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特開2023-94572表示制御装置、表示制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094572
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20230628BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20230628BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/14 360A
B60R11/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195855
(22)【出願日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】P 2021210005
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】川越 睦
(72)【発明者】
【氏名】北島 修孝
(72)【発明者】
【氏名】大賀 健司
(72)【発明者】
【氏名】中澤 正和
(72)【発明者】
【氏名】池本 尚生
(72)【発明者】
【氏名】遊佐 淳也
(72)【発明者】
【氏名】葛生 一樹
【テーマコード(参考)】
3D020
5B069
5E555
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC02
3D020BC13
3D020BD05
3D020BE03
5B069AA12
5B069KA02
5B069KA03
5E555AA21
5E555BA23
5E555BA24
5E555BB23
5E555BB24
5E555BE10
5E555CA42
5E555CB65
5E555DA01
5E555EA10
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】利用者が表示部に視線を向けたときにメッセージを適切に表示することで、利用者が感じる煩わしさを抑制することができる表示制御装置、表示制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】表示制御装置10aは、メッセージを表示する複数の表示部11のうちの少なくとも1つの表示部11と、メッセージを表示するための第1テーブルを記憶する記憶部16と、車両1に関する情報が発生した際に、第1テーブル及び利用者の視線方向を検出する視線検出部13が検出した検出結果に基づいて、複数の表示部11のうちの利用者の視線方向に存在する表示部11がある場合、表示部11にメッセージを表示するか否かを決定する処理部17とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示部のうちの少なくとも1つの表示部にメッセージを表示させる表示制御装置であって、
前記メッセージを表示するための第1テーブルを記憶する記憶部と、
車両に関する情報が発生した際に、前記第1テーブル及び利用者の視線方向を検出する視線検出部が検出した検出結果に基づいて、前記複数の表示部のうちの前記利用者の視線方向に存在する表示部がある場合、当該表示部に前記メッセージを表示させるか否かを決定する処理部とを備える
表示制御装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記第1テーブルに基づいて前記メッセージを表示すると決定した場合、前記利用者の視線方向の前記表示部に前記メッセージを表示させる
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記第1テーブルに基づいて前記メッセージを表示しないと決定した場合、前記利用者の視線方向の前記表示部に前記メッセージを新たに表示させない
請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記第1テーブルは、複数の分類を有し、
前記複数の分類が選択されている場合、前記処理部は、選択された前記複数の分類のうちの1以上の分類に基づいて、前記メッセージの表示を決定したとき、前記利用者の視線方向の前記表示部に前記メッセージを表示させる
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記第1テーブルは、前記車両に関する情報が示す事柄へ前記利用者が対応するために残された時間である時間的な分類を有する
請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記第1テーブルは、前記車両に関する情報が示す事柄へ対応しなかった場合の人的リスク、物的リスク又は時間的リスクであるリスクに関する分類を有する
請求項4又は5に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記第1テーブルは、前記車両に関する情報が示す事柄における車両の走行状況への適合性である状況への最適化に関する分類を有する
請求項4又は5に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記第1テーブルは、前記車両に関する情報が示す事柄における前記利用者の適合性である個人への最適化に関する分類を有する
請求項4又は5に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記第1テーブルは、前記車両に関する情報が示す事柄に乗員対応の必要性であるアクションに関する分類を有する
請求項4又は5に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記第1テーブルは、元の表示内容と一緒に表示されてもよいか否かを決定する表示位置に関する分類を有する
請求項4又は5に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記第1テーブルは、複数の前記表示部のうちの最も低解像度の表示部、複数の前記表示部のうちの最も小型の表示部に表示すべきか否かを決定する情報表示の密度に関する分類を有する
請求項4又は5に記載の表示制御装置。
【請求項12】
車両の走行状態を取得する取得部を備え、
前記記憶部は、前記車両の走行状態に対応付けられた複数の分類である第2テーブルを記憶し、
前記処理部は、前記第2テーブルに基づいて前記複数の分類のうちから1以上の分類を決定する
請求項4又は5に記載の表示制御装置。
【請求項13】
前記取得部は、さらに道路状況を取得し、
前記記憶部は、前記車両の走行状態と前記道路状況との関係に対応付けられた複数の分類である第3テーブルを記憶し、
前記処理部は、前記第3テーブルに基づいて前記複数の分類のうちから1以上の分類を決定する
請求項12に記載の表示制御装置。
【請求項14】
前記表示制御装置は、前記車両に関する情報が発生した際に、外部装置から前記メッセージを取得し、
前記処理部は、前記表示制御装置が前記外部装置から取得した前記メッセージに対し、前記第1テーブル及び前記視線検出部の検出結果に基づいて、前記複数の表示部のうちの前記利用者の視線方向に存在する表示部がある場合、当該表示部に当該メッセージを表示させるか否かを決定する
