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特開2023-9401調熱監視装置、調熱監視プログラム、及び、調熱監視方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009401
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】調熱監視装置、調熱監視プログラム、及び、調熱監視方法
(51)【国際特許分類】
   F23N 5/24 20060101AFI20230113BHJP
   F23N 5/20 20060101ALI20230113BHJP
   F23N 5/26 20060101ALI20230113BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
F23N5/24 106
F23N5/20
F23N5/26 101E
G05B23/02 301X
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021112635
(22)【出願日】2021-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】石山 浩
(72)【発明者】
【氏名】茂中 義典
(72)【発明者】
【氏名】石井 重樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 加代
【テーマコード(参考)】
3C223
3K003
3K005
3K068
【Fターム(参考)】
3C223AA17
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB01
3C223EB03
3C223FF04
3C223FF13
3C223FF17
3C223FF24
3C223FF35
3C223FF45
3C223GG01
3C223HH03
3K003SA01
3K003SB01
3K003SB05
3K003SC01
3K003SC04
3K003SC06
3K005GA02
3K005GC07
3K068NA03
(57)【要約】
【課題】時系列データを適切に比較する。
【解決手段】調熱監視装置は、それぞれが燃焼シーケンスの全期間における火炎の活発度の時間変化を示す複数の全期間時系列データを取得する第1取得部と、複数の全期間時系列データそれぞれから、燃焼シーケンスの一部期間における火炎の活発度の時間変化を示す一部時系列データを切り出すことで、複数の一部時系列データを取得する第2取得部と、を備える。そして、調熱監視装置20は、複数の一部時系列データを比較し、比較結果を出力する比較部を備える。一部期間は、プレパージの終了タイミングから30秒間、及び、定常燃焼の終了タイミングの前10秒間及び後5秒間の各期間から構成されている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた調熱プロセスにより行われる調熱の状態量を監視する調熱監視装置であって、
それぞれが前記調熱プロセスの少なくとも一部の全期間における前記調熱の状態量の時間変化を示す複数の全期間時系列データを取得するように構成された第1取得部と、
前記複数の全期間時系列データのそれぞれから、前記全期間のうちの一部期間における前記調熱の状態量の時間変化を示す一部時系列データを取り出すことで複数の一部時系列データを取得するように構成された第2取得部と、
前記複数の一部時系列データを比較し、比較結果を出力するように構成された比較部と、
を備える調熱監視装置。
【請求項2】
前記複数の全期間時系列データは、記憶部に記憶され、
前記一部期間は、前記複数の全期間時系列データが前記記憶部に記憶されたあとにユーザにより設定可能である、
請求項1に記載の調熱監視装置。
【請求項3】
前記第1取得部は、前記調熱の状態量を前記全期間にわたってリアルタイムで順次取得することで前記複数の全期間時系列データのそれぞれを取得するように構成されており、
前記第2取得部は、前記全期間のうちの前記一部期間で前記第1取得部がリアルタイムで順次取得する前記調熱の状態量をリアルタイムで順次取得することにより前記一部時系列データを取り出すように構成されている、
請求項1に記載の調熱監視装置。
【請求項4】
前記一部期間は、時系列的に離散し、前記複数の一部時系列データ間で同じ長さの複数の期間から構成されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の調熱監視装置。
【請求項5】
前記比較部は、前記複数の一部時系列データのうちの基準となる複数の基準一部時系列データと、前記複数の一部時系列データのうちの、前記複数の基準一部時系列データよりも新しい一部時系列データとを比較し、時系列的に互いに対応する各時点における前記複数の基準一部時系列データの各状態量の分布に対する前記新しい一部時系列データの状態量のズレの度合いを示すズレ時系列データを生成する、ように構成されている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の調熱監視装置。
【請求項6】
前記第1取得部は、前記調熱の状態量を前記全期間にわたってリアルタイムで順次取得することで前記複数の全期間時系列データのそれぞれを取得するように構成されており、
前記第2取得部は、前記全期間のうちの前記一部期間で前記第1取得部がリアルタイムで順次取得する前記調熱の状態量をリアルタイムで順次取得することにより前記一部時系列データを取り出すように構成されており、
前記比較部は、前記新たな一部時系列データの各状態量を前記第2取得部が順次取得するたびに前記ズレの度合いを導出し、前記ズレの度合いを導出するたびに導出した前記ズレの度合いを表示部に順次追加表示していくことにより、前記ズレの度合いの時間変化のグラフをリアルタイムで描いていく、ように構成されている、
請求項5に記載の調熱監視装置。
【請求項7】
前記比較部は、前記新しい一部時系列データのグラフと、前記ズレ時系列データのグラフとを互いに対応付けて表示部に表示するように構成されている、
請求項5又は6に記載の調熱監視装置。
【請求項8】
前記比較部は、前記ズレ時系列データに基づいて、前記調熱装置の不調の有無及び不調がある場合のその種類を推定し、推定結果を出力する、ように構成されている、
請求項5から7のいずれか1項に記載の調熱監視装置。
【請求項9】
前記比較部は、前記複数の一部時系列データのうちの基準となる基準一部時系列データに基づくグラフと、前記複数の一部時系列データのうち、前記基準一部時系列データよりも新しい一部時系列データのグラフと、を互いに関連付けた画像を前記比較結果として出力するように構成されている、
請求項1から8のいずれか1項に記載の調熱監視装置。
【請求項10】
前記調熱プロセスは、複数のサブプロセスから構成されており、
前記一部期間は、前記複数のサブプロセスのうちの1のサブプロセスの開始又は終了タイミングを基準とする一以上の期間を含む、
請求項1から9のいずれか1項に記載の調熱監視装置。
【請求項11】
予め定められた調熱プロセスにより行われる調熱の状態量を監視する調熱監視コンピュータを、
