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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093825
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】パテ塗布装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 17/005 20060101AFI20230628BHJP
   B05C 17/10 20060101ALI20230628BHJP
   E04F 21/165 20060101ALI20230628BHJP
   E04F 21/16 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
B05C17/005
B05C17/10
E04F21/165 J
E04F21/16 P
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208895
(22)【出願日】2021-12-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】512316817
【氏名又は名称】株式会社スカディ
(74)【代理人】
【識別番号】100078695
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 司
(72)【発明者】
【氏名】黒瀧 司
(72)【発明者】
【氏名】岡本 邦彦
【テーマコード(参考)】
4F042
【Fターム(参考)】
4F042AA16
4F042AB00
4F042FA22
4F042FA23
4F042FA30
4F042FA33
4F042FA47
(57)【要約】
【課題】足場の上に載らなくても作業ができ、しかも、パテ供給部にパテ圧送ポンプよりホースを経由してパテの供給を連続的に行い、かつこのパテ供給部をパテ塗りのパテへらとして使用する場合にパテ供給部からパテを作業に適したスムーズな吐出ができるので、作業の安全性と効率性の両方を高めることができるパテ塗布装置を提供する。
【解決手段】パテ圧送ポンプの吐出側のホース端をパテ供給部に接続するパテ塗布装置であり、該パテ供給部16はパテタンクとなる略逆三角形の末広がりの扁平箱体に形成し、その下面をパテ塗り面17とし、扁平箱体の略逆三角形の底辺部である末広がりの先端にパテの塗り出しスリット18を形成した。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パテ圧送ポンプの吐出側のホース端をパテ供給部に接続するパテ塗布装置であり、該パテ供給部はパテタンクとなる略逆三角形の末広がりの扁平箱体に形成し、その下面をパテ塗り面とし、扁平箱体の略逆三角形の底辺部である末広がりの先端にパテの塗り出しスリットを形成したことを特徴とするパテ塗布装置。
【請求項2】
パテ供給部の下面であるパテ塗り面で、扁平箱体の略逆三角形の頂点近くにローラーを取り付けた請求項1記載のパテ塗布装置。
【請求項3】
パテの塗り出しスリットは該スリットを形成する略逆三角形の底辺部の壁面の下辺が円弧にえぐれ、該壁面と下面端とで形成するスリットの中央が拡径開口となる請求項1または請求項2に記載のパテ塗布装置。
【請求項4】
略逆三角形のパテ供給部は上面に操作棒の結着部を形成し、このパテ供給部を操作棒の先に固定かつ角度可変に設ける請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のパテ塗布装置。
【請求項5】
略逆三角形の末広がりの扁平箱体は内部を仕切って左右に隙間部を形成し、その隙間部間のパテ充填部は縮径した略逆三角形とし、パテの塗り出しスリットはこの縮径した略逆三角形の底辺部とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のパテ塗布装置。
【請求項6】
略逆三角形のパテ供給部は上面中央に清掃用穴を形成し、この清掃用穴に蓋をした請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のパテ塗布装置。
【請求項7】
操作棒の結着部は蓋に設ける請求項6記載のパテ塗布装置。
【請求項8】
略逆三角形のパテ供給部は上面で、蓋の外れに三角矢印のパテ吐出口マークをその先端をパテの塗り出しスリット中央に向けて設ける請求項6および請求項7に記載のパテ塗布装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の壁材の接合部に生じた隙間の密封、壁面に生じた段差部の平坦化などのために行うパテ塗布作業を省力化するパテ塗布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建築現場で行うパテ塗布作業は、石膏ボードを内装の下地材として使用するときには、その継ぎ目の処理として行われ、その目的は、
1)継ぎ目の段差や隙間をなくして平滑にすること、
2)継ぎ目を補強し、亀裂の発生を防止すること、
3)継ぎ目の処理によって、遮音性能を確保し、火災時には火炎や煙を遮断することにある。
【0003】
このような目的の実現のために、継目をジョイントセメント、すなわちパテによって処理するドライウォール工法が確立されてきている。
【0004】
そして、従来のパテ塗布作業は、パテを載せたパテ盆を片手に持ち、他方の手に持ったパテへらでパテ盆のパテを少量ずつ取って壁などに塗り付けて、パテへらの先で塗り付けたパテを平坦にならしていた。
【0005】
そして、パテ盆を片手で持つためパテ盆の上に載置するパテの量には重量制限があり、パテ盆の上のパテが尽きる都度、作業者は足場もしくは作業台から降りて地上に置かれているパテを補給していた。
【0006】
