(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094190
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/08 20060101AFI20230628BHJP
A47J 27/00 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
A47J27/08 G
A47J27/00 103N
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209516
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】村上 誠
(72)【発明者】
【氏名】野村 周平
(72)【発明者】
【氏名】駒木 杏奈
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA08
4B055BA34
4B055CA21
4B055CA69
4B055CA73
(57)【要約】
【課題】加熱調理器の機能を向上させること。
【解決手段】加熱調理器(2)は、調理空間(S)を有する鍋(4)と、鍋(4)を加熱する加熱部(9)と、調理空間(S)を密閉するための内蓋(14)を有する蓋(10)と、を備え、内蓋(14)には、調理空間(S)を封止する封止位置と大気圧に開放する開放位置との間で移動可能な圧力開放弁(22)が設けられ、蓋(10)には、圧力開放弁(22)を開放位置へ向けて移動させるように自動で動作する自動開放部(50)およびユーザの手動で動作する手動開放部(25)が設けられる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理空間を有する鍋と、
前記鍋を加熱する加熱部と、
前記調理空間を密閉するための内蓋を有する蓋と、を備え、
前記内蓋には、前記調理空間を封止する封止位置と大気圧に開放する開放位置との間で移動可能な圧力開放弁が設けられ、
前記蓋には、前記圧力開放弁を前記開放位置へ向けて移動させるように自動で動作する自動開放部およびユーザの手動で動作する手動開放部が設けられる、加熱調理器。
【請求項2】
前記自動開放部および前記手動開放部は、前記圧力開放弁を前記開放位置へ向けて押圧するための共通の押圧部を有する、請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記押圧部に接続される可動部をさらに備え、
前記可動部は、前記自動開放部あるいは前記手動開放部によって軸方向に駆動される、請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記可動部は、前記自動開放部を構成する第1可動部と、前記手動開放部を構成する第2可動部とを備え、
前記第1可動部と前記第2可動部はそれぞれ軸方向に移動可能である、請求項3に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記第1可動部と前記第2可動部は同軸に配置される、請求項4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記手動開放部は、前記軸方向に沿って移動可能な可動部と、前記可動部に取り付けられ前記自動開放部に連結される連結部とを有し、
前記自動開放部は、前記連結部を前記軸方向に沿って駆動させることで、前記連結部と前記可動部を一体的に移動させる、請求項3に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記自動開放部は、前記連結部に係合する係合部を有し、前記係合部は、前記連結部に係合する連結位置と、前記連結部から離れた非連結位置との間を移動可能である、請求項6に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記係合部を手動で動作させるための操作部をさらに備える、請求項7に記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記蓋には、前記手動開放部の動作を制限するためのロック部材がさらに設けられる、請求項1から8のいずれか1つに記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記ロック部材は、前記手動開放部の動作を制限するロック位置と非ロック位置の間で移動可能な可動部を備え、
前記可動部は、前記調理空間に露出するように前記内蓋に取り付けられており、前記調理空間の圧力の上昇に応じて、前記非ロック位置から前記ロック位置まで上昇するように動作する、請求項9に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記内蓋には、前記圧力開放弁を前記封止位置に向けて付勢する付勢部材がさらに設けられ、
