(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094457
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】評価装置、制御プログラム、評価システム、モデル構築装置および評価方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20230628BHJP
【FI】
G06T7/00 350B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209958
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】304028726
【氏名又は名称】国立大学法人 大分大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】河野 憲嗣
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096DA02
5L096DA04
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】媒体の真正性を、媒体の属性等に応じた段階数で評価する。
【解決手段】評価装置(3)は、対象画像(IMGO)を取得する画像取得部(351)と、属性情報および精粗情報の少なくとも一方を取得する情報取得部(352)と、第2の指標を情報取得部(352)の取得情報に応じた第2の段階数で算出する指標算出部(353)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象媒体が撮像された対象画像を取得する画像取得部と、
前記対象媒体の属性を示す属性情報、および前記対象媒体の真正性の評価の精粗に関する精粗情報の少なくとも一方を取得する情報取得部と、
前記画像取得部の取得画像と前記情報取得部の取得情報とを参照して、前記対象媒体の真正性の評価に関する指標を前記取得情報に応じた段階数で算出する指標算出部と、を備えた、評価装置。
【請求項2】
前記指標算出部による処理には、媒体が撮像された画像を含むデータセットを教師データとして機械学習を行うことにより構築された評価モデルに対して、前記取得画像を入力することが含まれる、請求項1に記載の評価装置。
【請求項3】
前記指標算出部は、
前記取得画像を前記評価モデルに入力することにより、前記対象媒体の真正性の評価に関する初期の指標であって、第1の段階数を有する第1の指標を取得し、
前記第1の指標を前記取得情報に応じた第2の段階数に再分類することにより、第2の指標を取得し、
前記第2の指標を算出する、請求項2に記載の評価装置。
【請求項4】
前記指標算出部は、前記取得画像および前記取得情報の少なくとも一方に応じて、前記指標算出部による処理を実行するか否かを決定する、請求項1から3のいずれか1項に記載の評価装置。
【請求項5】
前記情報取得部は、前記対象媒体の真正性の評価を補助するための補助情報を取得する、請求項1から4のいずれか1項に記載の評価装置。
【請求項6】
前記指標算出部が算出した前記対象媒体の真正性の評価に関する指標を表示する表示部を備えた、請求項1から5のいずれか1項に記載の評価装置。
【請求項7】
請求項1に記載の評価装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記画像取得部、前記情報取得部および前記指標算出部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項8】
対象媒体が撮像された対象画像を取得する画像取得部と、
前記対象媒体の属性を示す属性情報、および前記対象媒体の真正性の評価の精粗に関する精粗情報の少なくとも一方を取得する情報取得部と、
前記画像取得部の取得画像と前記情報取得部の取得情報とを参照して、前記対象媒体の真正性の評価に関する指標を、前記取得情報に応じた段階数で出力する指標算出部と、を備えた、評価システム。
【請求項9】
媒体が撮像された画像を含むデータセットを教師データとして取得する教師データ取得部と、
前記教師データを参照した機械学習を行うことにより、対象媒体が撮像された対象画像を入力データとして、前記対象媒体の真正性の評価に関する指標を所定の段階数で出力する評価モデルを構築するモデル構築部と、を備えた、モデル構築装置。
【請求項10】
対象媒体が撮像された対象画像を取得する画像取得ステップと、
前記対象媒体の属性を示す属性情報、および前記対象媒体の真正性の評価の精粗に関する精粗情報の少なくとも一方を取得する情報取得ステップと、
前記画像取得ステップにて取得された取得画像と前記情報取得ステップにて取得された取得情報とを参照して、前記対象媒体の真正性の評価に関する指標を前記取得情報に応じた段階数で算出する指標算出ステップと、を含む、評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像に映し出された媒体の真正性を評価する評価装置、制御プログラム、評価システム、モデル構築装置および評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品券、各種クーポン、定期券等の媒体の真正性を、当該媒体が撮像された画像を用いて評価する技術が知られている。「真正性の評価」とは、評価の対象となる媒体(以下、「対象媒体」)がどれぐらい本物に近いと判断できるかを示すことである。例えば、特許文献1には、顧客から受け取った金券が保有する金券特性情報と照合用の金券特性情報とを照合することにより、金券の真贋判定を行う金券の真贋判定システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された真贋判定システムは、あくまで顧客から受け取った金券の真贋を判定する、つまり当該金券の真正性を100%か0%かの二者択一で画一的に評価するものである。ここで、「真正性が100%」とは、顧客から受け取った金券が本物である確率が100%、つまり当該金券が本物であることを指す。「真正性が0%」とは、顧客から受け取った金券が本物である確率が0%、つまり当該金券が偽物であることを指す。
【0005】
したがって、特許文献1に開示された真贋判定システムは、顧客から受け取った金券の真正性を段階的に細かく評価するという点において、必ずしも十分とは言えない。さらに、特許文献1に開示された真贋判定システムは、真正性の評価の段階数に顧客から受け取った金券の属性、真贋判定の判定者のニーズを反映させる点においても、必ずしも十分とは言えない。ここで、金券の属性としては、金券の種類、有効期間、使用可能地域、使用可能店舗等が挙げられる。
【0006】
本発明の一態様は、金券のような紙媒体を含む媒体全般の真正性を、媒体の属性、あるいは真贋判定の判定者のニーズに応じた段階数で評価することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る評価装置は、対象媒体が撮像された対象画像を取得する画像取得部と、前記対象媒体の属性を示す属性情報、および前記対象媒体の真正性の評価の精粗に関する精粗情報の少なくとも一方を取得する情報取得部と、前記画像取得部の取得画像と前記情報取得部の取得情報とを参照して、前記対象媒体の真正性の評価に関する指標を前記取得情報に応じた段階数で算出する指標算出部と、を備える。
