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特開2023-94022添削済答案検索装置、添削済答案検索方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094022
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】添削済答案検索装置、添削済答案検索方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20230628BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
G06Q50/20
G09B19/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209216
(22)【出願日】2021-12-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】506142716
【氏名又は名称】株式会社Z会
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 淳
(72)【発明者】
【氏名】上田 倫也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】添削者が複数いる場合において解答にバリエーションが生じる場合であっても、添削のブレを抑えながら添削品質が全体的に向上していくように添削者を支援することができる添削済答案検索装置を提供する。
【解決手段】解答者が記した解法を特定するタグと添削についての評価の初期値が付与された添削済答案を記憶するタグ付与済添削済答案記憶部と、タグと評価が付与された添削済答案を記憶するタグ/評価付与済添削済答案記憶部と、所定のタグを取得し、所定のタグと同一または類似するタグが付与された添削済答案を検索し、検索された添削済答案を、付与された評価が高いものから順にソートして呈示する添削済答案検索部と、呈示した添削済答案に対する評価を取得し、取得した評価を添削済答案に付与してタグ/評価付与済添削済答案記憶部に記憶する評価取得部を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解答者が記した解法を特定するタグと添削についての評価の初期値が付与された添削済答案を記憶するタグ付与済添削済答案記憶部と、
前記タグと前記評価が付与された添削済答案を記憶するタグ/評価付与済添削済答案記憶部と、
所定のタグを取得し、前記所定のタグと同一または類似するタグが付与された添削済答案を検索し、検索された前記添削済答案を、付与された評価が高いものから順にソートして呈示する添削済答案検索部と、
呈示した添削済答案に対する評価を取得し、取得した評価を前記添削済答案に付与して前記タグ/評価付与済添削済答案記憶部に記憶する評価取得部を含む
添削済答案検索装置。
【請求項2】
請求項1に記載の添削済答案検索装置であって、
前記所定のタグは、添削者が未添削答案に対して与え、前記添削済答案検索装置に入力したタグである
添削済答案検索装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の添削済答案検索装置であって、
未だタグが付与されていない添削済答案を記憶する添削済答案記憶部と、
添削済答案とタグを教師データとして教師あり学習データにより予め学習したモデルに基づいて、前記添削済答案記憶部に記憶された未だタグが付与されていない添削済答案に付与されるタグを予測して付与するタグ付け部を含み、
前記タグ付与済添削済答案記憶部は、
前記タグ付け部によってタグを付与され、前記評価の初期値を付与された添削済答案を記憶する
添削済答案検索装置。
【請求項4】
請求項1に記載の添削済答案検索装置であって、
添削済答案とタグを教師データとして教師あり学習データにより予め学習したモデルに基づいて、未添削答案に付与されるタグを予測して付与するタグ付け部をさらに含み、
前記所定のタグは、前記モデルにより予測され付与されたタグである
添削済答案検索装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載の添削済答案検索装置であって、
各記憶部は、各答案に対応する問題のIDである問題IDを各答案に付与して記憶し、
前記添削済答案検索部は、
所定のタグおよび前記問題IDを取得し、前記所定のタグと同一または類似するタグが付与され、かつ前記問題IDと同一の問題IDが付与された添削済答案を検索し、検索された前記添削済答案を、付与された評価が高いものから順にソートして呈示する
添削済答案検索装置。
【請求項6】
添削済答案検索装置が実行する添削済答案検索方法であって、
解答者が記した解法を特定するタグと添削についての評価の初期値が付与された添削済答案を記憶するタグ付与済添削済答案記憶ステップと、
前記タグと前記評価が付与された添削済答案を記憶するタグ/評価付与済添削済答案記憶ステップと、
所定のタグを取得し、前記所定のタグと同一または類似するタグが付与された添削済答案を検索し、検索された前記添削済答案を、付与された評価が高いものから順にソートして呈示する添削済答案検索ステップと、
呈示した添削済答案に対する評価を取得し、取得した評価を前記添削済答案に付与して前記タグ/評価付与済添削済答案記憶部に記憶する評価取得ステップを含む
添削済答案検索方法。
【請求項7】
コンピュータを請求項1から5の何れかに記載の添削済答案検索装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、添削済の答案を検索する添削済答案検索装置、添削済答案検索方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