前記自動開放部および前記手動開放部はそれぞれ、前記付勢部材の付勢力に反して前記圧力開放弁を前記開放位置へ向けて押圧するように動作する、請求項1から10のいずれか1つに記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記圧力開放弁は、前記調理空間に露出するパッキンと、前記パッキンに接続されるとともに前記内蓋の貫通孔に挿通される弁体とを有し、
前記自動開放部および前記手動開放部はそれぞれ、前記弁体を前記調理空間に向けて押し下げるように動作する、請求項1から11のいずれか1つに記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記内蓋には、前記調理空間の圧力の上昇に応じて、前記調理空間を大気圧に開放するように動作する安全弁がさらに設けられる、請求項1から12のいずれか1つに記載の加熱調理器。
【請求項14】
減圧調理機能を有する、請求項1から13のいずれか1つに記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、食品等の調理物を鍋に収容して加熱調理する加熱調理器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の加熱調理器は、鍋内の圧力を制御するための圧力開放弁を自動で動作させる機能を有し、所定条件を満たした場合に、鍋内の圧力を大気圧に開放するように圧力開放弁を動作させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の加熱調理器では、停電等で非通電となった場合に圧力開放弁を動作させることができなくなり、特に、鍋内の圧力が大気圧よりも低い減圧状態の場合には鍋の蓋が開けられなくなる可能性がある。このため、加熱調理器の機能・利便性の観点で改善の余地があるといえる。
【0006】
従って、本開示の目的は、前記問題を解決することにあって、加熱調理器の機能を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本開示の加熱調理器は、調理空間を有する鍋と、前記鍋を加熱する加熱部と、前記調理空間を密閉するための内蓋を有する蓋と、を備え、前記内蓋には、前記調理空間を封止する封止位置と大気圧に開放する開放位置との間で移動可能な圧力開放弁が設けられ、前記蓋には、前記圧力開放弁を前記開放位置へ向けて移動させるように自動で動作する自動開放部およびユーザの手動で動作する手動開放部が設けられる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、加熱調理器の機能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】実施形態1の加熱調理器の外蓋を省略した状態の斜視図
【
図5】実施形態1の安全弁の周辺構成を示す縦断面図
【
図6】実施形態1の圧力開放弁の周辺構成を示す縦断面図
【
図7】実施形態1の蓋の内部構成を示す概略縦断面図
【
図8】実施形態1の手動開放部と自動開放部を示す概略縦断面図
【
図9A】実施形態1の手動開放部と自動開放部を示す概略縦断面図(手動開放部が動作した状態)
【
図9B】実施形態1の手動開放部と自動開放部を示す概略縦断面図(自動開放部が動作した状態)
【
図10A】実施形態1の手動開放部とロック部材の一例を示す概略縦断面図(非ロック状態)
【
図10B】実施形態1の手動開放部とロック部材の一例を示す概略縦断面図(ロック状態)
【
図10C】実施形態1の手動開放部とロック部材の別の例を示す概略縦断面図(非ロック状態)
【
図10D】実施形態1の手動開放部とロック部材の別の例を示す概略縦断面図(ロック状態)
【
図11A】実施形態2の加熱調理器が備える手動開放部および自動開放の概略正面図(連結状態)
【
図11B】実施形態2の加熱調理器が備える手動開放部および自動開放の概略正面図(非連結状態)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る加熱調理器の例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本開示に含まれる。
【0011】
(実施形態1)
まず
図1、
図2を参照して、本開示の一実施形態に係る加熱調理器について説明する。
【0012】
図1は、実施形態1に係る加熱調理器2の斜視図であり、
図2は、加熱調理器2の縦断面図(
図1のA-A断面図)である。
【0013】
図1、
図2に示す加熱調理器2は、食品等の調理物(図示せず)を加熱調理するための調理器具である。本実施形態の加熱調理器2は、調理メニューごとに動作シーケンスが予めプログラムされた自動調理器であり、「オートクッカー」、「マルチクッカー」、「スロークッカー」とも称する。
【0014】
ユーザが加熱調理器2を利用する際は、
図2に示す鍋4の調理空間Sに調理物(図示せず)を配置するとともに、