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る評価システムは、対象媒体が撮像された対象画像を取得する画像取得部と、前記対象媒体の属性を示す属性情報、および前記対象媒体の真正性の評価の精粗に関する精粗情報の少なくとも一方を取得する情報取得部と、前記画像取得部の取得画像と前記情報取得部の取得情報とを参照して、前記対象媒体の真正性の評価に関する指標を、前記取得情報に応じた段階数で出力する指標算出部と、を備える。
【0009】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るモデル構築装置は、媒体が撮像された画像を含むデータセットを教師データとして取得する教師データ取得部と、前記教師データを参照した機械学習を行うことにより、対象媒体が撮像された対象画像を入力データとして、前記対象媒体の真正性の評価に関する指標を所定の段階数で出力する評価モデルを構築するモデル構築部と、を備える。
【0010】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る評価方法は、対象媒体が撮像された対象画像を取得する画像取得ステップと、前記対象媒体の属性を示す属性情報、および前記対象媒体の真正性の評価の精粗に関する精粗情報の少なくとも一方を取得する情報取得ステップと、前記画像取得ステップにて取得された取得画像と前記情報取得ステップにて取得された取得情報とを参照して、前記対象媒体の真正性の評価に関する指標を前記取得情報に応じた段階数で算出する指標算出ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、媒体の真正性を、媒体の属性、あるいは評価者のニーズに応じた段階数で評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態、ならびに第1および第2の変形例に係る評価システムの要部構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る評価装置による処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】前記評価装置の表示部に表示された評価結果の一例を示す図である。
【
図6】前記評価結果の評価対象である対象媒体の対象画像が前記表示部に表示された状態の一例を示す図である。
【
図7】前記評価結果の評価対象である非対象媒体の非対象画像が前記表示部に表示された状態の他の例を示す図である。
【
図8】前記表示部に表示された利用承認可否の結果の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第1変形例に係る評価装置による処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔評価システムの適用場面〕
本実施形態では、商店街の事務局が、商店街の加盟店において利用可能な紙のプレミアム付き商品券(以下、「商品券」と略記)の利用を管理する目的で本発明の一実施形態に係る評価システム100を用いるケースを説明する。具体的には、事務局の担当者が、加盟店に商品券として利用の申請があった媒体の真贋を識別して当該媒体の利用を承認するか否かを決定するために、評価システム100を用いるケースを説明する。以下、加盟店に商品券として利用の申請があった媒体を「対象媒体MO」と称し、事務局の担当者を「評価者」と称する。
【0014】
評価システム100の適用場面は前述の商品券のケースに限定されない。評価システム100は、各種クーポン、地域通貨、定期券、入場券、ワクチン接種券、プリペイドカード、立体状のもの(例えば、魚、野菜等の生鮮食品)等の各種媒体の利用を管理する目的で用いることができる。
【0015】
〔評価システムの構成〕
評価システム100の構成を
図1~
図3に基づいて説明する。評価システム100は、対象媒体MO(
図6参照)の真正性を評価するためのシステムである。「真正性」は、評価の対象物がどれぐらい本物に近いかを示す概念である。
図1に示すように、評価システム100は、画像生成装置1、モデル構築装置2および評価装置3を備えている。
【0016】
<画像生成装置の構成>
画像生成装置1は、対象媒体MOが撮像された画像である対象画像IMGO(
図6参照)を生成する。また、画像生成装置1は、対象媒体MO以外の媒体が撮像された画像である非対象画像IMGN(
図7参照)も生成する。以下、対象媒体以外の媒体を「非対象媒体MN(
図7参照)」と称する。画像生成装置1は、他の装置と無線通信を行うための通信部11を有している。後述の通信部24および34も、通信部11と同様の機能を有している。
【0017】
本実施形態では、画像生成装置1はスキャナであり、対象媒体MOの表(おもて)面を読み取って画像データとしての対象画像IMGOに変換する。また、画像生成装置1は、非対象媒体MNにおける特定の面を読み取って画像データとしての非対象画像IMGNに変換する。画像生成装置1としてのスキャナは、各加盟店に備えられているものとする。なお、画像生成装置1はスキャナでなくてもよく、デジタルカメラ、スマートフォン、タブレット端末等の撮像可能、かつ各加盟店に備えられていないデバイスであってもよい。
【0018】
前述の通り、対象画像IMGOは対象媒体MOの表面の画像のみで構成されており、非対象画像IMGNは非対象媒体MNにおける特定の面の画像のみで構成されている。但し、対象画像IMGO、非対象画像IMGNともに、複数の画像で構成されるデータセットであってもよい。例えば、対象画像IMGOは、対象媒体MOにおける表面の画像と裏面の画像とのデータセットであってもよいし、非対象画像IMGNは、非対象媒体MNにおける表面の画像と裏面の画像とのデータセットであってもよい。
【0019】
<モデル構築装置の構成>
モデル構築装置2は、本実施形態では管理サーバであり、一例として、建物内の事務局が入っている部屋(以下、「事務所」)に備えられているものとする。なお、モデル構築装置2は管理サーバでなくてもよく、例えば後述の評価装置3に内蔵されていてもよい。また、管理サーバは、例えば公知のクラウドサービスで利用されているサーバであってもよいし、事務局から業務の一部または全部をアウトソーシングされた企業のオフィスに備えられていてもよい。モデル構築装置2は、入力部21、出力部22、記憶部23、通信部24および制御部25を有している。
【0020】
入力部21は、評価者の各種操作を受け付ける。後述の入力部31も、入力部21と同様の機能を有している。出力部22は、各種情報を出力する。出力部22は、例えば表示部であってもよいし、入力部21と一体化したタッチパネルであってもよい。また例えば、出力部22はプリンタであってもよい。
【0021】
記憶部23は、モデル構築装置2が使用する各種情報を記憶する。また記憶部23は、教師データ231および評価モデル232を記憶する。教師データ231は、学習用画像(不図示)と正解データとで構成されたデータセットである。学習用画像は、学習用媒体(不図示)が撮像された画像である。学習用媒体は、対象媒体MOと同一の媒体、対象媒体MOと類似する媒体、および対象媒体MOと明らかに異なる媒体等、種々の媒体で構成される。本実施形態では、過去、加盟店に商品券として利用の申請があった媒体を学習用媒体とする。
【0022】
正解データとしては、学習用媒体の真贋、学習用媒体の特徴領域の一致/不一致、学習用媒体の識別領域の一致/不一致等が挙げられる。「学習用媒体の真贋」は、学習用媒体が本物か偽物かを表す。本実施形態における「本物」は、事務局が加盟店での利用を許可してモデル構築装置2に登録した商品券となる。以下、この商品券を「基準媒体MS」と称する。モデル構築装置2への基準媒体MSの登録は、利用許可のラベルと基準媒体MSが撮像された基準画像(不図示)とのセットでなされ、このデータセットが記憶部23内の専用データベース(不図示)に記録されることにより、基準媒体MSの登録が完了する。
