(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094253
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20230628BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209629
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 貴之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】ユーザの興味関心の変化を推定可能にする。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、取得部と、学習部とを有する。取得部は、広告の提供前のユーザの興味関心に関する第1興味関心情報と、広告の提供後のユーザの興味関心に関する第2興味関心情報とを取得する。学習部は、第1興味関心情報と第2興味関心情報とを用いて、広告の提供によるユーザの興味関心の変化を推定する学習モデルである推定モデルを学習する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告の提供前のユーザの興味関心に関する第1興味関心情報と、前記広告の提供後のユーザの興味関心に関する第2興味関心情報とを取得する取得部と、
前記第1興味関心情報と前記第2興味関心情報とを用いて、前記広告の提供によるユーザの興味関心の変化を推定する学習モデルである推定モデルを学習する学習部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記広告の提供前のユーザの興味関心を基に生成された第1興味関心ベクトルである前記第1興味関心情報と、前記広告の提供後のユーザの興味関心に関する第2興味関心ベクトルである前記第2興味関心情報とを取得し、
前記学習部は、
前記第1興味関心ベクトルである前記第1興味関心情報と、前記第2興味関心ベクトルである前記第2興味関心情報とを用いて、前記推定モデルを学習する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記学習部は、
前記第1興味関心情報と、前記広告に関する広告情報が入力された場合に、前記第2興味関心情報を出力するように前記推定モデルを学習することにより、前記推定モデルを学習する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、
第1時点におけるユーザの興味関心に関する第3興味関心情報と、前記第1時点から当該ユーザに前記広告を提供せずに所定期間が経過した後の時点である第2時点におけるユーザの興味関心に関する第4興味関心情報とを取得し、
前記学習部は、
前記第3興味関心情報と前記第4興味関心情報とを用いて、前記推定モデルを学習する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記第1時点におけるユーザの興味関心を基に生成された第3興味関心ベクトルである前記第3興味関心情報と、前記第2時点におけるユーザの興味関心に関する第4興味関心ベクトルである前記第4興味関心情報とを取得し、
前記学習部は、
前記第3興味関心ベクトルである前記第3興味関心情報と、前記第4興味関心ベクトルである前記第4興味関心情報とを用いて、前記推定モデルを学習する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記学習部は、
前記第3興味関心情報と、前記広告が提供されていないことを示す情報が入力された場合に、前記第4興味関心情報を出力するように前記推定モデルを学習することにより、前記推定モデルを学習する
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記学習部により学習された前記推定モデルを用いて、対象広告の効果を推定する推定部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、
前記対象広告に関する広告情報を取得し、
前記推定部は、
前記対象広告の前記広告情報を用いて、前記対象広告の効果を推定する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、
対象ユーザの興味関心に関する興味関心情報を取得し、
前記推定部は、
前記対象ユーザの前記興味関心情報を用いて、前記対象ユーザに対する前記対象広告の効果を推定する
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記推定部により推定された前記対象ユーザに対する前記対象広告の効果に基づいて、前記対象ユーザへの前記対象広告の提供態様を決定する決定部、
をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記決定部は、
前記対象ユーザに対する前記対象広告の効果があると推定された場合、前記対象ユーザへ前記対象広告を提供すると決定する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記決定部により前記対象ユーザへ前記対象広告を提供すると決定された場合、前記対象ユーザへ前記対象広告を提供する提供部、
をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記提供部は、
前記対象広告を前記対象ユーザが利用する端末装置へ送信する
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記決定部は、
前記対象ユーザに対する前記対象広告の効果がないと推定された場合、前記対象ユーザへ前記対象広告を提供しないと決定する
ことを特徴とする請求項10~13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記学習部は、
ユーザ突合を属性が共通するユーザーグループであるコホート単位に基づいて生成された学習データを用いて前記推定モデルを学習する
ことを特徴とする請求項10~14のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
広告の提供前のユーザの興味関心に関する第1興味関心情報と、前記広告の提供後のユーザの興味関心に関する第2興味関心情報とを取得する取得工程と、
前記第1興味関心情報と前記第2興味関心情報とを用いて、前記広告の提供によるユーザの興味関心の変化を推定する学習モデルである推定モデルを学習する学習工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項17】
広告の提供前のユーザの興味関心に関する第1興味関心情報と、前記広告の提供後のユーザの興味関心に関する第2興味関心情報とを取得する取得手順と、
前記第1興味関心情報と前記第2興味関心情報とを用いて、前記広告の提供によるユーザの興味関心の変化を推定する学習モデルである推定モデルを学習する学習手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの興味関心に関する情報を推定する種々の技術が提供されている。例えば、ユーザの対話を基に単語についてのユーザの興味の有無を判定する技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術には、改善の余地がある。例えば、上記の従来技術では、単語についてのユーザの興味の有無を判定しているに過ぎず、ユーザの興味関心の変化について推定することが難しい。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザの興味関心の変化を推定可能にする情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、広告の提供前のユーザの興味関心に関する第1興味関心情報と、前記広告の提供後のユーザの興味関心に関する第2興味関心情報とを取得する取得部と、前記第1興味関心情報と前記第2興味関心情報とを用いて、前記広告の提供によるユーザの興味関心の変化を推定する学習モデルである推定モデルを学習する学習部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、ユーザの興味関心の変化を推定可能にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、学習モデルの学習処理の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、学習モデルを用いた情報の生成処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るモデル情報記憶部の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る閾値情報記憶部の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る広告情報記憶部の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、情報処理装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、情報処理装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、情報処理装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、情報処理装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、情報処理装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.情報処理〕
以下、
図1を用いて、情報処理システム1が実行する情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。情報処理システム1は、ユーザの興味関心に関する情報(「興味関心情報」ともいう)と、ユーザが所定のコンバージョンに至る可能性の度合いを示すスコア(「ホット度」ともいう)とを用いた各種の情報処理を実行する。情報処理システム1は、興味関心とホット度との関係性を学習した学習モデル(単に「モデル」ともいう)を生成する。情報処理システム1は、興味関心情報を入力として、予測されるホット度を出力する学習モデル(「ホット度予測モデル」ともいう)を用いて、各種の情報処理を実行する。例えば、情報処理システム1は、ホット度予測モデルを用いて、情報の分析、ユーザへの情報提供等の各種の情報処理を実行する。
【0011】
以下では、コンバージョンの一例として、ユーザによる商品の購入を一例として説明するが、商品の購入はコンバージョンの一例に過ぎず、コンバージョンは、ユーザのどのような行動であってもよい。例えば、コンバージョンは、広告コンテンツの広告対象についてのサービス利用や会員登録の利益につながるユーザの行動であってもよい。また、コンバージョンは、資料請求や広告コンテンツに対応するサイトの閲覧(表示)、実店舗への訪問等であってもよい。このように、ユーザのどのような行動をコンバージョンとするかは任意の設定が可能である。例えば、各広告について、ユーザのどのような行動をコンバージョンとみなすかは、情報処理システム1の管理者や広告主等によって個別に設定されてもよい。
【0012】
〔1-1.情報処理システムの構成〕
図1~
図7に示す処理の説明に先立って、
図8を用いて情報処理システム1の構成について説明する。
図8は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図8に示すように、情報処理システム1は、ユーザ端末10と、広告主装置20と、事業者装置30と、情報処理装置100とが含まれる。ユーザ端末10と、広告主装置20と、事業者装置30と、情報処理装置100とは所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図8に示した情報処理システム1には、複数台のユーザ端末10や、複数台の広告主装置20や、複数台の事業者装置30や、複数台の情報処理装置100が含まれてもよい。
【0013】
ユーザ端末10は、ユーザによって利用されるコンピュータである。ユーザ端末10は、ユーザが携帯可能なデバイス(端末装置)である。例えば、ユーザ端末10は、ブラウザに表示されるウェブページやアプリケーション用のコンテンツ等のコンテンツにアクセスするユーザによって利用される。ユーザ端末10は、ユーザがインターネットにおける各種行動を行うために利用される。例えば、ユーザ端末10は、ユーザが検索クエリを用いた検索を行うために利用される。例えば、ユーザ端末10は、ユーザが商取引サイトのコンテンツ(ウェブページ等)を閲覧するためや、商取引サイトにおいて商品を購入したり、商品情報の評価(いわゆるレビュー)を投稿したりするために利用される。
【0014】
ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
図1は、ユーザ端末10がスマートフォンである場合を示す。なお、以下では、ユーザ端末10をユーザと表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザをユーザ端末10と読み替えることもできる。
【0015】
広告主装置20は、広告主よって利用される情報処理装置である。また、広告主は、広告主装置20を用いて、広告コンテンツ(以下、単に「広告」ともいう)を情報処理装置100に入稿せずに、広告の入稿を代理店に依頼する場合もある。この場合、情報処理装置100に広告を入稿するのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主装置」といった表記は、広告主装置だけでなく代理店によって利用される代理店装置を含む概念であるものとする。
【0016】
例えば、広告主装置20は、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。なお、
図1の例では、広告主装置20がノート型PCである場合を一例として示す。
図1の例では、広告主装置20は、広告主ID「AP1」により識別される広告主(以下、「広告主AP1」とする)によって利用される情報処理装置である場合を示す。広告主AP1は、広告主装置20を用いて、情報処理装置100との間で情報の送受信を行う。また、広告主装置20は、情報処理装置100から情報提供を受けてもよい。なお、広告主AP1は、法人等であってもよく、
図1に広告主AP1の符号を付した広告主装置20に使用者は、広告主AP1の宣伝担当者等であってもよい。
【0017】
事業者装置30は、商品を販売する事業者(企業)等が利用するコンピュータ(サーバ装置)である。事業者装置30は、情報処理装置100へ情報提供を行う。事業者装置30は、情報処理装置100が処理に必要な様々な情報を情報処理装置100へ送信する。事業者装置30は、コンバージョンを把握するために用いるデータ(「コンバージョン把握データ」ともいう)である第2データを情報処理装置100へ提供する。事業者装置30は、ユーザが所定のコンバージョンに至ったことを示すユーザの行動履歴を含む第2データを情報処理装置100へ提供する。例えば、事業者装置30は、ユーザが所定の商品を購入したことを示すユーザの行動履歴を含む第2データを情報処理装置100へ提供する。
【0018】
事業者装置30は、ユーザに対して電子商取引サービスを提供してもよい。例えば、事業者装置30は、事業者の商品を販売する電子商取引サービスを提供する。事業者装置30は、ユーザに事業者の商品のオンラインショッピングのサービスを提供する。例えば、事業者装置30は、ユーザが利用するユーザ端末10からの要求に応じて事業者の商品に関する各種情報を提供したり、ユーザが購入を希望する商品の購入処理を実行したりする。なお、広告主と事業者が同じである場合、事業者装置30と広告主装置20とは一体であってもよい。
【0019】
情報処理装置100は、ユーザの興味関心情報と、ユーザが所定のコンバージョンに至る可能性の度合いを示すホット度とを用いた各種の情報処理を実行するコンピュータである。情報処理装置100は、興味関心情報を入力として、予測されるホット度を出力する学習モデルを生成する。例えば、情報処理装置100は、学習モデルを用いて、情報の分析、ユーザへの情報提供等の各種の情報処理を実行する。
【0020】
情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心情報を学習モデル(ホット度予測モデル)に入力することにより、ホット度予測モデルが出力したスコア(ホット度)を用いて、対象ユーザに提供する広告(「提供広告」ともいう)を決定する。情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心情報が入力されたホット度予測モデルから出力されたスコア(ホット度)を用いて、対象ユーザへの提供広告を決定する。情報処理装置100は、一の要求元により指定された所定のコンバージョンに至る可能性の度合いを示す指定情報と、ホット度予測モデルにより生成される情報とを用いて、一の要求元に提供する情報である提供情報を決定する。
【0021】
情報処理装置100は、第1時点における対象ユーザの第1興味関心情報と、第1時点よりも後の時点である第2時点における対象ユーザの第2興味関心情報を用いて、対象ユーザへの広告の提供態様を決定する。情報処理装置100は、対象ユーザの第1興味関心情報が入力されたホット度予測モデルが出力したホット度(「第1ホット度」ともいう)と、対象ユーザの第2興味関心情報が入力されたホット度予測モデルが出力したホット度(「第2ホット度」ともいう)とを用いて、対象ユーザへの広告の提供態様を決定する。情報処理装置100は、ホット度予測モデルにより生成される情報を用いて、興味関心の変化の態様を決定する。
【0022】
情報処理装置100は、広告の提供前のユーザの興味関心に関する第1興味関心情報と、広告の提供後のユーザの興味関心に関する第2興味関心情報とを用いて、広告の提供によるユーザの興味関心の変化を推定する学習モデル(「推定モデル」ともいう)を学習する。
【0023】