図1に示す操作表示部6を操作して調理メニューを選択し、加熱調理の実行を決定する。加熱調理器2は、選択された調理メニューの料理(煮物やカレー等)に応じて、予め定められたプログラムに従って調理物を加熱調理するように動作する。
【0015】
本実施形態の加熱調理器2は、調理空間Sを大気圧よりも高い圧力に加圧した状態で調理する「加圧調理機能」と、調理空間Sを大気圧よりも低い圧力まで減圧した状態で調理する「減圧調理機能」を有する。減圧調理を行う際には、例えば、調理空間Sの空気を逆止弁を通じて外部に押し出した後、鍋4を冷却することで減圧状態としてもよく、あるいは、ポンプを用いて調理空間Sの空気を強制排気することで減圧状態としてもよい。
【0016】
図1、
図2に示す加熱調理器2は、鍋4を収容する本体部8と、本体部8を開閉するための蓋10とを備える。
【0017】
本体部8は、鍋4や他の構成要素を収容する部材である。本体部8には加熱調理器2を動作させるための各種部品が内蔵されており、
図2に示すように、鍋4を加熱するためのヒータ9や、加熱調理器2の運転を制御する制御部11を内蔵する。制御部11は、簡略化して図示する。
【0018】
図1に示すように、本体部8は、蓋10を回転可能(矢印R1)に軸支する。
【0019】
蓋10は、本体部8および本体部8に収容された鍋4を開閉するための部材である。
図1、
図2では、蓋10が閉じた状態を示す。
【0020】
蓋10は、外蓋12と、内蓋14(
図2)とを備える。外蓋12は、本体部8の全体を開閉するための蓋であり、内蓋14は、鍋4を開閉するための蓋である。内蓋14は、外蓋12の内側(下面側)に取り付けられる。
【0021】
ここで、
図3、
図4を用いて、内蓋14の構成について説明する。
【0022】
図3は、加熱調理器2において外蓋12を省略した状態を示す斜視図であり、
図4は、内蓋14を単独で示す斜視図である。
【0023】
図3、
図4に示すように、内蓋14は、内蓋本体部16と、パッキン18とを有する。
【0024】
内蓋本体部16は、内蓋14の本体部に相当する部分であり、大略円板状である。内蓋本体部16の外周部にはパッキン18が取り付けられる。パッキン18は、内蓋本体部16の下面側に取り付けられた大略円環状の部材である。蓋10が閉じられると、パッキン18は、鍋4のフランジ部に当接して調理空間Sを密閉する。
【0025】
内蓋本体部16には、安全弁20と、圧力開放弁22と、ロック部材24とが設けられている。
【0026】
安全弁20は、調理空間Sの圧力が所定圧力以上まで上昇することに応じて、調理空間Sを大気圧に開放するように動作する弁である。安全弁20は、調理空間Sが過圧状態となることを防止する。安全弁20は、「調圧弁」、「逆止弁」と称してもよい。
【0027】
圧力開放弁22は、安全弁20と同様に、調理空間Sを大気圧に開放するように動作する弁である。圧力開放弁22は、安全弁20とは異なり、制御部11の制御によって自動的に、あるいは、ユーザの操作によって手動で、動作する。圧力開放弁22は、「圧力解除弁」と称してもよい。
【0028】
図1、
図2に示すように、蓋10の表面には操作ボタン26が設けられる。操作ボタン26は、前述した圧力開放弁22を手動で動作させるための操作部(押しボタン)であり、
図2に示す手動開放部25を構成する。操作ボタン26は、「圧力開放ボタン」と称してもよい。
【0029】
ここで、安全弁20および圧力開放弁22の構成について、
図5、
図6を用いて説明する。
図5は、安全弁20の周辺構成を示す縦断面図であり、
図6は、圧力開放弁22の周辺構成を示す縦断面図である。
【0030】
図5に示すように、安全弁20は、弁体28と、パッキン30と、バネ32とを備える。
【0031】
弁体28は、調理空間Sを封止する封止位置と開放位置との間を移動する可動部であり、上下方向に延びる棒状の形状を有する。弁体28は、内蓋本体部16に立設された弁受け部33の開口34に挿通される。弁体28は、開口34を介して調理空間Sに露出するとともに、開口34を隔てて調理空間Sの外側にある外部空間O(蓋10の内部空間)にも露出する。外部空間Oは、大気圧に開放されている。
【0032】
弁体28の中央部には拡径部36が設けられ、拡径部36にはパッキン30が取り付けられる。パッキン30は、開口34の周囲における弁受け部33の上面に当接したときに調理空間Sを封止する。
【0033】
バネ32は、弁体28を封止位置に向けて付勢するための付勢部材である。バネ32の付勢力F1は、弁体28に取り付けられたパッキン30を弁受け部33の上面に押し付ける方向(すなわち調理空間Sに向かう方向)に作用する。
【0034】
バネ32の付勢力F1によって安全弁20は封止位置に向けて付勢されるが、調理空間Sが加圧状態になると、調理空間Sの加圧力F2が弁体28に対して上方に作用する。加圧力F2が付勢力F1よりも大きくなると、バネ32が縮みながら、安全弁20が開放位置まで上昇する(矢印M1)。これにより、調理空間Sの封止が解除され、調理空間Sは外部空間Oに連通して大気圧に開放される。
