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特開2023-94599電気生理学的バルーンカテーテルのフレキシブル回路電極のためのカバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094599
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】電気生理学的バルーンカテーテルのフレキシブル回路電極のためのカバー
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20230628BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20230628BHJP
【FI】
A61B18/14
A61M25/10 502
A61M25/10 512
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022205247
(22)【出願日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/293,114
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/073,272
(32)【優先日】2022-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ルーズベ・ボルジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】オードリー・ブ
(72)【発明者】
【氏名】ババク・エブラヒミ
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK12
4C160KK54
4C160KK57
4C160MM38
4C267AA06
4C267BB27
4C267CC19
4C267FF01
4C267GG34
(57)【要約】
【課題】カテーテルバルーンを提供すること。
【解決手段】カテーテルバルーンのフレキシブル回路ストリップは、基材と、基材上に配設されているコンタクト電極とを含んでもよい。カバーは、コンタクト電極の周縁部及び基材の隣接部分を覆って配設されてもよい。カバーは、カテーテルバルーンの拡張と収縮の繰り返しから生じ得る疲労に対応して、コンタクト電極の堅牢性を高めることを意図している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルバルーンであって、
近位端部及び遠位端部を含む膜と、
前記膜の周りに配設された複数のフレキシブル回路ストリップであって、前記フレキシブル回路ストリップの各々が、
外側表面及び内側表面を含む基材であって、前記内側表面が前記膜上に配設されている、基材と、
前記基材の前記外側表面上に配設されたコンタクト電極であって、前記コンタクト電極が、環境に露出可能である、コンタクト電極と、
前記コンタクト電極の周縁部がもはや露出されないように、前記コンタクト電極の前記周縁部と前記基材の隣接部分とを覆って配設されたカバーと、を含む、複数のフレキシブル回路ストリップと、を含む、カテーテルバルーン。
【請求項2】
前記カバーが、内縁及び外縁を含み、前記コンタクト電極が、前記内縁と前記外縁との間に配設された境界を含み、前記カバーが前記境界を覆って延在する、請求項1に記載のカテーテルバルーン。
【請求項3】
前記境界が、前記内縁と前記外縁との間の中間に配設されている、請求項2に記載のカテーテルバルーン。
【請求項4】
前記基材及び前記カバーが同じ材料から構成されている、請求項3に記載のカテーテルバルーン。
【請求項5】
前記同じ材料がポリイミドを含む、請求項4に記載のカテーテルバルーン。
【請求項6】
前記カバーが前記基材に接合されている、請求項2に記載のカテーテルバルーン。
【請求項7】
前記カバーの前記内縁と前記コンタクト電極の前記境界との間の被覆幅が、約0.127mm~約0.508mm(約0.005インチ~約0.02インチ)である、請求項2に記載のカテーテルバルーン。
【請求項8】
前記被覆幅が約0.3302mm(約0.013インチ)である、請求項7に記載のカテーテルバルーン。
【請求項9】
前記カバーの全幅が、約0.254mm~約1.016mm(約0.01インチ~約0.04インチ)である、請求項7に記載のカテーテルバルーン。
【請求項10】
前記全幅が約0.635mm(約0.025インチ)である、請求項9に記載のカテーテルバルーン。
【請求項11】
前記カバーの厚さが、約3マイクロメートル~約7マイクロメートルである、請求項7に記載のカテーテルバルーン。
【請求項12】
前記厚さが約5マイクロメートルである、請求項11に記載のカテーテルバルーン。
【請求項13】
前記コンタクト電極がコンタクト層及びシード層を含む、請求項2に記載のカテーテルバルーン。
【請求項14】
前記シード層が前記基材の前記外側表面上に配設されている、請求項13に記載のカテーテルバルーン。
【請求項15】
前記シード層がチタンを含む、請求項14に記載のカテーテルバルーン。
【請求項16】
