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特開2023-93588容器を充填製品で充填するためのデバイス
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  • 特開-容器を充填製品で充填するためのデバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093588
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】容器を充填製品で充填するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   B67C 3/00 20060101AFI20230627BHJP
   G01F 23/263 20220101ALI20230627BHJP
【FI】
B67C3/00 A
G01F23/263
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065565
(22)【出願日】2023-04-13
(62)【分割の表示】P 2019542666の分割
【原出願日】2018-02-13
(31)【優先権主張番号】102017102852.8
(32)【優先日】2017-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツィーグラー マンフレート
(57)【要約】      (修正有)
【課題】確実かつ効率良い充填モードを可能にし、確実かつ効率良い洗浄モードも可能にする、容器を充填製品で充填するためのデバイスを提供する。
【解決手段】容器を充填製品で充填するためのデバイス1は、充填製品を収容するための充填製品リザーバ2と、充填モード中に充填製品リザーバ2内の充填製品レベルを決定するための第1充填レベルプローブ4を備え、洗浄モード中に充填製品リザーバ2内の洗浄液レベルを決定するために第2充填レベルプローブ5が配設されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を充填製品で充填するためのデバイス(1)であって、充填する充填製品を収容するための充填製品リザーバ(2)と、前記容器を充填するための前記デバイスの動作モードである充填モード中に前記充填製品リザーバ(2)内の充填製品レベルを決定するための第1充填レベルプローブ(4)を備え、
洗浄モード中に前記充填製品リザーバ(2)内の洗浄液レベルを決定するための第2充填レベルプローブ(5)を備えることを特徴とするデバイス(1)。
【請求項2】
前記第1充填レベルプローブ(4)は、浮子のない測定システムを備えていることを特徴とする請求項1に記載のデバイス(1)。
【請求項3】
前記第2充填レベルプローブ(5)は、浮子が配設された測定システムを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のデバイス(1)。
【請求項4】
前記充填モードを制御および/または調整するように構成された制御デバイスが配設され、前記制御デバイスは、前記充填モードにおいて前記第1充填レベルプローブ(4)を介して前記充填製品リザーバ(2)内の充填製品レベルを決定するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項5】
前記洗浄モードを制御および/または調整するように構成された制御デバイスが配設され、前記制御デバイスは、洗浄モードにおいて、前記第2充填レベルプローブ(5)を介して前記充填製品リザーバ(2)内の洗浄液レベルを決定するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項6】
前記充填製品リザーバ(2)は、充填製品タンクおよび/または補助充填製品タンクおよび/またはバッファタンクおよび/または殺菌もしくは低温殺菌デバイスのバッファタンクおよび/または炭化タンクおよび/またはフィラーのフィラーボウルおよび/またはフィラーの中央ボウルおよび/またはフィラーのリングボウルであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項7】
