(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093648
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】タンパク質を発現するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
C12N 9/02 20060101AFI20230627BHJP
C12N 9/10 20060101ALI20230627BHJP
C12N 9/16 20060101ALI20230627BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
C12N9/02
C12N9/10
C12N9/16
C12N5/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070044
(22)【出願日】2023-04-21
(62)【分割の表示】P 2021210392の分割
【原出願日】2016-11-22
(31)【優先権主張番号】62/259,788
(32)【優先日】2015-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522416077
【氏名又は名称】ディスカバリー ライフ サイエンシズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Discovery Life Sciences, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(72)【発明者】
【氏名】ナー リー
(72)【発明者】
【氏名】ジエ ワン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組み換えタンパク質を発現する宿主細胞を作出するための改善された方法を提供する。
【解決手段】目的のタンパク質を含む細胞画分を生成する方法であって、
a)哺乳動物細胞を、特定の酵素及びそれらの相同体からなる群より選択される薬物代謝酵素をコードする核酸と接触させるステップ;
b)前記核酸が前記哺乳動物細胞内に入るように、前記哺乳動物細胞をエレクトロポレーションするステップ;
c)前記細胞を培養するステップであって、酪酸ナトリウムを添加することを含むステップ;及び
d)前記薬物代謝酵素を含む細胞画分を単離するステップであって、それにより前記目的のタンパク質を含む細胞画分を生成するステップを含み、
前記代謝酵素を発現する生成された細胞画分は、バキュロウイルス発現系細胞画分よりもタンパク質1mgあたりの活性が高い、方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的のタンパク質を含む細胞画分を生成する方法であって、
a)哺乳動物細胞を、シトクロムP450、アルデヒドオキシダーゼ(AO)、フラビンモノオキシゲナーゼ(FMO)、モノアミンオキシダーゼA及びB(MAO A及びB)、エステラーゼ、N-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)、スルホトランスフェラーゼ(SULT)、ウリジン5′-ジホスホ-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)及びそれらの相同体からなる群より選択される薬物代謝酵素をコードする核酸と接触させるステップ;
b)前記核酸が前記哺乳動物細胞内に入るように、前記哺乳動物細胞をエレクトロポレーションするステップ;
c)前記細胞を培養するステップであって、酪酸ナトリウムを添加することを含むステップ;及び
d)前記薬物代謝酵素を含む細胞画分を単離するステップであって、それにより前記目的のタンパク質を含む細胞画分を生成するステップ
を含み、
前記代謝酵素を発現する生成された細胞画分は、バキュロウイルス発現系細胞画分よりもタンパク質1mgあたりの活性が高い、方法。
【請求項2】
前記シトクロムP450が、CYP1A1、CYP1B1、CYP2A6、CYP2B6、CYP1A2、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C18、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A5、CYP3A7、CYP3A4、CYP4F2、及びCYP2J2からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エステラーゼが、カルボキシルエステラーゼ1(CES1)、カルボキシルエステラーゼ2(CES2)、パラオキソナーゼ1(PON1)、カルボキシメチレンブテノリダーゼ(CMBL)、ブチリルコリンエステラーゼ(BChE)、アリールアセトアミドデアセチラーゼ(AADAC)、及びアルカリホスファターゼ(AP)からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記UGTが、UGT1A1、UGT1A3、UGT1A4、UGT1A5、UGT1A6、UGT1A7、UGT1A8、UGT1A9、UGT1A10、UGT2A1、UGT2A2、UGT2A3、UGT2B4、UGT2B7、UGT2B10、UGT2B11、UGT2B15、UGT2B17、及びUGT2B28からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記単離するステップが前記細胞の均質化を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記薬物代謝酵素が天然形態の該薬物代謝酵素に似た翻訳後修飾を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記哺乳動物細胞が、HEK293、CHO、Hela、S2、MDCK-I、MDCK-II、LLC-PK1、Caco-2、Huh7、又はV79細胞である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記細胞画分がサイトゾル画分である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記細胞画分が膜画分である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記細胞画分を試験化合物と接触させるステップをさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記試験化合物が薬物である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記薬物の修飾を評価するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法によって生成された細胞画分。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、その全体がここに参照することによって本願に援用される、2015年11月25日出願の米国仮特許出願第62/259,788号の米国法典第35編特許法119条に基づく優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、タンパク質を生成するための方法及び組成物に関する。特に、本開示は、哺乳動物細胞における組み換えタンパク質(例えば、薬物代謝酵素及び薬物輸送体ベシクル、ミクロソーム、又は細胞画分)の生成におけるエレクトロポレーションを介した遺伝子送達に関する。
