(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094617
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】データ処理装置、データ処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/04 20120101AFI20230628BHJP
【FI】
G06Q30/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002753
(22)【出願日】2023-01-12
(62)【分割の表示】P 2021576751の分割
【原出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】516380407
【氏名又は名称】ファーストアカウンティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】葛 鴻鵬
(72)【発明者】
【氏名】松田 顕
(72)【発明者】
【氏名】小俣 智
(72)【発明者】
【氏名】森 啓太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴亮
(72)【発明者】
【氏名】早川 将和
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB11
(57)【要約】
【課題】継続的にされる取引の請求漏れを防止するための情報を提供する。
【解決手段】定期的に発行される請求書が発行されているかを判定するデータ処理装置1である。定期的に発行される請求書における請求内容を示す定期請求データを特定する特定部131と、特定部131が特定した定期請求データに基づく請求書を作成又は発行する第1タイミングよりも後であり、かつ第1タイミングの後に該請求書を作成又は発行する第2タイミングよりも前に、該請求書が発行済であるか否かを判定する判定部132と、定期請求データに基づく請求書が発行済でないと判定部132が判定した場合に警告情報を出力する出力部133と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定期的に発行される請求書における請求内容を示す定期請求データを特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記定期請求データに基づく請求書を作成又は発行する第1タイミングよりも後であり、かつ前記第1タイミングの後に該請求書を作成又は発行する第2タイミングよりも前に、該請求書が発行済であるか否かを判定する判定部と、
前記定期請求データに基づく請求書が発行済でないと前記判定部が判定した場合に警告情報を出力する出力部と、
を有するデータ処理装置。
【請求項2】
前記定期請求データの宛先事業者と前記定期請求データにおける請求対象の1以上の品目とを関連付けて記憶する定期データ記憶部をさらに有し、
前記特定部は、前記定期データ記憶部に記憶された前記宛先事業者と前記1以上の品目とを含む請求データを前記定期請求データとして特定する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記定期データ記憶部は、前記宛先事業者及び前記1以上の品目に関連付けて、前記請求書の発行時期をさらに記憶し、
前記判定部は、前記発行時期に基づいて決定した前記第1タイミングよりも後であり、かつ前記第2タイミングよりも前に、該請求書が発行済であるか否かを判定する、
請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
宛先事業者と、請求対象の1以上の品目と、定期的な納品日又は定期的な請求日とが記載された注文書データ又は契約書データを取得する取得部をさらに有し、
前記特定部は、前記注文書データ又は前記契約書データに記載された前記宛先事業者と前記1以上の品目とを含む請求データを前記定期請求データとして特定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
発行済みの前記請求書における請求内容を示す複数の請求データそれぞれの宛先事業者と、前記複数の請求データそれぞれにおける請求対象の1以上の品目と、前記複数の請求データそれぞれの発行日と、を関連付けた請求履歴情報を記憶する請求データ記憶部をさらに有し、
前記判定部は、定期データに含まれる前記宛先事業者と前記1以上の品目とをキーとして前記請求履歴情報を検索し、前記請求履歴情報から抽出された1以上の前記請求データのうち発行日が最新である前記請求データの発行日が検索時から所定の範囲以内であるかに基づいて前記定期請求データが発行済みであるか否かを判定する、
請求項2から4のいずれか1項に記載するデータ処理装置。
【請求項6】
発行済みの前記請求書における請求内容を示す複数の請求データそれぞれの宛先事業者と、前記複数の請求データそれぞれにおける請求対象の1以上の品目と、前記複数の請求データそれぞれの発行日と、を関連付けた請求履歴情報を記憶する請求データ記憶部をさらに有し、
