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  • 特開-頭頚部サポート具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094021
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】頭頚部サポート具
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/01 20060101AFI20230628BHJP
   A61F 5/055 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
A61F5/01 G
A61F5/055
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209215
(22)【出願日】2021-12-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】521561880
【氏名又は名称】奥田 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100104802
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 尚人
(74)【代理人】
【識別番号】100186772
【弁理士】
【氏名又は名称】入佐 大心
(72)【発明者】
【氏名】奥田 勝博
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB03
4C098BC08
4C098BC34
4C098BC41
4C098BC42
(57)【要約】
【課題】本発明は、複雑な取付なしで簡単に装着することができ、また、姿勢保持具や車椅子等を別個に準備することなく単体で用いて頭頚部を安定させることができ、そして、移乗の際も装着したまま移乗でき、その間も頭頚部を安定させることのできるサポート具を提供することを主な課題とする。
【解決手段】本発明として、例えば、後頭隆起下部および下顎下部を含む頸部周りに装着される頸部保持部1と、頸部保持部1に接続された胸部装着部2とを備える頭頚部サポート具であって、胸部装着部2が、両肩口から胸部両脇にかけて装着される可撓性芯材21を有することを特徴とする頭頚部サポート具を、挙げることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後頭隆起下部および下顎下部を含む頸部周りに装着される頸部保持部と、当該頸部保持部に接続された胸部装着部とを備え、当該胸部装着部が、両肩口から胸部両脇にかけて装着される可撓性芯材を有することを特徴とする、頭頚部サポート具。
【請求項2】
前記頸部装着部が、可撓性芯材の周囲をクッション材で覆った構造を有するものである、請求項1に記載の頭頚部サポート具。
【請求項3】
前記胸部保持部に係る可撓性芯材の少なくとも一部がクッション材で覆われている、請求項1または2に記載の頭頚部サポート具。
【請求項4】
後頭隆起部に装着するための受け部を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の頭頚部サポート具。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、姿勢保持具の技術分野に属する。本発明は、頭頚部を支持するためのサポート具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
頭頚部は、人体の中でも特に重要な部位であるが、事故による頸椎部負傷、加齢による体力低下等の後天的事情や、障がい、疾病等の先天的な事情により、当該部位を自力で安定させることができなくなる場合がある。そのような場合において、日常の生活を送るに際しては、何らかの人工的措置により頭頚部を保持または支持することが必要である。
【0003】
そのような人工的措置として、一般的には、頸部への負担を分散させる目的でネックカラー(頸椎カラー)と称される装具が使用される(非特許文献1、2参照)。頸椎カラーは、頸部に巻いて装着するタイプの装具であり、装着感がバイオフィードバックとなって頸部の固定が得られる。当該装具には強固な頸椎制動性はなく、主に局所の安静を目的として用いられる。
【0004】
また、特許文献1では、ヘッドサポート部と杵状の頸部サポート部とを備える、介護用の頭頚部サポート具が開示されている。これは、移動や座位等の際に、姿勢保持具または車椅子等に装着して、被介護者の頭頚部をサポートするためのサポート具であり、当該サポート具により頸部等を確実に支持することができ、これにより使用者が俯き姿勢になるのを防止して呼吸を楽にし、また姿勢を改善して、健常な日常生活を可能にするとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-134123号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】石田他 日本義肢装具学会誌1997年13巻4号p.277-283
【非特許文献2】小田他 日本義肢装具学会誌2003年19巻3号p.191-196
