(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094586
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】吸収性衛生物品の形成および折り畳み方法
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20230628BHJP
【FI】
A61F13/15 356
A61F13/15 390
A61F13/15 353
A61F13/15 310
A61F13/15 351Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022202954
(22)【出願日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】102021000032477
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】509349004
【氏名又は名称】ジーディーエム エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】GDM S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Battindarno, 91, I-40133 Bologna(IT)
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【弁理士】
【氏名又は名称】金高 寿裕
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【弁理士】
【氏名又は名称】小磯 貴子
(72)【発明者】
【氏名】ピアントーニ,マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】ザヴァッローニ,アレッサンドロ
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BB03
3B200CA02
3B200EA18
3B200EA21
3B200EA27
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単に繰り返し留めることが出来るおむつの形成及び折り畳み方法を提供する。
【解決手段】吸収性衛生物品1の形成及び折り畳み方法は、連続多層ウェブを準備し、それを供給方向Vに供給するステップと、連続多層ウェブ上に、互いに離間した一連の吸収性パッド3を適用するステップと、一連の吸収性パッドを連続多層ウェブ上に折り畳むステップと、折り畳まれた一連の吸収性パッドを連続多層ウェブに一時的に固定するステップと、連続する吸収性物品間の連続多層ウェブに一連の脆弱線WLを形成するステップと、各吸収性物品の第1のフラップ2bを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むステップと、各吸収性物品の第2のフラップ2cを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップと、を含み、第1のフラップまたは第2のフラップを折り畳むことは、連続多層ウェブを脆弱線で引き裂き、それによって吸収性物品同士を分離することを含む。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性衛生物品(1)の形成および折り畳み方法であって、
前記吸収性衛生物品(1)は、ウエストバンド(2)と、前記ウエストバンド(2)の中間部分(2a)から延びる吸収性パッド(3)と、を備え、
前記吸収性パッド(3)は、前記ウエストバンド(2)の第1および第2のフラップ(2b、2c)を分離し、
前記吸収性衛生物品(1)は、前記第1のフラップ(2b)の一端に第1の閉鎖要素(4)を備え、前記第2のフラップ(2c)の一端に第2の閉鎖要素(5)を備え、
前記吸収性パッド(3)は、少なくとも使用時に、前記吸収性物品(1)の股(6)を規定するために前記ウエストバンド(2)に向かって折り畳まれており、前記第1および第2のフラップ(2b、2c)は、前記折り畳まれた吸収性パッド(3)上に折り畳まれており且つパンツを規定するためにそれぞれ前記第1の閉鎖要素(4)および第2の閉鎖要素(5)によって前記吸収性パッド(3)に固定されており、
前記形成および折り畳み方法は、
連続多層ウェブ(W)を準備し、それを供給方向(V)に供給するステップと、
前記連続多層ウェブ(W)上に、互いに離間した一連の吸収性パッド(3)を適用するステップと、
前記一連の吸収性パッド(3)を前記連続多層ウェブ(W)上に折り畳むステップと、
前記折り畳まれた一連の吸収性パッド(3)を前記連続多層ウェブ(W)に一時的に固定するステップと、
前記連続多層ウェブ(W)上に一連の第1の閉鎖要素(4)を適用するステップと、
前記連続多層ウェブ(W)上に一連の第2の閉鎖要素(5)を適用するステップであって、各吸収性パッド(3)が前記一連の第1の閉鎖要素(4)の1つと前記一連の第2の閉鎖要素(5)の1つとの間に挿入される、ステップと、を含み、