前記充填製品リザーバ(2)は、前記容器の充填製品での充填を制御するために充填バルブ(20)と連通していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項8】
前記充填製品リザーバ(2)の充填製品接触面に洗浄液を施用するためのデバイスが前記充填製品リザーバ(2)内に配設されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項9】
容器を充填製品で充填する方法であって、充填する充填製品を収容するための充填製品リザーバ(2)と、前記充填製品リザーバ(2)内の充填製品レベルを決定するための第1充填レベルプローブ(4)を備えたデバイスが配設され、前記充填製品リザーバ(2)内の充填製品レベルは前記容器を充填するための前記デバイスの動作モードである充填モード中に前記第1充填レベルプローブ(4)によって決定され、
洗浄モード中に前記充填製品リザーバ(2)内の洗浄液レベルは第2充填レベルプローブ(5)によって決定されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を充填製品で充填するためのデバイス、例えば、飲料を飲料容器に充填するための飲料充填設備に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料充填設備において、後に飲料充填設備内の異なる位置で充填容器に充填される充填製品を一時的に保管することが知られている。例えば、リングボウルまたは中心ボウルの形態の充填製品リザーバを飲料充填設備のフィラーに直接配設することが知られており、その場合、充填する充填製品は、充填製品リザーバへの充填直前に利用可能に保持されている。次に充填製品は充填製品リザーバから個別の充填バルブにガイドされ、それによって充填製品は充填容器に、所望の量、所望の体積、所望の重量、所望の充填レベルで制御された方式で案内される。
【0003】
さらなる充填製品リザーバが、例えばバッファタンクの形態で飲料充填設備に配設される。そのようなバッファタンクは、所定のパラメータを用いて充填製品を殺菌するための、殺菌システムを通る所定の充填製品の流れを維持できるために、例えば、短期加熱システム等の殺菌システムの例えば前と後に配設され得る。これは、特に、例えば、フィラーでのシステムの不具合がある場合に、それぞれの時点での充填製品のその後の回収が如何に高いかとは無関係に、殺菌システム内での所定の処理時間を維持できるために重要である。
【0004】
さらなる充填製品リザーバが、フィラーでの補助充填製品タンクの形態で、またはタンクの形態で配設でき、その中で充填製品の炭化が実行される。さらなる充填製品リザーバが、異なる実施形態、量および充填製品充填設備内位置で配設され得る。例えば、 充填製品充填設備内に製造タンクも配設されてよく、その中で充填製品が先ず製造され、混合され、または容器への実際の充填前に別形態で提供されてもよい。
【0005】
言及した充填製品リザーバは、充填製品充填設備の構成要素の制御および/または調整のために、対応する充填製品リザーバ内の現存液レベルを決定することが多くの場合必要であるという特徴を共有する。これは、例えば、対応する充填製品の充填方法の確実な制御のために、または、例えば、上流もしくは下流処理ステップを加速、減速、終了または起動等、変化させるために、充填製品リザーバ内で一定な充填製品レベルが要求される故に必要であり得る。
【0006】
したがって、既知の充填製品充填設備において、充填製品リザーバまたは提供された充填製品リザーバのうち少なくとも一部には、充填レベルプローブが配設され、それによって対応する充填製品リザーバ内の充填製品レベルが決定され得る。
【0007】
さらに、充填製品充填設備を衛生上完全な状態に保ち、製品変更の場合に製品純度を確実にするために、充填製品充填設備内の充填製品ガイド経路を洗浄することが知られている。この目的のため、対応する充填製品接触面を処理する異なる方法が知られており、例えば、充填製品ガイド領域内部および特に充填製品リザーバ内部に配設されたスプレーノズルによって、充填製品ガイドラインおよびそれぞれの充填製品リザーバも完全に洗い流す、または、それぞれの充填製品接触面を処理することも知られている。
【0008】
