(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094269
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】データ処理装置、データ処理方法および演算モデル生成システム
(51)【国際特許分類】
G01M 17/02 20060101AFI20230628BHJP
B60C 19/00 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
G01M17/02
B60C19/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209650
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】石坂 信吉
(72)【発明者】
【氏名】土本 壮至
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BC55
3D131LA34
(57)【要約】
【課題】タイヤの摩耗量の計測データを選定しデータベースを効率的に生成することができるデータ処理装置、データ処理方法および演算モデル生成システムを提供する。
【解決手段】データ処理装置20は、データ取得部22a、閾値設定部22b、連続性判定部22cおよびデータベース生成部22dを備える。データ取得部22aはタイヤの摩耗量に関するデータを所定期間において取得する。閾値設定部22bは、データ取得部22aにより取得したデータに対して下限側閾値および上限側閾値を設定する。連続性判定部22cは、閾値設定部22bにより設定された下限側閾値および上限側閾値の範囲外のデータに対して所定期間における変化が連続的であるか否かを判定する。データベース生成部22dは、連続性判定部22cによる判定結果が否であったデータを除外して摩耗量データベース23aを生成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に装着されたタイヤの摩耗量に関するデータを所定期間において取得するデータ取得部と、
前記データ取得部により取得したデータに対して下限側閾値および上限側閾値を設定する閾値設定部と、
前記閾値設定部により設定された下限側閾値および上限側閾値の範囲外のデータに対して前記所定期間における変化が連続的であるか否かを判定する連続性判定部と、
前記連続性判定部による判定結果が否であったデータを除外して摩耗量データベースを生成するデータベース生成部と、
を備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記データは、車両の走行距離を摩耗量で除した摩耗指標値であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記閾値設定部は、四分位法によって下限値および上限値を算出し、前記下限値を前記下限側閾値、前記上限値を前記上限側閾値とすることを特徴とする請求項1または2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記閾値設定部は、四分位法によって算出した下限値および上限値の範囲内のデータに対して平均値を算出し、各データを前記平均値で除した比率について所定範囲を予め定めており、前記所定範囲の下限値を下限側閾値、上限値を前記上限側閾値とすることを特徴とする請求項1または2に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
車両に装着されたタイヤの摩耗量に関するデータを所定期間において取得するデータ取得ステップと、
前記データ取得ステップにより取得したデータに対して下限側閾値および上限側閾値を設定する閾値設定ステップと、
前記閾値設定ステップにより設定された下限側閾値および上限側閾値の範囲外のデータに対して前記所定期間における変化が連続的であるか否かを判定する連続性判定ステップと、
前記連続性判定ステップによる判定結果が否であったデータを除外して摩耗量データベースを生成するデータベース生成ステップと、
を備えることを特徴とするデータ処理方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載のデータ処理装置と、
入力された情報に基づいてタイヤの摩耗量を算出する学習型の演算モデルを有し、少なくとも前記車両の走行距離を含む情報を前記演算モデルに入力してタイヤの摩耗量を算出する摩耗量算出部と、
前記データ処理装置によって生成された摩耗量データベースに含まれる摩耗量のデータと前記摩耗量算出部により算出された摩耗量とを比較して前記演算モデルを学習させる学習処理部と、
