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特開2023-94265情報処理装置、端末、情報処理方法、警報方法及び警報システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094265
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、端末、情報処理方法、警報方法及び警報システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20230628BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20230628BHJP
   E01H 5/00 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
G08G1/09 P
G08G1/16 A
E01H5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209645
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 靖久
(72)【発明者】
【氏名】柴田 純
(72)【発明者】
【氏名】吉野 一幸
(72)【発明者】
【氏名】堀池 直登
(72)【発明者】
【氏名】河合 慶士
(72)【発明者】
【氏名】白崎 良昌
(72)【発明者】
【氏名】角淵 敦基
(72)【発明者】
【氏名】下条 則之
(72)【発明者】
【氏名】須藤 浩章
(72)【発明者】
【氏名】小坂 和裕
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA07
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC12
5H181EE13
5H181FF05
5H181FF07
5H181FF13
5H181FF25
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181MB01
(57)【要約】
【課題】作業経験が少ない人でも適切に作業を行うことができるように警報を行うこと。
【解決手段】本開示の一実施例に係る情報処理装置は、複数の移動体のそれぞれが、略平行な複数の走行ルートそれぞれを走行するシステムにおける情報処理装置であって、前記移動体に搭載されている端末の位置に基づいて、互いに隣接する走行ルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離が特定の距離範囲内であるか否かを判定し、前記距離が前記特定の距離範囲外であると判定した場合、警報を発出させるための警報発出信号を生成する処理部と、前記警報発出信号を前記移動体の走行を管理する管理端末に送信する通信部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体のそれぞれが、略平行な複数の走行ルートそれぞれを走行するシステムにおける情報処理装置であって、
前記移動体に搭載されている端末の位置に基づいて、互いに隣接する走行ルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離が特定の距離範囲内であるか否かを判定し、前記距離が前記特定の距離範囲外であると判定した場合、警報を発出させるための警報発出信号を生成する処理部と、
前記警報発出信号を前記移動体の走行を管理する管理端末に送信する通信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記互いに隣接するルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離は、前記移動体のそれぞれに搭載されている端末の位置を前記走行ルートに射影した点間の距離である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記互いに隣接するルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離が前記特定の距離範囲内になった場合、前記処理部は、前記警報の発出を前記管理端末に解除させるための警報発出解除信号を生成し、
前記通信部は、前記警報発出解除信号を前記管理端末に送信する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数の移動体のそれぞれは、隣接するルートを走行する他の移動体を追い越すことが禁止されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数の走行ルートは、所定の異物除去エリアに配置されており、
前記複数の移動体のそれぞれは、走行する方向に存在する異物を、後方を走行する移動体ほど、前記異物除去エリアの外側に誘導する形状を備える、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部が、前記移動体が前記異物除去エリア内に存在すると判定した後、前記移動体の移動に応じて、前記移動体が前記異物除去エリア外に存在すると判定した場合、前記処理部は、前記警報の発出を前記管理端末に解除させるための警報発出解除信号を生成し、
前記通信部は、前記警報発出解除信号を前記管理端末に送信する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、更に、前記移動体に搭載されている端末の位置と、前記移動体に割り当てられた走行ルートとの最短距離が閾値以上になった場合、前記警報発出信号を生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記最短距離が前記閾値未満になった場合、
前記処理部は、前記警報の発出を前記管理端末に解除させるための警報発出解除信号を生成し、
前記通信部は、前記警報発出解除信号を前記管理端末に送信する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記処理部は、前記複数の移動体にそれぞれ搭載されている前記端末と、前記複数の走行ルートのうちの少なくとも1つの走行ルートとの間の距離に基づいて、前記複数の移動体の各々が走行する走行ルートを決定する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記通信部は、前記端末から、RTK(Real Time Kinematic)演算に基づいて決定された前記端末の位置を受信する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記処理部は、RTK演算に基づいて前記端末の位置を決定する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
複数の移動体のそれぞれが、略平行な複数の走行ルートそれぞれを走行するシステムにおける移動体に搭載されている端末であって、
前記端末の位置を決定する処理部と、
前記端末の位置と、前記端末が搭載されている移動体が走行する走行ルートに隣接する走行ルートを走行する他の移動体に搭載されている他の端末の位置との間の距離が特定の距離範囲外である場合に警報を発出する警報部と、
を備える端末。
【請求項13】
前記端末は、前記端末の位置を情報処理装置に送信し、前記情報処理装置が、前記端末の位置と前記他の端末の位置との間の距離が前記特定の距離範囲外であると判定した場合に前記警報を発出させるための警報発出信号を前記情報処理装置から受信する通信部を更に備え、
前記警報部は、前記警報発出信号に従って警報を発出する、
請求項12に記載の端末。
【請求項14】
複数の移動体のそれぞれが、略平行な複数の走行ルートそれぞれを走行するシステムにおける情報処理装置が、
前記移動体に搭載されている端末の位置に基づいて、互いに隣接する走行ルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離が特定の距離範囲内であるか否かを判定し、
前記距離が前記特定の距離範囲外であると判定した場合、警報を発出させるための警報発出信号を生成し、
前記警報発出信号を前記移動体の走行を管理する管理端末に送信する、
情報処理方法。
【請求項15】
複数の移動体のそれぞれが、略平行な複数の走行ルートそれぞれを走行するシステムにおける移動体に搭載されている端末が、
前記端末の位置を決定し、
前記端末の位置と、前記端末が搭載されている移動体が走行する走行ルートに隣接する走行ルートを走行する他の移動体に搭載されている他の端末の位置との間の距離が特定の距離範囲外である場合に警報を発出する、
警報方法。
【請求項16】
第1移動体に搭載されている第1端末と、前記第1移動体が走行する走行ルートと略平行かつ隣接する走行ルートを走行する第2移動体に搭載されている第2端末と、前記第1移動体及び前記第2移動体の走行を管理する管理端末とを有する警報システムであって、
前記警報システムは、
前記第1端末と前記第2端末との位置に基づいて、前記第1端末と前記第2端末との間の距離が特定の距離範囲内であるか否かを判定し、
前記距離が前記特定の距離範囲外であると判定した場合、警報を発出させるための警報発出信号を生成し、
前記警報発出信号を前記管理端末に送信し、
前記管理端末は、前記警報発出信号に従って警報を発出する、
警報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、端末、情報処理方法、警報方法及び警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
雪等の異物を除去するシステムにおいて、実際の作業経路、作業距離、作業時間といったものを管理することで作業量管理を行う除雪作業管理システムが知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、複数の除雪作業機械と、除雪作業機械から送られた除雪情報を管理する管理サーバと、を有する除雪作業管理システムが記載されている。除雪作業機械は、現在位置及び除雪作業状態を検出し、検出した位置情報及び除雪作業状態の情報から除雪作業情報を作成し、作成した除雪作業情報を管理サーバに送信する。管理サーバは、除雪作業機械から送信された除雪作業情報から除雪作業進捗情報を作成する。これにより、除雪作業管理システムは、リアルタイムの除雪管理を行う。
【0004】
近年、空港等の広い場所での除雪作業では、運航に支障をきたさないように、複数の除雪車両が隊列を組むことによって、迅速かつ除雪漏れがないように除雪を行っている。除雪作業員は、隊列間隔を維持するように除雪車両を運転することで、迅速かつ除雪漏れのない除雪を実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-36477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、隊列間隔を維持するように除雪車両等を運転するには経験を要する。
【0007】
本開示の非限定的な実施例は、作業経験が少ない作業員でも適切に作業を行うことができるように警報を行うことができる情報処理装置、端末、情報処理方法、警報方法及び警報システムの提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施例に係る情報処理装置は、複数の移動体のそれぞれが、略平行な複数の走行ルートそれぞれを走行するシステムにおける情報処理装置であって、前記移動体に搭載されている端末の位置に基づいて、互いに隣接する走行ルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離が特定の距離範囲内であるか否かを判定し、前記距離が前記特定の距離範囲外であると判定した場合、警報を発出させるための警報発出信号を生成する処理部と、前記警報発出信号を前記移動体の走行を管理する管理端末に送信する通信部と、を備える。
【0009】
本開示の一実施例に係る端末は、複数の移動体のそれぞれが、略平行な複数の走行ルートそれぞれを走行するシステムにおける移動体に搭載されている端末であって、前記端末の位置を決定する処理部と、前記端末の位置と、前記端末が搭載されている移動体が走行する走行ルートに隣接する走行ルートを走行する他の移動体に搭載されている他の端末の位置との間の距離が特定の距離範囲外である場合に警報を発出する警報部と、を備える。
【0010】
本開示の一実施例に係る情報処理方法は、複数の移動体のそれぞれが、略平行な複数の走行ルートそれぞれを走行するシステムにおける情報処理装置が、前記移動体に搭載されている端末の位置に基づいて、互いに隣接する走行ルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離が特定の距離範囲内であるか否かを判定し、前記距離が前記特定の距離範囲外であると判定した場合、警報を発出させるための警報発出信号を生成し、前記警報発出信号を前記移動体の走行を管理する管理端末に送信する。
【0011】
本開示の一実施例に係る警報方法は、複数の移動体のそれぞれが、略平行な複数の走行ルートそれぞれを走行するシステムにおける移動体に搭載されている端末が、前記端末の位置を決定し、前記端末の位置と、前記端末が搭載されている移動体が走行する走行ルートに隣接する走行ルートを走行する他の移動体に搭載されている他の端末の位置との間の距離が特定の距離範囲外である場合に警報を発出する。
【0012】
本開示の一実施例に係る警報システムは、第1移動体に搭載されている第1端末と、前記第1移動体が走行する走行ルートと略平行かつ隣接する走行ルートを走行する第2移動体に搭載されている第2端末と、前記第1移動体及び前記第2移動体の走行を管理する管理端末とを有する警報システムであって、前記警報システムは、前記第1端末と前記第2端末との位置に基づいて、前記第1端末と前記第2端末との間の距離が特定の距離範囲内であるか否かを判定し、前記距離が前記所定の範囲外であると判定した場合、警報を発出させるための警報発出信号を生成し、前記警報発出信号を前記管理端末に送信し、前記管理端末は、前記警報発出信号に従って警報を発出する。
【0013】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本開示の一実施例によれば、移動体に搭載されている端末の位置に基づいて、互いに隣接する走行ルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離が特定の距離範囲内であるか否かが判定される。距離が特定の距離範囲外である場合(例えば、距離が近すぎる又は遠すぎる場合)、管理端末に警報を発出させるための警報発出信号が生成され、警報発出信号が管理端末に送信される、あるいは、端末は、警報を発出する。これにより、移動体同士の衝突を避けることでき、あるいは、移動体が遠ざかって作業全体の遅延を招くのを回避することで作業の効率化を図ることができ、作業経験が少ない作業員でも適切に作業を行うことができるように警報を行うことができる。
【0015】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の実施の形態1に係る警報システムの一例を示す図
図2】実施の形態1に係る測位端末の構成の一例を示す図
図3】実施の形態1に係る上位サーバの構成の一例を示す図
図4】実施の形態1に係る測位端末の動作の一例を示す図