【0035】
図6に示すように、圧力開放弁22は、弁体38と、パッキン40と、バネ42とを備える。
【0036】
弁体38は、調理空間Sを封止する封止位置と開放位置との間を移動する可動部であり、上下方向に延びる形状を有する。弁体38は、内蓋本体部16に立設された弁受け部43の開口44に挿通される。弁体38は、開口44を介して調理空間Sと外部空間Oに配置される。
【0037】
弁体38の上端には、外部空間Oに配置される被押圧部46が設けられる。被押圧部46は、
図2に示した手動開放部25によって下方に押圧される部分である。
【0038】
弁体38の下端には、調理空間Sに配置される拡径部48が設けられる。拡径部48は、封止用のパッキン40を取り付けるための部材である。パッキン40は、開口44の周囲における弁受け部43の下面に当接すると調理空間Sを封止する。
【0039】
バネ42は、弁体38を封止位置に向けて付勢するための付勢部材である。バネ42の付勢力F3は、弁体38に取り付けられたパッキン40を弁受け部43の下面に押し付ける方向(すなわち外部空間Oに向かう方向)に作用する。
【0040】
バネ42の付勢力F3によって圧力開放弁22は封止位置に向けて付勢されるが、前述した手動開放部25によって被押圧部46が押圧されると、下方への押圧力F4が作用する。押圧力F4が付勢力F3よりも大きくなると、バネ42が縮みながら、圧力開放弁22が一体的に下降して開放位置まで移動する(矢印M2)。これにより、調理空間Sの封止が解除され、調理空間Sは大気圧に開放される。
【0041】
図6に示す圧力開放弁22の被押圧部46を押圧して圧力開放弁22を動作させるための構成として、本実施形態の加熱調理器2では、ユーザの手動で動作する手動開放部25(
図2、
図10)と、制御部11の制御により自動で動作する自動開放部50(
図10)を設けている。手動開放部25および自動開放部50の構成について、
図7、
図8、
図9A、
図9Bを用いて説明する。
【0042】
図7は、蓋10の内部構成を概略的に示す縦断面図である。
【0043】
図7に示すように、蓋10の内部には、圧力開放弁22を動作させるための構成として、手動開放部25と、自動開放部50とが設けられる。手動開放部25および自動開放部50はともに蓋10の外蓋12に設けられるとともに、内蓋14に取り付けられた圧力開放弁22の被押圧部46にアクセス可能な位置に配置される。
【0044】
図8は、手動開放部25および自動開放部50の構成を示す概略縦断面図である。
図8では、手動開放部25および自動開放部50が動作しておらず、圧力開放弁22が封止位置にある状態を示す。
【0045】
図8に示すように、手動開放部25は、操作ボタン26に加えて、バネ52と、バネ押さえ54と、可動部56と、押圧部58と、支持部60とを備える。
【0046】
バネ52は、操作ボタン26を上方に付勢する付勢力F5を発生させる付勢部材である。バネ52は、バネ押さえ54によって下方から支持され、バネ押さえ54は、蓋10の内壁部に固定されている。
【0047】
可動部56は、操作ボタン26に取り付けられ、操作ボタン26と一体的に上下動する部材である。可動部56は、軸方向Aに沿って延びる軸部材であり、軸方向Aに上下動する。可動部56の先端には押圧部58が取り付けられる。
【0048】
押圧部58は、圧力開放弁22の被押圧部46を押圧するための部材である。押圧部58は、被押圧部46の上方に配置され、被押圧部46に対向する。押圧部58は支持部60によって支持される。支持部60は、押圧部58を弾性的に支持する部材であり、蓋10の内壁に固定されている。
【0049】
上記構成によれば、
図9Aに示すように、ユーザが操作ボタン26を押下すると、可動部56および押圧部58が一体的に下降して、押圧部58が圧力開放弁22の被押圧部46に接触して下方に押圧する。これにより、圧力開放弁22が封止位置から開放位置へ移動し、調理空間Sが大気圧に開放される。
【0050】
ユーザが操作ボタン26を離せば、バネ52によって操作ボタン26は元の上方位置に戻り、押圧部58は圧力開放弁22から退避して、圧力開放弁22は元の封止位置に戻る。
【0051】
なお可動部56と押圧部58が上下動するとき、押圧部58に接続された可動部68も連動して上下動する。
【0052】
図8に示すように、自動開放部50は、モータ62と、カム部材63と、可動部68と、押下げ部69と、バネ70とを備える。
【0053】
モータ62は、自動開放部50を駆動するための駆動部であり、制御部11から送信される駆動信号に応じて回転駆動する(矢印R2)。モータ62は、正回転と逆回転の両方に可逆的に回転可能である。カム部材63は、モータ62と可動部68の間に接続される部材であり、モータ62の回転力を、軸方向Aに沿った駆動力に変換して可動部68に伝達する。カム部材63は、モータ係合部64と、傾斜部66とを有する。
