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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094313
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】蒸気タービンの安全装置
(51)【国際特許分類】
   F01D 21/00 20060101AFI20230628BHJP
   F01D 17/10 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
F01D21/00 J
F01D17/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209712
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】503395999
【氏名又は名称】株式会社荏原エリオット
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳元 八大
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】岡本 真治
(72)【発明者】
【氏名】上島 輝夫
(72)【発明者】
【氏名】酒井 卓
(72)【発明者】
【氏名】粕谷 一樹
(72)【発明者】
【氏名】永田 一也
【テーマコード(参考)】
3G071
【Fターム(参考)】
3G071AA01
3G071AB01
3G071BA22
3G071DA05
3G071EA03
(57)【要約】
【課題】通常の運転時は問題なく蒸気量の制御を可能にし、電源および作動圧力喪失時には蒸気量制御弁を閉止させることができる蒸気タービンの安全装置の提供。
【解決手段】蒸気タービン1の安全装置は、油圧アクチュエータ8と、油圧アクチュエータ8によって支軸92を中心に回動するレバー部材91と、レバー部材91に連結され、レバー部材91の回動によって、蒸気タービン1に蒸気を供給する蒸気室4の蒸気流路4aを開閉する蒸気量制御弁6と、油圧アクチュエータ8よりも支軸92の近くに配置され、蒸気量制御弁6が閉じる方向にレバー部材91を付勢する付勢装置10と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体圧力式アクチュエータと、
前記流体圧力式アクチュエータによって支軸を中心に回動するレバー部材と、
前記レバー部材に連結され、前記レバー部材の回動によって、蒸気タービンに蒸気を供給する蒸気室の蒸気流路を開閉する蒸気量制御弁と、
前記流体圧力式アクチュエータよりも前記支軸の近くに配置され、前記蒸気量制御弁が閉じる方向に前記レバー部材を付勢する付勢装置と、を備える、ことを特徴とする蒸気タービンの安全装置。
【請求項2】
前記レバー部材の一端部は、前記蒸気室の直上まで延びており、
前記蒸気量制御弁は、前記蒸気室を貫通し、前記蒸気室の直上で前記レバー部材の前記一端部と連結され、
前記付勢装置は、前記蒸気室の直上から離間した位置に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービンの安全装置。
【請求項3】
前記レバー部材の他端部には、前記流体圧力式アクチュエータが連結され、
前記支軸は、前記レバー部材の前記一端部と前記他端部との間に設けられ、
前記付勢装置は、前記レバー部材における前記支軸と前記他端部との間に連結されている、ことを特徴とする請求項2に記載の蒸気タービンの安全装置。
【請求項4】
前記付勢装置を支持するスペーサ部材を備え、
前記スペーサ部材の下部には、下方に向かって突設された複数の接地部が形成されている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の蒸気タービンの安全装置。
【請求項5】
前記スペーサ部材の上部には、上方に向かって突設された複数の支持部が形成され、
前記支持部と前記接地部は、平面視で互い違いに配置されている、ことを特徴とする請求項4に記載の蒸気タービンの安全装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気タービンの安全装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービンに蒸気を供給する蒸気量制御弁は、蒸気タービンの運転を制御するガバナーバルブと称され、油圧または空圧で駆動する流体圧力式アクチュエータによって動作する。流体圧力式アクチュエータは、電気信号により制御されているが、何らかの原因によりプラントの電源が喪失したり、作動圧力を喪失したりすると、流体圧力式アクチュエータの動作が止まるため、蒸気タービンの運転が制御不能になり大きな事故につながる可能性がある。
【0003】
