実施形態においては、アルミニウム含有被覆は、例えばスプレー被覆、金属スプレー、機械的被覆、ガルバーニ電気被覆、溶融めっき、またはそれらの任意の組合せによって形成される。上記の方法は、第1主面を覆って、または第2主面を覆って摺動層を付着させて、積層体を形成させることをさらに含むことができる。上記の方法は、積層体からブランクを切り出すことをさらに含むことができる。上記の方法は、ブランクからブッシングを形成させることをさらに含むことができる。
【0006】
第4の態様においては、耐食性鉄含有物品の調製方法は、基材を用意することを含むことができる。基材は、第1主面と、第2主面とを有する。基材は、鉄含有層を備える。鉄含有層は、第1主面を形成することができる。基材は、アルミニウム含有層をさらに備えることができ、アルミニウム含有層は第1主面に積層される。上記の方法は、アルミニウム含有層から第1主面を横切って第2主面へと基材を切断して、断面を形成させることをさらに含むことができる。上記の方法は、断面を覆ってアルミナ含有層を形成させることをさらに含むことができる。
【0007】
第5の態様においては、ブッシングは、多層金属基材を備える。多層基材は、鋼層を備える。鋼層は、第1主面と、第2主面とを有する。ブッシングは、第1主面に隣接し、第1主面と直接接触する第1アルミニウム含有層をさらに備えることができる。ブッシングは、第2主面に隣接し、第2主面と直接接触する第2アルミニウム含有層をさらに備えることができる。ブッシングは、多層金属基材に積層された接着剤層をさらに備えることができる。ブッシングは、接着剤層に積層され、接着剤層と直接接触するフッ素ポリマー摺動層をさらに備えることができる。
【0008】
第6の態様においては、ブッシングは、耐荷重基材を備える。耐荷重基材は、第1主面と、第2主面と、縁部とを有する。一実施形態においては、耐荷重基材は、200ミクロン~3000ミクロンの厚さを有する。ブッシングは、第1主面に積層され、第1主面と直接接触するアルミニウム含有層をさらに備える。アルミニウム含有層は、20ミクロン~300ミクロンの厚さを有することができる。ブッシングは、第1主面または第2主面に積層された摺動層をさらに備える。
【0009】
第7の態様においては、ブッシングは、耐荷重基材を備える。耐荷重基材は、第1主面と、第2主面と、縁部とを有する。一実施形態においては、耐荷重基材は、200ミクロン~3000ミクロンの厚さを有する。ブッシングは、第1主面に積層され、第1主面と直接接触する腐食防止層をさらに備える。腐食防止層は、20ミクロン~300ミクロンの厚さを有することができる。一実施形態においては、腐食防止層は、マグネシウム、アルミニウム、チタン、スカンジウム、亜鉛、またはそれらの任意の組合せから選択される金属を含むことができる。ブッシングは、第1主面または第2主面に積層された摺動層をさらに備える。
【0010】
第8の態様においては、摺動物品は、耐荷重基材と、被覆と、摺動層とを備える。耐荷重基材は、第1主面と、第2主面と、縁部とを有する。耐荷重基材は、厚さt1をさらに有する。被覆は、第1主面に積層することができ、第1主面と直接接触することができる。被覆は、1.83未満のポーリング電気陰性度を有する元素金属を含む。被覆は、厚さt2を有する。1つ以上の実施形態において、t2は10μm以上である。摺動層は、第1主面または第2主面に積層することができる。1つ以上の実施形態において、t2/t1の比は1/10以上であるか、またはt1≦10t2である。
【0011】
第9の態様においては、ヒンジ組立体は、第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部と、第1ヒンジ部を第2ヒンジ部と接合するピンと、ブッシングとを備えることができる。ブッシングは、耐荷重基材と、被覆と、摺動層とを備えることができる。耐荷重基材は、第1主面と、第1主面と対向する第2主面と、縁部とを有することができる。耐荷重基材は、厚さt1を有する。被覆は、第1主面に積層することができ、第1主面と直接接触することができる。被覆は、1.83未満のポーリング電気陰性度を有する元素金属を含む。被覆は、厚さt2を有する。1つ以上の実施形態において、t2は10μm以上である。摺動層は、第1主面または第2主面に積層することができる。t2/t1の比は1/10以上とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示は、添付図面を参照することによってより深く理解されてもよく、またその多数の特徴及び利点が当業者に明らかになってもよい。
【0013】
【
図4】
図4には、ブッシングの用途の様々な実施形態が図示されている。
【0014】
異なる図面における同じ参照符号の使用は、同様の項目または同一の項目を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1Aでは、耐食性ブッシングの様々な層を図示する断面が示されており、耐食性ブッシングは概して100と呼称する。ブッシング100は、耐荷重基材102を備えることができる。耐荷重基材102は、高歪みまたは高圧に対処することができる金属支持体層である。耐荷重基材102は、腐食しやすいものであり得る。金属支持体層102は、炭素鋼、ばね鋼などを含めた鋼、鉄、またはそれらの任意の組合せなどの金属または金属合金を含むことができる。特定の実施形態においては、耐荷重基材102は、鉄合金などの金属(金属合金を含める)とすることができる。さらなる一実施形態においては、耐荷重基材102は、鉄含有基材、スズ含有基材、銅含有基材、チタン含有基材、またはそれらの任意の組合せから選択される。耐荷重基材102は、腐食防護層104で被覆される。腐食防護層104は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含むことができる。
【0016】
耐荷重基材102は、厚さt1を有する。一実施形態においては、t1は、50ミクロン以上、80ミクロン以上、100ミクロン以上、150ミクロン以上、200ミクロン以上、または300ミクロン以上である。別の実施形態においては、t1は、800ミクロン以下、700ミクロン以下、650ミクロン以下、600ミクロン以下、550ミクロン以下、500ミクロン以下、480ミクロン以下、460ミクロン以下、440ミクロン以下、または420ミクロン以下である。さらなる一実施形態においては、t1は、50ミクロン~800ミクロン、例えば100ミクロン~600ミクロン、200ミクロン~500ミクロン、または300ミクロン~450ミクロンなどの範囲にわたる。特定の一実施形態においては、t1は、380ミクロン~420ミクロンの範囲にわたる。
【0017】
耐荷重基材は、機械力に対して弾性が高い。一実施形態においては、耐荷重基材は、120MPa以上、140MPa以上、160MPa以上、180MPa以上、200MPa以上、220MPa以上、または240MPa以上の引張り強さを有する。さらなる一実施形態においては、耐荷重基材は、600MPa以下、500MPa以下、450MPa以下、400MPa以下、350MPa以下、300MPa以下、または250MPa以下の引張り強さを有する。別の実施形態においては、耐荷重基材は、100MPa~2000MPa、150MPa~1500MPa、200MPa~1000MPa、または200MPa~600MPaの範囲の耐力を有する。
【0018】
上記の耐荷重基材は、しばしば腐食されやすい性質を有する。腐食されやすい性質は、中性塩水噴霧試験ISO 9227:2006に従って試験することができる。腐食防護が全く無いと、鋼などの鉄を含む耐荷重基材は、塩水噴霧の5時間後に赤色腐食を示す。
【0019】
アルミニウム含有層104は、厚さt2を有する。一実施形態においては、t2は、20ミクロン以上、25ミクロン以上、30ミクロン以上、35ミクロン以上、40ミクロン以上、45ミクロン以上、または50ミクロン以上とすることができる。別の実施形態においては、t2は、200ミクロン以下、180ミクロン以下、160ミクロン以下、140ミクロン以下、120ミクロン以下、100ミクロン以下、90ミクロン以下、80ミクロン以下、70ミクロン以下、または60ミクロン以下である。さらなる一実施形態においては、t2は、20ミクロン~200ミクロン、25ミクロン~180ミクロン、30ミクロン~120ミクロン、または40ミクロン~80ミクロンの範囲にある。特定の一実施形態においては、t2は、45ミクロン~50ミクロンである。
【0020】
一実施形態においては、アルミニウム含有層は、50MPa以上、55MPa以上、60MPa以上、65MPa以上、70MPa以上、75MPa以上、または80MPa以上の引張り強さを有する。別の実施形態においては、アルミニウム含有層は、200MPa以下、190MPa以下、180MPa以下、160MPa以下、150MPa以下、140MPa以下、130MPa以下、120MPa以下、110MPa以下、または100MPa以下の引張り強さを有する。
【0021】
アルミニウム含有層のアルミニウム含有量について述べると、一実施形態においては、アルミニウム含有層は、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、または90重量%以上のアルミニウム含有量を有する。別の実施形態においては、アルミニウム含有量は、99.99999重量%以下、99.99重量%以下、99.95重量%以下、99.9重量%以下、99.85重量%以下、99.8重量%以下、99.5重量%以下、99重量%以下、98重量%以下、95重量%以下、93重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、または60重量%以下である。一実施形態においては、アルミニウム含有層は、25重量%~99.99999重量%、50重量%~99.99重量%、90重量%~99.99重量%、または95重量%~99.9重量%の範囲のアルミニウム含有量を有する。
【0022】
上述のように、アルミニウム含有層は、主成分ではないアルミニウム含有量を有することができる。よってアルミニウム含有量は、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、または25重量%以下とすることができる。例えば一実施形態においては、アルミニウム含有層は、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ケイ素及び亜鉛の群より選択される別の金属を含むことができる。特定の一実施形態においては、アルミニウム含有層は、AlxMgyなどのアルミニウムマグネシウム合金を含み、式中のxは0.1、0.2、0.25、0.33、0.5から選択され、x+y=1である。
【0023】
さらに別の実施形態においては、アルミニウム含有層は、被覆で置き換えることができる。被覆は、鉄のポーリング電気陰性度よりも小さいポーリング電気陰性度を有する元素金属を含むことができる。一実施形態においては、元素金属は、1.83未満のポーリング電気陰性度を有する。別の実施形態においては、元素金属は、ベリリウム、マグネシウム、リチウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、亜鉛、アルミニウム、またはそれらの任意の組合せもしくは合金から選択することができる。別の実施形態においては、元素金属は、マグネシウム、アルミニウムもしくは亜鉛を含む合金、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、またはそれらの任意の組合せから選択される。
【0024】
さらなる一実施形態においては、アルミニウム含有層は、構造化された表面を有する。例えばアルミニウム含有層は、壁様の窪み、壁様の隆起、またはそれらの任意の組合せを含む、構造化された表面を有する。壁様の窪み、または壁様の隆起は、0.1ミクロン~30ミクロン、1ミクロン~20ミクロン、または2ミクロン~15ミクロンの範囲の高さを有することができる。一実施形態においては、構造化された面は、三角形模様、長方形模様、正方形模様、五角形模様、六角形模様、より高次の多角形模様、及びそれらの組合せなどの、規則的な多角形模様を有することができる。模様は、アルミニウム層内への窪み、アルミニウム層からの隆起、またはそれらの組合せとすることができる。特定の一実施形態においては、アルミニウム含有層は、ハチの巣状に構造化された表面を有する。さらなる一実施形態においては、面構造は、不規則模様を有することができる。さらに別の実施形態においては、アルミニウム含有層は、1ミクロン以上、2ミクロン以上、3ミクロン以上、4ミクロン以上、または5ミクロン以上の表面粗さを有する。別の実施形態においては、アルミニウム含有層は、20ミクロン以下、15ミクロン以下、12ミクロン以下、10ミクロン以下、または8ミクロン以下の表面粗さを有する。
