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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094163
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】ドラム式洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/26 20060101AFI20230628BHJP
   D06F 33/43 20200101ALI20230628BHJP
   D06F 39/08 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
D06F37/26
D06F33/43
D06F39/08 311C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209472
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(74)【代理人】
【識別番号】100129377
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 耕司
(72)【発明者】
【氏名】米澤 孝昭
(72)【発明者】
【氏名】三觜 紳平
(72)【発明者】
【氏名】福井 秋陸
(72)【発明者】
【氏名】戸田 孝志
【テーマコード(参考)】
3B165
3B166
3B167
【Fターム(参考)】
3B165AA04
3B165AA05
3B165AB43
3B165AE02
3B165AE07
3B165BA12
3B165BA23
3B165BA47
3B165BA74
3B165BA78
3B165CA04
3B165CA11
3B165CB13
3B165CB55
3B165CB59
3B165DW03
3B165DW05
3B165GA02
3B165GA12
3B165GA13
3B165GA25
3B165GH02
3B165JM01
3B165JM02
3B165JM03
3B166AA04
3B166AA05
3B166AB43
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA12
3B166BA23
3B166BA47
3B166BA74
3B166BA78
3B166CA04
3B166CA11
3B166CB03
3B166CB13
3B166DC45
3B166DC47
3B166DE01
3B166DE02
3B166DE04
3B166GA02
3B166GA12
3B166GA22
3B166GA24
3B166GA45
3B166HA11
3B166JM01
3B166JM02
3B166JM03
3B167AA04
3B167AA05
3B167AB43
3B167AE02
3B167AE07
3B167BA12
3B167BA23
3B167BA47
3B167BA74
3B167BA78
3B167JA72
3B167LB17
3B167LE02
3B167LG05
(57)【要約】
【課題】ドラムの外周面の汚れを適正に除去することができるとともに、通常の洗濯運転と並行してドラムの洗浄運転を行うことができるドラム式洗濯機を提供する。
【解決手段】本発明のドラム式洗濯機は、洗濯行程を実施可能なドラム式洗濯機であって、筐体内に配置された外槽と、外槽内に配置され、水平軸を中心に回転可能なドラムと、外槽の内周側に設けられ、ドラムの外周面と対向する汚れ除去部材を収容する収容部とを備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯行程を実施可能なドラム式洗濯機であって、
筐体内に配置された外槽と、
前記外槽内に配置され、水平軸または水平方向に対して傾く傾斜軸を中心に回転可能なドラムと、
前記外槽の内周側に設けられ、前記ドラムの外周面と対向する汚れ除去部材を収容する収容部とを備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項2】
前記汚れ除去部材は、前記外槽内に水が給水された場合に浮力により移動して前記ドラムの外周面と接触し、前記外槽内から水が排水された場合に自重により移動して前記ドラムの外周面から離れることを特徴とする請求項1に記載のドラム式洗濯機。
【請求項3】
前記収容部内には、前記ドラムの回転軸に沿って配置される複数の前記汚れ除去部材が収容されることを特徴とする請求項1または2に記載のドラム式洗濯機。
【請求項4】
前記外槽の下端部に、排水口が設けられ、前記収容部は、前記排水口よりも上方に配置されており、