情報処理装置100は、ユーザの興味関心に関する情報である第1データを収集する。情報処理装置100は、ユーザの興味関心を示すユーザの行動履歴を含む第1データを収集する。例えば、第1データ記憶部121は、検索データ等、ユーザの興味関心を示す各種の情報を含む第1データを収集する。例えば、情報処理装置100は、ユーザが検索に用いた検索クエリ、検索結果の閲覧等の履歴を含む第1データを収集する。
【0024】
例えば、情報処理装置100は、ユーザに対して電子商取引サービスを提供してもよい。情報処理装置100は、ネットワーク上の電子商店街等の商取引サイトを提供する。情報処理装置100は、ユーザに商取引サイトにおけるオンラインショッピングのサービスを提供する。例えば、情報処理装置100は、ユーザが利用するユーザ端末10からの要求に応じて商取引サイトに関する各種情報を提供したり、ユーザが購入を希望する商品の購入処理を実行したりする。なお、情報処理装置100が提供する電子商取引サービスは、一般的な電子商取引サービスでのオンラインショッピングの場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0025】
また、例えば、情報処理装置100は、検索クエリを入力した利用者が利用するユーザ端末10に、検索結果を提供する検索装置として機能してもよい。この場合、情報処理装置100は、ユーザから検索クエリを取得し、その検索クエリを用いた検索結果をそのユーザが利用するユーザ端末10に提供する検索処理を実行する検索エンジンとしての機能を有する。情報処理装置100は、ユーザに検索サービスを提供する。例えば、情報処理装置100は、事業者の商品等、検索クエリを用いた検索処理の対象が、インデックスされて格納されたデータベース(「検索対象データベース」ともいう)を有し、その検索対象データベースの情報を対象として検索処理を実行する。例えば、検索対象データベースの情報は記憶部120(
図9参照)に格納される。
【0026】
このように、情報処理装置100が検索装置としても機能する、すなわち情報処理装置100と検索装置とが一体であってもよいが、情報処理装置100と検索装置とは別体であってもよい。この場合、情報処理システム1(
図9参照)には、検索クエリを対象とした検索処理を実行し、検索結果を提供する検索サービスを提供する検索装置が含まれる。
【0027】
このように、情報処理装置100以外の検索装置がユーザに検索サービスを提供する場合、検索装置から第1データを取得してもよい。例えば、情報処理装置100は、検索サービスを提供する検索装置から第1データを受信してもよい。なお、上記のシステム構成は一例に過ぎず、検索クエリを入力した利用者に対して所望の情報を提供可能であれば、情報処理システム1はどのような装置構成であってもよい。
【0028】
なお、情報処理システム1は上記以外にも各種の装置を有してもよい。例えば、情報処理システム1は、ユーザに対して電子商取引サービスを提供するウェブサーバ(サーバ装置)を有してもよい。例えば、ウェブサーバは、ネットワーク上の電子商店街等の商取引サイトを提供する。ウェブサーバは、ユーザに商取引サイトにおけるオンラインショッピングのサービスを提供する。例えば、ウェブサーバは、ユーザが利用するユーザ端末10からの要求に応じて商取引サイトに関する各種情報を提供したり、ユーザが購入を希望する商品の購入処理を実行したりする。例えば、ウェブサーバは、事業者が提供する商品をユーザに販売する。ウェブサーバは、事業者の事業者装置30へその事業者の商品の販売に関する各種情報を送信する。
【0029】
ウェブサーバは、情報処理装置100へ情報提供を行う。ウェブサーバは、情報処理装置100が処理に必要な様々な情報を情報処理装置100へ送信する。ウェブサーバは、ユーザの商品の購入に関する情報を情報処理装置100へ提供する。例えば、ウェブサーバは、商取引サイトにおいて収集した各種情報を情報処理装置100へ提供する。ウェブサーバは、ユーザ端末10、広告主装置20また事業者装置30から収集した情報を情報処理装置100へ提供する。
【0030】
〔1-2.情報処理システムにおける処理の全体概要〕
ここから、
図1~
図7を用いて、情報処理システム1が行う情報処理の一例について説明する。まず、
図1を用いて、情報処理システム1の各装置間での情報の送受信を含む情報処理システム1における処理の概要を説明した後、
図2~
図7を用いて各情報処理の詳細を説明する。
【0031】
まず、情報処理装置100は、ユーザが利用するユーザ端末10からユーザの行動に関する各種情報を取得する(ステップS1)。例えば、情報処理装置100は、ユーザが利用するユーザ端末10から検索クエリ等の第1データを取得する。例えば、ユーザは、情報処理装置100が提供するサービス(検索サービス等)を利用し、情報処理装置100は、提供するサービスを利用するユーザのサービスの利用に関するログ(行動履歴)を収集する。例えば、情報処理装置100は、提供する検索サービスを利用するユーザのユーザ端末10からユーザの検索クエリ等の第1データを取得する。なお、上記は一例に過ぎず、情報処理装置100は、検索サービス以外にも様々なサービスを提供し、ユーザの第1データを取得してもよい。
【0032】
また、ユーザ端末10を利用するユーザは、事業者装置30が提供する電子商取引サービスを利用する(ステップS2)。例えば、事業者装置30は、ユーザが利用するユーザ端末10からの要求に応じて、ユーザに事業者装置30のオンラインショッピングのサービスを提供する。例えば、事業者装置30は、商取引サイトに関する各種情報をユーザ端末10へ提供したり、ユーザが購入を希望する商品の購入処理を実行したりする。
【0033】
そして、情報処理装置100は、処理に用いる情報を事業者装置30から取得する(ステップS3)。情報処理装置100は、事業者装置30から第2データを受信する。なお、情報処理装置100は、電子商取引サービスを提供するウェブサーバから情報(第2データ等)を取得してもよい。
【0034】
そして、情報処理装置100は、取得した情報を用いて、各種の学習処理を実行する(ステップS4)。情報処理装置100は、取得した情報を用いて、ホット度予測モデル等の学習モデルを学習する学習処理を実行する。例えば、情報処理装置100は、取得した情報を用いて、ホット度予測モデルであるモデルM1(
図2参照)等を学習する学習処理を実行するが、詳細は
図2で説明する。
【0035】
そして、情報処理装置100は、取得した情報を用いて、各種の決定処理を実行する(ステップS5)。情報処理装置100は、取得した情報を用いて、決定処理を実行する。例えば、情報処理装置100は、取得した情報を用いて、ユーザへ提供する情報を決定する決定処理を実行するが、この点の詳細は後述する。
【0036】
そして、情報処理装置100は、決定処理により決定した情報を用いて、サービスを提供する(ステップS6)。
図1ではユーザが利用するユーザ端末10への提供のみを図示するが、情報処理装置100は、情報処理により生成した情報を用いて、事業者等へもサービスを提供してもよい。例えば、情報処理装置100は、決定した提供広告をユーザ端末10へ提供する。また、例えば、情報処理装置100は、事業者からの要求に応じた情報を事業者の事業者装置30へ提供する。なお、情報処理装置100が提供する各種サービスの詳細については後述する。
【0037】
〔1-3.情報処理の詳細〕
上述した情報処理システム1が行う情報処理を前提として、情報処理装置100により実行される各種の情報処理の詳細を説明する。なお、上記で説明した内容と同様の点については適宜説明を省略する。また、以下で説明する各種の処理は適宜組み合わせてもよい。
【0038】
まず、各処理の詳細な説明に先立って、その前提や概要などを説明する。例えば興味関心とホット度との関係性を学習して、学習結果を様々に使いたいという要望がある。そこで、情報処理装置100は、興味関心とホット度との関係性を学習したモデルを生成する。
【0039】
例えば、情報処理装置100は、複数の企業のデータを組み合わせてモデルの学習を行う。例えば、情報処理装置100は、情報処理装置100を管理する第1事業者が収集した第1データと、第1事業者とは異なる第2事業者(例えば分析を所望する企業等)が収集した第2データとを用いて、モデルの学習を行う。
【0040】
このように、情報処理装置100は、第1事業者が所有する検索データ等に基づく興味関心データである第1データと、第2事業者が所有するコンバージョン把握データとを掛け合わせる事で、網羅的に(フルファネルの)分析が可能になる。また、情報処理装置100は、ユーザ突合を属性が共通するユーザーグループ(「コホート」ともいう)単位で行うことにより、プライバシーセーフに突合し、様々な処理を適切に実行することができる。例えば、情報処理装置100は、フルファネル最適広告配信やナーチャリング王道分析を実行することができる。
【0041】
例えば、情報処理装置100は、第1事業者が収集した第1データに基づく興味関心情報を入力とし、第2事業者が収集した第2データに基づくホット度を出力するモデル(ホット度予測モデル)を学習する。この場合、情報処理装置100は、興味関心に関する情報を入力とし、コンバージョンに至る可能性の度合いを示すホット度を正解情報(正解データ)として学習したホット度予測モデルを学習する。これにより、情報処理装置100は、コンバージョン(正解情報)から逆算したフルファネル最適広告を実行することができる。また、情報処理装置100は、学習したホット度予測モデルを用いることにより、ナーチャリング王道分析を実行することができる。
【0042】
情報処理装置100は、ディープラーニング等の機械学習の技術を活用することにより、ユーザ突合がコホート単位であっても、高精度な突合やフルファネル分析を可能とすることができる。また、情報処理装置100は、コホートのマトリクスの切り方を変えながら突合し、その突合したデータを用いてモデルを学習することで、ユーザ個人の情報を学習データとして用いることなく、ユーザ個人単位で突合したのと近しいモデルを学習することができる。
【0043】
情報処理装置100は、個々人の興味関心ベクトルと、コンバージョンhot度(ホット度)の関係性を学習する事で、これらの関係性の大局観が統計的に分析可能となる。情報処理装置100は、ホット度の変化(ファネル上の位置の変化)と興味関心の変化の関係性の主軸(王道)を可視化することができる。上述した内容を基に、以下、図を用いて各情報処理を説明する。
【0044】
〔1-3-1.学習モデルに関する処理〕
ここから、学習モデルに関する処理について説明する。まず、
図2を用いてモデルの学習に関する処理について説明する。
図2は、学習モデルの学習処理の一例を示す図である。具体的には、
図2では、情報処理装置100は、興味関心情報の一例である興味関心ベクトルを入力とし、ホット度を出力するホット度予測モデルであるモデルM1を学習する。なお、モデルM1の(ネットワーク)構造は、全結合層(Fully Connected Layer)、MLP(Multi Layer Perceptron)、FNN(Feedforward Neural Network)等の任意の構造が採用可能である。また、モデルM1は、LightGBM(Gradient Boosting Machine)等の任意の決定木系の機械学習モデルであってもよい。また、モデルM1の入力は、興味関心ベクトルに限らず、興味関心を示す情報であれば、どのような情報であってもよく、例えば興味関心の対象を示すキーワードごとの使用回数等を含む興味関心データであってもよい。
【0045】
モデルM1の入力となる興味関心ベクトルは、
図2中の第1データFDを基に生成される。
図2では、興味関心ベクトル一覧IVLに示すマトリクス(行列)データのように、ユーザの年齢(年代)に応じたコホートと、所定の商品購入後の経過時間で区切った複数の期間との組み合わせごとに、興味関心ベクトルが生成される。例えば、ユーザの年代及び期間との組み合わせごとの第1データを用いて、ユーザの年代及び期間との組み合わせごとの興味関心ベクトルが生成される。
【0046】
例えば、興味関心ベクトルV31は、年齢が30代であるユーザグループ(コホート)であって、商品購入後の経過時間が1年であるユーザの興味関心データを用いて生成されるベクトルを示す。また、興味関心ベクトルV41は、年齢が40代であるユーザグループ(コホート)であって、商品購入後の経過時間が1年であるユーザの興味関心データを用いて生成されるベクトルを示す。なお、商品購入後の経過時間が1年とは、商品購入から1年以内の期間であってもよい。また、商品購入後の経過時間が1年とは、商品購入から1年を含む期間であってもよく、例えば商品購入からの経過期間が11カ月~13カ月の期間であってもよい。
【0047】
また、興味関心ベクトルV32は、年齢が30代であるユーザグループ(コホート)であって、商品購入後の経過時間が2年であるユーザの興味関心データを用いて生成されるベクトルを示す。なお、商品購入後の経過時間が2年とは、商品購入から1年を超え且つ2年以内の期間であってもよい。また、商品購入後の経過時間が2年とは、商品購入から2年を含む期間であってもよく、例えば商品購入からの経過期間が23カ月~25カ月の期間であってもよい。なお、
図2では、興味関心ベクトルをV31、V32、V41等のような抽象的な符号で示すが、各興味関心ベクトルは、N次元のベクトルデータである。
【0048】
例えば、各興味関心ベクトルの各次元は、所定の対象に対応し、その次元に対応する対象への興味関心の度合いを示す。例えば、各興味関心ベクトルの各次元は、検索クエリに対応し、その次元に対応する検索クエリが示す対象への興味関心の度合いを示す。なお、上記は一例に過ぎず、興味関心ベクトルは、所望の処理が可能であれば、どのような態様であってもよい。
【0049】
各興味関心ベクトルは、年齢及び商品購入後の経過時間が該当するユーザが入力した検索クエリ等の検索データを用いて生成される。例えば、興味関心ベクトルV31は、年齢が30代であるユーザグループ(コホート)のユーザであって、商品購入後の経過時間が1年であるユーザが入力した検索クエリ等の検索データを用いて生成される。例えば、興味関心ベクトルV31は、年齢が30代であるユーザグループ(コホート)のユーザであって、商品購入後の経過時間が1年であるユーザによる各検索クエリの入力回数を、その検索クエリに対応する次元の値として用いられてもよい。
【0050】
なお、興味関心ベクトルは、検索データに限らず、様々な情報を用いて生成されてもよい。例えば、興味関心ベクトルは、ユーザが閲覧した閲覧データ、SNS(Social Networking Service)への投稿等の分析データ等を用いて生成されてもよい。例えば、興味関心ベクトルは、ユーザが閲覧したコンテンツやユーザが投稿した投稿データにおけるキーワードの出現頻度を、そのキーワードに対応する次元の値として用いられてもよい。また、例えば、興味関心ベクトルは、ユーザの興味関心データから、各対象に対する興味関心を示すスコア(興味関心スコア)が生成され、その興味関心スコアを対象に対応する次元の値として用いられてもよい。例えば、興味関心スコアは、ユーザの情報と、興味関心対象とを入力した際に、興味関心スコアを算出するように学習されたモデル(興味スコア算出モデル)を用いて算出されてもよい。
【0051】
なお、
図2の興味関心ベクトル一覧IVLに示す各興味関心ベクトルは、情報処理装置100が生成してもよいし、興味関心ベクトルを生成する他の装置(ベクトル生成装置)が生成してもよい。例えば、ベクトル生成装置が興味関心ベクトルを生成する場合、情報処理装置100は、第1データFDをベクトル生成装置に送信し、第1データFDを受信したベクトル生成装置が興味関心ベクトル一覧IVLに示す各興味関心ベクトルを生成してもよい。そして、ベクトル生成装置が生成した各興味関心ベクトルをベクトル生成装置から情報処理装置100が受信することにより、情報処理装置100は、興味関心ベクトル一覧IVLに示す各興味関心ベクトルを取得してもよい。
【0052】
モデルM1の出力(正解情報)となるホット度は、
図2中の第2データSDを基に生成される。
図2では、ホット度一覧LSLに示すマトリクス(行列)データのように、ユーザの年齢(年代)に応じたコホートと、所定の商品購入後の経過時間で区切った複数の期間との組み合わせごとに、ホット度が生成される。例えば、ユーザの年代及び期間との組み合わせごとの第2データを用いて、ユーザの年代及び期間との組み合わせごとのホット度が生成される。第2データSDは、企業等の事業者が所有する所定のコンバージョンに至ったユーザに関するコンバージョン把握データであってもよい。第2データSDにより、コンバージョンに至ったユーザが特定される。
【0053】
例えば、ホット度「80」は、年齢が30代であるユーザグループ(コホート)であって、商品購入後の経過時間が1年であるユーザのコンバージョン有無を示すデータを用いて生成されるベクトルを示す。また、ホット度「20」は、年齢が40代であるユーザグループ(コホート)であって、商品購入後の経過時間が1年であるユーザのコンバージョン有無を示すデータを用いて生成されるベクトルを示す。この場合、ホット度「80」の方がホット度「20」よりも高いため、商品購入後の経過時間が1年であるユーザの場合、ユーザの年齢が40代よりも30代の方がコンバージョンに至る可能性が高いことを示す。例えば、ホット度は、ホットである程値が大きくなる(例えば「100」や確度「1」等)というデータになる。
【0054】
また、ホット度「60」は、年齢が30代であるユーザグループ(コホート)であって、商品購入後の経過時間が2年であるユーザのコンバージョン有無を示すデータを用いて生成されるベクトルを示す。この場合、ホット度「80」の方がホット度「60」よりも高いため、年齢が30代であるユーザの場合、商品購入後の経過時間が2年よりも商品購入後の経過時間が1年の方がコンバージョンに至る可能性が高いことを示す。なお、
図2では、ホット度を「80」、「60」、「20」等で示すが、値が大きい程、コンバージョンに至る可能性が高いことを示せば、どのような態様であってもよく、各ホット度は、「0.8」、「0.6」等の小数点を含む数値などであってもよい。
【0055】
各ホット度は、年齢及び商品購入後の経過時間が該当するユーザのコンバージョン有無を示す情報を用いて生成される。例えば、ホット度「80」は、年齢が30代であるユーザグループ(コホート)のユーザであって、商品購入後の経過時間が1年であるユーザが商品を購入したか否かを示す情報を用いて生成される。例えば、ホット度「80」は、年齢が30代であるユーザグループ(コホート)のユーザであって、商品購入後の経過時間が1年であるユーザのうち、商品を購入した割合が80%であることを示してもよい。