を備えることを特徴とする演算モデル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に装着されるタイヤの摩耗量のデータを処理するデータ処理装置およびデータ処理方法、並びにタイヤの摩耗量を推定する演算モデルを生成する演算モデル生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、タイヤは走行状態や走行距離等に応じて摩耗が進行する。また昨今ではタイヤの圧力および温度を計測するセンサをタイヤに取り付け、計測した圧力および温度を表示する装置などが製品化されている。
【0003】
特許文献1にはタイヤの使用履歴データから異常データを検出する従来の異常データ検出方法が記載されている。この異常データ検出方法は、タイヤの使用履歴に関するデータを収集した後、例えば、走行距離と摩耗量などの、収集されたタイヤの使用履歴の複数項目から選択される、相関関係にある複数の項目の組み合わせであるデータセットを抽出する。その後、抽出されたデータセットから、アイソレーションフォレストなどの機械学習アルゴリズムにより、異常データを検出する。異常データを検出する際には、予め正常であると判定された複数のデータセットを訓練データとして構築した判別モデルに基づいて、データセットが異常なデータセットであるか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の異常データ検出方法は、予め訓練データに基づいて判別モデルを学習させておき、判別モデルの入力変数に応じて判別モデルが構築しなければならず、異常データ検出のための処理が複雑となり、処理負荷が増大してしまうという問題点があった。またタイヤ摩耗量を推定する演算モデルの学習に用いる教師データである摩耗量の測定値は、作業者の熟練度によって測定誤差が生じたり、例えば光学式等の測定装置によって計測した場合でもタイヤ溝に石などが挟まっており測定誤差が生じる蓋然性があった。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、タイヤの摩耗量の計測データを選定しデータベースを効率的に生成することができるデータ処理装置、データ処理方法および演算モデル生成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様のデータ処理装置は、車両に装着されたタイヤの摩耗量に関するデータを所定期間において取得するデータ取得部と、前記データ取得部により取得したデータに対して下限側閾値および上限側閾値を設定する閾値設定部と、前記閾値設定部により設定された下限側閾値および上限側閾値の範囲外のデータに対して前記所定期間における変化が連続的であるか否かを判定する連続性判定部と、前記連続性判定部による判定結果が否であったデータを除外して摩耗量データベースを生成するデータベース生成部と、を備える。
【0008】
本発明の別の態様はデータ処理方法である。データ処理方法は、車両に装着されたタイヤの摩耗量に関するデータを所定期間において取得するデータ取得ステップと、前記データ取得ステップにより取得したデータに対して下限側閾値および上限側閾値を設定する閾値設定ステップと、前記閾値設定ステップにより設定された下限側閾値および上限側閾値の範囲外のデータに対して前記所定期間における変化が連続的であるか否かを判定する連続性判定ステップと、前記連続性判定ステップによる判定結果が否であったデータを除外して摩耗量データベースを生成するデータベース生成ステップと、を備える。
【0009】
本発明の別の態様は演算モデル生成システムである。演算モデル生成システムは、上述のデータ処理装置と、入力された情報に基づいてタイヤの摩耗量を算出する学習型の演算モデルを有し、少なくとも前記車両の走行距離を含む情報を前記演算モデルに入力してタイヤの摩耗量を算出する摩耗量算出部と、前記データ処理装置によって生成された摩耗量データベースに含まれる摩耗量のデータと前記摩耗量算出部により算出された摩耗量とを比較して前記演算モデルを学習させる学習処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、タイヤの摩耗量の計測データを選定しデータベースを効率的に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る演算モデル生成システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】車載計測装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】演算モデルの摩耗量推定および学習について説明するための模式図である。
【
図4】データ処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】データ処理装置によるデータベース生成処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】計測された摩耗量データによって学習させた演算モデルの摩耗量推定の結果を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに
図1から
図6を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0013】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る演算モデル生成システム100の機能構成を示すブロック図である。演算モデル生成システム100は、タイヤ摩耗量計測装置60、車載計測装置70、気象情報サーバ装置80、演算モデル生成装置10およびデータ処理装置20を備え、タイヤ7の摩耗量を推定する演算モデル13aを生成する。
【0014】
演算モデル生成装置10は、例えばインターネット等の通信ネットワーク9を介して車両に搭載された車載計測装置70から車両の速度および位置情報等の車両計測情報、並びにタイヤ7で計測されるタイヤ計測情報を取得する。演算モデル生成装置10は、気象情報サーバ装置80から気象情報を取得する。また演算モデル生成装置10は、タイヤ摩耗量計測装置60で計測されたタイヤ7の摩耗量のデータに基づいてデータ処理装置20が生成したタイヤ7の摩耗量データベース中の各データを取得する。
【0015】
データ処理装置20は、タイヤ摩耗量計測装置60で計測されたタイヤ7の摩耗量のデータについて、計測誤差などによって、他の摩耗量データの分布範囲から数値が外れているデータを除外して摩耗量データベースを生成する。演算モデル生成装置10は、データ処理装置20によって生成された摩耗量データベース中の各データを教師データとして用いて演算モデル13aを学習させることによって、演算モデル13aによる摩耗量の推定精度が向上する。
【0016】
タイヤ摩耗量計測装置60は、所定期間(数ヶ月から数年)において複数回に亘って、タイヤ7のトレッドに設けられた溝の深さを直接計測し、タイヤ7の摩耗量を取得する。タイヤ摩耗量計測装置60は、計測されたタイヤ7の摩耗量のデータを通信ネットワーク9を介してデータ処理装置20へ送信する。タイヤ作業者が計測器具やカメラ、目視等によって各溝の深さを計測し、タイヤ摩耗量計測装置60は、作業者が入力する計測データを記憶するものであってもよい。また、タイヤ摩耗量計測装置60は、機械的あるいは光学的な方法によって溝の深さを計測して摩耗量を記憶する専用の装置であってもよい。
【0017】
具体的には、タイヤ摩耗量計測装置60は、例えば、タイヤの溝が4本あった場合に、幅方向の4か所で計測し、さらに同一溝の周方向、例えば120°間隔で、3か所計測する。これにより、タイヤの幅方向または周方向での偏摩耗データもタイヤ摩耗量計測装置60に記憶される。なお、タイヤ摩耗量計測装置60は、タイヤの摩耗で直径が変わるため、走行距離とタイヤの回転数・速度の情報から計算によって溝の深さを間接的に計測してもよい。加えて、溝の深さを直接計測するものに、走行距離とタイヤの回転数・速度から計算によって予測するもの、とを併用してもよい。
【0018】
図2は、車載計測装置70の機能構成を示すブロック図である。車載計測装置70は、車両計測部71、タイヤ計測部72、情報取得部73および通信部74を備える。車載計測装置70における各部は、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろな形態で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0019】
車両計測部71は、車両に搭載された速度メータ71a、GPS受信機71bおよび加速度センサ71cを有する。速度メータ71aは、車両の速度を計測する。GPS受信機71bは、車両の現在の位置情報(緯度、経度および高度)を計測する。加速度センサ71cは、車両の3軸方向の加速度を計測する。
【0020】
タイヤ計測部72は、温度センサ72aおよび圧力センサ72bを有する。温度センサ72aおよび圧力センサ72bは、車両に装着されたタイヤ7のエアバルブ等に配設されていたり、あるいはベルト等でホイールに強固に巻き付け固定されており、タイヤ7の温度および空気圧を計測する。温度センサ72aは、タイヤ7のインナーライナー等に配設されていてもよい。
【0021】
情報取得部73は、車両計測部71で計測された車両計測情報(速度、位置情報、加速度等)およびタイヤ計測部72で計測されたタイヤ計測情報(タイヤの温度および空気圧等)を取得する。情報取得部73は、車両計測情報およびタイヤ計測情報に含まれる各計測データに対して、計測された時刻情報、または取得した時刻情報を対応付ける。情報取得部73は、車両計測情報およびタイヤ計測情報を各計測データに対応付けられた時刻情報とともに通信部74から演算モデル生成装置10へ送信する。
【0022】