前記形成および折り畳み方法は、
各第2の閉鎖要素(5)と前記供給方向(V)において当該第2の閉鎖要素(5)に続く第1の閉鎖要素(4)との間の前記連続多層ウェブ(W)に一連の脆弱線(WL)を形成するステップであって、各脆弱線(WL)が前記供給方向(V)に連続する吸収性物品間に形成され且つ配置されるステップを含み、前記形成および折り畳み方法は、
各吸収性物品(1)の前記第1のフラップ(2b)を対応する吸収性パッド(3)に向かって折り畳むステップと、
各吸収性物品(1)の前記第2のフラップ(2c)を対応する吸収性パッド(3)に向かって折り畳むステップと、をさらに含み、
各吸収性物品(1)の前記第1のフラップ(2b)を前記対応する吸収性パッド(3)に向かって折り畳む前記ステップ、または各吸収性物品(1)の前記第2のフラップ(2c)を前記対応する吸収性パッド(3)に向かって折り畳む前記ステップは、前記連続多層ウェブ(W)を前記脆弱線(WL)で引き裂き、それによって前記吸収性物品(1)同士を分離するステップを含む、形成および折り畳み方法。
【請求項2】
前記吸収性物品(1)の前記第1のフラップ(2b)を前記対応する吸収性パッド(3)に向かって折り畳む前記ステップは、前記吸収性物品(1)の前記第2のフラップ(2c)を前記対応する吸収性パッド(3)に向かって折り畳む前記ステップの前に行われる、請求項1に記載の形成および折り畳み方法。
【請求項3】
前記吸収性物品(1)の前記第1のフラップ(2b)を前記対応する吸収性パッド(3)に向かって折り畳む前記ステップは、前記吸収性物品(1)の前記第2のフラップ(2c)を前記対応する吸収性パッド(3)に向かって折り畳む前記ステップの後に行われる、請求項1に記載の形成および折り畳み方法。
【請求項4】
前記吸収性物品(1)の前記第1のフラップ(2b)を前記対応する吸収性パッド(3)に向かって折り畳む前記ステップは、前記吸収性物品(1)の前記第2のフラップ(2c)を前記対応する吸収性パッド(3)に向かって折り畳む前記ステップと同時に行われる、請求項1に記載の形成および折り畳み方法。
【請求項5】
前記吸収性物品(1)の前記第1のフラップ(2b)を前記対応する吸収性パッド(3)に向かって折り畳む前記ステップは、前記第1の閉鎖要素(4)を用いて前記第1のフラップ(2b)を前記対応する吸収性パッド(3)に取り付けるステップを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の形成および折り畳み方法。
【請求項6】
前記吸収性物品(1)の前記第2のフラップ(2c)を前記対応する吸収性パッド(3)に向かって折り畳む前記ステップは、前記第2の閉鎖要素(5)を用いて前記第2のフラップ(2c)を前記対応する吸収性パッド(3)に取り付けるステップを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の形成および折り畳み方法。
【請求項7】
前記折り畳まれた吸収性パッド(3)を前記連続多層ウェブ(W)に一時的に固定する前記ステップは、各折り畳まれた吸収性パッド(3)の少なくとも一部分(P3)と各折り畳まれた吸収性パッド(3)の当該部分(P3)における前記連続多層ウェブの少なくとも一部分(PW)とを塑性変形させて前記吸収性パッド(3)と前記連続多層ウェブ(W)との間に機械的干渉を生じさせるステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の形成および折り畳み方法。
【請求項8】
塑性変形させる前記ステップは、コールドブランキングおよび/またはサーモメカニカルブランキングによって実行される、請求項7に記載の形成および折り畳み方法。
【請求項9】
少なくとも次のステップ、すなわち、
各吸収性物品(1)の前記第1のフラップ(2b)を前記対応する吸収性パッド(3)に向かって折り畳むステップ、および
各吸収性物品(1)の前記第2のフラップ(2c)を前記対応する吸収性パッド(3)に向かって折り畳むステップは、
折り畳みホイール(100)上で実行される、請求項1から8のいずれか一項に記載の形成および折り畳み方法。
【請求項10】
少なくとも前記連続多層ウェブ(W)を前記折り畳みホイール(100)上に保持するステップをさらに含む、請求項9に記載の形成および折り畳み方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性衛生物品の形成および折り畳み方法に関する。より具体的には、本発明は、連続ウェブから「繰り返し留めることができる(refastenable)」または「T字型」おむつとして知られる種類の個々のおむつを分離してそれらを折り畳む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
子供および大人用の最も一般的な先行技術のおむつは、実質的に、繰り返し留めることができるおむつと「パンツ型おむつ」との2種類である。
【0003】