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1および2に記載されているような一般的な頸椎カラーは、支える部分が頸部下部から肩までの限られた狭い部分のみであり、先天的に首が座らない人の頭部を安定的に支えることが難しい場合がある。頸椎カラーは、装用時にしっかりと首にフィットさせる必要があるため、装用者に合わせた長さ調節を必要とし、また、装用部では通気性が悪くなりがちであるため、装用時に蒸れやすくなってしまうおそれがある。
【0008】
特許文献1に記載の頭頚部サポート具は、大掛かりなヘッドサポート部を有しており、移動や座位など、頸部をサポートする必要がある場合には、姿勢保持具または車椅子を別に用意して当該サポート具を取り付ける必要がある。また、車椅子からの移乗等の際には、当該サポート具のみで頸部を安定してサポートすることが難しい。更には、成長段階にある小児の場合などは、成長に合わせて当該サポート具を作り直すなど、その人に合わせた調整が必要となる。
【0009】
本発明は、複雑な取付なしで簡単に装着することができ、また、姿勢保持具や車椅子等を別個に準備することなく単体で用いて頭頚部を安定させることができるサポート具を提供すること、そして、移乗の際も装着したまま移乗でき、その間も頭頚部を安定させることのできるサポート具を提供することを主な課題とする。、また、オーダーメイドを必要としない汎用可能なサポート具を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、大掛かりなヘッドサポート等を用いて頭部を直接支えるのではなく、頸部における保持と胸部における支持との2段構造のサポート具を採用し、頸部保持部を胸部で支持することにより、結果として頭頚部全体が安定化され、上記課題を解決し得ることを見出した。更には、サポート具を装着者の体形に合わせて人力で任意に変形できるものとすることで、汎用可能といった課題を解決し、本発明を完成するに到った。
【0011】
本発明としては、例えば、下記のものを挙げることができる。
[1]後頭隆起下部および下顎下部を含む頸部周りに装着される頸部保持部と、当該頸部保持部に接続された胸部装着部とを備え、当該胸部装着部が、両肩口から胸部両脇にかけて装着される可撓性芯材を有することを特徴とする、頭頚部サポート具。
[2]前記頸部装着部が、可撓性芯材の周囲をクッション材で覆った構造を有するものである、上記[1]に記載の頭頚部サポート具。
[3]前記胸部保持部に係る可撓性芯材の少なくとも一部がクッション材で覆われている、上記[1]または[2]に記載の頭頚部サポート具。
[4]後頭隆起部に装着するための受け部を備える、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の頭頚部サポート具。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、頸部における保持と胸部における支持との2段構造により、頭頚部の荷重を、頸部および肩部ならびに胸部に分散して負担させるから、車椅子等の別個の大掛かりな姿勢保持具に頼ることなく頭頚部を支えることができ、移乗等の際も安定して頭頚部をサポートすることができる。そして、本発明はコンパクトな構造とし得るため、本発明を適用したまま他の医療用機器、介護用機器等を容易に使用することができる。また、頸部のみに装具を巻き付け等する必要は無く、装用部の通気性を改善することができ、装用時の不快感を最小限としながら頭頚部を支持することができる。さらに、本発明に係るサポート具は可撓性芯材を用いているから、装着者の体形に合わせて人力で任意に変形することができ、汎用品とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るサポート具の一態様を示す。
図2図1に示したサポート具を人(装着者)に装着した様子を示す。
図3】本発明に係るサポート具の他の一態様を示す。
図4図3に示したサポート具を人(装着者)に装着した様子を示す。
図5】本発明に係るサポート具の他の一態様を示す。
図6図5に示したサポート具を人(装着者)に装着した様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について、適宜図面を参照しながら詳述する。
本発明に係る頭頚部サポート具(以下、「本発明サポート具」という。)は、後頭隆起下部および下顎下部を含む頸部周りに装着される頸部保持部1と、当該頸部保持部1に接続された胸部装着部2とを備え、当該胸部装着部2が、両肩口から胸部両脇にかけて装着される可撓性芯材21を有することを特徴とする。
例として、本発明サポート具の一態様を図1に示す。また、当該サポート具を人に装着した様子を図2に示す。
【0015】
1 頸部保持部
本発明サポート具は、頸部保持部1を有する。当該頸部保持部1は、装着者3の後頭隆起下部および下顎下部を含む頸部周りに装着される。
【0016】
ここで、「後頭隆起下部」とは、後頭部の隆起部分(後頭結節を含む。)より下側の少なくとも一部分をいい、「下顎下部」とは、下顎より下側の少なくとも一部分をいう。
【0017】
頸部保持部1の構造および形状は、頸部をしっかり保持できるものであれば、特に制限されない。例えば、頸部保持部1は、可撓性の芯材を用いた構造とし、頸部を保持するに適した適宜の形状とすることができる。装着時に、装着者の頸部周囲を全て覆うような形状であってもよいし、図1~6に例示されるように、頸部の少なくとも一部分を開放するような形状であってもよい。