それぞれが前記調熱プロセスの少なくとも一部の全期間における前記調熱の状態量の時間変化を示す複数の全期間時系列データを取得する第1取得部、
前記複数の全期間時系列データのそれぞれから、前記全期間のうちの一部期間における前記調熱の状態量の時間変化を示す一部時系列データを取り出すことで複数の一部時系列データを取得する第2取得部、及び、
前記複数の一部時系列データを比較し、比較結果を出力する比較部、
として機能させる調熱監視プログラム。
【請求項12】
予め定められた調熱プロセスにより行われる調熱の状態量を監視する調熱監視方法であって、
それぞれが前記調熱プロセスの少なくとも一部の全期間における前記調熱の状態量の時間変化を示す複数の全期間時系列データを取得する第1取得ステップと、
前記複数の全期間時系列データのそれぞれから、前記全期間のうちの一部期間における前記調熱の状態量の時間変化を示す一部時系列データを取り出すことで複数の一部時系列データを取得する第2取得ステップと、
前記複数の一部時系列データを比較し、比較結果を出力するように構成された比較ステップと、
を備える調熱監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱又は冷却といった調熱の状態量を監視する、調熱監視装置、調熱監視プログラム、及び、調熱監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃焼シーケンスを構成する複数のサブシーケンス(特許文献1では、「パイロット点火(トライアル)」、「パイロットオンリー」、「メイン着火」、及び、「メイン安定」)それぞれ毎にバーナの火炎の活発度(特許文献1では紫外線強度)を監視する技術が開示されている。この技術では、監視対象であるバーナの火炎の活発度がサブシーケンスごとに定められている通常の状態からずれていた場合、燃焼装置に不調が生じていると判別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-60573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術では、あるタイミングでの火炎の活発度に基づいて不調の有無が判別されてしまう。このため、上記技術では、前記あるタイミング以外のタイミングで不調が現れたときに、ユーザがこの不調を把握することが難しい。そこで、本願発明者は、一連の燃焼シーケンスでの火炎の活発度の時間変化をそれぞれ示す複数の時系列データを比較することを見出した。これにより、ユーザは、過去の時系列データに対して現在の時系列データがどのように変化しているかを把握でき、この変化の仕方により不調の兆候、及び、不調の発生を把握することができる。しかしながら、一連の燃焼シーケンスで得られる時系列データ、つまり、燃焼シーケンス全期間の時系列データを比較すると、比較する時系列データが大きくなってしまう、又は、本来比較する必要のない部分(例えば、プレパージのようなそもそもバーナの火炎が生じてない期間)まで比較してしまうといった不都合が生じ得る。さらに、燃焼シーケンスの例えばメイン安定の期間は燃焼シーケンスごとにその長さが変化することがあり、この場合、比較する時系列データの時間軸がずれてしまうので、時系列データを単純に比較できないといった不都合も生じ得る。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、時系列データを適切に比較することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る調熱監視装置は、予め定められた調熱プロセスにより行われる調熱の状態量を監視する調熱監視装置であって、それぞれが前記調熱プロセスの少なくとも一部の全期間における前記調熱の状態量の時間変化を示す複数の全期間時系列データを取得するように構成された第1取得部と、前記複数の全期間時系列データのそれぞれから、前記全期間のうちの一部期間における前記調熱の状態量の時間変化を示す一部時系列データを取り出すことで複数の一部時系列データを取得するように構成された第2取得部と、前記複数の一部時系列データを比較し、比較結果を出力するように構成された比較部と、を備える。
【0007】
前記複数の全期間時系列データは、記憶部に記憶され、前記一部期間は、前記複数の全期間時系列データが前記記憶部に記憶されたあとにユーザにより設定可能である、ようにしてもよい。
【0008】
前記第1取得部は、前記調熱の状態量を前記全期間にわたってリアルタイムで順次取得することで前記複数の全期間時系列データのそれぞれを取得するように構成されており、前記第2取得部は、前記全期間のうちの前記一部期間で前記第1取得部がリアルタイムで順次取得する前記調熱の状態量をリアルタイムで順次取得することにより前記一部時系列データを取り出すように構成されている、ようにしてもよい。
【0009】
前記一部期間は、時系列的に離散し、前記複数の一部時系列データ間で同じ長さの複数の期間から構成されている、ようにしてもよい。
【0010】
前記比較部は、前記複数の一部時系列データのうちの基準となる複数の基準一部時系列データと、前記複数の一部時系列データのうちの、前記複数の基準一部時系列データよりも新しい一部時系列データとを比較し、時系列的に互いに対応する各時点における前記複数の基準一部時系列データの各状態量の分布に対する前記新しい一部時系列データの状態量のズレの度合いを示すズレ時系列データを生成する、ように構成されている、ようにしてもよい。
【0011】
前記第1取得部は、前記調熱の状態量を前記全期間にわたってリアルタイムで順次取得することで前記複数の全期間時系列データのそれぞれを取得するように構成されており、前記第2取得部は、前記全期間のうちの前記一部期間で前記第1取得部がリアルタイムで順次取得する前記調熱の状態量をリアルタイムで順次取得することにより前記一部時系列データを取り出すように構成されており、前記比較部は、前記新たな一部時系列データの各状態量を前記第2取得部が順次取得するたびに前記ズレの度合いを導出し、前記ズレの度合いを導出するたびに導出した前記ズレの度合いを表示部に順次追加表示していくことにより、前記ズレの度合いの時間変化のグラフをリアルタイムで描いていく、ように構成されている、ようにしてもよい。
【0012】
前記比較部は、前記新しい一部時系列データのグラフと、前記ズレ時系列データのグラフとを互いに対応付けて表示部に表示するように構成されている、ようにしてもよい。
【0013】
前記比較部は、前記ズレ時系列データに基づいて、前記調熱装置の不調の有無及び不調がある場合のその種類を推定し、推定結果を出力する、ように構成されている、ようにしてもよい。
【0014】
前記比較部は、前記複数の一部時系列データのうちの基準となる基準一部時系列データに基づくグラフと、前記複数の一部時系列データのうち、前記基準一部時系列データよりも新しい一部時系列データのグラフと、を互いに関連付けた画像を前記比較結果として出力するように構成されている、ようにしてもよい。
【0015】
前記調熱プロセスは、複数のサブプロセスから構成されており、前記一部期間は、前記複数のサブプロセスのうちの1のサブプロセスの開始又は終了タイミングを基準とする一以上の期間を含む、ようにしてもよい。
