(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094726
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】扉体開放報知器及びこの扉体開放報知器を備えた建具装置
(51)【国際特許分類】
E06B 7/28 20060101AFI20230629BHJP
【FI】
E06B7/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210200
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】重村 正和
(72)【発明者】
【氏名】小林 諒平
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】長峰 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中▲崎▼ 悠介
(72)【発明者】
【氏名】小峰 正子
(57)【要約】
【課題】 扉体が開放することを開放方向側の人に知らせる。
【解決手段】 扉体20又は該扉体を囲む枠体10に装着される扉体開放報知器であって、扉体20又は枠体10を見込み方向へ跨る基部材31と、扉体20の開放が見込まれる事象を感知する感知部32と、感知部32による感知に応じて報知をする報知部33とを一体的に具備した。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉体又は該扉体を囲む枠体に装着される扉体開放報知器であって、
前記扉体又は前記枠体を見込み方向へ跨る基部材と、前記扉体の開放が見込まれる事象を感知する感知部と、前記感知部による感知に応じて報知をする報知部とを一体的に具備したことを特徴とする扉体開放報知器。
【請求項2】
扉体に装着されるようにした扉体開放報知器であって、
前記基部材が、前記扉体の端部を扉厚方向へ跨るように形成されていることを特徴とする請求項1記載の扉体開放報知器。
【請求項3】
前記基部材は、前記扉体の端部と前記扉体の一方の面と前記扉体の他方の面の3つの部分に接するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の扉体開放報知器。
【請求項4】
前記感知部は、前記扉体の一方の面側に位置するように前記基部材に接続され、前記報知部は、前記扉体の他方の面側に位置するように前記基部材に接続さていることを特徴とする請求項1~3何れか1項記載の扉体開放報知器。
【請求項5】
前記感知部が前記扉体の反開放側で物体を非接触感知するものであることを特徴とする請求項1~4何れか1項記載の扉体開放報知器。
【請求項6】
前記報知部が、前記報知として光を発する装置であることを特徴とする請求項1~5何れか1項記載の扉体開放報知器。
【請求項7】
前記報知部が、前記扉体の開放方向側に報知像を投影する投影装置であることを特徴とする請求項1~6何れか1項記載の扉体開放報知器。
【請求項8】
前記報知像が、前記扉体の回動軌跡に沿う円弧状の像であることを特徴とする請求項7記載の扉体開放報知器。
【請求項9】
前記基部材に沿って前記扉体の端部を扉厚方向へ跨るように、前記感知部と前記報知部の間の電気配線を設けたことを特徴とする請求項1~8何れか1項記載の扉体開放報知器。
【請求項10】
請求項1~9何れか1項記載の扉体開放報知を具備したことを特徴とする建具装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉体の開放を報せる扉体開放報知器、及びこの扉体開放報知器を備えた建具装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建具装置には、例えば特許文献1に記載されるように、開口部を開放するように回動する扉体と、この扉体を囲む枠体と、開閉操作のために手が掛けられる手掛け部(ドアノブ等)を具備したものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術によれば、扉体の開放方向側に人が居る状態で、扉体が開放動作し、前記人が扉体の開放動作に気が付かないでいると、扉体がその人に衝突してしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
