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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093854
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/26 20060101AFI20230628BHJP
   B65D 43/04 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
B65D1/26
B65D43/04 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208956
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 昌弘
【テーマコード(参考)】
3E033
3E084
【Fターム(参考)】
3E033AA09
3E033BA13
3E033BA16
3E033BA18
3E033BA22
3E033CA20
3E033FA04
3E033GA03
3E084AA05
3E084AA14
3E084AA24
3E084AA26
3E084AB10
3E084BA01
3E084CA03
3E084CC03
3E084CC05
3E084DA03
3E084DB13
3E084DC03
3E084DC05
3E084FA09
3E084FC04
3E084GA08
3E084GB12
3E084KA20
3E084KB10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】蓋体が外れにくいと共に、嵌合が確実になされたか認識しやすい包装用容器を提供する。
【解決手段】蓋体と容器本体200とを備える包装用容器であって、蓋体の蓋体側嵌合部と、容器本体の容器側嵌合部260とが、互いに嵌合するように構成されており、容器本体の容器側嵌合部260は、蓋体の蓋体側嵌合部の一部が上方に抜けないように係止する係止部261を備えており、係止部261は、鉛直方向に対して45度以上の角度であることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋体と容器本体とを備える包装用容器であって、
前記蓋体の蓋体側嵌合部と、前記容器本体の容器側嵌合部とが、互いに嵌合するように構成されており、
前記容器本体の容器側嵌合部は、前記蓋体の蓋体側嵌合部の一部が上方に抜けないように係止する係止部を備えており、
当該係止部は、鉛直方向に対して45度以上の角度であることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
蓋体と容器本体とを備える包装用容器であって、
前記蓋体の蓋体側嵌合部と、前記容器本体の容器側嵌合部とが、互いに嵌合するように構成されており、
前記容器本体の容器側嵌合部は、前記蓋体の蓋体側嵌合部の一部が上方に抜けないように係止する係止部と、前記係止部に連結する連結部とを備えており、
前記係止部の鉛直方向に対する角度は、前記連結部の鉛直方向に対する角度よりも大きいことを特徴とする包装用容器。
【請求項3】
蓋体と容器本体とを備える包装用容器であって、
前記蓋体の蓋体側嵌合部と、前記容器本体の容器側嵌合部とが、互いに嵌合するように構成されており、
前記容器本体の容器側嵌合部は、前記蓋体の蓋体側嵌合部の一部が上方に抜けないように係止する係止部と、前記係止部に連結する連結部とを備えており、
前記係止部の長さは、前記連結部の長さよりも短いことを特徴とする包装用容器。
【請求項4】
前記蓋体の蓋体側嵌合部は、前記容器本体の容器側嵌合部に内嵌合することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、惣菜や薬味等の食品を収容する容器本体と、当該容器本体に嵌合可能な蓋体とからなる包装用容器が、スーパーやコンビニエンスストア等で使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1に示す包装用容器は、蓋体と容器本体とを備えており、容器本体に食品を収容して蓋体を嵌合させている。より具体的には、図9に示すように、従来の包装用容器では、容器本体800側に、蓋体が内嵌合できるように構成された嵌合部900が設けられている。この嵌合部900は、嵌合した蓋体の一部が上方に抜けないように係止する係止部910(いわゆる、アンダーカット部分)と、側壁側から屈曲するように形成されると共に係止部910と連続した連結部920とを備えている。そして、従来からよく知られているように、係止部910(いわゆる、アンダーカット部分)は、容器本体800を製造する金型から離しやすいように、緩やかな角度で傾斜している。
