(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093730
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】カートリッジホルダを有するディスペンサと、これを用いたカートリッジシステムおよび飲料製造方法
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074732
(22)【出願日】2023-04-28
(62)【分割の表示】P 2019045603の分割
【原出願日】2017-01-12
(31)【優先権主張番号】102016200254.6
(32)【優先日】2016-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016212012.3
(32)【優先日】2016-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016212013.1
(32)【優先日】2016-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016218509.8
(32)【優先日】2016-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016218507.1
(32)【優先日】2016-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016218884.4
(32)【優先日】2016-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】518245593
【氏名又は名称】フレーツィオ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリューガー,マルク
(72)【発明者】
【氏名】エムプル,ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,ダニエル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】漏れが生じない、また、逆汚染が生じないように、カートリッジをディスペンサ内に確実に保持する。
【解決手段】カートリッジホルダ24が、カートリッジホルダ24に挿入する間または挿入した後、形状合致式におよび/または圧力嵌め式に前記カートリッジ受入れ部10の周囲に係合する固定フランジと、前記カートリッジ受入れ部10の穿刺手段を後退位置から伸長位置へ移行する解放要素と、カートリッジ受入れ部10に接続する液体接続部と、穿刺手段に結合するとともに圧縮空気源に接続する圧縮空気出口とを有し、前記穿刺手段が、前記後退位置においてカートリッジ1を閉鎖する膜から離れ、前記伸長位置において膜を貫通してカートリッジ1内に突出する飲料製造用ディスペンサに関する。
【選択図】
図9a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジ(1)とカートリッジ受入れ部(10)とを備えたカートリッジシステムが挿入されるカートリッジホルダ(24)を有する飲料製造用ディスペンサであって、
前記カートリッジホルダ(24)が、前記カートリッジホルダ(24)に挿入する間または挿入した後で形状合致式におよび/または圧力嵌め式に前記カートリッジ受入れ部(10)の周囲に係合する固定フランジ(34)と、前記カートリッジ受入れ部(10)の穿刺手段(16)を後退位置から伸長位置へ移行する解放要素(36)と、前記カートリッジ受入れ部(10)に接続する液体接続部(35)と、前記穿刺手段(16)に結合するとともに圧縮空気源に接続する圧縮空気出口(32)とを有し、
前記穿刺手段(16)が、前記後退位置において前記カートリッジ(1)を閉鎖する膜(14)から離れ、前記伸長位置において前記膜(14)を貫通して前記カートリッジ(1)内に突出することを特徴とする、飲料製造用ディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジホルダを有するディスペンサと、これを用いたカートリッジシステムおよび飲料製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなカートリッジシステムは、欧州特許出願公開第2017221A1号明細書および国際公開第96/36556A1号パンフレットなどの従来技術から基本的に知られており、予め小分けされたカートリッジから飲料を製造するために使用されている。
そのようなカートリッジシステムで飲料を製造することは、カートリッジをディスペンサに挿入し、始動プロセスを開始するだけでよいので、ユーザにとって非常に便利である。
次に、飲料調製機械としても知られているディスペンサは、完全に自動化された方法で飲料製造を引き受ける、すなわち、食品基体または飲料基体が所定量の液体と、具体的には冷えた炭酸水とブレンドされ、飲料容器に移される。
このように、混合された飲料を、簡単、迅速に、ユーザにとってより少ない労力で製造することができる。
ここで、ユーザは、多数の異なるカートリッジから選択可能であり、望み通りに異なる飲料を製造することができる。
【0003】
このように冒頭に記載したディスペンサは、従来技術から知られ、例えば、カートリッジを用いて冷たい飲料を製造するために使用されている。
漏れが生じないように、また、逆汚染(back-contamination)が生じないように、カートリッジをディスペンサ内に確実に保持することが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、これらの要求を満たすディスペンサ、これを用いたカートリッジシステムおよび飲料製造方法を提供することが、本発明の目的であった。
特に、ディスペンサの逆汚染のない漏れのない飲料製造が可能になるように意図されている。
同時に、ディスペンサは、高レベルの使い易さを提供し、費用効果的に実現できるように意図されている。
本発明のさらなる目的は、飲料または食品上の泡の形成を制御された方法で設定することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、カートリッジとカートリッジ受入れ部とで構成されてディスペンサに用いるカートリッジシステムによって達成される。
【0006】
この記述は、本発明の他の主題に等しく当てはまり、逆もまた同様である。
【0007】
本発明は、カートリッジをディスペンサに取り付け、カートリッジを支持または案内するカートリッジホルダを有するディスペンサに関する。
カートリッジは、飲料基体または食品基体が配置されるキャビティを有する。
この飲料基体または食品基体は、液体、特に、濃縮物であり、飲料または食品を製造するように溶媒、特に、水と混合され、次いで、ディスペンサの支持部の上に立つ容器、特に、グラスに収集され、前記支持部は、カートリッジホルダの下に配置されている。
飲料基体または食品基体は、カフェイン入り、炭酸化、フルーティなまたは砂糖入りソーダおよびジュースなどのソフトドリンク、ビール(混合)ドリンク、または他のアルコールもしくはノンアルコール(混合)ドリンク用の液体プレミックス成分を含む。
【0008】
本発明によれば、案内部分またはねじれ防止手段が、カートリッジホルダに提供される。
これにより、カートリッジが空間的な方向に関してディスペンサに対して特定の位置を取ることが保証され、または、カートリッジが飲料を製造する前または間にねじれることが防止され、または、カートリッジが誤った向きで挿入されることが防止される。
これは、ディスペンサの識別子検出器によって読み取られるように意図された製品識別子がカートリッジに取り付けられている場合、識別子が、常に検出器に面することを保証し、確実でエラーのない読取りを可能にする。
【0009】
カートリッジホルダは、カートリッジまたはカートリッジ受入れ部を少なくとも部分的に受け入れる切欠きを有している。
カートリッジホルダの切欠きとカートリッジまたはカートリッジ受入れ部とは、部分的に形状合致式に協働し、支持またはねじれ防止手段として作用する。
切欠きは、縁部まで延在し、その結果、切欠きの周囲は、一点で開放している。
カートリッジ受入れ部の出っ張り部分をそこに位置付けることができる。
切欠きは、カートリッジ受入れ部の出っ張り部分用の出っ張り部分を有している。
【0010】
さらに、カートリッジホルダは、カートリッジ受入れ部またはカートリッジの周囲と協働する案内部分を有する。
