IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋エンジニアリング株式会社の特許一覧

特開2023-94293設計支援装置、設計支援方法およびプログラム
<>
  • 特開-設計支援装置、設計支援方法およびプログラム 図1
  • 特開-設計支援装置、設計支援方法およびプログラム 図2
  • 特開-設計支援装置、設計支援方法およびプログラム 図3
  • 特開-設計支援装置、設計支援方法およびプログラム 図4
  • 特開-設計支援装置、設計支援方法およびプログラム 図5
  • 特開-設計支援装置、設計支援方法およびプログラム 図6
  • 特開-設計支援装置、設計支援方法およびプログラム 図7
  • 特開-設計支援装置、設計支援方法およびプログラム 図8
  • 特開-設計支援装置、設計支援方法およびプログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094293
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】設計支援装置、設計支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20230628BHJP
   G06F 30/13 20200101ALI20230628BHJP
   G06F 111/04 20200101ALN20230628BHJP
   G06F 113/14 20200101ALN20230628BHJP
【FI】
G06F30/10 100
G06F30/13
G06F111:04
G06F113:14
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209686
(22)【出願日】2021-12-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 配管技術、2021.11、857.Vol.63 No.13 P.30-33 日本工業出版
(71)【出願人】
【識別番号】000222174
【氏名又は名称】東洋エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 賢
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA03
5B146DC05
5B146DE14
5B146DG02
5B146DL08
5B146EC02
5B146EC04
(57)【要約】
【課題】部材を構成する部品の配置を容易に行う。
【解決手段】設計支援装置10が、部材を構成するための条件と空間情報とを取得し、取得した条件を満たす部品の組み合わせをデータベース20から検索し、検索した部品の組み合わせを示す表示画面を表示装置に表示させ、表示装置に表示させた組み合わせの中から選択された組み合わせを構成する部品それぞれの形状および寸法と空間情報とに基づいて、部材における部品の配置を決定し、決定した配置を示す情報を表示装置に表示させする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材を構成するための条件と空間情報とを取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した条件を満たす部品の組み合わせをデータベースから検索する検索部と、
前記検索部が前記データベースから検索した部品の組み合わせを示す表示画面を表示装置に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部が前記表示装置に表示させた組み合わせの中から選択された組み合わせを構成する部品それぞれの形状および寸法と前記空間情報とに基づいて、前記部材における該部品の配置を決定する配置決定部とを有し、
前記表示制御部は、前記配置決定部が決定した配置を示す情報を前記表示装置に表示させる設計支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の設計支援装置において、
前記部材は配管を支持する支持部材である設計支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の設計支援装置において、
前記情報取得部は、前記配管の情報を取得し、
前記検索部は、前記情報取得部が取得した前記情報に基づき配管を支持する支持部材を構成する部品の組み合わせを前記データベースから検索し、該検索した部品の組み合わせの中から前記情報取得部が取得した条件を満たす部品の組み合わせを前記データベースから検索する設計支援装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の設計支援装置において、
前記配置決定部は、前記配管のサイズが変更された場合、該変更に応じて前記部品を変更する、または前記部品の配置を変更する設計支援装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載の設計支援装置において、
