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特開2023-93609肺健康管理のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093609
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】肺健康管理のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/087 20060101AFI20230627BHJP
   A61B 5/083 20060101ALI20230627BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20230627BHJP
   G16H 50/30 20180101ALI20230627BHJP
【FI】
A61B5/087
A61B5/083
G16H10/00
G16H50/30
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023067741
(22)【出願日】2023-04-18
(62)【分割の表示】P 2021083714の分割
【原出願日】2017-05-03
(31)【優先権主張番号】62/331,328
(32)【優先日】2016-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/332,352
(32)【優先日】2016-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/334,076
(32)【優先日】2016-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/354,437
(32)【優先日】2016-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/399,091
(32)【優先日】2016-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/416,026
(32)【優先日】2016-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/422,932
(32)【優先日】2016-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/428,696
(32)【優先日】2016-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/448,796
(32)【優先日】2017-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/471,929
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518389853
【氏名又は名称】ニューマ・リスパイラトリー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】ジェルミナリオ,ルイス・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヘブランク,ジョン・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ハンター,チャールズ・エリック
(72)【発明者】
【氏名】スターン,トーマス・ピー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本開示は、1つまたは複数の吸入デバイスを使用する肺健康のためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】一態様では、空気吸入デバイスは各々、患者についての肺健康データをキャプチャするように構成された1つまたは複数のセンサーを備える。このデータを使用して、個別化された患者の健康、特定の地理的ロケーション内で生活する人々についての全体的な健康、特定の地理的領域についての空気品質、吸入デバイスの動作パラメータなどに関係する空気分析が、生成され得る。空気分析は、たとえば、患者ユーザデバイス、ヘルスケア提供者ユーザデバイス、および/または管理者ユーザデバイスなど、ユーザデバイス上での表示のために出力され得る。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肺健康管理のための方法であって、前記方法は、
ネットワークを介して1つまたは複数の吸入デバイスから肺健康管理情報を受信するステップであって、前記1つまたは複数の吸入デバイスの各々が、前記吸入デバイスの管を通る空気流の流量を測定する1つまたは複数の圧力センサーを有する、受信するステップと、
前記1つまたは複数の吸入デバイスが配備された1つまたは複数の地理的ロケーションについての環境データを受信するステップであって、前記環境データが、1つまたは複数の環境センサーを使用してキャプチャされ、かつ前記1つまたは複数の地理的ロケーションの各々の周囲空気状態に対応する、受信するステップと、
少なくとも1つのコンピューティングユニットを使用して、少なくとも1つの管理パラメータに基づいて、前記肺健康管理情報を前記環境データと相関させるステップと、
前記少なくとも1つのコンピューティングユニットを使用して、前記相関させられたデータから空気分析を生成するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
ユーザデバイス上の表示のために前記空気分析を出力するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザデバイスが、患者デバイスまたは提供者デバイスのうちの少なくとも1つである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの管理パラメータが、疾患タイプ、患者プロファイル、噴霧検証タイプ、環境状態タイプ、デバイスエラータイプ、または汚染物質タイプのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記空気分析が、空気品質分析、疾患分析、ヘルスケア分析、デバイス分析、アラート、または傾向のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
患者のための肺健康管理のための方法であって、前記方法は、
前記患者によって吸入の間に達成されたピーク吸気流測定値を受信するステップであって、前記ピーク吸気流測定値が、前記吸入の間の空気流の最小圧力に基づいて生成される、受信するステップと、
前記患者についての肺出力を受信するステップであって、前記肺出力が、呼息の間に達成された最大流を測定することによって決定される、受信するステップと、
少なくとも1つのコンピューティングユニットを使用して、前記患者についての肺健康管理情報を生成するステップであって、前記肺健康管理情報が、前記ピーク吸気流測定値と前記肺出力とに基づいて生成される肺健康プロファイルを含む、生成するステップと、
前記肺健康管理情報を出力するステップと
を含む、方法。
【請求項7】
前記肺健康プロファイルがさらに、前記呼息中の一酸化窒素の濃度値に基づいて生成される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記肺健康管理情報が、ユーザデバイスを用いた提示のために出力される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記肺健康プロファイルがさらに、気道抵抗に基づいて生成される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記肺健康管理情報が、ユーザデバイスによってネットワークを介して空気分析器に通信される、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
経時的な前記肺健康管理情報の変化を追跡するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記肺健康プロファイルが、肺状態の診断または前記肺状態のための処置のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
患者のための肺健康管理のための方法であって、前記方法は、
前記患者による吸入サイクルの開始を識別するステップと、
1つまたは複数の圧力センサーを使用して空気流の流量を測定することによって、前記吸入サイクルにおけるトリガポイントを決定するステップと、
エアロゾルプルームを前記空気流に噴霧するステップと、
エジェクタアセンブリを使用して、前記トリガポイントにおいて前記エアロゾルプルーム(plume)中への液滴(droplets)のセット(set)の放出を自動的に生成するステップと、
液滴の前記セットの前記放出を確認するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数の圧力センサーが、前記空気流中の上流に配設された第1のセンサーと、前記空気流の外部に配設された第2のセンサーとを含み、前記第1のセンサーが内圧を測定し、前記第2のセンサーが外圧を測定し、前記流量が、前記内圧と前記外圧との間の圧力差から測定される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記流量が、前記空気流と周囲大気との間の圧力低下に基づいて測定される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
液滴の前記セットが、各々が5ミクロン以下のサイズを有する1つまたは複数の液滴を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記トリガポイントが、前記吸入サイクルにおけるピークに対応する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
液滴の前記セットの前記放出が、前記エアロゾルプルーム中の放出質量の速度を検出することによって確認される、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
液滴の前記セットの前記放出が、前記エアロゾルプルームの横断面および長さを検出することによって確認される、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記トリガポイントがあらかじめ設定される、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
ユーザデバイスを使用して、確認情報を空気分析器に通信するステップであって、前記確認情報が、液滴の前記セットの前記放出の前記確認に基づいて生成される、通信するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記確認情報に基づいてフィードバックを生成するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2016年5月3日出願の「DISPOSABLE PULMONARY DRUG DELIVERY APPARATUS AND METHODS OF USE(使い捨て肺薬剤送達装置および使用方法)」という名称の米国仮特許出願第62/331,328号と、2016年5月5日出願の「DISPOSABLE PULMONARY DRUG DELIVERY APPARATUS AND METHODS OF USE(使い捨て肺薬剤送達装置および使用方法)」という名称の米国仮特許出願第62/332,352号と、2016年5月10日出願の「DISPOSABLE PULMONARY DRUG DELIVERY APPARATUS AND METHODS OF USE(使い捨て肺薬剤送達装置および使用方法)」という名称の米国仮特許出願第62/334,076号と、2016年6月24日出願の「DISPOSABLE PULMONARY DRUG DELIVERY APPARATUS
AND METHODS OF USE(使い捨て肺薬剤送達装置および使用方法)」という名称の米国仮特許出願第62/354,437号と、2016年9月23日出願の「DISPOSABLE PULMONARY DRUG DELIVERY APPARATUS AND METHODS OF USE(使い捨て肺薬剤送達装置および使用方法)」という名称の米国仮特許出願第62/399,091号と、2016年11月1日出願の「DISPOSABLE PULMONARY DRUG DELIVERY
APPARATUS AND METHODS OF USE(使い捨て肺薬剤送達装置および使用方法)」という名称の米国仮特許出願第62/416,026号と、2016年11月16日出願の「DISPOSABLE PULMONARY DRUG DELIVERY APPARATUS AND METHODS OF USE(使い捨て肺薬剤送達装置および使用方法)」という名称の米国仮特許出願第62/422,932号と、2016年12月1日出願の「DISPOSABLE PULMONARY DRUG DELIVERY APPARATUS AND METHODS OF USE(使い捨て肺薬剤送達装置および使用方法)」という名称の米国仮特許出願第62/428,696号と、2017年1月20日出願の「DISPOSABLE PULMONARY DRUG DELIVERY APPARATUS AND METHODS OF USE(使い捨て肺薬剤送達装置および使用方法)」という名称の米国仮特許出願第62/448,796号と、2017年3月15日出願の「DISPOSABLE PULMONARY DRUG DELIVERY APPARATUS AND METHODS OF USE(使い捨て肺薬剤送達装置および使用方法)」という名称の米国仮特許出願第62/471,929号との米国特許法第119条に基づく利益を主張する。各出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示の態様は、1人または複数の患者のための肺健康管理に関与し、より詳細には、肺状態を監視し、様々な肺状態および/または非肺状態を処置するために肺を通して薬剤を送達するように構成された、1つまたは複数の吸入デバイスを使用して肺健康管理分析を生成することに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]エアロゾル生成デバイスを使用して、様々な呼吸器疾患がしばしば処置される。たとえば、低減された全身性の悪影響とともに、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)および部位特異的状態を処置するために、吸入がエアロゾル化薬剤の送達を提供する。重要な課題は、標的にされた肺通路(lung passageway)への正常な送達に好適で
