特開 2023-94096 植物栽培用培地、及び、栽培方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023094096

(43)【公開日】2023-07-05

(54)【発明の名称】植物栽培用培地、及び、栽培方法

(51)【国際特許分類】

   A01G 24/20 20180101AFI20230628BHJP

   A01G 24/44 20180101ALI20230628BHJP

   A01G 31/00 20180101ALI20230628BHJP

【ＦＩ】

A01G24/20

A01G24/44

A01G31/00

【審査請求】未請求

【請求項の数】7

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021209363

(22)【出願日】2021-12-23

(71)【出願人】

【識別番号】000104652

【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社

(72)【発明者】

【氏名】神藏 雄生

(72)【発明者】

【氏名】吉川 宗利

【テーマコード（参考）】

2B022

2B314

【Ｆターム（参考）】

2B022BA12

2B022BB02

2B314PC16

2B314PC22

2B314PC24

2B314PC29

(57)【要約】

【課題】
従来の植物栽培用培地では、種子や苗への吸水に手間がかかっていた。本発明は、種子や苗への吸水が行い易い植物栽培用培地を提供する。
【解決手段】
本発明の植物栽培用培地３１は、毛細管現象を利用して水を吸い上げる繊維集合体による植物栽培用培地３１であって、繊維集合体３１は、外周側の繊維の繊維長よりも短い繊維長の繊維を中心側に配置することによって、上面側の中心に凹部３１ｂを形成したことを特徴とする。繊維集合体は、長辺部と、前記長辺部と対向する辺に長辺部より短い短辺部と、を有する形状の布を、短辺部を中心にして巻き付けられて形成され、長辺部を外周側に配置してもよい。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

毛細管現象を利用して水を吸い上げる繊維集合体による植物栽培用培地であって、
前記繊維集合体は、外周側の繊維の繊維長よりも短い繊維長の繊維を中心側に配置することによって、上面側の中心に凹部を形成したことを特徴とする植物栽培用培地。

【請求項2】

前記繊維集合体には、３種類以上の長さの異なる繊維が用いられていることを特徴とする請求項１に記載の植物栽培用培地。

【請求項3】

前記繊維集合体は、
長辺部と、前記長辺部と対向する辺に前記長辺部より短い短辺部と、を有する形状の布を、
前記短辺部を中心にして巻き付けられて形成され、前記長辺部を外周側に配置したことを特徴とする請求項１または２に記載の植物栽培用培地。

【請求項4】

毛細管現象を利用して水を吸い上げる植物栽培用培地であって、
前記植物栽培用培地は、
長辺部と、前記長辺部と対向する辺に前記長辺部より短い短辺部と、を有する形状の布を、
前記短辺部を中心にして巻き付けられて形成され、前記長辺部を外周側に配置したことを特徴とする植物栽培用培地。

【請求項5】

前記繊維集合体は、水分を吸水すると硬くなることを特徴とする請求項１～４のいずれか一項に記載の植物栽培用培地。

【請求項6】

前記繊維集合体の乾湿強度比が１００％以上１５０％以下であることを特徴とする請求項５に記載の植物栽培用培地。

【請求項7】

請求項１～６のいずれか一項に記載の植物栽培用培地を用いた栽培方法であって、
植物を栽培するための溶液の液面を前記凹部よりも下部に位置させて栽培することを特徴とする植物栽培方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、水耕栽培に用いられる植物栽培用培地及び栽培方法に関する。

【背景技術】

【0002】

ウレタン、スポンジ等の吸水体に植物の種や苗を植え、育成パネルに移植して植物を栽培する水耕栽培の方法が知られている。

【0003】

特許文献１には、繊維が天地方向に並べられた培地を用いることで、根の伸長を阻害する要因を軽減されることが開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２０１５－１８８３６０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかしながら、特許文献１に用いられる培地では、種子設置部が平坦であるため、植物、特に種子に対しては吸水された培地の水分を効率良く供給できない場合があった。本発明は、植物に対して水分を効率よく供給できる培地を提供する。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記課題を解決するために、本発明の植物栽培用培地は、
毛細管現象を利用して水を吸い上げる繊維集合体による植物栽培用培地であって、前記繊維集合体は、外周側の繊維の繊維長よりも短い繊維長の繊維を中心側に配置することによって、上面側の中心に凹部を形成したことを特徴とする。