【0004】
ただ、係止部910が緩やかな角度で傾斜しているため、不用意な力が蓋体にかかると、嵌合した蓋体が外れてしまう可能性がある。そのため、蓋体が外れないように嵌合力をより高めることが望まれていた。さらに、嵌合力が弱いと、蓋体を容器本体800に嵌合させた際の感触、例えば、嵌合時の反力や音などが小さくなってしまう。そのため、バックヤードなどで、食品を包装用容器に収容する作業員にとって、嵌合が確実になされたか認識しにくいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-145053
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、蓋体が外れにくいと共に、嵌合が確実になされたか認識しやすい包装用容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る包装用容器は、蓋体と容器本体とを備える包装用容器であって、前記蓋体の蓋体側嵌合部と、前記容器本体の容器側嵌合部とが、互いに嵌合するように構成されており、前記容器本体の容器側嵌合部は、前記蓋体の蓋体側嵌合部の一部が上方に抜けないように係止する係止部を備えており、当該係止部は、鉛直方向に対して45度以上の角度であることを特徴とする。
【0008】
上記特徴によれば、係止部は、従来の嵌合部よりも鋭い鍵爪状のアンダーカットになるので、蓋体との嵌合が外れにくい。また、鋭い鍵爪状のアンダーカット形状の容器側嵌合部は、嵌合時に勢いよく弾かれる様に元の状態に復元するので、「パチン」と高く大きな音を発し、作業員は、蓋体が容器本体に確実に嵌合したことを容易に認識できるのである。
【0009】
さらに、本願発明の請求項2に係る包装用容器は、蓋体と容器本体とを備える包装用容器であって、前記蓋体の蓋体側嵌合部と、前記容器本体の容器側嵌合部とが、互いに嵌合するように構成されており、前記容器本体の容器側嵌合部は、前記蓋体の蓋体側嵌合部の一部が上方に抜けないように係止する係止部と、前記係止部に連結する連結部とを備えており、前記係止部の鉛直方向に対する角度は、前記連結部の鉛直方向に対する角度よりも大きいことを特徴とする。
【0010】
上記特徴によれば、係止部は、従来の嵌合部よりも鋭い鍵爪状のアンダーカットになるので、蓋体との嵌合が外れにくい。また、鋭い鍵爪状のアンダーカット形状の容器側嵌合部は、嵌合時に勢いよく弾かれる様に元の状態に復元するので、「パチン」と高く大きな音を発し、作業員は、蓋体が容器本体に確実に嵌合したことを容易に認識できるのである。
【0011】
さらに、本願発明の請求項3に係る包装用容器は、蓋体と容器本体とを備える包装用容器であって、前記蓋体の蓋体側嵌合部と、前記容器本体の容器側嵌合部とが、互いに嵌合するように構成されており、前記容器本体の容器側嵌合部は、前記蓋体の蓋体側嵌合部の一部が上方に抜けないように係止する係止部と、前記係止部に連結する連結部とを備えており、前記係止部の長さは、前記連結部の長さよりも短いことを特徴とする。
【0012】
上記特徴によれば、係止部は、従来の嵌合部よりも鋭い鍵爪状のアンダーカットになるので、蓋体との嵌合が外れにくい。また、鋭い鍵爪状のアンダーカット形状の容器側嵌合部は、嵌合時に勢いよく弾かれる様に元の状態に復元するので、「パチン」と高く大きな音を発し、作業員は、蓋体が容器本体に確実に嵌合したことを容易に認識できるのである。
【0013】
さらに、本願発明の請求項4に係る包装用容器は、前記蓋体の蓋体側嵌合部は、前記容器本体の容器側嵌合部に内嵌合することを特徴とする。
【0014】
上記特徴によれば、蓋体が外れにくいと共に、嵌合が確実になされたか認識しやすい。
【発明の効果】
【0015】
本願発明の包装用容器は、蓋体が外れにくいと共に、嵌合が確実になされたか認識しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)は、本願発明の実施形態1に係る蓋体の平面図、(b)は蓋体の正面図、(c)はA―A端面図である。
