(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093768
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】液体吐出装置から液体を吐出させる方法および液体吐出装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/14 20060101AFI20230627BHJP
B41J 2/18 20060101ALI20230627BHJP
B41J 2/16 20060101ALI20230627BHJP
B41J 2/055 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
B41J2/14 605
B41J2/18
B41J2/14 301
B41J2/16 501
B41J2/16 401
B41J2/14 501
B41J2/16 507
B41J2/14 613
B41J2/16 517
B41J2/055
B41J2/16 503
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076590
(22)【出願日】2023-05-08
(62)【分割の表示】P 2021079130の分割
【原出願日】2016-12-30
(31)【優先権主張番号】62/273,891
(32)【優先日】2015-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502122794
【氏名又は名称】フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ メンゼル
(72)【発明者】
【氏名】ダレン イマイ
(57)【要約】
【課題】ノズルの急速な再充填と十分に高いノズル圧力の両方を達成する。
【解決手段】液体吐出装置のノズル22から液体を吐出させる工程と、流路からノズル22に液体を再充填する工程と、を含む液体吐出方法であり、流路にわたって形成された膜300が、流体がノズル22から吐出されるときに流路に第一インピーダンスを提供し、流体がノズルから吐出されないときに第二インピーダンスを提供し、第一インピーダンスは、第二インピーダンスよりも大きい。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体吐出装置のノズルから液体を吐出させる工程と、
流路から該ノズルに液体を再充填する工程と、
を含み、
前記流路にわたって形成された膜が、流体が前記ノズルから吐出されるときに該流路に第一インピーダンスを提供し、流体が前記ノズルから吐出されないときに第二インピーダンスを提供し、ならびに前記第一インピーダンスが、前記第二インピーダンスよりも大きい、液体吐出方法。
【請求項2】
前記ノズルに前記再充填する工程が、前記膜の少なくとも1つの穴を通って液体を流す工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ノズルに前記再充填する工程が、圧送チャンバから前記ノズルへ前記流路に沿って液体を流す工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ノズルに前記再充填する工程が、戻りチャンネルから前記ノズルへ前記流路に沿って液体を流す工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ノズルから液体を吐出させる工程が、前記膜の少なくとも1つの穴を通って液体を流す工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記液体吐出装置の前記ノズルから液体を吐出させる工程が、アクチュエータを作動させて前記ノズルに流体接続された圧送チャンバから液体を吐出させる工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記アクチュエータを作動させる工程が、圧電アクチュエータを作動させる工程を含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
ノズル層にノズルを形成する工程であって、該ノズル層が、第一表面を有し、該ノズルが、液体の吐出のための出口開口部を前記第一表面に有する、工程と、
前記ノズル層における前記第一表面から遠い側において前記ノズル層の第二表面上に膜を形成する工程と、
該膜を貫通する少なくとも1つの穴を形成する工程と、
前記膜における前記少なくとも1つの穴が、圧送チャンバと前記ノズルの間の通路または前記ノズルと戻りチャネルとの間の第二通路に収縮を提供するように、前記膜における前記ノズル層から遠い側を、前記圧送チャンバおよび前記戻りチャネルを有するウェハに取り付ける工程と、
を含む、液体吐出装置を製造する方法。
【請求項9】
前記ウェハ上にアクチュエータが形成され、該アクチュエータが、該アクチュエータの作動によって前記圧送チャンバから液体を流し出して液体が前記ノズルから放出されるように構成されている、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記アクチュエータが、圧電アクチュエータを含む請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記膜および前記少なくとも1つの穴が、前記ノズルの共鳴周波数においてまたはその周辺において最大インピーダンスを有するように形成工程を含む、請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの穴を形成する工程が、前記膜をエッチングする工程を含む、請求項8記載の方法。
【請求項13】
前記膜に複数の穴を形成する工程を含む、請求項8記載の方法。
【請求項14】
前記膜を形成する工程が、前記膜が酸化物またはポリマーで形成される工程を含む、請求項8記載の方法。
【請求項15】
前記膜を形成する工程が、前記ノズル層に膜を被着させる工程を含む、請求項8記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、液体吐出装置から液体を吐出させる方法および液体吐出装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの液体吐出装置では、液滴が、1つ以上のノズルから媒体上に吐出される。当該ノズルは、流体圧送チャンバを含む流路へと流体接続されている。当該液体圧送チャンバは、アクチュエータによって作動させることができ、それにより、液滴の吐出が生じる。当該媒体は、液体吐出装置に対して移動させることができる。特定のノズルからの液滴の吐出は、液滴を当該媒体上の所望の場所に位置するために、当該媒体の移動に合うようにタイミングが計られる。均一なサイズおよび速度ならびに同じ方向での液滴の吐出は、当該媒体上への液滴の均一な被着を可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
流体が液体吐出装置のノズルから放出されるとき、当該ノズルは、少なくとも部分的に液体を使い果たし、それによって、当該ノズルは、さらなる液滴の吐出の準備ができていない状態になり得る。ノズルへの「漏れ」流路による流体循環は、当該枯渇したノズルを再充填することができる。これらの漏れ流路が大きな断面積を有する場合、当該枯渇したノズルは、ノズルから液体が放出された後に急速に再充填することができ、後続の液体吐出のためにより急速に準備が為され得る。しかしながら、大きな漏れ流路は、効率的な液体吐出のための、当該ノズル開口部における十分に高い圧力を実現するのを困難にし得る。急速なノズルの再充填と十分に高いノズル圧力の両方を達成するために、インピーダンス特徴部を当該流路に配置することができる。インピーダンス特徴部は、ジェット共鳴周波数においてまたはその周辺において他の周波数より高い流体インピーダンスを漏れ流路中に与える。ジェット共鳴周波数は、ノズルからの流体吐出の際などにおいてノズルが高い流体流動を有する周波数である。インピーダンス特徴部によって与えられた、ジェット共鳴周波数における高い流体インピーダンスの結果として、流路における流体インピーダンスは、液体吐出の際に、他のタイミング、例えば再充填の際などよりも高くなり、結果として、液体が吐出されないときの枯渇したノズルの急速な再充填を依然として提供しつつ、吐出の際に十分に高い圧力を実現することを可能にする。インピーダンス特徴部は、液体サプライ路または戻り路に配置されたアパーチャを有する膜であり得る。
【0004】
別の問題は、ノズルを目詰まりまたは損傷させ得る汚染物質、例えば、不純物などを流体が含有する場合があることである。そのような汚染物質がノズルに達しないように、または表面に放出されないように、フィルターを有することは有用である。当該インピーダンス特徴部は、液体サプライ路に配置された、アパーチャを有する膜であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一態様において、液体吐出装置は、ノズル層、本体、アクチュエータ、および膜を含む。ノズル層は、外面、内面、および当該内面と当該外面との間に延在するノズルを有する。当該ノズルは、液体を受け入れるための入口を内面に有し、ならびに液体の吐出のための出口開口部を外面に有する。ノズル層の内面は、本体に固定されている。当該本体は、圧送チャンバ、戻りチャネル、および当該圧送チャンバを当該ノズルの入口に流体接続する第一通路を含む。第二通路は、当該ノズルの入口を当該戻りチャネルに流体接続する。アクチュエータは、当該圧送チャンバから液体を流し出すように構成され、それにより、当該アクチュエータの作動によって液体が当該ノズルから放出される。当該膜は、当該第一通路、当該第二通路、または当該ノズルの入口の少なくとも1つをまたぐように、ならびに部分的に遮断するように形成される。当該膜はそれ自身を貫通する少なくとも1つの穴を有しており、そのため、当該液体吐出装置の作動時には、流体が、当該膜の当該少なくとも1つの穴を通って流れる。
【0006】
実践形態は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。
【0007】
当該膜および穴は、流体がノズルから吐出されるときに第一流路が第一インピーダンスを有し、流体がノズルから放出されないときに第二インピーダンスを有するように構成され得る。当該第一インピーダンスは、第二インピーダンスよりも大きくあり得る。当該膜は、ノズルの共鳴周波数においてまたはその周辺において第二通路が最大インピーダンスを有するように構成され得る。
【0008】
当該膜は、外面に対して実質的に平行に延在し得る。
【0009】
当該膜は、第二通路にわたって形成され得る。当該第二通路は、ノズルへの入口と膜との間の第一部分と、膜と戻りチャネルとの間の第二部分とを含み得る。当該第一部分および第二部分は、膜によって分離され得、当該膜を貫通する穴が、当該第一部分を当該第二部分に流体接続し得る。当該第一部分は、膜における外面から離れた側に設けられ得、当該第二部分は、膜における外面に近い側に設けられ得る。第一部分は、本体に儲けられ得、第二部分は、ノズル層に設けられ得る。第一部分は、膜における外面に近い側に設けられ、ならびに第二部分は、膜における外面に遠い側に設けられてもよい。
【0010】
第二チャネルおよび戻りチャネルは、当該膜によって分離され得、ならびに当該膜を貫通する穴は、第二チャネルを戻りチャネルに流体接続し得る。当該膜における外面に遠い側の表面は、戻りチャネルの底面と同一平面上にあり得る。
【0011】
当該膜は、当該ノズルにわたって形成され得る。
【0012】
当該膜は、それ自身を貫通する複数の穴を有し得る。当該複数の穴は、当該膜にわたって一様に離間され得る。当該複数の穴は、フィルターを提供するように構成され得る。
【0013】
膜層は、当該外面に対して平行に延在し得、ならびに当該液体吐出装置にわたって横設され得、ならびに膜は、当該膜層の一部によって提供され得る。当該膜層は、本体内に包埋され得る。当該膜層は、本体とノズル層との間に設けられ得る。空洞が、圧送チャンバに流体接続された戻りチャネルまたはサプライチャネルに隣接して配置され得、ならびにそれらから当該膜層により流体的に分離され得る。当該空洞および当該空洞の上の当該層の一部は、クロストークを減少させるための、伸展性の微細構造を提供し得る。
【0014】
第一材料のウェハは、膜層における外面から離れた側に接合され得、ならびに当該第一材料のデバイス層は、当該層における外面に近い側に接合され得る。当該膜は、第一材料とは異なる材料組成の第二材料であり得る。当該第一材料は、単結晶シリコンであり得る。当該第二材料は二酸化ケイ素であり得る。
【0015】
当該膜は、外面に対して実質的に平行に延在し得る。当該穴は、当該穴の全ての側部において、第一通路、第二通路、またはノズルのそれぞれの壁部から離間され得る。当該膜は、第一通路、第二通路、またはノズルのそれぞれの壁部に対して実質的に垂直に、内側方向に突出し得る。当該膜は、第一通路、第二通路、またはノズルのそれぞれの壁部を形成する材料の弾性率よりも低い弾性率を有する材料で形成され得る。当該膜は、第一通路、第二通路、またはノズルのそれぞれの壁部より柔軟であり得る。当該膜を貫通する穴は、ノズルの出口開口部より狭くあり得る。
【0016】
当該膜は酸化物で形成してもよく、約0.5μmから約5μmの間の厚さを有し得る。当該膜はポリマーで形成してもよく、約10μmから約30μmの間の厚さを有し得る。
【0017】
別の態様において、液体吐出装置は、基板および膜を含む。当該基板は、当該基板の外面に開口部を有するノズルと、圧送チャンバから当該ノズルまでの第一部分および当該ノズルから戻りチャネルまでの第二部分を含む流路と、当該圧送チャンバから液体を流出させるように構成され、それによりアクチュエータの作動により当該ノズルから液体が放出される、アクチュエータとを含む。当該膜は、当該流路の第二部分にまたがって形成され、当該流路における液体の発振振動数に応じて当該流路に対してあるインピーダンスを提供するように構成される。当該膜は、それ自身を貫通する少なくとも1つの穴を有し、作動時には、当該膜の当該少なくとも1つの穴を通って液体が流れる。