【0025】
最大の耐食性を得るためには、最小のt2/t1の比が必要である。一実施形態において、t2/t1の比は1/10以上である。耐荷重基材102の引張り強さを維持するためには、t1/t2の比は最大値未満にとどまる必要がある。一実施形態においては、t2/t1の比は、1/3以下、1/4以下、1/5以下、1/6以下、1/7以下、1/8以下、または1/9以下である。さらなる一実施形態においては、t2/t1の比は、1/10~1/4、1/10~1/5、または1/9~1/7の範囲にある。
【0026】
さらなる一実施形態においては、層104は、腐食防止層である。腐食防止層は、マグネシウム、アルミニウム、チタン、スカンジウム、亜鉛、またはそれらの任意の組合せから選択される金属を含むことができる。一実施形態においては、腐食防止層は、本質的に金属から成る。別の実施形態においては、腐食防止層は、実質的に鉄を含まない。さらなる一実施形態においては、腐食防止層は、本質的にマグネシウムから成る。腐食防止層は、本質的に、1.70未満の電気陰性度を有する金属から成ることができる。
【0027】
腐食防止層は、20~300ミクロンの厚さを有することができる。別の実施形態においては、腐食防止層は、本明細書で概説し、説明したような、耐荷重基材に対する厚さの比を有することができる。
【0028】
摺動層108は、接着剤層106を用いて、アルミニウム含有層104に付着させることができる。摺動層108は、フッ素ポリマーなどのポリマーを含むことができる。摺動層108に用いることができるポリマーの例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリエチレン、ポリスルホン、ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリウレタン、ポリエステル、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0029】
さらに、摺動層108は、減摩フィラーなどのフィラーを含むことができる。摺動層108に用いることができるフィラーの例としては、ガラス、ガラスファイバー、炭素、炭素ファイバー、ケイ素、グラファイト、PEEK、二硫化モリブデン、芳香族ポリエステル、炭素粒子、青銅、フッ素ポリマー、熱可塑性フィラー、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、PPS、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、液晶ポリマー(LCP)、芳香族ポリエステル(Econol)、ならびに珪灰石、CaF2及び硫酸バリウムなどの鉱物粒子、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。フィラーは、ビーズ、ファイバー、粉末、網、フリース、またはそれらの任意の組み合わせの形態とすることができる。
【0030】
摺動層の厚さについて述べると、一実施形態においては、摺動層は、約0.05mm以上、例えば約0.1mm以上、約0.15mm以上、約0.2mm以上、約0.25mm以上、約0.3mm以上、約0.35mm以上、約0.4mm以上、または約0.45mm以上などの厚さを有する。別の実施形態においては、摺動層は、約2mm以下、例えば約1.5mm以下、約1mm以下、約0.9mm以下、約0.8mm以下、約0.7mm以下、約0.6mm以下、約0.55mm以下、または約0.5mm以下などの厚さを有する。一実施形態においては、摺動層は、0.05mm~2mm、0.2mm~1mm、または0.3mm~0.7mmの範囲の厚さを有する。
【0031】
耐荷重基材及びアルミニウム含有層の引張り強さについて述べると、一実施形態においては、耐荷重基材とアルミニウム含有層の合わせた引張り強さは、耐荷重基材の引張り強さの70%以上、耐荷重基材の引張り強さの75%以上、耐荷重基材の引張り強さの80%以上、耐荷重基材の引張り強さの80%以上、耐荷重基材の引張り強さの85%以上、耐荷重基材の引張り強さの90%以上、耐荷重基材の引張り強さの95%以上、耐荷重基材の引張り強さの98%以上、耐荷重基材の引張り強さの99%以上、耐荷重基材の引張り強さの99.9%以上、または耐荷重基材の引張り強さの99.99%以上である。
【0032】
一実施形態においては、摺動層108は、織網またはエキスパンドメタル格子体を含んでもよい。織網またはエキスパンドメタル格子体は、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼、青銅などの金属または金属合金を含むことができる。あるいは、織網は織ポリマー網とすることができる。代替実施形態においては、摺動層は、網または格子体を含むことができない。別の代替実施形態においては、織網、フリースまたはエキスパンドメタル格子体は、接着剤層106と摺動層108との間に埋め込んでもよい。
【0033】
一実施形態においては、エキスパンドメタル層は、10メッシュ/インチ以上、例えば11メッシュ/インチ以上、13メッシュ/インチ以上、15メッシュ/インチ以上、17メッシュ/インチ以上、19メッシュ/インチ以上、または21メッシュ/インチ以上などのメッシュサイズを有する。別の実施形態においては、エキスパンドメタル層は、0.1mm以上、例えば0.2mm以上、0.3mm以上、0.4mm以上、0.5mm以上、または0.6mm以上などの厚さを有する。さらに別の実施形態においては、エキスパンドメタル層は、1mm以下、0.9mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、0.6mm以下、0.55mm以下、または0.5mm以下の厚さを有する。
【0034】
図1に戻って、接着剤層106は、ホットメルト接着剤とすることができる。接着剤層106に用いることができる接着剤の例としては、フッ素ポリマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテル/ポリアミドコポリマー、エチレン酢酸ビニル、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ETFEコポリマー、パーフルオロアルコキシ(PFA)、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。さらに、接着剤層106は、‐C=O、‐C‐O‐R、‐COH、‐COOH、‐COOR、‐CF
2=CF‐OR、またはそれらの任意の組合せから選択される1つ以上の官能基を含むことができる。式中、Rは1~20個の炭素原子を含む環状または直鎖有機基である。さらに、接着剤層106は、コポリマーを含むことができる。一実施形態においては、ホットメルト接着剤は、約250℃以下、例えば約220℃以下の融点を有することができる。別の実施形態においては、接着剤層112は、約200℃より高いと、例えば約220℃より高いと、分解する可能性がある。さらなる実施形態においては、ホットメルト接着剤の融点は、250℃より高く、さらには300℃より高くすることができる。
【0035】
図1Bを参照すると、別の実施形態においては、アルミニウム含有層104は、耐荷重基材に隣接し、且つ摺動層108と反対側に位置する。それらの実施形態においては、アルミニウム含有層は、耐食性層または不動態化層として役立つ。組立体においては、
図1Bに示されるアルミニウム含有層104は、別の金属部分と接触する。層104は、犠牲陽極として作用して、組立体を腐食から保護する。
【0036】
図1Cを参照すると、別の実施形態は、耐荷重基材に隣接し、耐荷重基材102の両面に積層された2層のアルミニウム含有層1042及び1044の存在を含む。この実施形態においては、層1042は厚さt
2を有することができ、層1044は厚さt
3を有することができる。層1042と1044とでは、厚さ、アルミニウム含有量または表面構造が同じであるか、または異なることができる。
【0037】
図1Cに関しては、(t
2+t
3)/t
1の比は、1/10以上である。別の実施形態においては、(t
2+t
3)/t
1の比は、1/3以下、2/7以下、1/4以下、2/9以下、または1/5以下である。さらに別の実施形態においては、(t
2+t
3)/t
1の比は、1/10~1/3、1/8~1/3、または1/5~1/3の範囲にある。
【0038】
図1Dを参照すると、別の実施形態においては、耐荷重基材は、耐荷重金属層102及び1022を備えることができ、耐荷重金属層102と1022とでは、金属の種類、厚さ及び組成が同じであるか、または異なることができる。耐荷重基材は、アルミニウム含有層104、1042及び1044を備えることができ、それらにおいても、厚さ、アルミニウム含有量及び表面構造が同じであるか、または異なることができる。
【0039】
図1A~1Dに示される積層体には、ブッシングとしての用途がある。このようなブッシングの一例は、
図2A及び2Bに示されている。
図2Aを参照すると、組立体は、外側部材202と、内側部材204と、部材202と204の間に配置されたブッシング206とを備える。ブッシングは、半径方向に外側へと延び、且つ外側部材を覆うフランジを有することができる。例示の目的で、
図2Aでは、ブッシング206の一部分のみが開示されている。実施形態においては、ブッシング206は、閉じた円柱を形成することができる。別の実施形態においては、ブッシング206は、第1の軸端部から第2の軸端部へと延びるスリットを備える円柱とすることができる。
【0040】
図2Bには、ブッシング206の細部が開示されており、耐荷重基材102を間にはさむ2層のアルミニウム含有層104を含む、本明細書において論じる全ての層が示されている。いずれの実施形態においても、ブッシング206は、環境に曝される縁部を有する。
【0041】
一実施形態においては、ブッシングは、摺動層の反対側で耐荷重基材と隣接した機能層をさらに備えることができる。一実施形態においては、機能層は、さらなる摺動層、エラストマー層またはそれらの組合せとすることができる。機能層がエラストマー層である場合、エラストマー層は、ニトリルゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、熱可塑性エラストマー、架橋エラストマー、ポリエーテルポリエステルエラストマー、エチレンプロピレンエラストマー、エチレンアクリレートゴム、及び/またはフッ素エラストマーを含むことができる。
【0042】
エラストマー層では、支持体材料と弾性層との間の強固な結合は、約150~250℃の温度での加硫プロセスによって生成させることができる。このプロセスでは、エラストマー内で架橋が生じることができ、また結合剤によって活性化されている支持体材料の表面と架橋が生じることができる。そのようにして支持体材料と弾性層の間に存在する結合層は、1種以上の反応性ポリマー、特にシラン系ポリマー、及び/または溶媒中の顔料、特にメチルイソプチルケトン中、キシレン中、エタノールと水中、もしくはエタノールとメチルエチルケトン中の顔料を含むことができる。
【0043】
ブッシングの形成方法に戻ると、メルト接着剤を用いて耐荷重基材に摺動層を接着させ、積層体シートを形成させることができる。積層体シートは、ブッシングに形成され得る細片またはブランクへと切断することができる。積層体シートを切断することにより、耐荷重基材の露出部分を含んだ切断縁部が作成され得る。積層体を丸め、フランジを付けて所望の形状の半加工ブッシングを形成させることなどによって、ブランクをブッシングへと形成させることができる。
【0044】
図4には、ブッシングの例示的な形状または用途が図示されている。例えばブッシングは単純な円柱とすることができ(4A)、あるいはフランジを備えることができる(4B)。別の実施形態においては、ブッシングは、フランジを備えた円錐形(4C)、またはフランジの無い円錐形(図示なし)とすることができる。実施形態4Dは、内側部材と、外側部材とを備えたブッシングを図示している。実施形態4Eは、ブッシングによって第1の外側部材から隔離されているが、第1の外側部材に隣接する第2の外側部材とは接触している内側部材を備えたブッシングであって、ブッシングフランジが第1の外側部材と第2の外側部材とを隔離しているブッシングを図示している。例えば、ドアヒンジは実施形態4Eの範囲内とすることができる。実施形態4Fは、通常、成形後に存在するスリットが無い、フランジ付きブッシングを示している。