【0016】
本発明の第2の観点に係る調熱監視プログラムは、予め定められた調熱プロセスにより行われる調熱の状態量を監視する調熱監視コンピュータを、それぞれが前記調熱プロセスの少なくとも一部の全期間における前記調熱の状態量の時間変化を示す複数の全期間時系列データを取得する第1取得部、前記複数の全期間時系列データのそれぞれから、前記全期間のうちの一部期間における前記調熱の状態量の時間変化を示す一部時系列データを取り出すことで複数の一部時系列データを取得する第2取得部、及び、前記複数の一部時系列データを比較し、比較結果を出力する比較部、として機能させる。
【0017】
本発明の第3の観点に係る調熱監視方法は、予め定められた調熱プロセスにより行われる調熱の状態量を監視する調熱監視方法であって、それぞれが前記調熱プロセスの少なくとも一部の全期間における前記調熱の状態量の時間変化を示す複数の全期間時系列データを取得する第1取得ステップと、前記複数の全期間時系列データのそれぞれから、前記全期間のうちの一部期間における前記調熱の状態量の時間変化を示す一部時系列データを取り出すことで複数の一部時系列データを取得する第2取得ステップと、前記複数の一部時系列データを比較し、比較結果を出力するように構成された比較ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、時系列データを適切に比較することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る調熱監視装置を有する加熱システムの構成図である。
図2図2は、加熱システムの燃焼制御装置により実行される燃焼シーケンスのフローチャートである。
図3図3は、調熱監視装置のハードウェア構成図である。
図4図4は、調熱監視装置の構成図である。
図5図5は、第1取得部により実行される全期間時系列データ格納処理のフローチャートである。
図6図6は、第1取得部により実行される基準時系列データ処理のフローチャートである。
図7図7は、燃焼装置が正常のときに得られる全期間時系列データのグラフを示す図である。
図8図8は、全期間時系列データから一部時系列データを取り出す様子を示す図である。
図9図9は、比較部により実行される比較処理のフローチャートである。
図10図10は、複数の基準一部時系列データのグラフを示す図である。
図11図11は、最新一部時系列データと不調スコア時系列データの各グラフを示す図である。
図12図12は、最新一部時系列データと不調スコア時系列データの各グラフを示す図である。
図13図13は、最新一部時系列データと不調スコア時系列データの各グラフを示す図である。
図14図14は、最新一部時系列データと不調スコア時系列データの各グラフを示す図である。
図15図15は、変形例に係る比較部が実行する推定結果出力処理のフローチャートである。
図16図16は、変形例に係る比較部によりディスプレイに表示される一部時系列データのグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態及びその変形例について、図面を参照して説明する。
【0021】
(実施形態)
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る調熱監視装置20は、加熱システム10に使用される。加熱システム10は、燃料ガスの燃焼により燃焼室R内を加熱して、当該燃焼室R内の加熱対象を加熱するように構成されている。調熱監視装置20は、燃焼室R内の加熱の状態量としてのバーナの火炎の強さを監視するように構成されている。ユーザは、監視結果(後述の最新一部時系列データと基準一部時系列データとの比較結果)を確認することで、燃焼装置30換言すると燃焼室R内の加熱(調熱)について不調の有無を把握する。「不調」とは、燃焼装置30が運転不可となる前の燃焼装置30が動作可能な程度の異常つまり軽度の異常をいう。
【0022】
加熱システム10は、調熱監視装置20の他、燃焼ガスの燃焼を行う燃焼装置30と、燃焼装置30による燃焼を制御する燃焼制御装置70と、を備える。以下、燃焼装置30、及び、燃焼制御装置70を先に説明してから調熱監視装置20について説明する。
【0023】
燃焼装置30は、燃焼機器40と、空気供給系統50と、燃料供給系統60と、を備えている。
【0024】
燃焼機器40は、燃焼室R内で燃料ガスを燃焼させる。燃焼機器40は、燃焼室Rを形成する燃焼炉41と、燃料ガスを燃焼させて燃焼室R内を加熱するメインバーナ42と、を備える。燃焼機器40は、さらに、燃料ガスを燃焼させてメインバーナ42を着火するパイロットバーナ43と、パイロットバーナ43を点火するための点火スパークを発生させる点火装置(イグナイター)44と、を備える。燃焼機器40は、さらに、各バーナ42及び43の火炎の活発度を電気信号に変換することで当該活発度を検出する火炎検出器45と、燃焼室R内の温度を電気信号に変換することで当該温度を検出する温度センサ46と、を備える。火炎の活発度は、火炎がどの程度活発に発生しているかを示す度合いであり、ここでは、火炎の強度である。
【0025】
火炎検出器45は、2枚の電極と、この2枚の電極を所定のガスとともに収容したパッケージとを含む放電管45Aを備える。火炎検出器45は、さらに、メインバーナ42又はパイロットバーナ43の火炎から放射される電磁波(ここでは、紫外線とする)を透過して放電管45Aに導く窓45Bも備える。放電管45Aでは、2枚の電極間に電圧が印加された状態で、各バーナ42又は43の火炎から放射される電磁波がパッケージ内に入射されると2枚の電極間で放電が起こる。この放電により火炎検出器45から電気信号が出力される。このようにして、火炎検出器45は、各バーナ42又は43の火炎から放射される電磁波の強度つまり火炎の活発度を電気信号に変換して出力する。出力される電気信号は、ここでは、火炎の活発度に応じて電圧値が変化する電圧信号とするが、当該電気信号は、火炎の活発度に応じて電流値が変化する電流信号であってもよい。前記の電圧信号をフレーム電圧VFともいい、前記の電流信号をフレーム電流IFともいう。フレーム電圧VFの電圧値及びフレーム電流IFの電流値は、火炎の活発度を示す。以下の説明でのフレーム電圧VF及びその電圧値は、フレーム電流IF及びその電流値に変更することができる。
【0026】
空気供給系統50は、燃焼機器40の各バーナ42及び43に空気を供給する。燃料供給系統60は、外部からの燃料ガスを燃焼機器40のメインバーナ42及びパイロットバーナ43に供給する。各系統50及び60の構成は任意である。各系統50及び60は、空気と燃料ガスとの比である空燃比が、燃焼にとって好ましい所定範囲の比率となるように空気と燃料ガスを供給するように構成されている。
【0027】
燃焼制御装置70は、PLC(Programmable Logic Controller)、パーソナルコンピュータ等の各種のコンピュータを含んで構成される。燃焼制御装置70は、バーナコントローラとも呼ばれる。燃焼制御装置70は、バーナコントローラと、温度センサにより検出される温度が所望の温度となるようにバーナコントローラを起動する温調計と、を含んで構成されてもよい。
【0028】