情報取得部73は、車両にデジタルタコメータ等の装置が搭載されている場合には、当該装置において収集した車両の速度、加速度および位置情報等を取得するようにしてもよい。通信部74は、例えばWiFi(登録商標)等の無線通信によって通信ネットワーク9に通信接続し、情報取得部73が取得した車両計測情報、タイヤ計測情報および時刻情報を通信ネットワーク9を介して演算モデル生成装置10へ送信する。
【0023】
図1に戻り、気象情報サーバ装置80は各地における気象情報を提供する。気象情報サーバ装置80が提供する気象情報は、各地における降水量、積雪量、降雪量、気温および日照時間等を含む情報である。演算モデル生成装置10は、気象情報サーバ装置80から車両が走行している場所における気象情報を取得する。
【0024】
演算モデル生成装置10は、通信部11、車両情報取得部12、摩耗量算出部13、記憶部14および学習処理部15を備える。演算モデル生成装置10における各部は、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろな形態で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0025】
通信部11は、無線または有線通信によって通信ネットワーク9に通信接続し、車載計測装置70の通信部74との間で通信する。また通信部11は、通信ネットワーク9を介して気象情報サーバ装置80との間で通信する。
【0026】
車両情報取得部12は、車両に搭載された車載計測装置70から送信された車両計測情報(速度、位置情報、加速度等)およびタイヤ計測情報(タイヤの温度および空気圧等)を取得する。車両情報取得部12は、車両計測情報に基づいて車両の走行距離を算出して取得する。
【0027】
車両情報取得部12は、車両計測情報の位置情報に基づいて走行距離を算出して取得することができる。また、車両の走行距離は、車両計測情報における速度のデータと、当該データに対応付けられた時刻のデータに基づいて算出してもよい。即ち、時系列的に並んだ速度データに、次の時点までの時間差分を乗算することによって車両の走行距離を算出することができる。
【0028】
車両情報取得部12は、車両の走行距離に関する情報が、車両または車両管理用の外部装置等から提供されていれば、自ら走行距離を算出する必要はなく、車両または外部装置から走行距離に関する情報を取得してもよい。
【0029】
車両情報取得部12は、取得した走行距離を摩耗量算出部13へ出力する。車両情報取得部12は、取得したタイヤ計測情報(タイヤの温度および空気圧等)を摩耗量算出部13へ出力する。車両情報取得部12は、摩耗量算出部13において車両の加速度を入力要素として用いる演算モデルに基づくタイヤの摩耗量推定を行う場合、車両計測情報における加速度のデータを摩耗量算出部13へ出力する。
【0030】
また車両情報取得部12は、車両仕様データ14aおよびタイヤ仕様データ14bのうちタイヤ7の摩耗量の推定に用いるデータを記憶部14から取得し、摩耗量算出部13へ出力する。記憶部14は、例えばSSD(Solid State Drive)、ハードディスク、CD-ROM、DVD等によって構成される記憶装置であり、予め各種の車両およびタイヤ7の仕様に関して提供されているデータを記憶している。
【0031】
車両仕様データ14aには、例えばメーカー、車両名、車両型式、車体重量、ドライブトレーン、全長、車幅、車高、最大積載荷重などの車両の性能等に関する情報が含まれる。また、タイヤ仕様データ14bには、例えばタイヤ識別情報、メーカー、商品名、タイヤサイズ、タイヤ幅、扁平率、耐摩耗性能、タイヤ強度、静的剛性、動的剛性、タイヤ外径、ロードインデックス、製造年月日など、タイヤ7の性能に関する情報が含まれる。例えばタイヤ7にRFIDを内蔵させておき、タイヤ摩耗量計測装置60によって摩耗量を計測する際に、RFIDを読み取ってタイヤ識別情報と車両における軸位置とを対応付けるデータを記憶部14に記憶するようにしてもよい。タイヤ7の車両における軸位置は、タイヤローテーションによって変更されることになるが、ローテーション履歴が記録されていない場合であっても、記憶部14に記憶したタイヤ識別情報と車両における軸位置との対応関係を参照して、タイヤ7が装着されている軸位置の判別や、軸位置が変更された時期を知得することができる。また、タイヤ7においてホイールの向きを付け替える作業が行われたことを記憶部14に記憶させておくことで、タイヤ7の個々の溝がホイールを基準に表裏のいずれの側にあるかについても追跡していくことができる。
【0032】
摩耗量算出部13は、演算モデル13aを有し、タイヤ7の摩耗量を推定する。演算モデル13aは、入力された情報に基づいてタイヤ7の摩耗量を算出する学習型モデルである。
図3は、演算モデル13aの摩耗量推定および学習について説明するための模式図である。演算モデル13aへの入力データは、概ね車両計測情報、タイヤ計測情報およびその他情報の各系統に分類される。
【0033】