繰り返し留めることができるおむつは、基本的にHの形状をしており、Hの脚は着用者のウエストに巻き付けられるおむつの部分であり、Hの接続部分は吸収性パッドを備えた股である。一般的に言えば、Hの脚の端部に、これらのおむつはタブを備え、おむつが着用されているとき、タブは着用者のウエスト周りに当該おむつを固定するために使用される。
【0004】
一方、パンツ型おむつは、パンツのように見え且つ着用され、弾性ウエストバンドを有し、当該ウエストバンドは恒久的な接続によって溶接または接合されている。
【0005】
最近では、「繰り返し留めることができるおむつ」としても知られる別のタイプのおむつがより一般的になりつつあり、このタイプのおむつは、開いたときに、基本的にTの形状である。このタイプのおむつでは、弾性ウエストバンドはTの水平部分であり、吸収性パッドを含む股はTの脚部分に対応する。股部分は、使用中および製造中の両方でウエストバンドに向かって折り畳まれ、ウエストの端部は中心線に向かって折り畳まれて折り畳まれた股部分に固定される。
【0006】
このタイプのおむつの特別な特徴は、対応する開口部に脚を挿入することによっておむつをパンツのように着用できることであるが、必要に応じて、当該おむつは従来のおむつのようにウエストで調整できる。
【0007】
実際、ウエストの端部は、解除可能な締結手段によって股部分の外側に固定される。
【0008】
製造中、繰り返し留めることができるおむつは、連続ウェブから切断されて折り畳まれる。基本的に、吸収性パッドは、連続した弾性バンドに一定の間隔で取り付けられ、当該弾性バンドは、パッドが当該弾性バンド上に折り畳まれた後に切断される。
【0009】
そのようなおむつを折り畳むためのシステムおよび方法の例は、文献US8556790B2に記載されており、この文献では、個々のおむつは、折り畳みホイール上で実行される切断ステップによって互いに分離される。
【0010】
実際には、折り畳みホイールはまた、製品を折り畳むために必要な可動部品に加えて、複数のアンビルと、おむつが折り畳まれる前に連続ウェブを切断するようにホイールと同期しなければならない切断装置と、を備える。
【0011】
折り畳みホイールは、機械的に非常に複雑で且つ重い。
【発明の概要】
【0012】
したがって、この分野では、従来技術で知られている方法よりも簡単な、繰り返し留めることができるおむつの形成および折り畳み方法が必要とされている。
【0013】
より具体的には、本発明は、連続ウェブを個々の製品に切断して個々の製品を折り畳むことを容易に且つ効果的に可能にする、繰り返し留めることができるおむつの形成および折り畳み方法を提供することを目的とする。
【0014】
この目的は、添付の特許請求の範囲の請求項の1つまたは複数に記載された技術的特徴を含む、吸収性衛生物品の形成および折り畳み方法によって達成される。従属請求項は、本発明の可能な種々の実施形態に対応する。
【0015】
第1の態様によれば、本発明は、吸収性衛生物品の形成および折り畳み方法に関する。
【0016】
吸収性衛生物品は、ウエストバンドと、ウエストバンドの中間部分から延び且つウエストバンドの第1のフラップと第2のフラップとを分離する吸収性パッドと、を備える。吸収性衛生物品は、第1のフラップの一端に第1の閉鎖要素を備え、第2のフラップの一端に第2の閉鎖要素を備える。
【0017】
吸収性パッドは、少なくとも吸収性衛生物品の使用中または製造中に、ウエストバンドに向かって折り畳まれて吸収性衛生物品の股を規定し、第1および第2のフラップは折り畳まれた吸収性パッド上に折り畳まれ、それぞれ第1の閉鎖要素および第2の閉鎖要素によって吸収性パッドに固定されてパンツ状の物品を規定する。
【0018】
形成および折り畳み方法は、
連続多層ウェブを準備し、それを供給方向に供給するステップと、
連続多層ウェブ上に互いに離間した一連の吸収性パッドを、好ましくは前記一連の吸収性パッドがそこから外側に突出するように適用するステップと、
一連の吸収性パッドを連続多層ウェブ上に折り畳むステップと、
折り畳まれた一連の吸収性パッドを連続多層ウェブに一時的に固定するステップと、
連続多層ウェブに一連の第1の閉鎖要素を適用するステップと、
連続多層ウェブに一連の第2の閉鎖要素を適用するステップと、を含む。
【0019】
各吸収性パッドは、一連の第1の閉鎖要素の1つと一連の第2の閉鎖要素の1つとの間に配置される。
【0020】
形成および折り畳み方法は、
各第2の閉鎖要素と、連続多層ウェブの供給方向において当該第2の閉鎖要素に続く第1の閉鎖要素との間の連続多層ウェブに一連の脆弱線を形成するステップであって、各脆弱線が連続多層ウェブの供給方向において連続する吸収性物品の間に配置される、ステップを含む。
【0021】
本方法は、
各吸収性物品の第1のフラップを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップと、
各吸収性物品の第2のフラップを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップと、を含む。
【0022】
