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特開2023-93594製鉄所設備用測定システム、コークス炉、およびコークス製造方法
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  • 特開-製鉄所設備用測定システム、コークス炉、およびコークス製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093594
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】製鉄所設備用測定システム、コークス炉、およびコークス製造方法
(51)【国際特許分類】
   G08C 17/00 20060101AFI20230627BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20230627BHJP
   F27D 21/00 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
G08C17/00 Z
G08C19/00 G
F27D21/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066517
(22)【出願日】2023-04-14
(62)【分割の表示】P 2022517704の分割
【原出願日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】P 2021019761
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021019763
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021019766
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100165696
【弁理士】
【氏名又は名称】川原 敬祐
(74)【代理人】
【識別番号】100195785
【弁理士】
【氏名又は名称】市枝 信之
(72)【発明者】
【氏名】黒木 高志
(72)【発明者】
【氏名】青島 聡
(72)【発明者】
【氏名】野田 健史
(72)【発明者】
【氏名】堤 康一
(72)【発明者】
【氏名】奥山 悟郎
(72)【発明者】
【氏名】河合 敏充
(57)【要約】
【課題】配線や保守が困難な場所に置いても自律給電により稼働することができ、かつ、センサの設置場所から離れた位置において確実に測定結果をモニターすることができる製鉄所設備用測定システムを提供する。
【解決手段】熱電発電装置と、センサと、前記センサから出力される信号を無線送信可能な信号に変換する変換装置と、前記変換装置によって変換された信号を無線送信する無線送信装置と、前記無線送信装置から送信された信号を中継する中継装置と、前記無線送信装置から送信された信号および前記中継装置によって中継された信号の一方または両方を受信する受信装置とを備え、前記変換装置および無線送信装置は、前記熱電発電装置によって発電された電力によって駆動される、製鉄所設備用測定システム。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱電発電装置と、
センサと、
前記センサから出力される信号を無線送信可能な信号に変換する変換装置と、
前記変換装置によって変換された信号を無線送信する無線送信装置と、
前記無線送信装置から送信された信号を中継する中継装置と、
前記無線送信装置から送信された信号および前記中継装置によって中継された信号の一方または両方を受信する受信装置とを備え、
前記変換装置および無線送信装置は、前記熱電発電装置によって発電された電力によって駆動され、
前記熱電発電装置、変換装置および無線送信装置は、1つのパッケージの内部に備えられ、
前記変換装置および無線送信装置の一方または両方を冷却する放熱部材と、
前記パッケージへの直射日光を遮る遮光部材と、
の少なくとも一方が前記パッケージに設けられる、製鉄所設備用測定システム。
【請求項2】
前記中継装置は、障害物の滞在時間が長い部分に、前記障害物の滞在時間が短い部分よりも多く配置されている、請求項1に記載の製鉄所設備用測定システム。
【請求項3】
前記中継装置の少なくとも1つが、移動する障害物に設置されている、請求項1または2に記載の製鉄所設備用測定システム。
【請求項4】
前記センサが温度センサである、請求項1~3のいずれか一項に記載の製鉄所設備用測定システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の製鉄所設備用測定システムを備えたコークス炉。
【請求項6】
コークス炉を用いてコークスを製造するコークス製造方法であって、
