(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094611
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】測定装置、粘度計、及び/又は、密度計の測定セルを充填及び/又は洗浄する方法
(51)【国際特許分類】
G01N 11/14 20060101AFI20230628BHJP
G01N 9/00 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
G01N11/14
G01N9/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022206329
(22)【出願日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】A51045/2021
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(71)【出願人】
【識別番号】513304183
【氏名又は名称】アントン パール ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Anton Paar GmbH
【住所又は居所原語表記】Anton-Paar-Strasse 20, A-8054 Graz-Strassgang, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】弁理士法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【弁理士】
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【弁理士】
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 大一郎
(72)【発明者】
【氏名】ディーター シュテルツマン
(72)【発明者】
【氏名】ハーラルト シュミデッグ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】測定装置、粘度計及び/又は密度計、具体的には、回転式粘度計の測定セルを充填及び/又は洗浄する方法及び、ポンプによって、サンプルを、サンプル管を介して測定セルの中に導入し、測定セルにおいて、サンプルの、動的な粘度及び/又は密度を判定する方法に関する。
【解決手段】この方法では、ポンプ(1)と測定セル(3)との間のサンプル管(7)において、サンプル(2)用の、具体的には漏斗形の可逆的に開放可能な収容容器(4)、具体的には、充填用漏斗、が配置されており、収容容器(4)が開放されて、サンプル(2)が、収容容器(4)の中に導入され、収容容器(4)は、圧力管(9)を介してポンプ(1)に接続されており、収容容器(4)の中に圧力が導入されると、サンプル(2)の一部が収容容器(4)から排出されて、測定セル(3)の中に導入されるようになっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定装置(10)、粘度計及び/又は密度計、具体的には、回転式粘度計の測定セル(3)を充填及び/又は洗浄する方法であって、ポンプ(1)によって、サンプル(2)を、サンプル管(7)を介して前記測定セル(3)の中に導入し、前記測定セル(3)において、前記サンプル(2)の、具体的には動的な粘度及び/又は密度を判定する方法において、
前記ポンプ(1)と前記測定セル(3)との間の前記サンプル管(7)において、前記サンプル(2)用の、具体的には漏斗形の可逆的に開放可能な収容容器(4)、具体的には充填用漏斗、が配置されており、
前記収容容器(4)が開放されて、前記サンプル(2)が、前記収容容器(4)の中に入れられ、
前記収容容器(4)は、圧力管(9)を介して前記ポンプ(1)に接続されており、前記収容容器(4)の中に、圧力が導入されると、前記サンプル(2)の一部が、前記収容容器(4)から排出されて、前記測定セル(3)の中に導入されるようになっていることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記収容容器(4)は、ポンプ接続部(41)及びサンプル出口(42)を備え、前記ポンプ接続部(41)は、重力方向におけるサンプルカラム及び/又は前記サンプル出口(42)の上方の、具体的には、前記収容容器(4)の蓋(43)に配置されており、
前記ポンプ(1)は、空気ポンプであり、空気が、前記ポンプ(1)及び圧力管(9)を介して前記収容容器(4)の中に導入され、前記収容容器(4)内のサンプル(2)に、具体的には、所定の圧力が印加され、
前記収容容器(4)における前記圧力によって、前記サンプル(2)は、前記サンプル出口(42)を介して、前記サンプル管(7)及び前記測定セル(3)の中に導入されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定セル(3)から延びるサンプル排出管(5)が、配置されており、前記サンプル排出管(5)により、前記サンプルは、前記測定セル(3)から、具体的には廃棄容器に排出され、前記サンプル排出管(5)及び/又は前記測定セル(3)内には、前記サンプル排出管(5)を閉鎖可能な、少なくとも1つの弁(6)が、配置されており、これによって、前記測定セル(3)における前記サンプル(2)が、所望の充填量に達した場合に、前記サンプル(2)の前記サンプル管(7)における前記測定セル(3)までの流れ、及び/又は、前記測定セル(3)から前記サンプル排出管(5)の中への流れが、遮断されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記サンプル排出管(5)において、少なくとも1つのセンサ(8)が、配置されており、前