【0023】
本実施形態では、基準媒体MSとして
図2および
図3に示す例を挙げて説明する。また本実施形態では、基準画像は、
図2に示す基準媒体MSの表面MS-1の画像のみで構成されているものとする。なお、基準画像も、対象画像IMGOおよび非対象画像IMGNと同様に1つの画像のみで構成されている必要はなく、複数の画像で構成されるデータセットであってもよい。
図2および
図3に示す例で言えば、基準画像は、
図2に示す基準媒体MSの表面MS-1の画像と、
図3に示す基準媒体MSの裏面MS-2の画像とのデータセットであってもよい。
【0024】
さらに、学習用画像も、対象画像IMGO、非対象画像IMGNおよび基準画像に対応して、学習用媒体の表面の画像のみで構成されているものとする。学習用画像が複数の画像で構成されるデータセットであってもよい点については、対象画像IMGO等と同様である。
【0025】
「特徴領域」は、学習用媒体の面に表示された、当該学習用媒体の真贋を識別するための手掛かりとなる特徴情報を含む領域である。特徴情報としては、登録番号、名称、有効期限、ロゴマーク等が挙げられ、これらの一部を一塊として特徴領域としてもよいし、全部を一塊として特徴領域としてもよい。「学習用媒体の特徴領域の一致/不一致」は、学習用媒体の特徴領域と基準媒体MSの特徴領域とが一致するか、あるいは一致しないかを示す。以下、学習用媒体の特徴領域を「学習用特徴領域」と称し、基準媒体MSの特徴領域を「基準特徴領域」と称する。
【0026】
特徴情報が文字、数字、記号、およびこれらの組み合わせの場合、例えばOCR(Optical Character Reader;光学文字認識)処理により、学習用特徴領域内の特徴情報および基準特徴領域内の特徴情報のそれぞれが認識される。あるいは、これらの特徴情報は、AI-OCR(Artificial intelligence-Optical Character Reader)処理によって認識されてもよい。OCR処理(あるいはAI-OCR処理)によって認識された学習用特徴領域内の特徴情報と基準特徴領域内の特徴情報と照合することで、学習用媒体の特徴領域の一致/不一致が判定される。
【0027】
図2の例では、基準媒体MSの表面MS-1における破線で囲まれた領域MS-3が、基準特徴領域となる。そして、この破線で囲まれた領域MS-3内に表示されている各種の情報が、基準媒体MSの特徴情報となる。この場合、学習用媒体の表面における
図2の破線で囲まれた領域MS-3に対応する領域が、学習用特徴領域になる。そして、この学習用特徴領域内に表示されている各種の情報が、学習用媒体の特徴情報となる。
【0028】
「識別領域」は、学習用媒体の面に表示された、学習用媒体の真贋を識別するための識別情報を含む領域であり、例えば所定の大きさの矩形領域である。識別情報としては、例えば紙文様IDが挙げられる。紙文様IDは、識別領域から得られる所定の特徴量である。特徴量は、学習用媒体が紙の金券であれば識別領域の繊維質の絡まり具合等、識別領域の原材料の特徴を示す量が挙げられる。「学習用媒体の識別領域の一致/不一致」は、学習用媒体の識別領域と基準媒体MSの識別領域とが一致するか、あるいは一致しないかを示す。以下、学習用媒体の識別領域を「学習用識別領域」と称し、基準媒体MSの識別領域を「基準識別領域」と称する。
【0029】
図2の例では、基準媒体MSの表面MS-1における矩形領域MS-4が、基準識別領域となる。そして、この矩形領域MS-4内に表示されている紙文様ID等が、基準媒体MSの識別情報となる。この場合、学習用媒体の表面における
図2の矩形領域MS-4に対応する矩形領域が、学習用識別領域になる。そして、この学習用識別領域内に表示されている紙文様ID等が、学習用媒体の識別情報となる。
【0030】
本実施形態では、教師データ231は、複数の学習用画像を含んでおり、学習用画像の個数と同数の基礎データセットで構成される。基礎データセットは、学習用画像と、正解データとしてのラベル(学習用媒体の真贋、学習用媒体の特徴領域の一致/不一致、学習用媒体の識別領域の一致/不一致等)と、が対応付けられたデータセットである。
【0031】
教師データ231は、予め記憶部23に記憶されていてもよいし、評価者が入力部21を介して入力した後、記憶部23に記憶されてもよい。また例えば、教師データ231はモデル構築装置2以外の装置に記憶されていてもよい。さらには、モデル構築装置2が教師データ231を生成して記憶部23に記憶してもよい。
【0032】
評価モデル232は、対象媒体MOの真正性の評価に使用される学習済みモデルである。評価モデル232は、対象媒体MOの真正性の評価に関する第1の指標(詳細は後述)を所定の段階数で出力する。ここで、加盟店で利用可能な商品券は、金額の大小および使用可能な商品の種類に応じて複数種類あることから、複数種類の基準媒体MSが存在し、教師データ231も複数種類の基準媒体MS毎に生成される。したがって、評価モデル232も複数種類の基準媒体MS毎に構築される。評価装置3による評価モデル232の使用方法の詳細については後述する。
【0033】
制御部25は、モデル構築装置2の各部を統括的に制御する。制御部25は、教師データ取得部251およびモデル構築部252を有している。教師データ取得部251は、記憶部23から教師データ231を取得し、モデル構築部252に送信する。モデル構築部252は、教師データ取得部251から取得した教師データ231を参照して機械学習を行うことにより、評価モデル232を構築する。機械学習の方法および評価モデル232の種類等は、対象媒体MOの真正性の評価が可能なものを採用すればよく、特に限定されない。例えば、モデル構築部252は、畳み込みニューラルネットワークにより評価モデル232を構築してもよい。モデル構築部252は、構築した評価モデル232を記憶部23に記録する。
【0034】
<評価装置の構成>
評価装置3は、本実施形態では据え置き型のPC(パーソナルコンピュータ)であり、事務所に備えられているものとする。なお、評価装置3は据え置き型のPCでなくてもよく、例えばタブレット端末であってもよい。評価装置3は、入力部31、表示部32、記憶部33、通信部34および制御部35を有している。
【0035】
表示部32は、各種情報を表示する。また、表示部32は、指標算出部353が算出した対象媒体MOの真正性の評価に関する第2の指標を表示する。指標算出部353および第2の指標の詳細については後述する。記憶部33は、評価装置3が使用する各種情報を記憶する。記憶部33は、後述の画像取得部351が取得した各種画像、後述の情報取得部352が取得した各種情報、および指標算出部353の算出結果のそれぞれについて、一部または全部を記憶してもよい。
【0036】
制御部35は、評価装置3の各部を統括的に制御する。制御部35は、画像取得部351、情報取得部352、指標算出部353および表示制御部354を有している。画像取得部351は、画像生成装置1から対象画像IMGOまたは非対象画像IMGNを取得する。以下、画像取得部351が画像生成装置1から取得する対象画像IMGOおよび非対象画像IMGNを総称して「取得画像IMGG(
図6および
図7参照)」とする。ここで、画像取得部351が取得画像IMGGとして非対象画像IMGNを取得するケースとしては、例えば、画像生成装置1を備えた加盟店の従業員が非対象画像IMGNを画像生成装置1に誤送信するケースが挙げられる。