図2】(a)は、本願発明の実施形態1に係る容器本体の平面図、(b)は、容器本体の正面図である。
図3図2に示すB-B端面図である。
図4】容器本体を上下に重ねた状態でのB-B端面図である。
図5】(a)は、本願発明の実施形態1に係る包装用容器の平面図、(b)は、包装用容器の正面図である。
図6】(a)は、図5に示すC―C端面図であって、蓋体が容器本体に嵌合する前の状態の端面図、(b)は、図5に示すC―C端面図であって、蓋体が容器本体に嵌合した状態の端面図である。
図7】本願発明の実施形態2に係る包装用容器を示すものであって、図3と同様に、容器側嵌合部周辺の端面図である。
図8】本願発明の実施形態2に係る包装用容器を示すものであって、図6(b)と同様に、蓋体側嵌合部と容器側嵌合部とが嵌合した状態での端面図である。
図9】従来の包装用容器の容器側嵌合部周辺の端面図である。
【符号の説明】
【0017】
100 蓋体
160 蓋体側嵌合部
200 容器本体
260 容器側嵌合部
261 係止部
300 包装用容器
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本願発明の各実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、容器本体の開口面を上にして水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことである。
【0019】
<実施形態1>
まず、図1には、本願発明の実施形態1に係る蓋体100を示す。なお、図1(a)は蓋体100の平面図、図1(b)は蓋体100の正面図、図1(c)はA―A端面図である。
【0020】
図1に示すように、蓋体100は下方に開口した浅皿型で、四隅にコーナー部110を備えた平面視略四角形状をしており、平坦で水平方向に広がる天面120と、当該天面120から下方へ向けて連続する側壁130と、当該側壁130の先端131から外側へ延出する平坦なフランジ140と、側壁130の先端131とフランジ140の間において、外側へ向けて凸状の蓋体側嵌合部160とを備える。
【0021】
また、蓋体側嵌合部160は、後述する本体側嵌合部の係止部に係止する突出部161と、側壁130の先端131に連結された連結部162を備える。さらに、フランジ140と蓋体側嵌合部160の間には内壁150を備える。そして、側壁130、フランジ140、蓋体側嵌合部160は、蓋体100の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。また、蓋体100は平面視略四角形状となっているが、これに限定されず、平面視略多角形や平面視略円形等、任意の形状とすることができる。
【0022】
次に、図2図3、及び図4には、本願発明の蓋体100によって被蓋される容器本体200を示す。なお、図2(a)は容器本体200の平面図、図2(b)は、容器本体200の正面図、図3は、B-B端面図、図4は、容器本体200を上下に重ねた状態でのB-B端面図である。
【0023】
図2及び図3に示すように、容器本体200は、上方に開口した深皿型形状であり、平面視略四角形状の平坦で水平方向に広がる底面220と、当該底面220から上方へ立ち上がる側壁230と、当該側壁230の先端231から外側へ延出する平坦なフランジ240と、側壁230の先端231とフランジ240の間において、外側へ向けて凹状の容器側嵌合部260とを備える。
【0024】
また、容器側嵌合部260は、蓋体100の突出部161と係合する係止部261と、側壁230の先端231に連結された連結部262を備える。さらに、フランジ240と容器側嵌合部260の間には案内部250を備える。また、容器本体200のコーナー部210では、フランジ240から側方へ延出された摘み部241が設けられている。そして、側壁230、フランジ240、容器側嵌合部260は、容器本体200の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。また、容器本体200は平面視略四角形状となっているが、これに限定されず、平面視略多角形や平面視略円形等、任意の形状とすることができる。
【0025】