ある液滴サイズをもつ、正確な、一貫した、検証可能な投薬量を送達するデバイスを提供することである。肺胞を通る、肺の深部肺領域への薬物の有効な送達は、特に小児および高齢者、ならびに病態の人々に、それらの人々の限られた肺容量と呼吸通路(breathing passageway)の狭窄とにより、問題を常に提示してきた。狭窄した肺通路の影響は、患者の深い吸気、ならびに吸気および呼気を含む呼吸サイクルとの投与された投薬量の同期を制限する。
【0004】
[0004]従来のデバイスは、デバイスからの投薬量の放出を達成するために十分に高い運動量を与えること、または咽喉の後部での投薬量の沈着を防ぐために十分に低い運動量を与えることのいずれかがしばしばできない。より詳細には、定量吸入器(MDI:metered dose inhaler)ならびに加圧定量吸入器(p-MDI:pressurized metered dose inhaler)または空気圧および超音波駆動型デバイスなど、多くの従来の吸入器システムは概して、高運動量および高運動エネルギーを有する、高速度と大きい液滴を含む広範囲の液滴サイズとをもつ滴を生成する。そのような高運動量をもつ液滴およびエアロゾルは、遠位の肺または下肺の通路に到達しないが、代わりに口腔および咽喉に沈着される。その結果、標的にされたエリアにおける所望の沈着を達成するために、より大きい総薬剤投薬量が必要とされる。これらの大きい投薬量は、不要な副作用の可能性を増加させる。
【0005】
[0005]従来のエアロゾル送達システムから生成されるエアロゾルプルームが、それらの高放出速度と薬剤担持噴射剤の高速膨張との結果として、局所的冷却および後続の凝縮、エジェクタ表面上への薬剤の沈着および結晶化につながる場合、追加の課題が生じる。沈着された薬剤残渣によるエジェクタ開口のそのような妨害は、投薬量の効果的な送達を阻害し得る。表面凝縮および薬剤沈着のこの現象は、従来のネブライザについての課題でもある。
【0006】
[0006]さらに、多くの患者は、吸入器を正しく使用することができず、様々な状態を処置する際のヘルスケア提供者にとっての課題を悪化させる。処方された回数での正しい投薬量の送達および吸入が、処置にとって重要である。しかしながら、従来のデバイスは、投薬量の送達および品質を検証することができず、提供者が、現在の処置結果を解釈し、治療結果が得られないとき、処方された処置を見直す苦労は残る。同様に、提供者は、臨床試験と組み合わせて、患者による症状の説明に依拠しなければならない。しかしながら、これはしばしば、肺状態を治療する際に包括的な状態像と特定の薬剤療法の有効性とを提供することができない。
【0007】
[0007]特に、これらの観察を念頭に置いて、本開示の様々な態様が考案され、開発された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0008]本明細書で説明され、請求される実装形態が、肺健康管理のためのシステムおよび方法を提供することによって、上記の問題に対処する。一実装形態では、肺健康管理情報が、ネットワークを介して1つまたは複数の吸入デバイスから受信される。1つまたは複数の吸入デバイスの各々は、吸入デバイスの管を通る空気流の流量を測定する1つまたは複数の圧力センサーを有する。1つまたは複数の吸入デバイスが配備された1つまたは複数の地理的ロケーションについて、環境データが受信される。環境データは、1つまたは複数の環境センサーを使用してキャプチャされ、1つまたは複数の地理的ロケーション
の各々の周囲空気状態に対応する。肺健康管理情報は、少なくとも1つのコンピューティングユニットを使用して、少なくとも1つの管理パラメータに基づいて、環境データと相関させられ、少なくとも1つのコンピューティングユニットを使用して、相関データから空気分析が生成される。
【0010】
[0009]他の実装形態も、本明細書で説明および具陳される。さらに、複数の実装形態が開示されるが、本開示の技術の例示的な実装形態を示し、それについて説明する以下の発明を実施するための形態から、当業者には本開示の技術のさらに他の実装形態が明らかになるであろう。了解されるように、すべて本開示の技術の趣旨および範囲から逸脱することなく、本開示の技術は、様々な態様で変更が可能である。したがって、図面および発明を実施するための形態は、本質的に例示的なものと見なされるべきであり、限定的なものと見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0010]肺健康管理のための、患者によって使用される例示的な吸入デバイスを示す図である。
図2】[0011]薬剤カートリッジを含む、吸入デバイスの例示的な構成要素の機能ブロック図である。
図3】[0012]吸入デバイスを使用する患者についての薬物送達のための例示的な動作を示す図である。
図4】[0013]1つまたは複数の吸入デバイスを使用する肺健康管理のための、コンピュータサーバ、コンピューティングデバイス、または他のネットワークデバイス上で動作し得る空気分析器を含む、肺健康管理システムを示す図である。
図5】[0014]1人または複数の患者または地理的エリアの肺健康を管理するための例示的な空気分析ユーザインターフェースの図である。
図6】[0015]肺健康管理のための例示的な動作を示す図である。
図7】[0016]肺健康管理動作を実施するように配置された動作ユニットを含む電子デバイスの機能ブロック図である。
図8】[0017]本開示の技術の様々なシステムおよび方法を実装し得る例示的なコンピューティングシステムの図である。
図9】[0018]図9Aは、例示的な吸入デバイスの前面斜視図である。図9Bは、例示的な吸入デバイスの背面斜視図である。図9Cは、例示的な吸入デバイスの背面図である。
図10】[0019]図9Cに示されている線に沿って取られた吸入デバイスの断面図である。
図11】[0020]吸入デバイスの分解図である。
図12A】[0021]例示的な薬剤カートリッジの下部斜視図である
図12B】[0022]薬剤カートリッジのエジェクタアセンブリの分解図である。
図12C】[0023]エジェクタOリングの詳細図をもつ、薬剤カートリッジの断面図である。
図13】[0024]肺気道の異なる領域を標的にするために複数のサイズの液滴を生成するように構成された複数の直径を有するエジェクタホールをもつ、例示的な開口プレートの詳細図である。
図14】[0025]図14Aは、流量制限にわたる圧力差を検出することによって空気流を検知するように構成された例示的な吸入デバイスを示し、エアロゾル送達管の内部の制限を示す図である。図14Bは、流量制限にわたる圧力差を検出することによって空気流を検知するように構成された例示的な吸入デバイスを示し、制限が空気入口スクリーンであることを示す図である。
図15】[0026]図15Aは、圧力センサーアセンブリの一例を示す図である。図15Bは、圧力センサーアセンブリの一例を示す図である。図15Cは、圧力センサーアセンブリの一例を示す図である。
図16A】[0027]例示的な吸入デバイスのための例示的な電源オン/オフ回路のための回路図である。
図16B】[0028]例示的な吸入デバイスのための例示的な電源コネクタ回路のための回路図である。
図16C】[0029]例示的な吸入デバイスのための例示的な電圧電力調整回路のための回路図である。
図16D】[0030]例示的な吸入デバイスのための例示的なコントローラ回路のための回路図である。
図16E】[0031]例示的な吸入デバイスのための例示的なコントローラプログラミングコネクタ回路のための回路図である。
図16F】[0032]例示的な吸入デバイスのための例示的な圧電コネクタ回路のための回路図である。
図16G】[0033]例示的な吸入デバイスのためのデバウンス回路をもつ例示的なユーザスイッチのための回路図である。
図16H】[0034]例示的な吸入デバイスのための例示的な圧電ドライバ回路のための回路図である。
図16I】[0035]例示的な吸入デバイスのための例示的な圧力センサー回路のための回路図である。
図16J】[0036]例示的な吸入デバイスのための例示的な発光ダイオードインジケータ回路のための回路図である。
図16K】[0037]例示的な吸入デバイスのための例示的なブザードライバ回路のための回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0038]本開示の態様は、一般に、1つまたは複数の吸入デバイスを使用する肺健康のためのシステムおよび方法に関する。一態様では、空気吸入デバイスは各々、患者についての肺健康データをキャプチャするように構成された1つまたは複数のセンサーを備える。このデータを使用して、個別化された患者の健康、特定の地理的ロケーション内で生活する人々についての全体的な健康、特定の地理的領域についての空気品質、吸入デバイスの動作パラメータなどに関係する空気分析が、生成され得る。空気分析は、たとえば、患者ユーザデバイス、ヘルスケア提供者ユーザデバイス、および/または管理者ユーザデバイスなど、ユーザデバイス上での表示のために出力され得る。
【0013】
[0039]概して、吸入デバイスは、1つまたは複数の薬品の局所的肺のおよび/または全身的送達のために、(1つまたは複数の)薬品を含むエアロゾルの形態での流体の、患者の肺への送達を与える。吸入デバイスは、効果的な、繰返し可能な投薬量送達が達成されるように、人間の呼吸に適する範囲内のエアロゾル液滴サイズを与えるように構成される。人間の呼吸に適する範囲は、5μm未満の空気力学的直径(aerodynamic diameter)をもつ液滴を含み、それらは、それら自体の運動量によってというよりむしろ、空気ストリームおよび同伴空気の動きによってほとんど完全に移送される。より詳細には、肺胞気道における最適な沈着の場合、人間の呼吸に適する範囲は、1~5μmの範囲の空気力学的直径をもつ液滴を含み、4μmを下回る粒子が肺の肺胞領域に達する。より大きい(すなわち、5μmよりも大きい)液滴は、しばしば、舌上に沈着されるか、または咽喉に当たり、気管支通路をコーティングする。肺中により深く浸入する、直径が1μmよりも小さい粒子は、吐き出される傾向を有する。したがって、本明細書で説明される吸入器デバイスは、検証可能である投薬量を与えながら、好適なサイズ範囲の粒子を送達し、表面流体沈着および開口の妨害を回避する。したがって、吸入器デバイスの正確な、一貫した使用法に関するフィードバックが、患者およびヘルスケア提供者に与えられる。
【0014】
[0040]さらに、吸入器デバイスは、状態を診断することおよび/または処置を管理することを行うために、患者の呼吸パターンを監視し得る。たとえば、ピークフローにおける降下は、喘息発作の可能性増加についての有用なインジケータであり、肺出力の測定値(すなわちFEV1)は、肺状態を処置する際に特定の薬剤療法の有効性を決定するのに役立ち得る。
【0015】
[0041]本明細書で説明される例示的な実装形態の多くは、肺状態を参照する。しかしながら、本開示の技術は、肺を介した薬物の分析および送達を介して診断および/または処置され得る、非肺状態に適用可能であることが、当業者によって諒解されよう。さらに、本明細書で説明される様々な吸入デバイスは、例にすぎない。空気分析を生成するために、他の健康監視デバイスが使用され得る。
【0016】
[0042]まず図1を参照すると、肺健康管理のために患者104によって使用される例示的な吸入デバイス100が示されている。一実装形態では、吸入デバイス100は、患者104の肺への送達のための薬物の投薬量を吸入サイクルの間に放出するための、使い捨てまたは再利用可能であり得るカートリッジ102を含む。吸入デバイス100はさらに、本明細書で説明されるように、患者の状態を診断する際および/または空気分析を生成する際に使用するために、患者104についての肺健康データをキャプチャし得る。
【0017】
[0043]一実装形態では、吸入デバイス100は、電子的にアクティブにされる呼吸作動(breath actuation)のために構成される。吸入デバイス100は、圧力センサーアセンブリを含み、圧力センサーアセンブリは、薬物の噴霧および送達をアクティブにし、トリガするために、患者104の吸入サイクルの間のトリガポイントを自動的に検出する。たとえば、圧力センサーアセンブリは、空気流が10標準リットル毎分(SLM)であるとき、2秒噴霧をトリガするようにプログラムされ得る。吸気サイクルの間のトリガポイントは、薬物の噴霧および送達をアクティブにし、トリガするための患者104の吸入サイクルの間の最適なポイントを与え得る。呼吸作動は患者とデバイスとの協調を必要としないので、エアロゾル投薬量を送達するための吸入デバイス100の呼吸作動トリガリング機構は、薬物の最適な送達を保証する。
【0018】
[0044]図1に示されているように、吸入デバイス100は、液滴から周囲空気への合成された運動量移動と、液滴粒子(たとえば、直径で5μm未満)の大きい比表面積との結果として、カートリッジ102から放出された液滴から同伴空気を生成する。図1は、エアロゾルプルームからのより大きい液滴(たとえば、直径が5μmよりも大きい)を、それらのより高い慣性力および運動量によってフィルタ処理し、除外するための、吸入デバイス100によって与えられる慣性フィルタ機構を示している。一実装形態では、液滴が、カートリッジ102から出現し、患者104の肺気道への吸入前に層流(laminar flow)要素を通る空気流106によって一掃されるとき、液滴は、第1の領域108から第2の領域110までの噴霧方向において約90度の変化をこうむる。
【0019】
[0045]5ミクロンよりも大きい空気力学的直径を有する液滴粒子が、カートリッジ102によって生成された場合、吸入デバイス100は、それらの粒子の増加した慣性質量を使用してそれらの粒子を気道管上に沈着させることによって、それらの粒子を空気流106から除外する。代替的に、すべての放出された粒子が、投薬量として送達のために標的に向けられる場合、空気流106の速度は、より大きい液滴粒子が患者104の肺気道に搬送され得るように増加され得る。吸入デバイス100のこの特徴は、呼吸に適する投薬量をさらに増加させ、したがって、患者104の深く下側肺胞気道まで、または上側呼吸領域上へのいずれかの薬物の改善された標的送達(targeted delivery)を提供する。
【0020】
[0046]吸入デバイス100はさらに、薬剤液滴のプルームの存在の検証を通して投薬量を確認し得る。一実装形態では、吸入デバイス100は、カートリッジ102と患者104との間の液滴による光吸収または散乱の測定値を通して、プルームを検証する。光学測定は、ソーラーブラインド紫外光源および検出器を用いて行った。別の実装形態では、吸入デバイス100は、プルームを搬送する空気ストリームの温度を測定することによって、プルームを検証する。
【0021】