請求項1~4のいずれか一項に記載の製鉄所設備用測定システムを用いて前記コークス炉の温度を測定する、コークス製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製鉄所設備用測定システム、コークス炉、およびコークス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製鉄所を始めとする各種工場の製造設備においては、操業状態の確認、異常検知、装置保全など、様々な目的のためにセンサによる測定が行われている。そして、近年では、センサから出力される信号を無線で送信することも行われている。無線で信号を送信すれば、信号を送信するためのケーブルを敷設する必要がなくなるため、センサ設置の自由度が高くなるというメリットがある。
【0003】
しかし、そのようなセンサにおいても、センサ自体や無線送信のための装置への給電を行う必要がある。例えば、有線で給電を行う場合には、給電のためのケーブルが必要となることから、上述した無線送信を利用するメリットが薄れてしまう。また、バッテリーにより給電すればケーブルは不要となるものの、バッテリー交換などの保守作業が必要となる。
【0004】
そこで、信号を無線送信するセンサ(以下、「無線センサ」という場合がある)自体に発電機能を持たせ、長期にわたり自立給電を可能とする技術が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1では、振動発電素子と、センサと、無線送信用のアンテナとを気密構造のパッケージ内に実装した無線センサが提案されている。
【0006】
また、特許文献2では、太陽電池モジュールと、センサと、無線送信用のアンテナとをパッケージ内に実装した無線センサが提案されている。
【0007】
特許文献3では、熱電発電モジュールと、センサと、無線モジュールとを備える熱電発電トランスミッタが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013-122718号公報
【特許文献2】特開2016-157356号公報
【特許文献3】特開2018-200518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1~3で提案されているような無線センサによれば、センサと一体に実装された発電装置から該センサに給電が可能であるため、給電ケーブルの敷設やバッテリー交換などの保守作業が不要となると考えられる。
【0010】
特に、製鉄所の設備においては、測定対象が極めて広範囲となる場合が多いことに加え、高温であるなど過酷な環境であることが一般的である。そのため、給電ケーブルの敷設やバッテリー交換などの保守作業が不要となるメリットは大きい。
【0011】
しかし、特許文献1で提案されている無線センサは、電源として振動発電素子を用いているため、定常的にある程度の振動が発生する場所でしか使用できないという問題がある。
【0012】
また、特許文献2で提案されている無線センサは、電源として太陽電池を用いているため、そのままでは十分な光が入射する環境、時間帯にしか使用できない。特許文献2では、前記問題を解決するために太陽電池モジュールで発電された電力を蓄電する蓄電部を設けることも提案されているが、夜間などの光が入射しない環境でも動作を安定して継続させるためには大きな蓄電部が必要となり、無線センサが大型化するという問題がある。
【0013】
特許文献3には、熱電発電を利用することは記載されているものの、どのようにして製鉄所設備に適用するかについて具体的な開示はない。
【0014】
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであり、配線や保守が困難な製鉄所の各種設備において、自律給電により稼働することができ、かつ、センサの設置場所から離れた位置において確実に測定結果をモニターすることができる製鉄所設備用測定システムを提供することを目的とする。また、本発明は前記製鉄所設備用測定システムを利用したコークス炉およびコークス製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記知見に基づくものであり、その要旨は以下の通りである。
【0016】
1.熱電発電装置と、
センサと、
前記センサから出力される信号を無線送信可能な信号に変換する変換装置と、
前記変換装置によって変換された信号を無線送信する無線送信装置と、
前記無線送信装置から送信された信号を中継する中継装置と、
前記無線送信装置から送信された信号および前記中継装置によって中継された信号の一方または両方を受信する受信装置とを備え、
前記変換装置および無線送信装置は、前記熱電発電装置によって発電された電力によって駆動される、製鉄所設備用測定システム。
【0017】
2.前記中継装置は、障害物の滞在時間が長い部分に、前記障害物の滞在時間が短い部分よりも多く配置されている、上記1に記載の製鉄所設備用測定システム。
【0018】
3.前記中継装置の少なくとも1つが、移動する障害物に設置されている、上記1または2に記載の製鉄所設備用測定システム。
【0019】
4.前記センサが温度センサである、上記1~3のいずれか一項に記載の製鉄所設備用測定システム。
【0020】
5.上記1~4のいずれか一項に記載の製鉄所設備用測定システムを備えたコークス炉。