添削の履歴に基づいて添削を支援する添削システムの従来技術として例えば特許文献1が開示されている。特許文献1の添削サーバ1は、問題情報111の問題に対して回答として入力された入力内容及び時間情報を少なくとも含む回答情報112を受信する回答受信手段101と、回答情報112から回答者の回答に関する活動を分析して回答活動情報113を生成する回答活動分析手段102と、回答情報112、回答活動情報113、問題情報111に対する回答の雛形である回答雛形情報114及び過去に添削として入力された添削履歴情報117に基づいて、回答受信手段101が受信した回答情報112に対する添削の例示である添削例情報115を作成する添削例作成手段103とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-048309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同じ答案であっても添削者が異なれば添削にブレ、バリエーションが生じる。また、問題に解法が複数あったり、途中まで解答するパターンなどがあったりすると、答案にバリエーションが生まれ、添削にもバリエーションが生じる。このような添削のブレ、バリエーションは、添削基準を一律に規定するといった程度では網羅することができず、添削のブレを抑えながら添削品質を全体的に向上させることが難しかった。
【0005】
特許文献1の添削システムは、添削例を呈示して添削を支援することにより添削のブレを防ぐ効果が一定程度見込まれるものの、想定している問題が漢字の書き取りであるため、解法にバリエーションがない。また漢字の書き取りでは、途中まで解答したことを講評するといったケースも考えにくいため、上記の課題を解決できていない。
【0006】
そこで本発明は、添削者が複数いる場合において解答にバリエーションが生じる場合であっても、添削のブレを抑えながら添削品質が全体的に向上していくように添削者を支援することができる添削済答案検索装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の添削済答案検索装置は、タグ付与済添削済答案記憶部と、タグ/評価付与済添削済答案記憶部と、添削済答案検索部と、評価取得部を含む。
【0008】
タグ付与済添削済答案記憶部は、解答者が記した解法を特定するタグと添削についての評価の初期値が付与された添削済答案を記憶する。タグ/評価付与済添削済答案記憶部は、タグと評価が付与された添削済答案を記憶する。添削済答案検索部は、所定のタグを取得し、所定のタグと同一または類似するタグが付与された添削済答案を検索し、検索された添削済答案を、付与された評価が高いものから順にソートして呈示する。評価取得部は、呈示した添削済答案に対する評価を取得し、取得した評価を添削済答案に付与してタグ/評価付与済添削済答案記憶部に記憶する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の添削済答案検索装置によれば、添削者が複数いる場合において解答にバリエーションが生じる場合であっても、添削のブレを抑えながら添削品質が全体的に向上していくように添削者を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1のモデル学習装置の機能構成を示すブロック図。
図2】実施例1のモデル学習装置の動作を示すフローチャート。
図3】実施例1の添削済答案検索装置の機能構成を示すブロック図。
図4】実施例1の添削済答案検索装置のタグ付与動作を示すフローチャート。
図5】実施例1の添削済答案検索装置の答案呈示動作を示すフローチャート。
図6】実施例2の添削済答案検索装置の機能構成を示すブロック図。
図7】実施例2の添削済答案検索装置の答案呈示動作を示すフローチャート。
図8】コンピュータの機能構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例0012】
以下、図1を参照して実施例1のモデル学習装置1の機能構成を説明する。同図に示すように本実施例のモデル学習装置1は、モデル学習部11と、モデル記憶部11Aを含む。
【0013】
以下、図2を参照してモデル学習装置の動作について説明する。モデル学習部11は、添削済答案とこれに対応するタグであって解答者が記した解法を特定するタグを教師データとして、教師あり学習によりモデルを学習し、学習したモデルをモデル記憶部11Aに記憶する(S11)。生成されたモデルに答案を読み込ませることにより、答案に付されるタグが予測される。
【0014】
前述したようにタグは解答者が記した解法を特定する内容であり、教師データとして用意する場合には人手で付与する必要がある。タグの例として「#比の性質」、「#角の大きさが等しい条件」、「#三角形の合同」、「#数学的帰納法」、…などがある。タグの運用方法として解法の出来具合を示す「#…成功」、「#…を使うことができた」、「#…失敗」、「#…途中まで」、…などの記載を加え、例えば「#角の大きさが等しい条件を使うことができた」、「#数学的帰納法途中まで」、…などとしてもよい。
【0015】
教師データとして用いられる答案は、添削済答案でも未添削答案でもよいが、より汎用性が高いモデルを生成するためには未添削答案を用いるのが好適である。例えば、後述する実施例2のステップS31ではモデルに未添削答案を読み込ませてタグを付与するため、実施例2においては、未添削答案による教師あり学習により生成されたモデルを使用するのが好適である。添削済答案を未添削答案として用いる場合、電子答案の場合には、添削データが別のレイヤーに保存されている場合が多いため、このレイヤーを取り除くか非表示にして未添削答案と同じ状態にして使用すればよい。