前記特定部は、前記請求履歴情報において、前記宛先事業者と前記請求対象の品目とが一致する3以上の前記請求データ相互の発行日の間隔のうち、発行日が近い前記請求データ同士の複数の前記間隔の関係に基づいて前記定期請求データを特定する、
請求項1に記載するデータ処理装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記複数の間隔のばらつきが所定の範囲以内である場合に、前記3以上の請求データを前記定期請求データとして特定する、
請求項6に記載するデータ処理装置。
【請求項8】
事業者と品目とを入力すると前記定期請求データであるか否かを示す情報を出力する学習済みモデルを記憶する記憶部をさらに有し、
前記特定部は、発行済みの前記請求書における請求内容を示す複数の請求データそれぞれの宛先事業者と、前記複数の請求データそれぞれにおける請求対象の1以上の品目とを前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力された情報が前記定期請求データであることを示している場合に、前記学習済みモデルに入力した前記宛先事業者及び前記1以上の品目に対応する請求データを前記定期請求データとして特定する、
請求項1に記載するデータ処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する、
定期的に発行される請求書における請求内容を示す定期請求データを特定するステップと、
前記特定するステップにおいて特定された前記定期請求データに基づく請求書を作成又は発行する第1タイミングよりも後であり、かつ前記第1タイミングの後に該請求書を作成又は発行する第2タイミングよりも前に、該請求書が発行済であるか否かを判定するステップと、
前記定期請求データに基づく請求書が発行済でないと前記判定するステップにおいて判定された場合に警告情報を出力する出力するステップと、
を有するデータ処理方法。
【請求項10】
コンピュータに実行させる、
定期的に発行される請求書における請求内容を示す定期請求データを特定するステップと、
前記特定するステップにおいて特定された前記定期請求データに基づく請求書を作成又は発行する第1タイミングよりも後であり、かつ前記第1タイミングの後に該請求書を作成又は発行する第2タイミングよりも前に、該請求書が発行済であるか否かを判定するステップと、
前記定期請求データに基づく請求書が発行済でないと前記判定するステップにおいて判定された場合に警告情報を出力する出力するステップと、
を有するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置及びデータ処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
請求書をオンラインで送受信する請求書管理システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の請求書管理システムにおいては、請求書を発行するために担当者による処理を必要としている。請求書の発行業務においては大量の請求データを処理する必要があり、人為的なミスによる請求書の発行漏れを防止する必要がある。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、継続的にされる取引の請求漏れを防止するための情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様のデータ処理装置においては、定期的に発行される請求書における請求内容を示す定期請求データを特定する特定部と、前記特定部が特定した前記定期請求データに基づく請求書を作成又は発行する第1タイミングよりも後であり、かつ前記第1タイミングの後に該請求書を作成又は発行する第2タイミングよりも前に、該請求書が発行済であるか否かを判定する判定部と、前記定期請求データに基づく請求書が発行済でないと前記判定部が判定した場合に警告情報を出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記定期請求データの宛先事業者と前記定期請求データにおける請求対象の1以上の品目とを関連付けて記憶する定期データ記憶部をさらに有し、前記特定部は、前記定期データ記憶部に記憶された前記宛先事業者と前記1以上の品目とを含む請求データを前記定期請求データとして特定してもよい。
【0008】
前記定期データ記憶部は、前記宛先事業者及び前記1以上の品目に関連付けて、前記請求書の発行時期をさらに記憶し、前記判定部は、前記発行時期に基づいて決定した前記第1タイミングよりも後であり、かつ前記第2タイミングよりも前に、該請求書が発行済であるか否かを判定してもよい。
【0009】
宛先事業者と、請求対象の1以上の品目と、定期的な納品日又は定期的な請求日とが記載された注文書データ又は契約書データを取得する取得部をさらに有し、前記特定部は、前記注文書データ又は前記契約書データに記載された前記宛先事業者と前記1以上の品目とを含む請求データを前記定期請求データとして特定してもよい。