【0021】
6.コークス炉を用いてコークスを製造するコークス製造方法であって、
上記1~4のいずれか一項に記載の製鉄所設備用測定システムを用いて前記コークス炉の温度を測定する、コークス製造方法。
【発明の効果】
【0022】
本発明の製鉄所設備用測定システムは、配線や保守が困難な製鉄所の各種設備において、自律給電により稼働することができ、かつ、センサの設置場所から離れた位置において確実に測定結果をモニターすることができる。本発明の製鉄所設備用測定システムは、コークス炉を初めとする様々な製造設備に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】コークス炉の構造の一例を示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態における製鉄所設備用測定システムを示す模式図である。
図3】本発明の一実施形態における中継装置の配置を示す模式図である。
図4】本発明の一実施形態における中継装置の配置を示す模式図である。
図5】本発明の一実施形態における装炭車への中継装置の設置状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態における測定システムについて説明する。なお、以下の説明において、「製鉄所設備用測定システム」を単に「測定システム」という場合がある。
【0025】
本発明の第1の実施形態における測定システムは、下記(1)~(6)の構成要素を備えており、(3)変換装置および(4)無線送信装置は、(1)熱電発電装置によって発電された電力によって駆動される。
(1)熱電発電装置
(2)センサ
(3)前記センサから出力される信号を無線送信可能な信号に変換する変換装置
(4)前記変換装置によって変換された信号を無線送信する無線送信装置
(5)前記無線送信装置から送信された信号を中継する中継装置
(6)前記無線送信装置から送信された信号および前記中継装置によって中継された信号の一方または両方を受信する受信装置
【0026】
以下、上記測定システムの各部について説明する。
【0027】
[熱電発電装置]
熱電発電装置は、該熱電発電装置の一方の側(高温側)と他方の側(低温側)との間の温度差を利用して発電することができる装置であり、一般的には、p型半導体とn型半導体を組み合わせた熱電素子を備えている。
【0028】
前記熱電発電装置としては、とくに限定されることなく任意の熱電発電装置を用いることができる。熱電発電装置を用いることにより、製鉄所の各種設備の熱を利用して発電し、得られた電力を用いて変換装置や無線送信装置を駆動することができる。
【0029】
熱電発電装置で発電する際の熱源としては、とくに限定されることなく任意の熱源を利用することができるが、製鉄所設備の高温となる部分を熱源とすることが好ましい。すなわち、前記熱電発電装置の高温側を、製鉄所設備の高温部に直接または間接的に設置することが好ましい。熱源からの熱の利用効率を高めるという観点からは、前記熱電発電装置は高温側に受熱板を備えることが好ましい。前記受熱板としては、例えば、金属板やセラミック板を用いることができる。
【0030】
一方、発電効率を高めるという観点からは、前記熱電発電装置は低温側に冷却手段を備えることが好ましい。前記冷却手段としては、例えば、放熱フィンなどの放熱部材、および水や油などの冷却媒体との熱交換により冷却を行う熱交換器の、一方または両方を用いることができる。
【0031】
[センサ]
前記センサとしては、とくに限定されることなく測定対象に応じて任意のセンサを用いることができる。前記センサとしては、例えば、温度センサ、圧力センサ、流量センサ、振動センサ、加速度センサからなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。前記温度センサとしては、例えば、熱電対、測温抵抗体、サーミスタなどが挙げられる。
【0032】
前記センサの数はとくに限定されることなく、1または2以上の任意の数とすることができる。測定値の分布に関する情報を得るという観点からは、異なる地点に複数のセンサを配置することが好ましい。また、冗長性や精度向上の観点からは、同一地点に複数のセンサを配置することもできる。より詳細に測定値の分布を測定するという観点からは、前記センサの数は多ければ多いほどよく、したがって、前記センサの数の上限は限定されない。しかし、センサの数が多くなるとそれにともなってコストも増加する。そのため、費用対効果の観点からは、前記センサの数を1000個以下とすることが好ましい。
【0033】
[変換装置]
前記センサから出力される信号は、変換装置によって無線送信可能な信号に変換される。前記変換装置としては、特に限定されることなく、市販の変換器等、任意の装置を用いることができる。
【0034】
[無線送信装置]
前記変換装置によって変換された信号は、無線送信装置により無線送信される。前記無線送信装置としては、特に限定されることなく、市販の装置等、信号を送信できるものであれば任意の装置を用いることができる。
【0035】