[0047]本明細書でさらに説明されるように、一実装形態では、吸入デバイス100は、低差動圧力における増加した感度、ドリフトなし、低ヒステリシス、ならびに空気密度および温度に依存しないセンサー出力を有する空気流量センサーアセンブリを使用して、肺病態監視のための診断を生成する。より詳細には、吸入デバイス100は、限定はしないが、ピーク吸入流量、吸入体積、一酸化窒素濃度、肺出力などを含む、患者104の肺機能の1つまたは複数の診断インジケータをキャプチャし得る。吸入デバイス100は、あらかじめ設定された流動抵抗要素、調整可能な流動抵抗要素などを使用した、吸入デバイス100の吸入管と周囲大気との間の圧力降下の測定によって、診断インジケータをキャプチャし得る。診断インジケータは、吸入デバイス100中に記憶され、および/または空気分析を生成するためのユーザデバイスに通信され得る。
【0022】
[0048]概して、吸入デバイス100は、肺使用の場合、安全な、好適な、繰返し可能な適用量を患者104に送達するためのカートリッジ102を含む。カートリッジ102は、適用すると、適切な、繰返し可能な高い割合の沈着を患者104の肺胞気道に送達するという特性を有するエアロゾル液滴の形態で、規定された流体の体積を送達する。
【0023】
[0049]本明細書でより詳細に説明されるように、一実装形態では、カートリッジ102は、流体の体積を受けるためのリザーバと、エジェクタアセンブリとを含み、エジェクタアセンブリは、圧電アクチュエータプレートと、5ミクロン未満の平均放出液滴直径を有するエアロゾル液滴のストリームを放出するように構成された開口プレート(メッシュプレート)とを有する。これほど小さいエアロゾル液滴は、低慣性力と低運動量とを有し、空気ストリーム(同伴空気)の動きによってほとんど完全に肺に移送され、使用中に対象者の下側肺胞気道に到達する。
【0024】
[0050]言い方を変えれば、吸入デバイス100は、局所的肺のまたは全身的薬物送達のための小さい分子、大きい分子、および生物学的薬品の送達のために、エアロゾルを患者104の肺に送達する。一実装形態では、吸入デバイス100は、効果的な、繰返し可能な投薬量送達が達成されるように、人間の呼吸に適する範囲(たとえば、5ミクロン未満)内のエアロゾル液滴サイズを与える。さらに、吸入デバイス100は、活性薬剤を変性または分解する傾向がある高められたインシトゥ(in-situ)温度または力を生成しない様式でエアロゾルを生成する。したがって、吸入デバイス100は、従来の吸入器およびネブライザにおいては場合によっては変性および劣下を受けやすい、生物製剤および他の大きい分子を送達するために使用され得る。
【0025】
[0051]一実装形態では、カートリッジ102は、液滴のエアロゾルストリームを放出するように構築されたエジェクタアセンブリを含む。エジェクタアセンブリは、圧電アクチュエータに結合された開口プレートを含む。いくつかの実装形態では、開口プレートは、圧電アクチュエータに結合されたアクチュエータプレートに結合され得る。開口プレートは、それの厚さを通って形成された複数の開口部(opening)を含んでおり、圧電アクチュエータは、患者104が吸入するとき、開口プレートのより小さい開口部を通る、肺への液滴の有向エアロゾルストリームを生成するための周波数および電圧で、流体が開口プレートの1つの表面と接触している開口プレートを発振させる。開口プレートがア
クチュエータプレートに結合されている他の実装形態では、アクチュエータプレートが、エアロゾル液滴の有向エアロゾルストリームまたはプルームを生成するための周波数および電圧で、圧電発振器によって発振させられる。
【0026】
[0052]カートリッジ102は、処方された処置に好適な毎日または毎週または毎月ベースのいずれかで交換されるかまたは使い捨てられ得る。カートリッジ102の使い捨て性は、それの短い使用中の時間により、開口プレート上の表面沈着物の蓄積または表面微生物汚染を最小化および防止し得る。代替的に、カートリッジ102は、多薬療法のための複数の薬物、または薬剤の風味(flavor)を送達するために再利用可能であり得る。したがって、吸入デバイス100は、患者に処方されたおよび同じデバイスを通して送達される、複数の薬物を送達し得る。カートリッジ102は、設計が同様であり、肺気道の同様の領域が標的にされたおよび同様の空気動力学的粒子サイズ分布をもつ液滴を有する、吸入された薬物の投薬量を送達することができる開口プレートを有するデュアル薬剤カートリッジモジュールを含み得る。代替的に、複数の薬物の使用または多薬療法は、肺気道の異なるエリアへの薬物の送達を必要とし得る。これらの状況下で、カートリッジ102のデュアルカートリッジモジュールの各々は、患者104の肺気道の異なる領域を標的にする異なる液滴サイズを送達するために、異なるエジェクタホール設計と異なる出入口オリフィスサイズとをもつ開口プレートを有し得る。
【0027】
[0053]一実装形態では、カートリッジ102は、多薬療法のための複数の薬物または薬剤の風味を送達し、そこにおいて、各薬剤含有カートリッジユニットのエジェクタ開口プレートは、異なるサイズのエジェクタホールをもつ設計を有する。この設計は、1つの開口プレートを使用して、異なる液滴サイズを生じるためのシステムおよび方法を提供する。この設計は、肺気道の異なる領域を標的にし、それにより、口腔および咽喉中の薬物の味を改善する風味付けされた薬物を提供することによって、小児および大人による薬物処方計画への適合およびコンプライアンスを容易にし得る。いくつかの態様では、異なるサイズのエジェクタホールをもつ開口プレートを設計するこのシステムおよび方法は、舌および咽喉上に沈着するために十分に大きい液滴を送達すること、ならびに液滴を深部肺胞気道に送達することによって、ニコチン送達デバイスの味または感触を改善し得る。
【0028】
[0054]カートリッジ102のエジェクタアセンブリは、水平方向に配向され、その中に含まれている流体または薬剤が開口プレートの入口表面と常に接触しているように配置され得る。水平方向に配向されたエジェクタアセンブリは、流体の均一な分布と開口プレート上への流体の均一なコーティングとを可能にし、提供し得る。いくつかの実装形態では、水平方向に配置されたエジェクタアセンブリは、開口プレートにわたって均一な負荷を与えることの利益をも有する、均一な流体/薬剤コーティングを開口プレートに与える。この設計は、より効率的な、安定した開口プレート発振を与え、流体のより効率的な放出を与え得、カオス的膜発振の可能性を最小化する。いくつかの態様では、カオス的発振が、不適当な適用量の送達につながり、ならびに放出を最小化するかまたは完全に停止し、または開口プレート表面上への流体および/または薬剤の沈着につながり、開口の妨害につながり得る。カオス的発振の低減または除去は、より効率的な、安定した開口プレート発振と、より効率的な、安定した薬物の送達とを与える。
【0029】
[0055]一実装形態では、吸入デバイス100は、投薬量が放出アセンブリの圧電エジェクタから放出された後に、放出された流体の量とカートリッジ102中に残っている薬物とを監視および検出する。開口プレートの共振周波数発振における周波数シフトは、たとえば、ソルベリー(Sauerbrey)式によって説明されるように、質量負荷の変化に関連する。いくつかの実装形態では、開口プレートの発振の共振周波数の変化が、圧電アクチュエータに関する質量または負荷の変化と相関させられるので、開口プレートの発振の共振周波数の変化の検出は、投薬量検証をもたらし得る。
【0030】
[0056]吸入デバイス100は、多孔性格子または有孔プレートなど、表面張力プレートを含み得る。表面張力プレートは、形状を定義する頂点と縁部とホールとの集合を含み得、形状は、限定はしないが、流体入口表面側における開口プレートの後ろに配置され、一定の流体負荷を維持するように構成された、正方形、三角形、多角形、または任意の形状の格子形態であり得る。表面張力プレート上の開口部のスペース、ならびに開口プレート表面に対する表面張力プレートの距離および配置は、流体の表面張力によって最適化および指定され得る。いくつかの態様では、開口プレートの後ろに位置する表面張力プレートの存在はまた、開口プレートのより安定した、制御された発振および作動につながり、カオス的発振と開口プレート表面上への流体および/または薬剤の沈着とを最小化する。
【0031】
[0057]一実装形態では、カートリッジ102のエジェクタアセンブリは、垂直方向に配向され得、したがって、開口プレートの流体側の垂直方向に配向されたエジェクタアセンブリの後ろの表面張力プレートの配置は、一定の、均一な流体負荷を開口プレート上に与える。この構成は、開口プレート上の均一な流体コーティングを与え、開口プレートにわたって均一な負荷を与えることの利益をも有する。いくつかの実装形態では、この構成はまた、より効率的な、安定した開口プレート発振を与え、これは、より効率的な流体放出およびエアロゾル形成につながり、カオス的膜発振の確率を最小化し得る。
【0032】
[0058]吸入デバイス100は、姿勢に鈍感(insensitive)であり得る。より詳細には、開口プレートの後ろおよび隣への表面張力プレートの配置は、開口プレート上に一定の均一な流体負荷を与え、作動および噴霧前の開口プレートの後ろの流体の流体負荷または配置または利用可能性に関して、吸入デバイス100の全体的配向に依存しない。これは、より効率的な、安定した開口プレート発振をも与え得、これは、流体のより効率的な放出につながり、カオス的膜発振の確率を最小化し得る。
【0033】
[0059]吸入デバイス100は、患者104が海面から海面下に進むとき、および飛行機で進む間の高い高度において、または大気圧の気象に関係する変化において起こり得る、圧力差に対して鈍感になり得る。いくつかの態様では、カートリッジ102中の薬剤リザーバに隣接して配置された超疎水性(superhydrophobic)空気交換バルブの適用および使用が、バルブを超える水と薬剤両方の侵入または交換に対する保護を与え、リザーバからの漏れを回避する。いくつかの実装形態では、超疎水性空気交換バルブは、バルブを超えてリザーバに入るおよびそれから出る空気の自由な交換を可能にするが、湿気または流体の空気交換バルブの通過を阻止する。この高効率粒子空気フィルタはまた、吸入デバイス100が、大気圧の変動を受け、それにより圧力差を経験するとき、すべての粒子および病原体(ウイルス病原体、細菌、および胞子を含む)を除去した、高度にフィルタ処理された空気を用いて、環境とリザーバとの間の圧力差を正常化する。また、空気の自由な交換を可能にすることによって、カートリッジ102のリザーバの内側の圧力は、それの環境と平衡状態に維持されるので、高効率空気フィルタ処理のためのアクティブおよび動的なメカニズムを提供する能力は、薬剤漏れを与えおよび防ぐ。
【0034】
[0060]吸入デバイス100は、気象または高度の変動によって引き起こされる周囲空気圧力の変化に鈍感である。これは、吸入デバイス100が異なる高度に遷移するとき、流体漏れの可能性のないそれの使用を可能にする。吸入デバイス100はまた、開口プレート表面上の流体および薬剤沈着を低減し、開口の妨害を防ぎ得、それは、投薬量の不適当な送達を防ぐか、または吸入デバイス100を動作不可能にし得る。
【0035】
[0061]吸入デバイス100は、層流を有する同伴空気が患者104の肺気道に進むとき、同伴空気上に乗る液体のエアロゾルプルームまたは微細ミストとして流体の体積を送達する。層流をもつ1つの同伴空気源は、六角形または他の断面のいずれかを有する複数の
並列管をもつ、層流要素によって与えられ、本明細書で説明されるように、吸入デバイス100のエアロゾル送達管の空気入口端部に配置される。層流要素は、層空気流106を生成するために十分に小さいが、層流要素の入口側と層流要素の出口側の間の有意な圧力差を生じるために小さすぎない直径を有する多くの並列流通路に空気流を分割することによって、層空気流106を生成する。小さい流れだけが各層流要素通路を通過するので、各通路を通る流れのレイノルズ数は、層流106が維持されるほど十分に小さい。いくつかの実装形態では、吸入デバイス100に引き込まれる空気は、層流要素を通して空気が引き込まれるので層流の特性を有し、開口プレートの面にわたって一掃し、放出された粒子を同伴し、軌道においてさらなる下流の患者104の気道に搬送する。
【0036】
[0062]吸入デバイス100は、層流要素の空気入口側に位置するミニファンまたは遠心ブロワを含み得る。ミニファンは、追加の空気流および圧力を空気ストリームの出力に与え得る。患者104が低い肺出力を有する場合、この追加の空気ストリームは、薬剤を含んでいる液滴が吸入デバイス100を通って患者104の気道中に押し出されることを保証する。いくつかの実装形態では、この追加の空気流源は、カートリッジ102のエジェクタ面がエアロゾル液滴がないように一掃されることを保証し、また、ストリーム中に液滴プルームを拡散し、これにより、液滴間のより大きい分離を生じる。ミニファンによって与えられた空気流はまた、キャリアガスとして働き、有意な希釈を保証し得、これは、急な投薬および急速な薬剤摂取の可能性を低減する。いくつかの薬物の場合、この急速な薬剤摂取は、不要な副作用を生じ得る。さらに、患者104が低い肺出力を有するかまたは悪化をこうむっている場合、その人のために肺における薬物の沈着を改善するために、投薬の間に高い空気圧力を生じるために、手動でまたは電気機械構成要素によって圧搾されるブラダーが使用され得る。「レスキュー」モードの間に薬物の放出をトリガするために、吸入デバイス100上の手動ボタンが使用され得る。
【0037】
[0063]一実装形態では、吸入デバイス100は、高弾性高分子開口プレートを与え、開口プレートの周期的発振は、エアロゾル放出サイクルの間にそれが加速および減速するたびに、ノズルプレート表面から出る音響波を生じる。表面音響波は、同伴空気上での液滴の生成および伝搬をさらに向上させる、圧力波または圧縮波を生成する。それの複数の開口をもつ高弾性高分子開口プレートは、加速する開口プレートに含まれている入口オリフィスおよび出口オリフィスを通った液滴として、流体を放出する。いくつかの実装形態では、発振する高弾性開口プレートは、それの最大の変位にあるとき、開口プレート膜の表面における速度は0であるが、それの加速度は、0.1~50Km/s、5~50Km/s、限定はしないが、5~25Km/sの範囲内の負の最大値を有する。開口プレート表面の厚さの開口を通って導かれる、エアロゾル液滴の有向ストリームは、開口プレートから遠く下流にエアロゾルを搬送するのに十分である最大の慣性力を伴って開口から出現する。
【0038】
[0064]吸入デバイス100は、発振膜の瞬時位相、変位、速度、および加速度を測定するために、電気機械システムおよび圧電アクチュエータの特性化のためのレーザードップラー振動計(LDV:Laser Doppler Vibrometer)システムおよび方法をさらに採用し得る。いくつかの態様では、LDVは、圧電材料の効率的な最適化、圧電ジオメトリ最適化、ならびに最適なエアロゾル液滴生成および噴霧化特性のためのエジェクタシステムの設計を可能にする、圧電アクチュエータを備える電気機械システムの共振および固有モードを識別するために、変位と速度と加速度との間の位相関係の3次元表示を与え得る。そのような分析パラメータは、吸入デバイス100および/または空気分析器による後続の分析のために同時に検出され、キャプチャされ、記憶され得る。
