(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093967
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】丁合装置及び丁合装置管理システム
(51)【国際特許分類】
B65H 39/042 20060101AFI20230628BHJP
【FI】
B65H39/042
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209129
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000109727
【氏名又は名称】株式会社デュプロ
(72)【発明者】
【氏名】高橋 誠
【テーマコード(参考)】
3F050
【Fターム(参考)】
3F050BB02
3F050CB07
3F050LA16
3F050LB01
(57)【要約】
【課題】丁合装置の装置情報についてユーザーと保守管理者との間で連絡を取り合う頻度を削減し、ユーザーと保守管理者との手間や時間の削減を図ることができる丁合装置を提供する。
【解決手段】
複数の給紙装置1等の給送部のそれぞれから給送された用紙等のシート材を重ねて丁合束を作成する丁合動作を行う丁合装置において、インターネット回線200等の通信ネットワークを介して管理サーバ203等の外部情報処理手段と通信し、装置に関する装置情報を送受信可能なタブレット通信部8等の通信手段と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の給送部のそれぞれから給送されたシート材を重ねて丁合束を作成する丁合動作を行う丁合装置において、
通信ネットワークを介して外部情報処理手段と通信し、装置に関する装置情報を送受信可能な通信手段と、を備えることを特徴とする丁合装置。
【請求項2】
請求項1の丁合装置において、
前記装置情報として、前記丁合装置が備える制御部で用いる制御プログラムの少なくとも一部を構成する制御プログラム情報を前記外部情報処理手段から受信し、前記制御プログラムを記憶する記憶部に記憶することが可能であることを特徴とする丁合装置。
【請求項3】
請求項2の丁合装置において、
前記丁合装置の装置本体の動作を制御する本体制御部と、
前記本体制御部で用いる前記制御プログラムである本体制御プログラムを記憶する前記記憶部である本体記憶部と、
操作情報入力部を制御する操作入力制御部と、
前記操作入力制御部で用いる前記制御プログラムである操作入力制御プログラムを記憶する前記記憶部である操作入力記憶部と、を備え、
前記本体制御プログラムの前記制御プログラム情報と、前記操作入力制御プログラムの前記プログラム情報とを、前記外部情報処理手段から共通の前記通信手段を介して受信することを特徴とする丁合装置。
【請求項4】
請求項3の丁合装置において、
前記操作情報入力部と、前記操作入力制御部と前記操作入力記憶部とを有し、前記装置本体から分離可能な操作入力ユニットを備え、
前記通信手段は前記操作入力ユニットに配置されていることを特徴とする丁合装置。
【請求項5】
請求項2の丁合装置において、
前記丁合装置の装置本体の動作を制御する本体制御部と、
前記本体制御部で用いる前記制御プログラムである本体制御プログラムを記憶する前記記憶部である本体記憶部と、
操作情報入力部を有し、前記装置本体から分離可能な操作入力ユニットと、を備え、
前記本体制御プログラムの前記制御プログラム情報を、前記外部情報処理手段から前記操作入力ユニットに配置された前記通信手段を介して受信することを特徴とする丁合装置。
【請求項6】
請求項2乃至5の何れか一項に記載の丁合装置において、
前記丁合装置の装置本体の動作を制御する本体制御部と、
前記本体制御部で用いる前記制御プログラムである本体制御プログラムを記憶する前記記憶部である本体記憶部と、
複数の前記給送部の少なくとも一つに配置され、前記給送部の動作を制御する給送制御部と、
前記給送制御部で用いる前記制御プログラムである給送制御プログラムを記憶する前記記憶部である給送記憶部と、を備え、
前記本体制御プログラムの前記制御プログラム情報と、前記給送制御プログラムの前記プログラム情報とを、前記外部情報処理手段から共通の前記通信手段で受信することを特徴とする丁合装置。
【請求項7】
請求項2乃至6の何れか一項に記載の丁合装置において、
前記記憶部で記憶されている前記制御プログラムの識別情報を記憶する識別情報記憶部を備え、
前記制御部は、前記通信手段を用いた前記外部情報処理手段との通信で取得した前記制御プログラムに関する更新情報と、前記識別情報とを比較し、更新対象となる前記制御プログラムがあると判断した場合は、
前記更新対象の前記制御プログラム情報を要求する更新要求信号を前記外部情報処理手段に送信し、前記制御プログラム情報を受信することを特徴とする丁合装置。
【請求項8】
請求項2乃至6の何れか一項に記載の丁合装置において、
前記記憶部で記憶されている前記制御プログラムの識別情報を記憶する識別情報記憶部を備え、
前記制御部は、前記通信手段を用いた前記外部情報処理手段との通信時に、前記識別情報記憶部に記憶している前記識別情報を前記外部情報処理手段に送信し、
前記外部情報処理手段で、前記制御プログラムに関する更新情報と、受信した前記識別情報と、を比較し、更新対象となる前記制御プログラムがある場合には、送信される前記制御プログラム情報を受信することを特徴とする丁合装置。
【請求項9】
請求項2乃至8の何れか一項に記載の丁合装置において、
前記制御プログラム情報として、前記記憶部に記憶されている前記制御プログラムの更新版である更新制御プログラムを前記外部情報処理手段から受信したした場合、
所定の記憶部に、更新前の前記制御プログラムと、前記更新制御プログラムとの両方を記憶することができ、前記制御部で何れを用いるか選択可能であることを特徴とする丁合装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の丁合装置において、
前記装置情報として、前記丁合装置の丁合動作に関する丁合動作情報を、前記外部情報処理手段に送信可能であることを特徴とする丁合装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の丁合装置において、
前記丁合装置の電源投入時に前記通信手段を用いた前記外部情報処理手段との前記装置情報の送受信を行うことを特徴とする丁合装置。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の丁合装置と、
前記通信ネットワークを介して前記丁合装置と通信し、前記装置情報の送受信が可能な前記外部情報処理手段と、を備えることを特徴とする丁合装置管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、丁合装置及び丁合装置管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の給送装置のそれぞれから給送されたシート材を重ねて丁合束を作成する丁合装置が知られている(特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-048218号公報
【特許文献2】特開2015-193474号公報
【特許文献3】特開2016-026973号公報
【特許文献4】特開2017-178530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