【0018】
実践形態は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。
【0019】
当該膜は、流体がノズルから吐出されるときに第一インピーダンスを提供し、流体がノズルから吐出されないときに第二インピーダンスを提供するように構成され得る。当該第一インピーダンスは、第二インピーダンスよりも大きくあり得る。当該膜は、ノズルの共鳴周波数においてまたはその周辺において当該流路に対して最大インピーダンスを提供するように構成され得る。
【0020】
当該第一インピーダンスは、当該第二インピーダンスよりも大きい。膜が、当該流路の第二部分にわたって形成される。当該膜は、当該流路における流体の発振振動数に応じて当該流路に対してあるインピーダンスを提供するように構成される。当該膜は、当該流路の壁部より柔軟であり得る。当該膜は、外面に対して実質的に平行に延在し得る。当該膜は、当該流路の壁部に対して実質的に垂直に内側方向へと突出し得る。
【0021】
伸展性の微細構造が、圧送チャンバに流体接続された戻りチャネルまたはサプライチャネルに隣接し得、当該膜を提供する膜層が、それぞれ、戻りチャネルまたはサプライチャネルから空洞を分離し得る。
【0022】
別の態様において、液体吐出の方法は、液体吐出装置のノズルから液体を吐出する工程と、流路から液体を当該ノズルに再充填する工程とを含む。当該膜は、当該流路にわたって形成され、ならびに流体がノズルから吐出されるときに流路に第一インピーダンスを提供し、流体がノズルから吐出されないときに第二インピーダンスを提供する。当該膜は、それ自身を貫通する少なくとも1つの穴を有する。
【0023】
実践形態は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。
【0024】
ノズルを再充填する工程は、膜によって画定された少なくとも1つの穴を通って流路に流体を流す工程を含み得る。当該流路は、ノズルを戻りチャネルに流体接続し得る。当該流路は、ノズルを圧送チャンバに流体接続し得る。ノズルから液体を吐出させる工程は、アクチュエータを作動させて、ノズルに流体接続された圧送チャンバから液体を吐出させる工程を含み得る。
【0025】
別の態様において、液体吐出装置を製造する方法は、ノズル層にノズルを形成する工程であって、当該ノズル層が、第一表面を有し、当該ノズルが、液体の吐出のための出口開口部を当該第一表面に有する、工程と、当該ノズル層における当該第一表面から遠い側において当該ノズル層の第二表面上に膜を形成する工程と、当該膜を通る少なくとも1つの穴を形成する工程と、当該膜における当該少なくとも1つの穴が、圧送チャンバとノズルの間の通路またはノズルと戻りチャネルとの間の第二通路に収縮を提供するように、当該膜におけるノズル層から遠い側を、圧送チャンバおよび戻りチャネルを有するウェハに取り付ける工程を含む。
【0026】
実践形態は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。
【0027】
アクチュエータが、ウェハ上に形成され得る。当該アクチュエータは、圧送チャンバから液体を流し出すように構成され得、それにより、当該アクチュエータの作動によって当該ノズルから液体が吐出され得る。当該膜および少なくとも1つの穴は、ノズルの共鳴周波数においてまたはその周辺において最大インピーダンスを有するように形成され得る。当該少なくとも1つの穴を形成する工程は、当該膜をエッチングする工程を含み得る。複数の穴を当該膜に形成してもよい。当該膜は、酸化物またはポリマーで形成することができる。当該ノズル層は、ハンドル層上に配置され得、当該膜は、ノズル層における、当該ハンドル層に対向する側に形成され得る。当該ハンドル層は、除去することができる。
【0028】
本明細書において説明されるアプローチは、以下の利点の1つ以上を有し得る。
【0029】
インピーダンス特徴部は、枯渇したノズルの急速な再充填を可能にしつつ、液体吐出の際に十分に高い圧力の達成を可能にする。当該インピーダンス特徴部は、既存の製作技術を使用してわずかな追加の工程を用いて製作することができ、したがって、現在のプロセスフローに容易に統合することができる。
【0030】
フィルター特徴部は、不純物がノズルに達して当該ノズルを詰まらせるのを防ぐか、またはそれらが表面上に吐出されるのを防ぐことができる。当該フィルターは、製作の複雑さを著しく増加させることなく、サプライチャネルまたは戻りチャネルにおける伸展性の特徴部と共に製作することができる。
【0031】
1つ以上の実施形態の詳細について、添付の図面および以下の説明において詳細に述べる。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、プリントヘッドの部分切り取り概略断面斜視図である。
【
図2】
図2は、プリントヘッドの一部の概略断面図である。
【
図3A】
図3Aは、液体吐出装置の3つの実践形態の概略断面図である。
【
図3B】
図3Bは、液体吐出装置の3つの実践形態の概略断面図である。
【
図3C】
図3Cは、液体吐出装置の3つの実践形態の概略断面図である。
【
図3D】
図3Dは、液体吐出装置の3つの実践形態の概略断面図である。
【
図4A】
図4Aは、
図2のB-B線に沿って切り取ったプリントヘッドの一部の概略断面図である。
【
図4B】
図4Bは、
図2のC-C線に沿って切り取ったプリントヘッドの一部の概略断面図である。
【
図7A】
図7Aは、凹みを有する供給チャネルの概略上面図である。
【
図7B】
図7Bは、凹みを有する供給チャネルの概略側面図である。
【
図8A】
図8Aは、フィルター特徴部を有する液体吐出装置を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図8B】
図8Bは、フィルター特徴部を有する液体吐出装置を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図8C】
図8Cは、フィルター特徴部を有する液体吐出装置を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図8D】
図8Dは、フィルター特徴部を有する液体吐出装置を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図8E】
図8Eは、フィルター特徴部を有する液体吐出装置を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図8F】
図8Fは、フィルター特徴部を有する液体吐出装置を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図8G】
図8Gは、フィルター特徴部を有する液体吐出装置を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図11A】
図11Aは、フィルター特徴部を有する液体吐出装置の別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図11B】
図11Bは、フィルター特徴部を有する液体吐出装置の別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図11C】
図11Cは、フィルター特徴部を有する液体吐出装置の別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図11D】
図11Dは、フィルター特徴部を有する液体吐出装置の別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図11E】
図11Eは、フィルター特徴部を有する液体吐出装置の別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図11F】
図11Fは、フィルター特徴部を有する液体吐出装置の別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図11G】
図11Gは、フィルター特徴部を有する液体吐出装置の別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図13A】
図13Aは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図13B】
図13Bは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図13C】
図13Cは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図13D】
図13Dは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図13E】
図13Eは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図14A】
図14Aは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置の別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図14B】
図14Bは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置の別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図14C】
図14Cは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置の別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図14D】
図14Dは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置の別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図14E】
図14Eは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置の別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図14F】
図14Fは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置の別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図14G】
図14Gは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置の別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図16A】
図16Aは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置のさらなる別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図16B】
図16Bは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置のさらなる別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図16C】
図16Cは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置のさらなる別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図17A】
図17Aは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置の(構築の際の)さらなる実践形態を示す概略断面図である。
【
図17B】
図17Bは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置の(構築の際の)さらなる実践形態を示す概略断面図である。
【
図18A】
図18Aは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置のさらなる別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図18B】
図18Bは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置のさらなる別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図18C】
図18Cは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置のさらなる別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図18D】
図18Dは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置のさらなる別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図18E】
図18Eは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置のさらなる別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図18F】
図18Fは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置のさらなる別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図18G】
図18Gは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置のさらなる別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【
図18H】
図18Hは、インピーダンス特徴部を有する液体吐出装置のさらなる別の実践形態を製作する方法を示す概略断面図である。