【0010】
発行済みの前記請求書における請求内容を示す複数の請求データそれぞれの宛先事業者と、前記複数の請求データそれぞれにおける請求対象の1以上の品目と、前記複数の請求データそれぞれの発行日と、を関連付けた請求履歴情報を記憶する請求データ記憶部をさらに有し、前記判定部は、定期データに含まれる前記宛先事業者と前記1以上の品目とをキーとして前記請求履歴情報を検索し、前記請求履歴情報から抽出された1以上の前記請求データのうち発行日が最新である前記請求データの発行日が検索時から所定の範囲以内であるかに基づいて前記定期請求データが発行済みであるか否かを判定してもよい。
【0011】
発行済みの前記請求書における請求内容を示す複数の請求データそれぞれの宛先事業者と、前記複数の請求データそれぞれにおける請求対象の1以上の品目と、前記複数の請求データそれぞれの発行日と、を関連付けた請求履歴情報を記憶する請求データ記憶部をさらに有し、前記特定部は、前記請求履歴情報において、前記宛先事業者と前記請求対象の品目とが一致する3以上の前記請求データ相互の発行日の間隔のうち、発行日が近い前記請求データ同士の複数の前記間隔の関係に基づいて前記定期請求データを特定してもよい。
【0012】
前記特定部は、前記複数の間隔のばらつきが所定の範囲以内である場合に、前記3以上の請求データを前記定期請求データとして特定してもよい。
【0013】
事業者と品目とを入力すると前記定期請求データであるか否かを示す情報を出力する学習済みモデルを記憶する記憶部をさらに有し、前記特定部は、発行済みの前記請求書における請求内容を示す複数の請求データそれぞれの宛先事業者と、前記複数の請求データそれぞれにおける請求対象の1以上の品目とを前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力された情報が前記定期請求データであることを示している場合に、前記学習済みモデルに入力した前記宛先事業者及び前記1以上の品目に対応する請求データを前記定期請求データとして特定してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様のデータ処理方法においては、コンピュータが実行する、定期的に発行される請求書における請求内容を示す定期請求データを特定するステップと、前記特定するステップにおいて特定された前記定期請求データに基づく請求書を作成又は発行する第1タイミングよりも後であり、かつ前記第1タイミングの後に該請求書を作成又は発行する第2タイミングよりも前に、該請求書が発行済であるか否かを判定するステップと、前記定期請求データに基づく請求書が発行済でないと前記判定するステップにおいて判定された場合に警告情報を出力する出力するステップと、を有する。
【0015】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに実行させる、定期的に発行される請求書における請求内容を示す定期請求データを特定するステップと、前記特定するステップにおいて特定された前記定期請求データに基づく請求書を作成又は発行する第1タイミングよりも後であり、かつ前記第1タイミングの後に該請求書を作成又は発行する第2タイミングよりも前に、該請求書が発行済であるか否かを判定するステップと、前記定期請求データに基づく請求書が発行済でないと前記判定するステップにおいて判定された場合に警告情報を出力する出力するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、継続的にされる取引の請求漏れを防止するための情報を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施の形態に係るデータ処理システムSの概要を説明する図である。
【
図2】データ処理装置1の構成を示すブロック図である。
【
図3】定期データ記憶部121が記憶する定期データのデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】請求データ記憶部122が記憶する請求履歴情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】取得部134が取得する注文書データの一例を示す図である。
【
図6】データ処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<データ処理システムSの概要>
図1は、実施の形態に係るデータ処理システムSの概要を説明する図である。データ処理システムSは、請求書データを生成し、請求書データを授受するシステムである。なお、請求書データは、請求書を電子化したデータである。データ処理システムSは、データ処理装置1と情報端末2とを有する。
【0019】
データ処理装置1は、請求書データを生成し、生成した請求書データを請求書の宛先の事業者が使用する会計処理装置(不図示)に送信する装置である。データ処理装置1は、定期的に発行される請求書を自動的に発行する。データ処理装置1は、例えばサーバである。