【0037】
情報取得部352は、対象媒体MOの属性を示す属性情報、および対象媒体MOの真正性の評価の精粗に関する精粗情報の少なくとも一方を取得する。属性情報としては、対象媒体MOの種類、有効期限、使用可能地域、使用可能店舗、連番号、対象媒体MOが有価証券の場合は金額等が挙げられる。精粗情報は、対象媒体MOの真正性を細かな段階数で評価するか、あるいは粗い段階数で評価するかを示す情報であり、例えば対象媒体MOの真正性を「◎、〇、△、×」の4段階または「○、×」の2段階で評価するなどの情報である。情報取得部352は、これらの情報が予め記憶された記憶部33から取得してもよいし、評価者が入力部31を介してこれらの情報を入力することで取得してもよい。また、情報取得部352は、属性情報以外かつ精粗情報以外の情報を取得してもよい。
【0038】
指標算出部353は、画像取得部351の取得画像IMGGと情報取得部352の取得情報とを参照して、対象媒体MOの真正性の評価を第2の段階数に分類した第2の指標を算出する。本実施形態では、指標算出部353による対象媒体MOの真正性の評価は、対象媒体MOの表面が基準媒体MSの表面MS-1にどれくらい近似しているかを評価することによって行われる。取得画像IMGGには、対象画像IMGOの他、非対象画像IMGN等の商品券として利用の申請が意図されていない媒体の画像も含まれる。
【0039】
取得情報は、属性情報のみで構成されるケース、精粗情報のみで構成されるケース、属性情報と精粗情報とで構成されるケース、の3つのケースが主に想定される。但し、取得情報は、属性情報以外かつ精粗情報以外の情報で構成されていてもよく、例えば情報取得部352が入力部31を介して取得した評価者の各種入力情報で構成されていてもよい。表示制御部354は、入力部31が受け付けた各種操作に応じて表示部32の表示を制御する。表示制御部354による表示部32の制御の詳細については後述する。
【0040】
〔処理の流れ(第2の指標の算出)〕
評価装置3が第2の指標を算出するまでの処理の流れを、
図4に基づいて説明する。
図4に示すフローチャートは、本発明の一態様に係る評価方法の一例となる。
図4に示すように、ステップS101では、画像生成装置1が、対象画像IMGOまたは非対象画像IMGNを生成する。画像生成装置1は、通信部11を介して、生成した対象画像IMGOまたは非対象画像IMGNを画像取得部351に送信する。ステップS102(画像取得ステップ)では、画像取得部351が、通信部34を介して、画像生成装置1から送信された対象画像IMGOまたは非対象画像IMGNを取得する。画像取得部351が取得した対象画像IMGOまたは非対象画像IMGNが、取得画像IMGGとなる。画像取得部351は、取得画像IMGGを指標算出部353に送信する。
【0041】
ステップS103(情報取得ステップ)では、情報取得部352が、属性情報および精粗情報の少なくとも一方を取得する。情報取得部352が取得した属性情報および精粗情報の少なくとも一方が、取得情報となる。情報取得部352は、取得情報を指標算出部353に送信する。なお、ステップS102およびS103の各処理の順番は
図4の例に限定されない。例えば、ステップS103の処理が終了した後にステップS102の処理が実行されてもよいし、ステップS102の処理とステップS103の処理とが同時に実行されてもよい。
【0042】
ステップS104(指標算出ステップ)では、指標算出部353が、画像取得部351から取得した取得画像IMGGを評価モデル232に入力することで第1の指標を取得する。つまり、評価モデル232の出力データが第1の指標となる。第1の指標は、対象媒体MOの真正性の評価に関する初期の指標であり、第1の段階数を有する。ここで、評価モデル232は、対象媒体MOの真正性を評価するのが本来の機能であるが、入力データである入力画像が対象画像IMGOまたは非対象画像IMGNのいずれかに拘わらず、当該入力画像に映し出された媒体の真正性を評価する。
【0043】
このように、本実施形態では、指標算出部353による処理に、複数の基礎データセットを教師データ231として機械学習を行うことにより構築された評価モデル232に対して取得画像IMGGを入力することが含まれる。なお、第1の段階数は、例えば評価モデル232の更新に拘わらず不変であってもよいし、評価モデル232が過去の属性情報および過去の精粗情報の少なくとも一方を加味した機械学習によって更新される毎に変わってもよい。
【0044】
ステップS105(指標算出ステップ)では、指標算出部353が、第1の指標を第2の段階数に再分類して第2の指標を取得することにより、当該第2の指標を算出する。第2の段階数は、第1の段階数を再分類した後の段階数である。指標算出部353は、算出した第2の指標を表示部32に送信する。
【0045】
指標算出部353は、第1の指標の再分類(以下、「再分類」と略記)を、情報取得部352から取得した取得情報に応じて行う。具体的には、指標算出部353は、記憶部33から基準データテーブルを読み出し、取得情報と基準データテーブルとを照らし合わせることにより、第1の指標を再分類する。基準データテーブルは、複数種類の基準媒体MS毎の、基準媒体MSの各属性と、当該各属性のそれぞれに対応付けられた第2の段階数とで構成される。基準データテーブルは、例えば過去の属性情報および過去の精粗情報を参照して生成され、これらの情報の蓄積に応じて適宜更新されてもよい。
【0046】
以下、指標算出部353による再分類の具体例を幾つか説明する。まず、第1の指標が「A、B、C、D、E」の5段階で表されるとともに、取得情報を構成する属性情報に含まれる対象媒体MOの金額が500円である第1のケースについて説明する。なお、5段階のうち評価「A」が最も真正性が高く、評価「E」が最も真正性が低いものとする。また、取得情報は精粗情報を含んでいないものとする。このケースの場合、基準データテーブルにおいて「基準媒体MOの種類:商品券、使用可能な商品(属性):加盟店の一部商品、金額(属性):1000円未満、第2の段階数:3」と対応付けられていれば、指標算出部353は、第1の指標を「A、B、C」の3段階に再分類する。あるいは、「○、△、×」の3段階に再分類してもよい。
【0047】
次に、第1の指標が「1、2、3」の3段階で表されるとともに、取得情報を構成する属性情報に含まれる対象媒体MOの金額が10000円である第2のケースについて説明する。なお、3段階のうち評価「1」が最も真正性が高く、評価「3」が最も真正性が低いものとする。また、取得情報は属性情報と「細かく分類する」旨の精粗情報とで構成されているものとする。このケースの場合、基準データテーブルにおいて「基準媒体MOの種類:商品券、使用可能な商品(属性):加盟店の全商品、金額(属性):5000円以上、第2の段階数:5」と対応付けられていれば、指標算出部353は、第1の指標を「1、2、3、4、5」の5段階に再分類する。あるいは、前述した「A、B、C、D、E」の5段階に再分類してもよい。
【0048】
ここで、基準データテーブルに基づく再分類の方向性(より細かく分類するか、あるいはより粗く分類するか)が、取得情報を構成する精粗情報に基づく再分類の方向性と異なる場合、指標算出部353は精粗情報に基づく再分類を優先する。指標算出部353がこのような優先処理を実行することで、第2の指標を評価者のニーズにより合致したものにできる。
【0049】