また、図3に示すように、容器側嵌合部260の連結部262は、側壁230の平坦な先端231から上方へ屈曲するように形成されており、連結部262は鉛直方向の鉛直軸Pに対して角度αで傾斜している。この角度αは、図3に示すように、鉛直軸Pに沿ったB―B端面において、鉛直軸Pと連結部262とが交差する角度であって、外側へ向けて凹状の容器側嵌合部260の内側(底面220や側壁230に面する側)の角度である。また、連結部262の長さはL2となっている。この連結部262の長さL2とは、連結部262の先端から末端までの全長となる。なお、連結部262は直線状となっているが、これに限定されず、緩やかに湾曲するなど任意の形状であってもよい。
【0026】
また、連結部262に連結された係止部261は、鉛直軸Pに対して角度βで傾斜している。この角度βは、図3に示すように、鉛直軸Pに沿ったB―B端面において、鉛直軸Pと係止部261とが交差する角度であって、容器側嵌合部260の内側(底面220や側壁230に面する側)の角度である。そして、角度βは、45度以上となっている。角度βを45度以上とすることで、後述するように、係止部261を、図9に示す従来の嵌合部900よりも鋭い鍵爪状のアンダーカットとすることができ、嵌合が外れにくくなるのである。なお、容器本体200を製造する金型から離しやすいように、係止部261の角度βは、90度以下にすることが望ましい。
【0027】
また、係止部261の角度βは、連結部262の角度αよりも大きくなっている。そのため、図9に示す従来の嵌合部900よりも鋭い鍵爪状のアンダーカットとすることができ、嵌合が外れにくくなるのである。また、角度αの連結部262は鉛直方向に沿って急角度で傾斜することになるので、蓋体100の蓋体側嵌合部160の嵌合を軽い力で行うことができ、また、容器本体200を製造する金型から離れやすくなる。
【0028】
また、係止部261の長さはL1となっている。この係止部261の長さL1とは、係止部261の先端から末端までの全長のことである。なお、係止部261は直線状となっているが、これに限定されず、緩やかに湾曲するなど任意の形状であってもよい。
【0029】
さらに、係止部261の長さL1は、連結部262の長さL2よりも短くなっている(長さL1<長さL2)。ここで、容器側嵌合部260の鉛直方向の高さが、図9に示す嵌合部900と同じ高さに設定されている場合は、係止部261の長さL1を連結部262の長さL2よりも短くすると、係止部261は、図9に示す従来の嵌合部900よりも鋭い鍵爪状のアンダーカットになるのである。そのため、本願発明の容器本体200では、従来の嵌合部900よりも嵌合が外れにくくなるのである。
【0030】
また、係止部261に連結された案内部250は、鉛直軸Pに対して角度γで傾斜している。この角度γは、図3に示すように、鉛直軸Pに沿ったB―B端面において、鉛直軸Pと案内部250とが交差する角度であって、案内部250の内側(底面220や側壁230に面する側)の角度である。そして、案内部250の角度γは、係止部261の角度βよりも小さくなっている。つまり、係止部261の角度βは、案内部250の角度γよりも大きくなっている。この案内部250は、蓋体100を容器本体200に嵌合させる際に蓋体100の蓋体側嵌合部160が当接する部分となる。そして、角度γの案内部250は鉛直方向に沿って急角度で傾斜することになるので、蓋体100の蓋体側嵌合部160が容器側嵌合部260へ案内されて入りやすく、蓋体側嵌合部160との嵌合を軽い力で行うことができる。
【0031】
また、図4に示すように、容器本体200を段積みして保管しておく際などは、上側の容器本体200の容器側嵌合部260の連結部262が、下側の容器本体200の案内部250に当接して載置されている。そして、案内部250の角度γは、係止部261の角度βよりも小さくしているので、角度γの案内部250は鉛直方向に沿って急角度で傾斜している。そのため、鉛直方向に沿って傾斜した案内部250は、上側に段積みされた容器本体200の連結部262により広い面積で当接することができ、容器本体200の段積みの安定性が増すのである。同様に、連結部262の角度αは、係止部261の角度βよりも小さくしているので、角度αの連結部262は鉛直方向に沿って急角度で傾斜している。そのため、鉛直方向に沿って傾斜した連結部262は、下側に段積みされた容器本体200の案内部250により広い面積で当接することができ、容器本体200の段積みの安定性が増すのである。
