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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094094
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20230101AFI20230628BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20230628BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20230628BHJP
【FI】
G06Q10/08
G06Q50/30
G06Q30/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209357
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】518388498
【氏名又は名称】株式会社MaaS Tech Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】日高 洋祐
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049BB07
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】貨客混載で相乗りを実現する際に、移動及び配送に必要なコストを低減する。
【解決手段】プログラムが、コンピュータを、ユーザが出発地から目的地まで所定の時間条件で移動するための移動要求と、荷物を出発地から目的地まで所定の時間条件で配送するための配送要求と、を受け付ける受付手段32、配送要求に基づき、荷物の到着日時として前記荷物の配送先又は配送元のユーザが許容可能な範囲を示す許容日時を取得する取得手段34、複数の種類の車両から選択される少なくとも一の車両の運行経路であって、移動要求と配送要求とを満たす運行経路を、配送要求についての時間条件として許容日時を用いて算出する算出手段36、算出手段36により算出された運行経路を出力する出力手段38、として機能させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザが出発地から目的地まで所定の時間条件で移動するための移動要求と、荷物を出発地から目的地まで所定の時間条件で配送するための配送要求と、を受け付ける受付手段、
前記配送要求に基づき、前記荷物の到着日時として前記荷物の配送先又は配送元のユーザが許容可能な範囲を示す許容日時を取得する取得手段、
複数の種類の車両から選択される少なくとも一の車両の運行経路であって、前記移動要求と前記配送要求とを満たす運行経路を、前記配送要求についての時間条件として前記許容日時を用いて算出する算出手段、
前記算出手段により算出された運行経路を出力する出力手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記取得手段は、前記配送要求に基づく到着予定日時よりも所定範囲遅い日時を前記許容日時として取得する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記算出手段は、前記移動要求と前記配送要求とを満たすために必要な前記車両の台数、及び、当該車両毎の運行経路を、前記配送要求についての時間条件として前記許容日時を用いて算出し、
前記出力手段は、前記算出手段により算出された前記台数及び前記車両毎の運行経路を出力する、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記受付手段は、前記車両の積載量を含む車両情報を受け付け、
前記算出手段は、前記移動要求と前記配送要求とを満たす運行経路を算出するための制約条件として、前記車両情報を用いる、
請求項1~3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記受付手段は、複数の交通手段の接続が行われる交通結節点として機能するハブの位置を含むハブ情報を受け付け、
前記算出手段は、前記移動要求と前記配送要求とを満たす運行経路を算出する際の制約条件として、前記ハブ情報を用いる、
請求項1~4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記許容日時に対して前記荷物の配送先又は配送元のユーザの承認が有る場合に、前記配送要求についての時間条件として当該許容日時を用いて算出された運行経路で荷物の配送を実行させる実行手段として更に機能させる、
請求項1~5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、
前記許容日時に対して前記荷物の配送先又は配送元のユーザの承認が有る場合に、前記実行手段による荷物の配送の実行に伴うインセンティブを当該ユーザに付与する付与手段として更に機能させる、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記出力手段は、前記運行経路とともに前記許容日時を出力する、
請求項1~7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記算出手段は、前記車両の利用可能状況に基づき、複数の種類の車両のうちの少なくとも一の種類の車両を選択し、選択した車両の前記運行経路を算出する、
請求項1~8の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
ユーザが出発地から目的地まで所定の時間条件で移動するための移動要求と、荷物を出発地から目的地まで所定の時間条件で配送するための配送要求と、を受け付ける受付手段と、
前記配送要求に基づき、前記荷物の到着日時として前記荷物の配送先又は配送元のユーザが許容可能な範囲を示す許容日時を取得する取得手段と、