丁合装置では、記憶部に記憶されている制御プログラムに基づいて本体制御部が各種機構を制御し、丁合束を作成する丁合動作を実行している。この制御プログラムは、性能の向上のためバージョンアップ等のプログラムの更新を行うことがある。
従来の丁合装置では、記憶部に記憶されている制御プログラムのバージョン情報の情報を販売会社等の保守管理者が把握しており、更新版の制御プログラムが公開されると、更新対象の制御プログラムが記録された丁合装置を使用しているユーザーに保守管理者のサービスマンが、電話やメール、ファックス等の連絡手段で連絡をとり、訪問日時を設定し、訪問して更新作業を行っていた。
このように、制御プログラムの更新版が公開されると、その情報について、サービスマンとユーザーとが連絡を取り合い、サービスマンがユーザーを訪問する必要があり、ユーザーとサービスマンとが共に手間と時間がかかってしまう。
【0005】
このように、丁合装置に関する情報について、その取扱いに手間と時間がかかるのは制御プログラムの更新時だけではない。例えば、装置にエラーが発生した場合、そのエラー情報をユーザーが連絡手段でサービスマンに連絡し、サービスマンはユーザーを訪問してエラーに対処する必要があり、ユーザーとサービスマンとが共に手間と時間がかかってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の給送装置部のそれぞれから給送されたシート材を重ねて丁合束を作成する丁合動作を行う丁合装置において、通信ネットワークを介して外部情報処理手段と通信し、装置に関する装置情報を送受信可能な通信手段と、を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置情報についてユーザーと保守管理者との間で連絡を取り合う頻度を削減でき、ユーザーと保守管理者との手間や時間の削減を図ることができる、という優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図7】丁合機の制御部を中心とする電気的構成を示すブロック図。
【
図8】丁合機が制御プログラムをダウンロードする制御のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0010】
以下、本発明に係る丁合装置の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る丁合機10の外観を表す斜視図であり、
図2は、丁合機10の内部構造を正面側からみた模式図である。丁合機10は、筐体9の左右に十段ずつの棚が設けられている。左側の棚には第一~第十の給紙トレイ14(14A~14J)と、第一~第十の給紙機構18(18A~18J)とを備える第一~第十の給紙装置1(1A~1J)が設置されている(便宜的に、「1A」~「1I」及び「18A」~「18I」の符号の図示は省略している)。右側の棚には第十一~第二十の給紙トレイ14(14K~14U)と、第十一~第二十の給紙機構18(18K~18U)とを備える第十一~第二十の給紙装置1(1K~1U)が設置されている(便宜的に、「1L」~「1U」及び「18L」~「18U」の符号の図示は省略している)。左側の最下段の第一給紙トレイ14Aの下方には、折用給紙トレイ14Xと折用給紙機構18Xとを備える折用給紙装置1Xが設置されている。給紙装置1(1A~1X)とこれを構成する給紙トレイ14(14A~14X)及び給紙機構18(18A~18X)は、筐体9への取り付け位置や取り付け方向、大きさ、形状が異なるが、同様の構造を有する。以下の説明においてこれらを特に区別しない場合には、それぞれ「給紙装置1」、「給紙トレイ14」及び「給紙機構18」と総称する。
【0011】
給紙トレイ14及び給紙機構18を備える給紙装置1は、筐体9に取り外し可能に装着されている。具体的には、給紙装置1は、ユーザーによって図示しないロック機構が解除されると、筐体9との係合が解除され、筐体9から取り外すことができるよう構成されている。このような係合方法は公知であるため説明は省略する。
筐体9の左側面の正面側には、丁合動作を開始させるスタートキー152や丁合動作を停止させるストップキー154が配置されたサブ操作パネル5が設けられている。
【0012】
筐体9の正面にはメイン操作パネル16を備えるタブレット端末4が、丁合機10の装置本体を構成する筐体9に対して着脱可能に設けられている。メイン操作パネル16はタッチパネル式の液晶ディスプレイを有し、ユーザーが丁合処理のための所定の操作入力を行うことができる。タブレット端末4を筐体9に装着している状態では、USB等の有線接続端子によって有線で接続し、後述する本体制御部50とタブレット制御部6とが有線回線で通信可能となる。一方、タブレット端末4を筐体9から取り外している状態では、Wifi(登録商標)等の無線通信回線によって後述する本体制御部50とタブレット制御部6とが通信可能となる。メイン操作パネル16等の主操作部としては装置本体に着脱可能な構成に限らず、筐体9に固定されたものでも良いし、装置本体に対して装着できず、分離した状態で使用するものでもよい。
【0013】
給紙装置1は、それぞれが備える給紙機構18に対応するように給紙操作パネル20を備える。給紙操作パネル20には、ユーザーが給紙処理のための所定の操作入力を行うための複数の操作ボタンが設けられている。その詳細については後述する。
【0014】
図2に示すように、丁合機10は、サブ搬送機構22及びメイン搬送機構24をさらに備える。サブ搬送機構22は各棚の給紙機構18に対応するように設けられる。給紙機構18は、給紙トレイ14に積載された用紙束の最上位の用紙を一枚ずつサブ搬送機構22の搬送路に送り出す。サブ搬送機構22は、給紙機構18から送り出された用紙をメイン搬送機構24に送り込む。メイン搬送機構24は、筐体9内に上下方向に延在するように設けられる。メイン搬送機構24は、各サブ搬送機構22から送り込まれた用紙を、単独で、または複数枚を重ね合わせて丁合束を作成しながら下方へ搬送する。
【0015】
丁合機10は、折用紙搬送プレート26、折用紙載置プレート28、折用紙ストッパ30、折ナイフ32、及び一対のローラからなる折ローラ対34をさらに有する。折用給紙トレイ14Xには、メイン搬送機構24により搬送される丁合束を内側に挟むように二つ折りされる用紙(以下、「折用紙」という)が積載される。折用給紙機構18Xは、折用給紙トレイ14Xに積載された折用紙束の最上位の折用紙を一枚ずつ折用紙搬送プレート26に送り出す。
【0016】
折用紙搬送プレート26は、折用紙搬送方向下流側(
図2中の右側)の端部がメイン搬送機構24の下端よりわずかに折用紙搬送方向上流側(
図2中の左側)に位置するよう配置される。折用紙載置プレート28は、二枚のプレートが間隔を開けて重ね合わさるように設けられている。折用紙載置プレート28は、折用紙搬送方向上流側(
図2中の左側)の端部が、メイン搬送機構24の下端よりわずかに折用紙搬送方向下流側(
図2中の右側)に位置するよう配置される。折用紙ストッパ30は、折用紙載置プレート28内に導かれた折用紙の先端が当接するように配置される。折用紙ストッパ30は、モータなどのアクチュエータを作動させることにより、折用紙載置プレート28に沿って上流側及び下流側に移動可能に構成されている。
【0017】
丁合機10には、本体制御部50が設けられている。本体制御部50は、各種の演算を実行するCPU、各種の制御プログラムを格納するROM、及びデータ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMを有し、丁合機10の内部に設けられたアクチュエータの作動などを制御する。ユーザーは、メイン操作パネル16または給紙操作パネル20にて各種の設定入力を行うことが可能となっている。本体制御部50は、こうしてユーザーに入力された情報を取得し、取得した情報に応じて丁合機10の作動を制御する。
