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特開2023-94206通信システム、ネットワーク装置、通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094206
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】通信システム、ネットワーク装置、通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/26 20090101AFI20230628BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20230628BHJP
   H04W 88/14 20090101ALI20230628BHJP
【FI】
H04W28/26
H04W88/18
H04W88/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209541
(22)【出願日】2021-12-23
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小川 裕樹
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD17
5K067DD30
5K067EE02
5K067EE16
(57)【要約】
【課題】ユーザが希望する通信用途に対応したネットワークスライスを適切に提供し得る通信システム、ネットワーク装置及び通信システムの方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ネットワーク装置320は、制御部321、通信部324を有する。通信部324は、外部装置より、施設と当該施設が有するローカルセルラ通信網に含まれるコアネットワークの利用予約に関する情報を受信する。制御部321は受信した情報をもとに当該施設の利用予定日における当該コアネットワークの利用予約の可否を判定し、可能である場合、当該コアネットワークを構築するためのリソースを当該利用予定日において予約確保する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが有する端末と、
施設が有するローカルセルラ通信網に含まれるコアネットワークを管理するネットワーク装置と、
を備える通信システムであって、
前記ネットワーク装置は、
前記端末より送信される前記ユーザによる前記施設の利用予定期間を表す利用予定期間情報及び前記利用予定期間中に前記ユーザが希望する通信用途を表す通信用途情報を受信した時に、前記通信用途に対応したネットワークスライスを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられるリソースを前記利用予定期間において予約し、
前記ユーザが前記施設の利用を開始した時に、前記予約されたリソースを前記仮想ネットワーク機能に割り当てる、
通信システム。
【請求項2】
前記端末より前記利用予定期間情報及び前記通信用途情報を受信し、前記利用予定期間情報及び前記通信用途情報を前記ネットワーク装置に送信する予約受付サーバを備える、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記ネットワーク装置は、前記リソースを前記利用予定期間において予約した後に、前記ユーザの識別情報を前記端末に送信する、
請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記ネットワーク装置は、前記識別情報の登録を受け付ける時に、前記ユーザに前記施設の利用を開始させる、
請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記ネットワーク装置は、前記識別情報を照合した後に、前記ユーザによる前記ネットワークスライスの利用を可能とする、
請求項3又は請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記ネットワーク装置は、前記利用予定期間が終了する時又は前記ユーザが前記施設の利用を終了する時に、前記識別情報を削除する
請求項3乃至5のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記ネットワーク装置は、前記利用予定期間が終了する時又は前記ユーザが前記施設の利用を終了する時に、前記仮想ネットワーク機能に割り当てられる前記リソースを開放する、
請求項3乃至6のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項8】
通信部と制御部を備え、
前記通信部は、ユーザによる施設の利用予定期間を表す利用予定期間情報及び前記利用予定期間中に前記ユーザが希望する通信用途を表す通信用途情報を受信し、
前記制御部は、前記通信用途に対応したネットワークスライスを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられるリソースを前記利用予定期間において予約し、
前記ユーザが前記施設の利用を開始した時に、前記予約されたリソースを前記仮想ネットワークに割り当てる、
ネットワーク装置。
【請求項9】
施設が有するローカルセルラ通信網に含まれるコアネットワークを管理するネットワー
ク装置に関する通信方法であって、
前記ネットワーク装置は、
ユーザが有する端末より送信される前記ユーザによる前記施設の利用予定期間を表す利用予定期間情報及び前記利用予定期間中に前記ユーザが希望する通信用途を表す通信用途情報を受信した時に、前記通信用途に対応するネットワークスライスを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられるリソースを前記利用予定期間において予約し、
前記ユーザが前記施設の利用を開始した時に、前記予約されたリソースを前記仮想ネットワーク機能に割り当てる、
通信方法。
【請求項10】
ユーザが有する端末と、
リソース管理サーバと、
コアネットワーク管理サーバと、
を備える通信システムであって、
前記リソース管理サーバは、
前記端末より送信される前記ユーザによる前記施設の利用予定期間を表す利用予定期間情報及び前記利用予定期間中に前記ユーザが希望する通信用途を表す通信用途情報を受信した時に、前記通信用途に対応したネットワークスライスを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられるリソースを前記利用予定期間において予約し、
前記コアネットワーク管理サーバは、
前記ユーザが前記施設の利用を開始した時に、前記予約されたリソースを前記仮想ネットワーク機能に割り当てる、
通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、ネットワーク装置及び通信システムの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業等が5G通信技術を用いた自営無線ネットワーク(ローカルセルラ通信網)を独自に構築できる制度として、限定されたエリアで通信事業者以外に5G用周波数を割り当てるローカル5Gが注目されている。(特許文献1参照)
【0003】
ローカルセルラ通信網は、地域ニーズや産業分野の個別ニーズに応じて様々な主体が柔軟に構築・利用可能である。また、ローカルセルラ通信網は、公衆セルラ通信網に比べて混雑度が低く、且つ伝搬環境が良好であり、通信機器に対して良好な通信サービスを提供できると考えられる。
【0004】
また5Gネットワークにおいては、ネットワークスライスを用いて通信サービスを提供することが検討されている。ネットワークスライスは、物理的なネットワーク上において定義された少なくとも1つの論理的なネットワークである。あるネットワークスライスは、例えば、高速・大容量通信を提供するネットワークスライスであってもよい。また、他のネットワークスライスは、極端に短い遅延時間を保障するネットワークスライスであってもよく、IoT(Internet Of Things)端末等の多数同時接続通信を提供するネットワークスライスであってもよい。(特許文献2参照)
【0005】
さらに5Gネットワークにおいては、AMF(Access and Mobility Management Function)やSMF(Session Management Function)、UPF(User Plane Function)等の仮想ネットワーク機能に割り当てるリソースを変更することで、異なる通信要件に対応するネットワークスライスを構築することが可能である。一般に5Gネットワークにおいては、異なる通信要件に対応可能な複数のネットワークスライスが用意され、通信機器のユーザが希望する通信用途の通信要件に応じて複数のネットワークスライスのうちの1つが割り当てられる。(特許文献3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-141571
【特許文献2】WO2020/079968
【特許文献3】特開2021-100274
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ローカルセルラ通信網が、事前に用意された複数のネットワークスライスにより構成される場合、通信機器のユーザが希望する通信用途に応じたネットワークスライスが用意されておらず、提供されない事態が生じ得る。
【0008】