前記シード層の厚さが、約250オングストローム~約350オングストロームである、請求項14に記載のカテーテルバルーン。
【請求項17】
前記シード層の前記厚さが約300マイクロメートルである、請求項16に記載のカテーテルバルーン。
【請求項18】
前記カバーが前記コンタクト層の周縁部を覆って配設されている、請求項13に記載のカテーテルバルーン。
【請求項19】
前記コンタクト層の厚さが約0.75マイクロメートル~約1.25マイクロメートルである、請求項18に記載のカテーテルバルーン。
【請求項20】
前記コンタクト層の前記厚さが約1マイクロメートルである、請求項19に記載のカテーテルバルーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において開示されている主題は、電気生理学的カテーテル、特に、バルーン表面に配設されている電極による心臓組織をアブレーションすることが可能な電気生理学的カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
心臓組織のアブレーションは、心不整脈の治療に使用されている。焼灼エネルギーは、典型的には、先端部分により心臓組織に供給され、この先端部分は、アブレーションされるべき組織に沿って焼灼エネルギーを送達することができる。これらのカテーテルの一部は、三次元構造、例えばワイヤバスケット及びバルーンに配設されている又は組み入れられている、種々の電極から焼灼エネルギーを与える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
カテーテルバルーンは、カテーテルシャフトの遠位端部上に組み込まれてもよい。カテーテルバルーンは、フレキシブル回路ストリップが配設された膜を含んでもよい。フレキシブル回路ストリップはそれぞれ、外側表面及び内側表面を含む基材を含んでもよく、内側表面は膜上に配設されている。コンタクト電極は、基材の外側表面上に配設されてもよい。カバーは、コンタクト電極の周縁部が露出されないように、各コンタクト電極の周縁部及び対応する基材の隣接部分を覆って配設されてもよい。
【0004】
カバーは、カテーテルバルーンの拡張と収縮の繰り返しから生じ得る疲労に対応して、コンタクト電極の堅牢性を高めることを意図している。カバーは、内縁及び外縁を含んでもよく、コンタクト電極は、内縁と外縁との間に配設された境界を含んでもよく、したがって、カバーは、境界を覆って延在する。境界は、内縁と外縁との間の中間に配設されてもよい。更に、基材及びカバーは、基材に接合され得るポリイミドなどの同じ材料から構成されてもよい。
【0005】
コンタクト電極は、本体から離れるように延在する複数の突出部を含む魚の骨の構成を有してもよい。したがって、カバーは第1の突出部から第2の突出部まで延在してもよく、又は第1の突出部と第2の突出部との間のカバー内に間隙があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書は、本明細書に記載の主題を特に指摘し、かつ明確にその権利を主張する特許請求の範囲で終了するが、その主題は、添付の図面と併せて取られた特定の実施例の以下の説明からよりよく理解されると考えられ、図面において、同様の参照番号は同じ要素を特定する。
図1】侵襲的医療処置の概略図を示す。
図2】ラッソーカテーテルと共に使用している、拡張状態のバルーンを有するカテーテルの上面図を示す。
図3】補強構成要素を含む補強材を含むものとしてバルーンを示している、図2のカテーテルの遠位端部の斜視図を示す。
図4】バルーンの内部のカテーテルの構造を示している、図2のカテーテルの遠位端部の斜視図を示す。
図5図3のバルーン上のフレックス回路電極組立体のストリップの斜視詳細図を示す。
図6図5に示されるストリップの上面図を示す。
図6A図6に示されるストリップの一部の詳細図を示す。
図6B】切断線6B-6Bに沿った、図6Aに示される詳細図の一部の断面図を示す。
図7A図6に示されるストリップの一部の代替詳細図を示す。
図7B】切断線7B-7Bに沿った、図7Aに示された詳細図の一部の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同様の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を描写しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく、例として、本発明の原理を例解する。この説明は、当業者が本発明を製造及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物及び使用を説明する。
【0008】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値の範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±10%の値の範囲を指してもよく、例えば「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指してもよい。更に、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザー」、及び「被験者」という用語は、任意のヒト又は動物被験体を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。