但し、指標算出部353は、基準データテーブルに基づく再分類を優先してもよい。例えば、第2のケースにおいて、取得情報が属性情報と「粗く分類する」旨の精粗情報とで構成されていた場合、指標算出部353は、基準データテーブルの対応項目が「第2の段階数:5」であったとしても第1の指標を「○、×」の2段階に再分類する。また例えば、第2のケースにおいて、取得情報が属性情報と「3段階を維持する」旨の精粗情報とで構成されていた場合、指標算出部353は、基準データテーブルの対応項目が「第2の段階数:5」であったとしても「1、2、3」の3段階を維持する。このように、指標算出部353による再分類には、第1の指標を再分類した結果として第1の段階数と第2に段階数とが同一になる場合も含まれる。
【0050】
次に、第1の指標が「◎、○、△、×」の4段階で表されるとともに、取得情報が精粗情報のみで構成されている第3のケースについて説明する。第3のケースにおいて、取得情報が例えば「3段階に分類する」旨の精粗情報で構成されている場合、指標算出部353は、取得画像IMGGに映し出された対象媒体MOまたは非対象媒体MNの属性に拘わらず、第1の指標を「○、△、×」の3段階に再分類する。
一方、第3のケースにおいて、取得情報が例えば「粗く分類する」旨の精粗情報で構成されている場合、指標算出部353は、取得画像IMGGから特徴画像部分を抽出して解析することにより、第2の段階数を決定する。特徴画像部分は、取得画像IMGG中の、対象媒体MOまたは非対象媒体MNの特徴領域が映し出された画像部分である。対象媒体MOまたは非対象媒体MNの「特徴領域」は、前述した学習用媒体の特徴領域と同一の概念である。
【0051】
具体的には、指標算出部353は、取得画像IMGGから特徴画像部分を抽出して解析することにより、当該特徴画像部分に表示された情報を特定する。そして、指標算出部353は、第1の指標を特定した情報に応じて再分類する。例えば、特徴画像部分に表示された金額が10000万円であると特定した場合、指標算出部353は、金額が高額であると判定して「○、×」の2段階まで粗く再分類せず、「○、△、×」の3段階で再分類する。
【0052】
指標算出部353は、特徴画像部分に表示された金額が高額か、標準的か、低額か、等の判定を、例えば基準データテーブルを用いて行う。具体的には、指標算出部353は、特徴画像部分に表示された金額と、基準テーブルを構成する複数種類の基準媒体MSのそれぞれに表示された金額とを比較することによって前述の判定を行う。
【0053】
また、第3のケースにおいて取得画像IMGGが非対象画像IMGNの場合、当該非対象画像IMGNに映し出された非対象媒体MNの種類等によっては、指標算出部353が特徴画像部分を抽出できない事態が想定される。このような事態が生じたとき、指標算出部353は、第2の指標として、偽物であることを示す「×」のみで表される指標を算出する。
【0054】
指標算出部353は、算出した第2の指標を記憶部33に記録する。ステップS105の処理が終了することにより、評価装置3が第2の指標を算出するまでの一連の処理が終了する。
【0055】
〔表示部の表示態様〕
本実施形態では、
図4のステップS105の処理が終了した後、入力部31を構成する不図示のキーボードがログイン操作を受け付けると、表示制御部354は、記憶部33から第2の指標を読み出して当該第2の指標を表示部32に送信する。そして、表示制御部354は、第2の指標を表示部32に表示させる。但し、表示制御部354は、キーボードによるログイン操作の受け付けの有無に拘わらず、
図4のステップS105の処理が終了した後、第2の指標を表示部32に自動的に送信してもよい。
【0056】
表示部32による第2の指標の表示態様に特段の限定はなく、当該表示態様については種々のバリエーションが想定される。本実施形態では、
図5~
図8の例について説明する。前提として、
図4のステップS105の処理が終了してからキーボードがログイン操作を受け付けるまでの期間は、表示部32に不図示のホーム画面が表示されているものとする。また、
図5~
図8の例では、キーボードおよび不図示のマウスが入力部31を構成しているものとする。但し、マウスに替えて、トラックパッド等の他のポインティングデバイスが入力部31を構成していてもよい。
【0057】
まず、キーボードがログイン操作を受け付けることにより、表示制御部354は、表示部32に
図5に示すような「商品券利用状況」の画面を表示させる。以下、「商品券利用状況」の画面を「利用状況画面32a」と称する。利用状況画面32aは、評価者が検索したい対象媒体MOおよび非対象媒体MNを検索するための検索画面32bと、検索画面32bの操作による検索結果を表示する結果表示画面32cとで構成される。
【0058】
検索画面32bは、「利用状態」、「AI判定」、「申請日」および「登録番号」の各項目、ならびに、「検索」および「一括更新」の各ボタンで構成される。「利用状態」の項目では、評価者が、検索したい対象媒体MOまたは非対象媒体MNの履歴を選択する。具体的には、マウスが利用状況画面32a上に表示されたマウスポインタの移動操作を受け付けることにより、表示制御部354がマウスポインタと「利用状態」の項目とを重ね合わせる。
【0059】
次に、この重なり合った状態においてマウスがクリック操作を受け付けると、表示制御部354は、4つの履歴の中からいずれか1つを選択可能なメニュー(不図示)を「利用状態」の項目上に表示させる。
図5および
図8の例では、「利用状態」の項目に表示されるメニューで選択可能な4つの履歴は「申請中、承認、否認、入金済」である。次に、マウスがマウスポインタの移動操作を受け付けることにより、表示制御部354がマウスポインタとメニューに表示された4つの履歴のいずれか1つとを重ね合わせる。次に、この重なり合った状態においてマウスがクリック操作を受け付けると、表示制御部354は、マウスポインタと重なった履歴を選択して「利用状態」の項目に表示させる。また、表示制御部354は、「利用状態」の項目に表示された履歴を記憶部33に記録する。
【0060】
このような、キーボードおよびマウスによる操作の受け付けから表示制御部354による表示制御までの一連の処理は、すべて公知の処理である。したがって、以下の説明ではこの一連の処理の説明を省略し、基本的には、評価者の操作および当該評価者の操作によって表示部32に何が表示されるかについて説明する。
【0061】
「履歴」は、加盟店に利用申請があった時点から利用後の入金完了までの間における対象媒体MOまたは非対象媒体MNの履歴を指す。本明細書において「加盟店に利用申請があった時点」とは、画像取得部351が取得画像IMGGを取得した時点である。また、「加盟店に利用申請があった」に該当する場合として、画像取得部351が取得画像IMGGとして非対象画像IMGNを取得した場合も含まれる。
【0062】
「申請中」は、指標算出部353による第2の指標の算出処理が終了した時点(ステップS106の処理が終了した時点)から、評価者が評価対象となった対象媒体MOまたは非対象媒体MNの真贋の識別を終えるまでの期間を指す。「承認」は、評価者が、評価対象となった対象媒体MOが基準媒体MSである旨の識別をした時点から、事務局の指定口座に対して基準媒体MSに表示された金額が入金されるまでの間の期間を指す。「否認」は、評価者が、評価対象となった対象媒体MOが基準媒体MSと異なる旨の識別をした時点以降の期間を指す。「入金済」は、事務局の指定口座に対して基準媒体MSに表示された金額が入金された時点以降の期間を指す。
【0063】
「AI判定」の項目では、評価者が、検索したい第2の指標を選択する。
図5および