そこで、本発明は、ユーザが希望する通信用途に対応したネットワークスライスを適切に提供し得る通信システム、ネットワーク装置及び通信システムの方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態に係る通信システムは、ユーザが有する端末と、施設が有するローカルセルラ通信網に含まれるコアネットワークを管理するネットワーク装置と、を備える通信システムであって、前記ネットワーク装置は、前記端末より送信される前記ユーザによる前記施設の利用予定期間を表す利用予定期間情報及び前記利用予定期間中に前記ユーザが希望する通信用途を表す通信用途情報を受信した時に、前記通信用途に対応したネットワークスライスを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられるリソースを前記利用予定期間において予約し、前記ユーザが前記施設の利用を開始した時に、前記予約されたリソースを前記仮想ネットワーク機能に割り当てる。
【0010】
一実施形態に係るネットワーク装置は、通信部と制御部を備え、前記通信部は、ユーザによる施設の利用予定期間を表す利用予定期間情報及び前記利用予定期間中に前記ユーザが希望する通信用途を表す通信用途情報を受信し、前記制御部は、前記通信用途に対応したネットワークスライスを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられるリソースを前記利用予定期間において予約し、前記ユーザが前記施設の利用を開始した時に、前記予約されたリソースを前記仮想ネットワークに割り当てる。
【0011】
一実施形態に係る通信方法は、施設が有するローカルセルラ通信網に含まれるコアネットワークを管理するネットワーク装置に関する通信方法であって、前記ネットワーク装置は、ユーザが有する端末より送信される前記ユーザによる前記施設の利用予定期間を表す利用予定期間情報及び前記利用予定期間中に前記ユーザが希望する通信用途を表す通信用途情報を受信した時に、前記通信用途に対応するネットワークスライスを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられるリソースを前記利用予定期間において予約し、前記ユーザが前記施設の利用を開始した時に、前記予約されたリソースを前記仮想ネットワーク機能に割り当てる。
【0012】
一実施形態に係る通信システムは、ユーザが有する端末と、リソース管理サーバと、コアネットワーク管理サーバと、を備える通信システムであって、前記リソース管理サーバは、前記端末より送信される前記ユーザによる前記施設の利用予定期間を表す利用予定期間情報及び前記利用予定期間中に前記ユーザが希望する通信用途を表す通信用途情報を受信した時に、前記通信用途に対応したネットワークスライスを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられるリソースを前記利用予定期間において予約し、前記コアネットワーク管理サーバは、前記ユーザが前記施設の利用を開始した時に、前記予約されたリソースを前記仮想ネットワーク機能に割り当てる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
図2】一実施形態に係るユーザ端末の構成を示す図である。
図3】一実施形態に係る予約受付サーバ、施設管理サーバ及びネットワーク装置の構成を示す図である。
図4】一実施形態に係るネットワーク装置が記憶する通信サービステーブルの一例を示す図である。
図5】一実施形態に係るユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用予約処理を示すシーケンス図である。
図6】一実施形態に係るネットワーク装置による、ユーザが希望する通信用途に対応したネットワークスライスを構築するために仮想ネットワーク機能に割り当てられるべきリソース量の計算処理を示すシーケンス図である。
図7】一実施形態に係るユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用開始に係る処理を示すシーケンス図である。
図8】一実施形態に係るユーザによる、施設の利用が終了した後の処理を示すシーケンス図である。
図9】別の実施形態に係るユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用予約処理を示すシーケンス図である。
図10】別の実施形態に係るユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用開始に係る処理を示すシーケンス図である。
図11】別の実施形態に係るユーザによる、施設の利用が終了した後の処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照して実施形態について説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0015】
<通信システムの構成>
まず、一実施形態に係る通信システムの構成について説明する。図1は、一実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。一実施形態に係る通信システムは、第5世代(5G)の3GPP規格に準拠したセルラ通信システムである。
【0016】
図1に示すように、一実施形態に係る通信システムは、ユーザ端末101と、公衆セルラ通信網210と、ローカルセルラ通信網220、施設管理ネットワーク230、予約受付サーバ310、ネットワーク装置320、施設管理サーバ330とを有する。
【0017】
ユーザ端末101は、セルラ通信網とのセルラ通信を行う機能を有する機器である。ユーザ端末101は、セルラ通信を行う機能を有しており、且つUI(User Interface)を有する機器であればどのようなものであってもよいが、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC、又はモバイルルーターである。
【0018】
公衆セルラ通信網210は、通信事業者により運用されるセルラ通信網である。公衆セルラ通信網210は、公衆5Gと呼ばれることがある。公衆セルラ通信網210を運用する通信事業者には全国規模で免許が交付される。
【0019】
ローカルセルラ通信網220は、地域ニーズや産業分野の個別ニーズに応じて様々な主体が柔軟に構築・利用可能なセルラ通信網である。ローカルセルラ通信網220は、ローカル5Gと呼ばれることがある。例えば、一般企業または団体・個人が周波数の割当を受けて自らローカルセルラ通信網220を運用できる。ローカルセルラ通信網220は、一般企業の施設内などのローカルエリアに限り免許が交付される。
【0020】
公衆セルラ通信網210及びローカルセルラ通信網220は、5Gの3GPP規格に準拠している。公衆セルラ通信網210は基地局211を有し、ローカルセルラ通信網220はローカル5G基地局221を有する。図1において、各セルラ通信網に含まれる基地局が1つのみであるが、実際には各セルラ通信網に複数の基地局が含まれていてもよい。
【0021】
公衆セルラ通信網210及びローカルセルラ通信網220のそれぞれは、5Gのコアネットワークである5GC(5G Core Network)をさらに有する。5Gにおいては、多様な通信機器がセルラ通信網に繋がることを前提としており、高速・大容量、高信頼・低遅延など、要件が異なる多様な通信サービスに対応する必要がある。このため、5GCは、異なる通信サービス(通信要件)に応じた複数のスライスに理論的に分割されている。
【0022】
ここで、各スライスには、S-NSSAI(Single-Network Slice Selection Assistance Information)と呼ばれる識別子が割り当てられていてもよい。各スライスは1つの通信サービスと対応付けられて
いてもよい。通信サービスとしては、eMBB(Enhanced Massive Mobile Broadband)(高速・大容量)、mMTC(massive Machine Type Communication)(多数接続、省電力、低コスト)、URLLC(Ultra-Reliable Low Latency Communication)(低遅延、高信頼)が規格で規定されているが、規格で規定されていない通信サービスも用いることができる。
【0023】
ローカルセルラ通信網220が、事前に用意された複数のネットワークスライスにより構成される場合、ローカルセルラ通信網220が提供する通信サービスが限定される場合があり得る。一方で、公衆セルラ通信網210は、汎用的なサービスを提供するものの、地域ニーズや産業分野の個別ニーズに応じた特殊なサービスを提供しない場合があり得る。
【0024】
施設管理ネットワーク230は、施設の管理者により運用される通信網であってもよい。また施設は、ユーザによる事前の利用予約が実行されることで、指定された期間(利用予定期間)において当該ユーザによる利用が可能となるものであればよく、ホテルや旅館等の宿泊施設を含んでもよいし、電車や新幹線等の車両を含んでもよい。さらに、施設はサッカースタジアムや野球場、体育館、テニス施設、ホール等のスポーツ施設を含んでもよいし、コンサートホール等のイベント施設を含んでもよい。
【0025】
当該施設が宿泊施設である場合、施設の利用予約は、当該宿泊施設が有する部屋の利用予約であってもよい。また、当該施設が車両である場合、施設の利用予約は、当該車両が有する座席の利用予約であってもよい。さらに、当該施設がスポーツ施設である場合、施設の利用予約は、当該スポーツ施設が有する座席の利用予約であってもよい。加えて、当該施設がイベント施設である場合、施設の利用予約は、当該施設が有する座席の利用予約であってもよい。
【0026】
施設の利用予定期間を示す情報を利用予定期間情報と表現してもよい。当該施設が宿泊施設である場合、施設の利用予定期間は、ユーザが当該宿泊施設にチェックインしてからチェックアウトするまでの期間であってもよい。また、当該施設が車両である場合、施設の利用予定期間は、ユーザが当該車両に乗車してから降車するまでの期間であってもよい。さらに、当該施設がスポーツ施設である場合、施設の利用予定期間は、当該スポーツ施設においてスポーツの試合が開始されてから終了されるまでの期間であってもよい。加えて、当該施設がイベント施設である場合、施設の利用予定期間は、当該施設においてイベントが開始されてから終了されるまでの期間であってもよい。
【0027】