複数の種類の車両から選択される少なくとも一の車両の運行経路であって、前記移動要求と前記配送要求とを満たす運行経路を、前記配送要求についての時間条件として前記許容日時を用いて算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された運行経路を出力する出力手段と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷物の配送が増えている問題や、地域によって市内バスや市内タクシー等のドライバが不足している問題等がある。これらの問題を解決するため、複数の利用者によって一つ以上の車両を共同で利用する相乗りを支援することで、車両を効率的に稼働させようとする技術が知られている。例えば下記特許文献1には、当該技術として、利用者からの利用リクエストに含まれる利用条件に基づいて、配車可能な車両を検索し、車両の運行スケジュールを決定する技術が開示されている。また、当該特許文献1には、相乗りに利用される車両は、ユーザの移動と荷物の配送とを一緒に行う貨客混載の車両であってもよいことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-61190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記特許文献1に開示されたような相乗りを貨客混載で実現するためには、ユーザの移動要求と荷物の配送要求とを満たす運行経路を算出する必要がある。しかしながら、これらの両方を満たそうとすると、必要な車両台数が多くなったり車両の稼働時間が多くなったりと、移動及び配送にコストがかかってしまうという問題がある。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、貨客混載で相乗りを実現する際に、移動及び配送に必要なコストを低減することができるプログラム及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザが出発地から目的地まで所定の時間条件で移動するための移動要求と、荷物を出発地から目的地まで所定の時間条件で配送するための配送要求と、を受け付ける受付手段、前記配送要求に基づき、前記荷物の到着日時として前記荷物の配送先又は配送元のユーザが許容可能な範囲を示す許容日時を取得する取得手段、複数の種類の車両から選択される少なくとも一の車両の運行経路であって、前記移動要求と前記配送要求とを満たす運行経路を、前記配送要求についての時間条件として前記許容日時を用いて算出する算出手段、前記算出手段により算出された運行経路を出力する出力手段、として機能させる。
【0007】
本発明の第二態様に係るプログラムでは、前記取得手段は、前記配送要求に基づく到着予定日時よりも所定範囲遅い日時を前記許容日時として取得する。
【0008】
本発明の第三態様に係るプログラムでは、前記算出手段は、前記移動要求と前記配送要求とを満たすために必要な前記車両の台数、及び、当該車両毎の運行経路を、前記配送要求についての時間条件として前記許容日時を用いて算出し、前記出力手段は、前記算出手段により算出された前記台数及び前記車両毎の運行経路を出力する。
【0009】
本発明の第四態様に係るプログラムでは、前記受付手段は、前記車両の積載量を含む車両情報を受け付け、前記算出手段は、前記移動要求と前記配送要求とを満たす運行経路を算出するための制約条件として、前記車両情報を用いる。
【0010】
本発明の第五態様に係るプログラムでは、前記受付手段は、複数の交通手段の接続が行われる交通結節点として機能するハブの位置を含むハブ情報を受け付け、前記算出手段は、前記移動要求と前記配送要求とを満たす運行経路を算出する際の制約条件として、前記ハブ情報を用いる。
【0011】
本発明の第六態様に係るプログラムは、前記コンピュータを、前記許容日時に対して前記荷物の配送先又は配送元のユーザの承認が有る場合に、前記配送要求についての時間条件として当該許容日時を用いて算出された運行経路で荷物の配送を実行させる実行手段として更に機能させる。
【0012】
本発明の第七態様に係るプログラムは、前記コンピュータを、前記許容日時に対して前記荷物の配送先又は配送元のユーザの承認が有る場合に、前記実行手段による荷物の配送の実行に伴うインセンティブを当該ユーザに付与する付与手段として更に機能させる。
【0013】
本発明の第八態様に係るプログラムでは、前記出力手段は、前記運行経路とともに前記許容日時を出力する。
【0014】
本発明の第九態様に係るプログラムでは、前記算出手段は、前記車両の利用可能状況に基づき、複数の種類の車両のうちの少なくとも一の種類の車両を選択し、選択した車両の前記運行経路を算出する。
【0015】
本発明の第十態様に係る情報処理装置は、ユーザが出発地から目的地まで所定の時間条件で移動するための移動要求と、荷物を出発地から目的地まで所定の時間条件で配送するための配送要求と、を受け付ける受付手段と、前記配送要求に基づき、前記荷物の到着日時として前記荷物の配送先又は配送元のユーザが許容可能な範囲を示す許容日時を取得する取得手段と、複数の種類の車両から選択される少なくとも一の車両の運行経路であって、前記移動要求と前記配送要求とを満たす運行経路を、前記配送要求についての時間条件として前記許容日時を用いて算出する算出手段と、前記算出手段により算出された運行経路を出力する出力手段と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、貨客混載で相乗りを実現する際に、移動及び配送に必要なコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る相乗り管理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】相乗り管理システムの機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4A】記憶手段が記憶する移動情報の構成例を示す図である。
図4B】記憶手段が記憶する配送情報の構成例を示す図である。
図4C】記憶手段が記憶する車両情報の構成例を示す図である。
図4D】記憶手段が記憶するハブ情報の構成例を示す図である。
図5】出力手段により出力される運行経路の構成例を示す図である。
図6】本実施形態に係る相乗り管理システムにおいて、図3に示す各機能的構成が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】端末装置に表示される配送要求の入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態について詳細に説明する。説明の理解を容易するため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0019】