充填製品充填設備内で洗浄手順が確実に実行されることを保証するために、充填モード中に充填製品レベルを決定するために用いられる充填レベルプローブはこれまで、対応する洗浄モード中に洗浄液レベルを決定するためにも用いられてきた。
【0009】
液面レベルと液質を決定し、また、検出デバイスの欠陥および液供給における問題を決定するためのデバイスが、例えば特許文献1から知られており、そこで、充填製品レベルを特定するための充填レベルプローブと、それとは別個であり、さらなる特徴および特に充填製品の液質を確認するための容量型センサが配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/0013646号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来技術から開始して、本発明の目的は、確実かつ効率良い充填モードを可能にし、確実かつ効率良い洗浄モードも可能にする、容器を充填製品で充填するためのデバイスを特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有するデバイスによって達成される。有利な展開は、従属請求項、本明細書および図から得られる。
【0013】
従って、容器を充填製品で充填するためのデバイス、好ましくは、充填する充填製品を収容するための充填製品リザーバと、充填モード中に充填製品リザーバ内の充填製品レベルを決定するための第1充填レベルプローブを備えた、飲料充填設備内で飲料容器を充填するためのデバイスが提案される。本発明により、洗浄モード中に充填製品リザーバ内の洗浄液レベルを決定するための第2充填レベルプローブが提供される。
【0014】
充填モード中に充填製品レベルを決定するために提供された第1充填レベルプローブが存在するため、充填製品リザーバ内の充填製品レベルに関する充填モードに要求される情報が提供され得る。第1充填レベルプローブはそれに従って、より効率よく確実な充填モードを保証するために、充填する個別の充填製品に適合され得る。
【0015】
第2充填レベルプローブは、洗浄モード中に充填製品リザーバ内の洗浄液レベルを決定するために配設される。第2充填レベルプローブはしたがって、洗浄モード中に充填製品リザーバ内の個別の洗浄液レベルに関する確実な陳述を得るために、洗浄モードの個別の特性および状態に適合され得る。したがって、確実かつ効率良い洗浄が実行される。
【0016】
充填モードは、本明細書において、実際の充填製品が製造され、提供され、修正され、小分けされ、充填容器に導入される、容器を充填するためのデバイスの動作モードとして理解される。
【0017】
洗浄モードは、本明細書において、洗浄が実行される容器充填デバイスの動作モード、特に、充填製品接触経路およびデバイスの構成要素の動作モードとして理解される。洗浄モードは典型的に、充填モードでの数時間の動作時間の後、設備の不具合が修正された後、または製品変更の場合に通常サイクルで実行される。
【0018】
このようにデバイスは仕様化されて、それによって、第1充填レベルプローブの配設の結果として、充填製品リザーバ内の充填製品レベルは、処理され充填モードでデバイスに充填される異なる液に関して有効且つ確実に確認され得る。さらに、洗浄モードにおける洗浄媒質レベルは、第2充填レベルプローブの配設によってデバイス内で有効且つ確実に確認される。
【0019】
例えば、ベビーフード、ケチャップ、マヨネーズ、特定の牛乳製品等の、高粘度製品の充填に関しては、充填製品の特殊な特性に適合された充填レベルプローブを充填製品リザーバ内に提供することが例えば必要であり得る。例えば、浮子等の機械的可動部品を備えた充填レベルプローブは、例えば、ケチャップなどの高粘度製品の充填レベルを測定するのに例えば適切でない。特に、これらの高粘度製品は、浮子をガイドする機構を「互いに付着させる」結果をもたらす可能性があり、したがって、浮子と液面レベルの間の同期化はもはや確実には提供されない。
【0020】
例えば、ガイド付きマイクロ波に基づく容量型充填レベルプローブまたは充填レベルプローブは、低い比誘電率を有する充填製品の充填には適切でない。抵抗型充填レベルプローブは、イオンを少ししか備えていない充填製品には適していない。したがって、充填モード中に充填レベルを確認するために配設された第1充填レベルプローブは、対応する充填製品に適合されて、充填製品レベルの、確実かつ迅速な決定を達成できる。
