(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094512
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】アーク放電による粒子活性炭の再生方法および装置
(51)【国際特許分類】
B01J 20/34 20060101AFI20230628BHJP
B01J 20/20 20060101ALI20230628BHJP
B01J 20/28 20060101ALI20230628BHJP
C01B 32/366 20170101ALI20230628BHJP
【FI】
B01J20/34 D
B01J20/20 A
B01J20/28 Z
C01B32/366
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086826
(22)【出願日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】202111589576.2
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522211391
【氏名又は名称】ヂェァジィァン チージォン エンバイロメンタル プロテクション テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Qizheng Environmental Protection Technology Co.Ltd
【住所又は居所原語表記】Room 613, 6/F, No.1128, Weiliu Road, Linjiang street, Qiantang District, Hangzhou City, Zhejiang Province,311228 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ニエ シン
【テーマコード(参考)】
4G066
4G146
【Fターム(参考)】
4G066AA05B
4G066BA09
4G066BA20
4G066BA22
4G066GA02
4G066GA19
4G146AA06
4G146AB01
4G146AC02B
4G146AC20B
4G146AC22B
4G146AC25B
4G146AD31
4G146BD15
4G146BD19
4G146DA05
4G146DA17
(57)【要約】
【課題】効率的に活性炭を加熱し昇温させ、高温熱再生を実現する。
【解決手段】本発明は、流動する粒子活性炭に通電し、電弧を誘発して、活性炭の電気伝
導によるジュール熱および電弧の放熱の二重の効果により効率的に活性炭を加熱すること
により、高温熱再生を実現する。連続的な流れの産業に適しており、さらにエネルギー消
費を大幅に低減することができる。提案する電圧公式は、目標昇温値に基づき直接計算し
て、入力する必要のある対応する電圧を得ることができ、算出された電圧の作用の下で、
正確に活性炭が目標昇温値に達するようにすることにより、活性炭の高温熱再生に正確で
効率的な経路を提供することができる。また、電圧公式によって電圧を計算するときに、
質量流量に基づき適宜調節することができ、難易度が低い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子活性炭を連続的に加熱チャンネルに流し、加熱チャンネル内の2枚の電極板に直流
電流を入力し、直流電流の電圧は、電圧公式
【数1】
(式中、ρは活性炭の電気抵抗率、cは活性炭の比熱容量、q
mは加熱チャンネルにおけ
る活性炭の質量流量、ΔTは活性炭を再生する目標昇温値、d
pは活性炭の等価粒径、l
は2枚の電極板の間隔、Sは電極板の面積であり、無次元数ηは1~5の値である。経験
的パラメータα=xwlρ
mであり、単位はkg/sである。式中、xは量の次元がm/
sである調節パラメータであり、xは0.002m/s~0.01m/sの値である。式
中、wは2枚の電極板の対向する幅、ρ
mは活性炭のかさ密度である。経験的パラメータ
βは200m
-1~800m
-1の値である。)に従い、粒子活性炭を加熱チャンネルに
おいて搬送する過程において、回転させ互いに衝突させて分離し、電子を励起してポテン
シャル障壁を透過させ電界放出および衝突電離を形成することにより、電弧を誘発し、誘
発された電弧は、電流を流すのに有利なだけでなく、熱も放出し、回路に接続された活性
