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特開2023-94507ロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置及びそれを備えた半導体工程装置
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  • 特開-ロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置及びそれを備えた半導体工程装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094507
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】ロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置及びそれを備えた半導体工程装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20230628BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071137
(22)【出願日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0185725
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522165072
【氏名又は名称】ジャステム カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Justem Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】13, Omokcheon-ro 132beon-gil, Gwonseon-gu, Suwon-si, Gyeonggi-do, 16642, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウ インクン
(72)【発明者】
【氏名】パク ジンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンウ
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA00
5F131CA12
5F131HA01
5F131HA28
5F131HA35
5F131JA15
(57)【要約】
【課題】ウエハ容器の出入口に遮断ガス膜を形成し、外気の流入を遮断してウエハ容器の湿度を低減することができる効果を提供する。
【解決手段】ロードポートモジュールにおいて、ウエハ容器の前面に設けられ、ウエハ容器の湿度を低減するように、ウエハが出入りする出入口に遮断膜を形成するロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置であって、ウエハ容器の前面上部に設けられる本体部と、前記本体部の一方に設けられ、ガスを注入する注入部と、前記本体部の内部にガスを供給するように送風する送風部と、前記送風部の内部に離隔して設けられ、前記送風部の送風区域を複数個に区画する隔壁部と、前記本体部の下部に設けられ、前記本体部の内部に供給されたガスを下方直進性で均等に分散させ、ガス膜を形成するように排出する噴射部とを含むことを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードポートモジュールにおいて、ウエハ容器の前面に設けられ、ウエハ容器の湿度を低減するように、ウエハが出入りする出入口に遮断膜を形成するロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置であって、
ウエハ容器の前面上部に設けられる本体部と、
前記本体部の一方に設けられ、ガスを注入する注入部と、
前記本体部の内部にガスを供給するように送風する送風部と、
前記送風部の内部に離隔して設けられ、前記送風部の送風区域を複数個に区画する隔壁部と、
前記本体部の下部に設けられ、前記本体部の内部に供給されたガスを下方直進性で均等に分散させ、ガス膜を形成するように排出する噴射部と
を含むことを特徴とするロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置。
【請求項2】
前記本体部は、
上下方向の筒状に形成された第1本体と、
前記第1本体の下部に拡張形成され、上下方向の筒状に形成された第2本体と、
前記第1本体の内部に離隔して設けられ、前記第1本体の内部空間を複数個に区画する離隔片と
を含むことを特徴とする請求項1に記載のロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置。
【請求項3】
前記送風部は、前記本体部の内部に、前記隔壁部により複数個に区画された送風区域にそれぞれ設けられた送風手段からなっていることを特徴とする請求項1に記載のロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置。
【請求項4】
前記送風手段は、
前記本体部の一方の側面部位に区画された各送風区域に設けられた第1送風ファンと、
前記本体部の中央部位に区画された各送風区域に設けられた第2送風ファンと、
前記本体部の他方の側面部位に区画された各送風区域に設けられた第3送風ファンと
を含むことを特徴とする請求項3に記載のロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置。
【請求項5】
