(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094312
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】パンツ型おむつ
(51)【国際特許分類】
A61F 13/539 20060101AFI20230628BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20230628BHJP
A61F 13/496 20060101ALI20230628BHJP
A61F 13/534 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
A61F13/539
A61F13/49 410
A61F13/496
A61F13/534 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209711
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000110044
【氏名又は名称】株式会社リブドゥコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100125184
【弁理士】
【氏名又は名称】二口 治
(74)【代理人】
【識別番号】100188488
【弁理士】
【氏名又は名称】原谷 英之
(72)【発明者】
【氏名】池内 昌俊
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200CA03
3B200CA07
3B200DB12
3B200DB22
3B200DB23
(57)【要約】
【課題】男性が装着する際に、男性器が内装部材に引っ掛かり難いパンツ型おむつを提供する。
【解決手段】パンツ型おむつ1は、外装シート10と内装部材20とを備え、内装部材20が、吸収体21、バックシート22、センターシート23およびサイドシート24を備え、バックシートの幅方向端部が吸収体の肌面側に折り返され、バックシート折り返し部22aを形成しており、サイドシートは幅方向外側が折り返されて第1部分25aと第2部分25bとを有し、第1部分の外端部には前記第1部分と前記バックシート折り返し部とを接合する外端接合領域31が設けられており、前記サイドシートの前腹部側の端部において、前記第1部分と前記バックシート折り返し部とが接合されていない非接合領域40が設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とを有し、ウエスト開口部と一対の脚開口部を有するパンツ型に形成された外装シートと、前記外装シートの股部に配置された内装部材とを備え、
前記内装部材が、バックシート、および、前記バックシートの幅方向の両側縁に付設された不透液性のサイドシートとから構成され、
前記サイドシートは、幅方向外側が折り返されて、外面側に配置された第1部分と、肌面側に配置された第2部分とを有し、前記第2部分の内側端には、起立用弾性部材が配置されており、
前記第1部分が、幅方向外側から内側に向かって、外端部、中間部、内端部を有し、
前記第1部分の外端部には、前記第1部分と前記バックシートとを接合する外端接合領域が設けられており、
前記サイドシートの前腹部側の端部において、前記第1部分と前記バックシートとが接合されていない非接合領域が設けられていることを特徴とするパンツ型おむつ。
【請求項2】
前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とを有し、ウエスト開口部と一対の脚開口部を有するパンツ型に形成された外装シートと、前記外装シートの股部に配置された内装部材とを備え、
前記内装部材が、吸収体と、前記吸収体の外面側に配置されたバックシート、前記吸収体の肌面側に配置された透液性のセンターシート、および、前記センターシートの幅方向の両側縁に付設された不透液性のサイドシートを備え、
前記バックシートの幅方向端部が、吸収体の肌面側に折り返され、バックシート折り返し部を形成しており、
前記センターシートの幅方向外側端部が、前記サイドシートの立ち上がり基部よりも幅方向内側に位置し、
前記サイドシートは、幅方向外側が折り返されて、外面側に配置された第1部分と、肌面側に配置された第2部分とを有し、前記第2部分の内側端には、起立用弾性部材が配置されており、
前記第1部分が、幅方向外側から内側に向かって、外端部、中間部、内端部を有し、
前記第1部分の外端部には、前記第1部分と前記バックシート折り返し部とを接合する外端接合領域が設けられており、
前記サイドシートの前腹部側の端部において、前記第1部分と前記バックシート折り返し部とが接合されていない非接合領域が設けられていることを特徴とするパンツ型おむつ。
【請求項3】
前記サイドシートの第1部分の中間部には、前記第1部分と前記バックシート折り返し部とを接合する中間接合領域が設けられている請求項2に記載のパンツ型おむつ。
【請求項4】
前記サイドシートの第1部分の内端部には、前記第1部分と前記センターシートとを接合する内端接合領域が設けられている請求項2または3に記載のパンツ型おむつ。
【請求項5】
前記外端接合領域の幅が、前記中間接合領域の幅より広い請求項3または4に記載のパンツ型おむつ。
【請求項6】
前記中間接合領域の幅が、前記内端接合領域の幅より広い請求項4または5に記載のパンツ型おむつ。
【請求項7】
前記サイドシートの前後方向の両端部において、前記第1部分と前記第2部分とが接合された立体封止部が形成されている請求項1~6のいずれか一項に記載のパンツ型おむつ。