【0045】
一実施形態においては、上記のような耐食性被覆を備えた軸受は、有意に向上した耐用期間を有することができ、特に、軸受は、300時間以上、400時間以上、500時間以上、600時間以上、700時間以上、800時間以上、900時間以上、1000時間以上、または1100時間以上の、中性塩水噴霧試験ISO 9227:2006に従った耐食性評点を有することができる。別の実施形態においては、ブッシングは、2000時間以下、1800時間以下、1600時間以下、または1500時間以下の耐食性評点を有する。
【0046】
ブッシングの別の特徴は、完成品ブッシングの変形能である。変形能は、ブッシングの積層体が被り得る塑性変形の量である。変形能は、特大のピンによってブッシングが変形させられた後の壁厚の減少パーセントで表される。すなわち、
SC=(t0-ta)/t0
であり、式中、SCは変形能であり、t0は積層体の最初の厚さであり、taは特大のピンによる変形後の厚さである。変形能は、特大のピンを用いてブッシングを段階的に変形させることによって測定することができる。例えば、ブッシングは、第1のピンを用いて5%変形させることができ、第2の特大ピンを用いてさらに5%まで、そしてさらなる特大ピンの各々によって5%まで変形させることができる。
【0047】
一実施形態においては、ブッシングは、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、12%以上、14%以上、16%以上、または18%以上の変形能を有する。
【0048】
以下の項目セットでは、本開示の例示的な実施形態が列挙されている。
【0049】
実施形態1
第1主面と、第2主面と、縁部とを有する耐荷重基材であって、厚さt1を有する耐荷重基材、
上記の第1主面に積層され、この第1主面と直接接触しているアルミニウム含有層であって、厚さt2を有し、t2が10ミクロン以上であるアルミニウム含有層、
上記の第1主面または上記の第2主面に積層された摺動層、
を備える摺動物品であって、t2/t1の比が1/10以上である摺動物品。
【0050】
実施形態2
第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部;
上記の第1ヒンジ部を上記の第2ヒンジ部と接合するピン;ならびに
摺動物品であって、
第1主面と、第2主面と、縁部とを有する耐荷重基材であって、厚さt1を有する耐荷重基材、
上記の第1主面に積層され、この第1主面と直接接触しているアルミニウム含有層であって、厚さt2を有し、t2が10ミクロン以上であるアルミニウム含有層、
上記の第1主面または上記の第2主面に積層された摺動層、
を備える摺動物品、
を備えるヒンジ組立体であって、t2/t1の比が1/10以上であるヒンジ組立体。
【0051】
実施形態3 上記の第2主面に積層され、この第2主面と直接接触しているさらなるアルミニウム含有層であって、厚さt3を有するさらなるアルミニウム含有層をさらに備える、実施形態1または2のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0052】
実施形態4 上記の摺動層とは反対側で上記の耐荷重基材に積層された機能層をさらに備える先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0053】
実施形態5 上記の機能層が第2の摺動層である実施形態4に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0054】
実施形態6 上記の機能層がエラストマー層である実施形態4に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0055】
実施形態7 上記のエラストマー層が、ニトリルゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、熱可塑性エラストマー、架橋エラストマー、ポリエーテルポリエステルエラストマー、エチレンプロピレンエラストマー、エチレンアクリレートゴム、及び/またはフッ素エラストマーのうちの1つ以上を含む実施形態6に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0056】
実施形態8 (t2+t3)/t1の比が、1/3以下、2/7以下、1/4以下、2/9以下、または1/5以下である実施形態3に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0057】
実施形態9 (t2+t3)/t1の比が、1/10~1/3、1/8~1/3、または1/5~1/3の範囲にある実施形態3に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0058】
実施形態10 上記のt2/t1の比が、1/3以下、1/4以下、1/5以下、1/6以下、1/7以下、1/8以下、または1/9以下である先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0059】
実施形態11 上記のt2/t1の比が、1/10~1/3、1/10~1/5、または1/9~1/7の範囲にある先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0060】
実施形態12 t2が、25ミクロン以上、30ミクロン以上、35ミクロン以上、40ミクロン以上、45ミクロン以上、または50ミクロン以上である先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0061】
実施形態13 t2が、200ミクロン以下、180ミクロン以下、160ミクロン以下、140ミクロン以下、120ミクロン以下、100ミクロン以下、90ミクロン以下、80ミクロン以下、70ミクロン以下、または60ミクロン以下である先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0062】
実施形態14 t2が、20ミクロン~200ミクロン、25ミクロン~180ミクロン、30ミクロン~120ミクロン、または40ミクロン~80ミクロンの範囲にある先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0063】
実施形態15 t1が、50ミクロン以上、80ミクロン以上、100ミクロン以上、150ミクロン以上、200ミクロン以上、300ミクロン以上、400ミクロン以上、500ミクロン以上、600ミクロン以上、800ミクロン以上、1000ミクロン以上、1200ミクロン以上、1400ミクロン以上、1600ミクロン以上、1800ミクロン以上、または2000ミクロン以上である先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0064】
実施形態16 t1が、2200ミクロン以下、2000ミクロン以下、1800ミクロン以下、1600ミクロン以下、1400ミクロン以下、1200ミクロン以下、1000ミクロン以下、800ミクロン以下、700ミクロン以下、650ミクロン以下、600ミクロン以下、550ミクロン以下、500ミクロン以下、480ミクロン以下、460ミクロン以下、440ミクロン以下、または420ミクロン以下である先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0065】
実施形態17 t1が、50ミクロン~2000ミクロン、100ミクロン~1000ミクロン、200ミクロン~500ミクロン、または300ミクロン~450ミクロンの範囲にある先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0066】
実施形態18 上記の耐荷重基材が、鉄、スズ、銅、亜鉛、チタン、スカンジウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、またはそれらの任意の組合せから選択される金属を含む先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0067】
実施形態19 鉄含有基材が鋼を含む実施形態18に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0068】
実施形態20 上記の耐荷重基材が、鋼基材、黄銅基材、青銅基材、またはそれらの組合せから選択される先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0069】
実施形態21 上記の耐荷重基材が、鋼基材を含む先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0070】
実施形態22 上記の耐荷重基材が、本質的に鋼基材から成る先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0071】
実施形態23 上記の耐荷重基材が、120MPa以上、140MPa以上、160MPa以上、180MPa以上、200MPa以上、220MPa以上、または240MPa以上の引張り強さを有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0072】
実施形態24 上記の耐荷重基材が、600MPa以下、500MPa以下、450MPa以下、400MPa以下、350MPa以下、300MPa以下、または250MPa以下の引張り強さを有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0073】
実施形態25 上記の耐荷重基材が、100MPa~2000MPa、150MPa~1500MPa、200MPa~1000MPa、または200MPa~600MPaの範囲の耐力を有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0074】
実施形態26 上記のアルミニウム含有層が、50MPa以上、55MPa以上、60MPa以上、65MPa以上、70MPa以上、75MPa以上、または80MPa以上の引張り強さを有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0075】
実施形態27 上記のアルミニウム含有層が、200MPa以下、190MPa以下、180MPa以下、160MPa以下、150MPa以下、140MPa以下、130MPa以下、120MPa以下、110MPa以下、または100MPa以下の引張り強さを有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0076】
実施形態28 上記のアルミニウム含有層が、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、または90重量%以上のアルミニウム含有量を有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0077】
実施形態29 上記の耐荷重基材と上記のアルミニウム含有層の合わせた引張り強さが、上記の耐荷重基材の引張り強さの70%以上、上記の耐荷重基材の引張り強さの75%以上、上記の耐荷重基材の引張り強さの80%以上、上記の耐荷重基材の引張り強さの80%以上、または上記の耐荷重基材の引張り強さの85%以上である先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0078】
実施形態30 上記のアルミニウム含有層が、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、または90重量%以上のマグネシウム含有量を有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0079】
実施形態31 上記のアルミニウム含有層が、99.99999重量%以下、99.99重量%以下、99.95重量%以下、99.9重量%以下、99.85重量%以下、99.8重量%以下、99.5重量%以下、99重量%以下、98重量%以下、95重量%以下、93重量%以下、または85重量%以下のアルミニウム含有量を有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0080】
実施形態32 上記のアルミニウム含有層が、25重量%~99.99999重量%、50重量%~99.99重量%、90重量%~99.99重量%、または95重量%~99.9重量%の範囲のアルミニウム含有量を有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0081】