【0009】
概説
機能不全心臓を治す心臓組織のアブレーションは、周知の手技である。典型的には、アブレーションを成功させるために、心筋の様々な位置で心臓の電極電位を測定する必要がある。更に、アブレーション中の温度測定により、アブレーションの有効性を測定することができるデータがもたらされる。典型的には、アブレーション処置に対して、実際のアブレーション前、アブレーション中、及びアブレーション後に、電極電位及び温度が測定される。
【0010】
アブレーションカテーテルは、ルーメンを含むことができ、バルーンは、カテーテルルーメンから配置され得る。多層の可撓性のある金属構造体がバルーンの外壁又は膜に取り付けられる。構造体は、長手方向軸線を中心に周囲に配置された複数の電極群を含み、それぞれの電極群は、典型的には、長手方向に配置された複数のアブレーション電極を含む。
【0011】
それぞれの電極群はまた、その群におけるアブレーション電極から物理的かつ電気的に絶縁されている少なくとも1つの微小電極を含むことができる。それぞれの電極群はまた、少なくとも熱電対を含むことができる。一部の実施形態では、それぞれの電極群は、通常の場所に形成された微小電極及び熱電対を含む。単一のカテーテルを使用して、アブレーション、電極電位の測定、及び温度の測定を行う能力のうちの3つの機能により、心臓のアブレーション手技を簡素化することができる。
【0012】
システムの説明
図1は、一実施形態による、装置12を使用する侵襲的医療処置の概略図である。この処置は医療専門家14によって実施され、一例として、以下の説明における処置は、ヒト患者18の心臓の心筋16の一部のアブレーションを含むと仮定される。ただし、本明細書に開示される実施形態は、この特定の処置に単に適用可能であるわけでなく、生物学的組織又は非生物学的材料に対する実質的に任意の処置を含み得ることが理解される。
【0013】
アブレーションを実施するために、医療専門家14は、患者の管腔に事前に配置されたシース21にプローブ20を挿入する。シース21は、プローブ20の遠位端22が患者の心臓に入るように位置付けられている。図2に示される診断/治療用カテーテル24(例えば、バルーンカテーテル)は、プローブ20のルーメン23内に少なくとも部分的に配設され、ルーメン23を通して展開され、プローブ20の遠位端部から出ることができる。
【0014】
図1に示されているように、装置12は、装置の操作用コンソール15内にある、システムプロセッサ46により制御される。コンソール15は、プロセッサと通信するために専門家14によって使用される制御装置49を含む。処置の間、プロセッサ46は、典型的には、当該技術分野において既知である任意の方法を使用してプローブ20の遠位端部22の場所及び配向を追跡する。例えば、プロセッサ46は、磁気追跡方法を使用することができ、患者18の外部にある磁気送信機25X、25Y、及び25Zは、プローブ20の遠位端に配置されたコイル内で信号を生成する。CARTO(登録商標)システム(Biosense Webster,Inc.(Irvine,California)から入手可能)は、このような追跡方法を使用する。
【0015】
プロセッサ46用のソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子形式でプロセッサにダウンロードすることができる。代替的に又は追加的に、ソフトウェアは、光、磁気又は電子記憶媒体などの非一時的な有形媒体上に提供されてもよい。遠位端部22の追跡は、画面62上で患者18の心臓の三次元表示60で表示され得る。ただし、それは、例えば、蛍光透視法又はMRIによって2次元的に表示されてもよい。
【0016】
装置12を操作するために、プロセッサ46は、装置を操作するためのプロセッサにより使用される多数のモジュールを有するメモリ50と通信する。したがって、メモリ50は、温度モジュール52、アブレーションモジュール54、及び心電計(ECG)モジュール56を含み、これらのモジュールの機能を以下で説明する。メモリ50は、典型的には、遠位端部22にかかる力を測定する力モジュール、プロセッサ46により使用される追跡方法を操作する追跡モジュール、及びプロセッサが遠位端部22に対して提供する潅注を制御することを可能にする潅注モジュールなどの他のモジュールを含む。簡略化のために、そのような他のモジュールは図1には示されていない。モジュールは、ハードウェア要素及びソフトウェア要素を含むことができる。例えば、モジュール54は、少なくとも1つの出力部又は出力チャネル、例えば、10個の出力部又は10個の出力チャネルを有する高周波発生器を含むことができる。出力部のそれぞれは、スイッチによって個別にかつ選択的に起動又は停止されてもよい。すなわち、各スイッチは、信号発生器とそれぞれの出力部との間に配設されてもよい。したがって、10個の出力部を有する発生器は、10個のスイッチを含むことになる。これらの出力部はそれぞれ、以下に更に詳細に説明されるアブレーションカテーテル上の電極、例えばバルーン80上の10個の電極33に個別に結合されてもよい。このような電気的接続は、各出力部と各電極との間に電気経路を確立することによって達成することができる。例えば、各出力部は、1つ又は2つ以上のワイヤ又は適切な電気コネクタによって対応する電極に接続されてもよい。したがって、一部の実施形態では、電気経路は、少なくとも1本のワイヤを含むことができる。一部の実施形態では、電気経路は、電気コネクタ及び少なくとも第2のワイヤを更に含むことができる。したがって、電極33は、スイッチにより選択的に活性化及び非活性化されて、他の電極のそれぞれから個別に高周波エネルギーを受け取ることができる。