本発明の製鉄所設備用測定システムが備える熱電発電装置、センサ、変換装置、および無線送信装置の数は、同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、1つの熱電発装置で、複数の変換装置および無線送信装置に給電してもよい。また、複数のセンサから出力された信号を、1つの変換装置と無線送信装置でまとめて送信することもできる。
【0036】
また、前記熱電発電装置、変換装置、および無線送信装置は、1つのパッケージに実装することも好ましい。これらの構成要素を1つのパッケージに実装すれば、取り扱いが容易になることに加え、後述するように放熱部材や遮光部材を設置することも容易となる。なお、以降の説明では、熱電発電装置、変換装置、および無線送信装置を1つのパッケージに実装したものを、便宜的に「熱電-無線送信ユニット」と呼ぶ。
【0037】
[放熱部材]
本発明の製鉄所設備用測定システムは、上記変換装置および無線送信装置の一方または両方を冷却するための放熱部材を備えることが好ましい。上述したように、製鉄所の設備は高温である場合が多い。そこで、放熱部材を用いることにより、変換装置および無線送信装置の温度上昇を抑制することができる。前記放熱部材としては、例えば、放熱フィンなどを用いることができる。
【0038】
なお、前記放熱部材は、熱電発電装置の低温側の冷却手段を兼ねることもできる。例えば、熱電発電装置、変換装置、および無線送信装置を1つのパッケージ(熱電-無線送信ユニット)に実装する場合、当該熱電-無線送信ユニットに放熱部材を設けることで、熱電発電装置、変換装置、および無線送信装置を冷却することができる。
【0039】
[遮光部材]
また、本発明の製鉄所設備用測定システムは、直射日光を遮るための遮光部材を備えることが好ましい。例えば、コークス炉の上部など、屋外に測定システムを設置する場合、直射日光による装置温度の上昇が問題となる場合がある。そこで、遮光部材を用いて日光を遮ることによって温度上昇を抑制することができる。前記遮光部材は、熱電発電装置、変換装置、および無線送信装置の少なくとも1つへの直射日光を遮るよう構成されることが好ましい。例えば、熱電発電装置、変換装置、および無線送信装置を1つのパッケージ(熱電-無線送信ユニット)に実装する場合、当該熱電-無線送信ユニットに遮光部材を設けることで、熱電発電装置、変換装置、および無線送信装置の温度上昇を抑制することができる。
【0040】
より効果的に温度上昇を防止するという観点からは、本発明の製鉄所設備用測定システムは、放熱部材と遮光部材の両者を備えることが好ましい。その場合、前記遮光部材は、放熱部材の上部に設置することが好ましい。そうすることにより、放熱部材が直射日光にさらされることを防止し、その結果、より効果的に放熱部材を機能させることができる。
【0041】
[中継装置]
本発明の測定システムは、前記無線送信装置から送信された信号を中継する中継装置をさらに備えている。これにより、センサを設置した場所から離れた位置においても安定して信号を受信することができる。前記中継手段としては、とくに限定されることなく、無線送信装置から送信された信号を中継できるものであれば任意のものを用いることができる。
【0042】
前記中継装置の数はとくに限定されず、1または2以上の任意の数の中継装置を用いることができる。センサと受信装置と間の距離が大きい場合や、無線送信に使用する電波などの状態が悪い場合には、複数の中継装置を用いることが好ましい。
【0043】
[受信装置]
前記中継装置によって中継された信号は受信装置により受信される。なお、無線送信装置から送信された信号は、基本的には中継装置によって中継されるが、必ずしも中継装置で中継する必要は無く、例えば、受信装置に近い位置に設置された無線送信装置からの信号などについては中継装置を介さずに、直接受信装置で受信することもできる。したがって、前記受信装置は、前記無線送信装置から送信された信号および前記中継装置によって中継された信号の一方または両方を受信するよう構成される。前記受信装置としては、とくに限定されることなく、市販の受信装置等、信号を受信できるものであれば任意の装置を用いることができる。
【0044】
本発明の測定システムにおいては、前記変換装置および無線送信装置が、前記熱電発電装置によって発電された電力によりよって駆動される。これにより、変換装置および無線送信装置への給電のための配線やバッテリーなどが不要となる。したがって、本発明の測定システムは、配線の敷設やバッテリー交換などの保守が困難な場所にも容易に設置、運用することができる。
【0045】
また、本発明の測定システムは、前記熱電発電装置によって発電された電力を一時的に蓄えるためのコンデンサ(キャパシタ)をさらに備えることが好ましい。
【0046】
次に、上記測定システムをコークス炉に適用する場合について、具体的に説明する。
【0047】
上記測定システムをコークス炉に適応する場合、センサは燃焼室の温度の測定に用いることが好ましい。コークス炉、特に燃焼室の温度は相当な高温となるため、前記センサとしては、熱電対を用いることが好ましい。
【0048】
