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特開2023-94175ケーブル組付ブラケット、アタッチメント、ケーブル組付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094175
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】ケーブル組付ブラケット、アタッチメント、ケーブル組付方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/32 20060101AFI20230628BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20230628BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20230628BHJP
   F16L 3/12 20060101ALI20230628BHJP
   B25J 15/04 20060101ALI20230628BHJP
   B25J 15/08 20060101ALI20230628BHJP
   B25J 9/16 20060101ALI20230628BHJP
   H01B 13/012 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
H02G3/32
F16B2/08 F
F16B5/10 H
F16L3/12 B
B25J15/04 C
B25J15/08 P
B25J9/16
H01B13/012 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209495
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(72)【発明者】
【氏名】松井 岳
(72)【発明者】
【氏名】江崎 佑
【テーマコード(参考)】
3C707
3H023
3J001
3J022
5G363
【Fターム(参考)】
3C707AS06
3C707ES03
3C707EV07
3C707LV03
3C707LV06
3H023AC22
3H023AD26
3H023AD32
3H023AE07
3J001FA19
3J001GB01
3J001GC04
3J001GC12
3J001HA02
3J001JA03
3J001JB02
3J001JB14
3J001KA12
3J001KA19
3J022DA11
3J022EA42
3J022EB14
3J022EC02
3J022EC14
3J022EC22
3J022FB04
3J022FB12
3J022GA03
3J022GA12
3J022GB42
3J022GB45
3J022GB53
5G363AA16
5G363BA01
5G363DA15
5G363DC02
5G363DC08
(57)【要約】
【課題】被組立装置に対する位置決めを容易としつつ、ケーブルを被組立装置に対して確実に組み付けることが可能なケーブル組付ブラケット、アタッチメントおよびケーブル組付方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかるケーブル組付ブラケット100の構成は、マニピュレータ14を有する組立用ロボット10を用いて被組立装置20にケーブル30を組み付けるケーブル組付ブラケット100であって、ケーブル30を囲うアーチ110と、ケーブルを囲った状態にてアーチ110に固定される略直方体のブロック120と、被組立装置20に予め取り付けられブロック120の一対の側面122・124にそれぞれ嵌合する一対の爪部132・134を有するベース130と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マニピュレータを有する組立用ロボットを用いて被組立装置にケーブルを組み付けるケーブル組付ブラケットであって、
前記ケーブルを囲うアーチと、
前記ケーブルを囲った状態にて前記アーチに固定される略直方体のブロックと、
前記被組立装置に予め取り付けられ前記ブロックの一対の側面にそれぞれ嵌合する一対の爪部を有するベースと、
を含むことを特徴とするケーブル組付ブラケット。
【請求項2】
前記ブロックは、前記一対の側面のうち、一方の側面が半円柱形であり、
前記ベースは、前記一対の爪部のうち、前記ブロックの前記半円柱形の側面が嵌合される爪部が半円筒形であることを特徴とする請求項1に記載のケーブル組付ブラケット。
【請求項3】
前記アーチの側面には、前記ケーブルと略直交する方向に延びるスリットが形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のケーブル組付ブラケット。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のケーブル組付ブラケットのアーチを把持するアタッチメントであって、
前記組立用ロボットの前記マニピュレータのフィンガに取り付けられ、
前記アーチの幅方向側辺に沿う一対のリブを備えていて、前記ケーブル組付ブラケットを前記被組立装置に組み付けたあとに抜き取り可能であることを特徴とするアタッチメント。
【請求項5】
請求項3に記載のケーブル組付ブラケットのアーチを把持するアタッチメントであって、
前記組立用ロボットの前記マニピュレータのフィンガに取り付けられ、
前記スリットにスライド挿入されるリブを備えていて、前記ケーブル組付ブラケットを前記被組立装置に組み付けたあとに抜き取り可能であることを特徴とするアタッチメント。
【請求項6】