従って、パテ塗布作業には、実際にパテを塗布する作業の他に、パテ盆のパテを少量ずつパテへらに載せ換える作業と、パテ盆にパテを補充するために地上に降りる作業が付随していた。
【0007】
下記特許文献は、作業者が付随作業に煩わされることなく効率よくパテ塗布作業に専念できるパテ塗布装置として提案されたものである。
【特許文献1】特開平4-197467号公報
【0008】
特許文献1のパテ塗布装置は、図15図17に示すように、パテ塗布用のパテへら8の一方の面にパテ吐出口llaを有するパテ供給部材11を設け、パテ圧送ポンプ2の吸入側の管路をパテ貯留容器に接続し、パテ圧送ポンプ2の吐出側に耐圧性及び柔軟性を有するホース6を設け、該ホース6の先端-を前記パテ吐出口に接続した。
【0009】
或いは、パテ載置面を有するパテ盆30にパテ吐出口30aを設け、パテ圧送
【0010】
減速器付モータ1の出力軸に連結されたモノポンプ型式のパテ圧送ポンプ2の下部には車輪3が設けられ、パテ圧送ポンプ2の上部に設けられたハンドル4を牽引して建設現場の地上を移動することが出来る。
【0011】
パテ圧送ポンプ2の上部には、パテ貯留容器であるホッパ5が設けられ、ホッパ5の下端部はパテ圧送ポンプ2の吸入側の管路(図示しない)に連通し、パテ圧送ポンプ2の吐出側に、耐圧性及び柔軟性を有する細長いホース6の一端が接続する。図中7はパテ圧送ポンプ2の吐出側に設けられた圧力計である。
【0012】
パテ塗布用のパテへら8は、金属製で板形状のへら本体9の先端部9aは直線状に形成され後端部は合成樹脂製の把手部10に嵌着される。
【0013】
パテへら8には、電線コード12により減速器付モータ1に接続し、減速器付モータ1を始動或いは停止するスイッチ13が設けられる。
【0014】
使用に際しては、建築現場のパテ塗布作業に近い地上にパテ圧送ポンプ2を置き、ホッパ5にパテを補充する。パテ圧送ポンプ2に設けられたバルブの開度を加減してパテの吐出流量を調整する。
【0015】
作業者は床に載り、パテを塗布する壁の手前でスイッチ13を操作すると、ホッパ5のパテがパテ圧送ポンプ2の吐出側及びホース6を経由してパテ吐出口11aに供給されるので、パテ供給部材11を下側に向けてパテへら8の把手部l0を握り、壁に当てた先端部9aよりも把手部10を低く傾斜させた状態でパテへら8を下方に移動すると、パテ吐出口11aから供給されたパテが壁に付着された後に先端部9aで平らにならされる。
【0016】
地上に置かれたパテ圧送ポンプ2よりホース6を経由してパテ供給部材11にパテが供給され、作業者は、パテ供給部材を下に向けてパテへらを握り、パテへらの先端を壁などに当てて下方に移動すると、パテ供給部材のパテ吐出口から吐出したパテが壁に付着した直後にパテへらの先端により平らにならされる。
【0017】
パテ載置面を有するパテ盆にパテ吐出口を設けた場合には、パテ盆の上に連続的にパテが供給されるので、地上に降りてパテ盆にパテを補充する面倒がなくなり、床でパテ塗布作業を続行することが出来る。
【0018】
一方、下記特許文献にもあるが、図18に示すようなフラットフィニッシャーと称するパテ塗布機も存在する。
【特許文献2】特開平7-323251号公報
【0019】
容器(サ)内にパテを収容し、長い柄(シ)の先に接続した押し板(ス)によって、パテをパテ塗布口(セ)から押出し、目地部にパテを塗布することができるようにしている。
【0020】
この塗布機では、押し板(ス)は、略V字型の容器(サ)の後部を支点として前後に揺動可能とされており、一対の戻りばね(ソ)が押し板(ス)の上部と容器(サ)の後側下部との間に連結されて、押し板(ス)を、容器(サ)の側壁から突出して設けられたストッパー(タ)に当たるまで常時後方に押し戻すように作用し、長い柄(シ)は押し板(ス)に取り外し可能に取り付けられている。
【0021】
まず、パテを容器(サ)に注入し、しかる後、ハンドレバー(ナ)を握りながら長い柄(シ)を手で持って容器(サ)を石膏ボードの継ぎ溝部に押し当てる。次いでハンドレバー(ナ)の握りを解除し、容器(サ)を上下または左右に(壁の場合)あるいは前後、左右に(天井の場合)移動させ、その際、長い柄(シ)で押し板(ス)をばね(ソ)の作用に抗して押し、押し板(ス)を容器(サ)の前壁に向かって揺動させ、それにより、容器内のパテをパテ塗布口(セ)より押し出す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
前記特許文献1のパテ塗布装置は、パテ圧送ポンプ2よりホース6を経由してパテ供給部材11もしくはパテ載置面を有するパテ盆にパテが供給されるので、地上に降りてパテ盆にパテを補充する面倒がなくなり、床でパテ塗布作業を続行することが出来る。
【0023】
しかし、パテ塗り作業でパテ盆に対するパテの供給量の関係は繊細な内容を要求され、そのバランスが保てないとうまく作業ができない。
【0024】
特許文献1のパテ塗布装置ではパテ庄送ポンプ2に設けられたパルプの開度を加減してパテの吐出流量を調整するものとされ、パテを塗布する壁の手前でスイッチ13を操作すると、ホッパ5のパテがパテ圧送ポンプ2の吐出側及び吐出管踏6を経由してパテ吐出口11aに供給されるので、パテ供給部材11を下側に向けてパテへら8の把手部10を握り、壁に当てた先端部9aよりも把手部10を低く傾斜させた状態でパテへら8を下方に移動すると、パテ吐出口11aから供給されたパテが壁に付着された後に先端部9aで平らにならされるとある。
【0025】
すなわち、特許文献1のパテ塗布装置ではパテ吐出口11aに供給されるが、パテはまず壁に付着され、その後、先端部9aで平らにならされるものであり、パテ吐出と同時にコテ塗り作業というにはほど遠いものである。
【0026】
パテ庄送ポンプ2に設けられたパルプの開度加減でのみパテの吐出流量を調整するのでは、パテの供給量をパテ塗布作業に適当な量に調整するのは困難であり、連続してパテ塗布作業を行うことが出来ない。