【0032】
ところで、図9に示す従来の嵌合部900のように、係止部910を緩やかな角度θで傾斜させる共に(角度β<角度θ)、係止部910の長さを連結部920の長さよりも長くしていると、係止部910に連結している連結部920は水平方向へ向けて緩やかに傾斜した状態となる。そのため、容器本体800の段積みの安定性を確保するためには、連結部920の長さを長くしたり、連結部920に当接する案内部950を、連結部920に対応するように水平方向へ向けて緩やかに傾斜させたり、案内部950の長さを長くする必要がある。すると、容器本体800の嵌合部900周辺の横幅が広くなり、容器本体800全体が大きくなるという問題があった。
【0033】
しかしながら、本願発明の容器本体200では、係止部261の角度βを連結部262の角度αよりも大きく、さらに、係止部261の長さL1を連結部262の長さL2よりも短くした。そのため、容器本体200の段積みの安定性を確保しつつ、容器側嵌合部260周辺の横幅を従来よりも狭くして、コンパクトにできたのである。なお、図3及び図4に示すように、容器本体200の段積みの高い安定性を考慮して、案内部250の角度γと容器側嵌合部260の角度αは同じにしてあるが、これに限定されず、案内部250の角度γと容器側嵌合部260の角度αは異なってもよい。また、案内部250の角度γと容器側嵌合部260の角度αは、容器本体200を製造する金型から離れやすくするために、0度より大きく90度未満とするのが好ましい。
【0034】
なお、蓋体100、及び容器本体200は、厚さが約0.1mmから1.00mm程度のシート状の素材を用いて、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形)されたものであり、例えば、蓋体100や容器本体200の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを二軸延伸させたもの、紙や金属などを用いることができる。また、連結部262、係止部261、及び案内部250は、シート状の素材を用いてシート成形されているため、連結部262、係止部261、及び案内部250は、一枚のシート状の素材を屈曲させるように形成されている。そして、連結部262、係止部261、及び案内部250が、一枚のシート状の素材を屈曲させるように形成されていると、後述するように、容器側嵌合部260は弾性変形しやすく、嵌合時に高く大きな音を発しやすくなる。
【0035】
では次に、本願発明の実施形態1に係る蓋体100を容器本体200へ嵌合させた包装用容器300について、図5及び図6を参照して説明する。なお、図5(a)は、包装用容器300の平面図、図5(b)は、包装用容器300の正面図、図6(a)は、図5に示すC―C端面図であって、蓋体100が容器本体200に嵌合する前の状態の端面図、図6(b)は、図5に示すC―C端面図であって、蓋体100が容器本体200に嵌合した状態の端面図である。
【0036】
図5及び図6に示すように、蓋体100は容器本体200の上から被せられて下方へ押圧されることで、包装用容器300の周方向の全周にわたり、蓋体100の蓋体側嵌合部160が容器本体200の容器側嵌合部260に内嵌合して、包装用容器300は密封されている。そのため、容器本体200に収容された内容物が外に漏れたり、包装用容器300内に外部から異物が混入することを防止できる。また、蓋体100のフランジ140と容器本体200の平坦な縁部251とが密着しているので、外部から包装用容器300内部に異物が混入したり、蓋体側嵌合部160と容器側嵌合部260の間に異物が入って嵌合が不用意に外れることを防止できる。
【0037】
そして、図6(a)に示すように、蓋体100の蓋体側嵌合部160を容器本体200の容器側嵌合部260に嵌合させる際は、蓋体100の蓋体側嵌合部160の連結部162が、容器本体200の案内部250に当接している。そして、蓋体100にかかる下方への押圧力によって、案内部250は外側へ向けて押され、案内部250に連結している容器側嵌合部260は、側壁230の先端231と連結部262との連結箇所付近を起点にして、外側へ弾性変形することになる。そして、蓋体100が更に下方へ押されると、蓋体側嵌合部160の突出部161が、容器側嵌合部260の係止部261を下方へ乗り越え、図6(b)に示すように、蓋体側嵌合部160と容器側嵌合部260とがしっかりと嵌合した状態となる。