【0039】
[0065]吸入デバイス100は、流体が発振ノズルプレートの出口オリフィスから出現するとき、放出および液滴形成の間に生成された帯電薬学的エアロゾル粒子を静電的に送達
する。一実装形態では、エアロゾルプルームがそれを通って出現する出口チャンバまたは管の表面は、電荷を低減するまで界面活性剤でコーティングされる。静電コーティングは、肺気道中に送達される微粒子投薬量を増加させ、吸入デバイス100のデバイス管の内側表面上への薬剤粒子の沈着を低減し得る。代替的に、吸入デバイス100の出口管または本体全体は、出口チャンバにおける静電荷蓄積をさらに低減する電荷散逸性(charge-dissipative)ポリマーから作られる。
【0040】
[0066]一実装形態では、吸入デバイス100は、エアロゾル噴霧および薬剤送達の検証のために、エジェクタ管の内部エリアと外部エリアとの間の圧力差を検出するための噴霧検証システムを含む。噴霧検証システムの圧力センサーによって与えられる信号が、患者104の吸入サイクルのピーク期間においてまたはそれの間に、噴霧のアクティブ化のためのトリガを与え、エアロゾル噴霧の最適な沈着および肺気道への薬剤送達を保証する。
【0041】
[0067]吸入デバイス100の噴霧検証システムは、たとえば約850nmの波長を有する赤外光発光ダイオード(LED)と、赤外光検出器とを含み得る。一実装形態では、噴霧検証システムは、放出された薬物の存在および量を検出するために送信モードまたは後方散乱モードのいずれかで測定および検知するために、ソーラーブラインド光検出器(solar blind photo detector)と、約280nmを下回るピーク放出波長をもつUV-C LEDとを使用し得る。
【0042】
[0068]空気ストリームが紫外線光などのエネルギー源に露出され、空気ストリーム中の物質が蛍光を発し、特定の波長を有する光の光子を発する、蛍光モードにある吸入デバイス100の噴霧検証システム。このモードは、様々な空気伝搬物質を検出および測定し、最大の検出を噴霧検証に与え、噴霧の不正確なまたは誤った検出の除去の保証を与えるために使用され得る。ソーラーブラインド検出器は、屋外のとき、明るい日光の中で、干渉なしでの吸入デバイス100の使用および操作のより大きいフレキシビリティを与える。
【0043】
[0069]別の実装形態では、吸入デバイス100は、投薬量が呼吸作動によって投与されるとき、および/または液滴のエアロゾルストリームが検出されるときのいずれかで、噴霧検証のためにオーディオ信号を使用する。スピーカーとともに、吸入デバイス100のエレクトロニクスボードへのサウンドチップの追加は、投薬量が正常に送達されたとき、即時フィードバックを患者104に与え得る。リアルタイムフィードバックを与えることによって、オーディオ信号は、投薬量が正常に送達されたという保証を与えることによって、患者コンプライアンスを最大化し得る。
【0044】
[0070]代替または追加として、吸入デバイス100は、放出および噴霧化の間に放出された薬剤の量を測定および定量化し得る。噴霧化された薬剤投薬量の吸収度は、光の吸収度を測定することによって与えられ得る。指定された波長における薬剤吸収度値を与えるために、既知の濃度を使用して、薬液があらかじめ調整され得る。吸入デバイス100は、薬剤が噴霧化および放出されたことを検証し、ならびに放出されたエアロゾルストリーム中の薬剤の分量および量とカートリッジ102のリザーバ中に残る薬剤の量とを与える。
【0045】
[0071]肺状態の診断のためにおよび/または空気分析のために、吸入デバイス100は、呼気中の疾患バイオマーカーを検知および検出し得る。人間の呼吸は、いくつかの揮発性有機化合物(VOC)を含んでおり、それらの正確な検出は、概して、人間または動物の身体の疾患の早期診断に関する必須の情報を与えることができる。たとえば、喘息診断について評価および検知するために一酸化窒素が使用され得、糖尿病、腎臓機能不全、口臭、および肺癌を評価するために、それぞれ、アセトン、アンモニア、HS、およびトルエンが使用され得る。これらの疾患の診断は、小型MEMSベースの電流測定センサー
の包含によって達成され得る。たとえば、デバイスのマウスピースまたは液滴出口キャビティの内側で、ASTMA監視および診断のための呼気中の一酸化窒素の濃度を分析するために、MEMSセンサーが使用され得る。さらに、吐き出されたVOCの濃度の変動が、特異的疾患のためのバイオマーカーとして働き得、健康な患者を病気である患者から区別するために使用され得る。
【0046】
[0072]吸入デバイス100は、患者104に指示またはフィードバックを与えるための1つまたは複数の視覚インジケータ、オーディオインジケータおよび/または触覚インジケータを含み得る。インジケータは、代替または追加として、本明細書で説明されるように、吸入デバイス100と通信しているユーザデバイスを介して与えられ得る。たとえば、吸入デバイス100は、ある設定された数(たとえば、5つ)のゆっくりした深い呼吸をすることによって吸入デバイス100を初期化するように患者に指示し得る。これは、患者104による処方された薬物の吸入を最大化するために、圧電駆動型エジェクタによる呼吸作動された薬物の放出を生成するための吸入の間のトリガポイントを決定するために使用される情報を与える。それはまた、患者104の肺状態の変化を診断するためのベースラインを与える。たとえば、吸入の間に達成された最小圧力は、ピーク吸気流量に直接対応する。吸入の間のピーク流量の減少は、喘息悪化の予測になり得る。吐き出された一酸化窒素の測定値とピーク流量測定値が組み合わせられるとき、吸入デバイス100および/または空気分析器上に構成されるオンボード診断法の予測能力は、さらにより強力になる。
【0047】
[0073]一実装形態では、吸入デバイス100は、最大呼息の間に達成された最大流量を測定することによって、肺出力(FEV1)に相関する測定値をキャプチャする。本明細書で説明される空気分析器は、肺出力に相関する測定値を作るために必要とされる呼吸運動を介して患者104を導くためのインジケータを使用して、患者104にプロンプトを与える。
【0048】
[0074]さらに、吸入デバイス100は、あらかじめ決定された流量を達成するために必要とされる吸入圧力の測定を可能にするために、差動(デルタP)センサーを含んでいることがある。この測定は、初期化の間に測定された空気の流量を生じるために必要とされる圧力を比較することによって、デバイスが動的な気道抵抗の変化の近似値を求めることを可能にし得る。絶対的な気道抵抗の測定ではないが、吸入の間の所与の流れにおける気道の片側において測定された圧力の変化のこの測定は、患者104が喘息またはCOPDを病む場合、その人の肺健康の変化を測定する。これは、本明細書では、ベースラインにおいて測定された空気の流量の50%において測定された圧力のパーセンテージ変化として表される、動的な気道抵抗の相対的変化(RCDAR:relative change in dynamic airway resistance)と呼ばれることがある。たとえば、10%RCDARの示度は、ベースラインにおいて測定された最大流量の50%を達成するために必要とされる圧力における10%の減少である。さらに、吸入デバイス100は、吸入前の放出されたプルームの速度を確かめるために使用され得、吸入デバイス100の流量センサーが正しく調整され、動作していることの確証として働き得る。
【0049】
[0075]デルタPセンサーは、吸入デバイス100の内部と周囲大気との間の圧力降下を測定することによって、空気流を測定する。流量が、デルタPセンサーポート間の測定された圧力降下から計算され、一方のデルタPセンサーポートが、層流要素の近傍にある、空気入口ポートに近い、デバイスエアロゾル送達管中の上流に位置し、第2のデルタPセンサーポートが、本明細書でより詳細に説明されるように、吸入デバイス100の外側の周囲圧力を測定する。この測定値は、吸入サイクルの最適なポイントをエアロゾルプルームの放出および噴霧と協調させるために、液滴の放出サイクルの開始および終了をトリガ
するためにも使用される。また、圧力測定サブシステムは、吸気サイクルの間の吸入においてのみ液滴粒子が投与されるように、吸入と呼息とを区別する。
【0050】
[0076]一実装形態では、吸入デバイス100の光学エアロゾルセンサーは、光検出器によって、吸入管の直径にわたって配置されたLED源から放出された光を検出することと、液滴によって散乱または吸収された光を検出することとによって、液滴の存在を測定および検出する。光源は、狭い視野角(たとえば、8度未満)のLEDまたはレーザーダイオードである。さらに、たとえば、吸入デバイス100出口ポートに沿って、またはカートリッジ102エジェクタプレートの前に配置された複数の光源および複数の検出器が、放出された質量を推定するためのエアロゾルプルームの断面と長さとを含む形状を決定し得る。
【0051】
[0077]たとえば、ここで、吸入デバイス100は、20mmの平均直径を有する流管を含み、100ミリリットルから500ミリリットルまでの空気の4秒吸入は、8センチメートル毎秒から40センチメートル毎秒までの平均速度を有することになる。光センサーが、カートリッジ102のエジェクタアセンブリから20mm下流に位置する場合、エアロゾル粒子の前縁は、放出後50ミリ秒から250ミリ秒で光検出器に到着することになる。
【0052】
[0078]吸入デバイス100において使用され得る一般的な光検出器は、1ミリ秒未満の応答時間を有し得、したがって、同伴液滴速度の正確な分解能を可能にし得る。エアロゾル速度のより細かい分解能を与えるために、第2のLED/光検出器システムが追加および使用され得る。一実装形態では、吸入デバイス100は、数センチメートル離れた2つの下流ポイントにおいてエアロゾルプルームの到着を測定し、検出する。この場合、各システムのためのLED源はパルス化され、同期検出器が、各検出器をそれの関連する光源と同期させるために使用される。
【0053】
[0079]吸入デバイス100の特定の実装形態200の詳細な説明を続けるために、図2への参照が行われる。吸入デバイス200の様々な構成要素は、すべての動作機能を協調させ、ならびに、空気分析を生成するための噴霧確認データと診断インジケータとデバイス動作パラメータとを含むキャプチャされた空気肺健康管理データをアーカイブし、通信する。さらに、カートリッジ202の識別情報または投薬量サイズパラメータも、吸入デバイス200および/またはカートリッジ202のメモリに記憶され得る。オンボードデータストレージの場合、コントローラ222が、数キロバイトのデータメモリと、10~12ビットアナログデジタル変換の数個のチャネルと、数個のデジタル出力とを有する、低電力マイクロプロセッサを含み得る。しかしながら、他のコントローラが企図される。
【0054】
[0080]吸入デバイス200は、圧力センサー206と、プルームセンサー208と、チルトセンサー210と、プルーム照明器212と、スイッチ214と、信号機216と、ディスプレイ218と、1つまたは複数のユーザデバイス204へのワイヤードまたはワイヤレスリンク220と、カートリッジコントローラ224と、電源226とを含み得る。カートリッジコントローラ224は、カートリッジタグ228と、エジェクタアセンブリ230と、カートリッジセンサー232とを含む、カートリッジ202の動作を制御し、および/またはカートリッジ202から情報をキャプチャし得る。これら構成要素のうちのより多いまたはより少ない構成要素が吸入デバイス200中に含まれ得ることを諒解されよう。
【0055】
[0081]一実装形態では、コントローラ222は、電源ボタンが押されたときにアクティブになり、圧力センサー206を監視し、投与コマンドまたは急速に下降する圧力の吸入プロファイルを待ち、あらかじめ決定された周波数および電圧をもつ圧電ドライバなどの
カートリッジコントローラ224をアクティブにし、投与状態を査定するためにカートリッジコントローラ224を監視し、トリガポイントにおいて投与するために圧力センサー206とプルームセンサー208とを使用してそれぞれ流量とプルームとを監視し、有効な投与または無効な投与をシグナリングするかまたは他のユーザフィードバックを与えるためにLEDなどの信号機216の照明を適切にオンおよびオフにする。
【0056】
[0082]コントローラ222は、患者104のための次の投薬がスケジュールされているとき、起動およびシグナリングするために内部クロックを有し得る。このイベントは、明滅LEDまたは圧電ブザーなど、信号機216によってシグナリングされ得る。代替的に、アラートが、リンク220を介してユーザデバイス204に出力され得る。コントローラ222は、ユーザデバイス204との通信ありまたは通信なしで動作するように構成され、それに応じて各投与の時間と成功とを記憶する。投与の周囲の5~10秒間隔中の0.1~0.01秒分解能での吸入流量およびプルームのプロファイルが、さらに記憶され得る。さらに、吸入デバイス200が、姿勢または圧電メッシュセンサーなど、チルトセンサー210を有する場合、そのデータはまた、記憶されるか、あるいは良好なまたは潜在的に良好な投与を示すためにリアルタイムで処理され得る。コントローラ222はまた、ディスプレイ218および/またはユーザデバイス204を使用して、投薬の数とカートリッジ202中に残された残りの投薬量とを追跡および表示し得る。
【0057】
[0083]電源226は、太陽エネルギー、バッテリー電力、あるいはDCまたはAC電力など、電力を蓄積し、吸入デバイス200の構成要素に提供するように構成された1つまたは複数の電源を含み得る。一実装形態では、電源226は、リチウムポリマーなどの非充電式バッテリーシステムを含む。そのようなバッテリー、または、限定はしないが、太陽電池、誘導性リンクさらには機械的動きを含む、充電の他の方法を充電するために、吸入デバイス200上にコネクタがあり得る。コントローラ222は、電力消費の極めて低いレベルで非アクティブになるが、依然として入力ボタンを監視し、完全アウェイク状態に進むことによって押下に応答するように構成され得る。
【0058】
[0084]一実装形態では、患者コンプライアンスを保証および最大化し、エアロゾル送達デバイスの適切な使用を保証するために、吸入デバイス200および/またはユーザデバイス204は、様々な情報を患者104に伝達し得る。処方されたエアロゾル療法への順守を促進するためのそのような情報例は、限定はしないが、デバイスオン(ON)、良い投与/悪い投与、残りの投薬の数、別の投薬量のための時間、および吸入デバイス200についての(送達にとって正しくない配向、またはプルームが見えない、のような)エラー状態の説明を含む。この情報の一部は、信号機216の2つから3つの光源、すなわち、ユニットがオンであることをシグナリングするための1つと、成功した投与または不成功の投与をシグナリングするためのその他を用いて通信され得る。情報のよりユーザフレンドリな通信のために、2色または3色(赤-緑-黄)のLEDが使用され得る。いずれかまたは両方のLEDの明滅に基づくエラーコードが可能である。同様に、残りの投薬の数またはエラーコードの数を示すために、4桁LCDディスプレイが使用され得る。エラーコードの説明またはより詳細な情報が、ユーザデバイス204を介して通信され得る。1つまたは2つのユーザ入力ボタンが、吸入デバイス200をオンにし(起動し)、投与を開始するか、またはエラーコードを要求するか、または残りの投薬量情報を与えることができる。