この案内部分は、例えば、カートリッジホルダの切欠きの周囲領域に延在する直立カラーであることができる。
案内部分は、水平に対して直角に延在し、カートリッジが垂直に対して傾くことを防止する。
【0011】
切欠きまたは案内部分は、カートリッジ受入れ部上の突出部または出っ張り部分用の開口部を有し、ねじれ防止手段としてまたは追加的な安定化手段として作用することができる。
【0012】
カートリッジホルダは、液体接続部を有する。
この液体接続部を介して、飲料を製造するための溶媒が利用できるようになる。
カートリッジホルダの液体接続部は、カートリッジ受入れ部の液体流入部に、液密式に接続されている。
本発明によれば、冷蔵ユニットによって冷却された液体が液体接続部に供給され、ここで、冷蔵ユニットは、ディスペンサの一部である、またはディスペンサに動作可能に接続された別個の冷蔵装置の一部である。
従って、カートリッジが、それ自体冷却されず、例えば、室温である場合でさえ、冷たい飲料を製造することが可能である。
既存の冷蔵装置へのカートリッジシステムの一体化は、冷蔵装置の既存の冷蔵ユニットをディスペンサ用に効率的に簡単に共同使用できるという利点を有している。
特に、「並列型」冷蔵装置(アメリカ型冷蔵装置(American refrigerator)とも呼ばれる)として知られているものでは、ディスペンサを一体化するための十分な導入スペースをその前面に見出すことができる。
ディスペンサが、そのような冷蔵装置向けの改造セットであることが考えられる。
冷蔵ユニットは、コンプレッサ冷却ユニット、吸収装置冷却ユニットまたは熱電冷却器を含む。
本発明によれば、炭酸化装置によって炭酸を添加された流体が、液体接続部に供給される。
炭酸化装置がディスペンサの一部であること、および、炭酸化装置がCO2カートリッジ用の受入れ部とCO2カートリッジから流体へCO2を添加するための供給装置とを有している。
かくして、本カートリッジシステムによって炭酸(ソフト)ドリンクを製造することも可能である。
炭酸化装置が外部CO2接続部分を有する。
流体は、水を含み、水は、1つまたは複数のポンプによって、ダイアフラムポンプによって、ディスペンサの水パイプまたは水タンクから提供される。
液体接続部への水の送達は、流れセンサ、例えば、超音波流れセンタまたは磁気誘導性流れセンサによって監視される。
【0013】
本発明によれば、圧縮空気源に接続された圧縮空気出口をカートリッジホルダが有している。
圧縮空気出口は、カートリッジを空にする装置として作用し、また、圧縮空気を外側からカートリッジのキャビティへ導入する働きをし、その結果、食品基体または飲料基体は、カートリッジのキャビティからカートリッジ受入れ部の混合チャンバへ押し出される。
圧縮空気は、ディスペンサによって提供される。
カートリッジ受入れ部は、ガス入口を有し、このガス入口は、カートリッジ受入れ部がカートリッジホルダに挿入されると、カートリッジホルダの圧縮空気出口に直接結合される。
これは、ディスペンサの方向における逆汚染が効果的に回避されるという利点を有している、というのも、カートリッジシステムがカートリッジホルダに挿入されると、圧力ダクトが直ちに圧力下におかれ、食品基体または飲料基体がディスペンサの方向に、特に、圧縮空気源の方向に移動することが防止されるからである。
かくして、カートリッジのキャビティを起点として、食品基体または飲料基体は、カートリッジ受入れ部の混合チャンバの方向にしか移動できない。
【0014】
本発明によれば、カートリッジホルダが、穿刺手段を後退位置から伸長位置へ移行するために解放要素を有している。
カートリッジは、膜で、例えば、密封フォイルで閉鎖される。
カートリッジ受入れ部は、穿刺手段を有し、穿刺手段は、膜から離れた後退位置と、膜を貫きキャビティ内に突出する伸長位置との間で変位可能である。
従って、カートリッジは、穿刺手段によって開封される。
穿刺手段を伸長位置へ移行するために、カートリッジホルダは、解放要素を有している。
解放要素が固定突出部を含むことが考えられ、固定突出部は、カートリッジシステムがカートリッジホルダに挿入されると穿刺手段に衝突し、穿刺手段をカートリッジシステムと解放要素との間の相対移動を介して伸長位置へ押し遣る。
特に、圧縮空気出口が、穿刺手段に一体化される。
【0015】
カートリッジホルダは、カートリッジホルダに挿入する間または挿入した後、形状合致式にまたは圧力嵌め式にカートリッジ受入れ部の周囲に係合する固定フランジを含む。
さらに、カートリッジホルダの固定フランジは、解放機構を含み、解放機構は、解放機構を作動すると、カートリッジホルダの固定フランジがカートリッジ受入れ部の周囲に係合するように、または、カートリッジ受入れ部と、カートリッジ受入れ部の穿刺手段と接触するカートリッジホルダの解放要素との間の相対移動が生じるように、カートリッジホルダの固定フランジがシフトされ、その結果、カートリッジ受入れ部の穿刺手段が後退位置から伸長位置へ移行されるように構成されている。
解放機構は、手動作動用のハンドレバーを含み、ハンドレバーは、カートリッジの長手方向軸に実質的に平行な回転軸の周りを回転できるように構成されている。
さらに、解放機構は、伝達装置を含み、伝達装置は、長手方向軸に平行な回転軸周りのハンドレバーの回転運動を長手方向軸に実質的に平行な並進の運動に変換する。
カートリッジシステムがカートリッジホルダに挿入されると、ハンドレバーは、ユーザによって作動され、その結果、カートリッジシステムは、周囲でしっかり係合され、解放要素に向かって直線状にシフトされる。
ねじれ防止手段および並進な直線運動へ回転運動を変換することにより、ディスペンサに対するカートリッジの向きが一定に保たれることが保証される。
結果として、以下の文章に記載する製品識別子の読取りが、簡単になる。
【0016】
本発明によれば、ディスペンサがカートリッジまたはカートリッジ受入れ部上の製品識別子を読み取るための識別子検出器を有し、ここで、識別子検出器は、カートリッジホルダの上または後ろに配置されている。
製品識別子は、バーコード、RFIDコード、QRコード、データマトリックスコード、カラーコード、ホログラムコードまたはそれらに類するものに埋め込まれる。
かくして、製品識別子の自動読取りが可能である。
識別子検出器は、光学センサ、例えば、CCDカメラを含み、これは、カートリッジが飲料製造機械に挿入されると、バーコードまたはQRコードまたはデータマトリックスコードを自動的に読み取る。
識別子検出器は、RFIDコードを自動的に読み取る受信アンテナを含む。
製品識別子が、他の自動読取り可能なコンピュータチップに埋め込まれる。
QRコードという用語は、本発明の意味の中で、いずれかのデータマトリックスコードを含む。
これに関して、QRコードおよびデータマトリックスコードという用語は、同義的に使用される。
さらに、製品識別子がバーコード、ドットコード、バイナリコード、モールス符号、点字記号(エンボス加工された印刷)またはそれらに類するものを含むコードは、本例において、3次元構造、例えば、レリーフに埋め込むこともできる。
製品識別子は、製品識別子番号として知られているもの、具体的には、共通製品コード(UPC:Universal Product Code)、欧州物品番号(EAN:European Article Number)、GS1コード、国際取引商品番号(GTIN:Global Trade Item Number)、または、それらに類するものを含む。
このように、新規コードシステムを導入することは、不要である。
製品識別子は、GS1規格によってカバーされる。
製品識別子は、カートリッジに直接印刷または貼付され、または、例えば、(レーザ)彫刻、刻印によって、またはカートリッジを製造する間に直接、カートリッジの表面に導入される。
カートリッジを少なくとも部分的にカバー、例えば、スリーブの中に入れ、製品識別子はそれに配置されることも考えられるだろう。
カバーは、カートリッジに接着剤で付着または溶接することもできる。
カバーまたはスリーブは、プラスチックフィルム、布または紙から製造することができる。
【0017】
本発明は、出来上がった飲料または食品が収集される容器のための支持部を有するディスペンサであり、支持部は、垂直に調整可能または回動可能であるように意図されている。
【0018】
支持部は、出来上がった飲料または食品が流入する場合に容器を傾けてセットできるように、例えば、ある軸またはある点の周りを回動可能である。
結果として、飲料の上の泡の形成に影響を及ぼすことが可能である。
支持部は、手動でまたはモータによって調整可能である。