【0027】
一方、特許文献2のパテ塗布機では長い柄(シ)を手で持って容器(サ)を石膏ボードの継ぎ溝部に押し当てることができるので、足場の上に載らなくても作業ができるが、容器内にパテを収容する作業を頻繁に行わなければならない。
【0028】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、足場の上に載らなくても作業ができ、しかも、パテ供給部にパテ圧送ポンプよりホースを経由してパテの供給を連続的に行い、かつこのパテ供給部をパテ塗りのパテへらとして使用する場合にパテ供給部からパテを作業に適したスムーズな吐出ができるので、作業の安全性と効率性の両方を高めることができるパテ塗布装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、パテ圧送ポンプの吐出側のホース端をパテ供給部に接続するパテ塗布装置であり、該パテ供給部はパテタンクとなる略逆三角形の末広がりの扁平箱体に形成し、その下面をパテ塗り面とし、扁平箱体の略逆三角形の底辺部である末広がりの先端にパテの塗り出しスリットを形成したことを要旨とするものである。
【0030】
請求項1記載の本発明によれば、パテはパテ圧送ポンプによりホースを介してパテ供給部に送られ、ここからパテ塗り面に排出されるが、パテ供給部は略逆三角形の末広がりの形状でパテ塗りのへらとして扱い易い形状であり、下面をパテ塗り面として形成されているので、これをパテ塗りのパテへらとして使用することができる。
【0031】
また、パテ供給部はパテタンクとなる扁平ボックスであるので、内部にパテを一端貯めてから、パテの塗り出しスリットから徐々に排出することができる。しかも、略逆三角形の末広がりの形状からして先端のパテの塗り出しスリットに送り易いように内部で貯められるパテが広がるものである。
【0032】
このようにして内部にパテを一端貯めてから吐出するので、直接へら上にホースからパテを吐出する場合にくらべて、楽に塗り作業を行うことができ、パテへらにパテの補充作業を行う必要がない連続作業が可能である。足場(作業台)に載らず、地上・床でいずれでも作業が出来る。
【0033】
請求項2記載の本発明は、パテ供給部の下面であるパテ塗り面で、扁平箱体の略逆三角形の頂点近くにローラーを取り付けたことを要旨とするものである。
【0034】
請求項2記載の本発明によれば、パテ供給部の下面であるパテ塗り面で、扁平箱体の略逆三角形の頂点近くにローラーを取り付けることで、ローラーの滑走でパテ塗り箇所を楽になぞることができ、特にパテ供給部が操作棒の先に設けるものであっても、操作棒を持ってローラーの滑走でパテ供給部を滑らせ、パテ塗り箇所を楽になぞることができる。
【0035】
そしてパテ供給部は下面をパテ塗り面として形成されているので、これをパテ塗りのパテへらとして使用することができ、長い柄の先のパテへらとして作業台に上がらずとも高い箇所から低い箇所まで安全にパテ塗り作業を行うことができる。
【0036】
請求項3記載の本発明は、パテの塗り出しスリットは該スリットを形成する略逆三角形の底辺部の壁面の下辺が円弧にえぐれ、該壁面と下面端とで形成するスリットの中央が拡径開口となることを要旨とするものである。
【0037】
請求項3記載の本発明によれば、スリット中央を拡径開口とすることで、パテ供給部を動かして帯状にパテを塗る場合に、この拡径開口からは多少多くのパテが吐出され、テープ等が貼ってある箇所でもその上にパテを綺麗に塗ることができる。
【0038】
請求項4記載の本発明によれば、略逆三角形のパテ供給部は上面に操作棒の結着部を形成し、このパテ供給部を操作棒の先に固定かつ角度可変に設けることを要旨とするものである。
【0039】
請求項5記載の本発明は、略逆三角形の末広がりの扁平箱体は内部を仕切って左右に隙間部を形成し、その隙間部間のパテ充填部は縮径した略逆三角形とし、パテの塗り出しスリットはこの縮径した略逆三角形の底辺部とすることを要旨とするものである。
【0040】
請求項5記載の本発明によれば、略逆三角形のパテ供給部は内部左右に隙間部を形成することで、全部にパテを充填する場合と比べて軽量なものとなり、また、パテの塗り出しスリットはこの隙間部を除いた長さのものであり、へらとしてパテ供給部を使用する場合に好適な幅でスリットからパテを吐出することができ、それを塗り込むことができる。
【0041】
請求項6記載の本発明は、略逆三角形のパテ供給部は上面中央に清掃用穴を形成し、この清掃用穴に蓋をしたことを要旨とするものである。
【0042】
請求項6記載の本発明によれば、パテ供給部内を清掃するのに蓋を外して、上面中央の清掃用穴から清掃でき、また、この清掃用穴は上面中央に形成することで大きなものとすることができる。
【0043】
請求項7記載の本発明は、操作棒の結着部は蓋に設けることを要旨とするものである。
【0044】
請求項7記載の本発明によれば、操作棒を略逆三角形のパテ供給部に取付けるのに上面中央に結合することができ操作棒を使用してのコテ塗りをうまく行うことができ、また、清掃用穴に蓋をすることを操作棒の取付けが邪魔をすることもない。
【0045】
請求項8記載の本発明によれば、略逆三角形のパテ供給部は上面で、蓋の外れに三角矢印のパテ吐出口マークをその先端をパテの塗り出しスリット中央に向けて設けることを要旨とするものである。
【0046】
請求項8記載の本発明によれば、三角矢印のパテ吐出口マークによりパテ塗りを正確に行うことができる。
【発明の効果】
【0047】
以上述べたように本発明のパテ塗布装置は、足場の上に載らなくても作業ができ、しかも、パテ供給部にパテ圧送ポンプよりホースを経由してパテの供給を連続的に行い、かつこのパテ供給部をパテ塗りのパテへらとして使用する場合にパテ供給部からパテを作業に適したスムーズな吐出ができるので、作業の安全性と効率性の両方を高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明のパテ塗布装置の1実施形態を示す側面図である。