図8の例では、「AI判定」の項目上に第2の指標を「◎、○、△、×」の4段階で表したメニュー(不図示)が表示される。評価者は、「AI判定」の項目上に表示されたメニューの中から検索したい指標を選択する。「申請日」の項目では、評価者がキーボードから申請日を入力することにより、当該項目に申請日が表示される。表示制御部354は、「申請日」の項目に表示された申請日を記憶部33に記録する。申請日は、画像取得部351が取得画像IMGGを取得した日である。
【0064】
「登録番号」の項目では、評価者がキーボードから登録番号を入力することにより、当該項目に登録番号が表示される。表示制御部354は、「登録番号」の項目に表示された登録番号を記憶部33に記録する。登録番号は、所定の媒体が加盟店での利用を許可されてモデル構築装置2に登録された時点(つまり、所定の媒体が基準媒体IMGGになった時点)で、当該所定の媒体に付与される番号である。
【0065】
「利用状態」、「AI判定」、「申請日」および「登録番号」の各項目の少なくとも1つの項目への入力が完了したら、評価者は、マウス操作によって「検索」ボタンを押下する。この「検索」ボタンの押下により、結果表示画面32cに検索結果が表示される。
図5の例では、評価者は、「利用状態」の項目において「申請中」を選択するとともに「申請日」の項目において「2021年2月25日」から「2021年4月23日」までの期間を入力した上で、「検索」ボタンを押下している。
【0066】
結果表示画面32cには、検索画面32bの操作によって検索された、対象媒体MOおよび非対象媒体MNの申請番号、登録番号、対象番号、履歴、第2の指標等が表示される。「申請番号」は、取得画像IMGGに映し出された対象媒体MOおよび非対象媒体MNに付与される番号であり、画像取得部351の取得画像IMGGの取得日時が早い順に若い番号が付与される。申請番号は、結果表示画面32cの「申請No」の欄に表示される。
【0067】
「対象番号」は、取得画像IMGGに映し出された、基準媒体MSの登録番号に対応する番号である。本実施形態では、表示部32は、不図示の画像解析部が取得画像IMGGを画像解析して読み取った読取番号を、対象番号として表示する。画像解析部は、制御部35に備えられている。表示部32は、例えば情報取得部352から取得した属性情報に含まれる番号を、対象番号として表示してもよい。なお、非対象媒体MNには商品券以外の媒体も含まれることから、取得画像IMGGが非対象画像IMGNの場合、非対象媒体MNに番号自体が表示されていないケースがあり得る。このケースでは、結果表示画面32cに登録番号および対象番号が表示されない。
【0068】
結果表示画面32cの「利用状態」の欄に表示された履歴は更新可能である。具体的には、評価者がマウス操作で特定の「利用状態」のセルを選択すると、
図5に示すように、4つの履歴の中からいずれか1つを選択可能なメニューが当該「利用状態」のセル上に表示される。そして、評価者がメニューの中から該当する最新の履歴を選択することで、
図8に示すように、「利用状態」の欄に最新の履歴が表示される。評価者は、この一連のマウス操作を履歴の更新が必要なすべての対象媒体MOおよび非対象媒体MNについて行った後、「一括更新」ボタンを押下する。「一括更新」ボタンが押下されると、表示制御部354は、「利用状態」の欄に表示された最新の履歴を記憶部33に記録する。
【0069】
「AI判定」の欄には、取得画像IMGGに映し出された対象媒体MOおよび非対象媒体MNのそれぞれについて、第2の指標が「◎、○、△、×」の4段階で表示される。本実施形態では、評価者が、「利用状態」の欄に表示された最新の履歴と「AI判定」の欄に表示された第2の指標とを参照して、取得画像IMGGに映し出された対象媒体MOおよび非対象媒体MNの真贋を最終的に識別する。
【0070】
具体的には、評価者がマウス操作で特定の「申請No」のセルを選択すると、表示制御部354は、当該特定の「申請No」に表示された申請番号に対応する対象媒体MOまたは非対象媒体MNを映し出した取得画像IMGGを、記憶部33から読み出す。そして、表示制御部354は、利用状況画面32aの表示を停止し、替わりに読み出した取得画像IMGGを表示部32に表示させる。この取得画像IMGGの表示の際、表示制御部354は、申請番号、登録番号、対象番号、履歴、第2の指標も表示部32に表示させる。
【0071】
例えば、
図5の例において、評価者が結果表示画面32cの「No.642」のセルを選択すると、表示制御部354は、
図6に示すように申請番号「642」に対応する取得画像IMGGを表示部32に表示させる。
図6の例では、「利用状態(履歴)」が「承認」になっている一方で、「AI判定(第2の指標)」が「△」になっている。評価者は、この2つの表示内容を考慮しつつ、表示部32に表示された取得画像IMGGを目視して真贋を最終的に識別する。
【0072】
図6中の取得画像IMGGに映し出された媒体は、目視によっても商品券であることが明らかな対象媒体MOである。つまり、
図6中の取得画像IMGGは対象画像IMGOである。また、「商品券番号(登録番号)」と「読取番号(対象番号)」とが一致していることに加えて、「利用状態(履歴)」が「承認」になっている。これらのことから、評価者は、最終的に承認する可能性が高い。言い換えれば、評価者は、
図6中の取得画像IMGGに映し出された対象媒体MOが基準媒体MSであると最終的に判断する可能性が高い。
【0073】
評価者は、最終的に承認した場合、表示部32に利用状況画面32aを再び表示させるためのマウス操作を行う。このマウス操作が行われることにより、表示制御部354は、取得画像IMGGの表示を終了して表示部32に再び利用状況画面32aを表示させる。
図6の例では、評価者による最終的な承認の前後で履歴の更新がない。したがって、
図9の例のように、再表示後の利用状況画面32aでは、結果表示画面32cの「No.642」の「利用状態」が「承認」のまま維持されている。
【0074】
また例えば、
図5の例において、評価者が結果表示画面32cの「No.638」のセルを選択すると、表示制御部354は、
図7に示すように申請番号「638」に対応する取得画像IMGGを表示部32に表示させる。
図7の例では、「利用状態」が「申請中」になっており、「AI判定」が「×」になっている。また、「商品券番号」、「読取番号」ともに表示されていない。評価者は、これらの表示内容を考慮しつつ、表示部32に表示された取得画像IMGGを目視して真贋を最終的に識別する。
【0075】
図7中の取得画像IMGGに映し出された媒体は、目視によっても商品券でないことが明らかな非対象媒体MNである。つまり、
図7中の取得画像IMGGは非対象画像IMGNである。したがって、評価者は、最終的に否認する可能性が高い。言い換えれば、評価者は、
図6中の取得画像IMGGに映し出された非対象媒体MNが基準媒体MSではないと最終的に判断する可能性が高い。
【0076】
評価者は、最終的に否認した場合でも、最終的に承認した場合と同様、表示部32に利用状況画面32aを再び表示させる。
図7の例では、評価者による最終的な否認の前後で、履歴が「申請中」から「否認」に更新される。したがって、
図9の例のように、再表示後の利用状況画面32aでは、結果表示画面32cの「No.632」の「利用状態」が「否認」に更新されている。
【0077】
〔小括〕
評価システム100は、評価装置3の指標算出部353が、対象媒体MOの真正性の評価に関する指標(第2の指標)を取得情報に応じた段階数(第2の段階数)で算出する。取得情報は属性情報および精粗情報の少なくとも一方で構成されることから、評価装置3および評価システム100は、対象媒体MOの真正性の評価結果を、対象媒体の属性あるいは評価者のニーズに応じた段階数で出力できる。
【0078】