【0016】
次に図3を参照して添削済答案検索装置の機能構成を説明する。同図に示すように本実施例の添削済答案検索装置2は、タグ付け部21と、添削済答案記憶部21Aと、タグ付与済添削済答案記憶部21Bと、添削済答案検索部22と、タグ/評価付与済添削済答案記憶部22Aと、評価取得部23を含む。添削済答案検索装置2は、モデル学習装置1が学習したモデルを利用する装置である。
【0017】
以下、図4を参照して添削済答案検索装置2のタグ付与動作について説明する。
【0018】
添削済答案記憶部21Aには、未だタグが付与されていない添削済答案が記憶されているものとする。
【0019】
タグ付け部21は、学習済のモデルに基づいて、添削済答案記憶部21Aに記憶された添削済答案に付されるタグを予測し、予測したタグを添削済答案に付与する(S21)。タグ付け部21は、タグを付与した添削済答案(以下、タグ付与済添削済答案とも呼称する)をタグ付与済添削済答案記憶部21Bに記憶する。ステップS21は、添削済答案が一定量ストックされるたびに実行されれば好適である。このようにして所定の教育機関で添削済の答案に対し、モデルにより予測されたタグが付与され、タグ付与済添削済答案記憶部21Bに蓄積されていく。後述するステップS22で評価を使用するため、タグ付与済添削済答案記憶部21Bに記憶するタグ付与済添削済答案には評価の初期値を付与しておく。評価の初期値として例えば0などを用いる。また、タグ付与済添削済答案記憶部21Bに記憶するタグ付与済添削済答案には、答案に対応する問題のIDである問題IDが付与されていてもよい。問題IDの使用方法については後述する。
【0020】
なお、タグ付け部21によらず、添削者がタグを付与してもよい。この場合、タグ付け部21は省略可能である。
【0021】
以下、図5を参照して添削済答案検索装置2の答案呈示動作について説明する。ここで、添削者はある未添削答案を参照し、未添削答案に対してふさわしいタグを与えるものとする。図3の例では、添削者はある未添削答案に対し「三角形の合同は使えている」「角の大きさが等しい条件は導けなかった」という評価をしている。この例の場合添削者は、タグ「#三角形の合同」、あるいはタグ「#三角形の合同が使えている」、これらに加え、例えばタグ「#角の大きさが等しい条件失敗」など、この未添削答案にふさわしいタグを与え、添削済答案検索装置2に入力するものとする。
【0022】
このとき、添削者はタグに加え問題を特定する問題IDを添削済答案検索装置2に入力することもできる。
【0023】
添削者がタグのみを入力した場合、添削済答案検索部22は、添削者が入力したタグを取得し、添削者が入力したタグと同一または類似するタグが付与された添削済答案をタグ付与済添削済答案記憶部21Bおよびタグ/評価付与済添削済答案記憶部22Aの双方から検索し、検索された添削済答案を、付与された評価が高いものから順にソートして呈示する(S22)。
【0024】
「評価が高い」とは、例えば「いいね!」、「Good!」などのフェイバリット評価方式である場合には、「いいね!」、「Good!」などの件数が多いほど評価が高いことを意味する。評価が得点評価方式、グレード評価方式である場合には、これらの評価の平均値、中央値が高いほど評価が高いことを意味する。何れの評価方式においても評価の初期値は下位にあたる。
【0025】
添削者がタグと共に問題IDを入力した場合、添削済答案検索部22は、添削者が入力したタグおよび問題IDを取得し、添削者が入力したタグと同一または類似するタグが付与され、かつ入力された問題IDと同一の問題IDが付与された添削済答案を検索し、検索された添削済答案を、付与された評価が高いものから順にソートして呈示する。
【0026】
問題IDについては、例えば大規模な模試などを複数人の添削者で手分けして採点している場面などで活用できる。例えば、その模試の特定の問題についての添削例だけを参照したい場合などに、問題IDを指定して検索をかけることにより、該当問題において類似、同一タグが付与された添削済答案のみを検索することができるため、添削者にとって利便性が高い。
【0027】
添削者は、提示された添削済答案を参考にして添削作業を行い、最後に参考になった添削済答案に対する評価を添削済答案検索装置2に入力する。評価は、例えば最もシンプルには「いいね!」、「Good!」、あるいは「+」を1件入力するフェイバリット評価方式でよい。他の形式として、100点満点方式の得点評価、A/B/C/D/Eなどのグレード評価であってもよい。
【0028】
評価取得部23は、呈示した添削済答案に対する評価を取得し、取得した評価を添削済答案に付与し、必要であれば問題IDを対応付け、タグ/評価付与済添削済答案記憶部22Aに記憶する(S23)。評価とタグが付与された添削済答案を以下、タグ/評価付与済添削済答案とも呼称する。
【0029】
本実施例の添削済答案検索装置2によれば、タグに基づいて検索することにより、解法の出来不出来が類似した答案に対する添削例を精度よく検索することができ、さらに、検索された添削例のうち、添削者の間で評価が高い添削例が優先的に呈示されるようにソートすることができるため、添削者が複数いる場合において解答にバリエーションが生じる場合であっても、添削のブレを抑えながら添削品質が全体的に向上していくように添削者を支援することができる。
【実施例0030】
以下、図6を参照して実施例2の添削済答案検索装置の機能構成を説明する。同図に示すように本実施例の添削済答案検索装置3は、タグ付け部31と、添削済答案記憶部21Aと、タグ付与済添削済答案記憶部21Bと、添削済答案検索部22と、タグ/評価付与済添削済答案記憶部22Aと、評価取得部23を含み、タグ付け部31以外の機能構成は実施例1と同様である。