請求項1、2、4、5のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項15】
前記処理部は、
前記第1テーブルに基づいた前記メッセージを表示することを示す表示フラグがONと決定した場合、前記表示フラグがONであることを示す情報と前記メッセージとともに、前記利用者の視線方向の前記表示部に出力し、
前記第1テーブルに基づいた前記メッセージを表示しないことを示す表示フラグがOFFと決定した場合、前記表示フラグがOFFであることを示す情報と前記メッセージとともに、前記利用者の視線方向の前記表示部に出力する
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項16】
複数の表示部のうちの少なくとも1つの表示部にメッセージを表示する表示制御方法であって、
車両に関する情報が発生した際に、前記メッセージを表示するための第1テーブル及び利用者の視線方向を検出した検出結果に基づいて、前記複数の表示部のうちの前記利用者の視線方向に存在する表示部がある場合、当該表示部に前記メッセージを表示するか否かを決定する
表示制御方法。
【請求項17】
請求項16に記載の表示制御方法をコンピュータに実行させるための
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示制御装置、表示制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される従来の表示装置には、運転者に対してメッセージを表示するものがある。運転者が表示装置の画面に表示されたメッセージを読もうとして画面を注視すると、運転者がメッセージを読んでいる間、運転者により周囲に注意が払われなくなる恐れがあり危険である。また、運転者が瞬時に読めるような短いメッセージが表示されるようにすると、運転者がそのメッセージの内容を正しく理解できない場合がある。
【0003】
そこで、特許文献1では、運転者にメッセージを通知できるように、利用者の視線方向を検出する視線検出手段と、視線の検出結果に基づいて、複数の表示手段のうち利用者が視線を向けている表示手段を、メッセージを表示させる表示手段として選択する選択手段とを備える表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4687521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の表示装置では、車両に関する情報が発生した際に、車両に関する情報の種類によらず常にメッセージが視線先に表示され、利用者にとって煩わしいという課題がある。
【0006】
そこで、本開示は、利用者が表示部に視線を向けたときにメッセージを適切に表示することで、利用者が感じる煩わしさを抑制することができる表示制御装置、表示制御方法及びプログラム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の一態様に係る表示制御装置は、複数の表示部のうちの少なくとも1つの表示部にメッセージを表示させる表示制御装置であって、前記メッセージを表示するための第1テーブルを記憶する記憶部と、車両に関する情報が発生した際に、前記第1テーブル及び利用者の視線方向を検出する視線検出部が検出した検出結果に基づいて、前記複数の表示部のうちの前記利用者の視線方向に存在する表示部がある場合、当該表示部に前記メッセージを表示させるか否かを決定する処理部とを備える。
【0008】
なお、これらの包括的又は具体的な側面は、システム、装置、方法、記憶媒体、又は、コンピュータプログラムで実現されてもよく、システム、装置、方法、記憶媒体、及び、コンピュータプログラムの任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様に係る表示制御装置等は、利用者が表示部に視線を向けたときにメッセージを適切に表示することで、利用者が感じる煩わしさを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態1に係る表示装置が車両に搭載されている様子を示す図である。
図2図2は、実施の形態1に係る表示制御装置を有する表示装置を示すブロック図である。
図3A図3Aは、第1テーブルの複数の分類と車両に関する情報とを示す図である。
図3B図3Bは、車両に関する情報の種類と表示フラグとの関係を示す図である。
図3C図3Cは、車両に関する情報の種類と表示フラグとの関係を示す図である。
図4図4は、実施の形態1に係る表示装置の処理動作を示すフローチャートである。
図5図5は、第1テーブルの分類として時間的な分類が選択されている場合の車両に関する情報と表示フラグとの関係を示す図である。
図6図6は、車両の走行状態を示す図である。
図7図7は、車両の走行状態と道路状況との関係を示す図である。
図8図8は、実施の形態2に係る表示装置の処理動作を示すフローチャートである。
図9図9は、その他変形例に係る表示制御装置を有する表示装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0012】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0014】
(実施の形態1)
<構成及び機能:表示装置10>
図1は、実施の形態1に係る表示装置10が車両1に搭載されている様子を示す図である。図1では、車両1の車室内を例示している。図2は、実施の形態1に係る表示制御装置10aを有する表示装置10を示すブロック図である。
【0015】
図1及び図2に示すように、表示装置10は、車両1に搭載される。車両1には、複数の表示部11が搭載されている。表示装置10では、利用者が表示部11に表示させた情報に視線を向けている場合、メッセージを適切に表示する。ここで、利用者は、運転者である。
【0016】
具体的には、表示装置10は、表示制御装置10aと、複数の表示部11とを有する。なお、表示部11は1つであってもよい。
【0017】
[表示部11]
複数の表示部11のそれぞれは、車両1に搭載されるセンターディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、メーターディスプレイ及びパッセンジャーディスプレイ等の車載用の表示器である。また、車両1の後退時においては、複数の表示部11は、撮像部12によって撮像された画像を表示することで、バックモニタとして機能することができる。
【0018】
また、複数の表示部11は、車両1に関する情報に対応したメッセージを表示することができる。ここで、車両1に関する情報には、例えば、車両1の安全性に関する情報、カーナビゲーションの案内情報及び危険情報、端末装置に通知されたコミュニケーション及び危険情報、車両1の警告灯に関する情報、サービス及び故障に関する情報、車内の利用者及び物に関する情報、車両1が相互連携するインフラストラクチャー及び他車両(V2X:Vehicle to X)に関する情報が含まれる。
【0019】
車両1の安全性に関する情報には、衝突軽減ブレーキ警告、誤発進抑制制御警告、車間距離警告、車線逸脱警告、後方視界情報、速度超過情報及び急制御(急ハンドル、急ブレーキ、急加速)等が含まれる。