本発明の一実施形態(以下、「本実施形態」と称する。)に係る相乗り管理システムは、人の移動と荷物の配送とを一緒に行う貨客混載の交通形態において適用され、人の移動を主目的とするモビリティサービスと、荷物の配送を主目的とする物流サービスとを集約して管理し、これらのサービス全体としての移動及び配送の最適化を行う。本実施形態に係る相乗り管理システムは、人の移動要求(移動ニーズ)と荷物の配送要求(配送ニーズ)とを満たす運行経路を算出して出力する。この運行経路は、複数の種類の車両から選択される少なくとも一の車両の運行経路である。
【0020】
ここで、複数の種類の車両とは、公共交通機関としての車両と、公共交通機関以外の車両である産業用車両と、を含む。公共交通機関としては、例えば、市内タクシー、乗り合いタクシー、観光周遊バス、路線バス等が挙げられる。これに対し、産業用車両としては、商業施設シャトルバス、通勤送迎バス、市有車、旅館送迎バス、福祉事業車両、貨物自動車、配送車両等が挙げられる。なお、公共交通機関と産業用車両との区別は上記に挙げた例に限定されず、例えばタクシー等は公共交通機関に含まず産業用車両に含まれるとしてもよい。本実施形態に係る相乗り管理システムは、一の種類の車両の運行経路を単に最適化するのではなく、これらの複数の種類の車両についてリソースの過不足を相互に補い合うように、運行経路の最適化を行う。
【0021】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係る相乗り管理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、相乗り管理システム1は、サーバ装置10と、一又は複数の端末装置12と、を備える。これらの装置は、インターネットや電話回線等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能となっている。
【0023】
サーバ装置10は、貨客混載における人や荷物の相乗りを最適化する運行経路を算出及び出力するために、各種の処理や制御を行う情報処理装置(コンピュータ)である。サーバ装置10は、運行経路を算出及び出力するためのプログラムを実行して得られる実行結果、又はプログラムそのものを、通信ネットワークNTを介して端末装置12に提供する。
【0024】
サーバ装置10は、所定の入力情報や運行経路の提案要求等を、端末装置12から受け付ける。また、サーバ装置10は、提案要求に応じて、入力情報に基づき算出した運行経路等を端末装置12に送信し、端末装置12を介してユーザに提案する。
【0025】
端末装置12は、ユーザが操作する通信端末装置である。このユーザとしては、移動要求や配送要求の主体者、移動要求と配送要求とを満たす運行経路を管理する管理者、所定の運行経路での運行を実施する事業者等、様々な対象者が挙げられる。
【0026】
端末装置12は、ユーザから所定の入力情報や提案要求を受け付けると、当該入力情報や提案要求をサーバ装置10に送信する。また、端末装置12は、サーバ装置10から送信された運行経路等の情報を出力してユーザに提案する。端末装置12としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、又はパーソナルコンピュータ等が挙げられる。なお、入力情報を受け付ける端末装置12と提案要求を受け付ける端末装置12とは、別であってもよい。
【0027】
<ハードウェア構成>
【0028】
図2は、図1に示すサーバ装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。
【0029】
制御装置20は、CPU22及びメモリ24を主に備えて構成される。CPU22は、サーバ装置10の各種構成を制御する。メモリ24は、例えばサーバ装置10における処理の実行に必要な各種プログラム等を記憶する。
【0030】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置26は、例えば、端末装置12等との間で各種の情報を送受信する。
【0031】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。記憶装置28は、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0032】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータ等の情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置により構成されても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置により構成されてもよい。また、図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、一般的なサーバが備える他の構成を備えてもよい。なお、端末装置12のハードウェア構成は、例えば操作手段や表示装置を備える他は、サーバ装置10と同様の構成を備えてもよい。
【0033】
<機能的構成>
図3は、相乗り管理システム1の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
図3に示すように、相乗り管理システム1におけるサーバ装置10は、機能的構成として、記憶手段30と、受付手段32と、取得手段34と、算出手段36と、出力手段38と、判定手段40と、実行手段42と、付与手段44と、を備える。これらの各機能的構成は、図2に示すCPU22の制御のもとで、メモリ24又は記憶装置28に記憶されたプログラムを実行し、サーバ装置10が備える上記各種構成を動作させることで実現される。なお、これらの機能構成のうち全部又は一部は、端末装置12が備えてもよい。
【0035】
記憶手段30は、受付手段32により受け付けた入力情報を記憶する機能手段である。記憶手段30は、例えば、移動情報、荷物情報、車両情報、及びハブ情報を記憶する。
【0036】
移動情報とは、ユーザが出発地から目的地まで所定の時間条件で移動するための移動要求として、受付手段32により受け付けた情報を示す。配送情報とは、荷物を出発地から目的地まで所定の時間条件で配送するための配送要求として、受付手段32により受け付けた情報を示す。車両情報とは、算出手段36により運行経路を算出するための制約条件として受付手段32により受け付けた車両に関する情報を示す。ハブ情報とは、算出手段36により運行経路を算出するための制約条件として受付手段32により受け付けたハブに関する情報を示す。
