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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094040
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】業務支援装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20230628BHJP
   G06Q 10/083 20230101ALI20230628BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209253
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】508228430
【氏名又は名称】株式会社KTグループ
(74)【代理人】
【識別番号】100172502
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀧 眞輔
(72)【発明者】
【氏名】上野 健彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
5L049AA04
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】 顧客を訪問する業務において効率よく業務を行うことができる業務支援装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】
車両を用いて顧客を訪問して主業務と一又は二以上の副業務を含む業務を行う予定表及び積荷表を作成する業務支援装置において、主業務の予定と、主業務の予定の間に実行可能な副業務の予定からなる予定表と、予定表に基づく積荷表を作成し、予定表に含まれる訪問先を示す情報を地図に重畳表示する。
【選択図】 図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を用いて顧客を訪問する業務における予定表及び積荷表を作成する業務支援装置であって、
前記業務は主業務と、一又は二以上の副業務を含み、
前記主業務の予定を取得する主業務予定取得部と、
前記主業務の予定間に実行可能な前記副業務の予定を取得する副業務予定取得部と、
前記主業務の予定及び前記副業務の予定からなる前記予定表を作成する予定表作成部と、
前記作成した予定表に基づいて、前記車両の前記積荷表を作成する積荷表作成部と、
前記予定表に含まれる訪問先を示す情報を地図に重畳表示する、予定地図表示部と、
を備えることを特徴とする、業務支援装置。
【請求項2】
前期業務支援装置は、さらに、前記訪問先に基づいて前記車両の駐車場の候補を示す情報を地図に重畳表示する、駐車場候補表示部を備える
ことを特徴とする、請求項1記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記業務支援装置は、さらに、前記駐車場に関する情報を登録する駐車場登録部を備える
ことを特徴とする、請求項2記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記業務支援装置は、さらに、前記副業務の決済に関する情報を登録する副業務決済部を備える
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の業務支援装置。
【請求項5】
前記業務支援装置は、さらに、前記訪問を行う訪問担当者の位置に基づいて、前記車両の移動先となる駐車場の候補を示す情報を地図に重畳表示する、車両移動先候補表示部を備える
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の業務支援装置。
【請求項6】
前記業務支援装置は、さらに、前記業務中に前記予定表に実行可能な前記主業務の予定を追加することにより前記予定表を更新する予定表更新部を備える
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の業務支援装置。
【請求項7】
コンピュータを請求項1~6のいずれかに記載の業務支援装置として機能させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は業務支援装置に関し、具体的には、顧客を訪問する業務において効率よく業務を行うことができる業務支援装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
荷物の配送等、顧客を訪問して行う業務を支援する情報システムとして、例えば特許文献1の個別宅配システムが知られている。特許文献1の個別宅配システムは、同一配達日の宅配先顧客を結ぶ一筆書きの順路を作成する情報システムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-274875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷物の配送や訪問営業等、顧客を訪問して行う業務の効率化を図る上で、特許文献1のような従来技術を用いることで訪問の順序や、訪問先までの道順を作成することは有用である。