前記収容部内の水を前記排水口に向かって流れるようにする排水水路が設けられることを特徴とする請求項1~3の何れか記載のドラム式洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラム式洗濯機に関する。
【0002】
一般家庭あるいはコインランドリーなどに設置される一般的なドラム式洗濯機は、洗濯機本体内に設けた外槽と、この外槽内に水平軸を中心に回転できるように収容したドラムを備えている。このドラム式洗濯機では、ドラム内に衣類を投入した後、外槽内に給水した状態でドラムを回転させることにより洗濯を行い、その後、外槽より水を排水してドラムを高速回転させることにより脱水を行う。
【0003】
ドラム式洗濯機において、ドラムの外周面に汚れが堆積するとカビの発生原因となるため、ドラムの外周面を定期的に十分洗浄する必要がある。そこで、ドラム式洗濯機には、洗浄キーを備え、洗浄キーとスタートキーをONすることにより、外槽内に給水を行なって所定水位に到達後、ドラムを所定時間回転させて洗浄を行い、洗浄が終了した後、ドラムの回転を停止して浸け置き状態とするとともに、この浸け置きの終了後に外槽内の水を排水するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-99586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のドラム式洗濯機では、洗浄キーを備えており特別な操作を行うことにより、ドラムの洗浄運転を行うことができる。しかしながら、このドラム式洗濯機では、水流によりドラムの外周面に付着した汚れを除去しようとしているが、水流では十分に除去できない場合がある。また、通常の洗濯運転とは別にドラムの洗浄運転を行う必要があるため、余計な手間であるとともに、ドラムの洗浄運転を行っている間は通常の洗濯運転を行うことができず洗濯効率が悪い。
【0006】
そこで、本発明は、ドラムの外周面に付着した汚れを適正に除去できるとともに、通常の洗濯運転と並行してドラムの洗浄運転を行うことができるドラム式洗濯機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るドラム式洗濯機は、洗濯行程を実施可能なドラム式洗濯機であって、筐体内に配置された外槽と、前記外槽内に配置され、水平軸または水平方向に対して傾く傾斜軸を中心に回転可能なドラムと、前記外槽の内周側に設けられ、前記ドラムの外周面と対向する汚れ除去部材を収容する収容部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るドラム式洗濯機において、前記汚れ除去部材は、前記外槽内に水が給水された場合に浮力により移動して前記ドラムの外周面と接触し、前記外槽内から水が排水された場合に自重により移動して前記ドラムの外周面から離れることが好適である。
【0009】
本発明に係るドラム式洗濯機において、前記収容部内には、前記ドラムの回転軸に沿って配置される複数の前記汚れ除去部材が収容されることが好適である。
【0010】
本発明に係るドラム式洗濯機において、前記外槽の下端部に、排水口が設けられ、前記収容部は、前記排水口よりも上方に配置されており、前記収容部内の水を前記排水口に向かって流れるようにする排水水路が設けられることが好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、洗濯行程においてドラムが回転駆動されると、汚れ除去部材がドラムの外周面を物理的に擦することにより、ドラムの外周面の汚れを適正に除去することができる。また、ドラムの洗浄運転が通常の洗濯運転と並行して行われるため、手間をかけず、特別な操作をしなくても、自動でドラムに付着した汚れを除去することができる。また、汚れ除去部材の動きを収容部内に限定することで、汚れ除去部材の動きを制御することができる。
【0012】
本発明によれば、汚れ除去部材が、外槽内に水が給水された場合に浮力により移動してドラムの外周面と接触し、外槽内から水が排水された場合に自重により移動してドラムの外周面から離れるため、ドラムが回転する際に、汚れ除去部材をドラムの外周面と接触する位置に容易に移動させることができる。
【0013】
本発明によれば、複数の汚れ除去部材が収容部内に収容されるため、複数の汚れ除去部材が広い範囲において別々に回転することにより、ドラムの外周面の大部分に付着した汚れを除去することができる。
【0014】
本発明によれば、収容部内の水が排水口に向かって流れるように構成されるため、収容部内の水を排水口から適正に排水することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るドラム式洗濯機1の外観を示す斜視図である。
図2図1のドラム式洗濯機1の構成を示す模式図である。
図3図1のドラム式洗濯機1が有する外槽3の正面図である。