【0037】
ここで、ハブとは、同種又は異種の複数の交通手段の接続が行われる交通結節点として機能する拠点を意味する。当該交通手段は、徒歩も含む。また、ハブは、駅、バス停留所、空港、モビリティハブ、又はドローンハブ等といった交通結節点として予め設置されたものに限らず、例えばコンビニエンスストア等の他の機能を有する拠点であって、交通結節点としての機能も有するように設定されたものも含む。モビリティハブとは、カーシェアリング、自転車シェアリング、又はオンデマンド交通等の乗り合い拠点であって、複数の交通サービスを集約させて利便性の向上を図るものである。モビリティハブは、電気自動車等の充電施設、荷物受取所としての宅配ボックス等を含んでもよい。ドローンハブとは、ドローンの積み荷拠点である。なお、ドローンハブは、モビリティハブに含まれてもよい。
【0038】
図4Aは、記憶手段30が記憶する移動情報30Aの構成例を示す図である。図4Aに示すように、移動情報30Aは、例えば、ユーザ毎に、名前、出発地、目的地、出発日時、到着日時、及び人数が、互いに対応付けられた情報である。
【0039】
移動情報30Aにおける名前は、移動を要求するユーザを識別するための氏名やユーザIDである。また、移動情報30Aにおける出発地及び目的地は、それぞれ、ユーザが所望する移動開始の位置及び移動完了の位置であって、例えば緯度及び経度で示される。なお、当該各位置は、住所、地名、場所等によって示されてもよい。また、移動情報30Aにおける出発日時及び到着日時は、それぞれ、ユーザが所望する移動開始の日時及び移動完了の日時であって、例えば日付及び時刻で示される。また、移動情報30Aにおける人数は、同じ出発地、目的地、出発日時、及び到着日時での移動を要求するユーザの人数である。当該人数は、移動情報30Aにおける名前が示すユーザだけでなく、当該ユーザと同じ出発地、目的地、出発日時、及び到着日時での移動を要求する別のユーザの人数を含んでもよい。
【0040】
図4Bは、記憶手段30が記憶する配送情報30Bの構成例を示す図である。図4Bに示すように、配送情報30Bは、例えば、荷物毎に、名前、出発地、目的地、出発日時、到着日時、及び容量が、互いに対応付けられた情報である。
【0041】
配送情報30Bにおける名前は、配送を要求する荷物を識別するための名称又は荷物IDである。また、配送情報30Bにおける出発地及び目的地は、それぞれ、荷物の送り主又は送り先が所望する配送開始の位置及び配送完了の位置であって、例えば緯度及び経度で示される。なお、当該各位置は、住所、地名、場所等によって示されてもよい。また、配送情報30Bにおける出発日時及び到着日時は、それぞれ、荷物の送り主又は送り先が所望する配送開始の日時及び配送完了の日時であって、例えば日付及び時刻で示される。また、配送情報30Bにおける容量は、同じ出発地、目的地、出発日時、及び到着日時での配送を要求する荷物の個数、容積、重量数等である。当該容量は、配送情報30Bにおける名前が示す荷物だけでなく、当該荷物と同じ出発地、目的地、出発日時、及び到着日時での配送を要求する別の荷物の容量を含んでもよい。
【0042】
図4Cは、記憶手段30が記憶する車両情報30Cの構成例を示す図である。図4Cに示すように、車両情報30Cは、例えば、車両毎に、名前、積載量(人)、及び積載量(荷物)が、互いに対応付けられた情報である。
【0043】
車両情報30Cにおける名前は、車両を識別する名称や車両IDである。また、車両情報30Cにおける積載量(人)は、車両に載せることが可能な人の最大容量であり、体重や人数等で示される。また、車両情報30Cにおける積載量(荷物)は、車両に載せることが可能な荷物の最大容量であり、重量、容積、個数等で示される。
【0044】
図4Dは、記憶手段30が記憶するハブ情報30Dの構成例を示す図である。図4Dに示すように、ハブ情報30Dは、ハブ毎に、名前、緯度、及び経度が、互いに対応付けられた情報である。
【0045】
ハブ情報30Dにおける名前は、ハブを識別するための名称やハブIDである。また、ハブ情報30Dにおける緯度及び経度は、ハブの位置を示す情報である。
【0046】
図3に戻り、受付手段32は、端末装置12におけるユーザの操作等によって、端末装置12から所定の入力情報を受け付ける。入力情報は、貨客混載の交通形態における最適な運行経路を算出するために必要な情報であって、例えば、移動要求、配送要求、車両情報、及びハブ情報を少なくとも含む。受け付けられた各情報は、記憶手段30によって記憶されてもよく、記憶されることなく取得手段34に直接出力されてもよい。
【0047】
例えば、受付手段32は、移動を要求するユーザ毎に、ユーザが出発地から目的地まで所定の時間条件で移動するための移動要求を受け付ける。移動要求は、例えば、移動を要求するユーザ本人の端末装置12から受け付けられる。移動要求は、例えば、出発地、目的地、出発日時、到着日時、及び人数を含む。なお、移動要求は、これらの情報を必ずしも全て含んでいなくてもよい。例えば、受付手段32は、ユーザが出発地から任意の場所へ移動する移動要求として、出発地のみを含む移動要求を受け付けてもよく、出発地と出発日時を含む移動要求を受け付けてもよい。また、受付手段32は、ユーザが任意の場所から目的地へ移動する移動要求として、目的地のみを含む移動要求を受け付けてもよく、目的地と到着日時を含む移動要求を受け付けてもよい。
【0048】
また、受付手段32は、配送を要求する荷物毎に、荷物を出発地から目的地まで所定の時間条件で配送するための配送要求を受け付ける。配送要求は、例えば、配送を要求する荷物の送り主又は送り先のユーザの端末装置12から受け付けられる。配送要求は、例えば、出発地、目的地、出発日時、到着日時、及び容量を含む。なお、配送要求は、これらの情報を必ずしも全て含んでいなくてもよい。例えば、受付手段32は、出発地から任意の場所へ荷物を配送する配送要求として、出発地のみを含む配送要求を受け付けてもよく、出発地と出発日時を含む配送要求を受け付けてもよい。また、受付手段32は、任意の場所から目的地へ荷物を配送する配送要求として、目的地のみを含む配送要求を受け付けてもよく、目的地と到着日時を含む配送要求を受け付けてもよい。
【0049】