炭の電気抵抗を低減し、電気伝導によるジュール熱および電弧の放熱の共同作用の下で活
性炭を昇温させ吸着質を熱分解し、再生を実現することを特徴とするアーク放電による粒
子活性炭の再生方法。
【請求項2】
活性炭のかさ密度ρmの具体的な測定プロセスは、活性炭を複数回に分けて100mL
メスシリンダー内に入れ、1回入れるごとにメスシリンダー底部をゴムハンマーで叩き、
活性炭の体積が100mLに達して減少しなくなったら、メスシリンダー内の活性炭の正
味重量を電子秤で秤量し、最後に活性炭の正味重量を100mLの体積で除して活性炭の
かさ密度ρmを得るというものであることを特徴とする請求項1に記載のアーク放電によ
る粒子活性炭の再生方法。
【請求項3】
目標昇温値に基づき計算し、入力する必要のある電圧が所定の高い値よりも高い場合、
または入力する必要のある電圧に基づき計算し、入力する出力が直流電源の定格出力を超
える場合、加熱チャンネルにおける活性炭の質量流量qmを低くすることにより、要求さ
れる電圧および出力を低くし、逆に、目標昇温値に基づき計算し、入力する必要のある電
圧が所定の低い値よりも低い場合、qmを高くすることにより、活性炭を加熱する効率お
よび生産能力を大きくし、質量流量は、式qm=vwlρmにより算出され、活性炭流速
vは0.0005m/s~0.02m/sの値であるため、質量流量qmは、活性炭の流
速を制御し、2枚の電極板の間隔lおよび2枚の電極板の対向する幅wを変えることによ
り調節することができることを特徴とする請求項1に記載のアーク放電による粒子活性炭
の再生方法。
【請求項4】
加熱に投入する粒子活性炭の等価粒径は、0.5mmから10mmの範囲内にあること
を特徴とする請求項1に記載のアーク放電による粒子活性炭の再生方法。
【請求項5】
加熱に投入する活性炭の含水率は5%以下であることを特徴とする請求項1に記載のア
ーク放電による粒子活性炭の再生方法。
【請求項6】
加熱チャンネルを含んでいるアーク放電による粒子活性炭の再生装置であって、投入装
置と、回収装置と、可変直流電源とをさらに含み、前記加熱チャンネルの周囲は、耐高温
絶縁材料で封じられており、加熱チャンネルの両端は、それぞれ投入装置および回収装置
に接続されており、加熱チャンネルの出口には、活性炭の流速を調節する制御弁が設けら
れており、加熱チャンネル内には、形状が同じである平行に置かれた2枚の電極板が設け
られており、2枚の電極板は、それぞれ直流電源出力端の正、負極に接続されていること
を特徴とするアーク放電による粒子活性炭の再生装置。
【請求項7】
一方の電極板が加熱チャンネルの内部に固定されており、他方の電極板がサイドシフト
機構により駆動され、サイドシフト機構およびその上の電極板は、間隔調節機構により同
時に駆動され、サイドシフト機構は、2枚の電極板の相対的な面積を調節することにより
、2枚の電極板の対向する幅を変えることができ、間隔調節機構は、2枚の電極板の間隔
を調節することができることを特徴とする請求項6に記載のアーク放電による粒子活性炭
の再生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱技術分野に属し、具体的には、アーク放電により粒子活性炭を再生する
方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業上、活性炭の再生では、熱再生の方式がよく用いられ、飽和活性炭を高温で加熱し
、活性炭の吸着質を熱分解することにより、活性炭の再生を実現している。現在、活性炭
熱再生産業において利用されている加熱は、燃焼型ボイラ加熱である。この方式は、活性
炭全般に適用できるが、エネルギー消費の面での問題が深刻であり、加熱設備が巨大であ
り、エネルギー利用率が低いとともに、一次エネルギーを消費し、排ガス中の粉塵により
環境が汚染される。電流を利用して専用の電熱素子により熱を発生させてから、熱を活性
炭に伝える、電力により駆動される加熱炉もあるが、外から中への熱の伝導過程において
大量のエネルギーが無駄になる。
【0003】
活性炭は、電気を伝導する能力をある程度もっているため、後に、より効率的でエネル
ギーを節約できる利点のある直接電熱加熱再生方法が提案されたが、活性炭の電気抵抗に
対する要求が高すぎ、この方法の適用および発展には限界がある。直接電熱法は、活性炭
を回路に直接つなぎ、電流を活性炭自体に流し、活性炭自体の電気抵抗で発熱させること