マニピュレータを有する組立用ロボットを用いて被組立装置にケーブルを組み付けるケーブル組付方法であって、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のケーブル組付ブラケットを用いて、
前記アーチを前記組立用ロボットの前記マニピュレータで把持し、
前記ブロックを傾けて前記ベース内に挿入し、
前記ブロックの側面の一方を前記爪部の一方に係合させた状態で前記マニピュレータを回動させて、側面の他方を前記爪部の他方に嵌合させることを特徴とするケーブル組付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マニピュレータを有する組立用ロボットを用いて被組立装置にケーブルを組み付けるケーブル組付ブラケット、ケーブル組付ブラケットに含まれるアーチを把持するアタッチメント、ケーブル組付ブラケットを用いたケーブル組付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットや電子機器、車両等の装置(以下、被組立装置)を組み立てる際には、被組立装置の内部にケーブル(配線)が組み付けられることがある。例えば特許文献1には、配線部材に取付けられる車両固定部材が開示されている。特許文献1の車両固定部材は、「車両へ固定可能な車両固定部と、配線部材を挿入可能な凹部が形成され、凹部内に配線部材が挿入された状態で凹部からの配線部材の抜け止を行う抜け止部が設けられた配線部材固定部と」を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-029432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、車体を構成する金属パネルに形成された孔に車両固定部を挿入(嵌め込む)ことで、車両固定部材を車体に取り付けている。この工程では当然にして孔に対する車両固定部の位置決めを行うものと考えられる。このとき、車両固定部の大きさと孔の大きさとがほぼ同じ大きさであると、それらの位置決めを正確に行わなければならないため、作業に時間を要し、作業効率の低下が生じると考えられる。
【0005】
そこで孔を車両固定部の大きさよりも余裕を持った大きさとしておくことで作業効率の低下を防ぐことができると考えられる。しかしながら、特許文献1では「車両固定部を金属パネルに形成された孔に挿入すると、一対の係止部の外向き部分が孔の周縁部に当接し、内向きに弾性変形する。係止凹部が孔の周縁部に達する迄、車両固定部を孔に挿入すると、係止凹部が孔の周縁部に金属パネルの一方主面側から抜け止状態に係止する。」という固定構造であるため、孔が大きくなると車両固定部を金属パネルに固定できなくなったり、固定が不安定になってしまったりするおそれがある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み、被組立装置に対する位置決めを容易としつつ、ケーブルを被組立装置に対して確実に組み付けることが可能なケーブル組付ブラケット、アタッチメントおよびケーブル組付方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかるケーブル組付ブラケットの代表的な構成は、マニピュレータを有する組立用ロボットを用いて被組立装置にケーブルを組み付けるケーブル組付ブラケットであって、ケーブルを囲うアーチと、ケーブルを囲った状態にてアーチに固定される略直方体のブロックと、被組立装置に予め取り付けられブロックの一対の側面にそれぞれ嵌合する一対の爪部を有するベースと、を含むことを特徴とする。
【0008】
上記ブロックは、一対の側面のうち、一方の側面が半円柱形であり、ベースは、一対の爪部のうち、ブロックの半円柱形の側面が嵌合される爪部が半円筒形であるとよい。
【0009】
上記アーチの側面には、ケーブルと略直交する方向に延びるスリットが形成されているとよい。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明にかかるアタッチメントの代表的な構成は、上述したケーブル組付ブラケットのアーチを把持するアタッチメントであって、組立用ロボットのマニピュレータのフィンガに取り付けられ、アーチの幅方向側辺に沿う一対のリブを備えていて、ケーブル組付ブラケットを被組立装置に組み付けたあとに抜き取り可能であることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明にかかるアタッチメントの他の構成は、上述したケーブル組付ブラケットのアーチを把持するアタッチメントであって、組立用ロボットのマニピュレータのフィンガに取り付けられ、スリットにスライド挿入されるリブを備えていて、ケーブル組付ブラケットを被組立装置に組み付けたあとに抜き取り可能であることを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明にかかるケーブル組付方法の代表的な構成は、マニピュレータを有する組立用ロボットを用いて被組立装置にケーブルを組み付けるケーブル組付方法であって、上述したケーブル組付ブラケットを用いて、アーチを組立用ロボットのマニピュレータで把持し、ブロックを傾けてベース内に挿入し、ブロックの側面の一方を爪部の一方に係合させた状態でマニピュレータを回動させて、側面の他方を爪部の他方に嵌合させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、被組立装置に対する位置決めを容易としつつ、ケーブルを被組立装置に対して確実に組み付けることが可能なケーブル組付ブラケット、アタッチメントおよびケーブル組付方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態のケーブル組付方法を説明する斜視図である。
