(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094596
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】バルブハウジング及びバルブハウジングの製造方法
(51)【国際特許分類】
F16K 27/02 20060101AFI20230628BHJP
F16K 31/06 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
F16K27/02
F16K31/06 305K
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022205175
(22)【出願日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】21217237.3
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】522166851
【氏名又は名称】アーファウエス インジェニエーア ヨット ツェー レーマー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【弁理士】
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ライナー フィッシュ
【テーマコード(参考)】
3H051
3H106
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB01
3H051BB10
3H051CC11
3H051EE04
3H051FF12
3H106DA08
3H106DA23
3H106DB02
3H106DB12
3H106DB23
3H106DB33
3H106DC05
3H106DC18
3H106DD03
3H106DD12
3H106EE35
3H106EE36
3H106EE40
3H106GA15
3H106GB06
3H106JJ03
3H106JJ05
3H106KK01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】安価に製造することができ、少ない製造変動で高精度の閉鎖動作を有するバルブハウジングを提供すること。
【解決手段】流体が流れることができる少なくとも1つの流体チャネル11を備える流体バルブのためのバルブハウジング10に関し、バルブハウジング10は、バルブハウジング10内で移動可能なバルブ閉鎖体のための受容空間12を有し、受容空間12は、開口12.1を有し、バルブ閉鎖体は、この開口部を介してバルブハウジング10の受容空間12に導入され、少なくとも1つの第1のバルブシート13は、受容入空間12内に形成されかつ受容空間に突出し、少なくとも1つの切り込み13.1が、第1のバルブシート13によって受容空間12に形成されるようになっており、バルブハウジング10は一体射出成形部品であり、少なくとも1つのバルブシート13は、射出成形プロセスによってバルブハウジング10と一体的に製造される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れることができる少なくとも1つの流路(11)を備える流体バルブ(1)のためのバルブハウジングであって、
前記バルブハウジング(10)は、前記バルブハウジング(10)内で移動可能なバルブ閉鎖体(2)のための受容空間(12)を有し、
前記受容空間(12)は、開口(12.1)を有し、前記バルブ閉鎖体(2)は、前記開口を介して前記バルブハウジング(10)の前記受容空間(12)に導入され、
少なくとも第1のバルブシート(13)は、前記受容空間(12)に形成されかつ前記受容空間(12)の中に突出し、少なくとも1つの切り込み(13.1)が、前記第1のバルブシート(13)によって前記受容空間(12)に形成されるようになっており、
前記バルブハウジング(10)は、一体射出成形部品であり、
前記少なくとも1つのバルブシート(13)は、射出成形プロセスによって前記バルブハウジング(10)と一体的に製造される、
バルブハウジング。
【請求項2】
第2のバルブシート(14)又は前記バルブ閉鎖体(2)の停止部は、前記受容空間(12)おいて前記第1のバルブシート(13)の正反対にある、請求項1に記載のバルブハウジング。
【請求項3】
前記バルブ閉鎖体のための前記第2のバルブシート(14)又は前記停止部は、前記受容空間(12)に突出しており、前記第2のバルブシート(14)又は前記停止部によって前記受容空間(12)に少なくとも1つの切り込み(14.1)を形成するようになっている、請求項2に記載のバルブハウジング。
【請求項4】
前記切り込み(14.1)は、開口(12.1)から離れる受容空間(12)の下部領域(12.2)に設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載のバルブハウジング。
【請求項5】
前記第1及び/又は第2のバルブシート(13、14)は、前記バルブ閉鎖体(2)を部分的に取り囲むシーリングダイヤフラム(15)のための平面の当接面を形成する環状の隆起部(13.2)を備え、環状のシール縁部(13.3)は、前記隆起部に設けられ、前記受容空間(12)の中に軸方向に突出する、請求項1から4のいずれか一項に記載のバルブハウジング。
【請求項6】
前記シール縁部(13.3)は、前記環状の隆起部(13.2)の半径方向の内縁に設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載のバルブハウジング。