ディスペンサは、飲料または食品の上の泡のレベルを決定する手段、例えば、カメラを有することができ、傾斜は、この手段からの信号に基づいてそれに応じて変更される。
さらに、飲料または食品を製造するために使用されるカートリッジは、設定される傾斜についての情報を有することができる。
さらに、カートリッジは、識別子を有し、識別子を用いてカートリッジを識別することができる。
カートリッジが、認識されるとすぐに、容器の所望の傾斜に関する情報が、回収可能である。
飲料または食品が収集される容器についても、同様である。
容器が同じく情報または識別子を有することができ、情報または識別子を用いて所望の傾斜を決定することができる。
さらに、支持部は、縦方向に調整可能であり、その結果、支持部は、例えば、異なるグラスサイズに対して調整可能であり、または、泡の形成は、落下距離の長さによって影響を受けることができる。
【0019】
さらに、本発明は、カートリッジ受入れ部またはカートリッジを有するカートリッジシステムに関し、カートリッジ受入れ部は、可逆的または不可逆的にカートリッジを部分的に受け入れる。
カートリッジは、飲料物質または食品物質が中に配置され、飲料または食品製造前に、特に膜によって気密式に密封されるキャビティを有している。
飲料または食品を製造するために、カートリッジは、次に開封される、具体的には、膜が穿刺され、食品基体または飲料基体が、キャビティへの圧縮空気の導入によって支持されてカートリッジ受入れ部の混合チャンバに入り込みまたは流れ込む。
カートリッジ受入れ部は、希釈剤(溶媒とも呼ばれる)、特に、水流入のための流入部分を有し、希釈剤は、出来上がった飲料または食品を製造するために食品基体または飲料基体と混合され、出来上がった飲料または食品は、カートリッジ受入れ部に同様に設けられた流出部分を介して混合チャンバから流れ出る。
本例において、溶媒の体積流れは、一般に食品基体または飲料基体の体積流れよりもはるかに多い。
カートリッジおよびこのカートリッジに接続されたカートリッジ受入れ部は、ディスペンサのカートリッジホルダに挿入可能なカートリッジシステムを形成する。
【0020】
流れ断面、すなわち、液体が流れるために取ることができる断面は、溶媒流れまたは溶媒および食品基体または飲料基体の混合物について、溶媒の流れの方向に関して、流速が最初に低減され、その後、再び加速されるようにこのとき提供される。
流れ断面制限によって達成される加速は、溶媒および食品基体または飲料基体がブレンドされた後、可能な限り発生する。
【0021】
本発明によれば、カートリッジ受入れ部の混合チャンバは、出っ張り部分を有する。
この出っ張り部分は、カートリッジ受入れ部の2つの端部側の間に延在する周囲、特に、横方向周囲から突出する。
出っ張り部分は、カートリッジ受入れ部の混合チャンバの一部である。
カートリッジ受入れ部の混合チャンバの周囲は、実質的に円形の形状を有し、出っ張り部分は、この円形の形状から突出する。
本発明によれば、出来上がった飲料または食品の流出は、出っ張り部分の中に提供される。
【0022】
本発明によれば、カートリッジ受入れ部は、固定または固着リングを有している。
このカートリッジ受入れ部の固定または固着リングは、カートリッジを受け入れ、カートリッジは、カートリッジ受入れ部に固定されている。
固定または固着リングは、カートリッジ受入れ部の混合チャンバに所定の破断点または所定の変形点が設けられる。
飲料または食品の製造前、この点は、破壊または変形される、特に、不可逆的に変形される。
これは、例えば、カートリッジおよびカートリッジ受入れ部が互いに移動されることによって生じることができる。
変形または破壊の結果として、カートリッジ受入れ部は一度だけ使用できる、または、カートリッジ受入れ部とカートリッジとの間の相互接続は、分離できない。
【0023】
少なくとも1つの混合要素がカートリッジ受入れ部の混合チャンバに設けられ、前記混合要素は、溶媒または溶媒と食品基体または飲料基体の混合物が渦状にされることを保証する。
混合要素は、カートリッジ受入れ部の混合チャンバの底部に突起または一体形成部分として設けられる。
混合要素は、溶媒中に溶解される炭酸が抜けないように、または、わずかしか抜けないように設計される。
混合要素は、わずかな圧力低下だけを示すように設計される。
【0024】
カートリッジ受入れ部は、飲料または食品の製造前に膜に穴をあける穿刺手段を有している。
このカートリッジ受入れ部の穿刺手段は、例えば、カートリッジ受入れ部の混合チャンバの底部から突出するスパイクとして設計される。
カートリッジ受入れ部は、穿刺手段が変位可能に取り付けられるスパイク案内部を有している。
このように、カートリッジ受入れ部の穿刺手段は、カートリッジを閉鎖している膜から離れた後退位置と、この膜を貫きカートリッジのキャビティ内に突出する伸長位置との間で変位可能である。
【0025】
カートリッジ受入れ部の穿刺手段は、その外周に少なくとも1つの、好ましくは、複数の窪みまたは隆起部を有し、これが食品基体または飲料基体の流出部分として働く。
窪みまたは隆起部の量およびサイズは、食品基体または飲料基体の粘度に依存する。
このように、カートリッジ受入れ部の穿刺手段の外壁には、カートリッジを閉鎖している膜が穿刺されると混合チャンバの方向に食品基体または飲料基体を流す少なくとも1つの横方向チャネルが設けられている。
カートリッジ受入れ部の穿刺手段に横方向に形成された横方向チャネルを介して、食品基体または飲料基体は、カートリッジ受入れ部の混合チャンバの方向に膜を越えて流れることができる。
複数の横方向チャネルがカートリッジ受入れ部の穿刺手段に形成されるのが好ましい。
穿刺手段の横方向チャネルは、それぞれ、1つの側で開放している溝の形態で構成されている。
穿刺手段の横方向チャネルの断面または横方向チャネルの数を食品基体または飲料基体の粘度に適合させることによって穿刺手段の横方向チャネルが、カートリッジ受入れ部の混合チャンバの方向の食品基体または飲料基体の流れを制御または制限する。
高い粘度では、複数の横方向チャネルまたは比較的大きな断面を有する横方向チャネルが使用される一方、より低い粘度では、より少ない横方向チャネルまたはより小さな断面を有する横方向チャネルが設けられている。
従って、カートリッジごとに適合したカートリッジ受入れ部が存在する。
【0026】
さらに、このカートリッジ受入れ部には、内部ダクトの形態の圧縮空気ラインが、カートリッジ受入れ部の穿刺手段に一体化され、圧縮空気源に接続するための圧縮空気ラインの圧縮空気接続部は、カートリッジから離れる穿刺手段の側に形成され、前記圧縮空気接続部は、カートリッジ受入れ部の外側からアクセス可能であり、圧縮空気をカートリッジに吹き込むための圧縮空気ラインの圧縮空気出口は、カートリッジのキャビティに面する穿刺手段側に形成される。
ディスペンサの逆汚染を防止するために、カートリッジとカートリッジ受入れ部とによって構成されたカートリッジシステムが、カートリッジホルダに挿入されると、圧縮空気は、前もって圧縮空気接続部に適用される。
カートリッジ受入れ部の穿刺手段は、ディスペンサを経由して適用される圧縮空気によって後退位置から伸長位置へ移動される。
食品基体または飲料基体をカートリッジのキャビティからカートリッジ受入れ部の混合チャンバへ移すために、圧縮空気ではなく、CO2が、カートリッジのキャビティに導入されることも可能である。
【0027】
このように、カートリッジ受入れ部の穿刺手段は、先端部で終端するまたは先端部の領域で終端するチャネルを有する。
食品基体または飲料基体の分散を加速するためにまたは計量するために、このチャネルを介して、ガス、特に、空気またはCO2をカートリッジに吹き込むことが可能である。
【0028】
カートリッジシステムは、カートリッジ受入れ部がカートリッジホルダに挿入されまたは固定フランジの解放機構が作動されると、圧縮空気接続部が、カートリッジホルダの圧縮空気出口に結合されるように構成される。
このように、圧縮空気ラインは、食品基体または飲料基体によるディスペンサの逆汚染が防止されるように、できるだけ早期に加圧される。
【0029】
カートリッジ受入れ部の流入部分および流出部分は、カートリッジ受入れ部の反対側に提供される。
カートリッジ受入れ部の穿刺手段は、カートリッジ受入れ部の流入部分および流出部分と整列された態様で提供される。
【0030】
本発明によれば、出口は、移動可能な方法で、特に、回動可能な方法でカートリッジ受入れ部の混合チャンバに設けられる、または、出来上がった飲料または食品を受ける容器の側壁の方向に出口を方向付けることができる手段を有している。
この実施形態は、泡立つ傾向のある飲料または食品の場合に有利である。