図4図1のドラム式洗濯機1の外槽3の部分的な斜視図である。
図5図1のドラム式洗濯機1の外槽3の水平断面図である。
図6図1のドラム式洗濯機1の外槽3およびドラム4の縦断面図である。
図7図7(a)及び図7(b)は、汚れ除去部材52が非接触位置に配置される状態を示す部分拡大断面図である。
図8図8(a)及び図8(b)は、汚れ除去部材52が接触位置に配置される状態を示す部分拡大断面図である。
図9図9は、汚れ除去部材の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態であるドラム式洗濯機1について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態のドラム式洗濯機1の斜視図である。図2は、図1のドラム式洗濯機1の構成を示す側面断面図である。
【0017】
本実施形態のドラム式洗濯機1は、図1及び図2に示すように、箱形状の筐体2を有しており、筐体2の内部には、略円筒形状の内周面を有する外槽3が配置され、外槽3の内部には、洗濯物を収容するための略円筒形状の内周面を有するドラム4が前後方向に延伸する主軸5により軸支されている。ドラム4は、水平軸を中心に回転可能である。
【0018】
筐体2の前面には、使用者が操作するための操作部2aと、ドラム4の前端に形成された開口4aと対向する衣類投入口6が形成される。筐体2には、衣類投入口6を開閉するドア8が設けられており、衣類投入口6は、ドア8により開閉され、ドア8が開放された状態でドラム4内に洗濯物の出し入れが可能となっている。
【0019】
ドラム4の内周面には、ドラム4内に突出するように複数のバッフル4bが設けられている。バッフル4bは、ドラム4に収容された洗濯物を持ち上げるための突起であり、例えば、洗い行程時において、ドラム4が後述する駆動モータ11の駆動力によって回転されると、ドラム4内の水を含んだ洗濯物がバッフル4bにより持ち上げられ自然落下される、いわゆる叩き洗いが行われる。
【0020】
ドラム4の内周面には、多数の通水孔4cが穿設されており、洗浄や濯ぎ時に外槽3内に供給された水は、通水孔4cを通してドラム4内へ流入し、遠心脱水時にドラム4内で洗濯物から吐き出された水は、この通水孔4cを通して外槽3側へと飛散する。
【0021】
主軸5は、外槽3の背面壁に装着された軸受5aによって回転自在に支承され、さらに後方に突出した主軸5の先端には、主プーリ10が取り付けられている。筐体2の底部には、駆動モータ11が設置され、駆動モータ11の回転軸には、モータプーリ12が取り付けられており、モータプーリ12のトルクは、タイミングベルト16を介して主プーリ10に伝達される。これにより、駆動モータ11が駆動されると、ドラム4が主軸5を中心に回転する。
【0022】
外槽3の背面壁の上部には、途中に給水バルブ30aが設けられた給水管30が接続されており、給水バルブ30aが開放されると、外部から供給される水が給水管30を介して外槽3へと供給される。外槽3の底部に設けられた排水口3aには、途中に排水バルブ31aが設けられた排水管31が接続されており、排水バルブ31aが開放されると、外槽3内の水が排水口3a及び排水管31を通して機外へと排出される。
【0023】
外槽3の下端部近傍には、図3及び図4に示すように、収容部50が設けられている。収容部50は、外槽3の内周面の一部において、径方向外側に向かって突出するように設けられる。なお、図4では、外槽3の内周側に形成された収容部50が分かりやすいように、外槽3の一部分の図示を省略するとともに、ドラムの図示を省略している。収容部50は、後述する汚れ除去部材52を収容する収容空間を有している。本実施形態において、収容部50は、正面視において、外槽3の底部に対して右側であり且つ少し上方に配置される。収容部50内の収容空間は、前後方向に延びており、外槽3と略同一長さを有している。
【0024】
本実施形態において、外槽3は、図5に示すように、正面側に配置される第1外槽部材3N1と、背面側に配置される第2外槽部材3N2とを有している。第1外槽部材3N1と第2外槽部材3N2とは、外槽3の前後方向中央部において接合されている。第1外槽部材3N1は、収容部50の正面側に配置される第1収容部材50T1と一体に成形されており、第2外槽部材3N2は、収容部50の背面側に配置される第2収容部材50T2と一体に成形されている。そのため、第1外槽部材3N1と第2外槽部材3N2とが接合されることにより、第1収容部材50T1と第2収容部材50T2とが接合されて、収容部50が形成される。
【0025】