【0005】
一方で、従来技術ではあらかじめ予定された訪問先を効率よく訪問することはできるものの、予定そのものが効率的でない場合、例えば、一の訪問先の訪問時刻と、後続する訪問先の訪問時刻が離れているような場合にこれを効率化することができないという問題があった。
【0006】
本発明は前述の問題に鑑み、顧客を訪問する業務において効率よく業務を行うことができる業務支援装置及びプログラムを提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するためになされた本発明に係る業務支援装置は、車両を用いて顧客を訪問する業務における予定表及び積荷表を作成する業務支援装置であって、前記業務は主業務と、一又は二以上の副業務を含み、前記主業務の予定を取得する主業務予定取得部と、前記主業務の予定間に実行可能な前記副業務の予定を取得する副業務予定取得部と、前記主業務の予定及び前記副業務の予定からなる前記予定表を作成する予定表作成部と、前記作成した予定表に基づいて、前記車両の前記積荷表を作成する積荷表作成部と、前記予定表に含まれる訪問先を示す情報を地図に重畳表示する、予定地図表示部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る業務支援装置は、さらに、前記訪問先に基づいて前記車両の駐車場の候補を示す情報を地図に重畳表示する、駐車場候補表示部を備えるようにしてもよい。
【0009】
本発明に係る業務支援装置は、さらに、前記駐車場に関する情報を登録する駐車場登録部を備えるようにしてもよい。
【0010】
本発明に係る業務支援装置は、さらに、前記副業務の決済に関する情報を登録する副業務決済部を備えるようにしてもよい。
【0011】
本発明に係る業務支援装置は、さらに、前記訪問を行う訪問担当者の位置に基づいて、前記車両の移動先となる駐車場の候補を示す情報を地図に重畳表示する、車両移動先候補表示部を備えるようにしてもよく、また、前記業務中に前記予定表に実行可能な前記主業務の予定を追加することにより前記予定表を更新する予定表更新部を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、予定表作成部が作成する予定表には、主業務の予定と、当該主業務の予定の間に実行可能な副業務の予定から構成されるので、一の訪問先の訪問時刻と後続する訪問先の訪問時刻が離れているような場合に副業務の予定を設けることができるので、効率よく業務を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の一例における、業務支援装置を用いた業務支援システムの構成を概念的に示す図である。
図2】同実施形態の一例における、予定表及び積荷表を作成する処理のフローを示す図である。
図3】同実施形態の一例における、主業務の予定のデータ構造を示す図である。
図4】同実施形態の一例における、予定表のデータ構造を示す図である。
図5】同実施形態の一例における、メニュー画面の構成を示す図である。
図6】同実施形態の一例における、予定地図画面の構成を示す図である。
図7】同実施形態の一例における、駐車場候補画面の構成を示す図である。
図8】同実施形態の一例における、駐車場登録画面の構成を示す図である。
図9】同実施形態の一例における、副業務決済画面の構成を示す図である。
図10】同実施形態の一例における、車両移動候補画面の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の一例に係る業務支援装置を含む業務支援システムの構成を概念的に示す図である。図1で示すように、本実施形態の一例に係る業務支援システム100は、業務支援装置200と、顧客データベース300と、商品データベース400と、注文データベース500と、携帯端末600がネットワーク700を介して通信可能に接続された情報システムである。
【0015】
本実施形態の一例では、二人の訪問担当者が一台の車両を用いて、一営業日における予定表に基づいて当該営業日に顧客を訪問する業務を想定している。また、訪問担当者により行われる業務は、一の主業務と、一又は二以上の副業務から構成されている。
【0016】
主業務及び副業務の具体的な内容は任意に選択してよいが、本実施形態の一例において、主業務は受注した商品の配送業務であり、副業務は、主業務における配送先付近の既存顧客に対する飛び込み営業業務である。なお、主業務と副業務は同一の顧客を対象とするものであってもよいし、或いは、まったく異なる顧客に対する業務であってもよい。例えば、主業務が自動車その他の訪問営業である場合に、副業務を見守りその他の介護サービスとしてもよい。また、副業務は一の業務のみに限られず、二以上の任意の業務を副業務としてもよい。