【0021】
このため、第1充填レベルプローブはさらに、好ましくは、浮子のない測定システムを備えてよく、それは例えば、誘導型測定システムおよび/または抵抗型測定システムおよび/または容量型測定システムおよび/またはガイド付きマイクロ波に基づく測定システムおよび/または光学測定システムおよび/または光電子測定システムおよび/または超音波測定システムであってよい。充填製品レベルは、そのような浮子のない測定システムによって確実、迅速且つセキュアなプロセスで測定され得る。
【0022】
第2充填レベルプローブは好ましくは、充填製品リザーバ内の洗浄液のレベルを第2充填レベルプローブが決定可能なように配設される。特に、充填製品リザーバの内部洗浄がスプレーノズルによって実行される場合、浮子のない測定システムは、洗浄液のスプレーミストまたはスプレージェットが浮子のないセンサに実質的または完全に衝突するため、時として過負荷になる、および/または確実な測定を実行できない。
【0023】
スプレーミストおよびスプレージェットは充填製品リザーバ内部のスプレーノズルから出て行くため、測定はそれによって、例えば抵抗型または容量型測定システムを用いた場合、または、ガイド付きマイクロ波および/または光学充填レベル測定システムに基づく測定システムを用いた場合は確実に実行されることが叶わない。スプレーミストおよび/またはスプレージェットでの、センサ全体またはセンサの大域の湿潤によってプローブ短絡さえ起こる可能性があり、充填レベルの確実な決定が可能にならない。
【0024】
したがって、第2充填レベルプローブは、好ましくは、充填レベルの確実な決定を低粘度洗浄液で可能にするレベルプローブであり、特に好ましくは、浮子を備えた充填レベルプローブであり、例えば、距離センサに結合された浮子を備えた測定システムである。
【0025】
デバイスは特に好ましくは、充填モードにおいて充填容器への充填製品の充填を制御または調整し、第1充填レベルプローブを介して充填製品リザーバ内の充填製品レベルを決定するように構成された制御デバイスを備えている。
【0026】
デバイスはさらに好ましくは、洗浄モードを制御および/または調整し、洗浄モードにおいて第2充填レベルプローブを介して充填製品リザーバ内の洗浄液レベルを決定するように構成された制御デバイスを備えている。
【0027】
制御デバイスは好ましくは、洗浄モードと充填モードの両方を制御または調整するように構成され、充填モードにおいて、充填製品リザーバ内の充填製品レベルの決定は第1充填レベルプローブによって実行され、洗浄モードにおいて、洗浄液レベルの決定は第2充填レベルプローブによって実行される。
【0028】
充填製品リザーバは好ましくは、充填製品タンクおよび/または補助充填製品タンクおよび/またはバッファタンクおよび/または殺菌もしくは低温殺菌デバイスのバッファタンクおよび/または炭化タンクおよび/またはフィラーボウルおよび/または中央ボウルおよび/またはリングボウルである。言い換えると、充填製品リザーバは、充填モード中に充填製品レベルが決定されなければならない容器を充填するためのデバイス内の任意のタンクであり得る。充填容器への充填製品の実際の充填に加えて、充填モードは、例えば、充填製品の製造、混合、殺菌または低温殺菌によって、実際の充填の前の充填製品の供給、製造または処理も含む。
【0029】
充填製品リザーバは好ましくは、充填容器の充填製品での充填を制御するための充填バルブと連通しており、特に好ましくは直接連通している。充填製品は、充填製品リザーバから、それ自体が既知である方式で充填バルブを通して充填容器にガイドされることが可能であり、すると、充填手順は充填製品レベルに基づいて制御または影響され得る。
【0030】
直接連通とは、本明細書では、充填バルブがさらなる設備構成要素(ラインを除く)の相互接続なしで充填製品リザーバと接続されていることを意味すると理解される。充填バルブはしたがって、充填製品リザーバに直接装着されるか、または充填製品リザーバと充填バルブの間に一ラインが配設されるのみである。
【0031】