図2】ケーブル組付ブラケットおよびアタッチメントの第1実施例を説明する斜視図である。
図3】第1実施例のアーチにアタッチメントを取り付けた状態を示す斜視図である。
図4】第1実施例のケーブル組付ブラケットを用いたケーブルの組付を説明する図である。
図5】ケーブル組付ブラケットおよびアタッチメントの第2実施例を説明する斜視図である。
図6】第2実施例のアーチにアタッチメントを取り付けた状態を示す斜視図である。
図7】第2実施例のケーブル組付ブラケットを用いたケーブルの組付を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0016】
図1は、本実施形態のケーブル組付方法を説明する斜視図である。以下、本実施形態のケーブル組付方法について詳述しつつ、かかるケーブル組付方法において用いられるケーブル組付ブラケットおよびアタッチメントについても併せて説明する。図1に示すように本実施形態のケーブル組付方法では、ロボットアーム12の先端にマニピュレータ14を有する組立用ロボット10を用いて被組立装置20にケーブル30を組み付ける。
【0017】
(第1実施例)
図2は、ケーブル組付ブラケットおよびアタッチメントの第1実施例を説明する斜視図である。図3は、第1実施例のアーチ110にアタッチメント150を取り付けた状態を示す斜視図である。図4は、第1実施例のケーブル組付ブラケット100を用いたケーブル30の組付を説明する図である。
【0018】
図2および図3に示すように第1実施例のケーブル組付ブラケット100は、アーチ110、ブロック120およびベース130を含んで構成される。アーチ110は、ケーブル30を囲う部材であってケーブル30を保持する保持部112と、保持部112の両端から延びてブロック120に固定されるフランジ114を含んで構成される。
【0019】
ブロック120は、略直方体であり、アーチ110が固定された状態でベース130に嵌め込まれる。ベース130は、被組立装置20に予め取り付けられる部材である。ベース130は、ブロック120の一対の側面122・124にそれぞれ嵌合する一対の爪部132・134を有し、ブロック120が嵌め込まれることでケーブル30を被組立装置20に組み付ける。なお本実施形態におけるブロック120の一対の側面122・124とは、アーチ110と接する接触面120a、および被組立装置20と対向する対向面120b以外の4つの面のうち、表裏の関係にある2つの面のことである。そして一対の爪部132・134は、ブロック120の一対の側面122・124の外面(表面)に係合する。
【0020】
第1実施例のケーブル組付ブラケット100では特に、ブロック120の一対の側面122・124のうち、一方の側面122が半円柱形であり、他方の側面124は凹形状となっている。一方、ベース130の一対の爪部132・134のうち、ブロック120の半円柱形の側面122が嵌合される爪部132(一方の爪部)は半円筒形であり、ブロック120の凹形状の側面124が勘合される爪部134(他方の爪部)は凸形状となっている。
【0021】
上述した第1実施例のケーブル組付ブラケット100は、図2および図3に示すアタッチメント150に把持される。詳細にはアタッチメント150は、組立用ロボット10のマニピュレータ14のフィンガ16に取り付けられる部材であり、ケーブル組付ブラケット100のアーチ110を把持する。第1実施例ではアタッチメント150には、アーチ110の幅方向側辺に沿う一対のリブ152が形成されている。
【0022】
第1実施例のケーブル組付ブラケット100を用いて被組立装置20にケーブル30を組み付ける際には、まず図2に示すようにアーチ110の保持部112の内部にケーブル30を配置する。そしてフランジ114に形成されているボルト穴118およびブロック120に形成されているボルト穴128にボルト102を挿通する。これにより、アーチ110とブロック120とが固定され、それらにケーブル30が保持(把持)された状態となる。
【0023】
一方、上述したアーチ110およびブロック120にケーブルを保持させる作業と前後して、ベース130に形成されているボルト穴138にボルト104を挿通し、ベース130を被組立装置20に取り付ける。またそれと並行して、フィンガ16にアタッチメント150に取り付ける。なお本実施形態では、ベース130を被組立装置20に直接取り付ける構成を例示したが、これに限定するものではなく、他の部材を介してベース130を被組立装置20に間接的に取り付ける構成とすることも可能である。
【0024】
次に、図2の矢印方向にマニピュレータ14を移動させ、一対のリブ152の間にアーチ110を配置し、マニピュレータ14のフィンガ16によってアーチ110を把持する。これにより、ケーブル30は、アーチ110およびブロック120を介して組立用ロボット10に保持される。このとき上述したようにアタッチメント150に一対のリブ152が形成されていることにより、アタッチメント150に保持されたアーチ110のケーブル30の軸方向でのガタつきを防ぐことが可能となる。
【0025】
組立用ロボット10にケーブル30を保持させたら、図4(a)に示すようにブロック120を傾けた状態でD1方向に移動させてベース130内に挿入し、ブロック120の一対の側面122・124のうち、一方の側面122(半円柱形の側面)を一方の爪部132(半円筒形の爪部)に係合させる。
【0026】