また、評価装置3および評価システム100は、指標算出部353が、教師データ231を用いた機械学習によって構築された評価モデルを用いて第2の指標を算出できる。さらに、評価システム100は、評価装置3が表示部32および表示制御部354を備えており、第2の指標を表示制御部354の制御に応じた表示態様で表示部32に表示できる。これにより、評価者が第2の指標を容易に把握でき、評価システム100の利便性が高まる。
【0079】
〔変形例〕
<第1の変形例>
本発明の一実施形態に係る評価システム100の第1の変形例について、
図1、
図5および
図9に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、前述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図1に示す、本発明の第1の変形例に係る評価システム200は、指標算出部353aが取得画像IMGGおよび取得情報の少なくとも一方に応じて算出処理を実行するか否かを決定する点において、評価システム100と相違する。
【0080】
以下、評価システム200の特徴的処理について説明する。
図9に示すステップS201~S203の各処理は、
図4に示すステップS101~S103の各処理と同様である。ステップS204では、指標算出部353aは、取得情報の中に処理終了情報が含まれているか否かを判定する。処理終了情報は、例えば取得画像IMGGに映し出された対象媒体MOまたは非対象媒体MNが基準媒体と異なる(つまり偽物である)ことを示す情報であり、「金額非表示」の属性情報等が該当する。また例えば、処理終了情報としては、情報取得部352が入力部31を介して取得した、「真贋の識別を目視のみで行う」旨の入力情報が挙げられる。
【0081】
処理終了情報が含まれていると判定した場合(ステップS204でYES)、指標算出部353aは、取得画像IMGGを評価モデル232に入力しないことを決定し、決定結果を表示制御部354に送信する。ステップS205では、表示制御部354は、取得画像IMGGに映し出された対象媒体MOまたは非対象媒体MNが偽物であることを示す「×」の指標を表示部32に表示させる。また、表示制御部354は、
図5に示す結果表示画面32cの「AI判定」の該当セルに、「不実施」の履歴(不図示)を表示させる。表示部32における他の表示態様については、
図5~
図8の例と同様である。
【0082】
一方、処理情報が含まれていないと判定した場合(ステップS204でNO)、ステップS206に移行する。ステップS206では、指標算出部353aは、モデル構築装置2の記憶部23内の専用データベースから基準画像IMGGを読み出し、取得画像IMGGに映し出された識別領域内の識別情報と、基準媒体MSにおける基準識別領域内の識別情報とを照合する。以下、取得画像IMGGに映し出された識別領域内の識別情報を「対象識別情報」と称し、基準媒体MSにおける基準識別領域内の識別情報を「基準識別情報」と称する。
【0083】
対象識別情報と基準識別情報とが一致しない、あるいは対象識別情報自体が存在しないと判定した場合(ステップS206でNO)、指標算出部353aは、取得画像IMGGを評価モデル232に入力しないことを決定し、決定結果を表示制御部354に送信する。この送信処理が終了した後、ステップS205に移行する。
【0084】
一方、対象識別情報と基準識別情報とが一致すると判定した場合(ステップS206でYES)、指標算出部353aは、取得画像IMGGを評価モデル232に入力しないことを決定し、ステップS207およびS208の各処理を実行する。ステップS207およびS208の各処理は、
図4に示すステップS104およびS105の各処理と同様である。
【0085】
ステップS208の処理の終了により、評価システム200の特徴的な処理がすべて終了する。なお、ステップS208の処理が終了した後、キーボードがログイン操作を受け付けることで表示制御部354が第2の指標を表示部32に表示させる点は、評価システム100と同様である。
【0086】
このように、評価システム200は、評価装置3の指標算出部353aが、取得画像IMGGおよび取得情報の各内容によっては第1および第2の指標を算出しない。これにより、評価システム200(具体的には指標算出部353a)が無駄な算出処理を実行することを回避できる。また、評価装置3および評価システム200は、取得画像IMGGに映し出された対象媒体MOまたは非対象媒体MNの属性および評価者のニーズにより即した、真正性の評価を行うことができる。
【0087】
なお、ステップS204~S206の一連の処理はあくまで一例であり、指標算出部353aは他の処理を実行してもよい。例えば、指標算出部353aは、取得画像IMGGのみに応じて算出処理を実行するか否かを決定してもよい。具体的には、指標算出部353aは、
図9の例においてステップS204の処理を実行せず、ステップS203の処理が終了したら直ちにステップS206の処理に移行してもよい。また例えば、指標算出部353aは、取得情報のみに応じて算出処理を実行するか否かを決定してもよい。具体的には、指標算出部353aは、
図9の例においてステップS206の処理を実行せず、ステップS204でNOと判定したら直ちにステップS207の処理に移行してもよい。
【0088】
<第2の変形例>
本発明の一実施形態に係る評価システム100の第2の変形例について、
図1に基づいて説明する。
図1に示す、本発明の第2の変形例に係る評価システム300は、情報取得部352aが対象媒体MOの真正性の評価を補助するための補助情報を取得する点において、評価システム100および200と相違する。なお、評価システム300は、補助情報を非対象媒体MNの真正性の評価を補助するためにも用いる。
【0089】
補助情報は、対象媒体MO(および非対象媒体MN)の真正性の評価を補助できる情報であればどのような情報であってもよい。例えば、加盟店の住所、店主等の各情報を包含する店舗情報と、対象画像IMGOまたは非対象画像IMGNが送信された時点での送信元の位置情報とを照合して得られた照合結果を、補助情報としてもよい。店舗情報に含まれる加盟店の住所と位置情報に含まれる送信元の住所との一致/不一致が照合結果として得られれば、当該照合結果は真正性を評価する際の参考情報となり得る。店舗情報は、モデル構築装置2の記憶部23に予め記憶されていてもよい。あるいは、評価者が評価装置3の入力部31を介して店舗情報を入力してもよい。補助情報としての前述の照合結果は、例えば、情報取得部352aが店舗情報および位置情報を取得してこれらの情報を照合することにより、情報取得部352aが取得する。
【0090】
また例えば、対象媒体MOまたは非対象媒体MNが基準媒体MSと異なっている可能性を高める事実を示す不審情報を、補助情報としてもよい。例えば、過去に真正性が正当評価された複数の対象媒体のすべてが特定の時間帯に利用申請されていた場合において、対象媒体MOまたは非対象媒体MNが特定の時間帯と大きく異なる時間帯に利用申請されていれば、これらが基準媒体MSと異なる可能性は高まる。したがって、対象媒体MOまたは非対象媒体MNが特定の時間帯と大きく異なる時間帯に利用申請された事実は、真正性を評価する際の参考情報となり得る。
【0091】
この場合、情報取得部352aは、例えばモデル構築装置2の記憶部23から過去すべての利用申請の時間帯(真正性が正当評価されたものに限定)を読み出し、当該読み出した時間帯と対象媒体MOまたは非対象媒体MNが利用申請された時間帯とを比較する。そして、この比較によって読み出した時間帯と対象媒体MOまたは非対象媒体MNが利用申請された時間帯とが大きく異なっていることが判明すれば、情報取得部352aは、この事実を不審情報として取得する。
