(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094560
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法
(51)【国際特許分類】
G10K 11/178 20060101AFI20230628BHJP
A61F 11/06 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
G10K11/178 120
A61F11/06
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022188882
(22)【出願日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】202111589540.4
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522361364
【氏名又は名称】深▲せん▼市大十未来科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】李 新宇
【テーマコード(参考)】
5D061
【Fターム(参考)】
5D061FF02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外部の高音圧レベルエネルギーを遮断することができる聴力保護方法を提供する。
【解決手段】聴力保護方法は、外部音響エネルギー値を、音圧エネルギー閾値1及び音圧エネルギー閾値2と比較し、外部音響エネルギー値が音圧エネルギー閾値1よりも大きく、且つ、音圧エネルギー閾値2よりも小さい場合、予め設定されたアクティブな騒音低減機能を起動して高音圧レベルエネルギーを削減する。外部音響エネルギー値が音圧エネルギー閾値2よりも大きい場合、予め設定されたアクティブな騒音低減機能をオフにし、パッシブな騒音低減方式で高音圧レベルエネルギーを遮断する。
【効果】外部の高音圧レベルエネルギーを遮断することができ、外界に高音圧レベルエネルギーが突然に発生する場合に、聴力保護の作用を効果的に果たすことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法であって、
音圧エネルギー閾値1と、前記音圧エネルギー閾値1よりも大きい音圧エネルギー閾値2とを予め設定するステップS1と、
外部音響エネルギー値を取得するステップS2と、
前記外部音響エネルギー値を前記音圧エネルギー閾値1と前記音圧エネルギー閾値2と比較し、前記外部音響エネルギー値が前記音圧エネルギー閾値1よりも大きく且つ前記音圧エネルギー閾値2よりも小さい場合、ステップS4を実行し、前記外部音響エネルギー値が前記音圧エネルギー閾値2よりも大きい場合、ステップS5を実行するステップS3と、
予め設定されたアクティブな騒音低減機能を起動して高音圧レベルエネルギーを削減するステップS4と、
予め設定されたアクティブな騒音低減機能をオフにし、パッシブな騒音低減方式で高音圧レベルエネルギーを遮断するステップS5とを含む、ことを特徴とする、
外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法。
【請求項2】
前記ステップS1では、ユーザの鼓膜での80dBA SPLと等価なフィードフォワードマイクロフォンFF MICの音圧エネルギーレベルを前記音圧エネルギー閾値1とする、ことを特徴とする請求項1に記載の外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法。
【請求項3】
前記ステップS1では、実験室でテストされたFF MICが飽和しようとする高音圧エネルギーレベルを前記音圧エネルギー閾値2とする、ことを特徴とする請求項1に記載の外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法。
【請求項4】
前記ステップS2では、FF MIC又はTalk MICによって外部音響エネルギー値を取得する、ことを特徴とする請求項1に記載の外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法。
【請求項5】
前記ステップS2では、外部音響エネルギー値を取得する過程は、FF MIC又はTalk MICによってリアルタイムに収集された外界の音声信号の変化量をオーディオデータストリームに変換し、Aウェイトデジタルシステムを採用して前記オーディオデータストリームを計算し、現在の外部音響エネルギー値を得ることを含み、
Aウェイトデジタルシステムの伝達関数は、
【数1】
であり、ただし、