により自発的な昇温を実現するものである。しかしながら、直接電熱法は、活性炭の電気
抵抗率が低くないと、一定の電圧下での電流が小さくなり、通電出力が低くなり、加熱で
きなくなる。しかしながら、実際の産業における飽和活性炭は、ほとんどが大量の物質を
吸着しており、電気抵抗率が高い。出力を高くするために、高電圧をかけると、活性炭を
絶縁破壊して焼いてしまう可能性がある。そのため、その技術手法をさらに最適化し、上
述した欠陥を克服または回避して、電気抵抗率がより大きな活性炭であっても適用できる
ようにする必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、従来技術の不十分な点について、粒子活性炭を持続的に流動させ、電
流を流し、電弧を誘発し、電気伝導によるジュール熱および電弧の放熱の二重の効果によ
って効率的に活性炭を加熱し昇温させ、高温熱再生を実現する、アーク放電により粒子活
性炭を再生する方法および装置を提供することにある。
【0005】
本発明のアーク放電による粒子活性炭の再生方法は、具体的には、粒子活性炭を連続的
に加熱チャンネルに流し、加熱チャンネル内の2枚の電極板に直流電流を入力する。直流
電流の電圧は、電圧公式
【数1】
に従う。式中、ρは活性炭の電気抵抗率、cは活性炭の比熱容量、q
mは加熱チャンネル
における活性炭の質量流量、ΔTは活性炭を再生する目標昇温値、d
pは活性炭の等価粒
径、lは2枚の電極板の間隔、Sは電極板の面積であり、無次元数ηは1~5の値である
。経験的パラメータα=xwlρ
mであり、単位はkg/sである。式中、xは量の次元
がm/sである調節パラメータであり、xは0.002m/s~0.01m/sの値であ
る。式中、wは2枚の電極板の対向する幅、ρ
mは活性炭のかさ密度である。経験的パラ
メータβは200m
-1~800m
-1の値である。粒子活性炭を加熱チャンネルにおい
て搬送する過程において、回転させ互いに衝突させて分離し、電子を励起してポテンシャ
ル障壁を透過させ電界放出および衝突電離を形成することにより、電弧を誘発する。誘発
された電弧は、電流を流すのに有利なだけでなく、熱も放出し、回路に接続された活性炭
の電気抵抗を低減し、電気伝導によるジュール熱および電弧の放熱の共同作用の下で活性
炭を昇温させ吸着質を熱分解し、再生を実現する。
【0006】
好ましくは、活性炭のかさ密度ρmの具体的な測定プロセスは、活性炭を複数回に分け
て100mLメスシリンダー内に入れ、1回入れるごとにメスシリンダー底部をゴムハン
マーで叩き、活性炭の体積が100mLに達して減少しなくなったら、メスシリンダー内
の活性炭の正味重量を電子秤で秤量し、最後に活性炭の正味重量を100mLの体積で除
して活性炭のかさ密度ρmを得るというものである。
【0007】
好ましくは、目標昇温値に基づき計算し、入力する必要のある電圧が所定の高い値(例
えば380V)よりも高い場合、または入力する必要のある電圧に基づき計算し、入力す
る出力が直流電源の定格出力を超える場合、加熱チャンネルにおける活性炭の質量流量q
mを低くすることにより、要求される電圧および出力を低くする。逆に、目標昇温値に基
づき計算し、入力する必要のある電圧が所定の低い値よりも低い場合、qmを高くするこ
とにより、活性炭を加熱する効率および生産能力を大きくする。質量流量は、式qm=v
wlρmにより算出され、活性炭流速vは0.0005m/s~0.02m/sの値であ
る。そのため、質量流量qmは、活性炭の流速を制御し、2枚の電極板の間隔lおよび2
枚の電極板の対向する幅wを変えることにより調節することができる。
【0008】
好ましくは、加熱に投入する粒子活性炭の等価粒径は、0.5mmから10mmの範囲
内にある。
【0009】
好ましくは、加熱に投入する活性炭の含水率は5%以下であり、湿った活性炭は先に乾
燥させる必要がある。
【0010】
本発明のアーク放電による粒子活性炭の再生装置は、投入装置と、加熱チャンネルと、
回収装置と、可変直流電源とを含み、前記加熱チャンネルの周囲は、耐高温絶縁材料で封
じられており、加熱チャンネルの両端は、それぞれ投入装置および回収装置に接続され、
加熱チャンネルの出口には、活性炭の流速を調節する制御弁が設けられており、加熱チャ
ンネル内には、形状が同じである平行に置かれた2枚の電極板が設けられており、2枚の
電極板は、それぞれ直流電源出力端の正、負極に接続されている。