出口は、手動でまたはモータによって移動させることができる。
カートリッジが識別子を有する場合、ディスペンサがカートリッジを認識した後で自動的に回動が生じることができる。
さらに、泡を判定する手段が設けられてもよい。
この分析に基づいて、出口を設定することができる。
【0031】
カートリッジは、プラスチックから、特に、成形または吹込み成形プロセスによって製造される。
カートリッジは、例えば、円形、長方形、正方形、円錐形または楕円形の断面を有する側壁を有している。
カートリッジの底部は、カートリッジの側壁の一方の端部に、一体部品として、一般に提供されている。
カートリッジの側壁および任意選択的に底部領域は、液体の形態の飲料基体または食品基体が提供されるキャビティを画成する。
カートリッジの壁領域の他方の端部に提供されるのは、接続領域であり、カートリッジは、カートリッジ受入れ部に接続される。
このカートリッジ受入れ部は、ディスペンサの一部であることができる、またはディスペンサと別個の構成要素であることができる。
【0032】
カートリッジの接続領域は、少なくとも1つのフランジを有するように提供される。
カートリッジのフランジは、接続領域から突出し、接続領域の壁領域からある角度で、好ましくは直角に突き出る。
飲料または食品を製造するために、フランジは、水平に方向付けられる。
カートリッジのフランジは、固体材料から作られる、すなわち、中空に作製されない。
特に、カートリッジのフランジは、射出成形される。
【0033】
さらに、カートリッジのフランジは、位置決めまたは被覆手段として設けられる。
このカートリッジの位置決め手段は、カートリッジが特定の位置でのみ、特に特定の回転角度で、カートリッジの長手方向中心軸に対して、ディスペンサ上にまたはカートリッジ受入れ部上に配置され得ることを保証する。
カートリッジの被覆手段は、出来上がった飲料または食品がそこを介して流出する領域を被覆する。
この位置決め手段および被覆手段は、同一のものである。
【0034】
カートリッジの位置決め手段または被覆手段は、フランジから、特に、その周囲から突出する窪みまたは出っ張り部分である。
カートリッジの位置決め手段または被覆手段は、フランジと一体の部品として提供される。
例えば、位置決め手段または被覆手段は、フランジの周囲の一点で一体的に形成されるつまみとして構成されている。
カートリッジの位置決め手段または被覆手段の厚さは、本例において、少なくとも、実質的にフランジの厚さに一致する。
【0035】
実施形態によれば、カートリッジの首部が、カートリッジの壁領域と接続領域との間に設けられている。
このカートリッジの首部は、例えば、丸い断面を有することができる。
カートリッジの首部は、接続領域の壁領域を示す。
カートリッジのフランジは、直角に首部に隣接する。
【0036】
カートリッジを使用前に閉鎖する、特に、気密式に密封する膜がフランジに、特にその端面に、特に、密封式に設けられる。
このため、カートリッジのフランジ、特に、その端面は、密封の間じゅうこの密封器具と協働するビード、特に、円形リングの形態のビードを有することができる。
カートリッジの膜の外周は、フランジの外周よりも短い。
【0037】
固定手段が、カートリッジの壁領域または首部の領域に設けられる。
この固定手段を介して、カートリッジをディスペンサに接続することができる。
固定手段は、例えば、ディスペンサ上の固定手段と係合する溝であることができる。
【0038】
カートリッジ受入れ部は、カートリッジに固定式に接続することができる、または、カートリッジの使用後にカートリッジから取り外され、新しいカートリッジに接続される交換部品であることができる。
カートリッジ受入れ部は、射出成形によってプラスチックから作られる。
カートリッジ受入れ部は、ディスペンサに接続される。
【0039】
被覆手段は、カートリッジのフランジに設けられ、カートリッジ受入れ部の流出部分を被覆する。
【0040】
カートリッジの、特に、その周囲のフランジは、カートリッジ受入れ部と密封式に協働する。
このため、フランジの周囲は、例えば、カートリッジ受入れ部の溝に係合することができる。
このフランジまたは溝接続は、圧力嵌めとして作用することもでき、それにより、飲料または食品製造の間、カートリッジ受入れ部に対してカートリッジが移動することを防止するようにし、また、カートリッジとカートリッジ受入れ部との間の接続がその密着性を喪失することを防止するようにする。
【0041】
実施形態によれば、カートリッジおよびカートリッジ受入れ部は、カートリッジを閉鎖している膜が穿刺される前、長手方向に互いに変位可能であるように提供されている。
この長手方向の変位の結果として、カートリッジ受入れ部の穿刺手段は、膜と係合され、膜を穿刺することができる。
【0042】
カートリッジおよびカートリッジ受入れ部は、回転に関して固定された方法で相互に接続される。
【0043】
カートリッジ受入れ部の穿刺手段は、チャネルを有する。
このチャネルを介してガスをカートリッジに押し込むことができ、ガスは、飲料基体または食品基体をカートリッジから押し出す、特にカートリッジ受入れ部の混合スペースに押し込む。
【0044】
本発明のさらなる主題は、本発明によるカートリッジシステムによって飲料を製造するための方法であり、この方法は、以下のステップ:
カートリッジとカートリッジ受入れ部とから構成されたカートリッジシステムをカートリッジホルダに挿入するステップ、
ディスペンサの流体源とカートリッジ受入れ部の流入部分との間に流体接続を確立するステップ、
ディスペンサの圧縮空気源とカートリッジ受入れ部の圧縮空気接続部との間に圧縮空気接続を確立するステップ、
カートリッジ受入れ部の穿刺手段を後退位置から伸長位置へ移行することによってカートリッジの膜に穴をあけるステップ、
カートリッジ受入れ部の圧縮空気接続部を介して圧縮空気をカートリッジへ注入することによって飲料基体または食品基体をカートリッジからカートリッジ受入れ部の混合チャンバへ移すステップ、
カートリッジ受入れ部の流入部分を介して希釈剤をカートリッジ受入れ部の混合チャンバへ注入するステップ、および
飲料基体または食品基体を希釈剤とブレンドすることによってカートリッジ受入れ部の混合チャンバ内で製造された飲料を流出部分によって放出するステップ
によって特徴付けられる。
【0045】
希釈剤は、カートリッジ受入れ部の流入部分に注入される前に冷却または炭酸化される。
【0046】
本発明によれば、ディスペンサを構成するカートリッジホルダの解放要素によってカートリッジ受入れ部の穿刺手段が後退位置から伸長位置へ移行され、カートリッジ受入れ部は、カートリッジ受入れ部の穿刺手段が後退位置から伸長位置へ移行されるように、ディスペンサに固定されたカートリッジホルダの解放要素に対して移動される。
カートリッジ受入れ部の穿刺手段が伸長位置へ移行される結果として、カートリッジの膜に穴があけられ、カートリッジは開封される。
ディスペンサに固定されたカートリッジホルダの解放要素は、カートリッジホルダに対してカートリッジシステムを移動するだけでよい。
【0047】
本発明によれば、カートリッジシステムをカートリッジホルダへ挿入する間または挿入した後、カートリッジホルダの固定フランジは、手動でまたはモータによって作動可能な解放機構によって操作され、カートリッジホルダの固定フランジはカートリッジ受入れ部の周囲に形状合致式にまたは圧力嵌め式に係合し、または、カートリッジホルダの固定フランジは、カートリッジ受入れ部と、カートリッジ受入れ部の穿刺手段と接触するカートリッジホルダの解放要素との間の相対移動が生じるようにシフトされ、カートリッジ受入れ部の穿刺手段は、後退位置から伸長位置へ移行される。
カートリッジホルダの固定フランジが爪を含むことが考えられ、これらの爪は、一緒に移動可能で、解放機構を介して互いに接近し、このようにして、カートリッジ受入れ部を互いの間でクランプする。
それに続いてまたはそれと同時に、カートリッジホルダの固定フランジは、カートリッジ受入れ部の内側の穿刺手段をカートリッジの膜に対して移動させるために、ディスペンサに固定されたカートリッジホルダの解放要素に対して移動する。
【0048】
解放機構は、カートリッジの長手方向軸に実質的に平行な回転軸の周りでハンドレバーを手動で回動することによって、作動される。
本例において、解放機構は、長手方向軸に平行な回転軸周りのハンドレバーの回転運動を、伝達装置によって長手方向軸に実質的に平行な並進の運動へ変換し、カートリッジホルダの固定フランジは、カートリッジホルダの解放要素の方向に移動される。