【0054】
モータ係合部64は、モータ62のギヤに噛み合う部分であり、モータ62の回転によって、傾斜部66とともに横方向Bに移動する。傾斜部66は、水平方向に対して傾斜した部分であり、押下げ部69に係合する。押下げ部69は、可動部68の周囲に配置されるとともに、バネ70を押し下げる機能を有する。押下げ部69が水平方向に延びるのに対して、傾斜部66が水平方向に対して傾斜することで、傾斜部66と押下げ部69の接触位置に応じて、押下げ部69の上下位置が変化する。これにより、バネ70が押圧部58を押し下げる押下げ力F6が変化する。
【0055】
可動部68は、前述した可動部56と同様に軸方向Aに沿って延びる軸部材であり、先端が押圧部58に接続される。可動部68は、可動部56を内側に収容する筒状の形状を有し、可動部56と同軸に配置される。可動部68の周囲にはバネ70が設けられ、押下げ部69と押圧部58の間にバネ70が配置される。
【0056】
上記構成によれば、
図9Bに示すように、モータ62を所定の回転方向R3に回転させると、カム部材63が紙面右側に移動して、カム部材63の傾斜部66が押下げ部69を押し下げる。押し下げられた押下げ部69によってバネ70が圧縮され、バネ70を介して押圧部58および可動部68が下方に押し下げられ、押圧部58が圧力開放弁22の被押圧部46を押圧する。これにより、圧力開放弁22が封止位置から開放位置へ移動し、調理空間Sが大気圧に開放される。
【0057】
モータ62を回転方向R3の逆方向に回転させれば、押圧部58は圧力開放弁22から退避して、圧力開放弁22は元の封止位置に戻る。
【0058】
なお可動部68と押圧部58が上下動するとき、可動部68と同軸に配置された可動部56は移動せず、可動部68は可動部56とは独立して上下動する。
【0059】
上記の通り、圧力開放弁22を動作させる機構として2種類の機構(手動開放部25および自動開放部50)を設けることで、ユーザの手動操作あるいは制御部11の制御による自動操作で調理空間Sを大気圧に開放させることができる。なお、自動開放部50においてモータ62を回転駆動するタイミングや回転方向は、調理コースに応じて予め定められており、制御部11の記憶部(図示せず)に記憶されている。
【0060】
例えば、加熱調理あるいは減圧調理の間は、予め記憶されたプログラムに従って自動開放部50を用いて圧力開放弁22を所定のタイミングで動作させつつ、調理中以外のときは、手動開放部25を用いてユーザが手動で圧力開放弁22を動作させることが可能となる。また、調理中の好きなタイミングでユーザが手動で圧力開放弁22を動作させて蓋10を開けることも可能となる。特に、停電等で加熱調理器2が非通電となった場合は自動開放部50を動作させることができなくなるため、手動開放部25を用いて圧力開放弁22を動作できるようにすることで、停電等の非常時にも、調理空間Sを大気圧に開放させる機能を備えることができる。
【0061】
特に、本実施形態の加熱調理器2は減圧調理機能を有するものであり、調理空間Sの圧力が大気圧よりも低い減圧状態のときに加熱調理器2が非通電になると、蓋10が開けられなくなるおそれがある。これに対して手動開放部25を設けることで、減圧状態で非通電となるような場合でも蓋10が開けられる状態を確保することができ、加熱調理器2の機能・利便性を向上させることができる。
【0062】
【0063】
図10A、
図10Bはそれぞれ、手動開放部25およびロック部材24A(ロック部材24の一例)を簡略化して示す縦断面図である。
図10Aが非ロック状態に対応し、
図10Bがロック状態に対応する。
【0064】
図10A、
図10Bに示すように、ロック部材24Aは、ロックピン72と、台座74と、ロック板76とを備える。
【0065】
ロックピン72は、調理空間Sの圧力の上昇に応じて動作する可動部である。ロックピン72は棒状の形状を有し、内蓋14の内蓋本体部16に立設された台座74に挿通され、調理空間Sと外部空間Oに露出する。調理空間Sが加圧状態でないときは、
図10Aに示すようにロックピン72は台座74によって下死点に支持される。
【0066】
ロック板76は、ロックピン72の上方に設けられた板状の部材であり、水平面内で回転可能に構成される。ロック板76は上下位置が固定された状態で、蓋10の内壁に取り付けられている。
【0067】
図7~
図9B等では図示を省略したが、手動開放部25の可動部56には、ロック用の突起部78が設けられている。
【0068】
図10Bに示すように、調理空間Sの圧力が大気圧よりも高い加圧状態になると、調理空間Sに露出するロックピン72に対して上方への加圧力F7が作用する。これにより、ロックピン72が上昇してロック板76に係合し、ロック板76が水平面内で回転する。ロックピン72とロック板76の接触箇所はカム形状を有し、ロックピン72の軸方向Aの動きがロック板76の回転方向の動きに変換される。