【0018】
丁合機10は、さらにベルト搬送機構36、排出ローラ対38及びスタッカトレイ40を有する。折用給紙トレイ14Xに積載された折用紙に丁合束を挟むようにして丁合する場合、まず折用給紙トレイ14Xから折用紙載置プレート28に向けて折用紙が搬送され、折用紙ストッパ30に突き当たって停止する。メイン搬送機構24によって下方に搬送されながら形成された丁合束は、折用紙載置プレート28上で停止した折用紙に先端が突き当たる。本体制御部50は、このタイミングで折ナイフ32を回動させて、その先端を折用紙載置プレート28上で停止した折用紙に突き当て、折ローラ対34に向けて押し付ける。こうして丁合束は、折用紙載置プレート28上で停止した折用紙とともに折ローラ対34によって挟持され、折用紙載置プレート28上で停止した折用紙が用紙束を挟むように折りたたまれ、折紙付きの丁合束を形成し、ベルト搬送機構36に搬送される。
【0019】
ベルト搬送機構36は、さらに下流に丁合束を搬送する。排出ローラ対38は、搬送された丁合束をスタッカトレイ40に排出する。スタッカトレイ40は、筐体9に対して着脱可能に取り付けられており、作成された丁合束が積載され蓄積される。なお、上述のように折用紙に丁合束を挟まない場合には、折用給紙トレイ14Xから折用紙は供給されず、メイン搬送機構24によって下方に搬送されながら形成された丁合束は、そのまま折ローラ対34によって挟持されてベルト搬送機構36に搬送される。
【0020】
本体制御部50は、ユーザーがメイン操作パネル16を介して指定した部数(以下、「丁合設定部数」ともいう)にしたがって用紙の丁合処理を実行する。また、本体制御部50は、丁合処理に先立って給紙機構18によるサバキ圧を適正に調整するための初期調整処理を実行させる信号を給紙装置1に送信したり、丁合処理中においてはサバキ圧を適宜再調整する追加調整処理を実行させる信号を給紙装置1に送信したりできる。このサバキ圧を調整するための具体的構成及び処理の詳細については後述する。
【0021】
次に、サバキ圧調整機構を含む給紙機構18を備える給紙装置1の構成及び動作について説明する。
図3~
図6は、給紙装置1とサブ搬送機構22とを示す説明図である。
図3は、
図1及び
図2に示す左側の棚に設置される給紙装置1の背面図であり、
図4は左側の棚に設置される給紙装置1の正面図である。さらに、
図5は当該給紙装置1の平面図であり、
図6は当該給紙装置1の左側面図である。ただし、各図においては説明の便宜上、一部の構造の図示を適宜省略している。例えば、
図5及び
図6では、給紙装置1の一部であって給紙機構18からサブ搬送機構22の位置まで延在するガイド板41の図示を省略している。
【0022】
給紙トレイ14は「載置部」として機能し、ユーザーによりセットされる用紙束が積載される。給紙トレイ14が斜めに傾斜するように設置されるため、給紙トレイ14上の用紙束は、上位の用紙ほど前方(給紙方向下流側)にずれて位置するよう斜めに捌いた状態で積載される。なお、
図3~
図6においては便宜上、用紙束がセットされる前の状態が示されている。
【0023】
給紙トレイ14の給送方向下流側には、ガイド板41及び給紙機構18が設けられている。ガイド板41は、サブ搬送機構22が設けられる横搬送路を構成し、給紙機構18によって送り出される用紙を下方から支持し、メイン搬送機構24に向けてガイドする。ガイド板41は、その両サイドに設けられ、給紙装置1の筐体を構成する一対のフレーム(図示せず)によって支持されている。ガイド板41は、給紙方向下流側(
図4中の右側)の端部であって、幅方向(
図4の手前奥方向、
図4の紙面に直交する方向)においてサブ搬送機構22のローラ部材(68、70)等が位置する部分に切り欠きが設けてある。この切り欠きによって、給紙装置1側のガイド板41と丁合機10の装置本体側のサブ搬送機構22とが互いに干渉することなく給紙装置1を筐体9に装着することができる。
【0024】
給紙機構18は、給紙ローラ42、補助給紙ローラ44、サバキ板46等を含む。給紙ローラ42及び補助給紙ローラ44は、各々の軸がブラケット48により支持されている。給紙ローラ42は、図示しないモータ(後述の給紙モータ77)により回転駆動される駆動ローラであり、用紙束の最上面に圧接して回転し、最上位の用紙を送り出す。補助給紙ローラ44は、給紙ローラ42とタイミングベルト52を介して接続される従動ローラであり、用紙束の最上面に当接して回転する。ブラケット48が給紙ローラ42と同軸状の支点軸(図示せず)に回動可能に支持されているため、補助給紙ローラ44の高さ位置が用紙束の枚数に応じた位置に適宜調整される。
【0025】
サバキ板46は、「サバキ部材」として機能し、用紙束の最上位から二枚目以降の用紙が一枚目と同時に送り出されたときは、一枚ずつに分離するサバキ機構を構成する。サバキ板46は、給紙ローラ42の下方に対向配置される。サバキ板46は、例えばウレタンゴムにて形成された板状の部材である。サバキ板46の下方には、給紙ローラ42に対して接離する方向のサバキ板46の位置を調整することで、サバキ板46と給紙ローラ42との間に生じる圧力をサバキ圧として調整するサバキ圧調整機構54が設けられている。サバキ圧調整機構54は、上述した一対のフレームに固定された収容部材55に収容されている。
【0026】
このような構成により、給紙トレイ14に積載された用紙束の最上位の用紙が補助給紙ローラ44によって給紙ローラ42とサバキ板46との間に送り込まれると、給紙ローラ42がその用紙をさらに下流側に送り出す。この用紙は、給紙ローラ42とサバキ板46との間に適度な圧力にて挟持されつつ送り出される。このとき、給紙ローラ42と用紙との摩擦力とサバキ板46と用紙との摩擦力との差異により、最上位から二枚目以降の用紙の送り出しが防止される。それにより、最上位の一枚の用紙のみが給紙ローラ42とサバキ板46との間を抜けて送り出されるようになる。
【0027】
サバキ板46に対して給紙方向のやや下流側の収容部材55内には、タイミングセンサ56が設けられている。タイミングセンサ56は反射型の光センサであり、サバキ圧の低下によって最上位から二枚目以降の用紙が給紙機構18の下流側近傍に滞留した場合にこれを検知するためのものである。
【0028】
図3及び
図4に示すように、給紙機構18に対して給紙方向下流側に隣接するように重送検知機構60が設けられている。重送検知機構60は、基準ローラ62及び変位ローラ64を有する。変位ローラ64は、「測定ローラ」として機能し、基準ローラ62に対して上方から当接する。基準ローラ62の軸は、その両端が上述した一対のフレームに固定されている。一方、変位ローラ64の軸は、レバー部材65の一端側に固定されている。レバー部材65の他端側がフレームに設けられた図示しない支点軸に回動可能に支持されているため、変位ローラ64は、基準ローラ62に対して相対変位可能となっている。レバー部材65の一端部(上部)には検知面67(上面)が設けられており、フレームにはその検知面67の変位を検出する変位センサ69が設けられている。
【0029】
基準ローラ62の下方には転動ローラ66が設けられている。重送検知機構60の下流側には、サブ搬送機構22を構成する一対の搬送ローラとして、搬送上ローラ68と搬送下ローラ70とが上下に設けられている。搬送上ローラ68と搬送下ローラ70とは互いに当接可能であり、転動ローラ66は搬送下ローラ70及び基準ローラ62のそれぞれに当接する。搬送上ローラ68及び搬送下ローラ70は、図示しないモータ(後述する搬送モータ)により駆動される。搬送下ローラ70の駆動力は、転動ローラ66を介して基準ローラ62に伝達される。