実施形態33 上記の摺動層がフッ素ポリマーを含む先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0082】
実施形態34 上記の摺動層が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、変性PTFE(TFM)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、液晶ポリマー(LCP)、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)、パーフルオロメチルアルコキシ(MFA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレン(PE)、UHMWPE、またはそれらの混合物を含む先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0083】
実施形態35 上記の摺動層がポリテトラフルオロエチレン化合物層を含む先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0084】
実施形態36 上記の摺動層が、本質的にポリテトラフルオロエチレン化合物層から成る先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0085】
実施形態37 上記の摺動層が、約0.01mm以上、約0.05mm以上、約0.1mm以上、約0.15mm以上、約0.2mm以上、約0.25mm以上、約0.3mm以上、約0.35mm以上、約0.4mm以上、または約0.45mm以上の厚さを有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0086】
実施形態38 上記の摺動層が、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2.5mm以下、約2mm以下、約1.5mm以下、約1mm以下、約0.9mm以下、約0.8mm以下、約0.7mm以下、約0.6mm以下、約0.55mm以下、または約0.5mm以下の厚さを有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0087】
実施形態39 上記の摺動層が、0.05mm~5mm、0.2mm~2mm、または0.3mm~1mmの範囲の厚さを有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0088】
実施形態40 上記の摺動層に隣接する接着剤層をさらに備える先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0089】
実施形態41 上記の接着剤層が熱可塑性物質を含む実施形態40に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0090】
実施形態42 上記の熱可塑性物質が、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル(Ekonol)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロメチルビニルエーテル(MFA)、変性ポリテトラフルオロエチレン(TFM)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレン(PE)、UHMWPE、またはそれらの任意の組合せを含む実施形態41に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0091】
実施形態43 上記の接着剤層が、本質的に、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)、及びそれらの組合せの群より選択される熱可塑性物質から成る実施形態41に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0092】
実施形態44 上記の熱可塑性物質が、C(=O)R、C‐O‐R、COOH、COOR、COH、またはそれらの任意の組合せから選択される基の1つ以上を含む変性熱可塑性物質を含み、式中、Rは、1~20個の炭素原子を有する環状有機残基または直鎖有機残基である実施形態41に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0093】
実施形態45 上記の第1主面に隣接する不連続金属層をさらに備える先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0094】
実施形態46 上記の不連続金属層が、アルミニウム、アルミニウム合金、鋼金属、アルミニウム含有層でクラッドもしくは被覆された鋼、またはそれらの組合せを含む実施形態45に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0095】
実施形態47 上記の不連続金属層が、エキスパンドメタル、網、フリース、フォーム、またはそれらの任意の組合せから選択される実施形態45に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0096】
実施形態48 上記の不連続金属層が、10メッシュ/インチ以上、例えば11メッシュ/インチ以上、13メッシュ/インチ以上、15メッシュ/インチ以上、17メッシュ/インチ以上、19メッシュ/インチ以上、または21メッシュ/インチ以上などのメッシュサイズを有する実施形態45に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0097】
実施形態49 上記の不連続金属層が、0.1mm以上、例えば0.2mm以上、0.3mm以上、0.4mm以上、0.5mm以上、または0.6mm以上などの厚さを有する実施形態45に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0098】
実施形態50 上記の不連続金属層が、1mm以下、0.9mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、0.6mm以下、0.55mm以下、または0.5mm以下の厚さを有する実施形態45に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0099】
実施形態51 上記のアルミニウム含有層が、構造化された表面を有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0100】
実施形態52 上記のアルミニウム含有層が、壁様の窪み、壁様の隆起、またはそれらの任意の組合せを含む構造化された表面を有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0101】
実施形態53 上記の壁様の窪み、または壁様の隆起が、0.1ミクロン~200ミクロン、1ミクロン~50ミクロン、または2ミクロン~30ミクロンの範囲の高さを有する実施形態52に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0102】
実施形態54 上記のアルミニウム含有層が、多角形構造を有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0103】
実施形態55 上記の多角形構造が、規則的または不規則的である実施形態54に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0104】
実施形態56 上記の多角形構造がハチの巣構造である実施形態54に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0105】
実施形態57 上記のアルミニウム含有層が、1ミクロン以上、2ミクロン以上、3ミクロン以上、4ミクロン以上、または5ミクロン以上の表面粗さを有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0106】
実施形態58 上記のアルミニウム含有層が、20ミクロン以下、15ミクロン以下、12ミクロン以下、10ミクロン以下、または8ミクロン以下の表面粗さを有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0107】
実施形態59 上記の縁部に積層されたアルミナ含有層をさらに備える先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0108】
実施形態60 上記のアルミナ含有層がAl2O3を含む実施形態51に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0109】
実施形態61 上記のアルミナ含有層が、5ミクロン以下、4ミクロン以下、3ミクロン以下、2ミクロン以下、1.5ミクロン以下、1ミクロン以下、0.9ミクロン以下、0.8ミクロン以下、0.7ミクロン以下、0.6ミクロン以下、または0.5ミクロン以下の厚さを有する実施形態51に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0110】
実施形態62 上記の摺動物品が、300時間以上、400時間以上、500時間以上、600時間以上、700時間以上、800時間以上、900時間以上、1000時間以上、または1100時間以上の、中性塩水噴霧試験ISO 9227:2006に従った耐食性評点を有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0111】
実施形態63 上記の摺動物品が、100万時間以下、100000時間以下、または10000時間以下の耐食性評点を有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0112】
実施形態64 上記の摺動物品が、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、10%以上、12%以上、14%以上、16%以上、または18%以上の変形能を有する先行する実施形態のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0113】
実施形態65
第1主面と、第2主面とを有する耐荷重基材を用意すること;
上記の第1主面をアルミニウム含有層で被覆すること;
上記の第1主面または上記の第2主面を覆って摺動層を付着させて、積層体を形成させること;
上記の積層体からブランクを切り出すこと;及び
上記のブランクから半加工ブッシングを形成させること
を含むブッシングの調製方法。
【0114】
実施形態66 上記の被覆することが、クラッドをすること、スプレー被覆をすること、金属スプレーをすること、機械的被覆をすること、ガルバーニ電気被覆をすること、溶融めっきをすること、またはそれらの任意の組合せを含む実施形態65に記載の方法。
【0115】
実施形態67
第1主面と、第2主面とを有し、この第1主面を形成する鉄含有層を備え、この第1主面に積層されたアルミニウム層をさらに備える基材を用意すること;
上記の基材を、上記のアルミニウム層から上記の第1主面を横切って上記の第2主面へと切断して、断面を形成させること;及び
上記の断面を覆ってアルミナ含有層を形成させること
を含む耐食性鉄含有物品の調製方法。
【0116】
実施形態68
第1主面と、第2主面とを有する鋼層、
上記の第1主面に隣接し、上記の第1主面と直接接触している第1アルミニウム含有層、及び
上記の第2主面に隣接し、上記の第2主面と直接接触している第2アルミニウム含有層、
を備える多層金属基材;
上記の多層金属基材に積層された接着剤層;
上記の接着剤層に積層され、上記の接着剤層と直接接触するフッ素ポリマー摺動層
を備えるブッシング。
【0117】
実施形態69 上記のブッシングが、1つ以上の軸つばを有することを特徴とする実施形態68に記載のブッシング。
【0118】
実施形態70 上記のブッシングが、本質的に円柱形状を有することを特徴とする実施形態68または69に記載のブッシング。
【0119】
実施形態71 上記のブッシングが、円錐形状を有することを特徴とする実施形態68または69に記載のブッシング。
【0120】
実施形態72