【0092】
また例えば、過去に真正性が正当評価された複数の対象媒体のすべてが特定の加盟店で利用申請されていた場合において、対象画像IMGOまたは非対象画像IMGNが特定の加盟店から遠く離れた場所でデータ送信されていれば、これらが基準媒体MSと異なる可能性は高まる。したがって、対象画像IMGOまたは非対象画像IMGNがデータ送信された場所が特定の加盟店から遠く離れている事実は、真正性を評価する際の参考情報となり得る。この場合の情報取得部352aによる不審情報の取得方法は、不審情報が対象媒体MOまたは非対象媒体MNが特定の時間帯と大きく異なる時間帯に利用申請された事実の場合と同様である。
【0093】
また例えば、基準媒体MS以外の商品券の登録番号を示す登録番号情報を、補助情報としてもよい。取得画像IMGGに映し出された対象媒体MOの申請番号または非対象媒体MNの申請番号が登録番号情報に含まれる登録番号と一致すれば、当該対象媒体MOまたは当該非対象媒体MNは基準媒体MSではない。登録番号情報は、モデル構築装置2の記憶部23に予め記憶されていてもよい。あるいは、評価者が評価装置3の入力部31を介して登録番号情報を入力してもよい。さらには、基準媒体MSの基準特徴領域に表示されている各種特徴情報のいずれかを、補助情報としてもよい。
【0094】
以下、評価システム300の特徴的処理について説明する。情報取得部352aは、属性情報および精粗情報に加えて補助情報を取得し、これらの情報を指標算出部353bに送信する。指標算出部353bは、取得画像IMGGを評価モデル232に入力して第1の指標を取得した後、補助情報を参照して第1の指標に示された評価結果を変更する。
【0095】
例えば、第1の指標として指標「△」を取得し、かつ、店舗情報に含まれる加盟店の住所と位置情報に含まれる送信元の住所とが一致しない旨の補助情報を取得した場合、指標算出部353bは、第1の指標を「△」から「×」に変更する。また例えば、第1の指標として指標「○」を取得し、かつ、取得画像に映し出された対象媒体MOの申請番号と連番の商品券が多く利用されている旨の補助情報を取得した場合、指標算出部353bは、第1の指標を「○」から「◎」に変更する。
【0096】
このような評価システム300(具体的には評価装置3の指標算出部353b)の特徴的処理により、第1の指標で表される真正性の1次的な評価結果の精度を高めることができ、評価システム300の評価結果に対する信頼性が高まる。
【0097】
なお、指標算出部353bは、補助情報を参照して第1の指標を変更する処理を実行しなくてもよい。この場合、例えば、情報取得部352aが補助情報を表示制御部354に送信し、表示制御部354が補助情報を表示部32に表示させてもよい。これにより、評価者は、結果表示画面32cの表示内容と表示部32に表示された補助情報とを参照して真贋の最終的な識別を行うことができる。また、指標算出部354bは、取得画像IMGGおよび取得情報の少なくとも一方に応じて算出処理を実行するか否かを決定してもよい。また例えば、指標算出部353bは、補助情報を参照して第2の指標を変更する処理を実行してもよい。
【0098】
<その他の変形例>
本発明の一実施形態に係る評価システム100の他の変形例について説明する。まず、画像取得部351は、制御部35に備えられていなくてもよく、例えば画像生成装置1に備えられていてもよい。この場合、画像取得部351は、通信部11を介して対象画像IMGOを指標算出部353に送信する。また、情報取得部352は、制御部35に備えられていなくてもよく、例えばモデル構築装置2または評価システム100を構成する他の装置(不図示)に備えられていてもよい。この場合、情報取得部352は、通信部24を介して属性情報および精粗情報の少なくとも一方を指標算出部353に送信する。
【0099】
換言すれば、評価システム100を構成する一または複数の装置が画像取得部351、情報取得部352および指標算出部353を備えていればよく、これらの各部がどの装置に備わっているかについての限定はない。したがって、例えば、モデル構築装置2の教師データ取得部251およびモデル構築部252が、評価装置3の制御部35に備わっていてもよい。
【0100】
次に、評価システム100は、指標算出部353が第1指標の算出処理において評価モデル232を用いなくてもよい。この場合、指標算出部353は、例えば、モデル構築装置2の記憶部23内の専用データベースから基準画像を読み出して取得画像IMGGと照合する。そして、指標算出部353は、取得画像IMGGに映し出された対象媒体MOの表面または非対象媒体MNの表面と基準媒体MSの表面MS-1とでどの程度の領域が一致するかに応じて、第1の指標の内容(例えば「×」なのか「○」なのか)を決定する。
【0101】
またこの場合、指標算出部353は、第1の指標の決定後の処理として、前述のように第1の指標を取得情報に応じた第2の段階数に再分類して第2の指標を算出してもよい。あるいは、指標算出部353は、基準画像と取得画像IMGGとの照合結果に取得情報の内容を加味して第1の指標を算出してもよい。換言すれば、指標算出部353は、取得画像IMGGと取得情報とを参照して、対象媒体MOの真正性の評価に関する何らかの指標を取得情報に応じた段階数で算出するものであればよい。
【0102】
〔ソフトウェアによる実現例〕
評価装置3(以下、「装置」と称する)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部35に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0103】
この場合、前述の装置は、前述のプログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により前述のプログラムを実行することにより、前述の各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0104】
前述のプログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、前述の装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、前述のプログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して前述の装置に供給されてもよい。
【0105】
また、前述の各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、前述の各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより前述の各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0106】
〔付記事項〕
本発明は前述した実施形態および各変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、前述した実施形態および各変形例のそれぞれに開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
2 モデル構築装置
3 評価装置
100、200,300 評価システム
231 教師データ
232 評価モデル
251 教師データ取得部
252 モデル構築部
351 画像取得部
352、352a 情報取得部
353、353a、353b 指標算出部
IMGG 取得画像
IMGO 対象画像
MO 対象媒体