記センサ(8)の状態は、制御ユニットに供給され、前記センサ(8)によって、前記サンプル排出管(5)及び/又は前記測定セル(3)における前記サンプル(2)の存在が、検出され、この場合、具体的には、前記センサ(8)によって前記サンプル(2)が検出されると、前記ポンプ(1)が、停止され、及び/又は、前記弁(6)が、閉鎖されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記測定セル(3)及び/又は前記サンプル管(7)及び/又は前記収容容器(4)及び/又は前記サンプル排出管(5)は、測定後、具体的には、前記収容容器(4)を介して導入される洗浄剤によって、前記サンプル(2)の残留物が、除去され、洗浄後、前記ポンプ(1)によって空気が、前記測定セル(3)及び/又は前記サンプル管(7)及び/又は前記収容容器(4)及び/又は前記サンプル排出管(5)を乾燥させるために、これらを通って送られることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記サンプル管(7)又は前記サンプル排出管(5)内に、2つのセンサ(8a,8b)、具体的には、光電センサが、配置されており、前記サンプル(2)が第1のセンサ(8a)から第2のセンサ(8b)まで到達するために必要な時間が、測定され、これに基づいて、前記サンプル(2)の流れ挙動が、推測されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記測定セル(3)における第1の測定の後、測定済のサンプル(2)を、前記ポンプ(1)によって、前記測定セル(3)から排出し、その後、前記収容容器(4)を介して、前記ポンプ(1)によって、さらなる量のサンプル(2)を前記測定セル(3)の中に導入し、新たに測定を行い、具体的には、前記サンプル(2)の交換及び測定を複数回行うことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記サンプル(2)が、前記測定セル(3)を充填するために必要な時間を、数学モデルにより算出し、前記数学モデルは、前記サンプル(2)及び/又は前記測定セル(3)の温度を考慮し、これによって、所定量のサンプル(3)を、前記測定セル(3)に、具体的には、繰り返し導入することを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記収容容器(4)内の前記サンプル(2)を、所定の温度に加熱又は冷却するテンパリングユニット(11)が設けられていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
具体的には、前記収容容器(4)の領域において、磁気ユニット、具体的には、電磁石(12)又は永久磁石が、配置されており、前記磁気ユニットによって、前記サンプル(2)内の磁性粒子が分離され、これによって、前記磁性粒子が、前記測定セル(3)の中に侵入することが防止されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
具体的には、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法を実施するための、サンプル(2)の、具体的には、動的な粘度及び/又は密度を測定する測定装置(10)、具体的には、粘度計又は回転式粘度計であって、少なくとも1つの測定セル(5)及びポンプ(1)を備え、前記測定セル(1)は、サンプル管(7)を介して前記測定セル(5)に接続されている測定装置(10)において、
前記ポンプ(1)と前記測定セル(3)との間の前記サンプル管(7)において、前記サンプル(2)を収容するための、具体的には、漏斗形の可逆的に閉鎖可能な収容容器(4)、具体的には、充填用漏斗、が配置されており、
前記サンプル(2)は、前記収容容器(4)の中に入れることが可能であり、前記収容容器(4)は、前記ポンプ(1)に接続されており、前記ポンプ(1)により、前記収容容器(4)の中に圧力が、導入されると、前記サンプル(2)の一部が、前記収容容器(4)から排出されて、前記サンプル管(7)を介して、前記測定セル(3)の中に導入可能になっていることを特徴とする、測定装置(10)。
【請求項12】
前記収容容器(4)は、ポンプ接続部(41)及びサンプル出口(42)を備え、前記ポンプ接続部(41)は、重力方向において前記サンプル出口(42)の上方の、具体的には、前記収容容器(4)の蓋(43)に配置されていることを特徴とする、請求項11に記載の測定装置(10)。
【請求項13】
前記測定セル(3)の後段に、サンプル排出管(5)が、配置されており、前記サンプル排出管(5)によって、前記サンプルは、前記測定セル(3)から、具体的には、廃棄容器の中に排出可能であり、前記サンプル排出管(5)及び/又は前記測定セル(3)内には、少なくとも1つの弁(6)が、配置されており、前記弁(6)によって、前記サンプル(2)の前記測定セル(3)からの流れ、又は、前記サンプル(2)の前記サンプル排出管(5)における流れが、遮断可能であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の測定装置(10)。
【請求項14】
前記サンプル排出管(5)において、少なくとも1つのセンサ(8)、具体的には、光電センサ、が配置されており、前記センサ(8)によって、前記サンプル排出管(5)及び/又は前記測定セル(3)における前記サンプル(2)の存在を検出可能であり、この場合、具体的には、前記センサ(8)によって、前記サンプル(2)が、検出されると、前記ポンプ(1)が、制御ユニットにより停止可能であるように、及び/又は、前記弁(6)が閉鎖可能であるように構成されていることを特徴とする、請求項13に記載の測定装置(10)。
【請求項15】