また、配送要求は、到着日時に加えて又は代えて、許容日時を含んでもよい。許容日時とは、荷物の到着日時として荷物の配送先又は配送元のユーザが許容可能な範囲を示す日時である。許容日時とは、荷物の配送要求に基づき本来予定される到着日時よりも当該ユーザの許容範囲内で遅らせるための情報である。すなわち、許容日時は、貨客混載での相乗りを考慮せず単に荷物の配送要求だけを満たそうとした場合に決まる荷物の到着予定日時とは異なり、人の移動と一緒に荷物を配送しようとした場合に、当該到着予定日時よりもどの程度遅らせることを許容できるかを示す。許容日時は、例えば、配送要求に基づく到着予定日時よりも所定範囲遅い日時を示す。配送要求に基づく到着予定日時とは、配送要求に含まれる到着日時すなわち荷物の配送先又は配送元のユーザにより指定された当該ユーザ所望の到着予定日時であってもよいし、荷物の発送予約日や発送日等に基づき管理者により設定された到着予定日時であってもよい。なお、許容日時は、ある一点の日付及び時刻であってもよいし、所定の幅を有する期間であってもよい。なお、配送要求に許容日時が含まれる場合、記憶手段30は、当該許容日時を配送情報30Bに含めて記憶してもよい。
【0050】
また、受付手段32は、車両毎に、車両情報を受け付ける。車両情報は、例えば、管理者や事業者の端末装置12から受け付けられる。車両情報は、車両の人や荷物に関する積載量を含む。また、受付手段32は、ハブ毎に、ハブ情報を受け付ける。ハブ情報は、例えば、管理者や事業者の端末装置12から受け付けられる。ハブ情報は、ハブの位置を含む。
【0051】
また、受付手段32は、車両の利用可能状況を示す情報等を、交通事業者を含む事業者等の端末装置12から受け付けてもよい。車両の利用可能状況とは、車両が利用できるか否かを示す情報である。車両が利用できるとは、例えばドライバや車両に空きが生じていることによって車両が利用できることを示し、車両が利用できないとは、例えばドライバ不足や車両自体の不足等によって車両が利用できないことを示す。
【0052】
また、受付手段32は、端末装置12の画面に対するユーザからの所定の操作があった場合には、当該ユーザからの操作情報を受け付ける。
【0053】
取得手段34は、受付手段32により受け付けられた配送要求に基づき、許容日時を取得する。例えば、取得手段34は、配送要求に許容日時が含まれる場合には、当該配送要求に含まれる許容日時を取得する。例えば、取得手段34は、記憶手段30に記憶された配送情報30Bを参照し、配送情報30Bに含まれる許容日時を抽出して取得する。取得手段34は、配送要求に複数の許容日時が含まれる場合には、その複数の許容日時から一又は複数の許容日時を選択して取得してもよく、その全ての許容日時を取得してもよい。
【0054】
また、取得手段34は、配送要求に許容日時が含まれない場合には、配送要求に基づく荷物の到着予定日時に基づき許容日時を設定して取得する。例えば、取得手段34は、記憶手段30に記憶された配送情報30Bを参照し、配送情報30Bに含まれる到着日時を抽出し、当該到着日時に対して数日~数か月遅い日時を、許容日時として設定して取得する。また、取得手段34は、荷物の発送予約日や発送日等に基づき管理者により指定された到着予定日時に対して数日~数か月遅い日時を、許容日時として設定して取得してもよい。なお、日時を遅らせる所定範囲は、数日~数か月に限らず、適宜変更し得る。取得手段34は、一の許容日時を取得してもよく、複数の異なる許容日時を取得してもよい。取得手段34は、取得した許容日時を、算出手段36に出力する。
【0055】
算出手段36は、複数の種類の車両から選択される少なくとも一の車両の運行経路であって、移動要求と配送要求とを満たす運行経路を算出する。この際、算出手段36は、配送要求についての時間条件として、取得手段34により取得された許容日時を用いて、当該運行経路を算出する。
【0056】
具体的には、まず、算出手段36は、受付手段32により受け付けられた移動要求及び配送要求のそれぞれに含まれる出発地及び目的地について、出発地から目的地までの最短経路を算出する。なお、出発地及び目的地の位置が住所、地名、場所等によって示されている場合には、住所等から緯度経度を取得するためのAPI(Application Programming Interface)等を利用して、当該位置の緯度経度を取得してもよい。最短経路は、出発地から目的地までの最短経路を求める最短経路問題を解くための既存の方法、例えばOSS(Open Source Software)等として提供される既存技術を用いることで算出可能である。
【0057】
次に、算出手段36は、算出した最短経路を、何台の車両で、どういう順番で移動すればどの程度の時間がかかるか様々な運行経路を算出するとともに、その中でも最適な運行経路を算出する。最適な運行経路とは、例えば、移動及び配送に必要なコストが所定値以下(好ましくは、最小)となる運行経路である。最適な運行経路は、より具体的には、時間条件やその他の制約条件を満たす運行経路の中で、移動及び配送に必要な車両の台数ができる限り少なく、車両の稼働距離や稼働時間ができる限り少ない運行経路である。最適な運行経路は、組み合わせ最適化問題を解くための既存の方法、例えばOSS等として提供される既存技術を用いることで算出可能である。
【0058】
例えば、算出手段36は、最適化問題を解くことにより、所定の制約条件の下で、移動要求と配送要求とを満たすために必要な車両の台数、及び、当該車両毎の運行経路を算出する。この際、算出手段36は、配送要求についての時間条件として、配送要求に含まれる到着日時の代わりに、取得手段34により取得された許容日時を用いる。また、算出手段36は、必要な車両の台数、及び、当該車両毎の運行経路を算出する際の制約条件として、車両情報やハブ情報等を用いてもよい。以下、算出手段36によって算出される必要な車両の台数を、「車両台数」と称する。なお、算出手段36は、必ずしも車両台数を算出しなくてもよく、例えば予め定められた車両の台数で運行する場合の運行経路を算出してもよい。
【0059】