【背景技術】
【0003】
組み換えタンパク質の発現は、研究、工業、及び製薬バイオ産業の多くの態様において重要である。例えば、薬物代謝酵素及び輸送体タンパク質の発現は、しばしば、創薬及び医薬品開発において重要である。これらのタンパク質の多くでは、哺乳動物細胞における発現は、正しい翻訳後修飾(例えば、グリコシル化又はシリル化)の必要性の理由から、原核細胞における発現よりも好ましい。
【0004】
組み換えタンパク質を発現する宿主細胞を生成するための幾つかの方法が知られている。最も基本的な方法では、異種タンパク質をコードする遺伝子及び適切な制御領域を含む核酸構築物が宿主細胞内に導入され、一体化される。導入の方法には、リン酸カルシウム沈殿、マイクロインジェクション、及びリポフェクションが含まれる。他の方法では、導入された核酸構築物を増幅するために、選択スキームが用いられる。これらの方法では、細胞は、増幅可能な選択マーカーをコードする遺伝子と異種タンパク質をコードする遺伝子とを同時トランスフェクトされる(例えば、非特許文献1参照)。最初の形質転換体の選択後、トランスフェクトされた遺伝子は、培地中の選択的薬剤(例えば、ジヒドロ葉酸リダクターゼ)の段階的増加によって増幅される。幾つかの事例では、外来遺伝子が、これらの手順によって数百倍に増幅されうる。哺乳動物細胞において組み換えタンパク質を発現させる他の方法は、エピソームベクター(例えば、プラスミド)を用いたトランスフェクションを利用する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Schroder and Friedl, Biotech. Bioeng. 53(6):547-59(1997)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
組み換えタンパク質の発現のための哺乳動物細胞株を作出する現行の方法には、幾つかの欠点がある。このような問題には、細胞毒性、より大きい遺伝子又は遺伝子構築物の送達不能性、発現レベルにおける顕著なバッチ間の非一貫性、不安定な発現、及び、発現されたタンパク質の不適切な局在性、翻訳後修飾、及び/又は折り畳みが含まれる。したがって、組み換えタンパク質を発現する宿主細胞を作出するための改善された方法が本技術分野において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、タンパク質を生成するための方法及び組成物に関する。特に、本開示は、哺乳動物細胞における組み換えタンパク質(例えば、薬物代謝酵素及び薬物輸送体ベシクル、ミクロソーム又は細胞画分)の生成におけるエレクトロポレーションを介した遺伝子送達に関する。
【0008】
例えば、幾つかの実施形態では、本開示は、ベシクル又はミクロソームのものを含む、膜結合タンパク質を生成する方法を提供する。幾つかの実施形態では、本方法は、a)哺乳動物細胞(例えば、HEK293、CHO、Hela、S2、MDCK-I、MDCK-II、LLC-PK1、Caco-2、Huh7、及びV79細胞)を、膜結合タンパク質(例えば、輸送体タンパク質(例えば、ABCB1、ABCB4、ABCB11、ABCC1、ABCC2、ABCC3、ABCC4、ABCC5、ABCC6、ABCG2、又はそれらの相同体)をコードする核酸と接触させるステップ;b)哺乳動物細胞を、核酸が該哺乳動物細胞内に入るようにエレクトロポレーションするステップ;及び、c)目的の膜結合タンパク質を含む細胞膜を単離するステップを含む。
【0009】
幾つかの実施形態では、哺乳動物細胞は、ヒト細胞である。幾つかの実施形態では、細胞は、非ヒト霊長類細胞、ラット細胞、マウス細胞、ハムスター細胞、イヌ細胞、又はブタ細胞である。幾つかの実施形態では、哺乳動物細胞は、ハイブリドーマである。
【0010】
幾つかの実施形態では、本方法は、エレクトロポレーションステップ後に細胞を培養するステップをさらに含む(例えば、酪酸ナトリウムの存在下)。幾つかの実施形態では、単離するステップは均質化を含む。幾つかの実施形態では、目的の膜結合タンパク質は、天然の膜結合タンパク質に似た翻訳後修飾を含む。
【0011】
幾つかの実施形態では、本方法は、膜結合タンパク質を試験化合物(例えば、薬物)と接触させるステップをさらに含む。
【0012】
さらなる実施形態は、前述の方法のいずれかによって生成された、単離されたベシクル又はミクロソームを提供する。
【0013】
幾つかの実施形態では、本開示は、目的のタンパク質を含む細胞画分(例えば、膜又はサイトゾル画分)を生成する方法を提供する。幾つかの実施形態では、目的のタンパク質は、薬物代謝酵素(DME)である。幾つかの実施形態では、DMEは、シトクロムP450(例えば、CYP1A1、CYP1B1、CYP2A6、CYP2B6、CYP1A2、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C18、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A5、CYP3A7、CYP3A4、CYP4F2、又はCYP2J2)、アルデヒドオキシダーゼ(AO)、フラビンモノオキシゲナーゼ(FMO)、モノアミンオキシダーゼA及びB(MAO A及びB)、N-アセチルトランスフェラーゼ(NAT1及びNAT2)、スルホトランスフェラーゼ(SULT1A、SULT1B、SULT1C、SULT1E、SULT2A、SULT2B、SULT4A)、エステラーゼ(例えば、カルボキシルエステラーゼ1(CES1)、カルボキシルエステラーゼ2(CES2)、パラオキソナーゼ1(PON1)、カルボキシメチレンブテノリダーゼ(CMBL)、ブチリルコリンエステラーゼ(BChE)、アリールアセトアミドデアセチラーゼ(AADAC)、又はアルカリホスファターゼ(AP))、若しくはウリジン5′-ジホスホ-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)(例えば、UGT1A1、UGT1A3、UGT1A4、UGT1A5、UGT1A6、UGT1A7、UGT1A8、UGT1A9、UGT1A10、UGT2A1、UGT2A2、UGT2A3、UGT2B4、UGT2B7、UGT2B10、UGT2B11、UGT2B15、UGT2B17、又はUGT2B28)である。
【0014】
さらなる実施形態は、a)上述した又は本明細書に記載のタンパク質を得るステップ;及び、b)該タンパク質を試験化合物と接触させるステップを含む、試験化合物をスクリーニングする方法を提供する。幾つかの実施形態では、本方法は、輸送体タンパク質による試験化合物の輸送を測定するステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、測定するステップは、輸送の動態を測定するステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、タンパク質(例えば、DME)による試験化合物の修飾を評価するステップをさらに含む。
【0015】
幾つかの実施形態では、本方法は、タンパク質を阻害剤と接触させ、阻害剤による基質の活性、輸送、又は修飾の阻害を測定するステップをさらに含む。
【0016】
さらなる実施形態が、本明細書に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】さまざまな量のヒトMDR1/P-gpDNAを使用する、付着したHEK293細胞のエレクトロポレーション後の生存細胞のパーセンテージを示すグラフ
【