信号の送信は任意の間隔で行うことができる。例えば、熱電発電装置で発電した電力をコンデンサに一時的に蓄電し、蓄電された電力が一定の量を超えた時点で信号を送信してもよい。この場合、送信間隔は熱源の温度に依存する。そのため、送信間隔が過度に長くならないために、熱電発電装置の設置位置を調整することが望ましい。送信間隔は、600s以下とすることが好ましく、60s以下とすることが好ましい。一方、送信間隔が過度に短いと消費電力が過剰となるため、送信間隔は0.1s以上とすることが好ましく、1s以上とすることがより好ましい。
【0049】
また、コークス炉の操業時には炉上温度がかなりの高温となるため、本発明の測定システムを構成する各装置は、操業時温度が装置の耐熱温度を超えない位置に設置することが好ましい。特に、変換装置や無線送信装置などの電子機器は、80℃以下の温度となる位置に設置することが好ましい。例えば、事前に操業中のコークス炉の炉上温度を測定し、温度が80℃以下である位置に設置することもできる。一方、変換装置や無線送信装置などの電子機器は、0℃以上の温度となる位置に設置することが好ましい。
【0050】
一般的なコークス炉において、炉上に無線送信装置を設置した場合、前記無線送信装置から、コークス炉の温度を管理する場所(制御室など)までは、数十メートル以上離れることになる。また、コークス炉の炉上は、コークス炉に石炭を装入する装炭車などが往来し、無線通信の障害となる障害物が多数存在する。中継装置を用いることにより、このような環境においても安定した信号の送受信が可能となる。送受信の安定性の観点からは、中継装置の個数を2個以上とすることが好ましく、3個以上とすることがより好ましい。一方、中継装置を過度に多くすると効果が飽和することに加え、コストが増加する。そのため、中継装置の個数は10個以下とすることが好ましく、5個以下とすることがより好ましい。コストと安定性のバランスからは、中継装置の個数を4個とすることがさらに好ましい。
【0051】
なお、一般的なコークス炉の炉上には、保守点検のためのデッキが設けられている。したがって、中継装置は前記デッキに設置することが好ましい。
【0052】
受信装置は、任意の位置に設置することができる。前記受信装置は、コークス炉から離れた位置、例えば、コークス炉の温度を管理する場所(制御室など)に設置するしてもよい。また、必要な中継装置の個数を減らしつつ、安定した受信を可能とするという観点からは、よりコークス炉に近い位置、例えば、炉上デッキに受信装置を設置してもよい。
【0053】
本発明の一実施形態におけるコークス製造方法では、上述した測定システムを使用して、コークス炉の温度、例えば、燃焼室の温度を測定することができる。測定した温度に基づいてコークス炉の燃焼状態を制御することで、品質の安定したコークスを製造することができる。
【0054】
燃焼状態を制御する方法はとくに限定されず、例えば、燃焼室への燃料の供給量を調節するなど、任意の方法で行うことができる。前記燃焼状態の調整は、燃焼室ごとに行うことが好ましい。例えば、燃焼室ごとに目標温度を予め決定し、測定された燃焼室の温度と前記目標温度との差に基づいて、当該燃焼室の燃焼状態を調整することができる。前記目標温度の決定は、とくに限定されず、各種公知の方法を始めとする任意の方法で行うことができる。例えば、コークス炉が備える炭化室のそれぞれについて、実際の操業実績からコークス化に要する時間(実績コークス化時間)を求め、目標とするコークス化時間との差から、目標温度を決定することができる。
【0055】
なお、実際のコークス炉では、図1に示したように複数の炭化室と燃焼室が交互に連続して配置されているため、ある炭化室におけるコークス化は、隣接する複数の燃焼室の温度の影響を受ける。そのため、各燃焼室の目標温度の決定においては、当該燃焼室の温度が影響する複数の炭化室の影響を考慮することが好ましい。
【0056】
上記のような制御を行うために、本発明の製鉄所設備用測定システムを用いて、各燃焼室の温度と、実際にコークス化に要した時間(コークス化時間)との関係を収集してデータベース化し、前記データベースを元に制御を行ってもよい。このようなデータベースを利用することにより、窯ごとに異なる特性を考慮した制御を行うことができる。なお、ここで「コークス化時間」とは、石炭を炭化室に装入してから、当該石炭が乾留されてコークスになるまでの時間を指すものとする。
【0057】
次に、本願明細書の実施形態の一例について、図面を参照してさらに具体的に説明する。なお、以下の説明においても、引き続き上記測定システムをコークス炉に適用する場合について説明する。
【0058】
図1は、コークス炉の構造の一例を示す模式図である。コークス炉100は、石炭を収容して乾留するための炭化室101と、炭化室101に熱を供給するための燃焼室102とを炉幅方向に交互に配置することによって構成されており、炭化室と燃焼室とを隔てる耐火物を介して燃焼室102から炭化室101へ熱が供給される。製鉄所における一般的なコークス炉は、数十以上の炭化室を備えており、その炉幅方向長さLは数百メートルに及ぶ。また、炭化室101および燃焼室102のサイズは、例えば、高さHが7m程度、奥行きDが16m程度である。