【0020】
また、カーナビゲーションの案内情報には道路案内(右左折の指示、右左折専用レーン、一通など)、渋滞情報及び渋滞回避案内等が含まれる。また、カーナビゲーションの危険情報には、事故多発及び急カーブ情報等が含まれる。
【0021】
また、端末装置に通知されたコミュニケーションには、電話の着信、SNSの通知(メールなど)及び各アプリケーションの通知(お知らせ情報)等が含まれる。端末装置に通知された危険情報には、災害通知(地震、大雨等)等が含まれる。
【0022】
また、車両1の警告灯に関する情報には、ブレーキ警告灯、油圧警告灯、バッテリー警告灯、エンジン警告、水温警告、タイヤ空気圧(適正範囲を超えている)、シートベルト忘れ、車両ドアの閉め忘れ、セキュリティ警告(盗難防止)及び燃料の残量(閾値より少ない残量)等が含まれる。
【0023】
また、車両1のサービスに関する情報には、エンジンオイル交換時期及び車検時期等が含まれる。
【0024】
また、車両1の故障に関する情報には、センサ故障及び対応方法(サービスセンタへ行くよう指示)等が含まれる。
【0025】
また、車内の利用者に関する情報には、同乗者の状態等が含まれる。
【0026】
また、車内の物に関する情報には、スマホを落とした場所の情報及び荷物の状態等が含まれる。
【0027】
また、車両1が相互連携するインフラストラクチャー(V2X)に関する情報には、信号及び交差点情報等が含まれる。
【0028】
また、車両1が相互連携する他車両(V2X)に関する情報には、危険な運転、緊急車両の接近及びバスの走行情報等が含まれる。
【0029】
また、車両1の相互連携(V2X)に関する情報の他には、オービス情報及び周辺車両の検知情報等が含まれる。
【0030】
なお、表示部11が表示する情報は、上述に限定されない。つまり、表示部11のそれぞれは、例えば、周辺情報、ナビゲーション情報、楽曲情報、マルチメディア情報、災害情報、計測器情報及び交通情報等を表示することができる。
【0031】
[表示制御装置10a]
表示制御装置10aは、車両に搭載された表示装置10の複数の表示部11に表示させるメッセージ、画像等を制御することができる。表示制御装置10aは、撮像部12と、センサ14と、通信部15と、記憶部16と、処理部17とを備える。なお、本実施の形態では、表示制御装置10aが撮像部12を備えている場合を例示しているが、表示制御装置10aは撮像部12を備えていなくてもよい。つまり、撮像部12と表示制御装置10aとは別体であってもよい。
【0032】
[撮像部12]
撮像部12は、例えば車両1に搭載された車載カメラであり、利用者を撮影することができる。また、撮像部12は、車両1の周囲及び車室内を撮像することができる。撮像部12は、利用者を撮像し、撮像した画像を解析し、解析結果を処理部17に出力する。
【0033】
具体的には、撮像部12は、視線検出部13を有している。
【0034】
視線検出部13は、撮像部12が撮像した画像を解析することで、利用者の視線方向を検出する。具体的には、視線検出部13は、撮像部12によって撮像された利用者の画像から、利用者の眼球を抽出し、抽出した眼球の動き等から利用者の視線を特定する。また、視線検出部13は、利用者の視線を特定することで、検出した結果である視線情報を処理部17に出力する。ここで、視線情報とは、利用者の視線を示す情報である。
【0035】
[センサ14]
センサ14は、車両1に搭載された車載センサである。センサ14は、車両1の安全性に関する情報、車両1の警告灯に関する情報、サービス及び故障に関する情報、車内の利用者及び物に関する情報等を取得して処理部17に出力することができてもよい。なお、センサ14は、表示制御装置10aの構成要素に含まれていなくてもよい。
【0036】
[通信部15]
通信部15は、車両1に搭載された通信インタフェースであり、車両1と外部端末との通信を可能にする。また、通信部15は、カーナビゲーションの案内情報及び危険情報、端末装置に通知されたコミュニケーション及び危険情報、車両1が相互連携するインフラストラクチャー及び他車両(V2X)に関する情報を取得して処理部17に出力することができてもよい。なお、通信部15は、表示制御装置10aの構成要素に含まれていなくてもよい。
【0037】
[記憶部16]
記憶部16は、メッセージを表示するための第1テーブルを記憶している。また、記憶部16は、例えば、直進走行中、右左折走行中、慣れた道路を走行中又は不慣れな道路を走行中等のように、車両1の状況に応じた複数の第1テーブルを記憶していてもよい。
【0038】
第1テーブルは、複数の分類を有している。
【0039】
図3Aは、第1テーブルの複数の分類と車両1に関する情報とを示す図である。
【0040】
図3Aに示すように、複数の分類のそれぞれは、車両1の安全性に関する情報、カーナビゲーションの案内情報及び危険情報、端末装置に通知されたコミュニケーション及び危険情報、車両1の警告灯に関する情報、サービス及び故障に関する情報、車内の利用者及び物に関する情報、車両1が相互連携するインフラストラクチャー及び他車両(V2X)に関する情報に対応している。つまり、第1テーブルは、複数の分類と車両1に関する情報との関係を示す表である。
【0041】
第1テーブルは、車両1に関する情報が示す事柄へ利用者が対応するために残された時間である時間的な分類を有している。例えば、時間的な分類は、車両1の安全性に関する情報、カーナビゲーションの危険情報、端末装置に通知された危険情報、車両1の警告灯に関する情報、車両1のサービスに関する情報、車両1の故障に関する情報を分類している。つまり、時間的な分類では、高い緊急性を要する情報に対してメッセージを表示する設定が行われている。
【0042】
また、第1テーブルは、車両1に関する情報が示す事柄へ対応しなかった場合の人的リスク、物的リスク又は時間的リスクであるリスクに関する分類を有している。例えば、リスクに関する分類では、車両1の安全性に関する情報、カーナビゲーションの危険情報、車両1の警告灯に関する情報を分類している。つまり、リスクに関する分類では、人的リスク、物的リスク又は時間的リスクが大きいものに対してメッセージを表示する設定が行われている。
【0043】
また、第1テーブルは、車両1に関する情報が示す事柄における車両1の走行状況への適合性である状況への最適化に関する分類を有している。例えば、状況への最適化に関する分類では、車両1の安全性に関する情報、カーナビゲーションの案内情報、カーナビゲーションの危険情報、車両1が相互連携するインフラストラクチャー及び他車両(V2X:Vehicle to X)に関する情報に関わるものを分類している。つまり、状況への最適化に関する分類では、車両1の走行に関わるもので危険を伴うものに対してメッセージを表示する設定が行われている。
【0044】
また、第1テーブルは、車両1に関する情報が示す事柄における利用者の適合性である個人への最適化に関する分類を有している。例えば、個人への最適化に関する分類では、車両1の安全性に関する情報、カーナビゲーションの案内情報、カーナビゲーションの危険情報、車両1のサービスに関する情報、車内の利用者及び物に関する情報、車両1が相互連携するインフラストラクチャー(V2X)に関する情報に関わるものを分類している。個人への最適化に関する分類では、持ち物の忘れ物、車両1のメンテナンスサービスに対してメッセージを表示する設定が行われている。他には、個人への最適化に関する分類は、運転の上手さ、慣れた道又は不慣れな道を走行、利用者の体格等に応じてメッセージを表示してもよい。