【請求項7】
前記受容空間(12)の前記開口(12.1)の縁部(12.1.1)は、前記開口(12.1)を外部に対してシールするための使用される前記シーリングダイアフラム(15)の前記基部領域(15.1)に当接するために設けられる、半径方向のシール面を形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載のバルブハウジング。
【請求項8】
前記開口(12.1)は、回転非対称の周方向形状を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のバルブハウジング。
【請求項9】
前記バルブハウジング(10)は、前記バルブハウジング(10)を駆動ユニット(3)に解放可能に固定できる結合部分(16)を有し、前記駆動ユニット(3)は、前記バルブ閉鎖体(2)を動かすように構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のバルブハウジング。
【請求項10】
前記結合部分(16)は、スナップ機構によって前記バルブハウジング(10)を前記駆動ユニット(3)に締結するように構成されている、請求項9に記載のバルブハウジング。
【請求項11】
前記バルブハウジング(10)は、ホースクイックカップリングのための少なくとも1つの支持体(17)を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載のバルブハウジング。
【請求項12】
バルブハウジング(10)と、前記バルブハウジング(10)内で移動可能なバルブ閉鎖体(2)のための磁気駆動ユニット(3)とを備える流体バルブであって、前記バルブハウジング(10)は、請求項1から10のいずれか一項によって構成されている、流体バルブ。
【請求項13】
流体バルブ(1)のためのバルブハウジング(10)を製造する方法であって、前記流体バルブ(1)は、流体が流れることができる少なくとも1つの流路(11)と、前記バルブハウジング(10)内で移動可能なバルブ閉鎖体(2)のための受容空間(12)とを有し、前記方法は、
射出成形金型を提供するステップ(S10)と、
少なくとも第1及び第2のコアを提供するステップであって、前記コアは、バルブハウジング(10)内の少なくとも1つの流路(11)の部分を形成するように構成される、ステップ(S11)と、
前記受容空間(12)を形成するためのコラプシングコアを提供するステップであって、前記コラプシングコアは、前記受容空間(12)内に少なくとも1つのバルブシート(13、14)を製造するための少なくとも1つの凹部を有する、ステップ(S12)と、
前記第1及び第2のコア並びに前記コラプシングコアを前記射出成形金型に導入するステップであって、少なくとも前記第1のコアは、前記第1のコアの自由端が前記コラプシングコアの前記凹部の方に向くように、前記コラプシングコアと相互作用する、ステップ(S13)と、
前記射出成形金型に流動性成形材料を導入するステップ(S14)と、
前記射出成形金型から前記第1及び第2のコア並びに前記コラプシングコアを取り出すステップ(S15)と、
を含み、
前記射出成形プロセスによって製造された前記バルブハウジング(10)は、前記受容空間(12)に突出した少なくとも1つのバルブシート(13、14)を有し、前記バルブシート(13、14)によって前記受容空間(12)に少なくとも1つの切り込み(13.1、14.1)が形成されるようになっている、方法。
【請求項14】
環状の隆起部(13.2)を有する前記少なくとも1つのバルブシート(13、14)は、コラプシングコアによって形成され、前記隆起部は、前記バルブ閉鎖体(2)を部分的に取り囲むシーリングダイヤフラム(15)のための平面の当接面を形成し、環状のシール縁部(13.3)は、前記隆起部において前記コラプシングコアによって形成され、前記シール縁部は、受容空間(12)に軸方向に突出する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記バルブハウジング(10)の外側に設けられた前記受容空間(12)の開口(12.1)は、コラプシングコアによって形成され、前記開口は、回転非対称の周方向形状を有する、請求項13又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブハウジング、バルブハウジングを有する流体バルブ、及びバルブハウジングの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流体流れを制御するための流体バルブは原理的に知られている。この場合、流体は、特に液体である。このタイプの流体バルブは、特に食品分野において、例えばウォーターディスペンサー、コーヒーメーカーなどで使用されている。
【0003】
このタイプの流体バルブは、少なくとも1つの流路が形成されたバルブハウジングを有する。バルブハウジングには、バルブ閉鎖体が設けられており、バルブ閉鎖体は、駆動ユニットによって動かされ、詳細には枢動軸の周りを枢動する。枢動により、シーリングダイアフラムは、流体バルブを通る流体流れを制御するために、バルブシートに押し付けることができる。
【0004】
