(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094537
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】スクリュー・コンプレッサ
(51)【国際特許分類】
F04C 18/16 20060101AFI20230628BHJP
F04C 29/06 20060101ALI20230628BHJP
F04C 29/12 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
F04C18/16 M
F04C29/06 C
F04C29/12 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022166905
(22)【出願日】2022-10-18
(31)【優先権主張番号】10 2021 134 652.5
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510153962
【氏名又は名称】マン・エナジー・ソリューションズ・エスイー
【氏名又は名称原語表記】MAN ENERGY SOLUTIONS SE
【住所又は居所原語表記】Stadtbachstr.1 86153 Augsburg,GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・ゲッデ
【テーマコード(参考)】
3H129
【Fターム(参考)】
3H129AA03
3H129AA17
3H129AB05
3H129BB22
3H129CC05
3H129CC25
3H129CC28
(57)【要約】
【課題】脈動を容易且つ確実に減衰させるスクリュー・コンプレッサを提供する。
【解決手段】プロセスガスを圧縮するためのスクリュー・コンプレッサ(10)であって、吸入ポート(12)及び加圧ポート(13)を有するコンプレッサハウジング(11)と、プロセスガスを圧縮するためのロータ対(18)を形成するスクリューロータ(16、17)と、コンプレッサハウジング(11)からの圧縮されたプロセスガスを消音器(20)の方向に導く管屈曲部(19)と、管屈曲部(19)の入口側部分(19a)で、流路(25)に部分的に突出しているインサート(24)と、を備えており、インサート(24)の外壁(29)と、この外壁(29)を外側で取り囲む管屈曲部(19)の内壁(26)の一部とが、流路(25)に連結された共振器となる空間(30)を区画している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスガスを圧縮するためのスクリュー・コンプレッサ(10)であって、
- 吸入ポート(12)及び加圧ポート(13)を有するコンプレッサハウジング(11)であって、該コンプレッサハウジング(11)は、
* 前記吸入ポート(12)を介して前記コンプレッサハウジング(11)に圧縮されるプロセスガス(14)を供給することができ、前記加圧ポート(13)を介して前記コンプレッサハウジング(11)から圧縮されたプロセスガス(15)を吐出することができる、
コンプレッサハウジング(11)と、
- 該コンプレッサハウジング(11)内に取り付けられ、前記プロセスガスを圧縮するためのロータ対(18)を形成するスクリューロータ(16、17)と、
- 前記コンプレッサハウジング(11)からの圧縮されたプロセスガスを消音器(20)の方向に導く管屈曲部(19)であって、該管屈曲部(19)は、
* 入口側部分(19a)で前記管屈曲部(19)を前記コンプレッサハウジング(11)の前記加圧ポート(13)に締結するための第1の連結片(21)と、出口側部分(19b)で前記管屈曲部(19)を前記消音器(20)に締結するための第2の連結片(22)とを有すると共に、
* 前記第1の連結片(21)と前記第2の連結片(22)との間で延在し、前記管屈曲部(19)の内壁(26)によって画定されている流路(25)を有している、
管屈曲部(19)と、
該管屈曲部(19)の前記入口側部分(19a)で、前記管屈曲部(19)の前記流路(25)に部分的に突出しているインサート(24)であって、
* 前記管屈曲部(19)の前記流路(25)内に突出した前記インサート(24)の外壁(29)と、該外壁(29)を外側で取り囲む前記管屈曲部(19)の前記内壁(26)の一部とが、前記管屈曲部(19)の前記流路(25)に連結された共振器となる空間(30)を区画している、