【発明の効果】

【0007】

本発明によれば、培地に吸水された水分を効率良く植物に供給することができる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】本発明の実施形態に係る植物栽培用培地を含んだ栽培用器具全体の分解斜視図。

【図2】本発明の実施形態に係る植物栽培用培地の作成例を示す図。

【図3】本発明の実施形態に係る植物栽培用培地の他の実施例を示す図。

【図4】本発明の実施形態に係る栽培方法の生育工程を示す図。

【発明を実施するための形態】

【0009】

＜実施形態＞
図１は、容器１０、植物栽培用培地３１を集合させた培地集合体３０を含んだ栽培用器具全体の分解斜視図である。本発明の実施形態に係る植物栽培用培地３１は、吸水性あるいは水分の伝達を促進する多数の繊維束の集合によって構成されている。

【0010】

植物栽培用培地３１を形成する繊維束の繊維方向は、容器１０の底面に対して直交する方向、すなわち、天地方向に沿っている。また、中央部には、後述する凹部３１ｂが形成されるように異なる繊維長の繊維が集合している。すなわち、植物栽培用培地３１は、外周側の繊維の繊維長よりも短い繊維長の繊維を中心側に配置することによって、上面側の中心に凹部を形成している。

【0011】

図２に、植物栽培用培地３１の作成例として布を巻き付けて作成する場合について示す。植物栽培用培地３１となる布製培地３０２の形状は、図２（ａ）に示すように、例えば、短辺３０２ａから、長辺３０２ｂに向かって徐々に繊維長を長くした形状を用いることができる。布製培地３０２の形状は、所定の長さの繊維を編んで、矩形にした後、斜めに裁断して得られる。図２（ａ）の破線が繊維の方向を模式的に示し、縦横の破線の長さが繊維長となっている。短辺３０２ａと対向する辺の位置に長辺３０２ｂがあり、この形状の布製培地３０２の短辺３０２ａを中心部として、長辺３０２ｂが外周になるように巻き付けることによって、布の傾斜部３０２ｃの上面が図２（ｂ）に示す凹部３１ｂを形成する傾斜面となる。短辺上部３０２ｄは、凹部３１ｂの中心付近に位置する。傾斜部３０２ｃの傾斜角度を変えることで種子の形状に対応させた凹部３１ｂの傾斜の角度を変えることができる。例えば、傾斜部３０２ｃの傾斜角度を大きくすると細長い種子に対応した凹部３１ｂが形成され、逆に傾斜角度を小さくすることで、球形に近い丸みを帯びた種子に対応した凹部３１ｂが形成される。球形あるいは楕円形の種子に合わせるために上述した構成にしたが、球形あるいは楕円形の形状に限らず様々な形状に合わせることができる。また、短辺から長辺に至る傾斜部の角度を途中で変化させてもよく、長辺よりも手前で長辺と同じ繊維長として、そこから角度変化がないように構成すると、植物栽培用培地３１の外周縁部に高さが一定な部分ができる。本発明は、毛細管現象を利用して水を吸い上げる植物栽培用培地に関し、植物栽培用培地は、長辺部と、長辺部と対向する辺に長辺部より短い短辺部と、を有する形状の布を、短辺部を中心にして巻き付けられ、長辺部を外周側に配置したことを特徴としてもよい。このような場合では、フェルト等、編み物ではない布でも、植物栽培用培地の上面側の中心に凹部３１ｂを形成し、毛細血管現象を利用して、凹部３１ｂに水分を供給することができる。

【0012】

中心部に凹部３１ｂを形成するため、一方の側面端部が短く、他方の側面端部が長い形状であれば上記の形状にこだわらない。

【0013】

図２（ｂ）は、培地集合体３０のうち、植物栽培用培地３１を１つのみ容器１０に載置したときの模式図である。図２（ｂ）には、容器１０に溶液５０を注入した状態で、植物栽培用培地３１の凹部３１ｂに、種子７０を載置した状態を示す。容器１０内では、溶液５０の液面が凹部３１ｂよりも鉛直方向の下方に位置するようにする。 繊維素材として例えば、麻紐、しゅろ縄、綿糸を用いる場合は、繊維の方向を1方向に揃え、その後、しゅろ縄、麻紐、綿糸などの繊維性素材で周囲を束ねる方法がある。この場合、凹部３１ｂを形成するために、短い繊維を中心に束ねてから、その周囲を中心部より長い繊維で囲うようにすればよい。