【0017】
図3は、バルーン80が拡張構成にある診断/治療用カテーテル24の概略斜視図である。診断/治療用カテーテル24は、近位又は第1のシャフト部分82P、遠位又は第2のシャフト部分82D、及び遠位シャフト端部88を有する管状シャフト70により支持されている。図3と同様であるが、バルーン80上の外部構造が隠されている図4に示すように、遠位又は第2のシャフト部分82Dは、少なくとも部分的に近位又は第1のシャフト部分82P内に、それと伸縮関係で配設されている。シャフト70はまた、中空の中心管74を含み、これにより、カテーテルは、中心管を通って遠位シャフト端部88を過ぎることが可能となる。カテーテルは、例示したとおり、局所線状カテーテル又はラッソーカテーテル72であってもよい。ラッソーカテーテル72を肺静脈に挿入して、診断/治療用カテーテル24を小孔に対して正確に配置してから、小孔の切除を行うことができる。カテーテル72の遠位ラッソ部分は、典型的には、ニチノールなどの形状記憶保持材料によって形成されている。診断/治療用カテーテル24はまた、PV内又は心臓の他の場所で、線形カテーテル又は局所カテーテル99(図3の破線で示されているように)と共に使用することができることを理解されたい。局所カテーテル99は、その遠位先端に力センサを含むことができる。好適な力感知遠位先端は、米国特許第8,357,152号及び同第10,688,278号に開示されており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。診断/治療用カテーテルと共に使用される任意のカテーテルは、例えば、圧力感知、アブレーション、診断、例えば、ナビゲーション及びペーシングを含む特徴及び機能を有し得る。
【0018】
図5を更に参照すると、診断/治療用カテーテル24のバルーン80は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン、Pellethane(登録商標)又はPEBAX(登録商標)などのプラスチックから形成された生体適合性材料の膜26を含む。膜26は、外側表面26o及び内側表面26iを有する。膜26、したがってバルーン80は、近位端部87及び遠位シャフト端部88に遠位端部89を有する。
【0019】
シャフト70及び遠位シャフト端部88は、バルーン80の長手方向軸78を画定する。バルーン80は、プローブ20のルーメン23を介して、折り畳まれた構成で配置される。バルーン80の膜26の近位端部は、第1の又は近位シャフト部分82Pに取り付けられ、バルーン80の膜26の遠位端部は、遠位シャフト端部88に近接して、第2の又は遠位シャフト部分82Dに取り付けられている。バルーン80は、遠位端部22から出た後、遠位シャフト端部88を近位に移動させてバルーン80の遠位端部89とバルーン80の近位端部87との間の距離を短縮し、こうしてバルーン80の幅を大きくすることによって、すなわち、近位シャフト部分82P内で近位に遠位シャフト部分82Dをはめ込むことによって、拡張構成に拡張され得る。灌注流体をバルーン80に通過させることは、バルーン80を更に拡張し得る。バルーン80は、灌注を停止し、次いで遠位シャフト端部88を近位端部87から離れるように移動させて、バルーン80の幅を減少させ、長さを拡張することによって、すなわち、近位シャフト部分82P内で遠位に遠位シャフト部分82Dをはめ込むことによって、その折り畳まれた構成に戻し得る。第1のシャフト部分と第2のシャフト部分との間のこの伸縮運動は、図2に示される制御ハンドル83のノブ85によって制御され得る。具体的には、ノブ85は、遠位シャフト部分82Dを遠位に延在させるために第1の方向に回転され得、こうして遠位シャフト端部88を遠位に移動させ、一方、ノブ85は、遠位シャフト部分82Dを近位に引き戻すために反対方向に回転され得、こうして遠位シャフト端部88を近位に移動させ得る。ノブ85は、遠位シャフト端部をその最も近位の位置に、かつその最も遠位の位置に維持するために、戻り止めなどの係止特徴部を更に含み得る。そのような係止特徴部は、バルーン80がアブレーション中にその拡張構成からいくらか折り畳まれるのを防ぐのに役立ち、プローブ20のルーメン23への引き戻し中にその折り畳まれた構成からいくらか拡張するのを防ぐのに役立つ。バルーンを折り畳まれた構成と拡張構成との間で移行させることに関する更なる説明は、米国特許出願公開第2018/0161093号として公開された、米国特許出願第15/827,111号に記載されている。この出願の全内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