前記サンプル管(7)又は前記サンプル排出管(5)内に、2つのセンサ(8a,8b)、具体的には、光電センサが配置されており、前記測定装置(10)は、評価ユニットを備え、前記評価ユニットにより、前記サンプル(2)が第1のセンサ(8a)から第2のセンサ(8b)まで到達するために必要な時間が、算出可能であり、これに基づいて、前記サンプル(2)の流れ挙動を算出することを特徴とする、請求項11~14のいずれか1項に記載の測定装置(10)。
【請求項16】
前記測定装置(10)は、制御ユニットを備え、前記制御ユニットは、前記測定セル(3)における測定の後、測定済のサンプル(2)を、前記ポンプ(1)によって、前記測定セル(3)から排出可能であり、前記収容容器(4)を介して、前記ポンプ(1)によって、正確なさらなる所定量のサンプル(2)を前記測定セル(3)の中に導入可能であり、このように測定を複数回連続して繰り返し可能に実施可能であることを特徴とする、請求項11~15のいずれか1項に記載の測定装置(10)。
【請求項17】
前記測定装置(10)は、前記収容容器(4)の領域、又は、前記収容容器(4)の周りに配置されたテンパリングユニット(11)を備え、前記テンパリングユニット(11)によって、前記収容容器(4)内の前記サンプル(2)は、所定の温度に加熱可能又は冷却可能であることを特徴とする、請求項11~16のいずれか1項に記載の測定装置(10)。
【請求項18】
具体的には、前記収容容器(4)の領域において、磁気ユニット(12)、具体的には、電磁石又は永久磁石、が配置されており、前記磁気ユニット(12)によって、前記サンプル(2)内の磁性粒子を分離可能である、及び/又は、前記収容容器(4)に維持可能であることを特徴とする、請求項11~17のいずれか1項に記載の測定装置(10)。
【請求項19】
圧力排出弁(45)が、前記収容容器(4)内に配置されているか、又は、前記収容容器(4)に接続されており、圧力を前記収容容器(4)から吹き飛ばすことが、可能であり、前記圧力排出弁(45)は、具体的には、前記収容容器(4)の蓋の領域又は圧力管(9)に配置されていることを特徴とする、請求項11~18のいずれか1項に記載の測定装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1の公知要件事項に記載の、測定装置、具体的には粘度計及び/又は密度計、の測定セルを充填及び/又は洗浄する方法、並びに、特許請求項11の公知要件事項に記載の測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、液体の粘度を判定するための様々な装置が、知られている。
【0003】
回転式粘度計は、測定ボディと、測定対象の液体が入った測定カップとが、同心で相対回転する際に生じるバランスから、粘度を判定する。ここで、測定対象の液体で充填される中空シリンダを、中央の構成部材として備える測定装置が、公知である。中空シリンダ内には、測定部が、同心状に液体中に配置される。
【0004】
サーレ原理によれば、駆動部を有する測定部が、立設したカップ内で回転され、回転モータの電源入力又は測定部間の経路差により、例えば、バネ要素によって生じるトルクが測定され、流体の粘度について評価される。
【0005】
クエット原理によれば、内側の測定部が、回転している外部の測定カップ及び一緒に回転する液体と連動して、ここでも、対応する測定値、例えば、回転数、トルク、回転角等が粘度について評価される。
【0006】
クエット原理の一変形例は、例えば、AT第516058号B1から公知である。ここでは、回転可能な外側の中空シリンダに、測定対象の液体が充填されており、この液体中に、測定シリンダが回転可能に搭載されており、測定シリンダは、外側の中空シリンダが回転すると、測定対象の液体によって一緒に回転する。
【0007】
回転及び/又は静止する測定カップを備える回転式粘度計は、測定セルの連続的な充填及び/又は洗浄が可能なように実施されることが可能である。測定サンプルが、測定セルを自動的に通過することが可能な構成や、測定セル、サンプル採取装置、並びに、供給及び排出管からなる測定システムを洗浄することが可能な構成は、いわゆるサンプル採取器、及び、サンプル採取装置、及び、洗浄ステーションによって自動化されたサイクルを可能とする。このような連続的な充填が可能な自動化された回転式粘度計とは、例えば、出願人のSVM粘度計であり、例えば、AT第406 425号B8及びAT第516 058号A1から公知である。
【0008】
サンプルの測定後、測定セル又は測定システム全体、つまり、測定セルと測定装置の供給及び排出管とを含む測定システム全体に対して、測定後のサンプルの残留物の洗浄を行う必要がある。測定装置と洗浄機能付き自動サンプル供給器との組み合わせは、この課題を、手動で行うことなく可能にする。しかしながら、自動的な洗浄機能を、信頼性を有して確保するためには、サンプル交換機又はサンプル供給器を事前にプログラムして、例えば、サンプル測定後の洗浄サイクルの数及び乾燥時間の長さを事前に規定する必要がある。しかしながら、これらのパラメータは、サンプル自体及びサンプルと洗浄剤又は溶剤との相互作用に大きく依存する。洗浄サイクルの数、洗浄工程の時間、又は、乾燥時間が誤って選択された場合、サンプルの残留物が、測定セル又は測定装置に残留したり、又は、選択された洗浄時間が、長すぎることにより、リソースや測定時間が、無駄になったりする。
【0009】