前記送風手段は、それぞれ個別に風速が制御される送風ファンからなっていることを特徴とする請求項3に記載のロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置。
【請求項6】
前記噴射部は、前記出入口の上部にガスを直進性で均等に分配して投入するように、複数個の貫通孔の端面がハニカム状又は円状に形成された分配管からなっていることを特徴とする請求項1に記載のロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置。
【請求項7】
前記送風部と前記噴射部との間に設けられ、前記送風部により供給されるガスをフィルタリングするフィルタ部とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置。
【請求項8】
請求項1に記載のロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置を備えることを特徴とする半導体工程装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置及びそれを備えた半導体工程装置に関し、より詳しくは、ロードポートモジュールにおいて、ウエハ容器の前面に設けられ、ウエハ容器の湿度を低減するようにウエハが出入りする出入口にガス膜を形成するロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置及びそれを備えた半導体工程装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程において、ウエハ及びそれに形成される半導体素子は高精密度の物品であり、保管及び運搬時に外部の汚染物質又は衝撃から損傷しないように注意しなければならない。特に、ウエハの保管及び運搬の過程で、その表面が埃、水分、各種有機物などの不純物により汚染しないように管理が必要である。
【0003】
従来、半導体の製造歩留まり及び品質の向上のために、クリーンルーム内でのウエハの処理が行われてきた。しかし、素子の高集積化、微細化、ウエハの大型化が進むにつれて、比較的大きな空間であるクリーンルームを管理することがコスト的にも技術的にも困難になってきた。
【0004】
そこで、近頃は、クリーンルーム内全体の清浄度を向上させる代わりに、ウエハの周囲の局所的な空間に対して集中的に清浄度を向上させるミニエンバイロメント(mini-environment)の清浄方式が適用されている。
【0005】
一方、半導体製造工程は、エッチング、蒸着、エッチングなどの各種単位工程が順次繰り返される。各工程処理過程で、ウエハ上に異物又は汚染物質が残留して、不良が発生するか、半導体工程の歩留まりが低くなる問題があった。
【0006】
従って、半導体工程において、ウエハは、複数のプロセスチャンバ又は半導体処理空間に移送されており、このとき、ウエハを一方の処理空間から別の処理空間に移送する間に、ウエハに異物又は汚染物質が付着することを最小限に抑えるための様々な手段が備えられている。
【0007】
EFEM(Equipment Front End Module)を含む半導体工程装置は、図1に示すように、ロードポートモジュール110(LPM:Load Port Module)、ウエハ容器120(FOUF:Front Opening Unified Pod)、ファンフィルタユニット130(FFU:Fan Filter Unit)及びウエハ搬送室140から形成されている。
【0008】
ウエハを高清浄な環境で保管するために、前開き一体形ポッド(FOUP)と呼ばれるウエハ容器120が使用されており、ウエハ容器120より半導体処理空間へウエハが移動する経路にウエハ搬送室140が形成され、ウエハ搬送室140は、ファンフィルタユニット130によって清浄な空間に保持される。
【0009】
ウエハ搬送室140内に設けられたアームロボットなどのウエハ搬送手段により、ウエハ容器120内のウエハがロードポートモジュール110を介してウエハ搬送室140内に搬出されるか、又はウエハ搬送室140からウエハ容器120内に収納できるように構成される。
【0010】
ロードポートモジュール110のドア111とウエハ容器120の前方の面に設けられたドアが密着した状態で同時に開放され、開放領域を通じてウエハが搬出又は収納される。
【0011】
一般に、半導体処理工程を経たウエハ表面には、工程後に発生するフューム(Fume)が残留し、これにより化学反応が発生し、半導体ウエハの生産性を低下させる原因となる。
【0012】
さらに、ウエハの搬出又は収納のためにウエハ容器120のドアが開放された場合、ウエハ容器120の内部のパージガスの濃度は、一定レベルに保持されるように制御され、ウエハ容器内に流入された外気は、フィルタリングされるように動作する。
【0013】
しかし、ウエハ容器120内部に流入された外気によってウエハ容器120の内部に一部フィルタリングされていない空気が存在するようになり、ウエハ搬送室140の大気環境は微粒子が制御された清浄空気であるが、酸素、水分などが含まれており、このような空気がウエハ容器120の内部に流入して内部湿度が上昇すると、ウエハの表面が外気に含まれた水分又は酸素によって酸化される可能性がある。
【0014】
従って、ウエハ搬送室140からウエハ容器120に外気が流入することを効果的に遮断できる手段として、従来は、ロードポートモジュール110とウエハ容器120の蓋の開閉により二重のドア開閉手段を備えることで、外気を遮断することはできたが、上下方向に摺動移動するドア部材を備えることによって、ロッドポートの構成がかなり複雑になる問題があった。
【0015】
それだけでなく、ドア部材を上下に移動させて外気を遮断することにより、ウエハの搬出及び収納に要する時間が著しく増加し、これによりウエハ容器の内部湿度が変化して、半導体の製造歩留まりの減少につながることになる問題があった。