当該施設が宿泊施設である場合、施設の利用の開始及び終了は、当該宿泊施設へのチェックイン及びチェックアウトであってもよい。また、当該施設が車両である場合、施設の利用の開始及び終了は、ユーザによる改札機の通過であってもよい。さらに、当該施設がスポーツ施設である場合、施設の利用の開始及び終了は、当該スポーツ施設への入場及び退場であってもよい。加えて、当該施設がイベント施設である場合、施設の利用の開始及び終了は、当該施設への入場及び退場であってもよい。
【0028】
予約受付サーバ310は、公衆セルラ通信網210を介してユーザ端末101との通信を行う。
【0029】
ネットワーク装置320は、ローカルセルラ通信網220を介してユーザ端末101との通信を行う。ネットワーク装置320は、ローカルセルラ通信網220を管理するためのサーバであってもよい。
【0030】
施設管理サーバ330は、施設管理ネットワーク230が接続されるルーター装置を介して公衆セルラ通信網210及びローカルセルラ通信網220と接続されてもよい。施設管理サーバ330は、公衆セルラ通信網210に接続される予約受付サーバ310及びローカルセルラ通信網220に接続されるネットワーク装置320との通信を行ってもよい。施設管理サーバ330は、施設管理ネットワーク230を管理するためのサーバであってもよい。
【0031】
なお、ユーザ端末101には、少なくとも1つの通信機器500が有線又は無線で接続されてもよい。通信機器500は、例えばWLAN(Wireless Local Area Network)接続をユーザ端末101と確立し、ユーザ端末101を介して、ユーザ端末101の接続先のセルラ通信網との通信を行う。これにより、通信機器500がセルラ通信機能を有していない場合でも、通信機器500がユーザ端末101を介してセルラ通信網との通信を行うことができる。
【0032】
ユーザ端末101には、拡張機器400が有線又は無線で接続されてもよい。拡張機器400は、例えばUSB(Universal Serial Bus)接続をユーザ端末101と確立する。拡張機器400は、ユーザ端末101に対して給電を行う機能を有していてもよい。拡張機器400は、クレードルであってもよい。
【0033】
拡張機器400には、少なくとも1つの通信機器600が有線又は無線で接続されてもよい。通信機器600は、例えばWLAN接続を拡張機器400と確立し、拡張機器400及びユーザ端末101を介して、ユーザ端末101の接続先のセルラ通信網との通信を行う。これにより、通信機器600がセルラ通信機能を有していない場合でも、通信機器600が拡張機器400及びユーザ端末101を介してセルラ通信網との通信を行うことができる。
【0034】
<ユーザ端末の構成>
次に、一実施形態に係るユーザ端末101の構成について説明する。図2に示すように、ユーザ端末101は、制御部111(CPU:Central Processing
Unit(中央演算処理装置))、記憶部115、通信部114、入力部112、出力部113、SIMインターフェイス116を備える。ユーザ端末101のハードウェアの各構成要素は、バスB1を介して相互に接続されてもよい。なお、ユーザ端末101のハードウェア構成として、すべての構成要素を含むことは必須ではない。ユーザ端末101は、入力部112、出力部113、SIMインターフェイス116等、個々の構成要素、または複数の構成要素を取り外すことが可能な構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0035】
通信部114は、公衆セルラ通信網210やローカルセルラ通信網220等のネットワークを介して各種データの送受信を行うように構成される。通信部114による通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部114は、公衆セルラ通信網210を介して、予約受付サーバ310との通信を実行する機能を有する。また通信部114は、ローカルセルラ通信網220を介して、ネットワーク装置320との通信を実行する機能を有する。通信部114は、各種データを制御部111からの指示に従って、予約受付サーバ310やネットワーク装置320等の他の装置に送信する。また、通信部114は、他の装置から送信された各種データを受信し、制御部111に伝達するように構成される。通信部114を通信インターフェイスと表現する場合もある。また、通信部114が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0036】
入力部112は、ユーザ端末101に対する各種操作を入力する装置を含む。出力部1
13は、ユーザ端末101で処理された処理結果を出力する装置を含む。入力部112および出力部113を入出力部として特定してもよいし、特定しなくてもよい。入出力部として特定した場合、入出力部は、入力部112と出力部113が一体化していてもよいし、入力部112と出力部113に分離されていてもよい。
【0037】
入力部112は、ユーザからの入力を受け付けて、受け付けた入力に係る情報を制御部111に伝達できるすべての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入力部112は、操作部112a、マイク112b、カメラ112cを含んでもよい。操作部112aは、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイスを含んでもよい。マイク112bは、音声を入力するデバイスを含んでもよい。マイク112bは、音声データの入力に利用される。カメラ112cは、画像を入力するデバイスを含んでもよい。カメラ112cは、画像データの取得に利用される。
【0038】
出力部113は、制御部111で処理された処理結果を出力することができるすべての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力部113は、表示部113aおよびスピーカ(音声出力)113bを含んでもよい。出力部113は、さらに、タッチパネル、タッチディスプレイ、レンズ(3D(Three Dimensions)出力や、ホログラム出力など)、プリンターなどを含んでもよい。
【0039】
表示部113aは、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、画像を表示することができるすべての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。表示部113aは、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(液晶ディスプレイやOELD(Organic ElectroLuminescene Display)など)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよいし、そうでなくてもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置を含む。なお、これらの表示部113aは、3Dで表示データを表示可能であってよいし、そうでなくてもよい。スピーカ113bは、音声データの出力に利用される。
【0040】
入力部112および出力部113は、入出力部として特定され、タッチパネルとして構成されてもよい。入力部112および出力部113がタッチパネルとして構成される場合、操作部112aと表示部113aとは、略同一の大きさおよび形状で対向して配置されていてもよい。
【0041】
制御部111は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。そのため、制御部111は、制御回路と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0042】
制御部111は、中央処理装置(CPU)マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific
Integrated Circuit)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)を含んでもよい。
【0043】
記憶部115は、ユーザ端末101が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部115は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive),フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)など各種の記憶媒体を含んでもよい。また、記憶部115は、メモリ(Memor
y)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0044】
ユーザ端末101は、プログラムPとデータベースDとを記憶部115に記憶するように構成される。ユーザ端末101において、制御部111がこのプログラムPを実行することで、制御部111に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部115に記憶されるプログラムPは、ユーザ端末101に制御部111が実行する各機能を実現させる。また、このプログラムPは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0045】
SIMインターフェイス116は、SIMカード(又はUIM(User Identity Module)カード)が取り付けられるように構成されてもよい。SIMインターフェイス116は、SIMカードを取り込み、取り出しができるように構成されてもよい。SIMインターフェイス116は、制御部111から情報の読み出しや書き込みを受けた場合、SIMカードに記録された情報の読み出し、SIMカードへの書き込みを行うように構成される。SIMカードは、組み込み型のeSIM(Embedded SIM)でもよい。SIMカードは、通信事業者から支給されてもよいし、その他の手段で入手されてもよい。