従来技術から公知の装置及び測定方法の他の欠点は、測定を繰り返す度に、サンプルを、例えば、サンプラーパイプ又はアンプルから取り出して、測定セルの中に導入しなければならない点である。このためさらに、上述のように、洗浄に手間がかかり、したがって均一なサンプルを繰り返し測定する場合、測定時間が著しく長くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の課題は、サンプルの粘度及び/又は密度を、単純かつ自動化された、及び、再現可能に判定可能な方法であって、これによって、測定時間を著しく短縮する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、請求項1に記載した構成により解決される。ここで、ポンプと測定セルとの間のサンプル管において、サンプル用の、具体的には、漏斗形の可逆的に開放可能な収容容器、具体的には、充填用漏斗が、配置されており、収容容器が、開放されて、サンプルが、収容容器の中に導入され、収容容器は、圧力管を介してポンプと接続されており、収容容器の中に、圧力が導入されると、サンプルの一部が、収容容器から排出されて、測定セルの中に導入されるようになっている。
【0012】
本発明に係る方法によって、サンプルの所定の部分を、測定セルの中に複数回供給することが容易に確保され、この際に、個々の測定の間に、サンプル管又は測定セルを洗浄する必要はない。さらに、本発明に係る構成は、特に、容易にサンプルを測定セルの中に供給することを可能にし、したがって、熟練者の数が少ない場合にも、サンプルの供給を実施することが可能である。また、ポンプにより、サンプルを測定セルの中に導入することによって、収容容器及びしたがって測定セル内の圧力を、容易に再現可能であり、又は、ポンプによって容易に一定に維持可能である。
【0013】
本発明に係る方法の、特に有利な実施形態は、従属請求項に記載した構成によって、より詳細に規定される。
【0014】
好ましくは、収容容器が、ポンプ接続部及びサンプル出口を備え、ポンプ接続部は、重力方向においてサンプルカラム及び/又はサンプル出口の上方の、具体的には、収容容器の蓋に配置されており、ポンプは、空気ポンプであり、空気が、ポンプ及び圧力管を介して、収容容器の中に導入され、収容容器内のサンプルに、具体的には、所定の圧力が印加され、収容容器内の圧力によって、サンプルは、サンプル出口を介してサンプル管及び測定セルの中に導入されるように構成されていてもよい。
【0015】
圧力管が、サンプル出口の上方の収容容器に合流した構成によって、収容容器の上部領域において、空気空間が形成されるので、ポンプから送られる空気が、圧力をサンプルに印加し、サンプルをサンプル出口から測定セルの中に導入する。この際に、ポンプ又は圧力管は、サンプルに直接接触することはない。
【0016】
より多くの量のサンプルの測定を複数回行うことを可能とするために、次の構成も可能である。すなわち、測定セルから延びるサンプル排出管が、配置されており、サンプル排出管により、サンプルは、測定セルから、具体的には、廃棄容器に排出され、サンプル排出管及び/又は測定セル内には、サンプル排出管を閉鎖可能な、少なくとも1つの弁が、配置されており、これによって、測定セルにおけるサンプルが、所望の充填量に達した場合に、サンプル管内のサンプルの測定セルまでの流れ、及び/又は、測定セルからサンプル排出管の中への流れが、遮断される。測定セル内のサンプルがサンプル排出管から排出されることが、可能であること、及び、新たなサンプル材料が収容容器を介して測定セルの中に導入されることによって、大量のサンプル材料の測定を容易に行うこと、又は、複数回の測定を繰り返し行うことが、可能となり、この際に、手間をかけて測定セル又は測定装置を洗浄する必要は無い。
【0017】
有利には、サンプル排出管において、少なくとも1つのセンサが配置されており、センサの状態は、制御ユニットに供給され、センサによって、サンプル排出管及び/又は測定セルにおけるサンプルの存在が検出され、この場合、具体的には、センサによって、サンプルが検出されると、ポンプが停止され、及び/又は、弁が、閉鎖されるように構成されていてもよい。センサが、サンプル排出管に配置されることによって、サンプルが、既に測定セルを通過したかどうか、又は、測定セルに到達したかどうかを、容易に検出可能であり、これによって、自動的にサンプルの測定を行うことが可能になる。サンプル排出管内のセンサによって、測定セルがサンプルで完全充填されることが、さらに確保されると共に、測定ミスの回避が確保され得る。
【0018】
測定セル、サンプル管、及び、サンプル排出管を、容易に洗浄可能とするために、測定セル及び/又はサンプル管及び/又は収容容器及び/又はサンプル排出管は、測定後、具体的には、収容容器を介して導入される洗浄剤によって、サンプルの残留物が除去され、洗浄後、ポンプによって空気が、測定セル及び/又はサンプル管及び/又は収容容器及び/又はサンプル排出管を乾燥させるために、これらを通って送られるように構成されていてもよい。
【0019】
サンプルのさらなるデータを求めるために、サンプル管又はサンプル排出管内に、2つのセンサ、具体的には、光電センサが配置されており、サンプルが第1のセンサから第2のセンサまで到達するために必要な時間が、測定され、これに基づいて、サンプルの流れ挙動が、推測されるように構成されていてもよい。
【0020】
利点として、本発明に係る方法によって、測定を複数回行うことが可能である。したがって、特に好ましくは、測定セルにおける第1の測定の後、測定済のサンプルを、ポンプによって測定セルから排出し、その後、収容容器を介して、ポンプによって、さらなる量のサンプルを測定セルの中に導入し、新たに測定を行い、具体的には、サンプルの交換及び測定を複数回行うように構成されていてもよい。
【0021】
測定セルを充填するためのサンプルの量を容易に計算可能とするために、サンプルが測定セルを充填するために必要な時間を、数学モデルにより算出し、数学モデルは、サンプル及び/又は測定セルの温度を考慮し、これによって、所定量のサンプルを測定セルに、具体的には、繰り返し導入するように構成されていてもよい。
【0022】