【0017】
また、前述のように、本実施形態の一例では二人の訪問担当者が一台の車両を用いることを想定しているが、本実施形態の一例における業務支援システム100を用いる事業者その他のユーザが備える車両の台数は任意に選択してよく、また、車両を何人の訪問担当者で使用するかは任意に変更が可能である。
【0018】
業務支援装置200は、訪問担当者に予定表及び積荷表を提示するとともに訪問先付近の地図を用いたサービスを提供する装置であり、主業務予定取得部201と、副業務予定取得部202と、予定表作成部203と、積荷表作成部204と、予定地図作成部205と、駐車場候補表示部206と、駐車場登録部207と、副業務決済部208と、車両移動先候補表示部209と、地図取得部210と、駐車場データベース211を備えている。
【0019】
本実施形態の一例では、業務支援装置200は、ハードウェアとして周知のサーバ用コンピュータを用いて構成されている。サーバ用コンピュータが備えるHDD(Hard Disk Drive)その他の記憶装置には、当該サーバ用コンピュータを業務支援装置200として機能させるプログラムが記憶されており、当該プログラムをサーバ用コンピュータのメモリにロードしてCPU(中央演算装置)が実行することにより、サーバ用コンピュータが業務支援装置200として機能する。なお、業務支援装置200のハードウェア構成は任意に変更してよく、業務支援装置200として求められるハードウェア要件を満たす場合には、サーバ用ではなく一般のパーソナル・コンピュータその他のコンピュータを用いてもよい。
【0020】
主業務予定取得部201は、主業務、すなわち、受注した商品の配送業務の予定を取得する。主業務予定取得部201は、後述する顧客データベース300、商品データベース400、及び注文データベース500から、一の車両を用いて一営業日に顧客を訪問して受注した商品を配送する業務の予定を取得する。
【0021】
副業務予定取得部202は、実行可能な副業務、すなわち、既存の顧客に対する飛び込み営業の予定を取得する。前述の主業務は顧客から受注した商品を配送する業務であるが、副業務は、当該配送する顧客の近傍に居住する顧客や、一の配送先から他の配送先までに立ち寄れる顧客等に対して、当該顧客の過去の注文履歴から販売が見込める商品を飛び込み営業する業務である。副業務予定取得部202も前述の主業務予定部201と同様に、後述する顧客データベース300、商品データベース400、及び注文データベース500から副業務の予定を取得する。
【0022】
予定表作成部203は、前述の主業務予定取得部201が取得した主業務の予定と、副業務予定取得部202が取得した副業務の予定を統合して、一の車両により一営業日に行う業務の予定表を作成する。
【0023】
積荷表作成部204は、前述の予定表作成部203が作成した予定表に基づいて、一営業日の業務に必要な積荷を一覧化した積荷表を作成する。
【0024】
予定地図作成部205は、前述の予定表作成部203が作成した予定表に基づいて、当該予定表に含まれる訪問先を示す情報を地図に重畳表示した画面を携帯端末600に表示する。
【0025】
駐車場候補表示部206は、前述の予定表作成部203が作成した予定表に基づいて一営業日の業務を行う上で、訪問先に基づいて車両を駐車する駐車場の候補を示す情報を地図に重畳表示した画面を携帯端末600に表示する。
【0026】
駐車場登録部207は、訪問担当者が移動中その他の業務遂行中に発見した駐車場に関する情報を、後述する駐車場データベース211に登録する画面を携帯端末600に表示する。
【0027】
副業務決済部208は、本実施形態の一例における副業務、すなわち、既存顧客に対する飛び込み営業において、当該営業活動が成功すなわち商品の販売が成立した際の決済を行う画面を携帯端末600に表示する。
【0028】
車両移動先候補表示部209は、訪問担当者の現在位置に基づいて車両を移動させる際の移動先となる駐車場の候補を携帯端末600に表示する。前述のとおり、本実施形態の一例では一の車両を二人の訪問担当者で使用して顧客を訪問する。ここで一の訪問担当者が車両の駐車位置から離れた場所の顧客を訪問する等した場合に、他の訪問担当者が車両を移動させて、効率よく業務を遂行できるようにするものである。
【0029】
地図取得部210は、前述の予定地図作成部205、駐車場候補表示部206、駐車場登録部207、車両移動先候補表示部209において表示する地図を取得する。取得する地図は、例えば他の地図提供サービスから随時表示する範囲の地図を取得するようにしてもよいし、或いは、地図のデータベースを業務支援装置200に構築して、当該構築したデータベースから随時表示する範囲の地図を取得するようにしてもよい。また、地図の種類は周知の地図を選択してよいが、本実施形態の一例では住宅地図、すなわち、地図上の建物について当該建物の名称や居住者名等の情報を表示可能な地図を用いている。
【0030】