【0046】
一実施形態において、公衆セルラ通信網210用のSIMカードとローカルセルラ通信網220用のSIMカードとが個別に用意されてもよい。公衆セルラ通信網210用のSIMカードを用いる場合、制御部111は、公衆セルラ通信網210をホーム網、ローカルセルラ通信網220をローミング網として用いる。一方、ローカルセルラ通信網220用のSIMカードを用いる場合、制御部111は、ローカルセルラ通信網220をホーム網、公衆セルラ通信網210をローミング網として用いる。或いは、SIMインターフェイス116には、公衆セルラ通信網210用のSIMカードとローカルセルラ通信網220用のSIMカードとの両方が取り付け可能であるように構成されてもよい。
【0047】
なお公衆セルラ通信網210用のSIMカード及びローカルセルラ通信網220用のSIMカードは、ICCID(Integrated Circuit Card IDentifier)やMSISDN(Mobile Station International Subscriber Directory Number)及びIMSI(International Mobile Subscriber Identity)等を記憶するように構成されてもよい。ICCIDは、SIMカードを識別する番号である。MSISDNは、携帯電話番号である。IMSIは、ユーザが通信事業者と契約する際に、契約毎に発行される識別番号である。
【0048】
ICCIDやMSISDN及びIMSI等は、必ずしもSIMカードに記憶されなくてもよく、ローカルセルラ通信網を運用する一般企業または団体・個人によって生成され、ローカルセルラ通信網への接続に係る認証のために用いられてもよい。以下、ローカルセルラ通信網を運用する一般企業または団体・個人によって生成され、ローカルセルラ通信網への接続に係る認証のために用いられる情報をSIMデータと呼ぶこととする。SIMデータには、ICCIDやMSISDN及びIMSIが含まれてもよい。なお、IMSIはユーザの識別情報として用いられてもよい。
【0049】
<予約受付サーバの構成>
次に、一実施形態に係る予約受付サーバ310の構成について説明する。図3は、一実施形態に係る予約受付サーバの構成を示す図である。
【0050】
図3に示すように、予約受付サーバ310は、制御部311(CPU)、記憶部315、通信部314、入力部312、出力部313を備える。予約受付サーバ310のハード
ウェアの各構成要素は、バスB2を介して相互に接続されてもよい。なお、予約受付サーバ310のハードウェアは、予約受付サーバ310のハードウェアの構成として全ての構成要素を含むことは必須ではない。予約受付サーバ310のハードウェアは、出力部313を取り外すことが可能な構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0051】
制御部311は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現されてもよい。
【0052】
制御部311は、代表的には中央処理演算装置(CPU)、であり、そのほかにマイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、FPGAであってもよいし、そうでなくてもよい。本開示において制御部311は、これらに限定されない。
【0053】
記憶部315は、予約受付サーバ310が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部315は、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。ただし、本開示において、記憶部315は、これらに限定されない。また、記憶部315は、メモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0054】
通信部314は、公衆セルラ通信網210を介して各種データの送受信を行うように構成される。通信部314による通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部314は、公衆セルラ通信網210を介してユーザ端末101等の他の装置との通信を実行する機能を有する。また、通信部314は、ルーター装置を介して公衆セルラ通信網210に接続された、ローカルセルラ通信網220又は施設管理ネットワーク230等の他のネットワークを介して、ネットワーク装置320や施設管理サーバ330等の他の装置との通信を実行する機能を有する。さらに、通信部314を通信インターフェイスと表現する場合もある。加えて通信部314が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0055】
入力部312は、予約受付サーバ310に対する各種操作を入力する装置により実現される。入力部312は、ユーザからの入力を受け付けて、受け付けた入力に係る情報を制御部311に伝達できるすべての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入力部312は、代表的にはキーボード等に代表されるハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイスで実現される。なお、入力部312は、タッチパネルやカメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含んでいてもよいし、そうでなくてもよい。ただし、本開示において、入力部312は、これらに限定されない。
【0056】
出力部313は、表示部313aを含んでもよい。表示部313aは、代表的にはモニタ(液晶ディスプレイやOELD等)で実現される。なお、表示部313aは、ヘッドマウントディスプレイ(HDM)などであってもよいし、そうでなくてもよい。なお。これらの表示部313aは、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。ただし、本開示において、表示部313aは、これらに限定されない。
【0057】
予約受付サーバ310は、プログラム315aとデータベース315bとを記憶部315に記憶する。予約受付サーバ310において、制御部311がこのプログラム315aを実行することで、制御部311に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部315に記憶されるプログラム315aは、予約受付サーバ310に、制御部311が実行する各機能を実現させる。このプログラム315aは、プログラムモジュールと表現
されてもよいし、されなくてもよい。
【0058】
<施設管理サーバの構成>
次に、一実施形態に係る施設管理サーバ330の構成について説明する。図3は、一実施形態に係る施設管理サーバの構成を示す図である。
【0059】
図3に示すように、施設管理サーバ330は、制御部331(CPU)、記憶部335、通信部334、入力部332、出力部333を備える。施設管理サーバ330のハードウェアの各構成要素は、バスB3を介して相互に接続されてもよい。なお、施設管理サーバ330のハードウェアは、施設管理サーバ330のハードウェアの構成として全ての構成要素を含むことは必須ではない。施設管理サーバ330のハードウェアは、出力部333を取り外すことが可能な構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0060】
制御部331は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現されてもよい。
【0061】
制御部331は、代表的には中央処理演算装置(CPU)、であり、そのほかにマイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、FPGAであってもよいし、そうでなくてもよい。本開示において制御部331は、これらに限定されない。
【0062】
記憶部335は施設管理サーバ330が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部335は、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。ただし、本開示において、記憶部335は、これらに限定されない。また、記憶部335は、メモリと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0063】
通信部334は、施設管理ネットワーク230を介して各種データの送受信を行うように構成される。通信部334による通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部334は、施設管理ネットワーク230を介して施設が管理する端末等の他の装置との通信を実行する機能を有する。また、通信部334は、ルーター装置を介して施設管理ネットワーク230に接続された、公衆セルラ通信網210又はローカルセルラ通信網220等の他のネットワークを介して、予約受付サーバ310やネットワーク装置320等の他の装置との通信を実行する機能を有する。さらに、通信部334を通信インターフェイスと表現する場合もある。加えて通信部334が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0064】
入力部332は、施設管理サーバ330に対する各種操作を入力する装置により実現される。入力部332は、ユーザからの入力を受け付けて、受け付けた入力に係る情報を制御部331に伝達できるすべての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入力部332は、代表的にはキーボード等に代表されるハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイスで実現される。なお、入力部332は、タッチパネルやカメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含んでいてもよいし、そうでなくてもよい。ただし、本開示において、入力部332は、これらに限定されない。