第1主面と、第2主面と、縁部とを有する耐荷重基材であって、200ミクロン~3000ミクロンの厚さを有する耐荷重基材、
上記の第1主面に積層され、この第1主面と直接接触しているアルミニウム含有層であって、20ミクロン~300ミクロンの厚さを有するアルミニウム含有層、及び
上記の第1主面または上記の第2主面に積層された摺動層
を備えるブッシング。
【0121】
実施形態73 上記の第2主面に積層され、この第2主面と直接接触しているさらなるアルミニウム含有層であって、20ミクロン~300ミクロンの厚さを有するさらなるアルミニウム含有層をさらに備える実施形態72に記載のブッシング。
【0122】
実施形態74 上記の摺動層とは反対側で上記の耐荷重基材に積層された機能層をさらに備える実施形態72または73のいずれか1つに記載のブッシング。
【0123】
実施形態75 上記の機能層が第2の摺動層である実施形態74に記載のブッシング。
【0124】
実施形態76 上記の機能層がエラストマー層である実施形態74に記載のブッシング。
【0125】
実施形態77 上記のエラストマー層が、ニトリルゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、熱可塑性エラストマー、架橋エラストマー、ポリエーテルポリエステルエラストマー、エチレンプロピレンエラストマー、エチレンアクリレートゴム、及び/またはフッ素エラストマーのうちの1つ以上を含む実施形態76に記載のブッシング。
【0126】
実施形態78 上記のアルミニウム含有層の厚さが、20ミクロン~250ミクロン、25ミクロン~200ミクロン、30ミクロン~150ミクロン、または40ミクロン~100ミクロンの範囲にある実施形態72~77のいずれか1つに記載のブッシング。
【0127】
実施形態79 上記の耐荷重基材の厚さが、200ミクロン~2500ミクロン、250ミクロン~2000ミクロン、300ミクロン~1500ミクロン、または350ミクロン~1000ミクロンの範囲にある実施形態72~78のいずれか1つに記載のブッシング。
【0128】
実施形態80 上記の耐荷重基材が、鉄、スズ、銅、亜鉛、チタン、スカンジウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、またはそれらの任意の組合せから選択される金属を含む実施形態72~79のいずれか1つに記載のブッシング。
【0129】
実施形態81 上記の鉄含有基材が鋼を含む実施形態80に記載のブッシング。
【0130】
実施形態82 上記の耐荷重基材が、鋼基材、黄銅基材、青銅基材、またはそれらの組合せから選択される実施形態72~81のいずれか1つに記載のブッシング。
【0131】
実施形態83 上記の耐荷重基材が、本質的に鋼基材から成る実施形態72~82のいずれか1つに記載のブッシング。
【0132】
実施形態84 上記の耐荷重基材が、120MPa以上、140MPa以上、160MPa以上、180MPa以上、200MPa以上、220MPa以上、または240MPa以上の引張り強さを有する実施形態72~83のいずれか1つに記載のブッシング。
【0133】
実施形態85 上記の耐荷重基材が、600MPa以下、500MPa以下、450MPa以下、400MPa以下、350MPa以下、300MPa以下、または250MPa以下の引張り強さを有する実施形態72~84のいずれか1つに記載のブッシング。
【0134】
実施形態86 上記の耐荷重基材が、100MPa~2000MPa、150MPa~1500MPa、200MPa~1000MPa、または200MPa~600MPaの範囲の耐力を有する実施形態72~85のいずれか1つに記載のブッシング。
【0135】
実施形態87 上記のアルミニウム含有層が、50MPa以上、55MPa以上、60MPa以上、65MPa以上、70MPa以上、75MPa以上、または80MPa以上の引張り強さを有する実施形態72~86のいずれか1つに記載のブッシング。
【0136】
実施形態88 上記のアルミニウム含有層が、200MPa以下、190MPa以下、180MPa以下、160MPa以下、150MPa以下、140MPa以下、130MPa以下、120MPa以下、110MPa以下、または100MPa以下の引張り強さを有する実施形態72~87のいずれか1つに記載のブッシング。
【0137】
実施形態89 上記のアルミニウム含有層が、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、または90重量%以上のアルミニウム含有量を有する実施形態72~88のいずれか1つに記載のブッシング。
【0138】
実施形態90 上記の耐荷重基材と上記のアルミニウム含有層の合わせた引張り強さが、上記の耐荷重基材の引張り強さの70%以上、上記の耐荷重基材の引張り強さの75%以上、上記の耐荷重基材の引張り強さの80%以上、上記の耐荷重基材の引張り強さの80%以上、または上記の耐荷重基材の引張り強さの85%以上である実施形態72~89のいずれか1つに記載のブッシング。
【0139】
実施形態91 上記のアルミニウム含有層が、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、または90重量%以上のマグネシウム含有量を有する実施形態72~90のいずれか1つに記載のブッシング。
【0140】
実施形態92 上記のアルミニウム含有層が、99.99999重量%以下、99.99重量%以下、99.95重量%以下、99.9重量%以下、99.85重量%以下、99.8重量%以下、99.5重量%以下、99重量%以下、98重量%以下、95重量%以下、93重量%以下、または85重量%以下のアルミニウム含有量を有する実施形態72~91のいずれか1つに記載のブッシング。
【0141】
実施形態93 上記のアルミニウム含有層が、25重量%~99.99999重量%、50重量%~99.99重量%、90重量%~99.99重量%、または95重量%~99.9重量%の範囲のアルミニウム含有量を有する実施形態72~77のいずれか1つに記載のブッシング。
【0142】
実施形態94 上記の摺動層がフッ素ポリマーを含む実施形態72~93のいずれか1つに記載のブッシング。
【0143】
実施形態95 上記の摺動層が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、液晶ポリマー(LCP)、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレン(PE)、UHMWPE、またはそれらの混合物を含む実施形態72~94のいずれか1つに記載のブッシング。
【0144】
実施形態96 上記の摺動層がポリテトラフルオロエチレン化合物層を含む実施形態72~95のいずれか1つに記載のブッシング。
【0145】
実施形態97 上記の摺動層が、本質的にポリテトラフルオロエチレン化合物層から成る実施形態72~96のいずれか1つに記載のブッシング。
【0146】
実施形態98 上記の摺動層が、0.05mm~5mm、0.2mm~2mm、または0.3mm~1mmの範囲の厚さを有する実施形態72~97のいずれか1つに記載のブッシング。
【0147】
実施形態99 上記の摺動層に隣接する接着剤層をさらに備える実施形態72~98のいずれか1つに記載のブッシング。
【0148】
実施形態100 上記の接着剤層が熱可塑性物質を含む実施形態99に記載のブッシング。
【0149】
実施形態101 上記の熱可塑性物質が、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル(Ekonol)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロメチルビニルエーテル(MFA)、変性ポリテトラフルオロエチレン(TFM)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレン(PE)、UHMWPE、またはそれらの任意の組合せを含む実施形態100に記載のブッシング。
【0150】
実施形態102 上記の接着剤層が、本質的に、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)、及びそれらの組合せの群より選択される熱可塑性物質から成る実施形態101に記載のブッシング。
【0151】
実施形態103 上記の熱可塑性物質が、C(=O)R、C‐O‐R、COOH、COOR、COH、またはそれらの任意の組合せから選択される基の1つ以上を含む変性熱可塑性物質を含み、式中、Rは、1~20個の炭素原子を有する環状有機残基または直鎖有機残基である実施形態102に記載のブッシング。
【0152】
実施形態104 上記の第1主面に隣接するエキスパンドメタル層をさらに備える実施形態72~103のいずれか1つに記載のブッシング。
【0153】
実施形態105 上記のエキスパンドメタル層が、アルミニウム合金、鋼金属、アルミニウム含有層でクラッドもしくは被覆された鋼、またはそれらの組合せを含む実施形態104に記載のブッシング。
【0154】
実施形態106 上記のエキスパンドメタル層がポリマーマトリックスに埋め込まれている実施形態104に記載のブッシング。
【0155】
実施形態107 上記のアルミニウム含有層が、構造化された表面を有する実施形態72~106のいずれか1つに記載のブッシング。
【0156】
実施形態108 上記のアルミニウム含有層が、壁様の窪み、壁様の隆起、またはそれらの任意の組合せを含む構造化された表面を有する実施形態72~107のいずれか1つに記載のブッシング。
【0157】
実施形態109 上記の壁様の窪み、または壁様の隆起が、0.1ミクロン~200ミクロン、1ミクロン~50ミクロン、または2ミクロン~30ミクロンの範囲の高さを有する実施形態108に記載のブッシング。
【0158】
実施形態110 上記のアルミニウム含有層が多角形構造を有する実施形態72~109のいずれか1つに記載のブッシング。
【0159】
実施形態111 上記の多角形構造が、規則的または不規則的である実施形態110に記載のブッシング。
【0160】
実施形態112 上記の多角形構造がハチの巣構造である実施形態110に記載のブッシング。
【0161】
実施形態113 上記の縁部に積層されたアルミナ含有層をさらに備える実施形態72~112のいずれか1つに記載のブッシング。
【0162】
実施形態114 上記のアルミナ含有層がAl2O3含む実施形態72~113のいずれか1つに記載のブッシング。
【0163】
実施形態115 上記のアルミナ含有層が、5ミクロン以下、4ミクロン以下、3ミクロン以下、2ミクロン以下、1.5ミクロン以下、1ミクロン以下、0.9ミクロン以下、0.8ミクロン以下、0.7ミクロン以下、0.6ミクロン以下、または0.5ミクロン以下の厚さを有する実施形態114に記載のブッシング。
【0164】
実施形態116 上記のブッシングが、300時間以上、400時間以上、500時間以上、600時間以上、700時間以上、800時間以上、900時間以上、1000時間以上、または1100時間以上の、中性塩水噴霧試験ISO 9227:2006に従った耐食性評点を有する実施形態72~115のいずれか1つに記載のブッシング。
【0165】
実施形態117 上記のブッシングが、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、10%以上、12%以上、14%以上、16%以上、または18%以上の変形能を有する実施形態72~116のいずれか1つに記載のブッシング。
【0166】
実施形態118
第1主面と、第2主面と、縁部とを有する耐荷重基材であって、200ミクロン~3000ミクロンの厚さを有する耐荷重基材、
上記の第1主面に積層され、この第1主面と直接接触している腐食防止層であって、20ミクロン~300ミクロンの厚さを有する腐食防止層、及び
上記の第1主面または上記の第2主面に積層された摺動層
を備えるブッシング。
【0167】
実施形態119 上記の第2主面に積層され、この第2主面と直接接触しているさらなる腐食防止層であって、20ミクロン~300ミクロンの厚さを有するさらなる腐食防止層をさらに備える実施形態118に記載のブッシング。
【0168】
実施形態120 上記の摺動層とは反対側で上記の耐荷重基材に積層された機能層をさらに備える実施形態118または119のいずれか1つに記載のブッシング。
【0169】
実施形態121 上記の機能層が第2の摺動層である実施形態120に記載のブッシング。
【0170】
実施形態122 上記の機能層がエラストマー層である実施形態120に記載のブッシング。
【0171】