【0045】
また、第1テーブルは、車両1に関する情報が示す事柄に乗員対応の必要性であるアクションに関する分類を有する。例えば、アクションに関する分類では、車両1の安全性に関する情報、カーナビゲーションの案内情報、カーナビゲーションの危険情報、車両1の警告灯に関する情報、車両1のサービスに関する情報に関わるものを分類している。つまり、アクションに関する分類では、利用者が何らかの対応をしないと被害を被る場合に対してメッセージを表示する設定が行われている。
【0046】
また、第1テーブルは、元の表示内容と一緒に表示されてもよいか否かを決定する表示位置に関する分類を有している。例えば、表示位置に関する分類では、車両1の安全性に関する情報に関わるものを分類している。つまり、表示位置に関する分類では、車両1の周囲に存在する人又は人以外の動物等を抽出して表示部11に強調表示させる必要のあるものに対してメッセージを表示する設定が行われている。
【0047】
また、第1テーブルは、複数の表示部11のうちの最も低解像度の表示部11、複数の表示部11のうちの最も小型の表示部11に表示すべきか否かを決定する情報表示の密度に関する分類を有している。例えば、情報表示の密度に関する分類では、車両1の安全性に関する情報に関わるものを分類している。つまり、情報表示の密度に関する分類では、低解像度及び画面サイズが小さい場合では多くの情報を表示することができないため、車両1の安全性に関わるものに対してメッセージを表示する設定が行われている。
【0048】
また、記憶部16は、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の一次記憶装置を含む。また、記憶部16は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の二次記憶装置、光ディスク及びSDカード等の三次記憶装置を含んでいてもよい。
【0049】
[処理部17]
図2に示すように、処理部17は、視線情報に示される利用者の視線が複数の表示部11のうちのいずれかの表示部11に重なっているか否か判定する。つまり、処理部17は、複数の表示部11のうちの、利用者の視線方向に存在する表示部11を特定する。
【0050】
具体的には、処理部17は、複数の表示部11のそれぞれの車室内における配置位置、大きさ、形状等を示す情報を記憶部16から読み出すことで、利用者の注視点が複数の表示部11のうちのいずれの表示部11に存在しているか否かを判定する。つまり、処理部17は、車室内における表示部11の配置位置、表示部11の大きさ、表示部11の形状等を示す情報と、利用者の視線又は利用者の注視点の位置を示す位置座標とを照合する。これにより、処理部17は、利用者の視線が、複数の表示部11のうちのいずれの表示部11に重なっているか否かを判定できる。
【0051】
ここで、注視点とは、利用者が注視している点であり、利用者からの視線方向にある視線の対象となる特定の点である。なお、注視点は、視線検出部13が利用者の視線に基づいて特定できる。
【0052】
処理部17は、車両1に関する情報が発生した際に、第1テーブル及び視線検出部13の検出結果に基づいて、複数の表示部11のうちの利用者の視線方向に存在する表示部11がある場合、表示部11にメッセージを表示するか否かを決定する。ここで、利用者の視線方向に存在する表示部11とは、利用者の視線先に存在する表示部11だけでなく、その周辺に存在する別の表示部11も含む。
【0053】
例えば、処理部17は、第1テーブルに基づいてメッセージを表示すると決定した場合、利用者の視線方向の表示部11にメッセージを表示させる。
【0054】
ここで、第1テーブルの一例を図3Bに示す。図3Bは、車両1に関する情報の種類と表示フラグとの関係を示す図である。
【0055】
例えば、処理部17は、図3Bに示すように、車両1に関する情報の種類と表示フラグとの関係を示した第1テーブルを用いる場合、車線逸脱警告、速度超過警告、バッテリー警告については、表示フラグがONであるため、メッセージを生成し、生成したメッセージを利用者の視線方向の表示部11に表示させる。つまり、表示部11には、元々表示されている情報に加えて、メッセージが表示される。
【0056】
一方、処理部17は、第1テーブルに基づいてメッセージを表示しないと決定した場合、利用者の視線方向の表示部11にメッセージを新たに表示させない。例えば、処理部17は、情報の種類と表示フラグとの関係を示した第1テーブルを用いる場合、交通渋滞情報、電話の着信及びSNSの通知については、表示フラグがOFFであるため、利用者の視線方向の表示部11にメッセージを新たに表示させない。つまり、表示部11には、元々表示されている情報だけが表示される。
【0057】
また、メッセージを表示しないと決定した場合、処理部17は、利用者の視線方向の表示部11以外の別の表示部11にメッセージを表示させてもよい。例えば、電話着信があった場合では、別の表示部11に電話着信があったことをメッセージとして表示させてもよい。
【0058】
なお、図3Bでは、表示フラグがONとOFFだけを示しているが、図3Cのように例えば数値で表示してもよい。図3Cは、車両1に関する情報の種類と表示フラグとの関係を示す図である。この場合、例えば、車両1に関する情報を5段階で設定した場合、処理部17は、閾値として3段階以上の情報に表示フラグをONにして、表示部11にメッセージを表示させてもよい。なお、上限の数値及び閾値は、適宜変更することができてもよい。
【0059】
また、処理部17は、状況に応じて直進走行中、右左折走行中、慣れた道路を走行中又は不慣れな道路を走行中等のように、走行する車両1の状況に応じた複数の第1テーブルを使い分けてもよい。
【0060】
また、複数の分類が選択されている場合、処理部17は、選択された複数の分類のうちの1以上の分類に基づいて、メッセージの表示を決定したとき、利用者の視線方向の表示部11にメッセージを表示させる。分類の選択は、ユーザによって自由に行われる。
【0061】
例えば、複数の分類が選択されている場合、処理部17は、選択された複数の分類の全てで表示フラグがONと設定されているときに、表示部11にメッセージを表示させてもよい。また、複数の分類が選択されている場合、処理部17は、選択された複数の分類のうちのいずれか1つの分類で表示フラグがONと設定されているだけで、表示部11にメッセージを表示させてもよい。
【0062】
具体例を挙げると、複数の分類として時間的な分類及び個人への最適化に関する分類が選択されている場合、車両1に関する情報の事故多発では、運転に不慣れな利用者には表示フラグをONにしてメッセージを表示させ、運転に慣れた利用者には表示フラグをOFFにしてメッセージを表示させないようにする。
【0063】
このように、車両1に関する情報を分類し、第1テーブルに基づいて適切なメッセージのみを利用者の視線方向の表示部11に表示することができる。また、緊急性の高い車両1に関する情報に対しては、メッセージを表示することで車両1の安全性を確保する。また、緊急性の低い車両1に関する情報に対しては、メッセージを表示させない。これにより、利用者がメッセージの確認をするといった煩わしさを解消することができる。