これは、カートリッジのその長手方向軸周りの向きが一定に保たれ、特に、識別子検出器に対する製品識別子の位置が変わらないという利点を有している。
【0049】
本発明によれば、時間的に、カートリッジシステムをカートホルダに挿入する、または、圧縮空気をカートリッジに注入する、または、希釈剤をカートリッジ受入れ部の混合チャンバに注入する、またはカートリッジホルダの固定フランジをカートリッジホルダの解放要素に対してシフトする前、間または後、製品識別子が識別子検出器によって読み取られる。
読み取られた製品識別子は、評価ユニットによって評価され、圧縮空気または希釈剤の注入または解放要素に対する固定フランジのシフトは、製品識別子が評価ユニットによって正しいと確認できる場合に限り、実行される。
これにより、以下のことが保証される、すなわち、ディスペンサは、既知のカートリッジシステムによってのみ、または、ディスペンサに認証されたカートリッジシステムによってのみ作動されることができるので、例えば、圧力に耐えることができない誤ったカートリッジシステムの偶発的な使用によるディスペンサの故障またはユーザの怪我の危険性が回避されることが保証される。
【0050】
注入される希釈剤の特性を、特に、注入される希釈剤の体積流れ、全体体積、圧力、送達の一時停止、温度または炭酸化の時間的プロファイルを、確認された製品識別子に応じて制御する。
さらに、注入される圧縮空気の特性、特に、注入される圧縮空気の体積流れ、全体体積、送達の一時停止、または圧力の時間的プロファイルが同じく、確認された製品識別子に応じて制御される。
また、希釈剤の体積流れと圧縮空気の体積流れの比率も確認された製品識別子に応じて制御される。
製品識別子に埋め込まれるのは、ディスペンサによって設定可能な飲料製造プロセスの全てのパラメータまたは変数であり、ディスペンサは、特定の飲料の製造に必要なまたは少なくとも役立つ全ての情報をカートリッジから得る。
この情報がディスペンサの内部メモリに記憶され、特定カートリッジの製品識別子の助けを借りて回収され、カートリッジホルダ内のこのカートリッジの存在が検出されるとすぐに後続の飲料製造プロセスを制御するために使用されることも考えられる。
【0051】
さらに、本発明は、飲料または食品の上の泡に影響を及ぼすために、溶媒、特に、水の体積流れが制御または調節される、飲料または食品を製造するための方法または上記方法である。
【0052】
この記述は、他の主題に等しく当てはまり、逆もまた同様である。
【0053】
本発明によれば、体積流れは、飲料または食品上の泡に影響を及ぼすために調節または制御される。
例えば、飲料または食品の製造中、より多いまたは少ない泡が生じるように、泡の量、特に泡レベルとして測定される泡の量に影響を及ぼすことができる。
さらに、溶媒の体積流れを調節または制御することによって泡の質を変えることができる。
特に、平均的に小さい気泡、従って、より安定的な泡を、または、平均的により大きい気泡、従って、より不安定な泡を作り出すことが可能である。
【0054】
泡の少なくとも1つのパラメータ、例えば、そのレベルを感知する手段が提供される。
この手段からの信号に基づいて、溶媒の体積流れは、調節または制御される。
例えば、手段は、カメラである。
さらに、特定の飲料基体または食品基体に対して固定された体積流れプロファイルに従うことも可能である。
【0055】
例えば、溶媒は、断続的な方法で、特にカートリッジ受入れ部の混合チャンバまたはカートリッジ自体に計量供給される。
カートリッジ受入れ部の混合チャンバ内でまたはカートリッジ内で、溶媒は、食品基体または飲料基体と混合される。
【0056】
本発明によれば、カートリッジ内の飲料基体または食品基体は、溶媒の体積流れに比例してまたは比例しないで計量される。
【0057】
本発明は、飲料または食品上の泡のレベルに影響を及ぼすために、飲料または食品が収集される容器の傾斜が変えられる方法に関する。
【0058】
この記述は、本発明の他の主題に等しく当てはまり、逆もまた同様である。
【0059】
傾斜は、時間または容器の充填レベルに応じて、制御または調節される。
【0060】
以下の文において、本発明を
図1~
図5を参照して説明する。
これらの説明は、単に例であり、本発明による一般概念を制限しない。
説明は、本発明によるカートリッジおよびカートリッジシステムに等しくあてはまる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1】本発明の第1実施形態によるカートリッジシステムのカートリッジおよびカートリッジ受入れ部を示す。
【
図2】本発明の第1実施形態によるディスペンサおよびカートリッジシステムを示す。
【
図3】本発明の第1実施形態によるディスペンサおよびカートリッジシステムを示す。
【
図4】本発明の第1実施形態によるディスペンサおよびカートリッジシステムを示す。
【
図5】本発明の第1実施形態によるディスペンサおよびカートリッジシステムを示す。
【
図6a】本発明の第2実施形態によるカートリッジシステムのカートリッジを示す。
【
図6b】本発明の第2実施形態によるカートリッジシステムのカートリッジを示す。
【
図6c】本発明の第2実施形態によるカートリッジシステムのカートリッジを示す。
【
図7a】本発明の第2実施形態によるカートリッジシステムのカートリッジ受入れ部を示す。
【
図7b】本発明の第2実施形態によるカートリッジシステムのカートリッジ受入れ部を示す。
【
図7c】本発明の第2実施形態によるカートリッジシステムのカートリッジ受入れ部を示す。
【
図8a】本発明の第2実施形態によるカートリッジシステムのカートリッジ受入れ部の穿刺手段を示す。
【
図8b】本発明の第2実施形態によるカートリッジシステムのカートリッジ受入れ部の穿刺手段を示す。
【
図9a】本発明の第3実施形態によるディスペンサおよびカートリッジシステムを示す。
【
図9b】本発明の第3実施形態によるディスペンサおよびカートリッジシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1は、カートリッジ1とカートリッジ受入れ部10とからなるカートリッジシステムを示す。
カートリッジ1は、例えば、射出成形または吹込み成形技術によって、プラスチック材料から製造される。
本例において、カートリッジ1は、正方形の壁領域6を有し、その上端部は、底部領域7に隣接している。
カートリッジ1の壁領域6および底部領域7は、キャビティの境界を定め、キャビティ内に飲料基体または食品基体、具体的には、濃縮物が配置され、それを用いて飲料または食品を製造することができる。
この例において、カートリッジ1の底部領域7と反対側の壁領域6の端部に、より低い端部、接続領域4が設けられ、本例において、首部3およびフランジ5を有している。
カートリッジ1のキャビティは、充填された後、クロージャ、本例では、カートリッジ1の膜14によって気密式に密封される。
カートリッジ1の膜14、具体的には、プラスチックフォイルは、接着式に、特に、シールによって、カートリッジ1のフランジ5に接続されている。
カートリッジ1の接続領域4を介して、カートリッジ1は、カートリッジ受入れ部10に接続される。
本例では、出っ張り部分として、つまみ状の出っ張り部分として設けられる位置決めまたは被覆手段8が、カートリッジ1のフランジ5に設けられている。
この例において、つまみは、カートリッジ1のフランジ5に一体的に形成されている。
さらに、カートリッジシステムは、カートリッジ受入れ部10を有している。
カートリッジ受入れ部10は、水を含む希釈剤(溶媒とも呼ばれる)用の流入部分15と、希釈剤および飲料基体または食品基体がその中で一緒に混合される混合チャンバ13とを有する。
混合物の流れ方向は、矢印12によって示されている。
出来上がった飲料または食品は、カートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13を出、流出部分11を通り、容器(不図示)、例えば、飲料グラスに集められる。
さらに、カートリッジ受入れ部10は、穿刺手段16、この例では、スパイクを有し、穿刺手段16は、カートリッジ1のフランジ領域5に封じ着けられている膜14を穿刺し、その結果、飲料基体または食品基体を、スパイクの外面に沿ってカートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13に流れ込むことができる。
そのために、スパイクには外側に横方向チャネル17が設けられている。
【0063】
カートリッジ1の膜14を穿刺するために、カートリッジ1またはカートリッジ受入れ部10は、穿刺スパイク16がカートリッジ1の膜14を貫通するように相対的および長手方向に移動される。