【0016】
特に、ウエハ容器120でウエハが出入りする出入口から外気がウエハ容器120の内部に流入して出入口で内部湿度が上昇すると、ウエハの表面が外気に含まれた水分又は酸素により損傷して、歩留まりが低下される問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2003-0011536号
【特許文献2】韓国公開実用第20-2017-0003211号
【特許文献3】韓国特許第10-1924185号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、前述のような従来の問題点を解消するために案出されたものであり、ロードポートモジュールにおいて、ウエハ容器の前面に本体部と送風部と隔壁部と噴射部を設け、ウエハ容器の出入口にガス膜を形成することにより、ウエハ容器の出入口に遮断ガス膜を形成して外気の流入を遮断し、ウエハ容器の湿度を低減することができるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置及びそれを備えた半導体工程装置を提供することをその目的とする。
【0019】
また、本発明は、本体部として第1本体と第2本体と離隔片を備えることにより、注入部によって注入されるガスを本体部の上部で一側区域と中間区域と他側区域に分配してガスの分配性及び注入性を向上させるとともに、多重のガス膜を形成してウエハ搬送室の空気流による干渉を低減し、外気遮断ガス膜を形成することができるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置及びそれを備えた半導体工程装置を提供することを別の目的とする。
【0020】
さらに、本発明は、送風部として複数個の送風ファンを備え、制御部により各送風ファンの送風量を個別に制御することにより、出入口の上部で領域毎に微細に送風量を制御してガス膜の維持性能を向上させるとともに、ガス膜を領域毎に均等に保持することができるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置及びそれを備えた半導体工程装置を提供することをさらに別の目的とする。
【0021】
また、本発明は、噴射部として複数個の貫通孔の端面が円状又はハニカム状に形成された分配管を備えることにより、出入口の上部にガスを直進性で均等に分配して投入してガス膜を均等に保持することができるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置及びそれを備えた半導体工程装置を提供することをさらに別の目的とする。
【0022】
さらに、本発明は、送風部と噴射部との間にフィルタ部をさらに備えることにより、送風部によって供給されるガスをフィルタリングし、エアに含まれた異物又は微粒子物質などの不純物をフィルタリングにより除去し、送風部と噴射部とにより、分散供給されるガスの汚染を防止し、ウエハ容器の歩留まりを向上させることができるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置及びそれを備えた半導体工程装置を提供することをさらに別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前述したような目的を達成するための本発明は、ロードポートモジュールにおいて、ウエハ容器の前面に設けられ、ウエハ容器の湿度を低減するように、ウエハが出入りする出入口に遮断膜を形成するロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置であって、ウエハ容器の前面上部に設けられる本体部と、前記本体部の一方に設けられ、ガスを注入する注入部と、前記本体部の内部にガスを供給するように送風する送風部と、前記送風部の内部に離隔して設けられ、前記送風部の送風区域を複数個に区画する隔壁部と、前記本体部の下部に設けられ、前記本体部の内部に供給されたガスを下方直進性で均等に分散させ、ガス膜を形成するように排出する噴射部とを含むことを特徴とする。
【0024】
本発明の前記本体部は、上下方向の筒状に形成された第1本体と、前記第1本体の下部に拡張形成され、上下方向の筒状に形成された第2本体と、前記第1本体の内部に離隔して設けられ、前記第1本体の内部空間を複数個に区画する離隔片とを含むことを特徴とする。
【0025】
本発明の前記送風部は、前記本体部の内部に、前記隔壁部により複数個に区画された送風区域にそれぞれ設けられた送風手段からなっていることを特徴とする。
【0026】
本発明の前記送風手段は、前記本体部の一方の側面部位に区画された各送風区域に設けられた第1送風ファンと、前記本体部の中央部位に区画された各送風区域に設けられた第2送風ファンと、前記本体部の他方の側面部位に区画された各送風区域に設けられた第3送風ファンとを含むことを特徴とする。
【0027】
本発明の前記送風手段は、それぞれ個別に風速が制御される送風ファンからなっていることを特徴とする。
【0028】
本発明の前記噴射部は、前記出入口の上部にガスを直進性で均等に分配して投入するように、複数個の貫通孔の端面がハニカム状又は円状に形成された分配管からなっていることを特徴とする請求項1に記載のロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置。
【0029】
又は、本発明は、前記送風部と前記噴射部との間に設けられ、前記送風部により供給されるガスをフィルタリングするフィルタ部とをさらに含むことを特徴とする。
【0030】