【0020】
情報端末2は、データ処理装置1が出力する情報を表示し、データ処理装置1を操作するための装置である。情報端末2は、タブレット、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等である。
【0021】
データ処理システムSが警告情報を出力する流れについて説明する。データ処理装置1は、定期請求データを特定する(
図1における(1))。一例として、データ処理装置1は、予め登録された定期データに基づいて定期請求データを特定する。定期データは定期的に発行される請求書の宛先事業者と請求書における請求対象の品目とを関連付けたデータである。
【0022】
データ処理装置1は、特定した定期請求データに基づく請求書が発行済みか否かを判定する(
図1における(2))。データ処理装置1は、特定した定期請求データに基づく請求書が発行済みでない場合、警告情報を情報端末2に出力する(
図1における(3))。
【0023】
<データ処理装置1の構成>
図2は、データ処理装置1の構成を示すブロック図である。データ処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。記憶部12は、定期データ記憶部121、請求データ記憶部122及びモデル記憶部123を有する。制御部13は、特定部131、判定部132、出力部133及び取得部134を有する。
【0024】
通信部11は、ネットワークを介して情報端末2と通信するための通信インターフェースである。記憶部12は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶媒体である。記憶部12は、制御部13を機能させるための各種のプログラムを記憶する。
【0025】
定期データ記憶部121は、定期請求データの宛先事業者と定期請求データにおける請求対象の1以上の品目とを関連付けて記憶する。
図3は、定期データ記憶部121が記憶する定期データのデータ構造の一例を示す図である。
図3に示す定期データにおいては、定期データID(Identification)、定期請求データの宛先及び定期請求データの品目を関連付けて記憶している。定期データIDは登録された定期請求データを識別する識別子である。定期請求データの宛先は、例えば宛先事業者の事業者番号又は事業者名の少なくともいずれかである。定期請求データの品目は、例えば、定期請求データにおいて請求対象となる1以上の商品又は役務の名称である。定期請求データの品目には、商品又は役務それぞれの数量が含まれていてもよい。定期請求データの品目においては、品目の種類、価格や勘定科目などがさらに関連付けられていてもよい。
【0026】
定期データ記憶部121は、宛先事業者及び1以上の品目に関連付けて、請求書の発行時期をさらに記憶してもよい。
図3に示す定期データにおいては、定期請求データに関連付けて定期的に請求を行う請求時期が記憶されている。請求時期は一例として、請求日と周期を含む。請求日は請求書の発行時期が到来した請求書を発行する日である。周期は、請求書を発行する周期である。例えば、定期データが示す請求時期が、請求日が30日で周期が毎月であることを示している場合、定期データは、毎月30日に定期請求データに基づく請求書を発行することを示す。
【0027】
請求データ記憶部122は、発行済みの請求書における請求内容を示す複数の請求データそれぞれの宛先事業者と、複数の請求データそれぞれにおける請求対象の1以上の品目と、複数の請求データそれぞれの発行日と、を関連付けた請求履歴情報を記憶する。
図4は、請求データ記憶部122が記憶する請求履歴情報のデータ構造の一例を示す図である。請求履歴情報には請求書番号、請求書の発行日、請求書の宛先及び請求書において請求される品目が関連付けて記憶されている。
【0028】
請求書番号は請求書を識別する情報である。宛先は一例として宛先事業者の事業者番号と事業者名を含む。品目は、一例として、請求書において請求対象となる複数の品目と、それぞれの品目の数量を含む。請求履歴情報の品目においては、品目の種類、価格や勘定科目などがさらに関連付けられていてもよい。
【0029】
モデル記憶部123は、事業者と品目とが入力されると定期請求データであるか否かを示す情報を出力する学習済みモデルを記憶する。モデル記憶部123は、請求書データに含まれる事業者及び品目を示す情報と、請求書データが定期請求データであるか否かを示すフラグとを関連付けた教師データを学習した学習済みモデルを記憶する。事業者は、請求書の宛先事業者名又は宛先事業者番号である。品目は例えば、請求データに含まれる品目名や品目コードである。
【0030】
モデル記憶部123は、請求書データに含まれる品目の数量をさらに関連付けた教師データを学習した学習済みモデルを記憶してもよい。さらに、モデル記憶部123は、請求データの発行日をさらに関連付けた教師データを学習した学習済みモデルを記憶してもよい。
【0031】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されている制御プログラムを実行することにより、特定部131、判定部132、出力部133及び取得部134として機能する。