これを防止するため、下記特許文献1に記載の流体圧力式アクチュエータ(油圧アクチュエータ)は、先端部に弁体を備えて進退するピストンロッドに弾性体(スプリング)を装着している。流体圧力式アクチュエータの電源および作動圧力が喪失した場合、ピストンロッドに装着した弾性体が、弁体が閉止する方向にピストンロッドを付勢するため、蒸気タービンを安全に停止させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6861501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、流体圧力式アクチュエータのピストンロッドにスプリングを装着して、電源および作動圧力喪失時に蒸気流路を閉止させる構成となっていたため、弁体を閉じるまでに必要なスプリングのストロークが長く、適切なばね設計が困難になるという問題があった。適切なばね設計ができなくなると、流体圧力式アクチュエータの力とばね力をうまくバランスさせることができず、通常の運転時の蒸気量の制御に問題をきたす虞がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、通常の運転時は問題なく蒸気量の制御を可能にし、電源および作動圧力喪失時には蒸気量制御弁を閉止させることができる蒸気タービンの安全装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る蒸気タービンの安全装置は、流体圧力式アクチュエータと、前記流体圧力式アクチュエータによって支軸を中心に回動するレバー部材と、前記レバー部材に連結され、前記レバー部材の回動によって、蒸気タービンに蒸気を供給する蒸気室の蒸気流路を開閉する蒸気量制御弁と、前記流体圧力式アクチュエータよりも前記支軸の近くに配置され、前記蒸気量制御弁が閉じる方向に前記レバー部材を付勢する付勢装置と、を備える。
【0008】
上記蒸気タービンの安全装置においては、前記レバー部材の一端部は、前記蒸気室の直上まで延びており、前記蒸気量制御弁は、前記蒸気室を貫通し、前記蒸気室の直上で前記レバー部材の前記一端部と連結され、前記付勢装置は、前記蒸気室の直上から離間した位置に配置されていてもよい。
【0009】
上記蒸気タービンの安全装置においては、前記レバー部材の他端部には、前記流体圧力式アクチュエータが連結され、前記支軸は、前記レバー部材の前記一端部と前記他端部との間に設けられ、前記付勢装置は、前記レバー部材における前記支軸と前記他端部との間に連結されていてもよい。
【0010】
上記蒸気タービンの安全装置においては、前記付勢装置を支持するスペーサ部材を備え、前記スペーサ部材の下部には、下方に向かって突設された複数の接地部が形成されていてもよい。
【0011】
上記蒸気タービンの安全装置においては、前記スペーサ部材の上部には、上方に向かって突設された複数の支持部が形成され、前記支持部と前記接地部は、平面視で互い違いに配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明の一態様によれば、通常の運転時は問題なく蒸気量の制御を可能にし、電源および作動圧力喪失時には蒸気量制御弁を閉止させることができる蒸気タービンの安全装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係る蒸気タービンの概略構成図である。
図2】一実施形態に係る蒸気室の周辺構成の詳細図である。
図3】一実施形態に係る付勢装置の断面構成図である。
図4】一実施形態に係るスペーサ部材の正面図である。
図5】一実施形態に係るスペーサ部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、一実施形態に係る蒸気タービン1の概略構成図である。
図1に示すように、蒸気タービン1は、羽根車2と、羽根車2を収容する車室3と、車室3内に蒸気を供給する蒸気室4と、車室3を通過した蒸気を排気する排気路5と、を備えている。
【0016】
羽根車2は、回転軸2aと、回転軸2aに固定された複数のタービン翼2b(動翼)と、を備えている。タービン翼2bは、回転軸2aの軸方向に間隔をあけて多段で設けられている。軸方向で隣り合うタービン翼2bの間には、図示しない静翼が設けられている。静翼は、車室3側に固定されている。
【0017】
蒸気室4は、タービン翼2bの一段目に向かって蒸気を供給する蒸気流路4aを備えている。蒸気室4には、蒸気流路4aを開閉する蒸気量制御弁6が設けられている。蒸気量制御弁6の上端部は、蒸気室4の外部まで延びて、リンク機構9の一端部と連結されている。
【0018】
リンク機構9の他端部には、油圧アクチュエータ8(流体圧力式アクチュエータ)が連結されている。油圧アクチュエータ8は、電気信号により制御されている。油圧アクチュエータ8は、リンク機構9の他端部を上下動させることで、リンク機構9の一端部に連結された蒸気量制御弁6を上下動させる。
【0019】
次に、上記蒸気タービン1の安全装置の構成について詳しく説明する。
【0020】
図2は、一実施形態に係る蒸気室4の周辺構成の詳細図である。
蒸気タービン1の安全装置は、上述した油圧アクチュエータ8と、リンク機構9と、蒸気量制御弁6と、後述する付勢装置10によって構成されている。図2に示すように、蒸気室4の底部には、弁座41が設けられている。蒸気室4と蒸気流路4aは、円筒状の弁座41の内側を介して連通している。
【0021】