さらに、本発明は、前記に記載のロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置を備えることを特徴とする半導体工程装置。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明は、ロードポートモジュールにおいて、ウエハ容器の前面に本体部と送風部と隔壁部と噴射部を設け、ウエハ容器の出入口にガス膜を形成することにより、ウエハ容器の出入口に遮断ガス膜を形成し、外気の流入を遮断してウエハ容器の湿度を低減できる効果を提供する。
【0032】
また、本体部として第1本体と第2本体と離隔片を備えることにより、注入部によって注入されるガスを本体部の上部で一側区域と中間区域と他側区域に分配してガスの分配性及び注入性を向上させるとともに、多重のガス膜を形成してウエハ搬送室の空気流による干渉を低減し、外気遮断ガス膜を形成することができる効果を提供する。
【0033】
さらに、送風部として複数個の送風ファンを備え、制御部により各送風ファンの送風量を個別に制御することにより、出入口の上部で領域毎に微細に送風量を制御してガス膜の維持性能を向上させるとともに、ガス膜を領域毎に均等に保持することができる効果を提供する。
【0034】
また、噴射部として複数個の貫通孔の端面が円状又はハニカム状に形成された分配管を備えることにより、出入口の上部にガスを直進性で均等に分配して投入してガス膜を均等に保持することができる効果を提供する。
【0035】
さらに、送風部と噴射部との間にフィルタ部をさらに備えることにより、送風部によって供給されるガスをフィルタリングし、エアに含まれた異物又は微粒子物質などの不純物をフィルタリングにより除去し、送風部と噴射部とにより、分散供給されるガスの汚染を防止してウエハ容器の歩留まりを向上させることができる効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置とそれを備えた半導体工程装置を示す構成図である。
図2】本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置の設置状態を示す状態図である。
図3】本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置を示す構成図である。
図4】本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置を示す正断面図である。
図5】本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置の第1本体を示す構成図である。
図6】本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置を示す側断面図である。
図7】本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置の送風部を示す側断面図である。
図8】本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置の噴射部の一例を示す構成図である。
図9】本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置の噴射部の他の例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい一実施例をさらに詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置とそれを備えた半導体工程装置を示す構成図、図2は本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置の設置状態を示す状態図、図3は本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置を示す構成図、図4は本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置を示す正断面図、図5は本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置の第1本体を示す構成図、図6は本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置を示す側断面図、図7は本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置の送風部を示す側断面図、図8は本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置の噴射部の一例を示す構成図、図9は本発明の一実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置の噴射部の他の例を示す構成図である。
【0038】
本発明の半導体工程装置は、本実施例のロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置を備えた半導体工程装置であり、図1に示されるように、ロードポートモジュール110(LPM;Load Port Module)、ウエハ容器120(FOUP;(Front Opening Unified Pod)、ファンフィルタユニット130(FFU;Fan Filter Unit)及びウエハ搬送室140を含み、ロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置が装着されたEFEM(Equipment Front End Module)からなることができる。
【0039】
ロードポートモジュール110(LPM)は、半導体製造用のウエハを収納するウエハ容器120(FOUP)のドア111を開閉する際にウエハが搬送できるようにする装置である。
【0040】