公知の流体バルブの主たる欠点は、バルブシートがバルブハウジングから独立した部品によって形成され、バルブハウジングに挿入又はねじ留めされることである。バルブシートの設置位置は、挿入又はねじ留めに起因して変化する可能性あるので、流体バルブの所望の閉鎖動作が達成されるように、製造後にバルブシートの位置を調整する必要である。一方では、これは時間がかかり、従って高価であり、他方では、流体バルブの機能的品質は、それぞれの作業員によってもたらされる調整精度に大きく依存するので、流体バルブの機能的品質は、望ましくない変動を受ける可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、安価に製造することができ、少ない製造変動で高精度の閉鎖動作を有するバルブハウジングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、独立請求項1の特徴を備えるバルブハウジングによって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。バルブハウジングを有する流体バルブは、別の独立請求項12の主題であり、流体バルブの製造方法は、別の独立請求項13の主題である。
【0007】
1つの態様では、流体バルブのためのバルブハウジングが開示される。バルブハウジングは、流体が流れることができる少なくとも1つの流路と、バルブハウジング内で移動可能な、詳細には枢動可能なバルブ閉鎖体のための受容空間とを備える。受容空間は、開口を有し、バルブ閉鎖体は開口を介してバルブハウジングの受容空間に導入される。受容空間の長手方向軸は、開口を通って延び、詳細には、開口の周縁の平面に対して垂直に又は実質的に垂直に延在する。少なくとも第1のバルブシートは、受容空間に形成されかつ受容空間の中に突出する。具体的には、第1のバルブシートは、横方向、詳細には受容空間の長手方向軸に対して垂直な又は実質的に垂直な方向で、受け空間の中に突出する。この第1のバルブシートの突出に起因して、受容空間に少なくとも1つの切り込みが形成される。バルブハウジングは一体射出成形部品であり、少なくとも1つのバルブシートは、射出成形プロセスによってバルブハウジングと一体的に形成される。換言すれば、バルブシートは、別個の部品としてバルブハウジングに挿入又はねじ留めされるのではなく、バルブハウジングの直接の部品であり、従ってバルブハウジングと一体的に製造され、これと密接に関連している。
【0008】
バルブハウジングの技術的利点は、射出成形プロセスによる少なくとも1つのバルブシートの製造が、ゼロの又は減少した構築(build-up)公差をもたらすので、流体バルブの調整はもはや必要でないことである。その結果、流体バルブの閉動作のばらつきを低減することができる。加えて、流体バルブのより簡単で費用対効果の高い製造が可能となるように組み立て労力が低減される。
【0009】
1つの例示的な実施形態では、バルブ閉鎖体のための第2のバルブシート又は停止部は、受容空間において第1のバルブシートの正反対にある。従って、バルブ閉鎖体の枢動運動は、一対の対向するバルブシートによって、又はバルブシートと対向する停止部とによって制限することができる。詳細には、枢動運動のこの制限は、磁気駆動ユニットの枢動可能又は変位可能なアーマチュアの制限を達成するためにも使用され、このアーマチュアも、その枢動角度又は変位経路に関してもはや調整する必要がないようになっている。
【0010】
1つの例示的な実施形態によれば、バルブ閉鎖体のための第2のバルブシート又は停止部は、受容空間に突出しており、第2のバルブシート又は停止部によって受容空間に少なくとも1つの切り込みを形成するようになっている。バルブシートの突出部は、バルブ閉鎖体又はその上に位置するシーリングダイアフラムが、流体バルブの閉鎖動作が改善されるようにバルブシートに対して当接状態になる利点を有する。加えて、切り込みは、流体バルブのそれぞれのポートの間の十分に大きな流路断面を保証することができる。
【0011】
1つの例示的な実施形態では、切り込みは、受容空間の開口から離れる受容空間の下部領域に設けられる。これにより、流路断面が切り込みによって拡大されるため、バルブ閉鎖体の自由端の周りの流れが明らかに改善される。
【0012】
1つの例示的な実施形態では、第1及び/又は第2のバルブシートは、バルブ閉鎖体を部分的に取り囲むシーリングダイアフラムのための平面の当接面を形成する環状の隆起部を有する。環状のシール縁部は、隆起部に設けられ、受容空間の中に軸方向に突出する。換言すれば、シール縁部は、バルブ閉鎖体又はその上に位置するシーリングダイアフラムの方向に、平面の当接面を越えて突出する。環状の隆起部は、シーリングダイアフラムの平面の支持部を形成し、従って、バルブ閉鎖体の枢動可能性を制限する停止部を形成する。環状の隆起部から突出するシール縁部は、シーリングダイアフラムが環状の隆起部に当接する場合に、シーリングダイアフラムに押し付けられ、従って、流体バルブの高い気密性を提供する。
【0013】
1つの例示的な実施形態によれば、シール縁部は、環状の隆起部の半径方向の内縁に設けられる。その結果、シール縁部は、バルブ開口に直接配置される。これは、流体がバルブ閉鎖体に圧力を及ぼす領域を最小化し、従って、流体バルブが駆動ユニットによって切り替えることができる流体圧を最大化するので有利である。
【0014】
1つの例示的な実施形態によれば、受容空間の開口の縁部は、開口を外部に対してシールするために使用されるシーリングダイアフラムの基部領域に当接するために設けられる、半径方向のシール面を形成する。この場合、シーリングダイアフラムは、好ましくは、バルブ閉鎖体の自由端側も取り囲む一体シーリングダイアフラムである。好ましくは、受容空間の開口の縁部は、外周側において、シーリングダイアフラムの基部領域が当接する半径方向外側のシール面を形成する。内周側では、流体バルブの駆動ユニットの延長部により、シーリングダイアフラムを半径方向外側のシール面に押し付けることができる。詳細には、駆動ユニットの延長部は、バルブハウジングを駆動ユニットに結合するために使用されるバルブハウジングキャリア上の延長部とすることができる。これにより、バルブハウジングと駆動ユニットとの間に確実なシールが提供される。