駐車場データベース211は、前述の駐車場候補部206における駐車場の候補、及び、車両移動先候補表示部209における移動先となる駐車場の候補のデータベースである。本実施形態の一例における駐車場データベース211は業務支援装置200に構築されたRDBMS((Relational Database Management System)を用いているが、データベースをどの様に構成するかは任意に選択してよい。
【0031】
顧客データベース300は、本実施形態の一例における主業務及び副業務において、顧客に関する情報を管理するデータベースである。顧客データベース300は周知のデータベース技術を用いて構成してよいが、本実施形態の一例では、サーバ用コンピュータ上にRDBMSを構築して、当該RDBMSを用いて顧客データベース300を構成している。
【0032】
商品データベース400は、本実施形態の一例における主業務及び副業務において、顧客に販売する商品に関する情報を管理するデータベースである。前述の顧客データベース300と同様に、本実施形態の一例における商品データベース400はサーバ用コンピュータ上に構築されたRDBMSを用いているが、周知のデータベース技術を用いてよい点についても顧客データベース300と同様である。
【0033】
注文データベース500は、本実施形態の一例における主業務及び副業務において、顧客からの商品の注文に関する情報を管理するデータベースである。前述の顧客データベース300及び商品データベース400と同様に、注文データベース500はサーバ用コンピュータ上に構築されたRDBMSを用いており、その他の周知のデータベース技術を用いて良い点も同様である。
【0034】
携帯端末600は、顧客に訪問する訪問担当者が用いる端末である。携帯端末600はスマートフォンやタブレット型コンピュータその他の周知の携帯端末を用いてもよく、或いは、携帯端末600として用いる専用の端末であってもよい。また、周知の携帯端末を用いる場合に、業務支援装置200との通信を行うためのアプリケーション・ソフトウェアをあらかじめインストールして、当該アプリケーション・ソフトウェアにより通信を行ってもよいし、或いは、携帯端末600が備えるWEBブラウザその他のソフトウェアを介して通信するようにしてもよい。
【0035】
ネットワーク700は、前述の業務支援装置200と、顧客データベース300と、商品データベース400と、注文データベース500と、住宅地図データベース600と、携帯端末600を通信可能に接続するコンピュータ・ネットワークである。ネットワーク700としては周知のコンピュータ・ネットワークを用いてよく、例えばインターネットのような広域ネットワークを用いてもよいし、或いは、インターネット上に構成したVPN(Virtual Private Network)を用いてもよい。
【0036】
なお、本実施形態の一例では、ネットワーク700に他の構成、すなわち、業務支援装置200と、顧客データベース300と、商品データベース400と、注文データベース500と、携帯端末600が接続される構成であるが、ネットワーク700に代えて、複数のコンピュータ・ネットワークを用いて各構成間の通信を行うようにしてもよい。例えば、業務支援装置200と携帯端末600はインターネットのような広域ネットワークを用いて通信し、一方で、業務支援装置200と、顧客データベース300、商品データベース400及び注文データベース500はVPNやLAN(Local Area Network)を用いて通信するようにしてもよい。また、本実施形態の一例における業務支援装置200と、顧客データベース300と、商品データベース400と、注文データベース500は、ネットワーク700で接続可能な場所に設置されたサーバ用コンピュータを用いて構成されているが、上記の全部または一部がクラウドサービスとして提供されるように構成してもよい。
【0037】
以上が、本実施形態の一例における業務支援システム100の構成である。次いで、本実施形態の一例における、予定表を作成する処理の流れについて説明する。なお、予定表作成処理、及び、後述する積荷表作成処理は、訪問担当者が営業を開始する際に業務支援装置200に作成を要求するようにしてもよいが、配送に用いる車両や配送担当者の数が多い場合には、例えば営業開始の所定時間前に一括して全ての車両分の予定表及び積荷表をバッチ処理により作成するようにしてもよい。
【0038】
図2は、本実施形態の一例における、予定表作成処理の流れを示すフロー図である。前述のように、本実施形態の一例では一営業日における予定表及び積荷表を作成する。
【0039】
予定表の作成において、先ず、業務支援装置200は、主業務予定取得部201による、主業務の予定の取得処理を行う(ステップS101)。ステップS101において、業務支援装置200の主業務予定取得部201が、一の車両が一営業日に商品の配送を行う注文を主業務予定として取得する。
【0040】