【0032】
特定部131は、定期的に発行される請求書における請求内容を示す定期請求データを特定する。特定部131は、定期請求データを様々な方法により特定することができる。一例として、特定部131は、定期データ記憶部121に記憶された宛先事業者と1以上の品目とを含む請求データを定期請求データとして特定する。
【0033】
特定部131は、例えば、請求履歴情報において、宛先事業者と請求対象の品目とが一致する3以上の請求データ相互の発行日の間隔のうち、発行日が近い請求データ同士の複数の間隔の関係に基づいて定期請求データを特定する。一例として、特定部131は、請求履歴情報に含まれる請求データを取得し、同一の宛先事業者に対して同一の品目について請求している請求書データを取得する。そして、特定部131は、取得した請求書データが3以上ある場合、請求書データを発行日の順にソートする。そして、特定部131は、それぞれの請求書データと、その請求書データの直前又は直後に発行された請求書データと、の発行日の差分を算出する。特定部131は、算出したそれぞれの発行日の差分が所定の関係にある場合に取得した請求データを定期請求データとして特定する。所定の関係は、一例として、発行日の間隔が同じ期間(7日、1か月等)となる場合である。
【0034】
特定部131は、複数の間隔のばらつきが所定の範囲以内である場合に、3以上の請求データを定期請求データとして特定してもよい。すなわち、所定の関係は、例えば、発行日の間隔が1か月、隔月、四半期以内となる場合である。休日等の影響で発行日の間隔が増減する場合があるため、所定の日数として例えば10日を加算した40日、70日、100日以内に発行日の間隔がなる場合を所定の関係としてもよい。
【0035】
発行日の間隔は下限値が設定されてもよい。下限値は例えば20日、50日、80日等である。すなわち、発行日の間隔が一例として、20日から40日の範囲となる場合に、特定部131は、取得した請求データを定期請求データとして特定する。
【0036】
特定部131は、発行済みの請求書における請求内容を示す複数の請求データそれぞれの宛先事業者と、複数の請求データそれぞれにおける請求対象の1以上の品目とを学習済みモデルに入力し、学習済みモデルから出力された情報が定期請求データであることを示している場合に、学習済みモデルに入力した宛先事業者及び1以上の品目に対応する請求データを定期請求データとして特定してもよい。
【0037】
特定部131は、モデル記憶部123から学習済みモデルを取得する。特定部131は、請求データにおける宛先事業者と請求データにおける請求対象の品目とを学習済みモデルに入力する。特定部131は、請求データにおける品目の数量や請求書の発行日をさらに学習済みモデルに入力してもよい。そして、学習済みモデルからの出力が入力した請求データが定期請求データであることを示す場合に入力した請求データを定期請求データとして特定する。特定部131が、定期請求データ学習済みモデルを使用して定期請求データを特定することで、予め判定ルールを指定できない場合においても定期請求データを特定することが可能となる。
【0038】
特定部131は、定期的に納品される商品又はサービスに関する注文書データ又は契約書データに記載された宛先事業者と1以上の品目とを含む請求データを定期請求データとして特定してもよい。特定部131は、例えば、記憶部12に記憶された注文書データを参照し、注文書データに含まれる情報に基づいて定期請求データを特定する。特定部131は、注文書データにおける注文内容が、定期的に納品される商品又はサービスであることを示している場合に、注文書データに含まれる情報に基づいて定期請求データを特定してもよい。
【0039】
判定部132は、定期的に発行するべき請求書が発行済であるか否かを判定する。一例として、判定部132は、特定部131が特定した定期請求データに基づく請求書を作成又は発行する第1タイミングよりも後であり、かつ第1タイミングの後に該請求書を作成又は発行する第2タイミングよりも前に、該請求書が発行済であるか否かを判定する。第1タイミングは、例えば請求書を作成若しくは発行するべきタイミングとして予め定められたタイミング、又は定期データに関連付けて記憶された発行時期が示すタイミング等である。第2タイミングは、例えば、決定された第1タイミング又は定期データに関連付けられた発行日に定期データに関連付けられた発行周期を加算して決定される。
【0040】
一例として、判定部132は、第1タイミングに対して所定の範囲の期間内に、定期請求データに対応する宛先事業者に発行された請求書がある場合に、定期請求データに基づく請求書が発行済であると特定する。この所定の範囲は、定期請求書の発行周期に基づいて定められており、例えば1ヵ月である。
【0041】
判定部132は、例えば請求書の発行周期が1ヵ月である場合、定期データに含まれる宛先事業者と1以上の品目とをキーとして請求履歴情報を検索し、第1タイミングの1ヵ月前よりも後に発行された請求書があった場合に、定期的に発行するべき請求書が発行済であると判定する。