【0014】

繊維束の繊維方向が天地に向くように集合させる。このようにすると、外力を加えることなく、毛細管現象により、植物栽培用培地３１の下部から水分が重力に逆らって吸水され、植物栽培用培地３１の種子を設置した部分に適量の水分を移動させることができる。このとき、上述したように中心に凹部３１ｂがあると、植物栽培用培地３１の凹部３１ｂまで水分を行き渡らせ、種子に必要な水分を植物栽培用培地３１の最も高さの高い部分まで湛水することなく、安定的に供給できる。そして、植物栽培用培地３１の中央部に凹部３１ｂを形成することによって、種子を設置した際に、培地と接触する種子の表面積が増加する。これにより毛細管現象によって凹部３１ｂへ移動した水分がより種子と接触し易くすることができる。このようにすると、種子設置部が平坦な場合に比べて、より、効果的に発芽、育苗を促すことができ、水分が欠乏することによる種子の枯死が起こりにくい。

【0015】

植物栽培用培地３１は、毛細管現象で水分を上方に吸い上げるためには繊維同士の間隔を狭くして密着させることが望ましく、繊維同士を密着することによって、十分な水分を凹部３１ｂに行き渡らせることができる。

【0016】

本発明で使用できる好ましい植物栽培用培地３１の材質としては、例えば、麻布、麻紐、しゅろ縄、綿糸等がある。好ましくは麻布、しゅろ縄の植物栽培用培地３１を用いるとよく、上記で例示した材質以外の材料も使用することが可能である。

【0017】

植物栽培用培地３１の繊維特性として、乾湿強度比（ＷＳ/ＤＳ）が１００％以上かつ１５０％以下であることが好ましく、さらに１００％以上かつ１３０％以下の範囲であることがより好ましい。ここで乾湿強度比とは、乾燥状態の引張強度（ＤＳ）に対する湿潤状態の引張強度（ＷＳ）の比率を示す。乾湿強度比（ＷＳ/ＤＳ）が１５０％を超えると、植物栽培用培地３１が硬くなり、根の伸長が阻害される恐れがある。上記の好適な乾湿強度比（ＷＳ/ＤＳ）を満たす繊維素材として例えば麻、綿がある。麻や綿は水分が含まれることによって固くなる性質を持つ。乾湿強度比（ＷＳ/ＤＳ）が１００％以上すなわち水分を含むことにより固くなる性質をもつ材料を用いることで、植物栽培用培地３１の形状が崩れにくくなる。このような性質は、植物の移植工程においてロボットアームを用いた搬送を行う際、培地を安定して把持できるようになり、栽培の所有位置に安定して搬送することが可能となる。さらに、凹部を形成した植物栽培用培地３１が水分を含み固くなることで、育苗過程において植物栽培用培地３１が潰れにくくなり、茎の損傷を抑制できる。

【0018】

次に、植物栽培用培地３１の好適な作製方法について説明する。天地方向に配列した繊維の織り方については、特に制限されず布等を使用することが可能である。

【0019】

例えば、繊維が織り込まれることによって形成されている布を用いた布製培地３０２を用いる場合、布は中心部側に位置する一方の側面端部の短辺３０２ａから外周側に位置する他方の側面端部の長辺３０２ｂに向かって長くなっている。布を用いた植物栽培用培地３１の作成方法としては、例えば、布の側面端部の短辺側を中心にして、側面端部の長辺に向かって巻付ける方法がある。この場合、側面端部の短辺３０２ａは凹部３１ｂの中心部側に位置し、側面端部の短辺上部３０２ｄが凹部３１ｂの中心部となる。