図1B】エレクトロポレーション及び回収後に得られた生存細胞の総量を示すグラフ
【
図2A】EP後、T=0、24時間、及び48時間における総生存細胞数を示すグラフ
【
図3A】T=24時間及びT=48時間における、DNAの量を増加させてトランスフェクトさせた細胞の単層の顕微鏡写真
【
図3B】生存細胞のパーセンテージを記録したグラフ
【
図4】さまざまな量のDNA(100μg/ml、200μg/ml、300μg/mL、及び400μg/mlのMDR1)をトランスフェクトされ、エレクトロポレーション後に懸濁液又は付着フォーマットのいずれかで培養されたHEK293細胞から調製されたMDR1/P-gpベシクルとともに5分間インキュベーションした後のN-メチルキニジン(NMQ)取り込み活性を示すグラフ
【
図5】hBCRPベシクルにおけるエストロン-3-硫酸(E3S)取り込み活性を示すグラフ
【
図6】hMRP2ベシクルにおけるCDCF取り込み活性を示すグラフ
【
図7】小規模EPデバイス(OC-400)又は大規模EPデバイス(CL-2バッグ)を使用して300μg/mLのMDR1 cDNAをトランスフェクトされ、エレクトロポレーション後に懸濁液フォーマット中で培養されたHEK293細胞から調製されたMDR1/P-gpベシクルとともに5分間インキュベーションした後のNMQ取り込み活性を示すグラフ
【
図8A】濃度に対するAO活性を示すグラフ。プローブ基板フタラジンを使用した場合に標準的なミカエリス・メンテン動態曲線を示した、トランスフェクトされたHEK293細胞を用いて調製された組み換え第I相薬物代謝酵素アルデヒドオキシダーゼ(AO)を示している。
【
図8B】市販の系に対するHEK293細胞におけるrAOについてのVmaxの比較を示すグラフ。プローブ基板フタラジンを使用した場合に標準的なミカエリス・メンテン動態曲線を示した、トランスフェクトされたHEK293細胞を用いて調製された組み換え第I相薬物代謝酵素アルデヒドオキシダーゼ(AO)を示している。
【
図9A】エレクトロポレーションによってHEK293細胞内へと送達され、その後、採取前に懸濁液中で24~72時間培養した第II相薬物代謝酵素UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1(UGT1A1)cDNAのミクロソーム活性を示すグラフ
【
図9B】エレクトロポレーションによってHEK293細胞内へと送達され、その後、採取前に懸濁液中で24~72時間培養した第II相薬物代謝酵素UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1(UGT1A1)cDNAのミクロソーム収量を示すグラフ
【
図10】HEK293ミクロソームにおけるUGT1A1の活性を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0018】
定義
本開示の理解を容易にするため、多くの用語が以下に定義される。
【0019】
本明細書で用いられる場合、用語「宿主細胞」とは、インビトロに位置するかインビボに位置するかにかかわらず、任意の真核細胞(例えば、哺乳動物細胞、鳥類細胞、両生類細胞、植物細胞、魚類細胞、及び昆虫細胞)を指す。幾つかの実施形態では、宿主細胞は、培養された細胞、初代細胞培養胞、及び不死化細胞培養胞を含む、哺乳動物細胞(例えば、ヒト細胞)である。
【0020】
本明細書で用いられる場合、用語「細胞培養」とは、細胞の任意のインビトロ培養を指す。この用語には、継代細胞株(例えば、不死化表現型を有する)、初代細胞培養、有限細胞株(例えば、非形質転換細胞)、及び、卵母細胞及び胚を含む、インビトロで維持される他の細胞集団が含まれる。
【0021】
本明細書で用いられる場合、用語「ベクター」とは、適切な制御要素と関連している場合に複製可能であり、かつ、細胞間で遺伝子配列を移動することができる、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、ウイルス、ビリオン等といった任意の遺伝要素を指す。よって、該用語には、クローニング及び発現ビヒクル、並びにウイルスベクターが含まれる。
【0022】
本明細書で用いられる場合、用語「ゲノム」とは、生物の遺伝物質(例えば染色体)を指す。
【0023】
本明細書で用いられる場合、用語「目的のタンパク質」又は「目的の膜結合タンパク質」とは、目的の核酸によってコードされたタンパク質のことを指す。
【0024】
本明細書で用いられる場合、用語「目的の膜結合タンパク質」とは、その天然又は非天然状態において、細胞膜に及ぶ、結合する、若しくは関連している、タンパク質を指す。
【0025】
本明細書で用いられる場合、用語「外来遺伝子」とは、宿主生物又は細胞には自然には存在しない、あるいは、宿主生物又は細胞内に人工的に導入される、遺伝子のことを指す。
【0026】
用語「遺伝子」とは、ポリペプチド又は前駆体(例えば、プロインスリン)の産生に必要なコード配列を含む核酸(例えば、DNA又はRNA)配列を指す。ポリペプチドは、完全長又はフラグメントの所望の活性又は機能特性(例えば、酵素活性、リガンド結合、シグナル伝達等)が保持されている限り、完全長コード配列又は該コード配列のいずれかの部分にコードされうる。該用語はまた、構造遺伝子のコード領域も包含し、かつ、遺伝子が完全長mRNAの長さに対応するように、いずれかの末端に、約1kb以上の距離で、5’及び3’末端の両方のコード領域に隣接して配置された配列を含む。コード領域の5’に位置し、かつ、mRNA上に存在する配列は、5’非翻訳配列と呼ばれる。3’又はコード領域の下流に位置し、かつ、mRNA上に存在する配列は、3’非翻訳配列と呼ばれる。用語「遺伝子」は、cDNA及び遺伝子のゲノム形態の両方を包含する。遺伝子のゲノム形態又はクローンは、「イントロン」又は「介在領域」又は「介在配列」と呼ばれる非コード配列で中断されたコード領域を含む。イントロンは、核RNA(hnRNA)に転写される、遺伝子のセグメントである;イントロンは、エンハンサーなどの制御要素を含みうる。イントロンは、核又は一次転写産物から除去又は「スプライシング」される;したがって、イントロンは、メッセンジャーRNA(mRNA)転写産物には存在しない。mRNAは、翻訳の間に、新生ポリペプチドにおけるアミノ酸の配列又は順序を指定するように機能する。
【0027】
本明細書で用いられる場合、用語「遺伝子発現」とは、遺伝子の「転写」を通じて(すなわち、RNAポリメラーゼの酵素作用を介して)、遺伝子にコードされた遺伝情報をRNA(例えば、mRNA、rRNA、tRNA、又はsnRNA)へと、及び、タンパク質をコードする遺伝子については、mRNAの「翻訳」を通じてタンパク質へと、変換するプロセスのことを指す。遺伝子発現は、プロセスの多くの段階で制御することができる。「アップレギュレーション」又は「活性化」とは、遺伝子発現産物(すなわち、RNA又はタンパク質)の産生を増加させる制御のことを指すのに対し、「ダウンレギュレーション」又は「抑制」とは、産生を低下させる制御のことを指す。アップレギュレーション又はダウンレギュレーションに関与する分子(例えば、転写因子)はしばしば、それぞれ「活性化因子」及び「抑制因子」と呼ばれる。
【0028】
天然に存在するタンパク質分子のアミノ酸配列について言及するために「アミノ酸配列」が列挙される場合、「ポリペプチド」又は「タンパク質」など、「アミノ酸配列」及び同様の用語は、そのアミノ酸配列を、列挙されたタンパク質分子に関連する完全な天然のアミノ酸配列に限定することを意味しない。
【0029】