【0059】
[0085]リンク220は、患者104のためのアーカイブ、分析およびトレーニングを容易にし、使用および肺/気道診断をユーザデバイス204を介して健康提供者に通信することができる。ユーザデバイス204は、吸入デバイス200の正しい使用法および診断を理解するためのリソースでもあり得る。ユーザデバイス204はまた、実際の投与ありまたはなしでデバイスによって測定された呼吸流量に基づく、修正された投薬の量または
頻度など、パスワード保護された情報を健康提供者から吸入デバイス200に伝達することができる。一実装形態では、ユーザデバイス204は、残りの投薬量があらかじめ設定された限度より下になるとき、再注文を開始することができる。
【0060】
[0086]リンク220はまた、基本的なパラメータを設定するためにまたはアーカイブされた情報を吸入デバイス200から取り出すために、臨床設備または薬局において使用され得る。この情報は、限定はしないが、デバイスに通信され得る以下のセットアップ、すなわち、投与持続時間、エジェクタ周波数、投薬ごとの呼吸の数、投与をトリガする吸入流量、所望の投薬間隔(たとえば、1日に2回または12時間ごとに1回)、時間期間(たとえば、2時間)において許容される良好な投薬の最大数、時間期間において許容される誤り投薬の最大数、ほとんど空(almost empty)信号が与えられるまで投与される投薬の数、良好な投薬量について説明するパラメータ(投与後吸入体積、プルーム不透明度)、日付/時間、薬剤についての有効期限または間隔、設定を変更するために提供者オフィスまたは薬局オフィスとともに使用するためのパスワード、および/あるいは、良好なまたは不良な投薬量限度について説明する他の情報を含む。
【0061】
[0087]一実装形態では、エジェクタアセンブリ230の圧電エジェクタ周波数および電圧は、カートリッジ202の工場充填の間にあらかじめ設定され得る。そのような値は、リンク220を介して、ユーザデバイス204を使用して修正され得る。同様に、充填日付または有効期限、薬剤タイプ、さらには汎用使用をガードするためのセキュリティコードが、カートリッジタグ228によって搬送され得る。カートリッジタグ228を介して記憶および/または通信され得る情報の例は、限定はしないが、投薬体積および投薬間隔(1日ごとの回数)、許容できる吸入流量または特性、ならびに/あるいは不良な適用量が検知された場合に繰返し投薬を可能にするための選択肢を含み得る。
【0062】
[0088]メッシュ監視構成要素、(たとえば、チルトセンサー210を介した)配向監視構成要素、およびリザーバ流体測定構成要素など、吸入デバイス200の部分であり得る3つの追加の構成要素があり得る。メッシュ監視は、圧電メッシュに機械的に結合された圧電材料の小さい部片を用いて振動を検知することによって、そのメッシュが正確に振動しているという即時決定を可能にする。小さい圧電からの電気的出力が、コントローラ222の1つのアナログデジタル入力を使用して増幅され、整流され、測定され得る。これは、電子ドライバインピーダンス測定によって行われるメッシュ監視を補足するかまたはそれに取って代わり得る。配向監視は、吸入デバイス200が、良好な液滴生成のためにリザーバ中の流体がメッシュの背面を濡らすように、正しく配向されていると決定する。この同じ姿勢測定センサーは、リザーバ中に残っている流体の量(したがって、投薬量)を検証するためにも使用され得る。これは、導線、リザーバハウジング上の容量性センサー、または流体の光学センサーのいずれかによって、流体が検知されるまで、吸入デバイス200を緩やかにチルトすることによって達成される。チルトは、流体センサーが、流体を検知しないことから流体を検知することへの遷移を示す瞬間において、指摘される。コントローラ222における単純なアルゴリズム(またはルックアップテーブル)が、チルト角の関数として残っている流体の量を与える。この関数は、カートリッジ202中に残っている投薬の数のより正確な査定のために使用され得、薬局がリザーバをブラインドで充填し、利用可能な残りの投薬量の確認が必要とされるとき、特に重要である。
【0063】
[0089]本明細書で説明されるように、吸入デバイス200は、液滴を生成し、薬剤の有効な送達を検証するために吸入流量とプルーム両方の操作および監視を制御する。以下は、患者104が異なるユーザモードで吸入デバイス200をどのように操作するかの例である。手動投与(manual dispense)モードでは、患者104は、オンにし、投与ボタンを押し、吸入デバイス200は、正しい吸入ウィンドウにおいて見られるプルームをシグナリングし、患者104は、吸入デバイス200をオフにするか、または
それが自動的に非アクティブになる。流量トリガ型投与(flow triggered
dispense)モードでは、患者104は、デバイスをアクティブにし、吸入する。吸入デバイス200は、提供者によって設定された、特定の吸入流量に対応するトリガポイントにおいて投薬量をトリガする。吸入デバイス200は、良好な投与をシグナリングし、電源切断する。トレーニング済みトリガ型投与(trained triggered dispense)モードでは、患者104は、吸入デバイス200をオンにし、吸入と呼息との完全呼吸サイクルの間、数回呼吸をする。吸入デバイス200は、圧力センサー206を使用して自動的に検出されるトリガポイントにおいて、投薬量を記録し、投与する。吸入デバイス200は、良好な投与をシグナリングし、非アクティブになる。トレーニングまたは診断(training or diagnostic)モードでは、患者104は、吸入デバイス200をオンにし、吸入デバイス200またはユーザデバイス204は、呼吸サイクルを通して患者104を促す。診断インジケータおよび他の肺健康データが、吸入デバイス200を用いてキャプチャされ、それらは、次いでコントローラ222上にアーカイブされ、ならびに/あるいはリンク220および/またはユーザデバイス204を介して空気分析器に通信される。吸入デバイス200が非アクティブになる。
【0064】
[0090]吸入デバイス200の通常自動(normal automatic)モードの一実装形態では、患者104は、投薬量を送達するように促される。吸入デバイス200および/またはユーザデバイス204は、患者104に、1つまたは複数のサイクル呼吸し、投与ボタンを押すように指示する。吸入デバイス200は、吸入を検出し、プルームを空気ストリームに放出する。圧力センサー206が正しい呼吸と投与タイミングとを示す場合、信号機216は、緑色光の明滅など、フィードバックを与える。投薬量が十分に投与されていない場合、信号機216の赤色光または黄色光が明滅する。信号機216の黄色光が明滅する場合、患者104は別の投与を促され、正しいまたは正しくない投与がシグナリングされる。活動なしの30秒後に、コントローラ222は、吸入デバイス200をオフにする。複数の不十分な投与がある場合、エラーコードが、コントローラ222によって生成され、たとえばユーザデバイス204を使用して、患者104に通信される。信号機216は、次の投薬量を促す視覚信号、オーディオ信号および/または触覚信号を含み得る。カウンタが、ディスプレイ218を介して表示され得、残っている投薬の数を含む。
【0065】
[0091]ユーザデバイス204および/または吸入デバイス200は、本明細書で説明されるように、フィードバックを患者104に与え、および/または情報を提供者に通信し得る。フィードバックは、エラーに関する情報を含み得、限定はしないが、カートリッジがない、間違った薬剤カートリッジ、プルームが見られない、カウントによれば投薬量切れ、不十分な吸入、低バッテリー、エジェクタ振動問題、処方に適合しない投薬量要求、または診断情報収集などを含み得る、潜在的対応策およびエラーコードを含み得る。
【0066】
[0092]図3を参照すると、吸入デバイスを使用する患者についての薬物送達のための動作300が示されている。一実装形態では、動作302が吸入デバイスをアクティブにし、動作304がユーザによる吸入を検出する。動作306が、検出された吸入に対応するユーザによる吸入のための投薬量を生成する。動作308が投薬量の品質を検出し、動作310が吸入デバイスを非アクティブにする。
【0067】
[0093]図4は、肺健康管理のための、コンピュータサーバ、コンピューティングデバイス、または他のネットワークデバイス上で動作する空気分析器402を含む、例示的な肺健康管理システム400である。一実装形態では、患者104など、ユーザは、ネットワーク406(たとえば、インターネット)を介して空気分析器402および/または1つまたは複数の吸入デバイス100にアクセスし、それらと対話する。別の実装形態では、
ユーザデバイス204は、空気分析器402をローカルに実行し、吸入デバイス100は、ワイヤードまたはワイヤレス接続を使用してユーザデバイス204に接続する。他のユーザは、医師、健康診療所、健康研究室などを含む、吸入デバイス100を販売し、動作させ、管理し、および/またはさもなければ監視する1つまたは複数の当事者であり得る。
【0068】
[0094]ネットワーク404は、肺健康管理システム400を実装するための1つまたは複数のコンピューティングまたはデータストレージデバイス(たとえば、1つまたは複数のデータベース406)によって使用される。ユーザは、ネットワーク404に通信可能に接続されたユーザデバイス204を使用して、空気分析器402にアクセスし、それと対話し得る。ユーザデバイス204は、概して、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、端末、ポータブルコンピュータ、モバイルデバイス、スマートフォン、タブレット、マルチメディアコンソールなど、ネットワーク404と対話することが可能な任意の形態のコンピューティングデバイスである。ユーザデバイス204は、ユーザに応じて、患者ユーザデバイス、提供者ユーザデバイスなどであり得る。
【0069】
[0095]サーバ408は、肺健康管理システム400をホストし得る。サーバ408は、システム400にアクセスするためにユーザが訪れる、ウェブサイトまたは空気分析器402などのアプリケーションをもホストし得る。サーバ408は、1つの単一のサーバ、各そのようなサーバが物理サーバまたは仮想マシンである複数のサーバ、あるいは物理サーバと仮想マシン両方の集合であり得る。別の実装形態では、クラウドが、システム400の1つまたは複数の構成要素をホストする。ネットワーク404に接続された、1つまたは複数の吸入デバイス100と、ユーザによって採用されたユーザデバイス204と、サーバ408と、1つまたは複数のデータベース406などの他のリソースとが、肺健康管理のために使用される1つまたは複数のウェブサイト、アプリケーション、ウェブサービスインターフェースなどへのアクセスのために1つまたは複数の他のサーバにアクセスし得る。サーバ408は、システム100が肺健康管理のために使用される情報にアクセスするためにおよびそれを変更するために使用する検索エンジンをもホストし得る。
【0070】
[0096]吸入デバイス100は、ネットワーク404にわたって、Bluetooth(登録商標)などのワイヤレス接続を介して、またはUSB接続などのワイヤード接続を介して、ユーザデバイス204によって実行される空気分析器402と通信する。吸入デバイス100は、同様の様式で、スマートウォッチ、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、音楽プレーヤ、Bluetooth (登録商標)対応デバイスなど、他のコン
ピューティングデバイスと通信し得る。
【0071】
[0097]一実装形態では、吸入デバイスは、診断インジケータ、吸入デバイス100の動作パラメータ、噴霧検証データなどを含む、肺健康データをキャプチャするための1つまたは複数のセンサーを含む。センサーは、限定はしないが、1つまたは複数の圧力センサー、プルームセンサー、チルトセンサー、湿度センサー、温度センサー、粒子センサー、心拍数センサー、二酸化炭素センサー、酸化物センサー、オゾンセンサー、一酸化窒素センサー、マイクロフォン、イメージングセンサーなどを含み得る。そのようなデータは、吸入デバイス100のストレージ媒体に記憶され、および/またはユーザデバイス204を介して空気分析器402に通信され得る。例として、センサーによってキャプチャされたデータは、消費者デバイス204上で取り出され、および記憶され、ならびに/またはデータベース406へのネットワーク404を介してセキュアなクラウドにアップロードされ得る。
【0072】
[0098]データが、空気分析器402によって取得されると、それは、患者104、提供者および他の承認された当事者によって多くの方法で利用され得る。本明細書で説明され
るように、吸入デバイス100は、大量のセンサーデータを生成し、空気分析器402は、そのセンサーデータを相関させて、関連付けを生成し、パターンおよび傾向を理解して、ヘルスケアを改善し、生命を救い、コストを低減し得る。さらに、空気分析器402によって生成された空気分析は、患者104が処置を受けている間に、リアルタイムで、臨床決定支援、病態見張りおよびヘルスケア管理を提供し得る。
【0073】
[0099]空気分析器402は、各投与についての日付/時間ならびに吸入流量を含む空気分析を生成し、これは、主要な個人情報を提供者に与えるだけでなく、包括的な分析のための有益なデータをも与え、これは、患者104、ならびに喘息およびCOPDなど、肺疾患にかかる人々の他のグループをサポートする。空気分析器402によって生成された空気分析は、危険なまたは厄介な健康悪化または環境状態に関して、個人ならびにユーザのグループにアラートするかまたは警告し得る。特定の患者についての空気分析は、たとえば、吸入デバイス100の使用のパターンと、患者104についての吸気流量と、使用頻度と、薬物と、投薬情報との比較を含んでいることがある。気道抵抗、吸気体積、吸気肺活量および対応する診断、ピーク吸気流量(PIF)、ならびに50%における最大吸気流量(50%におけるMIF)など、他の診断インジケータが、データベース406に記録および記憶され得る。
【0074】
[00100]空気分析器402は、吸入デバイス100の使用の変化または患者104につ
いての肺機能の変化がいつあるかを確定するために、前の記憶されたデータと肺健康管理データとの比較を通して空気分析を生成し得、さらに、COPDの急激な悪化を予測し得る。一般的使用パターン、吸気体積および生体サイクル状態、各使用の日付/時間および局所的なロケーション、疾患タイプおよび重大度、年齢、(1つまたは複数の)薬剤タイプ、および一般化された患者の履歴などの一般的ユーザ分類データを決定するために、複数の患者からの肺健康管理情報が空気分析器402によって匿名化され得る。吸入デバイス100の各々についての動作パラメータがさらに、トラブルシューティング、改善などのために空気分析生成において使用するために、空気分析器402によってキャプチャされ、処理され得る。