【請求項8】
前記内装部材の肌面側に配置された補助吸収体を有し、
前記補助吸収体の幅方向両側縁が、厚さ方向において前記各サイドシートの前記第1部分と前記第2部分との間に位置しており、かつ、幅方向において前記各サイドシートの中間部の幅方向内側端よりも幅方向内側に位置している請求項1~7のいずれか一項に記載のパンツ型おむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンツ型おむつに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウエスト開口部と一対の脚開口部を有するパンツ形状に形成された使い捨てパンツ型おむつが広く知られている。また、このようなパンツ型おむつでは、男性の着用者にとっての着用感を改善したものが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とから構成され、前腹部と後背部とが接合されることによりウエスト開口部と一対の脚開口部とが形成されたおむつ本体と、前記股部に備えられた吸収性コアとを有し、第1弾性部材が、前記股部を横断し前側の両脚開口部の縁に沿って連続的に設けられ、第2弾性部材が、前記第1弾性部材と離間して、前記股部を横断し後側の両脚開口部の縁に沿って設けられ、前記第2弾性部材が、股部において断続的に設けられていることを特徴とする使い捨てパンツ型おむつが記載されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パンツ型おむつには、吸収体の肌面側に、横漏れを防止するための立体ギャザーが設けられている。しかしながら、従来の立体ギャザーの構成では、鼠径部における立体ギャザーの起立高さが十分でなかった。このようなパンツ型おむつでは、男性がパンツ型おむつを着用する際に、男性器がトップシートに引っ掛かって上向きとなりやすかった。男性器が上向きとなった場合、吸収体の前側端の方向に排尿されるため、吸収体の端部から尿漏れを生じやすかった。
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、前腹部での立体ギャザーの起立高さを確保することで、男性が装着する際に、男性器がトップシートに引っ掛かり難いパンツ型おむつを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のパンツ型おむつの第1の態様は、前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とを有し、ウエスト開口部と一対の脚開口部を有するパンツ型に形成された外装シートと、前記外装シートの股部に配置された内装部材とを備える。前記内装部材は、バックシート、および、前記バックシートの幅方向の両側縁に付設された不透液性のサイドシートとから構成されている。前記サイドシートは、幅方向外側が折り返されて、外面側に配置された第1部分と、肌面側に配置された第2部分とを有し、前記第2部分の内側端には、起立用弾性部材が配置されており、前記第1部分が、幅方向外側から内側に向かって、外端部、中間部、内端部を有している。そして、前記第1部分の外端部には、前記第1部分と前記バックシートとを接合する外端接合領域が設けられており、前記サイドシートの前腹部側の端部において、前記第1部分と前記バックシートとが接合されていない非接合領域が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明のパンツ型おむつの第2の態様は、前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とを有し、ウエスト開口部と一対の脚開口部を有するパンツ型に形成された外装シートと、前記外装シートの股部に配置された内装部材とを備える。前記内装部材は、吸収体と、前記吸収体の外面側に配置されたバックシート、前記吸収体の肌面側に配置された透液性のセンターシート、および、前記センターシートの幅方向の両側縁に付設された不透液性のサイドシートを備えている。前記バックシートの幅方向端部は、吸収体の肌面側に折り返され、バックシート折り返し部を形成している。前記センターシートの幅方向外側端部は、前記サイドシートの立ち上がり基部よりも幅方向内側に位置している。前記サイドシートは、幅方向外側が折り返されて、外面側に配置された第1部分と、肌面側に配置された第2部分とを有し、前記第2部分の内側端には、起立用弾性部材が配置されており、前記第1部分が、幅方向外側から内側に向かって、外端部、中間部、内端部を有している。そして、前記第1部分の外端部には、前記第1部分と前記バックシート折り返し部とを接合する外端接合領域が設けられており、前記サイドシートの前腹部側の端部において、前記第1部分と前記バックシート折り返し部とが接合されていない非接合領域が設けられていることを特徴とする。
【0009】
前記サイドシートの前腹部側の端部に非接合領域を設けることで、前腹部側では、サイドシートの第2部分だけでなく、第1部分の一部も立ち上がることができ、形成される立体ギャザーの起立高さが高くなる。そのため、この立体ギャザーの先端が鼠径部に当たって男性器が収まる空間を確保できる。その結果、男性が装着する際に、男性器が内装部材に引っ掛かることが抑制され、尿漏れを防止できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、男性が装着する際に、男性器が内装部材に引っ掛かることが抑制される。その結果、内装部材の前腹部側の端部からの尿漏れを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】