【0064】
<処理動作>
次に、本実施の形態における表示制御装置10a、表示制御方法及びプログラムの処理動作について説明する。
【0065】
[動作例]
図4は、実施の形態1に係る表示装置10の処理動作を示すフローチャートである。
【0066】
まず、図4に示すように、撮像部12は、利用者を撮像する(S11)。
【0067】
次に、視線検出部13は、撮像部12が撮像した画像を解析することで、利用者の視線方向を検出する(S12)。視線検出部13は、利用者の視線を特定することで、検出した結果である視線情報を処理部17に出力する。ここで、視線情報とは、利用者の視線を示す情報である。
【0068】
次に、処理部17は、視線情報に示される利用者の視線方向に存在している表示部11を特定する。
【0069】
次に、処理部17は、視線情報に示される利用者の視線に基づいて、複数の表示部11のうちの、利用者の視線方向に存在する表示部11を特定する(S13)。この処理は、繰り返し行われる。
【0070】
次に、処理部17は、車両1に関する情報を取得したか否かを判定する(S14)。
【0071】
車両1に関する情報を取得していないことを処理部17が判定した場合(S14でNO)、処理部17は、視線情報に示される利用者の視線方向の表示部11にメッセージを新たに表示させない(S17)。
【0072】
例えば、図5に示すように、第1テーブルの分類として時間的な分類が選択されている場合、時間的な余裕のあるものについては、表示フラグがOFFとなる。図5は、第1テーブルの分類として時間的な分類が選択されている場合の車両1に関する情報と表示フラグとの関係を示す図である。つまり、交通渋滞情報、電話の着信及びSNSの通知については、緊急性を要しないため、表示フラグをOFFにする。つまり、表示装置10は、車両1に関する情報を取得していなければメッセージを表示させず、利用者に煩わしさを感じさせないようにする。このため、利用者の視線方向の表示部11には、元々表示されている車両1に関する情報が表示されたままの状態となる。そして、表示装置10は、図4のフローチャートを終了する。
【0073】
一方、車両1に関する情報を取得していることを処理部17が判定した場合(S14でYES)、処理部17は、第1テーブルに基づいて、表示フラグがONであるか否かを判定する(S15)。
【0074】
第1テーブルに基づいて、表示フラグがOFFであることを処理部17が判定した場合(S15でNO)、処理部17は、視線情報に示される利用者の視線方向の表示部11にメッセージを新たに表示させない(S17)。
【0075】
例えば、図5に示すように、第1テーブルの分類として時間的な分類が選択されている場合、時間的な余裕のあるものについては、表示フラグがOFFとなる。つまり、交通渋滞情報、電話の着信及びSNSの通知については、緊急性を要しないため、表示フラグをOFFにする。
【0076】
そして、表示装置10は、図4のフローチャートを終了する。
【0077】
一方、第1テーブルに基づいて、表示フラグがONであることを処理部17が判定した場合(S15でYES)、処理部17は、メッセージを生成し、視線情報に示される利用者の視線方向の表示部11に生成したメッセージを表示させる(S16)。
【0078】
例えば、図5に示すように、第1テーブルの分類として時間的な分類が選択されている場合、時間的な余裕のないものについては、表示フラグがONとなる。つまり、車線逸脱警告、速度超過警告及びバッテリー警告については、緊急性を要するため、表示フラグをONにする。
【0079】
特に、表示部11に表示させるメッセージには、緊急性の高いメッセージが表示される。例えば、冷却水の温度が通常よりも大幅に高くなっている場合、タイヤの空気圧が適正範囲を超えている場合、燃料の残量が少なくなっている場合、所定の故障予知装置が故障の可能性を検出している場合、車両1が走行している道路の路面が凍結している場合、車両1の速度が速すぎる場合、所定の道路において渋滞が発生した場合等では、これらのメッセージが表示部11に表示される。
【0080】
そして、表示装置10は、図4のフローチャートを終了する。
【0081】
<作用効果>
次に、本実施の形態における表示制御装置10a、表示制御方法及びプログラムの作用効果について説明する。
【0082】
上述したように、本実施の形態に係る表示制御装置10aは、複数の表示部11のうちの少なくとも1つの表示部11にメッセージを表示させる表示制御装置10aであって、メッセージを表示するための第1テーブルを記憶する記憶部16と、車両1に関する情報が発生した際に、第1テーブル及び利用者の視線方向を検出する視線検出部13が検出した検出結果に基づいて、複数の表示部11のうちの利用者の視線方向に存在する表示部11がある場合、表示部11にメッセージを表示するか否かを決定する処理部17とを備える。
【0083】
これによれば、車両1に関する情報が発生した際に、緊急性が低い場合等は利用者の視線方向に存在する表示部11にメッセージを新たに表示させないようにすることができる。また、緊急性が高い場合等はメッセージを表示させるようにすることもできる。
【0084】
したがって、表示制御装置10aは、利用者が表示部11に視線を向けたときにメッセージを適切に表示することで、利用者が感じる煩わしさを抑制することができる。
【0085】
また、本実施の形態に係る表示制御方法は、複数の表示部11のうちの少なくとも1つの表示部11にメッセージを表示する表示制御方法であって、車両1に関する情報が発生した際に、メッセージを表示するための第1テーブル及び利用者の視線方向を検出した検出結果に基づいて、複数の表示部11のうちの利用者の視線方向に存在する表示部11がある場合、表示部11にメッセージを表示するか否かを決定する。
【0086】
この表示制御方法においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0087】
また、本実施の形態に係るプログラムは、表示制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0088】
このプログラムにおいても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0089】
また、本実施の形態に係る表示制御装置10aにおいて、処理部17は、第1テーブルに基づいてメッセージを表示すると決定した場合、利用者の視線方向の表示部11にメッセージを表示させる。
【0090】
これによれば、緊急性が高い場合等はメッセージを表示させることで、利用者は、視線方向の表示部11に表示されたメッセージを認識することができるようになる。このため、利用者はメッセージに応じた対応をとることができるため、走行する車両1の安全性を高めることができる。
【0091】
また、本実施の形態に係る表示制御装置10aにおいて、処理部17は、第1テーブルに基づいてメッセージを表示しないと決定した場合、利用者の視線方向の表示部11にメッセージを新たに表示させない。
【0092】