【0015】
1つの例示的な実施形態では、開口は、回転非対称の周方向形状を有する。回転非対称性は、一方では、駆動ユニットを所定の向きでバルブハウジングに適用する必要があること、他方では、シーリングダイアフラムも、少なくとも1つのバルブシートに対するその向きが規定されるように、定められた回転位置でのみバルブハウジングに挿入することができることを保証する。このようにして、流体バルブのシール品質の低下につながる組み立ての不正確さを低減することができる。
【0016】
1つの例示的な実施形態では、バルブハウジングは、バルブ閉鎖体を移動させることができる駆動ユニットに着脱可能に取り付けることができ結合部分を有する。それによって、流体バルブの組み立てが簡略化される。好ましくは、結合部分は、バルブハウジングを所定の位置又は向きで駆動ユニット上にのみ配置できるように構成されている。
【0017】
1つの例示的な実施形態では、結合部分は、スナップ機構によってバルブハウジングを駆動ユニットに取り付けるように構成されている。これにより、バルブハウジングは、工具を必要とせずに駆動ユニットに簡単に取り付けることができる。
【0018】
1つの例示的な実施形態によれば、バルブハウジングは、ホースクイックカップリングのための少なくとも1つの支持体を有する。ホースクイックカップリングは、例えば、この支持体にねじ込むか又は押し込むことができる。ホースクイックカップリングは、詳細には、流体ホースの自由端を収容し、例えばホース壁に係合するバーブなどの固定装置によって、望ましくない離脱に対してそれを固定するように設計することができる。このようにして、流体バルブへのホースの迅速な結合を達成することができる。
【0019】
さらなる態様では、流体バルブが開示される。この流体バルブは、バルブハウジングと、バルブハウジング内で移動可能なバルブ閉鎖体のための磁気駆動ユニットとを備える。バルブハウジングは、上記の例示的な実施形態のいずれか1つによって構成されている。
【0020】
さらに別の態様では、流体バルブのためのバルブハウジングを製造する方法が開示される。流体バルブは、流体が流れることができる少なくとも1つの流路と、バルブハウジング内で移動可能なバルブ閉鎖体のための受容空間とを有し、この方法は、
射出成形金型を提供するステップと、
少なくとも第1及び第2のコアを提供するステップであって、コアは、バルブハウジング内の少なくとも1つの流路の部分を形成するように構成される、ステップと、
受容空間を形成するためのコラプシングコアを提供するステップであって、コラプシングコアは、受容空間内に少なくとも1つのバルブシートを製造するための少なくとも1つの凹部を有する、ステップと、
第1及び第2のコア並びにコラプシングコアを射出成形金型に導入するステップであって、少なくとも第1のコアは、第1のコアの自由端がコラプシングコアの凹部の方に向くように、コラプシングコアと相互作用する、ステップと、
射出成形金型に流動性成形材料を導入するステップと、
射出成形金型から第1及び第2のコア並びにコラプシングコアを取り出すステップと、
を含む。
射出成形プロセスによって製造されたバルブハウジングは、受容空間に突出した少なくとも1つのバルブシートを有し、バルブシートによって受容空間に少なくとも1つの切り込みが形成されるようになっている。
【0021】
この製造方法は、少なくとも1つのバルブシートを含むバルブハウジングを非常に精密かつ正確に製造することができ、従って、後続の調整又は設定なしに流体バルブの高い繰返し精度を達成するので、射出成形部品として形成されるバルブハウジングが、流体バルブの非常に正確な動作を可能にするという技術的利点を提供する。コラプシングコアを使用することによって、少なくとも1つのバルブシートは、切り込みにもかかわらず、バルブハウジングと一体的に製造することができる。
【0022】
この方法の1つの例示的な実施形態では、コラプシングコアは、バルブ閉鎖体を部分的に取り囲むシーリングダイアフラムのための、平面の当接面を形成する環状の隆起部を有する少なくとも1つのバルブシートを形成する。コラプシングコアの結果として、環状のシール縁部が隆起部に形成され、この縁部は軸方向に受容空間の中に突出する。環状の隆起部は、シーリングダイアフラムのための平面支承を形成し、従って、バルブ閉鎖体の枢動可能性を制限する停止部を形成する。環状の隆起部から突出するシール縁部は、シーリングダイアフラムが環状の隆起部に当接する場合にシーリングダイアフラムに押し付けることができ、その結果、流体バルブの高い気密性がもたらされる。
【0023】
1つの例示的な実施形態によれば、コラプシングコアは、バルブハウジングの外側に設けられた受容空間の開口を形成するために用いられ、この開口は、回転非対称な周方向形状を有する。回転非対称性は、一方では、駆動ユニットを所定の向きでバルブハウジングに適用する必要があること、他方では、シーリングダイアフラムも、少なくとも1つのバルブシートに対するその向きが規定されるように、定められた回転位置でのみバルブハウジングに挿入することができることを保証する。このようにして、流体バルブのシール品質の低下につながる組み立ての不正確さを低減することができる。
【0024】
本発明の意味において、「約(approximately)」、「実質的に(substantially)」又は「おおよそ(about)」という表現は、それぞれの正確な値から±10%、好ましくは±5%の偏差及び/又は機能にとって重要ではない変化の形態での偏差を意味する。