膜26は、多層のフレキシブル回路電極アセンブリ84として構築される電極と温度感知部材との組み合わせを支持して、これを有する。「フレックス回路電極組立体」84は、多くの異なる幾何学的構造を有してもよい。例示されている実施形態では、フレックス回路電極組立体84は、複数の放射状のフレキシブル回路ストリップ30を有する。ストリップ30は、バルーン80の外側膜表面26oの周辺に均一に分布されている。それぞれが、幅狭の遠位部分に向かって徐々に先細りする幅広の近位部分を有する基材34を含む。図3に見られるように、フレックス回路電極組立体84は、10個のストリップ30を含んでもよい。
【0021】
各基材34は、幅広の近位部分に対して近位に近位尾部31P、及び幅狭の遠位部分の遠位に遠位尾部31Dを有する。以下で説明するように、遠位尾部31Dは、遠位シャフト端部88まで延在してその下に固定されてもよい。基材34は、エポキシなどの接着剤で膜26に接合されてもよい。いくらかの接着剤は、基材34の内側表面37と膜26との間に配設されてもよい。
【0022】
フレックス回路電極組立体84は、図5に示されるようなストリップ30のうちの1つに関して説明される。フレックス回路電極組立体84は、例えば、ポリイミドなどの非導電性生体適合性材料で構成された、可撓性があり弾力的なシート状の基材34を含む。一部の実施形態では、シート状基材34は、バルーン膜26の耐熱性と比較して、より大きな耐熱性(又はより高い融解温度)を有する。一部の実施形態では、基材34は、バルーン膜26の融点よりおよそ摂氏100度以上高い分解温度を有する熱硬化性材料から構成されている。基材は、約15マイクロメートル~約25マイクロメートル、例えば約20マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0023】
基材34には、バルーン部材26の灌注用開口部27と整列する1つ又は2つ以上の灌注孔又は開口部35が形成されており、その結果、灌注用開口部27及び35を通過する流体を、小孔のアブレーション部位に流すことができる。基材34は、レーザ切断などの任意の好適な製造技術によって形状に切断されてもよく、灌注孔35が形成されてもよい。
【0024】
基材34は、バルーン膜26から離れる方向に面する第1のすなわち外側表面36、及びバルーン膜26に面する第2のすなわち内側表面37を有する。その外側表面36上で、基材34は、心臓の一部の内部などの環境に露出可能であり、また特に肺静脈口と組織接触するように適合され得るコンタクト電極33を支持及び担持する。その内側表面37上で、基材34は、配線電極38を支持及び担持する。コンタクト電極33は、アブレーション中、小孔にRFエネルギーを送達するか、又は小孔の温度感知のための熱電対接合部に接続されている。例示されている実施形態では、コンタクト電極33は、長手方向に細長部分40と、概ね等間隔に配置された、拡大近位端部42Pと拡大遠位端部42Dとの間の細長部分40の各側面から概ね垂直に延在する複数の薄い横断線状部分、すなわち突出部41と、を有する。細長部分40は、より大きい幅を有し、突出部のそれぞれは、概ね均一なより小さい幅を有する。したがって、コンタクト電極33の構成又はトレースは、電極の本体から延在する様々な長さの「魚の骨」である突出部41を有する「魚の骨」に似ていることがあるが、本発明は、このような構成に限定されないことに留意すべきである。領域又は「パッチ」アブレーション電極とは対照的に、コンタクト電極33の突出部41は、小孔とのコンタクト電極33の周囲接触面又は赤道接触面を有利に増大させ、隣接する突出部41間の空隙領域43は、その赤道に沿う場所において必要に応じてバルーン80が内側に折り畳まれるか、又は半径方向に拡張することを有利に可能にする。例示されている実施形態では、突出部41は異なる長さを有しており、一部はより長く、他はより短い。例えば、複数の突出部は、遠位突出部、近位突出部、及びそれらの間にある突出部を含み、それらの間の突出部はそれぞれ、より短い隣接する突出部を有する。例えば、各突出部は、各突出部の長さが各基材34の先細り構成に概ね従うように、その遠位又は近位の直接隣接する隣接突出部とは異なる長さを有する。図示されている実施形態では、細長部分40を横切って(細長部分40の各側面を過ぎて)延在する22個の突出部が存在し、最長の突出部が拡大近位端部42Pから3番目の突出部である。一部の実施形態では、コンタクト電極33は、外側すなわちコンタクト層76と、コンタクト層と基材34との間に内側すなわちシード層77と、を含む。コンタクト層76は金を含んでもよい。シード層77は、チタン、タングステン、パラジウム、銀又はこれらの組み合わせを含んでもよい。シード層77は、基材34上にスパッタリングされてもよく、コンタクト層76は、シード層上にスパッタリング、めっき、又はこれらの組み合わせによってなされてもよい。シード層77の厚さは、約250オングストローム~約350オングストローム、例えば、約300オングストロームであってもよい。コンタクト層76の厚さは、約0.75マイクロメートル~約1.25マイクロメートル、例えば、約1マイクロメートルであってもよい。シード層77の材料が例えばチタンを含むどのような材料であっても、それは基材34の材料、例えばポリイミドに容易に接合可能であるべきである。