これによれば、緊急性が低い場合等はメッセージを新たに表示させないようにすることで、利用者は、視線方向の表示部11に元々表示されている情報だけを認識することができる。このため、利用者が感じる煩わしさを抑制することができる。
【0093】
また、本実施の形態に係る表示制御装置10aにおいて、第1テーブルは、複数の分類を有する。そして、複数の分類が選択されている場合、処理部17は、選択された複数の分類のうちの1以上の分類に基づいて、メッセージの表示を決定したとき、利用者の視線方向の表示部11にメッセージを表示させる。
【0094】
これによれば、1以上の分類を選択したり、2以上の分類を組み合わせたりすることで、表示部11にメッセージを表示するか否かを決定し、緊急性が高い場合等はメッセージを表示させることができる。言い換えれば、緊急性が低い場合等はメッセージを新たに表示させないようにすることができる。このため、表示制御装置10aは、利用者が表示部11に視線を向けたときに、メッセージをより適切に表示することができるようになり、利用者が感じる煩わしさをより抑制することができる。
【0095】
また、本実施の形態に係る表示制御装置10aにおいて、第1テーブルは、車両1に関する情報が示す事柄へ利用者が対応するために残された時間である時間的な分類を有する。
【0096】
これによれば、車両1に関する情報において緊急性の高い情報に、表示部11にメッセージを表示させるように予め決定しておくことができる。このため、利用者が表示部11に視線を向けたときにメッセージをより適切に表示することができる。
【0097】
また、本実施の形態に係る表示制御装置10aにおいて、第1テーブルは、車両1に関する情報が示す事柄へ対応しなかった場合の人的リスク、物的リスク又は時間的リスクであるリスクに関する分類を有する。
【0098】
これによれば、車両1に関する情報において人的リスク、物的リスク又は時間的リスクのある情報に、表示部11にメッセージを表示させるように予め決定しておくことができる。このため、利用者が表示部11に視線を向けたときにメッセージをより適切に表示することができる。
【0099】
また、本実施の形態に係る表示制御装置10aにおいて、第1テーブルは、車両1に関する情報が示す事柄における車両1の走行状況への適合性である状況への最適化に関する分類を有する。
【0100】
これによれば、車両1に関する情報において車両1の走行状況への適合性のある情報に、表示部11にメッセージを表示させるように予め決定しておくことができる。このため、利用者が表示部11に視線を向けたときにメッセージをより適切に表示することができる。
【0101】
また、本実施の形態に係る表示制御装置10aにおいて、第1テーブルは、車両1に関する情報が示す事柄における利用者の適合性である個人への最適化に関する分類を有する。
【0102】
これによれば、車両1に関する情報において利用者の適合性のある情報に、表示部11にメッセージを表示させるように予め決定しておくことができる。このため、利用者が表示部11に視線を向けたときにメッセージをより適切に表示することができる。
【0103】
また、本実施の形態に係る表示制御装置10aにおいて、第1テーブルは、車両1に関する情報が示す事柄に乗員対応の必要性であるアクションに関する分類を有する。
【0104】
これによれば、車両1に関する情報において乗員対応の必要性のある情報に、表示部11にメッセージを表示させるように予め決定しておくことができる。このため、利用者が表示部11に視線を向けたときにメッセージをより適切に表示することができる。
【0105】
また、本実施の形態に係る表示制御装置10aにおいて、第1テーブルは、元の表示内容と一緒に表示されてもよいか否かを決定する表示位置に関する分類を有する。
【0106】
これによれば、車両1に関する情報において元の表示内容と一緒に表示されてもよいか否かを決定する情報に、表示部11にメッセージを表示させるように予め決定しておくことができる。このため、利用者が表示部11に視線を向けたときにメッセージをより適切に表示することができる。
【0107】
また、本実施の形態に係る表示制御装置10aにおいて、第1テーブルは、複数の表示部11のうちの最も低解像度の表示部11、複数の表示部11のうちの最も小型の表示部11に表示すべきか否かを決定する情報表示の密度に関する分類を有する。
【0108】
これによれば、車両1に関する情報において低解像度の表示部11及び小型の表示部11に表示すべきか否かを決定する情報に、表示部11にメッセージを表示させるように予め決定しておくことができる。このため、利用者が表示部11に視線を向けたときにメッセージをより適切に表示することができる。
【0109】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る表示制御装置10a、表示制御方法及びプログラムについて説明する。
【0110】
本実施の形態の表示制御装置10a、表示制御方法及びプログラムでは、車両1の走行状態に基づいて分類が選択されてもよい点、車両1の走行状態及び道路状況に基づいて分類が選択されてもよい点で実施の形態1と相違する。本実施の形態の表示制御装置10a、表示制御方法及びプログラムの構成及び機能は、実施の形態1の表示制御装置10a、表示制御方法及びプログラムの構成及び機能と同一の構成及び機能については同一の符号を付して構成及び機能に関する詳細な説明を省略する。
【0111】
<構成及び機能>
まずは、車両1の走行状態に基づいて分類が選択されている場合について説明する。
【0112】
本実施の形態では、センサ14は、車両1の周囲を検知することで車両1の走行状態を取得することができる。例えば、車両1の走行状態は、走行中(直進)、右左折中(カーブ走行・交差点)、停車中及び駐車中である。センサ14は、取得した車両1の走行状態を処理部17に出力する。センサ14は、取得部の一例である。
【0113】
記憶部16は、図6で示すように、車両1の走行状態に対応付けられた複数の分類である第2テーブルを記憶している。図6は、車両1の走行状態を示す図である。
【0114】
処理部17は、第2テーブルに基づいて複数の分類のうちから1以上の分類を決定してもよい。
【0115】
本実施の形態では、車両1の走行状態に応じて分類が自動的に選択されてもよい。
【0116】
具体的には、分類の選択は、図6に示すように、車両1の走行状態に応じて決定されてもよい。図6では、車両1の走行状態は、走行中(直進)A、右左折中(カーブ走行・交差点)B、停車中C及び駐車中Dのように分類されている。また、A~Dにはどの分類を選択するかを予め決定しておいてもよい。
【0117】
複数の分類が選択されている場合、処理部17は、選択された複数の分類の全てで表示フラグがONと設定されているときに、表示部11にメッセージを表示させてもよい。また、複数の分類が選択されている場合、処理部17は、選択された複数の分類のうちのいずれか1つの分類で表示フラグがONと設定されているだけで、表示部11にメッセージを表示させてもよい。
【0118】
次に、車両1の走行状態及び道路状況に基づいて分類が選択されている場合について説明する。
【0119】