車両計測情報関連の入力データは、車両の加速度および走行距離を含む。走行距離は、上述のように車両情報取得部12において取得される。タイヤ計測情報関連の入力データは、タイヤ7の温度および空気圧を含む。尚、車両の加速度は、適宜演算モデルへの入力データとして用いられるものとする。
【0034】
その他情報による入力データは、気象情報に基づいて推定される路面状態、車両仕様データ14aに含まれる車両の最大積載荷重、タイヤ仕様データ14bに含まれるタイヤ7の耐摩耗性能等である。タイヤ7の耐摩耗性能は、例えばランボーン摩耗試験に基づき標準配合を100として各種トレッド配合の耐摩耗性能を指標化したタイヤ摩耗指標値等を用いる。
【0035】
演算モデル13aは、例えばニューラルネットワーク等の学習型モデルを用いる。演算モデル13aは、例えばDNN(Deep Neural Network)や、決定木などの手法を用いて構築される。また演算モデル13aは、例えば入力情報に対する多重線形回帰モデルとし、学習によってモデル生成されるものであってもよい。
【0036】
学習処理部15は、データ処理装置20によって生成されたタイヤ7の摩耗量データベース中の各データを取得し、演算モデル13aの学習に用いる教師データとする。演算モデル13aの学習過程では、入力情報に基づいて演算モデル13aによって出力データとしてのタイヤ7の摩耗量を推定し、教師データと比較する。
【0037】
学習処理部15は、演算モデル13aによって推定したタイヤ7の摩耗量と教師データとを比較し、重みづけ等の演算過程における各種係数を演算モデル13aに新たに設定し、モデルの更新を繰り返すことで学習を実行する。尚、学習処理部15は、勾配ブースティングなどの公知の学習方法を用いることができる。また演算モデル13aの検証には、ランダムデータサンプリングや交差検証などの公知の検証方法を用いることができる。
【0038】
図4は、データ処理装置20の機能構成を示すブロック図である。データ処理装置20は、通信部21、データ処理部22および記憶部23を備える。データ処理装置20における各部は、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろな形態で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0039】
通信部21は、無線または有線通信によって通信ネットワーク9に通信接続し、タイヤ摩耗量計測装置60との間で通信する。記憶部23は、例えばSSD(Solid State Drive)、ハードディスク、CD-ROM、DVD等によって構成される記憶装置であり、データ処理部22により生成される摩耗量データベース23aを記憶する。データ処理装置20は、生成した摩耗量データベース23a中の各データを演算モデル生成装置10へ出力するが、通信部21を介して各データを演算モデル生成装置10へ送信するようにしてもよい。
【0040】
データ処理部22は、データ取得部22a、閾値設定部22b、連続性判定部22cおよびデータベース生成部22dを備える。データ取得部22aは、通信部21を介してタイヤ摩耗量計測装置60から、選定した車両の軸位置(車輪位置)に装着されたタイヤ7の摩耗量の計測データを取得する。上述のように、タイヤ摩耗量計測装置60は所定期間(例えば数か月~数年)において複数回に亘ってタイヤ7の摩耗量を計測しており、データ取得部22aは、計測された全ての摩耗量データを取得する。データ取得部22aでは、タイヤおよびタイヤの複数の溝について所定期間において特定が可能となっており、同じタイヤの同じ溝について時系列的に摩耗量データを取得できることが望ましい。
【0041】
閾値設定部22bは、データ取得部22aにより取得した摩耗量に関するデータに対して下限側閾値および上限側閾値を設定する。閾値設定部22bは、走行距離を摩耗量で除した摩耗指標値WIを各摩耗量の計測データに対して算出する。閾値設定部22bは、車両の走行距離に関するデータを車載計測装置70または演算モデル生成装置10から取得するとよい。
【0042】
閾値設定部22bは、タイヤ7の摩耗量および走行距離が、摩耗量計測の或る時点から次の時点までの間に摩耗量が0.5mm増加し、その間に1000kmを走行していたとすれば、WI=1000/0.5=2000のように摩耗指標値を算出する。閾値設定部22bは、摩耗量計測の時点ごとに摩耗指標値を算出することができる。上述のように、タイヤ摩耗量計測装置60が、例えば、タイヤの溝が4本あり、幅方向の4か所で摩耗量を計測しているような場合、閾値設定部22bは、計測されたそれぞれの摩耗量に対して摩耗指標値を算出する。尚、幅方向4箇所に加え、同一溝の周方向に例えば120°間隔の3箇所で摩耗量を計測してもよい。
【0043】
閾値設定部22bは、摩耗指標値の全データに対して四分位法によって四分位数を算出し、一旦、第1四分位数を第1下限側閾値、第3四分位数を第2上限側閾値に設定する。閾値設定部22bは、下限側閾値および上限側閾値で挟まれた範囲内の摩耗指標値のデータについて平均値WIaを算出する。