実施形態123 上記のエラストマー層が、ニトリルゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、熱可塑性エラストマー、架橋エラストマー、ポリエーテルポリエステルエラストマー、エチレンプロピレンエラストマー、エチレンアクリレートゴム、及び/またはフッ素エラストマーのうちの1つ以上を含む実施形態122に記載のブッシング。
【0172】
実施形態124 上記の腐食防止層の厚さが、20ミクロン~250ミクロン、25ミクロン~200ミクロン、30ミクロン~150ミクロン、または40ミクロン~100ミクロンの範囲にある実施形態118~123のいずれか1つに記載のブッシング。
【0173】
実施形態125 上記の耐荷重基材の厚さが、200ミクロン~2500ミクロン、250ミクロン~2000ミクロン、300ミクロン~1500ミクロン、または350ミクロン~1000ミクロンの範囲にある実施形態118~124のいずれか1つに記載のブッシング。
【0174】
実施形態126 上記の耐荷重基材が、鉄、スズ、銅、亜鉛、チタン、スカンジウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、またはそれらの任意の組合せから選択される金属を含む実施形態118~125のいずれか1つに記載のブッシング。
【0175】
実施形態127 上記の鉄含有基材が鋼を含む実施形態126に記載のブッシング。
【0176】
実施形態128 上記の耐荷重基材が、鋼基材、黄銅基材、青銅基材、またはそれらの組合せから選択される実施形態118~127のいずれか1つに記載のブッシング。
【0177】
実施形態129 上記の耐荷重基材が、本質的に鋼基材から成る実施形態118~128のいずれか1つに記載のブッシング。
【0178】
実施形態130 上記の腐食防止層が、マグネシウム、アルミニウム、チタン、スカンジウム、亜鉛、またはそれらの任意の組合せから選択される金属を含む実施形態118~129のいずれか1つに記載のブッシング。
【0179】
実施形態131 上記の腐食防止層が、本質的にマグネシウム、アルミニウム、またはそれらの組合せから成る実施形態130に記載のブッシング。
【0180】
実施形態132 上記の腐食防止層が、1.70以下、1.69以下、1.68以下、1.67以下、1.66以下、1.65以下、1.63以下、1.60以下、1.55以下、1.50以下、または1.45以下の電気陰性度を有する金属を含む実施形態118~131のいずれか1つに記載のブッシング。
【0181】
実施形態133 上記の耐荷重基材が、120MPa以上、140MPa以上、160MPa以上、180MPa以上、200MPa以上、220MPa以上、または240MPa以上の引張り強さを有する実施形態118~132のいずれか1つに記載のブッシング。
【0182】
実施形態134 上記の耐荷重基材が、600MPa以下、500MPa以下、450MPa以下、400MPa以下、350MPa以下、300MPa以下、または250MPa以下の引張り強さを有する実施形態118~133のいずれか1つに記載のブッシング。
【0183】
実施形態135 上記の耐荷重基材が、100MPa~2000MPa、150MPa~1500MPa、200MPa~1000MPa、または200MPa~600MPaの範囲の耐力を有する実施形態118~134のいずれか1つに記載のブッシング。
【0184】
実施形態136 上記の腐食防止層が、50MPa以上、55MPa以上、60MPa以上、65MPa以上、70MPa以上、75MPa以上、または80MPa以上の引張り強さを有する実施形態118~135のいずれか1つに記載のブッシング。
【0185】
実施形態137 上記の腐食防止層が、200MPa以下、190MPa以下、180MPa以下、160MPa以下、150MPa以下、140MPa以下、130MPa以下、120MPa以下、110MPa以下、または100MPa以下の引張り強さを有する実施形態118~136のいずれか1つに記載のブッシング。
【0186】
実施形態138 上記の耐荷重基材と上記の腐食防止層の合わせた引張り強さが、上記の耐荷重基材の引張り強さの70%以上、上記の耐荷重基材の引張り強さの75%以上、上記の耐荷重基材の引張り強さの80%以上、上記の耐荷重基材の引張り強さの80%以上、または上記の耐荷重基材の引張り強さの85%以上である実施形態118~137のいずれか1つに記載のブッシング。
【0187】
実施形態139 上記の腐食防止層が、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、または90重量%以上のマグネシウム含有量を有する実施形態118~138のいずれか1つに記載のブッシング。
【0188】
実施形態140 上記の腐食防止層が、99.99999重量%以下、99.99重量%以下、99.95重量%以下、99.9重量%以下、99.85重量%以下、99.8重量%以下、99.5重量%以下、99重量%以下、98重量%以下、95重量%以下、93重量%以下、または85重量%以下のマグネシウム含有量を有する実施形態118~139のいずれか1つに記載のブッシング。
【0189】
実施形態141 上記の腐食防止層が、25重量%~99.99999重量%、50重量%~99.99重量%、90重量%~99.99重量%、または95重量%~99.9重量%の範囲のマグネシウム含有量を有する実施形態118~139のいずれか1つに記載のブッシング。
【0190】
実施形態142 上記の摺動層がフッ素ポリマーを含む実施形態118~141のいずれか1つに記載のブッシング。
【0191】
実施形態143 上記の摺動層が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、液晶ポリマー(LCP)、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレン(PE)、UHMWPE、またはそれらの混合物を含む実施形態118~142のいずれか1つに記載のブッシング。
【0192】
実施形態144 上記の摺動層がポリテトラフルオロエチレン化合物層を含む実施形態118~143のいずれか1つに記載のブッシング。
【0193】
実施形態145 上記の摺動層が、本質的にポリテトラフルオロエチレン化合物層から成る実施形態118~144のいずれか1つに記載のブッシング。
【0194】
実施形態146 上記の摺動層が、0.05mm~5mm、0.2mm~2mm、または0.3mm~1mmの範囲の厚さを有する実施形態118~145のいずれか1つに記載のブッシング。
【0195】
実施形態147 上記の摺動層に隣接する接着剤層をさらに備える実施形態118~146のいずれか1つに記載のブッシング。
【0196】
実施形態148 上記の接着剤層が熱可塑性物質を含む実施形態147に記載のブッシング。
【0197】
実施形態149 上記の熱可塑性物質が、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル(Ekonol)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロメチルビニルエーテル(MFA)、変性ポリテトラフルオロエチレン(TFM)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレン(PE)、UHMWPE、またはそれらの任意の組合せを含む実施形態148に記載のブッシング。
【0198】
実施形態150 上記の接着剤層が、本質的に、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)、及びそれらの組合せの群より選択される熱可塑性物質から成る実施形態149に記載のブッシング。
【0199】
実施形態151 上記の熱可塑性物質が、C(=O)R、C‐O‐R、COOH、COOR、COH、またはそれらの任意の組合せから選択される基の1つ以上を含む変性熱可塑性物質を含み、式中、Rは、1~20個の炭素原子を有する環状有機残基または直鎖有機残基である実施形態150に記載のブッシング。
【0200】
実施形態152 上記の第1主面に隣接するエキスパンドメタル層をさらに備える実施形態118~151のいずれか1つに記載のブッシング。
【0201】
実施形態153 上記のエキスパンドメタル層が、アルミニウム合金、鋼金属、腐食防止層でクラッドもしくは被覆された鋼、またはそれらの組合せを含む実施形態152に記載のブッシング。
【0202】
実施形態154 上記のエキスパンドメタル層がポリマーマトリックスに埋め込まれている実施形態152に記載のブッシング。
【0203】
実施形態155 上記の腐食防止層が、構造化された表面を有する実施形態118~154のいずれか1つに記載のブッシング。
【0204】
実施形態156 上記の腐食防止層が、壁様の窪み、壁様の隆起、またはそれらの任意の組合せを含む構造化された表面を有する実施形態118~155のいずれか1つに記載のブッシング。
【0205】
実施形態157 上記の壁様の窪み、または壁様の隆起が、0.1ミクロン~200ミクロン、1ミクロン~50ミクロン、または2ミクロン~30ミクロンの範囲の高さを有する実施形態156に記載のブッシング。
【0206】
実施形態158 上記の腐食防止層が、多角形構造を有する実施形態118~157のいずれか1つに記載のブッシング。
【0207】
実施形態159 上記の多角形構造が、規則的または不規則的である実施形態158に記載のブッシング。
【0208】
実施形態160 上記の多角形構造がハチの巣構造である実施形態158に記載のブッシング。
【0209】
実施形態161 上記の縁部に積層されたアルミナ含有層をさらに備える実施形態118~160のいずれか1つに記載のブッシング。
【0210】
実施形態162 上記のアルミナ含有層がAl2O3含む実施形態118~161のいずれか1つに記載のブッシング。
【0211】
実施形態163 上記のアルミナ含有層が、5ミクロン以下、4ミクロン以下、3ミクロン以下、2ミクロン以下、1.5ミクロン以下、1ミクロン以下、0.9ミクロン以下、0.8ミクロン以下、0.7ミクロン以下、0.6ミクロン以下、または0.5ミクロン以下の厚さを有する実施形態161に記載のブッシング。
【0212】
実施形態164 上記のブッシングが、300時間以上、400時間以上、500時間以上、600時間以上、700時間以上、800時間以上、900時間以上、1000時間以上、または1100時間以上の、中性塩水噴霧試験ISO 9227:2006に従った耐食性評点を有する実施形態118~163のいずれか1つに記載のブッシング。
【0213】
実施形態165 上記のブッシングが、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、10%以上、12%以上、14%以上、16%以上、または18%以上の変形能を有する実施形態118~164のいずれか1つに記載のブッシング。
【0214】
実施形態166
第1主面と、第2主面と、縁部とを有する耐荷重基材であって、厚さt1を有する耐荷重基材、
上記の第1主面に積層され、この第1主面と直接接触している被覆であって、1.83未満のポーリング電気陰性度を有する元素金属を含み、厚さt2を有し、t2が10ミクロン以上である被覆、
上記の第1主面または上記の第2主面に積層された摺動層
を備える摺動物品であって、t2/t1の比が1/10以上である摺動物品。
【0215】
実施形態167
第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部;
上記の第1ヒンジ部を上記の第2ヒンジ部と接合するピン;ならびに
摺動物品であって、
第1主面と、第2主面と、縁部とを有する耐荷重基材であって、厚さt1を有する耐荷重基材、
上記の第1主面に積層され、この第1主面と直接接触している被覆であって、1.83未満のポーリング電気陰性度を有する元素金属を含み、厚さt2を有し、t2が10ミクロン以上である被覆、
上記の第1主面または上記の第2主面に積層された摺動層
を備える摺動物品であって、t2/t1の比が1/10以上である摺動物品
を備えるヒンジ組立体。
【0216】
実施形態168 上記の第2主面に積層され、この第2主面と直接接触しているさらなる被覆であって、厚さt3を有するさらなる被覆をさらに備える、実施形態166または167のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0217】
実施形態169 上記の摺動層とは反対側で上記の耐荷重基材に積層された機能層をさらに備える実施形態166~168のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0218】