【0075】
[00101]空気分析は、同様の状態をもつ患者に対する最も大きい脅威を生じる局所的な
ロケーションと1日のうちの時間とを予測および決定するために使用され得る。たとえば、場合によっては、花粉または他のアレルゲンなど、識別されない環境状態により、特定のエリアにおける喘息にかかる人々について減少した吸気肺活量または吸入デバイス100の増加した使用が報告される場合、警告が、ユーザデバイス204および/または吸入デバイス100を介して喘息または他の肺状態をもつそのエリアにいる他の人々に、その人々が屋内にとどまるべきであると提案するための警告として通信され得る。そのようなシステムは、政府またはサードパーティによる局所的またはローカル環境の監視をも考慮に入れ、組み込み得る。
【0076】
[00102]図5を参照すると、例示的な空気分析ユーザインターフェース500が示され
ている。空気分析ユーザインターフェース500は、空気分析器402によって生成され、限定はしないが、空気品質502と、疾患情報504と、ヘルスケア情報506と、デバイス情報508と、アラート/傾向510と、他の分析512とを含む空気分析を表示する。ナビゲーションタブ502~512は、例にすぎず、限定するものではない。
【0077】
[00103]空気品質502は、肺健康管理情報と、(1つまたは複数の)地理的ロケーシ
ョンの周囲大気中に配備された1つまたは複数の環境センサーを使用してキャプチャされた環境データとに基づく、(1つまたは複数の)特定の地理的ロケーションについての空気分析を含み得る。空気品質502は、北京、中国など、(1つまたは複数の)地理的ロケーションについての空気品質監視と大気汚染とを与える空気品質インターフェース51
4を含み得る。空気品質インターフェース514は、呼吸器疾患に対する様々な大気汚染状態および汚染物質の相関関係および影響を含み得る。呼吸器の問題の発現を監視または予測するためにあるいは屋内にとどまるように提案するための警告を生成するために、環境センサーによってキャプチャされる入力として、温度、露、気圧、湿度および風速などの気象状態に加えて、たとえば、PM2.5、PM10、O、NO、SO、およびCOなどの空気品質ファクタが採用される。
【0078】
[00104]疾患情報504は、肺状態を診断するために1人または複数の患者のために相
関された、吸入デバイス100によってキャプチャされた診断インジケータを含み得る。何らかの環境または他の原因を識別するために、ならびに集団の全体的な病態を監視するために、(1つまたは複数の)特定の地理的ロケーションについて、疾病状態の出現率の概要が与えられ得る。ヘルスケア情報506は、処置、診断、病態などを追跡するために個々の患者または患者のグループによって使用され得る。デバイス情報508は、トラブルシューティング、改善、品質管理などのための吸入デバイス100の動作に関する情報を含み得る。様々なタブ502~508および512に対応する様々なアラートおよび/または傾向が、1人または複数の患者、グループ、および/または吸入デバイス100の管理のためにアラート/傾向210中に含まれ得る。
【0079】
[00105]たとえば、リアルタイム報告されたCOPDの急性悪化の発生と記録された環
境状態との相関関係が、精練された警告レベルにつながり、ならびに、患者の回復および結果に対する処方された薬物の効果および適用量レベルと組み合わせて、環境刺激物の影響の傾向およびパターンのよりよい理解を与え、潜在的発見を与え得る。空気分析の使用ならびにリアルタイム検知および報告が、改善された投薬処方計画または薬剤組合せを迅速に識別し、あるいは問題があるまたは潜在的に違法に改ざんされた、薬物のバッチを迅速に識別するための手段を与える。空気分析は、臨床意思決定および疾患見張りのための医療および薬学的調査にとって有益であり、これは、改善されたヘルスケア、救われた生命、およびより低いコストにつながり得る。
【0080】
[00106]上記で説明されたように、吸入デバイス100は、吸入器使用および吸入パラ
メータ以外の情報を収集および分配する。追加のユーザデータは、吸入空気の温度、湿度、オゾンおよび二酸化窒素レベル、患者104呼息中の様々なガスの量、ならびにさらには吸入された空気中の微粒子レベルを含み得る。空気分析器402に伝達されると、警告が、リアルタイム環境および肺健康管理情報に基づいて、個人ユーザまたはユーザグループに発行され得る。
【0081】
[00107]空気分析器402は、個々の療法の有効性をより大きいグループの結果と比較
し、最適化するための手段を与えることによって、個人化されたヘルスケアを提供する。空気分析器402は、処方された療法、空気汚染物質または他の環境状態の間の関係を発見する。この情報は、ユーザのために、ヘルスケアを改善するためにまたは切迫した悪化を予測するために使用され得る。空気分析器402からの個々の測定およびリアルタイムサポートの組合せは、コストを低減しながら、ヘルスケア送達の品質を改善し、ならびにより良いインフォームドヘルスケア決定を行うための洞察を与える。
【0082】
[00108]個人化されたヘルスケアに適用されるような、空気分析器402によって生成
された空気分析は、異なる環境を訪れているときの患者の吸入デバイス100の使用の患者自身のパターンに基づいて、患者104に警告する。たとえば、ホルムアルデヒドまたは他の有害蒸気が敷物または建築材料によって放出される友人の自宅を時々訪れる患者は、後でその日のうちに患者の影響を示し、患者の吸入デバイス100使用および投薬パターンの変化につながることがある。空気分析器402は、パターンのこの変化を検出し、特定のロケーションにおいて時間を費やした後のより頻繁な投薬処方計画の新しい傾向の
展開を患者104に通知し、新発見の相関関係をユーザに警告する。
【0083】
[00109]空気分析器402は、呼気中の疾患バイオマーカーを検知および検出するため
に、空気分析を吸入デバイス100に適用し得る。人間の呼吸は、いくつかの揮発性有機化合物(VOC)を含んでおり、それらの正確な検出は、概して、人間または動物の身体の疾患の早期診断に関する必須の情報を与えることができる。たとえば、喘息診断について評価および検知するために一酸化窒素が使用され得、糖尿病、腎臓機能不全、口臭、および肺癌を評価するために、それぞれ、アセトン、アンモニア、HS、およびトルエンが使用され得る。
【0084】
[00110]投薬の間にまたは別の時間に行われる肺機能の相対的測定は、有益な情報をユ
ーザまたは医師に与えることができる。空気分析器402とともに、それは、ヘルスケア提供者の助けをかりて薬剤の投薬量をいつ、どのように投与すべきかをユーザに教示するために使用され得る。いつ行動を起こすべきかをユーザに教示し、相対的肺機能情報をユーザに与えるために、肺機能測定が使用され得る。この教育は空気分析器402を介して行われ得、空気分析器402は、肺機能が様々な状況で衰えた程度をユーザに示す。
【0085】
[00111]気道閉塞性疾患のための1つの有用な診断インジケータは、FEV1と呼ばれ
、それは1秒における努力呼気の空気の体積である。理想的には、肺機能測定は、それが呼吸に対するユーザ筋肉努力に依存しないように行われるであろうが、現在の医療診断機器は、呼吸に対する気道および肺胞の制限を評価するために、ユーザを囲む圧力を変動させるユーザを囲むチャンバの使用によって、呼吸に対する筋肉努力の変動要因を除去する。一般に、FEV1は、完全吸気(full inspiration)に後続する努力呼気(forced expiration)によって1秒において吐き出された空気の体積として表される。この数は、肺活量のパーセンテージとして表される。
【0086】
[00112]複数の日にわたって1日に複数回測定されたFEV1値の利用可能性は、空気
分析にとって有益な診断インジケータを医師に与えることができる。(肺線維症などの)拘束性肺疾患では、肺活量は正常レベル以下に低減されるが、呼息の割合は正常である。(喘息、気腫、気管支炎などの)閉塞性肺疾患では、肺組織は損傷を与えられず、それのコンプライアンスは変化していないので、肺活量は正常である。喘息では、小気道(細気管支)が収縮し、空気流に対する抵抗を増加させる。肺活量は正常であるが、増加した気道抵抗は、呼気をより困難にし、より長い時間を必要とする。閉塞性障害は、FEV1およびFEV25~75などの努力呼気の割合を測定する試験によって診断され、これらの値における著しい減少が、閉塞性肺疾患を示唆する。
【0087】
[00113]空気分析器402によって与えられる肺診断システムは、吸入デバイス100
を用いて、投与のタイミングを吸入の間の最適な期間に合わせるために使用される同じセンサーを用いてユーザによっていくつかの呼吸にわたって流量を測定することによって達成され得る。診断インジケータは、患者104の医師の監視の下で実施されたベンチマークパターンまたは数に対する各試験の比較によって導出され得る。比較は、吸入サイクルの一部分か、あるいはただ各吸入または呼息におけるピーク測定流量を用いて実施され得る。
【0088】
[00114]FV1を測定するために、ユーザは最初に、完全吸入後のいくつかの努力呼気
を行うように要請され、吸入デバイス100は流量を測定および記録する。次いで、吐出し全体ならびに1秒間隔にわたる流量を統合することによって、FEV1が計算される。これらの結果は、記憶され、後でまたは直ちに、空気分析器402に通信される。計算されたFEV1が、あらかじめ設定された限度を下回る場合、デバイスは、気道閉塞があらかじめ設定された値よりも大きいことをフィードバックする。あらかじめ設定された値は
、医療専門家によって決定され、空気分析器402を介して与えられ得る。
【0089】
[00115]上記に記載された診断インジケータは、すべての可能な診断の完全なリストで
あるとは限らない。たとえば、肺胞制限は、吸入流量と呼息流量とにおける相対的差から推論され、呼息割合に対する吸入割合の減少は、肺胞を拡大する際のより多くの制限を推定し得る。1つまたは複数の呼吸サイクルの吸入全体および/または呼息部分にわたる流量の統合が、吸入された空気の総量を推定する。FEV1のように、そのような値は、1日に複数回測定および記録され得る。
【0090】
[00116]ピーク流量および1秒流量に加えて、吸入デバイス100は、気道抵抗、さら
に肺コンプライアンスを査定するより高性能の方法を行うことができる。たとえば、気道抵抗の影響は、F=(P1-P2)/Rの式によって、空気分析器402を用いてモデル化され、ここで、空気流F(しばしばdV/dtと呼ばれる)は、口腔内の圧力P1-肺胞圧力P2を、エアウェーブの抵抗Rで除算したものに等しい。P2は、肺の肺胞袋内の圧力であるので、これを直接測定することは困難である。しかしながら、比較的一定の肺胞圧力についてP1(口腔内の圧力)の2つの異なる値における流量を測定することによって、気道抵抗Rが次のように計算され得る。
【0091】
口腔圧力P1aについて 流量Fa=(P2-P1)/R
口腔圧力P1bについて 流量Fb=(P2-P1b)/R
[00117]これらの条件における流量および圧力は、気道抵抗についての値を下記によっ
て直接計算するために使用され得る。
【0092】
R=(P1b-P1a)/(Fa-Fb)
[00118]これは、気道抵抗と肺胞圧力の両方が、呼吸サイクルの間の肺および気道ジオ
メトリの変化とともに著しく変化するので、2つの口腔圧力間の比較的迅速な遷移を仮定することに留意されたい。圧力の迅速な遷移によって、2つの圧力の間のほぼ一定の肺胞圧力の仮定は、真である。空気および流れ抵抗のコンプライアンスは、ローパスフィルタが高周波信号を最小化するほど、変動を効果的に除去するので、圧力がどれくらい迅速に変動させられ得るかには限界がある。
【0093】
[00119]吸入デバイス100は、シリンダーおよびピストンのような迅速に変化する圧
力源、さらにはロングスローオーディオスピーカーなど、様々な手段によって、上記の式によって必要とされる2つの異なる口腔圧力を生成し得る。これらのやり方および手段の両方が、著しい体積、重量、および電力を必要とする。同様に、ダイレクトまたは遠心ファンが使用され得る。しかしながら、これらのデバイス内に生成される慣性力が、単一の呼吸にわたって生じる圧力の迅速な変化を測定することを困難にすることがある。
【0094】
[00120]一実装形態では、空気分析器402は、呼吸サイクルの間に生じる小さい、迅
速な圧力変化を達成するために、口腔と大気との間に可変抵抗バルブを使用する。非限定的な例として、大気から吸入器への空気流経路の部分を開閉するために、フラッパバルブが使用され得る。このバルブは、ディスクの半分が開き、半分がほぼ遮断されている回転するディスクからなり得、したがって、ディスクが回るとき、それは吸入器への空気入口ポートを完全に開くかまたは部分的に閉じる。そのようなディスクは、小さい、比較的低電力の60~600rpmミニチュアギアモーターを用いて1~10Hzで容易に回転され得る。ディスクが、開位置Cにあり、流れ抵抗Rcであるとき、口腔への流量は、Fc=Pc/Rcである。
【0095】
[00121]ここで、Pcは、大気に対して測定された口腔内の圧力である。ディスクが、
制限された流れ状態Dにあるとき、口腔への流量は、Fd=Pd/Rdである。これらの
2つの流れ状態および圧力状態を上式において置換することは、気道抵抗、
R=(P1c-P1d)/(P1c/Rc-P1d/Rd)を生じる。
【0096】
[00122]状態CからDへの吸入器流れ制限が、K=Rd/Rcのファクタによって増加
される場合、気道抵抗についての式は簡約して、
R=(P1c-P1d)/(P1c/Rc-P1d/KRc) またはR=(1/Rc)*(P1c-P1d)/(P1c-P1d/K)になる。
【0097】
[00123]したがって、吸入デバイス100における流れ抵抗を迅速に変化させることに
よって、気道流れ抵抗は、空気分析器402によって直接推定され得る。
[00124]空気分析器402は、肺コンプライアンスに関する追加の空気分析を生成し得
、異なるサイクル時間を用いた上記の2圧力試験を行うことによって、気道抵抗の位置が評価され得る。この場合、2つの異なる圧力間でサイクルする代わりに、吸入デバイス100における流れ抵抗は、線形信号処理の仮定に近似するように正弦曲線として変動させられる。
【0098】
[00125]患者が著しい気道抵抗を有し、吸入デバイスからの余分の空気流抵抗に耐える
ことができない場合、可変抵抗バルブの大気側において追加の圧力を作成するために、小型ファンが使用され得る。ファンを積み重ねることによって、追加の圧力が生成され得るので、総圧力は各ファンにおける圧力利得の和である。
【0099】
[00126]空気分析器402は、患者104の現在の気道抵抗をデバイス吸入100によ
