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特開2023-94492サーバ、サーバによって実行される方法、Webサイト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094492
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】サーバ、サーバによって実行される方法、Webサイト
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/141 20220101AFI20230628BHJP
   H04L 67/02 20220101ALI20230628BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
H04L67/141
H04L67/02
H04N1/00 Z
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210016
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】520295029
【氏名又は名称】Xクリエーション株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518003096
【氏名又は名称】Bacoor dApps株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】320003367
【氏名又は名称】株式会社AI商事
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】河上 昌浩
(72)【発明者】
【氏名】春名 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】竹内 仁
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA09
5C062AA13
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB06
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB41
5C062AB43
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC38
5C062AC64
5C062AE03
5C062AE08
5C062AE14
5C062AF01
5C062AF12
5C062AF14
5C062BB03
(57)【要約】
【課題】ブラウザによって表示されるWebサイトにおいて、スキャン装置を操作可能にする。
【解決手段】開示のサーバは、ブラウザによって表示されるWebサイトを提供するよう構成され、前記Webサイトは、前記ブラウザによって表示されるスキャン操作部を有し、前記スキャン操作部は、ユーザによる操作を受け付けるよう構成され、前記操作を受け付けると、スキャンアプリケーションによるデータ読取が実行されるように構成され、前記データ読取は、前記スキャンアプリケーションによって制御されるスキャン装置によって、スキャン装置外部からデータを取得する処理である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラウザによって表示されるWebサイトを提供するよう構成され、
前記Webサイトは、前記ブラウザによって表示されるスキャン操作部を有し、
前記スキャン操作部は、ユーザによる操作を受け付けるよう構成され、前記操作を受け付けると、スキャンアプリケーションによるデータ読取が実行されるように構成され、
前記データ読取は、前記スキャンアプリケーションによって制御されるスキャン装置によって、スキャン装置外部からデータを取得する処理である、
サーバ。
【請求項2】
前記スキャン装置は、無線通信を介して前記データを取得する無線通信装置である、
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記スキャン装置は、近距離無線通信を介して前記データを取得する近距離無線通信装置である、
請求項1又は請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記スキャン操作部は、第1処理プログラムが関連付けられ、
前記第1処理プログラムは、第1処理をコンピュータに実行させるよう構成され、
前記第1処理は、前記データ読取によって取得された前記データを用いる処理である
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記第1処理は、ブロックチェーンを操作する処理を含む
請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
前記スキャンアプリケーションは、前記ブロックチェーンのアカウントを用いて、前記Webサイトに接続しているアプリケーションである
請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
前記スキャンアプリケーションは、前記ブラウザとは異なるアプリケーションである
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項8】
前記スキャンアプリケーションは、前記Webサイトに接続しているアプリケーションである
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項9】
前記スキャンアプリケーションを、前記Webサイトに接続させるための連携処理を実行するよう構成されている
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項10】
前記連携処理は、前記ブラウザを備えるクライアント端末の種別に応じて連携の仕方を切り替えるよう構成されている
請求項9に記載のサーバ。
【請求項11】
ブラウザによって表示されるWebサイトを提供することを備え、
前記Webサイトは、前記ブラウザによって表示されるスキャン操作部を有し、
前記スキャン操作部は、ユーザによる操作を受け付けるよう構成され、前記操作を受け付けると、スキャンアプリケーションによるデータ読取が実行されるように構成され、
前記データ読取は、前記スキャンアプリケーションによって制御されるスキャン装置によって、スキャン装置外部からデータを取得する処理である、
サーバによって実行される方法。
【請求項12】
前記ブラウザは、第1クライアント端末に備わり、
前記スキャンアプリケーションは、前記第1クライアント端末とは異なる第2クライアント端末に備わっている
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記スキャンアプリケーションは、前記ブラウザが備わっているクライアント端末に備わっている