燃焼制御装置70は、予め定められた燃焼シーケンスを実行することで燃焼装置30の動作を制御する。燃焼シーケンス開始時、空気供給系統50及び燃料供給系統60は、メインバーナ42及びパイロットバーナ43に空気及び燃料を供給しない閉状態に制御されているものとする。燃焼シーケンスは、図2に示すように、「プレパージ」(ステップS1)、「パイロット点火」(ステップS2)、「パイロットオンリー」(ステップS3)、「メイン着火」(ステップS4)、「メイン安定」(ステップS5)、「定常燃焼」(ステップS6)といったサブシーケンスを含む。
【0029】
燃焼制御装置70は、プレバージにおいて、空気供給系統50を開状態に制御し、メインバーナ42及びパイロットバーナ43を介して燃焼室R内に新鮮な空気を送り込む。これにより、燃焼室R内に残留した燃料ガスが外部に排出される。プレバージは、一定時間行われる。
【0030】
燃焼制御装置70は、プレバージのあと、燃料供給系統60を制御してパイロットバーナ43への燃料供給を開始するとともに点火装置44を動作させて点火スパークを発生させるパイロット点火を実行する。これにより、パイロットバーナ43が点火する。燃焼制御装置70は、火炎検出器45により検出された火炎の活発度が第1所定値を超えたときに、パイロットバーナ43の点火を検出する。この検出後、燃焼制御装置70は、パイロットバーナ43の火炎を安定させるパイロットオンリーを実行する。
【0031】
パイロットオンリーのあと、燃焼制御装置70は、燃料供給系統60を制御してメインバーナ42への燃料供給を開始するメイン着火を実行する。これにより、パイロットバーナ43の火炎を種火としてメインバーナ42が着火する。燃焼制御装置70は、火炎検出器45により検出された火炎の活発度が、第2所定値を超えたとき又はパイロットバーナ43の点火検出時から所定量だけ増えたときに、メインバーナ42の着火を検出する。着火検出後、燃焼制御装置70は、メインバーナ42の火炎を安定させるメイン安定を実行する。なお、この実施の形態では、メインバーナ42着火後に、パイロットバーナ43の火炎は消されないものとするが、パイロットバーナ43の火炎はメインバーナ42の着火後に消されてもよい。
【0032】
燃焼制御装置70は、メインオンリーのあと、定常燃焼に移行する。定常燃焼は、温度センサ46から供給される燃焼室R内の温度をフィードバック値として、当該温度が目標値に達し、さらに、その状態が所定期間続いたときに終了する。燃焼制御装置70は、定常燃焼終了のタイミングにおいて、空気供給系統50及び燃料供給系統60を閉状態に制御し、メインバーナ42及びパイロットバーナ43への空気及び燃料の供給を停止する。これにより、各バーナ42及び43の火炎は消える。上記の目標値及び所定期間は、燃焼制御装置70の上位装置などから供給され、燃焼制御装置70に設定される。定常燃焼の長さは、定常燃焼前の燃焼室R内の温度、及び、前記の所定期間の長さなどにより、燃焼シーケンスごとに異なることがある。定常燃焼において、燃焼室R内の温度をフィードバック値として、燃料及び空気の供給量がフィードバック制御されてもよい。
【0033】
燃焼制御装置70は、燃焼シーケンスにおいて、火炎検出器45から出力されるフレーム電圧VFを所定のサンプリングレートでアナログデジタル変換し、フレーム電圧VFの電圧値により示される火炎の活発度の時間変化を示す時系列データを生成する。燃焼制御装置70は、この時系列データを、燃焼シーケンスの全期間における火炎の活発度(フレーム電圧VF)の時間変化を示す全期間時系列データとして、調熱監視装置20に出力する。フレーム電圧VFは、パイロットバーナ43のみ火炎を発している場合、パイロットバーナ43の火炎の活発度を示し、両バーナ42及び43が火炎を発している場合、両バーナ42及び43の各火炎の活発度の和を示す。なお、全期間時系列データは、燃焼シーケンスの一部の全期間における火炎の活発度(フレーム電圧VF)の時間変化を示す時系列データであってもよい。
【0034】
次に調熱監視装置20について説明する。調熱監視装置20は、燃焼制御装置71から出力される全期間時系列データに基づいて、両バーナ42及び43の火炎の活発度を監視する。調熱監視装置20は、パーソナルコンピュータ等の各種のコンピュータを含んで構成されている。調熱監視装置20は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ21と、プロセッサ21のメインメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)22と、プロセッサ21により実行される調熱監視プログラムを記憶する不揮発性の記憶装置23と、を備える。記憶装置23は、後述の、全期間時系列データ群、一部時系列データ群、及び、基準時系列データも記憶する。調熱監視装置20は、さらに、後述の各種画面を表示するディスプレイ24と、ユーザにより操作される操作装置25と、プロセッサ21が燃焼制御装置71と通信を行うための通信モジュール26と、を備える。
【0035】
この実施の形態では、プロセッサ21は、記憶装置23に記憶された調熱監視プログラムを実行することにより、図4に示す、第1取得部21A、第2取得部21B、及び、比較部21Cとして動作する。
【0036】
第1取得部21Aは、燃焼制御装置71と通信モジュール26を介して通信し、燃焼シーケンスが実行されるたびに燃焼制御装置71から出力される全期間時系列データを取得し、記憶装置23に格納する。例えば、第1取得部21Aは、全期間時系列データを取得するたびに、図5に示す全期間時系列データ格納処理を実行する。
【0037】
第1取得部21Aは、図5の全期間時系列データ格納処理において、全期間時系列データを記憶装置23に設けられている全期間時系列データの記憶領域の中のN番目(初期値は0)の記憶領域に格納する(ステップS11)。その後、第1取得部21Aは、Nが9であるか判別し(ステップS12)、Nが9でない場合(No)、Nに1を加算する(ステップS13)。第1取得部21Aは、Nが9である場合(ステップS12;Yes)、Nを0に初期化する(ステップS14)。このような一連の処理により、N=0~9の10個の全期間時系列データが記憶装置23に格納されると、その後に得られる全期間時系列データは、N=0から上書きされていく。これにより、記憶装置23には、最新10個の全期間時系列データが常に格納される。この10個の時系列データのデータ群は、全期間時系列データ群として記憶装置23に記憶される。
【0038】
第1取得部21Aは、さらに、燃焼装置30の製造後、最初の稼働開始から図6に示す基準時系列データ処理を開始することで、後述の比較の基準となる基準時系列データを取得して記憶装置23に格納する。第1取得部21Aは、図6に示す基準統計データ生成処理において、記憶装置23のN=0~9の各記憶領域を監視し、これら全てに全期間時系列データが格納されるまで待機する(ステップS21)。N=0~9の各記憶領域に全期間時系列データが格納されたとき(ステップS21;Yes)、第1取得部21Aは、この10個の全期間時系列データを10個の基準時系列データとして記憶装置23の他の記憶領域に格納する(ステップS22)。当該他の記憶領域に格納される10個の基準時系列データの集合を、以下では、基準時系列データ群ともいう。なお、基準時系列データ群を構成する基準時系列データの数は、10に限らず1以上で任意である。