扉体又は該扉体を囲む枠体に装着される扉体開放報知器であって、前記扉体又は前記枠体を見込み方向へ跨る基部材と、前記扉体の開放が見込まれる事象を感知する感知部と、前記感知部による感知に応じて報知をする報知部とを一体的に具備したことを特徴とする扉体開放報知器。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、扉体が開放することを開放方向側の人に知らせることができる上、扉体への装着が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る扉体開放報知器の一例を具備した建具装置について、扉体が閉鎖した状態を示す斜視図である。
【
図2】同建具装置について、扉体が開放した状態を示す斜視図である。
【
図3】同建具装置について、扉体を閉鎖した状態を示す縦断面であり、断面を示すハッチングは省略している。
【
図4】本発明に係る扉体開放報知器について、扉体に装着される前の状態を示す側面図である。
【
図5】同扉体開放報知器の制御例を示すフローチャートである。
【
図6】同扉体開放報知器の他の装着例を示す正面図である。
【
図7】本発明に係る扉体開放報知器の他例を具備した建具装置について、扉体が閉鎖されており報知部が作動した直後の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第一の特徴は、扉体又は該扉体を囲む枠体に装着される扉体開放報知器であって、前記扉体又は前記枠体を見込み方向へ跨る基部材と、前記扉体の開放が見込まれる事象を感知する感知部と、前記感知部による感知に応じて報知をする報知部とを一体的に具備した(
図1~7参照)。
ここで、前記「扉体の開放が見込まれる事象」には、前記扉体の開放初期の動作や、前記扉体の開放直前に生じる事象等を含む。
【0009】
第二の特徴としては、扉体に装着されるようにした扉体開放報知器であって、
前記基部材が、前記扉体の端部を扉厚方向へ跨るように形成されている(
図1~7参照)。
【0010】
第三の特徴としては、前記基部材は、前記扉体の端部と前記扉体の一方の面と前記扉体の他方の面の3つの部分に接するように形成されている(
図2~
図4参照)。
【0011】
第四の特徴として、前記感知部は、前記扉体の一方の面側に位置するように前記基部材に接続され、前記報知部は、前記扉体の他方の面側に位置するように前記基部材に接続さている(
図2~
図4参照)。
【0012】
第五の特徴として、前記感知部が前記扉体の反開放側で物体を非接触感知するものである(
図3参照)。
【0013】
第六の特徴として、前記報知部が、前記報知として光を発する装置である(
図1、
図3、
図6及び
図7参照)。
【0014】
第七の特徴として、前記報知部が、前記扉体の開放方向側に報知像を投影する投影装置である(
図7参照)。
【0015】
第八の特徴として、前記報知像が、前記扉体の回動軌跡に沿う円弧状の像である(
図7参照)。
【0016】
第九の特徴として、前記基部材に沿って前記扉体の端部を扉厚方向へ跨るように、前記感知部と前記報知部の間の電気配線を設けた(
図3及び
図4参照)。
【0017】
第十の特徴として、上記扉体開放報知を具備して建具装置を構成した(
図1~
図7参照)。
【0018】
<具体的実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明において、「見付け方向」とは、枠体の横幅方向(左右方向)を意味する。また、「見込み方向」とは、「見付け方向」に略直交する枠の厚みの方向を意味する。
また、「枠内側」とは、枠体の内側を意味し、「枠外側」とは枠体の外側を意味する。
また、「開口幅方向」とは、扉体により開閉される開口部の横幅方向を意味し、本実施態様によれば、「見付け方向」と同方向である。
また、「扉厚方向」とは、扉体の厚みの方向を意味し、本実施態様によれば、「見込み方向」と同方向である。
【0019】
図1~
図4は、本発明に係る扉体開放報知器を備えた建具装置の一例を示す。
この建具装置1は、中央に開口部Aを有する枠体10と、枠体10内で回動して開口部Aを開閉する扉体20と、扉体20の開放が見込まれる事象を感知して報知をする扉体開放報知器30とを具備したドア装置である。
【0020】