【数2】
で、
【数3】
であり、
MATLABソフトウェアを利用して上記Aウェイトデジタルシステムの伝達関数をデジタルフィルタに変換し、且つフィルタ係数h(n)を取得し、
入力されたオーディオデータストリームをx(n)と設定し、Aウェイトデジタルシステムで処理した後、出力は、y(n)であり、y(n)データに対して音圧レベルの計算を行い、さらに現在のオーディオのdbA値を取得し、
そのうち、音圧レベルの計算式は、
【数4】
であり、ただし、
【数5】
である、ことを特徴とする請求項4に記載の外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法。
【請求項6】
双線性変換法を利用して前記Aウェイトデジタルシステムの伝達関数をデジタルフィルタに変換する、ことを特徴とする請求項5に記載の外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法。
【請求項7】
前記聴力保護方法に対応して仮想スイッチが設定され、前記仮想スイッチは、予め設定されたAppに設定され、前記仮想スイッチを起動すると、前記ステップS1~前記ステップS5を実行し、前記仮想スイッチをオフにすると、前記ステップS1~前記ステップS5を実行しない、ことを特徴とする請求項1に記載の外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオ装置の騒音低減処理方法に関し、特に外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活の中で、聴力保護は、かなり重要なことである。多くの場合、人々が聴力を保護する必要があることに気づいた時、聴力にはすでに問題が発生していることが多いが、聴力の損傷は基本的に不可逆的であり、若者にとって、聴力の低下をもたらす最も深刻な要素は騒音であり、また、イヤホンは、私たちの聴力にも大きな影響を与えている。
【0003】
図1を参照して、既存の資料によると、音声のデシベル数が大きいほど、人の耳へのダメージが大きくなる。騒音に対する人の耳の忍耐力については、次の表を参照。
【表1】
【0004】
従来技術では、ANC騒音低減によって環境騒音を低減させることは一般的であり、ユーザは、より低い音量条件下で音楽を聴くことによって、聴力を保護することができる。以下の場合は、例外である。
【0005】
まず、ANCがオンになり、高音圧レベルがあると、ANCのマイクロホンは、すでに飽和しているため、歪んだ信号は、耳に重畳しており、この時、騒音低減効果を果たさないだけではなく、さらに聴力を傷つけるより大きいエネルギーが発生し、
そして、ANCがオフになり、パッシブな騒音低減だけは、一部の外界の高音圧レベルエネルギーを遮断し、ANC騒音低減機能を効果的に利用することができず、
なお、ANCがパス・スルーモードにあると、システムは、高音圧レベルエネルギーを増幅することで耳内の音声エネルギーを大きくし、さらにダメージを与えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術課題は、従来技術の不足について、外界に高音圧レベルエネルギーが突然に発生すると、聴力保護の作用を果たし、さらに外部の高音圧レベルエネルギーを遮断することができる聴力保護方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術課題を解決するために、本発明は、以下の技術案を採用する。
【0008】
外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法であって、音圧エネルギー閾値1と、前記音圧エネルギー閾値1よりも大きい音圧エネルギー閾値2とを予め設定するステップS1と、外部音響エネルギー値を取得するステップS2と、前記外部音響エネルギー値を前記音圧エネルギー閾値1と前記音圧エネルギー閾値2と比較し、前記外部音響エネルギー値が前記音圧エネルギー閾値1よりも大きく且つ前記音圧エネルギー閾値2よりも小さい場合、ステップS4を実行し、前記外部音響エネルギー値が前記音圧エネルギー閾値2よりも大きい場合、ステップS5を実行するステップS3と、予め設定されたアクティブな騒音低減機能を起動して高音圧レベルエネルギーを削減するステップS4と、予め設定されたアクティブな騒音低減機能をオフにし、パッシブな騒音低減方式で高音圧レベルエネルギーを遮断するステップS5とを含む。
【0009】
好適には、前記ステップS1では、ユーザの鼓膜での80dBA SPLと等価なフィードフォワードマイクロフォンFF MICの音圧エネルギーレベルを前記音圧エネルギー閾値1とする。
【0010】