【0033】
様々な図面における同一の参照番号および名称は同一の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1を参照すると、プリントヘッド100は、流体、例えば、インク、生体液体、ポリマー、電子部品を形成するための液体、または他のタイプの液体などの液滴を表面上に吐出するために使用することができる。当該プリントヘッド100は、流体を保持するためのチャンバを提供する筐体130、ノズルと当該ノズルから流体を吐出するためのアクチュエータとを有する基板110、ならびに流体をチャンバから基板110へと運ぶインターポーザ120を含み得る。プリントヘッドのための当該筐体およびインターポーザの一実践形態について以下において説明するが、プリントヘッドのための他の構成も可能であり、実際に、当該筐体およびインターポーザは、任意選択である。例えば、柔軟な管材によって、基板110の上面の導入口および導出口を液体リザーバに接続することもできる。
【0035】
筐体130は、液体サプライチャンバ132および液体戻りチャンバ136に、例えば、隔壁134などによって分割された内容積を有する。
【0036】
液体サプライチャンバ132および液体戻りチャンバ136の底部は、インターポーザアセンブリ120の上面によって画定され得る。インターポーザアセンブリ120は、例えば、接合、摩擦、または他の取り付け機構などによって、例えば、筐体130の底面上などにおいて、筐体130に取り付けることができる。インターポーザアセンブリは、上側インターポーザ122と、当該上側インターポーザ122と基板110との間に配置された下側インターポーザ124とを含み得る。いくつかの実践形態において、当該インターポーザアセンブリは、単一のインターポーザ本体からなる。
【0037】
インターポーザアセンブリ120および基板110に形成された通路は、流体流動のための流路400を画定する。インターポーザアセンブリ120は、液体サプライ導入開口部402および液体戻り導出開口部408を含む。例えば、当該液体サプライ導入開口部402および液体戻り導出開口部408は、上側インターポーザ122におけるアパーチャとして形成することができる。流体は、流路400に沿って、サプライチャンバ132から、流体サプライ導入口402を通って、基板110における1つ以上の液体吐出装置150(下記においてより詳細に説明される)へと流れることができる。液体吐出装置150におけるアクチュエータ30は、当該液体の一部をノズル22を通って吐出させることができる。吐出されなかった残りの液体は、基板110における1つ以上の液体吐出装置150から、流路400に沿って、液体戻り導出開口部408を通って戻りチャンバ136へと流れ得る。
【0038】
図1において、単一の流路400が、例示目的のために真っ直ぐな通路として示されている。しかしながら、当該プリントヘッド100は、複数の流路400を有してもよく、ならびに当該流路400は、少なからず幾何学的により複雑であってもよく、例えば、流路は、必ずしも真っ直ぐである必要はない。
【0039】
図2および
図3Aから
図3Dを参照すると、基板110は、流路の様々な通路、例えば、圧送チャンバなどが形成される本体10、ノズル22が形成されるノズル層11、ならびに液体吐出装置150のためのアクチュエータ30を含み得る。当該基板110は、半導体チップ製作プロセスによって形成することができる。
【0040】
基板110を通る通路は、流体が基板110を通るための流路400を画定する。特に、基板導入口12は、流体を、例えば、インターポーザアセンブリにおける液体サプライ導入口402を介してサプライチャンバ132から受け入れる。基板導入口12は、膜層66(以下においてより詳細に説明する)を通って延在し、ならびに流体を1つ以上の導入供給チャネル14に供給する。導入供給チャネル14は、サプライチャネルとも呼ばれる。各導入供給チャネル14は、対応する導入通路(図示せず)を通って流体を複数の液体吐出装置150に供給する。流体は、各液体吐出装置150のノズル22から表面上へと選択的に吐出させることができる。簡素化のために、
図2および
図3Aから
図3Dには、液体吐出装置150が1つだけ示されている。他の液体吐出装置のディセンダ部の可能な位置が、
図2に点線で示されている。
【0041】
本体10は、モノリス状本体、例えば、シリコン基板などのモノリス状半導体本体であり得る。例えば、本体10は、単結晶シリコンであり得る。
【0042】
各液体吐出装置は、基板110の底面上に配置されたノズル層11に形成されたノズル22を含む。いくつかの実践形態において、当該ノズル層11は、基板110の一体的な一部分であり、例えば、ノズル層11は、本体10と同じ材料および同じ結晶構造、例えば、単結晶シリコンなどによって形成される。いくつかの実践形態において、当該ノズル層11は、基板110を形成するために本体10の表面上に被着された異なる材料、例えば、酸化ケイ素などの層である。いくつかの実践形態において、ノズル層11は、複数の層、例えば、シリコン層と1つ以上の酸化物層などを含む。
【0043】
流体は、吐出装置の流路475に沿って各液体吐出装置150を通って流れる。当該吐出装置の流路475は、圧送チャンバ導入通路16、圧送チャンバ18、ディセンダ部20、および導出通路26を含み得る。圧送チャンバ導入通路16は、圧送チャンバ18を導入供給チャネル14に流体接続し、ならびに、導入供給チャネル14から垂直に延在するアセンダ部、当該アセンダ部から圧送チャンバへと水平に延在する圧送チャンバ導入口などを含み得る。当該ディセンダ部20は、例えば、当該ディセンダ部の底部などにおいて、対応するノズル22に流体接続される。導出通路26は、当該ディセンダ部20を導出供給チャネル28に接続し、導出供給チャネル28は、基板導出口および流体サプライ導出口408を通って戻りチャネルと流体接続されている(
図1参照)。当該導出供給チャネル28は、戻りチャネルとも呼ばれる。
【0044】
ディセンダ部20は、例えば、ディセンダ部20の底部などにおいて、対応するノズル22に流体接続される。概して、ノズル22は、ディセンダ部に対する導出通路26の交点の後の流路の一部と見なすことができる。
【0045】
図2および
図3Aから
図3Dの実施例において、基板導入口12、導入供給チャネル14、および導出供給チャネル28などの通路は、同じ平面に示されている。しかしながら、いくつかの実践形態では(例えば、
図4Aおよび
図4Bの実施例では)、1つ以上の基板導入口12、導入供給チャネル14、および導出供給チャネル28は、他の通路と同じ平面にない。
【0046】
図4Aおよび
図4Bを参照すると、基板110は、基板110に形成され、お互いに平行に、基板110の底面112(
図2参照)の平面まで延在する、複数の導入供給チャネル14を含む。各導入供給チャネル14は、導入供給チャネル14に垂直に、例えば、基板110の底面112の平面に対して垂直に延在する少なくとも1つの基板導入口12と流体連通されている。基板110は、当該基板110に形成され、お互いに平行に、基板110の底面112の平面まで延在する、複数の導出供給チャネル28も含む。各導出供給チャネル28は、導出供給チャネル28に垂直に、例えば、基板110の底面112の平面に対して垂直に延在する少なくとも1つの基板導出口(図示せず)と流体連通されている。いくつかの実施例において、導入供給チャネル14および導出供給チャネル28は、交互の行に配置される。
【0047】
当該導出供給チャネル28は、例えば、組み合わされた複数の導出供給チャネル28を取り扱うために、導出通路26より大きな断面積を有する。例えば、
図3Aから
図3Dに示されるように、導出供給チャネル28は、導出通路26の高さより高い高さ(表面11aに対して垂直に測定した場合)を有することができる。同様に、
図4Bに示されるように、導出供給チャネル28は、導出通路26の幅より広い幅(表面11aに対して平行に測定した場合)を有することができる。
【0048】
再び
図4Aおよび
図4Bを参照すると、当該基板は、複数の液体吐出装置150を含む。流体は、対応する吐出装置の流路475に沿って各液体吐出装置150を通って流れ、当該吐出装置の流路475は、圧送チャンバ導入通路16(アセンダ部16aおよび水平圧送チャンバ導入口16bを含む)、圧送チャンバ18、およびディセンダ部20を含む。各アセンダ部16aは、導入供給チャネル14に流体接続されている。各アセンダ部16aは、圧送チャンバ導入口16bを通じて、対応する圧送チャンバ18にも流体接続されている。当該圧送チャンバ18は、対応するディセンダ部20に流体接続されており、当該ディセンダ部20は、関連するノズル22へとつながっている。各ディセンダ部20は、対応する導出通路26を通じて、導出供給チャネル28のうちの1つにも接続されている。例えば、
図3Aから
図3Dの液体吐出装置の断面図は、
図4Aの線2-2に沿って切り取ったものであり得る。
【0049】
いくつかの実施例において、プリントヘッド100は、平行な列23に配置された複数のノズル22を含む(
図4B参照)。所定の列23におけるノズル22は全て、同じ導入供給チャネル14および同じ導出チャネル28に流体接続され得る。すなわち、例えば、所定の列の全てのアセンダ部16は、同じ導入供給チャネル14に接続され得、所定の列の全てのディセンダ部20は、同じ導出供給チャネル28に接続され得る。
【0050】
いくつかの実践形態において、隣接する列のノズル22は全て、同じ導入供給チャネル14または同じ導出供給チャネル28に流体接続され得るが、両方には接続され得ない。例えば、
図4Aの実施例において、列23aの各ノズル22は、導入供給チャネル14aおよび導出供給チャネル28aに流体接続される。隣接する列23bの各ノズル22も、導入供給チャネル14aに接続されるが、ただし、導出供給チャネル28bに接続される。
【0051】
いくつかの実践形態において、ノズル22の列は、交互のパターンにおいて、同じ導入供給チャネル14または同じ導出供給チャネル28に接続することができる。いくつかの実践形態において、ノズル22の列は、交互のパターンにおいて、同じ導入供給チャネル14または同じ導出供給チャネル28に接続することができる。いくつかの実践形態において、導入供給チャネル14の壁部14aは、クロストークを中断するために、ギザギザ形状を有し、例えば、スカラップ形、波形、またはジズザグパターンを形成する。プリントヘッド100のさらなる詳細は、米国特許第7,566,118号に見出すことができ、なお、当該特許は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0052】
再び
図2を参照すると、各液体吐出装置150は、対応するアクチュエータ30、例えば、圧電変換器または抵抗加熱器などを含む。各液体吐出装置150の圧送チャンバ18は、対応するアクチュエータ30に接近している。各アクチュエータ30は、対応する圧送チャンバ18を加圧するために選択的に作動させることができ、結果として、加圧された圧送チャンバに接続されたノズル22から液体が吐出される。
【0053】
いくつかの実施例において、アクチュエータ30は、圧電層31、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の層などを含み得る。当該圧電層31は、約50μm以下、例えば、約1μmから約25μm、例えば、約2μmから約5μmの厚さを有し得る。
図2の実施例において、当該圧電層31は、連続している。いくつかの実施例において、当該圧電層31は、例えば、製作の際にエッチング工程または切断工程などによって、不連続に作製することができる。当該不連続圧電層31は、少なくとも圧送チャンバ18を覆い得るが、本体10全体は覆い得ない。
【0054】
当該圧電層31は、駆動電極64と接地電極65の間に挟設される。当該駆動電極64および接地電極65は、金属、例えば、銅、金、タングステン、チタン、白金、または金属の組み合わせ、あるいは他の導電性材料、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)などであり得る。当該駆動電極64および接地電極65の厚さは、例えば、約2μm以下、例えば、約0.5μmであり得る。
【0055】
膜66は、アクチュエータ30と圧送チャンバ18との間に配置され、アクチュエータ30、例えば、接地電極65などを圧送チャンバ18の流体から分離する。いくつかの実践形態において、当該膜66は、本体10から分離された層、例えば、酸化ケイ素の層などである。いくつかの実践形態において、当該膜は、本体10と一体的であり、例えば、ノズル層11は、本体10と同じ材料および同じ結晶構造、例えば、単結晶シリコンなどによって形成される。いくつかの実践形態において、基板110、ノズル層11、および膜66のうちの2つ以上は、一体的本体として形成され得る。いくつかの実践形態において、アクチュエータ30は膜66を含まず、接地電極65は、圧電層31の背側に形成され、それにより、当該接地電極65は、圧送チャンバ18の流体に直接晒される。
【0056】
圧電アクチュエータ30を作動させるため、駆動電極64と接地電極65との間に電圧を印加することができ、それにより、当該圧電層31に電圧を印加することができる。印加された電圧により、圧電層31が撓み、それにより、結果として膜66が撓む。膜66の撓みは、圧送チャンバ18の容積を変化させ、これが圧送チャンバ18に圧力パルスを発生させる(吐出パルスとも呼ばれる)。圧力パルスは、対応するノズル22へとディセンダ部20を伝搬し、結果として、ノズル22から液滴を吐出させる。
【0057】
膜66は、シリコンの単層(例えば、単結晶シリコン)、別の半導体材料、または酸化物、例えば、酸化アルミニウム(AlO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、または酸化ケイ素(SiO2)、窒化アルミニウム、シリコンカーバイドなど、セラミックまたは金属、または他の材料の1つ以上の層であり得る。例えば、膜66は、液滴を吐出させるのに十分な膜66の湾曲がアクチュエータ30の作動によって生じるように、伸展性を有する不活性材料で形成することができる。