実施形態170 上記の機能層が第2の摺動層である実施形態169に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0219】
実施形態171 上記の機能層がエラストマー層である実施形態169に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0220】
実施形態172 上記のエラストマー層が、ニトリルゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、熱可塑性エラストマー、架橋エラストマー、ポリエーテルポリエステルエラストマー、エチレンプロピレンエラストマー、エチレンアクリレートゴム、及び/またはフッ素エラストマーのうちの1つ以上を含む実施形態171に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0221】
実施形態173 (t2+t3)/t1の比が、1/3以下、2/7以下、1/4以下、2/9以下、または1/5以下である実施形態166に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0222】
実施形態174 (t2+t3)/t1の比が、1/10~1/3、1/8~1/3、または1/5~1/3の範囲にある実施形態166に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0223】
実施形態175 上記のt2/t1の比が、1/3以下、1/4以下、1/5以下、1/6以下、1/7以下、1/8以下、または1/9以下である実施形態166~174のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0224】
実施形態176 上記のt2/t1の比が、1/10~1/3、1/10~1/5、または1/9~1/7の範囲にある実施形態166~175のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0225】
実施形態177 t2が、25ミクロン以上、30ミクロン以上、35ミクロン以上、40ミクロン以上、45ミクロン以上、または50ミクロン以上である実施形態166~176のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0226】
実施形態178 t2が、200ミクロン以下、180ミクロン以下、160ミクロン以下、140ミクロン以下、120ミクロン以下、100ミクロン以下、90ミクロン以下、80ミクロン以下、70ミクロン以下、または60ミクロン以下である実施形態166~177のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0227】
実施形態179 t2が、20ミクロン~200ミクロン、25ミクロン~180ミクロン、30ミクロン~120ミクロン、または40ミクロン~80ミクロンの範囲にある実施形態166~178のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0228】
実施形態180 t1が、50ミクロン以上、80ミクロン以上、100ミクロン以上、150ミクロン以上、200ミクロン以上、300ミクロン以上、400ミクロン以上、500ミクロン以上、600ミクロン以上、800ミクロン以上、1000ミクロン以上、1200ミクロン以上、1400ミクロン以上、1600ミクロン以上、1800ミクロン以上、または2000ミクロン以上である実施形態166~179のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0229】
実施形態181 t1が、2200ミクロン以下、2000ミクロン以下、1800ミクロン以下、1600ミクロン以下、1400ミクロン以下、1200ミクロン以下、1000ミクロン以下、800ミクロン以下、700ミクロン以下、650ミクロン以下、600ミクロン以下、550ミクロン以下、500ミクロン以下、480ミクロン以下、460ミクロン以下、440ミクロン以下、または420ミクロン以下である実施形態166~180のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0230】
実施形態182 t1が、50ミクロン~2000ミクロン、100ミクロン~1000ミクロン、200ミクロン~500ミクロン、または300ミクロン~450ミクロンの範囲にある実施形態166~181のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0231】
実施形態183 上記の耐荷重基材が、鉄、スズ、銅、亜鉛、チタン、スカンジウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、またはそれらの任意の組合せから選択される金属を含む実施形態166~182のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0232】
実施形態184 上記の鉄含有基材が鋼を含む実施形態183に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0233】
実施形態185 上記の耐荷重基材が、鋼基材、黄銅基材、青銅基材、またはそれらの組合せから選択される実施形態166~184のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0234】
実施形態186上記の耐荷重基材が、鋼基材を含む実施形態166~185のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0235】
実施形態187 上記の耐荷重基材が、本質的に鋼基材から成る実施形態166~186のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0236】
実施形態188 上記の耐荷重基材が、120MPa以上、140MPa以上、160MPa以上、180MPa以上、200MPa以上、220MPa以上、または240MPa以上の引張り強さを有する実施形態166~187のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0237】
実施形態189 上記の耐荷重基材が、600MPa以下、500MPa以下、450MPa以下、400MPa以下、350MPa以下、300MPa以下、または250MPa以下の引張り強さを有する実施形態166~188のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0238】
実施形態190 上記の耐荷重基材が、100MPa~2000MPa、150MPa~1500MPa、200MPa~1000MPa、または200MPa~600MPaの範囲の耐力を有する実施形態166~189のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0239】
実施形態191 上記の被覆が、50MPa以上、55MPa以上、60MPa以上、65MPa以上、70MPa以上、75MPa以上、または80MPa以上の引張り強さを有する実施形態166~190のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0240】
実施形態192 上記の被覆が、200MPa以下、190MPa以下、180MPa以下、160MPa以下、150MPa以下、140MPa以下、130MPa以下、120MPa以下、110MPa以下、または100MPa以下の引張り強さを有する実施形態166~191のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0241】
実施形態193 上記の被覆が、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、またはそれらの任意の組合せの群より選択される元素金属を含む実施形態166~192のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0242】
実施形態194 上記の耐荷重基材と上記の被覆の合わせた引張り強さが、上記の耐荷重基材の引張り強さの70%以上、上記の耐荷重基材の引張り強さの75%以上、上記の耐荷重基材の引張り強さの80%以上、上記の耐荷重基材の引張り強さの80%以上、または上記の耐荷重基材の引張り強さの85%以上である実施形態166~193のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0243】
実施形態195 上記の被覆が、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、または90重量%以上の、マグネシウム、アルミニウムまたは亜鉛から選択される元素金属の含有量を有する実施形態166~194のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0244】
実施形態196 上記の被覆が、25重量%~99.99999重量%、50重量%~99.99重量%、90重量%~99.99重量%、または95重量%~99.9重量%の範囲の、マグネシウム、アルミニウムまたは亜鉛から選択される元素金属の含有量を有する実施形態166~195のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0245】
実施形態197 上記の摺動層がフッ素ポリマーを含む実施形態166~196のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0246】
実施形態198 上記の摺動層が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、変性PTFE(TFM)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、液晶ポリマー(LCP)、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)、パーフルオロメチルアルコキシ(MFA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレン(PE)、UHMWPE、またはそれらの混合物を含む実施形態166~197のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0247】
実施形態199 上記の摺動層がポリテトラフルオロエチレン化合物層を含む実施形態166~198のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0248】
実施形態200 上記の摺動層が、本質的にポリテトラフルオロエチレン化合物層から成る実施形態166~199のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0249】
実施形態201 上記の摺動層が、約0.01mm以上、約0.05mm以上、約0.1mm以上、約0.15mm以上、約0.2mm以上、約0.25mm以上、約0.3mm以上、約0.35mm以上、約0.4mm以上、または約0.45mm以上の厚さを有する実施形態166~200のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0250】
実施形態202 上記の摺動層が、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2.5mm以下、約2mm以下、約1.5mm以下、約1mm以下、約0.9mm以下、約0.8mm以下、約0.7mm以下、約0.6mm以下、約0.55mm以下、または約0.5mm以下の厚さを有する実施形態166~201のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0251】
実施形態203 上記の摺動層が、0.05mm~5mm、0.2mm~2mm、または0.3mm~1mmの範囲の厚さを有する実施形態166~202のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0252】
実施形態204 上記の摺動層に隣接する接着剤層をさらに備える実施形態166~203のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0253】