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ブラウザによって表示されるWebサイトであって、
前記ブラウザによって表示されるスキャン操作部を有し、
前記スキャン操作部は、ユーザによる操作を受け付けるよう構成され、前記操作を受け付けると、スキャンアプリケーションによるデータ読取が実行されるように構成され、
前記データ読取は、前記スキャンアプリケーションによって制御されるスキャン装置によって、スキャン装置外部からデータを取得する処理である、
Webサイト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ、サーバによって実行される方法、Webサイトに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンは、一般に、ブラウザを備えており、Webサイトの閲覧に好適である。また、スマートフォンは、近距離無線通信(Near Field Communication)装置などのスキャン装置を備えており、ICタグなどからのデータ読取にも利用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-165044号公報
【発明の概要】
【0004】
ブラウザによって表示されるWebサイトにおいて、ユーザが有するスキャン装置を操作可能であると、Webサイトの機能を充実させることができる。したがって、ブラウザによって表示されるWebサイトにおいて、スキャン装置を操作可能であることが望まれる。
【0005】
本開示のある側面は、サーバである。開示のサーバは、ブラウザによって表示されるWebサイトを提供するよう構成され、前記Webサイトは、前記ブラウザによって表示されるスキャン操作部を有し、前記スキャン操作部は、ユーザによる操作を受け付けるよう構成され、前記操作を受け付けると、スキャンアプリケーションによるデータ読取が実行されるように構成され、前記データ読取は、前記スキャンアプリケーションによって制御されるスキャン装置によって、スキャン装置外部からデータを取得する処理である。
【0006】
本開示の他の側面は、サーバによって実行される方法である。開示の方法は、ブラウザによって表示されるWebサイトを提供することを備え、前記Webサイトは、前記ブラウザによって表示されるスキャン操作部を有し、前記スキャン操作部は、ユーザによる操作を受け付けるよう構成され、前記操作を受け付けると、スキャンアプリケーションによるデータ読取が実行されるように構成され、前記データ読取は、前記スキャンアプリケーションによって制御されるスキャン装置によって、スキャン装置外部からデータを取得する処理である。
【0007】
本開示の他の側面は、Webサイトである。開示のWebサイトは、ブラウザによって表示されるWebサイトであって、前記ブラウザによって表示されるスキャン操作部を有し、前記スキャン操作部は、ユーザによる操作を受け付けるよう構成され、前記操作を受け付けると、スキャンアプリケーションによるデータ読取が実行されるように構成され、前記データ読取は、前記スキャンアプリケーションによって制御されるスキャン装置によって、スキャン装置外部からデータを取得する処理である。
【0008】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るシステムの構成図である。
図2図2は、連携処理等のフローチャートである。
図3図3は、データ読取のフローチャートである。
図4図4は、Webサイトにおいて提供される画面表示の遷移である。
図5図5は、データ読取処理の概要図である。
図6図6は、サーバにおける連携処理のフローチャートである。
図7図7は、連携処理のフローチャートである。
図8図8は、データ読取処理のフローチャートである。
図9図9は、サーバ、ブラウザ、及びスキャンアプリケーションの関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<1.サーバ、サーバによって実行される方法、Webサイトの概要>
【0011】
(1)実施形態に係るサーバは、ブラウザによって表示されるWebサイトを提供するよう構成され、前記Webサイトは、前記ブラウザによって表示されるスキャン操作部を有し、前記スキャン操作部は、ユーザによる操作を受け付けるよう構成され、前記操作を受け付けると、スキャンアプリケーションによるデータ読取が実行されるように構成され、前記データ読取は、前記スキャンアプリケーションによって制御されるスキャン装置によって、スキャン装置外部からデータを取得する処理である。この場合、ブラウザによって表示されるWebサイトにおいて、スキャン装置が操作可能となる。
【0012】
(2)前記スキャン装置は、無線通信を介して前記データを取得する無線通信装置であるのが好ましい。この場合、Webサイトにおいて、無線通信装置によるデータ取得の操作が可能となる。
【0013】
(3)前記スキャン装置は、近距離無線通信を介して前記データを取得する近距離無線通信装置であるのが好ましい。この場合、Webサイトにおいて、近距離無線通信装置によるデータ取得の操作が可能となる。
【0014】
(4)前記スキャン操作部は、第1処理プログラムが関連付けられているのが好ましい。前記第1処理プログラムは、第1処理をコンピュータに実行させるよう構成されているのが好ましい。前記第1処理は、前記データ読取によって取得された前記データを用いる処理であるのが好ましい。この場合、スキャン操作部が操作されると、データ読取によって取得されたデータを用いる第1処理が実行される。
【0015】
(5)前記第1処理は、ブロックチェーンを操作する処理を含むのが好ましい。この場合、データ読取によって取得されたデータを用いて、ブロックチェーンを操作することができる。
【0016】
(6)前記スキャンアプリケーションは、前記ブロックチェーンのアカウントを用いて、前記Webサイトに接続しているアプリケーションであるのが好ましい。この場合、Webサイトが、ブロックチェーンのアカウントを利用して、ブロックチェーンを操作することができる。ブロックチェーンのアカウントは、例えば、ユーザに付与されたブロックチェーンアドレスである。
【0017】
(7)前記スキャンアプリケーションは、前記ブラウザとは異なるアプリケーションであるのが好ましい。
【0018】
(8)前記スキャンアプリケーションは、前記Webサイトに接続しているアプリケーションであるのが好ましい。Webサイトに接続しているスキャンアプリケーションによってスキャン装置を制御することができる。
【0019】
(9)前記スキャンアプリケーションを、前記Webサイトに接続させるための連携処理を実行するよう構成されているのが好ましい。この場合、連携処理によって、スキャンアプリケーションをWebサイトに接続させることができる。
【0020】
(10)前記連携処理は、前記ブラウザを備えるクライアント端末の種別に応じて連携の仕方を切り替えるよう構成されているのが好ましい。この場合、クライアント端末の種別に応じた適切な連携が可能となる。
【0021】