前記配置決定部は、前記部品が変更された場合、該変更に応じて該部品以外の部品を変更する、または該部品以外の部品の配置を変更する設計支援装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の設計支援装置において、
前記表示制御部は、前記配置決定部が決定した前記部品の配置を示す情報を、3D CADモデルを用いて前記表示装置に表示させる設計支援装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の設計支援装置において、
前記表示制御部は、前記検索部が前記データベースから検索した組み合わせを一覧表にして前記表示装置に表示させる設計支援装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の設計支援装置において、
前記配置決定部が配置を決定した部品それぞれを、1つの前記部材を構成する構成品のリストとして集計し、
前記表示制御部は、前記リストを前記表示装置に表示させる設計支援装置。
【請求項9】
請求項8に記載の設計支援装置において、
前記リストには、前記部品のサイズ、形状を示す情報、外観を示す図および前記部材におけるそれぞれの部品の位置を示す図の少なくとも1つが含まれる設計支援装置。
【請求項10】
部材を構成するための条件と空間情報とを取得する処理と、
前記取得された部材を構成するための条件を満たす部品の組み合わせをデータベースから検索する処理と、
前記データベースから検索した部品の組み合わせを出力する処理と、
前記出力した組み合わせの中から選択された組み合わせを構成する部品それぞれの形状および寸法と前記空間情報とに基づいて、該部品から構成される部材における該部品の配置を決定する処理と、
前記決定した配置を示す情報を出力する処理とを行う設計支援方法。
【請求項11】
コンピュータに、
部材を構成するための条件と空間情報とを取得する手順と、
前記取得された部材を構成するための条件を満たす部品の組み合わせをデータベースから検索する手順と、
前記データベースから検索した部品の組み合わせを出力する手順と、
前記出力した組み合わせの中から選択された組み合わせを構成する部品それぞれの形状および寸法と前記空間情報とに基づいて、該部品から構成される部材における該部品の配置を決定する手順と、
前記決定した配置を示す情報を出力する手順とを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設計支援装置、設計支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、以下の機能を具備した設計支援装置が開示されている。設計支援装置が、記憶装置からそれぞれ配管レイアウト図形データ、型式別サポートパターン図形データ、サポート取付位置データ、躯体及び周囲配置情報データを読み込む。続いて、設計支援装置が、読み込まれたデータから、ディスプレイ装置に型式別サポートパターン図形データを出力表示する。そして、設計支援装置が、表示されたパターンに対し、サポート選定を1次サポートデータ、サポート設計条件データ、サポートカタログ品データを読み込む。さらに、設計支援装置が、これらの読み込みデータから、サポートカタログ品の選定を行ない、選定したサポートの強度計算を行う。
【0003】
また、近年では、構造物等を設計する際に、CAD(Computer Aided Design)等のコンピュータを用いた設計支援ツールを用いることが一般的である。CADのツールは、様々な場面に応じて、カスタマイズされている。例えば、特許文献2には、プラントを構成する制御ユニットの配管図を画面表示させる際に、指定された条件を満たす制御ユニットを他の制御ユニットとは識別可能に表示させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5-110412号公報
【特許文献2】特許第6228681号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的なCADツールでは、複数の部品から構成される部材において、その部品をどのように配置するかを示す情報を外部から入力する必要がある。そのため、部材を構成する部品の配置に手間と時間とを要してしまうという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、部材を構成する部品の配置を容易に行うことができる設計支援装置、設計支援方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の設計支援装置は、
部材を構成するための条件と空間情報とを取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した条件を満たす部品の組み合わせをデータベースから検索する検索部と、