粘度及び/又は密度を何回か測定する時には、サンプルを予め規定した温度にする必要があるので、好ましくは、収容容器内のサンプルを所定の温度に加熱又は冷却するテンパリングユニットが設けられるように構成されていてもよい。テンパリングユニットによって、サンプルの温度を、特に容易に設定可能であり、これによって、具体的には、測定を複数回繰り返して行う際に、サンプルが常に同じ温度となるように、又は、同じ測定条件となるように確保することが可能である。
【0023】
具体的には、使用済油の測定時に、油又はサンプル中に、浮遊固体又は損耗粒子が、存在し得るため、このような粒子が、測定の再現可能性又は精度に悪影響を及ぼし得る。このような粒子が、測定セルに入らないようにするために、好ましくは、具体的には、収容容器の領域において、磁気ユニット、具体的には、電磁石又は永久磁石が、配置されており、磁気ユニットによって、サンプル内の磁性粒子が分離され、これによって、磁性粒子が測定セルの中に侵入することが、防止されるように構成されていてもよい。
【0024】
本発明のさらなる一態様は、サンプルを、容易にかつ繰り返し、同じ条件で、手間をかけることなく測定可能な、測定装置を提供することにある。この課題は、請求項11に記載した構成により解決される。本発明によれば、ポンプと測定セルとの間のサンプル管において、サンプルを収容するための、具体的には、漏斗形の可逆的に閉鎖可能な収容容器、具体的には、充填用漏斗が、配置されており、サンプルを収容容器の中に導入可能であり、収容容器は、ポンプに接続されており、ポンプによって収容容器の中に圧力が導入されると、サンプルの一部が、収容容器から排出されてサンプル管を介して測定セルの中に導入可能なように構成されている。本発明に係る測定装置の構成によって、測定対象のサンプルを、容易に収容容器の中に充填し、サンプルをポンプによって測定セルの中に搬送することが可能である。
【0025】
特に好ましい測定装置の構成は、収容容器が、ポンプ接続部及びサンプル出口を備え、ポンプ接続部は、重力方向においてサンプル出口の上方の、具体的には、収容容器の蓋に配置されていることによって実現される。
【0026】
サンプルの第1の部分の測定後に、サンプルのさらなる部分を測定することを可能にするため、又は、サンプルを測定セルから排出させるために、好ましくは、測定セルの後段に、サンプル排出管が配置されており、サンプル排出管によって、サンプルは、測定セルから、具体的には、廃棄容器の中に排出可能であり、サンプル排出管及び/又は測定セル内には、少なくとも1つの弁が、配置されており、弁によって、サンプルの測定セルからの流れ、又は、サンプルのサンプル排出管における流れが、遮断可能であるように構成されていてもよい。
【0027】
測定セルの充填を特に容易に検出可能とするために、好ましくは、サンプル排出管において、少なくとも1つのセンサ、具体的には、光電センサが配置されており、センサによって、サンプル排出管及び/又は測定セルにおけるサンプルの存在が、検出され、この場合、具体的には、センサによって、サンプルが検出されると、ポンプが、制御ユニットにより停止可能であるように、及び/又は、弁が閉鎖可能であるように構成されていてもよい。
【0028】
サンプルの流れ挙動又は他の値を容易に判定可能とするために、サンプル管又はサンプル排出管内に、2つのセンサ、具体的には、光電センサが配置されており、測定装置は、評価ユニットを備え、評価ユニットにより、サンプルが第1のセンサから第2のセンサまで到達するために必要な時間が、算出可能であり、これに基づいて、サンプルの流れ挙動を算出するように構成されていてもよい。
【0029】
方法に関して上述したように、測定を繰り返し行うことは、測定装置が、制御ユニットを備え、制御ユニットは、測定セルにおける測定の後、測定済のサンプルをポンプによって測定セルから排出可能であり、収容容器を介して、ポンプによって、正確なさらなる所定量のサンプルを測定セルの中に導入可能であり、このように測定を複数回連続して繰り返し可能に実施可能であることにより、特に容易に実行可能である。
【0030】
サンプルの温度は、測定装置が、収容容器の領域、又は、収容容器の周りに配置されたテンパリングユニットを備え、テンパリングユニットによって、収容容器内のサンプルが、所定の温度に加熱可能又は冷却可能であることにより、特に容易に設定可能である。
【0031】
時として生じ得る浮遊固体又は金属粒子をサンプルから除去可能とするために、又は、これらが測定セルの中に入らないようにするために、具体的には、収容容器の領域において、磁気ユニット、具体的には、電磁石又は永久磁石が、配置されており、磁気ユニットによって、サンプル内の磁性粒子が分離可能、及び/又は、収容容器中に維持可能となるように構成されていてもよい。
【0032】
収容容器を容易にさらなるサンプル又は洗浄剤で充填可能とするために、圧力排出弁が、収容容器内に配置されているか、又は、収容容器に接続されており、圧力を収容容器から吹き飛ばすことが可能であり、圧力排出弁は、具体的には、収容容器の蓋の領域又は圧力管に配置されるように構成されていてもよい。
【0033】
本発明のさらなる利点及び構成は、明細書及び添付の図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
以下に、本発明を、特に有効な、しかしながら限定するものと理解されるべきではない実施形態に基づき、図面に示すと共に、図面を参照しながら、例示的に説明する。
【
図1】本発明の第1実施形態に係る測定装置を示す概略図である。
【
図2】圧力排出弁及び2つのセンサを備える、本発明に係る測定装置を示す図である。
【
図3】テンパリングユニットを備える、本発明のさらなる一実施形態に係る測定装置を示す図である。
【
図4】磁気ユニットを備える、測定装置の一実施形態を示す図である。
【
図5】様々な圧力管を備える、本発明に係る測定装置の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1には、本発明の第1の実施形態に係る測定装置10が、概略的に示されている。測定装置10は、圧力管9を介して収容容器4に接続されたポンプ1を備える。収容容器4に、サンプル2が入れられて、その粘度及び/又は密度が、測定装置10において判定される。収容容器4は、