本明細書で用いられる場合、用語「~をコードする核酸分子」、「~をコードするDNA配列」、「~をコードするDNA」、「~をコードするRNA配列」、及び「~をコードするRNA」とは、デオキシリボ核酸又はリボ核酸のストランドに沿ったデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドの順序又は配列のことを指す。これらのデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドの順序は、ポリペプチド(タンパク質)鎖に沿ったアミノ酸の順序を決定する。よって、DNA又はRNA配列Aは、アミノ酸配列をコードする。
【0030】
用語「動作可能な組合せで」、「動作可能な順序で」、及び「動作可能に結合された」とは、本明細書で用いられる場合、所与の遺伝子の転写及び/又は所望のタンパク質分子の合成を導くことができる核酸分子が産生されるような方法における、核酸配列の連結を指す。該用語はまた、機能性タンパク質が産生されるような方法における、アミノ酸配列の連結のことも指す。
【0031】
本明細書においてその用語が用いられる場合、用語「インビトロ」とは、人工環境、及び人工環境内で生じるプロセス又は反応のことを指す。インビトロの環境は、試験管及び細胞培養で構成されうるが、これらに限定されない。用語「インビボ」とは、自然環境(例えば、動物又は細胞)、及び、自然環境内で生じるプロセス又は反応のことを指す。
【0032】
本明細書で用いられる場合、用語「精製された」とは、それらの自然環境から取り出された、単離された、又は分離された、核酸配列又はアミノ酸配列のいずれかである、分子を指す。したがって、「単離された核酸配列」は、精製された核酸配列である。「実質的に精製された」分子は、天然に関連している他の成分を、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも90%、含まない。
【0033】
用語「試験化合物」とは、研究、診断、又は治療用途に有用であると考えられている、任意の化学物質、医薬品、薬物などを指す。試験化合物は、既知の特性及び活性と未知の特性及び活性の両方を伴う化合物を含む。組み換えタンパク質(例えば、輸送体タンパク質又は薬物代謝酵素)と相互作用する試験化合物は、本開示のスクリーニング方法を使用してスクリーニングすることによって、多くの特性について評価されうる。
【0034】
本開示の詳細な説明
本開示は、タンパク質を生成するための方法及び組成物に関する。特に、本開示は、哺乳動物細胞における組み換えタンパク質(例えば、薬物代謝酵素及び輸送体)の生成におけるエレクトロポレーションを介した遺伝子送達に関する。
【0035】
薬物のADME研究のための組み換えタンパク質又は細胞の使用に関連するいくつかのモデルが使用される。例えば、Supersomes(商標)薬物代謝酵素、ABC(ATP-結合カセット)輸送体ベシクル、及びTransportoCells(商標)SLC輸送体細胞(コーニング社、米国ニューヨーク州コーニング所在)は、インビトロアッセイのための過剰発現させた組み換え薬物代謝酵素を含む、昆虫の細胞膜又はサイトゾル画分である。ABC輸送体ベシクルは、裏返しにされた膜ベシクルである(例えば、もともとは細胞の内側に面していた官能基が、薬物にアクセス可能になるように外側にひっくり返されている)。ABCベシクルは、薬物の体内動態におけるABC輸送体の関与を研究するための「ゴールドスタンダード」とみなされる。現在、ほとんどのベシクルは、ウイルス送達方法とともに昆虫細胞/バキュロウイルス(BEV)発現系を使用して作られる。BEV発現系の性質に起因して、産生物は、低い活性及び一貫性のないバッチ間性能に悩まされうる。
【0036】
したがって、本開示の実施形態は、エレクトロポレーションを介して哺乳動物細胞(例えば、HEK293又はCHO細胞)において組み換えタンパク質(例えば、薬物代謝酵素の膜/サイトゾル画分及びABC輸送体ベシクル)を生成するための改善されたシステム及び方法を提供する。エレクトロポレーションされた後、細胞は培養される(例えば、2~3日間)。目的のタンパク質が発現されると、該発現されたタンパク質は、正しい翻訳後修飾を得て、細胞又は細胞膜における正しい位置に向けられる。培養後、細胞は採取されて、細胞画分(例えば、膜画分、サイトゾル画分)が調製される。
【0037】
幾つかの実施形態では、酪酸ナトリウムがエレクトロポレーション後の培地に補充されて、活性をより高めるためにタンパク質発現を促進する。幾つかの実施形態では、酪酸ナトリウムは使用されない。
【0038】
本明細書に記載されるシステム及び方法は、さまざまな薬物代謝酵素(DME)、及び薬物輸送体ベシクル、ミクロソーム又は細胞画分の発現における用途を見出す。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、他の発現系(例えば、大腸菌又は昆虫細胞)では低い活性を生じる、「発現困難」な複雑な膜タンパク質の発現における用途を見出す。本明細書に記載される方法によって作出されるベシクル又は膜画分は、既存のベシクル生成物の欠点:低い活性、低い「ヒト類似性(human-like)」、及び大きいバッチ間変動に直接対処した。
【0039】
本開示は、本明細書に記載されるシステム及び方法を使用した発現のための特定のタンパク質に限定されない。例としては、DME(例えば、サイトゾル又は膜細胞画分における)及び輸送体タンパク質(例えば、ベシクルにおける)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
DMEの例としては、多くの種から誘導されるシトクロムP450(CYP)(例えば、CYP1A1、CYP1B1、CYP2A6、CYP2B6、CYP1A2、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C18、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A5、CYP3A7、CYP3A4、CYP4F2、又はCYP2J2)、アルデヒドオキシダーゼ(AO)、フラビンモノオキシゲナーゼ(FMO)、モノアミンオキシダーゼA及びB(MAO A及びB)、N-アセチルトランスフェラーゼ(NAT1及びNAT2)、スルホトランスフェラーゼ(SULT1A、SULT1B、SULT1C、SULT1E、SULT2A、SULT2B、SULT4A)、エステラーゼ(例えば、カルボキシルエステラーゼ1(CES1)、カルボキシルエステラーゼ2(CES2)、パラオキソナーゼ1(PON1)、カルボキシメチレンブテノリダーゼ(CMBL)、ブチリルコリンエステラーゼ(BChE)、アリールアセトアミドデアセチラーゼ(AADAC)、及びアルカリホスファターゼ(AP))、並びに、表1に示されるウリジン5′-ジホスホ-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)などが挙げられるがこれらに限られない。例示的なUGT相同体(例えば、ラット、マウス、イヌ、及びサル)が示されている。ヒト遺伝子名が最初に列挙されている。野生型の遺伝子及びタンパク質についての核酸及びペプチド配列、並びに共通の対立遺伝子変異体へのリンクを提供する、遺伝子のOMIM受託番号が提供されている。
【0041】
【0042】
薬物輸送体の例としては、下記表2に記載されるものが挙げられるが、それらに限定されない。ヒト遺伝子名が最初に列挙されている。例示的な相同体(例えば、ラット、マウス、イヌ、及びサル)は、最初の文字を大文字で、小文字として示されている。野生型の遺伝子及びタンパク質についての核酸及びペプチド配列、並びに共通の対立遺伝子変異体へのリンクを提供する、遺伝子のOMIM受託番号が提供される。