図5】実施の形態1に係る上位サーバの動作の一例を示す図
図6A】実施の形態1に係る上位サーバの動作の一例を示す図
図6B】実施の形態1に係る上位サーバの動作の一例を示す図
図7】本開示の実施の形態2に係る警報システムの一例を示す図
図8】実施の形態2に係る測位端末の構成の一例を示す図
図9】実施の形態2に係る上位サーバの構成の一例を示す図
図10】実施の形態2に係る測位端末の動作の一例を示す図
図11A】実施の形態2に係る上位サーバの動作の一例を示す図
図11B】実施の形態2に係る上位サーバの動作の一例を示す図
図12】本開示の実施の形態に係る、除雪対象エリア、除雪車両の順番(前後関係)及び除雪車両それぞれの走行ルートの例を示す図
図13】本開示の実施の形態3に係る、除雪車両の順番(前後関係)及び走行ルートの決定の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0018】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1に係る警報システム1の一例を示す図である。警報システム1が利用されるシナリオとして、一例では、空港等の広い場所での除雪作業において、V字状の隊列を組んで除雪を行う除雪車両を運転する作業員を支援するための警報(通知)を行うことが挙げられる。以下では、除雪作業を行う対象のエリアを除雪対象エリア(ジオフェンスの一例)と呼び、このようなシナリオを例にとって説明する。除雪対象エリアは、本開示に係る異物除去エリアの一例である。
【0020】
図1に示すように、警報システム1は、複数の測位端末10と、上位サーバ20と、基準局データ配信サーバ30と、モニタデバイス40と、複数の除雪車両50と、を有する。警報システム1は、情報処理システム、通知システム、警報システム等と称されてもよい。
【0021】
各測位端末10は、例えば、測位用の専用端末、測位機能を有するパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の無線端末として、各除雪車両50に搭載されて各除雪車両50(及び必要に応じて運転する各作業員)に対応付けられてよい。測位端末10は、通知装置、警報装置等と称されてもよい。測位端末10は、本開示に係る第1端末、第2端末、端末、別の(他の)端末又は情報処理装置(後述する代表測位端末10に相当)の一例である。
【0022】
測位端末10は、例えばLTE(Long Term Evolution)、5G、Beyond5G、6G、WiFi(登録商標)、WiGig(登録商標)、WiMAX(登録商標)等の通信方式により移動通信網を含むネットワークにアクセスし、ネットワークを介して上位サーバ20及び基準局データ配信サーバ30に接続してよい。
【0023】
測位端末10は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星(図示せず)から送信された電波(「衛星信号」又は「測位信号」と称されてもよい)を受信し、受信した衛星信号を用いて測位端末10の測位データ(「測位端末測位データ」又は「測位端末データ」と称されてもよい)を生成する。測位端末10は、基準局データ配信サーバ30から、RTK(Real Time Kinematic)演算を行って測位端末10の位置を測定する(測位端末10を測位する)ための補正データを受信する。
【0024】
測位端末10は、測位端末測位データ及び補正データを用いてRTK演算を行って、測位端末10の位置を(場合によっては速度及び加速度も)測定する。なお、位置は、(地球上の)座標と称されてもよい。座標は、例えば、緯度、経度及び高度の三次元座標であってもよいし、緯度、経度及び高度のうちの2つ(例えば、緯度及び経度)によって表される二次元座標であってもよい。以下では、座標は、緯度及び経度によって表される二次元座標であるとして説明する。「位置を測定する」との表現は、「位置(又は座標)を決定する」、「位置(又は座標)を求める」、「位置(又は座標)を推定する」、「位置(又は座標)を検出する」、「位置(又は座標)を算出する」、「位置(又は座標)を計算する」又は「位置(又は座標)を導出する」との表現に読み替えられてもよい。なお、RTK演算を用いた測位の詳細については後述する。このようにRTK演算を用いることにより、高精度の位置情報等を得ることができる。
【0025】
測位端末10は、測位した測位結果を上位サーバ20に送信する。測位端末10は、上位サーバ20から、測位端末10が、所定の条件を満たした場合に(「警報イベント」が発生した場合に)警報を発出するための警報発出命令を受信する。また、測位端末10は、上位サーバ20から、測位端末10が、所定の条件を満たした場合に(「警報解除イベント」が発生した場合に)警報の発出を解除するための警報発出解除命令を受信する。なお、警報発出命令は、(除雪車両50の位置修正を促す)警報を測位端末10に発出させるための(警報発出)信号と表現されてもよい。警報発出解除命令は、警報の発出を測位端末10に解除させるための(警報発出解除)信号と表現されてもよい。あるいは、警報発出解除命令は、測位端末10が走行ルートから特定の距離(閾値)以上外れたことから特定の距離(閾値)内に戻ったことを示す(警報発出解除)信号と表現されてもよい。あるいは、警報発出解除命令は、測位端末10の位置と別の測位端末10の位置との距離が特定の距離範囲内に戻ったことを示す(警報発出解除)信号と表現されてもよい。あるいは、警報発出解除命令は、除雪作業が終了したとみなされることを示す(警報発出解除)信号と表現されてもよい。警報イベント及び警報解除イベントの例については後述する。
【0026】
測位端末10は、警報発出命令に従って、例えば測位端末10に対応付けられている除雪車両50を運転している作業員に対して、警報を発出する。また、測位端末10は、警報発出解除命令に従って、警報の発出を解除する。
【0027】
測位端末10は、警報発出命令とともに、あるいは、警報発出命令とは別個に、除雪車両50が、走行ルート又はその許容距離内で、かつ、前方除雪車両50との許容距離範囲内で、自動で走行するように、車両操作命令(速度命令、加速度命令、ハンドル操作命令等)を、上位サーバ20から受信してもよい。そして、測位端末10は、受信した車両操作命令を除雪車両50(の車両制御システム(車両駆動系等))に送信してもよい。なお、車両操作命令は、車両操作信号と称されてもよい。
【0028】
上位サーバ20は、例えば1つ以上のサーバコンピュータで構成されてよい。上位サーバ20は、クラウドサーバと称されてもよい。上位サーバ20は、本開示に係る情報処理装置の一例である。
【0029】
上位サーバ20は、除雪対象エリア(例えば滑走路又はその一部)を事前に設定する。上位サーバ20はまた、上述した除雪車両50が走行する走行ルート、除雪車両50が走行ルートから外れてもよい許容距離、及び、除雪車両50と前方除雪車両50との許容距離範囲を事前に設定する。本実施の形態では、除雪対象エリアは、矩形の形状であってよく、走行ルートは、直線分であってよく、複数の除雪車両50がそれぞれ走行する複数の走行ルートは、平行又は略平行であってよい。しかしながら、除雪対象エリアの形状及び走行ルートはそれぞれ、矩形及び直線分に限定されるものではない。
【0030】
上位サーバ20は、測位端末10から送信された測位結果を受信する。上位サーバ20は、設定した除雪対象エリア、走行ルート、許容距離及び許容距離範囲、受信した測位結果等に基づいて、測位端末10に警報を発出させるべきか否か及び測位端末10に警報の発出を解除させるべきか否かを判定する(換言すれば、警報イベント及び警報解除イベントを検知する)。上位サーバ20は、警報イベントを検知した場合、警報イベントが発生したことを、除雪車両50を運転している作業員に警報するための警報発出命令を生成して当該測位端末10に送信する。また、上位サーバ20は、警報解除イベントを検知した場合、警報解除イベントが発生したことを、除雪車両50を運転している作業員に警報するための警報発出解除命令を生成して当該測位端末10に送信する。また、上位サーバ20は、警報発出命令とともに、あるいは、警報発出命令とは別個に、除雪車両50が、走行ルート又はその許容距離内で、かつ、前方除雪車両50との許容距離範囲内で、自動で走行するように、車両操作命令(速度命令、加速度命令、ハンドル操作命令等)を、測位端末10を介して除雪車両50(の車両制御システム(車両駆動系等))に送信してもよい。
【0031】
上位サーバ20は、例えばテーブル形式又はリスト形式で測位端末10の識別情報を除雪車両50の識別情報に対応付けて、上位サーバ20が備える記憶装置に記憶することにより、複数の測位端末10を管理してよい。
【0032】
上位サーバ20は、設定した除雪対象エリア、走行ルート、許容距離及び許容距離範囲、受信した測位結果、並びに、警報発出命令を送信する対象の測位端末10及び他の測位端末10といった情報を表示するように、これらの情報をモニタデバイス40に送信する。
【0033】
基準局データ配信サーバ30は、RTK演算を行って測位端末10を測位するための補正データを測位端末10に送信する。なお、補正データは、基準局(図示せず)によって生成されて基準局データ配信サーバ30に送信されてよい。基準局は、GNSS衛星から送信された衛星信号に基づいて基準局の測位データ(「補正データ」、「基準局測位データ」又は「基準局データ」と称されてもよい)を生成してよい。基準局は、生成した補正データを基準局データ配信サーバ30に周期的に(例えば、秒オーダー以下の送信周期で)送信してよい。
【0034】
モニタデバイス40は、上位サーバ20から、設定した除雪対象エリア、走行ルート、許容距離及び許容距離範囲、受信した測位結果、並びに、警報発出命令を送信する対象の測位端末10及び他の測位端末10といった情報を受信する。モニタデバイス40は、これらの情報をモニタデバイス40が有するディスプレイに表示する。モニタデバイス40は、上位サーバ20に含まれてもよいし、作業管理者等のユーザのコンピュータに含まれてもよいし、除雪車両50に搭載されてもよい。
【0035】
除雪車両50は、作業員によって運転及び操作される。上述したように、除雪車両50には、測位端末10が搭載されている。除雪車両50は作業員が乗車するものに限られず、遠隔から運転及び操作されてもよい。また、除雪車両50は、自動運転に対応していてもよい。例えば、除雪車両50は、上位サーバ20から測位端末10を介して受信した車両操作命令(速度命令、加速度命令、ハンドル操作命令等)に従って、自動で走行してもよい。除雪車両50は、本開示に係る移動体、別の(他の)移動体、第1移動体又は第2移動体の一例である。また、除雪車両50のうち一部のみ作業員が運転及び操作し、他の除雪車両50は自動運転によって運転されてもよい。この場合、除雪車両50のうち、先頭の除雪車両50のみ作業員が運転及び操作し、他の除雪車両50を先頭の除雪車両50に連動させて自動運転することで、他の除雪車両50に、先頭の除雪車両50の走行ルートを基準にした走行ルートを走行させてもよい。
【0036】
<測位端末の構成>
図2は、実施の形態1に係る測位端末10の構成の一例を示すブロック図である。図2に示す測位端末10は、除雪車両50に搭載されてよい。図2に示すように、測位端末10は、プロセッサ101と、記憶部102と、警報部103と、GNSS受信装置104と、通信部105と、出力部106と、バス107と、を備える。
【0037】
プロセッサ101は、中央処理装置(CPU)等の処理装置によって実現されてよい。プロセッサ101は、測位端末10の動作全般(例えば、測位端末10の他の要素)を制御する。プロセッサ101は、処理部、制御部、演算部、コントローラ等と称されてもよい。
【0038】
プロセッサ101は、GNSS衛星からの衛星信号を用いて測位端末測位データを生成する。なお、測位端末測位データは、GNSS受信装置104によって生成されてプロセッサ101に出力されてもよい。
【0039】
プロセッサ101は、測位端末測位データと、基準局データ配信サーバ30からの補正データと、を用いてRTK演算を行って、測位端末10の位置、速度、加速度及び進行方向を測定(決定)する。なお、測位端末10が速度センサ及び加速度センサを備えている場合には、測位端末10の速度及び加速度はそれぞれ、速度センサ及び加速度センサによって測定されてもよく、プロセッサ101は、速度センサ及び加速度センサから速度及び加速度をそれぞれ取得し、測位端末10の速度及び加速度を決定してもよい。また、これらの測定は、GNSS衛星から衛星信号が受信されたタイミングで行われてもよいし、例えば0.2秒おき、0.5秒おき、1秒おき等、所定の周期で行われてもよい。プロセッサ101は、測位した測位結果を記憶部102に出力する(すなわち記憶させる)。なお、本開示において、測位端末10に関する測位結果には、測位端末10の位置(緯度及び経度)、速度及び進行方向が含まれる。
【0040】
プロセッサ101は、測定が行われるたびに、通信部105を介して、測位した測位結果を上位サーバ20に送信する。プロセッサ101は、上位サーバ20から、通信部105を介して、警報発出命令、警報発出解除命令及び車両操作命令を受信する。
【0041】
プロセッサ101は、上位サーバ20から警報発出命令を受信すると、警報発出命令に応じた警報を発出するように、警報部103を制御する。また、プロセッサ101は、上位サーバ20から警報発出解除命令を受信すると、警報発出解除命令に従って警報の発出を解除するように、警報部103を制御する。また、プロセッサ101は、上位サーバ20から車両操作命令を受信すると、車両操作命令を除雪車両50に送信する。なお、車両操作命令は、プロセッサ101を介さずに除雪車両50に送信されてもよい。
【0042】
記憶部102は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のうちの1つ以上であってよい。記憶部102は、他の要素から様々な情報を取得し、一時的又は永続的にその情報を保持する。記憶部102は、いわゆる一次記憶装置及び二次記憶装置の総称である。記憶部102は、物理的に複数配置されてもよい。
【0043】
記憶部102は、例えば、測位端末10を動作させるためにプロセッサ101によって実行されるプログラム、測位端末10が動作するのに必要なデータ、プロセッサ101によって生成されたデータ、GNSS衛星から送信された衛星信号、測位端末測位データ、基準局データ配信サーバ30から送信された補正データ、プロセッサ101による測位結果、上位サーバ20から送信された警報発出命令、警報発出解除命令、車両操作命令等を記憶する。
【0044】
警報部103は、警報イベントの発生に応じて警報を行う。例えば、警報部103は、ブザーを鳴動させること、測位端末10を振動させること、出力部106を介して警報音を出力すること、又は、これらの任意の組み合わせによって、警報を発出してよい。警報部103は、警報イベントの種類に応じて、警報方法(例えば、音量、音声パターン等)を変えてもよい。また、警報部103は、警報解除イベントの発生に応じて警報を解除し、必要に応じて、警報の発出が解除されることを示す音や音声等を、出力部106を介して出力してもよい。
【0045】
GNSS受信装置104は、GNSS衛星から送信された衛星信号を受信する。GNSS受信装置104は、受信した衛星信号を用いて測位端末10の測位端末測位データを生成してもよい。GNSS受信装置104は、衛星信号をプロセッサ101及び記憶部102に出力する。GNSS受信装置104は、測位端末測位データを生成した場合には、測位端末測位データをプロセッサ101及び記憶部102に出力する。