【0025】
本発明のさらなる進展、利点、及び可能性のある用途は、例示的な実施形態の以下の説明及び図面に由来する。これに関連して、説明及び/又は図示された全ての特徴は、原則として、特許請求の範囲の概要又はそれらの後方参照に関係なく、個別に又は何らかの組み合わせで本発明の主題である。また、特許請求の範囲の内容は、本明細書の一部とされる。
【0026】
本発明は、例示的な実施形態によって複数の図面を参照して詳細に説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図3】例示的に
図2に示されたバルブハウジングの中央を通る縦断面図を示す。
【
図4】例示的にバルブシートを説明するために
図3においてZで示される領域の詳細図である。
【
図5】
図5は、射出成形プロセスによってバルブハウジングを製造するためのステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、例示的かつ概略的にバルブハウジング10を有する流体バルブ1の中央を通る縦断面図を示す。
【0029】
流体バルブ1は、バルブ閉鎖体2のための駆動ユニット3と、少なくとも1つの流路11が設けられたバルブハウジング10とを備える。バルブ閉鎖体2は、バルブハウジング10内に延び、駆動ユニット3に結合されており、バルブ閉鎖体2は、駆動ユニット3で動かすことができるように、詳細には枢動させることができるようになっている。詳細には、バルブ閉鎖体2は、枢動位置に応じてバルブ開口10.1を解放又は閉鎖するために、第1及び第2の枢動位置を取ることができる。図示の例示的な実施形態では、バルブハウジング10は、3つのポート10a、10b、10cを有し、ポート10a、10b、10cのペアは、バルブ閉鎖体2の枢動位置に応じて、その都度、互いに流体接続される。しかしながら、これとは異なり、流体バルブ1は、2つのポート10a、10b、10cのみを有することもでき、2つのポート間の流体接続は、バルブ閉鎖体2の枢動位置に応じて、解放されるか又は解放されない。バルブハウジング10は、ポート10a、10b、10cの各々にホースクイックカップリングのための支持体17を有することができる。ホースクイックカップリングは、ホースの自由端がホースクイックカップリングに挿入され、それによってホースの内部とバルブハウジング10に形成された流路11との間に流体密封接続を形成できるように構成することができる。ホースクイックカップリングは、ホースクイックカップリングからのホースの不所望な離脱に対する固定要素を含むこともできる。
【0030】
流体バルブ1は、以下の機能性を有する。すなわち、駆動ユニット3は、アーマチュア5の枢動位置に影響を与えるように設計されている。例えば、駆動ユニット3は、電磁駆動ユニットである、すなわち、駆動ユニット3のコイル4が通電されると、磁気力が発生し、これによってアーマチュア5が第2の枢動位置から第1の枢動位置へ移動する。この第1の枢動位置は、
図1に示されている。この第1の枢動位置は、コイル4が通電されている限り保持される。アーマチュア5は、コイル4への通電が終了した後に第2の枢動位置に戻されるように、バネによって付勢されることが好ましい。
【0031】
図1に示すように、バルブ閉鎖体2は、バルブ閉鎖体2がアーマチュア5によって動かされる、詳細には枢動されるような方法でアーマチュア5に結合される。詳細には、バルブ閉鎖体2は、アーマチュア5の枢動位置に応じてバルブハウジング10内で第1又は第2の位置を取り、結果としてバルブ位置を規定する、すなわち、少なくとも1つの流路11の解放又は閉鎖をそれぞれ規定する。
【0032】
駆動ユニット2は、例えば、本体6を備える。本体6は、駆動ユニット3の支持基本構造を形成する。好ましくは、これは、射出成形部品として、詳細にはプラスチック射出成形部品として設計される。本体6は、コイル4のための管状又は実質的に管状の支持体を有する。支持体内には第1の挿入口が形成されており、この挿入口には、U字形コア7の脚部を挿入することができる。
【0033】
さらに、本体6は、アーマチュア支持体6.1を備える。このアーマチュア支持体6.1は、コイル4の支持体に直接隣接し、アーマチュア5を枢動可能に取り付けるように設計されている。アーマチュア支持体6.1は、箱状、詳細には矩形の箱状構造であり、下部領域と複数の壁領域とを有している。壁領域は、下部領域に結合され、下部領域を周方向に取り囲み、下部領域から、コイル4から外方に面する側に突出する。
【0034】
下部領域には第2の挿入口が設けられており、この挿入口にはU字形コア7の第2の脚部を挿入することができる。従って、U字形コア7は、ヨーク形状であり、コア7の一方の脚部は、コイル4によって取り囲まれており、コイル4が通電されると、コア7と、コア7のポール面7.1、7.1’にまたがるアーマチュア5とによって閉磁気回路が形成されるようになっている。
【0035】
アーマチュア支持体6.1には、コア7又はコイル4から外方に面する側にバルブハウジングキャリア8が設けられている。バルブハウジングキャリア8は、駆動ユニット2とバルブハウジング10との間の結合を確立するように構成されている。バルブハウジングキャリア8は、例えばアーマチュア支持体6.1の壁に結合され、詳細には、バルブ閉鎖体2のための貫通開口は別として、箱状に形成されたアーマチュア支持体6.1を閉鎖する。
【0036】
バルブハウジングキャリア8は、バルブハウジング10を駆動ユニット2に着脱可能に固定することができる締結部材を有する。特に