図2】本発明のパテ塗布装置の1実施形態を示す正面図である。
図3】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部の底面図である。
図4】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部の平面図である。
図5】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部の正面図である。
図6】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部の背面図である。
図7】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部の側面図である。
図8】本発明のパテ塗布装置に使用する操作棒の説明図である。
図9】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部の横断平面図である。
図10】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部の縦断正面図である。
図11】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部のパテの塗り出しスリットの正面図である。
図12】本発明のパテ塗布装置の使用状態を示す説明図である。
図13】本発明のパテ塗布装置のパテ圧送ポンプの説明図である。
図14】本発明のパテ塗布装置の使用状態を示す模式図である。
図15】従来例を示す正面図である。
図16】従来例のパテへらの裏面図である。
図17】従来例のパテ盆の斜視図である。
図18】他の従来例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明のパテ塗布装置の1実施形態を示す側面図、図2は同上正面図で、図中16はパテ圧送ポンプ14の吐出側のホース15端に接続する(図14参照)パテ供給部である。
【0050】
パテ圧送ポンプ14は、図13に示すようなスクリュー37によるスネーク方式のもので、材料投入用のホッパ36を備える。図中38はローター、39はステーターである。
【0051】
ホース15は耐圧性および柔軟性を有するもので、一端はパテ圧送ポンプ14の吐出側に接続し、他端はパテ供給部16に継手により接続する。なお継手にはユニバーサルジョイント(自在継手)を用いてもよい。
【0052】
本発明の特徴はパテ供給部16をホース15から吐出されるパテを充填・貯留するパテタンクとなる密閉容器として形成したことと、このパテ供給部16をパテヘラとして使えるような形状としたことである。
【0053】
パテ供給部16は金属製もしくは合成樹脂製の箱体であり、金属としては錆に強いステンレスかアルミニウム合金が好適である。
【0054】
パテ供給部16は略逆三角形の末広がりの扁平箱体として形成し、その下面をパテ塗り面17とし、扁平箱体の略逆三角形の底辺部である末広がりの先端にパテの塗り出しスリット18を形成した。パテ塗り面17の先端付近は壁当あたり面である。図9図10に一例としての寸法(mm)を示す。
【0055】
略逆三角形の頂点部分にねじ込み式ニップル19をホース15への接続金具として設ける。
【0056】
前記パテ供給部16の下面であるパテ塗り面17で、扁平箱体の略逆三角形の頂点近く、前記ねじ込み式ニップル19の近くにボールベアリングを内蔵する横向回転子のローラー20を取り付けた。
【0057】
前記パテの塗り出しスリット18は図11に示すように、略逆三角形の底辺部の上下方向の壁面21とパテ塗り面17を形成する面板との隙間として形成されるが、該スリット18を形成する略逆三角形の底辺部の壁面21の下辺が円弧にえぐれ、該壁面21とパテ塗り面17とで形成するスリット18の中央が拡径開口18aとなる。
【0058】
前記パテ供給部16を構成する略逆三角形の末広がりの扁平箱体は内部を仕切って左右に隙間部28を形成し、その隙間部28間のパテ充填部29はパテ供給部16の全体の略逆三角形よりも縮径した略逆三角形とし、パテの塗り出しスリット18はその長さをこの縮径した略逆三角形の底辺部と一致させた。
【0059】
一方、略逆三角形のパテ供給部16の上面には中央に大きく開口するように台形状とした清掃用穴22を形成し、この清掃用穴22にほぼ同じ形状の蓋23をその周辺を蝶ねじ24で止めるようにして施蓋した。
【0060】
また、蓋23の面上には間隔を存して平行する突出片による操作棒26の結着部25を形成し、図8に示す金属パイプによる操作棒26の先端に埋め込む軸着金物27をこの結着部25にピン止めすることで、パテ供給部16を操作棒26の先に固定かつ角度可変に設けることができるようにする。このピン止めには蝶ねじを利用できる。
【0061】
略逆三角形のパテ供給部16はその上面で、蓋23の外れに三角矢印のパテ吐出口マーク31をその先端をパテの塗り出しスリット18の中央に向けて設た。
【0062】
次に使用法について説明すると、パテ供給部16はこれを手で持ってパテへらのように用いる場合と、パテ供給部16に操作棒26を取り付けて用いる場合の両方が選択可能である。
【0063】
特に後者の場合でも、操作棒26はその先端でパテ供給部16を上から全体的に押さえるようにすることができ、パテへらとしての使い勝手を阻害するものではない。
【0064】
地上に置かれたパテ圧送ポンプ14よりホース15を経由してパテ供給部16にパテが供給される。パテ圧送ポンプ14にはホッパ36にパテ33が供給される。
【0065】
作業者は足場(作業台)の上に載らずに、パテ供給部16を壁面34のボード35の継ぎ目などに当てて下方に移動すると、パテの塗り出しスリット18から供給されたパテが壁に付着された後にパテ塗り面17で平らにならされる。