また、算出手段36は、受付手段32により受け付けられた車両の利用可能状況に基づき、複数の種類の車両のうちの少なくとも一の種類の車両を選択し、選択した車両について、運行経路や車両台数を算出する。例えば、所定の地域において、配送車両はドライバや車両が不足しているのに対し、乗り合いタクシーや旅館送迎バスはドライバや車両に空きが生じている等、車両の種類によって車両の利用可能状況に差が生じている場合がある。このような場合には、算出手段36は、運行経路や車両台数を算出する車両の種類として、配送車両の代わりに乗り合いタクシーや旅館送迎バスを選択する。このように、例えば或る種類の車両のリソースが不足した場合には、その種類以外のリソースに余裕がある種類の車両で補いながら最適な運行経路や車両台数を算出する。算出手段36は、算出した運行経路や車両台数、及び、これらの算出に用いた許容日時等を、出力手段38に出力する。
【0060】
出力手段38は、算出手段36により算出された運行経路を出力する。図5は、出力手段38により出力される運行経路の構成例を示す図である。図5に示すように、出力手段38は、例えば、車両毎に、移動経路における位置(緯度、経度)と時刻(予定時刻)とを互いに対応付けて、配列形式で出力する。なお、出力の形式は配列形式に限らず、例えば地図上に運行経路を描画して出力することにより、可視性を高めてもよい。また、出力手段38は、運行経路だけでなく、算出手段36により算出された車両台数も出力する。運行経路と車両台数とは、併せて出力されてもよく、別々に出力されてもよい。出力手段38は、運行経路や車両台数を、サーバ装置10内の記憶手段30等に出力してもよく、サーバ装置10外の端末装置12の画面等に出力してもよい。
【0061】
また、出力手段38は、例えば端末装置12の画面に、算出手段36によって算出された運行経路とともに取得手段34により取得された許容日時を出力してもよい。例えば、出力手段38は、許容日時を含まない配送要求を入力したユーザの端末装置12に、運行経路や車両台数とともに許容日時を含む画面であって、当該許容日時を承認するか否かを当該ユーザに選択させるための承認画面を出力する。当該承認画面は、許容日時を承認する代わりにユーザにインセンティブを付与することを示す情報等を含んでもよい。
【0062】
判定手段40は、許容日時に対して、荷物の配送先又は配送元のユーザの承認が有るか否かを判定する。許容日時に対して当該ユーザの承認が有るとは、許容日時が配送要求に含まれたものであること、又は、許容日時に対する当該ユーザの承認操作が行われたことを示す。許容日時が配送要求に含まれたものである場合には、荷物の配送先又は配送元のユーザから当該許容日時の承認が得られているとみなせるため、判定手段40は、この場合には、許容日時に対して当該ユーザの承認が有ると判定する。これに対し、許容日時が配送要求に含まれたものでない場合には、例えば、判定手段40は、出力手段38により端末装置12に出力された許容日時に対するユーザの承認操作が行われたか否かに基づき、許容日時に対して当該ユーザの承認が有るか否かを判定する。
【0063】
より具体的には、判定手段40は、端末装置12に出力され当該端末装置12において表示制御された承認画面において、ユーザが許容日時を選択して指定する操作を行ったことを示す操作情報が受付手段32によって受け付けられた場合には、許容日時に対する当該ユーザの承認が有ると判定する。これに対し、承認画面において、ユーザが許容日時を選択又は指定せず当該許容日時を承認しないことを示す操作を行ったことを示す操作情報が受付手段32によって受け付けられた場合には、許容日時に対する当該ユーザの承認が無いと判定する。判定手段40は、判定結果を実行手段42に出力する。
【0064】
実行手段42は、判定手段40の判定結果に基づき、荷物の配送を実行させる。例えば、実行手段42は、許容日時に対し荷物の配送先又は配送元のユーザの承認が有る場合に、当該許容日時を用いて算出された運行経路や車両台数で、荷物の配送を実行させる。実行手段42は、時間条件として当該許容日時を用いて算出された運行経路や車両台数を、その車両を管理する事業者に通知し、荷物の配送を実行させる。実行手段42は、実行結果を事業者から受信し、当該実行結果を付与手段44に出力する。
【0065】
付与手段44は、許容日時に対するユーザの承認が有る場合に、実行手段42による荷物の配送の実行に伴うインセンティブを当該ユーザに付与する。すなわち、付与手段44は、判定手段40が肯定判定されて且つ実行手段42から配送が実行済みである場合に、許容日時を承認したユーザにインセンティブを付与する。インセンティブの種類は、例えば、割引、電子クーポン、ポイント等が挙げられる。インセンティブの使用先となる対象は、特に限定されないが、例えば、配送が実行された荷物が所定の店舗で予約又は購入したものである場合にはその店舗に関するものであってもよい。
【0066】
<処理の流れ>
図6は、本実施形態に係る相乗り管理システムにおいて、図3に示す各機能的構成が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下のステップの処理の内容及び順番は、適宜変更することができる。図6に示すステップの処理は、例えば、管理者が端末装置12から相乗り管理システム1にログインすると自動的に開始される。
【0067】
(ステップSP10)
受付手段32は、端末装置12からの入力により、移動要求、配送要求、車両情報、及びハブ情報等の入力情報を受け付ける。
【0068】
図7は、端末装置12に表示される配送要求の入力画面100の一例を示す図である。
【0069】
入力画面100は、例えば、ユーザが端末装置12において所定の店舗の商品Aを選択して予約・決済処理することに応じて、当該端末装置12に表示される。図7に示すように、入力画面100は、到着日時指定欄102と、許容便指定欄104と、指定ボタン106と、を含む。
【0070】
到着日時指定欄102は、商品Aの到着日時としてユーザ所望の到着日時をユーザが選択して指定するための欄であり、例えばプルダウン形式で複数の日時候補から選択可能とされている。許容便指定欄104は、許容日時として、到着日時よりも遅い許容日時での到着となるデマンド交通等の運行経路をユーザが選択して指定するための欄であり、例えばプルダウン形式で複数の運行経路の便候補から選択可能とされている。また、入力画面100は、ユーザの所定の操作等に基づき又は自動的に、許容便指定欄104で選択可能な便候補の具体的な内容、すなわち車両の種類、運行経路、車両台数等の情報を表示してもよい。ユーザは、これらの情報を参照して、便候補の中から一の運行経路の便を選択及び指定してもよい。指定ボタン106は、到着日時指定欄102及び許容便指定欄104により指定された情報を確定して受け付けるためのボタンである。なお、入力画面100は、許容便指定欄104で便を指定する代わりにユーザにインセンティブを付与することを示す情報等を含んでもよい。