【0020】

図３には、繊維方向が天地方向沿ったようにして、凹部３１ｂを異なる繊維長によって束ねた植物栽培用培地３１の一例である繊維集合体４００を示し、繊維集合体４００は、長さの異なる繊維が直方体状に集合されることで形成されている。ここで用いる繊維は、しゅろ縄、麻紐、綿糸などである。中心部分に短い繊維を集合させ、その周囲に中心の繊維と比較して長い繊維で囲うように構成すれば繊維集合体４００の形状は直方体状に並べていてもよいし、円筒状あるいは角柱状に並べてもよい。

【0021】

繊維集合体４００は、短繊維を中央に集合させ、その周りを中央の短線繊維より長い繊維で密着させ、その周りをさらに長い繊維で密着させている。ここで、中央の短繊維の上部に位置する凹部４００ａが植物栽培用培地３１の凹部３１ｂにあたる。このとき繊維集合体４００の周囲を繊維素材で締め付ける構成を取ることで繊維集合体４００の繊維間の密着度を高めることができる。

【0022】

異なる繊維長の繊維で構成し、種子を位置づけする凹部４００ａを形成することによって繊維集合体４００の凹部４００ａ上に設置した種子に発芽に必要な水分が供給され、発芽時および、生育時の枯死を抑制することができる。

【0023】

次に本発明の実施形態に係る植物栽培用培地３１を用いた好適な栽培方法の一例について以下に説明する。

【0024】

本発明に関わる栽培方法は、上述した植物栽培用培地３１を用い、植物育成時において植物栽培用培地３１の凹部３１ｂよりも下部から吸水することを特徴としてもよい。植物育成時とは、植物栽培用培地３１の凹部３１ｂに播種された種子が発芽し、収穫まで生育する期間を指す。この栽培方法は特にＬＥＤなどの光源を用いた人工光型の水耕栽培に適している。

【0025】

例えば、リーフレタスを用いて人工光型の水耕栽培を行う場合、種子を植物栽培用培地３１の凹部３１ｂ上部に設置する。図２（ｂ）に示すように、容器１０に、溶液５０を注入すると、凹部３１ｂより下部に位置する水分を吸水することで種子に水分を供給して発芽させる（発芽工程）。発芽した後、植物栽培用培地３１は常に水分を吸収した状態で発芽後の苗を収穫時まで生育する。（生育工程）

【0026】

植物栽培用培地３１を用いたリーフレタスの栽培環境として、栽培空間温度は２０～２５℃、栽培空間湿度は６０～８０％で栽培することができる。栽培空間温度および栽培空間湿度は、植物の種類に合わせて適宜変更することができる。

【0027】

発芽工程では凹部３１ｂよりも常に下回る水位を維持できる栽培容器、または、水槽を用いることが望ましい。なお、本実施形態の発芽工程では、容器１０に設置した植物栽培用培地３１の凹部３１ｂ以下の位置で浸漬している水分は滞留していてもよいし、容器１０の水分は流水であってもよい。

【0028】

生育工程においては、植物栽培用培地３１の凹部３１ｂ下部の繊維が水に浸漬した状態で、且つ発芽した苗を支持する植物栽培用培地３１は常に培地全体に水分を吸収した状態となっている。図４に示す栽培槽１２では、生育工程の植物栽培用培地３１が、育成パネル６０の育成孔６０ｂ内に配置されている。この育成パネル６０を植物栽培に必要な栄養素が含まれた溶液５０で湛水された水槽１１の上部に設置している。そして、溶液５０の水位は、植物栽培用培地３１の凹部３１ｂより下に位置する。生育工程に用いる溶液は水槽１１内で、流水としても良いし、湛水としてもよい。このとき、育成パネル６０の育成孔６０ｂ内に樹脂等のカップを用いて設置してもよい。ここで、水槽１１の高さは、育成パネル６０の育成孔６０ｂに挿入された状態の植物栽培用培地３１の最も高い部分よりも低くすると良い。また、育成パネル６０の育成孔６０ｂが形成された面は、水槽１１の高さよりも低く、かつ、植物栽培用培地３１の凹部３１ｂよりも低い位置に位置するように水槽１１に取り付けると、凹部３１ｂ内の種子が水面に浸かることを防止することができる。