本実施形態の一例では、前述のように、顧客データベース300に顧客に関する情報が管理され、商品データベース400に商品に関する情報が管理され、注文データベース500に商品の受注に関する情報が管理されている。主業務予定取得部201は、顧客データベース300、商品データベース400、及び注文データベース500から、一の車両で一営業日に配送を完了できるように主業務予定を取得する。具体的な取得の方法は任意に選択してよいが、本実施形態の一例では、先ず、一営業日において最も早い時間に配送する注文を1件取得し、次いで、当該注文の配送を完了する見込み時刻以降で最も早い時間に配送する他の注文であって、当該他の注文の配送予定時刻までに移動が可能な他の注文を後続する主業務予定として取得する。一の配送先から他の配送先までが移動可能か否かは、地図取得部210から取得した地図情報を用いて算出し、上記取得を一営業日における業務時間が終了するまで繰り返すことで、一の車両の一営業日における主業務の予定を取得する。また、同一時間帯の配送を希望する顧客が二以上存在する場合等に、当該顧客に電子メールやSMS(Short Message Service)その他の通信手段を用いて配送時刻の変更を依頼して、当該依頼に応じた顧客に料金の割引その他の付加的なサービスを行うようにしてもよい。
【0041】
図3は、本実施形態の一例における、主業務の予定のデータ構成の例を示す図である。図3で示すように、本実施形態の一例における主業務の予定T100は、注文ID T101と、注文日T102と、配送予定T103と、顧客名T104と、住所T105と、連絡先電話番号T106と、商品T107と、数量T108の列を有し、各行が一の予定を示す表形式のデータ構成である。
【0042】
次いで、業務支援装置200は、副業務予定取得部202による、副業務の予定の取得処理を行う(ステップS102)。前述のステップS101では、主業務として受注された注文に基づく配送予定が取得されている。ステップS102では、一の主業務予定における配送予定時刻から、次の主業務予定における配送予定時刻までの間に実行可能な副業務の予定を取得する。本実施形態の一例における副業務は前述したように既存の顧客に対する飛び込み営業であり、注文データベース500に格納された過去の注文履歴に基づいて、上記配送予定時刻間に経由が可能であり、かつ、商品の販売が見込める顧客が存在する場合に、当該顧客に対し当該商品を勧める飛び込み営業を副業務の予定として取得する。上記取得処理を各主業務の予定毎に行うことで、各主業務の予定同士の間に実行可能な副業務の予定を取得する。販売の見込みをどのように判断するかは任意に選択してよく、例えば、定期的に購入している商品がある顧客であって、当該購入の間隔に近い時間が経過している顧客が存在する場合には、当該顧客に対して定期購入品の販売が見込めるものと判断するようにしてよい。販売の見込みは、例えばヒット率のように数値として算出してよく、また、副業務の予定を取得した場合に、当該副業務を行う顧客に対して当該営業日に訪問したい旨等を電子メールやSMSを用いて事前に通知するようにしてもよい。
【0043】
主業務の予定、及び、副業務の予定の取得が完了すると、業務支援装置200は予定表作成部203により予定表の作成を行う(ステップS103)。本実施形態の一例における予定表は、主業務及び副業務の予定を統合した表である。
【0044】
図4は、本実施形態の一例における、予定表のデータ構成の例を示す図である。図4で示すように、本実施形態の一例における予定表T200は、予定時刻T201と、業務種別T202と、顧客名T203と、住所T204と、連絡先電話番号T205と、商品T206と、数量T207の列を有し、各行が一の予定を示す表形式のデータ構成である。なお、予定時刻T201は前述の主業務の予定T100における配達予定T103に対応する情報であり、また、業務種別T202は、各行により表された予定が主業務と副業務のいずれかを示す情報である。なお、副業務は二以上の業務から構成される場合には、業務種別T202は、主業務又は当該二以上の副業務のいずれかを示す情報であってよい。
【0045】
次いで、業務支援装置200は、積荷表作成部204により、前述のステップS103で作成した予定表に基づいて、当該予定表により業務を行う車両に積載する積荷の一覧を示す積荷表を作成する(ステップS104)。積荷表は、前述の予定表における商品を商品毎に積載数とともに示す表である。
【0046】
以上が、本実施形態の一例における、予定表及び積荷表の作成処理の流れである。作成された予定表及び積荷表は、配送担当者が携帯端末600を操作して業務支援装置200に要求することにより、携帯端末600に表示される。本実施形態の一例では、予定表に含まれる予定が、主業務の予定と、主業務の予定の間に実行可能な副業務の予定により構成されているので、地図取得部210から取得した地図情報を活用して主業務の予定の間の空き時間を副業務を実行する時間とすることで、使用して効率よく業務を遂行することができる。
【0047】