【0043】
【0044】
エレクトロポレーションを使用することにより、遺伝子送達方法は、はるかによく制御され(BEV系とともに用いられるウイルス送達方法に対して)、より高いバッチ間の一貫性をもたらす。加えて、哺乳動物細胞を使用することで、組み換えタンパク質は、より「ヒト類似性」となり、タンパク質1mgあたり、より大きい活性を有することが予定されている(例えば、発現されたタンパク質の大部分が、不適切な翻訳後修飾に起因して非機能的となる、BEV又は大腸菌を介した発現に対して)。例えば、本開示の開発中に行われた実験は、本明細書に記載されるエレクトロポレーション方法を使用して発現されたUGT1A1が、BEV系で発現されたUGT1A1よりも5倍超活性であることを示した。加えて、既存のBEV方法を使用すると、新しいベシクル又は新しいDMEミクロソーム/サイトゾル画分の発達には6~8ヶ月かかる;本明細書に記載されるエレクトロポレーション方法を使用することにより、発達時間は2~3ヶ月へと大幅に短縮されうる。
【0045】
本開示の宿主細胞培養物は、培養される特定の細胞に適した培地中で調製される。ハムF10(米国ミズーリ州セントルイス所在のSigma社)、最小必須培地(MEM、Sigma社)、RPMI-1640(Sigma社)、及びダルベッコ変法イーグル培地(DMEM、Sigma社)などの市販の培地は、例示的な栄養溶液である。適切な培地は、それらの開示がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、米国特許第4,767,704号;同第4,657,866号;同第4,927,762号;同第5,122,469号;同第4,560,655号の各明細書;並びに、国際公開第90/03430号、及び同第87/00195号にも記載されている。これらの培地に、必要に応じて、血清、ホルモン、及び/又は他の成長因子(インスリン、トランスフェリン、又は上皮成長因子など)、塩(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、及びリン酸塩など)、バッファ(HEPESなど)、ヌクレオシド(アデノシン及びチミジンなど)、抗生物質(ゲンタマイシン(gentamycin/gentamicin)など)、微量元素(通常、マイクロモル範囲の最終濃度で存在する無機化合物と定義される)、脂質(リノール酸又は他の脂肪酸など)、及びそれらの適切な担体、並びにグルコース又は同等のエネルギー源を補充してもよい。他の必要な補充物質もまた、当業者に知られているであろう適切な濃度で含めてもよい。哺乳動物細胞培養については、培地の浸透圧は、概して、約290~330mOsmである。
【0046】
本開示はまた、トランスフェクトされた宿主細胞のためのさまざまな培養システム(例えば、ペトリ皿、T型培養瓶、マルチフラスコ、マルチウェルプレート、ローラーボトル、及びバイオリアクタ)の使用も予定されている。例えば、トランスフェクトされた宿主細胞を、灌流システム内で培養することができる。灌流培養とは、高い細胞密度で維持される培養を通じて、培地の連続的な流れを提供することを指す。細胞は懸濁され、増殖のための固体担体を必要としない。該して、新鮮な栄養素は、有毒な代謝産物の付随的な除去、及び、理想的には、死細胞の選択除去を伴って、連続的に供給される。濾過、捕捉、及びマイクロカプセル化方法はすべて、培養環境を十分な速度でリフレッシュするのに適している。
【0047】
別の例として、幾つかの実施形態では、流加培養法を用いることができる。好ましい流加培養では、哺乳動物宿主、細胞、及び培地が最初に培養容器に供給され、追加の培養栄養素が、培養終了前に定期的な細胞及び/又は産生物の採取を伴って又は伴わずに、培養の間に培養物に、連続的に又は個別の増分で供給される。流加培養には、例えば、定期的に全培養物(細胞及び培地を含む)が取り出され、新鮮な培地に交換される、半連続流加培養が含まれうる。流加培養は、培養プロセスの開始時に細胞培養のすべての成分(細胞及びすべての培養栄養素を含む)が培養容器に供給される、単純なバッチ培養とは区別される。流加培養は、さらに、処理中に培養容器から上清が取り出されない限り、灌流培養とも区別することができる(灌流培養では、細胞は、例えば、ろ過、カプセル化、マイクロキャリアへの固定等により、培養物中に拘束され、培地は、連続的に又は断続的に、培養容器に導入され、培養容器から取り出される)。
【0048】
さらには、培養細胞は、特定の宿主細胞及び予定される特定の生産計画に適しうる任意のスキーム又はルーチンに従って増殖させることができる。したがって、本開示は、単一ステップ又は複数ステップの培養手順を予定している。単一ステップの培養では、宿主細胞は、培養環境内に接種され、本開示のプロセスは、細胞培養の単一の生産段階の間に用いられる。あるいは、多段階培養が想定されている。多段階培養では、細胞は、複数のステップ又は段階で培養することができる。例えば、細胞は、第1のステップ又は増殖段階の培養で増殖させることができ、ここで、細胞は、場合によっては保管場所から取り出されて、増殖及び高生存性を促進するのに適した培地に接種される。宿主細胞培養物に新鮮な培地を添加することにより、細胞は、適切な期間、増殖段階において維持されうる。
【0049】
流加培養又は連続細胞培養条件は、細胞培養の増殖段階における哺乳動物細胞の増殖を促進するように考案される。増殖段階では、細胞は、増殖のために最大化された条件下及び期間で増殖される。温度、pH、溶存酸素(dO2)などの培養条件は、特定の宿主とともに用いられるものであり、当業者には明白であろう。概して、pHは、酸(例えば、CO2)又は塩基(例えば、Na2CO3又はNaOH)のいずれかを使用して、約6.5~7.5のレベルに調整される。CHO細胞などの哺乳動物細胞の培養にとって適切な温度範囲は、約30℃~38℃であり、適切なdO2は、5~90%の空気飽和である。
【0050】
ポリペプチドの生産段階の後、目的のタンパク質を含むポリペプチド又は膜(例えば、ベシクル又はミクロソーム)は、当技術分野で十分に確立されている技術を使用して、培地から回収される。
【0051】
本開示は、脂質ベシクルを単離する特定の方法に限られない。例示的な方法は、例えば、その各々の全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、米国特許第8,747,869号;米国特許出願公開第2012/0093885号、同第2015/0141634号、及び同第2014/0080131号の各明細書に記載されている。
【0052】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される方法を使用して発現されたタンパク質及び該タンパク質を含む膜ベシクルは、薬物及び薬物候補の薬物スクリーニング用途(例えば、毒性、活性、細胞内への輸送、動態アッセイ、阻害剤アッセイ、又は代謝産物の同定のためのスクリーニングなど)における用途を見出す。
【実施例0053】
次の実施例は、本開示の特定の好ましい実施形態及び態様を例証する役割を果たし、その範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0054】
実施例1
細胞培養-エレクトロポレーションのための細胞調製