1つの好ましい展開では、充填製品リザーバの充填製品接触面に洗浄液を施用するためのデバイスが充填製品リザーバ内に配設され、それは、充填製品リザーバの充填製品接触面に洗浄液を噴射するためのスプレーノズルである。スプレーノズルは好ましくは、充填モードにおいて充填製品内へのスプレーノズルの没入を避けるために、充填製品リザーバの上部領域に配設される。
【0032】
上記の目的は、請求項9の特徴を有する方法によっても達成され、その方法において、充填製品リザーバ内の充填製品レベルは、充填モードにおいて、第1充填レベルプローブによって決定され、また、充填製品リザーバ内の洗浄媒質レベルは、洗浄モードにおいて第2充填レベルプローブによって決定される。
【0033】
上述の、デバイスの有利な精錬および利点も、同様に本方法に関連する。
【0034】
本発明のさらなる好ましい実施形態を、以下の図面の説明によってさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】第1充填レベルプローブおよび第2充填レベルプローブを有する充填製品リザーバを通る部分断面での模式斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、好ましい例示的実施形態を、図に基づいて説明する。
【0037】
図1は、容器(ここでは図示せず)を充填製品で充填するためのデバイス1の充填製品リザーバ2の部分断面での模式斜視図を示す。
【0038】
充填製品リザーバ2は図1に示した例示的実施形態において、容器を充填するためのデバイス1のフィラーの中央ボウルの形態で示されている。それにしたがって、模式的に示した充填バルブ20は、充填製品リザーバ2と連通し、それを介して、充填製品リザーバ2内に位置する充填製品が、対応する充填容器に、制御または調整された方式でガイドされてよい。充填バルブ20はさらに、充填製品リザーバ2と直接連通してよい、すなわち、さらなる設備構成要素(ラインを除く)の相互接続なしであり得る。
【0039】
特定の充填方法で、対応する充填容器に、それぞれ所望の充填製品レベル、所望の充填製品質量または所望の充填製品体積を達成するために、対応する充填バルブ20で待機している充填製品は、どの充填バルブ20でも静水圧力を安定保持し、したがって充填バルブ20の作動の規定条件を達成するために一定の充填製品レベルを保持しなければならない。
【0040】
別の充填方法では、充填製品リザーバ2内の充填製品レベルは変動してよいが、別の充填方法のいくつかでは、その場合、充填製品リザーバ2内の対応する充填製品レベルは、充填バルブ20の挙動を制御および/または調整するために、対応する充填バルブ20で静水圧力が変動しても所望の充填結果が達成され得るように、それぞれの制御デバイスに相応に転移されなければならない。
【0041】
充填製品は充填製品リザーバ2に、例えば模式的に示した回転分配器3および充填製品供給ライン30を介して供給され、充填製品の供給は、充填製品供給ライン30を介して制御デバイスによって、充填製品リザーバ2内で所望の充填製品レベルに達するような方式で制御される。
【0042】
充填製品リザーバ2内での充填製品レベルを決定するために、第1充填レベルプローブ
4が配設され、それは例示的実施形態では、浮子のない充填レベルプローブとして示されている。第1充填レベルプローブ4はここでは、例えば、誘導型測定システム、抵抗型測定システム、容量型測定システム、ガイド付きマイクロ波に基づく測定システム、光学測定システム、光電子測定システムおよび/または超音波測定システムである。充填レベルプローブ4は、処理される充填製品の特性に従って適合され得る。
【0043】
このように、制御デバイスは、第1充填レベルプローブ4、すなわちここでは浮子のない測定システムを用いて、例えば、充填製品リザーバ2への充填製品の供給を制御するために、および/または充填バルブ20を制御するために、および/または充填バルブ20の制御もしくは調整挙動に影響を与えるために、充填モード中に充填製品リザーバ2内の充填製品レベルを決定する。
【0044】
衛生的に完全な充填モードを可能にし、充填製品の製品純度を確実にするために、充填製品リザーバ2は通常サイクル中に、または製品変更の場合に洗浄される。洗浄のため、洗浄液がデバイス1の少なくとも充填製品接触面に施用され、好ましくは洗浄液はデバイス1の充填製品接触域を通ってガイドされる。
【0045】