例えば洗濯時において外槽3内に水が給水されると、その水は収容部50内にも進入し、その水は収容部50内に貯留される。その後、洗濯が終了すると、外槽3内から水が排水されるが、このとき、収容部50内の水が排水口3aに向かって流れるようにするために、収容部50と外槽3の底部との間には、図5に示すように、溝状の排水水路51が形成されている。排水水路51は、第1外槽部材3N1と第2外槽部材3N2とが接合される部分に形成される。そのため、本実施形態では、収容部50は、外槽3の上下方向中央部よりも下方において、外槽3内から水が排水された際に、収容部50内の水の全てが排水口3aに向かって流れるような位置に形成される。
【0026】
収容部50内には、図5に示すように、複数の汚れ除去部材52が収容されている。汚れ除去部材52は、例えばゴム材、ウレタン材、シリコン材で形成された略球形状の部材である。収容部50内の収容空間の周方向に沿った幅は、汚れ除去部材52の外形よりも少し大きい幅である。そのため、複数の汚れ除去部材52は、収容部50内に1列に収容される。なお、収容部50の前端部及び後端部は、汚れ除去部材52が収容部50内から外部へと移動しないように構成されている。
【0027】
収容部50内に収容された複数の汚れ除去部材52は、図6に示すように、外槽3内に配置されたドラム4の外周面と対向する。収容部50内の収容空間の深さ(径方向長さ)は、汚れ除去部材52の直径よりも長く構成されている。そのため、汚れ除去部材52は、ドラム4の外周面から離れた非接触位置と、ドラム4の外周面に接触する接触位置との間で移動可能である。図6では、汚れ除去部材52がドラム4の外周面に接触する接触位置に配置された状態を示している。
【0028】
なお、ドラム式洗濯機1では、後述するように、外槽3内に給水される給水量として複数の給水量が設定されているが、図6では、最も少ない給水量の水が給水された状態を示している。ドラム式洗濯機1においては、図6に示すように最低水量の水が給水された場合でも、給水された水が収容部50内に進入し、汚れ除去部材52が浸水して、汚れ除去部材52が浮力により上方へ移動するような位置に、収容部50は設けられている。
【0029】
図7(a)及び図7(b)は、汚れ除去部材52が非接触位置に配置される状態を示す部分拡大断面図であり、図8(a)及び図8(b)は、汚れ除去部材52が接触位置に配置される状態を示す部分拡大断面図である。なお、図7(a)及び図8(a)は、図6の部分拡大図であり、図7(b)及び図8(b)は、外槽3及びドラム4を前後方向に沿った断面図である。
【0030】
すなわち、外槽3内に水が給水されていない場合、汚れ除去部材52は、図7(a)及び図7(b)に示すように、自重により非接触位置に配置される。洗濯時に外槽3内に水が給水されると、汚れ除去部材52は、図8(a)及び図8(b)に示すように、水の浮力により浮き、ドラム4の外周面と接触する接触位置に配置される。洗濯が終了して外槽3内の水が排水されると、汚れ除去部材52は、自重により非接触位置に配置される。
【0031】
また同様に、濯ぎ時に外槽3内に水が給水されると、汚れ除去部材52は、水の浮力により浮き、ドラム4の外周面と接触する接触位置に配置される。濯ぎが終了して外槽3内の水が排水されると、汚れ除去部材52は、自重により非接触位置に配置される。なお、脱水時には、汚れ除去部材52は、非接触位置に配置される。
【0032】
上述したように、洗濯時には、汚れ除去部材52がドラム4の外周面と接触する接触位置に配置されるが、この状態でドラム4が回転駆動されると、汚れ除去部材52は、水の浮力によりドラム4の外周面に向かって押圧されながら、ドラム4の外周面から摩擦力が作用することにより収容部50内で回転する。
【0033】
このとき、複数の汚れ除去部材52は、収容部50内においてドラム4の前後方向に少しの距離であれば移動することができる。そのため、ドラム4の外周面に付着する汚れは、ドラム4の外周面の全領域において、汚れ除去部材52により除去される。このように、洗濯時にドラム4が回転駆動されている際、複数の汚れ除去部材52の動きを収容部50内に限定することで、汚れ除去部材52の動きを制御することができる。そのため、汚れ除去部材52が収容部50内から外部へと移動するのを防止できる。
【0034】
ドラム式洗濯機1は、洗濯行程、濯ぎ行程および脱水行程を実施可能である。洗濯行程および濯ぎ行程では、外槽3内に水が給水され(適宜、外槽3内の水が排水される場合もある)、脱水行程では、外槽3内の水が排水される。ドラム式洗濯機1では、ドラム4内に投入される洗濯物の量(負荷)に応じて、外槽3内に給水される給水量が自動的に調整される。すなわち、洗濯物の量が多い場合に給水量が多く設定されており、洗濯物の量が少ない場合に給水量が少なく設定されている。
【0035】
以上説明したように、本実施形態のドラム式洗濯機1は、洗濯行程を実施可能なドラム式洗濯機であって、筐体2内に配置された外槽3と、外槽3内に配置され、水平軸を中心に回転可能なドラム4と、ドラム4を回転させるための駆動モータ5と、外槽3の内周側に設けられ、ドラム4の外周面と対向する汚れ除去部材52を収容する収容部50とを備える。