【0038】
特に、係止部261が従来よりも鋭い鍵爪状のアンダーカット形状をしているので、蓋体側嵌合部160の突出部161が、容器側嵌合部260の係止部261を下方へ乗り越えた瞬間に、弾性変形していた容器側嵌合部260が元の状態に勢いよく戻るのである。その際に、容器側嵌合部260は勢いよく弾かれる様に元の状態に復元するので、「パチン」と高く大きな音を発するのである。この高く大きな音により、作業員は、蓋体100が容器本体200に確実に嵌合したことを容易に認識できるのである。
【0039】
さらに、この音は、約80dB(デジベル)以上の大きさに達している。そのため、本願発明の包装用容器300の嵌合時に発する音は、従来の一般的な包装用容器の嵌合時の音(約78dB)や、一般的なバックヤードでの騒音(約75dB)よりも大きく、認識しやすいのである。また、本願発明の包装用容器300の嵌合時に発する音は、周波数約4000Hz(ヘルツ)の高さに達しているので、聞き取りやすく認識しやすいのである。
【0040】
さらに、係止部261は、図9に示す従来の嵌合部900よりも鋭い鍵爪状のアンダーカット形状なので、蓋体100が外れそうになっても、蓋体100の突出部161が容器本体200の係止部261にしっかりと係止して外れにくく、嵌合力が強いまま維持できるのである。
【0041】
特に、本願発明の包装用容器300では、蓋体100の蓋体側嵌合部160を容器本体200の容器側嵌合部260から取り外す際に必要な力(嵌合強度)は、1000~1700g(グラム)となっており、従来の一般的な包装用容器の嵌合強度の500gの倍以上を達成している。一方で、図6(a)に示すように、蓋体100の蓋体側嵌合部160を容器本体200の容器側嵌合部260に嵌合させる際は、図9に示す従来の案内部950よりも、鉛直方向に沿って急角度で傾斜する案内部250によって、蓋体側嵌合部160が案内されることになるので、蓋体側嵌合部160が容器側嵌合部260へ入りやすく、蓋体側嵌合部160との嵌合を軽い力で行うことができる。そして、蓋体側嵌合部160を容器側嵌合部260へ嵌合させるのに必要な力(嵌め強度)は、600~800gとなっており、従来の一般的な包装用容器の嵌め強度と同等か、それ以下となっている。なお、本願発明の包装用容器300では、蓋体側嵌合部160の突出部161が容器側嵌合部260の係止部261に係止しているが、これに限定されず、蓋体側嵌合部160の任意の箇所を、容器側嵌合部260の係止部261に係止させてもよい。
【0042】
<実施形態2>
次に、図7には、本願発明の実施形態2に係る包装用容器300Aを示す。なお、実施形態2の包装用容器300Aに係る構成は、実施形態1に係る包装用容器300が内嵌合の構成であるのに対して、包装用容器300Aは外嵌合の構成であることが異なっており、具体的には、実施形態2の蓋体100Aの蓋体側嵌合部160Aと容器本体200Aの容器側嵌合部260Aの構成が異なるだけで、他の構成は実施形態1に係る包装用容器300と基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。なお、図7は、図3と同様に、容器側嵌合部260A周辺の端面図を示しており、図8は、図6(b)と同様に、蓋体側嵌合部160Aと容器側嵌合部260Aとが嵌合した状態での端面図を示している。
【0043】
図7に示すように、本願発明の実施形態2に係る容器本体200Aの容器側嵌合部260Aは、内側へ向けて凹状になっている。そして、連結部262Aが、係止部261Aから下方へ屈曲するように形成されており、連結部262Aは鉛直軸Pに対して角度αで傾斜している。この角度αは、図7に示すように、鉛直軸Pと連結部262Aとが交差する角度であって、容器側嵌合部260Aの外側(側壁230Aの反対側)の角度である。また、連結部262Aの長さはL2Aとなっている。この連結部262Aの長さL2Aとは、連結部262Aの先端から末端までの全長となる。なお、連結部262Aは直線状となっているが、これに限定されず、緩やかに湾曲するなど任意の形状であってもよい。
【0044】