【0071】
図6に戻り、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0072】
(ステップSP12)
取得手段34は、許容日時を取得する。この際、取得手段34は、ステップSP10で受け付けた配送要求に許容日時が含まれる場合には、当該許容日時を取得する。例えば、図7の入力画面100における許容便指定欄104により指定された便が示す許容日時を取得する。これに対し、取得手段34は、ステップSP20で受け付けた配送要求に許容日時が含まれない場合には、当該配送要求に含まれる到着日時よりも所定範囲遅い日時を許容日時として設定して取得する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0073】
(ステップSP14)
算出手段36は、ステップSP10の処理で移動要求及び配送要求として受け付けた出発地及び目的地の最短経路を算出する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0074】
(ステップSP16)
算出手段36は、ステップSP14の処理で算出した最短経路について、移動要求と配送要求とを満たすための最適な運行経路を算出する。この際、配送要求についての時間条件として、ステップSP10の処理で受け付けた配送要求に含まれる到着日時に代えて、ステップSP12の処理で取得した許容日時を用いる。また、その他の制約条件として、ステップSP10の処理で受け付けた車両情報及びハブ情報を用いる。これにより、最適な運行経路や車両台数を算出する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0075】
(ステップSP18)
出力手段38は、ステップSP16の処理で算出した運行経路や車両台数を出力する。例えば、出力手段38は、運行経路や車両台数を、これらを算出するために用いた許容日時とともに、管理者や事業者の端末装置12や、配送要求の入力を受け付けた端末装置12に出力する。配送要求の入力を受け付けた端末装置12とは、例えば、予約・決済した商品の配送予約を行ったユーザの端末装置12である。出力手段38は、当該端末装置12に、許容日時を用いて算出された運行経路での荷物の配送を承認するか否かを当該ユーザに選択させるための承認画面を出力する。この承認画面は、例えば、許容日時、運行経路、及び車両台数の情報を含む。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0076】
(ステップSP20)
判定手段40は、許容日時に対する荷物の配送先又は配送元のユーザの承認が有るか否かを判定する。判定手段40は、例えばステップSP12の処理において配送要求に含まれる許容日時が取得された場合には、当該判定を肯定判定し、処理は、ステップSP22の処理に移行する。また、判定手段40は、例えばステップSP12の処理において到着日時に基づき許容日時が取得された場合には、ステップSP18の処理において出力された許容日時がユーザに承認されたか否かを判定する。例えば承認画面において、許容日時を承認するボタンが押される等、ユーザが許容日時を承認することを示す操作情報を受付手段32が受け付けた場合、判定手段40は、当該判定を肯定判定し、処理は、ステップSP22の処理に移行する。これに対し、許容日時を承認するボタンが押されず所定時間が過ぎた場合や、許容日時を非承認するボタンが押される等、許容日時を承認しないことを示す操作情報を受付手段32が受け付けた場合、判定手段40は、当該判定を否定判定し、図6に示す一連の処理を終了する。
【0077】
(ステップSP22)
実行手段42は、ステップSP20の処理で受付手段32により受け付けた操作情報に基づき、ユーザが承認した許容日時を用いて算出された運行経路や車両台数に関係する事業者に、当該運行経路が荷物の配送を行う便として指定された旨を通知する。これにより、実行手段42は、当該事業者に、当該便での配送を実行させる。そして、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0078】
(ステップSP24)
付与手段44は、ステップSP20の処理で受付手段32により受け付けた操作情報に基づき、ステップSP20の処理で許容日時の承認が有ると判定されたユーザに対し、インセンティブを付与する。
【0079】
以上によって、図6に示す一連の処理が終了する。
【0080】
<作用効果>
以上、本実施形態に係る相乗り管理システム1は、プログラムが、コンピュータとしてのサーバ装置10を、ユーザが出発地から目的地まで所定の時間条件で移動するための移動要求と、荷物を出発地から目的地まで所定の時間条件で配送するための配送要求と、を受け付ける受付手段32、配送要求に基づき、荷物の到着日時として荷物の配送先又は配送元のユーザが許容可能な範囲を示す許容日時を取得する取得手段34、複数の種類の車両から選択される少なくとも一の車両の運行経路であって、移動要求と配送要求とを満たす運行経路を、配送要求についての時間条件として許容日時を用いて算出する算出手段36、算出手段36により算出された運行経路を出力する出力手段38、として機能させる。
この構成によれば、移動要求と配送要求とを満たす運行経路を算出する際、配送要求についての時間条件を許容日時とするので、時間条件の制約を緩くすることができる。よって、移動要求と配送要求とを満たしつつ、移動及び配送のコストを低減した運行経路を算出することができる。以上より、貨客混載で相乗りを実現する際に、移動及び配送に必要なコストを低減することができる。
【0081】
また、本実施形態では、取得手段34は、配送要求に基づく到着予定日時よりも所定範囲遅い日時を許容日時として取得する。
この構成によれば、配送要求についての時間条件が、配送要求に基づく到着予定日時よりも所定範囲遅い日時とされるので、当該時間条件を到着予定日時とする場合に比して、時間条件の制約を所定範囲緩くすることができ、その分、移動及び配送のコストを低減した運行経路を算出することができる。
【0082】
また、本実施形態では、算出手段36は、移動要求と配送要求とを満たすために必要な車両の台数、及び、当該車両毎の運行経路を、配送要求についての時間条件として許容日時を用いて算出し、出力手段38は、算出手段36により算出された車両台数及び車両毎の運行経路を出力する。