【0044】
閾値設定部22bは、摩耗指標値WIの全データに対して、平均値WIaで除した比率PAをそれぞれ算出し、比率PAについて所定範囲を設定する。所定範囲は、例えば比率PAの値が1/3以上、3以下の範囲とし、このとき、1/3が第2下限側閾値、3が第2上限側閾値となる。尚、閾値設定部22bが設定する所定範囲は、これに限られず、第2下限側閾値を1/4、第2上限側閾値を4などと設定してもよい。閾値設定部22bおよび連続性判定部22cは、摩耗指標値WIの平均値を算出する際に、同じタイヤの同じ溝における摩耗指標値のデータ群を対象としても良いし、同じタイヤの複数の溝における摩耗指標値のデータ群を対象としても良い。また閾値設定部22bおよび連続性判定部22cは、摩耗指標値WIの平均値を算出する際に、車軸ごとに摩耗指標値のデータ群を対象として平均値を算出してもよい。例えば車軸が3以上設けられている大型車両において、前部の1軸目(操舵軸)に配置された複数のタイヤの全ての溝における摩耗指標値WIの平均値を算出し、中間の2軸目(駆動軸)に配置された複数のタイヤの全ての溝における摩耗指標値WIの平均値を算出し、後部の3軸目(遊動軸)に配置された複数のタイヤの全ての溝における摩耗指標値WIの平均値を算出するようにしてもよい。
【0045】
閾値設定部22bによって設定された第2下限側閾値よりも小さい比率PAとなる摩耗指標値WIに対応するデータは、例えば摩耗量の測定エラーによって生じた不適切なデータであると一旦認定される。また、閾値設定部22bによって設定された第2上限側閾値よりも大きい比率PAとなる摩耗指標値WIに対応するデータも、不適切なデータであると一旦認定される。閾値設定部22bは、不適切なデータであると認定した各データを連続性判定部22cへ出力する。
【0046】
連続性判定部22cは、閾値設定部22bから入力されたデータについて、同じタイヤで、かつ同じ溝で取得された他のデータ(即ち、時間的に前後して計測されたデータ)と比べて、摩耗量の変化が連続的であるか否かを判定する。摩耗量のデータは、上述のように、所定期間内において複数回に亘って取得されている。
【0047】
連続性判定部22cは、同じタイヤかつ同じ溝で取得された他のデータの摩耗指標値WIを、閾値設定部22bから入力されたデータの摩耗指標値WIで除した比率PBを算出し、比率PBについて所定範囲を設定する。所定範囲は、例えば比率PBの値が1/3以上、3以下の範囲とする。尚、連続性判定部22cが設定する所定範囲は、これに限られず、比率PBの値が1/4以上、4以下の範囲などと設定してもよい。
【0048】
別の連続性の判定方法として、連続性判定部22cは、不適切と一旦認定されたデータと同じタイヤかつ同じ溝で取得された他のデータの摩耗指標値WIに対して平均値WIcを算出する。不適切と一旦認定されたデータをWIcで除した比率PCを算出し、比率PCについて所定範囲を設定する。所定範囲は、例えば比率PCの値が1/3以上、3以下の範囲とする。尚、連続性判定部22cが設定する所定範囲は、これに限られず、比率PCの値が1/4以上、4以下の範囲などと設定してもよい。
【0049】
連続性判定部22cは、比率PBが上記の所定範囲内であれば連続的であると判定し、閾値設定部22bによって不適切であると認定されて入力されたデータを適切なデータであると再認定する。連続性判定部22cは、比率PBが所定範囲外であれば連続的でないと判定し、閾値設定部22bによって不適切であると認定されて入力されたデータを依然として不適切なデータであると認定する。
【0050】
連続性判定部22cは、データの連続性について判定し、否との判定結果となったデータをデータベース生成部22dへ出力する。データベース生成部22dは、連続性判定部22cから入力されたデータについて、摩耗量のデータから除外して摩耗量データベース23aを生成する。即ち、摩耗量データベース23aは、データ取得部22aによって取得された、計測された全ての摩耗量データから、連続性判定部22cによって連続性が否定されたデータが除外されたものとなる。
【0051】
次にデータ処理装置20の動作を説明する。
図5は、データ処理装置20によるデータベース生成処理の手順を示すフローチャートである。データ処理装置20のデータ取得部22aは、タイヤ摩耗量計測装置60によって計測されたタイヤ7の摩耗量のデータを取得する(S1)。閾値設定部22bは、データ取得部22aにより取得した摩耗量の各データについて摩耗指標値WIを算出する(S2)。
【0052】
閾値設定部22bは、摩耗量の各データの摩耗指標値WIについて、四分位法に基づいて第1下限側閾値および第1上限側閾値を設定する(S3)。閾値設定部22bは、下限側閾値および上限側閾値で挟まれた範囲内の摩耗指標値WIのデータについて平均値WIaを算出する(S4)。
【0053】