(11)実施形態に係る方法は、ブラウザによって表示されるWebサイトを提供することを備え、前記Webサイトは、前記ブラウザによって表示されるスキャン操作部を有し、前記スキャン操作部は、ユーザによる操作を受け付けるよう構成され、前記操作を受け付けると、スキャンアプリケーションによるデータ読取が実行されるように構成され、前記データ読取は、前記スキャンアプリケーションによって制御されるスキャン装置によって、スキャン装置外部からデータを取得する処理であるのが好ましい。
【0022】
(12)前記ブラウザは、第1クライアント端末に備わり、前記スキャンアプリケーションは、前記第1クライアント端末とは異なる第2クライアント端末に備わっているのが好ましい。
【0023】
(13)前記スキャンアプリケーションは、前記ブラウザが備わっているクライアント端末に備わっているのが好ましい。
【0024】
(14)実施形態に係るWebサイトは、ブラウザによって表示されるWebサイトであって、前記ブラウザによって表示されるスキャン操作部を有し、前記スキャン操作部は、ユーザによる操作を受け付けるよう構成され、前記操作を受け付けると、スキャンアプリケーションによるデータ読取が実行されるように構成され、前記データ読取は、前記スキャンアプリケーションによって制御されるスキャン装置によって、スキャン装置外部からデータを取得する処理である。
【0025】
<2.サーバ、サーバによって実行される方法、Webサイトの例>
【0026】
図1は、実施形態に係るサーバ51を備えるシステムの一例を示している。図1に示すサーバ51は、クライアント端末31,32とともにWebサイト提供のためのクライアント・サーバシステムを構成する。サーバ51は、Webサーバであり、インターネット等のネットワーク15を介して、Webサイトをクライアント端末31,32に提供するよう構成されている。なお、サーバ51は、後述の第2サーバ52と区別するため、第1サーバ51と呼ばれてもよい。
【0027】
実施形態に係るサーバ51は、ブラウザによって表示されるスキャン操作部を有するWebサイトを、クライアント端末に提供する。実施形態においては、ブラウザによって表示されたスキャン操作部が操作されると、スキャン装置を介したデータ読取が実行される。スキャン操作部を有するWebサイトは、ブラウザというアプリケーションによって表示されるが、スキャン操作部を有するWebサイトを表示するブラウザは、近距離無線通信などのスキャン機能を有していない。実施形態においては、スキャン機能を有していないブラウザによって、スキャン操作部を有するWebサイトを表示させても、スキャン装置を介したデータ読取が実行され得る。
【0028】
サーバ51は、プロセッサ51A及び記憶装置51Bを備えるコンピュータによって構成され得る。記憶装置51Bは、プロセッサ51Aに接続されている。記憶装置51Bは、例えば、一次記憶装置及び二次記憶装置を備える。一次記憶装置は、例えば、RAMである。二次記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)である。
【0029】
記憶装置51Bは、Webサイトデータ51Cを有する。Webサイトデータ51Cは、クライアント端末31,32に提供されるWebサイトを構成するデータである。Webサイトデータ51Cは、例えば、Webサイトを構築するために用いられる言語で記述されたソースコードを有する。言語は、例えば、HTMLである。実施形態に係るWebサイトデータ51Cは、Webサイトが操作されると起動されるコンピュータプログラム51D,51E,51Fを備え得る。コンピュータプログラム51D,51E,51Fは、Webサイトにおいて提供されるアプリケーションプログラムである。コンピュータプログラム51D,51E,51Fは、Webサーバ51等のコンピュータによって実行される命令を有するプログラムコードを備える。このように、サーバ51によって提供されるWebサイトは、アプリケーションプログラムを提供するWebアプリケーションとしても機能し得る。ここでのWebアプリケーションは、例えば、プログレッシブWebアプリケーション(Progressive Web Application:PWA)である。
【0030】
実施形態に係るサーバ51は、前述のコンピュータプログラム51D,51E,51Fの一つとして連携処理プログラム51Dを備える。連携処理プログラム51Dは、後述の連携処理(例えば、図5のステップS250)をコンピュータに実行させるよう構成されている。連携処理は、後述のスキャンアプリケーション32Dとの連携を行う。また、実施形態に係るサーバ51は、前述のコンピュータプログラム51D,51E,51Fの一つとしてデータ読取処理プログラム51Eを備える。データ読取処理プログラム51Eは、後述のデータ読取処理(例えば、図6のステップS610)をコンピュータに実行させるよう構成されている。さらに、実施形態に係るサーバ51は、前述のコンピュータプログラム51D,51E,51Fの一つとして第1処理プログラム51Fを備える。第1処理プログラム51Fは、後述の第1処理(例えば、図4の画面表示450のための処理)をコンピュータに実行させるよう構成されている。
【0031】
クライアント端末31,32は、ユーザによって用いられ得る装置であり、サーバ51又はサーバ52とともにクライアント・サーバシステムを構成する。クライアント端末31,32は、ネットワーク15を介して、サーバ51又はサーバ52へ接続される。クライアント端末31,32は、例えば、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル端末又はパーソナルコンピュータである。図1では、クライアント端末31,32の一例として、第1端末31及び第2端末32が示されている。以下では、一例として、第1端末31は、パーソナルコンピュータであり、第2端末32は、スマートフォンであるものとして説明する。また、第1端末31及び第2端末32は、同一ユーザによって使用されるものとする。
【0032】
第1端末31は、例えば、ラップトップ型又はデスクトップ型のパーソナルコンピュータである。第1端末31は、プロセッサ31A及び記憶装置31Bを備え得る。記憶装置31Bは、プロセッサ31Aに接続されている。記憶装置31Bは、例えば、一次記憶装置及び二次記憶装置を備える。一次記憶装置は、例えば、RAMである。二次記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)である。
【0033】
第1端末31には、ブラウザ31Cがインストールされている。すなわち、記憶装置31Bはブラウザ31Cを備える。ブラウザ31Cは、Webサイトを閲覧するためのコンピュータプログラム(アプリケーションプログラム)である。ブラウザ31Cは、Webサーバへアクセスし、Webサイトを、第1端末31のディスプレイ31Eに表示させる処理をコンピュータに実行させるよう構成されている。第1端末31は、キーボード又はマウスなどの入力装置31Dを備える。パーソナルコンピュータは、キーボード又はマウスなどの入力装置によるデータ入力が可能であるため、スマートフォンに比べて、多くの文字入力等を伴う比較的複雑な操作に好適である。なお、第1端末31は、第2端末32が備えるNFC装置32Gを備えていないものとする。