【0056】
なお、
図2のホット度一覧LSLに示す各ホット度は、情報処理装置100が生成してもよいし、ホット度を生成する他の装置(ホット度生成装置)が生成してもよい。例えば、ホット度生成装置がホット度を生成する場合、情報処理装置100は、第2データSDをホット度生成装置に送信し、第2データSDを受信したホット度生成装置がホット度一覧LSLに示す各ホット度を生成してもよい。そして、ホット度生成装置が生成した各ホット度をホット度生成装置から情報処理装置100が受信することにより、情報処理装置100は、ホット度一覧LSLに示す各ホット度を取得してもよい。
【0057】
情報処理装置100は、学習処理によりホット度予測モデルを学習する(ステップS11)。
図2では、情報処理装置100は、興味関心ベクトル一覧IVLに示す各興味関心ベクトルと、ホット度一覧LSLに示す各ホット度とを用いて、モデルM1を学習する。例えば、情報処理装置100は、興味関心ベクトル一覧IVLに示す各興味関心ベクトルを入力とし、ホット度一覧LSLのうち対応するホット度を正解情報として、モデルM1を学習する。
【0058】
例えば、情報処理装置100は、モデルM1が出力するスコアが、モデルM1に入力した興味関心ベクトルに対応する正解情報(ホット度)に近づくように、バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)等の手法により学習処理を行う。例えば、情報処理装置100は、興味関心ベクトルが入力されたモデルM1が出力するスコアが、興味関心ベクトルに対応する正解情報に近づくように学習処理を行う。例えば、情報処理装置100は、正解情報が「100」である場合、その正解情報に対応する興味関心ベクトルが入力された場合に、モデルM1が出力するスコアが「100」に近づくように、学習処理を行う。また、例えば、情報処理装置100は、正解情報が「0」である場合、その正解情報に対応する興味関心ベクトルが入力された場合に、モデルM1が出力するスコアが「0」に近づくように、学習処理を行う。
【0059】
例えば、情報処理装置100は、学習処理によりノード間で値が伝達する際に考慮される重み(すなわち、接続係数)の値を調整する。このように、情報処理装置100は、モデルM1における出力と、入力に対応する正解情報との誤差が少なくなるようにパラメータ(接続係数)を補正するバックプロパゲーション等の処理によりモデルM1を学習する。例えば、情報処理装置100は、所定の損失(ロス)関数を最小化するようにバックプロパゲーション等の処理を行うことによりモデルM1を生成する。これにより、情報処理装置100は、モデルM1のパラメータを学習する学習処理を行うことができる。
【0060】
なお、モデルの学習手法については、上述した手法に限定されるものではなく、任意の公知技術が適用可能である。なお、各モデルの生成は、機械学習に関する種々の従来技術を適宜用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、SVM(Support Vector Machine)等の教師あり学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。また、例えば、モデルの生成は、教師なし学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、深層学習(ディープラーニング)の技術を用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、DNN(Deep Neural Network)やRNN(Recurrent Neural Network)やCNN(Convolutional Neural Network)等の種々のディープラーニングの技術を適宜用いて行われてもよい。なお、上記モデルの生成に関する記載は例示であり、モデルの生成は、取得可能な情報等に応じて適宜選択された学習手法により行われてもよい。すなわち、情報処理装置100は、学習データとして用いられる興味関心ベクトルが入力された場合に、正解情報に対応するスコアを出力するようにモデルM1を学習可能であれば、どのような手法によりモデルM1の生成を行ってもよい。
【0061】
このように、情報処理装置100は、ユーザ突合をコホート単位で行い、色々な切り口で学習する。なお、学習の精度向上には十分なデータ量があることが望ましく、デモグラフィック属性またはサイコグラフィック属性等のユーザ属性の切り方(分割態様)や、経過時間の切り方としては、様々な切り方が採用されることが望ましい。例えば、情報処理装置100は、ユーザ属性または経過時間の切り方を様々な切り方(区切り方)に変更し、各切り方に応じて生成した入力と正解データのペアの学習データを用いて、モデルの学習を行ってもよい。例えば、情報処理装置100は、区切り粒度が大きいものから細かい順に学習に用いて、モデルを学習してもよい。
【0062】
上述のように、情報処理装置100は、興味関心ベクトルと、コンバージョンhot度の関係を学習し汎化させることによりモデルM1を生成する。情報処理装置100は、興味関心ベクトルを入力とし、ホット度を推論するモデルM1を学習する。なお、情報処理装置100は、学習処理において過学習を抑制し、汎化性能を高めるような設定で学習を行ってもよい。
【0063】
上述のようなモデルM1を学習することにより、情報処理システム1は、掛け合わせの分析にディープラーニング等の機械学習を活用し、フルファネル分析を実現することができる。情報処理システム1は、ディープラーニング等の機械学習により学習されたモデルM1に興味関心ベクトルを入力し、対応するマトリクスのホット度を正解データとしてモデルM1を学習させる。なお、情報処理システム1は、購入後経過時間を正解データとしてモデルM1を学習してもよい。この場合、情報処理システム1は、入力された興味関心ベクトルに対応するホット度及び購入後経過時間を出力するモデルM1を学習することができる。例えば、情報処理システム1は、モデルM1に購入後経過時間を出力させることにより、その情報を広告配信に用いることができる。情報処理システム1は、ユーザ数は限られている電子商取引サービスにおいても、モデルM1を用いることで経過時間を推論することができる。
【0064】
上述のように、情報処理システム1は、興味関心ベクトルをモデルM1に入力することにより、コンバージョンに関するホット度(および購入後推定経過時間)を推論する情報をモデルM1に出力させることができる。このように、情報処理システム1は、モデルM1を用いることにより、コンバージョンに関するホット度(および購入後推定経過時間)を推論することができる。例えば、情報処理システム1は、ユーザの興味関心情報と、所定の対象に関する所定のコンバージョンへと至ったユーザの情報とから、所定のコンバージョンへと至る確度(ホット度)と、興味関心との関係性を特定する。
【0065】
モデルM1を用いることで様々な情報を生成したり、分析を行ったりすることができる。この点について、以下説明する。まず、学習モデルであるモデルM1を用いた情報の生成について、
図3を用いて説明する。
図3は、学習モデルを用いた情報の生成処理の一例を示す図である。情報処理装置100は、モデルM1を用いて、各種の情報を生成する。例えば、情報処理装置100は、モデルM1を用いて、ホット度と興味関心ベクトルのマップ等の関係情報を生成し、生成した関係情報を用いて各種のサービスを実現する。
【0066】
例えば、情報処理装置100は、モデルM1を用いて、興味関心ベクトルとホット度との関係を示す関係情報MP1を生成する。
図3では、情報処理装置100は、モデルM1を用いて、興味関心ベクトルとホット度との関係を示す等高線図のような情報を関係情報MP1として生成する。例えば、情報処理装置100は、モデルM1にベクトルを入力して、その出力(スコア)をプロットすることにより関係情報MP1を生成する。この場合、情報処理装置100は、各次元の値を変更した複数のベクトルをモデルM1に入力して、複数の出力(スコア)をプロットすることにより関係情報MP1を生成してもよい。情報処理装置100は、各次元の値を徐々に変更した大量のベクトルをモデルM1に入力して、複数の出力(スコア)をプロットすることにより関係情報MP1を生成してもよい。
【0067】
なお、上記は一例に過ぎず、情報処理装置100は、関係情報MP1を生成可能であれば、どのような処理により関係情報MP1を生成してもよい。
図3の関係情報MP1は、情報処理装置100以外の他の装置(関係情報生成装置)が生成してもよい。例えば、関係情報生成装置が関係情報MP1を生成する場合、情報処理装置100は、モデルM1を関係情報生成装置に送信し、モデルM1を受信した関係情報生成装置が関係情報MP1を生成してもよい。そして、関係情報生成装置が生成した各関係情報MP1を関係情報生成装置から情報処理装置100が受信することにより、情報処理装置100は、関係情報MP1を取得してもよい。また、関係情報MP1を用いることなく、後述する情報提供等の処理が実行可能であれば、情報処理装置100は、関係情報MP1を生成することなく、処理を行ってもよい。
【0068】
図3では、興味関心ベクトルのうち1次元目(次元#1)をx軸とし、興味関心ベクトルのうち2次元目(次元#2)をy軸とし、もしくは、高次元の密ベクトルを次元圧縮により2次元に圧縮し2次元で表現したものとし、コンバージョンhot度(ホット度)をz軸とした関係情報MP1を示す。なお、興味関心ベクトルの次元は2次元に限らず、3次元以上の次元であってもよい。すなわち、
図3では紙面の都合上、3次元の表現となるが、興味関心ベクトルは高次元ベクトルであってもよい。
【0069】
図3では、z軸(ホット度)の値が大きくなる程、ハッチングが濃くなる態様の等高線図である関係情報MP1を示す。
図3では、ハッチングが濃くなる部分程、ホット度が高いことを示す。すなわち、
図3では、ハッチングが濃くなる部分程、ホット度が高いユーザである、すなわちコンバージョンに至る可能性が高いユーザであることを示す。また、
図3では、ハッチングが薄くなる部分程、ホット度が低いことを示す。すなわち、
図3では、ハッチングが薄くなる部分程、ホット度が低いユーザである、すなわちコンバージョンに至る可能性が低いユーザであることを示す。
【0070】
例えば、ホット度に応じてコンバージョンに至る可能性に応じた複数の段階(「ファネル」ともいう)を設定することができる。例えば、ホット度が低い、すなわちハッチングが薄い部分は、所定のコンバージョンに至る可能性の度合いが最も低い第1段階(「アッパーファネル」ともいう)であることを示す。また、ホット度が中程度、すなわちハッチングが中間の濃さの部分は、第1段階よりも所定のコンバージョンに至る可能性の度合いが高い第2段階(「ミドルファネル」ともいう)であることを示す。また、ホット度が高い、すなわちハッチングが濃い部分は、コンバージョンに至る可能性の度合いが最も高い第3段階(「ロウワーファネル」ともいう)であることを示す。なお、各ファネルをどこで区切るかは設定するか、広告配信結果からフィードバックして自動最適化してもよい。
【0071】
上記のようなファネルに応じて、ユーザを複数のタイプ(種類)に分類することができる。例えば、ホット度が低い、すなわちハッチングが薄い部分に該当するユーザは、所定のコンバージョンに至る可能性の度合いが最も低い第1タイプのユーザ(「アッパーファネルユーザ」ともいう)であることを示す。また、ホット度が中程度、すなわちハッチングが中間の濃さの部分に該当するユーザは、アッパーファネルユーザよりも所定のコンバージョンに至る可能性の度合いが高い第2タイプのユーザ(「ミドルファネルユーザ」ともいう)であることを示す。また、ホット度が高い、すなわちハッチングが濃い部分に該当するユーザは、コンバージョンに至る可能性の度合いが最も高い第3タイプのユーザ(「ロウワーファネルユーザ」ともいう)であることを示す。なお、アッパーファネルユーザとミドルファネルユーザとの間の境界、及びミドルファネルユーザとロウワーファネルユーザとの間の境界をどのように設定するかは閾値を用いてもよいが、この点についての例は以下で説明する。
【0072】
〔1-3-2.ユーザへの情報提供〕
ここから、上述した処理により生成した情報を用いた処理について説明する。例えば、情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心ベクトルを学習モデルに入力することにより、学習モデルが出力したスコアを用いて、対象ユーザへの提供広告を決定する。この点について、
図4を用いて説明する。
図4は、情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
図4は、処理概念のイメージの関係情報MP1を示し、以下では
図4を用いて情報処理装置100が行う処理を以下説明する。
【0073】
情報処理装置100は、第1閾値TH1と第1閾値TH1よりも値が大きい第2閾値TH2とを用いて、対象ユーザへの提供広告を決定する。例えば、第1閾値TH1が「30」であり、第2閾値TH2が「60」であってもよい。なお、上記は一例に過ぎず、第1閾値TH1及び第2閾値TH2は任意の値が設定されてもよい。
図4に示すように、第1閾値TH1は、アッパーファネル(単に「アッパー」ともいう)とミドルファネル(単に「ミドル」ともいう)との区切り(境界)として用いられ、第2閾値TH2は、ミドルファネルとロウワーファネル(単に「ロウワー」ともいう)との区切り(境界)として用いられる。
【0074】
例えば、情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心ベクトルをモデルM1に入力し、モデルM1が出力したスコア(ホット度)と、第1閾値TH1及び第2閾値TH2との比較結果に応じて、対象ユーザへの提供広告を決定する。情報処理装置100は、モデルM1が出力したスコアを用いて、提供広告として用いる広告の一のタイプ(「対象タイプ」ともいう)を決定する。情報処理装置100は、アッパーに対応するタイプ(「第1タイプ」ともいう)、ミドルに対応するタイプ(「第2タイプ」ともいう)、及びロウワーに対応するタイプ(「第3タイプ」ともいう)の3つのタイプのうち、対象タイプを決定する。
【0075】
例えば、情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心ベクトルをモデルM1に入力し、モデルM1が出力した対象ユーザに対応するホット度(「対象ホット度」ともいう)を用いて、対象タイプを決定する。例えば、情報処理装置100は、対象ホット度が第1閾値TH1以下である場合、対象タイプを第1タイプ(アッパータイプ)に決定する。また、情報処理装置100は、対象ホット度が第1閾値TH1よりも大きくかつ第2閾値TH2以下である場合、対象タイプを第2タイプ(ミドルタイプ)に決定する。また、情報処理装置100は、対象ホット度が第2閾値TH2よりも大きい場合、対象タイプを第3タイプ(ロウワータイプ)に決定する。
【0076】
例えば、アッパータイプ(第1タイプ)の広告は、企業(事業者)や商品のブランディング用の広告である。アッパータイプ(第1タイプ)の広告は、企業や商品に対する機能的な価値以上の良いイメージをつくり出すために用いられる広告である。
【0077】
例えば、ミドルタイプ(第2タイプ)の広告は、ナーチャリング用の広告である。ミドルタイプ(第2タイプ)の広告は、ユーザを、コンバージョンを行うユーザへと引き上げていくために用いられる広告である。例えば、ミドルタイプ(第2タイプ)の広告は、ミドルファネルユーザをロウワーファネルユーザに引き上げていくために用いられる広告である。
【0078】
例えば、ロウワータイプ(第3タイプ)の広告は、コンバージョン用の広告である。ロウワータイプ(第3タイプ)の広告は、ユーザに例えば商品の購入等のコンバージョンを行わせるために用いられる広告である。例えば、ロウワータイプ(第3タイプ)の広告は、ユーザに商品の購入を促す商品広告等の広告である。
【0079】
例えば、情報処理装置100は、広告情報記憶部127(
図12参照)に記憶された広告群のうち、決定した対象タイプが該当する広告を提供広告に決定する。例えば、情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心ベクトルをモデルM1に入力し、モデルM1が出力した対象ホット度が第2閾値TH2を超える場合、対象タイプをロウワータイプ(第3タイプ)に決定する。
【0080】
この場合、情報処理装置100は、タイプ「ロウワー」に対応する広告のうち、対象ユーザが購入済みの商品の広告を、対象ユーザが利用するユーザ端末10へ送信する提供広告に決定する。そして、情報処理装置100は、決定した提供広告を対象ユーザが利用するユーザ端末10へ送信する。なお、上記は一例に過ぎず、情報処理装置100は、タイプが該当する広告であれば、どのような広告を提供広告に決定してもよい。例えば、情報処理装置100は、タイプ「ロウワー」に対応する広告のうち、対象ユーザが未購入の商品の広告を、提供広告に決定してもよい。また、情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心ベクトルの対象ホット度が第1閾値TH1を超え、且つ第2閾値TH2以下である場合、タイプ「ミドル」に対応する広告を対象ユーザに提供する。この場合、情報処理装置100は、対象ユーザが購入した商品について検索連動の広告を対象ユーザに提供してもよい。また、情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心ベクトルの対象ホット度が第1閾値TH1以下である場合、タイプ「アッパー」に対応する広告を対象ユーザに提供する。この場合、情報処理装置100は、対象ユーザが購入した商品または商品を提供する事業者のブランディングの広告を対象ユーザに提供してもよい。
【0081】
例えば、情報処理装置100は、商取引サイトにアクセスしたユーザの興味関心ベクトルをモデルM1に入力し、モデルM1にホット度を出力させる。なお、モデルM1は、購入後経過年数を出力してもよく、この場合、情報処理装置100は、モデルM1の出力から購入後経過年数を取得する。上述のように、情報処理装置100は、対象ユーザのホット度が高い(ハッチングが濃い)部分の場合は、ロウワーファネルユーザとしてコンバージョン獲得系(第3タイプ)の広告を対象ユーザに提供する。