【0039】
図6に示す基準時系列データ処理は、燃焼装置30の製造後の動作テスト前から開始されてもよいし、動作テストの終了後の燃焼装置30の本稼働に入ってから開始されてもよい。前記の製造には、火炎検出器45を補修、修理、改造、交換することで、当該燃焼装置30が新しくなることも含む。また、基準時系列データ処理は、ユーザが基準時系列データ群を登録したいと考えた任意のタイミングで開始されてもよい。この場合、ユーザは、操作装置25を介してその旨を指示する。基準時系列データ処理は、燃焼装置30に不調が発生していない時期に実行されればよい。つまり、基準時系列データ群は、燃焼装置30の製造後かつ当該燃焼装置30に不調が発生する前に実行された燃焼シーケンスにより生成される。
【0040】
図4に戻り、第2取得部21Bは、基準時系列データ群が記憶装置23に登録された後の任意のタイミングで、そのときに記憶装置23に記憶されている全期間時系列データ群のうちの最新の全期間時系列データから一部の時系列データを取り出す。さらに、第2取得部21Bは、基準時系列データ群を構成する各基準時系列データそれぞれからも一部の時系列データを取り出す。
【0041】
第2取得部21Bによる時系列データの取り出しは、比較部21Cによる後述の比較のために行われる。この点を詳細に説明すると、上述のように、燃焼シーケンスのうちの定常燃焼の期間の長さは燃焼シーケンスごとに異なる場合がある。このため、図7の全期間時系列データA及びBの各グラフに示すように、定常燃焼終了時のタイミングは、燃焼シーケンスごとにずれてしまうことがある。また、プレパージの期間は、パイロットバーナ43への点火が行われていないので、火炎の活発度(フレーム電圧VF)は変化しない。このため、プレバージについて火炎の活発度を比較する必要はない。そこで、この実施の形態では、定常燃焼終了時のタイミングを合わせるため時系列データ同士で定常燃焼の期間の長さの差を吸収すること、及び、プレパージの期間を省略して比較の際のデータ処理の負荷を減らすことなどを目的として、上記取り出しを行う。第2取得部21Bは、例えば、図8に示すように、全期間時系列データから、プレパージの終了タイミングから30秒間、及び、定常燃焼の終了タイミングの前10秒間及び後5秒間といった時系列的に離散した複数の期間それぞれの時系列データを取り出す。取り出された複数の時系列データの集合を、以下、一部時系列データともいう。この実施形態では、一部時系列データは、図8のグラフにより示されるように、時系列順に並べられ、1の時系列データとして扱われる。
【0042】
第2取得部21Bは、全期間時系列データから一部時系列データを取り出すことで、当該一部時系列データを取得する。第2取得部21Bは、取得した一部時系列データを記憶装置23に格納する。一部時系列データの取得は、上記最新の全期間時系列データ及び基準時系列データを構成する各全期間時系列データそれぞれについて行われる。これらについて取得された複数の一部時系列データは、一部時系列データ群として記憶装置23に格納される。なお、一部時系列データ群のうち、上記最新の全期間時系列データから取り出された一部時系列データを最新一部時系列データともいう。他方、基準時系列データを構成する各基準時系列データそれぞれから取り出された各一部時系列データを基準一部時系列データともいう。
【0043】
比較部21Cは、記憶装置23に一部時系列データ群が格納されたことを契機として、この一部時系列データ群を記憶装置23から読み出し、各一部時系列データを比較する。この実施の形態では、この比較により、後述の不調スコア時系列データが生成される。第2取得部21Bの動作の契機となる上記任意のタイミングは、例えば、ユーザが不調スコア時系列データを確認したいとして操作装置25を操作したタイミングなどであればよい。
【0044】
比較部21Cは、第2取得部21Bが取得した最新一部時系列データの火炎の活発度(フレーム電圧VF)と、基準一部時系列データそれぞれの火炎の活発度(フレーム電圧VF)とを、時系列順に順次比較する。比較部21Cは、この比較により、後述の不調スコアの連続的な時間変化を示す時系列データである不調スコア時系列データを生成する。
【0045】
比較部21Cは、例えば、図9に示す比較処理を実行することで前記比較等を行う。図9に示す比較処理において、比較部21Cは、まず、最新一部時系列データと各基準時一部系列データとをカーネル密度推定を用いて比較する(ステップS31)。
【0046】
ステップS31で比較されるn=10回分の基準一部時系列データX(i=1,2,3・・・n)を、それぞれ、「X=X1,1,X1,2,X1,3,・・・X1,M」、「X=X2,1,X2,2,X2,3,・・・X2,M」、・・・「X=Xn,1,Xn,2,Xn,3,・・・Xn,M」とする。さらに、1の基準一部時系列データを、基準一部時系列データXともいう。ここで、右辺のXi,1~Xi,Mは、基準一部時系列データを構成する各時点での火炎の活発度であり、時系列順に並べられている。Mは、火炎の活発度のデータ個数、つまり、前記時点の個数である。なお、基準一部時系列データの基となる全期間時系列データを得るためのサンプリングタイミングにズレがある場合、又は、火炎の活発度のデータ個数が異なる場合、比較部21Cは、DTW(Dynamic Time Warping)等の既知技術で時間伸縮を行い、サンプリングタイミングとデータ個数を基準一部時系列データ間で合わせるとよい。
【0047】
ここで、最新一部時系列データを「Y=Y,Y,Y,・・・Y」とすると、比較部21Cは、ある時点mにおける火炎の活発度Yに対するカーネル密度推定量fmを、下記数式(1)から求める。
【数1】
【0048】
数式(1)におけるKはカーネル関数であり、比較部21Cは、例えば下記数式(2)のガウシアン式により算出する。
【数2】
【0049】
上記数式(1)におけるhは、バンド幅と呼ばれる調整パラメータである。比較部21Cは、hを、基準一部時系列データXにおける火炎の活発度Xi,mから交差検証等の方法で求めてもよいし、Scottの方法やSilvermanの方法を用いてヒューリスティックに求めてもよい。なお、ここでは、下記数式(3)を用いたScottの方法が採用されている。下記のsはXi,mのサンプル標準偏差、q(0.75)とq(0.25)は、それぞれサンプルの0.75分位点と0.25分位点であり、min(a,b)は、a,bのうち最小の値を取る関数である。
【数3】
【0050】
その後、算出した各fmについて下記数式(4)により、不調スコアEmを定義する。不調スコアEmは、各時点mにおいて、処理対象の最新一部時系列データYが基準一部時系列データXの分布(基準一部時系列データ群を構成する複数の基準一部時系列データXの各火炎の活発度がとり得る範囲)からズレが大きくなるほど大きくなる値である。つまり、不調スコアEmはズレの度合いを示し、当該不調スコアEmが大きいと、その時点において不調が生じている可能性が高い。
【数4】
【0051】