図2から明らかなように、バルブハウジング10は、例えば、複数の突起状の結合部分16を有し、これは、バルブハウジングキャリア8上の戻り止め突起と相互作用して、バルブハウジングキャリア8へのスナップ結合を確立するために用いられる。原理的には逆に設計された固定も想定される、すなわち、結合部分16がバルブハウジングキャリア8上に設けられ、バルブハウジング10の戻り止め突起と相互作用する。
【0037】
図3は、
図2に示されたバルブハウジング10の中央を通る断面図を示し、バルブハウジング10に形成された流路11を通る縦断面が作成されるようになっている。
【0038】
バルブハウジング10では、ポート10a、10bのペアは、互いに直径方向に対向して設けられ、別のポート10cは、受容空間12の開口12.1の下方でその反対側に設けられている。この例示的な実施形態では、バルブ閉鎖体の位置に応じて、ポート10a、10c又はポート10b、10cのいずれかの間で流体連通を確立することができる。ここでは、流体バルブ1は、入口として機能するポート10cが出口としてのポート10a又はポート10bのいずれかに接続される、又は、出口として機能するポート10cが入口としてのポート10a又はポート10bのいずれかに接続される、流体スイッチを形成する。
【0039】
代替の例示的な実施形態では、ポート10bは省略することができ、ポート10aとポート10cとの間の流路は、流体バルブ1によって開放される又は閉鎖されるかのどちらかである(切り替え状態に応じて)。
【0040】
図示の例示的な実施形態では、バルブ閉鎖体2は、2つの脚部2.1、2.2を有する。第1の脚部2.1は、受容空間12の中に突出している。第2の脚部2.2は、第1の脚部に対して好ましくは斜めに、詳細には直角又は実質的に直角に配向され、バルブ閉鎖体2をアーマチュア5に結合する。
【0041】
第1の脚部2.1は、いくつかの部分で、詳細にはその自由端の領域において、シーリングダイアフラム15によって取り囲まれている。シーリングダイアフラム15は、一方では、バルブ開口10.1をシールするためのシール要素として、他方では、駆動ユニット3に向かって受容空間12の開口12.1をシールするためのシール要素として使用される。シーリングダイアフラム15は、
図1に示すように、ハット形である。詳細には、シーリングダイアフラム15は、受容空間12内に延びる下部領域において外周上で閉じた設計とすることができ、バルブ閉鎖体2の第1の脚部2.1の自由端に適合する形状を有することができ、バルブ閉鎖体2の第1の脚部2.1の自由端は、厳密な嵌合でシーリングダイアフラム15に収容される。
【0042】
少なくとも1つのバルブシート13、14は、受容空間12に設けられる。バルブシート13、14は、好ましくは、受容空間12の長手方向軸LAに平行又は実質的に平行に延在する受容空間12の側壁に設けられる。図示の例示的な実施形態では、バルブシート13、14のペアは、第1のバルブシート13が第2のバルブシート14と正反対の様式で対向して同じ高さ位置で配置されるように、受容空間12の対向する側壁に設けられる。
【0043】
バルブハウジング10は、射出成形部品、詳細にはプラスチック射出成形部品として一体的に形成される。少なくとも1つのバルブシート13、14は、バルブシート13、14によって切り込み13.1、14.1が形成されるような方法で受容空間12内に突出している。少なくとも1つのバルブシート13、14は、開口12.1を通過する受容空間12の長手方向軸LAに対して横方向、詳細には垂直方向又は本質的に垂直方向で受容空間12の中に突出している。切り込み13.1、14.1は、ここでは、受容空間12の下部領域12.2で、開口12.1に対向してバルブシート13、14の下に設けられている。
【0044】
図4は、第2のバルブシート14の設計をより詳細に示す。第1のバルブシート13は、好ましくは第2のバルブシート14と同一であることに留意されたい。バルブシート14は、環状の、詳細には円形リングの形状を有し、側壁から受容空間12内に突出する隆起部14.2を有する。バルブ開口10.1は、円形リングの形状を有する隆起部14.2内に設けられ、これは、シーリングダイアフラム15を備えるバルブ閉鎖体2が当接すると、このバルブ閉鎖体によって流体密封様式で閉鎖される。
【0045】
隆起部14.2は、バルブ閉鎖体2の枢動移動が隆起部14.2によって制限されるように、シーリングダイアフラム15又はバルブ閉鎖体2のための平坦な当接部を形成する。
【0046】
好ましくは、アーマチュア5は、アーマチュア支持体6.1に停止部なしで保持される、すなわち、アーマチュア5の枢動運動は、第1又は第2の枢動位置のいずれにおいても、アーマチュア5を取り囲む構成要素に対するアーマチュア部分の当接によって制限されない。アーマチュア5の枢動運動は、むしろバルブ閉鎖体2によって制限され、バルブ閉鎖体は、アーマチュア5の枢動位置に応じて、バルブシート13、14に対して当接するようになる、又は、1つのバルブシートのみが設けられ場合、このバルブシートと反対側のバルブハウジング10の停止部に対して当接するようになる。電流がコイル4を通って流れるときに想定されるアーマチュア5の第2のピボット位置においても、アーマチュア5は、磁極面7.1、7.1’から離間することに留意されたい。この距離は、アーマチュア5への可能な限り高い力の導入を達成するために、好ましくは1mm未満、詳細には0.5mm未満である。
【0047】
シール縁部は、好ましくは隆起部14.2上に設けられ、シーリングダイアフラム15が隆起部14.2に当接する場合にシーリングダイアフラム15に押し付けられるように設計されている。これは、バルブ閉鎖体2によって閉鎖されるバルブ開口10.1の高い気密性を保証する。
【0048】