好適には、前記ステップS1では、実験室でテストされたFF MICが飽和しようとする高音圧エネルギーレベルを前記音圧エネルギー閾値2とする。
【0011】
好適には、前記ステップS2では、FF MIC又はTalk MICによって外部音響エネルギー値を取得する。
【0012】
好適には、前記ステップS2では、外部音響エネルギー値を取得する過程は、FF MIC又はTalk MICによってリアルタイムに収集された外界の音声信号の変化量をオーディオデータストリームに変換し、Aウェイトデジタルシステムを採用して前記オーディオデータストリームを計算し、現在の外部音響エネルギー値を得ることを含む。
【0013】
好適には、双線性変換法を利用して前記Aウェイトデジタルシステムの伝達関数をデジタルフィルタに変換する。
【0014】
好適には、前記聴力保護方法に対応して仮想スイッチが設定され、前記仮想スイッチは、予め設定されたAppに設定され、前記仮想スイッチを起動すると、前記ステップS1~前記ステップS5を実行し、前記仮想スイッチをオフにすると、前記ステップS1~前記ステップS5を実行しない。
【発明の効果】
【0015】
本発明に開示された外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法では、外部の高音圧レベルエネルギーをリアルタイムに監視し且つ介入措置を取る方法によって聴力保護機能を実現する。具体的な過程では、外部の高音圧レベルエネルギーをリアルタイムに監視し、且つ予め設定された音圧エネルギー閾値1と音圧エネルギー閾値2と比較し、高音圧レベルのエネルギーが予め設定され音圧エネルギー閾値1を超える場合、システムは、ANC機能をオンにして聴力を保護し、高音圧レベルのエネルギーが予め設定され音圧エネルギー閾値2を超える場合、システムは、ANC機能をオフにして聴力を保護する。本発明は、従来技術に比べて、外部の高音圧レベルエネルギーを遮断することができ、外界に高音圧レベルエネルギーが突然に発生すると、聴力保護の作用を効果的に果たすことができ、よりよく応用ニーズを満たす。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】既存の資料における音声デシベル数に対応する環境概略図である。
【
図2】本発明の聴力保護方法のフローチャートである。
【
図3】Aウェイトネットワークの曲線概略図である。
【
図4】Aウェイトデジタルシステムのアーキテクチャ概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面と実施例を結び付けながら本発明について詳細に記述する。
【0018】
本発明は、外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法を開示し、
図2を参照して、
音圧エネルギー閾値1と、前記音圧エネルギー閾値1よりも大きい音圧エネルギー閾値2とを予め設定するステップS1と、
外部音響エネルギー値を取得するステップS2と、
前記外部音響エネルギー値を前記音圧エネルギー閾値1と前記音圧エネルギー閾値2と比較し、前記外部音響エネルギー値が前記音圧エネルギー閾値1よりも大きく且つ前記音圧エネルギー閾値2よりも小さい場合、ステップS4を実行し、前記外部音響エネルギー値が前記音圧エネルギー閾値2よりも大きい場合、ステップS5を実行するステップS3と、
予め設定されたアクティブな騒音低減機能を起動して高音圧レベルエネルギーを削減するステップS4と、
予め設定されたアクティブな騒音低減機能をオフにし、パッシブな騒音低減方式で高音圧レベルエネルギーを遮断するステップS5とを含む。
【0019】
上記方法では、本発明は、外部の高音圧レベルエネルギーをリアルタイムに監視し且つ介入措置を取る方法によって聴力保護機能を実現する。具体的な過程では、外部の高音圧レベルエネルギーをリアルタイムに監視し、且つ予め設定された音圧エネルギー閾値1と音圧エネルギー閾値2と比較し、高音圧レベルのエネルギーが予め設定され音圧エネルギー閾値1を超える場合、システムは、ANC機能をオンにして聴力を保護し、高音圧レベルのエネルギーが予め設定され音圧エネルギー閾値2を超える場合、システムは、ANC機能をオフにして聴力を保護する。本発明は、従来技術に比べて、外部の高音圧レベルエネルギーを遮断することができ、外界に高音圧レベルエネルギーが突然に発生すると、聴力保護の作用を効果的に果たすことができ、よりよく応用ニーズを満たす。
【0020】
1つの好適な形態として、前記ステップS1では、ユーザの鼓膜での80dBA SPLと等価なフィードフォワードマイクロフォンFF MICの音圧エネルギーレベルを前記音圧エネルギー閾値1とする。前記ステップS1では、実験室でテストされたFF MICが飽和しようとする高音圧エネルギーレベルを前記音圧エネルギー閾値2とする。