このようにして、比較部21Cは、ステップS31において、最新一部時系列データYと、複数の基準一時時系列データX~X(n=10)との、互いに対応する各時点(m=1~M)の火炎の活発度(Y,X1,m,X2,m,X3,m,・・・Xn,m)を比較し、各時点における火炎の活発度の上記ズレの度合いを示す不調スコアEmを取得する。各時点でのこのズレの度合いの集合、つまり、このズレの度合いの時間変化を示すズレ時系列データを、以下では不調スコア時系列データEともいう。比較部21Cは、前記の比較及び取得により、不調スコア時系列データEを比較結果として生成することになる。
【0052】
比較部21Cは、その後、不調スコア時系列データEと、最新一部時系列データYとを互いに関連付けてグラフ化して、ディスプレイ24に出力し、これら各データのグラフをディスプレイ24に表示する(ステップS32)。ユーザは、ディスプレイ24に表示されたグラフを確認することで、燃焼装置30の不調の有無等を把握する。
【0053】
ここで、複数の基準一部時系列データXのグラフを図10に示し、ディスプレイ24に表示される最新一部時系列データY及び不調スコア時系列データEの各グラフの例を図11図15に示す。なお、図11図15において、最新一時時系列データYのグラフは、一部期間を構成する複数の期間の各時系列データのグラフをつなげたものとして生成されているが、複数の期間の各時系列データのグラフそれぞれは切り離されて扱われてもよい。
【0054】
図10では、10個の基準一部時系列データXのうちの3個の基準一部時系列データが代表して描かれている。図10のグラフは、燃焼装置30ないし当該燃焼装置30による加熱に不調が生じていないとき、つまり不調が発生する前の正常時(非異常時)の一部時系列データのグラフである。図10に代表して示すように、10個の一部時系列データの各グラフは、同じような形状となる。
【0055】
図11は、不調が生じる前の燃焼装置30の燃焼シーケンスにより得られた最新一部時系列データY及び不調スコア時系列データEのグラフを示している。図11に示すように、不調が生じていないときは、不調スコアEmは0に近いところで推移している。特に、火炎の活発度が0付近(点火タイミング)から3.4付近(定常燃焼)まで大きく変化しても、不調スコアEmに大きな変化はない。
【0056】
図12は、火炎検出器45で偽放電(電磁波による放電以外の放電)が発生する頻度が高くなる不調が燃焼装置30に発生しているときのグラフを示している。不調スコアEmの値=10付近に不調の有無の判別の閾値を置けば、不調が周期的に発生していることが分かる。このようなグラフを見たユーザは、不調があること、及び、その不調の種類が火炎検出器45で偽放電(電磁波による放電以外の放電)である可能性があることを把握できる。
【0057】
図13は、火炎検出器45の窓45Bが煤などで汚れている不調が燃焼装置30に発生しているときのグラフを示している。たとえば図12と同様に、不調スコアEmの値=10付近に不調の有無の判別の閾値を置けば、不調が長く継続していることがわかる。なお、グラフ化する際、不調スコアEmに対してはリミッタが設けられており、上限値を超えたとき値は当該上限値に変換されている。図13のグラフを見たユーザは、不調があること、及び、その不調の種類が窓45Bの汚れである可能性があることを把握できる。
【0058】
図14は、メインバーナ42及びパイロットバーナ43に供給される空気と燃料ガスとの比率である空燃比が乱れているときのグラフを示している。上記同様、不調スコアEmの値=10付近に不調の有無の判別の閾値を置けば、このようなグラフを見たユーザは、燃焼開始付近と終了付近の各期間で不調が発生していることを把握でき、不調の種類が空燃比の乱れである可能性があることを把握することができる。
【0059】
以上説明したように、この実施の形態の調熱監視装置20は、複数の全期間時系列データのそれぞれから、燃焼シーケンスの一部期間における火炎の活発度の時間変化を示す一部時系列データを取り出す。そして、調熱監視装置20は、この取り出しにより取得した複数の一部時系列データを比較し、比較結果を出力する。ここで、前記一部期間は、プレパージの終了タイミングから30秒間、及び、定常燃焼の終了タイミングの前10秒間及び後5秒間の各期間から構成されている。これにより、一部時系列データの比較において、プレパージのようなそもそもバーナの火炎が生じてない期間についてまで比較してしまうといった不都合を抑制できる。さらに、比較する一部時系列データ間でメイン安定の期間が異なったとしても、前記の取り出しにより時間軸を合わせることができる。そして、前記の取り出しにより、一部時系列データの比較の際のデータ量が削減される。このように、本実施の形態では、一部時系列データ同士を適切に比較でき、これにより、ユーザに燃焼装置30の不調ないし燃焼の不調を適切に把握させることができる。
【0060】
全期間時系列データから一部時系列データを取り出す際の上記一部期間は、ユーザによる操作装置25を介した操作入力などにより設定可能であるとよい。特に、全期間時系列データが記憶装置23に格納されたあとでも設定可能であるとよい。この実施の形態では、全期間時系列データを一度記憶装置23に格納後に、一部時系列データの取り出しが行われる。従って、ユーザは、上記一部期間を複数回変更することができ、変更のたびに上記不調スコア時系列データEのグラフなどを確認できる。これにより、ユーザは、不調の把握に最適な一部期間を探ることができる。一部期間は、プレパージの終了タイミングから30秒間の期間、及び、定常燃焼の終了タイミングの前後5秒間の期間から構成されてもよい。一部期間は、プレパージ終了からメイン着火終了までの期間と、定常燃焼における任意の10秒間の期間と、定常燃焼の終了タイミングの前後5秒間の期間と、から構成されてもよい。
【0061】
第2取得部21Bにより取得される複数の一部時系列データそれぞれを取り出す際の上記一部期間は、上記のように時系列的に離散した複数の期間から構成されてもよく、この複数の期間は、複数の一部時系列データ間で同じ長さであるとよい。これにより、複数の一部時系列データそれぞれの時間軸を合わせることができ、比較が適切となる。
【0062】
上記一部期間は、燃焼シーケンスの複数のサブシーケンスのうちの1のサブシーケンスの開始又は終了タイミングを基準とする一以上の期間を含むとよい。このような期間は、不調の影響を受けやすいので、一部時系列データの比較が適切に行われることになる。なお、当該期間は、サブシーケンスの開始又は終了タイミングから前又は後の一定期間、及び、サブシーケンスの開始又は終了タイミングから前後一定期間を含む。前後一定期間は、前と後の各期間が同じでも異なってもよい。
【0063】
ユーザは、不調スコア時系列データEを確認することで、不調スコアEmが高得点の期間があれば、燃焼装置30に不調が生じていると把握できる。特に、不調スコア時系列データEは、不調スコアEm(基準一部時系列データXそれぞれの火炎の活発度の分布に対する最新一部時系列データYの火炎の活発度のズレの度合い)の連続的な時間変化を示すので、特定のタイミングではなく、一定の期間全般で不調の発生が確認される。このように、この実施の形態によれば、ユーザは、燃焼装置30の不調の有無を適切に把握できる。燃焼装置30の不調を適切に把握できれば、ユーザは、故障の予兆を察知することができる。
【0064】