【0030】
このような構成により、用紙が基準ローラ62と変位ローラ64との間を通過すると、その用紙の厚み分だけ変位ローラ64の軸位置が上昇する。変位センサ69は、このときの検知面67の上昇量を検出する。レバー部材65が図示しない引きばねにより付勢されているため、用紙が通過していない間はその引きばねの付勢力により、変位ローラ64が基準ローラ62に圧接している。この変位センサ69の検出情報に基づき、用紙の重送が発生したか否かを判定することができる。
【0031】
図3及び
図4に示すように、サバキ圧調整機構54は、サバキ板46を支持するサバキベース72と、サバキベース72の下方に設けられた傾斜部材74と、傾斜部材74を給紙ローラ42の回転軸に平行な方向に変位させるリンク機構76と、リンク機構76を駆動するアクチュエータとしての調整モータ78とを含む。本実施形態では、調整モータ78としてDCブラシレスモータを採用するが、変形例においてはステッピングモータ等の他のモータであってもよい。サバキベース72は、給紙ローラ42の回転軸に直交する方向に延在する本体を有し、その本体の一端部が回動軸80に回動可能に支持されている。回動軸80は、給紙ローラ42の回転軸と平行に設けられ、収容部材55に固定されている。サバキベース72の本体の他端側の約半分の上面にサバキ板46が嵌着されている。
【0032】
サバキベース72の下面には、球82がその下半部を露出させる態様で埋め込まれて固定されている。そして、球82の下方に傾斜部材74が設けられている。傾斜部材74は、回動軸80と平行な方向に対して傾斜する傾斜面84を有し(
図6参照)、その傾斜面84に沿って球82を滑動させることができる。球82とサバキベース72との位置関係は変化しないため、球82が傾斜面84に沿って上下に移動することで、サバキベース72が回動軸80を中心に回動する。それにより、サバキ板46の高さ位置を変化させることができる。すなわち、サバキベース72、球82及び傾斜部材74が、サバキ板46の高さ位置を変化させる「昇降機構」を構成し、また、サバキ板46による給紙ローラ42に対する押圧力を作用させる「加圧機構」を構成する。また、リンク機構76と傾斜部材74との連結構造が、リンク機構76の変位に応じてリンク機構76とその加圧機構とを作動連携させる「連携機構」を構成する。
【0033】
また、
図4に示すように、搬送下ローラ70と横並びにジャムセンサ58が設けられている。ジャムセンサ58は反射型の光センサであり、給紙処理において紙詰まりが発生した場合にこれを検出するものであるが、サバキ圧の低下を判定する際にタイミングセンサ56とともに用いられる「用紙センサ」としても機能する。
【0034】
図5及び
図6に示すように、収容部材55の一方(背面側)の側部にはモータ収容ハウジング86が設けられ、調整モータ78が収容されている。収容部材55の他方(正面側)の側部には制御部収容ハウジング88が設けられ、給紙操作パネル20の入出力や給紙装置1が備える各種モータを制御する給紙制御部3が収容されている。
【0035】
給紙操作パネル20には、対応する棚の番号等を表示させる表示部162のほか、対応する棚の使用・不使用を切り替えるときに押下される単/停ボタン164、後述するサバキ圧の初期調整処理を実行する際に押下される初期調整ボタン166、連段設定を行う際に押下される連段設定ボタン168が設けられている。さらに、給紙操作パネル20には、対応する給紙機構18での給紙タイミングを早めるタイミング早めボタン170、給紙タイミングを遅らせるタイミング遅めボタン172が設けられている。また、給紙操作パネル20には、紙詰まり等のときに給紙モータを正転させる正転ボタン174、紙詰まり等のときに給紙モータを逆転させる逆転ボタン176、テスト給紙を行うときに押下されるテスト給紙ボタン178等が設けられている。
【0036】
サバキ圧調整機構54の構成及び動作は、引用文献1に記載の構成等、公知のものと同様のものを用いることができるため、詳細な説明は省略する。
【0037】
図3乃至
図6を用いて説明した給紙装置1は、連続丁合処理の前に、用紙の厚さに関するデータである厚さデータを予め取得し、この厚さデータに基づいて調整モータ78の回転量を制御し、連続丁合処理の前にサバキ圧を自動で調整するオートサバキ機能を備えたオートサバキユニットである。このオートサバキユニットでは、連続丁合処理の前の初期調整処理で準備給紙動作を実行する。この準備給紙動作のときの変位センサ69の検出値に基づいて連続丁合処理で給紙する予定の用紙の厚さデータを算出する。そして、その厚さデータに対応した戻し量を算出し、サバキ板46の高さを適正に調整する。給紙制御部3は、変位センサ69により検出される用紙の厚さデータと、調整モータ78の回転量との関係を対応づけたテーブルを保持し、サバキ調整工程においてそれらを参照する。このオートサバキユニットでは、準備給紙動作によって取得した厚さデータは、連続丁合処理における給紙動作での重送検知に用いる。
このように、オートサバキ機能を備えた給紙装置1は、準備給紙動作によってシート準備情報として厚みデータを取得する。
【0038】
給紙装置1としては、上述したオートサバキ機能を備えたものに限らない。例えば、調整モータ78等のサバキ圧を自動で調整するための駆動源を備えず、サバキ圧調整機構を手動で作動させる給紙装置1でもよい。この給紙装置1では、準備給紙動作で取得した厚さデータに基づいて、推奨するサバキ圧となる調整量を算出し、算出した調整量を表示部に表示して、算出した調整量でサバキ圧調整機構を調整するようにユーザーの操作を促すことができる。
【0039】
また、推奨するサバキ圧となる調整量を算出せず、連続丁合処理の前に実行する準備給紙動作で用紙に関する情報を取得する給紙装置1もある。例えば、準備給紙動作で厚さデータ等の重送検知に用いることができる重送検知データを取得し、重送検知データを、連続丁合処理における給紙動作での重送検知にのみ用いる給紙装置1がある。
重送検知データを取得する給紙装置1としては、上述した実施形態の重送検知機構60や引用文献2に記載された構成と同様に、用紙を複数の部材で挟んで用紙の厚さデータを取得し、取得した厚さデータに基づいて、重送か否かを判断する厚さデータの閾値を算出する厚み検出給紙装置を用いることができる。重送検知の構成としては、給送する用紙に光を照射し、用紙の枚数によって光の透過量が異なることを利用して重送を検知する光学式の重送検知や、給送する用紙に超音波を照射し、用紙の枚数によって受信部で受信する超音波の減衰率が異なることを利用して重送を検知する超音波式の重送検知を用いるものでも重送検知を判断する閾値を算出する。
【0040】
図7は、丁合機10の本体制御部50を中心とする電気的構成を示すブロック図である。
図7は、給紙装置1として、オートサバキ給紙装置1αと、厚み検知給紙装置1βとの二種類の給紙装置1を筐体9に装着した状態の丁合機10のブロック図である。
図7では、便宜的に給紙装置1(1α、1β)を二つのみ図示しているが、丁合機10に装着された給紙装置1のすべての給紙制御部3と本体制御部50とが通信可能となる。
【0041】