前記検索部が前記データベースから検索した部品の組み合わせを示す表示画面を表示装置に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部が前記表示装置に表示させた組み合わせの中から選択された組み合わせを構成する部品それぞれの形状および寸法と前記空間情報とに基づいて、前記部材における該部品の配置を決定する配置決定部とを有し、
前記表示制御部は、前記配置決定部が決定した配置を示す情報を前記表示装置に表示させる。
【0008】
また、本発明の設計支援方法は、
部材を構成するための条件と空間情報とを取得する処理と、
前記取得された部材を構成するための条件を満たす部品の組み合わせをデータベースから検索する処理と、
前記データベースから検索した部品の組み合わせを出力する処理と、
前記出力した組み合わせの中から選択された組み合わせを構成する部品それぞれの形状および寸法と前記空間情報とに基づいて、該部品から構成される部材における該部品の配置を決定する処理と、
前記決定した配置を示す情報を出力する処理とを行う。
【0009】
また、本発明のプログラムは、
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
コンピュータに、
部材を構成するための条件と空間情報とを取得する手順と、
前記取得された部材を構成するための条件を満たす部品の組み合わせをデータベースから検索する手順と、
前記データベースから検索した部品の組み合わせを出力する手順と、
前記出力した組み合わせの中から選択された組み合わせを構成する部品それぞれの形状および寸法と前記空間情報とに基づいて、該部品から構成される部材における該部品の配置を決定する手順と、
前記決定した配置を示す情報を出力する手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、部材を構成する部品の配置を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の設計支援装置の実施の一形態を示す図である。
図2図1に示した設計支援装置に具備された構成要素の一例を示す図である。
図3図1に示した形態における設計支援方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図4】ステップS3にて部品の組み合わせが表示された表示画面の一例を示す図である。
図5】ステップS6にて部品の組み合わせが表示された表示画面の一例を示す図である。
図6】ステップS8にてデータベースから読み出された部品の一例を示す図である。
図7】ステップS9における配置決定部による部品の配置決定の具体的な処理の一例を説明するための図である。
図8】ステップS10にて表示制御部が表示装置に表示させる部品の配置の表示の一例を示す図である。
図9】3D CADモデルを用いて表示された図面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の設計支援装置の実施の一形態を示す図である。本形態は図1に示すように、本発明の設計支援装置10と、データベース20と、入力装置30と、表示装置40とを有する。データベース20は、設計の対象物となる構造物(例えば、配管等)や構造物を支持する支持部材に関する情報をあらかじめ記憶する。データベース20は、構造物に関する情報と、その構造物に関する情報に合致した、その構造物を支持する支持部材に関する情報とを対応付けて記憶しても良い。支持部材に関する情報には、その支持部材を構成する部品に関する情報が含まれる。データベース20に記憶される情報は、例えば、構造物それぞれの仕様(用途、識別情報、サイズ、材質、インシュレーション性能、配管の塗装タイプ等)、構造物を支持するための支持部材の仕様(識別情報、形状、寸法、強度、材質、耐火被覆等)、構造物と支持部材それぞれを構成する部品の組み合わせである。設計支援装置10は、データベース20からこれらの情報を読み出して所定の処理を行う。入力装置30は、外部からの操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて情報を設計支援装置10へ供給する。入力装置30は、タッチパネルやキーボード、マウス、マイク等の情報をユーザが入力するための周辺デバイスである。表示装置40は、設計支援装置10からの表示制御信号に従って、情報を表示するディスプレイ装置である。
【0014】
図2は、図1に示した設計支援装置10に具備された構成要素の一例を示す図である。図1に示した設計支援装置10は図2に示すように、情報取得部11と、検索部12と、表示制御部13と、配置決定部14とを有する。なお、図2には、図1に示した設計支援装置10が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示している。
【0015】