【0066】
このようにパテ供給部16はパテの塗り出しスリット18を除いて密閉容器となる扁平ボックスの箱体であり、内部はホース15から送り込まれるパテの貯留を行うパテタンクとなり、これによりパテは一度パテ供給部16に貯められてからパテの塗り出しスリット18から出ていくので、直接出てしまうようなことはない。
【0067】
パテの供給量は、パテ塗布作業に適当な量に調整されているので、そのまま連続してパテ塗布作業を行うことが出来、パテ塗布作業が効率的化され、塗布作業時間が大幅に短縮される。しかも、ホース15は柔軟性を有するので、長い柄17を持つ手に負担はかからない。
【符号の説明】
【0068】
1…減速器付モータ 2…圧送ポンプ
3…車輪 4…ハンドル
5…ホッパ 6…ホース
7…圧力計 8…パテへら
9…へら本体 9a…先端部
10…把手部 11…パテ供給部材
lla…パテ吐出口 12…電線コード
13…スイッチ 14…パテ圧送ポンプ
15…ホース 16…パテ供給部
17…パテ塗り面 18…スリット
18a…拡径開口 19…ニップル
20…ローラー 21…壁面
22…清掃用穴 23…蓋
24…蝶ねじ 25…結着部
26…操作棒 27…軸着金物
28…隙間部 29…パテ充填部
30…パテ盆 30a…パテ吐出口
31…パテ吐出口マーク 33…パテ
34…壁面 35…ボード
36…ホッパ 37…スクリュー
38…ローター 39…ステーター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2023-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の壁材の接合部に生じた隙間の密封、壁面に生じた段差部の平坦化などのために行うパテ塗布作業を省力化するパテ塗布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建築現場で行うパテ塗布作業は、石膏ボードを内装の下地材として使用するときには、その継ぎ目の処理として行われ、その目的は、
1)継ぎ目の段差や隙間をなくして平滑にすること、
2)継ぎ目を補強し、亀裂の発生を防止すること、
3)継ぎ目の処理によって、遮音性能を確保し、火災時には火炎や煙を遮断することにある。
【0003】
このような目的の実現のために、継目をジョイントセメント、すなわちパテによって処理するドライウォール工法が確立されてきている。
【0004】
そして、従来のパテ塗布作業は、パテを載せたパテ盆を片手に持ち、他方の手に持ったパテへらでパテ盆のパテを少量ずつ取って壁などに塗り付けて、パテへらの先で塗り付けたパテを平坦にならしていた。
【0005】
そして、パテ盆を片手で持つためパテ盆の上に載置するパテの量には重量制限があり、パテ盆の上のパテが尽きる都度、作業者は足場もしくは作業台から降りて地上に置かれているパテを補給していた。
【0006】
従って、パテ塗布作業には、実際にパテを塗布する作業の他に、パテ盆のパテを少量ずつパテへらに載せ換える作業と、パテ盆にパテを補充するために地上に降りる作業が付随していた。
【0007】
下記特許文献は、作業者が付随作業に煩わされることなく効率よくパテ塗布作業に専念できるパテ塗布装置として提案されたものである。
【特許文献1】特開平4-197467号公報
【0008】
特許文献1のパテ塗布装置は、図15図17に示すように、パテ塗布用のパテへら8の一方の面にパテ吐出口llaを有するパテ供給部材11を設け、パテ圧送ポンプ2の吸入側の管路をパテ貯留容器に接続し、パテ圧送ポンプ2の吐出側に耐圧性及び柔軟性を有するホース6を設け、該ホース6の先端を前記パテ吐出口に接続した。
【0009】
或いは、パテ載置面を有するパテ盆30にパテ吐出口30aを設けた。
【0010】
減速器付モータ1の出力軸に連結されたモノポンプ型式のパテ圧送ポンプ2の下部には車輪3が設けられ、パテ圧送ポンプ2の上部に設けられたハンドル4を牽引して建設現場の地上を移動することが出来る。
【0011】
パテ圧送ポンプ2の上部には、パテ貯留容器であるホッパ5が設けられ、ホッパ5の下端部はパテ圧送ポンプ2の吸入側の管路(図示しない)に連通し、パテ圧送ポンプ2の吐出側に、耐圧性及び柔軟性を有する細長いホース6の一端が接続する。図中7はパテ圧送ポンプ2の吐出側に設けられた圧力計である。
【0012】
パテ塗布用のパテへら8は、金属製で板形状のへら本体9の先端部9aは直線状に形成され後端部は合成樹脂製の把手部10に嵌着される。
【0013】
パテへら8には、電線コード12により減速器付モータ1に接続し、減速器付モータ1を始動或いは停止するスイッチ13が設けられる。
【0014】
使用に際しては、建築現場のパテ塗布作業に近い地上にパテ圧送ポンプ2を置き、ホッパ5にパテを補充する。パテ圧送ポンプ2に設けられたバルブの開度を加減してパテの吐出流量を調整する。
【0015】
作業者は床に載り、パテを塗布する壁の手前でスイッチ13を操作すると、ホッパ5のパテがパテ圧送ポンプ2の吐出側及びホース6を経由してパテ吐出口11aに供給されるので、パテ供給部材11を下側に向けてパテへら8の把手部l0を握り、壁に当てた先端部9aよりも把手部10を低く傾斜させた状態でパテへら8を下方に移動すると、パテ吐出口11aから供給されたパテが壁に付着された後に先端部9aで平らにならされる。
【0016】
地上に置かれたパテ圧送ポンプ2よりホース6を経由してパテ供給部材11にパテが供給され、作業者は、パテ供給部材を下に向けてパテへらを握り、パテへらの先端を壁などに当てて下方に移動すると、パテ供給部材のパテ吐出口から吐出したパテが壁に付着した直後にパテへらの先端により平らにならされる。
【0017】
パテ載置面を有するパテ盆にパテ吐出口を設けた場合には、パテ盆の上に連続的にパテが供給されるので、地上に降りてパテ盆にパテを補充する面倒がなくなり、床でパテ塗布作業を続行することが出来る。
【0018】