本実施の形態では、通信部15は、車両1に搭載されるカーナビゲーション、ネットワーク等から道路状況を取得することができてもよい。例えば、道路状況は、例えば一般道(片道一車線)、一般道(複数車線)、高速道(片道一車線)、高速道(複数車線)である。通信部15は、取得した道路状況を処理部17に出力する。通信部15は、取得部の一例である。
【0120】
記憶部16は、図7で示すように、車両1の走行状態と道路状況との関係に対応付けられた複数の分類である第3テーブルを記憶していてもよい。図7は、車両1の走行状態と道路状況との関係を示す図である。
【0121】
処理部17は、第3テーブルに基づいて複数の分類のうちから1以上の分類を決定してもよい。
【0122】
また、本実施の形態では、車両1の走行状態及び道路状況に応じて分類が自動的に選択されてもよい。
【0123】
具体的には、分類の選択は、図7に示すように、車両1の走行状態及び道路状況に応じて決定されてもよい。ここで、道路状況は、例えば一般道(片道一車線)、一般道(複数車線)、高速道(片道一車線)、高速道(複数車線)のように分類されている。車両1の走行状態と道路状況との関係を示す16通りの表は、予め作成しておく。なお、車両1の走行状態及び道路状況の設定によっては、16通り以上となったり、16通り未満となったりすることがある。
【0124】
この場合も、複数の分類が選択されている場合、処理部17は、選択された複数の分類の全てで表示フラグがONと設定されているときに、表示部11にメッセージを表示させてもよい。また、複数の分類が選択されている場合、処理部17は、選択された複数の分類のうちのいずれか1つの分類で表示フラグがONと設定されているだけで、表示部11にメッセージを表示させてもよい。
【0125】
<処理動作>
次に、本実施の形態における表示制御装置10a、表示制御方法及びプログラムの処理動作について説明する。
【0126】
[動作例]
図8は、実施の形態2に係る表示装置10の処理動作を示すフローチャートである。図4と同一の動作例については、適宜説明を省略する。図8では、車両1の走行状態及び道路状況に基づいて分類が選択されている場合について説明する。
【0127】
まず、図8に示すように、ステップS11からS14を経由し、車両1に関する情報を取得していることを処理部17が判定した場合(S14でYES)、処理部17は、車両1の走行状態及び道路状況をセンサ14及び/又は通信部15から取得する(S14a)。
【0128】
次に、処理部17は、車両1の走行状態及び道路状況に基づいて、複数の分類のうちの1以上の分類を選択する(S14b)。例えば、処理部17は、図7の第3テーブルに示される車両1の走行状態と道路状況との関係から複数の分類のうちの1以上の分類を選択する。
【0129】
次に、処理部17は、ステップS14bで選択された1以上の分類と車両1に関する情報との関係を示す第1テーブルに基づいて、表示フラグがONであるか否かを判定する(S15)。
【0130】
そして、ステップS15からS16、又は、ステップS15からS17を経由し、表示装置10は、図8のフローチャートを終了する。
【0131】
なお、車両1の走行状態に基づいて分類が選択されている場合、図8のステップS14aでは、処理部17は、車両1の走行状態をセンサ14から取得してもよい。また、図8のステップS14bでは、処理部17は、第2テーブルを用いて、車両1の走行状態に基づいて、複数の分類のうちの1以上の分類を選択してもよい。
【0132】
<作用効果>
次に、本実施の形態における表示制御装置10a、表示制御方法及びプログラムの作用効果について説明する。
【0133】
上述したように、本実施の形態に係る表示制御装置10aは、車両1の走行状態を取得する取得部(センサ14)を備える。また、記憶部16は、車両1の走行状態に対応付けられた複数の分類である第2テーブルを記憶する。そして、処理部17は、第2テーブルに基づいて複数の分類のうちから1以上の分類を決定する。
【0134】
これによれば、第2テーブルに基づいて車両1の走行状態に応じた1以上の分類を決定することができる。このため、利用者が分類を選択しなくてもよくなり、車両1における利用者の利便性が向上する。
【0135】
また、本実施の形態に係る表示制御装置10aにおいて、取得部(センサ14及び通信部15)は、さらに道路状況を取得する。また、記憶部16は、車両1の走行状態と道路状況との関係に対応付けられた複数の分類である第3テーブルを記憶する。そして、処理部17は、第3テーブルに基づいて複数の分類のうちから1以上の分類を決定する。
【0136】
これによれば、第3テーブルに基づいて車両1の走行状態及び道路状況に適した1以上の分類を決定することができる。つまり、処理部17は、より最適な1以上の分類を決定することができる。また、利用者が分類を選択しなくてもよくなり、車両1における利用者の利便性が向上する。
【0137】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る表示制御装置、表示制御方法及びプログラムについて、上記実施の形態1、2に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態1、2に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態1、2に施したものも、本開示の範囲に含まれてもよい。
【0138】
例えば、上記実施の形態1、2に係る表示制御装置10a、表示制御方法及びプログラムにおいて、図9を用いて説明する。図9は、その他変形例に係る表示制御装置を有する表示装置を示すブロック図である。例えば、表示制御装置10aの通信部15は、車両1に関する情報が発生した際に、外部装置6からメッセージを取得してもよい。処理部17は、通信部15が外部装置6から取得したメッセージに対し、第1テーブル及び視線検出部13の検出結果に基づいて、複数の表示部11のうちの利用者の視線方向に存在する表示部11がある場合、表示部11に当該メッセージを表示させるか否かを決定してもよい。この場合においても、車両1に関する情報が発生した際に、緊急性が低い場合等は利用者の視線方向に存在する表示部11にメッセージを新たに表示させないようにすることができる。また、緊急性が高い場合等はメッセージを表示させるようにすることもできる。
【0139】
また、上記実施の形態1、2に係る表示制御装置10a、表示制御方法及びプログラムにおいて、処理部は、表示フラグがONの場合であってもOFFの場合であっても、第1テーブルに基づいてメッセージを生成してもよい。処理部は、第1テーブルに基づいたメッセージを表示することを示す表示フラグがONと決定した場合、表示フラグがONであることを示す情報をメッセージに付加して関連付け、表示フラグがONであることを示す情報とメッセージとを、利用者の視線先の表示部に出力してもよい。また、処理部17は、第1テーブルに基づいたメッセージを表示しないことを示す表示フラグがOFFと決定した場合、表示フラグがOFFであることを示す情報をメッセージに付加して関連付け、表示フラグがOFFであることを示す情報とメッセージとを、利用者の視線先の表示部に出力してもよい。この場合、表示部は、表示フラグがONであることを示す情報とメッセージとを取得すると、表示フラグがONであることを示す情報に基づいてメッセージを表示するかどうかを判断することができる。また、表示部は、表示フラグがOFFであることを示す情報とメッセージとを取得すると、表示フラグがOFFであることを示す情報に基づいてメッセージを表示しないかどうかを判断することができる。