図10Bに示すように、ロック板76の先端部80が突起部78の直下へ移動することで、突起部78および可動部56の下降が制限される。ユーザが操作ボタン26を押圧しても押し下げることができなくなり、手動開放部25の動作が制限される。
【0069】
上記構成によれば、調理空間Sが加圧状態となることに応じてロックピン72を自発的に上昇させて、手動開放部25の動作を制限することができる。これにより、調理空間Sが加圧状態のときにユーザが誤って手動で圧力開放弁22を動作させることを防ぐことができ、調理空間Sの内容物の飛散を防止し、安全性を向上させることができる。
【0070】
なお、ロック部材24Aが動作する加圧力F7の下限値は、前述した安全弁20が動作する加圧力F2(
図5)の下限値よりも小さくなるように、ロックピン72や弁体28等の重量が設定されている。これにより、安全弁20が調理空間Sを大気圧に開放する前の加圧状態のときにロック部材24Aを動作させて、手動開放部25の動作を制限することができる。
【0071】
図10C、
図10Dはそれぞれ、手動開放部25およびロック部材24B(ロック部材24の一例)を簡略化して示す縦断面図である。
図10Cが非ロック状態に対応し、
図10Dがロック状態に対応する。
【0072】
図10C、
図10Dに示すように、ロック部材24Bは、ロックピン82と、可動台座84と、第1アーム86と、第2アーム88と、第3アーム90とを備える。
【0073】
ロックピン82は、調理空間Sの圧力の上昇に応じて動作する可動部である。ロックピン82は、内蓋14の内蓋本体部16に載置された可動台座84に挿通され、調理空間Sと外部空間Oに露出する。可動台座84は、ロックピン82を一体的に支持するとともに、ロックピン82の上下動に応じて一体的に移動する。
【0074】
第1アーム86、第2アーム88および第3アーム90は、ロックピン82の上下動に応じて、所定の往復動作を行うように設けられた部材である。第1アーム86の一端は、ロックピン82の先端部に取り付けられ、第2アーム88の一端は、外蓋12に取り付けられる。第1アーム86の他端と第2アーム88の他端は回転可能に連結されるとともに、第3アーム90の一端も回転可能に連結される。第3アーム90の他端は、操作ボタン26の近傍に配置される。
【0075】
図10Cに示すように、調理空間Sの圧力が大気圧に近い場合はロックピン82は上昇せず、第3アーム90の先端部は操作ボタン26から離れた位置にある。このとき、操作ボタン26を押下しても第3アーム90の先端部に干渉しないため、操作ボタン26を所望の押下位置まで押し下げることができる。
【0076】
図10Dに示すように、調理空間Sの圧力が大気圧よりも高い加圧状態になると、ロックピン82に対して上方への加圧力F7が作用し、ロックピン82と可動台座84が一体的に上昇する。ロックピン82の上昇に伴い、アーム86、88、90が回転し、
図10Dに示すように、第3アーム90の先端部が操作ボタン26に近付く方向に移動する。このとき、第3アーム90の先端部は操作ボタン26の外周部の直下に位置する。このため、ユーザが操作ボタン26を押圧しても、第3アーム90との干渉によって操作ボタン26を押し下げることができなくなり、手動開放部25の動作が制限される。
【0077】
上記構成によれば、調理空間Sが加圧状態となることに応じてロックピン82を自発的に上昇させて、手動開放部25の動作を制限することができる。これにより、調理空間Sが加圧状態のときにユーザが誤って手動で圧力開放弁22を動作させることを防ぐことができ、調理空間Sの内容物の飛散を防止し、安全性を向上させることができる。
【0078】
なお、調理空間Sが加圧状態になることに応じて自発的に動作するロック部材24に限らず、加熱調理器2が調理中(加圧調理と減圧調理を含む。)である場合は一律に手動開放部25の動作を制限するようなロック部材を設けてもよい。
【0079】
上述したように、本実施形態の加熱調理器2は、調理空間Sを有する鍋4と、鍋4を加熱するヒータ9(加熱部)と、調理空間Sを密閉するための内蓋14を有する蓋10と、を備え、内蓋14には、調理空間Sを封止する封止位置と大気圧に開放する開放位置との間で移動可能な圧力開放弁22が設けられる。蓋10には、圧力開放弁22を開放位置へ向けて移動させるように自動で動作する自動開放部50およびユーザの手動で動作する手動開放部25が設けられる。
【0080】
このような加熱調理器2によれば、調理空間Sの圧力を自動と手動の両方で開放できるようにすることで、例えば非通電時に自動開放部50が動作しない場合でも手動開放部25を用いて手動で開放させることができる。これにより、調理空間Sの圧力を開放して蓋10が開けられる状態を確保することができ、加熱調理器の機能を向上させることができる。
【0081】
また、本実施形態の加熱調理器2は、自動開放部50および手動開放部25は、圧力開放弁22を開放位置へ向けて押圧するための共通の押圧部58を有する。このような加熱調理器2によれば、押圧部58を共用化することで、省スペース化とコストダウンを図ることができる。