【0034】
第2端末32は、プロセッサ32A及び記憶装置32Bを備え得る。記憶装置32Bは、プロセッサ32Aに接続されている。記憶装置32Bは、例えば、一次記憶装置及び二次記憶装置を備える。一次記憶装置は、例えば、RAMである。二次記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)である。
【0035】
第2端末32には、ブラウザ32Cがインストールされている。すなわち、記憶装置32Bはブラウザ32Cを備える。ブラウザ32Cは、Webサイトを閲覧するためのコンピュータプログラム(アプリケーションプログラム)である。ブラウザ32Cは、Webサーバへアクセスし、Webサイトを、第2端末32のディスプレイ32Eに表示させる処理をコンピュータに実行させるよう構成されている。ディスプレイ32Eは、例えば、タッチパネルによって構成され、ユーザの指又はスタイラスによるユーザ操作を受け付けるよう構成されている。
【0036】
第2端末32には、スキャンアプリケーション32Dがインストールされている。すなわち、記憶装置32Bはスキャンアプリケーション32Dを備える。スキャンアプリケーション32Dは、スキャン装置を制御するコンピュータプログラムである。スキャン装置外部(第2端末32外部)から、データを取得するデータ読取処理をコンピュータに実行させるよう構成されている。
【0037】
第2端末32は、スキャン装置の一例として近距離無線通信(Near Field Communication;NFC)装置32Gを備える。NFC装置は、スマートフォンには搭載されているが、パーソナルコンピュータには搭載されていないことが多い。パーソナルコンピュータにおいてNFCを利用するには、NFC装置を別途入手して、パーソナルコンピュータに接続する必要があり、煩雑である。しかし、コンピュータに慣れ親しんだユーザは、パーソナルコンピュータ及びスマートフォンの両方を持っていることが多い。そこで、実施形態においては、一例として、パーソナルコンピュータでWebサイトを閲覧又は操作しつつも、スマートフォンに備わっているNFC装置を利用して、NFCによるデータ読取を行う。
【0038】
第2端末32が備えるNFC装置32Gは、例えば、NFCリーダ、NFCライタ、又はNFCリーダライタである。NFCリーダ又はNFCリーダライタは、NFCタグ101などの他のNFC装置に記録されたデータを、近距離無線通信を介して、読み取ることができる。NFCライタ又はNFCリーダライタは、NFCタグ101などの他のNFC装置へ、近距離無線を介して、データを書き込むことができる。なお、第2端末32は、カメラ32Fも備えている。カメラ32Fもスキャン装置として機能し得る。
【0039】
スキャンアプリケーション32Dは、スキャン装置の制御専用である必要はない。スキャンアプリケーション32Dは、スキャン装置によって取得したデータを用いた処理を実行するよう構成されていてもよい。また、スキャンアプリケーション32Dは、他の用途のためのアプリケーションプログラムの一機能として備わっていてもよい。
【0040】
なお、アプリケーション32Dを介してユーザに提供される処理の一部が、第2サーバ52によって実行されてもよい。すなわち、第2サーバ52は、アプリケーション32Dのためのアプリケーションサーバであってもよい。
【0041】
他の用途のためのアプリケーションプログラムは、例えば、ブロックチェーンアプリケーションである。ブロックチェーンアプリケーションは、ブロックチェーン20の操作又はブロックチェーン20に記録されたデータの表示に用いられる。他の用途のためのアプリケーションプログラムは、ブラウザ32Cであってもよい。
【0042】
ブロックチェーン20は、複数のコンピュータが相互に接続されたP2P(ピアーツーピア;Peer to Peer)のコンピュータネットワークシステムによって構成されている。ブロックチェーン20の操作又はブロックチェーン20に記録されたデータの表示は、第1処理として実行され得る。
【0043】
ブロックチェーン20においては、ブロックチェーンアドレス間で取引が可能である。ブロックチェーン20における取引のトランザクションは、ブロックチェーン20の分散台帳に記録される。ブロックチェーン20おいては、例えば、トークンの取引が可能である。ブロックチェーン20において取引可能なトークンとしては、ファンジブルトークン(代替性トークン;Fungible Token:FT)と、ノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible Token:NFT)と、がある。ファンジブルトークンは、例えば、イーサリアム(Ethereum)におけるイーサ(Ether)などの暗号通貨である。ファンジブルトークンは、企業又は個人によってブロックチェーンにおいて発行される独自ファンジブルトークンであってもよい。ノンファンジブルトークン(NFT)は、ファンジブルトークン(FT)とは異なり、代替性を有さないトークンである。
【0044】
ブロックチェーン20の操作は、例えば、ブロックチェーン20におけるトークンの生成のための操作、送信のための操作及び受信のための操作のうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせである。例えば、第1処理プログラム51F及びブロックチェーンアプリケーションプログラム32Dは、スキャン装置によって読み取られたデータを用いたブロックチェーン20の操作をコンピュータに実行させるよう構成されていてもよい。なお、トークンの生成及び送信の一方又は両方は、ブロックチェーン20のスマートコントラクトによって実行されてもよい。スマートコントラクトは、ブロックチェーン20に実装されたソフトウェアである。スマートコントラクトは、例えば、サーバ51又はサーバ52によって呼び出されて実行される。
【0045】
スキャン装置によって読み取られたデータを用いたブロックチェーン20の操作の一例は、スキャン装置によって読み取られたデータを用いたノンファンジブルトークンの生成である。
【0046】
スキャン装置によって読み取られたデータを用いたノンファンジブルトークンの生成の一例は、スキャン装置によって読み取られたデータに対応付けられたノンファンジブルトークンの生成である。この場合、スキャン装置によって読み取られたデータを記録していた他のNFC装置(ICタグ等)に対応付けられたノンファンジブルトークンが生成される。
【0047】
スキャン装置によって読み取られたデータを用いたノンファンジブルトークンの生成の他の例は、スキャン装置によって読み取られたデータによって決定される種類のノンファンジブルトークンの生成である。この場合、スキャン装置によって読み取られたデータによって、生成されるノンファンジブルトークンの種類が決まる。
【0048】