カートリッジ受入れ部10の穿刺スパイク16は、カートリッジ受入れ部10のスパイク案内部28に長手方向に変位可能な方法で取り付けられ、カートリッジ受入れ部10とカートリッジ1との間の相対移動は不要であるが、穿刺スパイク16のみが、カートリッジ1の膜14から離される後退位置(
図1参照)から、カートリッジ1の膜14を穿刺しカートリッジ1のキャビティに突出する伸長位置へ移行される。
【0064】
カートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13に入る食品基体または飲料基体の流れは、穿刺スパイク16内のダクト18を介してカートリッジ1のキャビティに押し込まれるガスによって目標の態様で加速および制御することができる。
例えば、カートリッジ1内の圧力、ひいては、食品基体または飲料基体の体積流れは、溶媒の体積流れに適合させることができる。
これは、泡の形成に影響を及ぼすように溶媒の体積流れが目標の態様で制御または調節されるときに、興味深いものである。
その後、食品基体または飲料基体の体積流れが、溶媒の体積流れに適合される。
【0065】
カートリッジ1のフランジ5は、カートリッジ受入れ部10と密封するやり方で協働し、その結果として、液体が、カートリッジ受入れ部10の流出部分11だけを通ってカートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13を出ることを保証する。
さらに、本例において、カートリッジ1の出っ張り部分8は、位置決め手段だけでなくカートリッジ受入れ部10内の流出部分11を特に密封するやり方で被覆することが、これらの図から明らかである。
カートリッジ1のフランジ5およびそれに設けられた出っ張り部分8は、それらの端面を介してまたはそれらの周囲を介して、カートリッジ受入れ部10の対応する面と、密封するやり方で協働することができる。
【0066】
図2~
図5は、ディスペンサのカートリッジホルダ24と、第1実施形態によるカートリッジシステムとを示す。
図2は、カートリッジホルダ24を示し、その中に、
図1に示したカートリッジシステム、特に、カートリッジシステムのカートリッジ受入れ部10が、カートリッジシステムなしに挿入可能である。
図3および
図4において、カートリッジシステムは、カートリッジホルダ24に挿入された状態にある。
図5では、カートリッジシステムおよびカートリッジホルダ24は、別々に示されている。
【0067】
カートリッジホルダ24は、部分的にカートリッジ受入れ部10を受け入れる切欠き26を有する。
図4から、カートリッジホルダ24の切欠き26に達するカートリッジ受入れ部10の部分が、形状合致式にそれと協働できることを見ることができる。
さらに、
図2および
図3は、カートリッジホルダ24の切欠き26が、カートリッジホルダ24の縁部まで延在し、その結果、開口部が、そこに生じ、その中にカートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13の流出部分11が突出していることを示している。
結果として、第1のねじれ防止手段が提供される。
さらに、カートリッジホルダ24は、形状合致式にカートリッジ受入れ部10の周囲と協働し、垂直からの傾斜に対してカートリッジ1を支持する案内部分25を有することができる。
このカートリッジホルダ24の案内部分25も同じく、カートリッジ受入れ部10の流出部分11がそれから突出できる切欠きを有することができる。
ここでも、カートリッジ受入れ部10の流出部分11は、カートリッジホルダ24の案内部分25と併せて、カートリッジ受入れ部10がカートリッジホルダ24に対して回転することを防止する。
カートリッジホルダ24は、液体接続部としてパイプ22を有し、このカートリッジホルダ24のパイプ22は、溶媒貯蔵部(希釈剤または液体源用の貯蔵部とも呼ばれる)に接続されるのが好ましい。
カートリッジ受入れ部10が、カートリッジホルダ24に挿入されると、カートリッジホルダ24のパイプ22とカートリッジ受入れ部10の流入部分15との間に流体接続が形成され、カートリッジホルダ24のパイプ22を経由して流入する希釈剤が、カートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13に流れ込む。
【0068】
カートリッジ受入れ部10の流出部分11は、出来上がった飲料または食品の噴流が容器に流れ込む角度を変えるために、回動可能な方法で設けることができる。
噴流が、例えば、出来上がった飲料または食品を受け入れる容器の壁の方向に移動される場合、結果として、例えば、泡の形成を抑制することが可能である。
さらに、容器が立つ支持部分は、出来上がった飲料または食品の噴流が壁に衝突する角度が変えられるように傾斜させることができる。
このようにして、泡の形成に影響を及ぼすことも可能である。
【0069】
図6a~
図6cは、第2実施形態によるカートリッジシステムのカートリッジ1の概略図を示す。
カートリッジ1は、丸みを帯びた隅部と、平らな長手方向側面と、カートリッジ1の長手方向軸に沿って底部領域7の反対側のカートリッジ開口部とを備えたボトル状の物体を含む。
カートリッジ開口部の領域に、カートリッジ1は、カートリッジ受入れ部10がクリップ留めされる2つの円周方向保持フランジ5を有している。
その他の点では、円形のカートリッジ1の、または、丸みを帯びたカートリッジ1の1つの側面は、平らな領域29を有している。
平らな領域に、製品識別子が適用される。
【0070】
図7a、
図7bおよび
図7cは、本発明の第2実施形態のカートリッジシステムのカートリッジ受入れ部10の概略図を示す。
カートリッジ受入れ部10は、両側に、少なくとも部分的に円周方向のラッチストリップ30を有し、それを介して、カートリッジ受入れ部10は、カートリッジ1の保持フランジ5に対してクリップ留めされる。
さらに、カートリッジ受入れ部10は、混合チャンバ13を有し、その後側に流入部分15が、カートリッジ受入れ部10の壁の単純な通路開口部の形態で形成される。
カートリッジ受入れ部10の流入部分15は、カートリッジシステムがカートリッジホルダ24に挿入されるとすぐに、水貯蔵部に流体接続されたカートリッジホルダ24のパイプ22に接続されるように作られている。
このようにして、冷却または炭酸化された水が、ディスペンサからカートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13へ流れ込むことができる。
前側において、カートリッジ受入れ部10の飲料流出部分11が、カートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13の底部に形成される。
カートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13の底部は、飲料流出部分11の方向に、連続的に深くなる凹部を形成し、その結果、飲料製造プロセスの完了後、液体残留物は、カートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13内に残らない。
加えて、
図8aおよび
図8bに示される穿刺手段16が変位可能に取り付けられるスパイク案内部28を、
図7a~
図7cにおいてカートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13内の中央に見ることができる。
【0071】
このために、スパイク案内部80は、穿刺スパイクが変位可能に収容された内部案内チャネルを備えた案内部分を含む。
案内チャネルは、円筒状に形成され、カートリッジ1の方向に混合チャンバ13の底部から実質的に垂直に突出している。
カートリッジ1に面する案内部分の端部に形成されているのは、直径が低減した円周方向ストッパであり、穿刺スパイク16が伸長位置に達すると、穿刺スパイク16の円周方向肩部がそれに当接する。
従って、この円周方向ストッパは、キャビティ6の方向における穿刺スパイク16の移動を制限する。
カートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13の底部に配置されているのは、混合構造であり、流入する水は、渦状にされ、食品基体または飲料基体および水のブレンディングが改善される。
【0072】
図8aおよび
図8bは、本発明の第2実施形態によるカートリッジシステムのカートリッジ受入れ部10の穿刺手段16(穿刺スパイクとも呼ばれる)の詳細図を示す。
【0073】