【0046】
通信部105は、一例として、セルラー通信網等の通信網と通信可能な通信インタフェースを用いて構成されてよい。通信部105は、通信路を介して外部機器と通信を行う。通信部105が通信する対象(通信対象)の機器には、例えば、上位サーバ20及び基準局データ配信サーバ30が含まれる。
【0047】
通信部105は、基準局データ配信サーバ30から送信された補正データを受信する。通信部105は、上位サーバ20から送信された警報発出命令、警報発出解除命令及び車両操作命令を受信する。通信部105は、受信した補正データ、警報発出命令、警報発出解除命令及び車両操作命令をプロセッサ101及び記憶部102に出力する。警報発出解除命令には、警報の発出が解除されることを示す音や音声等が含まれてもよいし、警報発出解除命令とは別個に、警報の発出が解除されることを示す音や音声等を含む信号が、上位サーバ20から送信され、通信部105によって受信されてもよい。警報発出解除命令又は上記信号を受信した測位端末10は、当該の音や音声を出力してもよい。通信部105は、測位された測位結果を上位サーバ20に送信する。通信部105は、車両操作命令を除雪車両50に送信する。
【0048】
出力部106は、一例として、ディスプレイ等の出力インタフェースを用いて構成されてよい。追加的又は代替的に、出力部106は、音、振動等のための出力インタフェースを用いて構成されてもよい。出力部106は、情報を外部に提示又は提供する。出力部106が提示又は提供する情報には、プロセッサ101による測位結果等が含まれる。
【0049】
プロセッサ101、記憶部102、警報部103、GNSS受信装置104、通信部105及び出力部106は、互いに通信可能であるように、バス107を介して互いに接続されている。
【0050】
なお、上記の測位端末10の構成は一例である。測位端末10の構成要素の一部は、統合されてもよい。また、測位端末10の構成要素の一部は、複数の要素に分割されてもよい。また、測位端末10の構成要素の一部は、省かれてもよい。また、測位端末10に他の要素が付加されてもよい。例えば、タッチディスプレイ、キーボード、マウス等であってよい入力部が測位端末10に付加されてもよい。
【0051】
[測位データ]
次に、測位データについて説明する。測位データには、例示的に、擬似距離情報、搬送波位相情報及びドップラー周波数情報が含まれる。
【0052】
擬似距離情報とは、衛星と受信機(例えば、基準局又は測位端末10)との間の距離に関する情報である。受信機は、測位信号を解析することにより衛星との距離を算出することができる。例えば、受信機は、以下の情報に基づいて測位信号の到達時間を求める。
【0053】
(1)測位信号が搬送したコードのパターンと当該受信機が生成したコードのパターン(レプリカ)との相違
(2)衛星の信号生成時刻及び受信機の信号受信時刻
なお、衛星の信号生成時刻は、測位信号のメッセージ(NAVDATA)に含まれる。
【0054】
受信機は、測位信号の到達時間に光速を乗ずることにより、衛星と受信機との間の擬似距離を求める。擬似距離には、衛星のクロックと受信機のクロックとの相違等に起因する誤差が含まれる。誤差の軽減のために、4機以上の衛星に対して擬似距離情報が生成される。
【0055】
搬送波位相情報とは、受信機が受信した測位信号の位相である。測位信号は、所定の正弦波である。受信機は、受信した測位信号を解析することにより、測位信号の位相を算出することができる。
【0056】
ドップラー周波数情報とは、衛星と受信機との相対的な速度に関する情報である。受信機は、測位信号を解析することにより、ドップラー周波数情報を生成することができる。
【0057】
[RTK演算]
次に、RTK演算について説明する。RTK演算は、干渉測位の一つであるRTK法を実行する演算である。
【0058】
RTK法とは、衛星が送信する測位信号の搬送波位相積算値を用いて所定の地点の測位を行う測位法である。搬送波位相積算値は、衛星から所定の地点までの(1)測位信号の波の数と(2)位相との和によって表される。
【0059】
搬送波位相積算値が求まれば、測位信号の周波数(及び波長)が既知であるため、衛星と所定の地点との間の距離を求めることができる。測位信号の波の数は、未知数であるので整数アンビギュイティ又は整数値バイアスと呼ばれる。
【0060】
RTK法においては、ノイズ除去及び整数アンビギュイティの推定(又は決定)が行われる。
【0061】
例えば、RTK法では、二重差と呼ばれる差を演算することにより、ノイズの除去を行うことができる。二重差とは、2つの衛星に対する1つの受信機の搬送波位相積算値の差(一重差)を2つの受信機(例えば、基準局及び測位端末10)の間でそれぞれ算出した値の差である。RTK法を用いた測位では、4機以上の衛星が使用されるため、4機以上の衛星の組み合わせの数だけ二重差が演算される。二重差の演算には、例えば、基準局が生成した基準局測位データと、測位端末10が生成した測位端末測位データと、が用いられる。
【0062】
また、RTK法において、整数アンビギュイティの推定には、様々な方法が適用される。例えば、(1)最小二乗法によるフロート解の推定及び(2)フロート解に基づくフィックス解の検定、という手順を実行することにより、整数アンビギュイティが推定される。
【0063】
最小二乗法によるフロート解の推定は、時間単位毎に生成した二重差の組み合わせを用いて連立方程式を作成し、作成した連立方程式を最小二乗法によって解くことにより実行される。この演算では、例えば、基準局が生成した基準局測位データ、測位端末10が生成した測位端末測位データ、及び、基準局の既知の座標が用いられる。このようにして推定された整数アンビギュイティの実数推定値は、フロート解(推測解)と呼ばれる。
【0064】
以上のようにして求められたフロート解は実数であるのに対して、整数アンビギュイティの真の値は整数である。そのため、フロート解は、「丸める」ことによって整数値に変換される。ここで、フロート解を丸める組み合わせには複数通りの候補が考えられる。
【0065】
複数通りの候補の中から正しい整数値が検定される。検定によって整数値バイアスとして確からしい解が、フィックス解(精密測位解)と呼ばれる。一例では、RTK演算によって得られたAR(Ambiguity Ratio)値を用いて品質チェックを行い、品質チェックの結果に基づいて正しい整数値が検定される。整数値の候補の絞込みを効率化するために、基準局が生成した基準局測位データが用いられてよい。
【0066】
[RTK演算を用いた測位端末位置測定(決定)]
次に、測位端末10のプロセッサ101による、測位端末10の位置(地球上の座標)測定(決定)について説明する。
【0067】
プロセッサ101は、例えば、測位端末10での測位端末測位データと基準局での基準局測位データ(すなわち基準局データ配信サーバ30から送信された補正データ)とを用いてRTK法による干渉測位(RTK演算)を実行し、測位解(フィックス解又はフロート解)を算出する。RTK演算によって得られる測位解は、「RTK測位解」と称されてもよい。
【0068】
プロセッサ101は、RTK演算によって得られたAR値を用いて品質チェックを行い、AR値が所定の閾値(例えば3.0)以上の場合には、正しいフィックス解が得られたと判定してフィックス解を出力し、AR値が所定の閾値未満の場合には、正しい測位解が得られなかったと判定してフロート解を出力する。
【0069】
そして、プロセッサ101は、RTK測位解を測位端末10の位置(地球上の座標)として決定する。
【0070】
<上位サーバの構成>
図3は、実施の形態1に係る上位サーバ20の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、上位サーバ20は、プロセッサ201と、記憶部202と、通信部203と、バス204と、を備える。
【0071】
プロセッサ201は、CPU等の処理装置によって実現されてよい。プロセッサ201は、上位サーバ20の動作全般(例えば、上位サーバ20の他の要素)を制御する。なお、プロセッサ201は、処理部、制御部、演算部、コントローラ等と称されてもよい。
【0072】
プロセッサ201は、除雪対象エリア、除雪車両50の順番(前後関係)、除雪車両50の走行ルート、走行ルートから外れてもよい許容距離、及び、除雪車両50と前方除雪車両50との許容距離範囲を事前に設定する。除雪車両50の順番(前後関係)は、先頭に1台の除雪車両、その先頭の除雪車両の左右の後ろに1台ずつの2台の除雪車両、これら2台の除雪車両の各々の左又は右の後ろに1台の除雪車両等であってよい。例えば、プロセッサ201は、入力部(図示せず)を介して作業管理者等のユーザによって入力されたエリア情報、数値情報等に基づいて、除雪対象エリア、除雪車両50の順番(前後関係)、走行ルート、許容距離及び許容距離範囲を設定してよい。例えば、許容距離は、除雪漏れが発生してしまう距離よりも短く、マージンを持たせるように設定されてよい。また、例えば、許容距離範囲は、短すぎると前方除雪車両50との衝突が生じるおそれがあり、長すぎると作業遅延が生じるおそれがあることを考慮して、設定されてよい。また、屋外の場合、風等の影響で、先行する除雪車両50が進行方向の左右いずれかに誘導した雪が、後続する除雪車両50によって拾われる前に、除雪済みのルートに散らばってしまうおそれがある。そのような観点からも許容距離範囲は長すぎないことが望ましい。また、許容距離範囲は、要求される作業時間や、天候の変化等に応じて、動的に変更されてもよい。
【0073】
走行ルートから外れてもよい許容距離は、除雪車両50に応じて異なってもよいし、除雪車両50に共通であってもよい。除雪車両50と前方除雪車両50との許容距離範囲も、除雪車両50に応じて異なってもよいし、除雪車両50に共通であってもよい。
【0074】
図12は、本開示の実施の形態に係る、除雪対象エリアA、除雪車両50-1~50-5の順番(前後関係)及び除雪車両50-1~50-5それぞれの平行な走行ルートR1~R5の例を示している。走行ルートから外れてもよい許容距離に関して、図12に示す例では、走行ルートR1に対する除雪車両50-1の許容距離、走行ルートR2に対する除雪車両50-2の許容距離、走行ルートR3に対する除雪車両50-3の許容距離、走行ルートR4に対する除雪車両50-4の許容距離、及び、走行ルートR5に対する除雪車両50-5の許容距離は、それぞれ独立に設定されてもよいし、等しく(共通に)設定されてもよい。同様に、許容距離範囲の設定に関して、図12に示す例では、除雪車両50-1と除雪車両50-2との間の許容距離範囲、除雪車両50-1と除雪車両50-3との間の許容距離範囲、除雪車両50-2と除雪車両50-4との間の許容距離範囲、及び、除雪車両50-3と除雪車両50-5との間の許容距離範囲は、それぞれ独立に設定されてもよいし、等しく(共通に)設定されてもよい。
【0075】
図12に示す通り、本実施の形態では、複数の除雪車両50を略平行の走行ルートで走行させることによって広い幅の除雪を行う。ここで、除雪を確実に行うためには、先行する除雪車両50が掻き分けた雪を、後続する除雪車両50にて除雪対象エリアの外に誘導する必要がある。図12では、先頭の除雪車両50-1の先端は、くさび状となっており、除雪した雪が除雪車両50-1の右後方及び左後方に誘導される。一方、後続する除雪車両50-2は進行方向に対する左側が右側よりも突出した形状を持ち、除雪車両50-3は進行方向に対する右側が左側より突出した形状を持つ。したがって、除雪車両50-1が右後方及び左後方に掻き分けた雪は、除雪車両50-2及び除雪車両50-3が走行ルートR2及び走行ルートR3で除雪した雪とともに、更に後方へ誘導される。これらの雪を、除雪車両50-4及び除雪車両50-5が更に除雪対象エリアの外へ誘導することによって、走行ルートR1~R5の雪が除雪されることとなる。ここで、各除雪車両50の先頭の形状は、先行する除雪車両50が誘導した雪を、先行する除雪車両50が除雪済みの走行ルートに戻さないような角度、すなわち、隊列の後ろを走行する除雪車両50ほど除雪対象エリアの外側に向けて雪を誘導するような形状に設計されている。そのため、除雪車両50の走行順序が入れ替わってしまうと、除雪済みの走行ルートに雪が戻ってしまうおそれがある。すなわち、図12に示す複数の除雪車両50は、略平行な走行ルートR1~R5を走行しつつも走行順序が入れ替わらないように走行させる必要がある。一方、先行する除雪車両50と後続する除雪車両50との間が離れすぎていると、強風等の影響によって先行する除雪車両50が除雪対象エリアの外側に向けて誘導した雪が走行ルート上に戻ってしまうおそれがある。そのため、効率的に除雪作業を実現するためには、複数の除雪車両50が略平行なルートを走行し、かつ、互いに隣接するルートを走行する除雪車両50同士が近すぎず遠すぎない所定の範囲内の距離を保ちつつ、追い越しを行わないよう走行することが望ましい。また、除雪漏れを発生させないようにするためには、各走行ルートの間の間隔は除雪車両50と同等の幅に近づけることが望ましい。換言すると、除雪車両50同士を安全にすれ違わせたり並走させたりできる幅を設けない方が除雪の観点での効率は向上する。
【0076】
なお、除雪を行う除雪車両50の数は5つに限定されるものではなく、対応する走行ルートの数も5つに限定されるものではない。
【0077】
プロセッサ201は、例えば、除雪車両50に搭載されている測位端末10から測位結果が受信されるたびに、当該測位結果、除雪対象エリア、走行ルート、許容距離及び許容距離範囲のうちの1つ以上に基づいて、警報イベント又は警報解除イベントが発生したか否かを判定する(警報イベント又は警報解除イベントを検知する)。警報イベント及び警報イベントの例、及びそのイベントを警報の対象とすべき理由は、以下の通りである。
【0078】
・警報イベントの例
(1)除雪対象エリア内で、除雪車両50が、事前に設定された走行ルートから外れてもよい事前に設定された許容距離以上当該走行ルートから外れたこと。
本実施の形態の除雪作業は、各除雪車両50が自身の担当する走行ルートを正確に走行することで達成される。そのため、除雪漏れを防ぐために、各除雪車両50が担当する走行ルートを外れた場合には、警報を発出する。
(2)除雪対象エリア内で、除雪車両50が、事前に設定された許容距離範囲の下限値以下に前方除雪車両50に近づいたこと(除雪車両50と前方除雪車両50とが近すぎること)。
本実施の形態の除雪作業では、後続する除雪車両50が先行する除雪車両50を追い越してはならず、かつ、各ルートの間隔は除雪車両50同士が並走困難なほど狭い。そのため、除雪車両50同士の衝突を避けるため、距離が近づいた場合には警報を発出する。
(3)除雪対象エリア内で、除雪車両50が、事前に設定された許容距離範囲の上限値以上に前方除雪車両50から遠ざかったこと(除雪車両50と前方除雪車両50とが遠すぎること)。
本実施の形態の除雪作業では、各除雪車両50は先行する除雪車両50を追い越すことが禁止されているため、除雪車両50間の距離が遠ざかりすぎると後続するすべての除雪車両50の走行も遅延し、作業全体の遅延を招く。そのため、除雪作業の効率化を図るため、除雪車両50間の距離が遠ざかった場合には警報を発出する。
【0079】
・警報解除イベントの例
(1)除雪対象エリア外に到達したこと(すなわち、除雪対象エリアでの除雪作業が終了したとみなされること)。
(2)除雪対象エリア内で、走行ルートから外れていた場合、除雪車両50が、走行ルートから外れてもよい許容距離未満に戻り、かつ、許容距離範囲外であった場合、除雪車両50が、前方除雪車両50との許容距離範囲内に戻ったこと。