洗浄液とは、ここでは、デバイス1の充填製品接触域を洗浄、殺菌および/または消毒するために用いられる全ての媒質として理解される。しかしながら、特に、デバイス1の充填製品接触域は、洗浄モードの開始時に先ず洗浄液で流される。
【0046】
示された例示的実施形態において、洗浄液を充填製品リザーバ2の充填製品接触面に施用するためにスプレーノズル6が配設されている。スプレーノズル6によって、対応する洗浄液は、充填製品リザーバ2の内部に施用でき、その結果、充填製品リザーバ2の内面が洗浄される。
【0047】
この充填製品リザーバ2の洗浄中に、洗浄液が表面全体に施用されて、そのため、単一の模式的に示したスプレーノズル6に加えて、複数のスプレーノズルが上部領域およびさらに充填製品リザーバ2の他の領域にも相応に配設されることができて、全表面への途切れない施用が達成され得る。
【0048】
スプレーノズル6の使用は、洗浄液が充填製品リザーバ2の内面全体に施用され得るが、それでも洗浄媒質の需要が比較的低く保持され得るという点において有利である。特に、充填製品リザーバ2を洗浄液で、天井下まで完全に充填する必要はなく、寧ろ、充填製品リザーバ2の表面の完全な洗浄が、実質的に小さい洗浄媒質体積を用いて実行され得る。
【0049】
しかしながら、スプレーノズル6は、噴射された洗浄液が第1充填レベルプローブ4全体にも施用されるような方式で、充填製品リザーバ2の内部でスプレージェットおよびスプレーミストを生成する。第1充填レベルプローブ4に浮子のない測定システムが用いられる場合、充填製品リザーバ2内の洗浄液レベルの確実な決定はしたがって、洗浄モードでは実行され得ない。特に、使用される浮子のない測定システム次第で、洗浄モードにおいて第1充填レベルプローブ4にも噴射された洗浄液は、プローブ短絡を引き起こす可能性があり、その結果、有意義な測定は全く可能でなくなる。
【0050】
したがって、第2充填レベルプローブ5は充填製品リザーバ2内に配設され、例示的実施形態では、浮子を有する測定システムの形態で示され配設されている。第2充填レベルプローブ5の浮子故に、充填製品リザーバ2内で実際に利用可能な洗浄液レベルが確実に決定され得る。第2充填レベルプローブ5によるこの充填製品リザーバ2内の洗浄液レベルの測定は、スプレーノズル6によって生成されたスプレーミストおよびスプレージェットによって影響されない、または少なくとも著しく影響されない。
【0051】
浮子の、周辺的であるが機能的には無害な影響が、洗浄モードにおいて以下のように生じる。洗浄媒質内に没入していない浮子の部分にスプレーミストが施用され、浮子の周辺的でより深い没入が、それによって増加した周辺部の浮子の重さによって生じ、それによって、周辺的に浮子の信号の読み取り値が低くなるが、それは洗浄媒質レベルの変動に関しては機能的に重要でない。
【0052】
したがって、洗浄モード中に、充填製品リザーバ2内で対応する洗浄に関して予め定められた洗浄媒質レベルに達したかどうかが確実に決定され得る。したがって、充填製品リザーバ2内部でそのような洗浄媒質レベルに達することは、充填製品リザーバ2の床部が洗浄媒質によって覆われたことを確実にし、したがって洗浄液が、充填製品リザーバ2から全ての充填バルブ20に確実に施用されることを確実にするために重要である。
【0053】
したがって、充填モード中に充填製品リザーバ2内の充填製品レベルを決定するために用いられる第1充填レベルプローブ4が配設され、洗浄モード中に充填製品リザーバ2内の洗浄液レベルを決定するために用いられる第2充填レベルプローブ5が配設される。
【0054】
したがって、制御デバイスは、充填モード中に第1充填レベルプローブ4を介して充填製品レベルを確認し、洗浄モード中に第2充填レベルプローブ5によって充填製品リザーバ2内の洗浄媒質レベルを確認するように構成される。
【0055】
施用可能な場合、例示的実施形態に記載された全ての個々の特徴は、本発明の範囲から逸脱せずに互いに組み合わせ可能および/または交換可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 容器を充填製品で充填するためのデバイス
2 充填製品リザーバ
3 回転分配器
4 第1充填レベルプローブ
5 第2充填レベルプローブ
6 スプレーノズル
20 充填バルブ
30 充填製品供給
図1