【0058】
いくつかの実践形態において、膜66は、接着層67によってアクチュエータ30に固定することができる。いくつかの実践形態において、アクチュエータ30の当該層は、膜66上に直接被着される。
【0059】
液体が、液体吐出装置150のノズル22から吐出されるとき、ノズル22は、少なくとも部分的に液体を使い果たし得る。導入供給チャネル14および導出供給チャネル28(場合により、まとめて供給チャネルと呼ばれる)を通る流体循環は、当該枯渇したノズル22を再充填するために液体を提供することができる。任意の特定の理論に制限されるわけではないが、液体は、液滴の吐出の際に導出通路26を通って導出供給チャネル28へと流れ得るが、吐出後、ノズル22が枯渇したとき、ノズル22を再充填するために、導出通路26を通ってノズル22へと液体を流し戻すことも可能である。
【0060】
吐出後に当該枯渇したノズル22を急速に再充填することができる場合、当該ノズルは、より急速に後続の吐出の準備をすることができ、したがって、液体吐出装置150の応答時間を向上させることができる。例えば、ノズル22を再充填することができる速度は、ノズル22に液体を供給する1つ以上の流体流動路、例えば、ディセンダ部20、導出通路26、または別の流体流動路などの断面積を増加させることにより高めることができる。しかしながら、ノズル22に液体を供給するために大きな流体流動路を有する場合、場合によっては、効率的な液体吐出(場合により、ジェッティングと呼ばれる)のためにノズル開口部24において十分に高い圧力を達成することが困難になり得る。逆に、ノズル22に液体を供給するためのより小さい流体流動路は、効率的なジェッティングのために十分な圧力を達成することを容易にし得るが、ノズル22に再充填することができる速度を制限もし得る。
【0061】
図3A、
図5A、および
図5Bを参照すると、場合により、急速なノズルの再充填とジェッティングの際の十分に高いノズル圧力との両方を達成するために、インピーダンス構造310、例えば、膜300などをノズルの近くの流体流路に配置することができる。当該膜300は、当該膜の厚さを貫通する1つ以上の穴302を有し得る。流体が膜300の穴302を通って流れるように、膜300が流路に配置される。
【0062】
図3Aの実施例において、膜300は、導出通路26に配置され、インピーダンス構造310を提供する。この実施例において、導出通路26は、膜300の上の部分32aおよび膜300の下の部分32bを含む。
図3Bの実施例において、インピーダンス構造310は、導出通路26と戻りチャネル28との間に配置された膜300を含む。この場合、当該膜は、戻りチャネル28の底面を形成し得、例えば、膜300の上面は、戻りチャネル28の底面と同一平面上にあり得る。
【0063】
しかしながら、膜300は、導入流路、導出流路、またはその両方における他の位置において交互に配置することができ、ならびに他の機能を提供することもできる。
【0064】
図3C、
図5A、および
図5Bを参照すると、場合により、フィルター特徴部320をノズルの近くの流体流路に配置することにより、汚染物質がノズルに達するのを防ぐか、またはノズルから吐出されるのを防ぐことができる。フィルター特徴部320は、膜の厚さを貫通する1つ以上の穴302を有する膜300によって提供することができる。
【0065】
図3Cに示されるように、ディセンダ部20と導出通路26との間の交点の後において(すなわち、交点よりノズル開口部24の近くに)、膜300がノズル22にわたって配置され得る。例えば、当該交点の直後に膜300を配置してもよく、例えば、当該膜の上面が、導出通路26の底面と同一平面上にあってもよい。
図3Dに示されるように、ディセンダ部20と導出通路26との間の交点の前に(すなわち、交点よりノズル開口部24の遠くに)、ディセンダ部20にまたがって膜300を配置することもできる。例えば、当該交点の直前に当該膜を配置してもよく、例えば、当該膜の底面が、導出通路26の上面と同一平面上にあってもよい。
【0066】
図3Aから
図3Dの上記の実施例のそれぞれにおいて、膜300は、ノズル層11の表面11aに平行な平面において横設される。したがって、当該穴は、ノズル層11の表面11aに対して垂直に延在し得る。
【0067】
再び
図3Aおよび
図3B、ならびに
図5Aおよび
図5Bを参照すると、インピーダンス膜が配置されている流動路、例えば、ディセンダ部と戻りチャネルとの間の流体流路などに流体インピーダンスを導入するように、膜300をインピーダンス構造310として構成することができる。インピーダンス膜300によって導入される流体インピーダンスの値は、周波数に依存し得る。例えば、流動路における流体には発振が生じ得る。当該インピーダンス膜は、流体発振の特定の周波数においてまたはその周辺において、流体発振の他の周波数での流体インピーダンスより高い流体インピーダンスを導入することができる。例えば、インピーダンス膜300は、ジェッティングの際にノズル22が高い流体流動を有する周波数である、ジェット共鳴周波数においてまたはその周辺において、高いインピーダンスを提供することができる。液体吐出装置150のいくつかの実践形態において、当該ジェット共鳴周波数は、約40kHzから10MHzの間である。いくつかの実践形態において、当該インピーダンスは、約20dB、すなわち10倍である。
【0068】
したがって、ジェット共鳴周波数においてまたはその周辺において(例えば、ノズル22が液体を吐出しているとき)、インピーダンス膜300は、十分に高い流体インピーダンスをノズル22の近くの流体流動路に導入することにより、ノズルに流体流動を誘導して加圧することで、効率的なジェッティングを提供する。他の周波数(例えば、ジェット共鳴周波数またはその周辺ではない周波数、例えば、ノズル22が液体を吐出していないときなど)では、当該インピーダンス膜は、低い流体インピーダンスを導入し、結果として、枯渇したノズルへの急速な再充填を可能にする。
【0069】
ある特定の周波数において(例えば、ジェット共鳴周波数においてまたはその周辺において)高い流体インピーダンスを、ならびに他の周波数において低い流体インピーダンスを実現するために、インピーダンス膜300は、流体流路に沿ってインダクタと平行なキャパシタとして機能することができる。例えば、膜300はそれ自体、流体流路において容量素子として機能する伸展性の膜であり得、穴302は、インダクタ素子として機能する。この場合、当該膜の片側の容積が加圧される場合、当該膜が動き、結果として、いくらかの粘性抵抗が存在するであろう。しかしながら、任意の特定の理論に制限されるわけではないが、当該穴によるインピーダンス効果は、支配的であり得る。
【0070】
場合により、膜300の伸展性は、例えば、以下において説明されるように、流体流動路の発振を抑制するのに役立ち得る抵抗も提供し得る。
【0071】
フィルター特徴部320として、膜300は、異物、例えば、当該流体中の不純物などがノズル22に達することおよびノズル22を詰まらせることを防ぐためのフィルターとして機能することもできる。例えば、
図3Cおよび
図3Dに示される膜300は、枯渇したノズルを再充填する速度に影響を及ぼすために流体インピーダンスを調節することよりも、むしろ主にフィルターとして機能し得る。
【0072】
膜300は、液体吐出装置150の他の構成要素を製作するために使用される製作プロセス(例えば、微小電気機械システム(MEMS)製作プロセスなど)に適合する材料で形成することができる。例えば、場合により、膜300は、酸化物(例えば、SiO2)、窒化物(例えば、Si3N4)、または別の絶縁材料で形成することができる。場合により、膜300は、シリコンで形成することができる。場合により、膜300は、金属、例えば、スパッタされた金属層などで形成することができる。場合により、膜300は、比較的軟質の伸展性材料、例えば、ポリイミドまたはポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、または別のポリマー)などで形成することができる。場合により、膜300は、流体流路の壁部を形成する材料より柔軟なまたはより軟質の材料、例えば、流体流路の壁部を形成する材料より低い弾性率を有する材料などで形成することができる。場合により、膜300の厚さは、膜300を流体流路の壁部より柔軟にすることができる。
【0073】
概して、膜300は、インピーダンス特徴部として機能する場合、流体流路において容量素子として機能するためにわずかに撓むことを可能にするのに十分に薄くあり得る。膜300は、予想される圧力変動または流体流動発振に耐えるために十分に厚くもある。この機能性を提供するために適切なインピーダンス膜300の厚さtiは、膜材料の特性、例えば、膜材料の弾性率などによって変わる。
【0074】
フィルター特徴部またはインピーダンス特徴部のどちらかとして、SiO2で形成された膜300は、約0.5μmから約5μmの間、例えば、約1μm、約2μm、または約3μmの厚さを有し得る。伸展性のポリマーで形成された膜300は、例えば当該ポリマーのモジュラスに応じて、約10μmから約30μmの間、例えば、約20μm、約25μm、または約30μmの厚さを有し得る。膜300のサイズは、膜が位置される流動路のサイズによって決定され、例えば、当該膜の横方向の寸法は、当該流動路の断面の幅または深さに一致する。
【0075】
膜300における穴302の特徴、例えば、数、サイズ、形状、および/または穴302の配置などは、当該膜300により提供される、流路のインピーダンスが所望の周波数において(例えば、ジェット共鳴周波数においてまたはその周辺において)最大となるように選択することができる。例えば、当該インピーダンス膜300に1から10の間の数の穴302、例えば、2つの穴、4つの穴、6つの穴、8つの穴、または別の数の穴が存在していてもよい。穴302は、約1μmから約10μmの間、例えば、約2μm、4μm、6μm、または8μmの横寸法(例えば、半径r)を有し得る。穴302は、円形、長円形、楕円形、または他の形状であってもよい。例えば、穴302は、機械的応力が集中し得る鋭い角部を有さない形状であってもよい。穴302は、規則的なパターン、例えば、長方形または六角形配列などにおいて配置してもよく、またはランダムに分布させてもよい。
【0076】
場合により、液体吐出装置150のうちの1つのアクチュエータ30が作動するとき、圧力変動は、液体吐出装置150のアセンダ部16を通って導入供給チャネル14へと伝搬し得る。同様に、圧力変動からのエネルギーも、液体吐出装置150のディセンダ部20および導出通路26を通って導出供給チャネル28へと伝搬し得る。場合により、本出願では、導入供給チャネル14および導出供給チャネル28を概して供給チャネル14、28と呼ぶ。結果として、作動した液体吐出装置150に接続されている供給チャネル14、28の1つ以上において圧力変動が発生し得る。場合により、これらの圧力変動は、同じ供給チャネル14、28に接続されている他の液体吐出装置150の吐出装置の流路475中へと伝搬し得る。これらの圧力変動は、これらの液体吐出装置150から吐出される液滴の液滴体積および/または液滴速度に悪影響を及ぼし得、結果として、印刷品質を低下させ得る。例えば、液滴体積における変動は、吐出された液体の量を変化させ得、液滴速度の変動は、吐出された液滴が印刷表面上に被着される位置を変化させ得る。液体吐出装置における圧力変動の誘起は、流体クロストークとも呼ばれる。
【0077】
流体クロストークは、液体吐出装置に対してより高い伸展性を与えることにより圧力変動を減衰させることによって減じることができる。液体吐出装置において利用可能な伸展性を増加させることにより、当該液体吐出装置のうちの1つにおいて生じる圧力変動からのエネルギーを減衰することができ、結果として、隣接する液体吐出装置に対する圧力変動の影響を減じることができる。
【0078】
図6を参照すると、導入供給チャネル14および/または導出供給チャネル28における1つ以上の表面上に伸展性の微細構造50を形成することによって、導入供給チャネル14、導出供給チャネル28、またはその両方に伸展性を与えることができる。当該伸展性の微細構造50は、例えば、凹みにわたって横設された膜であってもよく、したがって、圧力変動に応じて撓むことができる。
【0079】
例えば、
図6の実施例において、伸展性の微細構造50は、導入供給チャネル14の底面52および導出供給チャネルの底面54に形成されている。この実施例において、当該底面52、54は、ノズル層11の上面によって提供される。いくつかの実施例では、当該伸展性の微細構造50は、供給チャネル14、28の上面または供給チャネル14、28の側壁に形成することができる。供給チャネル14、28において当該伸展性の微細構造50によって提供される追加の伸展性は、その供給チャネル14、28に接続された特定の液体吐出装置150における圧力変動からのエネルギーを減衰させる。結果として、同じ供給チャネル14、28に接続されている他の液体吐出装置150に対するその圧力変動の影響を減じることができる。
【0080】
図7Aおよび
図7Bを参照すると、いくつかの実施形態において、導入供給チャネル14および/または導出供給チャネル28のノズル層11に形成された伸展性の微細構造50は、空洞500を提供するために薄膜502によって覆われたノズル層11における凹み506であり得る。いくつかの実践形態において、当該膜502は、膜300を提供する同じ層によって提供される。
【0081】
膜502は、供給チャネル14、28に対向するノズル層11の内面504が実質的に平坦となるように、凹み506を覆って配置される。場合により、例えば、空洞500に真空が存在する場合など、膜502は、空洞500内へとわずかに撓み得る。
【0082】
場合により、凹み506は、導入供給チャネル14または導出供給チャネル28の底壁とも呼ばれるノズル層11に形成することができる。場合により、凹み506は、当該底壁に対向する壁である、導入供給チャネルまたは導出供給チャネルの上壁に形成することができる。場合により、凹み506は、導入供給チャネル14または導出供給チャネル28の1つ以上の側壁に形成することができ、この場合、側壁は、上壁および底壁と交差する壁である。