【0018】
ここで、芯材は、本発明サポート具の装着者の体形に合わせて人力で任意に変形できるものであれば特に制限はないが、装着者3の姿勢を保持するのに適した弾性を備える材料であることが適当である。そのような材料として、例えば、金属棒、金属製蛇腹管、ウレタンを挙げることができる。また、芯材に用い得る金属としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄を挙げることができる。中でも、アルミニウムのような軟質金属製の芯材が好ましい。アルミニウム材を用いた可撓性芯材の市販品としては、例えば、日本化線社製の「自遊自在」(登録商標)を挙げることができる。
【0019】
中でも、芯材としてアルミニウム材を用いる場合には、芯材の太さは、直径5mm以上30mm以下の範囲内であることが適当である。中でも、10mm以上20mm以下の範囲内であることが好ましく、10mm以上15mm以下の範囲内であることがより好ましい。アルミニウム芯材の直径が30mmを超える場合には、人力で容易に変形できなくなるおそれがあり、5mmを下回る場合には、十分な頭頸部保持効果が得られなくなるおそれがある。
【0020】
頭頸部の動きを止め支える機能(頭頸部保持機能)を持たせるために、頸部保持部1には芯材以外にクッション材11を用いることが適当である。このとき、頸部保持部に係る芯材は、クッション材に覆われた構造とすることが好ましい。当該クッション材により、頸部への負担をより和らげることができる。用い得るクッション材に特に制限はないが、例えば、ウレタン製発泡材、低反発フォーム、独立気泡ポリエチレンフォーム、プラスティック、軟質金属(アルミニウム等)を挙げることができる。
【0021】
頸部保持部の表面は、皮膚に直接密着する部分が少ない形状とすることができる。これにより、蒸れにくく、肌トラブルを可及的に回避することができる。そのような表面形状としては、例えば、メッシュ地、レザー、ニットを挙げることができる。
【0022】
頸部保持部の頸部装着部分の幅は、下顎下部を支え、頭部の動きを止め支え得る程度であれば、特に制限されない。装着者の体格、成長の度合や年齢に応じて適宜の寸法とすることにより、頭頸部保持機能(特に、頭頚部の左右方向の動きを止め支える機能)をよりよく発揮させることができる。
【0023】
2 胸部装着部
本発明サポート具は、上位頸部保持部に接続された胸部装着部2を有する。当該胸部装着部2は、頸部保持部1に接続されており、装着者3の両肩口から胸部両脇にかけて装着される可撓性芯材を有する。
【0024】
例として、本発明サポート具の一態様を人に装着した様子を図2に示す。両肩口から伸びたフレーム(芯材)が、装着者の胸部両脇を挟むようにして装着され、これにより頭頚部の動きを止め支える機能(頭頸部保持機能)を持たせることができる。特に、頭頚部の前後方向の動きを止め支える機能をよりよく発揮させることができる。
また、当該芯材を可撓性のものとすることで、装着者の体形に合わせて任意に変形させることができるだけでなく、体の各部位等の邪魔にならないように適宜変形させることにより、本発明サポート具の着脱を容易化することができる。
【0025】
ここで、胸部装着部2に用いる可撓性芯材21は、本発明サポート具の装着者の体形に合わせて人力で任意に変形できるものであれば特に制限はないが、装着者3の姿勢を保持するのに適した弾性を備える材料であることが適当である。そのような材料として、例えば、金属棒、金属製蛇腹管、プラスティックを挙げることができる。また、芯材に用い得る金属としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄を挙げることができる。中でも、アルミニウムのような軟質金属製の芯材が好ましい。アルミニウム材を用いた可撓性芯材の市販品としては、例えば、日本化線社製の「自遊自在」(登録商標)を挙げることができる。
【0026】
中でも、芯材としてアルミニウム材を用いる場合には、芯材の太さは、直径5mm以上30mm以下の範囲内であることが適当である。中でも、10mm以上20mm以下の範囲内であることが好ましく、10mm以上15mm以下の範囲内であることがより好ましい。アルミニウム芯材の直径が30mmを超える場合には、人力で容易に変形できなくなるおそれがあり、5mmを下回る場合には、十分な頭頸部保持効果が得られなくなるおそれがある。
【0027】
胸部装着部2は、クッション材22に覆われた構造とすることができる。当該クッション材22により、頸部への負担をより和らげることができる。用い得るクッション材に特に制限はないが、例えば、ウレタン製発泡材、低反発フォーム、独立気泡ポリエチレンフォームを挙げることができる。
【0028】
3 頸部保持部と胸部装着部とのアセンブリ
本発明サポート具は、頸部保持部1と胸部装着部2とが接続された構造を有する。
【0029】
頸部保持部1と胸部装着部2との接続部4は、本発明サポート具が一体のものとして効果を奏する形態であれば、特に制限はない。例えば、頸部保持部1において、装着時に後頚部を覆う部分の下側に、筒状のホルダを付けた構造とし、当該ホルダの筒部分に胸部装着部に係る可撓性芯材を通す構造としておけば、1本の芯材のみで胸部装着部2を構成することができる(図1、3、および5参照)。