【0036】
これにより、本実施形態のドラム式洗濯機1によれば、洗濯行程においてドラム4が回転駆動されると、汚れ除去部材52がドラム4の外周面を物理的に擦することにより、ドラム4の外周面の汚れを適正に除去することができる。また、ドラム4の洗浄運転が通常の洗濯運転と並行して行われるため、手間をかけず、特別な操作をしなくても、自動でドラム4に付着した汚れを除去することができる。また、汚れ除去部材52が収容部50から外部へ出てしまうと詰りの原因や、異音の原因になるため、汚れ除去部材52の動きを収容部50内に限定して汚れ除去部材52の動きを制御することにより、詰りや異音の原因となるのを防止している。
【0037】
本実施形態のドラム式洗濯機1において、汚れ除去部材52は、外槽内3に水が給水された場合に浮力により移動してドラム4の外周面と接触し、外槽3内から水が排水された場合に自重により移動してドラム4の外周面から離れる。
【0038】
これにより、本実施形態のドラム式洗濯機1によれば、汚れ除去部材52が、外槽3内に水が給水された場合に浮力により移動してドラム4の外周面と接触し、外槽3内から水が排水された場合に自重により移動してドラム4の外周面から離れるため、ドラム4が回転する際に、汚れ除去部材52をドラム4の外周面と接触する位置に容易に移動させることができる。
【0039】
本実施形態のドラム式洗濯機1において、収容部50内には、ドラム4の回転軸に沿って配置される複数の汚れ除去部材52が収容される。
【0040】
これにより、本実施形態のドラム式洗濯機1によれば、複数の汚れ除去部材52が収容部50内に収容されるため、複数の汚れ除去部材52が広い範囲において別々に回転することにより、ドラム4の外周面の大部分に付着した汚れを除去することができる。
【0041】
本発明に係るドラム式洗濯機1において、外槽3の下端部に、排水口3aが設けられ、収容部50は、排水口3aよりも上方に配置されており、収容部50内の水を排水口3aに向かって流れるように排水水路51が設けられる。
【0042】
これにより、本実施形態のドラム式洗濯機1によれば、収容部50内の水が排水口3aに向かって流れるように構成されるため、収容部50内の水を排水口3aから適正に排水することができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本実施形態の構成は上述したものに限定されず、種々の変形が可能である。
【0044】
例えば、上記実施形態では、汚れ除去部材52が、ゴム材、ウレタン材、シリコン材などで形成された略球形状の部材であるが、それに限られない。汚れ除去部材52の材質、形状は任意である。例えば、図9(a)に示すように、収容部50内に収容される汚れ除去部材152は、ゴム材、ウレタン材、シリコン材などで形成された円柱形状の部材でもよい。また、図9(b)に示すように、収容部50内に収容される汚れ除去部材252は、ブラシ状の部材でもよい。
【0045】
上記実施形態では、複数の汚れ除去部材52が収容部50内に収容されるが、それに限られない。収容部50内に収容される汚れ除去部材52は、1つでもよいし、その数は任意である。
【0046】
上記実施形態では、収容部50が外槽3と略同一長さを有しているが、それに限られない。例えば、収容部50は、外槽3の前後方向長さよりも短く、外槽3の前後方向全域の一部分に配置されてもよい。
【0047】
上記実施形態では、汚れ除去部材52が、外槽3内に水が給水された場合に浮力により移動してドラム4の外周面と接触し、外槽3内から水が排水された場合にドラム4の外周面から離れるが、それに限られない。例えば、汚れ除去部材52を接触位置と非接触位置との間で移動させる別の手段を有していてもよい。
【0048】
上記実施形態では、収容部50が、正面視において、外槽3の底部に対して右側であり且つ少し上方に配置されるが、それに限られない。外槽3の内周面において収容部50の配置は任意である。ただし、汚れ除去部材52を外槽3内に水が給水された場合に浮力により移動させる場合、外槽3の底部近傍に配置するのが好適である。
【0049】
上記実施形態では、ドラム4が水平軸を中心に回転可能であるが、それに限られない。例えば、ドラム4は、水平方向に対して傾く傾斜軸を中心に回転可能でもよい。
【0050】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 ドラム式洗濯機
2 筐体
3 外槽
3a 排水口
4 ドラム
5 駆動モータ
50 収容部
51 排水水路
52 汚れ除去部材
152 汚れ除去部材
252 汚れ除去部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9