【0025】
1つ又は2つ以上の排除ゾーン47がコンタクト電極33内に形成されており、排除ゾーン47のそれぞれは、基材34に形成された灌注用開口部35を囲繞している。排除ゾーン47は、コンタクト電極33内に意図的に形成された空隙であり、灌注用開口部35をそれらの位置及びそれらの機能に適応させた状態で電極組立体84を構築している間にコンタクト電極33に損傷が加わるのを回避するためのものである。
【0026】
基材34中の貫通孔を通って延在する導電性形成物又は金属製形成物であり、また外側表面36上のコンタクト電極33と内側表面37上の配線電極38とを接続する電線用導管として構成された、1つ又は2つ以上の導電性ブラインドビア48も、コンタクト電極33中に形成される。「導電性の」は、本明細書において、すべての関連する事例において、「金属製の」と互換的に使用されることを理解されたい。例えば、ビアは、基材34の貫通孔を通して金をめっきすることによって製造されてもよい。好ましくは、ブラインドビア48の厚さは、基材34の厚さより小さいか、又はそれに近い。例えば、ブラインドビア48の厚さは、約4マイクロメートル~約25マイクロメートル、例えば、約10マイクロメートル~約14マイクロメートルであってもよい。
【0027】
例示されている実施形態では、コンタクト電極33は、長手方向に、約0.1インチ~1.0インチ、及び好ましくは約0.5インチ~0.7インチ、より好ましくは約0.57インチとなり、4つの排除ゾーン47及び9つのブラインドビア48を有する。
【0028】
基材34の内側表面37において、配線電極38は、コンタクト電極33の細長部分40と概ね同様の形状及びサイズの細長い本体として概ね構成されている。配線電極38は、「脊柱」とやや類似し、電極組立体84の各基材34に対して所定の程度の長手方向の剛性をもたらすという観点では、脊柱としても機能している。配線電極38は、ブラインドビア48のそれぞれがコンタクト電極33及び配線電極38の両方と導電接触するよう位置付けられている。例示されている実施形態では、2つの電極33及び38は、他方と長手方向に整列しており、9つすべてのブラインドビア48は、電極33及び38の両方と導電接触している。一部の実施形態では、配線電極38は、銅の内側部分と金の周縁部とを有する。
【0029】
配線電極38はまた、基材34の灌注用開口部35の周囲にその排除ゾーン59を有して形成されている。配線電極38には、少なくとも1つの活性61Aであるはんだパッド部分が更に形成されており、1つ又は2つ以上の不活性(inactive)はんだパッド部分61Bが存在してもよい。はんだパッド部分61A及び61Bは、配線電極38の細長い本体の側面からの延長部である。例示されている実施形態では、活性はんだパッド部分61Aには、細長形本体に沿っておよそ中間の場所に形成されており、それぞれの不活性はんだパッド部分61Bは、拡大遠位端部42D及び拡大近位端部42Pのそれぞれに設けられている。
【0030】
例えば、はんだ溶接部63によって、活性はんだパッド部分61Aに、対線、例えば、コンスタンタンワイヤ51及び銅配線53が取り付けられている。銅配線53は、配線電極33のリードワイヤを提供し、銅ワイヤ53及びコンスタンタンワイヤ51は、接合部がはんだ溶接部63にある熱電対を提供する。対線51/53は、膜26に形成された貫通孔29を通過する。貫通孔29が存在しない他の実施形態では、対線51/53が、近位リング28Pに一層近接する管状シャフト側壁に形成された(図示しない)別の貫通孔を介して管状シャフト70に入るまで、対線51/53は、膜26と基材34との間、更に近位には膜26と近位尾部31Pとの間を通ることができることが理解される。
【0031】
基材34は、配線電極38及び対線51/53が基材34とバルーン膜26との間に挟まれた状態で、基材34の外側表面36が露出し、基材34の内側表面37がバルーン膜26に固定されるように、バルーン膜26に固定される。基材34の灌注用開口部35は、バルーン膜26の灌注用開口部27と整列する。配線電極38における排除ゾーン59及びコンタクト電極33における排除ゾーン47は、互いに、及びバルーン26の灌注用開口部27及び基材34の灌注用開口部35と、それぞれ同心円状に並んでいる。
【0032】
上述の開示による、診断/治療用カテーテルの構築に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2017/0312022号として公開された米国特許出願第15/360,966号に見出すことができる。この出願の全内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
改善された堅牢性
上記の主題に関する継続中の研究及び製品開発の努力により、本出願人は、バルーン80が、折り畳まれた構成でプローブ20のルーメン23から配置されること、拡張構成まで拡張すること、折り畳まれた構成に戻ること、及びプローブ20をルーメン23内へと引き戻すことからなる複数のサイクルに耐性がなければならない、と結論付けた。サイクル数は、約5回~約20回であってもよい。したがって、組み立てられたバルーンの全体的な完全性は、少なくとも5回から20回の疲労サイクルに耐えなければならない。