情報取得部11は、外部からの操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて情報を取得する。情報取得部11は、例えば、タッチパネルやキーボード、マウス、マイク等の情報をユーザが入力するための周辺デバイス(入力装置30)から取得しても良い。情報取得部11は、周辺デバイスとの間のインタフェース機能を持ち、周辺デバイスが受け付けた操作に基づいた情報を検索部12へ渡す。
【0016】
検索部12は、情報取得部11が取得した情報に応じた情報をデータベース20から検索する。具体的には、検索部12は、情報取得部11が取得した配管情報と対応付けられた、その配管情報が示す配管を支持する支持部材を構成する部品の組み合わせをデータベース20から検索する。または、検索部12は、情報取得部11が取得した配管情報に含まれるパラメータや特性を満たす配管を支持できる支持部材を構成可能な部品の組み合わせを算出し、算出された部品の組み合わせをデータベース20から検索する。この算出方法は、例えば、過去の検索結果に基づいて生成された方法でも良いし、配管情報に適した部品の組み合わせを機械学習した学習済みモデルを用いた方法でも良い。検索部12は、その検索した部品の組み合わせを表示制御部13へ出力する。また、検索部12は、情報取得部11が取得した条件を満たす部品の組み合わせをデータベース20から検索する。検索部12は、検索した部品の組み合わせを表示制御部13へ出力する。
【0017】
表示制御部13は、検索部12から出力されてきた情報を表示装置40に表示させる。具体的には、表示制御部13は、検索部12から出力されてきた情報を表示装置40が表示するための表示制御信号を表示装置40へ出力する。表示制御部13が表示装置40に表示させる表示画面は、部品の組み合わせの中からユーザが所望の組み合わせを選択できるように構成される。ユーザは表示装置40が表示する表示画面を確認しながらタッチパネルやキーボード、マウス、マイクなどの端末を操作して、所望の組み合わせを選択することができる。情報取得部11は、選択情報を受け付ける。配置決定部14は、情報取得部11が取得した情報を取得する。表示制御部13は、配置決定部14が取得した情報に基づき、配置決定部14が決定した配置を示す情報を出力する。表示制御部13における配置決定部14が決定した配置を示す情報の出力方法は、表示、音声出力、印刷、他の装置への送信等で良い。表示制御部13は、検索部12から出力されてきた情報を一覧表にして表示装置40に表示させても良い。表示制御部13は、配置決定部14が決定した配置を示す情報を出力する際、3D CAD(3Dimensions Computer Aided Design)モデルを用いてその配置を表示装置40に表示させても良い。なお、表示制御部13が情報を表示する機能を具備していても良い。
【0018】
配置決定部14は、表示制御部13が表示装置40に表示させた組み合わせの中から選択された組み合わせを構成する部品それぞれの形状および寸法と空間情報とに基づいて、それら部品から構成される部材における部品それぞれの配置を決定する。この決定方法の詳細については、後述する。
【0019】
以下に、図1に示した形態における設計支援方法について説明する。図3は、図1に示した形態における設計支援方法の一例を説明するためのフローチャートである。以下の説明において、支持部材が支持するものは配管であり、表示制御部13は情報を表示するディスプレイである場合を例に挙げて説明する。
【0020】
まず、所定の入力画面を表示制御部13が表示し、表示された入力画面に対する操作を情報取得部11が受け付けることで、情報取得部11は配管情報を取得する(ステップS1)。配管情報には、支持部材が設置される(取り付けられる)対象となる配管の情報(サイズ、材質、形状、インシュレーション性能等)やインシュレーションや流体の荷重、応力などが含まれる。配管情報のうちサイズ、向きなどの形状、インシュレーションの有無や種類(保温、保冷、防音、厚みなど)、支持架台の鉄骨の形状やそれと配管との距離などの空間情報は、3D CADモデルから自動的に取得されて入力されても良い。すると、検索部12は、情報取得部11が取得した配管情報と対応付けられた、その配管情報が示す配管を支持する支持部材を構成する部品の組み合わせをデータベース20から検索する(ステップS2)。このとき、検索部12は、情報取得部11が取得した配管情報に適した支持部材を構成する部品の組み合わせをデータベース20から検索しても良い。あるいは、上述したように、検索部12は、配管情報に含まれるパラメータや特性を満たす配管を支持できる支持部材を構成可能な部品の組み合わせを算出し、算出された部品の組み合わせをデータベース20から検索しても良い。続いて、表示制御部13は、ステップS2にて検索部12が検索した複数の部品の組み合わせを一覧表にして表示する(ステップS3)。
【0021】