なお、本実施形態の一例では、前述の通り、一の車両における一営業日の予定表及び積荷表を作成するが、予定表と積荷表を作成する単位は任意に選択してよく、例えば、一の車両を一の配送担当者で使用する場合には、車両ごとではなく配送担当者ごとに予定表及び積荷表を作成するようにしてもよい。
【0048】
次いで、本実施形態の一例における画面の構成について説明する。図5は、本実施形態の一例における、メニュー画面W1の構成を示す図である。メニュー画面W1は、本実施形態の一例において、携帯端末600の表示装置に最初に表示される画面であり、当該メニュー画面W1に表示されるボタンを選択することにより、後述する各画面に遷移することができる。図5で示すように、本実施形態の一例におけるメニュー画面W1は、予定地図ボタンW11と、駐車場候補ボタンW12と、駐車場登録ボタンW13と、車両移動候補ボタンW14を備えている。
【0049】
図6は、本実施形態の一例における予定地図画面W2の構成を示す図である。メニュー画面W1において、予定地図ボタンW11が選択されると、業務支援装置200の予定地図表示部205により携帯端末600の表示装置に予定地図画面W2が表示される。予定地図画面W2は、前述の予定表と、当該予定表に含まれる主業務及び副業務の予定のそれぞれの訪問先を地図により表示する画面であり、図6で示すように、予定一覧領域W21と、地図領域W22を備えている。
【0050】
予定一覧領域W21は、前述の予定表作成部23により作成された予定表を表示する領域である。予定領域W21は、予定日時W21aと、顧客名W21bと、住所W21cからなる予定W21dを、予定日時W21aの昇順に表示する領域である。なお、一の予定W21dは予定表T200の各行に対応する情報である。
【0051】
地図領域W22は、予定一覧領域W21に表示された住所W21cを含む範囲の地図を表示する領域である。本実施形態の一例における地図領域W22は、地図W22aに、主業務の予定における訪問先W22bと、副業務の予定における訪問先W22cが重畳表示されている。
【0052】
主業務の予定における訪問先W22bと、副業務の予定における訪問先W22cは、それぞれ、主業務及び副業務の予定表に含まれる訪問先を示す表示である。前述のとおり、本実施形態の一例では予定表T200の各行で示される予定のそれぞれについて顧客名T203と住所T204が含まれており、住所T204で示される住居を示す建屋その他の区画が、主業務又は副業務のいずれかを示す色又は網掛けされることにより地図に重畳表示される。
【0053】
本実施形態の一例では、前述の予定表作成部203により作成した予定表を、予定表示画面W2の予定一覧領域W21に一覧表示することにくわえて、地図領域W22に地図W22aと重畳表示することにより、訪問先の地理的な位置を視覚的に理解することができる。
【0054】
図7は、本実施形態の一例における駐車場候補画面W3の構成を示す図である。メニュー画面W1において、駐車場候補ボタンW12が選択されると、業務支援装置200の駐車場候補表示部206により携帯端末600の表示装置に駐車場候補画面W3が表示される。駐車場候補画面W3は、前述の予定表に基づいて顧客を訪問する際に車両を駐車する駐車場の候補を表示する画面であり、図7で示すように、駐車場一覧領域W31と、地図領域W32を備えている。
【0055】
駐車場一覧領域W31は、地図領域W32に表示される地図上に存在する駐車場の候補を一覧表示する領域であり、各駐車場W31aごとに、駐車場名W31b及び住所W31cが表示される。駐車場W31aは、後述する地図領域W32の駐車場候補W32dに対応する情報であり、一の駐車場W31aを選択すると、対応する駐車場候補W32dが選択されていることを色又は網掛けにより強調表示される。
【0056】
地図領域W32は、地図W32aに、主業務の予定における訪問先W32bと、副業務の予定における訪問先W32cと、駐車場候補W32dが重畳表示されている。訪問先W32b、W32cは前述の予定表示画面W2と同様に、予定表作成部203により作成された予定表における各予定の訪問先を示す表示であり、駐車場候補W32dは、駐車場データベース211に格納された駐車場に関する情報を駐車場候補表示部206が検索し、表示する情報である。なお、駐車場候補W32dの各々は、前述の駐車場一覧領域W31の駐車場W31aに対応する情報であり、住宅地図W32aにおける一の駐車場候補W32dを選択すると、対応する駐車場W31aが反転表示され、当該駐車場W31aが選択されていることが表示される。
【0057】
図8は、本実施形態の一例における駐車場登録画面W4の構成を示す図である。メニュー画面W1において、駐車場登録ボタンW13が選択されると、業務支援装置200の駐車場登録部207により携帯端末600の表示装置に駐車場登録画面W4が表示される。駐車場登録画面W4は、前述の駐車場データベース211に駐車場を登録する画面であり、図8で示すように、駐車場情報入力領域W41と、地図領域W42を備えている。
【0058】