【0034】
これらの努力の間に、出願人は、その機能を構成することなく、又は複数回の展開サイクル中にバルーン80の完全性を損なうことなく、コンタクト電極33の堅牢性を確保する機会を特定した。具体的には、バルーン80が繰り返し展開及び後退させられるにつれて、コンタクト層76がシード層77から削り取られるか又は層間剥離され始める可能性が非常にまれに生じる。このような層間剥離が生じると、コンタクト層76は、コンタクト電極33の境界90において、主に突出部41に沿って、シード層77から離れるように亀裂を生じたり又は剥がれ落ちたりする可能性がある。出願人は、境界90が滑らかな縁部を有することを確実にすることによってそのような層間剥離が回避され得ると結論付けたが、出願人は、そのような層間剥離を回避するための別の技術も結論付けた。この技術は、図6A及び図7Aに示される代替詳細図に対応する図6及びその詳細D、並びに図6B及び図7Bに示されるそれらのそれぞれの断面を参照して説明される。
【0035】
図6は、コンタクト電極33及び基材34を含むフレックス回路84の単一のストリップ30の上面図を示す。やはり、コンタクト電極33はコンタクト層76を含み、コンタクト層76は金であってもよく、また魚の骨構成を有してもよく、基材34はポリイミドであってもよい。コンタクト電極33の境界90は、図6A及び図7Aの詳細図において点線で示されている。前述の層間剥離が出願人によって観察されたときはいつでも、それは典型的に境界90で始まっている。この観察に基づいて、出願人は、境界90を覆って基材34の隣接部分上に延在するカバー91でコンタクト電極33の周縁部を覆うことによって、そのような層間剥離を防ぐことができると結論付けた。具体的には、図6A及び図7Aに示すように、カバー91は、カバー91がコンタクト電極33のコンタクト層76の上に内縁92を有し、基材34の外側表面36の上に外縁94を有するように、境界90を覆って配設されてもよい。図6Aの切断線6B-6Bによって示される図6Bの断面を参照すると、コンタクト層76及びシード層77を含むコンタクト電極33が、内縁92がコンタクト層76の上に配設された状態でカバー91によって部分的に挟まれていることが分かり得る。この構成では、カバー91は、第1の突出部41’及び第2の突出部41’’などの隣接する突出部間に間隙93を含むことができる。したがって、コンタクト電極33の周縁部、すなわち、カバー内縁92とコンタクト電極境界90との間の部分は、カバー91と基材34との間に挟まれるようになり、一方、外縁94と境界90との間のカバー91の部分は、基材34の隣接部分を覆う。
【0036】
カバー91が、コンタクト電極が組織を適切にアブレーションする能力を妨げることなく層間剥離の可能性を最小限に抑えることを確実にするために、カバー91の内縁92は、境界90から十分に離れてコンタクト電極33の上に配置されるべきである。したがって、例えば、被覆幅、すなわち境界90と内縁92との間の幅は、約0.005インチ~約.02インチ、例えば約0.013インチであってもよい。
【0037】
基材34上の外縁92の位置は、アブレーション機能に基づいて画定される必要はないが、基材34へのカバー91の堅牢な取り付けを確実にするために必要であるよりも多くのカバー91を基材34の上に設けることは、その適合特性等のバルーン80の他の重要な特性を阻害し得る。例えば、カバー91の全幅は、約0.01インチ~約.04インチ、例えば、約.025インチであってもよい。しかしながら、カバー91の幅は、必ずしも正確に画定される必要はなく、前段落で示したように間隙93を含む必要もない。代わりに、図7Aの詳細図及び図7Bの断面図を参照すると、カバー91は、突出部41’と41’’との間の空間などの隣接する突出部41間の空間を覆って連続的に延在するように構成されてもよく、また、図6Aに示されるよりも更に基材34上に延在して、例えば、コンタクト電極33によって覆われていない基材34の部分の全体を覆うように構成されてもよい。したがって、隣接する突出部間に間隙93は存在しない。これに対応して、外縁94は、隣接する突出部間、例えば、第1の突出部41’と第2の突出部41’’との間のどこにも配設されていない。したがって、図7A及び図7Bに示される実施形態は、構造的により堅牢なカバー91が、1つの電極接触面から別の電極接触面に中断なく延在することを可能にする。
【0038】
カバー91は、基材と同じ材料、例えばポリイミドを含んでもよい。ポリイミドは、それ自体及び金に容易に接合するので、金コンタクト層76の層間剥離を防ぐのに好ましい材料である。カバー91は、スパッタリング、積層、又は蒸着等の任意の好適な処理によって適用されてもよい。第1のマスクは、内縁92と境界90との間のコンタクト層76の部分を除いて、コンタクト層76の全体を覆って設けられてもよい。基材34の一部の上に第2のマスクを設けて、外縁94の位置を画定してもよい。したがって、カバー91の適用時、境界90は、カバー91の下、内縁92と外縁94との間に、例えば、図6Aに示されるように、内縁92と外縁94との間の中間に配設される。カバー91の厚さは、約3マイクロメートル~約7マイクロメートル、例えば、約5マイクロメートルであってもよい。