【0030】
また、筒状ホルダ4の少なくとも内側表面を、例えば、フェルト状、半不織状、不織状等、ある程度毛羽立った状態の繊維製のものとしておき、さらに、胸部装着部に係る可撓性芯材の表面に、例えば、面ファスナー(例えば、マジックテープ(登録商標)。)のオス側(フック側)を貼り付けておくことにより、頚部保持部と胸部装着部とを、当該筒状ホルダ(接続部)4において固定させることも可能である。このような構造とすることで、コンパクトでありながら、頭頚部保持機能のより高い本発明サポート具を実現することができる。
【実施例0031】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
【0032】
[実施例1]
本発明サポート具の一態様として、頸部保持部1および胸部装着部2に可撓性芯材を用い、さらに頸部保持部1に被覆材としてクッション材11を用いる態様がある。例えば、図1に示す態様においては、頸部保持部1はU字形の形状であって、内部に可撓性芯材(日本化線社製「自遊自在」(登録商標))を有しており、当該芯材の周囲がクッション材11で覆われている。U字形状の頭頸保持部1の中央下部には布製の筒状ホルダ4が縫い付けられている。このホルダ4の筒部分には、1本の可撓性芯材21(日本化線社製「自遊自在」(登録商標))からなる胸部装着部2が通されており、頸部保持部1と胸部保持部2とが当該ホルダ4を介して接続されている。ここで、胸部装着部2を構成する可撓性芯材21について、筒状ホルダ4内部に納まる部分の外側面にオス側マジックテープ(登録商標)を貼付しておけば、布製筒状ホルダ4の内面と当該マジックテープ(登録商標)とが接着され、筒状ホルダ4内でスライド移動しないように胸部装着部2(可撓性芯材21)を固定することができる。
【0033】
頸部保持部1および胸部装着部2はいずれも可撓性芯材を用いているから、任意の形状へと人力で容易に変更することができ、例えば、図2に示すような態様にて、本発明サポート具を装着者3に装着することができる。頸部保持部1は、装着者3の後頭隆起下部および下顎下部を含む頸部周り(頸部前方部を除く。)に装着され、胸部装着部2は、装着者3の両肩口から胸部両脇にかけて装着されている。このように、本発明サポート具は、頸部における保持と胸部における支持との2段構造となっており、胸部装着部2を用いて頸部保持部1を支持することで、結果的に装着者3の頭頚部全体が安定化される。ここで、図1および2に示すように、頸部保持部1のU字形状の両端部分の径のみを少し太めにしておけば、装着者3の顎部分をより安定して支持することができる。また、図2に示すように、頸部保持部1をU字形にして装着者の頸部前方(喉頭部)を開放する態様としておけば、気管切開等の邪魔にならない形で本発明サポート具を装着することができる。
【0034】
[実施例2]
本発明サポート具の他の一態様として、胸部装着部2に係る可撓性芯材21をクッション材22で覆う態様がある。例えば、図3に示す態様において頸部装着部1は、上記実施例1(図1)と同様に、可撓性芯材の周囲をクッション材11で覆った構造を有している。そして、胸部装着部2も可撓性芯材21を有しているが、本態様では、可撓性芯材21の大部分が発泡ウレタン製チューブ(クッション材22)により被覆されている。この場合、例えば、図4に示すように、装着時の胸部への負荷をクッション材22が和らげるため、装着者3の体への負担をより軽減することができる。
【0035】
[実施例3]
本発明サポート具の他の一態様として、後頭隆起部に装着するための受け部として、後頭部受け5を備える態様がある。例えば、図5および6に示すように、後頭部受け5は、後頭部を保護することができるのみならず、頸部装着部1と協働して頭部の重量を支えることもできるため、装着者3の頭頚部をより安定して保持することができる。後頭部受け5は、頸部保持部1と一体のものとしてクッション材等にて成形されたものでもよいし、頸部保持部とは別部材として、例えば、面ファスナー等により着脱できるようにしておいてもよい。いずれにしても、従来のような大掛かりなヘッドサポート等を要することなく、コンパクトな形状であっても装着者3の頭頚部を十分に保持することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明サポート具によれば、別個の姿勢保持具等に取り付けることなく頭頚部を支えることができ、移乗等の際も頭頚部を安定させることができる。また、本発明サポート具はコンパクトな構造とし得るため、本発明を適用したまま他の医療用機器、介護用機器等を容易に使用することができる。したがって、医療用器具産業や介護用品産業において有用である。
【符号の説明】
【0037】
1 頸部保持部
11 クッション材
2 胸部装着部
21 可撓性芯材
22 クッション材
3 装着者
4 接続部(筒状ホルダ)
5 後頭部受け(後頭隆起部に装着するための受け部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
後頭隆起下部および下顎下部を含む頸部周りにおいて喉頭部前方を開放して装着される頸部保持部と、当該頸部保持部に接続された胸部装着部とを備え、当該胸部装着部が、両肩口から胸部両脇にかけて装着される可撓性芯材を有することを特徴とする、頭頚部サポート具。