図4は、ステップS3にて部品の組み合わせが表示された表示画面の一例を示す図である。図4に示すように、表示制御部13が表示する表示画面110には配管情報を入力(表示)する欄120と、条件を入力(表示)する欄130と、部品に組み合わせを表示する欄140とが含まれる。欄120は、配管情報の入力を促す表示がなされ、外部からの操作に基づいてステップS1にて入力された配管情報が表示される領域である。欄140は、ステップS3にて部品の組み合わせが表示される領域である。欄130は、配管を支持するための条件(支持部材の条件)の入力を促す表示がなされ、外部からの操作に基づいて以下に説明するステップS4にて入力される条件が表示される領域である。
【0022】
続いて、図4に示したように表示された表示画面の欄130に対する操作を情報取得部11が受け付けることで、情報取得部11は配管を支持するための支持部材の条件を取得する(ステップS4)。欄130に入力される条件は、所望の支持部材に必要な機能、材質、サイズ、形状、インシュレーション性能等を指定して組み合わせを絞り込むための情報である。また、欄130へ入力することで、ステップS3にて欄140に表示された組み合わせに含まれる部品の中から所望の部品を指定することもできる。なお、欄130において、複数の条件があらかじめ設定されたプルダウンメニューを用いて条件が選択(入力)されても良い。すると、検索部12は、情報取得部11が取得した条件を満たす部品の組み合わせをデータベース20から検索する(ステップS5)。ここで、検索部12は、ステップS2にて検索された部品の組み合わせの中から情報取得部11が取得した条件を満たす部品の組み合わせをデータベース20から検索することとなる。つまり、ステップS5の処理は、ステップS2の検索処理の結果を、条件に応じて絞り込む処理である。続いて、表示制御部13は、ステップS5にて検索部12が検索した部品の組み合わせを一覧表にして表示する(ステップS6)。
【0023】
図5は、ステップS6にて部品の組み合わせが表示された表示画面の一例を示す図である。図5に示すように、表示制御部13が表示する表示画面110には、図4に示したものと同様に、欄120,130,140が表示される。このとき、欄130には、ステップS4にて入力された条件が表示される。また、欄140には、図4に示した欄140に表示された部品の組み合わせのうち、ステップS5にて検索部12が検索した部品の組み合わせのみが表示される。欄140に表示された部品の中から外部からの操作に基づいて1つの部品が選択されると、その部品の形状や寸法を含むイメージ図が表示画面110に表示されても良い。
【0024】
その後、ステップS6にて欄140に表示された部品の組み合わせのうち、1組の部品の組み合わせが選択されると(ステップS7)、選択された部品の情報(仕様)を検索部12がデータベース20から読み出す(ステップS8)。この選択は、ステップS6にて欄140に表示された部品の組み合わせに対して、外部から受け付けた選択操作に基づくもので良い。例えば、情報取得部11と表示制御部13とを実現する手段でタッチパネルを構成する場合、表示制御部13の欄140に表示された部品の組み合わせのうち、タッチパネルへの近接または接触が検知された位置に表示されている部品の組み合わせを情報取得部11が選択しても良いし、欄140上で選択された部品の組み合わせをキーボードやマウスを介して情報取得部11が選択しても良い。
【0025】
続いて、配置決定部14は、ステップS8にて読み出された部品それぞれの形状および寸法と、ステップS1で取得した配管情報に含まれている空間情報とに基づいて、それらの部品から構成される部材における部品それぞれの配置を決定する(ステップS9)。表示制御部13は、配置決定部14が決定した配置を示す情報を表示装置40に表示させる(ステップS10)。
【0026】
図6は、ステップS8にてデータベース20から読み出された部品の一例を示す図である。図7は、ステップS9における配置決定部14による部品の配置決定の具体的な処理の一例を説明するための図である。図8は、ステップS10にて表示制御部13が表示装置40に表示させる部品の配置の表示の一例を示す図である。なお、ここでは、図5の欄140に表示された部品の組み合わせのうち、部品Aと部品Bと部品Cと部品Dとの組み合わせが選択されてデータベース20から読み出された場合を例に挙げて説明する。
【0027】
図6に示すように、入力された配管情報が示す配管を支持する支持部材を構成する部品の組み合わせのうち、条件を満たす組み合わせの中から部品Aと部品Bと部品Cと部品Dとの組み合わせが選択される。選択されたこれらの部品A,B,C,Dは、それぞれの形状および寸法に基づいて配置が決定される。図7に示すように、部品Bについては、配管情報に基づいて厚みが計算される。2つの部品から構成される部品Dについては、配管を組む際に使用する鉄骨の幅に基づいて、配置されたときの全長が決定される。部品Aについては、部品Bの厚みに基づいて、その高さが決定され、また、部品Dの全長に基づいて、その長さが決定される。2つの部品から構成される部品Cについては、部品Aの幅に基づいて、2つの部品の互いの間隔(空ける幅)が決定される。これらの決定された値に基づいて、部品A~Dから構成される支持部材における部品A~Dの配置が決定される。
【0028】