また、連結部262Aに連結された係止部261Aは、鉛直軸Pに対して角度βで傾斜している。この角度βは、図7に示すように、鉛直軸Pと係止部261Aとが交差する角度であって、容器側嵌合部260Aの外側(側壁230Aの反対側)の角度である。そして、角度βは、45度以上となっている。角度βを45度以上とすることで、係止部261Aを、図9に示す従来の嵌合部900よりも鋭い鍵爪状のアンダーカットとすることができ、嵌合が外れにくくなるのである。なお、容器本体200Aを製造する金型から離しやすいように、係止部261Aの角度βは、90度以下にすることが望ましい。
【0045】
また、係止部261Aの角度βは、連結部262Aの角度αよりも大きくなっている。そのため、図9に示す従来の嵌合部900よりも鋭い鍵爪状のアンダーカットとすることができ、嵌合が外れにくくなるのである。また、角度αの連結部262Aは鉛直方向に沿って急角度で傾斜することになるので、蓋体100Aの蓋体側嵌合部160Aとの嵌合を軽い力で行うことができ、また、容器本体200Aを製造する金型から離れやすくなる。
【0046】
また、係止部261Aの長さはL1Aとなっている。この係止部261Aの長さL1Aとは、係止部261Aの先端から末端までの全長のことである。なお、係止部261Aは直線状となっているが、これに限定されず、緩やかに湾曲するなど任意の形状であってもよい。
【0047】
さらに、係止部261Aの長さL1Aは、連結部262Aの長さL2Aよりも短くなっている(長さL1A<長さL2A)。ここで、容器側嵌合部260Aの鉛直方向の高さが、図9に示す嵌合部900と同じ高さに設定されている場合は、係止部261Aの長さL1Aを連結部262Aの長さL2Aよりも短くすると、係止部261Aは、図9に示す従来の嵌合部900よりも鋭い鍵爪状のアンダーカットになるのである。そのため、本願発明の容器本体200Aでは、従来の嵌合部900よりも嵌合が外れにくくなるのである。
【0048】
また、係止部261Aに連結された案内部250Aは、鉛直軸Pに対して角度γで傾斜している。この角度γは、図7に示すように、鉛直軸Pと案内部250Aとが交差する角度であって、案内部250Aの外側(側壁230Aの反対側)の角度である。案内部250Aの角度γは、係止部261Aの角度βよりも小さくなっている。つまり、係止部261Aの角度βは、案内部250Aの角度γよりも大きくなっている。この案内部250Aは、蓋体100Aを容器本体200Aに嵌合させる際に蓋体100Aの蓋体側嵌合部160Aが当接する部分となる。そして、角度γの案内部250Aは鉛直方向に沿って急角度で傾斜することになるので、蓋体100Aの蓋体側嵌合部160Aが容器側嵌合部260Aへ入りやすく、蓋体側嵌合部160Aとの嵌合を軽い力で行うことができる。
【0049】
また、本願発明の容器本体200Aでは、係止部261Aの角度βを連結部262Aの角度αよりも大きく、さらに、係止部261Aの長さL1Aを連結部262Aの長さL2Aよりも短くした。そのため、容器本体200Aの段積みの安定性を確保しつつ、容器側嵌合部260A周辺の横幅を従来よりも狭くして、コンパクトにしているのである。
【0050】
また、図8に示すように、蓋体100Aの蓋体側嵌合部160Aを容器本体200Aの容器側嵌合部260Aに嵌合させる際は、下方へ押される蓋体側嵌合部160Aによって容器側嵌合部260Aは内側に弾性変形しつつ、蓋体側嵌合部160Aの突出部161Aが容器側嵌合部260Aの係止部261Aを下方へ乗り越え、蓋体側嵌合部160Aと容器側嵌合部260Aとがしっかりと嵌合した状態となる。特に、係止部261Aが従来よりも鋭い鍵爪状のアンダーカット形状をしているので、蓋体側嵌合部160Aの突出部161Aが、容器側嵌合部260Aの係止部261Aを下方へ乗り越えた瞬間に、内側に弾性変形していた容器側嵌合部260Aが元の状態に勢いよく戻るのである。その際に、容器側嵌合部260Aは勢いよく弾かれる様に元の状態に復元するので、「パチン」と高く大きな音を発するのである。この高く大きな音により、作業員は、蓋体100Aが容器本体200Aに確実に嵌合したことを容易に認識できるのである。
【0051】
さらに、係止部261Aは、図9に示す従来の嵌合部900よりも鋭い鍵爪状のアンダーカット形状なので、蓋体100Aが外れそうになっても、蓋体100Aの突出部161Aが容器本体200Aの係止部261Aに係止して外れにくく、嵌合力が強いまま維持できるのである。
【0052】
なお、本願発明の包装用容器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9