【0083】
いかなる特定の理論にも制限されるわけではないが、圧力変動が供給チャネル14、28内へと伝搬するとき、膜502は、凹み506の内または外へと撓むことができ、それにより、当該圧力変動を減衰させ、その供給チャネル14、28に接続された隣接する液体吐出装置150の間の流体クロストークを緩和する。膜502の撓みは、可逆的であり、それにより、供給チャネル14、28における流体圧力が減少した場合に、膜502は元の立体配置へと戻る。これらの伸展性の微細構造50についてのさらなる詳細は、米国特許出願第14/695,525号に見出すことができ、なお、当該特許出願の内容は、参照によりその全てが本明細書に組み入れられる。
【0084】
図8Aから
図8Gは、基板110の本体10およびノズル層11の製作に対する例示的アプローチを示している。この実施例において、当該基板は、導出通路26とディセンダ部20との間の交点より前の液体流路に膜300を備える液体吐出装置150を有するように製作される。膜300は、フィルター320を提供し得る。さらに、当該基板は、ノズル層11に形成された1つ以上の空洞500を含む伸展性の微細構造を有するように製作することができる。
【0085】
膜300のみまたは空洞500のみを有する液体吐出装置150は、同様のアプローチに従って製作することができる。例えば、空洞500を有さない液体吐出装置を製作するためには、単純に、
図8Bに示される凹み506の形成に関連する工程の部分を省略することができる。
【0086】
この実施例において、当該基板は、導出通路26とディセンダ部との間の交点より前の液体流路に膜300を備える液体吐出装置150を有するように製作される。さらに、当該基板は、伸展性の微細構造を提供するために、ノズル層11に形成された1つ以上の空洞500を有するように製作することができる。
【0087】
図8Aおよび
図9を参照すると、第一ウェハ80(例えば、シリコンウェハまたはシリコンオンインシュレータ(SOI)ウェハなど)は、ノズルウェハを提供する。第一ウェハ80は、マスク層81(例えば、酸化物または窒化物マスク層、例えば、SiO
2またはSi
3N
4など)、デバイス層82(例えば、シリコンデバイス層82)、エッチング停止層84(例えば、酸化物または窒化物のエッチング停止層)、およびハンドル層85(例えば、シリコンハンドル層)を含む。いくつかの実施例において、第一ウェハ80は、エッチング停止層84を含まない。いくつかの実施例において、例えば、第一ウェハ80がSOIウェハである場合、当該SOIウェハ80の絶縁層は、エッチング停止層84として機能する。
【0088】
ノズル位置を画定するために、マスク層81がパターン形成され、液体吐出装置150のノズル22を提供するであろう開口部が、例えば、リソグライフィおよびエッチングを含む標準的微細加工技術などを用いて、当該デバイス層82を通るように形成される(工程900)。例えば、レジストの第一層を、パターン形成されていないマスク層81上に被着させ、リソグラフィによってパターン形成してもよい。マスク層81をエッチングすることにより、マスク層81を通る開口部を形成することができる。次いで、デバイス層82を、マスクとしてマスク層81を使用して、例えば、深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)、水酸化カリウム(KOH)エッチング、または別のタイプのエッチングによりエッチングすることにより、ノズル22を形成することができる。当該レジストは、デバイス層82のエッチング前または後に剥ぎ取ることができる。
【0089】
図8Bおよび
図9を参照すると、第二ウェハ86(例えば、シリコンウェハまたはSOIウェハ)は、マスク層87(例えば、酸化物または窒化物マスク層)、デバイス層88(例えば、シリコンデバイス層88)、エッチング停止層90(例えば、酸化物または窒化物のエッチング停止層90)、およびハンドル層92(例えば、シリコンハンドル層92)を含む。第二ウェハ86のデバイス層88は、第一ウェハ80のデバイス層82と同じ材料で形成することができる。いくつかの実施例において、例えば、第二ウェハ86がSOIウェハである場合、当該SOIウェハ86の絶縁層は、エッチング停止層90として機能する。
【0090】
凹み506を画定するために、マスク層87がパターン形成され、凹み506が、例えば、リソグライフィおよびエッチングを含む標準的微細加工技術などを用いて、第二ウェハ86のデバイス層88に形成される(工程902)。例えば、レジストの層を、パターン形成されていないマスク層87上に被着させ、リソグラフィによってパターン形成してもよい。マスク層87をエッチングすることにより、マスク層87を通る開口部を形成することができる。次いで、デバイス層88が、マスクとしてマスク層87を使用してエッチングされ得る。
図8Bは、デバイス層88を完全に貫通して延在するように凹み506を示しているが、これは必ずしも必要ではなく、凹み506は、デバイス層88を部分的にのみ通って延在する。
【0091】
図8Cおよび
図9を参照すると、アセンブリ96を形成するために、第二ウェハ86が、例えば、サーマルボンド法または別のウェハ接合技術などを使用して、第一ウェハ80に接合される(工程904)。特に、第二ウェハ86は、第一ウェハ80のマスク層側が第二ウェハ86のマスク層側に接触するように、第一ウェハ80に接合される。開口部200は、ノズル22を提供する開口部に揃えられ得る。したがって、マスク層81をマスク層87に接合することができる。いくつかの実践形態において、マスク層81および/またはマスク層87は、第二ウェハ86が第一ウェハ80に接合される前に除去される。
【0092】
エッチング停止層90は、凹み506を覆っている。したがって、エッチング停止層90は膜502を提供することができ、空洞500を画定することができる。
図8Bには凹み506が1つだけ示されているが、複数の空洞を形成するために複数の凹みが存在していてもよい。さらに、
図8Fおよび
図8Gに示される空洞500は、戻りチャネル28の下に示されているが、適切な位置に凹みを形成することによって、追加でまたは代替で、同様の空洞を、供給チャネル24の下に形成することもできる。
【0093】
同様に、ディセンダ部20の一部を提供するために、開口部200が、例えば、リソグラフィおよびエッチングを含む標準的微細加工技術などを用いて、マスク層87およびデバイス層88を貫通して形成される。
【0094】
図8Dおよび
図9を参照すると、第二ウェハ86のハンドル層92が、例えば、研削および研磨、湿式エッチング、プラズマエッチング、または他の除去プロセスなどによって、除去される(工程906)。
【0095】
図8Eおよび
図9を参照すると、例えば、ろ過構造320などのための膜300を形成するために、穴302がエッチング停止層90を貫通するようにエッチングされ、当該構造は、ノズル22の近くの、ノズルへの流体の流路に設置される(
図3B参照)(工程908)。
【0096】
図8Aから
図8Eのアプローチにおいて、デバイス層82、マスク層81、87(存在する場合)、およびデバイス層88は一緒に、ノズル層11を形成し得る。
図8Aから
図8Eのアプローチは、膜300の製作によって肉薄化されない、厚く頑健なノズル層11を提供する。
【0097】
凹み500、膜300、またはその両方の形成された、結果として得られるアセンブリ96は、例えば、下記および米国特許第7,566,118号において説明されるように、プリントヘッドの液体吐出装置150を形成するためにさらに加工することができ(工程910)、なお、当該特許の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0098】
例えば、
図8Fおよび
図8Gを参照すると、アセンブリ96の上面74、例えば、エッチング停止層90における露出表面などが、流路ウェハ76に接合され得る(960)。例えば、第一ウェハ60の上面74は、低温接合、例えば、エポキシ(例えば、ベンゾシクロブテン(BCB))による接合などを使用して、または低温プラズマ活性化接合を使用して、流路ウェハ76に接合することができる。
【0099】
流路ウェハ76は、流動路475、例えば、供給チャネル14、チャンバ導入通路16、圧送チャンバ18、ディセンダ部20、導出通路26、および導出供給チャネル28などを有するように、接合前に製作することができる。他の要素、例えば、アクチュエータ(図示せず)などは、アセンブリ96が流路ウェハ76に接合される前または後に形成することができる。
【0100】
図8Gを参照すると、接合後、ハンドル層85およびエッチング停止層84を、例えば、研削および研磨、湿式エッチング、プラズマエッチング、または他の除去プロセスなどによって、除去することにより、ノズル22を露出させることができる。いくつかの実践形態において、エッチング停止層84は除去されないが、ノズルを完成させるために、エッチング停止層84を貫通するアパーチャが形成される。アクチュエータが形成または取り付けられた後、結果として得られる基板は、概して、
図3Cに示される基板110に対応する。
【0101】
図8Gに示されるように、同じ層90が、伸展性の微細構造(存在する場合)のための膜502と膜300とを提供し得る。さらに
図8Gに示されるように、流路ウェハ76の底部において凹みとして形成された導出通路26により、第一および第二ウェハのアセンブリ96の上面74が、導出通路26の下側表面を提供し得る。さらに、膜300の上面は、導出通路26の下側表面と同一平面上にあり得る。
【0102】
図11Aから
図11Gは、基板110の本体10およびノズル層11の製作に対する別の例示的アプローチを示している。この実施例において、当該基板は、導出通路26とディセンダ部20との間の交点より前の液体流路に膜300を有する液体吐出装置150を有するように製作される。膜300は、フィルター320を提供し得る。
【0103】
さらに、当該基板は、伸展性の微細構造を提供するために、ノズル層11に形成された1つ以上の空洞500を有するように製作することができる。膜300のみまたは空洞500のみを有する液体吐出装置150は、同様のアプローチに従って製作することができる。例えば、空洞500を有さない液体吐出装置を製作するために、単純に、
図11Aに示されるように、ただし凹み506を有さない基板を用いて開始することができる。
【0104】
図11Aおよび
図12を参照すると、第一ウェハ80(例えば、シリコンウェハまたはSOIウェハ)は、マスク層81(例えば、酸化物または窒化物マスク層)、デバイス層82(例えば、シリコンノズル層11)、エッチング停止層84(例えば、酸化物または窒化物のエッチング停止層)、およびハンドル層85(例えば、シリコンハンドル層)を含む。第一ウェハ80は、ノズルウェハとも呼ばれ得る。いくつかの実施例において、第一ウェハ80は、エッチング停止層84を含まない。いくつかの実施例において、例えば、第一ウェハ80がSOIウェハである場合、当該SOIウェハの絶縁層は、エッチング停止層84として機能する。
【0105】
ノズル位置を画定するために、マスク層81がパターン形成され、液体吐出装置150のノズル22を提供するであろう開口部が、例えば、リソグライフィおよびエッチングを含む標準的微細加工技術などを用いて、当該デバイス層82を通るように形成される(工程920)。例えば、レジストの第一層を、パターン形成されていないマスク層81上に被着させ、リソグラフィによってパターン形成してもよい。マスク層81をエッチングすることにより、マスク層81を通る開口部を形成することができる。次いで、デバイス層82を、マスクとしてマスク層81を使用して、例えば、深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)、水酸化カリウム(KOH)エッチング、または別のタイプのエッチングによりエッチングすることにより、ノズル22を形成することができる。レジストの当該第一層は、剥ぎ取ることができる。
【0106】
任意選択により、デバイス層82を通って部分的に延在するが完全には貫通していない凹み506も、例えば、標準的微細加工技術などを使用して形成される(工程922)。凹み506を形成する場合、レジストの第二層をマスク層81の上に被着させ、リソグラフィによってパターン形成することができる。マスク層81およびデバイス層82を、例えば、湿式エッチングまたは乾式エッチングなどを使用して、当該パターン形成されたレジストに従ってエッチングすることにより、凹み506を形成することができる。
【0107】
図11Bおよび
図12を参照すると、第二ウェハ86(例えば、シリコンウェハまたはSOIウェハ)は、ハンドル層92、エッチング停止層90(例えば、酸化物または窒化物のエッチング停止層)、およびデバイス層88を有する。いくつかの実施例において、例えば、第二ウェハ86がSOIウェハである場合、当該SOIウェハ86の絶縁層は、エッチング停止層90として機能する。
【0108】
ディセンダ部20の一部を提供するために、開口部200が、例えば、リソグラフィおよびエッチングを含む標準的微細加工技術などを用いて、マスク層87およびデバイス層88を貫通して形成される。開口部200を画定するために、マスク層87がパターン形成され、開口部200が、例えば、リソグライフィおよびエッチングを含む標準的な微細加工技術などを用いて、第二ウェハ86のデバイス層88に形成される。例えば、レジストの層を、パターン形成されていないマスク層87上に被着させ、リソグラフィによってパターン形成してもよい。マスク層87をエッチングすることにより、マスク層87を貫通する開口部を形成することができる。次いで、デバイス層88は、マスクとしてマスク層87を使用してエッチングすることができる。
【0109】
開口部510を、同様のまたは同一のプロセスによって、マスク層87およびデバイス層88を貫通して形成することにより、戻りチャネル28の一部を提供することができる(工程924)。
【0110】