このようなロードポートモジュール110(LPM)は、ステージユニットにウエハ容器120(FOUP)が装着されると、ウエハ容器120の内部に窒素ガスを注入し、ウエハ容器120の内部の汚染物質をウエハ容器120の外部に排出して、ウエハ容器120に載置され搬送されるウエハが汚染物質による毀損を防止する構成である。
【0041】
本実施例のロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置は、ウエハ容器120とウエハ搬送室140との間でウエハ容器120の前面に設けられ、ウエハ容器120の内部湿度を設定値に維持するように、ウエハが出入りする出入口に外気遮断ガス膜又はエア・カーテンを形成する。
【0042】
ウエハ容器120は、内部に複数のウエハが載置される載置空間が形成され、ドアが開放され、エハが搬出されるように又は収納されるようにする。このようなウエハ容器120は、前開き一体形ポッド(FOUP;Front-Opening Unified Pod)からなることができる。
【0043】
ウエハ搬送室140は、複数のウエハが載置されるウエハ容器120と、半導体工程によりウエハが処理される処理空間(未図示)との間に形成される空間であり、ウエハ搬送室140は、ウエハをある処理空間から別の処理空間へ搬送ロボットなどの搬送手段により搬送する間、ウエハに異物又は汚染物質が付着することを最小限に抑えるためにクリーンな空間に保持することになる。
【0044】
ファンフィルタユニット130は、ウエハ搬送室140の上部に設けられ、ピュムなどの分子性汚染物質、埃のような微粒子が除去されてウエハ搬送室140内の空気を清浄に保持する。通常、ウエハ搬送室140内の空気流は、ファンフィルタユニット130が設けられた上部から下部に形成される。
【0045】
図2図4に示されるように、本実施例によるロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置は、本体部10、注入部20、送風部30、隔壁部40、フィルタ部50、噴射部60及び排出部70を含み、ロードポートモジュール(LPM)において、ウエハ容器(FOUP)の前面に設けられ、ウエハ容器の内部空間の湿度を低減するように、ウエハが出入りする出入口にガス・カーテンやエア・カーテンなどのガス遮断膜を形成するロードポートモジュールのウエハ容器の湿度低減装置である。
【0046】
本体部10は、ロードポートモジュール110(LPM)において、ウエハ容器120の前面上部に設けられており、ウエハが出入りする出入口に設けられる本体部材であり、図5に示されるように、第1本体11、第2本体12及び離隔片13からなっている。
【0047】
第1本体11は、内部に上下方向に貫通するように四角形の箱状に形成された筒状の本体部材であり、出入口の上部に設けられ、出入口の上部一端と他端との間に長手方向に沿って一字状に配置されるように、長方形の筒部材からなり、ファンフィルタユニット130によるパージガス又は純粋空気流により上部から流入され、下部に流出することも可能であることは勿論である。
【0048】
第2本体12は、第1本体11の下部に拡張形成され、上下方向に貫通するように四角形の箱状に形成された筒状の本体部材であり、出入口の上部に設けられ、出入口の上部一端と他端との間に長手方向に沿って一字状に配置されるように、長方形の筒部材からなり、ファンフィルタユニット130によるパージガス又は純粋空気流により、上部の第1本体11から流入され、下部に流出することも可能であることは勿論である。
【0049】
離隔片13は、第1本体11の内部に離隔して設けられ、第1本体11の内部空間を複数個に区画するように離隔して設けられた区画手段であり、第1本体11の内部空間を一側区域11aと中間区域11bと他側区域11cの3つの区域に区画するように、第1離隔片13aと第2離隔片13bの2つの隔壁からなっている。
【0050】
第1離隔片13aは、第1本体11の内部空間を一側区域と中間区域に区画するように、第1本体11の一側区域と中間区域とに立設され、第2離隔片13bは、第1本体11の内部空間を他側区域と中間区域に区画するように、第1本体11の他側区域と中間区域との間に立設されている。
【0051】
注入部20は、本体部10の一方に設けられ、本体部10の内部にパージガス又は純粋空気などのガスを注入する注入手段であり、図5に示されるように、第1本体11の内部空間が区画された一側区域と中間区域と他側区域の3つの区域にそれぞれ設けられた第1注入口21、第2注入口22及び第3注入口23からなっている。
【0052】
第1注入口21は、第1本体11の一側区域の外側一方に設けられ、一側区域の内部にガスを注入し、第2注入口22は、第1本体11の中間区域の外側一方に設けられ、中間区域の内部にガスを注入し、第3注入口23は、第1本体11の他側区域の外側一方に設けられ、他側区域の内部にガスを注入する。
【0053】
送風部30は、本体部10の内部に、パージガス又は純粋空気などのガスを供給するように送風する供給手段であり、本体部10の内部に設けられるか、外部に連通配管を介在して連結設置された送風手段からなっている。
【0054】
このような送風手段は、図6及び図7に示されるように、本体部10の一方の側面部位に区画された各送風区域に設けられた1つ以上の第1送風ファンと、本体部10の中央部位に区画された各送風区域に設けられた1つ以上の第2送風ファンと、本体部10の他方の側面部位に区画された各送風区域に設けられた1つ以上の第3送風ファンとを含み、それぞれの駆動モータと制御片に接続され、送風量及びエア速度をそれぞれ個別に又は設置部位別に制御できるようになる。
【0055】
第1送風ファンは、第1本体11の一方の側面部位に隔壁部40により区画された各送風区域に設けられた送風手段であり、第11送風ファン31と第12送風ファン32とからなっている。