この実施の形態では、基準一部時系列データXと最新一部時系列データYとの各火炎の活発度を時系列で対応するもの同士での比較により不調スコアEmが得られている。従って、不調スコアEmに一定の閾値を設定しても、その閾値は時間経過に応じて変化することになる。このため、不調判定のための最適な閾値が設定されることになる。
【0065】
さらに、上記実施の形態では、最新一部時系列データYのグラフと、不調スコア時系列データEのグラフとを関連付けたグラフがディスプレイ24に出力され、表示されるので、ユーザは、前者と後者の時間変化を対比して確認することができる。これにより、ユーザは、どのサブシーケンスで不調が発生しているかなどを適切に把握できる。なお、図11図14に示すように、各サブシーケンスの期間もグラフに表示されると、ユーザによる不調のサブシーケンスの把握が促進される。さらに、図11図14に示すように、前記の関連付けとして、最新一部時系列データYのグラフと、不調スコア時系列データEのグラフとを同じ平面に重畳して表示することで、両グラフがより容易に比較される。なお、両グラフを、横軸を対応させた2つのグラフとして、両グラフを関連付けてもよい。上記関連付けは、前記両グラフが比較可能とすることであればよい。なお、前記の比較は、サブシーケンスごとに行われてもよいし、前記のグラフは、サブシーケンスごとに別個に表示されてもよい。
【0066】
基準一部時系列データXは、燃焼装置30で実際に実行された燃焼シーケンスで測定されたフレーム電圧VFに基づいて用意される。これにより、複数生産される燃焼装置30の個々の癖を反映した基準一部時系列データXが得られるので、ユーザは、燃焼装置30の不調をより適切に把握できる。
【0067】
上記のように、最新一部時系列データYと複数の基準一部時系列データXとの比較をカーネル密度推定により行うので、精度の良い不調スコアEmが得られる。さらに、カーネル密度推定量fmを表す数値である不調スコアEmをグラフ化することで、当該不調スコアEmが大きければ不調の可能性が高いことをユーザが直感的に把握することができる。なお、時系列データ化及びグラフ化される数値は、カーネル密度推定量fmを表す数値であればよく、不調スコアEmに限られない。カーネル密度推定量fmを表す数値は、カーネル密度推定量fmそのものであってもよい。つまり、カーネル密度推定量fmが時系列データ化され、グラフ化されてもよい。カーネル密度推定量fmも、上記ズレの度合いの値といえる。
【0068】
(変形例)
上記実施の形態の構成は、任意に変更可能である。以下変形例を例示する。各変形例は、少なくとも一部同士組み合わせることもできる。
【0069】
(変形例1)
燃焼装置30の構成は、任意である。例えば、燃焼装置30は、パイロットバーナ43がないメインバーナ42のみを有するタイプであってもよい。
【0070】
(変形例2)
比較部21Cは、不調スコア時系列データEに基づいて、燃焼装置30の不調の有無及び不調がある場合のその種類を推定する処理を行ってもよい。この場合、記憶装置23に新たな全期間時系列データが格納されるたびに、第2取得部21Bが動作して上記取り出しを行い、取り出しの終了を契機として、比較部21Cは、図15に示す推定結果出力処理を行ってもよい。
【0071】
比較部21Cは、図15に示すように、不調スコア時系列データEに基づいて、燃焼装置30の不調の有無及び不調がある場合のその種類を推定する(ステップS41)。比較部21Cは、推定の結果、不調ありと判別した場合(ステップS42;Yes)、その推定の結果を出力する(ステップS43)。
【0072】
比較部21Cは、不調スコアEmについて、図12に示すように、所定の閾値を超える期間が周期的に発生し、かつ、当該期間それぞれが予め定められた所定の長さ未満であれば、燃焼装置30の火炎検出器45で偽放電という不調が発生していると推定する。比較部21Cは、不調スコアEmについて、図13に示すように、前記所定の閾値を超える期間が、周期的に発生し、かつ、当該期間それぞれが前記所定の期間以上であれば、燃焼装置30の火炎検出器45の窓45Bの汚れという不調が発生していると推定する。比較部21Cは、不調スコアEmが図11に示すように燃焼開始付近及び定常燃焼終了付近それぞれの期間で前記所定の閾値を超えている場合、空燃比の乱れの不調が発生していると推定する。
【0073】
比較部21Cは、上記推定の結果をディスプレイ24に表示する。表示内容としては、例えば、「火炎検出器で偽放電が高い頻度で発生している可能性があります」、「火炎検出器の窓が汚れている可能性があります」、「空燃比が乱れています」などのメッセージが挙げられる。
【0074】
本変形例によれば、燃焼装置30の不調の有無及び不調があった場合のその不調の種類がユーザに報知されるので、ユーザは燃焼装置30の不調をより適切に把握できる。なお、不調スコア時系列データEを、カーネル密度推定量fmの連続的な時間変化を示す時系列データに適宜変更してもよい。
【0075】
(変形例3)
比較部21Cは、1以上の基準一部時系列データに基づく第1グラフと、最新一部時系列データの第2グラフと、を互いに関連付けることで両時系列データを比較し、当該関連付けた各グラフを前記比較結果として出力してもよい。例えば、比較部21Cは、図16に示すように、時間軸を上下方向に対応させた第1グラフ(上段のグラフ)及び第2グラフ(下段のグラフ)を上下に並べてディスプレイ24に表示する。これにより、ユーザは、両グラフを比較することで不調の有無などを把握できる。前記の関連付けの他の例として、第1グラフと、第2グラフとは同じ座標平面内に重畳表示されてもよい。第1グラフは、複数の基準一部時系列データのうちの任意の1つの基準一部時系列データのグラフであってもよいし、複数の基準一部時系列データの各時点の火炎の活発度の平均値などを示すグラフであってもよい。
【0076】
(変形例4)
全期間時系列データ群のうち最新以外の他の全期間時系列データ群に基づいて、一部時系列データの取り出し、及び、取り出した一部時系列データと基準一部時系列データ群との比較が行われもよい。取り出した一部時系列データは、各基準一部時系列データよりも新しければよい。全期間時系列データ群、基準時系列データ群、一部時系列データ群それぞれを構成する時系列データは、時刻(朝、昼、夜のいずれかなど)、又は、昇温前の燃焼室R内の温度などの各条件に応じて分けられて個別に格納、使用されてもよい。
【0077】
(変形例5)
燃焼制御装置70は、全期間時系列データを構成する火炎の各活発度をリアルタイムで出力し、第1取得部21Aは、火炎の各活発度を全期間時系列データの全期間にわたってリアルタイムで順次取得することで全期間時系列データを取得してもよい。第1取得部21Aは、このような取得を繰り返し、複数の全期間時系列データを取得する。第2取得部21Bは、上記全期間のうちの一部期間で第1取得部21Aがリアルタイムで順次取得する火炎の各活発度を例えば第1取得部21Aからリアルタイムで順次取得することにより一部時系列データを取り出すように構成されてよい。つまり、一部時系列データは、全期間時系列データの取得中に第2取得部21Bにより取得されてもよい。例えば、一部時系列データの取り出しは、燃焼制御装置70から調熱監視装置20にリアルタイムで供給され、第1取得部21Aにより取得される、全期間時系列データを構成する火炎の各活発度を、当該各活発度ごとに取捨選択することにより行われてもよい。例えば、第2取得部21Bは、第1取得部21Aにより順次取得される活発度の値について、上記プレバージの終了タイミングから30秒間は活発度を取得し、それ以外では活発度を取得しない。これら構成により、全期間時系列データを記憶装置13に格納しなくてもよく、その場合、記憶装置13の記憶容量への負荷が軽減される。