図8に示すように、配置決定部14が決定した配置に各部品が組み合わされた支持部材が配管に取り付けられた様子が、複数の方向から見た画像として表示される。図8に示した例においては、部品の配置が、3D CADモデルを用いて表示される。配管と、それを支持する支持部材とが、それぞれの取り付けが視認可能に一部が透視された図として表示される。また、支持部材においては、当該支持部材を構成する部品の配置が視認可能に表示される。
【0029】
このように、本形態においては、配管を支持する支持部材を構成する部品の組み合わせの一覧表が出力され、設計支援装置10が、その一覧表に含まれる組み合わせの中から、入力された条件を満たす部品の組み合わせをデータベース20から検索し、検索された部品の組み合わせの中から選択された組み合わせを構成する部品それぞれの形状および寸法に基づいて、それらの部品から構成される部材における部品の配置を決定し、決定した配置を出力する。これにより、支持部材を構成する部品の配置を容易に行うことができる。これに限らず、所定の部材を構成する部品について、同様の処理を行うことで、その部材を構成する部品の配置を容易に行うことができる。
【0030】
また、本形態において、ステップS1で取得される配管情報のうち、例えば、配管のサイズが変更された場合、配置決定部14は、選択された支持部材を構成する部品の配置や部品そのものをその変更された情報に追随して変更させることも可能である。この場合、配置決定部14は、配管のサイズの変更に応じて、支持部材を構成する部品のサイズや複数の部品の互いの配置間隔を変更しても良い。例えば、配置決定部14は、配管のサイズの変更に応じて、支持部材を構成する部品の長さを長くしたり、複数の部品の互いの配置間隔を広げたり、形状を変更したりしても良い。また、ステップS9で配置が決定された部品の一部が変更された場合、配置が決定された部品の他の部品についてその変更された情報に追随して変更させることも可能である。例えば、変更された部品に応じて他の部品のサイズや配置、他の部品そのものが変更されてステップS9における配置決定がなされても良い。この場合、配置決定部14は、部品の変更に応じて、支持部材を構成する他の部品のサイズや形状、複数の部品の互いの配置間隔を変更しても良い。
【0031】
また、本形態において、設計支援装置10は、ステップS10にて表示装置40に表示させた配置を構成する部品それぞれを、1つの支持部材を構成する構成品のリストとして集計しても良い。表示制御部13は、作成したリストを表示装置40に表示させる。なお、このリストには、部品のサイズや形状等の仕様のほか、部品の外観を示す図や支持部材におけるそれぞれの部品の位置を示す図が含まれても良い。これらの図は、3D CADモデルを用いて表示されても良い。図9は、3D CADモデルを用いて表示された図面の一例を示す図である。図9に示すように、構成部品がそれらの配置と共に図面として表示される。また、設計支援装置10は、作成したリストを示す情報を記憶部(不図示)やデータベース20に記憶させても良い。
【0032】
以上、各構成要素に各機能(処理)それぞれを分担させて説明したが、この割り当ては上述したものに限定しない。また、構成要素の構成についても、上述した形態はあくまでも例であって、これに限定しない。
【0033】
上述した各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を、各構成要素を具備した設計支援装置10にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを設計支援装置10に読み込ませ、実行するものであっても良い。設計支援装置10にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、Blu-ray(登録商標) Disc、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの移設可能な記録媒体の他、設計支援装置10に内蔵されたROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリやHDD(Hard Disc Drive)等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、設計支援装置10に設けられたCPUにて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。なお、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて上述した論理回路を実現するものであっても良い。
【符号の説明】
【0034】
10 設計支援装置
11 情報取得部
12 検索部
13 表示制御部
14 配置決定部
20 データベース
30 入力装置
40 表示装置
110 表示画面
120,130,140 欄
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9