実施形態205 上記の接着剤層が熱可塑性物質を含む実施形態204に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0254】
実施形態206 上記の熱可塑性物質が、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル(Ekonol)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロメチルビニルエーテル(MFA)、変性ポリテトラフルオロエチレン(TFM)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレン(PE)、UHMWPE、またはそれらの任意の組合せを含む実施形態205に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0255】
実施形態207 上記の接着剤層が、本質的に、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)、及びそれらの組合せの群より選択される熱可塑性物質から成る実施形態205に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0256】
実施形態208 上記の熱可塑性物質が、C(=O)R、C‐O‐R、COOH、COOR、COH、またはそれらの任意の組合せから選択される基の1つ以上を含む変性熱可塑性物質を含み、式中、Rは、1~20個の炭素原子を有する環状有機残基または直鎖有機残基である実施形態205に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0257】
実施形態209 上記の第1主面に隣接する不連続金属層をさらに備える実施形態166~208のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0258】
実施形態210 上記の不連続金属層が、エキスパンドメタル、網、フリース、フォーム、またはそれらの組合せを含む実施形態209に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0259】
実施形態211 上記の不連続金属層が、ポリマーマトリックスに埋め込まれている実施形態209に記載のブッシング。
【0260】
実施形態212 上記の不連続金属層が、10メッシュ/インチ以上、例えば11メッシュ/インチ以上、13メッシュ/インチ以上、15メッシュ/インチ以上、17メッシュ/インチ以上、19メッシュ/インチ以上、または21メッシュ/インチ以上などのメッシュサイズを有する実施形態209に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0261】
実施形態213 上記の不連続金属層が、0.1mm以上、例えば0.2mm以上、0.3mm以上、0.4mm以上、0.5mm以上、または0.6mm以上などの厚さを有する実施形態209に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0262】
実施形態214 上記の不連続金属層が、1mm以下、0.9mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、0.6mm以下、0.55mm以下、または0.5mm以下の厚さを有する実施形態209に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0263】
実施形態215 上記の被覆が、構造化された表面を有する実施形態166~214のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0264】
実施形態216 上記の被覆が、壁様の窪み、壁様の隆起、またはそれらの任意の組合せを含む構造化された表面を有する実施形態166~215のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0265】
実施形態217 上記の壁様の窪み、または壁様の隆起が、0.1ミクロン~200ミクロン、1ミクロン~50ミクロン、または2ミクロン~30ミクロンの範囲の高さを有する実施形態216に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0266】
実施形態218 上記の被覆が、多角形構造を有する実施形態166~217のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0267】
実施形態219 上記の多角形構造が、規則的または不規則的である実施形態218に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0268】
実施形態220 上記の多角形構造がハチの巣構造である実施形態218に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0269】
実施形態221 上記の被覆が、1ミクロン以上、2ミクロン以上、3ミクロン以上、4ミクロン以上、または5ミクロン以上の表面粗さを有する実施形態166~220のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0270】
実施形態222 上記の被覆が、20ミクロン以下、15ミクロン以下、12ミクロン以下、10ミクロン以下、または8ミクロン以下の表面粗さを有する実施形態166~222のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0271】
実施形態223 上記の縁部に積層された不動態化層をさらに備える実施形態166~222のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0272】
実施形態224 上記の不動態化層が、Al2O3、MgO、ZnO、BeO、またはそれらの任意の組合せから選択される化合物を含む実施形態223に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0273】
実施形態225 上記の不動態化層が、5ミクロン以下、4ミクロン以下、3ミクロン以下、2ミクロン以下、1.5ミクロン以下、1ミクロン以下、0.9ミクロン以下、0.8ミクロン以下、0.7ミクロン以下、0.6ミクロン以下、または0.5ミクロン以下の厚さを有する実施形態223に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0274】
実施形態226 上記の摺動物品が、300時間以上、400時間以上、500時間以上、600時間以上、700時間以上、800時間以上、900時間以上、1000時間以上、または1100時間以上の、中性塩水噴霧試験ISO 9227:2006に従った耐食性評点を有する実施形態166~225のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0275】
実施形態227 上記の摺動物品が、100万時間以下、100000時間以下、または10000時間以下の耐食性評点を有する実施形態166~226のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0276】
実施形態228 上記の摺動物品が、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、10%以上、12%以上、14%以上、16%以上、または18%以上の変形能を有する実施形態166~227のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【0277】
実施形態229 上記の摺動物品が、平軸受、ブッシング、球面軸受、玉軸受、ワッシャ、軸受胴、またはそれらの組合せから選択される、実施形態1~64または実施形態166~228のいずれか1つに記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
【実施例0278】
耐食性評点は、中性塩水噴霧試験ISO 9227:2006に従って決定する。試料は、試験前に室温で24時間保存する。試料をPVC棚に置くか、またはナイロン糸で吊して、塩水噴霧チャンバに設置する。1回の塩水噴霧試験あたり、ブッシング1種類につき5試料以上を試験する。試料の外観検査を、一定の間隔で行う。
【0279】
例えば、0.25mmPTFE化合物テープと、0.03mmETFE接着剤と、両面をアルミニウムでクラッドした0.47mmの鋼を含む基材であって、各アルミニウム層が20ミクロンである基材とを備える積層体からブランクを切り出すことによって、試料1を調製する。試料1は、0.25mmPTFE化合物テープと、0.03mmETFE接着剤と、両面をアルミニウムでクラッドした0.45mmの鋼を含む基材であって、各アルミニウム層が50ミクロンである基材とを備える積層体からブランクを切り出すことによって調製する。したがって試料1と試料2の差異は、アルミニウム層の厚さである。
【0280】
試料を成形して、半加工ブッシングを形成させる。ブランクを丸め、フランジを付けることによって成形し、所望の形状を得る。試料1の耐食性評点は300時間未満であると決定され、すなわち赤色腐食が300時間で観測された。試料2の耐食性評点は1000時間以上であると決定され、すなわち赤色腐食は1000時間で観測されず、赤色の錆は1500時間及び3000時間後で観測されなかった。
【0281】
図3A及び3Bでは、成形前後の試料2の縁部の、エネルギー分散型X線分光検出器(EDS)を備えた走査型電子顕微鏡スキャン(SEM)の線図が図示されている。
図3Aにおいては、層1048及び1046は、鋼層102にクラッドした50ミクロンのアルミニウム層である。摺動層108はPTFEテープであり、108と1046の間の接着剤層は、EDS分析では識別することができない。見てわかるように、成形後、基材102は、成形プロセスの結果として、層1048からのアルミニウムによって被覆されている。この被覆は、層102の断面全体にわたって広がっていない。実際に、鉄及びアルミニウムの存在を示す過渡区域105が存在する。
【0282】
変形能試験では、壁厚1mmを有する3つのブッシングを用いる。ブッシング1は、両面をアルミニウムでクラッドした0.5mmの鋼であって、各アルミニウム層が50ミクロンである鋼を含む標準SM材料(SM100CG、Saint-Gobain Performance Plastics製)であり、ブッシング2は、摺動層に0.4mmエキスパンドアルミニウム(99.5)網をさらに含むSM 100CGブッシングであり、ブッシング3は、摺動層に0.4mmエキスパンドアルミニウムマグネシウム合金(AlMg3)網をさらに含むSM 100CGブッシングであった。
【0283】
変形能は、ブッシングの内径よりも0.02mm~0.22mm大きいサイズを有する一連の5本の特大ピンを挿入することによる変形量によって決定した。3つのブッシングの内径は15mmであった。表1には、変形能(塑性変形)結果が示されている。
【表1】
前記アルミニウム含有層が、25重量%~99.99999重量%、50重量%~99.99重量%、90重量%~99.99重量%、または95重量%~99.9重量%の範囲のアルミニウム含有量を有する請求項1または2のいずれか1項に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
前記摺動層が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、変性PTFE(TFM)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、液晶ポリマー(LCP)、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)、パーフルオロメチルアルコキシ(MFA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレン(PE)、UHMWPE、またはそれらの混合物を含む請求項1から5のいずれか1項に記載の摺動物品またはヒンジ組立体。
前記第2主面に積層され、前記第2主面と直接接触しているさらなるアルミニウム含有層であって、20ミクロン~300ミクロンの厚さを有するさらなるアルミニウム含有層をさらに備える請求項11記載のブッシング。