図2で特に明らかなように、バルブ閉鎖体2が受容空間12に突出する開口12.1は、内側にシーリングダイアフラム15のための当接面を有する。シーリングダイアフラム15は、基部領域15.1を有し、外周側が開口12.1の周方向形状に対応する。加えて、バルブハウジングキャリア8は、延長部8.1を有し、この延長部は、その外周側でシーリングダイアフラム15の基部領域15.1の内壁に当接する。延長部8.1は、基部領域15.1及び開口12.1に適合する形状を有し、基部領域15.1において、シーリングダイアフラム15が開口の縁部12.1.1に対して半径方向に押し付けられ、従ってバルブハウジング10とバルブハウジングキャリア8との間の移行部で受容空間12をシールするようになっている。
【0049】
開口12.1は、好ましくは、内側に回転非対称な周方向形状を有する。これにより、バルブ閉鎖体2による少なくとも1つのバルブシート13、14に対するシーリングダイアフラム15の均一の接触圧を保証するように、シーリングダイアフラム15は、規定された設置位置又は回転方向においてのみ受容空間12に挿入できることが保証される。
【0050】
射出成形プロセスによるバルブハウジング10の製造は、以下でより詳細に説明される。
【0051】
上記で説明したように、少なくとも1つのバルブシート13、14又は停止部(1つのバルブシートのみが設けられ、バルブ閉鎖体2の枢動運動がバルブシートと反対側の停止部によって制限される場合)は、切り込み13.1、14.1を形成するように受容空間12に突出する。少なくとも1つのバルブシート13、14又は停止部は、射出成形品に一体的に設けられる、すなわち、バルブハウジング10の他の部分と同時に製造される。従って、切り込み13.1、14.1も射出成形プロセスによって形成される。
【0052】
コアは、ポート10a、10b、10c及び受容空間12を製造するために使用され、少なくとも1つの流路11及び/又は受容空間12のそれぞれの部分を形成するために射出成形金型に挿入される。受容空間12を形成するために使用されるコアは、コラプシングコアとして構成されている。これに関連して、「コラプシング」とは、射出成形プロセスが実行され、成形材料が硬化した後、コアは、最初に形状が変化し、従って、切り込み13.1、14.1にもかかわらず受容空間12から引き出すことができるように外周側でサイズが縮小することを意味する。
【0053】
コラプシングコアは、それぞれの場合において正反対の側面に凹部を有し、この凹部は、少なくとも1つのバルブシート13、14及び/又は停止部を製造するために使用される。少なくとも1つのバルブシート13、14を製造するための凹部は、例えば、バルブシート13、14の上述した形状とは逆の形状を有している。詳細には、凹部は、隆起部14.2及びそこから突出するシール縁部14.3を形成するように構成されている。
【0054】
加えて、コラプシングコアは、受容空間12の開口12.1の回転非対称の周方向形状を形成するようにも構成されている。
【0055】
以下、バルブハウジング10を製造する方法のステップをより詳細に説明する。
【0056】
最初に、射出成形金型を提供し(S10)、第1及び第2のコアを提供してバルブハウジングに少なくとも1つの流路の一部を形成する(S11)。
【0057】
さらに、コラプシングコアを提供して受容空間を形成する(S12)。コラプシングコアは、受容空間内に少なくとも1つのバルブシートを製造するための少なくとも1つの凹部を有する。
【0058】
続いて、第1及び第2のコアとコラプシングコアとを射出成形金型に挿入する。ここで第1及び/又は第2のコアは、第1のコアの自由端がコラプシングコアの凹部に向くように、コラプシングコアと相互に作用する(S13)。
【0059】
次に、流動性成形材料を射出成形金型に導入する(S14)。
【0060】
成形材料の硬化後、第1コア及び第2コア及びコラプシングを、コラプシングコアのサイズ減少後に射出成形金型から取り出す(S15)。
【0061】
本発明は、例示的な実施形態を参照して上述されている。多くの修正例並びに変形例は、特許請求の範囲によって定義される保護範囲から逸脱することなく可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0062】
1 流体バルブ
2 バルブ閉鎖体
2.1 第1の脚部
2.2 第2の脚部
3 駆動ユニット
4 コイル
5 アーマチュア
6 本体
6.1 アーマチュア支持体
7 コア
7.1、7.1’ ポール面
8 バルブハウジングキャリア
8.1 延長部
10 バルブハウジング
10a、b、c ポート
10.1 バルブ開口
11 流路
12 受容空間
12.1 開口
12.1.1 縁部
12.2 下部領域
13 第1のバルブシート
13.1 切り込み
14 第2のバルブシート
14.1 切り込み
14.2 環状隆起部
14.3 シール縁部
15 シーリングダイアフラム
15.1 基部領域
16 結合部分
17 支持体
LA 受容空間の長手方向軸
【手続補正書】
【提出日】2023-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れることができる少なくとも1つの流路(11)を備える流体バルブ(1)のためのバルブハウジングであって、
前記バルブハウジング(10)は、前記バルブハウジング(10)内で移動可能なバルブ閉鎖体(2)のための受容空間(12)を有し、
前記受容空間(12)は、開口(12.1)を有し、前記バルブ閉鎖体(2)は、前記開口を介して前記バルブハウジング(10)の前記受容空間(12)に導入され、