【0011】
好ましくは、2枚の電極板は、いずれも加熱チャンネル内に固定されているか、または
そのうち一方の電極板が加熱チャンネル内に固定され、他方の電極板がサイドシフト機構
により駆動され、サイドシフト機構およびその上の電極板は、間隔調節機構により同時に
駆動され、サイドシフト機構は、2枚の電極板の相対的な面積を調節することにより、2
枚の電極板の対向する幅を変えることができ、間隔調節機構は、2枚の電極板の間隔を調
節することができる。
【0012】
本発明が有する有益な効果は、次のとおりである。
【0013】
1、本発明は、流動する粒子活性炭に通電して電弧を誘発し、活性炭の電気伝導による
ジュール熱および電弧の放熱の二重の効果によって効率的に活性炭を加熱することにより
、高温熱再生を実現する、アーク放電により粒子活性炭を再生する方法を提供する。連続
的な流れの産業に適しており、さらにエネルギー消費を大幅に低減することができ、エネ
ルギーを節約でき、環境に配慮している。さらに、本発明で提案する電圧公式は、目標昇
温値に基づき直接逆算して、入力する必要のある対応する電圧を得るのに便利であり、算
出された電圧の作用の下で、比較的正確に活性炭が目標昇温値に達するようにすることに
より、活性炭の高温熱再生に正確で効率的な経路を提供することができる。またさらに、
目標昇温値に基づき計算し、入力する必要のある電圧が所定の高い値(例えば380V)
よりも高い場合、または入力する必要のある電圧に基づき計算し、入力する出力が直流電
源の定格出力を超える場合、加熱チャンネルにおける活性炭の質量流量を低くすることに
より、要求される電圧および出力を低くすることができる。逆に、目標昇温値に基づき計
算し、入力する必要のある電圧が所定の低い値よりも低い場合、質量流量を高くすること
により、活性炭を加熱する効率および生産能力を大きくする。本発明で提案する電圧公式
は、ある程度調整可能であり、実現の難易度が低いことがわかる。
【0014】
2、本発明は、活性炭を流動させることにより、動的な接触および分離を生成し、通電
した後に強制的に放電を生成して電弧を誘発し、回路に接続された活性炭の電気抵抗を大
幅に低減し、電気伝導性を高める。実際の産業での適用で生成される大量の物質を吸着し
高い抵抗率を有する活性炭も、本発明の技術により再生することができ、活性炭再生の適
用範囲を拡げ、本発明がさらに産業上の利用可能性を有するようにする。
【0015】
3、本発明のアーク放電技術は、直接電熱法における高電圧をかけなければ電気抵抗率
が大きい活性炭に電気を伝導できないという課題を解決することにより、大量のエネルギ
ーの浪費だけでなく、活性炭に絶縁破壊や焼損が生じることを回避する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明のアーク放電による粒子活性炭の再生装置の模式図である。
【
図2】実施例2における電圧の変化に伴う実際の昇温の曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面と合わせ、本発明についてさらに説明する。
【0018】
(実施例1)
図1に示すように、アーク放電による粒子活性炭の再生装置は、投入装置と、加熱チャ
ンネルと、回収装置と、可変直流電源3とを含む。加熱チャンネルの周囲は、耐高温絶縁
材料で封じられており、加熱チャンネルの両端は、それぞれ投入装置および回収装置に接
続され、加熱チャンネルの出口には、活性炭の流速を調節する制御弁2が設けられている
。加熱チャンネル内には、形状が同じである平行に置かれた2枚の電極板1(平面電極板
を採用する)が固定されており、2枚の電極板1は、それぞれ直流電源出力端の正、負極
に接続されている。
【0019】
1つの実施例として、2枚の電極板の間隔lは0.05m、2枚の電極板の対向する幅
(対向する有効幅)wは0.12m、電極板の面積Sは0.0036m2である。
【0020】
(実施例2)
実施例1における装置を用いて粒子活性炭を加熱し再生する、アーク放電による粒子活
性炭の再生方法である。加熱チャンネルの入口には投入装置が接続され、加熱チャンネル
の出口には回収装置が接続されている。アーク放電による粒子活性炭の再生方法の具体的
なプロセスは、含水率が5%になるまで粒子活性炭を乾燥させた後、投入装置によって加
熱チャンネルに入れ、粒子活性炭を連続的に加熱チャンネルに流し、2枚の電極板に直流