簡潔に言えば、1日目に、4mMのL-グルタミン(米国カリフォルニア州カールスバッド所在のThermo Fisher Scientific,Inc.社からGibcoカタログ番号25030-081で市販される)を補充した、補充CD293培地(米国カリフォルニア州カールスバッド所在のLife Technologies Corp.社から、Gibcoカタログ番号11913-019で市販される)を使用して、293-F細胞を、0.7~1.0×106細胞/mlの密度で、適切なサイズの振とうフラスコに継代した。Cellometer(米国マサチューセッツ州ローレンス所在のNexcelom Bioscience社から市販される)を使用して、細胞生存率及び細胞数を決定した。
【0055】
エレクトロポレーション(EP)
2日目に、細胞をEPに供した。手短に言えば、細胞生存率及び細胞密度の決定後、100gで10分間、スピンさせることによって細胞をペレット化して沈降させ(pelleted down)、その後、培地を吸引し、細胞を、EPバッファ(米国メリーランド州ゲイザースバーグ所在のMaxCyte Inc.社からカタログ番号B201で市販される、MaxCyte)中に再懸濁した。100gで10分間、スピンさせることによって、細胞懸濁液を再びペレット化して沈降させ、次に、100×106細胞/mlに達するように、適量のEPバッファ中に再懸濁し、これを細胞ストックとして使用した。EPに用いられるcDNAを、5mg/mlの最終濃度で、滅菌水中で調製した。OC-400処理アセンブリに用いられる各試料について、0.4mlの細胞ストック及びDNAを、表に示されるように100μg/ml、200μg/ml、300μg/ml、又は400μg/mlの最終濃度のDNA及び試料あたり40×106細胞の細胞密度を結果的に生じるように、滅菌した1.5mlエッペンドルフチューブに入れた。CL-2処理アセンブリに用いられる各試料については、40mlの細胞ストック及びDNAを、300μg/mlの最終濃度のDNAを結果的に生じるように、50mlの滅菌したコニカルチューブに入れた。
【0056】
すべての試料を、HEK細胞のEPのための製造指示書に従って、OC-400処理アセンブリ又はCL-2処理アセンブリ(米国メリーランド州ゲイザースバーグ所在のMaxCyte Inc.社から市販される)に移した。EPの後、細胞を慎重にピペットで取り出し、適当な大きさの振とうフラスコの底に移し、8%のCO2で、37℃で20分間、インキュベートし、その後、1×106細胞/mlの細胞密度に達するように、適量の温められた培養培地を振とうフラスコに加えた。細胞を、8%のCO2で、37℃で0.5~1時間、インキュベートした。インキュベーション後に、細胞生存率及び細胞密度を決定した。
【0057】
細胞回収
小規模実験については、細胞の一部(例えば、5×106細胞)を培養から取り出し、100gで10分間、スピンダウンし、播種培地(DMEM、米国バージニア州マナサス所在のMediatech、Inc.社から市販される、1×MEM非必須アミノ酸及び10%ウシ胎児血清を補充した高グルコース)のCorning社のBiocoat(商標)ポリ-D-リジンでコーティングしたT型培養瓶又はTC処理されたT型培養瓶(米国ニューヨーク州コーニング所在のコーニング社から市販される)上に播種し、8%のCO2で、37℃で培養した;残りの細胞を、100gで10分間、スピンダウンし、次に、25mLの温められた補充CD293培地中に再懸濁し、8%のCO2で、37℃で培養した。24時間ごとに、細胞を培養した懸濁液について、細胞生存率及び密度を決定した。48時間又は適当なインキュベーション期間の後、懸濁液中で培養された細胞を、100gで10分間、スピンダウンした;付着フォーマット中で培養された細胞を、PBS(TC処理されたT型培養瓶)によって、又は、EDTAを伴う2mlの0.25%トリプシンとともに2~3分間、インキュベートし、次に、播種培地(PDLで処理したT型培養瓶)で中和することによって、採取した。細胞懸濁液を100gで10分間、スピンダウンした。大規模実験については、EP及び回収後、細胞を2Lの振とうフラスコ内で培養した。24時間後、2mMの酪酸ナトリウムを補充した又は補充していない100mLの新鮮なCD293培地を各フラスコに加えた。細胞を、100gで10分間、スピンダウンすることによって、48時間の時点で採取した。
【0058】
ベシクルの調製
粗形質膜ベシクルを次のように調製した。簡潔に言えば、細胞回収ステップから得られた細胞ペレットをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1回洗浄し、4℃で10分間、1500rpmで遠心分離した。結果的に得られたペレットを、1:500希釈のプロテアーゼ阻害剤カクテル(米国ミズーリ州セントルイス所在のSigma社から、カタログ番号P8340で市販される)を補充した適量(4×ペレット重量)のTMEPバッファ(50mMのTris塩基、50mMのマンニトール、2mMのEGTA、2mMの2-メルカプトエタノール、pH7.0)で希釈し、Dounceホモジナイザに移し、10ストロークで、手動で均質化した。細胞溶解物を4℃で10分間、2600rpmで遠心分離した。上清を新しい遠心管セットに移し、4℃で15分間、37,000rpmでスピンした。結果的に得られたペレットを適量のTMEPバッファ中に再懸濁し、10ストロークのDounceBホモジナイザで均質化した。膜ベシクルを等分し、使用まで-80℃で保管した。
【0059】
ヒト組み換えAO及びUGT1A1酵素の調製
組み換えAO及びUGT1A1酵素を次のように調製した。簡潔に言えば、細胞回収ステップから得られた細胞ペレットを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1回洗浄し、4℃で10分間、1500rpmで遠心分離した。結果的に得られたペレットを、適量の0.1Mリン酸カリウムバッファで希釈して、Dounceホモジナイザ内に移し、次に、10ストロークで均質化した。細胞溶解物を4℃で10分間、2600rpmで遠心分離した。上清を新しい遠心管セットに移し、4℃で15分間、37,000rpmでスピンした。組み換えAOについては、上清(水溶性画分)を等分し、使用まで-80℃で保管した。UGT1A1ミクロソームについては、ペレットを適量の0.1M Trisバッファ中に再懸濁し、10ストロークのDounceホモジナイザで均質化した。UGT1A1ミクロソームを等分し、使用まで-80℃で保管した。
【0060】
輸送体取り込みアッセイ
N-メチル-キニジン(NMQ)(米国ミズーリ州セントルイス所在のSigma社から市販される)を、5μΜの最終濃度で、MDR1/P-gpベシクル取り込みアッセイのためのプローブ基板として使用した;エストロン-3-硫酸(E3S)を、1%の[3H]エストロン-3-硫酸(米国マサチューセッツ州ウォルサム所在のPerkin Elmer社から市販される)及び99%の冷エストロン-3-硫酸(米国ミズーリ州セントルイス所在のSigma社から市販される)からなる1μΜの最終濃度で、BCRPベシクル取り込みアッセイのためのプローブ基板として使用した;5(6)-カルボキシ-2,’7’-ジクロロフルオレセイン(CDCF)(米国カリフォルニア州カールスバッド所在のThermo Fisher Scientific,Inc.社から市販される)を、5μΜの最終濃度で、MRP2ベシクルのためのプローブ基板として使用した。取り込みバッファ(47mMのMOPs、65mMのKCl及び7mMのMgCl2、pH7.4)中、50μgのベシクル及び最終濃度の1.25倍のプローブ基板と2.5mMのGSH(MRP2についてのみ)とを含む60μlの反応混合物を37℃で5分間、プレインキュベートした。