カートリッジ受入れ部10の穿刺スパイク16は、スパイク案内部28内に長手方向に変位可能な方法で配置されるように構成されている。
従って、カートリッジ受入れ部10の穿刺手段16がカートリッジ1の膜14から離れる後退された開始位置から、穿刺手段16がカートリッジ1の膜14を貫きカートリッジ1のキャビティ内に突出する伸長位置へ移動される。
カートリッジ受入れ部10の穿刺手段16は、ディスペンサの解放要素によって、後退位置から伸長位置へ移動される。
【0074】
カートリッジ受入れ部10の穿刺スパイク16に一体化されるのは、穿刺スパイク16に沿って伸びる圧縮空気ライン31(ダクト22とも呼ばれる)である。
圧縮空気ライン31は、穿刺スパイク16の第1端部から穿刺スパイク16の第2端部まで、穿刺スパイク16内で実質的に中央に伸びている。
穿刺スパイク16の第1端部に、圧縮空気ライン31の、カートリッジ受入れ部10の外側からアクセス可能な圧縮空気接続部40が形成され、前記圧縮空気接続部40は、カートリッジホルダ24のディスペンサの圧縮空気源に流体接続された圧縮空気出口32に接続されるように作られている。
第2端部に形成されるのは、穿刺スパイク16が伸長位置にあるとき、カートリッジ1のキャビティに圧縮空気を吹き込み、その結果、食品基体または飲料基体がカートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13に押し込まれるための、圧縮空気ライン31の圧縮空気出口である。
【0075】
カートリッジシステムは、カートリッジ受入れ部10がカートリッジホルダ24に挿入されるとすぐに、または、固定フランジの解放機構が作動されるとすぐに、カートリッジ受入れ部10の穿刺手段16の圧縮空気接続部40がカートリッジホルダ24の圧縮空気出口32に直ちに結合されるように構成されている。
【0076】
カートリッジ受入れ部10の穿刺手段16の外壁は、カートリッジ1の膜14が貫かれるとカートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13の方向に食品基体または飲料基体を送るための、実質的に互いに平行に伸びる複数の、具体的にはちょうど5つの横方向チャネル17を備えるように構成されている。
カートリッジ受入れ部10の穿刺手段16に横方向に形成された横方向チャネルを介して、食品基体または飲料基体は、カートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13の方向にカートリッジ1の膜14を越えて流れることができる。
横方向チャネル17は、1つの側面で開放された溝の形態でそれぞれ構成される。
横方向チャネルの断面または横方向チャネルの数を食品基体または飲料基体の粘度に適合させ、その結果、横方向チャネル17がカートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13の方向における食品基体または飲料基体の流れを制御または制限する。
穿刺スパイク16は、プラスチック部品として構成され、射出成形プラスチック部品として構成される。
【0077】
次に、
図9aおよび
図9bが、本発明の第3実施形態によるディスペンサおよびカートリッジシステムを示す。
【0078】
システムは、
図6a~
図6cを参照して説明したカートリッジ1と、
図7a~
図8bを参照して説明したカートリッジ受入れ部10とからなるカートリッジシステムを含む。
カートリッジ1およびカートリッジ受入れ部10は、相互に接続されている、具体的にはクリップ留めされている。
【0079】
カートリッジシステムのディスペンサは、カートリッジシステムがユーザによって手動で挿入されるカートリッジホルダ24を含む。
【0080】
カートリッジホルダ24は、カートリッジホルダ24へカートリッジシステムを挿入した後、穿刺手段16の圧縮空気接続部40と流体接続する圧縮空気出口32を含む。
ディスペンサの圧縮空気出口32は、可撓性ライン33を経由してディスペンサの圧縮空気源へ、例えば、ディスペンサのハウジングの内側のコンプレッサへ接続され、その結果、穿刺手段16の内側の圧縮空気ライン31が加圧される。
ディスペンサの圧縮空気源が、交換可能なガスカートリッジを含む。
圧縮空気出口32は、固定要素として構成され、解放要素を同時に含み、解放要素は、穿刺手段16を後退位置から伸長位置へ移行し、その際、穿刺手段カートリッジは、膜14を穿刺し、圧縮空気出口は、カートリッジ1のキャビティ内に配置されている。
【0081】
カートリッジホルダ24は、液体接続部35(
図2中パイプ22とも呼ばれる)も有し、それを介して、ディスペンサの水貯蔵部からの水が、カートリッジ受入れ部10の水流入部分15に供給される。
具体的には、水貯蔵部は、取外し可能な水タンクを含み、それから、水が1つまたは複数のポンプを用いて取り出され、加圧下にカートリッジ受入れ部10の水流入部分15に供給される。
流体供給部とカートリッジ受入れ部10の水流入部分15との間の接続は、カートリッジシステムがカートリッジホルダ24に挿入されるや否や直ちに確立される。
水流入部分15に供給される前、水タンクからの水は、炭酸化装置を用いてディスペンサ内で炭酸化される(すなわち炭酸が添加される)、または、冷却ユニットを用いて冷却される。
冷却ユニットは、コンプレッサを備えた冷却回路を含み、炭酸化装置のようにディスペンサのハウジングに同様に一体化される。
【0082】
また、カートリッジホルダ24は、カートリッジホルダ24に挿入すると形状合致式にまたは圧力嵌め式にカートリッジ受入れ部10の周りに係合する固定フランジ34を備えている。
このために、固定フランジ34は、カートリッジ受入れ部10の周りに半径方向に係合する少なくとも2つの爪37を含む。
また、カートリッジホルダ24は、固定フランジ34を作動させるための解放機構を有している。
解放機構は、例えば、カートリッジホルダ24上の、ユーザによって手動で作動されるハンドレバーを含み、ハンドレバーは、作動されるとカートリッジ2の長手方向軸に実質的に平行な回転軸の周りで回動可能である。
ハンドレバーは、ハンドレバーの回動の結果として、爪37が互いに向かって移動され、互いの間に形状合致式にカートリッジ受入れ部10を受け入れるかクランプするように、伝達装置を介して固定フランジ34の爪37に結合される。
【0083】
同時に、伝達装置は、ハンドレバーの回転運動を、固定フランジ34の移動における下向きの直線運動へ変換し、その結果、カートリッジシステム全体が下降される。
かくして、カートリッジ受入れ部10は、穿刺手段16が解放要素36に衝突するように、ディスペンサに固定された解放要素36に対して移動され、穿刺手段16は、後退位置から伸長位置へ移動される。
結果として、カートリッジ1の膜14は、貫通される。
圧縮空気出口32と圧縮空気接続部40との間の流体接続を、カートリッジ受入れ部10が解放要素36に対して下降された結果としてのみ確立する。
伝達装置は、ねじジャッキを介して変換および下降運動をもたらす。
【0084】
圧縮空気がキャビティに導入され水がカートリッジ受入れ部10の混合チャンバ13に導入される結果として、飲料製造プロセスが開始され、カートリッジ受入れ部10の混合チャンバ14内で製造された飲料は、カートリッジ受入れ部10の流出部分11を通過して、ディスペンサの支持部においてカートリッジ受入れ部10の流出部分11の下に配置された飲料容器に入ることができる。
支持部は、回動可能または垂直移動可能な方法で設けられている。
【0085】
ディスペンサのハウジングに面するその平らな領域に、カートリッジ1は、製品識別子38を有している。
この例では、製品識別子38は、キャビティ内に存在する食品基体または飲料基体に関する情報が埋め込まれたQRコードを含む。
ディスペンサのハウジングの対抗する面に配置されているのは、高額カメラ、特に、CCDカメラの形態の識別子検出器39である。
QRコードは、光学カメラによって検出され、ディスペンサの評価ユニットによって評価される。
この方法において、ディスペンサは、カートリッジホルダ24に挿入されたカートリッジシステムがどの種類のカートリッジ1または食品基体または飲料基体であるかを認識する。
この情報に基づいて、カートリッジ1内に配置された食品基体または飲料基体を用いる飲料の製造に関する情報を、ディスペンサの内部メモリから任意選択的にローディングすることができる。
具体的には、注入される水の質量流れ、温度、圧力または炭酸化の経時的および絶対的なプロファイルの公称値、または注入される圧縮空気の質量流れまたは圧力の経時的および絶対的なプロファイルの公称値が、それによって特定される。