【0042】
判定部132は、定期データに含まれる宛先事業者と1以上の品目とをキーとして請求履歴情報を検索し、請求履歴情報から抽出された1以上の請求データのうち発行日が最新である請求データの発行日が検索時から所定の範囲以内であるかに基づいて定期請求データが発行済みであるか否かを判定してもよい。この所定の範囲は、例えば、定期請求データの発行周期よりも長く、発行周期の2倍よりも短い期間である。判定部132は、最新の請求データの発行日が、検索した時点に対して所定の範囲以内である場合、発行されるべき定期請求データが発行済みであると判定し、最新の請求データの発行日が、検索した時点に対して所定の範囲よりも前である場合、発行されるべき定期請求データが発行済でないと判定する。
【0043】
発行周期が1ヵ月である場合、所定の範囲は、例えば35日である。この場合、判定部132は、前回の請求書の発行時点より35日以内であれば発行されるべき定期請求書は発行済みと判定し、前回の請求書の発行時点より35日よりも長い期間が経過していれば定期請求書が未発行であると判定する。この場合、判定部132は、第1タイミングを特定することなく定期請求書が未発行であることを特定することができる。
【0044】
出力部133は、定期請求データに基づく請求書が発行済でないと判定部132が判定した場合に警告情報を出力する。一例として、出力部133は、定期請求データに基づく請求書が発行済でないことを示す警告画面を情報端末2に表示する。出力部133は、警告情報を含むメッセージをデータ処理装置1のユーザに送信してもよい。
【0045】
データ処理装置1は、例えば注文データや契約データに基づいて定期請求データを特定してもよい。データ処理装置1がこのように構成されることで、請求書を発行する事業者においては定期的な請求データを登録する必要がなくなり、利便性が高くなる。
【0046】
取得部134は、各種のデータを取得する。取得部134は、例えば、外部装置又は記憶部12から、宛先事業者と、請求対象の1以上の品目と、定期的な納品日又は定期的な請求日とが記載された注文書データ又は契約書データを取得する。
図5は、取得部134が取得する注文書データの一例を示す図である。一例として、注文書データには、宛先事業者名、宛先事業者番号、注文日、発注する事業者の事業者名、事業者番号、住所又は電話番号、注文する商品又は役務の品名、注文する数量並びに納品日が含まれる。
【0047】
なお、取得部134が取得するデータが契約書データ又は請書データである場合、これらの情報に加えて、支払い期日や支払い周期、口座番号等の支払い方法を示す情報が含まれていてもよい。取得部134は、取得したデータを記憶部12に記憶する。
【0048】
<データ処理装置1における処理の流れ>
図6は、データ処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図6におけるフローチャートは、予め設定された判定処理を行うタイミングが到来した時点から開始している。
【0049】
特定部131は、請求履歴情報を取得する(S01)。特定部131は、定期データ記憶部121に記憶された定期データを取得する(S02)。
【0050】
特定部131は、請求履歴情報から定期請求データを特定する(S03)。特定部131は、定期データから定期請求データを特定する(S04)。判定部132は、特定した定期請求データに基づく請求書が発行済みかを判定する(S05)。
【0051】
出力部133は、特定した定期請求データに基づく請求書の中に未発行の請求書が存在するか否かを判定する(S06)。未発行の請求書が存在しない場合(S06におけるNO)、データ処理装置1は処理を終了する。未発行の請求書が存在する場合(S06におけるYES)、出力部133は警告情報を出力し(S07)、データ処理装置1は、処理を終了する。
【0052】
[データ処理装置1の効果]
以上説明したように、データ処理装置1においては、定期的に発行される請求書における請求内容を示す定期請求データを特定する特定部131と、特定部131が特定した定期請求データに基づく請求書を作成又は発行する第1タイミングよりも後であり、かつ第1タイミングの後に該請求書を作成又は発行する第2タイミングよりも前に、該請求書が発行済であるか否かを判定する判定部132と、定期請求データに基づく請求書が発行済でないと判定部132が判定した場合に警告情報を出力する出力部133と、を有する。データ処理装置1がこのような構成を有することで、継続的にされる取引の請求漏れを防止するための情報を提供することができる。
【0053】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0054】
1 データ処理装置
2 情報端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
121 定期データ記憶部
122 請求データ記憶部
123 モデル記憶部
131 特定部
132 判定部
133 出力部
134 取得部