【0082】
また、本実施形態の加熱調理器2では、押圧部58に接続される可動部56、68をさらに備え、可動部56は手動開放部25によって軸方向Aに駆動され、可動部68は自動開放部50によって軸方向Aに駆動される。このような加熱調理器2によれば、簡単な構成で押圧部58を動作させることができる。
【0083】
また、本実施形態の加熱調理器2では、可動部56、68は、自動開放部50を構成する可動部68(第1可動部)と、手動開放部25を構成する可動部56(第2可動部)とを備え、可動部68と可動部56はそれぞれ軸方向Aに移動可能である。このような加熱調理器2によれば、簡単な構成で自動開放部50と手動開放部25を実現することができる。
【0084】
また、本実施形態の加熱調理器2では、可動部68と可動部56は同軸に配置される。このような加熱調理器2によれば、省スペース化を図ることができる。
【0085】
また、本実施形態の加熱調理器2では、蓋10には、手動開放部25の動作を制限するためのロック部材24がさらに設けられる。このような加熱調理器2によれば、調理空間Sの圧力を開放することが望ましくないとき(例えば加圧状態)に、圧力開放弁22を手動で動作させないように制限することが可能となる。
【0086】
また、本実施形態の加熱調理器2では、ロック部材24は、手動開放部25の動作を制限するロック位置と非ロック位置の間で移動可能なロックピン72(可動部)を備える。ロックピン72は、調理空間Sに露出するように内蓋14に取り付けられており、調理空間Sの圧力の上昇に応じて、非ロック位置からロック位置まで上昇するように動作する。このような加熱調理器2によれば、調理空間Sが加圧状態のときにロックピン72を動作させることで、調理空間Sを開放することが望ましくないときに圧力開放弁22を手動で動作させないように制限することができ、安全性を向上させることができる。
【0087】
また、本実施形態の加熱調理器2では、内蓋14には、圧力開放弁22を封止位置に向けて付勢するバネ42(付勢部材)がさらに設けられ、自動開放部50および手動開放部25はそれぞれ、バネ42の付勢力F3に反して圧力開放弁22を開放位置へ向けて押圧するように動作する。このような加熱調理器2によれば、圧力開放弁22を所望のタイミングでのみ動作させることができる。
【0088】
また、本実施形態の加熱調理器2では、圧力開放弁22は、調理空間Sに露出するパッキン40と、パッキン40に接続されるとともに内蓋14の開口44(貫通孔)に挿通される弁体38とを有し、自動開放部50および手動開放部25はそれぞれ、弁体38を調理空間Sに向けて押し下げるように動作する。このような加熱調理器2によれば、弁体38を調理空間Sに向けて押し下げることで、調理空間Sを容易に圧力開放することができる。
【0089】
また、本実施形態の加熱調理器2では、内蓋14には、調理空間Sの圧力の上昇に応じて、調理空間Sを大気圧に開放するように動作する安全弁20がさらに設けられる。このような加熱調理器2によれば、調理空間Sが加圧状態になった場合に安全弁20が動作することで、調理空間Sの圧力が過剰に大きくなることを防止することができ、安全性を向上させることができる。
【0090】
また、本実施形態の加熱調理器2は、減圧調理機能を有する。このような加熱調理器2によれば、調理空間Sが減圧状態になった場合でも自動あるいは手動で調理空間Sの圧力を開放して蓋10が開けられる状態を確保することができる。
【0091】
(実施形態2)
図11A、
図11Bを参照して、実施形態2の加熱調理器102について説明する。なお、実施形態2においては、実施形態1と同一または同様の構成については同じ名称や符号を付して説明する。また、実施形態2では、実施形態1と重複する記載は省略する。
【0092】
図11A、
図11Bは、実施形態2の加熱調理器102が備える手動開放部125および自動開放部150の概略正面図である。
【0093】
実施形態2では、手動開放部125と自動開放部150が選択的に連結可能である点で、実施形態1と異なる。
【0094】
図11A、
図11Bに示すように、手動開放部125は、操作ボタン126と、可動部156と、連結部158と、フランジ部160と、バネ162と、押圧部164とを有する。
【0095】
操作ボタン126は、蓋10の表面に設けられた手動操作用のボタンであり、可動部156に接続される。可動部156は、軸方向Aに沿って移動可能な軸部材であり、連結部158が接続されている。連結部158は、自動開放部150の係合部168と係合するためのギヤを有する部材であり、可動部156と一体的に上下動する。可動部156の先端側には、フランジ部160、バネ162および押圧部164が取り付けられており、押圧部164は、図示しない圧力開放弁22の被押圧部46に対向する位置に配置される。
【0096】
図11A、