【0065】
出力部333は、表示部333aを含んでもよい。表示部333aは、代表的にはモニタ(液晶ディスプレイやOELD等)で実現される。なお、表示部333aは、ヘッドマウントディスプレイ(HDM)などであってもよいし、そうでなくてもよい。なお。これ
らの表示部333aは、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。ただし、本開示において、表示部333aは、これらに限定されない。
【0066】
施設管理サーバ330は、プログラム335aとデータベース335bとを記憶部335に記憶する。施設管理サーバ330において、制御部331がこのプログラム335aを実行することで、制御部331に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部335に記憶されるプログラム335aは、施設管理サーバ330に、制御部331が実行する各機能を実現させる。このプログラム335aは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0067】
<ネットワーク装置の構成>
次に、一実施形態に係るネットワーク装置320の構成について説明する。図3は、一実施形態に係るネットワーク装置の構成を示す図である。
【0068】
ネットワーク装置320は、制御部321、記憶部325、通信部324、入力部322、出力部323を備える。ネットワーク装置320のハードウェアの各構成要素は、バスB4を介して相互に接続されてもよい。なお、ネットワーク装置320のハードウェアは、ネットワーク装置320のハードウェアの構成として全ての構成要素を含むことは必須ではない。ネットワーク装置320のハードウェアは、出力部323を取り外すことが可能な構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0069】
制御部321は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現されてもよい。
【0070】
制御部321は、代表的には中央処理演算装置(CPU)、であり、そのほかにマイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、FPGAであってもよいし、そうでなくてもよい。本開示において制御部321は、これらに限定されない。
【0071】
制御部321は、SIMデータの生成や登録や照合及び削除に係る処理を実行するように構成されてもよい。
【0072】
制御部321は、施設が有するネットワークの利用予約に係るシーケンスにおいて、ユーザが利用を希望するネットワークを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられるべきリソースを算出するように構成されてもよい。また制御部321は、施設が有するネットワークの利用予約に係るシーケンスにおいて、ユーザがネットワークの利用を希望する期間において当該ネットワークを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられるべきリソースの使用が可能であるか否かを判定し、可能である場合、当該期間において当該リソースの確保を行うように構成されてもよい。
【0073】
制御部321は、施設と当該施設が有するネットワークの利用開始に係るシーケンスにおいて、記憶部325に記憶されたリソースに関する情報を表すリソース情報に基づいて、当該リソースを仮想ネットワーク機能に割り当てるように構成されてもよい。また制御部321は、施設管理サーバ330より送信された、ユーザによる当該施設の利用の終了の旨を示す通知に基づいて、当該仮想ネットワーク機能に割り当てられたリソースを開放するように構成されてもよい。
【0074】
記憶部325は、ネットワーク装置320が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部325は、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。ただし、本開示において、記憶部325は、
これらに限定されない。また、記憶部325は、メモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0075】
通信部324は、公衆セルラ通信網210を介して各種データの送受信を行うように構成される。通信部324による通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部324は、ローカルセルラ通信網220を介してユーザ端末101等の他の装置との通信を実行する機能を有する。また、通信部324は、ルーター装置を介してローカルセルラ通信網220に接続された、公衆セルラ通信網210又は施設管理ネットワーク230等の他のネットワークを介して、予約受付サーバ310や施設管理サーバ330等の他の装置との通信を実行する機能を有する。さらに、通信部324を通信インターフェイスと表現する場合もある。加えて通信部324が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0076】
入力部322は、ネットワーク装置320に対する各種操作を入力する装置により実現される。入力部322は、ユーザからの入力を受け付けて、受け付けた入力に係る情報を制御部321に伝達できるすべての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入力部322は、代表的にはキーボード等に代表されるハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイスで実現される。なお、入力部322は、タッチパネルやカメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含んでいてもよいし、そうでなくてもよい。ただし、本開示において、入力部322は、これらに限定されない。
【0077】
出力部323は、表示部323aを含んでもよい。表示部323aは、代表的にはモニタ(液晶ディスプレイやOELD等)で実現される。なお、表示部323aは、ヘッドマウントディスプレイ(HDM)などであってもよいし、そうでなくてもよい。なお。これらの表示部323aは、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。ただし、本開示において、表示部323aは、これらに限定されない。
【0078】
ネットワーク装置320は、プログラム325aとデータベース325bとを記憶部325に記憶する。ネットワーク装置320において、制御部321がこのプログラム325aを実行することで、制御部321に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部325に記憶されるプログラム325aは、ネットワーク装置320に、制御部321が実行する各機能を実現させる。このプログラム325aは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0079】
また、データベース325bには、ネットワーク装置が提供する通信サービスに関する情報が予め保存された、図4の通信サービステーブルが含まれていてもよい。通信サービステーブルには、ネットワーク装置が提供する通信サービスと、当該通信サービスを提供するネットワークスライスを構築する際に各ネットワーク機能に割り当てられるべきリソース量と、当該通信サービスに適した通信用途と、が対応付けられたデータが予め保存されていてもよい。なお通信用途を示す情報を通信用途情報と表現してもよい。
【0080】
また通信サービステーブルに含まれる通信サービスとして、eMBBやmMTC及びURLLCが含まれてもよい。eMBBに対応する通信用途として、動画視聴やダウンロード等が登録されていてもよい。URLLCに対応する通信用途として、通話やWeb会議、機器の遠隔操作等が登録されていてもよい。
【0081】
さらに通信サービステーブルに含まれる通信サービスとして、VR体験に最適化された通信サービスやオンラインゲームに最適化された通信サービス、動画配信に最適化された
通信サービス等、施設に応じて想定される各種通信用途に最適化された通信サービスが含まれていてもよい。
【0082】
<ユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用予約に係るシーケンスの一例>
次に、一実施形態に係るユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用予約に係るシーケンスの一例について説明する。図5は、一実施形態に係るユーザによる、施設及び当該施設が有するネットワークの利用予約に係るシーケンスの一例を示す図である。当該シーケンスは、ユーザ端末101が、施設及び当該施設が有するネットワークの利用予約に関する入力を受け付け、予約受付サーバ310によって管理されるウェブサイトにアクセスした際に開始されてもよい。
【0083】
図5に示すように、ステップS101において、ユーザ端末101は、施設の利用予定期間を表す利用予定期間情報と当該期間中に希望する通信用途をあらわす通信用途情報を含む予約要求を予約受付サーバ310に送信する。
【0084】
ステップS102において、予約受付サーバ310は、利用予定期間情報を施設管理サーバ330に送信する。
【0085】
ステップS103において、施設管理サーバ330は、予約受付サーバ310から受信した利用予定期間情報を参照し、当該期間中の施設の利用予約が可能であるか否かを判定する。ステップS103で「NO」である場合、ステップS104に処理を進める。この場合、施設及び当該施設が有するネットワークの利用予約処理を終了する。