【0082】
また、情報処理装置100は、対象ユーザのホット度が中程度(ハッチングが中間の濃さの)部分の場合はミドルファネルユーザとして、興味関心のナーチャリング(第2タイプ)の広告を対象ユーザに提供する。また、情報処理装置100は、対象ユーザのホット度が低い(ハッチングが薄い)部分の場合はアッパーファネルユーザとして、認知させる為のブランディング(第1タイプ)の広告を対象ユーザに提供する。なお、情報処理装置100は、全ユーザに推論拡張した「購入後経過時間」をターゲティング条件に追加してもよい。
【0083】
上述のように、情報処理装置100は、広告配信対象となる対象ユーザの興味関心情報からホット度を算出してホット度に応じた広告の出し分けを行う。例えば、情報処理装置100は、ホット度に高いときは、コンバージョン獲得用の広告、ウェブページへの誘導等の広告を対象ユーザに提供する。また、情報処理装置100は、ホット度が低いときは、ブランディングの広告等を対象ユーザに提供する。また、情報処理装置100は、ホット度が中程度の時は、ナーチャリング広告を対象ユーザに提供する。
【0084】
〔1-3-3.ユーザ以外への情報提供〕
なお、情報処理装置100は、モデルM1や関係情報MP1等の生成した情報を用いて情報提供を行う提供先は、ユーザに限らず、様々な提供先であってもよい。例えば、情報処理装置100は、一の要求元が情報処理装置100に情報提供を要求する場合、その一の要求元に要求に応じた情報を提供してもよい。以下では、一の要求元が企業等の事業者(「対象事業者」ともいう)である場合を一例として説明する。
【0085】
例えば、情報処理装置100は、一の要求元である対象事業者により指定されたホット度(「指定ホット度」ともいう)に対応する興味関心ベクトルを特定し、特定した興味関心ベクトルを示す情報を、対象事業者に提供する情報(「提供情報」ともいう)に決定する。例えば、情報処理装置100は、対象事業者が指定するホット度(指定ホット度)を示す指定情報を、対象事業者が利用する事業者装置30から受信する。そして、情報処理装置100は、受信した指定情報が示す指定ホット度に類似するホット度の興味関心ベクトルを特定し、特定した興味関心ベクトル(「該当興味関心ベクトル」ともいう)を示す情報を、対象事業者への提供情報に決定する。
【0086】
例えば、情報処理装置100は、モデルM1に入力された場合に、指定情報が示す指定ホット度に類似するスコア(ホット度)を出力する興味関心ベクトルを、該当興味関心ベクトルに決定する。情報処理装置100は、モデルM1を基に生成された関係情報MP1を用いて、指定情報が示す指定ホット度に対応する興味関心ベクトルを該当興味関心ベクトルに決定する。
【0087】
例えば、情報処理装置100は、第2閾値TH2と同じ値が、指定ホット度に指定された場合、
図4中の第2閾値TH2を示す線が通る位置にある興味関心ベクトルを、該当興味関心ベクトルに決定する。すなわち、情報処理装置100は、モデルM1に入力された場合に、出力されるスコアが指定ホット度に一致する興味関心ベクトルを、該当興味関心ベクトルに決定する。
【0088】
なお、情報処理装置100は、スコアが指定ホット度に一致する場合に限らず、スコアと指定ホット度との差が所定の範囲内の興味関心ベクトル興味関心ベクトルを、該当興味関心ベクトルに決定してもよい。例えば、情報処理装置100は、スコアが指定ホット度に一致する興味関心ベクトルがない場合、ホット度から所定の範囲内のスコアが出力される興味関心ベクトルを、該当興味関心ベクトルに決定してもよい。
【0089】
また、情報処理装置100は、モデルM1に入力された場合に、指定ホット度に類似するスコアを出力する興味関心ベクトルが複数ある場合、複数の興味関心ベクトルから該当興味関心ベクトルを決定する。例えば、情報処理装置100は、モデルM1に入力された場合に出力されるスコアが指定ホット度に一致する興味関心ベクトルが複数ある場合、複数の興味関心ベクトルから該当興味関心ベクトルを決定する。例えば、情報処理装置100は、モデルM1に入力された場合に出力されるスコアが指定ホット度に一致する興味関心ベクトルが複数ある場合、複数の興味関心ベクトルの全てを該当興味関心ベクトルに決定する。
【0090】
また、情報処理装置100は、モデルM1に入力された場合に出力されるスコアが指定ホット度に一致する興味関心ベクトルが複数ある場合、複数の興味関心ベクトルの一部を該当興味関心ベクトルに決定してもよい。情報処理装置100は、スコアが指定ホット度に一致する興味関心ベクトルが複数ある場合、複数の興味関心ベクトルからランダムに選択した所定数の興味関心ベクトルを該当興味関心ベクトルに決定してもよい。
【0091】
また、情報処理装置100は、モデルM1に入力された場合に出力されるスコアが指定ホット度に一致する興味関心ベクトルが複数ある場合、対象事業者に、対象の指定を要求してもよい。この場合、情報処理装置100は、対象事業者が利用する事業者装置30へ対象の指定を要求する要求情報を送信する。要求情報を受信した事業者装置30は、対象事業者が指定した対象を示す情報(「重要対象情報」ともいう)を情報処理装置100へ送信する。
【0092】
重要対象情報を受信した情報処理装置100は、複数の興味関心ベクトルから、該当興味関心ベクトルとする興味関心ベクトルを絞り込む。例えば、情報処理装置100は、複数の興味関心ベクトルのうち、重要対象情報が示す対象に対応する次元が所定の基準を満たす興味関心ベクトルを、該当興味関心ベクトルに決定する。重要対象情報が示す対象が次元#1に対応する対象である場合、情報処理装置100は、複数の興味関心ベクトルのうち、次元#1の値が所定値以上である興味関心ベクトルを、該当興味関心ベクトルに決定する。
【0093】
情報処理装置100は、決定した提供情報を示す情報を一の要求元へ提供する。情報処理装置100は、決定した提供情報を示す情報を対象事業者が利用する事業者装置30へ送信する。情報処理装置100は、該当興味関心ベクトルを対象事業者が利用する事業者装置30へ送信する。また、情報処理装置100は、該当興味関心ベクトルの各次元(要素)がどのような対象に対応するかを示す情報を含む提供情報を、対象事業者が利用する事業者装置30へ送信する。
【0094】
なお、上記は情報提供の一例に過ぎず、情報処理装置100は、様々な情報を適宜用いて、該当興味関心ベクトルを決定してもよい。例えば、情報処理装置100は、企業等の事業者側が有するユーザのホット度を興味関心ベクトルに変換し、事業者へ提供してもよい。例えば、情報処理装置100は、第2事業者側が所有するユーザAのホット度をHaとし、そのユーザAと、情報処理装置100を管理する第1事業者側が所有する興味関心ベクトルと突合し、特定した興味関心ベクトルをVaとする。情報処理装置100は、関係情報MP1を用いて、Vaに最も近く、HaのポイントVa(Ha付近)を探索する。情報処理装置100は、Va(Ha付近)を示す情報を第2事業者へ提供する。これにより、情報処理装置100は、プライバシーを保護した突合を行いつつ、より精度の高い興味関心ベクトルVを取得することができる。
【0095】
これを用いて、例えば「カメラ購入」のコンバージョンホット度が高いユーザ層の興味関心ベクトルVを参照し、政治に関心が高い推定される場合、情報処理装置100は、政治の記事に、「カメラ購入」を促す広告を配置したコンテンツを提供してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、政治に限らず、例えば、高級オーディオ機器に興味があるのであれば、リアル店舗で高級オーディオとカメラを近くに配置するなどにより相乗効果が期待できる。
【0096】
例えば、情報処理装置100は、企業等の事業者からホット度の指定を受け付け、モデルM1を基に生成した関係情報MP1において、指定されたホット度が近い興味関心ベクトルを示す情報を事業者へ提供する。これにより、情報処理装置100は、事業者に見据えるべきユーザを特定させることができる。
【0097】
例えば、情報処理装置100は、事業者からホット度及び興味関心の指定を受け付けてもよい。この場合、情報処理装置100は、ホット度と興味関心との組に近い興味関心ベクトルを特定し、特定した興味関心ベクトルを示す情報を事業者へ提供する。また、情報処理装置100は、ホット度の範囲の指定を受け付けてもよい。この場合、情報処理装置100は、指定された範囲に含まれる興味関心ベクトルを示す情報を事業者へ提供する。情報処理装置100は、ホット度と対応する複数の興味関心の共通する部分を示す情報を事業者へ提供してもよい。情報処理装置100は、ホット度が所定の範囲内に収まるユーザの興味関心ベクトルの共通性から、興味がある分野を推定してもよい。
【0098】
〔1-3-4.ホット度の変化に関する処理〕
情報処理装置100は、対象ユーザのホット度の変化に応じて、対象ユーザへの広告の提供態様を決定してもよい。この点について、
図5を用いて説明する。
図5は、情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
図5は、処理に用いられる関係情報MP1を示し、その情報を基に情報処理装置100が行う処理を以下説明する。
【0099】
例えば、情報処理装置100は、所定の時点(「第1時点」ともいう)における対象ユーザの興味関心ベクトルと、第1時点よりも後の時点(「第2時点」ともいう)における対象ユーザの興味関心ベクトルとを用いて、対象ユーザへの広告の提供態様を決定する。例えば、第2時点が対象ユーザへの広告の提供態様を決定する処理を行う時点(決定処理時点)であり、第1時点が決定処理時点よりも前の時点であってもよい。
【0100】
例えば、情報処理装置100は、第1時点における対象ユーザの興味関心ベクトルが入力されたモデルM1が出力したスコア(「第1ホット度」ともいう)と、第2時点における対象ユーザの興味関心ベクトルが入力されたモデルM1が出力したスコア(「第2ホット度」ともいう)とを用いて、対象ユーザへの広告の提供態様を決定する。情報処理装置100は、第1ホット度から第2ホット度への変化に応じて、対象ユーザへの広告の提供態様を決定する。
【0101】
例えば、情報処理装置100は、第1ホット度から第2ホット度へ上昇傾向である場合、対象ユーザへ広告を提供すると決定する。例えば、情報処理装置100は、第2ホット度が第1ホット度より所定値(例えば15等の任意の値)以上大きい場合、対象ユーザのホット度が上昇傾向であると判定(決定)する。例えば、情報処理装置100は、第2ホット度が第1ホット度より所定値以上大きい場合、対象ユーザへ広告を提供すると決定する。
【0102】
例えば、情報処理装置100は、第1ホット度から第2ホット度へ下降傾向である場合、対象ユーザへ広告を提供しないと決定する。例えば、情報処理装置100は、第2ホット度が第1ホット度より所定値(例えば5等の任意の値)以上小さい場合、対象ユーザのホット度が下降傾向であると判定(決定)する。例えば、情報処理装置100は、第2ホット度が第1ホット度より所定値以上小さい場合、対象ユーザへ広告を提供しないと決定する。
【0103】
なお、上記は一例に過ぎず、情報処理装置100は、様々な情報を適宜用いて、対象ユーザへ広告を提供するか否かを決定してもよい。例えば、情報処理装置100は、上昇傾向及び下降傾向のいずれでもないと判定される場合、任意の方法により対象ユーザへ広告を提供するか否かを決定してもよい。例えば、情報処理装置100は、上昇傾向及び下降傾向のいずれでもないと判定される場合、ランダムに対象ユーザへ広告を提供するか否かを決定してもよい。
【0104】
ここで、
図5中の矢印線で示すホット度変化情報AN1は、対象ユーザの第1時点から第2時点までの間での興味関心ベクトル及びホット度の変化を示す。例えば、ホット度変化情報AN1は、矢印の元が第1時点での対象ユーザの興味関心ベクトル及びホット度(第1ホット度)を示す。また、ホット度変化情報AN1は、矢印の先が第2時点での対象ユーザの興味関心ベクトル及びホット度(第2ホット度)を示す。すなわち、ホット度変化情報AN1は、対象ユーザのホット度が第1時点から第2時点までの間で上昇していることを示す。
【0105】
例えば、情報処理装置100は、ホット度変化情報AN1に対応する第1ホット度と第2ホット度とを比較し、第2ホット度が第1ホット度より所定値以上大きいため、対象ユーザのホット度が上昇傾向であると判定(決定)する。これにより、情報処理装置100は、対象ユーザのホット度が上昇傾向であるため、対象ユーザへ広告を提供すると決定する。
【0106】
例えば、情報処理装置100は、第2ホット度を用いて、対象ユーザに提供する広告(提供広告)を決定する。例えば、情報処理装置100は、
図4に示す第1閾値TH1と第2閾値TH2とを用いて、対象ユーザへの提供広告を決定してもよい。例えば、情報処理装置100は、対象ユーザの第2ホット度と、第1閾値TH1及び第2閾値TH2との比較結果に応じて、対象ユーザへの提供広告を決定する。情報処理装置100は、第2ホット度を用いて、提供広告として用いる広告の一のタイプ(対象タイプ)を決定する。情報処理装置100は、アッパーに対応するタイプ(第1タイプ)、ミドルに対応するタイプ(第2タイプ)、及びロウワーに対応するタイプ(第3タイプ)の3つのタイプのうち、対象タイプを決定する。
【0107】
例えば、情報処理装置100は、第2ホット度が第1閾値TH1以下である場合、対象タイプを第1タイプ(アッパータイプ)に決定する。また、情報処理装置100は、第2ホット度が第1閾値TH1よりも大きくかつ第2閾値TH2以下である場合、対象タイプを第2タイプ(ミドルタイプ)に決定する。また、情報処理装置100は、第2ホット度が第2閾値TH2よりも大きい場合、対象タイプを第3タイプ(ロウワータイプ)に決定する。
【0108】
例えば、情報処理装置100は、広告情報記憶部127(
図12参照)に記憶された広告群のうち、決定した対象タイプが該当する広告を提供広告に決定する。例えば、情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心ベクトルをモデルM1に入力し、モデルM1が出力した第2ホット度が第1閾値TH1よりも大きくかつ第2閾値TH2以下である場合、対象タイプを第2タイプ(ミドルタイプ)に決定する。
【0109】
この場合、情報処理装置100は、タイプ「ミドル」に対応する広告のうち、対象ユーザが購入済みの商品の広告を、対象ユーザが利用するユーザ端末10へ送信する提供広告に決定する。そして、情報処理装置100は、決定した提供広告を対象ユーザが利用するユーザ端末10へ送信する。
【0110】
なお、上記は一例に過ぎず、情報処理装置100は、第1ホット度を用いて、対象ユーザへの提供広告を決定してもよい。例えば、情報処理装置100は、第2ホット度と第1ホット度との差を示す値(「差分値」ともいう)を用いて、対象ユーザへの提供広告を決定してもよい。この場合、情報処理装置100は、上述した第2ホット度を用いた処理において、第2ホット度を、差分値に代えて、対象ユーザへの提供広告を決定してもよい。
【0111】
例えば、情報処理装置100は、事業者側等が広告配信をし、広告を配信した各ユーザについて、定期的に興味関心の変化をトレースし、ホット度の変化をデータベースに記録する。例えば、情報処理装置100は、ホット度が順調に上がっているユーザに対して、ホット度に応じた広告を配信してもよい。これにより、情報処理装置100は、ユーザのホット度の変化を広告の提供態様の決定の条件にし、ホット度に応じた広告提供を行うことができる。
【0112】
なお、上記は一例に過ぎず、情報処理装置100は、様々な情報を適宜用いて、処理を行ってもよい。例えば、情報処理装置100は、企業(第2事業者)側が行ったマーケティング施策の効果を、各ユーザのファネル間の移動結果として、所定のユーザインタフェースで各ファネルの遷移ユーザ数などを可視化してもよい。各ユーザのホット度は、モデルM1等により導出し、企業(第2事業者)側データに情報処理装置100を管理する第1事業者のデータを掛け合わせたホット度を用いる。例えば、情報処理装置100は、ホット度を3段階で定義する。この場合、ホット度が30以下の場合をアッパーファネルとし、30よりも大きく60未満である場合をミドルファネルとし、60よりも大きい場合をロウワーファネルとする。
【0113】
例えば、情報処理装置100は、各ファネルに属するユーザ数を示す情報(「ファネルユーザ数情報」ともいう)を生成する。情報処理装置100は、生成したファネルユーザ数情報を事業者へ提供してもよい。例えば、情報処理装置100は、生成したファネルユーザ数情報を事業者が利用する事業者装置30へ送信する。
【0114】
また、情報処理装置100は、施策の前後で、どのファネルからどのファネルにユーザが遷移したかをユーザ数とともに示す情報(「ファネル間ユーザ遷移情報」ともいう)を生成する。情報処理装置100は、生成したファネル間ユーザ遷移情報を事業者へ提供してもよい。例えば、情報処理装置100は、生成したファネル間ユーザ遷移情報を事業者が利用する事業者装置30へ送信する。
【0115】
また、情報処理装置100は、ホット度に応じて3段階のファネルを定義するのではなく、ホット度自体の増減の状況や、人数、増減幅など統計的な分析を行ってもよく、その分析結果を企業(第2事業者)へ提供してもよい。
【0116】
上述のように、情報処理装置100は、対象ユーザのホット度が徐々に高くなっているのか、低くなっているのかを考慮して、対象ユーザに広告を提供する。例えば、情報処理装置100は、対象ユーザのホット度がどんどん上がっている場合、対象ユーザに広告を提供する。例えば、情報処理装置100は、対象ユーザのどんどん下がっている人は、対象ユーザを広告提供の対象から除外してもよいし、情報提供を他の提供態様に変更したりしてもよい。
【0117】
〔1-3-5.興味関心の変化に関する処理〕
情報処理装置100は、モデルM1により生成される情報を用いて、興味関心の変化の態様を決定してもよい。例えば、情報処理装置100は、モデルM1により生成される関係情報MP1を用いて、興味関心の変化の態様を決定してもよい。この点について、
図6を用いて説明する。
図6は、情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
図6は、処理に用いられる関係情報MP1を示し、その情報を基に情報処理装置100が行う処理を以下説明する。