枠体10は、閉鎖状態の扉体20の戸尻部に対向する戸尻側枠部材11と、扉体20の戸先部に対向する戸先側枠部材12と、扉体20の上端部に対向する上側枠部材13とを具備して、開口部Aを囲む正面視逆凹字状に構成される。
この枠体10は、当該建具装置1の設置対象である建築物等の躯体壁面の開口に固定される。
【0021】
なお、開口部Aの下方側は、床面や地面としてもよいし、戸尻側枠部材11と戸先側枠部材12の下端部間にわたる沓摺(下枠部材)等としてもよい。
また、
図2中、符号12aは、戸先側枠部材12の枠内側で、全閉した際の扉体20を受ける戸当たり部である。
【0022】
扉体20は、所定の厚みを有する正面視矩形状に形成される。
この扉体20の戸先側であって、上下方向の中央寄りの表面及び裏面には、手掛け部21が設けられる。
この手掛け部21は、通行者等が扉体20の開閉のために手を触れる部位である。図示例の手掛け部21は、回転操作可能なドアノブであり、回転操作されることで、扉体20の戸先面からラッチ22(
図2参照)を出没する。このラッチ22は、戸先側枠部材12の図示しないラッチ受けに嵌脱する。
【0023】
この扉体20には、必要に応じて、施錠機構(図示せず)等が設けられる。この施錠機構は、サムターンやキーの操作により出没するデッドボルトを、戸先側枠部材12の凹状の受座(図示せず)に嵌脱する。
【0024】
扉体20の戸尻側部分は、上下方向に間隔を置いた複数のヒンジ23を介して、戸尻側枠部材11に対し回転自在に接続されている。
扉体20は、ヒンジ23を支点にして回動することで、戸先部分により円弧状の軌跡を描いて開閉動作をする。
【0025】
上記構成の扉体20と枠体10の間には、扉体20の閉鎖動作に抵抗を加えながら扉体20を自動閉鎖するドアクローザー24が設けられる。
このドアクローザー24は、複数のリンク部材や付勢部材、ダンパー等により、扉体20をゆっくりと自動閉鎖するようにした周知の機構である。
このドアクローザー24は、図示例以外の構造のものに置換してもよいし、省くことも可能である。
【0026】
扉体開放報知器30は、扉体20の端部を一方の面側から他方の面側に跨るように形成された基部材31と、扉体20の開放が見込まれる事象を感知する感知部32と、感知部32による感知に応じて報知をする報知部33とを一体的に具備している。
【0027】
基部材31は、扉体20の端部に接する第一接片部31aと、扉体20の一方の面に接する第二接片部31bと、扉体20の他方の面に接する第三接片部31cとの3つの部分に接して、扉体20の端部側に嵌り合う略凹状に形成されている(
図4参照)
この基部材31は、帯状の金属材料を曲げ加工した態様や、合成樹脂材料を前記略凹状に成形した態様等とすることが可能である。
【0028】
第一接片部31aは、図示例によれば、扉体20の上端部に扉厚方向へわたって接するように形成される。
【0029】
第二接片部31bは、第一接片部31aにおける扉厚方向の一端側から下方へ延設され、その延設部分の内面を扉体20の一方の面に接する。
この第二接片部31bにおいて、前記延設方向の端部側(図示例によれば下端側)は、扉体20面から離れる方向へ曲がった縦断面略L字状に形成される。このL字状部分には、感知部32が嵌り合い固定される(
図4参照)。
【0030】
第三接片部31cは、第一接片部31aにおける扉厚方向の他端側から下方へ延設され、その延設部分の内面を扉体20の他方の面に接する。
この第三接片部31cにおいて、前記延設方向の端部側(図示例によれば下端側)は、扉体20面から離れる方向へ曲がった縦断面略L字状に形成される。このL字状部分には、報知部33が嵌り合い固定される。
【0031】
感知部32は、扉体20の反開放側(
図3によれば左側)で所定の感知エリアEに進入する人等の物体を非接触感知するセンサである。この感知部32には、例えば、エリアセンサや、3Dセンサ、焦電センサ等と呼称される周知のセンサを用いることが可能である。
感知エリアEは、感知部32の下方側であって、扉体20の反開放側の面に近接する範囲内に設定される。
この感知部32は、扉体20の一方の面側に位置するように、基部材31の第二接片部31bに接続される。
【0032】
報知部33は、開放方向側への報知として光を発する発光装置である。図示例の報知部33は、扉体20の開放方向側へ光を発するLEDと、このLEDを感知部32の感知信号に応じて発光させる制御部33aとを具備している。