【0080】
なお、上記において、「許容距離以上当該走行ルートから外れたこと」は、「許容距離を超えて当該走行ルートから外れたこと」に読み替えられてもよい。また、上記において、「許容距離範囲の下限値以下に前方除雪車両50に近づいたこと」は、「許容距離範囲の下限値未満に前方除雪車両50に近づいたこと」に読み替えられてもよく、「上限値以上に前方除雪車両50から遠ざかったこと」は、「上限値を超えて前方除雪車両50から遠ざかったこと」に読み替えられてもよい。
【0081】
プロセッサ201は、検知した警報イベントが発生したことを、測位端末10が搭載されて測位端末10に対応付けられている除雪車両50を運転している作業員に警報するための警報発出命令を生成する。プロセッサ201は、警報発出命令を記憶部202に出力する。プロセッサ201は、通信部203を介して、警報発出命令を当該測位端末10に送信する。なお、プロセッサ201は、警報発出命令とともに、あるいは、警報発出命令とは別個に、除雪車両50が、走行ルート又はその許容距離内で、かつ、前方除雪車両50との許容距離範囲内で、自動で走行するための車両操作命令を生成してもよい。プロセッサ201は、車両操作命令を記憶部202に出力し、通信部203を介して、車両操作命令を当該測位端末10に送信してもよい。
【0082】
プロセッサ201は、検知した警報解除イベントが発生したことを、除雪車両50に搭載されている測位端末10に通知して警報の発出を解除するための警報発出解除命令を生成する。プロセッサ201は、警報発出解除命令を記憶部202に出力する。プロセッサ201は、通信部203を介して、警報発出解除命令を当該測位端末10に送信する。なお、警報発出解除命令には、警報の発出が解除されることを示す音や音声等が含まれてもよいし、警報発出解除命令とは別個に、警報の発出が解除されることを示す音や音声等を含む信号が、通信部203から測位端末10に送信されてもよい。
【0083】
プロセッサ201は、例えば、除雪車両50に対応付けられている測位端末10から測位結果が受信されるたびに、設定した除雪対象エリア、走行ルート、許容距離及び許容距離範囲と、受信された測位結果と、警報発出命令を送信する対象の測位端末10と、他の測位端末10と、の情報を表示するように、通信部203を介して、これらの情報をモニタデバイス40に送信する。
【0084】
記憶部202は、例えば、DRAM、HDD、SSD等のうちの1つ以上であってよい。記憶部202は、他の要素から様々な情報を取得し、一時的又は永続的にその情報を保持する。記憶部202は、いわゆる一次記憶装置及び二次記憶装置の総称である。記憶部202は、物理的に複数配置されてもよい。
【0085】
記憶部202は、例えば、上位サーバ20を動作させるためにプロセッサ201によって実行されるプログラム、上位サーバ20が動作するのに必要なデータ、プロセッサ201によって生成されたデータ、測位端末10から送信された測位結果、設定された除雪対象エリア、走行ルート、許容距離及び許容距離範囲に関する情報、生成された警報発出命令、警報発出解除命令、車両操作命令等を記憶する。
【0086】
通信部203は、測位端末10から送信された測位結果を受信する。通信部203は、受信した測位結果をプロセッサ201及び記憶部202に出力する。通信部203は、警報発出命令、警報発出解除命令及び車両操作命令を測位端末10に送信する。
【0087】
プロセッサ201、記憶部202及び通信部203は、互いに通信可能であるように、バス204を介して互いに接続されている。
【0088】
なお、上記の上位サーバ20の構成は一例である。上位サーバ20の構成要素の一部は、統合されてもよい。また、上位サーバ20の構成要素の一部は、複数の要素に分割されてもよい。また、上位サーバ20の構成要素の一部は、省かれてもよい。また、上位サーバ20に他の要素が付加されてもよい。例えば、タッチディスプレイ、キーボード、マウス等であってよい入力部が上位サーバ20に付加されてもよい。
【0089】
次に、上位サーバ20(プロセッサ201)による警報イベントの検知について説明する。
【0090】
[測位端末(除雪車両)が除雪対象エリア内に存在するか否かの判定]
プロセッサ201は、受信された測位端末10の測位結果(位置:緯度及び経度)と除雪対象エリアの位置(緯度及び経度)とに基づいて、測位端末10(除雪車両50)が除雪対象エリア内に存在するか否かを判定する。
【0091】
[測位端末(除雪車両)が走行ルートから許容距離以上外れているか否かの判定]
プロセッサ201は、受信された測位端末10の測位結果(位置:緯度及び経度)と走行ルート(直線分)と許容距離(閾値)とに基づいて、測位端末10の位置から走行ルートへの垂線と走行ルートとの交点から測位端末10の位置までの距離(すなわち、測位端末10の位置と走行ルートとの最短距離)が、許容距離以上であるか否かを判定する。当該距離が許容距離以上である場合、プロセッサ201は、測位端末10(除雪車両50)が、走行ルートから許容距離以上外れていると判定し、当該距離が許容距離以上でない場合、プロセッサ201は、測位端末10(除雪車両50)が、走行ルートから許容距離以上外れていないと判定する。
【0092】
[測位端末(除雪車両)と前方測位端末(前方除雪車両)とが近すぎることの判定]
プロセッサ201は、設定した測位端末の順番(前後関係)と受信された隣接する前後2つの測位端末10の測位結果(位置:緯度及び経度)と許容距離範囲とに基づいて、前後2つの測位端末10(除雪車両50)間の距離が許容距離範囲の下限値以下であるか否かを判定する。当該距離が許容距離範囲の下限値以下である場合、プロセッサ201は、隣接する測位端末10(除雪車両50)と前方測位端末(前方除雪車両50)とが近すぎると判定する。
【0093】
[測位端末(除雪車両)と前方測位端末(前方除雪車両)とが遠すぎることの判定]
プロセッサ201は、設定した測位端末の順番(前後関係)と受信された前後2つの測位端末10の測位結果(位置:緯度及び経度)と許容距離範囲とに基づいて、前後2つの測位端末10(除雪車両50)間の距離が許容距離範囲の上限値以上であるか否かを判定する。当該距離が許容距離範囲の上限値以上である場合、プロセッサ201は、隣接する測位端末10(除雪車両50)と前方測位端末(前方除雪車両50)とが遠すぎると判定する。
【0094】
上位サーバ20(プロセッサ201)による警報解除イベントの検知も、上述した警報イベントの検知と同様の比較を行うことによって、行われてよい。
【0095】
除雪車両50が走行する走行ルートは、本開示に係る「除雪対象エリア内のターゲット」又は「異物除去エリア内のターゲット」の一例である。また、除雪車両50に隣接して除雪車両50の前方を走行する別の除雪車両50(前方除雪車両50)(又は、当該別の除雪車両50に搭載されている(別の)測位端末10)は、本開示に係る「除雪対象エリア内のターゲット」又は「異物除去エリア内のターゲット」の一例である。当該ターゲットは、除雪車両50の位置修正のためのものである。
【0096】
[警報発出命令の生成]
次に、警報発出命令の生成について説明する。
【0097】
第1に、上述した判定により、除雪対象エリア内で、除雪車両50が、走行ルートから許容距離以上当該走行ルートから外れた場合、プロセッサ201は、第1の様式の警報の警報発出命令を生成する。
【0098】
第2に、上述した判定により、除雪対象エリア内で、除雪車両50が、許容距離範囲の下限値以下に前方除雪車両50に近づいた場合、プロセッサ201は、第2の様式の警報の警報発出命令を生成する。
【0099】
第3に、上述した判定により、除雪対象エリア内で、除雪車両50が、許容距離範囲の上限値以上に前方除雪車両50から遠ざかった場合、プロセッサ201は、第3の様式の警報の警報発出命令を生成する。
【0100】
上述したように、第1の様式の警報と第2の様式の警報と第3の様式の警報とは異なってもよい。例えば、これらの様式の警報の音量が異なってもよいし、これらの様式の警報の周期が異なってもよいし、これらの様式の警報の音声パターンが異なってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
【0101】
なお、第1の様式の警報の警報発出命令と第2の様式の警報の警報発出命令又は第3の様式の警報の警報発出命令とが同時に生成される状況が生じた場合には、プロセッサ201は、次の動作を行ってよい。すなわち、プロセッサ201は、第1の様式の警報の警報発出命令だけを生成してもよいし、第2の様式の警報の警報発出命令又は第3の様式の警報の警報発出命令だけを生成してもよいし、第1の様式の警報の警報発出命令と第2の様式の警報の警報発出命令又は第3の様式の警報の警報発出命令との両方を生成してもよい。どの警報発出命令を生成するかは、入力部(図示せず)を介して作業管理者等のユーザによって選択されてもよいし、警報システム1において固定されていてもよい。
【0102】
また、警報の優先順位を、前方除雪車両50への接近を示す第2の様式の警報、走行ルートから外れたことを示す第1の様式の警報、前方除雪車両50から遠ざかったことを示す第3の様式の警報の順で優先するようにしてもよい。この優先順位を用いる理由は以下の通りである。上述した通り、除雪の効率化を目的として走行ルート設計を行っていると、除雪車両50同士の近接は衝突事故を起こす可能性が高いため、このような事故を最優先で回避する必要がある。また、除雪車両50が自身の担当している走行ルートを外れていると除雪漏れが高確率で発生するのに対し、除雪車両50同士の距離が離れていても強風等が発生していなければ除雪漏れが発生する可能性は低い。したがって、走行ルートを外れることを防止する方が、除雪車両50間の距離が離れすぎることを防止するよりも優先度が高い。
【0103】
このように警報の様式を変えることで、測位端末10が搭載されている除雪車両50を運転している作業員は、生じている状況を直感的に把握することができるようになる。なお、様式は、態様で読み替えられてもよい。
【0104】
<警報システムの動作>
次に、図4図5図6A及び図6Bを参照して、実施の形態1に係る警報システム1の動作例について説明する。
【0105】
[測位端末の動作]
図4は、実施の形態1に係る測位端末10の動作の一例を示す図である。
【0106】
ステップS401において、GNSS受信装置104は、GNSS衛星から送信された衛星信号を受信する。
【0107】
ステップS402において、通信部105は、基準局データ配信サーバ30から送信された補正データを受信する。
【0108】
ステップS403において、プロセッサ101は、衛星信号に基づく測位端末測位データ及び補正データを用いてRTK演算を行って、RTK測位解を算出し、測位結果を得る。
【0109】
ステップS404において、通信部105は、RTK測位解を含む測位結果を上位サーバ20に送信する。
【0110】
ステップS405において、プロセッサ101又は通信部105は、通信部105が(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信したか否かを判定する。
【0111】
通信部105が(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信した場合(ステップS405においてYES)、ステップS406において、警報部103は、上位サーバ20によって指定(決定)された様式の警報を発出する。次いで、フローはステップS407に進む。
【0112】
一方、通信部105が(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信しなかった場合(ステップS405においてNO)、フローはステップS407に進む。
【0113】
ステップS407において、プロセッサ101又は通信部105は、通信部105が(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出解除命令を受信したか否かを判定する。
【0114】
通信部105が(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出解除命令を受信した場合(ステップS407においてYES)、ステップS408において、警報部103は、警報の発出を解除する。なお、警報の発出の解除は、作業員によって手動で行われてもよい。次いで、フローは終了する。
【0115】
一方、通信部105が(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出解除命令を受信しなかった場合(ステップS407においてNO)、フローは終了する。
【0116】
以降、図4の処理が繰り返される。
【0117】
[上位サーバの動作]
図5図6A及び図6Bは、実施の形態1に係る上位サーバ20の動作の一例を示す図である。図5は、上位サーバ20の事前設定に関する。
【0118】
ステップS501において、プロセッサ201は、除雪対象エリア、除雪車両50の順番(前後関係)、除雪車両50の走行ルート、走行ルートから外れてもよい許容距離、及び、除雪車両50と前方除雪車両50と(隣接する2つの除雪車両50)の許容距離範囲を事前に設定する。
【0119】
なお、上述したように、除雪対象エリア、除雪車両50の順番(前後関係)、走行ルート、許容距離及び許容距離範囲は、ユーザ入力を介して設定されてよい。図5の処理は、必要に応じて実行されてよい。
【0120】
次に、図6A及び図6Bを参照して、上位サーバ20の動作の別の例を説明する。なお、図6A及び図6Bは、除雪車両50毎に実行される。
【0121】
ステップS601において、プロセッサ201は、警報の発出を解除するか否かを判定するための解除フラグを0にセットする。
【0122】
ステップS602において、通信部203は、測位端末10から送信された測位端末10の測位結果を受信する。
【0123】
ステップS603において、プロセッサ201は、第1警報フラグ、第2警報フラグ及び第3警報フラグを0にセットする。第1警報フラグは、除雪対象エリア内で、除雪車両50が走行ルートから許容距離以上外れているか否かを判定するためのフラグである。第2警報フラグは、除雪対象エリア内で、除雪車両50が許容距離範囲の下限値以下に前方除雪車両50に近づいたか否かを判定するためのフラグである。第3警報フラグは、除雪対象エリア内で、除雪車両50が許容距離範囲の上限値以上に前方除雪車両50から遠ざかったか否かを判定するためのフラグである。
【0124】
ステップS604において、プロセッサ201は、設定した除雪対象エリア及び受信した測位結果(測位端末10の位置)に基づいて、測位端末10が除雪対象エリア内に存在するか否かを判定する。
【0125】
測位端末10が除雪対象エリア内に存在しないと判定された場合(ステップS604においてNO)、ステップS609において、プロセッサ201は、解除フラグが1であるか否かを判定する。
【0126】
解除フラグが1である場合(ステップS609においてYES)、ステップS610において、プロセッサ201は、警報発出解除命令を測位端末10に発行し、通信部203は、この警報発出解除命令を測位端末10に送信する。そして、フローは終了する。
【0127】
一方、解除フラグが0である場合(ステップS609においてNO)、フローは終了する。
【0128】