さらに、凹んだエリア202を、開口部200と開口部510との間のデバイス層88の上面に形成することにより、導出通路26を提供することができる(工程924)。当該凹んだエリア202は、デバイス層88内へと部分的に延在し得るが貫通はしておらず、それにより、当該凹んだエリア202の下にデバイス層88の一部88aが残される。結果として、開口部200および510は、当該凹んだエリア202より深くなり得る。あるいは、当該凹んだエリア202は、デバイス層88を貫通して延在し得る。
【0111】
図11Cおよび
図12を参照すると、アセンブリ96を形成するために、第二ウェハ86が、例えば、サーマルボンド法または別のウェハ接合技術などを使用して、第一ウェハ80に接合される(工程926)。特に、第二ウェハ86は、第一ウェハ80のマスク層側が第二ウェハ86のマスク層側に接触するように、第一ウェハ80に接合される。開口部200は、ノズル22を提供する開口部に揃えられ得る。したがって、マスク層81をマスク層87に接合することができる。いくつかの実践形態において、マスク層81および/またはマスク層87は、第二ウェハ86が第一ウェハ80に接合される前に除去される。
【0112】
第二ウェハ86の上部とデバイス層88の一部88aとの間の、通路が形成された凹んだエリア202は、導出通路26を提供する。
【0113】
エッチング停止層90は、凹み506を覆っている。したがって、エッチング停止層90は膜502を提供することができ、空洞500を画定することができる。
図11Bには凹み506が1つだけ示されているが、複数の空洞500を形成するために複数の凹みが存在していてもよい。さらに、
図11Fおよび
図11Gに示される空洞500は、戻りチャネル28の下に示されているが、適切な位置に凹みを形成することによって、追加でまたは代替で、同様の空洞を、供給チャネル24の下に形成することもできる。
【0114】
図11Dおよび
図12を参照すると、第二ウェハ86のハンドル層92が、例えば、研削および研磨、湿式エッチング、プラズマエッチング、または他の除去プロセスなどによって、除去され(工程928)、それにより、エッチング停止層90およびデバイス層88が残される。
【0115】
図11Eおよび
図12を参照すると、穴302が、エッチング停止層90を通るようにエッチングされている(工程930)。その結果、穴302を有するエッチング停止層90の一部が、ノズル22の近くの、ノズルへの流体の流路に配置されたフィルター特徴部を形成する。さらに、穴が、当該開口部510の上のエッチング停止層90を通るようにエッチングされる。これは、戻りチャネル28の下側部分となる開口部510を露出させる。
【0116】
図11Aから
図11Eのアプローチは、膜300および膜502の相対的厚さに対するいくらかの制御を可能にする。すなわち、膜300および膜502は、必ずしも同じ厚さおよび/または同じ組成を有する必要はなく、したがって、異なる目的のために、それぞれの膜の厚さおよび/または組成を選択することができる。
【0117】
ノズル22と、デバイス層88に形成された任意選択の凹み500と、当該ノズルの近くに配置された膜300とを有するウェハアセンブリ96は、例えば、米国特許第7,566,118号において説明されるように、さらに加工することにより、プリントヘッド100の液体吐出装置150を形成することができ、なお、当該特許の内容は、参照によりその全てが本明細書に組み入れられる。
【0118】
例えば、
図11Fおよび
図12を参照すると、いくつかの実施例において、アセンブリ96の上面74、例えば、エッチング停止層90における露出表面などが、流路ウェハ76に接合され得る(工程932)。例えば、第一ウェハ60の上面74は、低温接合、例えば、エポキシ(ベンゾシクロブテン(BCB))による接合などを使用して、または低温プラズマ活性化接合を使用して、流路ウェハ76に接合することができる。
【0119】
流路ウェハ76は、流動路475の部分、例えば、供給チャネル14、チャンバ導入通路16、圧送チャンバ18、ディセンダ部20の一部(残りは開口部200によって提供される)、および導出供給チャネル28の一部(残りは開口部510によって提供される)などを有するように、接合する前に製作することができる。アクチュエータ(図示せず)などの他の要素は、アセンブリ96が流路ウェハ76に接合される前または後に形成することができる。
【0120】
図11Gおよび
図12を参照すると、次いで、当該ハンドル層85は、例えば、研削および研磨、湿式エッチング、プラズマエッチング、または他の除去プロセスなどによって、除去することができる(工程934)。エッチング停止層84が存在する場合、ノズルを露出させるために、当該層が除去されるか(
図11Fに示されるように)、またはマスキングされ、例えば、リソグラフィおよびエッチングを含む標準的微細加工技術などによってエッチングされる(工程936)。
【0121】
アクチュエータが形成または取り付けられた後、結果として得られる基板は、概して、
図3Dに示される基板に対応するが、膜300の底面は、ディセンダ部20と導出通路26との間の交点よりわずかに上方に(一部88aの厚さだけ)離間される。その一方で、凹み202が、デバイス層88を貫通して延在する場合、膜300の底面は、導出通路26の上面と同一平面上にあるであろう。
【0122】
図11Aから
図11Gに示される実践形態において、導出通路26は、ウェハ76の凹みではなく、むしろデバイス層88における凹み202によって提供される。あるいは、導出通路26は、デバイス層88ではなく、むしろ流路ウェハ76の底面における凹みによって提供することができる。この場合、
図8Fおよび
図8Gと同様に、エッチング停止層90の上面は、導出通路26の底面を提供する。
【0123】
図13Aから
図13Gは、基板110の本体10およびノズル層11の製作の
図8Aから
図8Gと同様のプロセスを示している。しかしながら、この実施例において、穴302は、デバイス層88の一部を通るまたはすべてを貫通し得る。製作は、概して、以下に述べることを除いて、
図11Aから
図11Gに対して上記において説明された通りに進行し得る。
【0124】
特に、
図13Bを参照すると、デバイス層88を貫通するアパーチャ200を作製するのではなく、むしろノズル22が位置されるであろう場所に凹んだエリア204が形成されている。この凹んだエリア204は、導出通路26を提供するであろう凹んだエリア202と同じ深さであるか、またはより深くてもよい。
図13Cおよび
図13Dによって示されるように、これは、第一ウェハが第二ウェハに接合されたときにノズル22の上に横設されるであろう、デバイス層88における薄い部分88bを残す。
【0125】
図13Eを参照すると、エッチング停止層90に開口部が形成された後、当該エッチング停止層90はマスクとして使用することができ、凹み204が露出するまで、例えば、反応性イオンエッチングなどによって、デバイス層88の当該薄い部分88bを通るように開口部がエッチングされ得る。結果として得られる、エッチング停止層90とデバイス層88における薄い部分88bとの両方を通る開口部は、膜を貫通する穴302を提供する。製作は、
図11Fおよび
図11Gに示されるように進行し得る。このアプローチの利点は、膜300の厚さの選択が可能になるという点である。
【0126】
アクチュエータが形成または取り付けられた後、結果として得られる基板は、概して、
図3Dに示される基板に対応する。凹んだエリア204が、凹んだエリア202と同じ深さを有する場合、膜300の底面は、導出通路26の上面と同一平面上にあるであろう。
【0127】
図14Aから
図14Gは、基板110の本体10およびノズル層11の製作に対する別の例示的アプローチを示している。この実施例において、当該基板は、導出通路26に膜300を備えた液体吐出装置150を有するように製作される。特に、膜300は、導出通路26の、ディセンダ部20と戻りチャネル28との両方から離間された位置に設けられ得る。当該膜は、インピーダンス構造310を提供することができる。
【0128】
当該基板は、ノズル層11に形成された1つ以上の空洞500を含む、伸展性の微細構造も含み得る。膜300のみを有する液体吐出装置150は、同様のアプローチに従って製作することができる。例えば、空洞500を有さない液体吐出装置を製作するために、単純に、
図14Bに示される凹み506の形成に関連する工程の部分を省略することができる。
【0129】
図14Aおよび
図15を参照すると、第一ウェハ80(例えば、シリコンウェハまたはシリコンオンインシュレータ(SOI)ウェハなど)は、ノズルウェハを提供する。第一ウェハ80は、マスク層81(例えば、酸化物または窒化物マスク層、例えば、SiO
2またはSi
3N
4など)、デバイス層82(例えば、シリコンデバイス層82)、エッチング停止層84(例えば、酸化物または窒化物のエッチング停止層)、およびハンドル層85(例えば、シリコンハンドル層)を含む。いくつかの実施例において、第一ウェハ80は、エッチング停止層84を含まない。いくつかの実施例において、例えば、第一ウェハ80がSOIウェハである場合、当該SOIウェハ80の絶縁層は、エッチング停止層84として機能する。
【0130】
ノズル位置を画定するために、マスク層81がパターン形成され、液体吐出装置150のノズル22を提供するであろう開口部が、例えば、リソグライフィおよびエッチングを含む標準的微細加工技術などを用いて、当該デバイス層82を通るように形成される(工程940)。例えば、レジストの第一層を、パターン形成されていないマスク層81上に被着させ、リソグラフィによってパターン形成してもよい。マスク層81をエッチングすることにより、マスク層81を通る開口部を形成することができる。次いで、デバイス層82を、マスクとしてマスク層81を使用して、例えば、深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)、水酸化カリウム(KOH)エッチング、または別のタイプのエッチングによりエッチングすることにより、ノズル22を形成することができる。当該レジストは、デバイス層82のエッチング前または後に剥ぎ取ることができる。
【0131】
図14Bおよび
図15を参照すると、第二ウェハ86(例えば、シリコンウェハまたはSOIウェハ)は、マスク層87(例えば、酸化物または窒化物マスク層)、デバイス層88(例えば、シリコンデバイス層88)、エッチング停止層90(例えば、酸化物または窒化物のエッチング停止層90)、およびハンドル層92(例えば、シリコンハンドル層92)を含む。第二ウェハ86のデバイス層88は、第一ウェハ80のデバイス層82と同じ材料で形成することができる。いくつかの実施例において、例えば、第二ウェハ86がSOIウェハである場合、当該SOIウェハ86の絶縁層は、エッチング停止層90として機能する。
【0132】
空洞500を画定するために、マスク層87がパターン形成され、凹み506が、例えば、リソグライフィおよびエッチングを含む標準的微細加工技術などを用いて、第二ウェハ86のデバイス層88に形成される(工程942)。
図14Bは、デバイス層88を完全に貫通して延在するように凹み506を示しているが、これは必ずしも必要ではなく、凹み506は、デバイス層88を部分的にのみ通って延在してもよい。
【0133】
例えば、リソグラフィおよびエッチングを含む標準的微細加工技術などを用いて、開口部がマスク層87に形成され、任意選択により、凹み200が、デバイス層88を少なくとも部分的に通るように形成される。この凹み200は、導出通路26の下に位置され、ディセンダ部20の一部またはノズル22を提供すると考えることができる。
図14Bは、デバイス層88を貫通して延在する開口部として凹み200を示しているが、これは必ずしも必要ではなく、凹み200は、デバイス層88を部分的にのみ通って延在してもよい。
【0134】
同様に、開口部がマスク層87に形成され、凹み208が、少なくとも部分的にデバイス層88を通るように形成される(工程944)。この凹みは、導出通路26の一部を提供する。
図14Bは、デバイス層88を貫通して延在するように凹み208を示しているが、これは必ずしも必要ではなく、凹み208は、デバイス層88を部分的にのみ通って延在してもよい。ただし、凹み200は、少なくとも凹み208と同じ深さであるべきである。
【0135】
凹み506(存在する場合)、開口部200、および凹み208は、単一のエッチング工程によって同時に形成することができる。この場合、凹み510(存在する場合)、開口部200、および凹み208は全て、同じ深さを有するであろう。例えば、レジストの層を、パターン形成されていないマスク層87上に被着させ、リソグラフィによってパターン形成してもよい。マスク層87をエッチングすることにより、マスク層87を貫通する開口部を形成することができる。次いで、デバイス層88は、マスクとしてマスク層87を使用してエッチングすることができる。
【0136】
その一方で、異なる深さを有する凹み510(存在する場合)、開口部200、および凹み208を提供するために、複数のエッチング工程を使用することができる。例えば、各特徴部に対して、レジストの層を被着させ、リソグラフィによってパターン形成し、次いで基板にエッチング工程を施すことができる(当該レジストは、以前に画定された特徴部を覆うことにより、それらを後続のエッチング工程から保護することができる)。いくつかの実践形態では、当該フォトレジスト自体をマスクとして使用することができる。
【0137】
図14Cおよび
図15を参照すると、アセンブリ96を形成するために、第二ウェハ86が、例えば、サーマルボンド法または別のウェハ接合技術などを使用して、第一ウェハ80に接合される(工程946)。特に、第二ウェハ86は、第一ウェハ80のマスク層側が第二ウェハ86のマスク層側に接触するように、第一ウェハ80に接合される。したがって、マスク層81をマスク層87に接合することができる。いくつかの実践形態において、マスク層81および/またはマスク層87は、第二ウェハ86が第一ウェハ80に接合される前に除去される。開口部200は、ノズル22を提供する開口部に揃えられ得る。当該凹み510がエッチング停止層90によって覆われると、空洞500を形成する。
【0138】
エッチング停止層90は、凹み506を覆っている。したがって、エッチング停止層90は膜502を提供することができ、空洞500を画定することができる。