【0118】
例えば、情報処理装置100は、モデルM1に入力された場合に、あるスコア(「第1スコア」ともいう)を出力する興味関心ベクトル(「第1興味関心ベクトル」ともいう)と、モデルM1に入力された場合に、第1スコアとは異なるスコア(「第2スコア」ともいう)を出力する興味関心ベクトル(「第2興味関心ベクトル」ともいう)とを用いて、興味関心の変化の態様を決定する。例えば、情報処理装置100は、第1興味関心ベクトルと、第1スコアよりも大きい第2スコアを出力する第2興味関心ベクトルとを用いて、興味関心の変化の態様を決定する。
【0119】
情報処理装置100は、
図6に示す関係情報MP1を用いて、興味関心の変化の態様を決定してもよい。例えば、情報処理装置100は、第1興味関心ベクトルと第2興味関心ベクトルとを比較することにより、興味関心の変化の態様を決定する。例えば、情報処理装置100は、第1興味関心ベクトルと第2興味関心ベクトルとの差分により、興味関心の変化の態様を決定する。例えば、情報処理装置100は、第1興味関心ベクトルと第2興味関心ベクトルとの間の変化の推移により、興味関心の変化の態様を決定する。
【0120】
ここで、
図6中の矢印線で示すホット度変化情報AN2は、モデルM1が低いスコア(「低ホット度」ともいう)を出力する位置からモデルM1が高いスコア(「高ホット度」ともいう)を出力する位置までの間での興味関心ベクトル及びホット度の変化を示す。例えば、ホット度変化情報AN2は、モデルM1が最も低いスコア(低ホット度)を出力する興味関心ベクトルからモデルM1が最も高いスコア(高ホット度)を出力する興味関心ベクトルまでの間の変化を示す。
【0121】
例えば、ホット度変化情報AN2は、矢印の元が低ホット度及びその興味関心ベクトルを示す。また、ホット度変化情報AN2は、矢印の先が高ホット度及びその興味関心ベクトルを示す。すなわち、ホット度変化情報AN2は、どのように興味関心ベクトルが変化することによりホット度が低ホット度から高ホット度へ変化するかを示す。
【0122】
例えば、情報処理装置100は、興味関心ベクトルが、ホット度の上昇に従い、ベクトル空間上でどのような経路で変化していくかを決定する。
図6では、情報処理装置100は、ホット度が最低値の箇所から最高値の箇所までの興味関心ベクトルの変化の経路を決定する。ここで、関係情報MP1に示すように、前述の変化の経路に沿って、ホット度が上昇する。情報処理装置100は、この変化の経路がホット度の上昇に影響を与えると推定し、この経路に決定する。
【0123】
情報処理装置100は、決定した変化の経路に関する情報を提供する。情報処理装置100は、変化の経路に従った興味関心ベクトルの変化に関する情報を事業者に提供する。情報処理装置100は、変化の経路を示す情報を事業者が利用する事業者装置30へ送信する。情報処理装置100は、変化の経路に対応する広告をユーザに提供する。情報処理装置100は、変化の経路に対応する広告をユーザが利用するユーザ端末10へ送信する。情報処理装置100は、対象次元に対応する対象の広告をユーザが利用するユーザ端末10へ送信する。
【0124】
例えば、情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心ベクトルをモデルM1に入力することにより、モデルM1が出力したスコアを用いて、対象ユーザに提供する提供広告を決定してもよい。例えば、情報処理装置100は、興味関心ベクトルがホット度変化情報AN2の経路に位置する興味関心ベクトルに類似するユーザを対象ユーザに決定し、決定した対象ユーザに対して広告を提供してもよい。例えば、情報処理装置100は、決定した対象ユーザに、変化の経路に対応する広告を提供する。情報処理装置100は、決定した対象ユーザが利用するユーザ端末10へ、変化の経路に対応する広告を送信する。
【0125】
なお、情報処理装置100は、決定した対象ユーザの興味関心ベクトルを入力したモデルM1が出力したスコアを用いて、その対象ユーザに提供する広告(提供広告)を決定してもよい。例えば、情報処理装置100は、
図4に示す第1閾値TH1と第2閾値TH2とを用いて、対象ユーザへの提供広告を決定してもよい。この点については上述した処理と同様であるため詳細な説明は省略するが、例えば、情報処理装置100は、対象ユーザのホット度に対応するタイプの広告であって、変化の経路に対応する対象を示す広告を対象広告に決定してもよい。例えば、情報処理装置100は、広告情報記憶部127(
図12参照)に記憶され、タイプ及び対象が対応付けられた広告群のうち、対象ユーザのホット度に対応するタイプと、変化の経路に対応する対象とが対応付けられた広告を、対象広告に決定してもよい。
【0126】
上記のように、情報処理装置100は、関係情報MP1を用いることでホット度変化情報AN2に示すような興味関心の変化を分析できる。情報処理装置100は、関係情報MP1が示す等高線図内の最低地点(アッパーファネル)と最高地点(ロウワーファネル)を決定(算出)し、最低地点から最高地点に至る経路(ホット度変化情報AN2に対応)に沿って興味関心ベクトルを変化させながら、興味関心ベクトルの変化を分析する。情報処理装置100は、このようホット度変化情報AN2が示す経路をナーチャリングの王道ルートであると推定してもよい。例えば、情報処理装置100は、各競合製品に対する興味の変化を抽出できる。これにより、情報処理装置100は、どの時点でどういうマーケティング活動を行うかに活用することができる。
【0127】
また、情報処理装置100は、関係情報MP1が示す等高線図内の最低地点から最高地点への1つの経路のみの分析ではなく、各地点から、その付近のホット度の頂上に向かうには、どのような興味関心ベクトルの変化が伴うかを分析してもよい。これにより、情報処理装置100は、各ユーザの興味関心ベクトルの状態に応じたナーチャリングの最適分析に活用することができる。
【0128】
上述のように、情報処理装置100は、推定した変化に基づいた広告配信を行う。例えば、情報処理装置100は、ナーチャリングの王道に対応する広告配信を行う。例えば、情報処理装置100は、競合製品に関する興味の変化等に応じて、広告配信を行う。例えば、情報処理装置100は、現在のユーザのホット度の位置から最近傍のコンバージョンまでのナーチャリングを行ってもよい。情報処理装置100は、指定された興味関心と対応するホット度から最近傍のコンバージョンまでのナーチャリングを行ってもよい。例えば、情報処理装置100は、ホット度が所定値以上のうち、指定された所から最も近い所までのナーチャリングを行ってもよい。
【0129】
〔1-3-6.広告接触に関する処理〕
情報処理装置100は、モデルM1以外にも様々なモデルを学習してもよい。例えば、情報処理装置100は、広告接触によるユーザの興味関心に関する推論に用いられるモデル(推定モデル)を学習してもよい。この点について、
図7を用いて説明する。
図7は、情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
図7は、処理概念のイメージの関係情報MP1を示し、以下では
図7を用いて情報処理装置100が行う処理を以下説明する。
【0130】
まず、情報処理を説明する前に、
図7に示す情報の概要について説明する。
図7は、あるユーザ(以下「ユーザu」とする)についての広告提供による興味関心ベクトルの変化を示す。興味関心ベクトルVusは、ある時点でのユーザuの興味関心ベクトルを示す。また、興味関心ベクトルVue1は、ユーザuに広告#1を提供した場合の興味関心ベクトル、すなわち広告#1に接触したユーザuの興味関心ベクトルを示す。また、興味関心ベクトルVue2は、ユーザuに広告#2を提供した場合の興味関心ベクトル、すなわち広告#2に接触したユーザuの興味関心ベクトルを示す。また、興味関心ベクトルVue0は、ユーザuに広告を提供せずに所定の期間経過後の興味関心ベクトル、すなわち広告に接触せずに期間が経過した後のユーザuの興味関心ベクトルを示す。
【0131】
例えば、情報処理装置100は、興味関心ベクトルVus、Vue*(*は任意の文字列。
図7では0、1、2)を収集し、記憶部120に記録する。ユーザuの興味関心ベクトルを示す文字列「Vu」に続く文字「s」はスタート(ある時点)を示し、「e」はエンド(ある時点よりも後の時点)を示す。情報処理装置100は、ユーザuに対して、ある広告を配信した後のユーザuの興味関心ベクトルを興味関心ベクトルVue*として記録する。
【0132】
例えば、情報処理装置100は、広告に対する接触を示す広告接触情報をTaとして併せて収集し、記憶部120に記録する。広告接触情報Ta1は、広告#1への接触に関する情報である。広告接触情報Ta2は、広告#2への接触に関する情報である。広告接触情報Ta0は、広告への非接触に関する情報である。ここでいう広告に対する接触とは、広告の閲覧(視認)であってもよいし、クリック等の広告に対する所定の操作であってもよい。例えば、aは広告(ad)を示し、各ユーザがどの広告に接触したかを記録する。なお、Tを0か1として、接触した場合は1としてもよい。
【0133】
すなわち、
図7は、興味関心ベクトルVusの状態のユーザuが、Ta*(*は任意の文字列。
図7では0、1、2)に対応する広告に接触した場合、または広告に接触しなかった場合に、各興味関心ベクトルVue*(*は任意の文字列。
図7では0、1、2)への変化を示す。
【0134】
例えば、情報処理装置100は、上述のような広告接触に応じたユーザの興味関心ベクトルを用いて、ユーザの興味関心に関する推論に用いられるモデル(推定モデル)を学習する。例えば、情報処理装置100は、広告の提供前のユーザの興味関心ベクトル(「提供前興味関心ベクトル」ともいう)と、広告の提供後のユーザの興味関心ベクトル(「提供後興味関心ベクトル」ともいう)とを用いて、広告の提供によるユーザの興味関心の変化を推定する学習モデル(推定モデル)であるモデルM2を学習する。例えば、情報処理装置100は、提供前興味関心ベクトルが入力された場合に、提供後興味関心ベクトルを出力するモデルM2を学習する。
【0135】
例えば、情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心ベクトルと、その対象ユーザに提供する広告(対象広告)に関する情報(「広告情報」ともいう)と、が入力された場合に、提供後興味関心ベクトルを出力するモデルM2を学習する。例えば、広告情報は、提供する広告の内容を示す情報を含む。
【0136】
情報処理装置100は、広告の提供によるユーザの興味関心の変化を推定する推定モデルを学習する。
図7では、情報処理装置100は、提供前興味関心ベクトル、広告情報、及び提供後興味関心ベクトルを用いて、ベクトルを出力するモデルM2を学習する。例えば、情報処理装置100は、提供前興味関心ベクトル及び広告情報を入力とし、提供後興味関心ベクトルを正解情報として、モデルM2を学習する。
【0137】
例えば、情報処理装置100は、モデルM2が出力するベクトルが、モデルM2に入力した興味関心ベクトルに対応する正解情報(興味関心ベクトル)に近づくように、バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)等の手法により学習処理を行う。例えば、情報処理装置100は、興味関心ベクトルが入力されたモデルM2が出力する興味関心ベクトルが、興味関心ベクトルに対応する正解情報に近づくように学習処理を行う。例えば、情報処理装置100は、興味関心ベクトルが入力されたモデルM2が出力する興味関心ベクトルが、興味関心ベクトルに対応する正解情報に近づくように学習処理を行う。
【0138】
例えば、情報処理装置100は、興味関心ベクトルVus及び広告#1の広告情報が入力された場合に、興味関心ベクトルVue1を出力するように、モデルM2を学習する。例えば、情報処理装置100は、興味関心ベクトルVus及び広告#2の広告情報が入力された場合に、興味関心ベクトルVue2を出力するように、モデルM2を学習する。なお、モデルM2の学習処理は、上述したモデルM1の学習処理と同様に、既存の技術と同様であるため詳細な説明は省略する。なお、情報処理装置100は、ユーザ突合を属性が共通するユーザーグループであるコホート単位に基づいて生成された学習データを用いてモデルM2を学習してもよい。例えば、情報処理装置100は、ユーザ属性が共通するコホート単位で入力となる入力興味関心ベクトルと正解情報となる出力興味関心ベクトルを生成し、生成した入力興味関心ベクトルと出力興味関心ベクトルとが対応付けられた学習データを用いてモデルM2を学習してもよい。例えば、情報処理装置100は、ユーザ属性が共通するコホート単位での複数の興味関心ベクトルの平均である入力興味関心ベクトルと、コホート単位での正解情報の平均である出力興味関心ベクトルとが対応付けられた学習データを用いてモデルM2を学習してもよい。
【0139】
なお、情報処理装置100は、第1時点におけるユーザの興味関心ベクトル(「第3興味関心ベクトル」ともいう)と、第1時点からそのユーザに広告を提供せずに所定期間が経過した後の時点(第2時点)におけるユーザの興味関心ベクトル(「第4興味関心ベクトル」ともいう)とを用いてもよい。例えば、情報処理装置100は、第3興味関心ベクトルと第4興味関心ベクトルとを用いて、ユーザに広告を提供しなかった場合のユーザの興味関心ベクトルの変化も加味したモデルM2を学習してもよい。例えば、情報処理装置100は、第3興味関心ベクトルが入力された場合に、第4興味関心ベクトルを出力するモデルM2を学習する。
【0140】
例えば、情報処理装置100は、第1時点における対象ユーザの興味関心ベクトルと、その対象ユーザに広告を提供しないことを示す所定の値(「非提供値」ともいう)に設定された広告情報と、が入力された場合に、第2時点における対象ユーザの興味関心ベクトルを出力するモデルM2を学習する。例えば、非提供値は、0、Null等の任意の値が用いられてもよい。
【0141】
図7では、情報処理装置100は、第3興味関心ベクトル、広告情報、及び第4興味関心ベクトルを用いて、ベクトルを出力するモデルM2を学習する。例えば、情報処理装置100は、第3興味関心ベクトル及び広告情報を入力とし、第4興味関心ベクトルを正解情報として、モデルM2を学習する。例えば、情報処理装置100は、興味関心ベクトルVus及び非提供値が入力された場合に、興味関心ベクトルVue0を出力するように、モデルM2を学習する。
【0142】
例えば、情報処理装置100は、モデルM2を用いて、対象ユーザへ提供する場合における広告(対象広告)の効果を推定してもよい。例えば、情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心ベクトルと、対象広告の広告情報とをモデルM2に入力し、モデルM2が出力した興味関心ベクトルを用いて、対象ユーザに対する対象広告の効果を推定してもよい。
【0143】
例えば、情報処理装置100は、広告Zを対象広告とし、対象ユーザへ提供する場合における広告Zの効果を推定する。この場合、情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心ベクトル(「興味関心ベクトルVbz」ともいう)と、広告Zの広告情報とをモデルM2に入力し、モデルM2が出力した興味関心ベクトル(「興味関心ベクトルVaz」ともいう)を用いて、対象ユーザに対する広告Zの効果を推定する。
【0144】
例えば、情報処理装置100は、興味関心ベクトルVbzが入力されたモデルM1が出力したスコア(「提供前ホット度」ともいう)と、興味関心ベクトルVazが入力されたモデルM1が出力したスコア(「提供後ホット度」ともいう)とを用いて、対象ユーザに対する広告Zの効果を推定する。情報処理装置100は、提供前ホット度と提供後ホット度との比較結果に応じて、対象ユーザに対する広告Zの効果を推定する。
【0145】
例えば、情報処理装置100は、提供前ホット度よりも提供後ホット度が大きい場合、対象ユーザに対して対象広告の効果があると推定する。例えば、情報処理装置100は、提供後ホット度が提供前ホット度より所定値(例えば15等の任意の値)以上大きい場合、対象ユーザに対して対象広告の効果があると推定する。
【0146】
例えば、情報処理装置100は、提供前ホット度よりも提供後ホット度が小さい場合、対象ユーザに対して対象広告の効果がないと推定する。例えば、情報処理装置100は、提供後ホット度が提供前ホット度より所定値(例えば5等の任意の値)以上小さい場合、対象ユーザに対して対象広告の効果がないと推定する。
【0147】
例えば、情報処理装置100は、興味関心ベクトルVbzが入力されたモデルM1が出力した提供前ホット度よりも興味関心ベクトルVazが入力されたモデルM1が出力した提供後ホット度が大きいため、対象ユーザに対して広告Zの効果があると推定する。これにより、情報処理装置100は、対象ユーザに対して広告Zの効果があると推定されるため、対象ユーザへ広告Zを提供すると決定する。情報処理装置100は、広告Zを対象ユーザが利用するユーザ端末10へ送信する。
【0148】
上述のように、情報処理装置100は、広告提供時にユーザの興味関心ベクトルがどのように変化するかをモデルに学習させることができる。なお、上記は一例に過ぎず、情報処理装置100は、様々な情報を適宜用いて、広告接触に関する処理を行ってもよい。
【0149】
例えば、情報処理装置100は、興味関心ベクトルを変換する変換モデルであるモデルM11と、モデルM11が出力したベクトルを入力として広告接触効果の推論を行う推定モデルであるモデルM12と、広告の介入有無を推定するモデルM13とを用いて、処理を行ってもよい。この点について以下説明する。
【0150】
例えば、情報処理装置100は、上述のようなモデルM11、M12、M13を用いて、以下のようなニューラルネット構造でその関係性を学習してもよい。これにより、情報処理装置100は、ある興味関心ベクトルの状態であるユーザのホット度を高めた興味関心ベクトルの状態に遷移させる為に、どの広告が適しているか否かを決定し、自動で選定することができる。
【0151】
以下の説明では、「Vus」を「x」、「Vue」を「y」、「Ta」を「t」と記載して説明する。情報処理装置100は、xを入力として、表現学習したベクトルΦを出力するモデルM11を学習する。このように、モデルM11は、ベクトルxを入力とし、ベクトルΦを出力するモデルである。
【0152】