ステップS604において、測位端末10が除雪対象エリア内に存在すると判定された場合(ステップS604においてYES)、ステップS605において、プロセッサ201は、除雪車両50の走行ルート及び受信した測位結果(測位端末10の位置)に基づいて、除雪車両50が走行ルートから許容距離以上外れているか否かを判定する。
【0129】
除雪車両50が走行ルートから許容距離以上外れていると判定された場合(ステップS605においてYES)、ステップS606において、プロセッサ201は、解除フラグ及び第1警報フラグを1にセットする。そして、フローはステップS607に進む。
【0130】
一方、除雪車両50が走行ルートから許容距離以上外れていないと判定された場合(ステップS605においてNO)、フローはステップS607に進む。
【0131】
ステップS607において、プロセッサ201は、除雪車両50と前方除雪車両50とが近すぎるかどうかを判定する。すなわち、プロセッサ201は、受信した測位結果(除雪車両50及び前方除雪車両50に搭載されている測位端末10の位置)に基づいて、除雪車両50が許容距離範囲の下限値以下に前方除雪車両50に近づいたか否かを判定する。
【0132】
除雪車両50と前方除雪車両50とが近すぎると判定された場合(ステップS607においてYES)、ステップS608において、プロセッサ201は、解除フラグ及び第2警報フラグを1にセットする。そして、フローはステップS611に進む。
【0133】
一方、除雪車両50と前方除雪車両50とが近すぎないと判定された場合(ステップS607においてNO)、フローはステップS611に進む。
【0134】
ステップS611において、プロセッサ201は、除雪車両50と前方除雪車両50とが遠すぎるかどうかを判定する。すなわち、プロセッサ201は、受信した測位結果(除雪車両50及び前方除雪車両50に搭載されている測位端末10の位置)に基づいて、除雪車両50が許容距離範囲の上限値以上に前方除雪車両50から遠ざかったか否かを判定する。
【0135】
除雪車両50と前方除雪車両50とが遠すぎると判定された場合(ステップS611においてYES)、ステップS612において、プロセッサ201は、解除フラグ及び第3警報フラグを1にセットする。そして、フローはステップS613に進む。
【0136】
一方、除雪車両50と前方除雪車両50とが遠すぎないと判定された場合(ステップS611においてNO)、フローはステップS613に進む。
【0137】
ステップS613において、プロセッサ201は、第1警報フラグ、第2警報フラグ及び第3警報フラグが全て0であるかどうかを判定する。
【0138】
第1警報フラグ、第2警報フラグ及び第3警報フラグが全て0である場合(ステップS613においてYES)、ステップS614において、プロセッサ201は、解除フラグが1であるか否かを判定する。
【0139】
解除フラグが1でない場合(ステップS614においてNO)、フローはステップS602に戻る。
【0140】
一方、解除フラグが1である場合(ステップS614においてYES)、ステップS615において、プロセッサ201は、解除フラグを0にセットする。
【0141】
ステップS616において、プロセッサ201は、警報発出解除命令を測位端末10に発行し、通信部203は、この警報発出解除命令を測位端末10に送信する。そして、フローはステップS602に戻る。
【0142】
ステップS613において、第1警報フラグ、第2警報フラグ及び第3警報フラグのうちの少なくとも1つが0でない場合(ステップS613においてNO)、ステップS617において、プロセッサ201は、警報発出命令を測位端末10に発行し、通信部203は、この警報発出命令を測位端末10に送信する。なお、上述したように、測位端末10に送信される警報発出命令は、1であるフラグに対応する警報発出命令の全てであってもよいし、1であるフラグに対応する警報発出命令のうちの1つの警報発出命令であってもよい。そして、フローはステップS602に戻る。
【0143】
<変形例>
[変形例1-1]
上記では、上位サーバ20が、警報発出命令及び警報発出解除命令を測位端末10に送信し、測位端末10が、警報発出命令に従って警報を発出し、警報発出解除命令に従って警報の発出を解除する例を説明した。これに加えて又はこれに替えて、上記で示唆したように、除雪車両50が、走行ルート又はその許容距離内で、かつ、前方除雪車両50との許容距離範囲内で、自動で走行するように、上位サーバ20は、車両操作命令(速度命令、加速度命令、ハンドル操作命令等)を、測位端末10に送信してもよい。そして、測位端末10は、受信した車両操作命令を、測位端末10が備える車両通信部(図示せず)を介して除雪車両50(の車両制御システム(車両駆動系等))に送信してもよい。これにより、除雪車両50は、走行ルート又はその許容距離内で、かつ、前方除雪車両50との許容距離範囲内で、自動で走行することができる。
【0144】
[変形例1-2]
上記では、測位端末10(除雪車両50)と前方測位端末10(前方除雪車両50)とが近すぎること及び遠すぎることの判定において、これら2つの測位端末10間の距離を用いる例を説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。
【0145】
例えば、プロセッサ201は、設定した測位端末の順番(前後関係)と受信された前後2つの測位端末10の測位結果(位置:緯度及び経度)とこれらの測位端末10のいずれかの走行ルート(直線分)と許容距離範囲とに基づいて、2つの測位端末10(除雪車両50)が近すぎるかどうか及び遠すぎるかどうかを判定してもよい。この場合、プロセッサ201は、前後2つの測位端末10(除雪車両50)間の距離を用いるのではなく、前後2つの測位端末10の位置を走行ルートに射影した点間の射影距離を、許容距離範囲の下限値及び上限値と比較することによって、2つの測位端末10(除雪車両50)が近すぎるかどうか及び遠すぎるかどうかを判定してよい。
【0146】
[変形例1-3]
上記では、測位端末10が搭載されている除雪車両50が、隊列を組んで除雪を行う例を説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。本開示は、隊列を組んで移動する複数の移動体に適用可能である。例えば、本開示は、隊列を組んで移動しながらパフォーマンスを行う複数の移動体(ラジコンカー等)に適用されてもよい。また、上述した走行ルート(移動ルート)は、直線分に限定されるものではない。また、除雪対象エリア(ジオフェンス)の形状は、矩形に限定されるものではない。
【0147】
[変形例1-4]
上記では、測位端末10が搭載されている除雪車両50が、V字状の隊列を組んで除雪を行う例を説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。例えば、除雪車両50は、進行方向に対して左側又は右側のどちらか一方が後ろになるような直線分状の隊列を組んで除雪を行ってもよい。なお、この場合、除雪車両50の先端は、先行する除雪車両50から誘導された雪を後続する除雪車両50が更に除雪対象エリアの外へ誘導する形状であることが望ましい。また、逆V字状等の他の隊列を組んで除雪を行ってもよい。
【0148】
[変形例1-5]
上記では、測位端末10が搭載されている除雪車両50が、除雪対象エリア(ジオフェンス)内に存在するか否かをプロセッサ201が判定する例を説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。例えば、除雪車両50が、除雪対象エリア外に存在する場合、他のジオフェンス(除雪車両50が他の設備や人物等と干渉するおそれのあるエリア等)に侵入しているか否か及び接近しているか否かをプロセッサ201が判定し、侵入又は接近との判定に応じて、侵入又は接近を示す警報発出命令が上位サーバ20から測位端末10に提供されてもよい。
【0149】
[変形例1-6]
上記では、上位サーバ20が、警報イベント及び警報解除イベントの検知等の本開示に係る処理を実行する例について説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。例えば、上位サーバ20の代わりに、複数の測位端末10のうちの代表測位端末10が、個々の測位端末10から測位結果を受信し、本開示に係る処理を実行してもよい。
【0150】
<効果>
実施の形態1によれば、上位サーバ20又は代表測位端末10によって、除雪車両50に搭載されている測位端末10の位置に基づいて、互いに隣接する走行ルートを走行する除雪車両50に搭載されている測位端末10間の距離が許容距離範囲内であるか否かが判定される。距離が許容距離範囲外である場合(例えば、距離が近すぎる又は遠すぎる場合)、後述する除雪車両50の走行を管理する管理端末(測位端末10と一体化されていてもよいし、システム全体を管理する管理センター等に設けられてもよい)に警報を発出させるための警報発出命令が生成され、警報発出命令が管理端末に送信される、あるいは、測位端末10は、警報を発出する。これにより、除雪車両50同士の衝突を避けることでき、あるいは、除雪車両50が遠ざかって作業全体の遅延を招くのを回避することで作業の効率化を図ることができ、作業経験が少ない作業員でも適切に作業を行うことができるように警報を行うことができる。
【0151】
(実施の形態2)
次いで、本開示の実施の形態2について説明する。実施の形態2は、RTK演算が、測位端末ではなく上位サーバによって行われる点で、すなわち、上位サーバのプロセッサが、上述したRTK演算を用いた測位端末位置測定(決定)を行う点で、実施の形態1と異なる。なお、実施の形態2に係る警報システム1’、測位端末10’及び上位サーバ20’の構成は、それぞれ、実施の形態1に係る警報システム1、測位端末10及び上位サーバ20の構成と同様であるので、実施の形態1と異なる点について説明する。
【0152】
図7は、実施の形態2に係る警報システム1’の一例を示す図である。図7に示すように、警報システム1’は、測位端末10’と、上位サーバ20’と、基準局データ配信サーバ30’と、モニタデバイス40と、除雪車両50と、を有する。警報システム1’は、情報処理システム、通知システム、警報システム等と称されてもよい。
【0153】
実施の形態1と異なり、測位端末10’は、RTK演算を行って測位端末10’を測位しない。そのため、測位端末10’は、基準局データ配信サーバ30’から補正データを受信する必要がなく、GNSS衛星から受信した衛星信号に基づいて生成した測位端末測位データを上位サーバ20’に送信する。なお、測位端末10’が速度センサ及び加速度センサを備えている場合には、測位端末10’は、速度センサ及び加速度センサからの速度及び加速度を上位サーバ20’に送信してもよい。測位端末10’は、本開示に係る第1端末、第2端末、端末、別の(他の)端末又は情報処理装置(後述する代表測位端末10’に相当)の一例である。
【0154】
上位サーバ20’は、測位端末10’から送信された測位端末測位データを受信し、基準局データ配信サーバ30’から、RTK演算を行って測位端末10’を測位するための補正データを受信する。上位サーバ20’は、本開示に係る情報処理装置の一例である。
【0155】
上位サーバ20’は、受信した測位端末測位データ及び補正データを用いてRTK演算を行って、測位端末10’の位置を(場合によっては速度及び加速度も)測定する。上位サーバ20’は、設定した除雪対象エリア、走行ルート、許容距離及び許容距離範囲、測位した測位結果等に基づいて、測位端末10’に警報を発出させるべきか否か及び測位端末10’に警報の発出を解除させるべきか否かを判定する(換言すれば、警報イベント及び警報解除イベントを検知する)なお、上位サーバ20’に、基準局データ配信サーバ30’の機能の一部又は全部が備わっていてもよい。例えば、上位サーバ20’は、基準局データ配信サーバ30’を介さずに、基準局から、基準局によって生成された補正データを受信してもよい。
【0156】
基準局データ配信サーバ30’は、RTK演算を行って測位端末10’を測位するための補正データを上位サーバ20’に送信する。
【0157】
<測位端末の構成>
図8は、実施の形態2に係る測位端末10’の構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、測位端末10’は、プロセッサ101’と、記憶部102’と、警報部103と、GNSS受信装置104と、通信部105’と、出力部106と、バス107と、を備える。
【0158】
上述した通り、測位端末10’は、RTK演算を用いた測位を行わない。そのため、プロセッサ101’は、GNSS衛星から衛星信号が受信されるたびに、衛星信号に基づいて測位端末測位データを生成して記憶部102’及び通信部105’に出力する。
【0159】
記憶部102’は、基準局データ配信サーバ30’からの補正データを記憶する必要がない。記憶部102’は、測位端末測位データを記憶する。
【0160】
通信部105’は、GNSS衛星から衛星信号が受信されるたびに、プロセッサ101’から入力された測位端末測位データを上位サーバ20’に送信する。通信部105’は、上位サーバ20’から送信された測位端末10’の測位結果を受信し、受信した測位結果を記憶部102’に出力してもよい。
【0161】
プロセッサ101’、記憶部102’、警報部103、GNSS受信装置104、通信部105’及び出力部106は、互いに通信可能であるように、バス107を介して互いに接続されている。
【0162】
<上位サーバの構成>
図9は、実施の形態2に係る上位サーバ20’の構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、上位サーバ20’は、プロセッサ201’と、記憶部202と、通信部203’と、バス204と、を備える。
【0163】
実施の形態1と異なり、プロセッサ201’は、例えば、測位端末10’から測位端末測位データが受信されるたびに、測位端末測位データと、GNSS衛星から受信された補正データと、に基づいて、RTK演算を行って、当該測位端末10’の位置、速度、加速度及び進行方向を測定(決定)する。プロセッサ201’は、このように測位した測位結果を通信部203’及び記憶部202に出力する。プロセッサ201’は、測位した測位結果、除雪対象エリア、走行ルート、許容距離及び許容距離範囲のうちの1つ以上に基づいて、警報イベント又は警報解除イベントが発生したか否かを判定する(警報イベント又は警報解除イベントを検知する)。
【0164】
プロセッサ201’は、設定した除雪対象エリア、走行ルート、許容距離及び許容距離範囲と、受信された測位結果と、警報発出命令を送信する対象の測位端末10’と、他の測位端末10’と、の情報を表示するように、通信部203’を介して、これらの情報をモニタデバイス40に送信する。
【0165】
通信部203’は、測位端末10’から送信された測位端末測位データを受信する。通信部203’は、測位端末測位データをプロセッサ201’及び記憶部202に出力する。通信部203’は、測位結果を測位端末10’に送信してもよい。
【0166】
プロセッサ201’、記憶部202及び通信部203’は、互いに通信可能であるように、バス204を介して互いに接続されている。
【0167】
<警報システムの動作>
次に、図10図11A及び図11Bを参照して、実施の形態2に係る警報システム1’の動作例について説明する。
【0168】
[測位端末の動作]
図10は、実施の形態2に係る測位端末10’の動作の一例を示す図である。
【0169】
ステップS1001において、GNSS受信装置104は、GNSS衛星から送信された衛星信号を受信する。
【0170】
