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特開2023-94810基板収容ケースおよび基板収容ケースの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094810
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】基板収容ケースおよび基板収容ケースの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/00 20060101AFI20230629BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20230629BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20230629BHJP
   G06F 1/18 20060101ALI20230629BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20230629BHJP
   B60R 16/02 20060101ALN20230629BHJP
【FI】
H05K5/00 A
H05K5/03 H
H05K7/14 C
G06F1/18 F
G06F1/16 312M
B60R16/02 610Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210328
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100091340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 敬四郎
(72)【発明者】
【氏名】間地 大
【テーマコード(参考)】
4E360
5E348
【Fターム(参考)】
4E360AB02
4E360BA02
4E360BB22
4E360BD07
4E360CA02
4E360EA12
4E360EA18
4E360ED02
4E360ED28
4E360GA11
4E360GA53
4E360GB99
4E360GC02
4E360GC08
5E348AA07
5E348AA32
5E348AA40
(57)【要約】
【課題】安価であって、容易に組み立て可能な基板収容ケースおよび基板収容ケースの製造方法を提供する。
【解決手段】基板収容ケースは、ベース部材10と、回路基板20と、カバー部材30と、を備える。ベース部材10は、第1の係合部11と第1の締結部12とを有する。回路基板20は、第1の係合部11に係合する第1の穴21と、第1の締結部12に締結される締結部材が挿通する第2の穴22と、を有する。カバー部材30は、第1の穴21または第2の穴22に係合する第2の係合部32を有し、回路基板20の少なくとも一部をカバーする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の係合部と第1の締結部とを有するベース部材と、
前記ベース部材に配置され、前記第1の係合部に係合する第1の穴と、前記第1の締結部に締結される締結部材が挿通する第2の穴と、を有する回路基板と、
前記第1の穴または前記第2の穴に係合する第2の係合部を有し、前記回路基板の少なくとも一部をカバーするカバー部材と、
を備えることを特徴とする基板収容ケース。
【請求項2】
前記第2の係合部は、前記第1の締結部に締結される締結部材が挿通する穴と、前記第2の穴に係合するバーリングと、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板収容ケース。
【請求項3】
前記第1の締結部は、前記第1の係合部の近傍に設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の基板収容ケース。
【請求項4】
前記ベース部材は、前記第1の係合部から離れた位置に設けられた第2の締結部を備え、
前記カバー部材は、前記第2の締結部に締結される締結部材が挿通する長穴を備え、
前記長穴は、前記第2の係合部と前記長穴とを結ぶ線に沿った方向に延びる、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の基板収容ケース。
【請求項5】
前記第1の係合部は、前記第1の穴に係合するバーリングを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板収容ケース。
【請求項6】