インサート(24)と、
を備えているスクリュー・コンプレッサ。
【請求項2】
前記管屈曲部(19)の前記流路(25)は、前記入口側部分(19a)と前記出口側部分(19b)との間で実質的に90°湾曲している、請求項1に記載のスクリュー・コンプレッサ。
【請求項3】
共振器として作用する前記空間(30)が環状空間である、請求項1または2に記載のスクリュー・コンプレッサ。
【請求項4】
前記入口側部分(19a)で前記管屈曲部(19)の前記内壁(26)は円筒状に成形されており、
前記管屈曲部(19)の前記流路(25)内に突出する前記インサート(24)の部分(27)の前記外壁(29)は円筒状に成形されている、請求項2または3に記載のスクリュー・コンプレッサ。
【請求項5】
前記空間(30)がλ/4共振器を形成している、請求項1~4のいずれか一項に記載のスクリュー・コンプレッサ。
【請求項6】
前記入口側部分(19a)で前記管屈曲部(19)に突出している前記インサート(24)の部分(27)の長さは、前記空間(30)がλ/4共振器を形成するように選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のスクリュー・コンプレッサ。
【請求項7】
前記入口側部分(19a)で前記管屈曲部(19)に突出している前記インサート(24)の部分(27)の長さ、従って共振器として作用する前記空間(30)の前記長さは、前記加圧ポート(13)上の前記圧縮されたプロセスガスの放出周波数、及び前記圧縮されたプロセスガスの音速に依存している、請求項5に記載のスクリュー・コンプレッサ。
【請求項8】
前記圧縮されたプロセスガスの放出周波数は、前記スクリューロータ(16,17)の回転速度に依存し、前記圧縮されたプロセスガスの音速は前記スクリューロータの温度に依存している、請求項7に記載のスクリュー・コンプレッサ。
【請求項9】
前記インサート(24)は、前記管屈曲部(19)の前記入口側部分(19a)で前記管屈曲部(19)から突出し、前記管屈曲部(19)への前記インサート(24)の導入深さを画定するカラー(31)を備えている、請求項1~8のいずれか一項に記載のスクリュー・コンプレッサ。
【請求項10】
前記インサート(24)の前記カラー(31)が、前記コンプレッサハウジング(11)の前記加圧ポート(13)と前記管屈曲部(13)の前記第1の連結片(21)との間に挟持されている、請求項9に記載のスクリュー・コンプレッサ。
【請求項11】
前記インサート(24)は、ノズル(33)を画定する内壁(28)を備えている、請求項1~10のいずれか一項に記載のスクリュー・コンプレッサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のスクリュー・コンプレッサ(screw compressor)に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリュー・コンプレッサの基本的な構造は、ここで述べる当業者には良く知られている。スクリュー・コンプレッサは、コンプレッサハウジングを備えている。コンプレッサハウジングには、ロータ対を形成し、圧縮すべきプロセスガスを圧縮するために働くスクリューロータが取り付けられている。コンプレッサハウジングは、吸入ポートと加圧ポートとを備えており、圧縮されるプロセスガスを、吸入ポートを介してスクリュー・コンプレッサに供給し、圧縮されたプロセスガスを、加圧ポートを介してスクリュー・コンプレッサから吐出(discharge)することができる。
【0003】
特許文献1は、コンプレッサハウジングがロータハウジング部分(rotor housing portion)とアウトフローハウジング部分(outflow housing portion)とを有するスクリュー・コンプレッサを開示している。ロータ対を形成するスクリュー・コンプレッサのスクリューロータは、ロータハウジング部分に装着され、ロータハウジング部分には、更に、スクリュー・コンプレッサの有効作動空間又は圧縮空間を変化させる制御スライドが装着されている。
【0004】
特許文献2は、更なるスクリュー・コンプレッサを開示している。スクリュー・コンプレッサは、吸入ポート及び加圧ポートを有するコンプレッサハウジングを備える。この吸入ポートを介して、圧縮されるプロセスガスをスクリュー・コンプレッサの作業空間すなわち圧縮空間に供給することができる。加圧ポートを介して、スクリュー・コンプレッサで圧縮されたプロセスガスを吐出することができる。