報知部33は、扉体20の他方の面側(図示例よれば、感知部32の略真裏)に位置し、基部材31に接続されている。これら報知部33と感知部32の間には、電気配線34が設けられる。
【0033】
電気配線34は、基部材31に沿って扉体20の端部を扉体20の一方の面側から他方の面側に跨るように設けられた電線である。
この電気配線34は、図示例によれば、扉体20に接しない基部材31の外側部分(すなわち、基部材31と枠体10の間)に沿うように設けられ、感知部32の感知信号を報知部33の制御部33aへ伝達する。
【0034】
なお、電気配線34の他例としては、基部材31の内側部分(すなわち、基部材31と扉体20の間)に沿うように設けることも可能である。
さらに、他例としては、制御部33aの一部または全部を感知部32側に設け、感知部32の感知信号に応じて制御部33aから出力される制御信号を、電気配線34によって報知部33へ供給するようにしてもよい。
さらに、他例としては、電気配線34を省いて、感知部32の感知信号を無線送受信機により報知部33へ伝送することも可能である。
【0035】
報知部33の電源は、災害時でも電源供給可能なように、電池や、充電されたバッテリー等とするのが好ましい。この電源は、着脱可能であって、感知部32又は報知部33内に収納してもよいし、感知部32や報知部33とは別体にして基部材31と一体的に設けてもよい。
【0036】
上記構成の扉体開放報知器30は、扉体20上端部の横幅方向の適宜位置(図示例によれば中央寄り)に、着脱可能に装着される(
図4参照)。
そして、扉体開放報知器30は、ずれたり外れたりすることのないように、扉体20に対し固定される。この固定手段は、例えば、第二接片部31bと第三接片部31c間が弾性的に拡げられて扉体20に嵌め合わせられるようにした嵌合とすればよい。また、この固定手段の他例としては、ねじ止め、接着剤や両面テープを用いた接着、磁石による吸着、吸盤による吸着、これらを適宜に組わせた態様等とすることが可能である。
【0037】
次に、制御部33aによる制御の一例を、
図5に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。
図1に示す扉体20の全閉状態において、初期状態では、報知部33のLEDは消灯している。そして、感知部32は、扉体20の反開放側に感知エリアEを形成する。
【0038】
この状態において、制御部33aは、感知部32の感知信号を受けると、次のステップS2へ処理を進め、そうでなれば、処理をステップS4へジャンプする。
【0039】
ステップS2では、報知部33のLEDを点灯して、開放方向側の人に、扉体20が開放する可能性があることを注意喚起する。
【0040】
この時点で、扉体20の開放方向側に人が居た場合、その人は、報知部33の点灯により、扉体20が開放動作を開始しようとしていることを認知することができる。このため、前記人は、開放する扉体20に接触しないように行動することができる。
【0041】
次に、ステップS3では、感知部32の感知信号がオフになって所定時間(図示例によれば、2秒)経過したか否かが判断される。
詳細に説明すれば、制御部33aは、感知部32の感知信号がオフになるのを待ち、オフになったら図示しないタイマーによるカウントを開始し、所定時間経過したか否かを判断し、所定時間経過したことを条件に次ぎステップS4へ処理をすすめる。このステップS3によれば、感知部32のチャタリング等に起因する誤作動を防ぐことができる。
【0042】
次のステップS4では、報知部33のLEDを消灯して、ステップS1へ処理を戻す。
【0043】
よって、上記構成の建具装置1によれば、扉体20の開放方向側に人が居る状態で、扉体20が開放動作し、扉体20の開放方向側に居る人が扉体20の開放動作に気が付かないようなことを防ぐことができ、ひいては、開放動作する扉体20が前記人へ接触するのを防ぐことができる。
また、上記構成の扉体開放報知器30は、扉体20の上端部に凹状に嵌め合わせられるため、扉体20への装着が容易である。
しかも、扉体開放報知器30は扉体20に対し着脱可能であるため、予め扉体開放報知器30を具備しない扉体20に対し、後付けで扉体開放報知器30を容易に装着することができる。また、扉体開放報知器30に対するメンテナンスや交換等も容易である。