図1のパンツ型おむつの前腹部と後背部との接合を解いて、平面に展開した状態を表す平面図である。
【
図7】
図3の内装部材のサイドシートの接合領域および非接合領域を説明する平面図である。
【
図8】
図3の内装部材のサイドシートの立体封止部を説明する平面図である。
【
図9】
図3のB-B断面図であり、補助吸収体を配置した状態を示す断面図である。
【
図14】
図10の内装部材のサイドシートの接合領域および非接合領域を説明する平面図である。
【
図15】
図10の内装部材のサイドシートの立体封止部を説明する平面図である。
【
図16】
図10のB-B断面図であり、補助吸収体を配置した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のパンツ型おむつは、前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とを有し、ウエスト開口部と一対の脚開口部を有するパンツ型に形成された外装シートと、前記外装シートの股部に配置された内装部材とを備えている。
【0013】
<内装部材>
前記内装部材は、外装シートの股部の肌面側に配置されている。肌面側とは、パンツ型おむつを着用した際に、着用者の肌と面する側を意味する。また、パンツ型おむつを着用した際に、外側に面する側を外面側とする。内装部材は、少なくとも外装シートの股部に存在すればよく、さらに前腹部および後背部にかけて延在していることが好ましい。
【0014】
内装部材は、着用者から排泄された尿等を捕集または吸収するためのものである。前記内装部材としては、バックシート、前記バックシートの肌面側に配置された透液性のセンターシート、および、前記センターシートの幅方向の両側縁に付設された不透液性のサイドシートとから構成される態様1;吸収体と、前記吸収体の外面側に配置されたバックシート、前記吸収体の肌面側に配置された透液性のセンターシート、および、前記センターシートの幅方向の両側縁に付設された不透液性のサイドシートを備えている態様2が挙げられる。
【0015】
〔バックシート〕
前記バックシートは、不透液性シートから構成されることが好ましい。前記バックシートに使用される不透液性シートとしては、例えば、疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド)にて形成された撥水性または不透液性の不織布(例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布)や、撥水性または不透液性のプラスチックフィルムが利用され、不透液性シートに到達した体液が、内装部材の外側にしみ出すのを防止する。不透液性シートにプラスチックフィルムが利用される場合、ムレを防止して着用者の快適性を向上するという観点からは、透湿性(通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。
【0016】
前記態様1の内装部材では、バックシートの幅方向の両端部は、折り返し部を形成していなくてもよい。なお、前記バックシートの幅方向の両端部が、肌面側に折り返され、バックシート折り返し部を形成していてもよい。
【0017】
前記態様2の内装部材では、バックシートの幅方向の両端部は、吸収体の肌面側に折り返され、バックシート折り返し部を形成している。つまり、前記バックシートは、吸収体の外面側、吸収体の幅方向側面、および、吸収体の肌面側の幅方向両側部を被覆している。そして、前記サイドシートは、後述する外端接合領域および/または中間接合領域において、バックシート折り返し部と接合されている。
【0018】
前記態様2の内装部材では、前記吸収体の幅方向の左右両端において、各バックシート折り返し部の幅方向の長さは、吸収体の幅を100%としたとき、10%以上が好ましく、より好ましくは15%以上である。前記折り返し部の幅方向の長さが10%以上であれば、後述するサイドシートの第1部分との接合領域を大きくすることができ、サイドシートとバックシートとの間からの尿漏れをより防止できる。
【0019】
前記態様2の内装部材の幅方向の左右両端において、各バックシート折り返し部の内側端は、後述するサイドシートの第1部分の内側端よりも外側であることが好ましい。各バックシート折り返し部の内側端が、サイドシートの第1部分の内側端よりも外側であれば、センターシートを透過した尿が吸収体に取り込まれやすくなる。
【0020】
〔吸収体〕
前記態様2の内装部材に備えられる前記吸収体は、尿等の排泄物を吸収できるものであれば特に限定されず、吸水性樹脂、セルロース系繊維、不織布、ティッシュペーパー等が使用でき、吸水性樹脂を含んでいることが好ましい。吸収体は、例えば、粉砕したパルプ繊維やセルロース繊維等の親水性繊維集合層に粒状の吸水性樹脂を混合または分散したものを、ティッシュペーパーなどの紙シートまたは液透過性不織布シート等の被覆シートで包み、長方形、砂時計型、ひょうたん型、羽子板型等の所定形状に成形することにより得られる。
【0021】
〔センターシート〕
前記センターシートは、内装部材の幅方向中央を跨ぐように配置されている。前記センターシートは、透液性のシート材料、例えば、親水性繊維により形成された不織布である。前記センターシートとして利用される不織布は、例えば、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布であり、これらの不織布を形成する親水性繊維としては通常、セルロース、レーヨン、コットン等が用いられる。なお、センターシートとして、表面を界面活性剤により親水化処理した疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド)にて形成された透液性の不織布が用いられてもよい。