前記第2の係合部は、前記第1の穴に係合するバーリングを有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の基板収容ケース。
【請求項7】
第1の係合部と第1の締結部とを有するベース部材と、
前記ベース部材に配置され、前記第1の係合部に係合する第1の穴と、前記第1の締結部に締結される締結部材が挿通する第2の穴と、を有する回路基板と、
第2の係合部を有し、前記回路基板の少なくとも一部をカバーするカバー部材と、
を備え、
前記第1の係合部は、前記第1の穴に係合するバーリングを有し、
前記第2の係合部は、前記第1の係合部が有する前記バーリングに係合する、
ことを特徴とする基板収容ケース。
【請求項8】
第1の係合部と第1の締結部とを有するベース部材に、前記第1の係合部に係合する第1の穴と、前記第1の締結部に締結される締結部材が挿通する第2の穴と、を有する回路基板を、前記第1の穴に前記第1の係合部を係合させて配置する基板配置工程と、
前記ベース部材に配置された前記回路基板に、前記第1の穴または前記第2の穴に係合する第2の係合部を有するカバー部材を、前記第1の穴または前記第2の穴に前記第2の係合部を係合させて配置するカバー部材配置工程と、
前記第1の締結部に前記締結部材を締結する締結工程と、
を備えることを特徴とする基板収容ケースの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板収容ケースおよび基板収容ケースの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板収容ケースは、OA機器、家電機器、車載用制御機器または産業機器に収容される回路基板を保護するために用いられている。
【0003】
特許文献1は、ベース部材と、当該ベース部材に対向して固定されるケース部材とを有し、電子回路基板をベース部材とケース部材との間で固定して収容する基板収容ケースを開示する。この基板収容ケースは、ベース部材および電子回路基板にそれぞれに設けられた複数の貫通孔に、ケース部材に設けられた複数の突起部を嵌合することで、電子回路基板とベース部材とケース部材とを固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-15817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
引用文献1に記載の基板収容ケースは、複数の突起部を有するため、基板収容ケースを金属で作製する場合、複数の金属製の突起部をカシメ、圧入または溶接でケース部材に設ける必要があり、コストがかかるという問題がある。また、引用文献1に記載の基板収容ケースは、ベース部材および電子回路基板にそれぞれ設けられた複数の貫通孔に、ケース部材に設けられた複数の突起部を嵌合する必要があり、容易に組み立てることができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、安価であって、容易に組み立て可能な基板収容ケースおよび基板収容ケースの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的を達成するため、本発明に係る基板収容ケースの一態様は、
第1の係合部と第1の締結部とを有するベース部材と、
前記ベース部材に配置され、前記第1の係合部に係合する第1の穴と、前記第1の締結部に締結される締結部材が挿通する第2の穴と、を有する回路基板と、
前記第1の穴または前記第2の穴に係合する第2の係合部を有し、前記回路基板の少なくとも一部をカバーするカバー部材と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
前記第2の係合部は、前記第1の締結部に締結される締結部材が挿通する穴と、前記第2の穴に係合するバーリングと、を有するとよい。
【0009】
前記第1の締結部は、前記第1の係合部の近傍に設けられているとよい。
【0010】
前記ベース部材は、前記第1の係合部から離れた位置に設けられた第2の締結部を備え、
前記カバー部材は、前記第2の締結部に締結される締結部材が挿通する長穴を備え、
前記長穴は、前記第2の係合部と前記長穴とを結ぶ線に沿った方向に延びるとよい。
【0011】
前記第1の係合部は、前記第1の穴に係合するバーリングを有するとよい。
【0012】
前記第2の係合部は、前記第1の穴に係合するバーリングを有するとよい。
【0013】
本発明の目的を達成するため、本発明に係る基板収容ケースの一態様は、
第1の係合部と第1の締結部とを有するベース部材と、
前記ベース部材に配置され、前記第1の係合部に係合する第1の穴と、前記第1の締結部に締結される締結部材が挿通する第2の穴と、を有する回路基板と、