図14Bには凹み506が1つだけ示されているが、複数の空洞500を形成するために複数の凹みが存在していてもよい。さらに、
図14Fおよび
図14Gに示される空洞500は、戻りチャネル28の下に示されているが、適切な位置に凹みを形成することによって、追加でまたは代替で、同様の空洞を、供給チャネル24の下に形成することもできる。
【0139】
図14Dおよび
図15を参照すると、第二ウェハ86のハンドル層92が、例えば、研削および研磨、湿式エッチング、プラズマエッチング、または他の除去プロセスなどによって、除去される(工程948)。
【0140】
図14Eおよび
図15を参照すると、インピーダンス特徴部310を形成するために、穴302が、凹み208に達するまでエッチング停止層90を通るようにエッチングされる(工程950)。穴302は、湿式エッチングまたはプラズマエッチングなどのエッチングプロセスによって形成することができる。特に、穴302は、反応性イオンエッチングなどの異方性エッチングによって形成することができる。
【0141】
さらに、導出通路26と戻りチャネル28との間に開口部を提供するために、アパーチャ340が、凹み208に達するまでエッチング停止層90を貫通するように形成され得る(工程950)。
【0142】
さらに、ディセンダ部20とノズル22との間に開口部を提供するために、アパーチャ342が、凹み200に達するまでエッチング停止層90を通るように形成され得る。
【0143】
開口部302、開口部340、および開口部342は、単一のエッチング工程において同時に形成することができる。特に、当該開口部は、反応性イオンエッチングなどの異方性エッチングによって形成することができる。
【0144】
図16Aから
図16Cを参照すると、凹み208がデバイス層88を完全には貫通せずに延在する場合、例えば、エッチング停止層90をマスクとして使用して、さらなるエッチング工程を実施することができる。開口部302および340は、凹み208が露出するまで、例えば、反応性イオンエッチングなどによって、凹み208の上方のデバイス層88における薄い部分88cを貫通するようにエッチングすることができる。このアプローチの利点は、例えば、凹み208の深さを選択するなどによって、膜300の厚さの選択が可能になるという点である。
図16Aから
図16Cに示される態様は、様々な代替策と組み合わせることができる。
【0145】
図14Eに示されるように、凹み208がデバイス層88を貫通して延在すると仮定すると、流路26にわたって横設されるエッチング停止層90の当該一部が、膜300を提供する。その一方で、
図16Bのように、凹み208がデバイス層88の部分的にのみ通って延在する場合、エッチング停止層90とデバイス層88の当該薄い部分88cとの組み合わせが、膜300を提供する。
【0146】
図14Aから
図14Eのアプローチにおいて、デバイス層82、マスク層81、87(存在する場合)、デバイス層88、およびエッチング停止層90が、ノズル層11を形成し得る。
図14Aから
図14Eのアプローチは、膜304の製作によって肉薄化されない、厚く頑健なノズル層11を提供する。結果として得られる、空洞500および/または膜300を備えたアセンブリ96をさらに加工することにより、プリントヘッドの液体吐出装置150を形成することができる。
【0147】
例えば、
図14Fおよび14Gを参照すると、アセンブリ96の上面74、例えば、エッチング停止層90における露出表面などが、流路ウェハ76に接合され得る(工程952)。流路ウェハ76は、流動路475、例えば、供給チャネル14、チャンバ導入通路16、圧送チャンバ18、ディセンダ部20、導出通路26の一部、および導出供給チャネル28などを有するように、接合前に製作することができる。例えば、第一ウェハ60の上面74は、低温接合、例えば、エポキシ(ベンゾシクロブテン(BCB))による接合などを使用して、または低温プラズマ活性化接合を使用して、流路ウェハ76に接合することができる。他の要素、例えば、アクチュエータ(図示せず)などは、アセンブリ96が流路ウェハ76に接合される前または後に形成することができる。
【0148】
図14Aから
図14Gに示された実践形態において、導出通路26の一部分は、デバイス層88の凹み208によって提供され、当該導出通路26の別の部分は、流路ウェハ76の底部の凹み27によって提供される。当該底部における凹み27は、ディセンダ部20から延在し得る。凹み208および凹み27は、穴302にわたって重なっており、それにより、結果として得られる膜300は、導出通路26を、膜304の上の第一領域26aと当該膜の下の第二領域26bとに分割する。
【0149】
図14Aから
図14Gに示される実践形態は、ディセンダ部20に接続された導出通路26の上側部分26aと、戻りチャネル28に接続された当該導出通路の下側部分26bとを有するが、これは、
図17Aに示されるように、逆も可能である。例えば、流路ウェハ76の底部の凹み27は、ディセンダ部20ではなく戻りチャネル28から開口部302まで延在していてもよい。さらに、凹み208は、開口部200に接続してもよい(開口部200の一部と見なすことができる)。したがって、凹み208は、ディセンダ部20から開口部302まで延在し得る。
【0150】
その上、
図17Aに示された実践形態は、様々な他の態様と組み合わせることができる。例えば、
図17Bに示されるように、凹み208は、デバイス層88を部分的にのみに通って延在するように形成することができ、さらなるエッチング工程を、例えば、エッチング停止層90をマスクとして使用して実施することができる。したがって、開口部302は、凹み208が露出するまで、例えば、反応性イオンエッチングなどによって、凹み208の上方のデバイス層88の薄い部分88dを貫通するようにエッチングされる。結果として、エッチング停止層90とデバイス層88の薄い部分88dとの組み合わせが、インピーダンス特徴部310の膜300を提供する。
【0151】
図14Gおよび
図15を参照すると、接合後、ハンドル層85およびエッチング停止層84を、例えば、研削および研磨、湿式エッチング、プラズマエッチング、または他の除去プロセスなどによって、除去することにより、ノズル22を露出させることができる(工程954)。いくつかの実践形態において、エッチング停止層84は除去されないが、ノズルを完成させるために、エッチング停止層84を貫通するアパーチャが形成される(工程956)。アクチュエータが形成または取り付けられた後、結果として得られる基板は、概して、
図3Cに示される基板に対応する。
【0152】
図14Gに示されるように、同じ層90が、伸展性の微細構造(存在する場合)のための膜502と膜300とを提供し得る。さらに
図14Gに示されるように、流路ウェハ76の底部において凹みとして形成された導出通路26により、第一および第二ウェハのアセンブリ96の上面74が、導出通路26の下側表面を提供し得る。さらに、膜300の上面は、導出通路26の下側表面と同一平面上にあり得る。
同様に、膜300の上面は、戻りチャネル28の下側表面と同一平面にあり得る。
【0153】
図18Aから
図18Hは、基板110の本体10およびノズル層11の製作の
図14Aから
図14Gと同様のプロセスを示している。しかしながら、この実施例において、開口部302は、導出通路26内ではなくむしろ戻りチャネル28の直下に位置されている。製作は、概して、以下に述べることを除いて、
図14Aから
図14Gおよび
図17Aに対して上記において説明された通りに進行し得る。
【0154】
図18Bを参照すると、第一凹み200は、ノズル22に対応する領域のデバイス層88に形成される。この凹み200は、導出通路26の下に位置され、ディセンダ部20の一部またはノズル22を提供すると考えることができる。第二凹み220は、戻りチャネル28の一部の下に横設された領域において、デバイス層88に形成される。これらの凹み200および220は、マスク層87をパターン形成して、それをデバイス層88をエッチングするためのマスクとして使用することにより、形成することができる。
【0155】
さらに、
図18Cを参照すると、デバイス層88における第三凹み222は、第一凹み200と第二凹み220とを接続する。デバイス層88の一部88eは、凹み222の下に残すことができる。当該凹み222は、マスク層87をパターン形成し、それを、デバイス層88をエッチングするためのマスクとして使用することにより、形成することができる。任意選択により、マスク層87は、ウェハ86全体から剥ぎ取ることができる。
【0156】
図18Bおよび
図18Cは、デバイス層88を貫通して延在する開口部として凹み200および凹み220を示しているが、これは必ずしも必要ではない。凹み200および/または凹み220は、デバイス層88を部分的にのみ通って延在していてもよい。しかしながら、凹み220は、少なくとも凹み222と同程度に深くあるべきである(すなわち、同じまたはより深い深さ)。同様に、
図18Bは、デバイス層88を部分的にのみ通って延在するように凹み222を示しているが、これは必ずしも必要ではない。凹み222は、デバイス層88を貫通して延在していてもよい。凹み200、220、222が同じ深さの場合、それらは、単一のエッチング工程において同時に形成することができる。当該凹みの相対的深さは、導出通路26の高さおよび膜300の厚さに対する必要性に基づいて、例えば、流体流動に対する所望の抵抗性に基づいて、選択することができる。
【0157】
図18Dは、
図14Cと同様に進行し、第一ウェハ80が第二ウェハ86に接合されてアセンブリ96を形成して、開口部200がノズル22に位置合わせされる。
図18Eは、
図14Dと同様に進行し、ハンドル層92が除去される。
【0158】
図18Fを参照すると、インピーダンス特徴部310を形成するために、穴302が、凹み220に達するまでエッチング停止層90を貫通するようにエッチングされる。穴302は、湿式エッチングまたはプラズマエッチングなどのエッチングプロセスによって形成することができる。特に、穴302は、反応性イオンエッチングなどの異方性エッチングによって形成することができる。
【0159】
さらに、ディセンダ部20とノズル22との間に開口部を提供するために、アパーチャ342が、凹み200に達するまでエッチング停止層90を通るように形成され得る。
【0160】
開口部302および開口部342は、単一のエッチング工程において同時に形成することができる。特に、当該開口部は、反応性イオンエッチングなどの異方性エッチングによって形成することができる。
【0161】
凹み220がデバイス層88を完全には貫通せずに延在する場合、例えば、エッチング停止層90をマスクとして使用して、さらなるエッチング工程を実施することができる。同様に、凹み200がデバイス層88を完全には貫通せずに延在する場合、例えば、エッチング停止層90をマスクとして使用して、さらなるエッチング工程を実施することができる。したがって、開口部302および342は、凹み208が露出するまで、例えば、反応性イオンエッチングなどによって、デバイス層88の薄い部分88eを貫通するようにエッチングすることができる。
【0162】
図18Fに示されているように、凹み220がデバイス層88を完全に貫通して延在すると仮定すると、導出通路26と戻りチャネル28との間のエッチング停止層90の一部が、膜300を提供する。その一方で、凹み220が、デバイス層88を部分的にのみ通って延在する場合(例えば、
図16Cに示されるものと同等な方式において)、エッチング停止層90とデバイス層88における薄い部分88eとの組み合わせが、膜300を提供する。
【0163】
図18Gを参照すると、アセンブリ96の上面74、例えば、エッチング停止層90における露出表面などが、流路ウェハ76に接合され得る。
図18Gは、
図14Fと同様に進行するが、導出通路26が完全にデバイス層88において画定されるので、流路ウェハ76は、導出通路26を画定する凹みを有さない。
【0164】
図18Hは、
図14Gと同様に進行し、この場合、ハンドル層85およびエッチング停止層84が除去されるか、あるいはハンドル層85が除去され、エッチング停止層84を通ってアパーチャを形成することにより、ノズルが完成される。アクチュエータが形成または取り付けられた後、結果として得られる基板は、概して、
図3Bに示される基板に対応する。
【0165】
図10を参照すると、いくつかの実践形態において、複数の開口部42、例えば、長方形の開口部などを含むマスク40を使用することにより、膜300に対して所望のサイズの穴302を画定することができる。各開口部42は、開口部42の角部によって画定されるセル領域44に対応し、開口部42のサイズおよび方向は、隣接するセル領域44を重ならせる。各セル領域44の面積は、対応する開口部42の長辺lの長さのおよそ二乗である。異方性エッチングプロセス(例えば、水酸化カリウムエッチングプロセスなど)により、終端結晶面(例えば、<111>面)に達するまで異方性エッチングを続けることによって、正確なサイズの穴を製作することができる。例えば、各開口部42の角部は、<111>面を露出させるように配置することができ、それにより、各開口部42は、その対応するセル領域44によって画定される領域をエッチングさせる。隣接するセル領域44が重なるため、エリア全体が、このエッチングプロセスによって開口部となり得る。
【0166】
いくつかの実施例において、厚い層82を使用することができる(例えば、30μm、50μm、または100μm厚)。厚いノズルウェハの使用は、ノズルウェハが弱くなる程度にまでノズル製作プロセスによってノズルウェハが薄くなるリスクを最小にする。
【0167】
様々な実践形態に共通の、チャネル14、導入通路16、および圧送チャンバ18の特定の流路構成は、流路構成の単なる一例に過ぎない。以下において説明されるフィルター特徴部またはインピーダンス特徴部に対するアプローチは、多くの他の流路構成において使用することができる。例えば、サプライチャネル14が、圧送チャンバ18と同じレベルに位置される場合、アセンダ部16aは不要である。別の実施例として、追加の水平通路を、圧送チャンバ18とノズル22との間に配置することもできる。概して、ディセンダ部の説明は、圧送チャンバをノズルの入口に接続する第一通路に対して一般化することができ、導出通路の説明は、ノズルの入口を戻りチャネルに接続する第二通路に対して一般化することができる。