一方、下記特許文献にもあるが、図18に示すようなフラットフィニッシャーと称するパテ塗布機も存在する。
【特許文献2】特開平7-323251号公報
【0019】
容器(サ)内にパテを収容し、長い柄(シ)の先に接続した押し板(ス)によって、パテをパテ塗布口(セ)から押出し、目地部にパテを塗布することができるようにしている。
【0020】
この塗布機では、押し板(ス)は、略V字型の容器(サ)の後部を支点として前後に揺動可能とされており、一対の戻りばね(ソ)が押し板(ス)の上部と容器(サ)の後側下部との間に連結されて、押し板(ス)を、容器(サ)の側壁から突出して設けられたストッパー(タ)に当たるまで常時後方に押し戻すように作用し、長い柄(シ)は押し板(ス)に取り外し可能に取り付けられている。
【0021】
まず、パテを容器(サ)に注入し、しかる後、ハンドレバー(ナ)を握りながら長い柄(シ)を手で持って容器(サ)を石膏ボードの継ぎ溝部に押し当てる。次いでハンドレバー(ナ)の握りを解除し、容器(サ)を上下または左右に(壁の場合)あるいは前後、左右に(天井の場合)移動させ、その際、長い柄(シ)で押し板(ス)をばね(ソ)の作用に抗して押し、押し板(ス)を容器(サ)の前壁に向かって揺動させ、それにより、容器内のパテをパテ塗布口(セ)より押し出す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
前記特許文献1のパテ塗布装置は、パテ圧送ポンプ2よりホース6を経由してパテ供給部材11もしくはパテ載置面を有するパテ盆にパテが供給されるので、地上に降りてパテ盆にパテを補充する面倒がなくなり、床でパテ塗布作業を続行することが出来る。
【0023】
しかし、パテ塗り作業でパテ盆に対するパテの供給量の関係は繊細な内容を要求され、そのバランスが保てないとうまく作業ができない。
【0024】
特許文献1のパテ塗布装置ではパテ庄送ポンプ2に設けられたパルプの開度を加減してパテの吐出流量を調整するものとされ、パテを塗布する壁の手前でスイッチ13を操作すると、ホッパ5のパテがパテ圧送ポンプ2の吐出側及び吐出管踏6を経由してパテ吐出口11aに供給されるので、パテ供給部材11を下側に向けてパテへら8の把手部10を握り、壁に当てた先端部9aよりも把手部10を低く傾斜させた状態でパテへら8を下方に移動すると、パテ吐出口11aから供給されたパテが壁に付着された後に先端部9aで平らにならされるとある。
【0025】
すなわち、特許文献1のパテ塗布装置ではパテ吐出口11aに供給されるが、パテはまず壁に付着され、その後、先端部9aで平らにならされるものであり、パテ吐出と同時にコテ塗り作業というにはほど遠いものである。
【0026】
パテ庄送ポンプ2に設けられたパルプの開度加減でのみパテの吐出流量を調整するのでは、パテの供給量をパテ塗布作業に適当な量に調整するのは困難であり、連続してパテ塗布作業を行うことが出来ない。
【0027】
一方、特許文献2のパテ塗布機では長い柄(シ)を手で持って容器(サ)を石膏ボードの継ぎ溝部に押し当てることができるので、足場の上に載らなくても作業ができるが、容器内にパテを収容する作業を頻繁に行わなければならない。
【0028】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、足場の上に載らなくても作業ができ、しかも、パテ供給部にパテ圧送ポンプよりホースを経由してパテの供給を連続的に行い、かつこのパテ供給部をパテ塗りのパテへらとして使用する場合にパテ供給部からパテを作業に適したスムーズな吐出ができるので、作業の安全性と効率性の両方を高めることができるパテ塗布装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、パテ圧送ポンプの吐出側のホース端をパテ供給部に接続するパテ塗布装置であり、該パテ供給部はパテタンクとなる略逆三角形の末広がりの扁平箱体に形成し、その下面をパテ塗り面とし、扁平箱体の略逆三角形の底辺部である末広がりの先端にパテの塗り出しスリットを該スリットを形成する略逆三角形の底辺部の壁面の下辺が円弧にえぐれ、該壁面と下面端とで形成するスリットの中央が拡径開口となるように形成したことを要旨とするものである。
【0030】
請求項1記載の本発明によれば、パテはパテ圧送ポンプによりホースを介してパテ供給部に送られ、ここからパテ塗り面に排出されるが、パテ供給部は略逆三角形の末広がりの形状でパテ塗りのへらとして扱い易い形状であり、下面をパテ塗り面として形成されているので、これをパテ塗りのパテへらとして使用することができる。
【0031】
また、パテ供給部はパテタンクとなる扁平ボックスであるので、内部にパテを一端貯めてから、パテの塗り出しスリットから徐々に排出することができる。しかも、略逆三角形の末広がりの形状からして先端のパテの塗り出しスリットに送り易いように内部で貯められるパテが広がるものである。
【0032】
このようにして内部にパテを一端貯めてから吐出するので、直接へら上にホースからパテを吐出する場合にくらべて、楽に塗り作業を行うことができ、パテへらにパテの補充作業を行う必要がない連続作業が可能である。足場(作業台)に載らず、地上・床でいずれでも作業が出来る。
【0033】
さらに、スリット中央を拡径開口とすることで、パテ供給部を動かして帯状にパテを塗る場合に、この拡径開口からは多少多くのパテが吐出され、テープ等が貼ってある箇所でもその上にパテを綺麗に塗ることができる。
【0034】
請求項2記載の本発明は、パテ供給部の下面であるパテ塗り面で、扁平箱体の略逆三角形の頂点近くにローラーを取り付けたことを要旨とするものである。
【0035】
請求項2記載の本発明によれば、パテ供給部の下面であるパテ塗り面で、扁平箱体の略逆三角形の頂点近くにローラーを取り付けることで、ローラーの滑走でパテ塗り箇所を楽になぞることができ、特にパテ供給部が操作棒の先に設けるものであっても、操作棒を持ってローラーの滑走でパテ供給部を滑らせ、パテ塗り箇所を楽になぞることができる。