電流を入力する。直流電流の電圧は、電圧公式
【数1】
に従う。式中、ρは活性炭の電気抵抗率、cは活性炭の比熱容量、q
mは加熱チャンネル
における活性炭の質量流量、ΔTは活性炭を再生する目標昇温値、d
pは活性炭の等価粒
径、lは2枚の電極板の間隔、Sは電極板の面積であり、無次元数ηの値は1~5を推奨
する。経験的パラメータα=xwlρ
mであり、単位はkg/sである。式中、xは量の
次元がm/sである調節パラメータであり、xの値は0.002m/s~0.01m/s
を推奨する。式中、wは2枚の電極板の対向する幅、ρ
mは活性炭のかさ密度である。経
験的パラメータβの値は、200m
-1~800m
-1を推奨する。粒子活性炭を加熱チ
ャンネルにおいて搬送する過程において、回転させ互いに衝突させて分離し、電子を励起
してポテンシャル障壁を透過させ電界放出および衝突電離を形成することにより、電弧を
誘発する。誘発された電弧は、電流を流すのに有利なだけでなく、熱も放出し、回路に接
続された活性炭の電気抵抗を大幅に低減し、静的電気抵抗率が高い活性炭を動的アーク放
電によって加熱し、電気伝導によるジュール熱および電弧の放熱の共同作用の下で迅速に
昇温させ、高温で吸着質を熱分解することにより、再生を実現する。再生した粒子活性炭
は、回収装置によって回収する。
【0021】
次に、具体的な実施例を挙げる。
【0022】
活性炭の電気抵抗率ρは0.6Ω・m、比熱容量cは840J/(kg・℃)、かさ密
度ρ
mは470kg/m
3、等価粒径d
pは0.002m、目標昇温値ΔTは700℃、
質量流量q
mは0.006kg/sであり、ηの値は2、xの値は0.00638m/s
,αの値は0.018kg/s、βの値は400m
-1であるため、計算によって、入力
する必要のある電圧は367.7Vであることが得られる。上述したパラメータの下で、
入力する電圧を変えると、電圧の変化に伴う実際の昇温の曲線は、
図2に示すとおりであ
る。
【0023】
好ましくは、活性炭のかさ密度ρmの具体的な測定プロセスは、以下のとおりである。
活性炭のかさ密度ρmは活性炭の自然な堆積の下での質量と体積の比であるため、活性炭
を複数回に分けて100mLメスシリンダー内に入れ、1回入れるごとにメスシリンダー
底部をゴムハンマーで軽く叩き、活性炭の体積が100mLに達して減少しなくなったら
、メスシリンダー内の活性炭の正味重量を電子秤で秤量し、最後に活性炭の正味重量を1
00mLの体積で除して活性炭のかさ密度ρmを得る方法を採用することができる。活性
炭のかさ密度ρmの測定プロセスは、100mLのみを採用して測定しており、人の手に
よる操作であるため精度に限界があり、誤差が生じる可能性があるが、係数xでかさ密度
ρmを調節することにより、誤差を測定することができる。
【0024】
次に、本発明のアーク放電による粒子活性炭の再生の動作メカニズムについてさらに説
明する。
【0025】
通電状態における粒子活性炭が運動の過程で回転し、互いに衝突して分離し、電子を励
起してポテンシャル障壁を透過させ電界放出および衝突電離を形成することにより、大量
の電弧を誘発する。誘発された電弧は、電流を流すのに有利なだけでなく、大量の熱も放
出するとともに、大量のエネルギーが光および熱の形式で放出され、電気伝導をさらに励
起し、粒子に光電離および熱電離を生じさせ、より多くの電弧の形成を促す。このような
強制的な放電効果により、電流を流す性能が著しく向上し、回路に接続された活性炭の電
気抵抗を大幅に低減し、静的電気抵抗率が高い活性炭であっても動的アーク放電により加
熱することができる。そのため、活性炭が電気伝導によるジュール熱および電弧の放熱の
共同作用の下で迅速に昇温し、高温で吸着質を熱分解することにより、再生を実現する。
また、実際のアーク放電効果は、加える電圧電流、活性炭の運動速度、活性炭粒子の大き
さおよび活性炭自体の電気的性質と関係があり、加える電圧電流が大きく、活性炭の運動
速度(臨界値を超えた後)が小さく、活性炭粒子の大きさ(臨界値を超えた後)が小さく
、活性炭の電気抵抗率が低いほど、アーク放電の効果がよくなる。他の条件が一定である
場合、活性炭の流速が大きくなる(生産能力を向上する必要がある場合)、または粒子の
等価粒径が大きくなると、活性炭が目標温度まで昇温できるようにするために、加える電
圧を高める必要があるが、本発明における電圧公式
【数1】
を使用することにより、入力する必要のある電圧を便利に得ることができる。