【0059】
一般的なコークス炉においては、隣接する炭化室と燃焼室の一組を「1窯」または「1門」と呼び、50前後の窯を1ブロックとして「炉団」と呼ぶ。コークス炉の炉上には、装炭車レール103が敷設されており、炭化室101に石炭を挿入するための装炭車107が装炭車レール103の上を走行している。また、複数の炉団の間または端部には、装炭車107に石炭を供給するための石炭塔108が設けられている。
【0060】
このように多数の燃焼室を備えるコークス炉においては、各燃焼室の温度を管理するために温度を測定することが求められる。そこで、各燃焼室内にセンサ(熱電対)を設置し、本発明の測定システムにより温度を測定する。
【0061】
図2は、本発明の一実施形態における製鉄所設備用測定システム1(以下、測定システム1)を示す模式図である。測定システム1は、熱電発電装置、変換装置、および無線送信装置を1つのパッケージに実装した熱電-無線送信ユニット10と、センサとしての熱電対20と、中継装置30とを備えている。
【0062】
測定システム1は、コークス炉100の炉上、コークス炉100の上に設置されている。しかし、コークス炉100の炉上は高温となるため、装置を炉上に直接設置すると破損のおそれがある。また、上述したように、コークス炉の炉上には、装炭車レール103が敷設されており、炭化室101に石炭を挿入するための装炭車107が装炭車レール103の上を走行している。そのため、装炭車107の走行の妨げにならないよう装置を設置する必要がある。そこで、本実施形態においては、装炭車レール103を敷設するための支持部材として敷設されている装炭車軌条桁104に熱電-無線送信ユニット10を設置している。
【0063】
また、熱電-無線送信ユニット10の上面には、放熱フィン11と、直射日光を遮るための遮光部材12が備えられている。これにより、熱電-無線送信ユニット10の温度上昇を抑制することができる。また、放熱フィン11は、熱電-無線送信ユニット10内に収容されている熱電発電装置の低温側の冷却を兼ねている。
【0064】
一方、熱電対20は、燃焼室102の上部に設けられた点検孔105を通して、燃焼室102の内部に挿入されている。熱電対20は、熱電-無線送信ユニット10の変換装置に接続されており、熱電対20で測定された温度は、熱電-無線送信ユニット10の無線送信装置により送信される。
【0065】
また、コークス炉100の炉上には、設備の保守点検などを行うための歩廊である炉上デッキ106が設置されている。本実施形態では、中継装置30を炉上デッキ106に設置する。なお、図2においては便宜上、各部を異なる縮尺で表している。実際のコークス炉において炉上デッキは、炉上から8m程度の高さにあるため、コークス炉の熱の影響を受けることなく、広い範囲からの無線信号を受信することが可能である。
【0066】
なお、図2では1つの熱電対20の設置状態を示したが、実際のコークス炉100には図1に示したように多数の燃焼室102が存在する。そのため、各燃焼室102の温度をモニターするために、燃焼室1つあたり、センサを少なくとも1つ設置することが好ましい。その際、センサ1つに対して、熱電-無線送信ユニットを1つ使用してもよいし、複数のセンサからの信号を1つの熱電-無線送信ユニットで処理してもよい。
【0067】
また、より正確に燃焼室内の温度を確認するという観点からは、燃焼室1つあたり2以上のセンサを設置することがより好ましい。1つの燃焼室に複数のセンサを設置する場合、燃焼室の奥行き方向(図1における矢印Dの方向)に離間した位置に設置することが好ましい。
【0068】
一方、中継装置は、1台の中継装置で複数の無線送信装置からの信号を中継できるため、無線送信装置(熱電-無線送信ユニット)と同数使用する必要は無い。したがって、測定システムが備える中継装置の数は、無線送信装置の数より少ないことが好ましく、無線送信装置の数の1/2以下であることがより好ましく、無線送信装置の数の1/5以下であることがさらに好ましい。測定システムが備える中継装置の数は、費用対効果の観点から無線送信装置の数の1/10以下であることがよりさらに好ましい。
【0069】
例えば、65個の燃焼室を備えるコークス炉の場合、燃焼室1つあたり2個、合計130個のセンサおよび熱電-無線送信ユニットを配置し、4つの中継装置を用いて電波を中継することができる。一方、受信装置はコークス炉の末端部に1つ設置する、受信装置は、コークス炉を制御するための制御室などに設置することもできる。
【0070】
なお、既に温度測定手段および温度管理システムを備えているコークス炉に対し、追加的に本発明の測定システムを導入することもできる。その場合、既存の温度管理システムを用いて、本発明の測定システムで測定した温度に基づいた温度管理を実施することもできる。その際、既存の温度測定手段で測定される温度と、本発明の測定システムで測定される温度とが一致しないことも考えられる。その場合には、予め、既存の温度測定手段で測定される温度と、本発明の測定システムで測定される温度との間の関係を求めておき、当該関係に基づいて本発明の測定システムで測定した温度を既存の温度測定手段で測定される温度に換算し、換算された温度に基づいて温度管理を行うこともできる。