【0039】
本明細書に記載の実施例又は実施形態のいずれも、上記のものに加えて又はそれらの代わりに様々な他の特徴を含むことができる。本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適切な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであるべきである。
【0040】
本発明に含まれる主題の例示的な実施形態について図示及び説明したが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合は、特許請求の範囲から逸脱することなく適切な修正によって達成することができる。更に、上記の方法及びステップが特定の順序で発生する特定の事象を示す場合、特定のステップは、説明された順序で実行される必要はなく、ステップが、実施形態がそれらの意図された目的のために機能することを可能にする限り、任意の順序で実行されることが意図される。したがって、本開示の趣旨の範囲内であるか、又は特許請求の範囲に見出される本発明と同等である本発明の変形例が存在する限り、本特許はそれらの変形例も包含することが意図されている。一部のそのような修正は、当業者には明らかであるはずである。例えば、上述の実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは、例示的なものである。したがって特許請求の範囲は、明細書及び図面に記載される構造及び操作の特定の詳細に限定されるべきではない。
【0041】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルバルーンであって、
近位端部及び遠位端部を含む膜と、
前記膜の周りに配設された複数のフレキシブル回路ストリップであって、前記フレキシブル回路ストリップの各々が、
外側表面及び内側表面を含む基材であって、前記内側表面が前記膜上に配設されている、基材と、
前記基材の前記外側表面上に配設されたコンタクト電極であって、前記コンタクト電極が、環境に露出可能である、コンタクト電極と、
前記コンタクト電極の周縁部がもはや露出されないように、前記コンタクト電極の前記周縁部と前記基材の隣接部分とを覆って配設されたカバーと、を含む、複数のフレキシブル回路ストリップと、を含む、カテーテルバルーン。
(2) 前記カバーが、内縁及び外縁を含み、前記コンタクト電極が、前記内縁と前記外縁との間に配設された境界を含み、前記カバーが前記境界を覆って延在する、実施態様1に記載のカテーテルバルーン。
(3) 前記境界が、前記内縁と前記外縁との間の中間に配設されている、実施態様2に記載のカテーテルバルーン。
(4) 前記基材及び前記カバーが同じ材料から構成されている、実施態様3に記載のカテーテルバルーン。
(5) 前記同じ材料がポリイミドを含む、実施態様4に記載のカテーテルバルーン。
【0042】
(6) 前記カバーが前記基材に接合されている、実施態様2に記載のカテーテルバルーン。
(7) 前記カバーの前記内縁と前記コンタクト電極の前記境界との間の被覆幅が、約0.127mm~約0.508mm(約0.005インチ~約0.02インチ)である、実施態様2に記載のカテーテルバルーン。
(8) 前記被覆幅が約0.3302mm(約0.013インチ)である、実施態様7に記載のカテーテルバルーン。
(9) 前記カバーの全幅が、約0.254mm~約1.016mm(約0.01インチ~約0.04インチ)である、実施態様7に記載のカテーテルバルーン。
(10) 前記全幅が約0.635mm(約0.025インチ)である、実施態様9に記載のカテーテルバルーン。
【0043】
(11) 前記カバーの厚さが、約3マイクロメートル~約7マイクロメートルである、実施態様7に記載のカテーテルバルーン。
(12) 前記厚さが約5マイクロメートルである、実施態様11に記載のカテーテルバルーン。
(13) 前記コンタクト電極がコンタクト層及びシード層を含む、実施態様2に記載のカテーテルバルーン。
(14) 前記シード層が前記基材の前記外側表面上に配設されている、実施態様13に記載のカテーテルバルーン。
(15) 前記シード層がチタンを含む、実施態様14に記載のカテーテルバルーン。
【0044】
(16) 前記シード層の厚さが、約250オングストローム~約350オングストロームである、実施態様14に記載のカテーテルバルーン。
(17) 前記シード層の前記厚さが約300マイクロメートルである、実施態様16に記載のカテーテルバルーン。
(18) 前記カバーが前記コンタクト層の周縁部を覆って配設されている、実施態様13に記載のカテーテルバルーン。
(19) 前記コンタクト層の厚さが約0.75マイクロメートル~約1.25マイクロメートルである、実施態様18に記載のカテーテルバルーン。
(20) 前記コンタクト層の前記厚さが約1マイクロメートルである、実施態様19に記載のカテーテルバルーン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6A
図6B
図7A
図7B
【外国語明細書】