飲料が製造される場合、特定のカートリッジ種類の外観および味の点で最適な結果を達成するように、希釈剤の質量流れと圧縮空気の質量流れの比率を、確認された製品識別子に応じて制御する。
【0086】
飲料製造後、ユーザは、ハンドレバーを回動し戻すことができ、結果としてカートリッジシステムは、再び、上昇される。
ここで、この方法で解放されたカートリッジシステムは、ディスペンサから取り外され、廃棄またはリサイクルすることができる。
【符号の説明】
【0087】
1 ・・・カートリッジ
2 ・・・移動方向
3 ・・・首部
4 ・・・接続領域
5 ・・・フランジ
6 ・・・壁領域
7 ・・・底部領域
8 ・・・位置決めまたは被覆手段(窪みまたは出っ張り部分)
9 ・・・物質の流入部分、穿刺手段
10 ・・・カートリッジ受入れ部
11 ・・・物質プラス溶媒または水の流出部分
12 ・・・物質プラス溶媒または水の流れの方向
13 ・・・混合チャンバ
14 ・・・クロージャ(膜)
15 ・・・溶媒流入部分(水流入部分)
16 ・・・穿刺手段(スパイク)
17 ・・・流出チャネル
18 ・・・ガス入口
19 ・・・シール(カラーシール)
20 ・・・固定手段(カラー)
21 ・・・支持部
22 ・・・ダクト
23 ・・・カートリッジ受入れ部の窪みまたは出っ張り部分
24 ・・・カートリッジホルダ
25 ・・・カートリッジ受入れ部の案内部分
26 ・・・切欠き
27 ・・・案内縁部
28 ・・・スパイク案内部
29 ・・・平坦領域
30 ・・・ラッチストリップ
31 ・・・圧縮空気ライン
32 ・・・圧縮空気出口
33 ・・・ライン
34 ・・・固定フランジ
35 ・・・液体接続部
36 ・・・解放要素
37 ・・・爪
38 ・・・製品識別子
39 ・・・識別子検出器
40 ・・・圧縮空気接続部
【手続補正書】
【提出日】2023-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジ(1)とカートリッジ受入れ部(10)とを備えたカートリッジシステムが挿入されるカートリッジホルダ(24)を有する飲料製造用ディスペンサであって、
前記カートリッジホルダ(24)が、前記カートリッジホルダ(24)に挿入する間または挿入した後で形状合致式におよび/または圧力嵌め式に前記カートリッジ受入れ部(10)の周囲に係合する固定フランジ(34)と、前記カートリッジ受入れ部(10)の穿刺手段(16)を後退位置から伸長位置へ移行する解放要素(36)と、前記カートリッジ受入れ部(10)に接続する液体接続部(35)と、前記穿刺手段(16)に結合するとともに圧縮空気源に接続する圧縮空気出口(32)とを有し、
前記穿刺手段(16)が、前記後退位置において前記カートリッジ(1)を閉鎖する膜(14)から離れ、前記伸長位置において前記膜(14)を貫通して前記カートリッジ(1)内に突出することを特徴とする、飲料製造用ディスペンサ。
【請求項2】
前記カートリッジホルダ(24)が、前記カートリッジ(1)と前記カートリッジ受入れ部(10)との少なくとも一方を少なくとも部分的に受け入れる切欠き(26)を有し、
前記切欠き(26)および前記カートリッジ(1)またはカートリッジ受入れ部(10)が、少なくとも部分的に形状合致式に協働することを特徴とする、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記カートリッジホルダ(24)が、前記カートリッジ受入れ部(10)の周囲と協働する案内部分(25)を有していることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記ディスペンサが、前記カートリッジ(1)および/または前記カートリッジ受入れ部(10)上の製品識別子(38)を読み取る識別子検出器(39)を有し、
前記識別子検出器(39)が、前記カートリッジホルダ(24)の上および/または後ろに配置されていることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のディスペンサと、カートリッジ受入れ部(10)およびカートリッジ(1)とを有し、
前記カートリッジ(1)が、膜(14)によって閉鎖され、
前記カートリッジ受入れ部(10)が、前記カートリッジ受入れ部(10)と前記穿刺手段(16)との間の相対移動が生じるようにシフトさせる前記解放要素(36)によって前記穿刺手段(16)を前記後退位置から前記伸長位置へ変位可能に移行させるためのスパイク案内部(28)を有し、
前記穿刺手段(16)が、前記穿刺手段(16)が前記膜(14)から離れる後退位置と前記穿刺手段(16)が前記カートリッジ(1)の前記膜(14)を穿刺し前記カートリッジ(1)の中に突出する伸長位置との間で変位可能であることを特徴とする、カートリッジシステム。
【請求項6】
前記カートリッジ受入れ部(10)が、希釈剤の流入部分(15)と、前記希釈剤と飲料基体および/または食品基体とが混合される混合チャンバ(13)と、流出部分(11)とを有し、
前記希釈剤の流れの方向に関して、流れ断面が、最初に拡張され、その後、再び縮小されることを特徴とする、請求項5に記載のカートリッジシステム。
【請求項7】
前記膜(14)が、前記穿刺手段(16)によって穿刺されると、
前記飲料基体および/または食品基体を前記混合チャンバ(13)の方向に送る横方向チャネル(17)が、前記穿刺手段(16)の外壁に導入されていることを特徴とする、請求項6に記載のカートリッジシステム。
【請求項8】
圧縮空気ライン(31)が、前記穿刺手段(16)に一体化され、
圧縮空気源に接続する前記圧縮空気ライン(31)の圧縮空気接続部(40)が、前記カートリッジ(1)から離れる前記穿刺手段(16)の側に形成され、
前記圧縮空気接続部(40)が、前記カートリッジ受入れ部(10)の外側からアクセス可能であり、
前記カートリッジ(1)に圧縮空気を吹き込む前記圧縮空気ライン(31)の圧縮空気出口が、前記カートリッジ(1)に面する前記穿刺手段(16)の側に形成されていることを特徴とする、請求項5~請求項7のいずれか一項に記載のカートリッジシステム。
【請求項9】
請求項5~請求項8のいずれか一項に記載のカートリッジシステムによって飲料を製造する方法であって、以下のステップ:
カートリッジ(1)とカートリッジ受入れ部(10)とから構成されたカートリッジシステムを前記カートリッジホルダ(24)に挿入するステップ、
前記ディスペンサの流体源と前記カートリッジ受入れ部(10)の流入部分(15)との間に流体接続を確立するステップ、
前記ディスペンサの圧縮空気源と前記カートリッジ受入れ部(10)の圧縮空気接続部(40)との間に圧縮空気接続を確立するステップ、
前記穿刺手段(16)を前記後退位置から前記伸長位置へ移行することによって前記膜(14)に穴をあけるステップ、
前記圧縮空気接続部(40)を介して圧縮空気を前記カートリッジ(1)へ注入することによって前記カートリッジ(1)から飲料基体および/または食品基体を混合チャンバ(13)へ移すステップ、
前記流入部分(15)を介して希釈剤を前記混合チャンバ(13)へ注入するステップ、および
前記飲料基体および/または食品基体を前記希釈剤とブレンドすることによって前記混合チャンバ(13)内で製造された飲料を流出部分(11)によって放出するステップによって特徴付けられ、
前記穿刺手段(16)が、前記ディスペンサの解放要素(36)によって前記後退位置から前記伸長位置へ移行され、
前記カートリッジ受入れ部(10)が、前記穿刺手段(16)が前記後退位置から前記伸長位置へ移行されるように、前記ディスペンサに固定されて前記カートリッジ受入れ部(10)と穿刺手段(16)との間の相対移動が生じるようにシフトさせる解放要素(36)に対して移動されることを特徴とする飲料製造方法。
【請求項10】
前記流入部分(15)に注入される前に前記希釈剤が冷却および/または炭酸化されることを特徴とする、請求項9に記載の飲料製造方法。
【請求項11】
時間的に、前記カートリッジ(1)を前記カートリッジホルダ(24)に挿入する、および/または、圧縮空気を前記カートリッジ(1)に注入する、および/または、前記希釈剤を前記混合チャンバ(13)に注入する、および/または前記固定フランジ(34)を前記解放要素(36)に対してシフトする前、間または後、
前記カートリッジ(1)上の製品識別子(38)が、前記製品識別子(38)を読み取る識別子検出器(39)によって読み取られることを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の飲料製造方法。