駐車場情報入力領域W41は、登録する駐車場に関する情報を入力するフォームが表示される領域であり、住所W41aと、駐車場名入力フォームW41bと、管理会社入力フォームW41cと、管理会社電話番号入力フォームW41dと、駐車可能チェックボックスW41eと、移動販売可能チェックボックスW41fと、注意事項入力フォームW41gと、登録ボタンW41hが表示されている。後述する地図領域W42の地図W42aの任意の位置を選択すると、当該選択した位置に対応する住所が住所W41aに表示され、当該住所W41aについて入力フォームW41b~W41gの各々に情報を入力又は選択して登録ボタンW41hを押下すると、業務管理装置200の駐車場登録部207により、上記住所及び入力又は選択した情報に基づく駐車場情報が駐車場データベース211に登録される。駐車場データベース211に登録した駐車場情報は、前述の駐車場候補画面W3において駐車場の候補として表示される。
【0059】
地図領域W42は、地図W42aに、主業務の予定における訪問先W42bと、副業務の予定における訪問先W42cと、登録済駐車場W42dが重畳表示されている。訪問先W42b、W42cは前述の予定表示画面W2と同様に、予定表作成部203により作成された予定表における各予定の訪問先を示す表示であり、登録済駐車場W42dは、駐車場データベース211に格納された駐車場に関する情報を駐車場候補表示部206が検索し、表示する情報である。地図領域W42における地図W42aの任意の位置を選択すると、当該選択した位置に対応する住所が前述の住所W41aに表示される。本実施形態の一例では、駐車場候補画面W3により、訪問する顧客の近辺に存在する駐車場を探すことができるので、訪問先周辺に到着してから駐車場を探す等を省いて効率よく業務を遂行することができる。また、移動中に駐車場として使用できる場所が発見されれば、駐車場登録画面W4により随時駐車場を登録することができるので、次回の訪問や、他の担当者による訪問時により効率よく業務を遂行することができる。
【0060】
図9は、本実施形態の一例における副業務決済画面W5の構成を示す図である。前述の予定表示画面W2には、予定一覧領域W21及び地図領域W22に副業務の予定が表示されており、当該副業務予定を予定一覧領域W21又は地図領域W22から選択すると、業務支援装置200の副業務決済部208により携帯端末600の表示装置に副業務決済画面W5が表示される。図9で示すように、副業務決済画面W5は、副業務予定一覧領域W51と、決済情報領域W52を備えている。
【0061】
副業務予定一覧領域W51は、前述の予定表に含まれる主業務及び副業務の予定から、副業務の予定を抽出して一覧表示する領域であり、各副業務の予定W51aとして、顧客氏名W51bと、住所W51cと、商品W51dが表示されている。
【0062】
決済情報領域W52は、本実施形態の一例における副業務、すなわち、既存の顧客に対する飛び込み営業により商品の注文を受けた場合に、当該注文の決済に関する情報が表示される。決済情報領域W52は、顧客情報W52aと、商品情報W52bと、支払情報W52cと、確定ボタンW52dが表示されており、当該表示された内容の注文が成立した場合に確定ボタンW52dを押下すると、業務支援装置200の副業務決済部208により、注文データベース500に上記内容に基づいて注文を示す情報を登録する。
【0063】
本実施形態の一例では既存の顧客に対する飛び込み営業を副業務としており、前述の予定表作成部203は当該副業務の予定を含めた予定表を作成するが、前述のとおり、副業務としてはこれに限られず、また、複数の業務を副業務としてもよい。例えば、あらかじめ予定表として含まれた顧客に対する飛び込み営業が失敗した場合に、当該顧客に対して販売する見込みの商品を、予定表に含まれなかった他の顧客に対して販売するようにしてもよい。この場合に、他の顧客は既存の顧客であっても、新規の顧客であってもよく、新規の顧客に対する飛び込み営業を行う際に、当該新規顧客を顧客データベース300に登録する画面を設けるようにしてもよい。また、予定表に含まれない顧客に対して飛び込み営業を行うために、携帯端末600を中心として住宅地図上に、過去の販売履歴に基づいて、飛び込み営業の見込み顧客及び商品を表示する画面を設けるようにしてもよい。この場合、前述の副業務予定取得部202が副業務の予定を取得する条件を変更し、携帯端末600を中心として所定の距離又は移動時間の範囲における既存顧客について、当該顧客に対して販売が見込める商品を過去の注文履歴から取得してあらかじめ車両に積載し、任意の駐車場で移動販売を行うことを副業務の候補とするようにしてよい。
【0064】
図10は、本実施形態の一例における車両移動先候補画面W6の構成を示す図である。メニュー画面W1において、車両移動先候補ボタンW14が選択されると、業務支援装置200の車両移動先候補表示部209により携帯端末600の表示装置に車両移動先候補画面W6が表示される。前述のとおり、本実施形態の一例では、一の車両の二人の訪問担当者が用いて各顧客を訪問する。車両移動先候補画面W6は、一の訪問担当者が車両から離れた場合に、他の訪問担当者が車両を移動させる候補を表示する画面であり、図10で示すように、移動先候補領域W61と、地図領域W62を備えている。