オートサバキ給紙装置1αの給紙制御部3は、リミットセンサS1、ホームセンサS2、上限センサS3、タイミングセンサ56、ジャムセンサ58及び変位センサ69からの検出信号が入力され、給紙操作パネル20での操作信号が入力される。リミットセンサS1、ホームセンサS2及び上限センサS3は、上述したオートサバキ機能でサバキ圧を自動で調整するときに用いるセンサである。オートサバキ給紙装置1αの給紙制御部3は、これらの検出信号や操作信号、及び、本体制御部50から入力される各種信号に基づいて、給紙制御やサバキ圧調整制御のための所定の演算処理を実行し、給紙モータ77や調整モータ78に制御指令信号を出力して、給紙操作パネル20の表示部162に表示指令信号を出力する。
【0042】
厚み検知給紙装置1βは、用紙を挟んで取得した厚さデータに基づいて重送を検知する機械式重送検知手段を備えた重送検知を行うオプション給紙装置である。厚み検知給紙装置1βは、オートサバキ給紙装置1αに対してサバキ圧を自動で調整する機能がない点で異なり、リミットセンサS1、ホームセンサS2、上限センサS3及び調整モータ78を備えていない。一方、タイミングセンサ56、ジャムセンサ58、変位センサ69、給紙操作パネル20及び給紙モータ77はオートサバキ給紙装置1αと同様のものを備える。そして、厚み検知給紙装置1βの給紙制御部3は、タイミングセンサ56、ジャムセンサ58及び変位センサ69からの検出信号が入力され、給紙操作パネル20での操作信号が入力される。また、厚み検知給紙装置1βの給紙制御部3は、これらの検出信号や操作信号、及び、本体制御部50から入力される各種信号に基づいて、給紙制御のための所定の演算処理を実行し、給紙モータ77に制御指令信号を出力して、給紙操作パネル20の表示部162に表示指令信号を出力する。
【0043】
オートサバキ給紙装置1αと厚み検知給紙装置1βとの給紙制御部3は、給紙記憶部31に記憶された給紙制御プログラムに基づいて、給紙装置1が備える各種センサ、駆動部、表示部を制御するとともに、本体制御部50との通信を行う。また、オートサバキ給紙装置1αと厚み検知給紙装置1βとでは、機能が異なるため、給紙記憶部31に記憶された給紙制御プログラムが異なる。
【0044】
本体制御部50には、サブ操作パネル5からの入力信号や、タブレット制御部6を介したメイン操作パネル16からの入力信号、給紙制御部3を介した給紙操作パネル20からの入力信号が入力され、さらに、スタッカトレイ40への用紙の排出を検出する排紙センサ180等からの検出信号が入力される。本体制御部50は、本体記憶部51に記憶された本体制御プログラムに基づいて、装置本体が備える各種センサ、駆動部、表示部を制御するとともに、給紙制御部3やタブレット制御部6との通信を行う。また、丁合機10の本体は、
図7に示すように、本体補助記憶部59を備え、本体制御部50と通信可能となっている。本体補助記憶部59は、本体記憶部51と比較して容量は大きいが本体制御部50との通信速度は遅い記憶部であり、本体記憶部51がメインメモリに該当する記憶部であるのに対して、本体補助記憶部59はストレージに該当する記憶部である。本体補助記憶部59には、ユーザーが入力した丁合動作の設定等を保存することができる。
【0045】
サブ操作パネル5には、丁合処理を開始させるためのスタートキー152、丁合処理を停止させるためのストップキー154が設けられている。タブレット端末4のメイン操作パネル16を連続丁合処理の前に各種設定を行うことができるタッチパネルである。一方、給紙操作パネル20には、
図6に示した各ボタンに対応する種々のスイッチが含まれる。ただし、厚み検知給紙装置1βの給紙操作パネル20は、
図6の初期調整ボタン166と同様の外観のボタンを備える機能ボタンを備え、他のボタンと同時に押下されることで、所定の機能を果たす。
【0046】
本体制御部50及びそれぞれの給紙制御部3は、各種スイッチやボタン、センサからの入力に基づいて給紙制御、搬送制御、折り制御等のための所定の演算処理を実行し、給紙モータ77、調整モータ78、メインモータ182等に制御指令信号を出力する。メインモータ182は、サブ搬送機構22やメイン搬送機構24を構成する各搬送ローラ等に共用のモータである。また、タブレット制御部6は、丁合処理の設定画面、エラー報知等をメイン操作パネル16の液晶ディスプレイに表示させる。
【0047】
次に、本実施形態の丁合機10の特徴部について説明する。
図7に示すように、タブレット端末4は、タブレット通信部8を備え、タブレット制御部6がインターネット回線200を介して管理サーバ203とデータ通信が可能となっている。タブレット制御部6は、タブレット記憶部47に記憶されたタブレット制御プログラムに基づいて、タブレット本体が備えるメイン操作パネル16の表示を制御するとともに、本体制御部50との通信や、インターネット回線200を介した管理サーバ203との通信を行う。
【0048】
丁合機10側が有する装置情報は、タブレット制御部6からタブレット通信部8に発信され、タブレット通信部8からWi-Fi回線を用いてWi-Fiルーター201に送信され、モデム202に送信される。モデム202はインターネット回線200を介して、管理サーバ203に丁合機10側が有する装置情報を送信し、管理サーバ203は必要に応じて受信した装置情報を記憶する。記憶された装置情報は、保守管理者のサービスマン等が確認できる。
【0049】
タブレット制御部6は、丁合機10の電源投入時やエラー発生時に、丁合機10の稼働情報やエラー情報を外部装置に送信可能となっている。外部装置に送信する稼働情報としては、丁合に使用した給紙装置1の種類、位置、積載したシート材の種類や丁合機10の丁合動作の回数を示す累積カウンタ等が挙げられるが、これに限るものではない。さらに、外部装置より通信ネットワークを通じて、故障の修理方法、制御プログラムのバージョンアップ情報等を取得可能としてもよい。
【0050】
本実施形態の丁合機10は、本体制御プログラムと、タブレット制御プログラムと、給紙制御プログラムといった制御プログラムについての更新プログラムを、インターネット回線200を介して管理サーバ203からダウンロードできる構成となっている。
【0051】
図8は、丁合機10が、制御プログラムのダウンロードを行う際の制御の流れを示すフローチャートである。
図8に示すように、丁合機10の電源がONになると(S1)、丁合機10は各記憶部に記憶している制御プログラムの識別情報を取得する(S2)。制御プログラムの識別情報は、制御プログラムの種類、バージョン及びアップデートの履歴等である。制御プログラムの種類としては、本体制御プログラムと、タブレット制御プログラムと、給紙制御プログラムとは互いに種類が異なる。また、給紙制御プログラム同士であっても、オートサバキ給紙装置1αと厚み検知給紙装置1βとでは給紙装置1の機能が異なるため、制御プログラムの種類が異なる。
【0052】
記憶済みの制御プログラムの識別情報の確認工程(S2)では、本体制御部50は、複数の給紙装置1のそれぞれの給紙制御部3と通信を行い、それぞれの給紙記憶部31に記憶されている給紙制御プログラムの識別情報を取得し、各給紙記憶部31に紐付けられた情報としてタブレット制御部6に送信し、タブレット制御部6は受信した情報をタブレット記憶部47に記憶する。また、本体制御部50は、本体記憶部51に記憶されている本体制御プログラムの識別情報をタブレット制御部6に送信し、タブレット制御部6は受信した情報をタブレット記憶部47に記憶する。また、タブレット制御部6は、タブレット記憶部47に記憶されているタブレット制御プログラムの識別情報を取り出しやすい状態でタブレット記憶部47に記憶させる。
【0053】