ステップS1002において、プロセッサ101’は、衛星信号に基づいて測位端末測位データを生成する。
【0171】
ステップS1003において、通信部105’は、測位端末測位データを上位サーバ20’に送信する。
【0172】
ステップS1004において、プロセッサ101’又は通信部105’は、通信部105’が(例えば測位端末測位データを送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信したか否かを判定する。
【0173】
通信部105’が(例えば測位端末測位データを送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信した場合(ステップS1004においてYES)、ステップS1005において、警報部103は、上位サーバ20’によって指定(決定)された様式の警報を発出する。次いで、フローはステップS1006に進む。
【0174】
一方、通信部105’が(例えば測位端末測位データを送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信しなかった場合(ステップS1004においてNO)、フローはステップS1006に進む。
【0175】
ステップS1006において、プロセッサ101’又は通信部105’は、通信部105’が(例えば測位端末測位データを送信してから所定の時間内に)警報発出解除命令を受信したか否かを判定する。
【0176】
通信部105’が(例えば測位端末測位データを送信してから所定の時間内に)警報発出解除命令を受信した場合(ステップS1006においてYES)、ステップS1007において、警報部103は、警報の発出を解除する。なお、警報の発出の解除は、作業員によって手動で行われてもよい。次いで、フローは終了する。
【0177】
一方、通信部105’が(例えば測位端末測位データを送信してから所定の時間内に)警報発出解除命令を受信しなかった場合(ステップS1006においてNO)、フローは終了する。
【0178】
以降、図10の処理が繰り返される。
【0179】
[上位サーバの動作]
上位サーバ20’の事前設定に関する処理は、図5を用いてすでに説明している処理と同じであるので、ここではその説明を省略する。
【0180】
図11A及び図11Bは、実施の形態2に係る上位サーバ20’の動作の一例を示す図である。なお、図11A及び図11Bは、除雪車両50毎に実行される。
【0181】
ステップS1101において、プロセッサ201’は、警報の発出を解除するか否かを判定するための解除フラグを0にセットする。
【0182】
ステップS1102において、通信部203’は、測位端末10’から送信された測位端末測位データを受信する。
【0183】
ステップS1103において、通信部203’は、基準局データ配信サーバ30’から送信された補正データを受信する。
【0184】
ステップS1104において、プロセッサ201’は、測位端末測位データ及び補正データを用いてRTK演算を行って、RTK測位解を算出し、測位結果を得る。
【0185】
ステップS1105において、プロセッサ201’は、第1警報フラグ、第2警報フラグ及び第3警報フラグを0にセットする。第1警報フラグは、除雪対象エリア内で、除雪車両50が走行ルートから許容距離以上外れているか否かを判定するためのフラグである。第2警報フラグは、除雪対象エリア内で、除雪車両50が許容距離範囲の下限値以下に前方除雪車両50に近づいたか否かを判定するためのフラグである。第3警報フラグは、除雪対象エリア内で、除雪車両50が許容距離範囲の上限値以上に前方除雪車両50から遠ざかったか否かを判定するためのフラグである。
【0186】
ステップS1106において、プロセッサ201’は、設定した除雪対象エリア及び測位した測位結果(測位端末10’の位置)に基づいて、測位端末10’が除雪対象エリア内に存在するか否かを判定する。
【0187】
測位端末10’が除雪対象エリア内に存在しないと判定された場合(ステップS1106においてNO)、ステップS1111において、プロセッサ201’は、解除フラグが1であるか否かを判定する。
【0188】
解除フラグが1である場合(ステップS1111においてYES)、ステップS1112において、プロセッサ201’は、警報発出解除命令を測位端末10’に発行し、通信部203’は、この警報発出解除命令を測位端末10’に送信する。そして、フローは終了する。
【0189】
一方、解除フラグが0である場合(ステップS1111においてNO)、フローは終了する。
【0190】
ステップS1106において、測位端末10’が除雪対象エリア内に存在すると判定された場合(ステップS1106においてYES)、ステップS1107において、プロセッサ201’は、除雪車両50の走行ルート及び測位した測位結果(測位端末10’の位置)に基づいて、除雪車両50が走行ルートから許容距離以上外れているか否かを判定する。
【0191】
除雪車両50が走行ルートから許容距離以上外れていると判定された場合(ステップS1107においてYES)、ステップS1108において、プロセッサ201’は、解除フラグ及び第1警報フラグを1にセットする。そして、フローはステップS1109に進む。
【0192】
一方、除雪車両50が走行ルートから許容距離以上外れていないと判定された場合(ステップS1107においてNO)、フローはステップS1109に進む。
【0193】
ステップS1109において、プロセッサ201’は、除雪車両50と前方除雪車両50とが近すぎるかどうかを判定する。すなわち、プロセッサ201’は、受信した測位結果(除雪車両50及び前方除雪車両50に搭載されている測位端末10’の位置)に基づいて、除雪車両50が許容距離範囲の下限値以下に前方除雪車両50に近づいたか否かを判定する。
【0194】
除雪車両50と前方除雪車両50とが近すぎると判定された場合(ステップS1109においてYES)、ステップS1110において、プロセッサ201’は、解除フラグ及び第2警報フラグを1にセットする。そして、フローはステップS1113に進む。
【0195】
一方、除雪車両50と前方除雪車両50とが近すぎないと判定された場合(ステップS1109においてNO)、フローはステップS1113に進む。
【0196】
ステップS1113において、プロセッサ201’は、除雪車両50と前方除雪車両50とが遠すぎるかどうかを判定する。すなわち、プロセッサ201’は、受信した測位結果(除雪車両50及び前方除雪車両50に搭載されている測位端末10’の位置)に基づいて、除雪車両50が許容距離範囲の上限値以上に前方除雪車両50から遠ざかったか否かを判定する。
【0197】
除雪車両50と前方除雪車両50とが遠すぎると判定された場合(ステップS1113においてYES)、ステップS1114において、プロセッサ201’は、解除フラグ及び第3警報フラグを1にセットする。そして、フローはステップS1115に進む。
【0198】
一方、除雪車両50と前方除雪車両50とが遠すぎないと判定された場合(ステップS1113においてNO)、フローはステップS1115に進む。
【0199】
ステップS1115において、プロセッサ201’は、第1警報フラグ、第2警報フラグ及び第3警報フラグが全て0であるかどうかを判定する。
【0200】
第1警報フラグ、第2警報フラグ及び第3警報フラグが全て0である場合(ステップS1115においてYES)、ステップS1116において、プロセッサ201’は、解除フラグが1であるか否かを判定する。
【0201】
解除フラグが1でない場合(ステップS1116においてNO)、フローはステップS1102に戻る。
【0202】
一方、解除フラグが1である場合(ステップS1116においてYES)、ステップS1117において、プロセッサ201’は、解除フラグを0にセットする。
【0203】
ステップS1118において、プロセッサ201’は、警報発出解除命令を測位端末10に発行し、通信部203’は、この警報発出解除命令を測位端末10’に送信する。そして、フローはステップS1102に戻る。
【0204】
ステップS1115において、第1警報フラグ、第2警報フラグ及び第3警報フラグのうちの少なくとも1つが0でない場合(ステップS1115においてNO)、ステップS1119において、プロセッサ201’は、警報発出命令を測位端末10’に発行し、通信部203’は、この警報発出命令を測位端末10’に送信する。なお、上述したように、測位端末10’に送信される警報発出命令は、1であるフラグに対応する警報発出命令の全てであってもよいし、1であるフラグに対応する警報発出命令のうちの1つの警報発出命令であってもよい。そして、フローはステップS1102に戻る。
【0205】
<変形例>
[変形例2-1]
実施の形態2においても、実施の形態1の変形例1-1が同様に適用されてよい。
【0206】
[変形例2-2]
実施の形態2においても、実施の形態1の変形例1-2が同様に適用されてよい。
【0207】
[変形例2-3]
実施の形態2においても、実施の形態1の変形例1-3が同様に適用されてよい。
【0208】
[変形例2-4]
実施の形態2においても、実施の形態1の変形例1-4が同様に適用されてよい。
【0209】
[変形例2-5]
実施の形態2においても、実施の形態1の変形例1-5が同様に適用されてよい。
【0210】
[変形例2-6]
上記では、上位サーバ20’が、警報イベント及び警報解除イベントの検知等の本開示に係る処理を実行する例について説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。例えば、上位サーバ20’の代わりに、複数の測位端末10’のうちの代表測位端末10’が、個々の測位端末10’から測位端末測位データを受信し、本開示に係る処理を実行してもよい。
【0211】
<効果>
実施の形態2によれば、上位サーバ20’又は代表測位端末10’によって、除雪車両50に搭載されている測位端末10’の位置に基づいて、互いに隣接する走行ルートを走行する除雪車両50に搭載されている測位端末10’間の距離が許容距離範囲内であるか否かが判定される。距離が許容距離範囲外である場合(例えば、距離が近すぎる又は遠すぎる場合)、除雪車両50の走行を管理する管理端末に警報を発出させるための警報発出命令が生成され、警報発出命令が管理端末に送信される、あるいは、測位端末10’は、警報を発出する。これにより、除雪車両50同士の衝突を避けることでき、あるいは、除雪車両50が遠ざかって作業全体の遅延を招くのを回避することで作業の効率化を図ることができ、作業経験が少ない作業員でも適切に作業を行うことができるように警報を行うことができる。
【0212】
また、実施の形態2によれば、測位端末10’を測位するためのRTK演算が、測位端末10’ではなく上位サーバ20’又は代表測位端末10’において実行されるので、個々の測位端末10’の処理負荷を軽減させることができる。
【0213】
(実施の形態3)
次いで、本開示の実施の形態3について説明する。実施の形態3は、除雪車両50が除雪を行う前であって、例えば除雪車両50が集合地点に集まったときに、除雪車両50の位置に応じて除雪車両50の順番(前後関係)及び走行ルートを決定することに関する。実施の形態3では、警報システム1又は警報システム1’が適用されてよい。図5のステップS501における除雪車両50の順番(前後関係)及び走行ルートが事前に設定される代わりに、例えば以下のように除雪車両50の順番(前後関係)及び走行ルートが決定され、変形例を含め実施の形態1又は実施の形態2において説明した動作が実行されてよい。
【0214】
図13は、実施の形態3に係る、除雪車両の順番(前後関係)及び走行ルートの決定の例を示す図である。実施の形態3において、上位サーバ20若しくは20’(プロセッサ201若しくは201’)、又は、代表測位端末10若しくは10’(プロセッサ101若しくは101’)が、除雪車両50の順番(前後関係)及び走行ルートの決定を行う。
【0215】
図13に示すように、それぞれ平行な直線分である5つの走行ルートR1~R5が事前に設定されており、5つの除雪車両50A~50Eが、5つの走行ルートR1~R5のいずれかの異なる走行ルートを走行して除雪を行うものとする。以下の説明において、プロセッサ201は、プロセッサ201’、プロセッサ101又はプロセッサ101’で置き換えられてよい。
【0216】
プロセッサ201は、除雪車両50A~50Eに搭載されている測位端末10に関する測位結果(位置)と、最も外側の走行ルートR5を伸ばした直線と、に基づいて、除雪車両50A~50E(より正確には、対応する測位端末10)の位置と前述の直線との最短距離を算出する。当該距離は、除雪車両50A~50Eの走行方向に対する垂直距離と表現されてもよい。プロセッサ201は、垂直距離がより短い除雪車両に、前述の直線からより近い走行ルートを走行させるように、除雪車両50A~50Eの走行ルートを決定する。
【0217】
図13に示す例では、除雪車両50Eの垂直距離D<除雪車両50Cの垂直距離D<除雪車両50Aの垂直距離D<除雪車両50Bの垂直距離D<除雪車両50Dの垂直距離Dである。したがって、プロセッサ201は、除雪車両50Eが走行する走行ルートを走行ルートR5に決定し、除雪車両50Cが走行する走行ルートを走行ルートR3に決定し、除雪車両50Aが走行する走行ルートを走行ルートR1に決定し、除雪車両50Bが走行する走行ルートを走行ルートR2に決定し、除雪車両50Dが走行する走行ルートを走行ルートR4に決定する。
【0218】
なお、複数の除雪車両50の垂直距離が互いに等しい場合、プロセッサ201は、これらの複数の除雪車両50の各々が走行する走行ルートを、当該垂直距離に対応する走行ルート群からランダムに選択してよい。
【0219】
<変形例>
[変形例3-1]
上記では、全ての除雪車両50に対して走行ルートが自動で決定される例を説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。例えば、除雪車両50のうちの一部に対しては走行ルートが予め定められていてもよい。例えば、図13に示す例において、除雪車両50Cの走行ルートは、垂直距離によらず、走行ルートR1に予め定められていてもよい。
【0220】
[変形例3-2]
上記では、複数の走行ルートのうち最も外側の走行ルートと、各除雪車両50に搭載された測位端末10の位置との間の距離に基づいて、各除雪車両50の走行ルートを決定していたが、距離の基準とする走行ルートは他の走行ルートであってもよい。例えば、いずれか1つの走行ルートを基準として、その走行ルートと除雪車両50に搭載された測位端末10の位置との間の垂直距離に基づいて各除雪車両50の走行ルートを決定してもよい。また、各走行ルートについて各除雪車両50との間の垂直距離を計算し、その距離に基づいて(例えば、距離が短い順序で)各除雪車両50の走行ルートを決定してもよい。
【0221】
[変形例3-3]
上記では、複数の除雪車両50それぞれの先端の形状は同一のものを採用していた。これは、除雪車両50の走行順序が走行ルートの決定まで確定しないため、走行順序がどのような順序になったとしても、除雪の効率が平準化されるようにするためである。しかし、除雪車両50の先端の形状は、決定した走行順序に従って変形可能なものにしてもよい。このようにすることで、決定した走行順序に応じて効率的な除雪を行うことができる。また、除雪車両50間に十分な間隔があるのであれば、除雪スタート地点から走行を開始する順序を調整してもよい。例えば、雪を除雪対象エリア外に効率的に誘導するためには、最も外側の走行ルートR4を走行する除雪車両50又は走行ルートR5を走行する除雪車両50の少なくとも一方が最後尾であることが望ましい。