【0036】
そしてパテ供給部は下面をパテ塗り面として形成されているので、これをパテ塗りのパテへらとして使用することができ、長い柄の先のパテへらとして作業台に上がらずとも高い箇所から低い箇所まで安全にパテ塗り作業を行うことができる。
【0037】
請求項3記載の本発明は、略逆三角形のパテ供給部は上面に操作棒の結着部を形成し、このパテ供給部を操作棒の先に固定かつ角度可変に設けることを要旨とするものである。
【0038】
請求項4記載の本発明は、略逆三角形の末広がりの扁平箱体は内部を仕切って左右に隙間部を形成し、その隙間部間のパテ充填部は縮径した略逆三角形とし、パテの塗り出しスリットはこの縮径した略逆三角形の底辺部とすることを要旨とするものである。
【0039】
請求項4記載の本発明によれば、略逆三角形のパテ供給部は内部左右に隙間部を形成することで、全部にパテを充填する場合と比べて軽量なものとなり、また、パテの塗り出しスリットはこの隙間部を除いた長さのものであり、へらとしてパテ供給部を使用する場合に好適な幅でスリットからパテを吐出することができ、それを塗り込むことができる。
【0040】
請求項5記載の本発明は、略逆三角形のパテ供給部は上面中央に清掃用穴を形成し、この清掃用穴に蓋をしたことを要旨とするものである。
【0041】
請求項5記載の本発明によれば、パテ供給部内を清掃するのに蓋を外して、上面中央の清掃用穴から清掃でき、また、この清掃用穴は上面中央に形成することで大きなものとすることができる。
【0042】
請求項6記載の本発明は、操作棒の結着部は蓋に設けることを要旨とするものである。
【0043】
請求項6記載の本発明によれば、操作棒を略逆三角形のパテ供給部に取付けるのに上面中央に結合することができ操作棒を使用してのコテ塗りをうまく行うことができ、また、清掃用穴に蓋をすることを操作棒の取付けが邪魔をすることもない。
【0044】
請求項7記載の本発明は、略逆三角形のパテ供給部は上面で、蓋の外れに三角矢印のパテ吐出口マークをその先端をパテの塗り出しスリット中央に向けて設けることを要旨とするものである。
【0045】
請求項7記載の本発明によれば、三角矢印のパテ吐出口マークによりパテ塗りを正確に行うことができる。
【発明の効果】
【0046】
以上述べたように本発明のパテ塗布装置は、足場の上に載らなくても作業ができ、しかも、パテ供給部にパテ圧送ポンプよりホースを経由してパテの供給を連続的に行い、かつこのパテ供給部をパテ塗りのパテへらとして使用する場合にパテ供給部からパテを作業に適したスムーズな吐出ができるので、作業の安全性と効率性の両方を高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明のパテ塗布装置の1実施形態を示す側面図である。
図2】本発明のパテ塗布装置の1実施形態を示す正面図である。
図3】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部の底面図である。
図4】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部の平面図である。
図5】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部の正面図である。
図6】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部の背面図である。
図7】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部の側面図である。
図8】本発明のパテ塗布装置に使用する操作棒の説明図である。
図9】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部の横断平面図である。
図10】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部の縦断正面図である。
図11】本発明のパテ塗布装置のパテ供給部のパテの塗り出しスリットの正面図である。
図12】本発明のパテ塗布装置の使用状態を示す説明図である。
図13】本発明のパテ塗布装置のパテ圧送ポンプの説明図である。
図14】本発明のパテ塗布装置の使用状態を示す模式図である。
図15】従来例を示す正面図である。
図16】従来例のパテへらの裏面図である。
図17】従来例のパテ盆の斜視図である。
図18】他の従来例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明のパテ塗布装置の1実施形態を示す側面図、図2は同上正面図で、図中16はパテ圧送ポンプ14の吐出側のホース15端に接続する(図14参照)パテ供給部である。
【0049】
パテ圧送ポンプ14は、図13に示すようなスクリュー37によるスネーク方式のもので、材料投入用のホッパ36を備える。図中38はローター、39はステーターである。
【0050】
ホース15は耐圧性および柔軟性を有するもので、一端はパテ圧送ポンプ14の吐出側に接続し、他端はパテ供給部16に継手により接続する。なお継手にはユニバーサルジョイント(自在継手)を用いてもよい。
【0051】
本発明の特徴はパテ供給部16をホース15から吐出されるパテを充填・貯留するパテタンクとなる密閉容器として形成したことと、このパテ供給部16をパテヘラとして使えるような形状としたことである。
【0052】
パテ供給部16は金属製もしくは合成樹脂製の箱体であり、金属としては錆に強いステンレスかアルミニウム合金が好適である。
【0053】
パテ供給部16は略逆三角形の末広がりの扁平箱体として形成し、その下面をパテ塗り面17とし、扁平箱体の略逆三角形の底辺部である末広がりの先端にパテの塗り出しスリット18を形成した。パテ塗り面17の先端付近は壁当あたり面である。図9図10に一例としての寸法(mm)を示す。