【0005】
特許文献3には、スクリュー・コンプレッサの消音器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102015006129号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第3803044号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102009009168号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
スクリュー・コンプレッサの運転中に圧力ショックが発生し、その結果脈動波(pulsation wave)が発生して、下流のプラント構成要素、例えば消音器、冷却器又はセパレータに損傷を与える可能性がある。
【0008】
脈動を容易且つ確実に減衰させる必要がある。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、新型のスクリュー・コンプレッサを創出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1に記載のスクリュー・コンプレッサによって解決される。本発明に係るスクリュー・コンプレッサは、吸入ポートと加圧ポートとを有するコンプレッサハウジングを備え、圧縮されるプロセスガスを、吸入ポートを介してコンプレッサハウジングに供給可能であり、圧縮されたプロセスガスを、加圧ポートを介してコンプレッサハウジングから吐出可能である。
【0010】
本発明によるスクリュー・コンプレッサは、コンプレッサハウジング内に取り付けられ、プロセスガスを圧縮するためのロータ対を形成するスクリューロータを備える。
【0011】
本発明に係るスクリュー・コンプレッサは、コンプレッサハウジングから圧縮されたプロセスガスを消音器の方向に導く管屈曲部(pipe bend)を備えている。この管屈曲部は、入口側でコンプレッサハウジングの加圧ポートに締結するための第1の連結片(first connecting piece)と、出口側で消音器に締結するための第2の連結片(second connecting piece)とを備えていると共に、管屈曲部の内壁によって形成され、第1の連結片と第2の連結片との間に延在する流路を備えている。
【0012】
本発明に係るスクリュー・コンプレッサは、第1の連結片で管屈曲部の流路内に部分的に突出するインサートを備え、管屈曲部の流路内に突出しているインサートの外壁と、この外壁を外側で取り囲む管屈曲部の内壁の一部とが、共振器(resonator)として作用する空間を画定し、この空間が管屈曲部の流路に連結されている。
【0013】
管屈曲部用のこのようなインサートによって、効果的な脈動減衰を提供することができる。管屈曲部の流路内に突出したインサートの一部である外壁と、インサートを外側で取り囲む管屈曲部の内壁部とが、共振器となる空間を形成しており、簡単な手段で効果的に脈動減衰を行うことができる。
【0014】
管屈曲部の下流に配置された消音器のようなアセンブリが脈動の結果として損傷を受けるリスクは低減される。
【0015】
共振器として作用する管屈曲部の流路内に突出するインサートの外壁と、この外壁を外側で取り囲む管屈曲部の内壁の一部との間の空間は、連続的に、従って環状空間として具体化することができる。
【0016】
空間は、インサートと管屈曲部の内壁との間の1つ以上の接続によって中断され、空間部分に分割されることもできる。
【0017】
インサートも管屈曲部の壁も断面において実質的に円形に形成することができ、それによって実質的に円筒形の空間が形成されている。
【0018】
管屈曲部のインサート及び/又は壁は、例えば楕円形又は角状のような断面において異なる形状を有することもでき、その結果、円筒形状とは異なる形状が空間に形成されている。
【0019】
インサートは、管屈曲部と取り外し可能に接続されるか、しっかりと接続されるか、又は一体的に実施される。
【0020】
好ましくは、管屈曲部の内壁は入口側部分において円筒状に輪郭形成され、管屈曲部の流路内に突出するインサートの部分の外壁は円筒状に輪郭形成されている。これにより、共振器を特に有利に提供することができる。
【0021】
好ましくは、空間はλ/4共振器を形成している。特に、入口側部分で管屈曲部内に突出しているインサートの部分の長さは、空間がλ/4共振器を形成するように選択される。λ/4共振器によって、脈動減衰が特に有利に可能である。