【0021】
本実施例の前記ステップS2では、FF MIC又はTalk MICによって外部音響エネルギー値を取得する。具体的には、前記ステップS2では、外部音響エネルギー値を取得する過程は、FF MIC又はTalk MICによってリアルタイムに収集された外界の音声信号の変化量をオーディオデータストリームに変換し、Aウェイトデジタルシステムを採用して前記オーディオデータストリームを計算し、現在の外部音響エネルギー値を得ることを含む。
【0022】
以下、1つの具体的な実施例をさらなる解釈説明として提供する。
【0023】
(実施例1)
本実施例では、オーディオ装置がインサートタイプの騒音低減イヤホンであることを例にして、この装置は、FF、FB及びTalk MICの3つのMICを有し、そのうちFF MICは、耳道の外部に位置し、FF MICによって取得されたデータは、外部の高音圧レベルエネルギーのデータである。同様に、Talk MICによって外部の高音圧レベルエネルギーデータを取得してもよい。
【0024】
本実施例では、予め設定され閾値1は、システムがANCをオンにして打ち消すことができる最小エネルギーを表し、一般的には、合理的な時間内に、保護措置を取らなければユーザの聴力に損害を与えると考えられる。この実施例では、ユーザの鼓膜での80dBA SPLと等価なFF MICの音圧エネルギーレベルは、適切な閾値1に属すると考えられる。予め設定され閾値2は、システムがANCをオンにして打ち消すことができる最大エネルギーを表し、実験室でテストされたFF MICが飽和しようとする高音圧レベルエネルギーは、予め設定され閾値2であり、高音圧レベルのエネルギーが閾値2を超える場合、ANCのマイクロホンが飽和するため、ANCは、故障してしまう。スピーカーは、異音を出力し、さらに耳内の音声エネルギーを高める可能性がある。この場合の最適な保護措置は、ANCをオフにし、システムのパッシブな騒音低減のみを用いて高音圧レベルのエネルギーを遮断することである。
【0025】
具体的な保護措置については、本実施例では、システムは、外付けマイクロホンで測定されたエネルギーを閾値1と閾値2とリアルタイムに比較し、且つ結果に応じて対応する措置を取る。即ち、マイクロホンのエネルギーが閾値1よりも大きく且つ閾値2よりも小さい場合、システムは、ANCをオンにすることで高音圧レベルを回避し、マイクロホンのエネルギーが閾値2よりも大きい場合、システムは、ANCをオフすることで、ANCのマイクロホンの飽和による騒音低減遮断の故障を回避する。
【0026】
上記実施例1を基礎として、外部の高音圧レベルの測定方法については、本発明に係るオーディオ装置は、外付けマイクロホンを利用して外界の音声信号の変化をリアルタイムに収集し、且つこの音声信号の変化をオーディオデータストリームに変換することができる。Aウェイトモードを採用してオーディオストリームを計算し、現在の音声のエネルギーを得る。そのうち、Aウェイト(A-Weighted)は、オーディオ測定用の標準的な重み曲線であり、人の耳の応答特性を反映するために用いられ、音圧レベルは、Aウェイトに由来し、dbAで表される。Aウェイトは、騒音と安定したオーディオ信号の測定に広く応用されており、その周波数領域曲線は、
図3に示され、
図3からわかるように、Aウェイトを使用してオーディオ測定を行う時、低周波に対する重みは、中高周波よりも低い。Aウェイトは、実際の音響学に対する人の耳の聴力の周波数応答の記述にとって最も意義があるため、最も広く応用されている。
【0027】
具体的には、Aウェイトデジタルシステムの伝達関数は、
【数1】
であり、ただし、
【数2】
で、
【数3】
であり、
MATLAB(登録商標)ソフトウェアを利用して上記Aウェイトデジタルシステムの伝達関数をデジタルフィルタに変換し、且つフィルタ係数h(n)を取得し、具体的に双線性変換法を利用して前記Aウェイトデジタルシステムの伝達関数をデジタルフィルタに変換し、
図4を参照して、入力されたオーディオデータストリームをx(n)と設定し、Aウェイトデジタルシステムで処理した後、出力は、y(n)であり、y(n)データに対して音圧レベルの計算を行い、さらに現在のオーディオのdbA値を取得し、
そのうち、音圧レベルの計算式は、
【数4】
であり、ただし、
【数5】
である。
【0028】
本発明の前記聴力保護方法については、実際の応用では、仮想スイッチを設定することで制御を実現することができ、例えば、前記聴力保護方法に対応して仮想スイッチが設定され、前記仮想スイッチは、予め設定されたAppに設定され、前記仮想スイッチを起動すると、前記ステップS1~前記ステップS5を実行し、前記仮想スイッチをオフにすると、前記ステップS1~前記ステップS5を実行しない。