蒸気量制御弁6は、弁座41に上方から着座する弁体61と、弁体61が下端部に固定された弁棒62と、を備えている。蒸気室4の頂部には、弁棒62が貫通する貫通孔42が形成されている。蒸気室4の直上には、貫通孔42を封止すると共に、弁棒62を上下にガイドする蓋部材43が固定されている。なお、詳細には、弁体61は、その上方に配置された部品に接続され、当該部品は図2の紙面奥行き方向に延びており、弁棒62の下端部がその部品に接続されている。
【0022】
弁棒62は、蓋部材43よりも上方に延びている。弁棒62の上端部は、連結軸63を介してリンク機構9に対し回転可能に連結されている。なお、上述した蒸気室4及び蒸気量制御弁6は、不図示であるが紙面奥行き方向に並設されており、各蒸気室4の蒸気流路4aを蒸気量制御弁6で閉じるタイミングを異ならせることで、リンク機構9の傾きに応じて車室3に供給する蒸気量を制御するようになっている。
【0023】
リンク機構9は、油圧アクチュエータ8によって作動する。油圧アクチュエータ8は、油圧シリンダ81と、油圧シリンダ81によって進退するピストンロッド82と、を備えている。油圧シリンダ81は、図示しない油圧ポンプと接続されている。油圧シリンダ81の内部の作動室に、油圧ポンプから作動油が注入されることで、ピストンロッド82が上下動する。ピストンロッド82の上端部は、連結軸83を介してリンク機構9に対し回転可能に連結されている。
【0024】
リンク機構9は、油圧アクチュエータ8によって支軸92を中心に回動するレバー部材91を備えている。支軸92は、軸受部93及び台座部94を介して、蓋部材43に支持されている。レバー部材91は、支軸92が延びる水平方向(紙面奥行き方向)と直交する方向に延びており、その一端部91Aに弁棒62の上端部が連結軸63を介して連結され、その他端部91Bにピストンロッド82の上端部が連結軸83を介して連結されている。
【0025】
付勢装置10は、蒸気タービン1の安全装置の主要部であり、油圧アクチュエータ8よりも支軸92の近くに配置され、蒸気量制御弁6が閉じる方向に、本実施形態では上方に向かってレバー部材91を付勢する。付勢装置10は、レバー部材91における支軸92と他端部91Bとの間に、連結軸14を介して連結されている。
【0026】
なお、支軸92から弁棒62の連結軸63までの距離をD1、支軸92からピストンロッド82の連結軸83までの距離をD2、支軸92から付勢装置10の連結軸14までの距離をD3とすると、D3<D1<D2の関係を有している。なお、この関係は、一例であり、例えば、D1=D2となる関係もあり得る。
【0027】
付勢装置10は、高温となる蒸気室4の直上(図2において符号40で示す)から離間した位置に配置されている。具体的に、付勢装置10は、蒸気室4に連設された梁44の上面にスペーサ部材13を介して設置されている。なお、付勢装置10は、ガイドロッド11及びジャッキアップ装置12によって昇降可能とされている。
【0028】
図3は、一実施形態に係る付勢装置10の断面構成図である。
図3に示すように、付勢装置10は、有底筒状のハウジング101と、ハウジング101内に収容されたスプリング106と、を概略備えている。
【0029】
ハウジング101の周面には、上下方向に延びる長孔102が周方向に間隔をあけて複数形成されている。本実施形態では、長孔102がハウジング101の周面に90°間隔で4つ形成されている。長孔102からは、ハウジング101内部のスプリング106を視認することができる。
【0030】
ハウジング101の周面の長孔102よりも下側には、フランジ103が径方向外側に突設されている。フランジ103には、図2に示す複数のガイドロッド11が上下に貫通して係合している。ハウジング101の底部104は、複数のジャッキアップ装置12によって支持されている。
【0031】
図3に示すように、ハウジング101の底部104の上面側には、スプリング106の下端部を受けるばね受け105が設けられている。スプリング106は、ハウジング101の内周壁によって上下にガイドされると共に、その上端部で天板107を支持している。天板107の下面側には、スプリング106の上端部を受けるばね受け108が設けられている。
【0032】
天板107の上面側には、リンク部材109が上方に向かって突設されている。リンク部材109の上端部は、上述した連結軸14を介してレバー部材91に回転可能に連結されている。
【0033】
次に、上記付勢装置10を支持するスペーサ部材13の構成について説明する。
【0034】
図4は、一実施形態に係るスペーサ部材13の正面図である。図5は、一実施形態に係るスペーサ部材13の平面図である。
図4に示すように、スペーサ部材13の下部には、下方に向かって突設された複数の接地部131が形成されている。接地部131は、上述した梁44の上面に接触する部分である。
【0035】
また、スペーサ部材13の上部には、上方に向かって突設された複数の支持部132が形成されている。支持部132は、上述した付勢装置10の底部104の下面側に接触する部分である。
【0036】
図5に示すように、スペーサ部材13は、平面視でリング状に形成されている。支持部132と接地部131は、平面視で互い違いに配置されている。具体的に、支持部132は、スペーサ部材13の周方向において一定の間隔をあけて複数形成されている。また、接地部131は、スペーサ部材13の周方向において支持部132と同数且つ同じ間隔で複数形成されるが、支持部132に対して半ピッチ分、位相がずれている。
【0037】