5mMのATP又はAMPの添加によって取り込みを開始し、その後、37℃において、MDR1ベシクルでは5分間、BCRPベシクルでは3分間、及びMRP2ベシクルでは15分間、インキュベートした。吸引マニホルド(米国マサチューセッツ州ビレリカ所在のEMD-Millipore社から市販される)を通じてガラス繊維(G/F)フィルタプレート(米国マサチューセッツ州ビレリカ所在のEMD-Millipore社からカタログ番号MSFBN6B10で市販される)上に反応溶液を移すことによってアッセイを終了させ、次に、フィルタプレートを洗浄用の冷バッファ(40mMのMOPs及び70mMのKC1、pH7.4)で5回洗浄した。フィルタプレートを暗所で、室温で1~2時間乾燥後、BCRPベシクルでは、50μLのシンチレーション液(米国マサチューセッツ州ウォルサム所在のPerkin Elmer社から市販される、Optiphase Supermix)を試料ウェルに加えた。プレートを、Microbetaシンチレーションカウンター(米国マサチューセッツ州ウォルサム所在のPerkin Elmer社から市販される)上で直接読み取った。MDR1/P-gpベシクルについては、100μLの10%SDSを試料ウェルに加えた;MRP2ベシクルについては、100μLの0.1N NaOHを試料ウェルに加えた。室温で10分間のインキュベーション後、フィルタプレートを96ウェルプレート(米国マサチューセッツ州テュークスベリー所在のCorning Life Sciences社から市販される)上に置き、2000rpmで5分間、スピンさせて、放出された化合物を96ウェルレシーバプレートへと溶出させた。MRP2ベシクルにおけるCDCFの取り込みについては、Ex485nm、Em538nmで、蛍光リーダーSafire2(Tecan社から市販される)で直接蛍光を測定した。MDR1/P-gpベシクルにおけるNMQの取り込みについては、100μlの0.1N H2SO4を各ウェルに加え、次に、Ex355nm、Em448nmにおいて、蛍光プレートリーダーSafire2を使用して、蛍光を測定した。
【0061】
AOアッセイ
AOアッセイは、0.1mMのEDTAを含む25mMのリン酸カリウムバッファ(pH7.4)中、37℃で行われる。170μLのアッセイバッファを20μLの1mMフタラジンと混合し、ヒートブロック内で37℃に予熱した。反応を5mg/mLのAO試料10μLで開始する。キャップは、酸素循環のために開けておく必要がある。インキュベーション後、100μlの94%アセトニトリル/6%氷酢酸を加えることによって反応を停止させた。反応混合物を3分間、遠心分離し(10,000×g)、上清をHPLCで分析した。
【0062】
UGT1A1アッセイ
50mMのTris(pH7.5)中、1.0mg/mlのタンパク質、2mMのウリジンジホスホグルクロン酸(UDPGA)、10mMの塩化マグネシウム、0.025mg/mlのアラメチシン、及び150μMのベータ-エストラジオールを含む0.2mlの反応混合物を、37℃で30分間、インキュベートした。インキュベーション後、50μlの94%アセトニトリル/6%氷酢酸を加えることによって反応を停止させた。反応混合物を3分間、遠心分離し(10,000×g)、上清をHPLCで分析した。
【0063】
【0064】
図1~3は、細胞が、エレクトロポレーションの後に生存能及び増殖を示すことを示している。
図1Aは、さまざまな量のヒトMDR1/P-gpDNAを使用した、付着したHEK293細胞のエレクトロポレーション後の生存細胞のパーセンテージを示している。
図1Bは、エレクトロポレーション及び回収後に得られた生存細胞の総量を示している。生存率及び回収は、試験した全ての濃度にわたって高かった。
図2は、エレクトロポレーション後T=0、24時間、及び48時間における総生存細胞数(A)、及び生存細胞のパーセンテージ(B)を示している。細胞カウント数は、4つの投与量すべてについて、エレクトロポレーション後に経時的に増加した。生存細胞のパーセントは、経時とともに高く維持された。
図3は、T=24時間及びT=48時間における、DNA量を増加させてトランスフェクトされた細胞の単層を示している(
図3A)。生存細胞のパーセンテージをグラフに記録した(
図3B)。生存細胞は、試験試料のすべてについて、経時とともに増加した。
【0065】
図4及び7は、上述のように調製されたベシクルによるN-メチルキニジン(NMQ)の取り込みを示している。
図4は、さまざまな量のDNA(100μg/ml、200μg/ml、300μg/mL、及び400μg/mlのMDR1)をトランスフェクトされ、エレクトロポレーション後に懸濁液又は付着フォーマットのいずれかで培養されたHEK293細胞から調製されたMDR1/P-gpベシクルとともに5分間インキュベーションした後のNMQの取り込み活性を示している。定量的結果を下記表3に示す。
【0066】
【0067】
図7は、小規模EPデバイス(OC-400)又は大規模EPデバイス(CL-2バッグ)を使用して、300μg/mLのMDR1 cDNAをトランスフェクトされ、エレクトロポレーション後に懸濁液フォーマット中で培養されたHEK293細胞から調製されたMDR1/P-gpベシクルとともに5分間インキュベーションした後のNMQの取り込み活性を示している。
【0068】
図5は、上述のように調製されたベシクルによるエストロン-3-硫酸(E3S)の取り込みを示している。供給業者の試料に見られるように、取り込み活性は、コレステロール(C)で処理された後にのみ観察された(「C前」の試料を「C後」の試料と比較)。対照的に、本明細書に記載される方法を使用するエレクトロポレーションされたHEK細胞では、コレステロールは必要とされなかった。
【0069】
図6は、hMRP2ベシクルにおけるCDCFの取り込みを示している。定量的データを下記表4に示す。
【0070】
【0071】
図8は、上述のように調製された細胞画分/サイトゾルにおけるAOの活性を示している。
図8Aは、濃度に対するAO活性を示すグラフであり、
図8Bは、市販の系に対するHEK293細胞におけるrAOについてのVmaxの比較を示すグラフである。
図8A及びBは、トランスフェクトされたHEK293細胞を用いて調製された組み換え第I相薬物代謝酵素アルデヒドオキシダーゼ(AO)が、プローブ基板フタラジンを使用した場合に、標準的なミカエリス・メンテン動態曲線を示したことを示している。
【0072】
図9及び10は、上述のように調製された細胞画分/膜画分(ミクロソーム)におけるUGT1A1活性を示している。
図9A及びBは、エレクトロポレーションでHEK293細胞に送達され、その後、採取前に懸濁液中で24~72時間培養された、第II相薬物代謝酵素UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1(UGT1A1)cDNAのミクロソーム活性(9A)及びミクロソーム収量(9B)を示している。
図10は、以前のゴールドスタンダード方法(Supersomes(商標))と比較して、驚くべき活性を示す、HEK293ミクロソームにおけるUGT1A1の活性を示している。
【0073】
上記明細書で言及されたすべての刊行物及び特許は、ここに参照することによって本明細書に取り込まれる。本開示の記載される方法及びシステムのさまざまな修正及び変形は、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。本開示は、特定の好ましい実施形態に関連して記載されているが、特許請求される本開示は、そのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際、関連分野の当業者にとって自明である本開示を実施するために、記載されるモードをさまざまに修正することは、以下の特許請求の範囲内に入ることが意図されている。