図8に示すフローチャートでは、電源投入後に記憶済みの制御プログラムの識別情報を確認しているが、電源投入以前に記憶済みの制御プログラムの識別情報を予めタブレット記憶部47に記憶していてもよい。しかし、電源を切っている間に給紙装置1の一部または全部が入れ替えられている可能性がある。このため、電源投入時にタブレット制御部6がそれぞれの記憶済みの制御プログラムの識別情報を取得し、タブレット記憶部47に記憶することが望ましい。また、各制御プログラムの識別情報を記憶する記憶部としては、タブレット記憶部47に限るものではなく、本体記憶部51であってもよい。
【0054】
各制御プログラムの識別情報をタブレット記憶部47に記憶すると、タブレット制御部6は、タブレット通信部8を制御し、インターネット回線200を介した管理サーバ203との通信を開始する(S3)。次に、タブレット制御部6は、管理サーバ203に保存されている丁合機10で用いられ得る各種制御プログラムの更新情報を取得し(S4)、タブレット記憶部47に記憶した各制御プログラムの識別情報と取得した更新情報とを比較して、丁合機10で使用している制御プログラムに更新対象があるか否かの判断を行う(S5)。更新対象がない場合は(S5で「No」)、メイン操作パネル16に待機画面であるメイン画面を表示する(S11)。メイン画面としては、特許文献4の
図4に示すものを挙げることができるがこれに限るものではない。
【0055】
更新対象がある場合は(S5で「Yes」)、メイン操作パネル16に更新対象のプログラムの種類の表示と、更新プログラムのダウンロードの要否をユーザーに確認する表示を行う。ユーザーがダウンロードを不要とする操作を行った場合(S7で「No」)、メイン操作パネル16に待機画面であるメイン画面を表示する(S11)。
ユーザーがダウンロードを承認する操作を行った場合(S7で「Yes」)、タブレット制御部6は、管理サーバ203に更新プログラムを要求する信号を送信し(S8)、この信号を受信した管理サーバは該当する更新プログラムの送信を開始し、ダウンロードが開始される(S9)。ダウンロードされた更新プログラムは更新された制御プログラムを記憶する記憶部に記憶される。本体制御プログラムであれば本体記憶部51に記憶され、タブレット制御プログラムであればタブレット記憶部47に記憶される。給紙制御プログラムは給紙記憶部31に記憶されるが、複数種類の給紙装置1を備える構成の場合は、更新プログラムに対応した給紙制御プログラムを用いる給紙装置1の給紙記憶部31に記憶される。
【0056】
管理サーバ203から送信された更新プログラムのデータを全て対応する記憶部に記憶すると、ダウンロード完了となり、メイン操作パネル16にダウンロード完了表示を表示する(S10)。その後、ユーザーの確認ボタンの押下または所定時間の経過後、メイン操作パネル16に待機画面であるメイン画面を表示する(S11)。
【0057】
本実施形態の丁合機10は、更新プログラムをダウンロードしたときに、更新前の制御プログラムと更新後の制御プログラムとの二つの制御プログラムを記憶しておき、各制御部(50、6、3)がどちらの制御プログラムを用いるかユーザーが選べる構成となっている。詳しくは、本体制御プログラムと給紙制御プログラムとについては、更新前と更新後との両方の制御プログラムを本体補助記憶部59に記憶しておき、本体制御部50で使用する本体制御プログラムは本体記憶部51にも記憶し、給紙制御部3で使用する給紙制御プログラムは給紙記憶部31にも記憶する。タブレット制御プログラムは、更新前と更新後との両方の制御プログラムをタブレット記憶部47に記憶し、タブレット制御部6は選択された制御プログラムを呼び出して制御に使用する。
【0058】
このように更新前と更新後との両方の制御プログラムを記憶するのは、丁合機10はユーザーによって使い方が異なり、多くのユーザーが使い易くするための更新プログラムが一部のユーザーにとっては使いにくい可能性があるためである。
また、更新プログラムに不具合があり、その不具合が発見され難く場合があり、何等かの条件を満たすことで不具合が発生し、丁合機10が使用できなくなる可能性がある。このような場合、問題無く使用できていた更新前の制御プログラムを使用するように設定を変更することで、丁合機10の使用を再開できる。
なお、更新プログラムをダウンロードしたときに、更新前の制御プログラムを削除して、更新後の制御プログラムのみを各記憶部に記憶させておく構成としてもよい。
【0059】
図8に示すフローチャートでは、ユーザーがダウンロードを承認する操作を行った(S7で「Yes」)後に、更新プログラムのダウンロードを開始している。ダウンロードの開始タイミングは、これに限るものではなく、更新対象があるとタブレット制御部6が判断したタイミングでダウンロードを開始してもよい。そして、このタイミングでダウンロードした更新プログラムをタブレット記憶部47に記憶する構成としてもよい。
【0060】
この構成の場合、更新プログラムをタブレット記憶部47に記憶した後に、メイン操作パネル16に更新対象のプログラムの種類の表示と、各記憶部(51、47、31)に記憶されている制御プログラムの更新プログラムへの書き換えの要否をユーザーに確認する表示を行う。ユーザーが書き換えを不要とする操作を行った場合、メイン操作パネル16に待機画面であるメイン画面を表示する。ユーザーが書き換えを承認する操作を行った場合、タブレット制御部6は、タブレット記憶部47に記憶していた更新プログラムを対応する制御部(50、3)に送信し、各制御部(50、3)は記憶部(51、31)に記憶している制御プログラムを書き換える。タブレット制御プログラムの更新プログラムの場合は、タブレット記憶部47におけるタブレット制御部6で用いる制御プログラムを保存するように割り当てられた領域のタブレット制御プログラムを書き換える。制御プログラムの書き換えが終わると、メイン操作パネル16に書き換え完了表示を表示し、その後、ユーザーの確認ボタンの押下または所定時間の経過後、メイン操作パネル16に待機画面であるメイン画面を表示する。
【0061】
このように、ユーザーの更新の要否に関わらず、更新プログラムをタブレット記憶部47に記憶する構成であれば、ユーザーが更新プログラムへの書き換えを承認した操作をおこなった後に、何等かの理由により、丁合機10と管理サーバ203との通信が切れても、更新プログラムへの書き換えを行うことができる。
また、更新プログラムをタブレット記憶部47に記憶する構成であれば、サービスマンがユーザーを訪問した際に、更新プログラムへの書き換えを行うことが容易となる。従来の丁合装置では、更新プログラムの書き換えを行うときに、サービスマンは外装カバーの一部を取り外して、SDカードの読取部を露出させ、更新プログラムが保存されたSDカードを差し込み、更新を実行する操作を行っていた。これに対して、更新プログラムをタブレット記憶部47に記憶する構成であれば、サービスマンがタブレット端末4を操作するのみで、更新を実行することができる。
【0062】
また、各記憶部に記憶されている制御プログラムを書き換えると、丁合機10の再起動が必要であり、丁合動作ができる状態となるまで時間がかかる。これに対して、更新プログラムがあるときに、更新の要否または書き換えの要否をユーザーに確認する構成であれば、電源投入後、すぐに丁合作業を開始したいユーザーの作業を阻害することを防止できる。
【0063】
図7に丁合機10では、タブレット通信部8がWifi回線を利用した無線通信であるが、有線の通信線を丁合機10に接続して、インターネット回線200に接続できる構成としてもよい。
また、タブレット端末4の通信部を用いる構成に限らず、装置本体の通信部を用いて管理サーバ203と通信できる構成としてもよい。
【0064】