【0022】
好ましくは、インサートは、管屈曲部の入口側部分で管屈曲部から突出し、管屈曲部の入口側部分で管屈曲部へのインサートの導入深さ(introduction depth)を限定するカラーを有する。これにより、共振器を容易に設けることができる。
【0023】
好ましくは、インサートはノズルを画定する内壁を含む。これにより、コンプレッサハウジングの加圧ポートから管屈曲部内へ発生する圧縮されたプロセスガスの有利な流れの移行を確実にしている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明によるスクリュー・コンプレッサの側面図である。
【
図2】
図1のスクリュー・コンプレッサの管屈曲部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の好ましい更なる発展は、特許請求の範囲及び以下の記載から得られる。以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
図1は、プロセスガスを圧縮するためのスクリュー・コンプレッサ10を示す。プロセスガスは、例えば天然ガスであって良い。
【0027】
スクリュー・コンプレッサ10は、吸入ポート12及び加圧ポート13を有するコンプレッサハウジング11を備えている。吸入口12を介して、スクリュー・コンプレッサ10のコンプレッサハウジング11に圧縮されるプロセスガス14を供給することができる。圧縮されたプロセスガス15は、加圧ポート13を介してスクリュー・コンプレッサ10のコンプレッサハウジング11から吐出することができる。
【0028】
コンプレッサハウジング11内には、スクリュー・コンプレッサ10のロータ対18を形成するスクリューロータ16、17が回転可能に取り付けられている。スクリューロータ16、17からなるロータ対18は、詳細には図示しないコンプレッサハウジング11の作業空間すなわち圧縮空間においてプロセスガス14を圧縮するために用いられる。この作業空間は、雄ロータ歯と雌ロータ歯の間隙との相互作用と、双方を取り囲むコンプレッサハウジングとによって形成されている。ロータ回転の増加と共に作業空間の大きさは減少する。
【0029】
圧縮されたプロセスガス15は、コンプレッサハウジング11の加圧ポート13を介して、この作業空間すなわち圧縮空間から吐出され得る。これは、例えば、4つの雄ロータ歯の場合、1回転当たり4回発生する。
【0030】
また、スクリュー・コンプレッサ10は、コンプレッサハウジング11の加圧ポート13から発生する圧縮されたプロセスガス15を消音器20の方向に導く管屈曲部19を備えている。
【0031】
消音器20は、好ましくは吸収式消音器(absorption silencer)である。
【0032】
管屈曲部19は、入口側部分19aと出口側部分19bとを備えている。入口側部分19aには、管屈曲部19の第1の連結片21が形成されており、この第1の連結片21を介して管屈曲部19をコンプレッサハウジング11の加圧ポート13に固定することができる。管屈曲部19の出口側部分19bには、管屈曲部19を消音器20に固定するための第2の連結片22、すなわち消音器20の連結片23が形成されている。
【0033】
管屈曲部19とコンプレッサハウジング11との間、すなわち管屈曲部19の第1の連結片21とコンプレッサハウジング11の加圧ポート13との間には、第1の連結片21において管屈曲部19の流路25内に部分的に突出するインサート24が配置されている。管屈曲部19の流路25は、管屈曲部19の2つの接続片21と22との間で延在しており、図示の例示的な実施形態では、90°だけ湾曲しているので、第1の連結片21から出て管屈曲部19の流路25を通って第2の連結片22の方向に流れる圧縮されたプロセスガスの流れが方向転換される。方向転換の角度は、例えば90°とすることができるが、他の値をとることもできる。管屈曲部19の流路25は、管屈曲部19の内壁26によって画定されている。
【0034】
機械の設置状況に応じて、90°曲げを省略することもでき、その結果、円筒状部分19aの後に直線的な管延長部が続く。
【0035】
既に説明したように、インサート24は、管屈曲部19の第1の連結片21の領域の部分、すなわち部分27と共に流路25内に突出している。管屈曲部19の流路25内に突出するインサート24の部分27は、管状に形成され、内壁28と外壁29の両方を有している。