第2の係合部を有し、前記回路基板の少なくとも一部をカバーするカバー部材と、
を備え、
前記第1の係合部は、前記第1の穴に係合するバーリングを有し、
前記第2の係合部は、前記第1の係合部が有する前記バーリングに係合する、
ことを特徴とする。
【0014】
本発明の目的を達成するため、本発明に係る基板収容ケースの製造方法の一態様は、
第1の係合部と第1の締結部とを有するベース部材に、前記第1の係合部に係合する第1の穴と、前記第1の締結部に締結される締結部材が挿通する第2の穴と、を有する回路基板を、前記第1の穴に前記第1の係合部を係合させて配置する基板配置工程と、
前記ベース部材に配置された前記回路基板に、前記第1の穴または前記第2の穴に係合する第2の係合部を有するカバー部材を、前記第1の穴または前記第2の穴に前記第2の係合部を係合させて配置するカバー部材配置工程と、
前記第1の締結部に前記締結部材を締結する締結工程と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、安価であって、容易に組み立て可能な基板収容ケースおよび基板収容ケースの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態に係る基板収容ケースを示す図である。
図2】実施の形態に係る基板収容ケースを示す分解図である。
図3】実施の形態に係る基板収容ケースを示す分解図である。
図4】実施の形態に係る基板収容ケースを示す部分断面図である。
図5】(A)は、図1のA-A断面図であり、(B)は、図1のB-B断面図である。
図6】実施の形態に係る基板収容ケースの長穴を示す部分拡大図である。
図7】実施の形態に係る基板収容ケースの製造工程を示すフローチャートである。
図8】変形例に係る基板収容ケースを示す部分拡大図である。
図9】変形例に係る基板収容ケースを示す部分拡大図である。
図10】変形例に係る基板収容ケースを示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態に係る基板収容ケースおよび基板収容ケースの製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0018】
実施の形態に係る基板収容ケース100は、図1から図3に示すように、ベース部材10と、回路基板20と、カバー部材30と、締結部材41、42と、を備える。基板収容ケース100は、回路基板20の少なくとも一部をカバーし、回路基板20を保護するものであり、OA機器に内蔵される。また、基板収容ケース100は、回路基板20に配置された電子部品または回路にノイズが発生しないように、外部からの電磁波を遮断するものである。
【0019】
理解を容易にするために、回路基板20の長手方向をx軸方向、回路基板20の短手方向をy軸方向、回路基板20の厚み方向をz軸方向とする直交座標系を設定し、適宜参照する。
【0020】
ベース部材10は、金属板をプレス成型して作製され、平面視において矩形形状を有する。また、ベース部材10は、図4図5(A)および図5(B)に示すように、第1の係合部11と、第1の締結部12と、第2の締結部13と、を備える。また、ベース部材10は、第1の係合部11、第1の締結部12および第2の締結部13以外に、複数の締結部を備える。ベース部材10の厚みT1は、好ましくは、1.0mm以上2.0mm以下である。
【0021】
第1の係合部11は、ベース部材10にエンボス加工により形成される凸部を含む。エンボス加工により形成される凸部で位置決めする場合、凸部の側面の垂直な高さh1が有効高さとなる。第1の係合部11は、凸部の有効高さまで、外径D1を有する。
【0022】
第1の締結部12および第2の締結部13は、ベース部材10に形成されたバーリング12a、13aにねじ溝が切られたネジ穴を有する。第1の締結部12は、第1の係合部11の近傍に設けられている。第2の締結部13は、第1の係合部11から離れた位置に設けられている。
【0023】
回路基板20は、ベース部材10に配置され、複数の電子部品およびコネクタが実装されたプリント配線基板を含む。回路基板20は、第1の穴21と、第2の穴22と、第3の穴23と、を備える。また、回路基板20は、第1の穴21、第2の穴22および第3の穴23以外に、締結部材であるネジが挿通する穴を備える。回路基板20の厚みT2は、好ましくは、0.5mm以上2.0mm以下である。
【0024】
第1の穴21は、第1の係合部11が係合する穴である。第1の穴21の内径D2は、第1の係合部11の外径D1と同じ、または第1の係合部11の外径D1より僅かに大きい。これにより、回路基板20は、ベース部材10に位置決めされる。
【0025】