【0074】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0075】
実施形態1
膜結合タンパク質を発現するベシクルを生成する方法であって、
a)哺乳動物細胞を、ABCB1、ABCB4、ABCB11、ABCC1、ABCC2、ABCC3、ABCC4、ABCC5、ABCC6、ABCG2、及びそれらの相同体からなる群より選択される膜結合タンパク質をコードする核酸と接触させるステップ;
b)前記核酸が前記哺乳動物細胞内に入るように、前記哺乳動物細胞をエレクトロポレーションするステップ;及び
c)目的の前記膜結合タンパク質を発現するベシクルを単離するステップ
を含む、方法。
【0076】
実施形態2
前記エレクトロポレーションするステップの後に、前記細胞を培養するステップをさらに含むことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
【0077】
実施形態3
前記培養するステップが、酪酸ナトリウムの添加を含むことを特徴とする、実施形態2に記載の方法。
【0078】
実施形態4
前記単離するステップが、前記細胞の均質化を含むことを特徴とする、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
【0079】
実施形態5
前記膜結合タンパク質が、天然形態の前記膜結合タンパク質に似た翻訳後修飾を含むことを特徴とする、実施形態1~4のいずれかに記載の方法。
【0080】
実施形態6
前記哺乳動物細胞が、HEK293、CHO、Hela、S2、MDCK-I、MDCK-II、LLC-PK1、Caco-2、Huh7、又はV79細胞であることを特徴とする、実施形態1~5のいずれかに記載の方法。
【0081】
実施形態7
前記ベシクルを試験化合物と接触させるステップをさらに含むことを特徴とする、実施形態1~6のいずれかに記載の方法。
【0082】
実施形態8
前記試験化合物が薬物であることを特徴とする、実施形態7に記載の方法。
【0083】
実施形態9
試験化合物をスクリーニングする方法であって、
a)哺乳動物細胞を、ABCB1、ABCB4、ABCB11、ABCC1、ABCC2、ABCC3、ABCC4、ABCC5、ABCC6、ABCG2、及びそれらの相同体からなる群より選択される輸送体タンパク質をコードする核酸と接触させるステップ;
b)前記核酸が前記哺乳動物細胞内に入るように、前記哺乳動物細胞をエレクトロポレーションするステップ;
c)前記輸送体タンパク質を発現する細胞膜を単離するステップ;及び
d)前記細胞膜を前記試験化合物と接触させるステップ
を含む、方法。
【0084】
実施形態10
前記輸送体タンパク質による前記試験化合物の輸送を測定するステップをさらに含むことを特徴とする、実施形態9に記載の方法。
【0085】
実施形態11
前記測定するステップが、輸送の動態を測定するステップを含むことを特徴とする、実施形態10に記載の方法。
【0086】
実施形態12
前記細胞膜を前記薬物輸送体の阻害剤と接触させて、前記阻害剤による前記薬物輸送体の活性又は輸送の阻害を測定するステップをさらに含むことを特徴とする、実施形態9~11のいずれかに記載の方法。
【0087】
実施形態13
実施形態1~6のいずれかに記載の方法によって生成された、単離されたベシクル。
【0088】
実施形態14
目的のタンパク質を含む細胞画分を生成する方法であって、
a)哺乳動物細胞を、シトクロムP450、アルデヒドオキシダーゼ(AO)、フラビンモノオキシゲナーゼ(FMO)、モノアミンオキシダーゼA及びB(MAO A及びB)、エステラーゼ、N-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)、スルホトランスフェラーゼ(SULT)、ウリジン5′-ジホスホ-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)、及びそれらの相同体からなる群より選択される薬物代謝酵素をコードする核酸と接触させるステップ;
b)前記核酸が前記哺乳動物細胞内に入るように、前記哺乳動物細胞をエレクトロポレーションするステップ;及び
c)前記薬物代謝酵素を含む細胞画分を単離するステップ
を含む、方法。
【0089】
実施形態15
前記シトクロムP450が、CYP1A1、CYP1B1、CYP2A6、CYP2B6、CYP1A2、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C18、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A5、CYP3A7、CYP3A4、CYP4F2、及びCYP2J2からなる群より選択されることを特徴とする、実施形態14に記載の方法。
【0090】
実施形態16
前記エステラーゼが、カルボキシルエステラーゼ1(CES1)、カルボキシルエステラーゼ2(CES2)、パラオキソナーゼ1(PON1)、カルボキシメチレンブテノリダーゼ(CMBL)、ブチリルコリンエステラーゼ(BChE)、アリールアセトアミドデアセチラーゼ(AADAC)、及びアルカリホスファターゼ(AP)からなる群より選択されることを特徴とする、実施形態14に記載の方法。
【0091】
実施形態17
前記UGTが、UGT1A1、UGT1A3、UGT1A4、UGT1A5、UGT1A6、UGT1A7、UGT1A8、UGT1A9、UGT1A10、UGT2A1、UGT2A2、UGT2A3、UGT2B4、UGT2B7、UGT2B10、UGT2B11、UGT2B15、UGT2B17、及びUGT2B28からなる群より選択されることを特徴とする、実施形態14に記載の方法。
【0092】
実施形態18
前記エレクトロポレーションするステップの後に、前記細胞を培養するステップをさらに含むことを特徴とする、実施形態14~17のいずれかに記載の方法。
【0093】
実施形態19
前記培養するステップが、酪酸ナトリウムの添加を含むことを特徴とする、実施形態18に記載の方法。
【0094】
実施形態20
前記単離するステップが、前記細胞の均質化を含むことを特徴とする、実施形態14~19のいずれかに記載の方法。
【0095】
実施形態21
前記薬物代謝酵素が、天然形態の該薬物代謝酵素に似た翻訳後修飾を含むことを特徴とする、実施形態14~20のいずれかに記載の方法。
【0096】
実施形態22
前記哺乳動物細胞が、HEK293、CHO、Hela、S2、MDCK-I、MDCK-II、LLC-PK1、Caco-2、Huh7、又はV79細胞であることを特徴とする、実施形態14~21のいずれかに記載の方法。
【0097】
実施形態23
前記細胞画分がサイトゾル画分であることを特徴とする、実施形態14~22のいずれかに記載の方法。
【0098】
実施形態24
前記細胞画分が膜画分であることを特徴とする、実施形態14~22のいずれかに記載の方法。
【0099】
実施形態25
前記細胞画分を試験化合物と接触させるステップをさらに含むことを特徴とする、実施形態14~24のいずれかに記載の方法。
【0100】
実施形態26
前記試験化合物が薬物であることを特徴とする、実施形態25に記載の方法。
【0101】
実施形態27
前記薬物の修飾を評価するステップをさらに含むことを特徴とする、実施形態26に記載の方法。
【0102】
実施形態28
実施形態14~24のいずれかに記載の方法によって生成された細胞画分。