少なくとも第1のバルブシート(13)は、前記受容空間(12)に形成されかつ前記受容空間(12)の中に突出し、少なくとも1つの切り込み(13.1)が、前記第1のバルブシート(13)によって前記受容空間(12)に形成されるようになっており、
前記バルブハウジング(10)は、一体射出成形部品であり、
前記少なくとも1つのバルブシート(13)は、射出成形プロセスによって前記バルブハウジング(10)と一体的に製造される、
バルブハウジング。
【請求項2】
第2のバルブシート(14)又は前記バルブ閉鎖体(2)の停止部は、前記受容空間(12)おいて前記第1のバルブシート(13)の正反対にある、請求項1に記載のバルブハウジング。
【請求項3】
前記バルブ閉鎖体のための前記第2のバルブシート(14)又は前記停止部は、前記受容空間(12)に突出しており、前記第2のバルブシート(14)又は前記停止部によって前記受容空間(12)に少なくとも1つの切り込み(14.1)を形成するようになっている、請求項2に記載のバルブハウジング。
【請求項4】
前記切り込み(14.1)は、開口(12.1)から離れる受容空間(12)の下部領域(12.2)に設けられている、請求項3に記載のバルブハウジング。
【請求項5】
前記第1及び/又は第2のバルブシート(13、14)は、前記バルブ閉鎖体(2)を部分的に取り囲むシーリングダイヤフラム(15)のための平面の当接面を形成する環状の隆起部(13.2)を備え、環状のシール縁部(13.3)は、前記隆起部に設けられ、前記受容空間(12)の中に軸方向に突出する、請求項1又は2に記載のバルブハウジング。
【請求項6】
前記シール縁部(13.3)は、前記環状の隆起部(13.2)の半径方向の内縁に設けられている、請求項5に記載のバルブハウジング。
【請求項7】
前記受容空間(12)の前記開口(12.1)の縁部(12.1.1)は、前記開口(12.1)を外部に対してシールするための使用される前記シーリングダイアフラム(15)の前記基部領域(15.1)に当接するために設けられる、半径方向のシール面を形成する、請求項1又は2に記載のバルブハウジング。
【請求項8】
前記開口(12.1)は、回転非対称の周方向形状を有する、請求項1又は2に記載のバルブハウジング。
【請求項9】
前記バルブハウジング(10)は、前記バルブハウジング(10)を駆動ユニット(3)に解放可能に固定できる結合部分(16)を有し、前記駆動ユニット(3)は、前記バルブ閉鎖体(2)を動かすように構成されている、請求項1又は2に記載のバルブハウジング。
【請求項10】
前記結合部分(16)は、スナップ機構によって前記バルブハウジング(10)を前記駆動ユニット(3)に締結するように構成されている、請求項9に記載のバルブハウジング。
【請求項11】
前記バルブハウジング(10)は、ホースクイックカップリングのための少なくとも1つの支持体(17)を有する、請求項1又は2に記載のバルブハウジング。
【請求項12】
バルブハウジング(10)と、前記バルブハウジング(10)内で移動可能なバルブ閉鎖体(2)のための磁気駆動ユニット(3)とを備える流体バルブであって、前記バルブハウジング(10)は、請求項1から4のいずれか一項によって構成されている、流体バルブ。
【請求項13】
流体バルブ(1)のためのバルブハウジング(10)を製造する方法であって、前記流体バルブ(1)は、流体が流れることができる少なくとも1つの流路(11)と、前記バルブハウジング(10)内で移動可能なバルブ閉鎖体(2)のための受容空間(12)とを有し、前記方法は、
射出成形金型を提供するステップ(S10)と、
少なくとも第1及び第2のコアを提供するステップであって、前記コアは、バルブハウジング(10)内の少なくとも1つの流路(11)の部分を形成するように構成される、ステップ(S11)と、
前記受容空間(12)を形成するためのコラプシングコアを提供するステップであって、前記コラプシングコアは、前記受容空間(12)内に少なくとも1つのバルブシート(13、14)を製造するための少なくとも1つの凹部を有する、ステップ(S12)と、
前記第1及び第2のコア並びに前記コラプシングコアを前記射出成形金型に導入するステップであって、少なくとも前記第1のコアは、前記第1のコアの自由端が前記コラプシングコアの前記凹部の方に向くように、前記コラプシングコアと相互作用する、ステップ(S13)と、
前記射出成形金型に流動性成形材料を導入するステップ(S14)と、
前記射出成形金型から前記第1及び第2のコア並びに前記コラプシングコアを取り出すステップ(S15)と、
を含み、
前記射出成形プロセスによって製造された前記バルブハウジング(10)は、前記受容空間(12)に突出した少なくとも1つのバルブシート(13、14)を有し、前記バルブシート(13、14)によって前記受容空間(12)に少なくとも1つの切り込み(13.1、14.1)が形成されるようになっている、方法。
【請求項14】
環状の隆起部(13.2)を有する前記少なくとも1つのバルブシート(13、14)は、コラプシングコアによって形成され、前記隆起部は、前記バルブ閉鎖体(2)を部分的に取り囲むシーリングダイヤフラム(15)のための平面の当接面を形成し、環状のシール縁部(13.3)は、前記隆起部において前記コラプシングコアによって形成され、前記シール縁部は、受容空間(12)に軸方向に突出する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記バルブハウジング(10)の外側に設けられた前記受容空間(12)の開口(12.1)は、コラプシングコアによって形成され、前記開口は、回転非対称の周方向形状を有する、請求項13又は14に記載の方法。
【外国語明細書】