【0044】
<変形例>
上記実施態様によれば、特に好ましい態様として、扉体開放報知器30を扉体20の上端部に装着したが、他例としては、
図6に示す建具装置2のように、扉体開放報知器30を扉体20の戸先側に装着するようにしてもよい。
この建具装置2において、基部材31は、扉体20の戸先部と戸先側枠部材12の間に位置し、扉体20の戸先部を扉厚方向へ跨っている。そして、この基部材31は、扉体20の戸先部に対し、上述した固定手段により固定される。
そして、建具装置2における扉体開放報知器30は、扉体20の反開放側の感知部32によって感知エリアEを形成し、この感知エリアEに人が進入するのに応じて、開放側の報知部33から光を発する。
【0045】
なお、他例としては、基部材31が扉体20の戸尻側端部と戸尻側枠部材11の間で扉厚方向へわたるように扉体開放報知器30を扉体20の戸尻側に設けたり、基部材31が扉体20の下端部と下方側不動面(床面や地面等)との間で扉厚方向へわたるように扉体開放報知器30を扉体20の下端側に設けたりすることも可能である。
【0046】
さらに、他例としては、
図7に示す建具装置3のように、扉体20の上端側に装着される扉体開放報知器30を扉体開放報知器30’に置換してもよい。
扉体開放報知器30’は、扉体開放報知器30において報知部33を報知部33’に置換したものである。
報知部33’は、扉体20の開放方向側における下方側不動面(例えば、床面や地面等)や壁面等に報知像Xを投影する投影装置である。この投影装置には、例えば、プロジェクタや、ラインライト等と呼称される装置を適用可能である。
報知部33’による報知像Xは、扉体20の戸先部の回動軌跡に沿う円弧状の像である。
よって、
図7に示す建具装置3によれば、下方側不動面に投影する円弧状の報知像Xにより、扉体20の回動軌跡を、開放方向側の人に認知させることができる。
【0047】
また、上記実施態様によれば、上記感知部は上記扉体の開放方向側の人を非接触感知する構成としたが、この感知部の他例としては、上記扉体が開放動作直後に扉体周囲の不動部位(例えば枠体等)から離れるのをリミットスイッチや近接スイッチ等により接触感知又は非接触感知する態様や、前記扉体の反開放側の人による扉体へのタッチ操作をタッチセンサ等により感知する態様等とすることも可能である。
【0048】
また、上記実施態様によれば、上記報知部は、光を照射して開放方向側の人に、扉体20の開放を注意喚起する構成としたが、この報知部の他例としては、音を発して扉体20の開放を注意喚起する態様や、振動を発して扉体20の開放を注意喚起する態様、音や光、振動等を適宜に組み合わせた出力を発して扉体20の開放を注意喚起する態様等とすることが可能である。
【0049】
また、上記実施態様によれば、一つの扉体20に対し上記扉体開放報知器を一つ設けたが、他例としては、一つの扉体20に対し上記扉体開放報知器を複数設けるようにしてもよい。
この場合、好ましい一例としては、枠体10から戸当たり部12aを省き、扉体20を扉厚方向の両方へ開放するように設け、この扉体20に対し、報知部33を扉厚方向の一方へ向けた上記扉体開放報知器と、扉体開放報知器30を扉厚方向の他方へ向けた上記扉体開放報知器とを配設する。
この一例によれば、扉体20が扉厚方向のどちらに開放する場合でも、その開放が見込まれる事象を上記扉体開放報知器により感知して、反開方向側の人に注意喚起することができる。
【0050】
また、上記実施態様に扉体開放報知器は、特に好ましい一例として、扉体20に装着される構成としたが、上記扉体開放報知器の他例としては、枠体10(例えば、上側枠部材13)に対し見込み方向へ跨って着脱可能に装着される態様とすることも可能である。
【0051】
また、上記実施態様によれば、上記構成の建具装置をドア装置としたが、この建具装置の基本構造は、折戸装置、バランスドア装置、開閉窓等、回動する扉体(開閉体や戸体等と呼称される場合もある)を具備する建具装置に適用することが可能である。
【0052】
本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0053】
1,2,3:建具装置
10:枠体
20:扉体
30,30’:扉体開放報知器
31:基部材
31a:第一接片部
31b:第二接片部
31c:第三接片部
32:感知部
33:報知部
X:報知像