【0022】
また、前記内装部材の幅方向左右両側部において、前記センターシートの幅方向外側端部は、後述するサイドシートの立ち上がり基部よりも幅方向内側に位置していることが好ましい。このように構成することで、サイドシートの第2部分が立ち上がりやすくなる。また、バックシートとサイドシートの立ち上がり基部が接合されるため、横漏れを防止することができる。
【0023】
前記態様1の内装部材では、前記センターシートは、前記バックシートの肌面側に接合されていることが好ましい。前記態様2の内装部材では、前記センターシートは、前記吸収体の肌面側に接合されていることが好ましい。前記センターシートとバックシートまたは吸収体との接合は、接着剤による接合が好ましい。この場合、接着剤の配置態様は特に限定されず、前後方向に延びる帯状、スパイラル状のいずれでもよい。
【0024】
前記センターシートの幅は、前記内装部材の幅を100%としたとき、40%以上が好ましく、より好ましくは50%以上であり、75%以下が好ましく、より好ましくは70%以下である。なお、後述するサイドシートが前記センターシートの両側縁に積層されている場合、前記センターシートの幅は、サイドシートが積層されていない部分の幅である。
【0025】
〔サイドシート〕
前記サイドシートは、内装部材の前後方向の全長にわたって、センターシートの両側縁に付設されている。前記サイドシートは、立体ギャザーを形成するものであり、尿等の横漏れを防ぐことができる。前記サイドシートに使用される不透液性シートとしては、例えば、疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド)にて形成された撥水性または不透液性の不織布(例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布)や、撥水性または不透液性のプラスチックフィルムが利用される。
【0026】
前記サイドシートは、幅方向外側端で折り返されており、外面側に配置された第1部分と、肌面側に配置された第2部分とを有する。また、前記第2部分の内側端には、起立用弾性部材が配置されている。前記サイドシートは、起立用弾性部材の収縮力によって、第2部分と、立ち上がり基部よりも外側の第1部分とが、内装部材の上方(着用者側)に起き上がり立体ギャザーを形成する。弾性部材は、ポリウレタン糸、ポリウレタンフィルム、天然ゴム等の通常パンツ型おむつに用いられる弾性伸縮材料が使用できる。
【0027】
前記第1部分は、幅方向外側から内側に向かって、外端部、中間部、内端部を有する。これらの外端部、中間部および内端部は、それぞれ後述する外端接合領域、中間接合領域および内端接合領域が形成される部分である。
【0028】
前記サイドシートの第1部分の外端部には、前記第1部分と前記バックシートとを接合する外端接合領域が設けられている。なお、態様2の内装部材では、外端接合領域において、サイドシートの第1部分とバックシート折り返し部とが接合される。外端接合領域を設けることで、サイドシートの立ち上がり基部が第1部分の外端部に位置することとなる。つまり、立体ギャザーがより外側に形成され、横漏れがより抑制される。前記外端接合領域は、前後方向に断続的に設けてもよいが、サイドシートの前後方向に連続的に設けられていることが好ましい。具体的には、サイドシートの前後方向において、後述する非接合領域以外の部分は、外端接合領域が連続的に設けられていることが好ましい。
【0029】
前記外端接合領域の幅は、前記サイドシートの第1部分の幅を100%としたとき、25%以上が好ましく、より好ましくは35%以上であり、75%以下が好ましく、より好ましくは65%以下である。
【0030】
また、前記サイドシートの前腹部側の端部においては、前記サイドシートの第1部分と前記バックシートとが接合されていない第1非接合領域が設けられている。つまり、前記外端接合領域は、サイドシートの前腹部側の端部には設けられていない。このように構成することで、サイドシートの前腹部側の端部においては、サイドシートの立ち上がり基部が第1部分の外端部よりも内側に位置することとなる。つまり、内装部材の上方に起き上がる第1部分の割合が多くなり、形成される立体ギャザーの起立高さがより高くなる。そのため、この立体ギャザーの先端が鼠径部に当たって男性器が収まる空間を確保できる。
【0031】
前記第1非接合領域の前後方向の長さは、内装部材の前後方向の長さを100%としたとき、10%以上が好ましく、より好ましくは20%以上であり、40%以下が好ましく、より好ましくは30%以下である。第1非接合領域の前後方向の長さが上記範囲内であれば、男性器の収まる空間を確保し、かつ、横漏れも抑制できる。
【0032】
さらに、前記サイドシートの後背部側の端部においては、前記サイドシートの第1部分と前記バックシートとが接合されていない第2非接合領域が設けられていてもよい。このように構成することで、サイドシートの後背部側の端部においても、内装部材の上方に起き上がる第1部分の割合が多くなり、形成される立体ギャザーの起立高さがより高くなる。そのため、後背部側に軟便等が収まる空間を形成できる。
【0033】
前記第2非接合領域の前後方向の長さは、内装部材の前後方向の長さを100%としたとき、10%以上が好ましく、より好ましくは20%以上であり、40%以下が好ましく、より好ましくは30%以下である。
【0034】