【0222】
<効果>
実施の形態3によれば、測位端末10又は10’が搭載されている除雪車両50の位置に応じて、除雪車両50を効率よく走行ルートに投入することができる。
【0223】
(実施の形態の更なる変形例)
上述の実施の形態においては、測位端末10、10’の位置はRTK演算によって算出されていたが、他の測位方法を用いて算出されてもよい。他の測位方法としては、例えば、衛星からの信号のみから測位端末10、10’の位置を算出する従来のGPS方式や、RTK演算とは異なる補正データを用いるディファレンシャルGPS方式、衛星からの信号を用いずに周辺に配置されたビーコンからの信号を用いる方式等が挙げられる。また、単独の測位方式のみを採用するのではなく、複数の測位方式を併用して測位端末10、10’の位置を算出してもよい。例えば、屋外等の衛星からの信号を良好に受信できる環境と、屋内等の衛星からの信号の品質が劣化しやすい環境とで、測位端末10、10’の位置を算出する方式を切り替えたりすることが考えられる。すなわち、上述した実施の形態においては、測位端末10、10’の位置が何らかの測位方式を用いて算出されればよく、どのような測位方式を用いるかは問わない。ただし、RTK演算は、衛星から高品質な信号を受信できる環境であれば、他の測位方式と比べて高い精度の位置を算出することができる。そのため、屋外の除雪現場等の衛星からの信号を遮蔽する物体が少なく、位置の誤差が事故につながり易い環境では、RTK演算を用いることが好ましい。
【0224】
上述の実施の形態においては、警報は測位端末10、10’が発出するものとしたが、他の端末が発出するようにしてもよい。上述した実施の形態において警報の発出の目的は、所定の警報イベントに合致した移動体の監視又は制御である。この観点からは、警報の発出先は移動体の走行を管理する管理端末であることが望ましい。この管理端末は測位端末10と一体化されていてもよいし、システム全体を管理する管理センター等に設けられていてもよい。
【0225】
上述の実施の形態においては、除雪作業の例を説明した。しかし、上述した実施の形態の思想は他の異物を除去する作業へ適用することもできる。例えば、本開示は、水たまりの除去や火山灰の除去等、車両が走行可能なエリアに発生する異物の除去に適用されてもよい。
【0226】
(実施の形態のまとめ)
本開示の一実施例に係る情報処理装置は、複数の移動体(除雪車両50)のそれぞれが、略平行な複数の走行ルート(R1~R5)それぞれを走行するシステムにおける情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)であって、前記移動体に搭載されている端末(測位端末10、10’)の位置に基づいて、互いに隣接する走行ルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離が特定の距離範囲(許容距離範囲)内であるか否かを判定し、前記距離が前記特定の距離範囲外であると判定した場合、警報を発出させるための警報発出信号(警報発出命令)を生成する処理部(プロセッサ101、101’、201、201’)と、前記警報発出信号を前記移動体の走行を管理する管理端末(測位端末10に一体化されているもの、管理センター等に設けられているもの等)に送信する通信部(通信部105、105’、203、203’)と、を備える。
【0227】
上記の構成により、移動体に搭載されている端末の位置に基づいて、互いに隣接する走行ルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離が特定の距離範囲内であるか否かが判定される。距離が特定の距離範囲外である場合(例えば、距離が近すぎる又は遠すぎる場合)、管理端末に警報を発出させるための警報発出信号が生成され、警報発出信号が管理端末に送信される。これにより、移動体同士の衝突を避けることでき、あるいは、移動体が遠ざかって作業全体の遅延を招くのを回避することで作業の効率化を図ることができ、作業経験が少ない作業員でも適切に作業を行うことができるように警報を行うことができる。
【0228】
本情報処理装置において、前記互いに隣接するルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離は、前記移動体のそれぞれに搭載されている端末の位置を前記走行ルートに射影した点間の距離である。
【0229】
上記の構成により、移動体同士の衝突を避けることでき、あるいは、移動体が遠ざかって作業全体の遅延を招くのを回避することで作業の効率化を図ることができる。
【0230】
本情報処理装置において、前記互いに隣接するルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離が前記特定の距離範囲内になった場合、前記処理部は、前記警報の発出を前記管理端末に解除させるための警報発出解除信号(警報発出解除命令)を生成し、前記通信部は、前記警報発出解除信号を前記管理端末に送信する。
【0231】
上記の構成により、端末間の距離が特定の距離範囲内に戻ったことを示す警報発出解除信号が管理端末に提供されるので、例えば端末が搭載されている移動体を運転している人は、問題が生じていないことを認識することが可能になる。
【0232】
本情報処理装置において、前記複数の移動体のそれぞれは、隣接するルートを走行する他の移動体を追い越すことが禁止されている。
【0233】
上記の構成により、複数の移動体が定められた順番で移動することで、例えば移動体による効率的な業を実現することができる。
【0234】
本情報処理装置において、前記複数の走行ルートは、所定の異物除去エリア(除雪対象エリア)に配置されており、前記複数の移動体のそれぞれは、走行する方向に存在する異物を、後方を走行する移動体ほど、前記異物除去エリアの外側に誘導する形状を備える。
【0235】
上記の構成により、先行する移動体が掻き分けた異物を、後続する移動体にて異物除去エリアの外に誘導することができる。
【0236】
本情報処理装置において、前記処理部が、前記移動体が前記異物除去エリア内に存在すると判定した後、前記移動体の移動に応じて、前記移動体が前記異物除去エリア外に存在すると判定した場合、前記処理部は、前記警報の発出を前記管理端末に解除させるための警報発出解除信号(警報発出解除命令)を生成し、前記通信部は、前記警報発出解除信号を前記管理端末に送信する。
【0237】
上記の構成により、異物除去エリアでの作業が終了したとみなされることを示す警報発出解除信号が管理端末に提供されるので、例えば端末が搭載されている移動体を運転している人は、作業が終了した可能性が高いことを認識することが可能になる。
【0238】
本情報処理装置において、前記処理部は、更に、前記移動体に搭載されている端末の位置と、前記移動体に割り当てられた走行ルートとの最短距離が閾値以上になった場合、前記警報発出信号を生成する。
【0239】
上記の構成により、端末が走行ルートから閾値以上外れた場合に警報発出信号が管理端末に提供されるので、走行ルートから外れることによる作業漏れの発生を抑制できる可能性が高くなる。
【0240】
本情報処理装置において、前記最短距離が前記閾値未満になった場合、前記処理部は、前記警報の発出を前記管理端末に解除させるための警報発出解除信号(警報発出解除命令)を生成し、前記通信部は、前記警報発出解除信号を前記管理端末に送信する。
【0241】
上記の構成により、端末が走行ルートから閾値以上外れたことから閾値内に戻ったことを示す警報発出解除信号が端末に提供されるので、例えば端末が搭載されている移動体を運転している人は、問題が生じていないことを認識することが可能になる。
【0242】
本情報処理装置において、前記処理部は、前記複数の移動体にそれぞれ搭載されている前記端末と、前記複数の走行ルートのうちの少なくとも1つの走行ルートとの間の距離に基づいて、前記複数の移動体の各々が走行する走行ルートを決定する。
【0243】
上記の構成により、複数の端末がそれぞれ搭載されている複数の移動体の位置に応じて、移動体を効率よく走行ルートに投入することができる。
【0244】
本情報処理装置(代表測位端末10、上位サーバ20)において、前記通信部(通信部105、203)は、前記端末(測位端末10)から、RTK(Real Time Kinematic)演算に基づいて決定された前記端末の位置を受信する。
【0245】
上記の構成により、高精度の端末の位置を得ることができるので、上記の判定をより正確に行うことができる。
【0246】
本情報処理装置(代表測位端末10’、上位サーバ20’)において、前記処理部(プロセッサ101’、201’)は、RTK演算に基づいて前記端末(測位端末10’)の位置を決定する。
【0247】
上記の構成により、高精度の端末の位置を得ることができるので、上記の判定をより正確に行うことができる。
【0248】
本開示の一実施例に係る端末は、複数の移動体(除雪車両50)のそれぞれが、略平行な複数の走行ルート(R1~R5)それぞれを走行するシステムにおける移動体に搭載されている端末(測位端末10、10’)であって、前記端末の位置を決定する処理部(プロセッサ(101、101’)と、前記端末の位置と、前記端末が搭載されている移動体が走行する走行ルートに隣接する走行ルートを走行する他の移動体に搭載されている他の端末の位置との間の距離が特定の距離範囲(許容距離範囲)外である場合に警報を発出する警報部(103)と、を備える。
【0249】
上記の構成により、移動体に搭載されている端末の位置に基づいて、互いに隣接する走行ルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離が特定の距離範囲内であるか否判定される。距離が特定の距離範囲外である場合(例えば、距離が近すぎる又は遠すぎる場合)、端末は、警報を発出する。これにより、移動体同士の衝突を避けることでき、あるいは、移動体が遠ざかって作業全体の遅延を招くのを回避することで作業の効率化を図ることができ、作業経験が少ない作業員でも適切に作業を行うことができるように警報を行うことができる。
【0250】
本端末において、前記端末は、前記端末の位置を情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)に送信し、前記情報処理装置が、前記端末の位置と前記他の端末の位置との間の距離が前記特定の距離範囲(許容距離範囲)外であると判定した場合に前記警報を発出させるための警報発出信号(警報発出命令)を前記情報処理装置から受信する通信部(105、105’)を更に備え、前記警報部は、前記警報発出信号に従って警報を発出する。
【0251】
上記の構成により、判定処理が情報処理装置によって実行されるので、端末の処理負荷を軽減させることができる。
【0252】
本開示の一実施例に係る情報処理方法は、複数の移動体(除雪車両50)のそれぞれが、略平行な複数の走行ルート(R1~R5)それぞれを走行するシステムにおける情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)が、前記移動体に搭載されている端末(測位端末10、10’)の位置に基づいて、互いに隣接する走行ルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離が特定の距離範囲内であるか否かを判定し、前記距離が前記特定の距離範囲外であると判定した場合、警報を発出させるための警報発出信号(警報発出命令)を生成し、前記警報発出信号を前記移動体の走行を管理する管理端末(測位端末10に一体化されているもの、管理センター等に設けられているもの等)に送信する。
【0253】
上記の構成により、移動体に搭載されている端末の位置に基づいて、互いに隣接する走行ルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離が特定の距離範囲内であるか否かが判定される。距離が特定の距離範囲外である場合(例えば、距離が近すぎる又は遠すぎる場合)、管理端末に警報を発出させるための警報発出信号が生成され、警報発出信号が管理端末に送信される。これにより、移動体同士の衝突を避けることでき、あるいは、移動体が遠ざかって作業全体の遅延を招くのを回避することで作業の効率化を図ることができ、作業経験が少ない作業員でも適切に作業を行うことができるように警報を行うことができる。
【0254】
本開示の一実施例に係る警報方法は、複数の移動体(除雪車両50)のそれぞれが、略平行な複数の走行ルート(R1~R5)それぞれを走行するシステムにおける移動体に搭載されている端末(測位端末10、10’)が、前記端末の位置を決定し、前記端末の位置と、前記端末が搭載されている移動体が走行する走行ルートに隣接する走行ルートを走行する他の移動体に搭載されている他の端末の位置との間の距離が特定の距離範囲(許容距離範囲)外である場合に警報を発出する。
【0255】
上記の構成により、移動体に搭載されている端末の位置に基づいて、互いに隣接する走行ルートを走行する移動体に搭載されている端末間の距離が特定の距離範囲内であるか否判定される。距離が特定の距離範囲外である場合(例えば、距離が近すぎる又は遠すぎる場合)、端末は、警報を発出する。これにより、移動体同士の衝突を避けることでき、あるいは、移動体が遠ざかって作業全体の遅延を招くのを回避することで作業の効率化を図ることができ、作業経験が少ない作業員でも適切に作業を行うことができるように警報を行うことができる。
【0256】
本開示の一実施例に係る警報システムは、第1移動体(除雪車両50)に搭載されている第1端末(測位端末10、10’)と、前記第1移動体が走行する走行ルート(R1~R5)と略平行かつ隣接する走行ルート(R1~R1)を走行する第2移動体(除雪車両50)に搭載されている第2端末(測位端末10、10’)と、前記第1移動体及び前記第2移動体の走行を管理する管理端末(測位端末10に一体化されているもの、管理センター等に設けられているもの等)とを有する警報システム(警報システム1、1’)であって、前記警報システムは、前記第1端末と前記第2端末との位置に基づいて、前記第1端末と前記第2端末との間の距離が特定の距離範囲(許容距離範囲)内であるか否かを判定し、前記距離が前記所定の範囲外であると判定した場合、警報を発出させるための警報発出信号(警報発出命令)を生成し、前記警報発出信号を前記管理端末に送信し、前記管理端末は、前記警報発出信号に従って警報を発出する。
【0257】
上記の構成により、第1移動体に搭載されている第1端末の位置と、第1端末の走行ルートに隣接する走行ルートを走行する第2移動体に搭載されている第2端末の位置との位置に基づいて、第1端末と第2端末との間の距離が特定の距離範囲内であるか否かが判定される。距離が特定の距離範囲外である場合(例えば、距離が近すぎる又は遠すぎる場合)、管理端末に警報を発出させるための警報発出信号が生成され、警報発出信号が管理端末に送信される。これにより、第1移動体及び第2移動体の衝突を避けることでき、あるいは、第1移動体及び第2移動体が遠ざかって作業全体の遅延を招くのを回避することで作業の効率化を図ることができ、作業経験が少ない作業員でも適切に作業を行うことができるように警報を行うことができる。
【0258】