また情報処理装置100は、ベクトルΦとtを入力とし、ベクトルyを出力するモデルM12を学習する。これにより、情報処理装置100は、ある興味関心ベクトルの状態のユーザが広告接触した場合としない場合の各々でのyを推論できるので、その差分を特定することができ、広告効果を特定することができる。
【0153】
また、情報処理装置100は、ベクトルΦを入力として、広告の介入有無を示すtを出力するモデルM13を学習する。これにより、情報処理装置100は、広告の介入(=t)の有無を予測することができる。ここで、情報処理装置100は、ベクトルΦの段階でtを予測できないように正則化をかける構造とする。これにより、情報処理装置100は、観測データの偏りを自動補正することができる。
【0154】
例えば、情報処理装置100は、以下の学習#1~#3により、モデルM11~M13を学習する。
学習#1:yが当てる(出力される)ように、モデルM11、M12を学習
学習#2:tを当てる(出力される)ように、モデルM13を学習(モデルM11は固定)
学習#3:tを当てられない(出力されない)ように、モデルM11を学習(モデルM13は固定)
【0155】
情報処理装置100は、上述した処理により、各ユーザと広告接触の関係を学習させることで、ある興味関心ベクトルxのユーザに、tにより介入有りとされる広告を打つ効果と、その接触による興味関心の変化を推論できるようになる。
【0156】
情報処理装置100は、上記により、各ユーザに対して、どの広告を打つ事で、ナーチャリングした方向にユーザの興味関心が遷移するかどうかを探索し、最もホット度を上げていける広告を選別して、広告配信することができる。なお、情報処理装置100は、ホット度が高まるという設定でも良いし、
図6のホット度変化情報AN2に示すような経路にしたがってナーチャリングできる広告をユーザに提供してもよい。
【0157】
〔2.情報処理装置の構成〕
次に、
図9を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。
図9は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。
図9に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0158】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、ユーザ端末10、広告主装置20、及び事業者装置30との間で情報の送受信を行う。
【0159】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、
図9に示すように、第1データ記憶部121と、第2データ記憶部122と、興味関心ベクトル情報記憶部123と、ホット度情報記憶部124と、モデル情報記憶部125と、閾値情報記憶部126と、広告情報記憶部127とを有する。また、記憶部120は、上記に限らず、種々の情報を記憶してもよい。
【0160】
(第1データ記憶部121)
実施形態に係る第1データ記憶部121は、ユーザの興味関心に関する情報である第1データを記憶する。第1データ記憶部121は、
図2中の第1データFDに対応する。第1データ記憶部121は、ユーザの興味関心を示すユーザの行動履歴を含む第1データを記憶する。例えば、第1データ記憶部121は、検索データ等、ユーザの興味関心を示す各種の情報を含む第1データを記憶する。例えば、第1データ記憶部121は、ユーザが検索に用いた検索クエリ、検索結果の閲覧等の履歴を含む第1データを記憶する。
【0161】
例えば、第1データ記憶部121は、ユーザが検索を行った日時とその検索において用いた検索クエリとを、そのユーザを識別する情報(ユーザID等)に対応付けて記憶する。例えば、第1データ記憶部121は、ユーザが検索に用いた検索クエリごとの使用回数を示す情報を記憶する。
【0162】
なお、第1データ記憶部121は、上記に限らず、ユーザの興味関心を示す情報であれば、どのような情報を記憶してもよい。
【0163】
(第2データ記憶部122)
実施形態に係る第2データ記憶部122は、コンバージョンを把握することができるコンバージョン把握データである第2データを記憶する。第2データ記憶部122は、
図2中の第2データSDに対応する。第2データ記憶部122は、ユーザが所定のコンバージョンに至ったことを示すユーザの行動履歴を含む第2データを記憶する。例えば、第2データ記憶部122は、ユーザが所定の商品を購入したことを示すユーザの行動履歴を含む第2データを記憶する。例えば、第2データ記憶部122は、コンバージョン把握データを所有する企業等の事業者から取得したコンバージョン把握データ(第2データ)を記憶する。
【0164】
例えば、第2データ記憶部122は、ユーザが行ったコンバージョンを示す情報と、そのコンバージョンが行われた日時を示す情報とを、そのユーザを識別する情報(ユーザID等)に対応付けて記憶する。例えば、第2データ記憶部122は、ユーザが購入した商品と、その商品を購入した日時を示す情報とを、そのユーザを識別する情報(ユーザID等)に対応付けて記憶する。
【0165】
なお、第2データ記憶部122は、上記に限らず、コンバージョンの把握が可能な情報であれば、どのような情報を記憶してもよい。
【0166】
(興味関心ベクトル情報記憶部123)
実施形態に係る興味関心ベクトル情報記憶部123は、興味関心に関するベクトル情報を記憶する。例えば、興味関心ベクトル情報記憶部123は、興味関心を示す情報をベクトル化したベクトルに関する情報を記憶する。
【0167】
興味関心ベクトル情報記憶部123は、コホートごとにベクトル情報を記憶する。例えば、興味関心ベクトル情報記憶部123は、属性が共通するユーザーグループであるコホートごとに興味関心情報をベクトル化した興味関心ベクトルを記憶する。
【0168】
興味関心ベクトル情報記憶部123は、所定のコンバージョンに至った後の経過時間で区切った複数の期間ごとに興味関心情報をベクトル化した興味関心ベクトルを記憶する。例えば、興味関心ベクトル情報記憶部123は、所定の商品購入後の経過時間で区切った複数の期間ごとに興味関心情報をベクトル化した興味関心ベクトルを記憶する。
【0169】
興味関心ベクトル情報記憶部123は、ユーザの属性に関する第1要素及び期間に関する第1要素を行または列とするマトリクス(行列)データを記憶する。例えば、興味関心ベクトル情報記憶部123は、コホートを行、期間を列とする行列データを記憶する。
【0170】
興味関心ベクトル情報記憶部123は、コホートと所定のコンバージョンに至った後の経過時間で区切った複数の期間との組み合わせごとに興味関心情報をベクトル化した興味関心ベクトルを記憶する。興味関心ベクトル情報記憶部123は、コホートと所定の商品購入後の経過時間で区切った複数の期間との組み合わせごとに興味関心情報をベクトル化した興味関心ベクトルを記憶する。
【0171】
例えば、興味関心ベクトル情報記憶部123は、
図2中の興味関心ベクトル一覧IVLに示す情報を記憶してもよい。なお、興味関心ベクトル情報記憶部123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0172】
(ホット度情報記憶部124)
実施形態に係るホット度情報記憶部124は、ユーザが所定のコンバージョンに至る可能性の度合いを示すスコア(ホット度)に関する情報を記憶する。例えば、ホット度情報記憶部124は、所定の商品を購入する可能性の度合いを示すスコア(ホット度)に関する情報を記憶する。
【0173】
ホット度情報記憶部124は、コホートごとにホット度を記憶する。例えば、ホット度情報記憶部124は、属性が共通するユーザーグループであるコホートごとに興味関心情報をベクトル化したホット度を記憶する。
【0174】
ホット度情報記憶部124は、所定のコンバージョンに至った後の経過時間で区切った複数の期間ごとにホット度を記憶する。例えば、ホット度情報記憶部124は、所定の商品購入後の経過時間で区切った複数の期間ごとにホット度を記憶する。
【0175】
ホット度情報記憶部124は、ユーザの属性に関する第1要素及び期間に関する第1要素を行または列とするマトリクス(行列)データを記憶する。例えば、ホット度情報記憶部124は、コホートを行、期間を列とする行列データを記憶する。
【0176】
ホット度情報記憶部124は、コホートと所定のコンバージョンに至った後の経過時間で区切った複数の期間との組み合わせごとにホット度を記憶する。ホット度情報記憶部124は、コホートと所定の商品購入後の経過時間で区切った複数の期間との組み合わせごとにホット度を記憶する。
【0177】
例えば、ホット度情報記憶部124は、
図2中のホット度一覧LSLに示す情報を記憶してもよい。なお、ホット度情報記憶部124は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0178】
(モデル情報記憶部125)
実施形態に係るモデル情報記憶部125は、モデルに関する情報を記憶する。例えば、モデル情報記憶部125は、学習処理により学習(生成)された学習済みモデル(モデル)の情報(モデルデータ)を記憶する。モデル情報記憶部125は、学習に用いたデータ(学習データ)を学習済みモデル(モデル)に対応付けて記憶する。
図10は、実施形態に係るモデル情報記憶部の一例を示す図である。
図10に示した例では、モデル情報記憶部125は、「モデルID」、「用途」、「モデルデータ」、「学習データ」といった項目が含まれる。
図10の例では、モデル情報記憶部125は、学習に用いたデータ(学習データ)を学習済みモデル(モデル)に対応付けて記憶する。
【0179】
「モデルID」は、モデルを識別するための識別情報を示す。「用途」は、対応するモデルの用途を示す。「モデルデータ」は、モデルのデータを示す。
図10等では「モデルデータ」に「MDT1」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、モデルの構成(ネットワーク構成)の情報やパラメータに関する情報等、そのモデルを構成する種々の情報が含まれる。例えば、「モデルデータ」には、ネットワークの各層におけるノードと、各ノードが採用する関数と、ノードの接続関係と、ノード間の接続に対して設定される接続係数とを含む情報が含まれる。
【0180】
「学習データ」は、学習済みモデル(モデル)の学習に用いられたデータを示す。「学習データ」には、対応するモデルの学習に用いられたデータセットを示す情報が記憶される。例えば、「学習データ」は、データ(入力情報)とそのデータに対応する正解情報(出力情報)とを対応付けて、学習データ(「学習用データ」ともいう)として記憶する。
図10では「学習データ」に「LDT1」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、データ(入力情報)とそのデータに対応する正解情報(出力情報)等、対応するモデルの学習に用いられたデータに関する種々の情報が含まれる。
【0181】
図10では、モデルID「M1」により識別されるモデル(モデルM1)は、用途が「ホット度」であることを示す。すなわち、モデルM1は、入力された興味関心情報に対応するユーザが所定のコンバージョンに至る可能性の度合い(ホット度)を示す情報(スコア)を出力するモデルであることを示す。また、モデルM1のモデルデータは、モデルデータMDT1であることを示す。また、モデルM1の学習に用いられた学習データは、学習データLDT1であることを示す。
【0182】
また、モデルID「M2」により識別されるモデル(モデルM2)は、用途が「広告接触効果」であることを示す。すなわち、モデルM2は、入力されたデータに対応する広告のユーザに対する効果を示す情報を出力するモデルであることを示す。例えば、モデルM2は、入力されたデータに対応するデータに対応する広告に接触した後のユーザの興味関心情報を出力する。モデルM2のモデルデータは、モデルデータMDT2であることを示す。また、モデルM2の学習に用いられた学習データは、学習データLDT2であることを示す。
【0183】
モデルID「M11」により識別されるモデル(モデルM11)は、用途が「ベクトル生成」であることを示す。すなわち、モデルM11は、入力されたベクトルを他のベクトルに変換するモデルであることを示す。例えば、モデルM11は、入力されたベクトルを表現学習などにより変換したベクトルを出力するモデルであることを示す。また、モデルM11のモデルデータは、モデルデータMDT11であることを示す。また、モデルM11の学習に用いられた学習データは、学習データLDT11であることを示す。
【0184】
モデルID「M12」により識別されるモデル(モデルM12)は、用途が「広告接触効果」であることを示す。すなわち、モデルM12は、入力されたデータに対応する広告のユーザに対する効果を示す情報を出力するモデルであることを示す。例えば、モデルM12は、入力されたデータに対応するデータに対応する広告に接触した後のユーザの興味関心情報を出力する。モデルM12のモデルデータは、モデルデータMDT12であることを示す。また、モデルM12の学習に用いられた学習データは、学習データLDT12であることを示す。
【0185】
モデルID「M13」により識別されるモデル(モデルM13)は、用途が「介入有無」であることを示す。すなわち、モデルM13は、入力されたデータに対応するユーザへの広告の介入の有無を示す情報を出力するモデルであることを示す。例えば、モデルM13は、入力されたデータに対応するユーザが広告接触したか否かを示す情報(スコア)を出力するモデルであることを示す。また、モデルM13のモデルデータは、モデルデータMDT13であることを示す。また、モデルM13の学習に用いられた学習データは、学習データLDT13であることを示す。
【0186】
なお、モデル情報記憶部125は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0187】
(閾値情報記憶部126)
実施形態に係る閾値情報記憶部126は、閾値に関する各種情報を記憶する。
図11は、実施形態に係る閾値情報記憶部の一例を示す図である。
図11に示す閾値情報記憶部126は、「閾値」、「値」、「用途」といった項目が含まれる。
【0188】
「閾値」は、閾値を識別する情報を示す。「値」は、対応する閾値の具体的な数値(値)を示す。「用途」は、対応する閾値が用いられる用途を示す。
【0189】
図11の例では、閾値「TH1」により識別される閾値(閾値TH1)の値は、「VL1」であることを示す。なお、
図11の例では、「VL1」といった抽象的な符号で示すが、各閾値の値は用途に応じた具体的な数値である。
【0190】
閾値TH1の用途は、アッパー-ミドル間の分割(分類)であることを示す。すなわち、閾値TH1は、ホット度に応じたユーザのアッパー-ミドル間の分割(分類)に用いる第1閾値であることを示す。例えば、閾値TH1は、アッパー-ミドル間の分割(分類)するために用いられる第1閾値である。
【0191】
閾値「TH2」により識別される閾値(閾値TH2)の値は、「VL2」であることを示す。閾値TH2の用途は、ミドル-ロウワー間の分割(分類)であることを示す。すなわち、閾値TH2は、ホット度に応じたユーザのミドル-ロウワー間の分割(分類)に用いる第2閾値であることを示す。例えば、閾値TH2は、ミドル-ロウワー間の分割(分類)するために用いられる第2閾値である。
【0192】
なお、閾値情報記憶部126は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0193】
(広告情報記憶部127)
実施形態に係る広告情報記憶部127は、広告に関する各種情報を記憶する。
図12は、実施形態に係る広告情報記憶部の一例を示す図である。
図12に示す広告情報記憶部127は、「広告ID」、「広告」、「タイプ」といった項目を有する。
【0194】
「広告ID」は、広告を識別するための識別情報を示す。「広告コンテンツ」は、広告主から入稿された広告コンテンツを示す。
図12では「広告コンテンツ」に「AC11」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、静止画像や動画像やテキストデータやURL、または、これらの格納場所を示すファイルパス名などが格納される。「タイプ」は、広告のタイプを識別するための識別情報を示す。
【0195】
図12では、広告ID「A11」により識別される広告コンテンツAC11は、タイプが「ロウワー」の広告であることを示す。また、広告ID「A12」により識別される広告コンテンツAC12は、タイプが「ミドル」の広告であることを示す。また、広告ID「A13」により識別される広告コンテンツAC13は、タイプが「アッパー」の広告であることを示す。
【0196】
なお、広告情報記憶部127は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、広告情報記憶部127は、広告主を示す情報(広告主ID等)、商品を示す情報(商品名等)、入札価格に関する情報等を記憶してもよい。なお、広告主は、入稿作業等を代理店に依頼する場合もある。「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であるものとする。
【0197】
(制御部130)
図9の説明に戻って、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0198】
図9に示すように、制御部130は、取得部131と、学習部132と、推定部133と、決定部134と、提供部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図9に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0199】
(取得部131)
取得部131は、種々の情報を取得する。取得部131は、ユーザ端末10等の外部装置から各種情報を取得する。また、取得部131は、記憶部120から各種情報を取得する。また、取得部131は、第1データ記憶部121や、第2データ記憶部122や、興味関心ベクトル情報記憶部123や、ホット度情報記憶部124や、モデル情報記憶部125や、閾値情報記憶部126や、広告情報記憶部127等から各種情報を取得する。
【0200】