【0078】
また、比較部11Cは、最新一部時系列データの第2グラフの各活発度を第2取得部11Bが順次取得するたびに上記ズレの度合い(不調スコアEm)を導出し、前記ズレの度合いを導出するたびに導出した前記ズレの度合いをディスプレイ24に順次追加表示していくことにより、ズレの度合いの時間変化のグラフ(つまり、不調スコア時系列データEのグラフ)をリアルタイムで描いていってもよい。これにより、燃焼シーケンスの進行に伴って、不調スコア時系列データEが順次描かれる。また、比較部11Cは、燃焼シーケンスの進行に伴って、最新一部時系列データYと不調スコア時系列データEとをリアルタイムで順次描いてもよい。このようにすることで、ユーザが不調スコアEmなどをリアルタイムで追うことができる。
【0079】
(変形例6)
第1取得部21Aは、燃焼制御装置71が燃焼装置30に設けられた各種のセンサにより適宜計測する空気流量、燃料ガス流量、炉体温度、圧力などの時間変化を示す時系列データを取得してもよい。この場合、例えば、ユーザは、不調スコア時系列データのグラフで気になるところを操作装置25で指定したとき、比較部21Cは、その部分の前後一定期間での、空気流量、燃料ガス流量、炉体温度、圧力などの時間変化を表示してもよい。これにより、ユーザは、燃焼装置30の異常の予兆を的確にとらえて燃焼装置30の適切な保全ができ、これにより燃焼装置30の効率的運用が可能となる。
【0080】
(変形例7)
比較部21Cは、複数の不調スコア時系列データを記憶装置23に格納しておき、これらを関連付けてグラフ化したもの(例えば、各不調スコア時系列データのグラフを同じ平面に重畳表示したグラフ)を出力してもよい。これにより、その不調スコアが、一過性のものなのか、計時劣化などによって徐々に大きくなっているものなのかをユーザが把握できる。これにより、不調スコアが大きくなりやすい場所等をユーザが把握できる。
【0081】
(変形例8)
火炎の活発度は、火炎検出器45の放電管45Aの電極間で起こる放電の単位時間当たりの放電回数により示されてもよい。火炎の活発度が大きい、例えば、紫外線強度が大きい場合、単位時間中の放電回数は多くなる。つまり、放電回数の増加は、上記でのフレーム電圧の電圧値の増加に対応する。なお、偽放電でも放電回数は多くなる。このような場合、燃焼装置30に、当該放電回数をカウントするカウント部及びカウント期間を計測する計測部を設けるとよい。
【0082】
(変形例9)
調熱監視装置20のハードウェア構成は任意である。調熱監視装置20は、燃焼制御装置70と他の機器とが接続されるゲートウェイとして構成されてもよい。第1取得部21A、第2取得部21B、及び、比較部21Cの少なくとも一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及び、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの各種の論理回路から構成されてもよい。前記各部21A~21Cのうちの少なくとも一部は、燃焼制御装置71が備えてもよい。調熱監視装置20は、サーバコンピュータ、クラウドコンピュータ等であってもよい。上記不調スコア時系列データ、上記推定結果等の比較結果の出力先は、ユーザ端末などのディスプレイであってもよい。比較結果の出力先は、プリンタ、記憶媒体、ネットワーク、他のコンピュータ等であってもよい。調熱監視装置20などの各装置は、装置の構成要素が一つの筐体にまとめられた装置の他、装置の構成要素が複数の筐体に分散して収容されたシステムを含む。燃焼監視プログラムは、上記記憶装置23など、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記憶媒体に格納されればよい。
【0083】
(変形例10)
火炎検出器45は、燃焼炉41に設けられた窓を介して、火炎からの電磁波を取り込んでもよい。この場合、燃焼炉41に設けられたこの窓が煤などにより汚れることで、燃焼装置30を不調とさせる。つまり、上記火炎検出器45の窓45Bの汚れが、燃焼炉41の窓の汚れに代わる。火炎検出器45は燃焼炉41の貫通孔に外側から嵌め込まれてもよく、この場合、燃焼炉41の窓は、火炎検出器45の窓45Bからなってもよい。
【0084】
(変形例11)
本発明は、上記燃焼シーケンスなどの調熱プロセスに従って実行される加熱又は冷却といった調熱の状態量を監視する調熱監視の技術一般に適用可能である。調熱プロセスは、上記サブシーケンスのような複数のサブプロセスから構成されてもよい。調熱監視装置20は、例えば、電気ヒータなどによる加熱の状態量を監視するものであってもよい。調熱監視装置20は、例えば、冷凍庫などにより冷却の状態量を監視するものであってもよい。状態量は、調熱の不調を検出するための任意の種類の量が採用される。状態量は、上記火炎の活発度の他、各種のセンサにより検出される他の物理量(空気流量、燃料ガス流量、炉体温度、圧力など)、フィードバック制御される調熱装置に入力される操作量などであってもよい。全期間時系列データは、例えば、調熱プロセスの少なくとも一部の全期間における前記調熱の状態量の時間変化を示す時系列データであればよい。一部時系列データは、例えば、全期間時系列データの一部、つまり、前記全期間のうちの一部期間における調熱の状態量の時間変化を示す時系列データであればよい。
【0085】
(調熱監視方法)
上記調熱監視装置20が実行する処理により、全期間時系列データの取得、一部時系列データの取り出し、一部時系列データの比較、例えば基準一部時系列データXと最新一部時系列データYとの比較、不調スコア時系列データEの生成及び出力などを行う調熱監視方法が行われているが、当該方法の少なくとも一部は、調熱監視装置20以外の物又は人により行われてもよい。
【0086】
(本発明の範囲)
以上、実施形態及び変形例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、本発明には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る、上記実施形態及び変形例に対する様々な変更が含まれる。上記実施形態及び変形例に挙げた各構成は、矛盾の無い範囲で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0087】
10…加熱システム、20…調熱監視装置、21…プロセッサ、21A…第1取得部、21B…第2取得部、21C……比較部、23…記憶装置、24…ディスプレイ、25…操作装置、30…燃焼装置、40…燃焼機器、42…メインバーナ、43…パイロットバーナ、44…点火装置、45…火炎検出器、窓…45B、50…空気供給系統、60…燃料供給系統、70…燃焼制御装置。
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