図1の実施形態では、漏斗の形に、又は、充填用漏斗として形成されている。収容容器4は、蓋43を備え、蓋43は、可逆的に開放可能であり、サンプル2は、この蓋43を介して収容容器4の中に入れられることが可能である。測定装置10は、粘度及び/又は密度の測定が行われる測定セル3をさらに備える。測定セル3は、サンプル管7を介して収容容器4に接続されている。収容容器4の漏斗の形に延びた端部に、サンプル出口42が配置されており、このサンプル出口42に、サンプル管7が接続されている。収容容器4は、収容容器4の蓋43に配置されたポンプ接続部41をさらに備える。こうする代わりに、ポンプ接続部41が、収容容器4の中に配置されていてもよい。圧力管9は、ポンプ接続部41に配置されており、これによって収容容器4をポンプ1に接続している。収容容器4のサンプル出口42は、本実施形態では、漏斗の形の収容容器4の最下端部に配置されているので、ポンプ接続部41は、重力方向においてサンプルカラムの上方、つまり、収容容器4に入れられたサンプル2の上方に、及び、同様に重力方向においてサンプル出口42の上方に配置される。
【0036】
ポンプ1は、
図1の実施形態では、空気ポンプとして形成されているので、ポンプ1は、圧力管9及びポンプ接続部41を介して空気を収容容器4の中に送る。収容容器4内のサンプルカラム又はサンプル2の上方に流入した空気によって、圧力が、収容容器4において形成され、その後、サンプル2を、サンプル管7を介して測定セル3の中に導入する。その後、測定セル3において、サンプル2の粘度及び/又は密度の測定が行われる。
【0037】
測定装置10は、測定セル3の後段に配置されたサンプル排出管5をさらに備え、サンプル排出管5によって、サンプル2は、測定セル3から、例えば、図示されていない廃棄容器の中に排出される。サンプル排出管5の中には、弁6が配置されており、この弁6によって、サンプル排出管5は、閉鎖可能である。したがって、例えば、測定セル3におけるサンプル2の充填量が、所望の値に達すると、弁6が閉鎖され、これによって、サンプル管7、サンプル排出管5、及び/又は、測定セル3におけるサンプル2の流れが遮断される。任意ではあるが、弁6は、直接、測定セル3の中、又は、その出口に配置されてもよく、これによって測定装置10の別の位置へのサンプル2の流れも遮断される。
【0038】
測定装置10は、
図1の実施形態では、回転式粘度計として形成されており、測定セル3は、回転式粘度計の測定セル3として形成されている。任意ではあるが、測定装置10は、密度計又は他の粘度計として形成されていてもよく、これらの場合、この測定セル3、任意ではあるが、複数の測定セル3又は測定装置若しくは測定部が、例えば、1つの回転式粘度計と、サンプル2の粘度及び/又は密度を測定するための1つの曲げ共振器とを備えていてもよい。したがって、測定装置は、例えば、密度を測定するための1つの曲げ共振器を備えていてもよく、この曲げ共振器の測定セル3が、本発明に従って、充填及び/又は洗浄される。任意ではあるが、測定セル3は、屈折率を判定するためのセンサとして形成されていてもよく、測定装置10の測定セル3において、屈折率が判定され、これに基づき、サンプル2の密度又は粘度が判定される。
【0039】
測定装置10は、サンプル排出管5の中に配置されたセンサ8を備える。センサ8の状態又は測定値は、図示されていない制御ユニットに送られ、センサ8によって、サンプル排出管5及び/又は測定セル3におけるサンプル2の存在が検出される。センサ8は、例えば、光電センサ、誘導センサ、又は、静電容量センサとして形成されていてもよい。サンプル2が、既にセンサ8に到達したことにより、測定セル3が、サンプル2で完全充填されたことを、センサ8が記録すると、サンプル2の存在が、センサ8において検出され、制御ユニットに転送され、その後、例えば、ポンプ1が停止される、及び/又は、弁6が閉鎖される。
【0040】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る測定装置10を示す図である。測定装置10は、
図1について説明したように、ポンプ1、収容容器4、及び、サンプル管7、並びに、測定セル3を備える。
図2の実施形態のサンプル排出管5の中には、2つのセンサ8a、8bが配置されている。これら2つのセンサ8a、8bは、具体的には、光電センサ、又は、誘導センサ、又は、静電容量センサとして形成されており、サンプル2が、センサ8a、8bを通過した際に、これを検出することが可能である。センサ8a、8bは、制御ユニットと接続されているので、サンプル2が、各センサ8a、8bを通過すると、このことが、制御ユニットに転送される。第1のセンサ8aを、サンプル排出管5において第2のセンサ8bの前に配置することにより、例えば、サンプル2が、第1のセンサ8aから第2のセンサ8bまで流れるために必要な時間が測定され、この時間から、サンプル2の流れ挙動が判定される、又は、流れ挙動が推測される。
【0041】
図2の測定装置10は、圧力排出弁45をさらに備える。圧力排出弁45は、圧力管9の中に配置されているか、又は、これと接続されている。ポンプ1によって送られた収容容器4内の圧力は、圧力排出弁45を介して排出され、これによって、漏斗又は収容容器4の中に、サンプル2を継ぎ足すことが容易になる。任意ではあるが、圧力排出弁45は、測定装置10の他の領域に配置されていてもよく、例えば、収容容器4の蓋43、又は、収容容器4のサンプルカラムの上方の上部領域に配置されていてもよい。
【0042】
以下に、本発明に係る方法を、
図2の好ましい実施形態を参照しながら、例示的に説明する。
【0043】