前記サイドシートの第1部分の内端部には、前記第1部分と前記センターシートとを接合する内端接合領域が設けられていることが好ましい。このように構成することで、サイドシートの内端部がめくれ上がることが防止され、また、尿がサイドシートの立ち上がり基部で堰き止められる。なお、前記サイドシートの内側端は、前記センターシートの両側縁の肌面側に積層されていることが好ましい。前記内端接合領域は、前後方向に断続的に設けてもよいが、サイドシートの前後方向の全長にわたって連続的に設けられていることが好ましい。
【0035】
前記内端接合領域の幅は、前記サイドシートの第1部分の幅を100%としたとき、5%以上が好ましく、より好ましくは10%以上であり、25%以下が好ましく、より好ましくは20%以下である。
【0036】
前記サイドシートの第1部分の中間部には、前記第1部分と前記バックシートとを接合する中間接合領域が設けられていることが好ましい。なお、態様2の内装部材では、中間接合領域において、サイドシートの第1部分とバックシート折り返し部とが接合される。このように構成することで、センターシートの側端部まで滲み出てきた尿の横漏れを、より抑制できる。前記中間接合領域は、前後方向に断続的に設けてもよいが、サイドシートの前後方向の全長にわたって連続的に設けられていることが好ましい。
【0037】
前記中間接合領域の幅は、前記サイドシートの第1部分の幅を100%としたとき、15%以上が好ましく、より好ましくは25%以上であり、50%以下が好ましく、より好ましくは40%以下である。
【0038】
中間接合領域を設ける場合、前記外端接合領域の幅が、前記中間接合領域の幅より広いことが好ましい。このように構成することで、前記非接合領域の幅が大きくなり、前腹部におけるサイドシートの起立高さをより高くすることができる。前記外端接合領域の幅と、中間接合領域の幅との比(外端接合領域/中間接合領域)は、1.1以上が好ましく、より好ましくは2以上であり、5以下が好ましく、より好ましくは4以下である。
【0039】
また、前記内端接合領域および中間接合領域を設ける場合、前記中間接合領域の幅が、前記内端接合領域の幅より広いことが好ましい。内端接合領域の幅を狭くすることで、センターシートの透液性を有する部分(サイドシートが積層されていない部分)の幅を広げやすくなり、尿などの体液の有効吸収面積をより大きくできる。前記中間接合領域の幅と、内端接合領域の幅との比(中間接合領域/内端接合領域)は、1.1以上が好ましく、より好ましくは1.5以上であり、3以下が好ましく、より好ましくは2.5以下である。
【0040】
前記外端接合領域、中間接合領域および内端接合領域において、各部材を接合する方法は特に限定されず、接着剤による接合、融着による接合が挙げられ、接着剤による接合が好ましい。接着剤の塗布態様としては特に限定されないが、前後方向に延びる帯状が好ましい。
【0041】
また、接着剤を用いる場合、接着剤は、接合される部材のどちら側に塗布してもよい。例えば、外端接合領域および中間接合領域では、接着剤をサイドシートに塗布してもよいし、バックシートに塗布してもよい。内端接合領域では、接着剤をサイドシートに塗布してもよいし、センターシートに塗布してもよい。
【0042】
前記サイドシートは、前後方向の両端部において、前記第1部分と前記第2部分とが接合された立体封止部が形成されていることが好ましい。サイドシートの前後方向の両端部に立体封止部を形成することで、サイドシートがより立ち上がりやすくなる。第1部分と第2部分とを接合する方法は特に限定されず、接着剤による接合、融着による接合が挙げられ、接着剤による接合が好ましい。
【0043】
前記立体封止部を形成する場合、前記立体封止部の長手方向の長さは、前記非接合領域の前後方向の長さよりも短くする必要がある。前記立体封止部の長手方向の長さは、前記非接合領域の前後方向の長さを100%としたとき、5%以上が好ましく、より好ましくは7%以上であり、15%以下が好ましく、より好ましくは12%以下である。
【0044】
なお、前記態様1の内装部材では、センターシートを配置しないこともできる。この場合、サイドシートの内端接合領域において、サイドシートの第1部分とバックシートとが接合される。
【0045】
<補助吸収体>
前記パンツ型おむつは、前記内装部材の肌面側に補助吸収体を有していてもよい。補助吸収体を有することで、体液の吸収容量がより向上する。また、本発明のパンツ型おむつは、前腹部側ではサイドシートの起立高さが高いため、補助吸収体を配置した場合でも、男性が装着する際に、男性器が補助吸収体に引っ掛かることが抑制される。
【0046】
前記補助吸収体は、前記内装部材に配置される吸収体と同様のものが使用できる。前記補助吸収体は、外面側に内装部材に固定するための固定部材を備えることが好ましい。固定部材としては、粘着材、フック部材を有する面ファスナー等が挙げられる。
【0047】
前記補助吸収体を配置する場合、補助吸収体の幅方向両側縁は、厚み方向において前記各サイドシートの前記第1部分と前記第2部分との間に位置する。また、補助吸収体は、幅方向において前記各サイドシートの中間部の幅方向外側端よりも幅方向内側に位置していることが好ましい。このように構成することで、サイドシートの非接合領域が設けられた部分において、サイドシートの第1部分が立ち上がりやすくなる。
【0048】
<外装シート>
前記外装シートは、前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とから構成される。外装シートは、前腹部と後背部とが接合されることにより、股部の両側に一対の脚開口部が形成されるとともに、前腹部と後背部の前後方向両側縁部から形成されるウエスト開口部が形成されている。なお、前後方向とは、外装シートの前腹部から後背部にかけての方向を意味する。幅方向とは、外装シートを平面に展開した状態で、外装シートと同一面上にあり、前記前後方向に直交する方向を意味する。