【0029】

乾湿強度比が１００％以上、すなわち、植物栽培用培地３１が湿潤状態で固くなる材料を用いることによって、移植作業を行い易い。また植物の成長に合わせて異なる間隔で育成孔が形成された育成パネルを複数用意して移植作業を複数回行ってもよい。

【0030】

＜実施例１＞
リーフレタスの栽培を行うため、麻布で作成した植物栽培用培地３１を準備した。本実施例で用いた麻布製培地の乾湿強度比（ＷＳ/ＤＳ）は１１８％であった。布の形状は、図２（ａ）に示したものを用いた。図２（ｂ）に示すように、凹部３１ｂの表面に種子７０が接触するように、播種時の種子７０が配置された。

【0031】

植物栽培用培地３１を用いてリーフレタスの栽培を実施した。具体的にはＬＥＤを光源とした人工光型の水耕栽培であり、リーフレタスの種子を播種して発芽させる工程（発芽工程）と、発芽工程で生育した苗を収穫まで生育させる工程（生育工程）にて栽培を行った。

【0032】

本実施例ではリーフレタスの栽培の光源として白色型のＬＥＤを用いて栽培した。発芽工程および生育工程の栽培空間温度は２２℃の一定条件、栽培空間湿度は７０％で管理した。また、水耕栽培に用いる水分は植物栽培に必要な栄養素が含まれた溶液を用い、ＥＣ（電気伝導度）値が２.０ｍＳ・ｃｍ^－１の溶液にて栽培を行った。

【0033】

発芽工程で用いる水分は植物栽培に必要な栄養素が含まれた溶液を用いた。この発芽工程において、リーフレタスは播種７日後には播種１００個中、１００個発芽していることを確認した。

【0034】

生育工程では発芽工程で生育した苗を支持する植物栽培用培地３１を育成パネル６０の育成孔６０ｂに移植し、水槽１１の上部に育成パネル６０を設置し、育成パネル６０から４０ｃｍの上方位置にＬＥＤを設置した状態で栽培を行った。なお、生育工程の光量は育成パネル６０の表面の光量子束密度（ＰＰＦＤ）は１８０μｍоｌ・ｍ^-２・ｓ^－１であった。生育工程では発芽工程にて１４日間栽培した苗を育成パネル６０に移植し、溶液の充填された水槽１１にて２８日間栽培を行った。この結果、リーフレタスの茎、葉を合わせた平均重量が１２８ｇであった。

【0035】

＜実施例２＞
本実施例では、図３に示した繊維集合体４００を用いた。繊維集合体４００の構造は、しゅろ縄を集合させた構造であり、繊維集合体４００は、ロープ状繊維を複数の長さの異なる繊維にし、ロープ状繊維の短線の集合体を中心にして並べ、その周りを中央の繊維の繊維長より長い繊維長の繊維で密着させた。さらに、その周りを中央の２種類の長さの異なる繊維よりも長い繊維長の繊維で密着させ、作製した。

【0036】

実施例２では、凹部４００ａ以下の水位となるように溶液に浸漬させ栽培した。実施例２では植物栽培用培地３１としての繊維集合体４００以外は実施例１と同様の方法、条件にてリーフレタスを栽培した。発芽工程において、リーフレタスは播種７日後には播種１００個中、９９個発芽していることを確認することができた。発芽工程で１４日栽培した後、生育した苗を支持する繊維集合体４００を育成パネル６０に移植したあと、溶液の充填された水槽１１にて２８日間栽培を行った。この結果、リーフレタスの茎、葉を合わせた平均重量が１４９ｇとなった。

【0037】

実施例１では、繊維長が連続的に変化しているが、本実施例では、３種類の長さの異なる長さの繊維を用いた。繊維長の変化は、連続的でも段階的でもよく、３種類以上の長さの異なる長さの繊維を用いると、種子との接触面積を増やし易い。

【符号の説明】

【0038】

１０ 容器
１１ 水槽
１２ 栽培槽
３１ 植物栽培用培地
３１ｂ 凹部
５０ 溶液
６０ 育成パネル
７０ 種子
３０２ 布製培地
３０２ａ 短辺
３０２ｂ 長辺
３０２ｃ 傾斜部
３０２ｄ 短辺上部
４００ 繊維集合体
４００ａ 凹部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】