最初に、収容容器4の蓋43を開いて、密度及び/又は粘度を判定する対象となるサンプル2を、収容容器4の中に注入する。その後、収容容器4又は蓋43を再び閉鎖し、これが、周囲に対して具体的には気密に閉鎖されるようにする。その後、ポンプ1及び圧力管9を介して、空気を、収容容器4のサンプルカラムの上方の上部領域に導入し、収容容器4内の圧力を上昇させる。収容容器4内の圧力を上昇させることによって、サンプル2は、サンプル管7を介して測定セル3の中に導入される。ここで、サンプル2が測定セル3に達すると、弁6が閉じられ、サンプル2の流れは遮断される。その後、サンプル2の測定が、測定セル3において行われ、サンプル2の密度及び/又は粘度が判定される。測定が完了すると、弁6が、再び開放されて、さらなる圧力が、ポンプ1によって収容容器4及びサンプル管7を介して送られ、これによって、サンプル排出管5内のサンプル2は、測定セル3から排出される。
図2に示されるように、その後、サンプルは、第1のセンサ8a及び第2のセンサ8bを通過して、これによって、サンプル2の流れ特性又は流れ速度が推測される。密度及び/又は粘度の測定を、複数回行う必要がある場合、例えば、最初の測定の後、測定済のサンプル2を測定セル3からサンプル排出管5を介して排出し、ポンプ1及びサンプル管7を介して、収容容器4内に存在する新鮮な又はさらなるサンプル2を、測定セル3の中に導入する。所望の量のサンプル2が、再び測定セル3の中に導入されるとすぐに、弁6は再び閉じられ、測定セル3における測定が繰り返される。このようにして、サンプル2の測定、又は、規定量の個々のサンプル2の測定が、自動的に複数回連続して行われる。これによって取り扱いが容易になり、サンプル2を複数回測定する際に必要な、又は、大量のサンプル2の測定に必要な一連の測定を、自動化して、したがって、熟練者の数が少ない場合にも容易に行うことが可能である。
【0044】
図1及び
図2に示される測定装置10の実施形態に代わって、センサ8又はセンサ8a、8bが、弁6の手前のサンプル排出管5若しくはサンプル管7内に配置されていてもよいし、又は、直接、測定セル3の出口に配置されていてもよい。
【0045】
図3には、本発明のさらなる実施形態に係る測定装置10が示されている。測定装置10は、本実施形態では、収容容器4の領域に配置されたテンパリングユニット11を有している。テンパリングユニット11によって、収容容器4内のサンプル2の温度を設定可能であり、これによって、サンプル2の流れ挙動及びその温度を予め規定することが可能である。テンパリングユニット11によって、サンプル2を加熱又は冷却することが可能であり、測定セル3内のサンプル2を測定する際に、常に同じ条件を実現することが可能である。
図3に示される実施形態の代わりに、テンパリングユニット11を、収容容器4の全周にわたって配置すると共に、サンプル管7及び/又は測定セル3にも作用させ、収容容器4の中を一定の温度に設定することも可能である。
【0046】
図4には、本発明のさらなる一実施形態に係る測定装置10が、概略的に示されている。測定装置10は、本実施形態では、磁気ユニット12を有している。磁気ユニット12は、電磁石として形成されており、充填用漏斗、すなわち収容容器4の領域に配置されている。磁気ユニット12によって、磁気トラップが、収容容器4の領域に作用し、時として生じることがあり得るサンプル2内の懸濁粒子を、磁気ユニット12によって、収容容器4を出る際に妨害することが可能であり、又は、磁気ユニット12の領域において捕捉することが可能である。特に、使用済油の場合、繰り返し発生する損耗した磁性部材を、このように捕捉し、測定に対する悪影響を回避し、又は、損耗した磁性部材が、測定セル3の中に入ることを回避する。
【0047】
本発明の好ましい一実施形態に係る方法では、測定セル3におけるサンプル2の測定後、収容容器4の中に洗浄剤が入れられ、この洗浄剤は、ポンプ1によって、サンプル管7、測定セル3、及び、サンプル排出管5に搬送される。その後、洗浄剤は、ポンプ1によって、測定装置10の全ての部材中を往復運動し、信頼性を有して、かつ、単純に、測定セル3及び測定装置10の部材の洗浄が行われる。また、ポンプ1を空気ポンプとして形成することにより、空気を、圧力管9、収容容器4、及び、サンプル管7を介して測定セル3の中に導入し、洗浄液の残留物を、サンプル排出管5を介して吹き飛ばし、又は、測定装置10の個々の部材を乾燥させることが可能である。さらに、ポンプ1を、空気ポンプとして形成することによって、圧力を測定装置10の内部で生成することが可能であり、これによって、サンプル2又はその残留物は、例えば、拍動で弁6を開閉することによって吹き飛ばされて除去される。これによって、例えば、収容容器4に存在する、磁気ユニット12によって捕捉された粒子も、収容容器4及びサンプル排出管から押し出される、又は、吹き飛ばされて除去されることが可能である。
【0048】
代替的に、ポンプ1を空気ポンプとして構成する代わりに、他のガス又は保護ガスを、ポンプによって収容容器4の中に搬送し、必要な圧力を形成してもよい。
【0049】
任意ではあるが、測定セル3の中に導入するサンプル2の量を、数学モデルによって算出することも可能である。この場合、数学モデルは、好ましくは、サンプル2及び/又は測定セル3の温度を考慮し、これによって、算出された規定の量のサンプル2が、測定セル3の中に導入される。したがって、弁6の開放時間又はポンプ1のオン時間を、この数学モデルの結果に合わせることが可能である。
【0050】
図5には、本発明の任意形態である、さらなる一実施形態に係る測定装置が示されている。ポンプには、複数の圧力管9が配置されており、これらが、例えば、マルチポート弁を介して、ポンプ1からの空気流を様々に誘導することが可能である。こうして、例えば、弁を様々に切り替えることによって、空気及びしたがって収容容器4内の圧力を変更可能であり、例えば、交互に超過圧力及び過少圧力を生成することが可能である。これによって、サンプル2が、管の中に吸引又は加圧され、測定セル3内の流れ方向だけでなく圧力関係も変更及び設定可能である。