【0029】
従来技術に比べて、本発明に開示された聴力保護方法の有益な効果は、以下のとおりである。本発明は、外部の高音圧レベルエネルギーを遮断することができ、外界に高音圧レベルエネルギーが突然に発生すると、聴力保護の作用を効果的に果たすことができ、よりよく応用ニーズを満たす。
【0030】
以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではなく、本発明の技術範囲内で行われた修正、等価置換又は改良などは、すべて本発明の保護する範囲内に含まれるべきである。
【0031】
(付記)
(付記1)
外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法であって、
音圧エネルギー閾値1と、前記音圧エネルギー閾値1よりも大きい音圧エネルギー閾値2とを予め設定するステップS1と、
外部音響エネルギー値を取得するステップS2と、
前記外部音響エネルギー値を前記音圧エネルギー閾値1と前記音圧エネルギー閾値2と比較し、前記外部音響エネルギー値が前記音圧エネルギー閾値1よりも大きく且つ前記音圧エネルギー閾値2よりも小さい場合、ステップS4を実行し、前記外部音響エネルギー値が前記音圧エネルギー閾値2よりも大きい場合、ステップS5を実行するステップS3と、
予め設定されたアクティブな騒音低減機能を起動して高音圧レベルエネルギーを削減するステップS4と、
予め設定されたアクティブな騒音低減機能をオフにし、パッシブな騒音低減方式で高音圧レベルエネルギーを遮断するステップS5とを含む、ことを特徴とする、
外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法。
【0032】
(付記2)
前記ステップS1では、ユーザの鼓膜での80dBA SPLと等価なフィードフォワードマイクロフォンFF MICの音圧エネルギーレベルを前記音圧エネルギー閾値1とする、ことを特徴とする付記1に記載の外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法。
【0033】
(付記3)
前記ステップS1では、実験室でテストされたFF MICが飽和しようとする高音圧エネルギーレベルを前記音圧エネルギー閾値2とする、ことを特徴とする付記1に記載の外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法。
【0034】
(付記4)
前記ステップS2では、FF MIC又はTalk MICによって外部音響エネルギー値を取得する、ことを特徴とする付記1に記載の外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法。
【0035】
(付記5)
前記ステップS2では、外部音響エネルギー値を取得する過程は、FF MIC又はTalk MICによってリアルタイムに収集された外界の音声信号の変化量をオーディオデータストリームに変換し、Aウェイトデジタルシステムを採用して前記オーディオデータストリームを計算し、現在の外部音響エネルギー値を得ることを含み、
Aウェイトデジタルシステムの伝達関数は、
【数6】
であり、ただし、
【数7】
で、
【数8】
であり、
MATLABソフトウェアを利用して上記Aウェイトデジタルシステムの伝達関数をデジタルフィルタに変換し、且つフィルタ係数h(n)を取得し、
入力されたオーディオデータストリームをx(n)と設定し、Aウェイトデジタルシステムで処理した後、出力は、y(n)であり、y(n)データに対して音圧レベルの計算を行い、さらに現在のオーディオのdbA値を取得し、
そのうち、音圧レベルの計算式は、
【数9】
であり、ただし、
【数10】
である、ことを特徴とする付記4に記載の外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法。
【0036】
(付記6)
双線性変換法を利用して前記Aウェイトデジタルシステムの伝達関数をデジタルフィルタに変換する、ことを特徴とする付記5に記載の外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法。
【0037】
(付記7)
前記聴力保護方法に対応して仮想スイッチが設定され、前記仮想スイッチは、予め設定されたAppに設定され、前記仮想スイッチを起動すると、前記ステップS1~前記ステップS5を実行し、前記仮想スイッチをオフにすると、前記ステップS1~前記ステップS5を実行しない、ことを特徴とする付記1に記載の外部の高音圧レベルエネルギーを遮断できる聴力保護方法。
【外国語明細書】