本開示の一実施例に係る情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)は、移動体(除雪車両50)に搭載されている端末(測位端末10、10’)の位置に基づいて、前記移動体が除雪対象エリア内に存在するか否かを判定し、前記移動体が前記除雪対象エリア内に存在する場合、前記端末の位置と前記除雪対象エリア内のターゲット(除雪車両50が走行する走行ルート、除雪車両50に隣接して除雪車両50の前方を走行する別の除雪車両50)との位置関係に応じて、前記端末に警報を発出させるための警報発出信号(警報発出信号)を生成する処理部(プロセッサ101、101’、201、201’)と、前記警報発出信号を前記端末に送信する通信部(通信部105、105’、203、203’)と、を備える。
【0259】
上記の構成により、移動体に搭載されている端末の位置に基づいて、移動体が除雪対象エリア内に存在するか否かが判定される。そして、移動体が除雪対象エリア内に存在する場合、端末の位置と除雪対象エリア内のターゲットとの位置関係に応じて、端末に警報を発出させるための警報発出信号が生成され、警報発出信号が端末に送信される。これにより、例えば移動体が走行する走行ルートや移動体に隣接して移動体の前方を走行する別の移動体といったターゲットと端末との位置関係に応じて、例えば移動体を運転している人(作業員)に対して適切に警報を行うことができ、作業経験が少ない人でも適切に作業を行うことができるように警報を行うことが可能になる。
【0260】
本情報処理装置において、前記ターゲットは、前記移動体が走行する走行ルートを含み、前記端末の位置と前記走行ルートとの最短距離が閾値(許容距離)以上になった場合、前記処理部は前記警報発出信号を生成する。
【0261】
上記の構成により、端末が走行ルートから閾値以上外れた場合に警報発出信号が端末に提供されるので、走行ルートから外れることによる除雪漏れの発生を抑制できる可能性が高くなる。
【0262】
本情報処理装置において、前記最短距離が前記閾値未満になった場合、前記処理部は、前記警報の発出を前記端末に解除させるための警報発出解除信号(警報発出解除命令)を生成し、前記通信部は、前記警報発出解除信号を前記端末に送信する、
【0263】
上記の構成により、端末が走行ルートから閾値以上外れたことから閾値内に戻ったことを示す警報発出解除信号が端末に提供されるので、例えば端末が搭載されている移動体を運転している人は、問題が生じていないことを認識することが可能になる。
【0264】
本情報処理装置において、前記ターゲットは、前記移動体に隣接して前記移動体の前方を走行する別の移動体(前方除雪車両50)を含み、前記端末の位置と前記別の移動体に搭載されている別の端末の位置との距離が特定の距離範囲(許容距離範囲)外になった場合、前記処理部は前記警報発出信号を生成する。
【0265】
上記の構成により、端末の位置と別の端末の位置との距離が特定の距離範囲外である(移動体と別の移動体と近すぎる又は遠すぎる)場合に警報発出信号が端末に提供されるので、移動体と別の移動体との衝突及び移動体を用いた作業遅延の発生を抑制できる可能性が高くなる。
【0266】
本情報処理装置において、前記距離が前記特定の距離範囲内になった場合、前記処理部は、前記警報の発出を前記端末に解除させるための警報発出解除信号(警報発出解除命令)を生成し、前記通信部は、前記警報発出解除信号を前記端末に送信する。
【0267】
上記の構成により、端末の位置と別の端末の位置との距離が特定の距離範囲内に戻ったことを示す警報発出解除信号が端末に提供されるので、例えば端末が搭載されている移動体を運転している人は、問題が生じていないことを認識することが可能になる。
【0268】
本情報処理装置において、前記ターゲットは、前記移動体が走行する走行ルートと、前記移動体に隣接して前記移動体の前方を走行する別の移動体と、を含み、前記端末の位置及び前記別の移動体に搭載されている別の端末の位置を前記走行ルートに射影した点間の距離が特定の距離範囲外になった場合、前記処理部は前記警報発出信号を生成する。
【0269】
上記の構成により、端末の位置及び別の端末の位置を走行ルートに射影した点間の(射影)距離が特定の距離範囲外である(移動体と別の移動体と近すぎる又は遠すぎる)場合に警報発出信号が端末に提供されるので、移動体と別の移動体との衝突及び移動体を用いた作業遅延の発生を抑制できる可能性が高くなる。
【0270】
本情報処理装置において、前記距離が前記特定の距離範囲内になった場合、前記処理部は、前記警報の発出を前記端末に解除させるための警報発出解除信号(警報発出解除命令)を生成し、前記通信部は、前記警報発出解除信号を前記端末に送信する。
【0271】
上記の構成により、(射影)距離が特定の距離範囲内に戻ったことを示す警報発出解除信号が端末に提供されるので、例えば端末が搭載されている移動体を運転している人は、問題が生じていないことを認識することが可能になる。
【0272】
本情報処理装置において、前記処理部が、前記移動体が前記除雪対象エリア内に存在すると判定した後、前記移動体の移動に応じて、前記移動体が前記除雪対象エリア外に存在すると判定した場合、前記処理部は、前記警報の発出を前記端末に解除させるための警報発出解除信号(警報発出解除命令)を生成し、前記通信部は、前記警報発出解除信号を前記端末に送信する。
【0273】
上記の構成により、除雪対象エリアでの除雪作業が終了したとみなされることを示す警報発出解除信号が端末に提供されるので、例えば端末が搭載されている移動体を運転している人は、除雪作業が終了した可能性が高いことを認識することが可能になる。
【0274】
本情報処理装置において、前記処理部は、前記移動体を含む複数の移動体(除雪車両50)にそれぞれ搭載されている前記端末を含む複数の端末(測位端末10、10’)と、前記複数の移動体がそれぞれ走行する複数の平行な走行ルートのうちの最も外側の走行ルートと、の最短距離に基づいて、前記複数の移動体の各々が走行する走行ルートを決定する。
【0275】
上記の構成により、複数の端末がそれぞれ搭載されている複数の移動体の位置に応じて、移動体を効率よく走行ルートに投入することができる。
【0276】
本情報処理装置(代表測位端末10、上位サーバ20)において、前記通信部(通信部105、203)は、前記端末(測位端末10)から、RTK(Real Time Kinematic)演算に基づいて決定された前記端末の位置を受信する。
【0277】
上記の構成により、高精度の端末の位置を得ることができるので、上記の判定をより正確に行うことができる。
【0278】
本情報処理装置(代表測位端末10’、上位サーバ20’)において、前記処理部(プロセッサ101’、201’)は、RTK演算に基づいて前記端末(測位端末10’)の位置を決定する。
【0279】
上記の構成により、高精度の端末の位置を得ることができるので、上記の判定をより正確に行うことができる。
【0280】
本開示の一実施例に係る端末(測位端末10、10’)は、移動体(除雪車両50)に搭載されており、前記端末の位置を決定する処理部(プロセッサ101、101’)と、前記端末の位置を情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)に送信し、前記移動体が除雪対象エリア内に存在する場合、前記端末に警報を発出させるための警報発出信号(警報発出命令)を、前記情報処理装置から受信する通信部(通信部105、105’)と前記警報発出信号に従って警報を発出する警報部(警報部103)と、を備え、前記警報発出信号は、前記端末の位置と前記除雪対象エリア内のターゲット(除雪車両50が走行する走行ルート、除雪車両50に隣接して除雪車両50の前方を走行する別の除雪車両50)との位置関係に応じて生成される。
【0281】
上記の構成により、移動体に搭載されている端末の位置に基づいて、移動体が除雪対象エリア内に存在するか否かが判定される。そして、移動体が除雪対象エリア内に存在する場合、端末の位置と除雪対象エリア内のターゲットとの位置関係に応じて、端末に警報を発出させるための警報発出信号が生成され、警報発出信号が端末に送信される。これにより、例えば移動体が走行する走行ルートや移動体に隣接して移動体の前方を走行する別の移動体といったターゲットと端末との位置関係に応じて、例えば移動体を運転している人(作業員)に対して適切に警報を行うことができ、作業経験が少ない人でも適切に作業を行うことができるように警報を行うことが可能になる。
【0282】
本端末(測位端末10)において、前記処理部(プロセッサ101)は、RTK演算に基づいて前記端末の位置を決定する。
【0283】
上記の構成により、高精度の端末の位置を得ることができるので、上記の判定をより正確に行うことができる。
【0284】
本開示の一実施例に係る情報処理方法は、情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)が、移動体(除雪車両50)に搭載されている端末(測位端末10、10’)の位置に基づいて、前記移動体が除雪対象エリア内に存在するか否かを判定し、前記移動体が前記除雪対象エリア内に存在する場合、前記端末の位置と前記除雪対象エリア内のターゲット(除雪車両50が走行する走行ルート、除雪車両50に隣接して除雪車両50の前方を走行する別の除雪車両50)との位置関係に応じて、前記端末に警報を発出させるための警報発出信号(警報発出命令)を生成し、前記警報発出信号を前記端末に送信する。
【0285】
上記の構成により、移動体に搭載されている端末の位置に基づいて、移動体が除雪対象エリア内に存在するか否かが判定される。そして、移動体が除雪対象エリア内に存在する場合、端末の位置と除雪対象エリア内のターゲットとの位置関係に応じて、端末に警報を発出させるための警報発出信号が生成され、警報発出信号が端末に送信される。これにより、例えば移動体が走行する走行ルートや移動体に隣接して移動体の前方を走行する別の移動体といったターゲットと端末との位置関係に応じて、例えば移動体を運転している人(作業員)に対して適切に警報を行うことができ、作業経験が少ない人でも適切に作業を行うことができるように警報を行うことが可能になる。
【0286】
本開示の一実施例に係る警報方法は、移動体(除雪車両50)に搭載されている端末(測位端末10、10’)が、前記端末の位置を決定し、前記端末の位置を情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)に送信し、前記移動体が除雪対象エリア内に存在する場合、前記端末に警報を発出させるための警報発出信号(警報発出命令)を、前記情報処理装置から受信し、前記警報発出信号に従って警報を発出し、前記警報発出信号は、前記端末の位置と前記除雪対象エリア内のターゲット(除雪車両50が走行する走行ルート、除雪車両50に隣接して除雪車両50の前方を走行する別の除雪車両50)との位置関係に応じて生成される。
【0287】
上記の構成により、移動体に搭載されている端末の位置に基づいて、移動体が除雪対象エリア内に存在するか否かが判定される。そして、移動体が除雪対象エリア内に存在する場合、端末の位置と除雪対象エリア内のターゲットとの位置関係に応じて、端末に警報を発出させるための警報発出信号が生成され、警報発出信号が端末に送信される。これにより、例えば移動体が走行する走行ルートや移動体に隣接して移動体の前方を走行する別の移動体といったターゲットと端末との位置関係に応じて、例えば移動体を運転している人(作業員)に対して適切に警報を行うことができ、作業経験が少ない人でも適切に作業を行うことができるように警報を行うことが可能になる。
【0288】
本開示の一実施例に係る警報システム(警報システム1、1’)は、情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)と、第1移動体(除雪車両50)に搭載されている第1端末(測位端末10、10’)と、前記第1移動体に隣接して前記第1移動体の前方を走行する第2移動体(除雪車両50)に搭載されている第2端末(測位端末10、10’)と、を有し、前記情報処理装置は、前記第1端末の位置に基づいて、前記第1移動体が除雪対象エリア内に存在するか否かを判定し、前記第1移動体が前記除雪対象エリア内に存在する場合、前記第1端末の位置と前記第2端末の位置との距離が特定の距離範囲(許容距離範囲)外になった場合、前記第1端末に警報を発出させるための警報発出信号(警報発出命令)を生成し、前記警報発出信号を前記第1端末に送信し、前記第1端末は、前記情報処理装置から前記警報発出信号を受信し、前記警報発出信号に従って警報を発出する。
【0289】
上記の構成により、第1移動体に搭載されている第1端末の位置に基づいて、第1移動体が除雪対象エリア内に存在するか否かが判定される。そして、第1移動体が除雪対象エリア内に存在する場合、第1端末の位置と除雪対象エリア内のターゲット(移動体に隣接して移動体の前方を走行する別の移動体)との位置関係に応じて、第1端末に警報を発出させるための警報発出信号が生成され、警報発出信号が第1端末に送信される。これにより、例えば第1移動体が第1移動体に隣接して第1移動体の前方を走行する別の第2移動体といったターゲットと第1端末との位置関係に応じて、例えば第1移動体を運転している人(作業員)に対して適切に警報を行うことができ、作業経験が少ない人でも適切に作業を行うことができるように警報を行うことが可能になる。また、上記の構成により、第1端末の位置と第2端末の位置との距離が特定の距離範囲外である(第1移動体と第2移動体と近すぎる又は遠すぎる)場合に警報発出信号が端末に提供されるので、第1移動体と第2移動体との衝突及び第1移動体を用いた作業遅延の発生を抑制できる可能性が高くなる。
【0290】
上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0291】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例又は修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
【0292】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0293】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0294】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0295】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0296】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0297】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0298】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0299】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0300】
本開示は、適切に警報を行う警報技術に有用である。
【符号の説明】
【0301】
1,1’ 警報システム
10,10’ 測位端末
20,20’ 上位サーバ
30,30’ 基準局データ配信サーバ
40 モニタデバイス
50 除雪車両
101,101’,201,201’ プロセッサ
102,102’,202 記憶部
103 警報部
104 GNSS受信装置
105,105’,203,203’ 通信部
106 出力部
107,204 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13