【0086】
一方、ステップS103で「YES」である場合、ステップS105に処理を進める。ステップS105において、施設管理サーバ330は、当該期間における施設の利用予約が可能である旨を予約受付サーバ310に通知する。
【0087】
ステップS106において、予約受付サーバ310は、利用予定期間情報と通信用途情報をネットワーク装置320に送信する。
【0088】
ステップS107において、ネットワーク装置320は、当該通信用途に対応したネットワークスライスを構築するために仮想ネットワーク機能に割り当てられるべきリソース量を計算する。当該リソース量の計算に係るシーケンスの一例は図6に示される。
【0089】
ステップS108において、ネットワーク装置320は、ステップS106で受信した利用予定期間情報とステップS107で算出したリソース量を参照し、当該期間における当該リソースの利用予約が可能であるか否かを判定する。
【0090】
ステップS109において、ネットワーク装置320は、ステップS108で判定した当該期間における当該リソースの利用予約の可否を予約受付サーバ310に通知する。
【0091】
ステップS110において、予約受付サーバ310は、ステップS108で判定した当該期間における当該リソースの利用予約の可否をユーザ端末101に通知し、施設の利用予約を行うか否かをユーザ端末101に問い合わせる。
【0092】
ステップS111において、ユーザ端末101は施設の利用予約を行うか否かを問い合わせる旨の表示を行い、ユーザによる回答を受け付ける。ステップS111で「NO」である場合、ステップS112に処理を進める。この場合、施設及び当該施設が有するネットワークの利用予約処理を終了する。
【0093】
一方、ステップS111で「YES」である場合、ステップS113に処理を進める。ステップS113において、ユーザ端末101は、施設の利用予約を行う旨を予約受付サーバ310に通知する。
【0094】
ステップS114において、予約受付サーバ310は、ステップS101で受信した利用予定期間情報に基づいて、当該期間における施設の利用予約要求を施設管理サーバ330に送信し、施設管理サーバ330は、当該期間において施設の利用予約を行う。
【0095】
ステップS115において、施設管理サーバ330は、当該期間における施設の利用予約が完了した旨を予約受付サーバ310に送信する。
【0096】
ステップS116において、予約受付サーバ310は、当該期間における施設の利用予約が完了した旨をユーザ端末101に送信する。
【0097】
ステップS117において、ユーザ端末101は、ステップS110で受信した、当該期間におけるリソースの利用予約の可否に関する情報を参照する。リソースの利用予約が不可能である場合、ステップS118に処理を進める。この場合、施設及び当該施設が有するネットワークの利用予約処理を終了する。
【0098】
一方、ステップS117において、リソースの利用予約が可能である場合、ステップS119に処理を進める。ステップS119において、ユーザ端末101は、当該期間において当該リソースを確保する旨の要求を予約受付サーバ310に送信する。
【0099】
ステップS120において、予約受付サーバ310は、当該期間において当該リソースを確保する旨の要求をネットワーク装置320に送信する。
【0100】
ステップS121において、ネットワーク装置320は、ステップS106で受信した利用予定期間情報とステップS107で算出したリソース量に基づいて、当該期間における当該リソースの確保を行う。
【0101】
ステップS122において、ネットワーク装置320は、SIMデータを生成する。
【0102】
ステップS123において、ネットワーク装置320は、ステップS121で確保したリソースに関する情報を表すリソース情報と、ステップS122で生成したSIMデータに含まれるIMSIを紐づけて記憶部325に記憶する。
【0103】
ステップS124において、ネットワーク装置320は、SIMデータを予約受付サーバ310に送付する。
【0104】
ステップS125において、予約受付サーバ310は、施設が有するネットワークの利用予約が完了した旨をユーザ端末101に通知するとともに、ステップS124で取得したSIMデータをユーザ端末101に送付し、施設及び当該施設が有するネットワークの利用予約処理を終了する。
【0105】
<ネットワーク装置における必要リソースの計算に係るシーケンスの一例>
次に、一実施形態に係るネットワーク装置における必要リソースの計算に係るシーケンスの一例について説明する。図6は、一実施形態に係るネットワーク装置による、ユーザが希望する通信用途に対応したネットワークスライスを構築するために仮想ネットワーク機能に割り当てられるべきリソース量の計算に係るシーケンスの一例を示す図である。当
該シーケンスは、ユーザによる、施設及び当該施設が有するネットワークの利用予約に係る処理の中で開始される。
【0106】
図6に示すように、ステップS201において、ネットワーク装置320は、通信サービステーブルを参照し、ステップS106で受信した通信用途情報に対応する通信用途が通信サービステーブルに登録されているか否かを確認する。ステップS201で「YES」である場合、ステップS206に処理を進める。
【0107】
一方、ステップS201で「NO」である場合、ステップS202に処理を進める。ステップS202において、ネットワーク装置320は、当該通信用途情報に対応する通信用途が通信サービステーブルに登録されていない旨を予約受付サーバ310に通知する。
【0108】
ステップS203において、予約受付サーバ310は、スループットや遅延時間及び接続数の要求値をユーザ端末101に問い合わせる。
【0109】
ステップS204において、ユーザ端末101は、スループットや遅延時間及び接続数の要求値を示す要求値情報を予約受付サーバ310に送付する。
【0110】
ステップS205において、予約受付サーバ310は、当該要求値情報をネットワーク装置320に送付する。ネットワーク装置320は、当該要求値情報を参照し、当該要求値を満たすネットワークスライスを構築するために仮想ネットワーク機能に割り当てられるべきリソース量を決定し、リソースの計算に係る処理を終了する。
【0111】
ステップS202からステップS205に係る処理は係る処理は、ステップS201で「NO」である場合の処理である。一方で、ステップS201で「YES」である場合、ステップS206に処理を進める。ステップS206において、ネットワーク装置320は、通信サービステーブルから当該通信用途に対応するリソース情報を読み出し、リソースの計算に係る処理を終了する。
【0112】
<ユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用開始に係るシーケンスの一例>
次に、一実施形態に係るユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用開始に係るシーケンスの一例について説明する。図7は、一実施形態に係るユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用開始に係るシーケンスの一例を示す図である。当該シーケンスは、ユーザが施設に到着し、施設の利用開始を希望する際に開始されてもよい。
【0113】
図7に示すように、ステップS301において、ユーザ端末101は、SIMデータを施設管理サーバ330に送付する。
【0114】
ステップS302において、施設管理サーバ330は、当該SIMデータをネットワーク装置320に送付する。
【0115】
ステップS303において、ネットワーク装置320は、当該SIMデータに含まれるIMSIを参照し、当該IMSIが記憶部325に記憶されているか否かを確認する。ステップS303において「NO」である場合、ステップS304に処理を進める。
【0116】
一方、ステップS303において「YES」である場合、ステップS305に処理を進める。ステップS305において、ネットワーク装置320は、当該SIMデータをネットワーク装置320に登録する。
【0117】
ステップS306において、ネットワーク装置320は、当該IMSIに紐づけて記憶されているリソース情報を記憶部325から読み出す。
【0118】
ステップS307において、ネットワーク装置320は、当該リソース情報を参照し、仮想ネットワーク機能にリソースを割り当てる。
【0119】
ステップS308において、ネットワーク装置320は、ユーザが希望する通信用途に対応するネットワークスライスを構築する。
【0120】
ステップS309において、ネットワーク装置320は、当該ネットワークスライスの構築が完了した旨を施設管理サーバ330に通知する。
【0121】
ステップS310において、施設管理サーバ330は、ネットワーク装置320において、当該ネットワークスライスの構築が完了した旨をユーザ端末101に通知する。
【0122】
ステップS311において、ユーザ端末101は、SIMデータを当該施設が有するローカルセルラ通信網に含まれるローカル5G基地局221に送付する。
【0123】
ステップS312において、ローカル5G基地局221は、当該SIMデータをネットワーク装置320に送付する。
【0124】
ステップS313において、ネットワーク装置320は、当該SIMデータを照合する。当該SIMデータがステップS305においてネットワーク装置320に登録されたSIMデータと一致しない場合ステップS314に処理を進める。ステップS314において、ネットワーク装置320は、当該SIMデータがステップS305においてネットワーク装置320に登録されたSIMデータと一致しない旨を施設管理サーバ330を介してユーザ端末101に通知し、施設と当該施設が有するネットワークの利用開始に係る処理を終了する。
【0125】
一方、ステップS313において、当該SIMデータがステップS305においてネットワーク装置320に登録されたSIMデータと一致する場合、ステップS315に処理を進める。ステップS315において、ネットワーク装置320は、当該SIMデータがステップS305においてネットワーク装置320に登録されたSIMデータと一致する旨をローカル5G基地局221に通知する。