各吸収性物品の第1のフラップを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップ、または各吸収性物品の第2のフラップを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップは、脆弱線で連続多層ウェブを引き裂き、それによって吸収性物品を分離することを含む。
【0023】
予備切断(pre-cutting)および引き裂きによって個別の吸収性物品を分離することにより、鋭利な切断装置を使わずに分離することが可能になる。吸収性物品の折り畳みおよび分離が折り畳みホイール上で実行される好ましい場合には、折り畳みホイールは、ウェブ切断装置を備える必要がないので、従来技術の解決策よりも軽量で、複雑ではなく且つコンパクトである。
【0024】
一態様によれば、各吸収性物品の第1のフラップを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップは、各吸収性物品の第2のフラップを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップの前に実行される。
【0025】
一態様によれば、各吸収性物品の第1のフラップを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップは、各吸収性物品の第2のフラップを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップの後に実行される。
【0026】
一態様によれば、各吸収性物品の第1のフラップを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップは、各吸収性物品の第2のフラップを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップと同時に実行される。
【0027】
一態様によれば、各吸収性物品の第1のフラップを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップは、第1の閉鎖要素を用いて第1のフラップを対応する吸収性パッドに取り付けるステップを含む。
【0028】
一態様によれば、各吸収性物品の第2のフラップを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップは、第2の閉鎖要素を用いて第2のフラップを対応する吸収性パッドに取り付けるステップを含む。
【0029】
一態様によれば、折り畳まれた一連の吸収性パッドを連続多層ウェブに一時的に固定するステップは、各折り畳まれた吸収性パッドの少なくとも一部分と当該折り畳まれた吸収性パッドの当該一部分における連続多層ウェブの少なくとも一部分とを塑性変形させて一連の吸収性パッドと連続多層ウェブとの間に機械的干渉を生じさせるステップを含む。
【0030】
一態様によれば、少なくとも以下のステップ、すなわち、
各吸収性物品の第1のフラップを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップ、および
各吸収性物品の第2のフラップを対応する吸収性パッドに向かって折り畳むステップは、
折り畳みホイールで実行される。
【0031】
一態様によれば、本方法は、少なくとも連続多層ウェブを折り畳みホイール上に保持するステップを含む。
【0032】
本発明のさらなる特徴および利点は、吸収性衛生物品の形成および折り畳み方法の好ましいが非排他的な実施形態の以下の例示的な、したがって非限定的な説明においてより明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
説明は、本発明の範囲を制限することなく例示の目的でのみ提供される添付の図面を参照して以下に記載される。
【
図1-8】本開示による形成および折り畳み方法の一連のステップを概略的に示す。
【
図9】本開示による形成および折り畳み方法を実施するための折り畳みホイールの非常に概略的な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図8を参照すると、数字1は、「繰り返し留めることができる」タイプとして知られる着用可能な吸収性衛生物品を示し、当該吸収性衛生物品は、以下では単に「おむつ」とも呼ばれる。
【0035】
おむつ1は、基本的に、弾性ウエストバンドまたはストリップ2と、ウエストバンド2に取り付けられた吸収性パッド3とを備える。
【0036】
ウエストバンド2は、例えば、互いに接合された不織布の第1および第2のウェブを含む多層ウェブの一片である。ウエストバンド2の弾性は通常、不織布のウェブ間に配置された弾性体によって提供される。
【0037】
吸収性パッド3は、弾性ウエストバンド2の中間部分2aに取り付けられ、オムツ1が開いているときに、そこから突出してT字型構造を形成する。
【0038】
弾性ウエストバンド2はTの水平部分であり、吸収性パッド3はTの脚である。
【0039】