この構成によれば、移動要求及び配送要求を満たすために必要な車両台数と、その車両毎の運行経路とを、許容日時を用いて算出するので、移動や配送に必要な車両台数を減らしたり、車両の稼働時間を少なくしたり、車両毎の運行経路を短くしたりすることができる。例えば到着日時を満たすように算出した運行経路では1日の運行に必要な車両台数が3台であった場合に、許容日時を満たすように算出した運行経路では1日の運行に必要な車両台数をこれよりも減らし例えば1台の車両で3日かけて運行するということができるようになる。また、例えば到着日時を満たすように算出した運行経路では1日の稼働時間が10時間であった場合に、許容日時を満たすように算出した運行経路では1日の稼働時間をこれよりも減らし例えば5時間として2日に分けて運行するということができる。
【0083】
また、本実施形態では、受付手段32は、車両の積載量を含む車両情報を受け付け、算出手段36は、移動要求と配送要求とを満たす運行経路を算出するための制約条件として、車両情報を用いる。
この構成によれば、車両情報の制約条件を満たす、より最適な運行経路を算出することができる。
【0084】
また、本実施形態では、受付手段32は、複数の交通手段の接続が行われる交通結節点として機能するハブの位置を含むハブ情報を受け付け、算出手段36は、移動要求と配送要求とを満たす運行経路を算出する際の制約条件として、ハブ情報を用いる。
この構成によれば、ハブ情報の制約条件を満たす、より最適な運行経路を算出することができる。
【0085】
また、本実施形態では、コンピュータとしてのサーバ装置10を、許容日時に対して荷物の配送先又は配送元のユーザの承認が有る場合に、配送要求についての時間条件として当該許容日時を用いて算出された運行経路で荷物の配送を実行させる実行手段42として更に機能させる。
この構成によれば、許容日時に対するユーザの承認が得られていないにも関わらず、許容日時を用いて算出された運行経路で荷物の配送が実行されてしまうことを抑制することができる。また、ユーザが許容日時として許容できる範囲の中で、移動及び配送にかかるコストを低減することができる。
【0086】
また、本実施形態では、コンピュータとしてのサーバ装置10を、許容日時に対して荷物の配送先又は配送元のユーザの承認が有る場合に、実行手段42による荷物の配送の実行に伴うインセンティブを当該ユーザに付与する付与手段44として更に機能させる。
この構成によれば、ユーザにインセンティブを与えることで許容日時に対する当該ユーザの承認を得られ易くすることができる。
【0087】
また、本実施形態では、出力手段38は、運行経路とともに許容日時を出力する。
この構成によれば、例えば最適な運行経路や車両台数と許容日時とを対応付けて出力することができるので、どの程度の許容日時であれば、最適な運行経路や車両台数がどのようなものになるのかをユーザが把握することができる。また、許容日時を含まない配送要求を入力したユーザの端末装置12に、運行経路や車両台数とともに許容日時を含む画面であって、当該許容日時を承認するか否かを当該ユーザに選択させるための承認画面を出力して、許容日時に対する当該ユーザの承認を求めることができる。
【0088】
また、本実施形態では、算出手段36は、車両の利用可能状況に基づき、複数の種類の車両のうちの少なくとも一の種類の車両を選択し、選択した車両の運行経路を算出する。
この構成によれば、このように、例えば或る種類の車両のリソースが不足した場合には、その種類以外のリソースに余裕がある種類の車両で補いながら最適な運行経路や車両台数を算出することができ、複数の種類の車両間で互いのリソースを補い合いながら運行経路を最適化することができる。
【0089】
<変形例>
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記の実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0090】
算出手段36によって運行経路を算出するための制約条件は、上記に挙げたものに限らない。例えば制約条件としての車両情報には、車両の温度安定性や、車両が二輪であるか四輪であるか等の車両に関する各種の情報を含んでもよい。また、制約条件としてのハブ情報には、ハブの位置だけでなく、ハブがどのようなハブであるかを示すハブの種類等を含んでもよい。また、制約条件として、エネルギ消費量、CO排出量、再生エネルギ利用料等のエネルギに関する条件等を含んでもよい。実行手段42は、荷物の配送以外にも、出力手段38による出力結果に基づき、電気自動車の車両のリースやカーシェア、充電スタンド設置支援等を事業者に実行させてもよい。
【0091】
出力手段38は、上記以外に、様々な情報を様々な形式で出力してもよい。例えば、出力手段38は、ハブの位置と、当該ハブの位置に対応する許容日時や運行経路と、を出力し、どのハブの位置であればどの程度の許容日時や運行経路になるかを示してもよい。
【0092】
また、算出手段36は、移動要求に含まれる出発地又は目的地と、配送要求に含まれる出発地又は目的地との関係が所定条件を満たすか否かのマッチングを行い、マッチングする場合に、移動要求及び配送要求を満たす運行経路を算出してもよい。所定条件としては、例えば各地点が数十km等の所定範囲内に位置すること等が挙げられる。すなわち、移動要求に含まれる出発地又は目的地と、配送要求に含まれる出発地又は目的地とが、所定範囲内の近いエリアにある場合に、マッチングするものとして、このように各地点が近いエリアにある場合に最適な運行経路の算出を行うとしてもよい。
【0093】
また、記憶手段30は相乗り管理システム1の外部に設けられていてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、端末装置12から入力されることで入力情報をサーバ装置10が受け付ける例について説明したが、これに限らない。例えば、予め記憶されていてもよく、AIを用いること等によって外部ビックデータから自動的に収集することによって、これらの入力情報を受け付けてもよい。
【符号の説明】
【0095】
10:サーバ装置(コンピュータ、情報処理装置)、32:受付手段、34:取得手段、36:算出手段、38:出力手段、42:実行手段、44:付与手段
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7