第2の穴22は、第1の締結部12に締結される締結部材41が挿通する穴である。第2の穴22の内径は、締結部材41の径より大きい。締結部材41は、ネジを含む。
【0026】
第3の穴23は、第2の締結部13に締結される締結部材42が挿通する穴である。第3の穴23の内径は、締結部材42の径より大きい。締結部材42は、ネジを含む。
【0027】
カバー部材30は、金属板をプレス形成して作製され、回路基板20に配置され、回路基板20をカバーするものである。カバー部材30は、第4の穴31と、第2の係合部32と、長穴33と、を備える。また、カバー部材30は、第4の穴31、第2の係合部32および長穴33以外に、締結部材が挿通する穴を備える。カバー部材30の厚みT3は、好ましくは、1.0mm以上2.0mm以下である。
【0028】
第4の穴31は、第1の穴21と同じ位置に配置され、第1の係合部11が干渉しないように設けられた穴である。第4の穴31の内径は、第1の係合部11が干渉しない大きさであればよい。
【0029】
第2の係合部32は、第1の締結部12に締結される締結部材41が挿通する穴32aと、第2の穴22に係合するバーリング32bと、を有する。穴32aの内径D3は、締結部材41の径より大きい。バーリング32bの外径D4は、第2の穴22の内径D5と同じ、または第1の係合部11の外径D5より僅かに大きい。これにより、カバー部材30は、回路基板20に位置決めされる。バーリング32bは、カバー部材30に下穴をあけ、パンチ型で下穴の縁を絞り上げながらフランジを形成することで形成される。
【0030】
長穴33は、第2の締結部13に締結される締結部材42が挿通する穴である。長穴33は、図6に示すように、第2の係合部32と長穴33とを結ぶ線AXに沿った方向に延びる半円と半円を長方形でつなげた形状を有する。長穴33の長さL1は、幅W1より大きい。幅W1は、締結部材42の径と同じ、または締結部材42の径より僅かに大きい。これにより、カバー部材30は、第2の係合部32を中心とした回転方向において、正確に位置決めされる。なお、回路基板20に設けられた第3の穴23も同様に長穴であることが好ましい。これにより、回路基板20は、第1の穴21を中心とした回転方向において、正確に位置決めされる。
【0031】
つぎに、上記構成を有する基板収容ケース100の製造工程について説明する。
【0032】
基板収容ケース100の製造工程は、図7に示すように、基板配置工程(ステップS101)と、カバー部材配置工程(ステップS102)と、締結工程(ステップS103)と、を備える。
【0033】
基板配置工程(ステップS101)では、ベース部材10に回路基板20を配置する。詳細には、ベース部材10に設けられた第1の係合部11に、回路基板20に設けられた第1の穴21を係合する。これにより、回路基板20は、第1の穴21を中心として、ベース部材10に位置決めされる。つぎに、第1の穴21を中心として、回路基板20を回転させながら、回路基板20に設けられた第3の穴23を、ベース部材10に設けられた第2の締結部13に位置合わせする。これにより、回路基板20は、ベース部材10に位置決めされる。
【0034】
カバー部材配置工程(ステップS102)では、回路基板20にカバー部材30を配置する。詳細には、カバー部材30に設けられた第2の係合部32を、回路基板20に設けられた第2の穴22に係合する。これにより、カバー部材30は、第2の係合部32を中心として、回路基板20およびベース部材10に位置決めされる。つぎに、第2の係合部32を中心として、カバー部材30を回転させながら、カバー部材30に設けられた長穴33を、回路基板20に設けられた第3の穴23およびベース部材10に設けられた第2の締結部13に位置合わせする。これにより、回路基板20は、回路基板20およびベース部材10に位置決めされる。
【0035】
締結工程(ステップS103)では、ベース部材10に回路基板20およびカバー部材30を締結する。詳細には、カバー部材30に設けられた長穴33および回路基板20に設けられた第3の穴23に締結部材42を挿入し、ベース部材10に設けられた第2の締結部13にネジで締結する。これにより、回路基板20は、第1の穴21を中心として、ベース部材10に正確に位置決めされる。また、カバー部材30は、第2の係合部32を中心として、回路基板20およびベース部材10に正確に位置決めされる。つぎに、カバー部材30に設けられた第2の係合部32および回路基板20に設けられた第2の穴22に締結部材41を挿入し、ベース部材10に設けられた第1の締結部12に締結部材41で締結する。つぎに、その他の締結部に締結部材で締結する。この結果、基板収容ケース100が得られる。
【0036】