【0051】
図1~
図5における収容容器4を漏斗形に形成する代わりに、他の各形状、すなわち、四角形又は円形も想定可能であり、例えば、正方形のベース形状から下方に向けて先が尖った漏斗形も、本発明の意味するところに含まれる。
【0052】
任意ではあるが、測定セル3を通って流れる洗浄剤の粘度に加えて、サンプル2及び/又は洗浄液の少なくとも1つのさらなる物理的パラメータを、動作中に判定する場合、本発明の洗浄工程の質、及び、測定セル3又は測定システム又は測定装置10の清浄度を、図示されていない一実施形態においてより良好に判定可能である。例えば、測定セル3を通過する洗浄剤の粘度、密度、屈折率、及び/又は、濁度のためのさらなる1つのパラメータを、追加的に測定セル3内に配置された、及び/又は測定セル3の後段に配置された、少なくとも1つの測定ユニット又はさらなる測定装置10によって測定可能である。測定された粘度、及び/又は、測定された密度、及び/又は、測定された屈折率、及び/又は、測定された濁度は、測定装置10又は測定セル3の清浄度を求めるためにも用いることが可能である。加えて、少なくとも1つのさらなる測定装置は、測定装置10の測定セル3の後段に配置されることが好ましいが、場合によっては、洗浄方向又は貫流方向を変更することによって、前段又は後段に配置可能である。したがって例えば、粘度計を密度計と組み合わせることが可能であり、これについては、例えば、WO第2020124111号又はAT第522151号A1に記載されている通りである。
【0053】
上記実施形態に記載された回転式粘度計としての構成の代わりに、測定装置自体を、密度計として、例えば、曲げ共振器としても構成可能である。あるいは、上述したように、粘度計といずれも2つの別個の測定セル3を備える密度計又は曲げ共振器とを組み合わせて構成してもよい。こうして、曲げ共振器又は密度計によって、任意ではあるが、測定セル5を通過する媒体又はサンプル2の密度を判定することが可能である。
【0054】
代替的に、さらなる測定セル3又はさらなる測定ユニットが、測定装置10内の測定セル3の前段又は後段に配置されていてもよいし、又は、測定装置10の前段又は後段に配置されていてもよい。この測定ユニットによって、測定セル5を通過した媒体又はサンプル2の濁度及び/又は屈折が判定される。このような液体の濁度を求める測定装置は、流体媒体を貫通する際の光線の強度の低減に基づく。媒体中に存在する微粒子における光線の散乱によって、濁度の程度が、算出され、公知の市販システムにおいて、伝達の減退の測定又は側方の構成における散光の測定によって決定される。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項8】
前記サンプル(2)が、前記測定セル(3)を充填するために必要な時間を、数学モデルにより算出し、前記数学モデルは、前記サンプル(2)及び/又は前記測定セル(3)の温度を考慮し、これによって、所定量のサンプル(2)を、前記測定セル(3)に、具体的には、繰り返し導入することを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項11
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項11】
具体的には、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法を実施するための、サンプル(2)の、具体的には、動的な粘度及び/又は密度を測定する測定装置(10)、具体的には、粘度計又は回転式粘度計であって、少なくとも1つの測定セル(3)及びポンプ(1)を備え、前記ポンプ(1)は、サンプル管(7)を介して前記測定セル(3)に接続されている測定装置(10)において、
前記ポンプ(1)と前記測定セル(3)との間の前記サンプル管(7)において、前記サンプル(2)を収容するための、具体的には、漏斗形の可逆的に閉鎖可能な収容容器(4)、具体的には、充填用漏斗、が配置されており、
前記サンプル(2)は、前記収容容器(4)の中に入れることが可能であり、前記収容容器(4)は、前記ポンプ(1)に接続されており、前記ポンプ(1)により、前記収容容器(4)の中に圧力が、導入されると、前記サンプル(2)の一部が、前記収容容器(4)から排出されて、前記サンプル管(7)を介して、前記測定セル(3)の中に導入可能になっていることを特徴とする、測定装置(10)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
上記実施形態に記載された回転式粘度計としての構成の代わりに、測定装置自体を、密度計として、例えば、曲げ共振器としても構成可能である。あるいは、上述したように、粘度計といずれも2つの別個の測定セル3を備える密度計又は曲げ共振器とを組み合わせて構成してもよい。こうして、曲げ共振器又は密度計によって、任意ではあるが、測定セル3を通過する媒体又はサンプル2の密度を判定することが可能である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
代替的に、さらなる測定セル3又はさらなる測定ユニットが、測定装置10内の測定セル3の前段又は後段に配置されていてもよいし、又は、測定装置10の前段又は後段に配置されていてもよい。この測定ユニットによって、測定セル3を通過した媒体又はサンプル2の濁度及び/又は屈折が判定される。このような液体の濁度を求める測定装置は、流体媒体を貫通する際の光線の強度の低減に基づく。媒体中に存在する微粒子における光線の散乱によって、濁度の程度が、算出され、公知の市販システムにおいて、伝達の減退の測定又は側方の構成における散光の測定によって決定される。
【外国語明細書】