スキャン装置によって読み取られたデータを用いたブロックチェーン20の操作の他の例は、当該データの読取をしたユーザのブロックチェーンアドレスへのトークンの送信である。送信されるトークンは、ノンファンジブルトークン又はファンジブルトークンである。送信されるトークンは、前述のようにして生成されたトークンであってもよいし、予め生成されたトークンであってもよい。送信されるトークンは、スキャン装置によって読み取られたデータに基づいて決定され得る。
【0049】
図2は、前述の連携処理プログラム51Dによって実現される連携処理S250の手順の一例及びそれに関連した手順を示している。ここでは、ユーザは、パーソナルコンピュータである第1端末31のブラウザ31Cを利用して、サーバ51が提供するWebサイトにアクセスするものとする。
【0050】
サーバ51によって提供されるWebサイトは、一例として、比較的多くの文字入力が求められるものとする。多くの文字入力が求められるWebサイトは、一例として、NFCタグ101(のタグID)に対応付けられたノンファンジブルトークンを生成するためのサイトであり得る。ノンファンジブルトークンを生成するためのサイトは、ノンファンジブルトークン化されるデータ(文字データ又は画像データ等)の入力をユーザから受け付け、ブロックチェーン20においてノンファンジブルトークンを生成する処理を実行する。また、Webサイトは、他の例として、ユーザが、NFCタグ101からデータを読み取ると、そのユーザのブロックチェーンアドレスへ、ブロックチェーン20におけるトークンを送信するサービスを提供するサイトであり得る。
【0051】
多くの文字入力が求められる場合、ユーザは、入力操作性に優れたパーソナルコンピュータである第1端末31を利用したWebサイトへのアクセスを望むことが多い。しかし、ユーザの有する第1端末31は、スキャン装置であるNFC装置32Gを備えていない。したがって、Webサイトにおいて、NFCによるデータ読取が求められても、第1端末31では、データ読取ができない。
【0052】
そこで、実施形態においては、一例として、Webサイトの閲覧・操作に用いられる第1端末31とは別に、データ読取のため、NFC装置32Gのようなスキャン装置を備える第2端末32が利用される。連携処理S250では、Webサイトと第2端末32のスキャンアプリケーション32Dとの接続を確立するための処理が行われる。連携処理S250によって、スキャンアプリケーション32Dが、インターネット等のネットワーク15を介して、Webサイトを提供するサーバ51に接続することができる。また、スキャンアプリケーション32Dは、サーバ51を介して、Webサイトを表示している第1端末31のブラウザ31Cとの接続を確立してもよい。
【0053】
Webサイトに対して、スキャンアプリケーション32Dが接続されているため、そのWebサイトにおいてデータ読取のためのユーザ操作(スキャン操作)がなされると、スキャンアプリケーション32Dによるデータ読取が可能となる。しかも、スキャンアプリケーション32DがWebサイトを提供するサーバ51に接続されていることで、読み取ったデータを、サーバ51に送信することができる。サーバ51は、送信されたデータを用いて、第1処理等を実行することができる。第1処理が、トークンの送信などのブロックチェーン20の操作を含む場合、NFCなどによるデータ読取が行われることで、ブロックチェーン20が操作されるという新規な方法が実現される。
【0054】
連携処理S250を行うには、まず、ユーザは、第1端末31のブラウザ31Cを用いて、サーバ51が提供するWebサイトへ訪問する(ステップS211)。実施形態に係るサーバ51は、Webサイトにおいて、ユーザが有するアプリケーション32Dを、当該Webサイトにおいて利用可能にするため、一例として、ユーザによるログインを要求する。
【0055】
サーバ51は、連携処理S250のため、ログイン画面表示を第1端末31に提供する(ステップS251)。すると、第1端末31のブラウザ31Cは、ログイン画面表示をディスプレイ31Eに出力する(ステップS212)。ログイン画面表示は、Webサイトのユーザアカウントへユーザがログインするためのものである。ログイン画面表示は、例えば、図4に示すログイン画面表示410のように、グラフィカルユーザインターフェースであるログインボタン411を備える。ユーザは、ログイン画面表示において、ログイン操作を行う(ステップS212)。ログイン操作は、例えば、ユーザが、ログインボタン411をマウス操作によってクリックすることである。
【0056】
サーバ51は、ログイン操作を受け付けると(ステップS252)、2次元コードの画面表示を第1端末31に提供する(ステップS253)。すると、第1端末31のブラウザ31Cは、2次元コードの画面表示をディスプレイ31Eに出力する(ステップS213)。2次元コード画面表示は、例えば、図4に示す2次元コード画面表示420のように、2次元コード421を備える。2次元コード421は、第2端末32などの他のクライアント端末が、Webサイトにログインするためのアクセス情報を有する。
【0057】
ユーザは、第2端末32を操作することで、第2端末32のスキャンアプリケーション32Dを起動する(ステップS221)。そして、ユーザは、スキャンアプリケーション32Dによって、第1端末31のディスプレイ31Eに表示されている2次元コードを読み取る(ステップS222)。2次元コードの読み取りは、スキャンアプリケーション32Dによって制御されるカメラ32Fを介して行われる。
【0058】
2次元コードの読み取りが完了すると、スキャンアプリケーション32Dは、2次元コードが示すデータを用いて、インターネット接続を行う。2次元コードが示すデータは、ログイン操作されたWebサイトへのアクセス情報を示すため、スキャンアプリケーション32Dは、ログイン操作されたWebサイトへログインすることになる(ステップS223)。サーバ51は、Webサイトのユーザアカウントへのログインのため、第2端末32からのログイン操作を受け付ける(ステップS254)。
【0059】
サーバ51がログインを受け付けると、サーバ51が提供するWebサイトと第2端末32との接続が確立する。すなわち、Webサイトとスキャンアプリケーション32Dとの接続が確立する(ステップS255)。
【0060】
ここで、スキャンアプリケーション32Dは、2次元コードの読み取りの前において、ユーザが既にログインした状態にある。スキャンアプリケーション32Dにログインするためのログイン情報は、例えば、スキャンアプリケーション32Dのために設定されたユーザのIDとパスワードである。実施形態において、スキャンアプリケーション32Dのログイン情報は、Webサイトのログインにも用いられる。すなわち、スキャンアプリケーション32Dは、スキャンアプリケーション32Dにおけるユーザのログイン情報であるID及びパスワードを用いて、Webサイトへログインする。
【0061】