【0054】
略逆三角形の頂点部分にねじ込み式ニップル19をホース15への接続金具として設ける。
【0055】
前記パテ供給部16の下面であるパテ塗り面17で、扁平箱体の略逆三角形の頂点近く、前記ねじ込み式ニップル19の近くにボールベアリングを内蔵する横向回転子のローラー20を取り付けた。
【0056】
前記パテの塗り出しスリット18は図11に示すように、略逆三角形の底辺部の上下方向の壁面21とパテ塗り面17を形成する面板との隙間として形成されるが、該スリット18を形成する略逆三角形の底辺部の壁面21の下辺が円弧にえぐれ、該壁面21とパテ塗り面17とで形成するスリット18の中央が拡径開口18aとなる。
【0057】
前記パテ供給部16を構成する略逆三角形の末広がりの扁平箱体は内部を仕切って左右に隙間部28を形成し、その隙間部28間のパテ充填部29はパテ供給部16の全体の略逆三角形よりも縮径した略逆三角形とし、パテの塗り出しスリット18はその長さをこの縮径した略逆三角形の底辺部と一致させた。
【0058】
一方、略逆三角形のパテ供給部16の上面には中央に大きく開口するように台形状とした清掃用穴22を形成し、この清掃用穴22にほぼ同じ形状の蓋23をその周辺を蝶ねじ24で止めるようにして施蓋した。
【0059】
また、蓋23の面上には間隔を存して平行する突出片による操作棒26の結着部25を形成し、図8に示す金属パイプによる操作棒26の先端に埋め込む軸着金物27をこの結着部25にピン止めすることで、パテ供給部16を操作棒26の先に固定かつ角度可変に設けることができるようにする。このピン止めには蝶ねじを利用できる。
【0060】
略逆三角形のパテ供給部16はその上面で、蓋23の外れに三角矢印のパテ吐出口マーク31をその先端をパテの塗り出しスリット18の中央に向けて設けた。
【0061】
次に使用法について説明すると、パテ供給部16はこれを手で持ってパテへらのように用いる場合と、パテ供給部16に操作棒26を取り付けて用いる場合の両方が選択可能である。
【0062】
特に後者の場合でも、操作棒26はその先端でパテ供給部16を上から全体的に押さえるようにすることができ、パテへらとしての使い勝手を阻害するものではない。
【0063】
地上に置かれたパテ圧送ポンプ14よりホース15を経由してパテ供給部16にパテが供給される。パテ圧送ポンプ14にはホッパ36にパテ33が供給される。
【0064】
作業者は足場(作業台)の上に載らずに、パテ供給部16を壁面34のボード35の継ぎ目などに当てて下方に移動すると、パテの塗り出しスリット18から供給されたパテが壁に付着された後にパテ塗り面17で平らにならされる。
【0065】
このようにパテ供給部16はパテの塗り出しスリット18を除いて密閉容器となる扁平ボックスの箱体であり、内部はホース15から送り込まれるパテの貯留を行うパテタンクとなり、これによりパテは一度パテ供給部16に貯められてからパテの塗り出しスリット18から出ていくので、直接出てしまうようなことはない。
【0066】
パテの供給量は、パテ塗布作業に適当な量に調整されているので、そのまま連続してパテ塗布作業を行うことが出来、パテ塗布作業が効率的化され、塗布作業時間が大幅に短縮される。しかも、ホース15は柔軟性を有するので、長い柄17を持つ手に負担はかからない。
【符号の説明】
【0067】
1…減速器付モータ 2…圧送ポンプ
3…車輪 4…ハンドル
5…ホッパ 6…ホース
7…圧力計 8…パテへら
9…へら本体 9a…先端部
10…把手部 11…パテ供給部材
lla…パテ吐出口 12…電線コード
13…スイッチ 14…パテ圧送ポンプ
15…ホース 16…パテ供給部
17…パテ塗り面 18…スリット
18a…拡径開口 19…ニップル
20…ローラー 21…壁面
22…清掃用穴 23…蓋
24…蝶ねじ 25…結着部
26…操作棒 27…軸着金物
28…隙間部 29…パテ充填部
30…パテ盆 30a…パテ吐出口
31…パテ吐出口マーク 33…パテ
34…壁面 35…ボード
36…ホッパ 37…スクリュー
38…ローター 39…ステーター
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パテ圧送ポンプの吐出側のホース端をパテ供給部に接続するパテ塗布装置であり、該パテ供給部はパテタンクとなる略逆三角形の末広がりの扁平箱体に形成し、その下面をパテ塗り面とし、扁平箱体の略逆三角形の底辺部である末広がりの先端にパテの塗り出しスリットを該スリットを形成する略逆三角形の底辺部の壁面の下辺が円弧にえぐれ、該壁面と下面端とで形成するスリットの中央が拡径開口となるように形成したことを特徴とするパテ塗布装置。
【請求項2】
パテ供給部の下面であるパテ塗り面で、扁平箱体の略逆三角形の頂点近くにローラーを取り付けた請求項1記載のパテ塗布装置。
【請求項3】
略逆三角形のパテ供給部は上面に操作棒の結着部を形成し、このパテ供給部を操作棒の先に固定かつ角度可変に設ける請求項1ないし請求項2のいずれかに記載のパテ塗布装置。
【請求項4】
略逆三角形の末広がりの扁平箱体は内部を仕切って左右に隙間部を形成し、その隙間部間のパテ充填部は縮径した略逆三角形とし、パテの塗り出しスリットはこの縮径した略逆三角形の底辺部とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のパテ塗布装置。
【請求項5】
略逆三角形のパテ供給部は上面中央に清掃用穴を形成し、この清掃用穴に蓋をした請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のパテ塗布装置。
【請求項6】
操作棒の結着部は蓋に設ける請求項5記載のパテ塗布装置。
【請求項7】
略逆三角形のパテ供給部は上面で、蓋の外れに三角矢印のパテ吐出口マークをその先端をパテの塗り出しスリット中央に向けて設ける請求項6記載のパテ塗布装置。