【0049】
外装シートの各部の名称については、パンツ型おむつを着用した際に、着用者の腹側に当てる部分を前腹部、着用者の臀部側に当てる部分を後背部、前腹部と後背部との間に位置し着用者の股間に当てる部分を股部と称する。股部とは、外装シートの前後方向に3分割した中間に位置する部分であり、パンツ型に形成された際に幅方向両側縁部が接合されない部分、すなわち脚開口部を形成する部分を意味する。
【0050】
外装シートは、1枚のシートが所定形状に形成されたものでもよく、2枚以上のシートが積層されて所定形状に形成されていてもよい。外装シートは、外側シートと、外側シートの肌面側に積層された内側シートとを有することが好ましい。この場合、内側シートは、親水性または不透液性の材料から形成されることが好ましく、不透液性の材料から形成されることがより好ましく、外側シートは、不透液性の材料から形成されることが好ましい。なお、外装シートが1枚のシートのみから構成される場合は、外装シートは前記外側シートから構成されることが好ましい。外装シートが不透液性の材料から形成されたシートを有していれば、外装シートからの尿等の漏れが防止される。
【0051】
前記内側シートや外側シートとしては、不織布やプラスチックフィルムを用いることができる。内側シートと外側シートは、不織布から構成されることが好ましい。内側シートと外側シートに用いられる不透液性の不織布としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)不織布、ポリエステル不織布等が好ましく、特にポリプロピレン不織布が好ましい。このような不織布を用いれば、高強度の外装シートが得られる。
【0052】
前記内装部材は、少なくとも外装シートの股部に存在すればよく、さらに前腹部および後背部にかけて延在していることが好ましい。また、前記内装部材は、外装シートに接合されていることが好ましい。前記内装部材と外装部材との接合は、接着剤による接合が好ましい。この場合、接着剤の配置態様は特に限定されず、前後方向に延びる帯状、スパイラル状のいずれでもよい。
【0053】
前記内装部材と外装部材とを接合する接合部は、前記内装部材の幅方向の外側端領域に設けられていることが好ましい。このように内装部材の幅方向の外側端領域が外装シートに接合されていれば、前記サイドシートがより立ち上がりやすくなる。前記内装部材の幅方向外側端部を0%、内装部材の幅方向中央部を100%としたとき、前記接合部が0%~30%の領域の少なくとも一部に設けられていることが好ましく、0%~20%の領域の少なくとも一部に設けられていることがより好ましくは、0%~10%の領域の少なくとも一部に設けられていることがさらに好ましい。
【0054】
(エンド押さえシート)
外装シートの前腹部および/または後背部には、内装部材の前後端部を覆うエンド押さえシートが設けられていてもよい。エンド押さえシートを設けることにより、内装部材の前後端部が着用者の肌に当たることによる不快感が軽減される。エンド押さえシートは、外装シートの前腹部と後背部とに設けられることが好ましい。エンド押さえシートは、前後方向においては、内装部材の前後端部を覆うように内装部材と外装シートとに跨って設けられる。
【0055】
(弾性部材)
外装シートには、前腹部および/または後背部に、胴回り用弾性部材が幅方向に設けられることが好ましい。胴回り用弾性部材により、おむつの下腹部と臀部周りのフィット性が向上する。
【0056】
外装シートには、胴回り用弾性部材以外に、ウエスト用弾性部材や脚用弾性部材が設けられることが好ましい。ウエスト用弾性部材は、前腹部や後背部のウエスト開口縁に沿って設けられ、着用者が寝ている状態で、背中側や腹部側から尿等の排泄物が漏れることを防止する。脚用弾性部材は、脚開口縁に沿って設けられ、脚開口縁からの尿等の排泄物の漏れを防止する。なお、ウエスト開口縁とは、外装シートのウエスト開口部周りの縁を意味する。脚開口縁とは、外装シートの脚開口部周りの縁を意味する。
【0057】
外装シートが1枚のシートから形成される場合、各弾性部材はシート上にホットメルト接着剤等により固定される。外装シートが内側シートと外側シートから構成される場合、各弾性部材は、両シート間に配設され、ホットメルト接着剤等により内側シートおよび/または外側シートに固定されることが好ましい。各弾性部材は、複数本設けられてもよい。
【0058】
各弾性部材は、ポリウレタン糸、ポリウレタンフィルム、天然ゴム等の通常パンツ型おむつに用いられる弾性伸縮材料が使用できる。各弾性部材は、伸張状態で、ホットメルト接着剤で固定されることが好ましい。例えば、繊度100~2,500デシテックスのポリウレタン糸を、倍率1.1~5.0倍に伸張して配設し固定する。接合手段としては、好ましくは、ゴム系のホットメルト接着剤である。
【実施例0059】
以下、本発明のパンツ型おむつの一例について、図面を参照して説明する。なお、本発明は、下記実施態様に限定されるものではない。
【0060】
図では、矢印xをおむつの幅方向とし、矢印yをおむつの前後方向と定義付けている。また、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向を厚み方向zと定義付ける。
図1は、本発明のパンツ型おむつの斜視図である。
図2は、
図1のパンツ型おむつの前腹部と後背部との接合を解いて、平面に展開した状態を表す平面図である。
【0061】
図3は、内装部材の平面図である。