【0031】
実施例1では、未添削答案に対するタグの付与、装置へのタグ入力は添削者が行っていたが、本実施例では、未添削答案に対するタグの付与は、添削済答案検索装置3のタグ付け部31が実行する。具体的には、まず添削済答案検索装置3に未添削の答案が入力される。次に図7に示すように、タグ付け部31は、モデル記憶部11Aに記憶済のモデルに基づいて、未添削答案に付与されるタグを予測し、予測したタグを添削済答案検索部22に出力する(S31)。このときタグ付け部31は、必要であれば問題IDを添削済答案検索部22に出力する。続くステップS22、S23の動作は実施例1と同じであるため説明を割愛する。
【0032】
本実施例の添削済答案検索装置3によれば、実施例1の効果に加え、添削者が未添削答案にふさわしいタグを考えなくても、代わりにモデルがタグを予測してくれるため、添削者にとっての利便性がさらに高くなる。
【0033】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0034】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0035】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0036】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0037】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0038】
上述の各種の処理は、図8に示すコンピュータ10000の記録部10020に、上記方法の各ステップを実行させるプログラムを読み込ませ、制御部10010、入力部10030、出力部10040などに動作させることで実施できる。
【0039】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electrically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0040】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0041】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0042】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解答者が記した解法を特定するタグと添削についての評価の初期値が付与された添削済答案を記憶するタグ付与済添削済答案記憶部と、
前記タグと前記評価が付与された添削済答案を記憶するタグ/評価付与済添削済答案記憶部と、
所定のタグを取得し、前記所定のタグと同一または類似するタグが付与された添削済答案を検索し、検索された前記添削済答案を、付与された評価が高いものから順にソートして呈示する添削済答案検索部と、
呈示した添削済答案に対する評価を取得し、取得した評価を前記添削済答案に付与して前記タグ/評価付与済添削済答案記憶部に記憶する評価取得部を含む
添削済答案検索装置。
【請求項2】
請求項1に記載の添削済答案検索装置であって、
前記所定のタグは、添削者が未添削答案に対して与え、前記添削済答案検索装置に入力したタグである
添削済答案検索装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の添削済答案検索装置であって、
未だタグが付与されていない添削済答案を記憶する添削済答案記憶部と、
添削済答案とタグを教師データとして教師あり学習データにより予め学習したモデルに基づいて、前記添削済答案記憶部に記憶された未だタグが付与されていない添削済答案に付与されるタグを予測して付与するタグ付け部を含み、
前記タグ付与済添削済答案記憶部は、
前記タグ付け部によってタグを付与され、前記評価の初期値を付与された添削済答案を記憶する
添削済答案検索装置。
【請求項4】
請求項1に記載の添削済答案検索装置であって、
添削済答案とタグを教師データとして教師あり学習データにより予め学習したモデルに基づいて、未添削答案に付与されるタグを予測して付与するタグ付け部をさらに含み、
前記所定のタグは、前記モデルにより予測され付与されたタグである
添削済答案検索装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載の添削済答案検索装置であって、
各記憶部は、各答案に対応する問題のIDである問題IDを各答案に付与して記憶し、
前記添削済答案検索部は、
所定のタグおよび前記問題IDを取得し、前記所定のタグと同一または類似するタグが付与され、かつ前記問題IDと同一の問題IDが付与された添削済答案を検索し、検索された前記添削済答案を、付与された評価が高いものから順にソートして呈示する
添削済答案検索装置。
【請求項6】
添削済答案検索装置が実行する添削済答案検索方法であって、
解答者が記した解法を特定するタグと添削についての評価の初期値が付与された添削済答案を記憶するタグ付与済添削済答案記憶ステップと、
前記タグと前記評価が付与された添削済答案を記憶するタグ/評価付与済添削済答案記憶ステップと、
所定のタグを取得し、前記所定のタグと同一または類似するタグが付与された添削済答案を検索し、検索された前記添削済答案を、付与された評価が高いものから順にソートして呈示する添削済答案検索ステップと、
呈示した添削済答案に対する評価を取得し、取得した評価を前記添削済答案に付与して記憶する評価取得ステップを含む
添削済答案検索方法。
【請求項7】
コンピュータを請求項1から5の何れかに記載の添削済答案検索装置として機能させるプログラム。