閾値設定部22bは、摩耗指標値WIの全データに対して、平均値WIaで除した比率PAを算出する(S5)。閾値設定部22bは、摩耗指標値WIの各データの比率PAのうち所定範囲外のデータを不適切なデータと一旦認定し、連続性判定部22cへ出力する(S6)。
【0054】
連続性判定部22cは、同じタイヤかつ同じ溝で取得された他のデータの摩耗指標値WIを、不適切と一旦認定したデータの摩耗指標値WIで除した比率PBを算出する(S7)。連続性判定部22cは、比率PBが所定範囲内であるか否かを判定する(S8)。
【0055】
ステップS8によって比率PBが所定範囲内であると判定された場合(S8:YES)、データベース生成部22dは、連続性判定部22cから入力されたデータを摩耗量データベース23aに含ませて(S9)、処理を終了する。ステップS8によって比率PBが所定範囲内ではないと判定された場合(S8:NO)、データベース生成部22dは、連続性判定部22cから入力されたデータを摩耗量データベース23aから除外し(S10)、処理を終了する。
【0056】
データ処理装置20は、所定期間において複数回に亘って計測されたタイヤ7の摩耗量に関するデータに対して下限側閾値および上限側閾値の範囲外にあるデータが連続的であるか否かを判定し、否と判定した場合に当該データをデータベースから除外する。これにより、データ処理装置20は、不適切なデータを除外してタイヤ7の摩耗量の計測データを選定しデータベースを効率的に生成することができる。
【0057】
データ処理装置20は、タイヤ7の摩耗量データについて車両の走行距離を摩耗量で除した摩耗指標値WIを算出し、摩耗指標値WIが下限側閾値および上限側閾値の範囲外のデータについて連続的であるかを判定する。タイヤ7の摩耗量は、車両の走行距離が長いほど、大きくなる。データ処理装置20は、所定期間において摩耗量の或る計測時点と前回の計測時点との間における車両の走行距離を摩耗量で除した摩耗指標値WIを用いることで、走行距離によるデータのばらつきを抑制することができる。
【0058】
データ処理装置20の閾値設定部22bは、四分位法に基づいて下限値として第1四分位数、上限値として第3四分位数を算出し、下限値を第1下限側閾値、上限値を第1上限側閾値と設定する。閾値設定部22bは、第1下限側閾値および第1上限側閾値の範囲内の摩耗指数値WIのデータに対して平均値WIaを算出し、各データを平均値WIaで除した比率について所定範囲を予め定め、所定範囲の下限値を第2下限側閾値、上限値を第2上限側閾値として設定する。これにより、データ処理装置20は、第1下限側閾値および第1上限側閾値の範囲外のデータであっても、第2下限側閾値および第2上限側閾値の範囲内であれば摩耗量データベース23aに含ませることができる。
【0059】
データ処理装置20は、閾値設定部22bによって設定した第1下限側閾値および第1上限側閾値の範囲外のデータに対して、連続性判定部22cにより他のデータとの連続性を判定し、摩耗量データベース23aに含ませるか除外するかを決めてもよい。これにより、データ処理装置20は、第1下限側閾値および第1上限側閾値の範囲外のデータのうち、他のデータとの連続性が否と判定されたデータを摩耗量データベース23aから除外することができる。
【0060】
演算モデル生成システム100は、データ処理装置20によって生成された摩耗量データベース23a中の摩耗量の各データを教師データとして演算モデル13aを学習させることによって、タイヤ7の摩耗量の推定精度を向上する演算モデル13aを生成することができる。
【0061】
図6は、計測された摩耗量データによって学習させた演算モデル13aの摩耗量推定の結果を示す図表である。摩耗量データは実際の車両において計測されたものを用いている。演算モデル13aは、決定木モデルによる演算モデル、およびニューラルネットワークモデルによる演算モデルを例として用いて検証した。
【0062】
図6では、タイヤ7の摩耗量の計測データを全て用いたケース(全データ使用)と、上述のように計測データから不適切なデータを除外したケース(データ除外あり)について、RMSE(二乗平均平方根誤差)を算出した結果を示している。演算モデル13aの摩耗量推定の結果は、決定木およびニューラルネットワークによる両方の場合において、不適切なデータを除外したケースでRMSEの値が低くなり、推定精度が向上してることがわかる。
【0063】
(変形例)
上述の実施形態において、閾値設定部22bは、四分位法に基づいて第1下限側閾値および第1上限側閾値と設定したが、例えば標準偏差などの他の統計学的手法を用いて第1下限側閾値および第1上限側閾値を設定してもよい。また、閾値設定部22bは、第2下限側閾値および第2上限側閾値の設定方法についても、他の統計学的手法を用いてもよい。また、連続性判定部22cは、比率PBについて所定範囲を設定して連続性を判定しているが、連続性の判定手法はこれに限られるものではない。
【0064】