上記構成の蒸気タービン1の安全装置によれば、仮に油圧アクチュエータ8において電源の喪失または油圧の喪失が発生した場合、図2に示すように、付勢装置10のスプリング106の付勢によってレバー部材91を押し上げるため、蒸気量制御弁6が蒸気流路4aを閉じる方向(下方)に移動し、蒸気タービン1への供給を停止することができる。
【0038】
この付勢装置10は、油圧アクチュエータ8よりも支軸92の近くに配置されていることから、仮に油圧アクチュエータ8の直上に配置した場合よりも、蒸気量制御弁6を閉じるまでに必要なスプリング106のストロークが短く済む。よって、スプリング106の適切なばね設計が容易になる。
【0039】
また、付勢装置10が油圧アクチュエータ8よりも支軸92の近くに配置されていることから、付勢装置10がレバー部材91を常時押し上げていても、支軸92からより離れた位置に配置された油圧アクチュエータの方がその力によるトルクは大きく且つ支配的になり、通常の運転時の蒸気量の制御に問題をきたす虞はない。
【0040】
このように、上述した本実施形態に係る蒸気タービン1の安全装置は、油圧アクチュエータ8と、油圧アクチュエータ8によって支軸92を中心に回動するレバー部材91と、レバー部材91に連結され、レバー部材91の回動によって、蒸気タービン1に蒸気を供給する蒸気室4の蒸気流路4aを開閉する蒸気量制御弁6と、油圧アクチュエータ8よりも支軸92の近くに配置され、蒸気量制御弁6が閉じる方向にレバー部材91を付勢する付勢装置10と、を備える。この構成によれば、通常の運転時は問題なく蒸気量の制御を可能にし、電源および油圧喪失時には蒸気量制御弁6を閉止させることができる。
【0041】
また、本実施形態においては、レバー部材91の一端部91Aは、蒸気室4の直上まで延びており、蒸気量制御弁6は、蒸気室4を貫通し、蒸気室4の直上でレバー部材91の一端部91Aと連結され、付勢装置10は、蒸気室4の直上から離間した位置に配置されている。蒸気室4の直上は、熱伝導などにより非常に高温となり、スプリング106の使用可能温度を超える場合がある。このため、付勢装置10を蒸気室4の直上から離すことで熱伝導を抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態においては、レバー部材91の他端部91Bには、油圧アクチュエータ8が連結され、支軸92は、レバー部材91の一端部91Aと他端部91Bとの間に設けられ、付勢装置10は、レバー部材91における支軸92と他端部91Bとの間に連結されている。この構成によれば、付勢装置10が支軸92に対して油圧アクチュエータ8が同じ他端部91B側に配置されているため、仮に付勢装置10が支軸92に対して一端部91A側に配置されているよりも、蒸気室4から離すことができ、蒸気室4からの熱伝導を抑制できる。
【0043】
また、本実施形態においては、付勢装置10を支持するスペーサ部材13を備え、スペーサ部材13の下部には、下方に向かって突設された複数の接地部131が形成されている。この構成によれば、梁44を介した蒸気室4からの熱伝導を抑制するために接触面積が小さくなるようなスペーサ部材13を挟むことで、スプリング106の温度上昇を低減することができる。
【0044】
また、本実施形態においては、スペーサ部材13の上部には、上方に向かって突設された複数の支持部132が形成され、支持部132と接地部131は、平面視で互い違いに配置されている。この構成によれば、図4に示すように、接地部131から支持部132への熱伝導経路133が曲がって長くなるため、接地部131から支持部132に直に熱が伝わり難くなり、スプリング106の温度上昇を低減する効果をより高めることができる。
【0045】
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
【0046】
例えば、上記実施形態では、支軸92が、レバー部材91の一端部91Aと他端部91Bとの間に設けられる構成について説明したが、この構成に限定されない。例えば、レバー部材91の一端部91Aが蒸気室4の先まで延びており、その一端部91Aに支軸92が設けられ、支軸92に対して同じ他端部91B側に、蒸気量制御弁6、付勢装置10、及び油圧アクチュエータ8がこの順に連結される場合もある。
また、上記実施形態では、流体圧力式アクチュエータとして、油圧アクチュエータ8を例示したが、空圧アクチュエータであっても構わない。
【符号の説明】
【0047】
1…蒸気タービン、2…羽根車、2a…回転軸、2b…タービン翼、3…車室、4…蒸気室、4a…蒸気流路、5…排気路、6…蒸気量制御弁、8…油圧アクチュエータ(流体圧力式アクチュエータ)、9…リンク機構、10…付勢装置、11…ガイドロッド、12…ジャッキアップ装置、13…スペーサ部材、14…連結軸、41…弁座、42…貫通孔、43…蓋部材、44…梁、61…弁体、62…弁棒、63…連結軸、81…油圧シリンダ、82…ピストンロッド、83…連結軸、91…レバー部材、91A…一端部、91B…他端部、92…支軸、93…軸受部、94…台座部、101…ハウジング、102…長孔、103…フランジ、104…底部、106…スプリング、107…天板、109…リンク部材、131…接地部、132…支持部、133…熱伝導経路
図1
図2
図3
図4
図5