取得部131は、通信部110を介して、外部の情報処理装置から各種情報を受信する。取得部131は、受信した情報を記憶部120に格納する。取得部131は、ユーザ端末10、広告主装置20または事業者装置30から各種情報を受信する。取得部131は、ユーザが利用するユーザ端末10から情報を取得する。取得部131は、広告主装置20から各種情報を取得する。
【0201】
取得部131は、ユーザの興味関心に関する興味関心情報を入力として、入力された興味関心情報に対応するユーザが所定のコンバージョンに至る可能性の度合いを示すスコアを出力する学習モデル(モデルM1等)を取得する。取得部131は、対象ユーザの興味関心に関する興味関心情報を取得する。取得部131は、ユーザの興味関心を基に生成された興味関心ベクトルである興味関心情報を入力として、入力された興味関心ベクトルに対応するユーザが所定のコンバージョンに至る可能性の度合いを示すスコアを出力する学習モデルを取得する。取得部131は、対象ユーザの興味関心を基に生成された興味関心ベクトルである興味関心情報を取得する。
【0202】
取得部131は、一の要求元により指定された所定のコンバージョンに至る可能性の度合いを示す指定情報を取得する。取得部131は、ユーザの興味関心を基に生成された興味関心ベクトルである興味関心情報を入力として、入力された興味関心ベクトルに対応するユーザが所定のコンバージョンに至る可能性の度合いを示すスコアを出力する学習モデルを取得する。取得部131は、一の要求元により指定された興味関心である指定興味関心を含む指定情報を取得する。
【0203】
取得部131は、第1時点における対象ユーザの興味関心に関する第1興味関心情報を取得する。取得部131は、第1時点よりも後の時点である第2時点における対象ユーザの興味関心に関する第2興味関心情報を取得する。取得部131は、対象ユーザの第1時点の興味関心を基に生成された第1興味関心ベクトルである第1興味関心情報を取得する。取得部131は、対象ユーザの第2時点の興味関心を基に生成された第2興味関心ベクトルである第2興味関心情報を取得する。
【0204】
取得部131は、対象ユーザの興味関心に関する興味関心情報を取得する。取得部131は、広告の提供前のユーザの興味関心に関する第1興味関心情報と、広告の提供後のユーザの興味関心に関する第2興味関心情報とを取得する。取得部131は、広告の提供前のユーザの興味関心を基に生成された第1興味関心ベクトルである第1興味関心情報を取得する。取得部131は、広告の提供後のユーザの興味関心に関する第2興味関心ベクトルである第2興味関心情報を取得する。取得部131は、第1時点におけるユーザの興味関心に関する第3興味関心情報を取得する。
【0205】
取得部131は、第1時点から当該ユーザに広告を提供せずに所定期間が経過した後の時点である第2時点におけるユーザの興味関心に関する第4興味関心情報を取得する。取得部131は、第1時点におけるユーザの興味関心を基に生成された第3興味関心ベクトルである第3興味関心情報と、第2時点におけるユーザの興味関心に関する第4興味関心ベクトルである第4興味関心情報とを取得する。取得部131は、対象広告に関する広告情報を取得する。
【0206】
(学習部132)
学習部132は、学習モデル(モデル)を学習する学習処理を実行する。例えば、学習部132は、取得部131により取得された各種情報に基づいて、学習処理を実行する。学習部132は、外部の情報処理装置からの情報や記憶部120に記憶された情報に基づいて、学習処理を実行する。学習部132は、モデル情報記憶部125に記憶された情報に基づいて、学習処理を実行する。学習部132は、学習により生成したモデルをモデル情報記憶部125に格納する。
【0207】
学習部132は、学習処理を行う。学習部132は、各種学習を行う。学習部132は、取得部131により取得された情報に基づいて、各種情報を学習する。学習部132は、モデルを学習(生成)する。学習部132は、モデル等の各種情報を学習する。学習部132は、学習によりモデルを生成する。学習部132は、種々の機械学習に関する技術を用いて、モデルを学習する。例えば、学習部132は、モデル(ネットワーク)のパラメータを学習する。学習部132は、種々の機械学習に関する技術を用いて、モデルを学習する。
【0208】
学習部132は、モデルM1、M2、M11、M12、M13等の各種の学習モデルを生成する。学習部132は、ネットワークのパラメータを学習する。例えば、学習部132は、モデルM1、M2、M11、M12、M13等の各種の学習モデルのネットワークのパラメータを学習する。学習部132は、モデル情報記憶部125に記憶された学習用データを用いて、学習処理を行うことにより、モデルM1、M2、M11、M12、M13等の各種の学習モデルを生成する。例えば、学習部132は、音声認識に用いられるモデルを生成する。学習部132は、モデルM1、M2、M11、M12、M13等の各種の学習モデルのネットワークのパラメータを学習することにより、モデルM1、M2、M11、M12、M13等の各種の学習モデルを生成する。
【0209】
学習部132は、モデル情報記憶部125に記憶された学習用データ(教師データ)に基づいて、学習処理を行う。学習部132は、モデル情報記憶部125に記憶された学習用データを用いて、学習処理を行うことにより、モデルM1、M2、M11、M12、M13等の各種の学習モデルを生成する。
【0210】
学習部132は、学習モデル(モデルM1等)を学習する。学習部132は、ユーザの興味関心情報と、当該興味関心情報に対応するユーザが所定のコンバージョンに至る可能性の度合いを示す正解情報とが対応付けられた学習データを用いて学習モデルを学習する。学習部132は、ユーザ突合を属性が共通するユーザーグループであるコホート単位に基づいて生成された学習データを用いて学習モデルを学習する。
【0211】
学習部132は、第1興味関心情報と第2興味関心情報とを用いて、広告の提供によるユーザの興味関心の変化を推定する学習モデルである推定モデル(モデルM2等)を学習する。学習部132は、第1興味関心ベクトルである第1興味関心情報と、第2興味関心ベクトルである第2興味関心情報とを用いて、推定モデルを学習する。学習部132は、第1興味関心情報と、広告に関する広告情報が入力された場合に、第2興味関心情報を出力するように推定モデルを学習することにより、推定モデルを学習する。
【0212】
学習部132は、第3興味関心情報と第4興味関心情報とを用いて、推定モデルを学習する。学習部132は、第3興味関心ベクトルである第3興味関心情報と、第4興味関心ベクトルである第4興味関心情報とを用いて、推定モデルを学習する。学習部132は、第3興味関心情報と、広告が提供されていないことを示す情報が入力された場合に、第4興味関心情報を出力するように推定モデルを学習することにより、推定モデルを学習する。
【0213】
例えば、学習部132は、ホット度の予測に用いるモデルM1を生成する。例えば、学習部132は、興味関心ベクトルが入力された場合に、その興味関心ベクトルに対応するユーザのホット度を示すスコアを出力するモデルM1を生成する。学習部132は、モデルM1のネットワークのパラメータを学習することにより、モデルM1を生成する。
【0214】
学習部132による学習の手法は特に限定されないが、例えば、データ(入力情報)とその正解情報(出力情報)とを紐づけた学習用データを用意し、その学習用データを多層ニューラルネットワークに基づいた計算モデルに入力して学習してもよい。また、例えばCNN(Convolutional Neural Network)、3D-CNN等のDNN(Deep Neural Network)に基づく手法が用いられてもよい。学習部132は、音声等のような時系列データを対象とする場合、再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:RNN)やRNNを拡張したLSTM(Long Short-Term Memory units)に基づく手法を用いてもよい。
【0215】
(推定部133)
推定部133は、種々の情報を推定する推定処理を実行する。推定部133は、推定処理により推定した情報を記憶部120に格納する。例えば、推定部133は、取得部131により取得された各種情報に基づいて、推定処理を実行する。推定部133は、記憶部120に記憶された各種情報に基づいて、推定処理を実行する。推定部133は、外部の情報処理装置から受信された各種情報に基づいて、推定処理を実行する。
【0216】
推定部133は、学習部132により学習されたモデルを用いて、推定処理を実行する。例えば、推定部133は、決定部134により決定された情報に基づいて、推定処理を実行する。
【0217】
推定部133は、学習部132により学習された推定モデルを用いて、対象広告の効果を推定する。推定部133は、対象広告の広告情報を用いて、対象広告の効果を推定する。推定部133は、対象ユーザの興味関心情報を用いて、対象ユーザに対する対象広告の効果を推定する。
【0218】
(決定部134)
決定部134は、種々の情報を決定する決定処理を実行する。決定部134は、決定した情報を記憶部120に格納する。例えば、決定部134は、取得部131により取得された各種情報に基づいて、決定処理を実行する。決定部134は、記憶部120に記憶された各種情報に基づいて、決定処理を実行する。例えば、決定部134は、外部の情報処理装置から受信された各種情報に基づいて、決定処理を実行する。
【0219】
決定部134は、学習部132により学習されたモデルを用いて、決定処理を実行する。例えば、決定部134は、推定部133により推定された情報に基づいて、決定処理を実行する。
【0220】
例えば、決定部134は、推定部133により推定された情報に基づいて、各種情報を算出する。決定部134は、モデルを用いて各種のスコアを算出する。例えば、決定部134は、各種のスコアを算出する。
【0221】
決定部134は、各種情報を判定する判定処理を実行する。例えば、決定部134は、取得部131により取得された各種情報に基づいて、判定処理を実行する。例えば、決定部134は、記憶部120に記憶された情報に基づいて、判定処理を実行する。
【0222】
決定部134は、学習部132により学習されたモデルを用いて、判定処理を実行する。例えば、決定部134は、推定部133により推定された情報に基づいて、判定処理を実行する。
【0223】
決定部134は、対象ユーザの興味関心情報を用いて、対象ユーザに提供する広告である提供広告を決定する。決定部134は、対象ユーザの興味関心情報を学習モデルに入力することにより、学習モデルが出力したスコアを用いて、対象ユーザに提供する広告である提供広告を決定する。決定部134は、ユーザの興味関心を基に生成された興味関心ベクトルである興味関心情報を学習モデルに入力することにより、学習モデルが出力したスコアを用いて、提供広告を決定する。
【0224】
決定部134は、学習モデルが出力したスコアを用いて広告の一のタイプを決定し、決定した一のタイプに対応する広告を提供広告に決定する。決定部134は、学習モデルが出力したスコアと閾値との比較により一のタイプを決定し、決定した一のタイプに対応する広告を提供広告に決定する。
【0225】
決定部134は、ユーザの所定のコンバージョンに関する状態に応じた複数のタイプのうち、決定した一のタイプに対応する広告を提供広告に決定する。決定部134は、学習モデルが出力したスコアと複数の閾値の各々との比較により一のタイプを決定し、決定した一のタイプに対応する広告を提供広告に決定する。
【0226】
決定部134は、ユーザが所定のコンバージョンに至る可能性の度合いが最も低い第1段階に対応する第1タイプ、ユーザが所定のコンバージョンに至る可能性の度合いが第1段階よりも高い第2段階に対応する第2タイプ、及びユーザが所定のコンバージョンに至る可能性の度合いが最も高い第3段階に対応する第3タイプのうち、決定した一のタイプに対応する広告を提供広告に決定する。決定部134は、スコアが第1閾値以下である場合、一のタイプを第1タイプに決定し、スコアが第1閾値よりも大きい第2閾値以下であり且つ第1閾値よりも大きい場合、一のタイプを第2タイプに決定し、スコアが第2閾値よりも大きい場合、一のタイプを第3タイプに決定する。
【0227】
決定部134は、所定のコンバージョンに至る可能性の度合いが最も低いユーザであるアッパーファネルユーザに対応する第1タイプ、アッパーファネルユーザよりも所定のコンバージョンに至る可能性の度合いが高いユーザであるミドルファネルユーザに対応する第2タイプ、及び所定のコンバージョンに至る可能性の度合いが最も高いユーザであるロウワーファネルユーザに対応する第3タイプのうち、決定した一のタイプに対応する広告を提供広告に決定する。決定部134は、アッパーファネルタイプの第1広告、ミドルファネルタイプの第2広告、ロウワーファネルタイプの第3広告の広告群のうち、提供広告を決定する。決定部134は、学習部132により学習された学習モデルを用いて、提供広告を決定する。
【0228】
決定部134は、指定情報と、学習モデルにより生成される情報とを用いて、一の要求元に提供する情報である提供情報を決定する。決定部134は、学習モデルに入力された場合に、指定情報が示す度合いに類似するスコアを出力する興味関心情報を、提供情報に決定する。決定部134は、学習モデルに入力された場合に、指定情報が示す度合いに類似するスコアを出力する興味関心ベクトルを、提供情報に決定する。決定部134は、学習モデルに入力された場合に、指定情報が示す度合いに類似するスコアを出力する興味関心ベクトルが複数ある場合、複数の興味関心ベクトルから提供情報を決定する。
【0229】
決定部134は、複数の興味関心ベクトルを提供情報に決定する。決定部134は、複数の興味関心ベクトルの一部を提供情報に決定する。決定部134は、複数の興味関心ベクトルのうち、指定興味関心に対応する興味関心ベクトルを、提供情報に決定する。決定部134は、学習部132により学習された学習モデルを用いて、提供情報を決定する。
【0230】
決定部134は、対象ユーザの第1興味関心情報を学習モデルに入力することにより、学習モデルが出力した第1スコアと、対象ユーザの第2興味関心情報を学習モデルに入力することにより、学習モデルが出力した第2スコアとを用いて、対象ユーザへの広告の提供態様を決定する。決定部134は、第1スコアから第2スコアへの変化に応じて、対象ユーザへの広告の提供態様を決定する。決定部134は、第1スコアから第2スコアへ上昇傾向である場合、対象ユーザへ広告を提供すると決定する。決定部134は、第2スコアが第1スコアより所定値以上大きい場合、対象ユーザへ広告を提供すると決定する。
【0231】
決定部134は、第1スコア及び第2スコアの少なくとも1つを用いて、対象ユーザに提供する広告である提供広告を決定する。決定部134は、ユーザの所定のコンバージョンに関する状態に応じた複数のタイプのうち、一のタイプに対応する広告を提供広告に決定する。決定部134は、学習モデルが出力した第2スコアと複数の閾値の各々との比較により一のタイプを決定し、決定した一のタイプに対応する広告を提供広告に決定する。
【0232】
決定部134は、第1スコアから第2スコアへ下降傾向である場合、対象ユーザへ広告を提供しないと決定する。決定部134は、第2スコアが第1スコアより所定値以上小さい場合、対象ユーザへ広告を提供しないと決定する。
【0233】
決定部134は、学習モデルにより生成される情報を用いて、興味関心の変化の態様を決定する。決定部134は、学習モデルに入力された場合に、第1スコアを出力する第1興味関心情報と、学習モデルに入力された場合に、第2スコアを出力する第2興味関心情報とを用いて、興味関心の変化の態様を決定する。決定部134は、学習モデルに入力された場合に、第1スコアを出力する第1興味関心情報と、学習モデルに入力された場合に、第1スコアよりも大きい第2スコアを出力する第2興味関心情報とを用いて、興味関心の変化の態様を決定する。
【0234】
決定部134は、第1興味関心情報と第2興味関心情報とを比較することにより、興味関心の変化の態様を決定する。決定部134は、第1興味関心情報と第2興味関心情報との差分により、興味関心の変化の態様を決定する。決定部134は、第1興味関心情報と第2興味関心情報との間の変化の推移により、興味関心の変化の態様を決定する。
【0235】
決定部134は、興味関心の変化の態様に基づいて、対象ユーザに提供する広告である提供広告を決定する。決定部134は、対象ユーザの興味関心情報を学習モデルに入力することにより、学習モデルが出力したスコアを用いて、対象ユーザに提供する提供広告を決定する。決定部134は、学習部132により学習された学習モデルを用いて、興味関心の変化の態様を決定する。
【0236】
決定部134は、推定部133により推定された対象ユーザに対する対象広告の効果に基づいて、対象ユーザへの対象広告の提供態様を決定する。決定部134は、対象ユーザに対する対象広告の効果があると推定された場合、対象ユーザへ対象広告を提供すると決定する。決定部134は、対象ユーザに対する対象広告の効果がないと推定された場合、対象ユーザへ対象広告を提供しないと決定する。
【0237】
決定部134は、種々の情報を生成する生成処理を実行してもよい。決定部134は、生成した情報を記憶部120に格納する。例えば、決定部134は、取得部131により取得された各種情報に基づいて、生成処理を実行する。決定部134は、記憶部120に記憶された各種情報に基づいて、生成処理を実行する。決定部134は、外部の情報処理装置から受信された各種情報に基づいて、生成処理を実行する。
【0238】
例えば、決定部134は、決定した情報に基づいて、生成処理を実行する。例えば、決定部134は、推定部133により推定された情報に基づいて、生成処理を実行する。
【0239】
決定部134は、コンテンツを生成する。決定部134は、例えば、決定部134は、Java(登録商標)等の種々の技術を適宜用いて、ユーザ端末10へ提供する画面(コンテンツ)を生成する。なお、決定部134は、CSSやJavaScript(登録商標)やHTMLの形式に基づいて、ユーザ端末10へ提供する画面(コンテンツ)を生成してもよい。また、例えば、決定部134は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)やGIF(Graphics Interchange Format)やPNG(Portable Network Graphics)など様々な形式で画面(コンテンツ)を生成してもよい。
【0240】
(提供部135)