また、閾値設定部22bは、タイヤ7の摩耗量の各データについて摩耗指標値WIを算出しているが、摩耗量の計測時点間それぞれにおける走行距離が所定期間において同等である場合には、摩耗指標値WIを用いる必要はなく、摩耗量に対して各閾値を定めるようにしてもよい。
【0065】
データ処理装置20は、連続性判定部22cによって連続性が否との判定となったデータを摩耗量データベース23aから除外している。データ処理装置20のデータベース生成部22dは、例えばタイヤ空気圧が所定の閾値より低く、タイヤ7の摩耗量が大きくなっているような場合には、連続性が否と判定されたデータであっても、摩耗量データベース23aに含ませるようにしてもよい。
【0066】
データ処理装置20は、演算モデル生成装置10とは別体の装置で構成されていてもよいし、演算モデル生成装置10と一体的に1つの装置として構成されていてもよい。
【0067】
次に実施形態および変形例に係るデータ処理装置20、データ処理方法および演算モデル生成システム100の特徴について説明する。
データ処理装置20は、データ取得部22a、閾値設定部22b、連続性判定部22cおよびデータベース生成部22dを備える。データ取得部22aは、車両に装着されたタイヤ7の摩耗量に関するデータを所定期間において取得する。閾値設定部22bは、データ取得部22aにより取得したデータに対して下限側閾値および上限側閾値を設定する。連続性判定部22cは、閾値設定部22bにより設定された下限側閾値および上限側閾値の範囲外のデータに対して所定期間における変化が連続的であるか否かを判定する。データベース生成部22dは、連続性判定部22cによる判定結果が否であったデータを除外して摩耗量データベース23aを生成する。これにより、データ処理装置20は、不適切なデータを除外してタイヤ7の摩耗量の計測データを選定し、摩耗量データベース23aを効率的に生成することができる。
【0068】
また前記データは、車両の走行距離を摩耗量で除した摩耗指標値である。これにより、データ処理装置20は、走行距離によるデータのばらつきを抑制することができる。
【0069】
また閾値設定部22bは、四分位法によって下限値および上限値を算出し、下限値を第1下限側閾値、上限値を第1上限側閾値とする。これにより、データ処理装置20は、第1下限側閾値および第1上限側閾値の範囲外のデータのうち、他のデータとの連続性が否と判定されたデータを摩耗量データベース23aから除外することができる。
【0070】
また閾値設定部22bは、四分位法によって算出した下限値および上限値の範囲内のデータに対して平均値を算出し、各データを平均値で除した比率について所定範囲を予め定めており、所定範囲の下限値を第2下限側閾値、上限値を第2上限側閾値とする。これにより、データ処理装置20は、第1下限側閾値および第1上限側閾値の範囲外のデータであっても、第2下限側閾値および第2上限側閾値の範囲内であれば摩耗量データベース23aに含ませることができる。
【0071】
データ処理方法は、データ取得ステップ、閾値設定ステップ、連続性判定ステップおよびデータベース生成ステップを備える。データ取得ステップは、車両に装着されたタイヤ7の摩耗量に関するデータを所定期間において取得する。閾値設定ステップは、データ取得ステップにより取得したデータに対して下限側閾値および上限側閾値を設定する。連続性判定ステップは、閾値設定ステップにより設定された下限側閾値および上限側閾値の範囲外のデータに対して所定期間における変化が連続的であるか否かを判定する。データベース生成ステップは、連続性判定ステップによる判定結果が否であったデータを除外して摩耗量データベース23aを生成する。このデータ処理方法によれば、不適切なデータを除外してタイヤ7の摩耗量の計測データを選定しデータベースを効率的に生成することができる。
【0072】
演算モデル生成システムは、上述のデータ処理装置20、摩耗量算出部13および学習処理部15を備える。摩耗量算出部13は、入力された情報に基づいてタイヤ7の摩耗量を算出する学習型の演算モデル13aを有し、少なくとも車両の走行距離を含む情報を演算モデル13aに入力してタイヤ7の摩耗量を算出する。学習処理部15は、データ処理装置20によって生成された摩耗量データベース23aに含まれる摩耗量のデータと摩耗量算出部13により算出された摩耗量とを比較して演算モデル13aを学習させる。これにより、演算モデル生成システムは、タイヤ7の摩耗量の推定精度を向上する演算モデル13aを生成することができる。
【0073】
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【符号の説明】
【0074】
7 タイヤ、 13 摩耗量算出部、 13a 演算モデル、 15 学習処理部、
20 データ処理装置、 22a データ取得部、 22b 閾値設定部、
22c 連続性判定部、 22d データベース生成部、
23a 摩耗量データベース、 100 演算モデル生成システム。