図4は、
図3のA-A断面図である。
図5は、
図3のB-B線断面図である。
図6は、
図3のC-C線断面図である。
図7は、サイドシートの接合領域および非接合領域を説明する平面図である。
図8は、サイドシートの立体封止部を説明する平面図である。
図4および
図5では、サイドシートが立ち上がっている状態を点線で示した。
図3、
図7および
図8では、図の上側が前腹側、図の下側が後背側である。
図7では、サイドシートの第2部分を省いている。
【0062】
パンツ型おむつ1は、外装シート10と内装部材20とを有する。前記外装シート10は、前腹部Pと後背部Qとこれらの間に位置する股部Rとから構成されている。これらの前腹部Pと後背部Qとが接合されることによりウエスト開口部11と一対の脚開口部12とが形成される。外装シート10は、外側シートと、外側シートの肌面側に積層された内側シートとを有する。
【0063】
外装シート10の前腹部Pと後背部Qとには、外側シートと内側シートとの間に、複数の胴周り用弾性部材13が幅方向xに設けられている。胴周り用弾性部材13は、ホットメルト接着剤により外側シートと内側シートとに接着されている。
【0064】
外装シート10のウエスト開口縁14に沿って、複数のウエスト用弾性部材15が幅方向xに設けられている。外装シート10の脚開口縁16に沿って、脚用弾性部材17,18が設けられている。脚用弾性部材は、股部Rを横切っておむつ前側の両脚開口縁に沿って設けられる前側脚用弾性部材17と、股部Rを横切っておむつ後側の両脚開口縁に沿って設けられる後側脚用弾性部材18とからなる。前側脚用弾性部材17と後側脚用弾性部材18とにより、脚開口縁16のほぼ全周にわたり脚用弾性部材が設けられることとなる。
【0065】
内装部材20は、外装シート10の股部Rの肌面側に備えられている。この内装部材20は、股部Rから前腹部Pおよび後背部Qにかけて配置されている。
【0066】
前記内装部材20は、吸収体21と、前記吸収体21の外面側に配置されたバックシート22、前記吸収体21の肌面側に配置されたセンターシート23および前記センターシートの幅方向の両側縁に付設された不透液性のサイドシート24を備えている。前記吸収体21は、吸水性材料21aが被覆シート21bで包まれており、平面視形状は矩形状に成形されている。前記吸収体21の幅方向両側縁は、各サイドシート24の中間部の幅方向外側端よりも幅方向内側に位置している。前記バックシート22の幅方向yの両端部は、吸収体21の肌面側に折り返され、バックシート折り返し部22aを形成している。
【0067】
前記サイドシート24は、内装部材の前後方向yの全長にわたって、センターシート23の両側縁に付設されている。前記センターシート23は、接着剤30によって吸収体21に接合されている。また、前記センターシート23の幅方向外側端部は、後述するサイドシート24の立ち上がり基部24cよりも幅方向内側に位置している。
【0068】
前記サイドシート24は、幅方向外側端で折り返されており、外面側に配置された第1部分24aと、肌面側に配置された第2部分24bとを有する。また、前記第2部分24bの内側端には、起立用弾性部材25が配置されている。
【0069】
前記第1部分24aは、幅方向外側から内側に向かって、外端部、中間部、内端部を有している。前記サイドシートの第1部分の外端部には、前記第1部分24aと前記バックシート折り返し部22aとを接合する外端接合領域31が設けられている。また、
図7に示すように、前記サイドシート24の前腹部側の端部においては、前記サイドシートの第1部分24aと前記バックシート折り返し部22aとが接合されていない第1非接合領域40が設けられている。前記外端接合領域31は、サイドシート24の前後方向において、非接合領域40以外の部分は、連続的に設けられている。
【0070】
前記サイドシートの第1部分の内端部には、前記第1部分24aと前記センターシート23とを接合する内端接合領域32が設けられている。前記サイドシートの第1部分の中間部には、前記第1部分24aと前記バックシート折り返し部22aとを接合する中間接合領域33が設けられている。前記内端接合領域32および中間接合領域33は、サイドシート24の前後方向全長にわたって連続的に設けられている。前記外端接合領域31の幅は、前記中間接合領域33の幅より広くなっている。また、前記中間接合領域33の幅は、前記内端接合領域32の幅より広くなっている。
【0071】
図4に示すように、外側接合領域31が設けられている部分では、外側接合領域31の外側端が、サイドシート24が立ち上がる際の立ち上がり基部24cとなる。これに対して、
図5に示すように、非接合領域40が設けられた前腹部側では、中間接合領域33の外側端が、サイドシート24が立ち上がる際の立ち上がり基部24cとなる。つまり、非接合領域40が設けられた部分では、サイドシートの第2部分24bだけでなく、第1部分24aの一部も立ち上がるため、形成される立体ギャザーの起立高さがより高くなる。
【0072】
前記サイドシート24は、前後方向の両端部において、前記第1部分24aと前記第2部分24bとが接合された立体封止部34が形成されている。立体封止部34を形成することで、前後方向の両端部において、サイドシート24の立ち上がりが抑制される。これにより、立体封止部34が形成されていない部分のサイドシート24が立ち上がりやすくなる。
【0073】
図2、
図7および
図8では、サイドシート24の前腹部側の端部にのみ、第1非接合領域40を設けているが、サイドシート24の後背部側の端部にも第1部分24aと前記バックシート折り返し部22aとが接合されていない第2非接合領域を設けてもよい。