スキャンアプリケーション32DによるWebサイトへのログインは、スキャンアプリケーション32Dのユーザアカウントを管理する第2サーバ52又は第2端末32が有するログイン情報を、Webサイトを提供する第1サーバ51へ送信することを含む。第1サーバ51は、第2サーバ52又は第2端末32から送信されたログイン情報でのログインを受け付ける。これにより、ユーザは、スキャンアプリケーション32Dにおけるユーザアカウントを有していれば、Webサイトにログインすることができる。つまり、ユーザは、スキャンアプリケーション32Dのユーザアカウントのログイン情報を、Webサイトにおけるユーザアカウントのためのログイン情報として利用できる。
【0062】
スキャンアプリケーション32Dがブロックチェーンアプリケーションである場合、スキャンアプリケーション32Dにおけるユーザのログイン情報は、一例として、ブロックチェーン20のブロックチェーンアドレス及びプライベートキーである。ブロックチェーンアドレスは、ブロックチェーン20におけるユーザアカウントである。プライベートキーは、ブロックチェーンアドレスに対応しており、ブロックチェーン20における取引の電子署名等に用いられる。
【0063】
スキャンアプリケーション32Dにおけるユーザのログイン情報がブロックチェーンアドレス及びプライベートキーのようなブロックチェーンアカウント情報である場合、当該ブロックチェーンアカウント情報を用いて、Webサイトへログインすることができる。この場合、ブロックチェーンアカウント情報によってログインしたWebサイトでは、ブロックチェーン20におけるトークンの操作・閲覧などブロックチェーン20を利用したサービスを提供できる。
【0064】
以上のようにして、第1端末31によって閲覧されているWebサイトと、第1端末31とは別の第2端末32が備えるスキャンアプリケーション32Dと、が接続され、連携が確立する。換言すると、連携処理によって、Webサイトにおいて提供されるアプリケーション(Webアプリケーション)と、そのWebサイトとは別のスキャンアプリケーション32Dと、が接続され、連携が確立する。連携確立がなされると、Webサイト(Webアプリケーション)のユーザアカウントにおいて、スキャン操作がなされたときに、スキャンを行うアプリケーションとしてスキャンアプリケーション32Dが設定される。
【0065】
なお、Webサイトとスキャンアプリケーション32Dとの連携確立は、上記の方法に限られるものではなく、Webサイトとスキャンアプリケーション32Dとの連携を確立できるのであれば、その方法は特に限定されない。例えば、ユーザが、Webサイトにおいて、スキャンアプリケーション32Dのログイン情報を利用することを選択する操作を行い、そのログイン情報がユーザによって手入力されてもよい。
【0066】
また、スキャンアプリケーション32Dとの連携処理S250の一部又は全部が、第1端末31(のブラウザ31C)によって実行されてもよい。この場合、スキャンアプリケーション32Dは、Webサイトを表示するブラウザ31Cと連携することを介して、Webサイトに接続されてもよい。
【0067】
図3は、前述のデータ読取処理プログラム51Eによって実現されるデータ読取処理の手順の一例及びそれに関連した手順を示している。ここでは、Webサイトとスキャンアプリケーション32Dとの接続確立済であるものとする。
【0068】
サーバ51は、Webサイトにおいて、スキャン操作部としてのNFCスキャンボタンを提供する(ステップS351)。すると、第1端末31のブラウザ31Cは、NFCスキャンボタンをディスプレイ31Eに出力する(ステップS311)。NFCスキャンボタンなどのスキャン操作部は、Webサイトに表示されるグラフィカルユーザインターフェースであり得る。スキャン操作部は、NFC等によるデータ読取のためのユーザ操作を受け付ける。NFCスキャンボタンは、例えば、図4に示す操作ボタン画面表示430が備えるNFCスキャンボタン431である。ユーザが第1端末31に表示されたNFCスキャンボタン431を操作すると(ステップS312)、スキャン要求信号が第1端末31からサーバ51へ送信される。第1端末31から送信されたスキャン要求信号を第1スキャン要求信号という。
【0069】
サーバ51は、ネットワーク15を介して、第1スキャン要求信号を受信する(ステップS352)。第1スキャン要求信号を受信したサーバ51は、Webサイトに接続しているスキャンアプリケーション32Dへ、スキャン要求信号を送信する(ステップS353)。サーバ51から送信されたスキャン要求信号を第2スキャン要求信号という。
【0070】
第2端末32のスキャンアプリケーション32Dは、ネットワーク15を介して、第2スキャン要求信号を受信する(ステップS321)。第2スキャン要求信号を受信したスキャンアプリケーション32Dは、NFC装置32Gを起動し、NFCによるデータ読取のスタンバイ状態になる。ユーザが、第2端末32を、NFCタグ101などの他のNFC装置に近づけると、NFCタグ101に記録されたデータが、第2端末32へ送信される。第2端末32のスキャンアプリケーション32Dは、送信されたデータを読み取る(ステップS322)。読み取られるデータは、例えば、NFCタグに記録された固有識別子であるタグIDである。
【0071】
以上のように、Webサイトにおいて表示されるNFCスキャンボタンなどのスキャン操作部は、操作されると、Webサイトに接続しているスキャンアプリケーション32Dによるデータ読取が実行されるように構成されている。
【0072】
図5は、Webサイトとスキャンアプリケーション32Dとの間のデータの流れを簡潔に示している。Webサイトにおいて、前述の操作ボタン画面表示430のNFCスキャンボタンが操作されると、スキャン要求信号(ステップS312,S353)が、スキャンアプリケーション32Dへ送信される。スキャン要求信号を受信したスキャンアプリケーション32Dはスキャンのスタンバイ状態になる。スキャンアプリケーション32Dは、NFCタグ101からデータ(第1データ)を読み取る(ステップS322)。読み取ったデータは、Webサイトへ送信され得る(ステップS323)。
【0073】
なお、図4及び図5の操作ボタン画面表示430は、二次元コードスキャンボタン432も備えている。ユーザは、NFCスキャンボタン431及び二次元コードスキャンボタン432のいずれか一方を選択して操作することができる。二次元コードスキャンボタン432が操作されると、スキャンアプリケーション32Dは、カメラ32Fを起動し、カメラ32Fを介して、2次元コードを読み取る。なお、カメラ32Fを介したデータ読取は、バーコードその他の機械読み取り可能な形式のコードの読み取りであってもよい。
【0074】
スキャンアプリケーション32Dは、読み取ったデータ(第1データ)を、サーバ51へ送信し得る(ステップS323)。サーバ51は、送信された第1データを受信し得る。サーバ51は、第1データを用いて、操作ボタン431,432に関連付けられた第1処理を実行し得る(ステップS354)。サーバ51は、一例として、第1データを受信すると、Webサイトの読取結果画面表示を第1端末31のブラウザ31Cに提供する。読取結果画面表示は、ディスプレイ31Eに出力される。読取結果画面表示は、例えば、図4の読取結果画面表示440のように、読み取ったタグIDの表示部443を備える。読取結果画面表示440は、第1処理を実行開始させるための処理実行ボタン441を備える。処理実行ボタン441がユーザによって選択操作されると、第1データを用いた第1処理が実行される。