上述した実施形態では、本体制御プログラム、タブレット制御プログラム及び給紙制御プログラムの更新プログラムを、インターネット回線200を介して管理サーバ203からダウンロードできる構成であるが、一部の制御プログラムのみがダウンロード可能な構成としてもよい。
また、丁合機10で使用している制御プログラムの識別情報の保存と、丁合機10で使用している制御プログラムに更新対象があるか否かの判断とを、タブレット端末4で行っているが、装置本体の本体記憶部51や本体制御部50で行う構成としてもよい。
【0065】
また、丁合機10側で更新情報を取得し、更新対象となる制御プログラムの有無を丁合機10側の制御部で判断しているが、識別情報を管理サーバ203に送信し、管理サーバ203で更新対象の有無を判断させ、その判断結果を受信して、更新プログラムのダウンロードを行うか否かの判断を行ってもよい。しかし、上述した実施形態のように、更新対象の有無の判断を丁合機10側で行うことで、管理サーバ203の情報処理の負担を軽減できる。
【0066】
管理サーバ203から制御プログラムに関する情報をダウンロードする構成としては、バージョンアップ等と呼ばれる制御プログラムの全体のデータを含む更新プログラムをダウンロードする構成に限らない。アップデート等と呼ばれる制御プログラムの一部のパターンファイル等を更新する情報をダウンロードする構成でもよい。更新プログラムに関する情報の一例としては、オートサバキ給紙装置1αを複数備える場合に、サバキの自動調整を行う初期調整を一つずつ行っていたものを、一つの操作ボタンの押下により全てのオートサバキ給紙装置1αで初期調整を実行する制御を追加するものを挙げることができる。
【0067】
また、本実施形態の丁合機10は、制御プログラムに関する情報に限らず、丁合機10の過去の稼働情報をインターネット回線200を介して、管理サーバ203に送信できる。送信する稼働情報としては、累計の丁合回数である累計カウンタ、エラーの発生回数、エラーの種類ごとの発生回数、給紙装置1毎の給紙回数等を挙げることができる。また、筐体9の複数の棚のどの棚に、どのような給紙装置1(シリアル番号、種類等)が設置されているかという情報を送信してもよい。さらに、給紙装置1のサバキを交換してからの給紙回数、さらに、複数のサバキを選択可能な給紙装置1であればサバキ毎の給紙回数を管理サーバ203に送信する構成としてもよい。これにより、保守管理者側が、エラー発生時の迅速な対応、エラー発生前の予防対応、消耗品が消耗し切る前の交換対応が可能となる。
【0068】
タブレット端末4を筐体9に装着している状態では、タブレット制御部6と本体制御部50とがUSB端子で接続され、有線回線で通信可能となる。また、装置本体は本体通信部53を備え、タブレット端末4を筐体9から取り外している状態では、本体通信部53とタブレット通信部8とがWifi(登録商標)回線によって通信可能となるが、タブレット通信部8が本体通信部53と接続されている状態では、タブレット通信部8はWifiルーター201との通信はできなくなる。このため、制御プログラムのダウンロードは、タブレット端末4を筐体9に装着した状態で実行する。また、電源投入時に、管理サーバ203との通信を行うため、丁合機10の電源投入時には、タブレット端末4が筐体9に装着されていることが望ましい。電源投入時にタブレット端末4が筐体9に装着されていない場合は、電源投入後、最初にタブレット端末4が筐体9に装着されたときに、インターネット回線200を介した管理サーバ203との通信を開始するようにしてもよい。
【0069】
本実施形態の丁合機10は、複数の給紙装置1を縦方向に複数並べて設けているが、本発明が可能な丁合装置は、複数の給送装置を縦方向に複数並べて設けたものに限らず、複数の給送装置を横方向に複数並べて設けたものでもよい。本実施形態の丁合機10のように、給送装置を縦方向に複数並べることで設置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0070】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
【0071】
〔態様1〕
複数の給紙装置1等の給送部のそれぞれから給送された用紙等のシート材を重ねて丁合束を作成する丁合動作を行う丁合機10等の丁合装置において、インターネット回線200等の通信ネットワークを介して管理サーバ203等の外部情報処理手段と通信し、装置に関する装置情報(更新プログラム等)を送受信可能なタブレット通信部8等の通信手段と、を備えることを特徴とするものである。
これによれば、丁合装置の装置情報についてユーザーと保守管理者との間で連絡を取り合う頻度を削減し、ユーザーと保守管理者との手間や時間の削減を図ることができる。
【0072】
〔態様2〕
態様1に係る丁合装置において、装置情報として、丁合装置が備える本体制御部50、タブレット制御部6及び給紙制御部3等の制御部で用いる制御プログラム(本体制御プログラム、タブレット制御プログラム及び給紙制御プログラム等)の少なくとも一部を構成する制御プログラム情報(更新プログラムに関する情報等)を外部情報処理手段から受信し、制御プログラムを記憶する本体記憶部51、タブレット記憶部47及び給紙記憶部31等の記憶部に記憶することが可能であることを特徴とする。
従来の丁合装置では、制御プログラムの更新を行うときには、サービスマンがユーザー先を訪問し、更新プログラム等の制御プログラム情報を記憶したSDカード等の記憶媒体を本体の読取部に接続して、更新作業を行っていた。このため、制御プログラムの更新等の制御プログラム情報の取得には手間と費用がかかっていた。
これに対して、態様2の丁合装置では、制御プログラム情報を、通信ネットワークを介して外部情報処理手段から取得できるため、サービスマンのユーザー先への訪問の回数を削減でき、手間と費用の削減を図ることができる。
【0073】
〔態様3〕
態様2に係る丁合装置において、丁合装置の装置本体の動作を制御する本体制御部50等の本体制御部と、本体制御部で用いる制御プログラムである本体制御プログラムを記憶する記憶部である本体記憶部51等の本体記憶部と、メイン操作パネル16等の操作情報入力部を制御するタブレット制御部6等の操作入力制御部と、操作入力制御部で用いる制御プログラムであるタブレット制御プログラム等の操作入力制御プログラムを記憶する記憶部であるタブレット記憶部47等の操作入力記憶部と、を備え、本体制御プログラムの制御プログラム情報と、操作入力制御プログラムのプログラム情報とを、外部情報処理手段から共通の通信手段(タブレット通信部8等)を介して受信することを特徴とする。
従来は、さらに、本体制御プログラムの更新は、更新プログラムが記憶されたSDカードを装置本体の挿入部に挿入し、タブレット制御プログラムの更新は更新プログラムが記憶されたSDカードをタブレット端末の挿入部に挿入して更新作業を行っていた。また、種類の異なる制御プロフラムが更新される度に、サービスマンは更新プログラムが記憶された記憶媒体をもってユーザー先に訪問する必要があった。
これに対して、態様3の構成を備える丁合装置では、共通の通信手段を用いて、複数種類の制御プログラムの制御プログラム情報を、通信ネットワークを介して外部情報処理手段から取得できるため、制御プログラム情報を取得するための作業の手間と回数の削減を図ることができる。
上述した実施形態では、管理サーバ203から更新プログラムをダウンロードできる丁合機10について説明したが、このような丁合機10でも、記録媒体に記録された更新プログラムを取り込むことができる構成であることが望ましい。これは、ユーザーによってはインターネット回線200等の外部通信回線に丁合機10を接続することを望まない可能性があるためである。
【0074】
〔態様4〕