【0074】
図9は、
図3のB-B断面図であり、補助吸収体を配置した状態を示す断面図である。補助吸収体50を配置する場合、補助吸収体50の幅方向両側縁は、厚み方向において前記各サイドシート24の前記第1部分24aと前記第2部分24bとの間に位置する。また、補助吸収体50は、幅方向において前記各サイドシート24の中間部の幅方向外側端よりも幅方向内側に位置している。
【0075】
図10は、内装部材の他の例の平面図である。
図11は、
図10のA-A断面図である。
図12は、
図10のB-B線断面図である。
図13は、
図10のC-C線断面図である。
図14は、サイドシートの接合領域および非接合領域を説明する平面図である。
図15は、サイドシートの立体封止部を説明する平面図である。
図11および
図12では、サイドシートが立ち上がっている状態を点線で示した。
図10、
図14および
図15では、図の上側が前腹側、図の下側が後背側である。
図14では、サイドシートの第2部分を省いている。下記説明において、
図3~8に記載の内装部材と重複する部位は、同一の符号を付し、説明は省略する。
【0076】
図10~15に示した内装部材20は、バックシート22、前記バックシート22の肌面側に配置された透液性のセンターシート23、および、前記センターシート23の幅方向の両側縁に付設された不透液性のサイドシート24とから構成されている。
【0077】
前記サイドシート24は、内装部材の前後方向yの全長にわたって、センターシート23の両側縁に付設されている。前記センターシート23は、接着剤30によってバックシート22に接合されている。また、前記センターシート23の幅方向外側端部は、後述するサイドシート24の立ち上がり基部24cよりも幅方向内側に位置している。
【0078】
前記サイドシート24は、幅方向外側端で折り返されており、外面側に配置された第1部分24aと、肌面側に配置された第2部分24bとを有する。また、前記第2部分24bの内側端には、起立用弾性部材25が配置されている。
【0079】
前記第1部分24aは、幅方向外側から内側に向かって、外端部、中間部、内端部を有している。前記サイドシートの第1部分の外端部には、前記第1部分24aと前記バックシート22とを接合する外端接合領域31が設けられている。また、
図14に示すように、前記サイドシート24の前腹部側の端部においては、前記サイドシートの第1部分24aと前記バックシート22とが接合されていない第1非接合領域40が設けられている。前記外端接合領域31は、サイドシート24の前後方向において、非接合領域40以外の部分は、連続的に設けられている。
【0080】
前記サイドシートの第1部分の内端部には、前記第1部分24aと前記センターシート23とを接合する内端接合領域32が設けられている。前記サイドシートの第1部分の中間部には、前記第1部分24aと前記バックシート22とを接合する中間接合領域33が設けられている。前記内端接合領域32および中間接合領域33は、サイドシート24の前後方向全長にわたって連続的に設けられている。前記外端接合領域31の幅は、前記中間接合領域33の幅より広くなっている。また、前記中間接合領域33の幅は、前記内端接合領域32の幅より広くなっている。
【0081】
図11に示すように、外側接合領域31が設けられている部分では、外側接合領域31の外側端が、サイドシート24が立ち上がる際の立ち上がり基部24cとなる。これに対して、
図12に示すように、非接合領域40が設けられた前腹部側では、中間接合領域33の外側端が、サイドシート24が立ち上がる際の立ち上がり基部24cとなる。つまり、非接合領域40が設けられた部分では、サイドシートの第2部分24bだけでなく、第1部分24aの一部も立ち上がるため、形成される立体ギャザーの起立高さがより高くなる。
【0082】
前記サイドシート24は、前後方向の両端部において、前記第1部分24aと前記第2部分24bとが接合された立体封止部34が形成されている。立体封止部34を形成することで、前後方向の両端部において、サイドシート24の立ち上がりが抑制される。これにより、立体封止部34が形成されていない部分のサイドシート24が立ち上がりやすくなる。
【0083】
図14および
図15では、サイドシート24の前腹部側の端部にのみ、第1非接合領域40を設けているが、サイドシート24の後背部側の端部にも第1部分24aと前記バックシート22とが接合されていない第2非接合領域を設けてもよい。
【0084】
なお、
図10~15では、内装部材20が、バックシート22、センターシート23、および、サイドシート24とから構成されているが、センターシート23は配置しなくてもよい。この場合、内端接合領域32において、第1部分24aとバックシート22とが接合される。
【0085】
図16は、
図10のB-B断面図であり、補助吸収体を配置した状態を示す断面図である。補助吸収体50を配置する場合、補助吸収体50の幅方向両側縁は、厚み方向において前記各サイドシート24の前記第1部分24aと前記第2部分24bとの間に位置する。また、補助吸収体50は、幅方向において前記各サイドシート24の中間部の幅方向外側端よりも幅方向内側に位置している。
1:パンツ型おむつ、10:外装シート、20:内装部材、21:吸収体、22:バックシート、22a:折り返し部、23:センターシート、24:サイドシート、24a:第1部分、24b:第2部分、24c:立ち上がり基部、25:起立用弾性部材、31:外端接合領域、32:内端接合領域、33:中間接合領域、34:立体封止部、40:非接合領域、50:補助吸収体、P:前腹部、Q:後背部、R:股部