弾性ウエストバンド2において、吸収性パッド3は、2つの部分、またはウイング、またはサイドフラップ2b、2cを分離する。
【0040】
物品1は、フラップ2bの一端に、使用時に着用者(図示せず)に向けられるフラップ2bの面に取り付けられた第1の閉鎖要素4を備える。
【0041】
物品1は、フラップ2cの一端に、使用時に着用者(図示せず)に向けられるフラップ2cの面に取り付けられた第2の閉鎖要素5を備える。
【0042】
閉鎖要素4および5は、実質的に既知のタイプのものであり、図示の例では、それぞれのフラップの対応する縁部に沿って延びている。
【0043】
物品1が使用されているとき、またはその製造中に、吸収性パッド3はウエストバンド2に向かって折り畳まれて物品1の股6を規定する。
【0044】
少なくともこれらの場合に、フラップ2b、2cは、折り畳まれた吸収性パッド3上に折り畳まれ、それぞれ第1の閉鎖要素4および第2の閉鎖要素5によって吸収性パッド3に固定される。
【0045】
図示されていない実施形態では、物品1は、着用者の側とは反対側で吸収性パッド3に取り付けられた閉鎖要素を備えてもよく、それによって、弾性ウエストバンド2の閉鎖要素4、5が吸収性パッド3上の閉鎖要素と係合する。
【0046】
図8に概略的に示されるように、閉構成のおむつ1は実質的にパンツのようである。
【0047】
形成および折り畳み方法は、複数のウエストバンド2を形成することを目的とした連続多層ウェブWを準備し、それを供給経路に沿って供給方向Vに供給するステップを含む。
【0048】
ウェブWは、例えば、互いに接合された不織布の第1および第2のウェブと、それらの間に配置された複数の弾性体7とを含む。これらの弾性体の少なくとも一部は、添付の図面に示され且つラベル付けされている。これらの弾性体7は、好ましくは、ウェブWの全幅にわたって広げられる。
【0049】
第1および第2のウェブは、例えば、実質的に既知の方法で、例えば超音波によって、互いに接着および/または溶接されてもよい。
【0050】
図2を参照すると、形成および折り畳み方法は、少なくとも吸収性物品1のサイズの関数である間隔だけ離れている一連の吸収性パッド3を連続多層ウェブWに、例えば接着剤を用いて、好ましくは一連の吸収性パッド3が外側に突出するように(すなわち、レリーフ状になるように)、適用するステップを含む。
【0051】
好ましくは、本方法は、ウェブWの縁部W1(図面を見ると上縁部)を吸収性パッド3上に折り畳むステップを含む。
【0052】
次に、吸収性パッド3は、図示の例ではウェブWおよびウェブWの供給方向に平行な折り畳み線Lの周りでウェブW上に折り畳まれる。
【0053】
本方法は、吸収性パッド3を連続多層ウェブW上に折り畳むステップと、折り畳まれた吸収性パッド3を連続多層ウェブWに一時的に固定するステップとを含む。
【0054】
吸収性パッド3は、本方法の残りのステップが吸収性パッド3に対して実行されるまで、
図3に示されるように折り畳まれた構成を留めるように、一時的にウェブWに固定される。
【0055】
好ましくは、折り畳まれた吸収性パッド3を連続多層ウェブWに一時的に固定するステップは、折り畳まれた吸収性パッド3の部分P3と、当該部分P3に実質的に位置する連続多層ウェブWの部分PWとを塑性変形させて吸収性パッド3と連続多層ウェブWとの間に機械的干渉を生じさせるステップを含む。
【0056】
好ましくは、塑性変形させるステップは、コールドブランキング(cold blanking)および/またはサーモメカニカルブランキング(thermomechanical blanking)によって実行される。
【0057】
本方法は、連続多層ウェブW上に一連の第1の閉鎖要素4および一連の第2の閉鎖要素5を適用するステップを含む。
【0058】
図4に一例として示されるように、各吸収性パッド3は、第1の閉鎖要素4と第2の閉鎖要素5との間に配置される。
【0059】
ウェブWが第2のウェブに接着された第1のウェブから形成され、それらの間に弾性体7が配置される場合、本方法は、閉鎖要素4、5が適用されるゾーンで弾性体7を切断または遮断するステップを含んでもよい。
【0060】
例えば、添付の図面は、閉鎖要素4、5のゾーンZを示しており、そこでは、弾性体7が切断または除外されている。
【0061】
ウェブWが第2のウェブに接着された第1のウェブから形成され、それらの間に弾性体7が配置される場合、本方法は、吸収性パッド3が適用されるゾーンで弾性体7を切断または遮断するステップを含んでもよい。
【0062】
ウェブWが第2のウェブに溶接された第1のウェブから形成され、それらの間に弾性体7が配置される場合、本方法は、閉鎖要素4、5が適用されるゾーンを除いて、第1のウェブを第2のウェブに溶接するステップを含んでもよい。
【0063】
ウェブWが第2のウェブに溶接された第1のウェブから形成され、それらの間に弾性体7が配置される場合、本方法は、吸収性パッド3が適用されるゾーンを除いて、第1のウェブを第2のウェブに溶接するステップを含んでもよい。
【0064】
例として示された実施形態では、本方法は、吸収性パッド3間でウェブWの輪郭を描く(contouring)ステップを含む。