【0126】
ステップS316において、ローカル5G基地局221は、当該SIMデータがステップS305においてネットワーク装置320に登録されたSIMデータと一致する旨をユーザ端末101に通知し、施設と当該施設が有するネットワークの利用開始に係る処理を終了する。
【0127】
<ユーザによる、施設及び当該施設が有するネットワークの利用終了後に係るシーケンスの一例>
次に、一実施形態に係るユーザによる、施設及び当該施設が有するネットワークの利用終了後に係るシーケンスの一例について説明する。図8は、一実施形態に係るユーザによる、施設及び当該施設が有するネットワークの利用終了後に係るシーケンスの一例を示す図である。当該シーケンスは、施設管理サーバ330が、ユーザによる、当該施設の利用終了を検知した際に開始されてもよいし、施設管理サーバ330が、ユーザによる、当該施設の利用予定期間の終了を検知した際に開始されてもよい。
【0128】
図8に示すように、ステップS401において、施設管理サーバ330は、当該ユーザのSIMデータをネットワーク装置320に送付する。
【0129】
ステップS402において、ネットワーク装置320は、当該SIMデータに対応づけて構築されたネットワークスライスを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられたリソースを開放する。
【0130】
ステップS403において、ネットワーク装置320は、当該SIMデータに含まれるIMSIを参照し、記憶部325に記憶されている当該IMSIと、当該IMSIに対応付けて記憶されているリソース情報を削除する。
【0131】
ステップS404において、ネットワーク装置320は、ネットワーク装置320に登録されている当該SIMデータを削除し、施設及び当該施設が有するネットワークの利用終了後に係る処理を終了させる。
【0132】
以上のような構成の一実施形態に係る通信システムにおけるネットワーク装置は、ユーザ端末より送信される利用予定期間情報及び通信用途情報を受信した時に、通信用途に対応したネットワークスライスを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられるリソースを利用予定期間において予約し、ユーザが施設の利用を開始した時に、予約されたリソースを仮想ネットワーク機能に割り当てる。上述のような構成により、一実施形態に係る通信システム及び通信システムにおけるネットワーク装置は、ユーザが希望する通信用途を事前に確認し、ユーザが施設の利用を開始した時に通信用途に対応するネットワークスライスを構築するため、ユーザが希望する通信用途に対応するネットワークスライスを適切に提供することが可能である。
【0133】
また、一実施形態に係る通信システムにおける予約受付サーバは、ユーザ端末より利用予定期間情報及び通信用途情報を受信し、利用予定期間情報及び通信用途情報をネットワーク装置に送信する。上述のような構成により、一実施形態に係る通信システムにおける予約受付サーバは、ユーザから、施設の利用予約に関する情報及び当該施設におけるネットワークの利用予約に関する情報を受信し、ネットワーク装置に送信するため、ユーザはネットワーク装置と直接通信する必要がなく、ユーザによる通信の手間を削減することが可能である。
【0134】
また、一実施形態に係る通信システムにおけるネットワーク装置は、ネットワークサービスを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられるリソースを、ユーザの利用予定期間において予約した後に、ユーザの識別情報をユーザ端末に送信し、ユーザによる識別情報の登録を受け付けると、ユーザに施設の利用を開始させる。上述のような構成により、一実施形態に係る通信システムにおけるネットワーク装置は、ユーザによる施設の利用の開始を適切に認識するため、ユーザが施設の利用を開始する前に仮想ネットワーク機能にリソースが割り当てられる事態を防ぎ、リソースを効率的に運用させることが可能である。
【0135】
また、一実施形態に係る通信システムにおけるネットワーク装置は、識別情報を照合した後に、ユーザによるネットワークスライスの利用を可能とする。上述のような構成により、一実施形態に係る通信システムにおけるネットワーク装置は、構築されたネットワークスライスがユーザ以外の人により利用されることを防ぐことが可能である。
【0136】
また、一実施形態に係る通信システムにおけるネットワーク装置は、利用予定期間が終了する時又はユーザが施設の利用を終了する時に、識別情報を削除する。上述のような構成により、一実施形態に係る通信システムにおけるネットワーク装置は、ユーザによる施
設の利用が終了した後に、ネットワークスライスがユーザにより利用されることを防ぐことが可能である。
【0137】
また、一実施形態に係る通信システムにおけるネットワーク装置は、利用予定期間が終了する時又はユーザが施設の利用を終了する時に、仮想ネットワーク機能に割り当てられるリソースを開放する。上述のような構成により、一実施形態に係る通信システムにおけるネットワーク装置は、ユーザによる施設の利用の終了を検知すると、リソースを開放するため、リソースを効率的に運用させることが可能となる。
【0138】
一実施形態において、ネットワーク装置320が有する制御部321が、SIMデータによるユーザの認証に係る処理や、仮想ネットワーク機能に割り当てられるべきリソース量の計算に係る処理、当該リソースの予約確保に係る処理、当該ネットワークスライスの構築や開放に係る処理を実行するが、それぞれの処理は必ずしもネットワーク装置によって行われる必要はなく、複数のサーバによって実行されてもよい。別の実施形態ではネットワーク装置320の代わりにコアネットワーク管理サーバ320aとリソース管理サーバ320bが設けられてもよい。コアネットワーク管理サーバ320a及びリソース管理サーバ320bは、図3によって示される予約受付サーバ310やネットワーク装置320、施設管理サーバ330と同様の構成であってもよいし、そうでなくてもよい。SIMデータの生成に係る処理と、ネットワークスライスの構築や開放に係る処理はコアネットワーク管理サーバ320aによって実行されてもよく、仮想ネットワーク機能に割り当てられるべきリソース量の計算に係る処理と、当該リソースの予約確保に係る処理はリソース管理サーバ320bによって実現されてもよい。
【0139】
<ユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用予約に係るシーケンスの別の例>
次に、別の実施形態に係るユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用予約に係るシーケンスの一例について説明する。図9は、別の実施形態に係るユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用予約処理を示すシーケンスの一例を示す図である。当該シーケンスは、ユーザ端末101が、施設及び当該施設が有するネットワークの利用予約に関する入力を受け付け、予約受付サーバ310によって管理されるウェブサイトにアクセスした際に開始されてもよい。
【0140】
図9に示されるステップS501からステップS505に係る処理は、図5に示されるステップS101からステップS105に係る処理と同一であるため説明を省略する。ステップS506において、予約受付サーバ310は、利用予定期間情報と、通信用途情報をリソース管理サーバ320bに送信する。
【0141】
ステップS507において、リソース管理サーバ320bは、当該通信用途に対応したネットワークスライスを構築するために仮想ネットワーク機能に割り当てられるべきリソース量を計算する。当該リソース量の計算に係る処理は、図6によって示される、一実施形態に係るリソース量の計算に係る処理において、ネットワーク装置320に行わせる処理をリソース管理サーバ320bに代替的に行わせたものであるため説明を省略する。
【0142】
ステップS508において、リソース管理サーバ320bは、ステップS506で受信した利用予定期間情報とステップS507で算出したリソース量を参照し、当該期間における当該リソースの利用予約が可能であるか否かを判定する。
【0143】
ステップS509において、リソース管理サーバ320bは、ステップS508で判定した当該期間における当該リソースの利用予約の可否を予約受付サーバ310に通知する。
【0144】
ステップS510からステップS519に係る処理は、ステップS110からステップS119に係る処理と同一であるため説明を省略する。
【0145】
ステップS520において、予約受付サーバ310は、当該期間において当該リソースを確保する旨の要求をリソース管理サーバ320bに送信する。
【0146】
ステップS521において、リソース管理サーバ320bは、ステップS506で受信した利用予定期間情報とステップS507で算出したリソースに基づいて、当該期間における当該リソースの確保を行う。
【0147】
ステップS522において、リソース管理サーバ320bは、当該期間における当該リソースの確保が完了した旨をコアネットワーク管理サーバ320aに通知する。
【0148】
ステップS523において、コアネットワーク管理サーバは、SIMデータを生成する。
【0149】
ステップS524において、コアネットワーク管理サーバ320aは、当該SIMデータに含まれるIMSIをリソース管理サーバ320bに送付する。
【0150】
ステップS525において、リソース管理サーバ320bは、ステップS521で確保したリソースに関する情報を表すリソース情報と、当該IMSIを紐づけて記憶する。
【0151】
ステップS526において、リソース管理サーバ320bは、リソース情報とIMSIの記憶が完了した旨をコアネットワーク管理サーバ320aに送付する。
【0152】