って生成された前のデータと比較することによって、患者診断におけるための気道抵抗を測定する。比較データは、制限された気道を改善するために吸入された薬剤液滴の有効性を評価するためにも使用され得る。吸入デバイスおよび/または空気分析器402は、変動する圧力源または流量制限をさらに追跡し得、様々な薬剤の投与の前および後に内圧を監視する。
【0100】
[00127]データを記憶し、処理し、通信するための吸入デバイス100および/または
ユーザデバイス204の能力のために、吸入デバイス100は、診断またはユーザへの警告に関係する追加のセンサーを含んでいることがある。たとえば、気道状態および流れ抵抗についての追加の診断を与えるために、およびユーザとユーザの医師の両方が、患者104が喘息状況にどのように反応しているのかを理解するのを助けるために、N02センサーがデバイスに追加され得る。
【0101】
[00128]図6は、1人または複数の患者のための肺健康管理のための例示的な動作60
0を示す。一実装形態では、動作602は、ネットワークを介して1つまたは複数の吸入デバイスから肺健康データを受信する。動作604は、少なくとも1つの管理パラメータを使用して肺健康データを環境データと相関させる。動作606は、相関されたデータから空気分析を生成し、動作608は、空気フィルタ処理分析を出力する。
【0102】
[00129]図7を参照すると、本開示の技術の様々な動作を実施するために配置された動
作ユニット702~710を含む電子デバイス700が、示されている。デバイス700の動作ユニット702~710は、本開示の原理を実行するためにハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアとの組合せによって実装される。図7で説明される動作ユニット702~710は、本開示の原理を実装するために組み合わせられまたはサブブロックに分離され得ることを、当業者によって理解されよう。したがって、本明細書の説明は、動作ユニット702~710の可能な組合せまたは分離またはさらなる定義をサポートする。
【0103】
[00130]一実装形態では、電子デバイス1700は、グラフィカルユーザインターフェ
ースなど、情報を表示するためのディスプレイユニット702と、ディスプレイユニット1702と通信している処理ユニット704と、空気分析器402、吸入デバイス100など、1つまたは複数の入力デバイスまたはシステムからデータを受信するための入力ユニット706とを含む。本明細書で説明される様々な動作は、ディスプレイユニット702を使用する表示のための情報を出力するために、入力ユニット706によって受信されたデータを使用する処理ユニット704によって実装され得る。
【0104】
[00131]さらに、一実装形態では、電子デバイス700は、相関ユニット708と、空
気分析生成ユニット710とを含む。相関ユニット708は、肺健康情報を環境情報と相関させ、空気分析生成ユニット710は、相関された情報を使用して空気分析を生成する。
【0105】
[00132]別の実装形態では、電子デバイス700は、図6に関して説明された動作を実
装するユニットを含む。たとえば、動作602は、入力ユニット706によって実装され得、動作604は相関ユニット1108によって実装される得、動作606は空気分析生成ユニット710によって実装され得、動作608は出力ユニット702によって実装され得る。
【0106】
[00133]図8を参照すると、本明細書で説明される様々なシステムおよび方法を実装し
得る1つまたは複数のコンピューティングユニットを有する、例示的なコンピューティングシステム800の詳細な説明が与えられる。コンピューティングシステム800は、空気分析器402、コントローラ222、サーバ408、吸入デバイス100、および他のコンピューティングまたはネットワークデバイスに適用可能であり得る。これらのデバイスの特定の実装形態は、それらのすべてが本明細書で詳細に説明されるとは限らないが、当業者によって理解されるであろう、異なる可能な特定の計算アーキテクチャのものであり得ることが諒解されよう。
【0107】
[00134]コンピュータシステム800は、コンピュータプロセスを実行するためのコン
ピュータプログラム製品を実行することが可能なコンピューティングシステムであり得る。データおよびプログラムファイルがコンピュータシステム800に入力され得、コンピュータシステム800は、ファイルを読み取り、その中のプログラムを実行する。1つまたは複数のハードウェアプロセッサ802、1つまたは複数のデータストレージデバイス804、1つまたは複数のメモリデバイス808、および/または1つまたは複数のポート1808~1810を含む、コンピュータシステム800の要素のうちのいくつかが、図8に示されている。さらに、当業者によって認識されるであろう他の要素が、コンピューティングシステム800中に含まれ得るが、図8に明示的に示されていないかまたは本明細書でさらには説明されない。コンピュータシステム800の様々な要素は、1つまたは複数の通信バス、ポイントツーポイント通信経路、または図8に明示的に示されていない他の通信手段を介して互いに通信し得る。
【0108】
[00135]プロセッサ802は、たとえば、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロ
セッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または1つまたは複数の内部レベルのキャッシュを含み得る。1つまたは複数のプロセッサ802があり得、したがって、プロセッサ1202は、単一の中央処理ユニット、または、一般に並列処理環境と呼ばれる、互いに並列に命令を実行することおよび動作を実施することが可能な複数の処理ユニットを備える。
【0109】
[00136]コンピュータシステム800は、従来のコンピュータ、分散コンピュータ、ま
たは、クラウドコンピューティングアーキテクチャを介して利用可能にされる1つまたは
複数の外部コンピュータなど、他のタイプのコンピュータであり得る。ここで説明されている技術は、随意に、(1つまたは複数の)データストレージデバイス804上に記憶された、(1つまたは複数の)メモリデバイス806上に記憶された、および/またはポート808~810のうちの1つまたは複数を介して通信された、ソフトウェアにおいて実装され、それにより、図8のコンピュータシステム1200を、本明細書で説明される動作を実装するための専用機械に変える。コンピュータシステム800の例としては、パーソナルコンピュータ、端末、ワークステーション、モバイルフォン、タブレット、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、マルチメディアコンソール、ゲーミングコンソール、セットトップボックスなどがある。
【0110】
[00137]1つまたは複数のデータストレージデバイス804は、アプリケーションプロ
グラムとコンピューティングシステム800の様々な構成要素を管理するオペレーティングシステム(OS)との両方の命令を含み得る、コンピュータプロセスを実施するためのコンピュータ実行可能命令など、コンピューティングシステム800内で生成または採用されるデータを記憶することが可能な、任意の不揮発性データストレージデバイスを含み得る。データストレージデバイス804は、限定はしないが、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュドライブなどを含み得る。データストレージデバイス1804は、リムーバブルデータストレージ媒体、非リムーバブルデータストレージ媒体、ならびに/あるいは、1つまたは複数のデータベース管理製品、ウェブサーバ製品、アプリケーションサーバ製品、および/または他の追加のソフトウェア構成要素を含む、そのようなコンピュータプログラム製品とともにワイヤードまたはワイヤレスネットワークアーキテクチャを介して利用可能にされる、外部記憶デバイスを含み得る。リムーバブルデータストレージ媒体の例としては、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク読取り専用メモリ(DVD-ROM)、光磁気ディスク、フラッシュドライブなどがある。非リムーバブルデータストレージ媒体の例としては、内蔵磁気ハードディスク、SSDなどがある。1つまたは複数のメモリデバイス1206は、揮発性メモリ(たとえば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)および/または不揮発性メモリ(たとえば、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリなど)を含み得る。
【0111】
[00138]ここで説明されている技術によるシステムおよび方法を実現するための機構を
含んでいるコンピュータプログラム製品は、機械可読媒体と呼ばれることがある、データストレージデバイス804および/またはメモリデバイス806に常駐し得る。機械可読媒体が、機械による実行のための本開示の動作のうちの任意の1つまたは複数を実施するようにとの命令を記憶または符号化することが可能であるか、あるいはそのような命令によって利用されるまたはそれらに関連付けられたデータ構造および/またはモジュールを記憶または符号化することが可能である、任意の有形非一時的媒体を含み得ることを諒解されよう。機械可読媒体は、1つまたは複数の実行可能な命令またはデータ構造を記憶する単一の媒体または複数の媒体(たとえば、集中型または分散型データベース、ならびに/あるいは関連するキャッシュおよびサーバ)を含み得る。
【0112】
[00139]いくつかの実装形態では、コンピュータシステム800は、他のコンピューテ
ィング、ネットワークまたはビークルデバイスと通信するために、入出力(I/O)ポート1808および通信ポート810など、1つまたは複数のポートを含む。ポート808~810が組み合わせられるかまたは別個であり得ることと、より多いまたはより少ないポートがコンピュータシステム1200中に含まれ得ることとを諒解されよう。
【0113】
[00140]I/Oポート808は、I/Oデバイス、あるいは情報がそれによってコンピ
ューティングシステム800に入力されるかまたはそれから出力される他のデバイスに接
続され得る。そのようなI/Oデバイスは、限定はしないが、1つまたは複数の入力デバイス、出力デバイス、および/または環境トランスデューサデバイスを含み得る。
【0114】
[00141]一実装形態では、入力デバイスは、人間の音声、物理的移動、物理的タッチま
たは圧力など、人間が生成した信号を、I/Oポート808を介したコンピューティングシステム800への入力データとして電気信号に変換する。同様に、出力デバイスは、I/Oポート808を介してコンピューティングシステム800から受信された電気信号を、音、光、および/またはタッチなど、人間によって出力として感知され得る信号に変換し得る。入力デバイスは、情報および/またはコマンド選択をI/Oポート808を介してプロセッサ802に通信するための英数字および他のキーを含む、英数字入力デバイスであり得る。入力デバイスは、限定はしないが、マウス、トラックボール、カーソル方向キー、ジョイスティック、および/またはホイールなど、方向および選択制御デバイス、カメラ、マイクロフォン、位置センサー、配向センサー、重力センサー、慣性センサー、および/または加速度計など、1つまたは複数のセンサー、ならびに/あるいはタッチセンシティブディスプレイスクリーン(「タッチスクリーン」)を含む、別のタイプのユーザ入力デバイスであり得る。出力デバイスは、限定はしないが、ディスプレイ、タッチスクリーン、スピーカー、触覚および/またはハプティック出力デバイスなどを含み得る。いくつかの実装形態では、入力デバイスおよび出力デバイスは、たとえば、タッチスクリーンの場合、同じデバイスであり得る。
【0115】
[00142]環境トランスデューサデバイスは、I/Oポート808を介したコンピューテ
ィングシステム800への入力またはそれからの出力のために、ある形式のエネルギーまたは信号を別のものに変換する。たとえば、コンピューティングシステム800内に生成された電気信号が、別のタイプの信号に変換され、および/またはその逆もあり得る。一実装形態では、環境トランスデューサデバイスは、光、音、温度、圧力、磁場、電場、化学的性質、物理的移動、配向、加速度、重力など、コンピューティングデバイス800に対してローカルであるかまたはそれからリモートにある環境の特性または態様を検知する。さらに、環境トランスデューサデバイスは、何らかの物体の物理的移動(たとえば、機械的アクチュエータ)、物質の加熱または冷却、化学物質を追加することなど、例示的なコンピューティングデバイス800に対してローカルであるかまたはそれからリモートにあるかのいずれかである環境に対する何らかの影響を強いるための信号を生成し得る。
【0116】
[00143]一実装形態では、通信ポート810がネットワークに接続され、コンピュータ
システム1800は、そのネットワークを介して、本明細書で提示される方法およびシステムを実行する際に、ならびにそれにより決定された情報およびネットワーク構成変更を送信する際に有用なネットワークデータを受信し得る。言い方を変えれば、通信ポート810は、コンピュータシステム800を、1つまたは複数のワイヤードまたはワイヤレス通信ネットワークまたは接続を介してコンピューティングシステム800と他のデバイスとの間で情報を送信および/または受信するように構成された1つまたは複数の通信インターフェースデバイスに接続する。そのようなネットワークまたは接続の例としては、限定はしないが、ユニバーサルシリアルバス(USB)、イーサネット (登録商標)、W
i-Fi、Bluetooth(登録商標)、ニアフィールド通信(NFC)、ロングタームエボリューション(LTE)などがある。1つまたは複数のそのような通信インターフェースデバイスは、直接、ポイントツーポイント通信経路を介して、ワイドエリアネットワーク(WAN)(たとえば、インターネット)を介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して、セルラー(たとえば、第3世代(3G)または第4世代(4G))ネットワークを介して、あるいは別の通信手段を介してのいずれかで、1つまたは複数の他の機械を通信するために、通信ポート1210を介して利用され得る。さらに、通信ポート810は、電磁信号送信および/または受信のためのアンテナまたは他のリンクと通信し得る。
【0117】
[00144]例示的な一実装形態では、肺健康管理データ、空気分析、ならびにソフトウェ
アおよび他のモジュールおよびサービスが、データストレージデバイス804および/またはメモリデバイス806上に記憶された命令によって具現され、プロセッサ802によって実行され得る。コンピュータシステム800は、吸入デバイス100と一体化されるか、またはさもなければ吸入デバイス100の一部を形成し得る。
【0118】
[00145]図8に記載されているシステムは、本開示の態様に従って採用するかまたは構