【0065】
図5を参照すると、例えば、ウェブWは、ウェブWの一部が除去された輪郭(contours)8を含むことに留意されたい。
【0066】
本方法は、各閉鎖要素5と供給方向Vにおいて当該閉鎖要素に続く閉鎖要素4との間の連続多層ウェブに一連の脆弱線WLを形成するステップを含み、各脆弱線WLは、例えば、ウェブWを穿孔する一連の切り込み部を含む。
【0067】
実際には、各脆弱線WLは、第1の吸収性物品1aのフラップ2cの端部と、供給方向Vにおいて第1の吸収性物品1aに続く第2の吸収性物品1bのフラップ2bの端部とを規定する。
【0068】
各脆弱線WLは、吸収性物品1を、ウェブWに沿ってそれに続くものから分離する。
【0069】
形成および折り畳み方法は、各吸収性物品1の第1のフラップ2bを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むステップと、各吸収性物品1の第2のフラップ2cを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むステップとを含む。
【0070】
各吸収性物品1の第1のフラップ2bを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むこと、または各吸収性物品1の第2のフラップ2cを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むことは、脆弱線WLで連続多層ウェブWを引き裂き、それによって吸収性物品1同士を分離することを含む。
【0071】
図示の例では、特に
図7を参照すると、第2のフラップ2cを折り畳むことによって、吸収性ウェブWは脆弱線WLで引き裂かれる。
【0072】
添付の図面に概略的に示される本方法の実施形態では、吸収性物品1の第1のフラップ2bを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むステップは、吸収性物品1の第2のフラップ2cを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むステップの前に実行される。
【0073】
図示されていない本方法の実施形態では、吸収性物品1の第1のフラップ2bを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むステップは、吸収性物品1の第2のフラップ2cを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むステップの後に実行される。
【0074】
図示されていない本方法の実施形態では、吸収性物品1の第1のフラップ2bを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むステップは、吸収性物品1の第2のフラップ2cを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むステップと同時に実行される。
【0075】
本方法によれば、吸収性物品1の第1のフラップ2bを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むステップは、第1の閉鎖要素4を用いて第1のフラップ2bを対応する吸収性パッド3に取り付けるステップを含む。
【0076】
本方法によれば、吸収性物品1の第2のフラップ2cを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むステップは、第2の閉鎖要素5を用いて第2のフラップ2cを対応する吸収性パッド3に取り付けるステップを含む。
【0077】
図9の概略図を参照すると、各吸収性物品1の第1のフラップ2bを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むステップと、各吸収性物品1の第2のフラップ2cを対応する吸収性パッド3に向かって折り畳むステップとは、折り畳みホイール100上で実行される。
【0078】
折り畳みホイール100は、例えば、アンビル31および切断装置30を除いて、文献US8556790に示されているタイプのものである。
【0079】
本方法は、少なくともそれが折り畳みホイール100上で実施される場合、例えば吸引システムまたはベルトシステム(その例はラベル110を付されている)を介して、折り畳みホイール100上に少なくとも連続多層ウェブWを保持するステップを含む。
【0080】
本明細書で説明される解決策は、重要な利点をもたらす。特に、予備切断および引き裂きによって個別の吸収性物品を分離することにより、鋭利な切断装置を使わずに分離することが可能になる。吸収性物品の折り畳みおよび分離が折り畳みホイール上で実行される好ましい場合には、折り畳みホイールは、ウェブ切断装置を備える必要がないので、従来技術の解決策よりも軽量で、複雑ではなく且つコンパクトである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【外国語明細書】