【0036】
インサート24の部分27の外壁29は、第1の連結片21の領域において管屈曲部19の内壁26によって外側で囲まれており、管屈曲部19の内壁26とインサート24の部分27の外壁29とは、共振器として作用する空間30を画定している。流路25内に突出するインサート24の部分27の外壁29と、インサート24の部分27の外壁29を径方向に外側に包囲する管屈曲部19の内壁26とは、共に円筒状に成形されており、空間30は、外側では管屈曲部19の内壁26の円筒状部分によって、内側では流路25内に突出するインサート24の部分27の円筒状外壁29によって画定されている。
【0037】
環状の空間30によって形成される共振器は、λ/4共振器であることが好ましく、入口側部分19a上の管屈曲部19内に突出するインサート24の部分27の長さは、環状空間30がλ/4共振器を形成するように選択される。入口側部分19aの管屈曲部19内に突出するインサート24の部分27の長さ、従って共振器として作用する空間30の長さは、加圧ポート13の領域における圧縮されたプロセスガス15の放出周波数(expulsion frequency)及び圧縮されたプロセスガスの音速に依存している。
【0038】
加圧ポート13の領域における圧縮されたプロセスガス15の放出周波数は、スクリューロータ16、17の回転速度に依存している。圧縮されたプロセスガスの音速は、圧縮されたプロセスガスの種類と温度に依存している。共振器効果を決定する波長は、放出周波数と音速から生じる。
【0039】
また、インサート24にはカラー31が設けられている。このカラー31は、管屈曲部19の流入側部分19aにおいて、管屈曲部19の流路25の外に突出しており、管屈曲部19の流入側部分19aにおいて、インサート24の導入深さ、従ってその部分27を管屈曲部19又は管屈曲部19の流路25に画定している。
【0040】
取付け状態において、インサート24のカラー31は、コンプレッサハウジング11の加圧ポート13と管屈曲部19の第1の連結片21との間に挟持されている。従って、例えば管屈曲部19をコンプレッサハウジング11に固定するための固定ねじのような固定手段は、第1の接続片21を貫通して延在しているが、インサート24のカラー31を貫通していない。
【0041】
インサート24の内壁28は、フランジ31の領域において湾曲した輪郭を有するノズル33を画定している。ノズル33は、好ましくは、ベンチュリノズルとして具体化される。これにより、圧縮されたプロセスガス15が、コンプレッサハウジング11の加圧ポート13から管屈曲部19へ、すなわち管曲げ部19のインサート24へ有利に移行することが確実になる。
【0042】
図1によれば、管屈曲部19を消音器20に接続するための連結片22、23の間にダンパ32が配置されており、このダンパ32は更なる脈動減衰を行うためのものである。
【0043】
本発明によれば、管屈曲部19の入口側部分19aに配置され、管屈曲部19の入口側部分19aにおいて管屈曲部19の流路25に突出させたインサート24を介して、共振器として作用する環状空間30を形成することにより、効果的な脈動減衰を行うことができる。環状空間30が共振器として作用するので、音圧及び音響パワーレベルを著しく低減することができる。共振の場合には、管屈曲部19の入口側部分19aにおいて、インサート24の部分27の外壁29と管屈曲部19の流路25の内壁26とによって形成される空間30内の定在波(standing wave)が180°の位相反転を受け、この結果、通過波面(passing wave front)の相殺効果が発生する。従って、音圧及び音響パワーレベルを低減し、スクリュー・コンプレッサ10に脈動減衰を与えることが特に効果的に可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 スクリュー・コンプレッサ
11 コンプレッサハウジング
12 吸入口
13 加圧ポート
14 圧縮されるプロセスガス
15 圧縮されたプロセスガス
16 スクリューロータ
17 スクリューロータ
18 ロータ対
19 管屈曲部
19a 入口側部分
19b 出口側部分
20 消音器
21 連結片
22 連結片
23 連結片
24 インサート
25 流路
26 内壁
27 一部
28 内壁
29 外壁
30 空間
31 フランジ
32 ダンパ
33 ノズル
【外国語明細書】