ステップS527において、コアネットワーク管理サーバ320aは、SIMデータを予約受付サーバ310に送付する。
【0153】
ステップS528に係る処理は、ステップS125に係る処理と同一であるため説明を省略する。
【0154】
<ユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用開始に係るシーケンスの別の例>
次に、別の実施形態に係るユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用開始に係るシーケンスの一例について説明する。図10は、別の実施形態に係るユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用開始に係るシーケンスの一例を示す図である。当該シーケンスは、ユーザが施設に到着し、施設の利用開始を希望する際に開始されてもよい。
【0155】
図10に示されるステップS601に係る処理は、図7に示されるステップS301に係る処理と同一であるため説明を省略する。
【0156】
ステップS602において、施設管理サーバ330は、SIMデータをコアネットワーク管理サーバ320aに送付する。
【0157】
ステップS603において、コアネットワーク管理サーバ320aは、当該SIMデータに含まれるIMSIをリソース管理サーバ320bに送付する。
【0158】
ステップS604において、リソース管理サーバ320bは、当該IMSIがリソース
管理サーバ320bに記憶されているか否かを確認する。ステップS604において「NO」である場合、ステップS605に処理を進める。ステップS605において、リソース管理サーバ320bは、当該IMSIがリソース管理サーバ320bに記憶されていない旨を施設管理サーバ330を介して、ユーザ端末101に通知し、施設と当該施設が有するネットワークの利用開始に係る処理を終了する。
【0159】
一方、ステップS604において「YES」である場合、ステップS606に処理を進める。ステップS606において、リソース管理サーバ320bは、当該IMSIがリソース管理サーバ320bに記憶されている旨をコアネットワーク管理サーバ320aに通知する。
【0160】
ステップS607において、コアネットワーク管理サーバ320aは、ステップS602で受信したSIMデータをコアネットワーク管理サーバ320aに登録する。
【0161】
ステップS608において、コアネットワーク管理サーバ320aは、SIMデータの登録が完了した旨をリソース管理サーバ320bに通知する。
【0162】
ステップS609において、リソース管理サーバ320bは、当該SIMデータに含まれるIMSIに紐づけて記憶されているリソース情報をコアネットワーク管理サーバ320aに送付する。
【0163】
ステップS610において、コアネットワーク管理サーバ320aは、当該リソース情報を参照し、仮想ネットワーク機能にリソースを割り当てる。
【0164】
ステップS611において、コアネットワーク管理サーバ320aは、ユーザが希望する通信用途に対応するネットワークスライスを構築する。
【0165】
ステップS612において、コアネットワーク管理サーバ320aは、当該ネットワークスライスの構築が完了した旨を施設管理サーバ330に通知する。
【0166】
ステップS613からステップS614に係る処理は、ステップS310からステップS311に係る処理と同一であるため説明を省略する。
【0167】
ステップS615において、ローカル5G基地局221は、SIMデータをコアネットワーク管理サーバ320aに送付する。
【0168】
ステップS616において、コアネットワーク管理サーバ320aは、当該SIMデータを照合する。当該SIMデータがステップS607においてコアネットワーク管理サーバ320aに登録されたSIMデータと一致しない場合ステップS617に処理を進める。ステップS617において、コアネットワーク管理サーバ320aは、当該SIMデータがステップS607においてコアネットワーク管理サーバ320aに登録されたSIMデータと一致しない旨を施設管理サーバ330を介してユーザ端末101に通知し、施設と当該施設が有するネットワークの利用開始に係る処理を終了する。
【0169】
一方、ステップS616において、当該SIMデータがステップS607においてコアネットワーク管理サーバ320aに登録されたSIMデータと一致する場合、ステップS618に処理を進める。ステップS618において、コアネットワーク管理サーバ320aは、当該SIMデータがステップS607においてコアネットワーク管理サーバ320aに登録されたSIMデータと一致する旨をローカル5G基地局221に通知する。
【0170】
ステップS619に係る処理は、ステップS316に係る処理と同一であるため説明を省略する。
【0171】
<ユーザによる、施設と当該施設が有するネットワークの利用予約に係るシーケンスの別の例>
次に、別の実施形態に係るユーザによる、施設及び当該施設が有するネットワークの利用終了後に係るシーケンスの一例について説明する。図11は、別の実施形態に係るユーザによる、施設及び当該施設が有するネットワークの利用終了後に係るシーケンスの一例を示す図である。当該シーケンスは、施設管理サーバ330が、ユーザによる、当該施設の利用終了を検知した際に開始されてもよいし、施設管理サーバ330が、ユーザによる、当該施設の利用予定期間の終了を検知した際に開始されてもよい。
【0172】
図11に示すように、ステップS701において、施設管理サーバ330は、SIMデータをコアネットワーク管理サーバ320aに送付する。
【0173】
ステップS702において、コアネットワーク管理サーバ320aは、当該SIMデータに対応付けて構築されたネットワークスライスを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられたリソースを開放する。
【0174】
ステップS703において、コアネットワーク管理サーバ320aは、当該SIMデータに含まれるIMSIをリソース管理サーバ320bに通知する。
【0175】
ステップS704において、リソース管理サーバ320bは、当該IMSIと、当該IMSIに対応付けて記憶されているリソース情報を削除する。
【0176】
ステップS705において、リソース管理サーバ320bは、当該IMSIと当該リソース情報の削除が完了した旨をコアネットワーク管理サーバ320aに通知する。
【0177】
ステップS705において、コアネットワーク管理サーバ320aは、コアネットワーク管理サーバ320aに記憶されているSIMデータを削除し、施設及び当該施設が有するネットワークの利用終了後に係る処理を終了させる。
【0178】
以上のような構成の別の実施形態に係る通信システムにおけるリソース管理サーバは、ユーザ端末より送信される利用予定期間情報及び通信用途情報を受信した時に、通信用途に対応したネットワークスライスを構成する仮想ネットワーク機能に割り当てられるリソースを利用予定期間において予約し、通信システムにおけるコアネットワーク管理サーバは、ユーザが施設の利用を開始した時に、予約されたリソースを仮想ネットワーク機能に割り当てる。上述のような構成により、別の実施形態に係る通信システム及び通信システムにおけるリソース管理サーバとコアネットワーク管理サーバは、ユーザが希望する通信用途を事前に確認し、ユーザが施設の利用を開始した時に当該通信用途に対応するネットワークスライスを構築するため、ユーザが希望する通信用途に対応するネットワークスライスを適切に提供することが可能である。
【0179】
<その他の実施形態>
上述した実施形態において、予約受付サーバ310やネットワーク装置320、コアネットワーク管理サーバ320a、リソース管理サーバ320b、施設管理サーバ330はそれぞれ物理的なサーバとして説明されてきたが、必ずしもすべてが物理的なサーバである必要はない。予約受付サーバ310やネットワーク装置320、コアネットワーク管理サーバ320a、リソース管理サーバ320b、施設管理サーバ330のうち少なくとも1つは、ハイパーバイザー(Hypervisor)上で動作する仮想的なサーバであっ
てもよいし、クラウドサーバあってもよく、当該ハイパーバイザーがインストールされた通信機器や当該クラウドサーバに接続された通信機器によって上述した各処理が実行されてもよい。
【0180】
上述した各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0181】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述に限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0182】
101 :ユーザ端末
111 :制御部
112 :入力部
112a :操作部
112b :マイク
112c :カメラ
113 :出力部
113a :表示部
113b :スピーカ
114 :通信部
115 :記憶部
116 :SIMインターフェイス
210 :公衆セルラ通信網
211 :基地局
220 :ローカルセルラ通信網
221 :ローカル5G基地局
230 :施設管理ネットワーク
310 :予約受付サーバ
311 :制御部
312 :入力部
313 :出力部
313a :表示部
314 :通信部
315 :記憶部
315a :プログラム
315b :データベース
320 :ネットワーク装置
321 :制御部
322 :入力部
323 :出力部
323a :表示部
324 :通信部
325 :記憶部
325a :プログラム
325b :データベース
330 :施設管理サーバ
331 :制御部
332 :入力部
333 :出力部
333a :表示部
334 :通信部
335 :記憶部
335a :プログラム
335b :データベース
400 :拡張機器
500 :通信機器
600 :通信機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11