【0065】
移動先候補領域W61は、車両の移動先の候補となる駐車場を一覧表示する領域であり、駐車場名W61aと、住所W61bからなる移動先候補W61cが一覧表示される。移動先候補W61cは、業務支援装置200の駐車場移動先候補表示部209により、駐車場データベース211から取得される。また、一の移動先候補W61cを選択した場合には、後述する地図領域W62の対応する駐車場W62cが選択されていることを色又は網掛けにより強調表示される。
【0066】
地図領域W62は、住宅地図W62aに、主業務の予定における訪問先W62bと、副業務の予定における訪問先W62cと、駐車場W62dと、一の訪問担当者の位置W62eと、他の訪問担当者の位置W62fが重畳表示されている。訪問先W62b、W62cは前述の予定表示画面W2と同様に、予定表作成部203により作成された予定表における各予定の訪問先を示す表示であり、駐車場W62dは、駐車場データベース211に格納された駐車場に関する情報を車両移動先候補表示部209が検索して表示する情報である。また、位置W62e、W62fは、車両を用いて業務を行う二人の訪問担当者がそれぞれ所持する携帯端末600の位置であり、当該携帯端末600のGPSその他の位置取得装置により取得した位置である。なお、駐車場W62dの各々は、前述の移動先候補領域W61の移動先候補W61aに対応する情報であり、地図W62aにおける一の駐車場W62dを選択すると、対応する駐車場W61cが反転表示され、当該駐車場W61cが選択されていることが表示される。
【0067】
前述のとおり、本実施形態の一例では一の車両を二人の訪問担当者が使用して顧客を訪問するが、駐車場から遠い場所の顧客を訪問する場合には、一方の訪問担当者が移動した場所に応じて車両を移動させることで、訪問担当者の移動の負担を軽減することができ、効率よく業務を遂行することができる。
【0068】
本実施形態の一例の説明は以上である。なお、本発明の実施形態は上記に限られない。例えば、本実施形態の一例において、主業務及び副業務の予定は、顧客データベース300、商品データベース400及び注文データベース500から取得しているが、上記各データベースに代えて、主業務及び/又は副業務の情報を管理する他の情報システムから必要な情報を取得するようにしてもよい。また、本実施形態の一例では主業務及び副業務のいずれも商品を顧客に受け渡す業務であるが、例えば前述の例のように自動車の訪問営業のような業務の場合には、商品に代えて提案に用いる資料をもって積荷としてよい。
【0069】
また、本実施形態の一例では、車両移動先候補画面W6において車両の移動先候補となる駐車場を表示する構成としているが、例えば車両として自立走行可能な車両を用いる場合には、訪問担当者が所持する携帯端末600からの指示により、当該車両を自立走行させて移動先の駐車場に移動させるようにしてもよい。また、本実施形態の一例では、業務の開始前、又は開始時点において予定表及び積荷表を作成するが、さらに、業務中に予定表に実行可能な主業務の予定を追加することにより予定表を更新する予定表更新部を備えるようにしてもよい。この場合に、予定表の更新は昼休み時間その他の所定のタイミングで予定表を更新するようにしてよく、また、予定表を作成したタイミングから更新するまでに受注した注文の予定時間に、副業務の予定が既にある場合に、当該副業務の予定を削除して、代わりに主業務の予定とするようにしてもよい。また、前述のように、副業務として移動販売を行う場合に、当該移動販売を行う目的で車両に積載した商品を追加する業務における商品として扱うようにしてもよい。本実施形態の一例では主業務は受注した商品の配送業務であり、副業務は、主業務における配送先付近の既存顧客に対する飛び込み営業業務であるが、さらに、副業務として移動販売を一営業日の予定に追加することにより、車両に当該移動販売のための商品を積載することになるので、予定の変更等に対応しやすくなり、より効率よく業務を遂行することができる。
【0070】
その他の具体的な構成も本実施形態の一例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
100 業務支援システム
200 業務支援装置
201 主業務予定取得部
202 副業務予定取得部
203 予定表作成部
204 積荷表作成部
205 予定地図作成部
206 駐車場候補表示部
207 駐車場登録部
208 副業務決済部
209 車両移動先候補表示部
210 地図取得部
211 駐車場データベース
300 顧客データベース
400 商品データベース
500 注文データベース
600 携帯端末
700 ネットワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10