【0075】
第1処理は、例えば、ユーザからのデータ入力を受け付け、受け付けたデータを、読み取った第1データ(例えば、タグID)に関連付けて保存する処理を含み得る。例えば、サーバ51は、Webサイトにおいて、図4に示すデータ入力画面表示450を第1端末31のブラウザ31Cに提供する。データ入力画面表示450は、例えば、文字又は画像等の第1入力データのための第1入力部451、文字又は画像等の第2入力データのための第2入力部452、文字又は画像等の第3入力データのための第3入力部453を備える。これら入力部451,452,453における入力操作(ステップS313)は、第1端末31が備える入力装置31Dを用いて効率的に行われる。
【0076】
データ入力が完了すると、例えば、入力データと第1データとを関連付けて保存する処理等が行われ、第1処理が終了する。第1処理がノンファンジブルトークン生成処理を含む場合、入力データと第1データは、例えば、ノンファンジブルトークンの生成に用いられ得る。サーバ51は、Webサイトにおいて、第1処理完了画面表示460をブラウザ31Cに提供する。
【0077】
図6は、サーバ51が、前述のデータ読取処理プログラム51Eを実行することで達成されるデータ読取処理(ステップS610)の流れを示している。サーバ51は、Webサイトに表示された操作ボタン431,432(図4及び図5参照)に対する操作が行われたかどうかを判定する(ステップS611)。操作ボタン431に対する操作が行われると、連携しているスキャンアプリケーション32Dへ、スキャン要求信号を送信する(ステップS612)。サーバ51は、連携しているスキャンアプリケーション32Dから、そのスキャンアプリケーション32Dが読み取ったデータ(第1データ)を受信する(ステップS613)。
【0078】
サーバ51は、操作ボタン431,432に関連付けられた第1処理(ステップS620)を起動する(ステップS614)。第1処理のためのコンピュータプログラムである第1処理プログラム51Fは、サーバ51において、操作ボタン431,432に関連付けて格納されている。第1処理は、操作ボタン431,432が操作され、かつ、Webサイトが第1データを取得すると実行開始され得る。第1処理は、第1データを用いた処理である(ステップS621)。
【0079】
なお、第1処理(ステップS620)は、サーバ51によって実行されてもよいし、第1処理の一部又は全部が、スキャンアプリケーション32D又はその他のアプリケーションによって実行されてもよい。つまり、サーバ51は、第1処理を他のスキャンアプリケーション32D又はその他のアプリケーションに委ねる処理をおこなってもよい。
【0080】
スキャンアプリケーション32Dによる第1処理は、第2端末32において実行されてもよいし、第2サーバ52において実行されてもよい。第1サーバ51は、第2端末32又は第2サーバ52における第1処理の実行に必要なデータ又は指令を、第2端末32又は第2サーバ52へ送信してもよい。また、第1サーバ51以外で行われた第1処理の結果が、第1サーバ51に提供されてもよい。
【0081】
図7は、Webサイトにおける連携処理の他の例を示している。図7に示す連携処理S700は、端末31,32の種別を識別し、端末31,32の種別に応じて、連携の仕方を切り替える。Webサイトは、一般に、様々な種別の端末31,32によって閲覧され得る。すなわち、Webサイトは、パーソナルコンピュータによって閲覧されることもあるし、スマートフォンによって閲覧されることもある。換言すると、Webサイトは、NFC装置を有しない第1端末31によって閲覧されることもあるし、NFC装置32Gを有する第2端末32によって閲覧されることもある。
【0082】
Webサイトへのアクセスが第1端末31によってなされた場合、前述のように、第1端末31とは別の第2端末32との連携が必要となる。一方、Webサイトへのアクセスが第2端末32によってなされた場合、Webサイトとの連携は、第2端末32が備えるスキャンアプリケーション32Dにおいて行われれば足りる。そこで、図7に示す連携処理S700では、Webサイトへのアクセスに用いられた端末31,32の種別(NFC装置を有するかどうか)を判定し(ステップS701)、端末31,32の種別によって、連携の仕方を切り替える。
【0083】
ここでは、一例として、パーソナルコンピュータはNFC装置を備えず、スマートフォンはNFC装置を備えるという前提を採用し、端末が、パーソナルコンピュータであるかスマートフォンであるかという端末種別の判別によって、連携の仕方を切り替える。端末種別の判別は、例えば、端末から送信されたデータに基づいて行われる。端末種別の判別は、一般的なWebサイトにおいて、PC用サイトとスマートフォンサイトとの自動切替に用いられる公知の技術を採用できる。なお、連携の仕方の切り替えのための判定は、端末31,32におけるNFC装置の有無を示すデータを参照して行われてもよい。
【0084】
ステップS701の判定の結果が、第1種別である場合、サーバ51は、第1サイトを端末31に提供する(ステップS711)。また、ステップS701の判定の結果が、第2種別である場合、サーバ51は、第2サイトを端末32に提供する(ステップS712)。第1種別は、パーソナルコンピュータであり、第1サイトは、パーソナルコンピュータ用Webサイトである。第2種別は、スマートフォンであり、第2サイトは、スマートフォン用Webサイトである。
【0085】
図7において、第1サイトを利用した連携処理は、ステップS712からステップS716に示すとおりである。図7のステップS712からステップS716は、図2に示す連携処理S250(ステップS251からステップS256)と同様である。
【0086】
図7において、第2サイトを利用した連携処理は、ステップS722からステップS726に示すとおりである。なお、第2サイトを利用した連携処理において、特に説明しない点については、第1サイトを利用した連携処理と同様である。
【0087】
第1サイトでは、他の端末のスキャンアプリケーション32Dとの連携のための2次元コードが提供(ステップS714)されるが、第2サイトでは、2次元コードの提供が省略される。その代わり、第2サイトでは、連携するスキャンアプリケーション32Dの選択が行われる(ステップS724)。
【0088】
すなわち、第2サイトを第2端末32に提供したサーバ51は、連携のため、ログイン画面表示を第2端末32に提供する(ステップS722)。すると、第2端末32のブラウザ32Cは、ログイン画面表示をディスプレイ32Eに出力する(ステップS722)。
【0089】