成され得るコンピュータシステムの可能な一例にすぎない。本開示の技術をコンピューティングシステム上に実装するために、コンピュータ実行可能命令を記憶する他の非一時的有形コンピュータ可読ストレージ媒体が利用され得ることを諒解されよう。
【0119】
[00146]図9A図16Kは、吸入デバイス100の様々な態様の特定の例を与える。
これらの態様の説明は、例にすぎず、限定するものではない。
[00147]図9A図9Cを参照すると、一実装形態では、吸入デバイス100は、ハン
ドル900と、マウスピース904を囲むハウジング902と、使い捨てまたは再利用可能カートリッジ908を受けるためのカートリッジマウント906と、層流要素910と、マウスピース904によって画定される開口912とを含む。
【0120】
[00148]図10および図11は、それぞれ、図9A図9Cに示された吸入デバイス1
00の断面図および分解図を示す。一実装形態では、吸入デバイス100は、圧力センサーアセンブリ914と、圧力センサーエレクトロニクスボード916と、超疎水性バルブ918と、圧電アクチュエータ920と、開口プレート922と、光源エレクトロニクスボード924と、1つまたは複数の光源926(たとえば、LED)と、マウスピース904と通信しているエアロゾル管928と、電源930と、電源接点932と、圧力センサーOリング934と、電源マウント936と、リムーバブルハンドルカバー938と、コントローラ940と、手動投与ボタン942と、スピーカー946と、オーディオチップ948と、ユーザデバイスリンク950とを含む。これらの構成要素は、本明細書で説明された動作のうちの1つまたは複数を実施するために使用され得る。
【0121】
[00149]図12A図12Cに示されているように、カートリッジ908は、ガイド9
54とカートリッジタグ952とを含み得る。カートリッジ908のエジェクタアセンブリは、表面張力プレート956と、アクチュエータ920と、エジェクタOリング960と、液滴形成用開口958を有し得る開口プレート922とを含み得る。図13に示されているように、液滴形成用開口958は、肺気道の特定の領域を標的にするために異なる液滴サイズを生成するために複数のサイズ(たとえば、962および964)であり得る。
【0122】
[00150]図14A図15Cは、圧力センサーアセンブリ914の様々な構成を示す。
図14Aに示されている一実装形態では、圧力センサーアセンブリ914は、エアロゾル管928の内部の空気流量制限にわたる圧力差を検出することによって空気流を検知するために、第1の圧力センサー1000と第2の圧力センサー1002とを含む。図14Bは、1つの圧力センサー1002をもつ圧力センサーアセンブリ914を示し、ここで、制限は層流スクリーン910であり、圧力は、管928の内部と管928の外側の圧力との間の差として検知される。第1の圧力センサー1000および第2の圧力センサー1002は、空気流が入口1004から出力1006まで移動するとき、エアロゾル管928の内部エリアと外部エリアとの間の圧力差を検出することによる、噴霧検証のために使用され得る。圧力センサーアセンブリ914は、吸入サイクルの間のピーク期間の間に噴霧をアクティブにするためのトリガポイントを識別するために、患者104についての呼吸サイクルをさらに協調させ得る。
【0123】
[00151]図14Aは、管928の内側の圧力を検知する1つの圧力センサー1000と
、管の外側の大気圧を検知する第2のセンサー1002とを有する、圧力センサーアセンブリ914を示す。この構成は、極めて低い空気流内部抵抗を可能にする。液滴送達デバイスについての極めて低い内部抵抗は、大きい利益を有する。デバイス100は、エアロゾルの形態で薬物を噴霧および送達するために呼吸作動され、空気流に対する極めて低い内部抵抗は、深い吸入のための機会を患者に与え、したがって、エアロゾル粒子が肺気道中に深く達するのを可能にする。エアロゾル投薬量を送達するための呼吸作動型トリガリング機構はさらに、薬物の最適な送達のための保証を与える。
【0124】
[00152]図15A図15Cは、センサーエレクトロニクス916および、プリント回
路板(PCB)1102と、圧力センサーコントローラ1104と、センサーダイ1108と、グロブトップ(glob-top)1106と、ホール110とを有する、圧力センサーアセンブリ914のデルタPセンサーアセンブリ1100の例を示す。アセンブリ1100は、マザーボード1112と、Oリング1114とをさらに含み得る。この例は、1ポート設計およびデバイスボードへのそれのアセンブリ(15A)と、(図15B)または(図15C)における方式に示されているように、PCB中のホールを通した空気接続を有し、メインPCBまたはドーターボード上に取り付けられたセンサーとを含む。
【0125】
[00153]デルタPセンサー仕様は、限定はしないが、例として以下の通りであり得る。
圧力範囲; +/-500Pa範囲;周囲に対するデルタP測定値
絶対精度; 3%またはより良好
再現性; 3%またはより良好
FS分解能; 1%またはより良好
デジタルまたはアナログ出力; デジタルが選好される;ICまたはSPI
電源電圧; 3VDC+/-5%
オフセット、自動ゼロ化; オンになった後;
保管温度: -20~+60C;
動作温度: 10~45C;
[00154]センサーアセンブリ914は、低差動圧力における感度、オフセットドリフト
、およびヒステリシスに関して、従来の圧電抵抗膜センサーよりも優れ得る。これらの性能パラメータは、低い圧力における増加した分解能およびより正確な測定値を可能にする。これらの性能パラメータは、低い肺出力をもつ子供および高齢患者にとって特に重要である。
【0126】
[00155]一実装形態では、圧力センサーによって生成された信号は、本明細書で説明さ
れたように、患者104の吸入(吸気)サイクルのピーク期間においてまたはそれの間に、噴霧のアクティブ化のためのトリガを与え、エアロゾル噴霧の最適な沈着および薬物の肺気道への送達を保証する。
【0127】
[00156]さらに、放出されたエアロゾルプルームを検出および測定するために、限定は
しないが、カメラ、スキャナ、または他のセンサーを含む画像キャプチャデバイス、たとえば、電荷結合デバイス(CCD)が与えられ得る。これらの検出器、LED、デルタPトランスデューサ、CCDデバイスはすべて、流体の放出を監視、検知、測定および制御するために、ならびに患者コンプライアンス、処置時間、適用量、および患者使用履歴などを報告するために、コントローラ940に制御信号を与え、制御信号はリンク950を介してユーザデバイス204に通信され得る。
【0128】
[00157]図16A図16Kを参照すると、例にすぎず、限定するものではない、様々
な例示的な回路図1200~1220が与えられる。回路図は、電源オン/オフ回路12
00と、電源コネクタ回路1202と、電圧電力調整回路1204と、コントローラ回路1206と、コントローラプログラミングコネクタ回路1208と、圧電コネクタ回路1210と、デバウンス回路をもつユーザスイッチ1212と、圧電ドライバ回路1214と、圧力センサー回路1216と、発光ダイオードインジケータ回路1218と、ブザードライバ回路1220とを含む。これらの回路に対する変形形態、および回路の追加、回路の削除、または回路に対する他の変更が企図される。
【0129】
[00158]本開示では、開示される方法は、命令のセットまたはデバイスによって読取り
可能なソフトウェアとして実装され得る。さらに、開示された方法におけるステップの特定の順序または階層は例示的な手法の事例であることを理解されたい。設計上の選好に基づいて、方法におけるステップの特定の順序または階層は開示された主題内のまま再構成され得ることを理解されたい。添付の方法クレームは、様々なステップの要素を例示的な順序で提示したものであり、提示された特定の順序または階層に必ずしも限定されるとは限らない。
【0130】
[00159]説明された開示は、本開示に従ってプロセスを実施するようにコンピュータシ
ステム(または他の電子デバイス)をプログラムするために使用され得る命令を記憶した非一時的機械可読媒体を含み得る、コンピュータプログラム製品またはソフトウェアとして与えられ得る。機械可読媒体は、機械(たとえば、コンピュータ)によって読取り可能な形態(たとえば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶するための任意の機構を含む。機械可読記憶媒体は、限定はしないが、磁気ストレージ媒体、光ストレージ媒体、光磁気ストレージ媒体、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブルメモリ(たとえば、EPROMおよびEEPROM)、フラッシュメモリ、または電子命令を記憶するのに好適な他のタイプの媒体を含み得る。
【0131】
[00160]本開示は、様々な実装形態を参照して説明されたが、これらの実装形態は例示
的なものであり、本開示の範囲がそれらに限定されないことが理解されよう。多くの変形、修正、追加、および改善が可能である。より一般的には、本開示による実施形態は、特定の実装形態のコンテキストにおいて説明された。機能は、本開示の様々な実施形態で別様にブロックに分離されまたは組み合わせられ、あるいは異なる用語を用いて説明され得る。これらおよび他の変形、変更、追加、および改善は、以下の特許請求の範囲によって定義された本開示の範囲内に入り得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図16H
図16I
図16J
図16K
【手続補正書】
【提出日】2023-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の肺健康を監視するためのシステムであって、前記システムが、
1つ又は複数の電子吸入(electronic inhalation)デバイスであって、前記電子吸入デバイスの各々が、圧電アクチュエータに結合された開口プレートを含み、前記電子吸入デバイスの各々が、肺健康管理データのキャプチャを調整し、前記電子吸入デバイスの各々が、
前記患者による吸入の間に実現されたピーク吸気(inspiratory)フローを測定してメモリに記憶することであって、前記ピーク吸気フローの測定が、前記吸入の間の空気流の最小圧力に基づいて生成されることと、
前記患者に対する肺出力を測定してメモリに記憶することであって、前記肺出力が、呼息の間に実現された最大フローを測定することによって決定されることと、
投薬量の検証のために前記開口プレートの発振周波数を監視することと、
前記圧電アクチュエータが発振している間の前記電子吸入デバイスの地理的ロケーション、前記圧電アクチュエータが発振している間の1日のうちの時刻、及び、前記圧電アクチュエータが発振している間の全ての(any)投与された薬物及び適用量、を検出して、メモリに記憶することと、
を行うように構成される電子吸入デバイスと、
通信可能に、前記電子吸入デバイスに結合され、少なくとも1つの計算ユニットを備える、空気分析器であって、前記少なくとも1つの計算ユニットが、
前記電子吸入デバイスから受信された、前記ピーク吸気フローの測定、及び、前記肺出力に、少なくとも部分的に基づいて、前記患者に対する肺健康プロファイルを生成し、
前記肺健康プロファイルが、いずれかの、検出された地理的ロケーション、及び、1日のうちの時刻が、非所望の肺健康結果を予測することを示すか否かを決定し、もし、そのような決定が為された場合に警告を生成する、
ように構成され、
前記肺健康プロファイルが、前記電子吸入デバイスが、薬物の投与のために、前記患者によって使用される際の、前記患者の吸気フローレート、前記患者による前記電子吸入デバイスの使用頻度、前記電子吸入デバイスによって前記患者に投与された薬物、前記患者による前記電子吸入デバイスの使用に関連する投薬情報、患者の気道抵抗、患者の吸気体積、患者の吸気肺活量、患者のピーク吸気流量、および、50%における患者の最大吸気流量、のうちの1つまたは複数を含む患者データを含む、
空気分析器と、
通信可能に、前記空気分析器に結合され、ディスプレイを備える、ユーザデバイスであって、前記ディスプレイが、前記空気分析器から受信された、前記肺健康プロファイルの出力、及び、前記空気分析器から受信された、非所望の肺健康状態の結果の地理的ロケーション又は1日のうちの時刻の決定についての警告、を表示するように構成される、ユーザデバイスと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記電子吸入デバイスの各々が、呼息空気フローにおける患者の健康(patient health)のバイオマーカの濃度値測定するための1つ又は複数のセンサを更に備え、
前記空気分析器の前記少なくとも1つの計算ユニットが、更に、前記呼息空気フローにおける対象者の健康(subject health)の前記バイオマーカの濃度値に基づいて前記肺健康プロファイルを生成するように構成され、
患者の健康の前記バイオマーカが、一酸化窒素、アセトン、アンモニア、HS,又は、トルエン、から選択される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記空気分析器の前記少なくとも1つの計算ユニットが、更に、前記患者の前記肺健康プロファイルにおける前経時的な変化を追跡するように構成される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記肺健康プロファイルが、前記計算ユニットによる前記患者データの分析に基づく肺状態の診断、および、前記計算ユニットによる前記患者データの分析に基づく肺状態に対する治療の追跡、の少なくとも1つを含む、請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記電子吸入デバイスの各々が、更に、1つ又は複数の地理的ロケーションからの、1つ又は複数の環境状態に関連する環境データを測定するように構成された1つ又は複数の環境センサを備え、前記1つ又は複数の地理的ロケーションの中に、前記吸入デバイスが、配置され、
前記空気分析器の前記少なくとも1つの計算ユニットが、更に、前記肺健康プロファイルを、前記環境データと対応付けるように構成される、
請求項1から4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
電子吸入デバイスの各々が、前記患者によって使用中の吸入管の中の空気流の中に配置される第1のセンサ、および、前記患者によって使用中の前記電子吸入デバイスの外に配置された第2のセンサ、を更に含み、
前記患者による使用中に、前記第1のセンサが、内圧を測定し、前記第2のセンサが、外圧を測定し、
前記空気フローレートが、前記内圧と前記外圧の間の圧力差から測定される、
請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記空気フローレートが、前記吸入管内の前記空気フローと、周囲の空気(surrounding atmosphere)の間の圧力低下に基づいて測定される、請求項6に記載のシステム。
【外国語明細書】