【0071】
なお、上記の説明では、コークス炉の燃焼室内の温度を測定する場合を例に挙げたが、これに限らず、製鉄所の任意の設備における任意の要素を測定対象とすることができる。
【0072】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態における測定システムについて説明する。なお、特に言及しない点については上記第1の実施形態と同様とすることができる。
【0073】
本発明の第2の実施形態における測定システムは、上記第1の実施形態における測定システムと同様の構成を備えることに加え、さらに前記中継装置が、障害物の滞在時間が長い部分に、前記障害物の滞在時間が短い部分よりも多く配置されている。
【0074】
上記第1の実施形態において説明したように、中継装置を用いることによりセンサの設置場所から離れた位置においても確実に測定結果をモニターすることができる。しかし、製鉄所の設備においては様々な移動可能な大型の機器が用いられているため、それらの機器が無線通信の障害となり、中継装置による信号の中継が妨げられる場合がある。例えば、コークス炉の場合、コークス炉の炉上にはレールが敷設されており、その上を該コークス炉の炭化室に原料である石炭を装入するための装炭車が行き来している。装炭車のような大型の機器の存在は、無線通信の妨げとなる。そこで、そのような移動する障害物の滞在時間に応じた個数(密度)で中継装置を配置することにより、障害物の影響を低減し、より安定した測定データの受信が可能となる。
【0075】
なお、ここで「障害物の滞在時間が長い部分」とは、装炭車のような障害物が滞在している時間が長いエリアを指し、同様に、「障害物の滞在時間が短い部分」とは、「障害物の滞在時間が長い部分」よりも障害物が滞在している時間が短いエリアを指す。例えば、中継装置を設置するエリア全体を複数の区画に分割し、各区画における障害物の滞在時間に応じて、各区画に設置する中継装置の数を決定すればよい。
【0076】
また、前記中継装置の数(総数)はとくに限定されず、上述した配置であれば、任意の数とすることができる。通常は、センサと受信装置と間の距離や、電波状態などに応じた数(複数)の中継装置を用いればよい。
【0077】
第2の実施形態における測定システムをコークス炉に適用する場合について、以下により具体的に説明する。
【0078】
図1を用いて説明したように、コークス炉は一般的に多数の燃焼室を備えている。例えば、65個の燃焼室を備えるコークス炉(炉団)の場合、燃焼室1つあたり2個、合計130個のセンサおよび熱電-無線送信ユニットを配置し、2~5個の中継装置を用いて電波を中継することができる。一方、受信装置はコークス炉の末端部に1つ設置する、受信装置は、コークス炉を制御するための制御室などに設置することもできる。中継装置の配置例については、さらに図3を用いて説明する。
【0079】
図3は、本発明の一実施形態における中継装置の配置を示す模式図である。コークス炉100の一端には石炭塔108が備えられており、石炭塔108に近い炉団109と、石炭塔108から離れた炉団110の間には中間デッキ111が設けられている。コークス炉100の上には、図示されない装炭車軌条桁と、該装炭車軌条桁の上に敷設された装炭車レール103が設置されている。
【0080】
コークス炉100の各燃焼室には、燃焼室1つあたり2個のセンサが設置されており、各センサに対応する熱電-無線送信ユニット10が、図2で説明したように取り付けられている。また、上述したように、炉上デッキ106には複数の中継装置30が設置されており、コークス炉100の端部、石炭塔108の近傍に受信装置40が設置されている。
【0081】
装炭車レール103の上には装炭車が走行して各燃焼室へ石炭を装入するが、通常、石炭塔108から遠い炉団110の上に装炭車が滞在する時間は、石炭塔108に近い炉団109の上に滞在する時間よりも短くなる。そこで、炉団109に設置する中継装置30の数(N1)を、炉団110に設置する中継装置30の数(N2)よりも多くする。N2は1~2個とすることが好ましく、N2は2~4個かつN2より多い数とすることが好ましい。例えば、図3の場合、炉団109に設置する中継装置30の数が3個、炉団110に設置する中継装置30の数が2個となっている。
【0082】
言い換えると、上記の例では、複数の炉団からなるコークス炉において、コークス炉の炉幅方向(図1の矢印L方向)に離間して複数の中継器が設置されており、かつ各炉団における中継器の配置密度が、石炭塔に近い炉団ほど高くなっている。
【0083】
なお、上記の例では、炉団を単位として中継装置の設置数を設定したが、中継装置の設置数を設定する領域はこれに限定されることなく任意に選択できる。
【0084】
また、上記の説明では、コークス炉の燃焼室内の温度を測定する場合を例に挙げたが、これに限らず、製鉄所の任意の設備における任意の要素を測定対象とすることができる。