提供部135は、各種情報を提供する。提供部135は、通信部110を介して、外部の情報処理装へ各種情報を送信する。提供部135は、ユーザ端末10や広告主装置20や事業者装置30へ各種情報を送信する。提供部135は、コンテンツをユーザ端末10へ送信する。
【0241】
提供部135は、決定部134により決定された情報を提供する。提供部135は、決定部134により生成された情報を提供する。提供部135は、推定部133により推定された情報を提供する。
【0242】
提供部135は、決定部134により決定された提供広告を示す情報を提供する。提供部135は、提供広告を対象ユーザが利用する端末装置(ユーザ端末10)へ送信する。提供部135は、決定部134により決定された提供情報を示す情報を提供する。提供部135は、提供情報を一の要求元が利用する端末装置(例えば事業者装置30)へ送信する。提供部135は、決定部134により対象ユーザへ対象広告を提供すると決定された場合、対象ユーザへ対象広告を提供する。提供部135は、対象広告を対象ユーザが利用する端末装置(ユーザ端末10)へ送信する。
【0243】
〔3.処理手順〕
次に、
図13~
図17を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の手順について説明する。
図13~
図17は、情報処理装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0244】
まず、
図13について説明する。例えば、
図13は、情報処理装置100が行うユーザへ提供する広告の決定の一例を示す。
図13では、情報処理装置100は、ユーザの興味関心に関する興味関心情報を入力として、入力された前記興味関心情報に対応するユーザがコンバージョンに至る可能性の度合いを示すスコアを出力する学習モデルを取得する(ステップS101)。情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心に関する興味関心情報を取得する(ステップS102)。そして、情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心情報を学習モデルに入力することにより、学習モデルが出力したスコアを用いて、対象ユーザに提供する広告である提供広告を決定する(ステップS103)。
【0245】
次に、
図14について説明する。例えば、
図14は、情報処理装置100が行う提供情報を決定の例を示す。
図14では、情報処理装置100は、一の要求元により指定されたコンバージョンに至る可能性の度合いを示す指定情報を取得する(ステップS201)。情報処理装置100は、ユーザの興味関心に関する興味関心情報を入力として、入力された興味関心情報に対応するユーザがコンバージョンに至る可能性の度合いを示すスコアを出力する学習モデルを取得する(ステップS202)。そして、情報処理装置100は、指定情報と、学習モデルにより生成される情報とを用いて、一の要求元に提供する情報である提供情報を決定する(ステップS203)。
【0246】
次に、
図15について説明する。例えば、
図15は、情報処理装置100が行うユーザへの広告の提供態様の決定の例を示す。
図15では、情報処理装置100は、ユーザの興味関心に関する興味関心情報を入力として、入力された興味関心情報に対応するユーザがコンバージョンに至る可能性の度合いを示すスコアを出力する学習モデルを取得する(ステップS301)。情報処理装置100は、関する第1興味関心情報と、第1時点よりも後の時点である第2時点における対象ユーザの興味関心に関する第2興味関心情報とを取得する(ステップS302)。そして、情報処理装置100は、対象ユーザの第1興味関心情報を学習モデルに入力することにより、学習モデルが出力した第1スコアと、対象ユーザの第2興味関心情報を学習モデルに入力することにより、学習モデルが出力した第2スコアとを用いて、対象ユーザへの広告の提供態様を決定する(ステップS303)。
【0247】
次に、
図16について説明する。例えば、
図16は、情報処理装置100が行う興味関心の変化の態様の決定の例を示す。
図16では、情報処理装置100は、ユーザの興味関心に関する興味関心情報を入力として、入力された興味関心情報に対応するユーザがコンバージョンに至る可能性の度合いを示すスコアを出力する学習モデルを取得する(ステップS401)。情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心に関する興味関心情を取得する(ステップS402)。そして、情報処理装置100は、学習モデルにより生成される情報を用いて、興味関心の変化の態様を決定する(ステップS403)。
【0248】
次に、
図17について説明する。例えば、
図17は、情報処理装置100が行うユーザの興味関心を推定する学習モデルの学習の例を示す。
図17では、情報処理装置100は、広告の提供前のユーザの興味関心に関する第1興味関心情報を取得する(ステップS501)。情報処理装置100は、広告の提供後のユーザの興味関心に関する第2興味関心情報を取得する(ステップS502)。そして、情報処理装置100は、第1興味関心情報と第2興味関心情報とを用いて、広告の提供によるユーザの興味関心を推定する学習モデルである推定モデルを学習する(ステップS503)。
【0249】
〔4.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、取得部131と、学習部132とを有する。取得部131は、広告の提供前のユーザの興味関心に関する第1興味関心情報と、広告の提供後のユーザの興味関心に関する第2興味関心情報とを取得する。学習部132は、第1興味関心情報と第2興味関心情報とを用いて、広告の提供によるユーザの興味関心の変化を推定する学習モデルである推定モデル(実施形態ではモデルM2等)を学習する。
【0250】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、広告の提供前のユーザの興味関心に関する第1興味関心情報と、広告の提供後のユーザの興味関心に関する第2興味関心情報とを用いて、広告の提供によるユーザの興味関心の変化を推定する学習モデルである推定モデルを学習する。これにより、情報処理装置100は、推定モデルを用いることでユーザの興味関心の変化を推定可能にすることができる。
【0251】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部131は、広告の提供前のユーザの興味関心を基に生成された第1興味関心ベクトルである第1興味関心情報と、広告の提供後のユーザの興味関心に関する第2興味関心ベクトルである第2興味関心情報とを取得する。学習部132は、第1興味関心ベクトルである第1興味関心情報と、第2興味関心ベクトルである第2興味関心情報とを用いて、推定モデルを学習する。
【0252】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザの興味関心を基に生成された興味関心ベクトルを用いて、推定モデルを学習することにより、ユーザの興味関心の変化を推定可能にすることができる。
【0253】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、学習部132は、第1興味関心情報と、広告に関する広告情報が入力された場合に、第2興味関心情報を出力するように推定モデルを学習することにより、推定モデルを学習する。
【0254】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、第1興味関心情報と、広告に関する広告情報が入力された場合に、第2興味関心情報を出力するように推定モデルを学習することにより、適切に推定モデルを学習することができ、ユーザの興味関心の変化を推定可能にすることができる。
【0255】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部131は、第1時点におけるユーザの興味関心に関する第3興味関心情報と、第1時点から当該ユーザに広告を提供せずに所定期間が経過した後の時点である第2時点におけるユーザの興味関心に関する第4興味関心情報とを取得する。学習部132は、第3興味関心情報と第4興味関心情報とを用いて、推定モデルを学習する。
【0256】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、第1時点におけるユーザの興味関心に関する第3興味関心情報と、第1時点から当該ユーザに広告を提供せずに所定期間が経過した後の時点である第2時点におけるユーザの興味関心に関する第4興味関心情報とを用いて推定モデルを学習することにより、広告を提供しない場合も加味した推定モデルを学習することができ、ユーザの興味関心の変化を推定可能にすることができる。
【0257】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部131は、第1時点におけるユーザの興味関心を基に生成された第3興味関心ベクトルである第3興味関心情報と、第2時点におけるユーザの興味関心に関する第4興味関心ベクトルである第4興味関心情報とを取得する。学習部132は、第3興味関心ベクトルである第3興味関心情報と、第4興味関心ベクトルである第4興味関心情報とを用いて、推定モデルを学習する。
【0258】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザの興味関心を基に生成された興味関心ベクトルを用いて、推定モデルを学習することにより、ユーザの興味関心の変化を推定可能にすることができる。
【0259】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、学習部132は、第3興味関心情報と、広告が提供されていないことを示す情報が入力された場合に、第4興味関心情報を出力するように推定モデルを学習することにより、推定モデルを学習する。
【0260】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、第3興味関心情報と、広告が提供されていないことを示す情報が入力された場合に、第4興味関心情報を出力するように推定モデルを学習することにより、推定モデルを学習することにより、適切に推定モデルを学習することができ、ユーザの興味関心の変化を推定可能にすることができる。
【0261】
また、実施形態に係る情報処理装置100は、推定部133を有する。推定部133は、学習部132により学習された推定モデルを用いて、対象広告の効果を推定する。
【0262】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、推定モデルを用いて、対象広告の効果を推定することにより、対象広告がユーザの興味関心にどのような変化を与えるかを推定することができる。これにより、情報処理装置100は、ユーザの興味関心の変化を推定可能にすることができる。
【0263】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部131は、対象広告に関する広告情報を取得する。推定部133は、対象広告の広告情報を用いて、対象広告の効果を推定する。
【0264】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、対象広告の広告情報を用いて、対象広告の効果を推定することにより、対象広告がユーザの興味関心にどのような変化を与えるかを推定することができる。これにより、情報処理装置100は、ユーザの興味関心の変化を推定可能にすることができる。
【0265】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部131は、対象ユーザの興味関心に関する興味関心情報を取得する。推定部133は、対象ユーザの興味関心情報を用いて、対象ユーザに対する対象広告の効果を推定する。
【0266】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、対象ユーザの興味関心情報を用いて、対象ユーザに対する対象広告の効果を推定することにより、対象広告がユーザの興味関心にどのような変化を与えるかを推定することができる。これにより、情報処理装置100は、ユーザの興味関心の変化を推定可能にすることができる。
【0267】
また、実施形態に係る情報処理装置100は、決定部134を有する。決定部134は、推定部133により推定された対象ユーザに対する対象広告の効果に基づいて、対象ユーザへの対象広告の提供態様を決定する。
【0268】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、対象ユーザに対する対象広告の効果に基づいて、対象ユーザへの対象広告の提供態様を決定することにより、ユーザに対する対象広告の効果に応じて適切な広告を提供することを可能にする。これにより、情報処理装置100は、ユーザの興味関心に応じた適切なサービスを提供可能にすることができる。
【0269】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、決定部134は、対象ユーザに対する対象広告の効果があると推定された場合、対象ユーザへ対象広告を提供すると決定する。
【0270】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、対象ユーザに対する対象広告の効果があると推定された場合、対象ユーザへ対象広告を提供すると決定することにより、ユーザに対する対象広告の効果に応じて適切な広告を提供することを可能にする。これにより、情報処理装置100は、ユーザの興味関心に応じた適切なサービスを提供可能にすることができる。
【0271】
また、実施形態に係る情報処理装置100は、提供部135を有する。提供部135は、決定部134により対象ユーザへ対象広告を提供すると決定された場合、対象ユーザへ対象広告を提供する。
【0272】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、対象広告をユーザに提供することにより、適切な情報提供サービスを行うことができる。
【0273】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、提供部135は、対象広告を対象ユーザが利用する端末装置(実施形態ではユーザ端末10)へ送信する。
【0274】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、対象広告をユーザに提供することにより、適切な広告提供サービスを行うことができる。
【0275】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、決定部134は、対象ユーザに対する対象広告の効果がないと推定された場合、対象ユーザへ対象広告を提供しないと決定する。
【0276】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、対象ユーザに対する対象広告の効果がないと推定された場合、対象ユーザへ対象広告を提供しないと決定することにより、ユーザに対する対象広告の効果に応じて適切な広告を提供することを可能にする。これにより、情報処理装置100は、ユーザの興味関心に応じた適切なサービスを提供可能にすることができる。
【0277】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、学習部132は、ユーザ突合を属性が共通するユーザーグループであるコホート単位に基づいて生成された学習データを用いて推定モデルを学習する。
【0278】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザ突合を属性が共通するユーザーグループであるコホート単位で行うことにより、プライバシーセーフに突合してモデルを生成することができる。これにより、情報処理装置100は、プライバシーセーフな学習モデルを用いてユーザの興味関心に応じた適切なサービスを提供可能にすることができる。
【0279】
〔5.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば
図18に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図18は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0280】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0281】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0282】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0283】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0284】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0285】
以上、本願の実施形態及び変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0286】
〔6.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0287】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0288】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0289】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0290】
1 情報処理システム
100 情報処理装置
121 第1データ記憶部
122 第2データ記憶部
123 興味関心ベクトル情報記憶部
124 ホット度情報記憶部
125 モデル情報記憶部
126 閾値情報記憶部
127 広告情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 学習部
133 推定部
134 決定部
135 提供部
10 ユーザ端末
20 広告主装置
30 事業者装置
N ネットワーク