態様3に係る丁合装置において、操作情報入力部と、操作入力制御部と操作入力記憶部とを有し、装置本体から分離可能(着脱可能等)なタブレット端末4等の操作入力ユニットを備え、通信手段は前記操作入力ユニットに配置されていることを特徴とする。
これによれば、丁合装置の装置本体に対して分離可能な操作入力ユニットを介して本体制御部と外部情報処理手段との通信が可能となり、装置本体に通信ネットワークとの接続手段を備えない構成であっても、本体制御プログラムの更新プログラム等の本体制御部で使用する制御プログラム情報を取得することができる。
【0075】
〔態様5〕
態様2に係る丁合装置において、丁合装置の装置本体の動作を制御する本体制御部50等の本体制御部と、本体制御部で用いる制御プログラムである本体制御プログラムを記憶する記憶部である本体記憶部51等の本体記憶部と、メイン操作パネル16等の操作情報入力部を有し、装置本体から分離可能(着脱可能等)なタブレット端末4等の操作入力ユニットと、を備え、本体制御プログラムの前記制御プログラム情報を、外部情報処理手段から操作入力ユニットに配置された通信手段を介して受信することを特徴とする。
これによれば、丁合装置の装置本体に対して分離可能な操作入力ユニットを介して本体制御部と外部情報処理手段との通信が可能となり、装置本体に通信ネットワークとの接続手段を備えない構成であっても、本体制御プログラムの更新プログラム等の本体制御部で使用する制御プログラム情報を取得することができる。
【0076】
〔態様6〕
態様2乃至5の何れかの態様に係る丁合装置において、丁合装置の装置本体の動作を制御する本体制御部50等の本体制御部と、本体制御部で用いる前記制御プログラムである本体制御プログラムを記憶する記憶部である本体記憶部51等の本体記憶部と、複数の給送部の少なくとも一つに配置され、給送部の動作を制御する給紙制御部3等の給送制御部と、給送制御部で用いる制御プログラムである給紙制御プログラム等の給送制御プログラムを記憶する記憶部である給紙記憶部31等の給送記憶部と、を備え、本体制御プログラムの制御プログラム情報と、給送制御プログラムのプログラム情報とを、外部情報処理手段から共通の通信手段介して受信することを特徴とする。
これによれば、共通の通信手段を用いて、複数種類の制御プログラムの制御プログラム情報を、通信回線ネットワークを介して外部情報処理手段から取得できるため、制御プログラム情報を取得するための作業の手間と回数の削減を図ることができる。
また、態様4に従属する態様であれば、本体制御プログラム、給送制御プログラム及び操作入力制御プログラムのそれぞれのプログラム情報を、丁合装置の装置本体に対して分離可能な操作入力ユニットを介して、外部情報処理手段から取得することができる。
【0077】
〔態様7〕
態様2乃至6の何れかの態様に係る丁合装置において、記憶部で記憶されている制御プログラムの識別情報(制御プログラムの種類、バージョン、アップデートの履歴等)を記憶するタブレット記憶部47等の識別情報記憶部を備え、タブレット制御部6等の制御部は、通信手段を用いた外部情報処理手段との通信で取得した制御プログラムに関する更新情報と、識別情報とを比較し、更新対象となる制御プログラムがあると判断した場合は、更新対象の制御プログラム情報を要求する更新要求信号を外部情報処理手段に送信し、制御プログラム情報を受信することを特徴とする。
これによれば、更新対象の有無を丁合装置側で判断し、最新の制御プログラム情報を容易に取得することが可能な構成を実現できる。
【0078】
〔態様8〕
態様2乃至6の何れかの態様に係る丁合装置において、記憶部で記憶されている制御プログラムの識別情報(制御プログラムの種類、バージョン、アップデートの履歴等)を記憶するタブレット記憶部47等の識別情報記憶部を備え、タブレット制御部6等の制御部は、通信手段を用いた外部情報処理手段との通信時に、識別情報記憶部に記憶している識別情報を外部情報処理手段に送信し、外部情報処理手段で、制御プログラムに関する更新情報と、受信した識別情報と、を比較し、更新対象となる制御プログラムがある場合には、送信される制御プログラム情報を受信することを特徴とする。
これによれば、更新対象の有無を外部情報処理手段側で判断し、最新の制御プログラム情報を容易に取得することが可能な構成を実現できる。
【0079】
〔態様9〕
態様2乃至8の何れかの態様に係る丁合装置において、制御プログラム情報として、憶部に記憶されている制御プログラムの更新版である更新制御プログラムを外部情報処理手段から受信したした場合、本体補助記憶部59等の所定の記憶部に更新前の制御プログラムと、更新制御プログラムとの両方を記憶することができ、制御部で何れを用いるか選択可能であることを特徴とする。
これによれば、ユーザーの要望があるときに、更新前の制御プログラムを容易に使用することが可能となる。
【0080】
〔態様10〕
態様1乃至9の何れかの態様に係る丁合装置において、装置情報として、丁合装置の丁合動作に関する丁合動作情報(累計カウンタ、エラーの発生回数、エラーの種類ごとの発生回数、給紙装置毎の給紙回数等)を、外部情報処理手段に送信可能であることを特徴とする。
これによれば、外部情報処理手段にアクセス可能な保守管理者が、丁合装置のエラー発生時の迅速な対応、エラー発生前の予防対応、消耗品が消耗し切る前の交換対応が可能となる。
【0081】
〔態様11〕
態様1乃至10の何れかの態様に係る丁合装置において、丁合装置の電源投入時に通信手段を用いた外部情報処理手段との装置情報の送受信を行うことを特徴とする。
丁合装置は電源投入後、どのタイミングでユーザーが電源をOFFにするかわからない。装置情報の送受信中に電源がOFFになると、それまで通信が無駄になったり、不具合の原因となったりする。
これに対して、態様11の構成を備えることにより、ユーザーが電源をOFFにする可能性が低い電源投入後に装置情報の送受信を行うことで、送受信中に電源がOFFになることに起因する不具合の発生を防止できる。
【0082】
〔態様12〕
態様1乃至11の何れかの態様に係る丁合機10等の丁合装置と、インターネット回線200等の通信ネットワークを介して丁合装置と通信し、装置情報(更新プログラム等)の送受信が可能な管理サーバ203等の外部情報処理手段と、を備えることを特徴とする丁合装置管理システムに関する。
これによれば、丁合装置の更新プログラムの取得が容易となるとともに、ユーザーが使用している丁合装置をサービスマンが管理することが容易となる。
【符号の説明】
【0083】
1 :給紙装置
2 :一括調整ボタン
3 :給紙制御部
4 :タブレット端末
5 :サブ操作パネル
6 :タブレット制御部
8 :タブレット通信部
10 :丁合装置
11 :第一リンク
12 :第二リンク
13 :第三リンク
14 :給紙トレイ
16 :メイン操作パネル
18 :給紙機構
20 :サブ操作パネル
22 :サブ搬送機構
24 :メイン搬送機構
30 :折用紙ストッパ
31 :給紙記憶部
40 :スタッカトレイ
42 :給紙ローラ
44 :補助給紙ローラ
46 :サバキ板
50 :制御部
51 :本体記憶部
54 :サバキ圧調整機構
55 :収容部材
56 :タイミングセンサ
58 :ジャムセンサ
59 :本体補助記憶部
60 :重送検知機構
62 :基準ローラ
64 :変位ローラ
66 :転動ローラ
68 :搬送上ローラ
69 :変位センサ
70 :搬送下ローラ
72 :サバキベース
74 :傾斜部材
76 :リンク機構
77 :給紙モータ
78 :調整モータ
80 :回動軸
82 :球
84 :傾斜面
S1 :リミットセンサ
S2 :ホームセンサ
S3 :上限センサ