【0085】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態における測定システムについて説明する。なお、特に言及しない点については上記第1の実施形態および第2の実施形態と同様とすることができる。
【0086】
本発明の第3の実施形態における測定システムは、上記第1または第2の実施形態における測定システムと同様の構成を備えることに加え、さらに前記中継装置の少なくとも1つが、移動する障害物に設置されている。
【0087】
上記第1の実施形態において説明したように、中継装置を用いることによりセンサの設置場所から離れた位置においても確実に測定結果をモニターすることができる。しかし、製鉄所の設備においては様々な移動可能な大型の機器が用いられているため、それらの機器が無線通信の障害となり、中継装置による信号の中継が妨げられる場合がある。例えば、コークス炉の場合、コークス炉の炉上にはレールが敷設されており、その上を該コークス炉の炭化室に原料である石炭を装入するための装炭車が行き来している。装炭車のような大型の機器の存在は、無線通信の妨げとなる。そこで、そのような移動する障害物自体に中継装置を配置することにより、該障害物に妨げられることなく、安定して測定データの受信が可能となる。
【0088】
なお、障害物に設置されている中継装置以外の中継装置は、とくに限定されることなく任意の位置に設置することができるが、通常は、移動しない場所に設置すればよい。
【0089】
第3の実施形態における測定システムをコークス炉に適用する場合について、以下により具体的に説明する。
【0090】
図2を用いて説明したように、コークス炉100の炉上には、設備の保守点検などを行うための歩廊である炉上デッキ106が設置されている。本発明の一実施形態においては、中継装置30の一部を炉上デッキ106に設置することができる。実際のコークス炉において炉上デッキは、炉上から8m程度の高さにあるため、コークス炉の熱の影響を受けることなく、広い範囲からの無線信号を受信することが可能である。そして、本実施形態において、他の中継装置は装炭車などの移動する障害物に設置される。
【0091】
中継装置の配置例について、さらに図4、5を用いて説明する。
【0092】
図4は、本発明の一実施形態における中継装置の配置を示す模式図である。コークス炉100の一端には石炭塔108が備えられており、石炭塔108に近い炉団109と、石炭塔108から離れた炉団110の間には中間デッキ111が設けられている。コークス炉100の上には、図示されない装炭車軌条桁と、該装炭車軌条桁の上に敷設された装炭車レール103が設置されており、装炭車レール103の上には、各燃焼室へ石炭を装入するための装炭車107が走行している。
【0093】
コークス炉100の各燃焼室には、燃焼室1つあたり2個のセンサが設置されており、各センサに対応する熱電-無線送信ユニット10が、図2で説明したように取り付けられている。また、上述したように、炉上デッキ106には複数の中継装置30が設置されており、コークス炉100の端部、石炭塔108の近傍に受信装置40が設置されている。さらに、本実施形態では、以下に述べるように移動する障害物としての装炭車107にも中継装置30が設置されている。
【0094】
図5は、本発明の一実施形態における装炭車107への中継装置の設置状態を示す模式図であり、コークス炉100の上面に設置された2本一組の装炭車軌条桁104のそれぞれの上に熱電-無線送信ユニット10が設置されている。そして、装炭車レール103の上を走行する装炭車107にも中継装置30が設置されている。なお、装炭車107に設置する中継装置30は、装炭車レール103に対して、無線送信装置と同じ側に設置することが好ましい。例えば、図5に示した例では、熱電-無線送信ユニット10は装炭車レール103の内側に設置されている。そこで、装炭車107に設置する中継装置30についても、熱電-無線送信ユニット10に近接するよう、装炭車107の車輪112の内側に設置している。反対に、装炭車レール103の外側に熱電-無線送信ユニット10が設置される場合には、装炭車107に設置する中継装置30についても装炭車107の車輪112の外側に設置する。
【0095】
また、中継装置は、送受信用のアンテナが一体となっているものでもよいが、本体部分とアンテナ部分とを、ケーブルなどを介して離間して設置可能な中継装置を用いることも好ましい。例えば、アンテナを図5の30の位置に設置し、中継装置の本体は装炭車107の別の位置に設置することもできる。
【0096】
上記の説明では、コークス炉の燃焼室内の温度を測定する場合を例に挙げたが、これに限らず、製鉄所の任意の設備における任意の要素を測定対象とすることができる。
【符号の説明】
【0097】
1 製鉄所設備用測定システム
10 熱電-無線送信ユニット
11 放熱フィン
12 遮光部材
20 熱電対
30 中継装置
40 受信装置
100 コークス炉
101 炭化室
102 燃焼室
103 装炭車レール
104 装炭車軌条桁
105 点検孔
106 炉上デッキ
107 装炭車
108 石炭塔
109 炉団
110 炉団
111 中間デッキ
112 車輪
図1
図2
図3
図4
図5