サーバ51は、第2端末32からのログイン操作を受け付けると(ステップS723)、連携するアプリケーションのユーザ選択を受け付けるための画面表示を第2端末32に提供する。すると、第2端末32のブラウザ32Cは、その画面表示をディスプレイ31Eに出力する。その画面表示では、スキャンアプリケーション32Dなど、連携に利用可能な1又は複数のアプリケーションの一覧が出力される。ユーザは、その画面表示において、例えば、スキャンアプリケーション32Dを連携するアプリケーションとして選択する操作を第2端末32において行う。サーバ51は、その選択操作を受け付ける(ステップS724)。選択操作が行われると、第2端末32のブラウザ32Cは、第2端末32が備えるスキャンアプリケーション32Dを起動させる。また、ブラウザ32Cは、スキャンアプリケーション32DがWebサイトにログインするためのアクセス情報を、スキャンアプリケーション32Dに提供する。この提供は、第2端末32内で行われ得る。
【0090】
アクセス情報を取得したスキャンアプリケーション32Dは、そのアクセス情報を用いて、ログイン操作されたWebサイトへログインする。サーバ51は、そのログインを受け付ける(ステップS725)。サーバ51がログインを受け付けると、サーバ51が提供するWebサイトとスキャンアプリケーション32Dとの接続が確立する(ステップS726)。
【0091】
以上のように、図7の連携処理S700によれば、端末31,32の種別に応じた連携が可能である。つまり、図7の連携処理S700によれば、Webサイトの閲覧に用いられているクライアント端末にスキャン装置が備わっているかどうかにかかわらず、スキャン装置によるデータ読取が可能になる。
【0092】
図8は、Webサイトを閲覧するブラウザ32Cを備える端末32に備わったスキャンアプリケーション32Dによって、データ読取をするための手順の例を示している。図8の手順は、例えば、図7の第2サイトによる連携を前提とする。図8に示す手順において、特に説明しない点については、図3に示す手順と同様である。
【0093】
サーバ51は、Webサイトにおいて、スキャン操作部としてのNFCスキャンボタンを第2端末32へ提供する(ステップS851)。すると、第2端末32のブラウザ32Cは、NFCスキャンボタンをディスプレイ32Eに出力する(ステップS811)。ユーザが第2端末32に表示されたNFCスキャンボタンを操作すると(ステップS812)、第1スキャン要求信号が第1端末31からサーバ51へ送信される。
【0094】
サーバ51は、ネットワーク15を介して、第1スキャン要求信号を受信する(ステップS852)。第1スキャン要求信号を受信したサーバ51は、Webサイトに接続しているスキャンアプリケーション32Dへ、第2スキャン要求信号を送信する(ステップS853)。第2スキャン要求信号は、ブラウザ32Cを介してスキャンアプリケーション32Dへ送信されてもよいし、ブラウザ32Cを介さずにスキャンアプリケーション32Dへ送信されてもよい。
【0095】
第2端末32のスキャンアプリケーション32Dは、第2スキャン要求信号を受信する(ステップS821)。第2スキャン要求信号を受信したスキャンアプリケーション32Dは、NFC装置32Gを起動し、NFCによるデータ読取のスタンバイ状態になる。ユーザが、第2端末32を、NFCタグ101などの他のNFC装置に近づけると、NFCタグ101に記録されたデータが、第2端末32へ送信される。第2端末32のスキャンアプリケーション32Dは、送信されたデータを読み取る(ステップS822)。読み取られた第1データは、サーバ51へ送信され得る(ステップS823)。サーバ51は、第1データを受信し、第1データを用いた処理を実行し得る(ステップS854)。
【0096】
図9は、実施形態に係るWebサイト91と、ブラウザ31C,32Cと、スキャンアプリケーション32Dと、の関係の一例を示している。図9に示すように、Webサイト91は、Webサーバ51によって、ブラウザ31C,32Cへ提供される(ステップS901)。Webサイト91は、NFCスキャンボタンなどのスキャン操作部92を備える。Webサーバ51において、スキャン操作部92には、第1処理93のためのコンピュータプログラムが関連付けられている。第1処理93は、スキャン操作部92が操作され、第1データD1が読み取られると実行される。
【0097】
ブラウザ31C,32Cは、ユーザによって、Webサイト91の閲覧に用いられる。ユーザは、Webサイト91に表示されたスキャン操作部92を指Fでタップするなどして操作することができる。スキャン操作部92が操作されると、スキャン要求信号がスキャンアプリケーション32Dへ送信される。スキャン要求信号は、Webサーバ51を介して、スキャンアプリケーション32Dへ送信されてもよいし(ステップS902A)、Webサーバ51を介さずに、ブラウザからスキャンアプリケーション32Dへ送信されてもよい(ステップS902B)。
【0098】
スキャン要求を受けたスキャンアプリケーション32Dは、NFC装置32Gなどのスキャン装置を介して、NFCタグ101などから、第1データD1を読み取る(ステップS903)。
【0099】
第1データD1が読み取られると、第1処理93が実行される。第1データD1は、例えば、スキャンアプリケーション32Dから、ブラウザ31C,32Cを介さずに、Webサーバ51へ送信されてもよいし(ステップS904A)、スキャンアプリケーション32Dから、ブラウザ31C,32Cを介して、Webサーバ51へ送信されてもよい(ステップS904B)。なお、第1データは、Webサーバ51に限られず、第1処理93が実行されるコンピュータに送信されればよい。
【0100】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0101】
15 :ネットワーク
20 :ブロックチェーン
31 :クライアント端末(第1端末)
31A :プロセッサ
31B :記憶装置
31C :ブラウザ
31D :入力装置
31E :ディスプレイ
32 :クライアント端末(第2端末)
32A :プロセッサ
32B :記憶装置
32C :ブラウザ
32D :スキャンアプリケーション
32E :ディスプレイ
32F :カメラ
32G :NFC装置
51 :サーバ
51A :プロセッサ
51B :記憶装置
51C :Webサイトデータ
51D :連携処理プログラム
51E :データ読取処理プログラム
51F :第1処理プログラム
52 :サーバ
91 :Webサイト
92 :スキャン操作部
93 :第1処理
101 :NFCタグ
410 :ログイン画面表示
411 :ログインボタン
420 :2次元コード画面表示
421 :2次元コード
430 :操作ボタン画面表示
431 :NFCスキャンボタン(スキャン操作部)
432 :二次元コードスキャンボタン
440 :読取結果画面表示
441 :処理実行ボタン
443 :表示部
450 :データ入力画面表示
451 :第1入力部
452 :第2入力部
453 :第2入力部
460 :第1処理完了画面表示
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9