【0140】
また、上記実施の形態1、2に係る表示制御装置に含まれる構成の処理部、視線検出部等は典型的に集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0141】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0142】
なお、上記実施の形態1、2において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0143】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態1、2は例示された数字に制限されない。
【0144】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0145】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0146】
なお、上記の実施の形態1、2に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態1、2における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【0147】
以下に、上記実施の形態に基づいて説明した表示制御装置、表示制御方法及びプログラムの特徴を示す。
【0148】
<技術1>
複数の表示部のうちの少なくとも1つの表示部にメッセージを表示させる表示制御装置であって、
前記メッセージを表示するための第1テーブルを記憶する記憶部と、
車両に関する情報が発生した際に、前記第1テーブル及び利用者の視線方向を検出する視線検出部が検出した検出結果に基づいて、前記複数の表示部のうちの前記利用者の視線方向に存在する表示部がある場合、当該表示部に前記メッセージを表示させるか否かを決定する処理部とを備える
表示制御装置。
【0149】
<技術2>
前記処理部は、前記第1テーブルに基づいて前記メッセージを表示すると決定した場合、前記利用者の視線方向の前記表示部に前記メッセージを表示させる
技術1に記載の表示制御装置。
【0150】
<技術3>
前記処理部は、前記第1テーブルに基づいて前記メッセージを表示しないと決定した場合、前記利用者の視線方向の前記表示部に前記メッセージを新たに表示させない
技術1又は2に記載の表示制御装置。
【0151】
<技術4>
前記第1テーブルは、複数の分類を有し、
前記複数の分類が選択されている場合、前記処理部は、選択された前記複数の分類のうちの1以上の分類に基づいて、前記メッセージの表示を決定したとき、前記利用者の視線方向の前記表示部に前記メッセージを表示させる
技術1に記載の表示制御装置。
【0152】
<技術5>
前記第1テーブルは、前記車両に関する情報が示す事柄へ前記利用者が対応するために残された時間である時間的な分類を有する
技術4に記載の表示制御装置。
【0153】
<技術6>
前記第1テーブルは、前記車両に関する情報が示す事柄へ対応しなかった場合の人的リスク、物的リスク又は時間的リスクであるリスクに関する分類を有する
技術4又は5に記載の表示制御装置。
【0154】
<技術7>
前記第1テーブルは、前記車両に関する情報が示す事柄における車両の走行状況への適合性である状況への最適化に関する分類を有する
技術4~6のいずれか1つに記載の表示制御装置。
【0155】
<技術8>
前記第1テーブルは、前記車両に関する情報が示す事柄における前記利用者の適合性である個人への最適化に関する分類を有する
技術4~7のいずれか1つに記載の表示制御装置。
【0156】
<技術9>
前記第1テーブルは、前記車両に関する情報が示す事柄に乗員対応の必要性であるアクションに関する分類を有する
技術4~8のいずれか1つに記載の表示制御装置。
【0157】
<技術10>
前記第1テーブルは、元の表示内容と一緒に表示されてもよいか否かを決定する表示位置に関する分類を有する
技術4~9のいずれか1つに記載の表示制御装置。
【0158】
<技術11>
前記第1テーブルは、複数の前記表示部のうちの最も低解像度の表示部、複数の前記表示部のうちの最も小型の表示部に表示すべきか否かを決定する情報表示の密度に関する分類を有する
技術4~10のいずれか1つに記載の表示制御装置。
【0159】
<技術12>
車両の走行状態を取得する取得部を備え、
前記記憶部は、前記車両の走行状態に対応付けられた複数の分類である第2テーブルを記憶し、
前記処理部は、前記第2テーブルに基づいて前記複数の分類のうちから1以上の分類を決定する
技術4~11のいずれか1つに記載の表示制御装置。
【0160】
<技術13>
前記取得部は、さらに道路状況を取得し、
前記記憶部は、前記車両の走行状態と前記道路状況との関係に対応付けられた複数の分類である第3テーブルを記憶し、
前記処理部は、前記第3テーブルに基づいて前記複数の分類のうちから1以上の分類を決定する
技術12に記載の表示制御装置。
【0161】
<技術14>
前記表示制御装置は、前記車両に関する情報が発生した際に、外部装置から前記メッセージを取得し、
前記処理部は、前記表示制御装置が前記外部装置から取得した前記メッセージに対し、前記第1テーブル及び前記視線検出部の検出結果に基づいて、前記複数の表示部のうちの前記利用者の視線方向に存在する表示部がある場合、当該表示部に当該メッセージを表示させるか否かを決定する
技術1~13のいずれか1つに記載の表示制御装置。
【0162】
<技術15>
前記処理部は、
前記第1テーブルに基づいた前記メッセージを表示することを示す表示フラグがONと決定した場合、前記表示フラグがONであることを示す情報と前記メッセージとともに、前記利用者の視線方向の前記表示部に出力し、
前記第1テーブルに基づいた前記メッセージを表示しないことを示す表示フラグがOFFと決定した場合、前記表示フラグがOFFであることを示す情報と前記メッセージとともに、前記利用者の視線方向の前記表示部に出力する
技術1に記載の表示制御装置。
【0163】
<技術16>
複数の表示部のうちの少なくとも1つの表示部にメッセージを表示する表示制御方法であって、
車両に関する情報が発生した際に、前記メッセージを表示するための第1テーブル及び利用者の視線方向を検出した検出結果に基づいて、前記複数の表示部のうちの前記利用者の視線方向に存在する表示部がある場合、当該表示部に前記メッセージを表示するか否かを決定する
表示制御方法。
【0164】
<技術17>
技術16に記載の表示制御方法をコンピュータに実行させるための
プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本開示は、例えば複数の表示制御装置を搭載した車両、車両以外のその他の装置及びシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0166】
1 車両
10a 表示制御装置
11 表示部
13 視線検出部
14 センサ(取得部)
15 通信部(取得部)
16 記憶部
17 処理部
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9