図11Bに示すように、自動開放部150は、モータ166と、係合部168とを有する。
【0097】
モータ166は、係合部168を回転させる機能を有する。係合部168は、連結部158に係合可能なギヤを有する。
【0098】
このような構成において、自動開放部150は、係合部168が連結部158に係合する連結位置(
図11A)と、係合部168が連結部158から離れる非連結位置(
図11B)の間を移動可能に構成されている。
【0099】
上記構成によれば、
図11Aに示すように係合部168が連結部158に係合した連結状態では、モータ166の回転力が連結部158に伝達される。これにより、係合部168の回転駆動によって、連結部158および可動部156を下方に押し下げることができ、バネ162を介して押圧部164を押し下げて、図示しない圧力開放弁22の被押圧部46を押圧させることができる。
【0100】
図11Bに示すように、係合部168が連結部158に係合しない非連結状態では、モータ166の回転力は連結部158に伝達されず、代わりに、ユーザが手動開放部125の操作ボタン126を押圧することができる。操作ボタン126の押圧により、可動部156および連結部158を下方に押し下げて、バネ162を介して押圧部164を押し下げて、図示しない圧力開放弁22の被押圧部46を押圧させることができる。
【0101】
実施形態2の加熱調理器102ではさらに、自動開放部150の連結状態と非連結状態の切替えをユーザの手動で操作可能としている。具体的には、
図12に示すように、例えば、蓋10の表面に操作部170が設けられる。操作部170は、蓋10の表面に形成された開口172に沿ってスライド可能に設けられており、ユーザが把持してスライド操作することができる。操作部170は、蓋10の内部で自動開放部150に連結されており、第1のスライド位置にあるときは自動開放部150を連結位置(
図11A)に配置し、第2のスライド位置にあるときは自動開放部150を非連結位置(
図11B)に配置するように動作する。
【0102】
上記構成によれば、
図11Aに示す連結状態と
図11Bに示す非連結状態をユーザの手動で切り替えることが可能となる。
【0103】
なお、
図11Aに示す連結状態のときに、手動開放部125の操作ボタン126をユーザが押下しても、連結部158に噛み合った自動開放部150の係合部168が連結部158の下方への移動を制限するようにしてもよい。これにより、
図11Aに示す連結状態のときは自動開放部150のみが動作し、
図11Bに示す非連結状態のときは手動開放部125のみが動作するように設計することができる。
【0104】
上記の通り、実施形態2の加熱調理器102では、手動開放部125は、軸方向Aに沿って移動可能な可動部156と、可動部156に取り付けられ自動開放部150に連結される連結部158とを有し、自動開放部150は、連結部158を軸方向Aに沿って駆動させることで、連結部158と可動部156を一体的に移動させる。このような構成によれば、簡単な構成で手動開放部125および自動開放部150を構成することができる。
【0105】
また、実施形態2の加熱調理器102では、自動開放部150は、連結部158に係合する係合部168を有し、係合部168は、連結部158に係合する連結位置と、連結部158から離れた非連結位置との間を移動可能である。このような構成によれば、自動開放部150と手動開放部125を選択的に動作させることが可能となる。
【0106】
また、実施形態2の加熱調理器102は、係合部168を手動で動作させるための操作部170をさらに備える。このような構成によれば、自動開放部150の動作可能状態と手動開放部125の動作可能状態をユーザが切り替えることができる。
【0107】
以上、上述の実施形態を挙げて本開示の発明を説明したが、本開示の発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、実施形態1、2では、圧力開放弁22がバネ式の弁である場合について説明したが、このような場合に限らず例えば、ボール式の弁であってもよい。ただし、バネ式の弁であれば、ボール式の弁のように弁の動作圧力を高くするために弁の重量を重くする必要がなく、内蓋14の重量やサイズを大きく変更することなく弁の動作圧力を調整しやすい。
【0108】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【0109】
前記実施形態の様々な変形例のうち、任意の変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本開示は、食品等の調理物を加熱調理する加熱調理器であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0111】
2 加熱調理器
4 鍋
9 ヒータ(加熱部)
10 蓋
14 内蓋
22 圧力開放弁
25 手動開放部
50 自動開放部
S 調理空間