そして図4(b)に示すように一方の側面122と一方の爪部132とが係合した状態でD2方向にマニピュレータ14を回動させ、他方の側面124(凹形状の側面)を他方の爪部134(凸形状の爪部)に嵌合させる。このときアタッチメント150のリブ152がアーチ110の幅方向側辺(軸方向両端)に沿っているため、回動させる力でずれたり外れたりすることなく、確実に回転モーメントを伝えることができる。
【0027】
上記構成によれば、ブロック120を「ケーブルの軸方向およびかかる軸方向と直交する方向」において厳密に位置決めすることなく、ブロック120をベース130に勘合し、ケーブル30を被組立装置20に組み付けることができる。したがって、被組立装置20に対する位置決めを容易としつつ、ケーブル30を被組立装置20に対して確実に組み付けることが可能となる。
【0028】
また上記構成によれば、ベース130にブロック120を嵌合させた際、ベース130に取り付けられているボルト104の頭105がブロック120の孔129に嵌入した状態となる。これにより、ブロック120の長軸方向へのずれを防ぐことができ、長軸方向へのずれによるブロック120のベース130からの抜けを好適に防止することが可能となる。
【0029】
また第1実施例では、ケーブル組付ブラケット100を被組立装置20に組み付けたあとにマニピュレータ14をD3方向にスライドさせることにより、アタッチメント150をアーチ110から抜き取ることができる。これにより、被組立装置20にケーブル30を組み付ける作業を行う度に新たなアタッチメント150をフィンガ16に取り付ける作業が不要となるため、作業時間およびコストの削減を図ることが可能となる。
【0030】
(第2実施例)
図5は、ケーブル組付ブラケットおよびアタッチメントの第2実施例を説明する斜視図である。図6は、第2実施例のアーチ210にアタッチメント250を取り付けた状態を示す斜視図である。図7は、第2実施例のケーブル組付ブラケット200を用いたケーブル30の組付を説明する図である。なお、先に説明した部材と共通の構成要素については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0031】
本実施形態のケーブル組付方法では、図2および図3に示すアーチ110およびアタッチメント150に替えて、図5および図6に示すアーチ210およびアタッチメント250を用いることができる。詳細には第2実施例のアーチ210の保持部212の両側面には、ケーブル30と略直交する方向に延びるスリット216が形成されている。一方、第2実施例のアタッチメント250は、スリット216にスライド挿入されるリブ252を備えている。
【0032】
上記構成によれば、図5の矢印方向にマニピュレータ14を移動させるとアタッチメント250のリブ252がアーチ210の側面のスリット216にスライド挿入される。これにより、マニピュレータ14のフィンガ16によってアーチ210を把持する。ケーブル30はアーチ110およびブロック120を介して組立用ロボット10にケーブル30が保持される。このとき、スリット216において上端216aの幅W2がその下方の幅W1よりも広くなっていることにより、リブ252をスリット216に挿入する際にアーチ210の幅方向での位置決めが容易となる。
【0033】
組立用ロボット10にケーブル30を保持させたら、図7(a)に示すように、ブロック120を傾けた状態でD1方向に移動させてベース130内に挿入し、ブロック120の一対の側面122・124のうち、一方の側面122(半円柱形の側面)を一方の爪部132(半円筒形の爪部)に係合させる。そして図7(b)に示すように一方の側面122と一方の爪部132とが係合した状態でD2方向にマニピュレータ14を回動させ、他方の側面124(凹形状の側面)を他方の爪部134(凸形状の爪部)に嵌合させる。このときアタッチメント250のリブ252がアーチ210のスリット216に挿入されていることから、回動させる力でずれたり外れたりすることなく、確実に回転モーメントを伝えることができる。
【0034】
上記説明したように本実施形態のケーブル組付方法では、第1実施例のケーブル組付ブラケット100に替えて第2実施例のケーブル組付ブラケット200を用いても、第1実施例のケーブル組付ブラケット100を用いた際と同様に被組立装置20に対する位置決めを容易としつつ、ケーブル30を被組立装置20に対して確実に組み付けることが可能となる。また第2実施例のケーブル組付ブラケット200においても、ケーブル組付ブラケット200を被組立装置20に組み付けたあとにマニピュレータ14をD3方向にスライドさせることで、アタッチメント250をアーチ210から抜き取ることができる。
【0035】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、ケーブル組付ブラケット、アタッチメント、ケーブル組付方法として利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
10…組立用ロボット、12…ロボットアーム、14…マニピュレータ、16…フィンガ、20…被組立装置、30…ケーブル、100…ケーブル組付ブラケット、102…ボルト、104…ボルト、105…頭、110…アーチ、112…保持部、114…フランジ、118…ボルト穴、120…ブロック、122…側面、124…側面、128…ボルト穴、129…孔、130…ベース、132…爪部、134…爪部、138…ボルト穴、150…アタッチメント、152…リブ、200…ケーブル組付ブラケット、210…アーチ、212…保持部、216…スリット、216a…上端、250…アタッチメント、252…リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7