【0168】
第一または第二のような様々な要素の指示、例えば、第一ウェハおよび第二ウェハなどは、必ずしも、当該要素が製作される順序を示しているわけではない。「の上(above)」および「の下(below)」などの位置決めの用語が使用されるが、これらの用語は、システム内の要素の相対的位置決めを示すために使用されるのであって、必ずしも、重力に対する位置を示しているわけではない。
【0169】
特定の実施形態について説明した。他の実施形態も、以下の特許請求の範囲内である。
【0170】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0171】
実施形態1
外面、内面、および該内面と該外面との間に延在するノズルを有するノズル層であって、該ノズルが、液体を受け入れるための入口を該内面に有し、ならびに液体の吐出のための出口開口部を該外面に有する、ノズル層と、
該ノズル層の該内面が固定される本体であって、圧送チャンバ、戻りチャネル、および該圧送チャンバを該ノズルの該入口に流体接続する第一通路を含む、本体と、
該ノズルの該入口を該戻りチャネルに流体接続する第二通路と、
該圧送チャンバから液体を流し出すように構成されたアクチュエータであって、その作動によって液体が該ノズルから放出される、アクチュエータと、
該第一通路、該第二通路、または該ノズルの該入口のうちの少なくとも1つにわたって、それらを部分的に遮断するように形成された膜であって、それ自身を貫通する少なくとも1つの穴を有し、該液体吐出装置の作動時に流体が該膜の該少なくとも1つの穴を通って流れる、膜と、
を含む、液体吐出装置。
【0172】
実施形態2
前記膜および前記穴が、流体が前記ノズルから吐出されるときに前記第一流路が第一インピーダンスを有し、流体が該ノズルから放出されないときに第二インピーダンスを有するように構成される、実施形態1に記載の液体吐出装置。
【0173】
実施形態3
前記第一インピーダンスが、前記第二インピーダンスよりも大きい、実施形態2に記載の液体吐出装置。
【0174】
実施形態4
前記ノズルの共鳴周波数においてまたはその周辺において前記第二通路が最大インピーダンスを有するように前記膜が構成される、実施形態2に記載の液体吐出装置。
【0175】
実施形態5
前記膜が、前記外面に対して実質的に平行に延在する、実施形態1に記載の液体吐出装置。
【0176】
実施形態6
前記膜が、前記第二通路にわたって形成される、実施形態1に記載の液体吐出装置。
【0177】
実施形態7
前記第二通路が、前記ノズルへの前記入口と前記膜との間の第一部分と、該膜と前記戻りチャネルとの間の第二部分とを含み、該第一部分および該第二部分が、該膜によって分離され、該膜を貫通する前記穴が、該第一部分を該第二部分に流体接続する、実施形態6に記載の液体吐出装置。
【0178】
実施形態8
前記第一部分が、前記膜における前記外面から離れた側に設けられ、前記第二部分が、該膜における該外面に近い側に設けられる、実施形態7に記載の液体吐出装置。
【0179】
実施形態9
前記第一部分が、前記本体に設けられ、前記第二部分が、前記ノズル層に設けられる、実施形態8に記載の液体吐出装置。
【0180】
実施形態10
前記第一部分が、前記膜における前記外面に近い側に設けられ、前記第二部分が、該膜における該外面に遠い側に設けられる、実施形態7に記載の液体吐出装置。
【0181】
実施形態11
前記第二通路および前記戻りチャネルが、前記膜によって分離され、該膜を貫通する前記穴が、該第二通路を該戻りチャネルに流体接続する、実施形態6に記載の液体吐出装置。
【0182】
実施形態12
前記膜における前記外面に遠い側の表面が、前記戻りチャネルの底面と同一平面上に設けられる、実施形態11に記載の液体吐出装置。
【0183】
実施形態13
前記膜が、それ自身を貫通する複数の穴を有する、実施形態1に記載の液体吐出装置。
【0184】
実施形態14
前記複数の穴が、前記膜にわたって一様に離間されている、実施形態13に記載の液体吐出装置。
【0185】
実施形態15
前記複数の穴が、フィルターを提供するように構成される、実施形態13に記載の液体吐出装置。
【0186】
実施形態16
前記膜が、前記ノズルにわたって形成される、実施形態1に記載の液体吐出装置。
【0187】
実施形態17
前記外面に対して平行に延在し、前記液体吐出装置にわたって横設される膜層を含み、前記膜が、該膜層の一部を含む、実施形態1に記載の液体吐出装置。
【0188】
実施形態18
前記膜層が本体内に包埋される、実施形態17に記載の液体吐出装置。
【0189】
実施形態19
前記膜層が、前記本体と前記ノズル層との間に設けられる、実施形態17に記載の液体吐出装置。
【0190】
実施形態20
前記圧送チャンバに流体接続された前記戻りチャネルまたはサプライチャネルに隣接して配置され、それらから前記膜層によって流体的に分離される空洞を含む、実施形態17に記載の液体吐出装置。
【0191】
実施形態21
前記空洞および該空洞を覆う前記層の一部が、クロストークを減少させるための伸展性の微細構造を提供する、実施形態20に記載の液体吐出装置。
【0192】
実施形態22
前記膜層における前記外面から離れた側に接合された第一材料のウェハと、
該層における該外面に近い側に接合された該第一材料のデバイス層と、を含む、実施形態19に記載の液体吐出装置。
【0193】
実施形態23
前記膜が、前記第一材料とは異なる材料組成の第二材料である、実施形態22に記載の液体吐出装置。
【0194】
実施形態24
前記第一材料が単結晶シリコンである、実施形態23に記載の液体吐出装置。
【0195】
実施形態25
前記第二材料が二酸化ケイ素である、実施形態24に記載の液体吐出装置。
【0196】
実施形態26
前記膜が、前記外面に対して実質的に平行に延在する、実施形態1に記載の液体吐出装置。
【0197】
実施形態27
前記穴が、該穴の全ての側部において、前記第一通路、前記第二通路、または前記ノズルのそれぞれの壁部から離間されている、実施形態1に記載の液体吐出装置。
【0198】
実施形態28
前記膜が、前記第一通路、前記第二通路、または前記ノズルのそれぞれの壁部に対して実質的に垂直に、内側方向に突出する、実施形態1に記載の液体吐出装置。
【0199】
実施形態29
前記膜が、前記第一通路、前記第二通路、または前記ノズルのそれぞれの壁部を形成する材料の弾性率よりも低い弾性率を有する材料で形成される、実施形態1に記載の液体吐出装置。
【0200】
実施形態30
前記膜が、前記第一通路、前記第二通路、または前記ノズルのそれぞれの壁部より柔軟である、実施形態1に記載の液体吐出装置。
【0201】
実施形態31
前記膜を貫通する前記穴が、前記ノズルの前記出口開口部より狭い、実施形態1に記載の液体吐出装置。
【0202】
実施形態32
前記膜が酸化物で形成される、実施形態1に記載の液体吐出装置。
【0203】
実施形態33
前記膜が、約0.5μmから約5μmの間の厚さを有する、実施形態32に記載の液体吐出装置。
【0204】
実施形態34
前記膜がポリマーで形成される、実施形態1に記載の液体吐出装置。
【0205】
実施形態35
前記膜が、約10μmから約30μmの間の厚さを有する、実施形態14に記載の液体吐出装置。
【0206】
実施形態36
外面に開口部を有するノズルと、圧送チャンバから該ノズルまでの第一部分および該ノズルから戻りチャネルまでの第二部分を含む流路と、該圧送チャンバから液体を流出させるように構成され、その作動により該ノズルから液体が放出される、アクチュエータと、を含む基板と、
該流路の該第二部分にわたって形成される膜であって、それ自身を貫通する少なくとも1つの穴を有し、作動時に、該少なくとも1つの穴を通って液体が流れ、該流路における流体の発振振動数に応じて該流路に対してあるインピーダンスを提供するように構成される、膜と、
を含む、液体吐出装置。
【0207】
実施形態37
前記膜が、流体が前記ノズルから吐出されるときに第一インピーダンスを提供し、流体が該ノズルから吐出されないときに第二インピーダンスを提供するように構成される、実施形態36に記載の液体吐出装置。
【0208】
実施形態38
前記第一インピーダンスが、第二インピーダンスよりも大きい、実施形態37に記載の液体吐出装置。
【0209】
実施形態39
前記膜が、前記ノズルの共鳴周波数においてまたはその周辺において前記流路に対して最大インピーダンスを提供するように構成される、実施形態36に記載の液体吐出装置。
【0210】
実施形態40
前記膜が前記流路の壁部より柔軟である、実施形態36に記載の液体吐出装置。
【0211】
実施形態41
前記膜が、前記外面に対して実質的に平行に延在する、実施形態36に記載の液体吐出装置。
【0212】
実施形態42
前記膜が、前記流路の壁部に対して実質的に垂直に内側方向へと突出する、実施形態36に記載の液体吐出装置。
【0213】
実施形態43
前記圧送チャンバに流体接続された前記戻りチャネルまたはサプライチャネルに隣接する伸展性の微細構造と、前記膜を提供する膜層であって、該戻りチャネルまたは該サプライチャネルのそれぞれから空洞を分離する、膜層と、を含む、実施形態36に記載の液体吐出装置。
【0214】
実施形態44
液体吐出装置のノズルから液体を吐出させる工程と、
流路から該ノズルに液体を再充填する工程と、
を含み、
それ自身を貫通する少なくとも1つの穴を有する、該流路にわたって形成された膜が、流体が該ノズルから吐出されるときに該流路に第一インピーダンスを提供し、流体が該ノズルから吐出されないときに第二インピーダンスを提供し、ならびに該第一インピーダンスが、該第二インピーダンスよりも大きい、
液体吐出方法。
【0215】
実施形態45
前記ノズルに前記再充填する工程が、前記膜によって画定された前記少なくとも1つの穴を通って前記流路に液体を流す工程を含む、実施形態44に記載の方法。
【0216】
実施形態46
前記流路が、前記ノズルを戻りチャネルに流体接続する流路を含む、実施形態44に記載の方法。
【0217】
実施形態47
前記流路が、前記ノズルを圧送チャンバに流体接続する流路を含む、実施形態44に記載の方法。
【0218】
実施形態48
前記ノズルから液体を吐出させる工程が、アクチュエータを作動させて該ノズルに流体接続された圧送チャンバから液体を吐出させる工程を含む、実施形態44に記載の方法。
【0219】
実施形態49
ノズル層にノズルを形成する工程であって、該ノズル層が、第一表面を有し、該ノズルが、液体の吐出のための出口開口部を該第一表面に有する、工程と、
該ノズル層における該第一表面から遠い側において該ノズル層の第二表面上に膜を形成する工程と、
該膜を貫通する少なくとも1つの穴を形成する工程と、
該膜における該少なくとも1つの穴が、圧送チャンバと該ノズルの間の通路または該ノズルと戻りチャネルとの間の第二通路に収縮を提供するように、該膜における該ノズル層から遠い側を、該圧送チャンバおよび該戻りチャネルを有するウェハに取り付ける工程と、
を含む、液体吐出装置を製造する方法。
【0220】
実施形態50
前記ウェハ上にアクチュエータを形成する工程であって、該アクチュエータが、前記圧送チャンバから液体を流し出すように構成され、それにより、該アクチュエータの作動によって液体が前記ノズルから放出される、工程、を含む、実施形態49に記載の方法。
【0221】
実施形態51
前記膜および前記少なくとも1つの穴が、前記ノズルの共鳴周波数においてまたはその周辺において最大インピーダンスを有するように形成される、実施形態49に記載の方法。
【0222】
実施形態52
前記少なくとも1つの穴を形成する工程が、前記膜をエッチングする工程を含む、実施形態49に記載の方法。
【0223】
実施形態53
前記膜に複数の穴を形成する工程を含む、実施形態49に記載の方法。
【0224】
実施形態54
前記膜が酸化物で形成される、実施形態49に記載の方法。
【0225】
実施形態55
前記膜がポリマーで形成される、実施形態49に記載の方法。
【0226】
実施形態56
前記ノズル層が、ハンドル層上に配置され、前記膜が、該ノズル層における、該ハンドル層に対向する側に形成される、実施形態49に記載の方法。
【0227】
実施形態57
前記ハンドル層を除去する工程を含む、実施形態56に記載の方法。
【符号の説明】
【0228】
10 本体
11 ノズル層
11a 表面
12 基板導入口
14、14a 導入供給チャネル
16 圧送チャンバ導入通路
16a アセンダ部
16b (水平)圧送チャンバ導入口
18 圧送チャンバ
20 ディセンダ部
22 ノズル
23、23a、23b 列
24 ノズル開口部
26 導出通路
26a 第一領域
26b 第二領域
27、208、506 凹み
28、28a、28b 導出供給チャネル(戻りチャネル)
30 アクチュエータ
31 圧電層
32a、32b 部分
40 マスク
42 開口部
44 セル領域
50 微細構造
52、54 底面
60 第一ウェハ
64 駆動電極
65 接地電極
66 膜(層)
67 接着層
74 上面
76 流路ウェハ
80 第一ウェハ
81、87 マスク層
82、88 デバイス層
84、90 エッチング停止層
85、92 ハンドル層
86 第二ウェハ
88a、88b、88c、88d、88e デバイス層の一部
96 アセンブリ
100 プリントヘッド
110 基板
112 基板の底面
120 インターポーザアセンブリ
122 上側インターポーザ
124 下側インターポーザ
130 筐体
132 液体サプライチャンバ
134 隔壁
136 戻りチャンバ
150 液体吐出装置
200、510 開口部
202、204 凹んだエリア
220 第二凹み
222 第三凹み
300、304、502 膜
302 穴
310 インピーダンス特徴部(インピーダンス構造)
320 フィルター特徴部(ろ過構造)
340、342 アパーチャ(開口部)
400 流路
402 液体サプライ導入口(導入開口部)
408 液体戻り導出口(導出開口部)
475 吐出装置の流路(流動路)
500 空洞
504 内面