以上のように、本実施の形態の基板収容ケース100および基板収容ケース100の製造方法によれば、回路基板20に設けられた第1の穴21にベース部材10に設けられた第1の係合部11が係合し、回路基板20がベース部材10に位置決めされ、回路基板20に設けられた第2の穴22にカバー部材30に設けられた第2の係合部32が係合することで、カバー部材30が回路基板20に位置決めされる。これにより、基板収容ケース100は、容易に組み立て可能である。また、第2の穴22に係合する第2の係合部32で、位置決めと、締結部材41での締結と、を行うため、高い位置決め精度を有し、位置決めおよび締結に必要な面積を小さくする効果がある。また、第1の係合部11は、エンボス加工により形成でき、第2の係合部32は、バーリング32bを含む。エンボス加工およびバーリングの形成は、安価にできることから、基板収容ケース100は、安価に製造可能である。
なお、ベース部材10にエンボス加工された凸部を形成し、回路基板20およびカバー部材30を位置決めする場合、エンボス加工された凸部の高さを回路基板20の厚みT2以上にする必要がある。しかしながら、エンボス加工により形成される凸部の打ち出し高さは、一般的に厚みT1×0.7、もしくは厚みT1までが限度である。また、エンボス加工により形成される凸部で位置決めする場合、凸部の側面の垂直な高さが有効高さとなる。有効径高さが回路基板20の上に重ねたカバー部材30に届かないことがあるため、回路基板20の上に重ねたカバー部材30を位置決めすることは困難である。
【0037】
(変形例)
上述の実施の形態の基板収容ケース100では、ベース部材10に設けられた第1の係合部11がエンボス加工により形成される凸部を含む例について説明した。第1の係合部11は、回路基板20に設けられた第1の穴21に係合するものであればよい。例えば、図8に示すように、第1の係合部11は、第1の穴21に係合するバーリング11aを備えてもよい。このようにすることで、エンボス加工により形成される凸部と同様に、回路基板20がベース部材10に位置決めされる。バーリング11aの高さh2が回路基板20の厚みT2より小さい場合、図5(A)に示す第1の係合部11が干渉しないように設けられた第4の穴31を設けなくてもよい。
【0038】
上述の実施の形態では、第2の係合部32が第2の穴22に係合するバーリング32bを有する例について説明した。基板収容ケース100は、カバー部材30を位置決めすることができればよく、図9に示すように、第1の係合部11は、第1の穴21に係合するバーリング11aを備え、カバー部材30は、バーリング11aに係合する第2の係合部34と、第1の締結部12に締結される締結部材が挿通する第5の穴35と、を備えてもよい。第2の係合部34は、エンボス加工により形成された凸部を含む。また、図10に示すように、回路基板20の厚みT4が大きい場合、第2の係合部36は、第1の穴21に係合するバーリング36aを有してもよい。このようにすることで、第2の係合部32が第2の穴22に係合する場合と同様に、カバー部材30がベース部材10および回路基板20に位置決めされる。
【0039】
また、上述の実施の形態では、ベース部材10およびカバー部材30が、金属板で形成される例について説明した。ベース部材10およびカバー部材30は、上述した形状を有すればよく、ベース部材10およびカバー部材30のうち一方または両方が、金属板以外の樹脂などで形成されてもよい。
【0040】
また、上述の実施の形態では、カバー部材30が回路基板20の少なくとも一部をカバーする例について説明したが、カバー部材30は、回路基板20の全体をカバーしてもよい。このようにすることで、回路基板20をより保護することが可能となる。
【0041】
また、上述の実施の形態では、基板収容ケース100は、OA機器に内蔵される例について説明したが、基板収容ケース100は、OA機器以外の用途で用いられてもよい。基板収容ケース100は、例えば、家電機器、車載用制御機器または産業機器に内蔵される回路基板を保護するために用いられてもよい。
【0042】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0043】
10…ベース部材
11…第1の係合部
12…第1の締結部
12a、13a…バーリング
13…第2の締結部
20…回路基板
21…第1の穴
22…第2の穴
23…第3の穴
30…カバー部材
31…第4の穴
32、34…第2の係合部
32a…穴
32b…バーリング
33…長穴
35…第5の穴
41、42…締結部材
100…基板収容ケース
T1~T4…厚み
h1~h2…高さ
W1…幅
L1…長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10