【0056】
このような第11送風ファン31と第12送風ファン32は、第1本体11の第1離隔片13aにより区画された一側区域の下部の一端と他端の両端にそれぞれ設けられ、第1本体11の一側区域の内部空間で送風量及びエア速度をそれぞれ個別に又は設置部位別に制御できるようになる。
【0057】
第2送風ファンは、第1本体11の中央部位に隔壁部40により区画された各送風区域に設けられた送風手段であり、第21送風ファン33と第22送風ファン34とからなっている。
【0058】
このような第21送風ファン33と第22送風ファン34は、第1本体11の第1離隔片13aと第2離隔片13bにより区画された中間区域の下部の一端と他端の両端にそれぞれ設けられ、第1本体11の中間区域の内部空間で送風量及びエア速度をそれぞれ個別に又は設置部位別に制御できるようになる。
【0059】
第3送風ファンは、第1本体11の他方の側面部位に隔壁部40により区画された各送風区域に設けられた送風手段であり、第31送風ファン35と第32送風ファン36とからなっている。
【0060】
このような第31送風ファン35と第32送風ファン36は、第1本体11の第2離隔片13bにより区画された他側区域の下部の一端と他端の両端にそれぞれ設けられ、第1本体11の他側区域の内部空間で送風量及びエア速度をそれぞれ個別に又は設置部位別に制御できるようになる。
【0061】
隔壁部40は、本体部10の第1本体11の内部に等間隔に離隔して設けられた壁体部材であり、図6及び図7に示されるように、第1本体11の内部空間を複数個に区画することになり、区画された各内部空間には送風ファンが設けられ、送風ファンの送風空間を個別に制御できるようになる。
【0062】
このような隔壁部40は、第1本体11の一側区域の下部で複数個に区画する第1隔壁41及び第2隔壁42と、第1本体11の中間区域の下部で複数個に区画する第3隔壁43及び第4隔壁44と、第1本体11の他側区域の下部で複数個に区画する第5隔壁45とからなることも可能であることは勿論である。
【0063】
フィルタ部50は、送風部30と噴射部60との間に設けられ、送風部30により供給されるガスをフィルタリングするフィルタリング手段であり、ガスに含まれた異物又は微粒子物質などの不純物をフィルタリングして除去するために、ULPAフィルタ又はHEPAフィルタなどのフィルタ部材からなっている。
【0064】
また、本体部10の第2本体12の一方には、第2本体12の内部空間に設けられたフィルタ部50のフィルタ部材を交換する際に、第2本体12の一部を開閉するように開閉片が設けられていることが可能であることは勿論である。
【0065】
噴射部60は、本体部10の下部に設けられており、フィルタ部50の下部に設けられ、本体部10の内部に供給されたガスを下方に直進性で均等に分散させ、ガス遮断膜を形成するように排出する分散手段からなっている。
【0066】
このような噴射部60としては、図8及び図9に示されるように、ウエハ容器の出入口の上部に、ガスを直進性で均等に分配して投入するように端面がハニカム状又は円状に形成された複数個の分配孔を備えた分配管からなっていることが好ましい。
【0067】
このような分配管は、打ち抜き(打孔)の端面が円状に形成された第1分配管61からなっているか、打ち抜き(打孔)の端面がハニカム状に形成された第2分配管62からなっていることが可能であることは勿論である。
【0068】
排出部70は、本体部10の下部に設けられ、噴射部60により噴射されるガスを排出させる排出手段であり、本体部10の下部に設けられ、開放するように設けられている。
【0069】
以上説明したように、本発明によれば、ロードポートモジュールにおいて、ウエハ容器の前面に本体部と送風部と隔壁部と噴射部を設け、ウエハ容器の出入口にガス膜を形成することにより、ウエハ容器の出入口に遮断ガス膜を形成し、外気の流入を遮断して、ウエハ容器の湿度を低減できる効果を提供する。
【0070】
また、本体部として第1本体と第2本体と離隔片を備えることにより、注入部によって注入されるガスを本体部の上部で一側区域と中間区域と他側区域に分配して、ガスの分配性及び注入性を向上させるとともに、多重のガス膜を形成してウエハ搬送室の空気流による干渉を低減し、外気遮断ガス膜を形成できる効果を提供する。
【0071】
さらに、送風部として複数個の送風ファンを備え、制御部により各送風ファンの送風量を個別に制御することにより、出入口の上部で領域毎に微細に送風量を制御してガス膜の維持性能を向上させるとともに、ガス膜を領域毎に均等に保持することができる効果を提供する。
【0072】
また、噴射部として複数個の貫通孔の端面が円状又はハニカム状に形成された分配管を備えることにより、出入口の上部にガスを直進性で均等に分配して投入してガス膜を均等に保持することができる効果を提供する。
【0073】
さらに、送風部と噴射部との間にフィルタ部をさらに備えることにより、送風部によって供給されるガスをフィルタリングし、エアに含まれた異物や微粒子物質などの不純物をフィルタリングにより除去し、送風部と噴射部とにより、分散供給されるガスの汚染を防止してウエハ容器の歩留まりを向上させることができる効果を提供する。
【0074】
以上で説明した本発明は、その技術的思想又は主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形態で実施することができる。従って、前記実施例はすべての点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0075】
10 本体部
20 注入部
30 送風部
40 隔壁部
50 フィルタ部
60 噴射部
70 排出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9